【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part15【改蔵】at EROPARO
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part15【改蔵】 - 暇つぶし2ch150:名無しさん@ピンキー
08/04/07 23:44:14 eOTO63za
お久しぶりです。
えー、アニメも終わって寂しい昨今、皆さん、楽しくいきましょう…。

>>143
命令通りの散歩シーン、何だか不思議世界に迷い込んだような感覚に陥りました…。
平然とまといを散歩させている先生が、シュールで良かったです、GJ!
そしてドSな智恵先生に萌えました。
鬼畜命先生といい、どうしてドSはこんなに萌えるのでしょうか。

正当派のS系智恵先生の後に、嘘っぽい智恵先生で大変申し訳ありませんが、
望×智恵の長編SSを投下させてください。

以下、注意書きです…たくさんあるなぁ…orz
1)望先生と智恵先生は、既に恋人同士という前提になっております。
2)えらく長いので、何回かに分けての投下になります。
  (原則、間を空けずに連日投下するようにはいたします)
3)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています。
4)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
5)ちょい役でおっさんですがオリキャラが出てきます。
6)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…多分、ないです。

こんなんでも「読んでやるぜ!」という心のデッドスペースの広い方は
どうぞよろしくお願いいたします。
とりあえず、今回は13レス投下です。


151:伝えたいことば(1) 1/13
08/04/07 23:45:35 eOTO63za
智恵は、目の前の光景にため息をついた。

季節は春。
うららかな日差しの中、校舎の裏手の草むらで、
気持ちよさそうに寝ているのは、彼女の恋人である青年。

年の割りにあどけないその寝顔に、近くの桜の木から舞い散る花びらが
さらさらと流れていく光景は、平和で、微笑ましい光景であった。

――ただし。
今が授業時間中であり、彼が教師である、と言う事実さえなければ、である。

例によって授業をサボり、教室を抜け出した望を探しに出た智恵が、
やっと見つけたのが、ここで、すやすやと眠っている恋人の姿だった。

――まったく、この人は…。

もう一度ため息をつくと、智恵は望の傍らにしゃがみこんだ。
「先生…糸色先生…。………望、起きて。」

肩をゆすると、望はゆっくりと目を開いた。
「ん…智恵…?」
寝ぼけ眼で智恵を見上げると、ほわぁ、と嬉しそうな笑みを浮かべた。

その笑顔に、智恵は思わずくらりときて、慌てて体勢を立て直した。

この年下の恋人は、時々こうやって、無防備な表情をさらけ出す。
そのたびに、智恵は彼の行動を何もかも許してしまいそうになるのだ。

今日こそは、と心を鬼にして望に向き直った智恵だったが、
「智恵…こっち…。」
「きゃっ。」
まだ半分まどろんでいる状態の望に手を引っ張られ、倒れ込んでしまった。
そしてその腕の中に抱きとめられる。

「ん…。」
柔らかく微笑んだ恋人から、甘い、春の香りのする口付けを受けた瞬間、
智恵の決心は跡形もなく溶け去っていた。


152:伝えたいことば(1) 2/13
08/04/07 23:46:30 eOTO63za
だんだんと目覚めてきたらしい望が、指先で優しく智恵の髪を梳く。
その気持ちよさに、智恵は目を細めた。

桜の木の下で、2人は、ゆっくりと口付けを交し合った。
智恵の胸元に桜の花びらが落ちる。

望は、その花びらをそっと拾うと、花びらがあったところに唇を寄せた。
「…っ、だめよ、そんなところに跡をつけちゃ…。」
智恵が望の頭をつかんで、押し返す。

望は、不満そうな顔で智恵を見ると、智恵の襟元をぐい、っと押し広げた。
「んっ…。」
望の唇が、洋服の下、外から見えないところに紅い花びらを散らす。
「は…ぁ…。」
思わず、智恵は甘い吐息をついた。

望はすっかり目覚めたようだ。
智恵のブラウスのボタンに手をかけた。
「ちょっと、こんなところで…。」
「大丈夫ですよ…今は授業中ですから…誰も来ませんよ…。」

授業中、というところが問題なのだと智恵は思ったが、
望の手の動きに、すぐに、考えることを放棄した。

望は、智恵のブラウスのボタンを外して前を肌蹴させると、
後ろに手を回してブラのホックを外した。

量感のある智恵の胸がはじけ出る。
望は、ブラを押し上げると、その智恵の胸の谷間に顔を埋めた。
「もう…いつも、そうやって…。」
「…男なんて、所詮みんな、おっぱい星人なんですよ…。」
幸せそうに、智恵の豊満な胸に頬ずりしながら望が呟く。

望が、そのまま、ちろりと舌を出して智恵の胸の先を舐めた。
「あ…ん。」
智恵の口から甘い声が漏れる。


153:伝えたいことば(1) 3/13
08/04/07 23:48:09 eOTO63za
その智恵の声で火が点いたように、望は智恵の胸への攻略を開始した。

舌を尖らせて先端をつついたかと思うと、
子供が母親の乳房を吸うように、チュクチュクと音をさせて吸い付く。

「ん…っ!」
先端を強く吸われ、智恵の呼吸が荒くなった。
智恵は、熱の篭った目で望を見ると、その袴の帯に手を伸ばした。

智恵がシュルシュルと器用に袴の帯を解くと、望が自分で袴を蹴り飛ばした。
「智恵…随分、袴の脱がせ方が上手くなったじゃないですか…。」
「馬鹿…。」

智恵は、望に手を伸ばし、すっかり存在を主張しているそれを、
下着の上からやわやわとなぞった。
そして、下着の隙間から、つと指を入れるとそれを取り出した。
「男性用の下着って、便利よね…。」
小さく含み笑いをして、望を見上げる。
指は、そのまま優しく望自身を撫で上げていた。

望の顔は紅潮し、唇が少し開いていた。
「望…。」
智恵が巧みな指遣いはそのままに、望に顔を寄せると、望は目を閉じた。
そのまま、2人でゆっくりと舌を絡ませあう。

「ん…はっ、ち、智恵…!」
望は、智恵の手をつかむと、自身から引き離した。
「こ、これ以上は、もう…。」
智恵は、妖艶な笑みを浮かべて望を見返した。
「ええ…私も、あなたが欲しい…。」

望は、息も荒く、智恵のスカートをめくり上げた。
そして、下着の中に手を入れる。

智恵のそこは、すでに十分に潤っていた。
望が、特にほぐす必要もなかった。

望にも、そんな余裕はないようだった。


154:伝えたいことば(1) 4/13
08/04/07 23:49:25 eOTO63za
「いいですか…智恵…。」
望の囁きに、智恵は頷いた。
「…来て…。」

望が智恵の中に侵入する。
智恵は、目を閉じると満足げな吐息を漏らした。

「く…っ、ああ、智恵、いい…。」
「望…私も…。」

重なった2人の上に、桜の花びらが降りかかる。
そのまま2人は、我を忘れて互いを求め合った。


同時に、互いの欲望を解放し、
2人は荒い息をついて、並んで空を見上げていた。

春の光が溢れる、淡い色の空を見上げているうちに、
だんだんと智恵の中に冷静な考えが蘇ってきた。

――ミイラ取りがミイラになってどうするのよ…。

智恵は激しく自己嫌悪に陥った。

智恵は、望に向き直ると、不機嫌そうな口調で質した。
「ねえ、糸色先生は、どうして、すぐに授業をサボるんです?」
「…え…。」

望は、まだ行為後の甘い余韻に浸っていたのか、
いきなりの智恵の糾弾にびっくりした顔をして、起き上がった。

「そのたびに、私が先生を探しに行くハメになるんだから…。」
「何を、あなたは…今こんなときに言わなくたって……。」
望の顔も、徐々に不機嫌なものになっていく。


155:伝えたいことば(1) 5/13
08/04/07 23:50:18 eOTO63za
望は、頬を膨らませると、ぷいんと智恵から顔を背けた。
「智恵先生は、担任を持ったことがないから分からないんですよ。
 あのクラスの担任をするのが、どれくらい大変なのか。」

智恵はかちんときた。
自分も体を起こすと、望を睨みつける。
「悪かったですね、担任を持ったことがなくて!
 どうせ私は、教員資格もない単なるカウンセラーにすぎないわよ!」
「そんなこと言ってるんじゃありません!」
「言ってるじゃないですか!」

2人は、しばし無言で睨み合った。

「……あなたみたいに、怠け者で情けない人、見たことがない!」
「私だって、智恵先生みたいに頑固で薄情な人、見たことないですよ!」

もはや、2人は立ち上がっていた。

「――あなたなんか、大嫌い!」
「こちらこそ!」

2人は、お互いに顔を背けると、智恵は学校へ、望はその逆方向へと
それぞれ歩き始めた。

しかし、大声で罵りあいながらも、
2人とも、この喧嘩をそれほど深刻に取っているわけではなかった。

これは、大人になりきれない2人の、いつもの他愛無い痴話喧嘩。
明日になれば―いや、今日の午後にでも、きっと仲直りできるだろう…。

2人とも、そう思っていた。

――智恵が帰っていった学校に近づく不穏な足音に、
            望も智恵も、全く気が付いていなかった――


156:伝えたいことば(1) 6/13
08/04/07 23:51:18 eOTO63za
*   *   *   *   *   *   *   *


望は、頭が冷えるまで、しばらく街の中をうろついていた。

――まったく、彼女ときたら、あんな甘い雰囲気の後に、
どうしてあんなことが言えるんでしょうね。

望は、街外れを流れる川の近くの土手に腰を下ろした。
手元の草をむしると、川に向かって放り投げる。

――そりゃ、授業をサボった私に非があるのは確かですが…。

ふと、傍らに、智恵の好きな花が咲いていることに気が付いた。

彼女は、街の花屋で売っているような花よりも、
こうした野生の草花の方を好んでいた。
「……。」

――別に、ご機嫌を取るわけじゃないけど…。

望は、手を伸ばすと、その可愛らしい野生の花で、小さな花束を作った。
そして、そろそろ帰ろうかと腰を上げたとき、土手の向こうを、
パトカーがサイレンを鳴らしながら通り過ぎて行った。

――そういえば、さっきから、やけにサイレンがなってますね。

バラバラという音に空を見上げると、ヘリコプターが飛んでいる。

――何か事件でもあったんでしょうか。

急に不安にとらわれて、望は土手を登ると学校へと向かった。

学校へと向かう途中、望の不安は段々に増してきた。
街の人達が、皆、望の歩いていく方向に向かって走って行っているのである。

呼び止めて尋ねようにも、皆、興奮しているようで要領を得ない。
いたたまれず、望も一緒になって走り出そうとしたところに、
後ろから、聞きなれた声がした。


157:伝えたいことば(1) 7/13
08/04/07 23:52:08 eOTO63za
「望!お前、無事だったのか!?倫は?交はどうしたんだ!?」

振り返ると、白衣に医療カバンを抱え、やや青白い顔をした兄が、
息せき切って立っていた。
「倫…?交?…命兄さん…いったい何があったんですか?」

命は唖然とした顔をした。
「お前…知らないのか…!?」
胸の中の不安が一気に膨らむ。
「何があったんです!?」

命が重々しい顔で、望を見た。
「お前の高校が、過激派だかテロリストだかに占拠されたって…。
 今、テレビでもそのことで持ちきりだぞ!!」


――望の手から、花束が落ちた。


思わず、命に詰め寄る。
「テロリストってなんですか!何でうちの高校なんですか!!?」
「良く分からん。
 ただ、お前のところ、校名にネーミングライツとかやってるの、
 この間の新聞に大きく取り上げられてただろう。
 報道によれば、それが原因で、標的になったらしい。」
「な…。」
「神聖なる教育の場で金儲けをする、穢れた資本主義の手先ってな。」
「馬鹿な…。」
望は血が滲むほど、唇を強く噛み締めた。

「それよりも、そうすると倫も、交も、まだ学校の中なんだな。」
命が心配そうに尋ねた。
「多分…。」

望は、学校の方を向いた。
倫と交だけではない。
自分のクラスの教え子達も…そして………彼女も…。


158:伝えたいことば(1) 8/13
08/04/07 23:52:57 eOTO63za
「…テロリストの要求は何なんですか…。」
命は、難しい顔をした。
「先月、アメリカでお粗末なハイジャック未遂事件があっただろう。
 そのときに逮捕された『同志』の解放だと。」
望は絶望的な顔で命を見た。
「そんなの…あの国が応じるわけがないじゃないですか…!!」

望は、心から自分の行動を後悔していた。
なぜ、自分は、授業をサボったりなどしたのだろう。
どうして、自分は、今このとき、彼女の隣にいないのだろう。

「とにかく…近くまで行きましょう!」
望は、命と連れ立って、学校へ向かって走り出した。

学校の前は既に人だかりで、黄色いテープで規制がされていた。
そこに、長身長髪の、作務衣姿の男性の姿があった。

「景兄さん!」
望の呼びかけに、景は振り返った。
「望!無事だったか!命も来てたのか。倫と交はどうした!?」
駆け寄ってきた景に、望は首を振った。
景は顔を曇らせた。
「…っ。とにかくここじゃ、埒が明かない。中に入ろう。」

3人が何とか最前列までこぎつけたところで、制服姿の警察官に阻まれた。

「入れてください!私は、この学校の教師です!!」
命も、望の隣から顔を出す。
「甥も妹も中にいるんだ!通してくれ!!」
「ダメです!何と言われてもこちらが許可した者以外は立ち入り禁止です!」

押し問答をしている2人を見て、景が怒鳴った。
「馬鹿!こういうときに親の七光りを使わないでどうする!」
そう言うと、景は命の携帯電話であちこちに電話をかけ始めた。

「はい…はい、ありがとうございます。…はい、よろしくお願いします。」
しばらくして、景が携帯電話を目の前の若い警察官に差し出した。

「おい、お前、この電話を切らずに、ここの責任者のところまで持って行け。」
警察官は、作務衣姿の景を胡散臭そうに眺めると、携帯を引ったくり耳に当てた。


159:伝えたいことば(1) 9/13
08/04/07 23:54:00 eOTO63za
「誰だ、お前…。……。え?……ええ!?」
若い警察官の顔から、みるみるうちに血の気が引いていく。
「し、失礼いたしました。はっ、直ちに!!」
警察官は、そのまま、踵を返すと携帯を持ったままどこかへ走り去った。

望と命は、呆然と景の顔を眺めやった。
「兄さん…誰と電話してたんですか…?」
「ん?警視総監だよ。親父様の秘書からつないでもらった。」
涼しい顔で答える景に、望と命は、顔を見合わせた。

やがて、先ほどの警察官が戻ってくると、3人に対して、
先ほどとは打って変わった丁寧な物腰で、同行するよう依頼した。

「…お父様が、そんなに大物だったなんて、知らなかった…。」
「何言ってるんだ。伊達に、絶大の名を背負ってるわけじゃないんだぞ。」

3人は、「テロ対策本部」と墨痕鮮やかな看板のかかるテントに連れて行かれた。

中に入ると、恰幅のいい中年の男が3人を出迎えた。
「私が、ここの責任者を務める警視庁公安部公安第一課課長の山田だ。
 ここでは、ま、そうだな、本部長と呼んでくれたまえ。
 …君らが、糸色議員の息子達か。確かに、そうそうたる面構えだな。」
頷いて手を差し伸べる。

望は、思わず前に進み出た。
「そ、それより、本部長。現状は、どうなってるんでしょうか。」
本部長は、望を見た。

「君は、あの学校の教師だそうだな。」
「…はい。」
「たった今しがた、テロリストの奴らから連絡が入った。
 一部の女生徒を残して、後は解放するそうだ。」
望達は、息を飲んだ。

「…普通は、女子供から解放するのが先でしょうに…!」

――智恵は…倫は、交は…私の生徒達は…大丈夫なのか…?

望は、他の生徒や教師達に後ろめたく思いつつも、
彼らが解放組に含まれているよう、心から祈った。




160:伝えたいことば(1) 10/13
08/04/07 23:54:59 eOTO63za
*   *   *   *   *   *   *   *


一方、学校の中では、教師も生徒達も、皆、体育館に集められていた。
あちこちですすり泣きがもれる中、銃を持ち、覆面をしたテロリスト達が
人質を囲んでいる。

智恵は、交を膝に抱きしめながら、テロリストたちを睨んでいた。

今、現実に起きていることが、信じられなかった。



智恵は、望と言い合いをした後、カッカしながらSC室に帰っていった。

そして、お茶でも飲んで気を落ち着けようと、ポットに手を伸ばした瞬間、
玄関から凄まじい爆音と、怒号、悲鳴が聞こえてきたのだ。

驚いて廊下に出ると、階下から煙が上がってきていた。
そこに、聞こえてきたのは銃声らしき音。
もちろん、実際の銃声を聞くのなど、初めてだった。
――な、何!?いったい何があったの!?

パニックになっていると、煙の中から覆面をした男達が飛び出してきた。
そして、両腕をつかまれ、体育館まで連行され、今に至るというわけである。

はじめの頃、教師の1人が、勇敢にもテロリストに抗議をした。
「何故、こんなことをするんだ!我々が何をした!」
その教師は、テロリストに銃の台座で殴られ、倒れ臥した。
泣き叫んでいた生徒達が、一瞬にして静まった。

テロリストの首謀者らしき、口髭を生やした男が、楽しそうに人質を見渡した。
「貴様らの高校は、腐った資本主義の手先、金の亡者の見本だ。
 我々は、全世界に向けて、堕落しきったこの国に活をいれ、
 全人類が等しく幸せになるユートピアを作り上げるべく、今ここに立ち上がった!!」

「…考え方が、半世紀以上遅れてるんじゃないかしら…。」
智恵は口の中で呟いた。


161:伝えたいことば(1) 11/13
08/04/07 23:55:49 eOTO63za
髭の男は続けた。
「我々は、日本政府に対し、資本主義的帝国主義者の巣窟である彼の国に
 囚われている勇敢なる同志を解放するよう交渉することを求めている!
 それが受け入れられないときは、貴様らの命はないものと思え!」

体育館の雰囲気が、再び恐怖に満ちる。
テロリストたちの要求が受け入れられる可能性は、ゼロに等しいように思われた。

「智恵先生…望叔父さんは、どこにいるんだ?」
隣に座っていた交が、小さな声で尋ねてきた。

智恵も、先ほどからずっと、望の姿を目で探していた。
どうやら、人質の中に望の姿はないようだ。

――まだ、戻ってきてなかったのね…。

失望と安堵とを同時に感じながら、息をつく。
「交君…叔父さんは、無事よ。多分、お外にいらっしゃるわ。」
「そっか…心配してるね、きっと…。」

交の言葉に、智恵の胸はキリ、と痛んだ。

――望…。

さっき、喧嘩別れしたばかりの恋人の顔が目に浮かぶ。

――あなたなんか、大嫌い!
最後に、望に投げつけた言葉が心に蘇った。

――……あんなこと、言わなければ良かった…。

喧嘩別れしたまま、仲直りもできないままに、
もし、自分がここで死んでしまったら…。
あの、繊細な青年は、多分、一生それを引きずって生きていくだろう。

――それだけは、だめ……どうか…誰か、私達を、助けて…!

智恵は、目を閉じると、両手を強く握り締めた。


162:伝えたいことば(1) 12/13
08/04/07 23:56:39 eOTO63za
しばらくたって、髭の男が再び声を張り上げた。
「よーし、一部、交渉がまとまった。
 お前ら人質のうち、そうだな…こいつらを残して、あとは解放してやるぞ!」

髭の男が「残す」として指差したのは、2年へ組の少女達が座る一角だった。
「な…!」
智恵は言葉を失った。

彼の、クラスの生徒達。
望が、いつも文句を言い、授業をサボりながらも、
教え子達に深い愛情を抱いているのを、智恵は知っていた。

この子達を置いて、自分だけが助かるわけにはいかない――!
智恵は、交を横に押しやると、思わず声を張り上げていた。
「私も、残ります!!」
「智恵先生!」
交が驚いたように智恵を見上げる。

髭の男は、ん?というように智恵を睨みつけた。
「…なんだ、お前は。」
両脇の若いテロリスト達が、智恵に銃口を向ける。

智恵は、喉かカラカラに渇いているのを感じた。
「わ、私は…この学校の保健医です…。
 か、彼女達が怪我をしたとき…誰か、手当てをする者が必要です!」
口からのでまかせを、必死につむぎ出した。

髭の男は、しばらく黙って智恵を睨めつけていた。
智恵は、恐怖と緊張のあまり、気が遠くなりそうだった。

と、そこに、のんびりとしたしわがれ声が上がった。
「私も、一緒に、残らせてもらえませんかな。」

智恵は、声の主を振り返った。
「甚六先生…。」


163:伝えたいことば(1) 13/13
08/04/07 23:57:49 eOTO63za
初老の教師は、どっこらしょ、と立ち上がると、髭の男に向き直った。
「智恵先生も、もう1人くらい手伝いがいた方がいいでしょうし…、それに。」
甚六は、他の生徒に聞こえないよう、男に向かって声をひそめた。
「それに、いざ、人質から犠牲者を選ぶときは、女子供よりも、
 私のようなクソ親爺の方が、世間からの非難は少ないですよ。」

髭の男は、ぐいと眉を上げると、つばを吐いた。
「腐った資本主義者の連中にどう思われようが、そんなものはかまわん。
 …だが、まあ、いい。」
男は、智恵と甚六を見た。

か弱い女性と、いかにも非力そうな初老の教師。
「お前ら、そんなに早死にしたければ、残るがいい。」

ほっと息をつく智恵に、甚六は、にっこりと微笑んだ。

交が叫んだ。
「そんな!倫も、智恵先生も、残るのか!?だったら俺も残る!!」
「だめ。」
智恵がしゃがみこむと、交の両肩に手を置いた。

「あなたは、外に行って、望叔父さんに教えてあげて。
 倫ちゃんも、クラスの皆も、元気ですって。
 …それから……。」
智恵は、言いよどんだが、思い切って口にした。
「…智恵が、叔父さんを愛してるって…そう、伝えてちょうだい。」
交は、驚いたように涙の溜まった目を見開いて、智恵を見上げた。

そこに、倫がそっと膝でにじり寄ってきた。
「交。智恵先生の言うとおりだ。
 お前は、先に外で待っていろ。私たちも、必ず後から出て行くから。」

それを聞いた若いテロリストが、ふん、と鼻を鳴らした。

交は、しばらく下を向いていたが、やがてぐい、と涙を拭くと顔を上げた。
「分かった…俺、行くから。…だから、倫も、智恵先生も、絶対、出て来いよ。」
そう言うと、交は立ち上がって解放される人質の列に加わった。

智恵は、ほっと息をつくと、目を潤ませて交を見送った。

――交君…あの人に、よろしく…。




164:430
08/04/07 23:58:57 eOTO63za
始めのレスに、名前欄に名前を入れるのを忘れておりましたorz

とりあえず、今回はここまでです…えーと、トンデモ展開ですいません。
先日、何を思ったか「ト●・ソルジャー」なぞを読んでしまったもので…。
テロとかの知識はゼロなので、おかしいところ満載だとは思いますが、
生暖かくスルーでお願いいたします。


165:名無しさん@ピンキー
08/04/08 00:09:44 rHha4gAj
ぶっ飛んでるけど…
良いんじゃないですか?




本当にこのテロリストみたいなのが居そうで怖いよな

166:名無しさん@ピンキー
08/04/08 00:22:42 VWd/SxJE
乙です。

自分も何か書きたいけど投下する勇気がない。

167:名無しさん@ピンキー
08/04/08 01:09:37 uueqBWZW
GJ
智恵先生エロいよ可愛いよ

168:名無しさん@ピンキー
08/04/08 01:14:31 49HArf8M
>>149
命メインのシリーズもの続きと単発ネタとの差だ

169:名無しさん@ピンキー
08/04/08 01:40:25 28o2AfnF
>>164
すごいですな………GJです
まさか生徒たちが屈辱されるなんて展開がくるのだろうか
たぶん智恵×望だけでしょうが
甚六先生かっけぇ

170:83
08/04/08 01:43:51 k5jldSl0
さらに今更ですが、長持ちしそうなうpろだを見つけたのでテキストで置いていきます。
望と霧のカップリングで、そう言って良ければ普通の話。

URLリンク(i-get.jp)

171:名無しさん@ピンキー
08/04/08 01:49:19 tgvDOUxu
ちなみに、保管庫のトップページにはアップローだのリンクがある、
URLリンク(www3.uploader.jp)

172:名無しさん@ピンキー
08/04/08 10:18:07 7fsWbrtW
>>164
この先の展開が想像できないジンロク先生活躍するんだろうかwktk

173:名無しさん@ピンキー
08/04/08 10:55:26 iK9EzYPR
書いた時はこれは完璧だ、と自画自賛しながら投下したものだが、
いざ保管庫に載って改めて読んでみると、どーも薄っぺらくてつまらない。

どうしたらうまく書けんのかなぁ?

174:名無しさん@ピンキー
08/04/08 12:18:30 yeuFcH/K
保管庫はレスごとの区切りがないから余計メリハリが必要になるんじゃないかな

175:名無しさん@ピンキー
08/04/08 13:04:55 /GrGewAO
>>170

しかしもうちょっと改行しようぜ

176:名無しさん@ピンキー
08/04/08 13:27:07 R9ftGjW9
>>164
何と言うか… 甘エロな展開から、いきなり冷水を浴びせられたようだ。
とにかく続きが楽しみなんだぜ。
スキの無い先生にチョット萌えたw 

177:名無しさん@ピンキー
08/04/08 15:36:17 WFmw43Tm
途中で止めないで、最後まで一話を書き切ってくれると嬉しいんだが。

完結編に期待してるよ。

178:名無しさん@ピンキー
08/04/08 15:58:42 Ses/Kfas
>>164
甚六先生がテロリストフルボッコする展開が一瞬で思い浮かんできた俺は
間違いなく甚六スキー

179:名無しさん@ピンキー
08/04/08 15:59:07 7CZotiJD
今から投下しようと思うんですが、
>>164の方の続きを待ってからの方がいいのでしょうか?
なにぶん一見なので・・・

180:名無しさん@ピンキー
08/04/08 16:08:44 vYf8Pb9d
何回かに分けて投下って言ってるから大丈夫じゃね?
一見様の投下待ってるよ!

181:名無しさん@ピンキー
08/04/08 16:16:02 7CZotiJD
では・・・
・木野×加賀陵辱
・軽く鬱
・原作レイプ
・先生は女生徒達と関係を持っている前提
話は短めです。投下初めてなんでトラブッたらすいません。

182:半人半獣
08/04/08 16:17:23 7CZotiJD
夕暮れの宿直室から俺の好きな女の喘ぎ声がかすかに響いてくる。
中の様子は見えないが何が行われているかは明白で、
俺は悶々として出てくるはずの女を待っていた。
暫くするとその声も収まりガラリと戸が開けられる。
「すいません、お相手してくださって・・・」
「謝らないで下さい加賀さん、私も好きでやっていることですから」
別れの挨拶を済ませると俺の待ち人、加賀愛が宿直室から出てきた。
絶望が戸を閉めたのを見計らい声を掛ける。
「加賀さん」
「ひっ、き、木野さん・・・何か御用ですか?」
「君にこれを渡そうと思って」
そう言って俺は春の新作の蟹びぃむTシャツを差し出した。
「こっ、困ります木野さん!」
まただよ、あんなヤツには体も許しているってのに、俺のことは眼中に無いってのか・・・
「そんな事言わずにさぁ・・・」
「すっ、すいません失礼します」
そういうと加賀は、俺を振り切ってスタスタと去っていってしまう。
どうして分かってくれない?こんなに君の事を想っているのに・・・
そんな事を考えているうちに、何かが弾けたような気がした。
気がつくと俺は加賀を近くの男子トイレに引きずり込んでいた。もうどうにでもなってしまえ。
「木野さん、なにを!!」
「加賀さん・・やらせてよ・・・アイツとはしょっちゅうやってるんだろ?」
「いっ、いやあぁぁ!やめてください!!」
うるさい。さっきは大人しくしていたじゃないか。


183:半人半獣
08/04/08 16:18:46 7CZotiJD
俺は渡すはずだったTシャツを加賀の口に押し込んで黙らせ、服を剥ぎ取っていった。
露になった下の唇に指を差し入れる。
「んうぅー!!」
何か言いたいようだけど知るものか。知るものか。
「さっきは中に出されたんだよな、そんなもの掻きだして綺麗にしてやるよ」
「んぐぅ!んぐぅー!!」
案の定中からは白濁した物が吐き出されてくる。
「あーあこんなにドロドロにされちゃって」
アイツのは気持ちよかったんだろうか?
ふと加賀の顔を見ると相当苦しそうだ・・そういえば花粉症だったっけ?
慌ててシャツを引っ張り出すと、げほげほと呼吸を再開している。危ない、危ない。
未だ息が整わない加賀は震える瞳で見上げてくる、その瞳は恐怖の色に染まっていた。
「あっ、あう、ああ」
「言葉ががでないの?そんなに怖がるなよ、人が来ないうちにすぐに済ますから」
そういうと俺は、肉棒を取り出すと加賀の秘所に押し込む。
「うあぁぁやあぁ!」


184:半人半獣
08/04/08 16:19:56 7CZotiJD
またうるさくするのか、黙れ、だまれ、ダマレ
どうやって静かにさせようか、思案した後・・・加賀の首筋に喰らいつく。
「うぐうぅ・・うぅぅ・・・」
消え入りそうな呻き声を上げながら、口をパクパクさせている。
やっと大人しくなったか・・これでようやく存分に犯せる・・
しかし、
「何をしているのですか!?」
(また邪魔が入ったよ・・・)
振り返ると叫び声を聞きつけてきたのだろうか?絶望が見下ろしている。
「木野君止めなさい!自分のしていることが分かっているのですか!?」
「邪魔はしないで下さいよ先生、さっきあんた等がやってたこと言いふらされたくなければ」
「なっ」
「そうなったら終わりですよねぇ、あんたも加賀さんも」
言い終わると行為を再開し、同じ場所に喰らいつく。口の中に薄っすらと鉄の味が広がる。
「かはぁっ・・・くあぁぁぁ・・・・」
「糞ッ」 (汚い言葉使っちゃ駄目ですよ先生。)
「せんせぇ・・・いいんです、私がっ、我慢すればいいんれすから・・すいません・・ごめんなさい・」
そんなにこいつが良いのか?俺は知っている、こいつが他の女子生徒とも
関係していることを。加賀はその事を知っているのか?
いや、知らないはずが無い。男の俺でも気付くような事だ、それでもこいつが良いのか?


185:半人半獣
08/04/08 16:20:50 7CZotiJD
加賀の顔に俺の顔から水滴が落ちる。
(汗でもかいたのかな?暑い季節でもないのに・・・)
「うくぅ・・あ・・」
気が付くと俺は加賀の中に精を吐き出していた。
挿しているものを引き抜き、口も離して彼女を開放する。
首には歯型がくっきりと残されていて、だらしなく開けられた口からは涎を垂らし、空虚な瞳は真っ直ぐに天井に向けられている。
酷い状態の加賀を見た絶望はすかさず介抱に掛かっていた。
それを見届けた俺は、フラフラと校舎の外へと歩いて行く。

「すいません、ごめんなさい」
加賀の謝罪の言葉が耳から離れない。
こんな筈じゃなかった、こんな事する気は無かった。
すっかり暗くなった空を見上げて、頭の中で反芻する。
「今日は満月か・・・」
いつの間にか顔を出していた月を見ていると、不意に頬を熱い雫が流れ落ちた。
ああ、俺は泣いている?こんな獣にも泣くことが出来るのか?
夜空に浮かぶ月に向かって一声吠えて、俺は何処へとも無く歩き出した。




186:名無しさん@ピンキー
08/04/08 16:23:19 7CZotiJD
冗長にならないように短くしたのですが、よけいにgdgdになった
かもしれません。
駄文失礼しました。

187:名無しさん@ピンキー
08/04/08 17:26:23 /EKIlDCz
この中で誰が悪いって先生が最低だなww

188:名無しさん@ピンキー
08/04/08 17:44:22 lWE6bYSY
>>164を見てる時に、
頭の中でずっと「SP」の音楽が流れていた俺はおかしい?

189:名無しさん@ピンキー
08/04/08 18:23:47 v0ZM0TaM
うん、この絶望先生は死んでも悲しまれないな

190:名無しさん@ピンキー
08/04/08 18:30:34 rHha4gAj
だって好きでヤッてんだもんな

死んでも100000倍は悲しまれないだろうな

191:名無しさん@ピンキー
08/04/08 19:28:32 2vFut8E/
>>186
ちょww先生ww
自分がヤリまくってること言いふらすって脅されて
教え子が目の前でヤラレてんの黙って見てるってアンタww

192:名無しさん@ピンキー
08/04/08 19:56:18 6gDvmjZ3
このスレには最低な先生が多いよな
まぁ構わないけど

193:名無しさん@ピンキー
08/04/08 20:02:42 rHha4gAj
成る程こういうときに使うのか

だがそれがいい

194:430
08/04/08 20:39:05 RT5JJtBY
早い時間にこんばんは。
>>150>>163の続きで、今回は12レス投下させていただきます。

>>169
鬼畜エロが書けない奴なので、生徒に対するエロはありません。
そういう華麗な展開は、花束の鬼畜命先生にお任せします…。

>>177
すいません、途中の段階でエラク長くなってしまったため、
さすがに一気投下は無理と思い、書きながら投下に踏み切ってしまいました。
その分、日を置かずに投下しますので、どうかご容赦下さい。。。

>>186
皆さん同様、木野よりも先生の鬼畜ぶりに目を引かれました。
先生、ひどいよ~!
そして愛ちゃんはどうやっても可愛いです。

以下、注意書きです…増えましたorz
1)望先生と智恵先生は既に恋人同士の設定になっております。
2)えらく長いので、何回かに分けての投下になります。
  (原則、間を空けずに連日投下するようにはいたします)
3)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています(特に景兄…)。
4)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
5)ちょい役でおっさんですが、オリキャラがでてきます。
6)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…ないです。
7)今回はエロがありません。

こんな注意書き満載の話ですが、それでもよろしければお付き合い下さい。


195:伝えたいことば(2) 1/12
08/04/08 20:40:37 RT5JJtBY
*   *   *   *   *   *   *   *


望は、苛々と人質の解放を待っていた。
中の様子が分からないことが、いっそう、不安を煽る。

携帯電話は持っていたが、本部から、人質に電話をすることは禁じられていた。
中の状況が分からない以上、闇雲に連絡を取ろうとするのは危険だった。
しかも、相手は女子供を人質として残すような、卑怯な連中である。
刺激するようなマネは、できる限り避けなければならなかった。

と、向こうの方が騒がしくなった。
「人質が出てきたぞ…怪我人がいる!!」
その声に、命が医療カバンをつかんで立ち上がった。

望と景も、急ぎ足で命の後に続く。

「望叔父さん!!」
「交!!」
解放された人質の中に、交を見つけ、望と景は駆け寄った。

「交、倫はどうした?」
「智恵先生は!?」
景と望の質問に、交は下を向いた。

「倫と、智恵先生と、叔父さんのクラスの姉ちゃん達は…まだ、中だよ。」
「…な…。」
望は絶句した。

――智恵…倫…みんな…!!

どうして、自分の身の周りの者達だけが…。
望は、爪が手の平に食い込むほどに両拳を握り締めた。


196:伝えたいことば(2) 2/12
08/04/08 20:41:23 RT5JJtBY
望は、かさついた唇を舐めると、交に尋ねた。
「それで…、皆、無事なんですか…?」
交は頷いた。
「うん…。怪我をしたのは、あの先生だけ。」
と、向こうで命が応急手当を施している教師を指差す。

「智恵先生が、叔父さんに伝えてくれって。
 皆、元気ですって。あと…。」
交が、望を見上げた。

「あと…智恵先生が、叔父さんのことを愛してる、って、伝えて…って。」

望は、顔面を殴られたかのような衝撃を感じた。
そのまま、ふらふらと後ずさる。

――愛してる、と伝えて…。

まるで、遺言のように聞こえる、その言葉。

――智恵……智恵、智恵……!!

呼吸が苦しい。
今すぐにでも、智恵の声を聞きたかった。

「望…大丈夫か?」
近くにあった机に両手をついて、肩で息をする望を、
景が心配そうに見やった。

そこに、治療を終えた命が駆け寄ってきた。
「交!!良かった…っ!!…で、倫は…!?」
景が命を見て、首を振る。
命は、景を見て、その隣の望の表情に目を止めると、呟いた。
「智恵先生も、まだ中なのか…。」

望は、再び拳を握り締めた。
ここで、ただ手をこまねいているだけの自分がもどかしい。
何か、自分にできることはないか。

そこに、本部長がどすどすと憤った様子でやってきた。


197:伝えたいことば(2) 3/12
08/04/08 20:43:27 RT5JJtBY
「か弱い女子供だけを残すとは…本当に卑劣極まりないやつらですな。」
「…。」
望と命は、一瞬、黙って目を合わせた。

「か弱い女子供」というには、2年へ組の女生徒達は余りに強烈であった。
テロリスト達が、彼女達の本性を知っていたら、
決して、あの子達を人質として残そうとはしなかっただろう。

しかし、それでも、相手は武器を持ったテロリストである。
心配なことには違いなかった。

と、交が、本部長の言葉に首をかしげた。
「女子供だけじゃないよ。甚六先生も、残ってるよ。」
「あ…。」
望は、交の言葉に気がついた。
確かに、解放された人質の中に、あの温和な初老の教師の姿が見えない。

そのとき、本部長の鋭い声が望を驚かせた。
「今、甚六と言ったか…?…まさか、般若の甚六か!?」
本部長の目は、カッと大きく見開かれていた。
交が、怯えたように後ずさる。

望は交の肩に手を回しながら答えた。
「た、確かに、甚六先生の背中には大きな般若の刺青がありますが…。
 本部長は、甚六先生のことを、ご存知なんですか?」

本部長は、望の質問が聞こえていないようだった。
「――般若の刺青!!間違いない!!!!
 そうか…確かに、あの後、教師になったとは聞いていたが…。
 彼が、中にいるのであれば…これは、何とかなるかもしれないぞ!」

望は、興奮し始めた本部長を驚きの目で見た。
「本部長…甚六先生とは、いったいどういう…。」
本部長は、そこで初めて望の存在を思い出したように顔を上げ、
気まずそうな表情になった。

「……あ、いや…。
 彼が自分から話していないのであれば、私の口からは言うべきではないだろう。
 …しかし、彼と連絡が取れれば…我々には、十分勝算がありますぞ!」
握りこぶしを作る本部長に、望達は顔を見合わせた。



198:伝えたいことば(2) 4/12
08/04/08 20:44:30 RT5JJtBY
本部長の号令のもと、部下一同がテントに集まり、作戦会議が始まった。

望達は、よほど親の威光が効いているのか、それとも眼中にないのか、
作成会議の最中にも出て行けとは言われなかった。
しかし、さすがに、交は現場から出て行くように言われ、
嫌がって暴れる交を、先ほど駆けつけた時田が、あやしながら連れて行った。

専門用語が飛び交う中、望が何とか把握した作戦とは、単純に言うと
誰かが武器を持って学校に忍び込み、武器を甚六に渡し、
これも持ち込んだ催涙弾と煙幕弾によって生徒達を逃がしつつ、
中と外からテロリストを制圧するという非常にシンプルなものであった。

確かに、甚六は以前、厳重な警戒下にある某国の収容所を爆破し、
瀕死の自分を助けてくれたこともある、謎の人物ではあった。
しかし、今回は10名以上の人質がいるのだ。

「…そんなんで、本当に、人質に怪我人は出ないんでしょうかね…。」
心配そうに呟く望に、本部長がムッとした顔で振り返った。

「甚六の実力を舐めちゃいかん。
 何しろ奴は、あの砂漠の練り消し作戦では、1人で一個連隊を…。」
と言いかけて、口をつぐんだ。
「とにかく、素人は黙って見ていたまえ!」

そこに、部下の1人が口をはさんだ。
「しかし、課長、もとい本部長…甚六に、武器を渡す方法が問題です。
 敵の人数は、ざっと見ても20人以上。皆、武器を携帯しています。
 しかも、この学校は周辺に遮蔽物がない。
 SWATでも、奴らに見つからずに学校に近づくのは至難の業です。」
「むむむ…。」
本部長は腕組みをした。

望が、はっと顔を上げた。
――見つからずに、学校に侵入する方法…。

望は、自分でも気がつかないままに会議の円卓に進み出ていた。
本部長が怪訝そうに望を見上げる。
望は、本部長の目を見ると、静かな声で言った。
「私なら…テロリストに見つからずに、学校に入ることができます…。」


199:伝えたいことば(2) 5/12
08/04/08 20:45:16 RT5JJtBY
「なんだと…。」
本部長が目を丸くした。
景と命も、驚いたように望を見た。

望は、皆を見渡すと、説明を始めた。
「この高校は、今までに何度も火災や爆発にあってまして…。」
本部長やその部下たちが驚いたように望を見る。
「…今までにも、ここで、そんな事件があったと?」
「そんな記録はなかったぞ。」

ざわめく公安部の連中に、望は両手を上げて苦笑した。
「別に事件ではありませんから…公安の記録にないのは当然です。」
単に自分のクラスの生徒の暴走です、と言うのはさすがにためらわれた。

「私は、学校の宿直室に住み暮らしているので、その際に、
 何度か危険な目にもあったことがありまして…。」
爆発も火災も、実は、大体は自分が原因で、とは更に言い辛かった。

「それで、先般の改築の際、地下に抜け道を作ってもらったんです。」
円卓から、おお、という声が漏れた。

「だったら…その抜け道さえ教えてもらえば。」
「そうだ、別に素人の君が行かなくても…。」
円卓に座った連中が口々にいう。

望は首を振った。
「それが…地下道はかなり入り組んだ迷路になってまして…いずれにせよ、
 私が一緒に行かなければ、たどり着くのは難しいかと…。」
「何でまた、そんなものを…。」
「…。」
包丁やスコップを持って追いかけてくる教え子達から、
無事逃げおおせるため、等とは口が裂けても言えなかった。

「しかし…君は、全くの素人じゃないか…万が一失敗したら…。」
「それでは、地下道の出口まで案内してもらえれば…。」
ざわめく部下たちを、本部長はしばらく眺めていたが、
椅子にどさりと背中を預けると、一言呟いた。
「――いいんじゃないか。彼に行ってもらうのも。」

部下たち、そして、望自身も驚いて本部長を振り返った。


200:伝えたいことば(2) 6/12
08/04/08 20:46:10 RT5JJtBY
望としては、もとより、この役目は他の誰にも譲るつもりはなかったが、
こう簡単に認めてもらえるとも思っていなかった。

本部長は腕を組むと目を宙にさまよわせながら続けた。
「むしろ…彼個人の行動、とした方が、
 いざと言うときにテロリストを刺激しないで、人質も安全かもしれん。」
「…。」
景が、後ろの方でぴくりと眉を上げた。

「しかし、その場合、万が一、君がテロリストに捕まった場合には、
 あくまでも君個人の判断でのことだ、と言い張ってもらわなければ。」
本部長の言葉に、望は、頷いた。

そのとき、「なるほどな。」と、景が前に進み出た。
「そうすれば、万が一作戦が失敗した場合、
 マスコミに対しても、この作戦は公安は関与していない、
 はねっ返りの一教師のスタンドプレーだ、と説明できるからな。」
命が、景の言葉を聞いて、はっとしたように息を飲んだ。

景の口調は軽かったが、その目は、鋭く本部長を睨んでいた。
しかし、本部長は、どこ吹く風といった表情で景の視線を外した。
「私は、そのようなことを言った覚えはないぞ。
 だいたい、弟君は、自分が行くことを望んでいるんじゃないのかね。」

望は景を見た。
「景兄さん、お願いです…私に行かせてください。」
景は望を見返した。
「望…お前…。」
「お願いです。私は、絶対に、やり遂げて見せますから。」

いつも、サボって、逃げてばかりいたヘタレな自分だが、
今度こそ、逃げることはしない――望は、自分に固く誓った。

「よし、これで決定だな。」
話を打ち切るように本部長は立ち上がった。

「そうしたら、まず、甚六に、この作戦を伝えなければな。」
「…どうやって、甚六先生に連絡を取るんです。」
「そこは、我々のやり方に任せてくれ。」
本部長は、にやりと笑って見せた。




201:伝えたいことば(2) 7/12
08/04/08 20:47:05 RT5JJtBY
* * * * * * * *


その頃、智恵は、2年へ組の女生徒達と一緒に、
体育館の用具室に閉じ込められていた。
入口の外には、テロリストが2名ほど見張りに立っているようだ。

「先生…こんなことになったのは、私のせいなんでしょうか…。」
加賀愛が、目を赤く腫らして智恵に擦り寄ってくる。
その横には、不安そうな顔をした日塔奈美。
「先生…怖いよ…。」
智恵は、黙って2人の肩を抱いた。

しかし。
智恵は、周囲を見回して、どうも違和感を拭いきれなかった。

テロリストに囲まれて、人質となっている17歳の少女達。
本来なら、恐怖に怯えていて当然である。
ところが、先の2名以外は、皆、余りにも落ち着いているのだ。

ただ静かに座っている倫などは、まだ良い方で、
テロリストに対し、全員釈放するか全員人質にするかきっちりしろと
イライラしている千里。
テロリストの服装を「貴重な資料だわ」といいつつスケッチし始める晴美。
「今朝、先生に撒かれた。」とそればかりを悔しがっているまとい。
(これについては、智恵は内心ほっと胸をなでおろしていた。)
どこから材料を持ち込んだのか、時間が惜しい、と造花作りをはじめる麻菜実。
テロリストが持つ火器を、羨ましげに見つめる真夜。
胸をじろじろ眺めるテロリストに「訴えるよ。」とタンカを切ろうとするカエレ。
テロリストの若者がかぶっているビーバーの尻尾の帽子に目を輝かせるあびる。
混み合う用具室に、「ここは、あたしの場所なのに…。」と文句を言う霧。
何を考えているのか、暢気に鼻歌を歌っている可符香。

彼女達の行動1つ1つが、テロリスト達の神経を逆なでするのではないかと、
智恵は、彼女達をその都度制止したり、テロリストの目から隠したり、
冷や冷やしっぱなしであった。


202:伝えたいことば(2) 8/12
08/04/08 20:47:55 RT5JJtBY
今も、芽留がメールを打とうとしているのを見て、智恵は慌てて携帯を取り上げた。
そんなところをテロリスト達に見られたら、何をされるか分からない。

ところが、芽留は、携帯を取り上げたとたん理解不能の言語で叫び始めた。
しかたなく、智恵は、「絶対に、メールを打ってはだめよ。」と
言い聞かせ、芽留に携帯を返した。

そして、ふと気がつくと、マリアの姿が見えないことに気がついた。
慌てて入口の近くに座っている甚六に声をかけた。

「甚六先生!関内さんを見ませんでしたか!?」
甚六は、のほほんとした顔を上げた。
「関内さんでしたら、先ほど、天井裏から外に出て行ったようですよ。」

その答えにぎょっとして上を見ると、天井板の一角が外れている。
普通の人間なら無理だろうが、小柄なマリアなら通れそうな大きさだ。
「いつの間に…しかも、こんな、テロリストがうろついているときに!」

智恵はぐったりとその場に顔を伏せた。

――あのクラスの担任をするのが、どれくらい大変なのか…。

望の不服そうな声が脳裏に蘇る。
確かに、望の言う通りだ、と智恵は思った。

このクラスの女生徒達は、余りに常識からかけはなれている。
この子達と毎日付き合うには、ものすごいエネルギーが必要だろう。

智恵は、自分が望に投げつけた言葉を心から後悔した。

――今度会ったら…謝らなくちゃ…。

しかし、再び生きて会えるのだろうか…。
智恵が物思いにふけったそのとき。

外から、拡声器を通じた声が聞こえてきた。


203:伝えたいことば(2) 9/12
08/04/08 20:48:44 RT5JJtBY
『学校に立てこもっている諸君。
 今なら、まだ、間に合う。投降したまえ――!』

智恵は、何事かと用具室についている小さな窓に駆け寄った。
生徒達も、いぶかしげに顔を上げて聞き入っている。

用具室の扉の外で、見張りのテロリスト達が叫んでいる声がした。
「なんだ?これは?」

拡声器の声は続いている。

『君たち、早く降参しないと般若心境を唱えるはめになるぞ。
 太陽の彼方から、般若が煙と火を持って、お前らを攻め立てるのだ。
 悪いことは言わない。早く、降参したまえ!』

「般若って…何だか、へんてこな脅し文句ねぇ…。」
智恵は、座っていた甚六に同意を求めようとして、口を閉じた。

甚六の顔からは温和な表情が消え、細い目が凝った光を湛えていた。

甚六は、無言ですっと立ち上がると、智恵のいる窓際に歩み寄った。
智恵は、思わず、一歩後ろに下がった。
窓の向こうには、午後の太陽が燦々と輝いている。
そのとき、智恵の目に、窓の外、遠くで何かがキラリと光るのが見えた。

――何?今のは…反射?

甚六が、窓の外を見ながら呟いた。
「…山田の馬鹿が…こんな派手な方法を取って、人質に何かあったらどうする…。」
そう言いながら、ポケットから手鏡を取り出した。
「まあ、室内に見張りを置かないなんて、奴らも、とんだ素人だが…。」
「甚六先生…?」

智恵の問いかけに答えず、甚六は、先ほど光った辺りに向けて手鏡をかざした。
手鏡に、太陽の光がきらきらと反射する。

しばらくして、甚六が手鏡をポケットにしまうと、智恵は恐る恐る尋ねた。
「甚六先生…今のは…?」

甚六は、人のよさそうないつもの顔に戻ると、智恵に笑いかけた。
「――どうやら、援軍が来るようです。」




204:伝えたいことば(2) 10/12
08/04/08 20:49:40 RT5JJtBY
*   *   *   *   *   *   *   *


望は、本部のテントの中を、不安そうにそわそわ行ったり来たりしていた。
「あんな挑発的なことを言って…人質は大丈夫なんですか…。」

そのとき、テントの中に、部下が走りこんできた。
「本部長!甚六より返事がありました!体育館の用具室です!
『スベテリョウカイ トウチャクヲマツ』とのことです!」

望達は、本日何度目になるか分からないが、再び顔を見合わせた。

「――よし!作戦αを展開するぞ!!」

本部長が頬を紅潮させて叫んだ。





「これとこれと…あと、これもだ。」
本部のテントの中で、望に、次々に、物騒な物が渡される。

煙幕弾、催涙弾を各1ケース。
簡易の防護マスク17個。
9ミリパラベラム1丁。
予備のマガジン。

望は、それらを1つ1つ丈夫な布のリュックに入れると、
不安そうに本部長を見た。
「甚六先生に渡す武器は…この拳銃1丁だけでいいんですか?」

本部長は頷いた。
「人質もいるし、狭いところで余り口径の大きな銃は使いづらい。
 奴なら、これ1丁で何とかできる。
 それに…これ以上、荷物が増えても、却って君が動き辛いだろう。」

確かに、簡易とは言え防護マスク17個を含む荷物はずっしりと重く、
望の細い身体では、これ以上の重量は耐え切れそうになかった。


205:伝えたいことば(2) 11/12
08/04/08 20:50:27 RT5JJtBY
望は、動きやすいよう、Tシャツとミリタリーパンツに着替えた。
と、そのとき、脱いだ着物の袂に、川で摘んだ花が1輪入っているのに気がついた。

――花束を作るときにでも、ひっかかりましたか…。

望は、少し考えると、その花をそっとミリタリーパンツのポケットに収めた。



「はっは!そういう格好してると、お前、実家にいるときみたいだな!」
着替え終わった望を見て、景が笑った。
「少し、チャラチャラ具合が足りませんけどね。」
「…当たり前だ…。」
景に対し軽口で応じた望に、命が苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
命は、最後まで、望が行くことに反対していた。
「命兄さん…。」
望は困ったような顔で命を見たが、命は不機嫌な顔のまま望に背を向けた。



望は、リュックを肩に担ぐと、景、命、そして公安の1人と一緒に、
抜け穴の入口に向かった。

学校の裏手の、古びた東屋の中に、それはあった。
「こんなところに…良く作ったもんだな。」
東屋の床を上げると現れた階段に、景は感嘆の声を上げた。

望は、ふと顔を上げた。
東屋の向こうに、桜の木が見える。
そこは、数時間前に、望と智恵が愛し合った場所だった。

――ほんの数時間前なのに…ずいぶん昔のことのようですね…。

望は、頭を振った。
今は、思い出に浸っている場合ではない。

前に踏み出そうとしたとき、
「――おい。」
ふいに、後ろから強い力で腕をつかまれた。


206:伝えたいことば(2) 12/12
08/04/08 20:51:15 RT5JJtBY
望が振り向くと、真剣な顔でこちらを見ている命と目が合った。

命は、食いしばった歯の間から、一言一言、押し出すように言った。
「望…。多少の、怪我なら、かまわない、私が治してやる。
 だが………死んだら、許さんからな…!」

普段見ない兄の必死の表情に、望はとまどった。
安心させるように微笑んで見せると、腕から命の手を外した。
「大丈夫ですよ…私が命冥加なのは、兄さんも知っているでしょう?」

景が、命の後ろから歩み寄ると、望の肩を叩いた。
「望…倫を頼む。そして、お前の恋人と教え子達を、見事救い出して来い!」
望は、景に向かってにこっと笑うと、頷いた。

そして、武器の入った袋を担ぐと、一瞬よろめきながらも、
「それでは――行ってきます!」
片手を上げて、抜け穴へと入っていった。

それを見ていた公安の部下が、腕時計を見ながら無線で報告した。
「こちらポイントデルタ。
 ヒトゴマルマル、予定通り、作成開始いたしました!」




望が抜け穴に消えた後も、命は、両腕を抱え込むようにして
抜け穴の入口を見つめていた。

景は、命の後ろに立つと、ぽん、とその頭に手を置いた。
命が、景を振り返る。
「景兄さん…。」
景は、命に向かって頷いた。

「大丈夫だ…あいつは、見た目ほど柔じゃない。」
最後は自分に言い聞かせるように、景は呟いた。
「必ず、倫も、皆も、助け出して見せるさ…。」




207:430
08/04/08 20:52:05 RT5JJtBY
今回はここまでです。また明日投下しに来ます…。

えー、説明的な話に終始して色気がなくてスイマセン。
武器とか作戦とか素人臭くてスイマセン。
地下の抜け道とか、いろいろとご都合主義でスイマセン。

そして、もしかして、砂漠の練り消し作戦のエピソードは、
甚六先生ではなくあびる父だったような気もしてきました。


208:名無しさん@ピンキー
08/04/08 21:02:56 gK+eoEAi
>207
乙!
日本はSWATじゃなくてSATだがそんなささいな突っ込みはどうでもいいw
続き楽しみにWKTKで待つ

209:名無しさん@ピンキー
08/04/08 21:30:50 Ses/Kfas
>>207
砂漠のねり消しって甚六じゃね?とか思ってたら
同じこと考えててちょっといい気分になった

210:名無しさん@ピンキー
08/04/08 21:34:39 hjyPjHv7
>>207
ご都合主義どんとこいですよ

特殊部隊「砂漠の練り消し」はあびる父の話で出たけど望の勘違いだし
甚六の色々なのを考えれば問題ないでしょ

211:名無しさん@ピンキー
08/04/08 22:05:36 1Z3pWOiA
>>207
毎回いい所で「つづくっ!」なのがニクイ。
楽しみなんだぜ!
ほんと映画みたいだ。

212:名無しさん@ピンキー
08/04/08 22:20:29 28o2AfnF
>>207
すごい面白いね
2のへのメンバーならこんなテロリスト相手におとなしくしてはないよね
鬼畜展開を求むような作品じゃないし

213:名無しさん@ピンキー
08/04/08 22:34:38 rHha4gAj
糸色兄弟がかっこいい

214:その花束に絶望を
08/04/08 22:46:51 KzId0cn6
>>207
こ、これはGod-Jobと言わざるを得ない………ッ
望と智恵先生の関係も素敵ですが、それ以前に1つのエンターテイメントとして魅力的過ぎます
皆さんの、特に甚六先生とか甚六先生とか甚六先生とかのご活躍を心よりお祈りしています
あと、なんか>>194で生徒陵辱分は任されちゃったみたいなので、死ぬ気で頑張ります



………と、いうことで
そんな素敵作品の直後で恐縮しっぱなしですが、鬼畜絶命先生の続編書きあがったので、投下しに来ました

・絶命先生が鬼畜です
・陵辱あります

以上の注意事項を了解していただいた上で、お読みください
8レス消費予定、では、参ります

215:その花束に絶望を karte12 (1/8)
08/04/08 22:49:30 KzId0cn6
「いやぁー、まさか、こんなこと頼まれるなんて思いもしなかった………。」
2人以外には誰も居なくなった教室で、楽しそうにそう言いながら、晴海は、その紙袋を差し出した。
「素質あるんじゃないかとは思ってたんだけどね。小節さんスタイルも良いし、きっと似合うと思う!」
「あ………有難う………。」
「リアル包帯ってのも、結構ポイント高いよ………って、ごめん、こんなこと言っちゃ悪いかな………。」
「………ううん、気にしないで………。」
それを受け取って………教室に居たもう1人、あびるは、ぎこちなく微笑む。
その声の、微妙な震えには気付くことなく………晴海は、思わぬところで見つけた、自分と似た趣味を持つ友人に
興味津々な様子で質問を投げ掛けた。
「でも、いきなり路上って結構、冒険だよね。初めてなんでしょ、今回?」
「あ、いや………その………。」
「イベントとかコスパとか、行ったことないんでしょ?急に、そんなにいろんな人に見られて大丈夫?」
晴海にそう問われて、あびるはほんの少しだけ狼狽えた。が………その脳裏に、すぐに、事前に聞かされていた
模範的な返答が浮かぶ。あびるは、それを自分に授けた人間の顔を思い出し、嫌悪感を感じながらも………それを
表に出すことはせずに、晴海の質問に答える。
「そ、の………あの………。」
「ん?」
「………彼氏が、ね………そういう、人で………。」
「………………へっ?」
あびるの言葉の後、たっぷり間を置いて、晴海は素っ頓狂な声を上げた。
「え、彼氏、って………え?それって、あの、まさか………先生、の、こと………?」
晴海の、その勘違いに気付き、あびるは慌てて首を横に振る。
「ち、違うの!先生のことは………あれは、その、ちょっとした、誤解、っていうか………。」
「え………あ、ああ!ビックリした、私てっきり、もう先生とそういう関係になってるのかと………。」
どもりながら弁解するあびるの言葉を聞いて、晴海は、心底安堵したような声でそう言った。
「明日からどんな顔して千里に会えばいいんだろう、とか本気で考えちゃった………いやいやいや………。」
「そういうのじゃ、なくて、その………別の、人………。」
「そうだったんだ。私ずっと、小節さんって先生のこと好きなんだとばっかり………へぇ、そうかぁ………。」
「うん、だから、先生のことは………私、なんとも………。」
押し潰されたような、搾り出すような声で、あびるは………用意された言葉で、そう、嘘を吐いた。
その様子に一抹の違和感を感じながらも、それ以上その話に突っ込もうとはせず………晴海はまた、明るい声で
さきほどまでの話を続け始める。
「まぁ、とりあえず。経験者が付いててくれるなら、たぶん大丈夫よね。」
「う、うん………そう、ね………。」
「とにかく、もう、とびっきり萌えるの選んどいたから!コスプレデビュー、頑張ってね!」
ビッ、と親指を立てて、新たな仲間の門出を心から応援して。晴海は、どこか上機嫌な様子で、教室を後にした。
その背中を、見送ってから………あびるは深い溜息を吐き、ゆっくりとした動作で、歩き出す。
そして、あびるが晴海に続いて、教室から廊下へ踏み出そうとしたそのとき………あびるの携帯が、震え始めた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


「………そうか、ちゃんと調達できたなら良かった。」
診療所の机に向かいながら、命は手にした携帯に向かってそう言った。その電話は、あびるの持つ携帯に繋がって
いるが、その声は電話をしている命以外には聞こえていない。
「じゃぁ早速、次の休みにでも………落ち合う場所は、追って連絡しよう。」
どこか事務的な声で言いながら、命は手元のカルテにペンを走らせ、院長としての仕事を片付けていく。
「………皮肉のつもりかな?生憎、私はそういう嗜好には疎くてね。」
電話越しのあびるに何を言われたのか、命は不意に、乾いた嘲笑を漏らした。
「とにかく、今後の指示を待って貰おう。逆らうという選択肢が無いことは………そうか。なら、良し。」
最後にそう言って、あびるが短く返答するのを聞いてから………命は、手にした携帯をぱたりと2つに折り畳んだ。
ランプが数秒間点滅し、やがて、それは沈黙する。
命は1度、背もたれに身を預けて天井を仰ぎ………その口元を、怪しく歪ませた。

216:その花束に絶望を karte12 (2/8)
08/04/08 22:50:08 KzId0cn6


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


その数日後、あびるの携帯に、あの日予告された命からの指示が届き。
更に、その数日後の………とある、週末。
「………ふむ。実際眼にしてみると、なかなか、悪くないな………。」
「………ッ………。」
しがらみ町を遠く離れた街の、いくつかの路線が交わる駅の近く、他では余り見られない格好の人間が行き交う、
大きな通りに程近いとあるビジネスホテルの一室で。命とあびるは、いつか診療所で出会ったときと………命が、
倫に命じて密かに撮影させたあびるのあられもない姿の写真を手に脅しを掛けたときと同じように、正面から向き
合っていた。
命の平然とした表情、あびるの悔しげな表情も、2人の力関係も、そのまま。あの日と違うのは、舞台と………
あびるの着ている、衣装だけだろうか。
「そう、邪険にするなよ………慣れれば、楽しいんじゃないのか?そういう趣味も。」
そう言って、短く笑った命の眼の前で………あびるは、命の指示のもと、晴海に嘘を吐いて調達したその衣装に、
身を包んでいた。
露出度の高い、ほとんどパレオ付きのセパレートの水着と変わらない構造の、黒いエナメルの衣装。膝まである
長いソックスに、肘まである手袋。その裾はことごとく、白いフリルで綺麗に装飾されている。更にオプションと
して、ハイヒールと、黒い猫耳を象ったカチューシャと、赤い首輪と………スカートの中から生えた、尻尾。
完全に、この街のディープな住人にしか見えないような、大胆かつマニアックなコスチュームプレイ。普段から
巻いている包帯も、貼っている湿布も、今は衣装に付属するオプションの1つにしか見えなかった。
そして、更に………外部からは、見えない部分。あびる本人と、それを仕掛けた命だけが知るオプションがある。
命はベッド脇に置かれた椅子に腰掛けながら、しばしまじまじと、どことなく恥ずかしげな様子で佇むあびるの
姿を鑑賞した後………そのポケットから、2つのリモコンを取り出す。
「さて、こっちはちゃんと動くかな?」
「あ………っ………!?」
あびるがその動作に気付き、身の危険を感じるよりも早く………命の指が、そのスイッチをスライドさせた。瞬間、
その身体がビクリと震え、表情が歪む。
見ると………その、それほど短くは無いスカートの中から生えて、針金に支えられ外側にカールしている作り物の
尻尾が、微妙に、揺れ動き始めていた。
「ッ………っ、ぅ………っ!」
必死で声を押し殺しながら、あびるは………その尻尾が取り付けられた先で蠢く機械の刺激に、耐え続ける。
尻の穴に埋められた、動物の尻尾を模した装飾が施されたバイブは、命の手元にあるリモコンからの信号を受けて、
ぐねぐねとその身をくねらせ続けた。
「………っ、ふ、ぅ………ッ、ッッ………!!」
「………よし。正常に、動いているみたいだね。」
あびるがよろよろと壁に身を預けた所で、命は手元のリモコンのスイッチを切った。未だその余韻に苛まれながら
も、あびるは、直腸からの刺激が止んだことに安堵し、震える喉で深い息を吐く。
その表情を見て、命は唇の端を微妙に吊り上げながら、さきほど取り出した別のリモコンに手をやる。
「………前の方も、試してみるか?」
「や………ッ………!?」
その、尻とは別に秘裂にも沈められたバイブのリモコンを自分の下腹部に向ける命の姿に、あびるは声を詰まらせ
身体を硬直させた。今そんなことをされたら、耐えられない………その予感が、あびるを戦慄させる。

217:その花束に絶望を karte12 (3/8)
08/04/08 22:50:42 KzId0cn6
だが。命は、まるでその様子を見ただけで満足してしまったかのように、薄ら笑いを浮かべながらそのリモコンを
手放した。あびるの身体を支配する2つのリモコンが、白衣のポケットに収められる。
「ははは………軽い、冗談だよ。」
「………っ………!」
思わず、あびるの腰が砕ける。壁によりかかったまま、ずるずると崩れ落ちるようにその場にへたり込む。
命は椅子から立ち上がり、それを足元に見下ろす位置まで歩み寄って………その頭に、手を置いた。
「………本番は、これからだ。あとは………外で、たっぷり楽しませて貰うよ。」
本当に、まるで飼い猫の頭を撫でるような優しい手つきでその美しい黒髪を撫でながら………その様とは対照的に、
獰猛そうな笑みを浮かべて。
「あとは、その上からコートを着て外に出るだけだ。ほら、立て。」
「………ぁ、ぅ………。」
呻くあびるの腕を乱暴に引っ張って、立ち上がらせた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


街は、人で溢れかえっていた。
歩行者天国となった道路には、普通の街中では決して見られないような、様々な格好をした人間が行き交っている。
水着のような衣装を着た人、着物を来て模造刀を腰にぶら下げた人、西洋の騎士のような鎧を着込んだ人、飾りの
ついた学生服を着た人、男装した女性、女装した男性。そして、そうした趣味に興じる人間を目当てとして集まり、
手にしたカメラで写真を撮る人の群れ。
そんな、混沌とした人混みの中、本来は車道であるはずの場所に、あびるは立っていた。
カチューシャを外し、コートを着ていた時はほとんど見向きもされなかったが………ひとたびそれを脱ぎ捨て、懐
に忍ばせていた黒い猫耳を頭に乗せると、その周囲はあっという間に、ドーナツ型の黒山の人集りと化した。
「きゃー、スタイル良いですね!」
「うわ、滅茶苦茶可愛いじゃん………何?アイドルの販促イベントかなんか?」
「やべぇ、リアル包帯娘とか超萌える!」
「見て見て、あの尻尾本物みたいじゃない!?」
取り囲んだ人々が、口々にあびるの姿を賞賛する声が聞こえる。その中心で、逃げ場の無い状況に追い込まれつつ、
あびるはその人々に控えめな笑顔を返していた。本当は、こんな格好で、しかも人知れず2本もバイブを咥え込んだ
まま衆人環視の元に放り出されるなど、恥ずかしくて気が狂いそうな想いだったが………今のあびるに、命の命令
に逆らうという選択肢は用意されていない。
幸い、周囲の興奮状態と喧騒、そして本来のあびるを知る者が誰も居ない状況のおかげで、誰もあびるの異変には
気付いていないらしい。せめて、誰にも気付かれぬよう、少しでも自然にやり過ごさなければ………あびるは心の
中でそう決意し、必死で、その羞恥心に耐え続けた。
「これ、手作りですか?衣装も、小物も。」
「えっと、あの………と、友達に用意して貰って………。」
「お友達もレイヤーさんなんですね、今日は一緒なんですか?」
「あ、いえ、今日は、私1人で………はい………。」
時折投げ掛けられる質問にも、当たり障りの無い答えを返していく。何事も無く過ぎていく時間が、やがて、その
脳裏に『もしかするとこのまま無事に事を終えられるのではないか?』という一縷の望みを過ぎらせる。
………だが。命の毒牙に掛かったあびるに………そんな結果が、用意されているはずもない。
同じ人混みの中、誰にも知られない場所で………誰の耳にも届かない、カチ、というごく小さな音が響く。
「………は、ッ………!?」
瞬間、あびるは一瞬で背筋を突き抜けたその衝撃に、背中を逸らせ息を詰まらせた。
秘裂に埋められ、抜け落ちないようにエナメルの衣装に支えられたバイブが、振動しながら身を捩じらせ始める。
普通なら眼の届かない、しかし、仮に身を屈めて覗き込めば簡単に視認できてしまう、スカートの中では………脚
の間から生え、その衣装の底部を歪に盛り上げているバイブの尾部が、厭らしくうねっていた。仮に、ここが静寂
に包まれた場所だったなら、そのモーター音もしっかりと聞こえているはずだ。

218:その花束に絶望を karte12 (4/8)
08/04/08 22:52:06 KzId0cn6
「(………~~~ッッッ!!!)」
数多の視線を一身に受けながら、自分は………淫具に秘所を蹂躙され、身体を反応させている。
誰にも気付かれずとも、あびる自身が1番よく、激しく体感しているその事実が、あびるの顔を火照らせていく。
あびるは必死で顔を上げ、自分を取り巻く人混みの中に命の姿を探した。リモコンの電波が届く以上、近い場所に
潜んでいるはずなのだが、身を屈めて隠れているのか、その姿は見当たらない。
「いつも、イベントとかでコスプレしてらっしゃるんですか………?」
「っ、え………あ、その、いえ………普段はあんまり………っ、くぅ!?」
それでも、事情を知らない人間から容赦なく投げ掛けられる質問に答えている最中に、バイブがその振動を強める。
腰から背筋に掛けてが震え上がるような感覚に、思わず声を上げてしまう。質問をしていた女性がとうとう、おや、
とその異変に気付いたような表情を見せた。
「あれ………どうか、しました?」
「あ、その………だ、大丈夫です。ちょっと………立ち眩みが………。」
秘裂の中で暴れるその刺激に必死で耐えながら、あびるはなんとか平静を保ちそう弁解した。引き攣った笑みを
浮かべるあびるの様子に、女性は首を傾げながらも………それ以上追求することは、なかった。
思わず股間を抑えそうになった手を必死で押し留めて、あびるは、少しだけ前かがみになった身体を、無理矢理に
しゃんと伸ばす。力を入れればバイブが締め上げられて刺激が強まるし、力を抜けば中が無防備になる………その
ジレンマに苛まれつつ、しばし必死で笑顔を作っていると………不意に、バイブの動きが止んだ。
「あのー………すいません、ポーズとかって、取って貰ってもいいですか?」
そして。ひとまずほっと胸を撫で下ろしている所に、カメラを持った男性の1人から声が掛かる。
「あ………は、はい、いいですよ………。」
あびるは………こうした要求を事前に予想した命から言われていた通りに、その言葉に応じた。
「じゃぁ、こう………膝に手を付いて、前屈みで、腰を突き出す感じで………。」
「あ、じゃぁ、次オレ良いですか?」
「僕、敷く物持ってきたんですけど、四つん這いのポーズとか撮らせてくれませんか!?」
最初の1人を皮切りに、次々とポーズの要求が寄せられる。その勢いに気圧されつつも、あび」
「はは………かなり、参ってるみたいだね。」
あびるは、眼の前の男に何かを問い掛けようとするが………喉から、上手く声が出てこない。

が、しかし。
あびるが、尋ねるまでもなく………その男はすぐに、自ら、その正体を明かした。
「大変だっただろう………あの先生に、眼をつけられたんじゃ。」
「え………っ………!?」
先生、というフレーズに、あびるが半開きになっていた眼を見開く。

そう言って、人当たりの良さそうな笑みを浮かべながらも………男はその瞳を、命と同じように獰猛に輝かせた。
その瞬間、あびるは、眼の前の男が命の息が掛かった人間であることを察する。あの状況から救い出されたとき
に、痺れるような意識の中で感じた微かな安堵が、更なる絶望に上書きされていく。

219:その花束に絶望を karte12 (7/8)
08/04/08 22:53:56 KzId0cn6
「どれ………まだ、入ってるんだろ?見せてくれよ。」
「ひ、ぁ………や、嫌ぁっ………!?」
全てを理解し、恐怖によって薄れ掛けた意識を覚醒させられたあびるが拒絶するのも、無視して。男は、その脚
の間に割り込み、あびるの膝を掴んで強引に押し開く。未だに振動を続けるバイブを咥え込んだ下半身が、その
眼の前に晒される。
「うわ、ホントにこんなの入ってるんだ………これで、よく人前になんか出られたね?」
今の今まで、それを感じる余裕も無く、存在すら忘れかけていたが………それがまだ自分の身体に刺さっている
ことを意識すると、途端に、下腹部を襲う振動の気配が大きくなるような錯覚に陥る。
再び自分の身を襲い始めた感覚の波に、あびるはまた、その火照った身体を震わせた。
「や、止めっ………見ない、でぇ………!!」
「そんなこと言って、ホントは、あびるちゃんも感じてるんだろう?こんなに、ドロドロにしちゃってさ。」
「ひ、ああッ!?だ、駄目っ、う、動かしちゃ駄目ぇ!!」
バイブの尾部を摘んでランダムに角度を付けながら、男は、振動に犯され続けこれ以上無いほど高まった秘所を
抉られるあびるの反応を楽しんだ。些細な動きにも従順に反応し、あびるはまた、2度、3度と絶頂を迎える。
脚の筋肉が引き攣り、背中が反り返る。
男が強引に、胸を隠すその衣装を捲り上げると………その下に隠された白い乳房の先端は、赤く隆起して微かに
わなないていた。男はなんの躊躇いも無く、その先端を口に含み、ころころと転がす。
「は、ひぃッ!?だ、駄目っ、あッ、やぁッ、止めて………く、ふぅっ!?」
「本当に、キレーな身体してるなぁ………顔も声も可愛いし、おまけにやらしいし。言うことナシだね。」
「や、ち、違っ………私、や、やらしく、なんか………あ、あうッ!!」
「あんな大勢の前でバイブ咥えて悦んでる娘が、やらしくないハズ無いだろう?」
せせら笑うような男の言葉に………あびるは、それ以上反論することが出来なかった。あんな状況でも、その身体
が確かに快楽を感じてしまっていた、という事実は、あびる自身が1番良く解かっていた。
「………ぁ、ぅ………ひぐ………。」
そして。振動と男の手と言葉によって、身も心も容赦なく蹂躙されたあびるが、嗚咽を漏らし始めたそのとき。
「………おい、センセーから、朗報だぜ。」
眼の前の男とは別の声が、あびるの耳に届く。男とあびるが同時に、声のした方に視線を向ける。運転席に座って
いた、ニット帽を被った別の男は………手にした携帯電話をパタリと畳んで、振り返った。
「………そいつ、センセーに言われたルール破ったんだとよ。」
「え………マジで?」
「ああ。カメラ小僧共には従えって言われてたのに………勝手に、ポーズ取るの止めたらしいぜ。」
あびるを無視するように、あびるを弄んでいる男だけに向けて、半笑いでそう言ってから………ニット帽の男は、
その鋭い視線をあびるに注ぐ。あびるが、まるで射竦められたように、か細い声を上げて身体を強張らせる。
「つまり………こっからは、俺達の仕事だ。」
「いやぁ………そうか。そりゃぁ、良かった………。」
自分の脚の間で、男が心底嬉しそうにそう言ったその声を聞き………あびるは本能的に、ぞわ、と身の毛のよだつ
ような気配を感じ取っていた。男が、相変わらず見た目だけは人当たりの良さそうな笑みを浮かべる。
「まぁ、もう解かってると思うけど………ボク達は、糸色命先生に言われて、ここにやって来たんだ。」
そして、男が状況を説明し始める。
「君が限界になったら、あそこから助け出すように、って言われて来た。」
「………は、ぅ………っ………?」
「もし警察沙汰にでもなったら、マズい。だから、事が大きくなる前に、全部うやむやにする為に、ね。」
あびるはそこまで聞いて、命の意図を理解した。つまり、こうして助け出したのも、やはりあびるの為などでは
なく………全ては、自分の為の計画だった、ということか。
「そして………もう1つ。ボク達には、命先生から任せられてる仕事があるんだ。」
あびるの眼の前に人差し指を突きつけながら、男は続ける。
「それはね………君が、今回みたいに、先生の言いつけを守らなかった場合に………。」
「………ぅ、ぇ………?」
「君に………厳しい、お仕置きをする、っていう仕事なんだ。」
「………え………っ………!?」
お仕置き、という言葉に、あびるはまたその身体を強張らせた。

220:その花束に絶望を karte12 (8/8)
08/04/08 23:04:04 KzId0cn6
あんな鬼畜な命令を、平然と申し渡せるような外道の手先………そんな人間達の手による仕置きなら、それは絶対
に生半可なものではないだろう。それまでの体験に基づく、あびるのその直感は………残酷なことに、すぐに的中
してしまうこととなる。
「いやいや………本当に、先生の命令に背いてくれて有難う。」
男はそう言って、ニット帽子の男に目配せする。ニット帽の男は何も言わずに、隣の助手席に腕を伸ばし………
そこに乗せられていたダンボール箱を、椅子越しに後ろに寄越す。
男は、怯えきったあびるの顔を見下ろしながら、その箱の淵に手を掛けて………。
「君が、ルール違反をしてくれたお陰で、ボク達はこうして………。」
蓋の無いその箱を、引き倒した。ガチャリ、と金属音がして、その中身が平らにならされた座席の上に散乱する。
「ひ、ッ………ッッッ!!?」
そこから転げ出した、数々の道具を見て………あびるの顔から、血の気が引く。
「君みたいに可愛い、コスプレ少女に………好き放題に、お仕置きできるんだからね。」
そこに収められていたのは………突起だらけの凶悪な造形のバイブや、手錠や目隠し、電気コードが繋がった金属の
洗濯ばさみに、正体不明の薬品が入った瓶など。その半分以上が、あびるにとっては使用法すら解からない正体不明
の器具だったが………その中に混じった、見覚えのある形状の道具を見れば、それらが全て自分の身体を蹂躙する
為の道具だということは、容易に想像ができた。
「端から、全部試してあげるよ。たっぷり、時間を掛けてね。」
男はそう言いながらあびるの秘裂を覆う衣装を脱がせ、そこに埋まっている2本のバイブを抜き取る。箱に入って
いたものと比べれば可愛い形をしたそれを無造作に放り投げた男の手が………大きさも形状もそれとは比べ物に
ならない程に凶悪な別のバイブを、手にする。
「い、いや、あ、ぁ………そ、そんなっ………そんなの、絶対、無理………ッッッ!!」
「………思いっきり、鳴いていいよ。このワゴン、防音仕様に改造してあるからね。」
男はそう言って、微笑んで………次の瞬間、手にしたそれを、強引にあびるの秘裂に捻じ込んだ。
それまでとは比べ物にならない衝撃が、あびるの身体を突き抜ける。その喉から、生まれて初めて発するような、
断末魔にも似た悲鳴が上がる。

狂気の宴の、第二幕が………人々が行き交う街の片隅で、ひっそりと、幕を開ける。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


時間は、ほんの数分巻き戻って。
「………撮影した映像の方も、後で持ってきてくれ………いや、私は、今日の所は帰るとするよ。」
ワゴン者の運転席に居た男との通話を終えて。完璧な変装に身を包んだ命は、もうあの場所を後にしていた。
「今後の交渉の為にも、きっちり鮮明に頼むよ………うむ。あとは任せた、それじゃぁ………。」
会話を終え、通話を切って、携帯電話を畳んでポケットに仕舞う。そのまま、何食わぬ顔で、あのビジネスホテル
へと向かう。その男が、自分が見込んだ残虐な性格を持つ2人の手駒によって、弟の教え子がどんな悲惨な陵辱を
受けるのかを想像し、心の中でほくそ笑みながら歩いていることなど………街行く人間達には、知る由も無い。
「(ほんの少しでも逆らったら、何十倍ものしっぺ返しが来る。それを、身体で覚えこませてやらなければな。)」
やがて、ホテルに辿り着く。応対するフロントの人間も、命の本性には全く気付かない。

「(まぁ………愛する糸色先生の顔でも思い浮かべて、せいぜい必死で耐えるがいいさ………。)」
誰にも知られず、気付かれず、怪しまれず………命の残虐な娯楽は、安全に、続いていく。


//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


パソコンの前で、コーヒーを飲みながら………晴海は、そのスレッドのタイトルを眺めていた。
「へぇ………そういえば、小節さんも確か今日行ってたはずだけど………。」
とある大きな掲示板で話題となった、秘部に淫具を忍ばせたまま路上撮影会を決行したという、正体に関する一切の
上方が不明のコスプレ少女。晴海は、その詳細に少しだけ興味をそそられつつも………。
「………って、それどころじゃないや。原稿、原稿っと………。」
すぐにその画面を閉じて、自分のすべき作業へと戻っていった。
その少女は結局、正体不明のまま………程無くして、その存在を多くの人間から忘れ去られていった。

221:その花束に絶望を
08/04/08 23:10:33 KzId0cn6
(続)


………はい、お粗末様でした。話としては記念すべき10話目、あびる編でした。
投下してから、最期に追加した蛇足部分の誤字に気付いて絶望しています。上方じゃねぇよ情報だよ………。
でもまぁ、とりあえずコスプレあびるが書けたので満足です。良かった良かった。

これで、絶望少女も残すところあと3人です………思えば遠くまで来たものだ。
実は、次回の話、百合論議の後だとちょっと投下しづらい風味になる予定ではあるんですが………まぁ、適宜改変しつつ、なんとか完成させてきます。
もちろん警告も付けますが………もしもあまりにもアレなときは、閑話的なものとして、華麗にスルーして頂けたら幸いです。と、予防線張っておきます。

では、長々と失礼致しました。
今回はこれで失礼致します。また次回。

222:名無しさん@ピンキー
08/04/08 23:12:15 N93C4chD
ついに俺の嫁が…
GJなんだが一つだけ
晴海じゃなくて晴美だぜ

223:名無しさん@ピンキー
08/04/08 23:13:54 RqzJFFdR
晴美と千里が一緒に残ってるってのが楽しみでならない

224:名無しさん@ピンキー
08/04/08 23:15:12 rHha4gAj
マ太郎
千里
晴美
次は誰やら

楽しみにしておこうか

225:名無しさん@ピンキー
08/04/09 00:11:23 ftOlVbpE
ことのん忘れんなよー

226:名無しさん@ピンキー
08/04/09 00:21:03 3SaQ7+cm
やばい
可奈子と丸井も忘れてた

227:名無しさん@ピンキー
08/04/09 01:13:17 As6Y+mZM
絶妙先生は?

228:名無しさん@ピンキー
08/04/09 01:14:10 pExiMZUI
前にちょっとほのめかしてた智恵先生は書くのかな?
こっそり楽しみにしてるんだが

229:名無しさん@ピンキー
08/04/09 01:39:52 8OkIB4y8
ことのんとのチャットエッチはどうだ

230:名無しさん@ピンキー
08/04/09 05:13:33 zXQJYSxI
望×可符香で一気に書いてみました。
すでに2人とも肉体関係アリなのを前提にしています。
微エロ。可符香が弱めです。

231:望×可符香
08/04/09 05:20:14 zXQJYSxI
「絶望したああああ!!」

今日も望は何かに絶望したようで、黒板に頭を打ち付けていた。
かと思ったら、今度は教室から走り去っていく。
望の泣き叫ぶ声が遠ざかるなか、 生徒たちは
やれやれと言わんばかりの表情で
各々の行動を始めている。友人と話したり携帯をいじったり。
そして千里の提案で、女子数人で手分けして望を探しにいくことになった。


「あ!先生。 見つけましたよぉ」
「ふ、風浦さん…」

可符香は保健室のベッドで毛布をかぶり、
うつ伏せになって しくしく泣く望をみつけた。
彼女に気付いて、望は上半身を起こし 慌てて眼鏡を掛ける。
可符香はベッドの横にある椅子に座り、
目を合わせようとしない望の顔を見ながら話した。

「先生だめじゃないですか。授業中ですよ」
「わかってはいるんですが…」
「戻ります?」
「はあ……」

全くその気が無さそうな返事が返ってきたので、
可符香はどうするべきか少し考える。

232:望×可符香
08/04/09 05:23:03 zXQJYSxI
可符香は無言で靴を脱ぎ、そっぽを向く望のいるベッドに上がり込んだ。

「え。ちょ、ちょっと風浦さん?…だめですよ!ここは学校ですよ!」
「やだなぁ、先生なに考えてるんですか。先生がこっち見てくれないから、
私が移動しただけですよ」
「いや、あの、でも」

いつものことだが、あまりにも分かり易く慌てる望を見ていると、
だんだん可符香は楽しくなってきた。

「人と話すときは、相手の目をみて話さないと失礼なんですよー」
そう言いながら望の下半身を跨いで、四つん這いになり、
口元だけ笑って彼の顔を下から覗き込む。

「教師をからかうのはやめてください!」
ぷいっと目を逸らして、困ったような表情 口調で言った後、
一拍ほど置いてから可符香の方へ向き直り、

「…でないと こうなりますよ」

顔を薄い赤で染めて、低く強めの口調で言った。きょとんとした可符香を無視し、
両手で可符香の肩を掴んで彼女の唇に自分の舌を割り入れた。

233:望×可符香
08/04/09 05:31:41 zXQJYSxI
「ん…っんんっ!…せ、せんせえ…待っ…」

突然のことに、可符香は正直驚いていた。
先生小心者だから、こんな所では何もしてこない。そう思って、からかったのだ。

「いくら私でも、そろそろ怒りますって」
「…あっ…ん、ぁ…ッ!」

セーラー服を中途半端に脱がし、ブラもホックを外さず、
ただ可符香の首元までずらした。
彼女のふっくらした胸を握ると、いつもより更に甘い声が降って来る。
そしてただされるがままの可符香の霰もない姿を前にすると
望のそれが強く反応した。
我慢できず彼女のスカートを腰まで捲し上げ、ショーツの上から
撫で回すと、そこはあっというまにぐっしょりと湿っていった。

「今日はずいぶん早いですねえ…どうしたんでしょう」
「だっ…て、せんせ…っぁ…んっ…はぁっ…!」
「もう指…入れますよ」
「…やあっ!…あぁっ…んッ…」

望が可符香のショーツを剥がそうと、スカートの中に手を入れかけたその時、
廊下から微かに人の声が聞こえた。そろそろ授業が終わる頃なんだろう。

234:望×可符香
08/04/09 05:35:39 zXQJYSxI
「…もう戻らないといけないようですね…」

ぽつりと望が言うと、まだ はあはあと肩で呼吸する可符香を見下ろした。

「まだ、いいじゃ…ないです、かあ……」
「いやあ、さすがにそろそろ…大丈夫ですよ。続きはちゃんと、しますから」


そう言って保健室から出ていく望を横目に、こっちから何もしないのも悪くないかも…と
乱れた姿のまま横たわって ぼんやり思う可符香は、
放課後その続きが行われることを、まだ知らない。

235:名無しさん@ピンキー
08/04/09 05:38:18 zXQJYSxI
終わりです。

236:名無しさん@ピンキー
08/04/09 11:29:19 zbmznWiR
GJ
放課後の続きを激しく希望する

237:名無しさん@ピンキー
08/04/09 16:27:53 DYARf2Lb
GJ
のぞかふのぞは俺の癒し

238:名無しさん@ピンキー
08/04/09 19:16:26 oEMRJXRd
GJ
俺もムラムラしてきたぜ…
望と誰でいこうか?

239:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:16:00 As6Y+mZM
甚六で

240:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:16:43 As6Y+mZM
ああ可符香かわいいなぁちくしょう

>>240
甚六で

241:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:41:06 dC/fL5d1
空気を読まずにちょっと失礼して・・・
蟹×加賀、投下します。小ネタの様なものです。

カニが苦手な方は注意。


242:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:42:52 dC/fL5d1
ある日、加賀愛が目を覚ますと蟹(シオマネキ)に取り囲まれていました。
「ひぃやぁぁぁーーーーーーー!」
驚いた愛は寝床から飛び起きようとします、が、不思議なことに金縛りに合ったように体を動かすことが出来ません。
体の方を見ると何百、何千というシオマネキが愛の体を敷布団と連結させているではありませんか。
(あぁ・・きっと何か私がご迷惑になるようなことをしてしまったのですね・・・)
愛は何をしてしまったのか思い巡らせてみます。

「はっ!」
(そういえば・・・昨日の晩御飯は・・・カニ雑炊!?)
「あわわわ・・・私ごときが、カニ雑炊など食べてしまったばかりに・・」
「すいません!すいません!すいません!」
(きっとこのカニさん達は、食べられたお仲間の敵討ちに来たに違いありません・・ん?)

見ると、他と比べ一回り大きなシオマネキが、愛のへその上でなにやら鋏を振っています。
するとどうでしょう。周りにいたシオマネキたちが鋏を振りかざし愛に迫ってきます。

「ひいっ!私殺されても仕方ないんですね!ミンチにされて東京湾のお魚さんの餌にされてしまうのですね!」
望を遥かに凌駕するネガティブ思考をさらしてしまう愛。
しかし、愛の予想に反しシオマネキたちは、寝巻きだけを切り刻んでいき、
寝巻きがズタズタになった所で、数匹のシオマネキが愛の小ぶりな胸にとりつきました。
シオマネキたちは小さな体に釣り合わない大きな鋏を使って、愛の乳首を弄んでいます。



243:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:45:04 dC/fL5d1
時に強く、時に甘く、カニとは思えないテクニックで攻められる愛。
「あ、あん・・・・だっ、ダメです・・カニさん・・・」
愛は心ならずも、自分が感じているということへの羞恥で頭がいっぱいです。
すると、今まで大人しくしていた大きなシオマネキが、のそのそと愛の茂みへと潜って行きます。
「らめぇ・・カニさん・・・汚いとこ・・入らないでぇ・・・」
そんな懇願を無視して、中に入ったシオマネキは、早速大小の鋏を駆使して愛のクリトリスを刺激します。

「ひあっ、あうぅうぅぅ・・・やめてぇ・・」
(これ以上弄られたら私・・・)
次第に愛は、自分の肉欲に抗えなくなっていきました。
(ああ、なんて淫らな女なんだろう。でも・・・)
我慢が効かなくなった愛はシオマネキに懇願します。
「カニさんの大きなのでもっと私を犯してください!挟んで、つまんで、ほじってメチャクチャにしてイかせて下さい!」
それに答えるように、シオマネキはより一層激しく愛を攻めます。

「あうっ!いぐぅっ!・・そこぉ・・・カニさん、そこいぃです!」
「もうだめっ、もうだめぇぇ!ガマンできません!カニさんイクよっ、イクッ!イクぅぅぅぅ!!」
ぷしゅー、ぴしゃぴしゃ。
愛は生まれて初めて潮を吹いてしまいました。
「はぁっ・・はぁっ・・・・はっ!」
「すいませんカニさん、すいません!私の汚い汁を浴びせてしまてぇぇぇぇ!」
愛の加害妄想を無視してシオマネキの一群は窓からそそくさと出て行っていました。そこへ・・・
「どうしたの、愛?大きな声出しって何をしてるのあなたは!」
お母さんの目に映ったのは、ぼろぼろの寝巻きを着て、下半身をびしょびしょに濡らし、必死に謝っている娘の姿でした。
「ヒイィィぃ!すいません、すいません!淫らに育ってすいません!」
その夜、加賀家で家族会議が開かれたのは、言うまでもありません。

おしまい。


244:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:51:06 dC/fL5d1
タイトル忘れた・・・シオマネキ対加害妄想少女 でした。
ヤツメウナギ編とかヤギ対多重人格少女とか考えていましたが頓挫しました。
どなたか続・・・・なんでもありません。

245:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:54:32 vqEaFGDO


こんなにエロい表現ばかりだというのに、読後感が童話に近い

246:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:59:48 qeX1US94
獣姦は苦手だがこれは笑いながら読ませてもらった、GJ!

247:名無しさん@ピンキー
08/04/09 22:08:38 qrJ8X3q3
なぜ数ある蟹の種類からシオマネキw

とにかくGJ

短くてもやっぱ人の文っておもろいよ
みんなどんどん投下なされぃ!!

248:名無しさん@ピンキー
08/04/09 22:12:58 e3dIlgIL
潮噴いたからだろ

249:名無しさん@ピンキー
08/04/09 22:18:20 qrJ8X3q3
その発想がなかった自分に絶望した…

250:名無しさん@ピンキー
08/04/09 22:25:44 ydx4y+6G
>>250
目から鱗が落ちる思いです

251:430
08/04/09 22:31:29 JiMV3HIk
す、すいません、とりあえず>>246さんのおかげで腹筋が痛いですw
シオマネキって…! シオマネキって…!!
>>208
SWATってアメリカだったんですね…恥ずかしすぎる!
だから、知識皆無のくせにこんなもの書くなと…orz
>>223
あびるキタ――!エロ過ぎます可愛すぎます破壊力抜群です…!!!
命先生の見事な鬼畜っぷりに、毎回喜び転げまわっております。
最近は命先生が直接手を下さずに黒幕っぽい立ち位置なのが、またツボで。
残り3人も楽しみにしております!
>>237
おおお、仕掛けようとして逆に先生に翻弄されちゃう可符香…GJです!
同じく放課後の続きを激しく希望!

さて、えーと、>>195>>206の続きで今回は15レスです。

以下、注意書きです、たくさんあります、すいません…。
1)望先生と智恵先生は既に恋人同士の設定になっています。
2)えらく長いので、何回かに分けての投下になります。
 (原則、間を空けずに連日投下するようにはいたします)
3)いつものことですが、原作キャラは崩壊しています。
4)甚六先生や、学校の構造等に捏造設定があります。
5)ちょい役でおっさんですが、オリキャラがでてきます。
6)「絶望先生である必要があるのか?」と言われれば…ないです。
7)今回、中途半端ですが無理矢理なシーンがあります。

前置きが長くなりましたが、よろしくお願いいたします。


252:伝えたいことば(3) 1/15
08/04/09 22:33:31 JiMV3HIk
*   *   *   *   *   *   *   *


一方、こちらは体育館の用具室。

援軍が来る、という甚六の言葉に智恵は胸を躍らせたが、
「甚六先生、どうしてそれを…?今の鏡は、いったい…?」
今の甚六の行動に不審を感じずにはいられなかった。

しかし、甚六が口を開く前に、用具室の扉が荒々しく開いた。

「全く、あの公安の馬鹿野郎共、何を考えてやがるんだ!!」
髭の男が目を怒らせ、どすどすと用具室に入ってきた。

智恵は、思わず後ずさった。
さすがに、女生徒達も身体を固くしているようだ。

「般若だろうがなんだろうが、俺は無信教なんで関係ないが、
 俺達を脅そうって言うあの態度が気にいらない。」
髭の男は、人質をぐるりと睨めつけながら呟いた。

「俺を怒らせたらどうなるか、思い知らせてやる。」
そう言うと、男は、一番入口付近にいた愛の腕を引っ張った。
「来い!」
「や、やっぱり、私が悪いんですね―!?」
愛は悲鳴を上げた。

智恵は思わず前に飛び出した。
「待って!その子に何をするの!?」
髭の男は智恵を見てせせら笑った。
「知れたことだ。あの馬鹿共に、ふざけた真似をすると人質が
 どんな目に合うか、分からせてやるんだよ。」

それを聞いた愛は、顔面蒼白になった。
恐怖の余り失神しかかっているようだ。

「やめて!だったら、私を連れて行きなさい!」
「智恵先生!待ちなさい!」
甚六が大声を出した。


253:伝えたいことば(3) 2/15
08/04/09 22:34:55 JiMV3HIk
甚六が髭の男に向かって進み出た。
「さっきも言ったでしょう…。
 犠牲になるんだったら、女子供よりも、親爺の方が得策ですよ、って。」

智恵は、必死になって叫んだ。
「甚六先生!ダメです!!私が…私が行きます!!」

智恵は、先ほどの甚六を見て、確信していた。
甚六には、何かがある。
この人は、生徒達を助けることができる力を持っている。

それに引き換え、自分がここにいてもできることはごく僅かだ。
だったら――ここで犠牲になるべきは、甚六ではない。

髭の男の目は、甚六と智恵、そして愛の間を行き来していた。
そして、ふと、智恵の豊満な体に目を止めると、下卑た笑いを浮かべた。

「――なるほど。」
そして、甚六の方を向くと、馬鹿にしたように笑った。
「さっきも言っただろう。俺達には、世間の評判なんかは関係ないんだ。
 …ただ、生徒を思うこの女先生の心意気は買ってやろう。」

そして、愛を放り投げると、智恵の腕をつかんで引き寄せた。
愛は、恐怖で引きつった表情で智恵を見上げた。
「そんな…私のせいで、先生が…!」

甚六は、一瞬、前に踏み出しかけたが、
男の後ろにいる若いテロリスト達に銃口を向けられ、
悔しそうに、その場に踏みとどまった。

「智恵先生…!」
呆然と成り行きを見ていた千里が、そのとき立ち上った。
他の生徒達も、腰を浮かしかけた。

甚六を向いていた銃口が、今度は、生徒達に向けられる。

「木津さん!おやめなさい!!」
智恵が、慌てて千里を制した。


254:伝えたいことば(3) 3/15
08/04/09 22:35:45 JiMV3HIk
ここで、彼女達に何かあったら元も子もない。

甚六も、千里を振り返ると、厳しい声を出した。
「智恵先生の言うとおりだ…先生の心を無駄にしてはいかん。」

千里は、目に涙を溜めて唇を噛むと、再び座り込んだ。

「ふん…。じゃあ、行くとするか。」
髭の男に腕を引っ張られ、智恵は用具室を後にした。

最後にちらりと振り返ったとき、
こちらを見る甚六が、僅かに頷いたように見えた――。




銃を持ったテロリストに囲まれて歩きながら、
智恵は、心の中で恋人に謝罪した。

――望…ごめんなさい。
   でも、あなたの生徒達は、守ったわよ…。

あとは、ただ、速やかで苦痛のない死を願うばかりであった。

しかし、智恵が連れて行かれたのは、SC室の隣にある保健室だった。
智恵は、いぶかしげに男を振り返った。

髭の男は、ついてきた2人の部下に命じた。
「お前ら…しばらく、外で見張ってろ。」
そして、智恵に向き直ると、再び下卑た笑いを浮かべた。

「どうせ死ぬんだったら…その前に、いい思いをさせてやるよ。」
智恵の全身が総毛だった。

とっさに逃げようとしたが、両腕をがっちりとつかまれた。
「おっと…お前さんが逃げたら、
 あの子が、お前さんの代わりになるだけだぜ?」


255:伝えたいことば(3) 4/15
08/04/09 22:36:40 JiMV3HIk
智恵は、男を睨みつけた。
「私を殺すなら、余計な手間をかけずに早く殺せばいいでしょう!」
男は楽しげに笑った。

「もちろん、最後はきちんと人質としての務めを果たしてもらうさ…だが。」
そう言いながら、智恵の豊満な胸をぐっとつかんだ。
智恵は、苦痛に顔をゆがめた。
「こんなおいしそうな体、ただ殺しちまうのは、もったいねぇよなぁ…。」

男は、そのまま、保健室のベッドに智恵を押し倒した。
「――やめなさい!このゴミ虫!恥知らず!」
智恵の必死の抵抗も、男はまるで意に介していないようだ。

「おお、いいねぇ。多少手応えがある方が、犯り甲斐があるってもんだ。」
そういうと、男は、智恵の口にその分厚い唇を押し付けた。

「――!!」
男は、舌を入れようとしたが、智恵は歯を食いしばって抗った。
男が舌打ちすると、智恵の下腹を思い切り殴りつけた。

「がほっ!」

思わず、大きく咳き込んだ智恵の顎を、男が、がっとつかんだ。
抵抗する間もなく、智恵の口内に男の舌が入り込んだ。

「ん――!!」
必死で口を閉じようとするが、男が物凄い力で顎をつかんでいるため、
閉じることができない。

強く押さえられて頬の内側が切れたらしく、血の味がした。
痛みと苦しさで涙が滲んできたが、それよりも、
男に口内を蹂躙されていることに対する嫌悪感の方が勝っていた。

以前は性には奔放だった智恵だが、望と愛し合うようになってからは、
他の男とは、肌を合わせることはおろか手をつないだことさえなかった。

望以外の男が自分に触れることなど、考えたくもなかった。


256:伝えたいことば(3) 5/15
08/04/09 22:37:37 JiMV3HIk
それが、今。
品性下劣の塊のような男の舌が、ぬめぬめと自分の口の中を這い回っている。
おぞましさの余り、吐きそうだった。

男が、そのまま、智恵のブラウスに手を伸ばすと、ボタンを引きちぎった。
ブラにつつまれた豊かな胸に、男はにやりと笑った。
「おお、いいねぇ。」
そして、腰のベルトから小型ナイフを取り出した。

智恵は、ナイフを見て、身を硬くした。
男は、そんな智恵の表情を楽しむように、智恵の胸元にナイフを近づけた。
「ふふふ…怖いか。」
智恵の呼吸が、恐怖の余り浅くなる。

ピッ

小さく音がして、ナイフが智恵のブラを胸元で切り離した。
その拍子に、ナイフの先が智恵の肌を傷つけ、じわりと血が滲む。
智恵は、走った鋭い痛みに、頬を引きつらせた。

顕になった智恵の胸を見て、男は賞賛のため息をもらした。
「こりゃぁ…すげぇや。」
胸元には、昼前に望が散らした跡がまだ紅くのこっている。
「おやまぁ、姉さん、けっこうお盛んじゃないか。」
男は、へっへと笑いながら、その跡を指先でつついた。

男の言葉に、智恵の脳裏に、望と桜の下で交わったときのことが浮かんだ。
今や、あれは遠い世界、夢の中での出来事のようだった。

男は、胸元に顔を寄せると、傷口に滲んだ血をぺろりと舐めた。
「悪かったなぁ。人の物に傷つけちまって。ふ、は、ははは!」
「…!」
智恵は、恐怖と嫌悪の余り、気が遠くなった。

「さて、ここからがお楽しみ…。」
男は、智恵に覆いかぶさると、目をぎらぎらさせて智恵を見下ろした。
智恵は、次にくるものを予想して固く目を閉じると、男から顔を背けた。



次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch