09/01/13 13:50:18 DKg31hcY
「んあああ─っ!」
予告もなく、突然突き入れられた熱が、由希を快楽に痺れさせる。
それと和義に起きた異変は、ほぼ同時であった。
「があああああ゛あ゛あ゛あ゛!」
人のものではない叫びを上げ、腰を打ちつけたまま上体を反らし、彼の体は震え始め、いや、彼の中のなにかが蠢き始めた。
ピストン運動もせず、ただ突き入れたままで、自分の意思、記憶、そういったものを全て押し流す快感に成すすべもない。
歯止めの利かない欲望のまま放出される精液は、人間ではありえないほどの量と勢いで由希の中を満たすが、繋ぎ目から
溢れることはなく、すべて彼女が吸収していた。子供を生み育てる器官ではなく、すでに兄の精を取り込むための器官と
成り果てた胎内によって。
「かあっ、んはあ、ああ、あああ…」
彼と、そして自身に起こり始めた変化にも関わらず、彼女は淫らに震え、喘ぎ、嗤っていた。理知も記憶もすべて、飲み込まれてしまったかのように。
(やっと、やっとひとつになれる─)
快楽に薄れていく思考の中で、由希が最後に聞いた声は、自分の中から聞こえるような、そんな声だった。