09/01/11 16:13:14 Yk8r3VQe
地面から、水が吸い上げられている感覚。それが体を巡るのが、堪らなく心地好い。同時に、土の中の栄養が、根っこから体全体に行き渡っていく。
このまま体を外に出して身震いして喜びたいな……なんて考えたけど、目の前を眺めるとマスメディアの皆様が、
『落雷現場に新たに生えた大木!深夜の神秘!』とかキャプションを付けた番組撮影のため陣取っているから我慢我慢。
『ママーママー、カメラマンがいるよ~!』
『あら大変!隠れなくちゃ!魂を抜かれちゃうわ!』
『ねぇおにいちゃん、たましいをぬかれるってきもちいい?』
『そんなわけ無いだろ!隠れろ!』
木のうろの中では、前のドリアードさんのお世話になっていたリス一家があたふた忙しなく慌てているようだった。まぁすぐに収まるでしょうし、私は関知しないでおこう。
耳を澄ませば、あちこちで動物達の不満げな声が聞こえる。出来れば私としても今すぐに出ていって欲しいとは思うけど……流石に手は下せないし……。
そうこう迷っているうちに、取材が終わったらしく、カメラマンやらレポーターやら世間的に『暇だな~こいつら』とか思われそうな人達はぞろぞろとこの場所から立ち去っていった。
……残ったのは恒例、大量のゴミ。
『わぁ見てお母さん!美味しそうなものだよ!』
『お止めなさい!毒かもしれませんよ!』
『ねえおにいちゃん、どくっておいしい?』
『そんなわけ無いだろ!』
リス親子が繰り広げる漫談をBGMにして、私は上半身だけを木の表面から枝のように出して、ゴミ拾いをすることにした。
……どうせ今日の夜も、淫魔サクマが「もりりんのあまぁい蜜ちょうだい♪」とか言って樹液をたかりに来るだろうし。アンタはここにいる虫か。
いつか……私がもっと成長したら、そのときは私の種が宇宙まで飛ばせるらしい。もしそれが他の星に落ちたら……その星で、私の種は育つ。環境を変えていく。
そうしたら、私の夢が叶う。
そんな日を待ち望みながら、私は今日も、この森の中でそこそこ騒がしい隣人に囲まれながらも、静かに暮らすのだった。
fin.
―――――――
以上、乱筆乱文、失礼いたしました。
517:名無しさん@ピンキー
09/01/12 00:00:52 O/eGpX15
乙!!!
サキュバス化のほうも見てみたいw
518:名無しさん@ピンキー
09/01/12 00:26:46 hW6GVGXN
>>516
GJ!
すごい好みの文章だった!
519:名無しさん@ピンキー
09/01/12 01:02:02 nsLeRuw9
>>516
乙でした
サクマさん淫魔になっても変わってないw
520:名無しさん@ピンキー
09/01/12 01:13:25 9Xq96C5D
あああ他ので賢者になったばっかだから溜まったら来るわw
521:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:25:20 7F3PYpB2
>>516GJ!!イイ!(・∀・) 今気付いたけど二人の名前って
もりりん→森→ドライアド
佐久間→サキュバス
と名前が変身するモンスターに近くなってるのね。
522:名無しさん@ピンキー
09/01/13 02:50:47 fYW2OUgk
みんな海原みなもって知ってる?
523:名無しさん@ピンキー
09/01/13 03:04:01 KuUKQhtB
>>522
執筆する人によっていろいろあるけど、
人形化あったり、特殊メイクとで動物化されたり、いいよねあれ・・・。
524:名無しさん@ピンキー
09/01/13 13:35:47 DKg31hcY
また懲りずに融合変身ネタを投下します。
兄+妹=?な話です。
読みづらいかもしれません。すいません。近親相姦な感じなので、
苦手な方は「おめざめのじかん」でNGしてくださいね。
525:おめざめのじかん はじまり
09/01/13 13:38:56 DKg31hcY
裸電球のぼんやりとした暖色の明かりにつつまれた六畳間に、嬌声と淫らな水音が微かに響いていた。
「あっ、はあ、んあ、あ、あ、あんっ」
絨毯の敷かれた床には脱ぎ捨てられた学生服とブレザー、スカート、下着が散乱し。
壁に寄せて置かれたパイプベッドが、ぎしぎしと音を立てる。
シーツも掛け布団も乱れたその上で、生まれたままの姿になった、二つの人影が重なっていた。
「ふあ、ひあ、お、にいちゃ、き、すぅ、し、てえぇ」
「く、ああ…」
まだ幼さが色濃く残るソプラノに答えて、彼の唇が、彼女の幼い喘ぎを漏らすそれに重ねられる。
んく、くち、ぬちゅ、ねちょっ…
唇同士が触れた瞬間、彼女の舌が彼の口内に素早く入り込み、相手の舌に絡まりながら口腔を嬲った。
口の端から粘っこい音が漏れ、シーツを握っていた彼女の両手は彼の背中に廻され、ぎゅっと抱きつく
格好になった。
「ゆ、由希、お、俺」
「わたし、もっ、また、き、ちゃうよっ!」
覆いかぶさる青年の腰が、さらに往復運動を速め、組み敷かれた少女の全身を、とてつもない快楽が
一気に駆け巡った。
「おにい、ちゃあああああああっ!」
「くはあっ!」
何度も突かれ、最早自分の熱なのか愛しい男の熱なのかも分からなくなってもなお感じ取れる熱い滾りが
膣内を満たす。
526:おめざめのじかん はじまり
09/01/13 13:41:44 DKg31hcY
「あはぁっ、お兄ちゃんが一杯、出てるよぉ…」
二度、三度吐き出してもなお止まらない射精に、彼女は心の底から溶け切った笑みを浮かべた。
「く、はあ…はあ…」
ようやく止まったのか、青年は自身を少女の中から引き抜くと、彼女の隣へごろりと横になり、仰向けになった。
胸は激しく上下しており、行為の激しさを物語る。
並んで横になる、一組の男女。
男の方は青年、というよりは少年と青年の中間といった微妙な年頃であったが、体は引き締まっており、腹筋などは綺麗に割れていた。
一方の彼女のほうは、彼よりも背が低く明らかに年下といった雰囲気で、完全に少女といえる年齢であった。
美人というより可愛さが目立つ顔立ちで、肩を少し越える程度の僅かに色素の薄い髪と相まって、少し幼く見えた。
だがその体つきは同年代の女の子がうらやむほどに均衡が取れ、青年と同じように上下する膨らみは平均と比べても大きめで、
ティーングラビアモデルといっても通じるようなプロポーションであった。
「いっぱいでたね、カズお兄ちゃん。今までで最高記録じゃないかなあ?」
「かもなあ。ま、こんな可愛い妹と結ばれたんだから、しょうがないさ」
「もう、お兄ちゃんってば…」
満更でもない笑顔の妹に、兄は笑って軽くキスをし、頭を撫でてさらりとした感触を楽しんでいた。
再び頭をもたげてきた自分の異常な性欲に、戸惑いを感じながら。
527:おめざめのじかん はじまり
09/01/13 13:45:19 DKg31hcY
==================================
天竜 和義と天竜 由希は、それぞれ高校生と中学生の、一見どこにでもいる兄妹であった。
他所より少し仲が良いだけの兄妹。両親や友人達の一般的な評価である。由希のほうは学校でもちょっとした有名人で、
男子の絶大な人気を誇っていた。スタイルと顔立ちの良さに、驕らない気さくな性格のおかげで同姓からも慕われていた。
ちなみに兄は目立った特徴のない、普通の男子である。
そんな二人であったが、両親にさえも打ち明けられない秘密があった。
幼い頃から、二人は愛し合っていたのである。
その関係は、由希が小学校に上がって間もない頃まで遡る。まるで自分ではない誰かがそうさせているように、激しい熱に浮かされた二人は、ある夜体を重ねた。
本当は自分達が一つだったのではないかと思えるほどの充足感、性の知識もほとんどない脳裏に刻み付けられた自らを失う程の快楽は、二人を溺れさせるのに充分であり。
それから、二人は毎晩のように求めあった。両親が共働きを始め、家を空けがちになったのが、それを加速させた。
同じ小学校や中学校に通っていた頃は、昼休みに校内で互いを貪っていたことさえあった。
自分達がおかしいことを、年齢が上がるにつれて少しづつ理解はしていったものの、感情、その奥底に眠るなにかがそれを頑なに拒否していた。
拒否していた。
それどころか最近は「もっともっと繋がりたい」という半ば義務感のような性欲に苛まれ、先日の休日などは午前中から両親の帰宅した夕方まで、ひたすら行為を続けていた、そんなこともあった。
それは何者かが、本当に二人を一つにさせるようで。
==================================
528:おめざめのじかん はじまり
09/01/13 13:48:09 DKg31hcY
「お兄ちゃん、また、したくなった?」
最愛の人の手の感触が心地よく、目を細めて微笑んでいた由希が、再び起立した兄の男根に気づいた。年齢相応とはとても
呼べないほどに成長したそれを見る彼女の瞳に、再び獣欲の光が灯る。
「ごめん…何か最近、おかしいんだよ。急に体に筋肉ついて、どれだけ由希と繋がっても、足りないんだ。ぜんぜん、枯れないし」
「─私も、なの」
不意に左腕に、柔らかい感触。和義が視線を向けると、左手に抱きついた由希が、泣きそうな顔で彼を見ていた。
「足りないの。ぜんぜん。胸も、お尻も急におっきくなって。でも、お兄ちゃんが欲しくて、繋がりたくて…っ」
ようやく茂みが形成されはじめた由希のまだ未熟な秘裂が、暖かい液をとろりと吐き出す。それは何度も吐き出された精液では
なく、再び彼女が火照り始めた証。それは薄い青色のシーツに、またひとつ染みを作っていく。
「こわい、の……自分が、消えちゃいそうで、でも、で、も、お兄ちゃんが、足りなく…て…っ」
震えた妹の独白を全て聞かない間に、和義は起き上がり、彼女の足元で、膝立ちになっていた。上を向いた怒張の先端から、
先走りがポタポタと垂れている。その両目には彼女と同じ類の光が宿り、それから理性や意思をうかがうことはできなかった。
「うしろ、む、いて、…」
はたしてそれは本当に、愛しい兄の声であっただろうか?
しかし由希はそれを考えることはできなかった。彼女もまた、奥底から激しく吹き出した欲情と衝動に、理性を塗りつぶされていた。
うつぶせになり、震える膝に力を入れ、腰を、臀部を浮かし、両の腕で上体を支える。四つんばいの扇情的な体勢を、兄のような、
別の生き物のような声に答えて、とる。
濡れる、という生易しいものではなく、愛液が溢れている秘所はひくひくと再び兄を迎えられる悦びに震え、そして─
生まれ変わる喜びに、震えていた。
529:おめざめのじかん はじまり
09/01/13 13:50:18 DKg31hcY
「んあああ─っ!」
予告もなく、突然突き入れられた熱が、由希を快楽に痺れさせる。
それと和義に起きた異変は、ほぼ同時であった。
「があああああ゛あ゛あ゛あ゛!」
人のものではない叫びを上げ、腰を打ちつけたまま上体を反らし、彼の体は震え始め、いや、彼の中のなにかが蠢き始めた。
ピストン運動もせず、ただ突き入れたままで、自分の意思、記憶、そういったものを全て押し流す快感に成すすべもない。
歯止めの利かない欲望のまま放出される精液は、人間ではありえないほどの量と勢いで由希の中を満たすが、繋ぎ目から
溢れることはなく、すべて彼女が吸収していた。子供を生み育てる器官ではなく、すでに兄の精を取り込むための器官と
成り果てた胎内によって。
「かあっ、んはあ、ああ、あああ…」
彼と、そして自身に起こり始めた変化にも関わらず、彼女は淫らに震え、喘ぎ、嗤っていた。理知も記憶もすべて、飲み込まれてしまったかのように。
(やっと、やっとひとつになれる─)
快楽に薄れていく思考の中で、由希が最後に聞いた声は、自分の中から聞こえるような、そんな声だった。
530:名無しさん@ピンキー
09/01/13 13:56:24 DKg31hcY
とりあえずはここまでです。もしかしてスレチガイ?だったらごめんなさい|ω・`)
後半では二人がくんづほぐれずアクロバティックなチェンジで一匹の生物に成り果てます。
何になるかは、二人の苗字を見れば分かるかと。
後半は近いうちに。ノシ
531:名無しさん@ピンキー
09/01/13 18:10:46 azv2KWPL
なんという・・・・生殺し
公判待ってます。GJ!
532:名無しさん@ピンキー
09/01/14 17:05:38 tIF23K5o
>公判待ってます
「被告に対し無期獣化懲役刑を求刑します!」
…ジョークはともかく描写が良さそうなので俺も後半に期待
533:名無しさん@ピンキー
09/01/14 22:40:01 iRrkWV6o
近親で融合で怪物化…いかんツボ過ぎる。待つのが辛いぜ。
534:名無しさん@ピンキー
09/01/16 09:45:14 synCqdWw
>>523
誰のがオススメ?
535:名無しさん@ピンキー
09/01/18 05:52:03 mBtwOrTR
>>534
自分が好きなのは佐野麻雪さんかな。
特殊メイクを学んでいる専門学校にモデルのバイトに行っていろいろいじられる話が多い。
全身にかけて手を加えられるので犬にされて声も鳴き声しか出せなくされて色々と・・・読んでみてください。
あとは伊吹護さんの人形にまつわる話も好きかな。
536:名無しさん@ピンキー
09/01/18 20:50:23 R/1yUzJl
佐野麻雪さんは同じ趣味を持った人間のような気がするw
537:名無しさん@ピンキー
09/01/19 03:22:54 weV+cZ0m
紅の豚→おじさんが豚に
もののけ姫→青年の腕が変化、猪が怪物に、獅子神が別形態に
千と千尋→両親がブタに、少年が龍に
ハウル→少女が老婆に、青年が鳥の怪物に
ゲド戦記→少女が龍に
ポニョ→幼女が魚に
変身ネタが多いのになぜかジブリシリーズにハァハァした事は無いな・・・
538:名無しさん@ピンキー
09/01/19 08:19:09 raa6EczU
>>537
魚が幼女だろ
539:名無しさん@ピンキー
09/01/19 10:17:12 pmxrubTK
>>535
レスありがと
さっそく読んでみる!
540:名無しさん@ピンキー
09/01/19 18:27:04 Q82D+ODS
>>537
猫の恩返しを忘れてる。
ちなみにうっかりバニパルウィットと混同して猫の国と書き込みかけたのは秘密だ
541:名無しさん@ピンキー
09/01/19 19:22:49 l3prtvp4
>>537
豚化好きなんだけどなあ
紅の豚は自主的な変身なのがちょっと微妙だけど千は良かった
542:名無しさん@ピンキー
09/01/19 19:40:04 wchvmSHE
タートルズでエイプリルが猫になる回があるよね
幼な心に不思議な感覚を覚えたのを覚えてる
543:名無しさん@ピンキー
09/01/23 00:45:06 qutcDMI1
>>418->>421を書いた>>355です。続きが書けたので投稿します。
午前3時、東京都新宿区。人がとっくに去った後の深夜のデパートの屋上で二つの影が街を見下ろ
していた。いずれも外見は大人の魅力を漂わせながらも可憐さの残る、20代前半と思われる美麗な
容貌の若い娘だった。
もう冬だと云うのに一人は袖無しで、光が意味を失う様な黒に近い暗灰色のタイトドレスに身を
包み、様々なアクセサリで腕や首元を飾った欧州系の美女だった。桃色の混じった長い栗色の髪を
金の髪飾りでとめており、右手には捩れた流木の様な妖しくも美しい曲線を描いた杖を携えている。
傍らに佇むもう一人は漆黒の闇に何故か染まらぬ純白地の和服に白足袋の上から漆塗りの黒い
下駄を履き、藤色の帯を巻いた淑やかな印象の日本女性だった。降ろされた美しい長髪と瞳は透き
通る様な水色を灯し、白い着物の裾と袖にも同じく水色の細かな雪の結晶模様が散りばめられている。
その幻想的な全貌は暗夜の海に浮上する氷塊の様であった。
美しくも得体の知れぬ二人の前には掌大の水晶珠が宙に浮かんでいた。静まり返る闇の不気味さと、
その有り得ない者達が起こす有り得ない現象の横で、昼間は子連れの買い物客で賑わう遊具の影さえ
もが魔物の群れの様に見えた。覗き込む様にして水晶球を見つめていた黒いドレスの女性が、ふと視
線を横に移す。ステンレス製の手すり越しに、深夜でも車の通行が絶える事の無い忙しげな道路を、
まるで何かを探る様にして見つめる。先程、付近の銀行に3人組の強盗が押し入ったのだという。水晶
珠に映し出された像に拠れば白いミニバス車に乗って依然として逃走中で、この付近の国道沿いを走
行しているものと思われた。
ここ200年程の間で社会規則の整備や文明の進歩が急速に進み、人間の社会が随分と複雑化してくれ
たおかげで彼女達妖怪が人間社会に紛れ込むのも昔よりは面倒になった。彼らの生活に紛れるにしても、
いくらか準備せねばならないものもできてきた。その中で資金は最も基本的なものといえた。もちろん、
善良な一般市民や、あるいは彼らの世界で「銀行」と呼ばれる施設から財産を収奪する方法も無い訳で
はなかった。しかしその場合には彼らのいる世界で「警察」と呼ばれる所謂治安部隊から、約10年から
20年程の間―その期間は地域によって異っていたが、今彼女達がいる国では―狙われ続ける事になる
のだった。もっとも、超人的な力を持つ彼女達に取って警察の武力それ自体はよほどの低級妖怪でもない
限りはまず殆んど脅威とはなり得ない。しかしある人間―特に集団、から長期的に目を付けられると
いうのは、彼女達が人間社会に紛れて生活する上でも厄介となるのだ。任務を余計に複雑化させない為
にも、警察に狙われるという事態はなるべく避けたかった。それ故、強盗やマフィアといった犯罪者から
資金を奪うという手法が一般的であった。狙えそうな「獲物」が見つけ易いという点において、犯罪の多
い地域というのは彼女達にとって都合が良かった。比較的犯罪が多発すると聞きつけてこの地に足を運
んだのもそういった理由からだった。
544:名無しさん@ピンキー
09/01/23 00:52:08 qutcDMI1
スペースが無くて読みにくそう&誤字脱字があるので直します。スミマセン;
午前3時、東京都新宿区。人がとっくに去った後の深夜のデパートの屋上で二つの影が街を見下ろ
していた。いずれも外見は大人の魅力を漂わせながらも可憐さの残る、20代前半と思われる美麗な
容貌の若い娘だった。
もう冬だと云うのに一人は袖無しで、光が意味を失う様な黒に近い暗灰色のタイトドレスに身を
包み、様々なアクセサリで腕や首元を飾った欧州系の美女だった。桃色の混じった長い栗色の髪を
金の髪飾りでとめており、右手には捩れた流木の様な妖しくも美しい曲線を描いた杖を携えている。
傍らに佇むもう一人は漆黒の闇に何故か染まらぬ純白地の和服に白足袋の上から漆塗りの黒い
下駄を履き、藤色の帯を巻いた淑やかな印象の日本女性だった。降ろされた美しい長髪と瞳は透き
通る様な水色を灯し、白い着物の裾と袖にも同じく水色の細かな雪の結晶模様が散りばめられている。
その幻想的な全貌は暗夜の海に浮上する氷塊の様であった。
美しくも得体の知れぬ二人の前には掌大の水晶珠が宙に浮かんでいた。静まり返る闇の不気味さと、
その有り得ない者達が起こす有り得ない現象の横で、昼間は子連れの買い物客で賑わう遊具の影さえ
もが魔物の群れの様に見えた。覗き込む様にして水晶球を見つめていた黒いドレスの女性が、ふと視
線を横に移す。ステンレス製の手すり越しに、深夜でも車の通行が絶える事の無い忙しげな道路を、
まるで何かを探る様にして見つめる。先程、付近の銀行に3人組の強盗が押し入ったのだという。水晶
珠に映し出された像に拠れば白いミニバス車に乗って依然として逃走中で、この付近の国道沿いを走
行しているものと思われた。
ここ200年程の間で社会規則の整備や文明の進歩が急速に進み、人間の社会が随分と複雑化してくれ
たおかげで彼女達妖怪が人間社会に紛れ込むのも昔よりは面倒になった。彼らの生活に紛れるにしても、
いくらか準備せねばならないものもできてきた。その中で資金は最も基本的なものといえた。もちろん、
善良な一般市民や、あるいは彼らの世界で「銀行」と呼ばれる施設から財産を収奪する方法も無い訳で
はなかった。しかしその場合には彼らのいる世界で「警察」と呼ばれる所謂治安部隊から、約10年から
20年程の間―その期間は地域によって異っていたが、今彼女達がいる国では―狙われ続ける事になる
のだった。もっとも、超人的な力を持つ彼女達にとって警察の武力それ自体はよほどの低級妖怪でもない
限りまず殆んど脅威となり得ない。しかしある人間―特に集団、から長期的に目を付けられるというの
は、彼女達が人間社会に紛れて生活する上でも厄介となるのだ。任務を余計に複雑化させない為にも、警
察に狙われるという事態はなるべく避けたかった。それ故、強盗やマフィアといった犯罪者から資金を奪
うという手法が一般的であった。狙えそうな「獲物」が見つけ易いという点において、犯罪の多い地域と
いうのは彼女達にとって都合が良かった。比較的犯罪が多発すると聞きつけてこの地に足を運んだのもそ
ういった理由からだった。
545:名無しさん@ピンキー
09/01/23 00:54:19 qutcDMI1
水晶球を見つめながら2人は冷戦期にウラジオストクの倉庫で武器の密輸を行っていたマフィア
から巨額の資産を強奪したり、10年程昔に香港の港で麻薬取引場を襲撃したりした事を思い出して
いた。すると突然、白いミニバスとは反対方向に走る黒塗りのメルセデスを確認する様に、ドレス
の女は着物の女に何やら物騒な問いかけをするべく、口を開いた。
「あたしはあっちを襲ってくるわ。強盗の方はあなたに任せてもいい?」
完璧な発音の流暢な仏語として発せられたドレスの女性の言葉は、和服女性の中で瞬時に翻訳
され、完璧なまでに美しい日本語となって和服の女の耳に届く。
「ええ、いいですよ。あちらは私が仕留めて参りますので、ご心配なさらないで下さい。」
ドレスの女性を安心させる様に和服の女性は返した。和服の女性が発した日本語もまたドレス
の女性の中で考える間も無く約される。異なる言語同士による何の停滞も無い実に速やかなやり
とりだった。それはまるで同一の言語によるやりとりであるかの様だった。和服女性の追認を得
るとドレスの女は満足したかの様に軽く頷いた。
「オーケー。じゃあ、それで決まりね。」
546:名無しさん@ピンキー
09/01/23 21:53:50 1AH+MGKe
…いくらなんでも細切れすぎやしないか?
547:名無しさん@ピンキー
09/01/24 01:00:54 jXjB9aul
>>525
融合!融合!
続き待ってます凄く待ってます!
548:名無しさん@ピンキー
09/01/24 17:19:30 /L+J23CH
俺も待ってるぜ!
549:名無しさん@ピンキー
09/01/26 01:12:46 JKUhBtJv
>>544->>545ですが、続きが書け次第投稿します。ほんの少しだけですが上の
ヒロインのうち上の2人(魔女&雪女)の変化シーンが出る予定です。どんな
風に変化するのかは見てのお楽しみという事で。極力ネタバレにならない程度
にストーリーを理解する上での設定を載せておきますね^^
【殆ど全ての悪魔・妖怪に共通する特徴】
Ⅰ.人間の数10~数100倍の強靭性・身体能力を有し、怪力や俊足を誇る。
自動車を軽々と投げ飛ばしたり、ジャンプで建物の屋上に飛び乗れたりできる。
また少々刺されたり、撥ねられたりした位では何の問題も無い。
Ⅱ.寿命も人間の数十倍長く、数100年や数1000年単位の長命。
Ⅲ.あらゆる国の言語を理解できる。
Ⅳ.気配を抑えたり隠蔽したりする事が可能で、普段は気配遮断をしている。
その状態では普通の人間の目前で活動しても、霊や妖怪を信じない者は何も
気づかず風などの自然現象としか映らない。ただし他の妖怪をはじめ、僧侶
や神官、牧師、霊媒師などには見える。また普通の人間でも霊感の強い者だと
微かな気配や違和感程度のものは感じる。遮断は自由に解く事が可能、解除
している間は普通の人間にも姿が見える。
Ⅴ.魔方陣を描く事が可能で、それを使って世界各地や魔界など好きな場所へ
瞬時に移動可。移動直後に魔方陣は消えるが、何度でも描ける。
Ⅵ.世界各地に活動拠点を持っており、その中には人間界にあるものもある。
人間界にある拠点は表向きは企業や非営利団体として存在し、妖怪達が運営
を行っている。拠点の目的は情報の収集や交換、資金確保など様々。
Ⅶ.気配を抑えて人間に成り済まし、人間社会に紛れている者が多い。
人間に成り済ますため、PCや携帯、自動車、バイクなど人間の道具の使い方
を習得している者が多い。ただし道具を用いる妖怪の目的は利便性ではなく
人間に成り済ますこと。特殊能力や魔法、魔道具を使う彼らにとって、機能
自体は便利どころかむしろ不便な事の方が多い。
550:名無しさん@ピンキー
09/01/26 10:48:22 Wb8UF4Q1
……
551:名無しさん@ピンキー
09/01/26 12:58:40 CtzIVI63
…
552:名無しさん@ピンキー
09/01/26 14:58:21 uweJUBmf
余計な情報でしたね・・・スイマセン自重します(´;ω;`)
553:名無しさん@ピンキー
09/01/26 20:20:17 cjfVgFDE
>>552
お前同じこともう何回もやってないか?
いい加減学習しろ。
554:名無しさん@ピンキー
09/01/26 21:01:55 unYawSPL
そろそろ譲歩の仕様がなくなってくるぞ
555:名無しさん@ピンキー
09/01/26 21:57:08 TXAChUrC
無言の重圧こえぇw
556:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:14:33 3e3/B61B
話に入り込むのにあまりに難解な設定は逆にとっつきづらいし
普通は文章の中に最低限必要な部分だけ織り交ぜるべきかと思う
商業でも自分で考えた設定の10分の1も物語に出ないのはザラだしな
557:名無しさん@ピンキー
09/01/26 23:31:57 gdemcAqq
設定を練るのは大事なことだけど、
まずは話の展開があってこそ生きてくるのが設定だから
558:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:15:48 ghOTbXrZ
設定考えるときが1番楽しいから気持ちはわかるよ
SS書くの前提じゃなかったら話題のひとつにでもなるだろうけど
>>549の場合SS書く前提だから
「設定書くくらいなら早く本編書けよ」ってなっちゃうわけよ
559:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:50:50 jMxvDuG6
加えてあげちゃってるからねぇ・・・
とりあえずこれ見てたら書き込まないで
半年間ぐらいスレを見るだけにしたらいと思うよ
560:名無しさん@ピンキー
09/01/27 22:56:13 Av/GA9VY
まずは話を完結させる。
評価はそれからだ。
561:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:15:38 /9vnWzSe
嫌な言い方するけど、読む側は設定だけなんか興味はない。
そんなものは作品の中で物語のついでに読み取ってもらえばいいもの。
その物語も(このスレの場合)、女性が人外に変身させられる(する)という題材を
なるべくエロく(エロパロスレなんで)読んでもらうためのもの。
(エロくっつっても直接・肉体的な描写じゃなくて、間接・精神的なものでも全然OKなんだけど)
ぶっちゃけ物語が面白くて、人外化がエロければ、設定なんて適当でいい。
今のところ貴方の一連のレスは、設定が一番大切という、順序が逆な状態。
物語を書きたいなら、設定っていう誘惑をある程度振り切らないといけない。
レスはいいので、上の方の皆さんのレスと併せて受け止めて
その辺についてじっくり考えてもらえればありがたい。偉そうレスですまん。
562:名無しさん@ピンキー
09/01/28 22:50:05 D9ohqUgg
大事なのは、長文のごたくよりただ数行の萌えるエロだよな。
自分も他所でSS書いてるんで、自戒自戒。
563:名無しさん@ピンキー
09/01/29 21:34:45 048QlXOi
設定をほんの少ししか考えないで勢いよく書くのも一つの手だよ。逆に設定が足枷になったり、プロットが手枷になったりもするし(経験済み)。
……な~んて、人様のプロットなり設定なり台詞なりを拝借して書く作品がそれなりにある自分も、気を付けなきゃね……。
564:名無しさん@ピンキー
09/01/29 22:56:14 4uQkLxJ7
なんか過疎スレのわりに職人がけっこうゴロゴロいることに感動w
565:名無しさん@ピンキー
09/01/30 12:36:49 /xja1+Jk
まあ、一読み手としては
設定をみせられると
犯人のわかってる推理小説とか
真のラスボスがわかってるロープレとか
そんな感じがするんで
ほどほどにしていただいたほうがいいです。
566:名無しさん@ピンキー
09/02/02 08:56:35 6qIDBg1g
ほしゅ
567:名無しさん@ピンキー
09/02/02 11:14:58 R1H3cJgk
毎回何かしら現れて燃焼
鎮火を繰り返すなぁ
弱火でいいからとぎれないようにしたいぜ
568:名無しさん@ピンキー
09/02/03 14:03:20 1JIkkt2I
「きゃあああああーーーーー!!!」
静寂に包まれた星空の下に、絹を引き裂く女の悲鳴が響き渡る!
悪の組織ダクミィンの存在を感じた男は、急いで現場に駆けつけた。
「あーっはっはっは! 泣け! 喚け! 我らダクミィンの構成員に改造してくれるわ!」
高らかに笑うのはダクミィンの女幹部、秀麗のミレディ。
ハイレグで胸元が開いた黒いボンテージに長いブーツと帽子を被った姿。
エナメルに包まれた美麗な女は、鞭を片手に妖艶に微笑む―そこに!
「そこまでだッ! 悪の組織ダクミィンめ! 退治してくれるッ!!」
「ふん、またぞろどこかの正義の味方か。今度は楽しませてくれるんだろうねぇ?」
正義の味方撃破数二桁を誇るミレディが嘲るように笑う。
ブーツに飾られた星は、正義の味方を倒すたび手に入れた勲章だった。
「お、お願いしますっ! 助けてくださいっ!」
服を乱された、仕事帰りのOLと思しき女性が涙ながらに男に縋りつく。
男は力強くうなずくと、裂帛の気合をこめて正義の戦士への変身を発動させた。
「任せろッ! とう! 変身ッ!!」
腰のベルトがキュアッ! と輝きを増し、その場にいた全員の目が眩む。
次の瞬間!
「ぶぎゃああああッッッ! ぼぎゃああッ! おぎゃあああああああ!!!!!」
ぼこぼこと醜く身体を膨張させた男がこの世のものとは思えない絶叫を上げた!
僅かに透明感のある白い肉の塊が、男の体内から逃げたがるように暴れている。
やがてそれは男の身体を粉砕するようにしてぶりゅりと体外に押し出された!
ボギッ、ゴキゴキッ、ゴリンッ、ぐちゅぅぅっ、ブシャアアアアアアアーーーー!!!
「んぎゃあああああっ!! あぎゃあああ! ごぐぎゃああはああああ!!!」
無数の瘤に覆われて原形を留めない頭を左右に振り乱し、男が絶叫する。
縋りついていた女は凄絶な光景に、ガタガタ震えながらへたりこんで失禁していた。
ついに体長3メートルほどに膨張した肉の塊は、辛うじて四肢の名残を感じさせる醜悪なものだった。
それがどちゃりと地面に倒れこみ、四つん這いになってカサカサグチュグチュと女幹部に殺到する!
「ひっ……!? ひいいいいっ!! 来るんじゃないっ! 来るなっ! 来るなぁぁっ!!」
歪な瘤だらけの白い肉。そのあちこちから黒い体毛を伸ばしたモノが接近する様はおぞましかった。
女幹部―ミレディは半狂乱になりながら鞭を振るうが、おぞましさに総毛立って精彩を欠いてしまう。
「いやあああっ! やだっ、やだっ! 来るんじゃないよ! やめてっ、ひいっ、こないでええええ!!!」
ガタガタ震えるミレディは倍以上ある質量の肉の獣に組み伏せられ、四つん這いになったその下に囚われる。
ミレディは外から完全に見えなくなってしまい、その代わりのように肉の壁からくぐもった音が響いてくる。
『んぎゃっ! ひぎいい! あぎゃああああっ!! ぶぎいいいい!! ぎゅげええええええ!!!』
ぐちゅうう、ぶち、ゴキ、ゴリンッ、バギュッ、ずぢゅるうう、ゾリッ、ゴリンッゴリンッ
やがて肉の塊が這った後に見るも無残な遺体―ハイエナに食い荒らされたような―が残る。
白い肉塊は再びまばゆい光を発し、男の姿に戻った。額の汗を拭い、勝利のポーズを決めた。
「さすがは女幹部。厳しい戦いだった……ッ! 成敗ッ! ハッ! トウッ!」 おわり。
569:名無しさん@ピンキー
09/02/03 14:35:19 f7zS/Gms
醜い変身ヒーローってのはありがちだがこれはハンパ無いなw
570:うんこ
09/02/03 21:58:02 sEF/XhuR
真弓は朝起きた。
「おはよう!」
ペットのカマドウマに声をかける。
カマドウマは聞こえていないのか同じ虫かごの中にいる
カブトムシとひたすら性行為を続けていた。
「はぁ…今日はテストかぁ…憂鬱だなあ」
真弓はこう見えてもテストは毎回100点の秀才だった。
「よし、学校なんてサボッちゃえばいいんだ!ゲームセンターに行こう!」
真弓はゲームセンターに向かった。2、3人のチンピラにからまれた。
「お姉さん、今日は平日ですよ、学校に行かなくていいのですか?」
リーダーと思われるスーツ姿の初老のチンピラに諭されてしまった。
「はーい、もう、仕方ないわねえ」
学校へ向かう途中オオカミに出会った。噛まれた。
「いてえっ!!何すんだこのクソ犬!!」
真弓は無我夢中でオオカミを持っていた大ナタで追い払い
家に帰った。
「はぁ…はァッ…なんなのこれッ…!!」
真弓の体毛はいつの間にか毛深さを増していた。
それだけではない。
手足の爪は鋭利な刃物のように尖り
両耳もまた頭上に引っ張られるような形で伸びていた。
「こんな…こんな事って…あがゥッ…!」
尾てい骨の辺りから尻尾のようなもの、いやそれは
紛れもない尻尾が伸び始め、それと同時に踵のあたりが
地面から浮き上がるような感覚。
もはや真弓の体は「人間」という言葉で表されるものでは
なくなりつつあった。
変化はまだ終わらない。
体全体が筋肉質になり着ていたブラウス、スカート、その他
諸々の下着が悲鳴をあげやがて布切れとなって床に横たわる。
一糸纏わぬ姿になったかと思いきやそこに広がるのは銀色の獣毛。
耳は頭頂部に移動し歪んだ口からは牙が窮屈そうに顔を覗かせ
毎朝丁寧に剃っていた陰毛も深いジャングルの茂みとなって蘇る。
「ガァッ…!!グゥアッ!!アグゥァッ!!」
真弓の口から漏れるそれは既に獣の咆哮。
身近に在る脅威にカマドウマとカブトムシも性行為を中断する。
「ウァ…ウガアアアアアアッッ!!」
一際大きな叫び声を上げたかと思うと
鼻と口が前にゆっくりとせり出していき、やがてマズルを形造る。
「ハァ…ハァ…」
そこにいたのは銀色の体毛に長い尻尾をなびかせる1匹の狼。
いや、正確には狼と人の間、狼女とも呼べる代物だった。
「こ、こんなのになっちゃうなんて…私…私…!!
真弓は普通の女の子に戻ります。」
人間に戻った。
571:名無しさん@ピンキー
09/02/03 22:15:56 uGv5AfoF
こういう小粒な作品でいいからちょこちょこ投下されてほしいもんだ
572:名無しさん@ピンキー
09/02/03 22:39:28 g4OzRTKI
いくら何でもぶっ飛びすぎ
573:名無しさん@ピンキー
09/02/04 00:07:19 LLUHD6zx
問題ない。
俺の脳内補完はカンペキだ。
574:名無しさん@ピンキー
09/02/04 01:16:24 4tVIGsBM
すげーww乙!
575:名無しさん@ピンキー
09/02/04 01:18:03 yVWLXh67
つ精神分析~♪
576:名無しさん@ピンキー
09/02/04 02:39:08 KTnJxJMm
異形化とはなんか違うかもしれないが融合ネタがとんでもなく好きだ
触れ合ってるうちに皮膚が境界をなくして細胞同士が接着して血管と神経が絡まって、
個の中に納まっているべき情報が互いの中を錯綜して自他の境界が破壊されて、
そのうちひとつの個体へとずるずると纏まっていくのがそりゃあもう凄い好きだ。
577:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:02:25 Guv9RuyM
>>570
簡潔で分かりやすいGJ
578:名無しさん@ピンキー
09/02/04 10:33:39 ykYDBdM7
昔、光GENJIがドラマやってたね、狼男の
あれ思い出した……好きだったなぁ
579:うんこ
09/02/04 17:00:35 C7sV0B+U
「セックスしてくれないか?」
私の脳は思考停止した。普通夜中仕事帰りに人気のない通りで
知らない男性からこんな言葉をかけられれば叫び声をあげて交番に
駆け込むだろうし、合気道や空手などの格闘技マニアである私の場合は
相手の股間を蹴り上げるなり何なりして、この場を凌いだはずだ。
だが目の前にいたのは
狼男
である。
田中美緒22歳職業OLスリーサイズは上から84・50・78
中学時代沖縄での修学旅行中になまこを生で食べようとして吐いた事
以外はごく普通の平凡な人生を送ってきた彼女であるから
突然目の前に現れた非現実への対応に困るのは致し方のない事
かと思われた。しかしおよそ30秒経過後、彼女が口から漏らした
言葉は実に意外なものだった。
「いいよ。」
私は悩んでいた。それも普通の悩みではない。
人間の男を愛する事が出来ないのだ。
アイドル番組に出てくるような一般的に格好いいとされる
男の子を見ても全くときめいたりしないし、周りの友達が
そういったモノを見て騒いでいるのも全く理解出来なかった。
何度か男性から告白された事もあったが、それもすべて
断った。
かといって私には好意を抱く対象が無かったわけではない。
それは狼男である。
映画やアニメに出てくる狼男を見ると何故か異常に興奮し
体の疼きが止まらなくなる。狼男が出てくるシーンは何度も
巻き戻して再生し、PCの映像編集ソフトを使いそういった
シーンを寄せ集めたムービーを作ったりもした。
「狼男がもしこの世にいるなら全てを捧げても構わない」
本気でそう思っていたものだから目の前に突然狼男が
現れた時は歓喜、好意、欲望といった感情が混ざり合い
爆発しそうになった。それを理性で押さえつける
ために脳が一瞬の思考停止を促したのだ。
そう、今まで私が感情の裏で溜め込んできたものを
目の前の非現実がすべて解放してくれる。
580:うんこ
09/02/04 17:01:07 C7sV0B+U
私は人目につかないように気をつけながら狼男の彼をアパートの一室へと
招き入れた。この場合は「幸い」と言うべきだろう、私は親元を
離れ一人暮らしであるからその行為にもこれからする行為にも
何の問題も無かった。私は服を脱ぎ捨て一糸纏わぬ姿となる。
「一応聞いておくけど、本当にいいのか?そりゃ俺も嬉しいけどさ。
こんなに簡単にいくとは思ってなかったな。」
「ふふ、あなたは私の運命の人なのよ。」
見知らぬ男、しかも非現実的な対象にこんなセリフを吐くなんて
どう考えてもイタい女だなあと心の中では思いつつも
私の欲望は収まる気配を見せなかった。
狼男のカレにグチャグチャにされたい。
「んーまあ半分OKもらえるって確信はあったんだけど…
なんてったって俺とアンタは一緒のモンだし。」
「えっ?それってどういう…」
「まあこれからわかる、かも。」
彼も着ていた服を脱ぎ始める。黒みがかった灰色の体毛の上からでも
はっきりとわかる逞しい筋肉があらわになる。その美しさに
私は卒倒しそうになってしまった。いけない。これからもっと
美しい快楽の瞬間を味わえるのにここで気を失ってしまうのは
もったいない。何か気になる事を言った気がするがそんな事は
もう彼の美しい肉体の前ではどうでもよくなりつつあった。
「さて、じゃあ始めますか。R指定『美女と野獣』の開演です。」
彼はそう言うと私の胸と秘部を両手で愛撫し始めた。
「あ…はァッ…」
肉球のやわらかい感触が胸を通して伝わってくる。
その気持ち良さだけでイッてしまいそうになったがなんとかこらえた。
彼はしばらくその行為を続けていたがやがてあちらも
快楽を得るという欲望を我慢する事が出来なくなったのか
犬科の動物のような赤黒いペニスを私の秘部に宛がった。
私の秘部は既に大量の愛液で溢れていたため
挿入はスムーズに行われるはずだったのだが彼のモノが少々、
いやかなり大きいサイズだった為、中々前に進まない。
「これはやっぱ変身してもらわないと駄目かなあ。」
「?」
何を言っているのだろう。
「君も狼女になるのさ。いや、まあ元々狼女なんだけどね。」
私の脳が再び思考停止した。
581:うんこ
09/02/04 17:01:49 C7sV0B+U
「君は俺と同じ人狼なのさ…人間の男に興味無かったろ?」
「でも…なんであたし…そんな…信じられない」
「匂いでわかったんだ。この姿の時はハナがきくんだ。
俺も君と同じように人間の女に興味が無かった。なんでだろう、とそりゃ悩んださ。
もしかしたらホモなんじゃないかとも思ったけど男にも興味が持てなかった。
唯一興味が持てたのは映画の狼男への変身シーンだったんだ。ああいうのを見ると
異常に興奮する。最初はなんて異常な趣味だろう、と思った。
でもある日気付いたんだ、俺は本当の狼男だったんだってね。」
頭の情報整理が追いつかない。だが彼は構わず喋り続ける。
「狼男は満月を見ると変身するってあるだろ?あれ嘘じゃないんだよ。
でもただ見るだけじゃない。心の底から人狼になりたい、って
思いながら見るんだよ。少しでも疑っちゃ駄目だ。」
「じゃあ私も…人狼になりたいって思いながら満月を見れば…変身しちゃうの?」
「そうさ、やってごらんよ。今日は丁度満月さ。」
私は立ち上がりカーテンを開ける。上空には真円の月が深い黄色の光を放ちながら
佇んでいた。
「息を整えて…人狼の姿を思い浮かべるんだ…。そしてそれと自分の姿を重ね合わせる。」
彼に促されるまま私は満月を見上げ人狼と自分の姿のイメージを強く思い描いた。
やがてそれは大きく熱い血液の奔流へと変わり全身から汗が噴き出始める
「そうそのまま…もうすぐ変化が訪れる。」
体が熱い。激しい痛みを伴いながら私の体がミシミシと音をたてて変わっていく。
全身に灰色の毛が生え始め、同じように髪の毛の色も黒から灰色へと変わっていく。
手足の爪は月明かりを反射し鈍色の光を放ちながら尖り、手のひらには肉球、
尾てい骨のあたりからは肉と骨が同時に伸びていきやがて灰色の
毛に深く覆われフサフサと揺れる尻尾となる。
「あ…ああっ」
痛みはやがて快楽となり全身を駆けめぐる。
そして変化は続く。
瞳の色は金色へと変わり妖しい光を放つ。
全身が筋肉質になり胸もその大きさを増してゆく。
すっかり全身を灰色の毛で覆われたその姿もはや顔以外は人狼そのものといった感じだ。
やがてその顔にも大きな変化が現れる。
歯は鋭い牙へと変貌し、耳は頭上へと移動していき三角形を形作る。
鼻は黒く湿りだし、口と顎まわりの肉と骨を巻き込みながら前に突き出していきやがて
しっかりとしたマズルを形作る。
「ウォ…ウォォォーーーーーーン!!」
思わずあげた叫び声はすでに狼の咆哮そのものだった。
582:うんこ
09/02/04 17:04:25 C7sV0B+U
「これが私…?」
私の姿は灰色の獣毛、豊満な乳房、長くてフサフサの尻尾を持つ狼女へと変貌した。
「綺麗だ…」
彼が呟く。私も全く同じ感想だった。
「さあ、続きをしようか。その姿なら大丈夫なはずだ。俺ももう我慢できない…!」
彼のモノはビクンビクンと波打ちその先からは先走り液が滴り落ちている。
私はその欲望の塊をくわえ込もうと股を広げた。
ズチュ…ヌチュ…
いやらしい音をたてながら彼の巨大なペニスが私の中に入って行く。
先程のように窮屈な事は無く、熱い肉棒の感触が私の中に感じられる。
しかし根本までくわえ込む前にその進行は阻まれた。
「大丈夫…行って…」
彼は一呼吸置いた後、腰を深く沈めた。処女膜を突き破り熱い肉の塊が
私の一番奥へと達する。
「ハァッ…アアアアアアアゥッ」
私の中で快楽が爆発した。
「ハァ…ッ…ハァッ…」
「動いても…いいかい?」
私は無言で頷く。
彼はそのままゆっくりと腰を前後に動かす。
ズチュズチュヌチュヌチュと音が漏れやがて
その動きも激しくなっていき私の感情も再び上り詰めていく。
「もう…そろそろ…限界だッ!」
「いい…よ!大丈夫…ッ!」
「ウ、ウアアアアアッッ!!!」
ドプッ ドピュゥッ ドピュルルルドプッ
私の中に大量の熱い迸りが放たれたのを感じる。
「ヒィアアアアアアアアアゥゥッ!!」
私も同時に叫び声を上げながら絶頂に達した。
「ハァッハァッ…」
しばらくして彼がペニスを引き抜くと
ゴプッ ゴポッ
と音を立てながら私の中から大量の白濁した
液体が漏れて出る。凄い量だ。
「良かった…あなたに出会えて…」
「俺もだよ…」
その日から私の人生は大きく変わった。
昼の仕事は以前よりうまくいくようになり周りからも
急に明るくなってどうしたの?と聞かれる事が多くなった。
そして満月の夜は獣となり彼との愛を確かめ合う。
私は今充実している。
583:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:15:00 ZuhF2DGN
GJだぜ
狼女の香りがするようだ
584:名無しさん@ピンキー
09/02/04 22:00:08 jMuKIdwH
GJだがハンネそれでいいのかw
585:名無しさん@ピンキー
09/02/04 22:12:59 xotazjnW
続きが出来たので投下します。
融合もの、>>525->>529の続きです。苦手な人は「おめざめのじかん・つづき」でNGよろすく。
586:おめざめのじかん・つづき
09/02/04 22:15:30 xotazjnW
後背位で繋がったままの二人。まず変化を始めたのは、兄の和義であった。
膝立ちの両足、その体毛が一気に抜け落ちると、ぐにゅりと足先が歪んだ。足の指は瞬く間に癒着し、溶け合い、なくなっていく。
右足と左足、全ての指がなくなると、今度は互いの足が絡み合い、ねじられながら徐々に後へ伸びていき、少しずつその長さを増していった。
「あが、ぐが、ぎゃ」
のけぞったままで大きく開けながら、意味のない音の羅列を発し続ける彼の口。その端から顎を経て、由希の肌白い背中へぽとりと落ちる涎の雫。
右の瞳からまるで色を失うように、虹彩が消えていく。足の先端がねじられながら癒着し、そのの変化は膝まで進み、開くことは不可能だ。さらに伸びて一つになった
足先の皮膚に少しひびが走り、肌色は色を濃くし、緑がかった青色へと変色を始めた。同時に、由希も変化を始めた。
「ああ、くは、ああんっ!」
和義の肉棒をくわえ込んだ由希の淫唇は、悦びに二、三度うち震えるとピッタリと閉じていく。その内側では、彼を離すまいと蠢いていた襞がぼこぼこと暴れ、
亀頭を、陰茎を取り込んでいた。それが完全に溶け合うと、秘裂と怒張の根元も融合し、二人は完全に繋がった。
「はあ、んふう、ひき、くがっ!」
彼女の太腿がそれぞれ、内側から膨らみながら太さを増し、長さを増す。それに耐え切れなくなったのか、由希は重心を後ろに下げ、前かがみの正座のような格好になる。
本来ならば後の兄が支えになるはずだったが、彼の足は骨格までもが癒着して再構成されて、支えることはできなかった。
異様に膨らんだ腿が脹脛に触れると、皮膚の下の肉がうごめくようにして飲み込み始めた。踵は同じように膨張を始めた尻肉に埋没し、皮膚の境を無くしていく。
「はあ、んふう、ひき、くがっ!」
膝から先は完全に太腿に飲み込まれ、臀部の柔肉に埋まっていく両足も、もうそれぞれの指を残すだけになった。それが完全に無くなるのも時間の問題だろう。
さらに、無くなった足を補うように、新しい足が膝に形作られていく。大腿骨の先端が変化を始め、正真正銘「膝立ち」している由希を支えるべく、
膝頭を突き破り、鋭利な突起が三つシーツに食い込んだ。
587:おめざめのじかん・つづき
09/02/04 22:17:23 xotazjnW
「おう、うお、おおおっ!」
「はう、ひあ、ひあ、ひくうっ!」
肥大化した由希の尻肉。和義の睾丸が、その谷間に吸い込まれるように融解し、二人の性器は完全に一つになった。それでも変化は留まらず、密着している彼の腰も、
膨らみ続ける彼女の臀部との区別をなくし、癒着を始めた。
「かはぁーっ、はぁーっ」
和義の両足は、原型を留めていなかった。
融合と皮膚の硬化、変色は、太腿の付け根まで及び、巨大な一本の尾、としか形容できなくなっていた。
いや、それは尾そのものだろう。快楽に震えているのか、左右に空を切りながらベッドの上でのたうっている。
「ふあぁぁ、あはぁぁぁ」
快楽に染まりきった由希の表情。左目は意思の光を失って久しく、右目の虹彩が、爬虫類を思わせる縦に伸びた切れ長のものへと、その色も紅くなりながら変化していく。
「あ、ああ…」
そうして、下半身は一つになった。由希の膝だった部位には三つの鍵爪が生えた大きな足が出来、尻尾と化した彼の両足と同じく、皮膚の硬質化、いや鱗化が始まっていた。
程なくして、腰から上の融合が始まる。
「ぐげ、げぐえうきえいかがああぐっ!」
呻きともつかない不気味な声が開けっ放しの彼の口から漏れ、何とか残った上半身を、彼女の背中に重ねるようにして、融合した根元から少しづつ重ねていく。アイスクリームが
溶けていくかのように、肌が重なった部分から張り付き、癒着していく。
時を同じくして、ぼきぼきと何かが折れるような音を響かせながら、和義の両腕が肘から手首からそうでない部分から折れ曲がり、左右に伸び始めた。両手の指も音を鳴らしながら
異様に伸びていった。その間には皮膚が張られ、また同じように腋と二の腕に張られた皮膚が、少しづつ広がっていく。
人間とは呼べないような、異様な姿になりながらも、二人はその全てが快楽に変換されていた。
細胞が核レベルで結びつく。筋肉の繊維一本一本が交互に編み上げられ、骨は互いに癒着する。血管と神経が絡み合いながら再構成され、脂肪は溶け合って肥大化し、筋肉の一部へと
変換される。内臓までもが融合を始め、人間ではない何かへと適した形へ変化していく。
そのすべてが、一つとなりかけている二人を、絶頂の瞬間のあの気持ちよさ、それを遥かに上回る性感になって二人の意識を揺さぶっていた。
上体を支えていた彼女の両手は爪が黒く、長くなり、緑の鱗に覆われ始めていた。上半身の融合はかなり進行し、和義の肩から下は由希と一つになっていた。融合箇所は肥大化し、
すぐに鱗が包んでいく。伸びきった両腕もそれに覆われ、広がっていた皮膚も変質し、一対の翼を形作った。
ついに肩が触れあい、融合が始まる。これが二人の少年少女であったという名残は、首から上にしか残されていなかった。由希の腹部は白色の強い、柔らかそうな蛇腹になり、
大きめな双丘は他の部分同様、緑青色に染まる。その頂は溶けるようにして、さらに成長を始めた双丘に飲み込まれた。
その姿は、まさに異形。
肩から下は二人より二周りも大きい、鱗に覆われた爬虫類のような何か。成長しきった巨大な乳房が唯一、人間の名残を匂わせる。
肩から上は、高校生の少年と中学生の少女、二人の頭が並んでいた。二人とも理性の欠片も無い、淫らに嗤った貌で、涎や涙を垂れ流していた。
そして、それぞれを個たらしめる自我の融解が始まる。
588:おめざめのじかん・つづき
09/02/04 22:18:52 xotazjnW
(お、お、れ、……ゆ、き……)
自我を掻き消すような激しい快楽に混じり、明らかに他人の思考、記憶が風前の灯と化した和義の理性に入り込み、意思の境界さえもが曖昧にぼやけ始めた。
(お、れ、は、ゆ、き…?ゆき、は、おれ…?)
入り込んだ他人の思考、それは由希のもので。
(そう。君は由希)
それを自覚した瞬間に、別の誰かの声がした。それは自分のものの様で、最愛の妹のものの様な、それでいて遥か昔から知っているような優しい声。
(そして、君は和義)
最早自分なのか、妹なのかさえ分からなくなった。
(そして、君は僕)
(う、うわあ、ゆ、ゆき、が、お、にい、ちゃ、んが、まざ、るぅ……まざっちゃ、うぅ……)
(そう。君たちは混ざって、一つになって、僕になるんだ)
二人の精神は完全に境界を失い、融合を果たした。そして声の主そのものへと変化していく。それに合わせるように二人の肉体は、加速度的に最後の変容を進めていった。
589:おめざめのじかん・つづき
09/02/04 22:21:53 xotazjnW
「「ああああああああああ!」」
並んだ口から叫び声を吐き出して、二人の首がぐぐりと伸び始めた。伸びながら和義の首は、由希のそれに根元から巻きついていく。そこから皮膚の境界が無くなり、太くなり、鱗が覆う。
首の成長が止まると、二人の頭が、勢い良く左右からぶつかり合った。
ぐしゃりといういやな音が、部屋に広がる。しかし二人の顔は、嗤ったままだった。
右半分が、由希の顔。
左半分は、和義の顔。
互いの顔の半分がめり込みながら、二人は口の端を吊り上げ、嗤っていた。
「あが、げがあっ」
鼻先が、上顎ごとめきめきと、前に伸びていく。下顎もあわせて伸び始める。
「けは、ごげ、ごぼっ」
髪の毛が抜け落ち始め、耳が引っ張られるように尖り、広がる。
「ぐぼ、ぐおお…」
ぽろぽろと抜けていく歯。しかし抜けた先から、尖った新たな歯が生えそろう。
「ぐおおおお……」
声帯までも融合し、人間とは思えない唸りが、喉の奥から響き始めた。髪の毛が完全に抜け落ち、変形した頭から、一対の角が伸びる。
「おおおおおおおっ!」
首を覆いつくした鱗は瞬く間に頭を覆い、伸びきった鼻先と顎を包んで。
「ぐるおおおおおおおおおおおおっっ!!」
右目を紅く、左目を蒼く輝かせて、生まれ変わった喜びを思い切り、咆哮へと乗せた。
590:おめざめのじかん・つづき
09/02/04 22:23:08 xotazjnW
それは、まさしく一匹の竜。
二人が自他の境を失い、ずるずると融合し、全く別の生物、一つの個へと纏まった姿。
(やっと、やっと果たしたよ。千年以上の時を経て、ようやく)
自分の体をあちこち見回しながら、人間には決して聞き取れない「声」で、満足げに呟く蒼き竜。
何度も何度も様々な生物に転生を繰り返しながら、力を溜め、再び空に羽ばたく為に。
(二人の人間に別れちゃったのは誤算だったな……)
別れた魂の欠片は、強く呼び合い、それは分離した二人が愛し合うという結果になって。
魂や力を精液や愛液に乗せて注ぎあい、ようやく今、長年の願いは果たされた。
(二人には悪いけど、ほんのちょっとだけ、休んでてね)
カーテンの端を銜えて、破かないようにそっと首を動かすと、寝静まった住宅地の僅かな明かりと、真っ白い月が佇んでいた。
(静かで、いい夜だ)
ベランダと部屋を隔てる大きなガラス戸も、首と口で器用に開け放つ。夜風が蒼い鱗を撫でる感触が、何よりも気持ちいい。
(久しぶりに飛ぶんだ。落ちないように気をつけなきゃね)
二人の人間が成り果てた、一匹の竜は、ベランダからふわりと飛び立つと、月明かりの差すほうへ、静かに、静かに舞い上がった。
が、そうは問屋が卸さないのであった。
彼はしっかりと航空自衛隊のレーダーサイトに捉えられ、ガ○ラやギ○オスとの交戦経験もある百戦錬磨の百里基地所属F-15Jと日が昇るまで
必死の鬼ごっこを繰り広げることになり。
へとへとになって逃げ帰ると、竜の体を保つだけの力さえも残っておらず、余韻も味わう間もなく和義と由希に戻った。
その日二人は一日中、謎の全身筋肉痛に悩まされていたそうな。
591:名無しさん@ピンキー
09/02/04 22:30:06 xotazjnW
終わりました。
溜まった食玩を組み立てながら書いていたら、こんなオチに。すいませんほんとすいません。
あと気に入った表現がありましたので、>>576さんのレスを一部お借りしています。
>>581さんGJです。挿入して獣化、いいですねえ。
592:名無しさん@ピンキー
09/02/04 22:35:25 WzwShpce
ちょ、オチwww
だがGJ
593:名無しさん@ピンキー
09/02/04 22:37:40 U8yBHDDZ
まさかのオチに吹いたw
しかしGJ!
594:名無しさん@ピンキー
09/02/04 22:53:51 4tVIGsBM
待ってました!なんという脱力オチwwww
でもそれまですごく興奮したー。融合変身って素晴らしい。ありがとう。
なんとなく元の二人に戻るシーンも見たかった(スレ違いだけど)
595:名無しさん@ピンキー
09/02/04 23:16:28 lkt+cri+
GJだ!!
筋肉痛www
596:名無しさん@ピンキー
09/02/06 00:40:51 Mc1JwkNS
そりゃ自衛隊も追いかけるだろうさww
ともかくGJ!!
スレチだけど俺も元に戻るシーン見たいな
597:名無しさん@ピンキー
09/02/07 00:36:56 5gVd+pDR
誰かサキュバス化書いてくらはい…
598:ドリアード書いた人
09/02/07 09:36:06 GxzEvt/t
>>597
変身菓子の短編として考えてはいるのですが……このスレだとスレ違い(変身度合い的に)になるのではないかと思ってますが、どうでしょう?
599:名無しさん@ピンキー
09/02/07 09:46:35 TFL5AzK1
特に問題ないかと思います。
600:名無しさん@ピンキー
09/02/07 10:00:55 44ZCL0zu
むしろ大歓迎です
601:名無しさん@ピンキー
09/02/07 11:03:13 5gVd+pDR
>>598 上にヴァルキリー化もありますので問題ないかと
というか是非
602:おにゃのこが悪魔になっちゃう話 第一章
09/02/09 02:34:17 voeJnhm9
私は悪魔神官。今日も馬鹿な人間を下僕にする仕事が始まるお・・。
「ここは・・どこ?」
「クク、ようやくお目覚めかい子猫ちゃん・・」
「あ、そうか私、酔っ払ってて、あの、ありがとうございます。
私もう一人で帰れますんで・・ってあれ?手足が、繋がれてる?!」
「ふふっまだ帰すわけにはいかない。君はひどく傷ついていた。
長く付き合っていた恋人に裏切られ、このままでは命も捨て兼ねない状態だった。
そんな君をひとりで帰すことはできない」
「うう、私見ず知らずの人にそんなことまでしゃべっちゃったの?
確かに、昨日彼に捨てられて、もうこの先どうなってもいいやって思ってた。
でもあなたにこれ以上構って欲しくないの。
だからお願い。とにかくこの鎖をはずして?ね?」
「ダメだ。君はもっと彼を恨まなければならない。心の底から」
「何を言ってるの?私はもう・・」
「忘れてなどいないはずだ。お前は何も悪いことはしていない。
一途に恋人のことを愛していただけ。それなのに」
「それなのに・・」
「やつはお前を」
「ううっ・・ひどいよ・・信じてたのに・・」
人間という種族ほど感情を操るのが簡単な生き物はいない。
憎しみの火種を引っ張り出すのに成功すればあとは燃え上がらせるだけ・・。
女の胸に手をかざし、どす黒い波動を送り込む。
女の胸に灯った憎しみの火種が徐々に膨れ上がっていく・・。
603:ちなみに598の人ではありません・・
09/02/09 02:38:05 voeJnhm9
「ああムカつく・・ムカつき過ぎて気持ち悪いよ・・あああ」
女の顔が次第に険悪になっていく。悪夢にでもうなされているような表情だ。
構わず波動を送り続ける。
次第に女のうなり声は大きくなる。
「ああ!苦しい!憎い!憎いぃ!!あああ誰かあ!誰か助けて!」
火種が悲鳴を吸収しているかのようにボウボウと音を立てて燃え始める。
女は胸を掻きむしるような仕種で縛られた手足をじたばたと動かし始める。
やがて悲鳴は絶叫へと変わる。
「あああああああ!!アイツ!!あの野郎!!よくも!!よくも!!
ああっ!!はあああ苦しいよおぉぉぉ!!」
女の形相は怒りに歪み、まるで犬のように唾と罵声を盛大に吐き出す。
ここまでくれば私が波動を送るまでもなく、炎は自然と燃え上がっていく。
「ぅっがああああ!!コロス!コロス!殺してやる!ぶっ殺してやる!!!
あのイ○ポ野郎!!ぶっ殺してやるあああああ!!」
怒りに取り付かれるとこうも醜く成り果ててしまうのだろうか。
人間とは脆い生き物だ。そろそろ人間の肉体では
憎しみを制御出来なくなってくる。女の身体も次第に作り替えられていくはずだ。
血圧が人体の限界値を越え、女の鼻から勢いよく鼻血がブッと飛び出す。
「きゃあああああ熱いぃ!!身体が焼けるうぅ!!!」
綺麗に装飾を施されていた爪は既に5センチ程まで伸び、硬く鋭いものに成り代わってしまった。
女が暴れる度に自らの服を切り裂き、白い肌を傷つけている。
大きく見開かれた眼球は、瞳の部分を残し、
白眼の部分が鮮やかな黄金色に染まって行く。
犬歯は徐々に鋭さを増し、唇の中に収まらなくなる。
「くああぁ!!!熱い!!あっ?アタマいったああああい!!!」
悲鳴を上げる女の頭上に悪魔の象徴である二本の角が姿を現し始めた。
ゆっくりと髪を掻き分けながら、メリメリと何かが軋むような音を立てて伸びてゆく。
604:おにゃのこが悪魔になっちゃう話 第一章
09/02/09 02:51:25 voeJnhm9
角が完全に生え終わる頃、女の全身の筋肉は悪魔特有のものへと姿を変える。
身体中がピクピクと震え出し、色白の肌は次第にくすんでいく・・。
その色はやがて鮮やかな紫色を発色し始め、女の手足から顔、局部に至る全身が美しい紫色に変化した。
「はあ・・・くっ・・はあっ!・・」
紫色に染まった女の全身は依然痙攣を繰り返しており、
身体全体を酷使するあまり全身に太い血管が浮かび上がる。
その血管は人間のものとは違いグロテスクにうねうねと女の身体中を波打つ。
痙攣していた筋肉は次第に膨張し、脂肪に包まれた女性特有の柔らかいシルエットは
少しずつ筋肉質なものへと変化する。
緩やかな曲線を描く紫色の肌に次々と影が刻まれてゆく。
「くうぅぅ!ああああ!」
腹筋は八つに割れ、二の腕やふくらはぎも大きく盛り上がる。
頭を支える首も一回り太くなり、更に強靭さを増す。
女性のシンボルである胸部は更に巨大化し、
小ぶりだった女の胸ははちきれんばかりに膨れ上がってしまった。
身体の変化に引き続き顔の痙攣が起き、女の顔も変わってゆく。
眉間に深く刻まれたシワは筋肉の膨脹によりさらに盛り上がり、
眉は全て抜け落ち、まるで仁王のような目つきとなった。
鼻っ柱がゴキ
605:変なとこで切れてしまっ
09/02/09 02:55:18 voeJnhm9
鼻っ柱がゴキゴキと音を立て、依然よりごつくなり、小鼻の筋肉も大きくなった。
髪の毛はこの人間の場合抜けることはなく、依然チャラチャラした髪型のままだ。
「悪魔らしい顔つきになったもんだ」
「ぐおおぉぉ!!なにこれぇ!!力が溢れるみたい!!うがああああ!!」
ガチャンと音を立て繋がれた鎖が引きちぎられた。
これで変身終了だ。
「キアアアアアアア!!ぐおおおおああああ!!」
女は悪魔になった喜びにうち奮え、歓喜の雄叫びを上げた。
とりあえずここで終わりです。
気が向いたら第二章も書くかもしれないです。
読んで下さってありがとうございました。
606:名無しさん@ピンキー
09/02/09 17:09:33 RS80kDGg
GJ
最初ふたなりか男体化したと思ったぜ
鼻血表現が新鮮だな
607:名無しさん@ピンキー
09/02/11 13:10:17 5r1HEFTt
第二章wktk
608:名無しさん@ピンキー
09/02/11 21:50:43 NsnfHihJ
いつの間にかすごいのがきてた
第二章にwktk
>>605
GJ!
609:名無しさん@ピンキー
09/02/12 18:24:13 dIFOnEAQ
続きです。二章では女主観の文章になります。
「はぁ・・くっ・・はぁ・・はぁ・・」
「お疲れ様。気分はどうだね?」
「はぁ、はぁ、なんだか、身体中から力が湧き出てるみたいで、すごく気持ちいい・・。
今ならなんだってできるような・・。あなた、私に覚せい剤でも打ったの?」
「ははは!そうだな。覚せい剤みたいなもんだ。しばらくその快感に酔いしれるがいい」
この男に縛られて、さっきまですごい苦しみを与えられてたはずなのに、
そんなのもうどうでもよくなるほど、身体中に溢れるこの力は心地いいものだった。
今までぼやけていた視界に一気に鮮やかな色が着色され、
素晴らしい世界を手に入れたような、そんな気分。
「んんんあああ!この力、一体なんなの・・ああんもう抑え切れない!」
私は腕を振り上げ、近くにある机に思いっきり両手を振り下ろした。
するとずがーんとすごい音を立て、机は真っ二つに折れてしまった。
それはまるで発泡スチロールのように脆い感触だった。
「ぇ・・嘘・・やだ、これ、私がやったの・・?え、これって夢?」
「夢ではない。これは現実だ。それがお前の新しい力だ」
「え、でも今、すごい簡単にこんな・・え?なに、これ?」
「混乱しているな、いいかよく聞け!お前は悪魔に生まれ変わった!
もう人間ではないのだ!先程お前が受けた苦痛は全て
人間から悪魔に変わる儀式のようなものだ」
この人一体何を言っているの?私が悪魔?悪魔ってほんとにいるの?
「てことはあなたも悪魔なの?」
「当然だ。今はお前を警戒させないために人間に擬態しているが、
本来の姿は違う。しかしお前の姿は悪魔そのものだがな」
610:名無しさん@ピンキー
09/02/12 18:25:23 dIFOnEAQ
私の姿が悪魔?何を言ってるのだろう?そんなはずがない。
私は人間だし、人間の女の子・・・でも、この紫の肌は何??
この黒くて尖った爪は??ボディービルダーのような腹筋・・メロンみたいな・・・・。
いやだ、これ、私の身体じゃないよね・・・?
「ククク、まだ信じられぬか。鏡でも見てくるんだな」
私は洗面台に向かい、そっと鏡を覗いた。
「・・・・きゃあ」
そこにいたのは悪魔。そう呼ぶことしかできないような姿。
その悪魔が両手で口を隠すような女の子っぽい仕草をした。
それはまさしく私のリアクションだった。
私が右手を動かすと右手が動き、左手を動かすと左手が動く。
「やっぱりこれ・・私なんだ・・」
私は結構かわいい方だと思ってた。男の子にもちやほやされてたし、
雑誌モデルなんかもやってた。でも目の前の・・・私は・・。
「・・嘘でしょ・・こんなのやだぁ・・・ねぇ、人間に戻してぇ!戻してよ!!」
「もう無理だ。一度なってしまったもんは元に戻すことはできん。諦めろ」
「そんな・・・こんなの・・」
611:名無しさん@ピンキー
09/02/12 18:27:01 dIFOnEAQ
「じっくり自分の姿を見ろ。そして慣れろ。悪魔としてはなかなか悪くない」
「誉めことばになってないよぉ・・」
身体つきはまるで男。それも格闘技でもやってるような。
でもおっぱいだけは前より女・・・身体を触ると、カチカチなのに
オッパイだけすごく柔らくて、ふにふに気持ちいい。
オッパイを触る手は血管だらけのおっきな手。
毎日クリームでお手入れしてたのが馬鹿みたい。
顔は・・・怖い。怒ってないのに常に怒ったような顔。
でも私の顔の面影がちゃんとあって、それがまたすごく嫌!
外国人のように眉の部分がぼこっと盛り上がり、そのせいで目が奥にある感じ。
その目は真ん中の小さな瞳の部分以外は金色になってて、
まるで獣のようにギラギラ光りを放ってる。
睫毛はエクステをつけていたので、いまだに濃くて長くて逆に気持ち悪い。
こんなのに睨まれたら動けなくなっちゃうほど怖い。
前は小さくて低くもない大好きだった鼻が、今じゃ見る影もない程変形している。
鼻の筋肉が発達したせいか、ちょっと力を入れただけで
小鼻をヒクヒク動かすことができる。
唇はどす黒い色に染まり、犬歯が上唇を少しめくれ上がらせ、下に伸びてる。
頭の上にはご丁寧に角まで生えちゃって。
で�
612:また変なとこで(ry
09/02/12 18:28:39 dIFOnEAQ
でもそんな悪魔が女の子らしい髪型をしてるんだから笑っちゃう。
まるでカツラを被ってるみたいだけど、これは紛れも無く私の髪。
両側から紫色の耳が長く伸び、耳たぶにピアスが光る。
笑ったり怒ったりしてみた。眉間のシワのせいでどんな顔をしても不気味だ。
でもやはりよく見ると私の顔がベースなってるのがわかるため、
自分の顔がこんなに変わってしまったんだということをすごく実感してしまう。
613:名無しさん@ピンキー
09/02/12 18:32:53 dIFOnEAQ
「はは・・・どうすんのよ、これ、完全に悪魔じゃん・・・。
さっきの力も、この身体も、全部本物だったんだ・・」
「人間の美的感覚などすぐに忘れる。とにかく慣れろ」
「うぅ、私これからどうやって生きていけばいいのよ?」
「さっきの力を忘れたか。その力を利用すれば不可能なことなどないはずだ。
人間の感覚でいえば一夜にして大金を手に入れたのと同じこと。
それとまだ自覚はないだろうが、お前は悪魔だ。
外見だけではなく心もすでに悪魔。
今はまだくだらん人間の名残を捨てきれずにいるようだが、
心も悪に染まり完全な悪魔となれば
羽も形成され自由に空を舞うこともできるだろう」
「ええ、羽とかも生えちゃうんだ。きもちわるっ!」
「さて、私はまだまだこの仕事を続けねばならんからな。
そろそろここを去らねばならないんだが、他に何か聞きたいことはあるか?」
「あっ、えっ?いきなり言われると・・てゆうかまた
私みたいな女の子を悪魔にしちゃうんですか?」
「女だろうが男だろうが関係ない。しかし女の方が嫉妬深く単純だから作業が楽かな。
質問がないなら私は行くぞ」
「あああ待って!あなたがいなくなったら私どうすれば」
「別れた男にも同じような台詞を言ったのか?」
「えっ・・・」
ドクン・・・・・
「ではさらばだ。お前の成長を楽しみにしているぞ!」
そう言い残すと、悪魔は背中から巨大な羽を広げ、
バサバサと音を立てて飛んでいった。
別れた男・・その言葉を聞いたとき、全身に奇妙な感覚が走った。
614:名無しさん@ピンキー
09/02/12 18:34:27 dIFOnEAQ
別れた、男・・・。
そうだった・・・。
忘れかけた感覚を必死にたぐりよせるように、私は鏡の前に立ち尽くしていた。
蘇る。静かに。ドクン。また。ふつふつと燃え上がるようなこの感じ。
燃え上がると同時にスーッと気分が楽になるような不思議な感覚。
憎しみ、恨み、悲しみ、怒り、そういうのを越えてしまったような、素敵な快楽。
「そうだ、思い出した。私、あいつを、殺さなきゃ・・」
そう口にした瞬間、自分でも信じられないほどの力が全身を駆け巡った。
「ひっ!殺す?殺すって、犯罪だよ?それでもやるっていうの?
あひっ!力が!やばい!また!」
彼を殺すことをイメージしただけで、身体が跳びはねる。
鏡を見た。目の前の悪魔は、私は笑っていた。
でも少し見慣れたせいか、あまり違和感はない。これが私の顔。新しい顔。
口からよだれを垂らしてる。ああ、そうなんだ。私お腹空いたんだ。
今日はお肉が食べたいなあ。とりあえず「お買い物」に行かなきゃ。
私はいてもたってもいられなくなって、部屋の扉を開けた。
615:名無しさん@ピンキー
09/02/12 18:39:08 dIFOnEAQ
とりあえず終わりです。続きは構想はあるんですが、
もともと文章書くのが苦手なので
結構しんどくてちょっとどうなるかわかんないです。
読んで下さった方ありがとうございました。
616:名無しさん@ピンキー
09/02/12 19:20:36 UfbZpMm1
wktk・・・・GJ!
617:名無しさん@ピンキー
09/02/14 01:59:16 HhHoNQqB
gj 続き待っててもいいんだよね……
618:名無しさん@ピンキー
09/02/14 21:52:05 INgmGf7j
>>615
GJです。
正直、ここまで相手を憎むなり性格変わるなりといった描写は書けないので、羨ましいです。
そっか……悪魔変化ってこんな風にも書けるんだ……。
619:ドリアード書いた人
09/02/14 23:22:19 INgmGf7j
お待たせしました!
不出来ながら『変身菓子2』をお届けいたします。
どうぞ、ごゆるりと。
620:『変身菓子2』
09/02/14 23:23:11 INgmGf7j
「さくまん、ちぇ~っく!」
説明しよう!さくまんちぇっくとは、町に溢れる目新しいものを、クラスにいるマイフレンドにごきょ~じゅするというすンばらすぃ~行為なのですっ♪
「……」
隣の席にいるマイソウルフレンド、もりりんは相変わらず冷ややかな目だけどね。
「もう、ノリが悪いな~。booマーク進呈しちゃうよ?」
「booマークって何よ。それよりアンタは勉強しなくていいの?」
「勉強?」
はて、何か勉強しなきゃならないイベントってあったっけっな?テスト週間は来週からだし、小テストは今日の授業ぢゃないし……体育のテスト?
キョトンとしてるわたしに、もりりんはどこか呆れたような声で返してきた。
「アンタねぇ……テスト週間一週間前でよくそんな余裕があるわねぇ……地域経済論の雲田教授、レジュメ52枚あるのよ?」
「……あ」
そうだった♪確かに52枚もあったら今から勉強しないと間に合わなくなるよね~。うんうん。持つべきものはやっぱり友達だよ~♪
「もりりんありがと~♪」
「うわっ!やめ、ちょくっつかないの佐久間!」
ん~、もりりんの肌触りいい感じだよぉ~♪ほんと、いつもありがと~♪
―――――――
さてさて♪
やっぱり勉強と言えば甘いものは欠かせないよね?で、も……同じものばっかり食べるのは私的にイヤ~。新鮮なものが欲しいのは当たり前だよね?ね?
そんなわけでわたしは、町の中を新鮮なスイーツを求めてフラフラしてたのでした。バッグにはレジュメ52P入れてるから、店内で出来るしね~♪にっひひ~♪
鼻の赴くまま目の指図のままあちこちに歩き回るわたし。ん~、流石に町内全制覇しちゃったかな?チョコ系の美味しい店とか~チェックノート一杯にあるしね~。
「ん~ど~しよっかな~?」
流石にウンディーネ印のコーヒーショップで一息はしたくないしな~。『トミタクロス』のチョコケーキはなぁ……。
な~んてとりとめもないことを考えて歩いていると……?
「……んあ……んお?」
あれ?あんな店あったっけ?ノートチェック……無いや。最近出来たのかな?でも工事の人が来た気配はないし、ドリルや石割機の音もした覚えはないし……?
あ、甘い香り♪何屋さんなんだろ~……?
「んふふ~♪行ってみよ~♪」
バックを掴んで早速れっつごぉ♪
621:『変身菓子2』
09/02/14 23:25:05 INgmGf7j
―――――――
「わ~お客さんだ~!いらっしゃいませ~!」
わりと可愛らしい、小学生くらいの女の子が出迎えてくれたこのお店―洋菓子屋さん!あぁなんてわたしはついてるんだろうっ!神様がいるならグッジョブ!
「座席はこちらで~す♪」
「はいは~い♪」
内装が新しいし、あまり人もいないから、まだ知られてないのかな?品揃えも……まだ少ないか~。さてと~♪
「チョコガナッシュひとつ、ココアをホットでお願いします♪」
「は~い♪」
明るくとてとてと店の奥に走っていく女の子。うぅ……まるで人形みたい……可愛いよぉ……お持ち帰りぃ……はマズイや。誘拐だし。
取り出したレジュメの要点部分に黄色の蛍光マーカーを色塗りしていると、さっきの女の子がととととと歩いて、チョコガナッシュケーキとココアの乗ったお盆を運んできた。
「お待たせいたしました~♪チョコガナッシュとココアでございま~す♪」
そのまま注文した品物が書かれた紙をプラスチックの容器に入れて、「ごゆっくりどうぞ~♪」と、ぺこりと頭を下げた。あ~う~可愛いよぉ!
よし決めた。あの子のためにまた通おう!
さてさて……ってあれ?レジュメこれだけ?何だ要点沢山無いじゃ~ん。はいマークしゅーりょー。さぁてチョコガナッシュガナッシュ~♪
わたしはフォークを手にとって、ガナッシュを切り分け、口に運ぶと……!?
―あ~、わたし、わかっちゃった。
ミスター〇っ子の審査員の気分。
叫ぶわけにはいかないけどね~これが防音加工された部屋なら多分わたしは叫んでいただろうな。
「(ん~~~~~~~ま~~~~~~~~い~~~~~~~~ぞ~~~~~~~っ♪)」
何これ何の原料使ってるの!?寧ろ今まで食べたチョコは何を使ってるの!?こんなにも違いすぎでしょお!?
くっそーこんな店を今まで知らなかったなんてさくまん一生の不覚ッ!
あぁ……フォークがとまらないよぉ……幸せがとまらないよぉ……誰かとめて……ううん……止めないでぇ……!
「―あ……」
気付けば、わたしのお皿にあるのは、チョコガナッシュに乗っていた粉ココアだけだった。
口の中には、まだあの甘い舌触りと、絡み付くようなリキュールの香りが残っている。
わたしは、無意識のうちに財布を取り出し、残りの小銭の数を確かめていた。
―まだ食べられる!
「済みません!あと二個お願いします!」
「は~い♪お待ちください~♪」
622:『変身菓子2』
09/02/14 23:29:08 INgmGf7j
女の子の声が遠くで響いてから、わたしはずっと、本来の目的なんて忘れてチョコガナッシュをうずうずと待っていたのでした♪
―――――――
「ふぁ……しあわせだよぉ……」
結局、合計四つもチョコガナッシュを食べちゃったわたしは、味の余韻に浸りながらふらふらと家に戻っていった。
もしかしたらケーキの中のリキュールに酔っちゃったのかもしれない。足取りは他の人から見たら酔っ払いのそれなのだ。
酔拳スキルがあれば、演舞なんか始めちゃったりして楽しいことになるだろうな~あはは~♪
ああ……体もなんかポカポカするよぉ……。
「たらいま~」
完全に呂律も回っていないわたしは、帰ってくるなりそのまま自室にゴー♪バッグとコートをポイ投げすると、さらに体が火照ってくるの。
「あは……熱いよぉ……」
えい、脱いじゃえ♪
セーターもシャツも、スカートも下着も靴下も、何もかも脱ぎ捨て、わたしは布団に倒れ込んだ。人肌より冷たい布団の感触が、たまらなく気持ち良くて……。
「んふふ……みゅう……」
ふぁ……なんか……ねむくなってきちゃった……。
……ねちゃお……。
―――――――
とくん……
とくん……
……ぅぅぅ……
……とくん……
…………とくん
ぅぅぅぅ………ん。
「……んんんっ……」
……なんだろ……からだが……ぽかぽか……なのに……きゅんとして……?
どこか……むずむずする……。
なんだろ……このきもち……。
「……あ……」
あまい……かおり……。
まるで、チョコガナッシュのような……どこまでもあまくて……しあわせなかおりが……いっぱい……。
……とくん……
あ……からだが……あつい?
なんだろ……このかおり……わたしが……っ!
「~~~~っ!」
ぼおっとしたまま起き上がろうとしたわたしの手が、すっとお〇んこに触れた瞬間、わたしの体にスパークが走った!
突然の事で心の準備も出来ていなかったわたしは、くたりと力が抜けて倒れてしまう!その拍子に―!
「ふゃああああああっ!」
さっきまで当たっていた筈の布団。それは何かで濡れていて、わたしのお〇んこにぴっしりくっついた!それがわたしの中にまた電気を打ち込む!
「(なっ……何!?今の感じぃ……)」
痛い、とはまた違う、寧ろ、やられればやられるほどに疼いていく……またやって欲しくなる……やられないと物足りなくなっていく……。
623:『変身菓子2』
09/02/14 23:30:16 INgmGf7j
「……ぇえっと……ここ……だよね?」
今まで、そこまで弄ったことの無い場所だった。どうしても気持ち悪いとき以外、触れたこともなかった。
その程度も、今よりもっとおとなしかった。それが―。
「(……んあぁあっ……お〇んこ……じくじくするよぉ……)」
疼く。物足りないって、何度もわたしに語りかけているよぉ……。
とくん、とくんって、まるで心臓のように音を鳴らす大事な場所に、わたしは……恐る恐る手を近付けてみた。
くちゃぁ……
「(……わぁ……)」
まるで自動ドアのように、近付く手に合わせて自然と口を開いた秘部。同時に、私を取り囲む甘い香りも濃厚になった。
「(ぁぁ……いれちゃうよ……お〇んこにいれちゃうよぉ……!)」
もうわたしの頭には、自分の手をお〇んこにいれる事しか考えられなくなっていた。まるで鍵穴に差し込むように、ゆっくりと指を近付けていく。
以前やっていた時のように、人差し指と中指をくっつけて、ゆっくりと突っ込んだ―瞬間!
ぐにゅっ
「―っひゃああああああああああああ!?」
わたしのお〇んこが指に絡み付くようにその唇を閉じたのだ!
とろとろの愛液ですっかり解れているわたしの膣の中では、異様に柔らかくなった襞がまるで無数の舌のようにうにうにと指に絡んで密着してくる!
その上指の感覚が形を想像できるほど生々しく伝わってきて、全てピリピリとした感覚に変化してわたしの中を巡っていくのだ!
「(わ、わぁぁ)ひぁぁぁぁぁぁっ!」
ずぽっ……と深い音を立てて、指を抜いてしまうわたしだったけど、抜ける最後の瞬間まで膣はわたしの指に絡み付いていた。
そして抜ける瞬間、指の爪が膣肉をこりっ、と掻いてしまい、その刺激がわたしの全身にサンダーボルトを打ち込んだ!
ぷしゅっ、と軽く愛液を吐き出してしまうわたしの息は、既にはぁはぁと荒くなっており、全身を包む熱はいよいよ高くなっている。
「……っはぁ……はぁ……ぁ……」
わたしの愛液は、徐々に気化していくと、この部屋を満たす甘い気体に変化する。
それがわたしの皮膚からもどんどん入っていって、それがわたしの脈を、どんどん上げていく……どんどん、体が物足りなくなっていく……!
「……ぁぁ……ぁ……ぅ……」
段々と、わたしの頭から理性の箍が消えていく……。消えて、気持ちいい事を求める心が―!
「―あああああああああああああああっ!」
624:『変身菓子2』
09/02/14 23:35:01 INgmGf7j
先程まで二本入れていたところを、今度は三本、四本と突っ込んでは抜く、突っ込んでは抜くように腕を動かし始めていた。
まるで男のそれを受け入れているようにストロークを繰り返す腕に合わせるように、膣肉は膨張と収縮を繰り返し、指を優しく包み、体を擦り寄せていく!
いれる瞬間の勢いで大量の襞を撫で、抜く際にもそのまま膣自体がずるりと外に出ちゃうんじゃないかってくらいに肉の壁を押し付けて来る!
「あぅあんっ!あはぁっ!あはぁあんっ!あはぁぁあんっ!」
いつの間にか、わたしは手首は愚か、腕までを体に突っ込んでいた。膣肉は愚か子宮まで届くストロークに、腕と淫唇の隙間からは甘い愛液が盛れ出していく!
出し入れが激しくなる度に、わたしの中で何か熱いものが暴れ、外に溢れ出そうとする。
背中が、お尻の辺りが、頭が、特に焼ききれそうなほどに熱い。しかも、どこかもぞもぞしているような感覚があった。
それがもどかしい……もどかしい……モドカシイ!
「(あはんっ!あぁんっ!きっ、きもっ、きもち……キモチイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!)」
既に頭は歓喜の声をあげていて、後はちょっとした切っ掛けだけだった。それは―!?
こりぷにゅん!
「―?」
……あれれ?何だろ。今、わたし、何を掴んでいるのかな?あれれ?何でだろ、からだが、ふ、る、え―!
「―!!!!!!!!!!!」
イ、イキ、イ、イカ―イックゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥっ!
ぶじゅしゃああああああああああああああああああああっ!
ストロークの最中、偶然わたしが握ったものは、感度が上昇して膨れ上がっていた陰核―つまりク〇トリスだった。
性感帯の集合体であるそれを、潰しそうになるほどの力で握ったことによって、心臓付近を杭で打たれるような、下手したら死にそうになるほど強烈な快感が脳に直撃して―
―盛大にイってしまったのだ。
「はぅ……はは……んぁっ……」
あぁぅ……きもち……いい……!
ぶじゅん!
ぶじゅばさぁっ!
ぐりゅうんっ!
「あぅんっ!あぁあんっ!んああああああっ!」
絶頂の余韻に浸るわたしをさらに襲うように、背中とお尻、頭から何かがずり出てきた。神経がもう通ってるらしく、すぐに動かすことが出来た。でも……。
「(あふ……んあ……きもちいいよぉ……)」
出来立ての神経って、動かしたりするとびくびくってなって、気持ち良くなっちゃうんだよねぇ……。
625:『変身菓子2』
09/02/14 23:36:14 INgmGf7j
「……ふぁぁ……んぁぁ……ひぁぁ……ん」
でも、しばらくゆっくり動かしていたら、段々となれてきたみたい♪でも、いったい何を動かしてるんだろうって、鏡を見てみたら……?
「……わぁ……」
それは、わたしで間違いなかったけど、同時にわたしじゃなかった。
顔や腕、胴体や脚の形は基本的に変わってないし、顔にもわたしの面影はあった。でも―わたしの肌はこんなに白くないし、顔つきもこんなに綺麗じゃない。
髪の色もこんな、チョコレート色するわけ無いし、腕も、脚も、もうちょっとすらっとして無かった。
胴体なんか、全体的にむっちりして、特に胸は、アルファベットが一つくらい後ろになってるんじゃないかな?お尻も肉付きがよくなってるし……。
そして何よりの問題が、尾てい骨からは紫色の尻尾が、背中からは二対のコウモリみたいな羽が、そして頭からは山羊のようなツノが、可愛らしいサイズで生えていたことで……。
「……ん、んっ、んしょ、これ?ん?あん」
鏡の前でいろんなポーズをとるわたし。鏡の中の悪魔も、それに合わせて同じポーズをとる。
間違いなく、目の前の悪魔―サキュバスは、わたしでした♪
「…………」
さっきまでの快楽の余波で、ろくに考えることの出来ないわたしの頭に、何かがわたしの声で響くのだった。
―オトコ……モット……キモチイイ―
「……男……もっと……気持ちいい……」
その声を復唱するにつれて、わたしの子宮からは愛液がこぼれ落ち、布団をさらに甘く染める。
体の中からも発情臭が沸き立ち、部屋が霞んで見えるほどの濃度になる。もしこの部屋に男の子が入ったら……♪
「……にひひっ♪」
その事を考えるだけで、なんか楽しくなってきた。きっときっと、気持ちよいことになるんだろうね……♪
まてよ?もし今この部屋を開けたら……!?
「……そりゃさすがに不味いね」
あまりにも大規模すぎるし~、みんな来られてもわたし一人じゃ相手できないし~。
………はぁ~あ。流石に一人ずつか~。できればみんなで楽しみたいんだけどなぁ♪にひひ……。
意地の悪い笑みを浮かべながら、わたしは部屋の窓を開けて外に出て、すぐに閉めた。鍵はしてないよ。もし泥棒さんが入っても、逝き狂いになるだけだしね♪
「ひははっ♪夜は初めてのさくまんちぇ~っく!」
さぁ!目指す先は繁華街!カップルを避けて独り身の人を狙うのだ!そうしてあの甘い部屋で……二人して……にひひはははっ♪
626:『変身菓子2』
09/02/14 23:37:31 INgmGf7j
「じゃあ、いってきま~す♪」
誰もいない甘い空間に挨拶をしたわたしは、翼を大きく広げ、月の夜に一人舞ったのでした♪
fin?
プチおまけ
「もりりん、甘い蜜ちょうだ~い♪」
「あのねぇ佐久間、アンタ三日前にも飲んだばっか―ひゃっ!」
「ぺろぺろぺろ~♪―うん!やっぱりここの蜜が一番美味しいよっ!」
「きゃっ!ひゃうっ!んはぁっ!こら佐久間!やめてっ!やめなさいって!」
こちらはfin.
627:ドリアード書いた人
09/02/14 23:39:22 INgmGf7j
以上です。
変身シーンが……失敗したorz
まぁ、バレンタインのチョコ話と言うことで一つお許しを。
―では、失礼いたしました。
628:名無しさん@ピンキー
09/02/15 02:08:16 N+Vfl0KX
>>627
GJ!エロさとかわいさを持ったサキュバスにハァハァしっぱなしでした!
ふわふわした世界感がかわいかったです!
629:名無しさん@ピンキー
09/02/15 23:13:58 N+Vfl0KX
空気読まず>>614の続き投下しますすみません
扉を開けた先に広がってたのは、闇。今は、夜?
澄んだ空気が心地よく頬を掠める。
私はただ、衣をはおることも靴を履くこともなく、全裸のまま足を踏み出す。
むしろ、これが当たり前のような気がした。なぜだかわからないけど。
裸で外に出るってなんて気持ちいいんだろう。
木々がざわざわと音を立てる。
人の気配はまるでない。どうやらここは人里離れた林の中のようだ。
あてもなく少し歩くと、さっきの建物の明かりも届かなくなり、
完全な闇へと辿り着く。
でも闇が深くなればなるほど、私の目は周りの景色をはっきりと写し出した。
木の位置や足元の石ころは勿論、地を這う虫の動きや
風に舞う木の葉の起動まで、まるで手に取るようにわかる。
「うふふ~ふふ~♪」
思わず鼻歌まで飛び出す。以前の私なら、こんな暗闇のど真ん中で
ひとりきりにされたら泣きわめいてたところだ。それがどう?
信じられる?こんな怖い場所が最高に気持ちいいなんて!
裸足で歩き回っているというのに足の裏は全く痛くない。
寒空の下裸でいても全然寒くない。なんて強靭な身体なんだろう!
もう怖いものなんてない!私、すごい身体になったんだ!
630:名無しさん@ピンキー
09/02/15 23:14:42 N+Vfl0KX
ガサ・・・ふいに後ろで何かが動いた。これって、コレって!!
何故か本能的にわかる。生き物、動物の気配だ!
私は全力で気配のする方へ走っていく。走っても走っても全然疲れない。
でも息が苦しくなるほどドキドキしてる。期待と喜びが入り交じった興奮からだ。
少しずつ臭いがしてくる。いい匂い、欲しい、食べたい!
ついに視界に黒い塊のような影を捕らえた。
「みつけたぁ・・・」
無防備に後ろを向いている、あれは子熊?
キョロキョロしているのは親とはぐれたから?そんなことはどうでもいい。
身体の中にあるタービンがゴウンゴウンと音を立てて回り始め、
体中の血が、筋肉が喜びにうち震えてる・・!
その快感に背筋がゾクゾクして、思わず目頭がじんわり熱くなる。
膝もガクガクと震える。これって武者震い?
ああ、わかるわ、もう我慢できないのね?じゃあせーのでいくよ?せーのっ!!
「うわあああああああああああああああ!!!!」
631:名無しさん@ピンキー
09/02/15 23:18:29 N+Vfl0KX
私は目標から一ミリも目を逸らさず、電光石火のごとく獲物に飛び掛かった。
小熊が振り返ろうとしたとき、すでに私の鋭い爪は獲物の喉をかっ切っていた。
声を上げる間もなく獲物はその場にどしんと倒れた。
血のシャワーが闇に降り注ぐ。
私はそのシャワーを浴びながら呆然と立ち尽くす。
やった・・・やった・・!やったんだ!私が!私が自分で殺ったんだ!
肉を裂く感覚がまだ手の中に残ってる。感覚が蘇るたび背筋がゾクゾクする。
目から温かい涙が次々溢れる。胸いっぱいに感動が広がる。
これだ!これが私の求めてた・・・!こんなの、今まで味わったことない!
これだ、これだったんだ・・。
あははは・・
「あはははははははははははは!!あーっははははははははは!!
やばい!やばいよコレ!気付いちゃった!!全部わかっちゃった!!
いいっひひひひひひひ!悪魔ってこういうことなんだ!!これだったんだ!!」
まるで頭の中でパズルが組み上がって、完成した絵は気持ちのいい
青空の絵だったような、そんな気分だった。
私はしばらくその場で馬鹿みたいに笑い続け、
落ち着いたらお腹が空いてたことを思い出したので、
地面に転がってた肉を食べた。
632:名無しさん@ピンキー
09/02/15 23:19:06 N+Vfl0KX
食事を終えたあと、とりあえずさっきの小屋に戻ることにした。
小屋の臭いは覚えていたので、さっきの小屋には簡単に戻れた。
扉を開けて鏡を見る。鏡に映る私は、自信に満ち溢れていた。
初めて獲物を狩った誇らしさに胸を張り、鼻を膨らませ、
満足感に目をほころばせ、口からため息を吐く。
そしてこの悪魔になった自分の姿を、正直悪くないと思った。
むしろ少しイケてるような気さえする。この筋肉、素敵。
肌の色、綺麗かも・・。
爪も。牙も。角も。生を支えるために必要なもの。
ピアスも指輪も、似合ってるわ。
顔もなかなか。もう人間だった頃の顔がよく思い出せないけど、
今の顔は嫌いじゃない。牙も綺麗に生えそろってる。
633:名無しさん@ピンキー
09/02/15 23:25:16 N+Vfl0KX
ただこの髪の毛は正直頂けない。さっき走るときも邪魔だった。
これをセットするのに何時間も費やしていたなんて信じられない。
人間ってこうやって考えると馬鹿なことばかりしてるのね。
コテで巻いてたふわふわの茶色い髪。醜い。この悪魔になった私には余りに醜い。
あつらえたようにバリカンが置いてある。あの悪魔が用意したのかしら。
なかなか気が利くじゃない?
私は忌ま忌ましい髪を一気にバリカンで剃りあげた。
バリバリと音を立て、髪がどんどん床に落ちてゆく。
髪の毛が落ちるとともに、自分の人間への未練や思いも
同時に落ちて消えてゆくような気がする。
お坊さんが雑念を捨てるときってこんな感じなんだろうか。
あっという間に私の頭はスキンヘッドになった。
紫の頭皮が剥き出しになり、所々太い血管が浮き出ている。
やはり今の私には間違いなくこっちの方が似合う。顔も凛々しく見える。
スキンになった私の顔つきは更に邪悪さが強調され、
人間らしさが無くなったように思えて誇らしかった。
卑屈になることはない。今の姿を誰に見られても恥ずかしくなんかない。
私は、正真正銘の悪魔なんだから。
634:名無しさん@ピンキー
09/02/15 23:28:04 N+Vfl0KX
ふとお尻の方に違和感を覚え、手を当ててみた。小さな突起が手に当たる。
「生えてきた♪」
すぐにわかった。これは尻尾だ。早く立派な尾を生やしたい。。
早く完全な悪魔になりたい。人間であったことなど、一刻も早く忘れ去りたい・・・。
完結です!もう続きはありません!
読んでくださってありがとうございました!
635:名無しさん@ピンキー
09/02/16 15:55:04 2C6EPC0A
お疲れ様です
636:名無しさん@ピンキー
09/02/16 19:25:44 NqArs2/8
GJだ。安らかに眠れ……
637:名無しさん@ピンキー
09/02/19 13:21:56 BTuYOey+
人やん…めっちゃ人やん…
638:名無しさん@ピンキー
09/02/24 11:36:38 utl71YYk
ワーウルフなら、やっぱりガロンみたいな感じで顔も狼にするべきなのかな?このスレでは。
639:名無しさん@ピンキー
09/02/24 18:43:48 ec3fEgdg
???
640:名無しさん@ピンキー
09/02/24 23:50:35 YcO/x5IX
・・・人面犬・・・というわけではないよな
世間の萌えキャラであるような耳尻尾だけの奴はこのスレではあまり受けは良くないと思うよ
内面描写に力を入れる等して異形化っぷりをよっぽど濃く描かない限りは
過去ログ、過去作品読んで方向性を掴むといい
641:名無しさん@ピンキー
09/02/28 08:51:57 2yya0GT5
なんかすごいんだけど、コレってなにかの作品かな?
URLリンク(www.youtube.com)
642:名無しさん@ピンキー
09/02/28 09:53:46 ahCa5EcU
今は亡き大御所じゃん
643:名無しさん@ピンキー
09/03/01 11:51:24 GVS7HLog
くそぅ そろそろ獣化SS読みたいな
最近 大型SSサイトはブログしか更新しないし……
644:名無しさん@ピンキー
09/03/01 12:47:25 KjVmLVlH
二強SSサイトは最近獣化少ないよね
片方はブログ片方は需要の違うSS
他のところも休止が大半で外国に頼るしかない
645:名無しさん@ピンキー
09/03/01 21:41:20 ZhIsbV1M
新参の俺のためにリンク集貼ってくれないか(´・ω・`)
646:名無しさん@ピンキー
09/03/01 23:22:30 wdGWaNCg
>645
URLリンク(www.kantei.go.jp)
647:名無しさん@ピンキー
09/03/02 00:06:12 pJxzmE5c
確かにリンク集だな
648:名無しさん@ピンキー
09/03/02 01:44:24 GFKNMktD
ひどいよー。・゚・(ノД`)・゚・。
649:名無しさん@ピンキー
09/03/02 07:26:10 YfM4gvBi
新参が免罪符になると思ったら大間違いだぞ
650:名無しさん@ピンキー
09/03/02 09:21:54 iawM8BTe
正直探そうと思えばその手のリンクからすぐに飛べるし……
片やマイナー所を刺激する?SSだったり
片や未完な作品が多かったりするがね
651:名無しさん@ピンキー
09/03/03 19:27:13 1pE3U5xX
でもリンク集のテンプレを作ればスレの活性化にもつながると思う
652:名無しさん@ピンキー
09/03/03 23:46:12 sX3Eaxi8
個人サイトを晒すなんて鬼畜の所業
653:名無しさん@ピンキー
09/03/04 16:24:52 NtyfioV8
俺だったらそっとサイト休止するレベル
654:名無しさん@ピンキー
09/03/06 00:34:00 YHjun1vy
風祭でググれ
655:名無しさん@ピンキー
09/03/11 03:07:51 M8o5ACmb
保守
656:名無しさん@ピンキー
09/03/15 19:04:05 A3VWOM68
「……保守、か」
そう呟きながら私は空を眺める。素敵な満月が広がっている……と言いたいところだけど、満月はあまり好きじゃない。月の表面が……ギーグのように見えて。
窓際に置いた机の上にあるのは、まんまるなチーズケーキ。しかもレモンの酸味が効いたレアチーズケーキだ。
『受験を終えた妹への労い兼ホワイトデー』
として兄が買ってきたものだ。兄は店で食べたらしく、「これは旨いぜ!」と妙な墨を私に与えてきた。専門家でもないくせに。
まぁいい。確かに美味しい。今まで食べたどの洋菓子よりも美味しい。あっさりペロリと一個平らげてしまった。
「……ん~」
その後、今日の日記をつけ終わった後、私は軽く伸びをして―外の満月が目に入った。
―瞬間、体の中に大量の熱が生まれた!
その熱は私を内側から焼き尽くすのではないかと言うほどに熱く、そして激しい。どっ、と汗が出る。脱がなくちゃ、脱がなくちゃ。
すべて服を脱ぎ終わった私は、あまりの熱さに立つことすら出来ず、そのまま床に四つん這いになる。
―その手が、腕が、狼のそれへと変じていく。銀の毛が全体を覆うように生え、指がスパイク状のそれに変化する。脚も同等の変化を遂げていた。
体全体がぞわぞわとすると同時に、首回りを含めた全身から銀色の毛が生え揃う。尾てい骨からは皮膚が延び、尻尾が形成されていく。
変化の度に、私は熱から解放されていく感覚を味わっていた。やがてそれは、理性までもを侵食にしていく。
鼻先や口が前に突き出て、歯が牙に変化する。まるで狼のようになった私の顔にも毛は生え揃っていく。
やがて、頭から尖った耳が二本突き出て―!
「―ウォォォォォォォォォォォォォォォンッ!」
私は、巨大な狼に変化していた。
657:名無しさん@ピンキー
09/03/15 19:37:39 CD02WGvG
保守関係ねえwww
658:名無しさん@ピンキー
09/03/16 00:07:20 oX/5B+AH
三回くらい読み直してどこがどう繋がってるのか考えてみたが結局何がどうなっているのかわからなかった
659:名無しさん@ピンキー
09/03/16 00:16:14 wMBCNert
>>656様
ワラタ
ここの住人の方は何でも異形化ネタにしてしまえるのが素敵ですね
660:名無しさん@ピンキー
09/03/16 00:48:34 Yh8HETG9
なるほど 縦読みすると保守が浮き出てくる仕組みか 凝ってるね!
661:656
09/03/16 07:40:46 SRzDhG5W
保守ネタを書くつもりが、普通にプチ変身菓子になってしまったのは秘密orz.
このくらいの人外度がこのスレでは恐らく良いのでしょうが、どうでしょう?
662:名無しさん@ピンキー
09/03/16 23:31:16 9Fcf12U8
俺はもっと激しいのがいいな
663:名無しさん@ピンキー
09/03/17 00:52:17 lURS+X5I
>>355です。以前はどうも失礼致しました。>>545の続きです。
すると黒ドレスの女性は幾重もの螺旋状に湾曲した杖を持ち上げ、月照らす闇夜にかざした。
杖の先端に嵌められた卵大の宝石が幾色もの光を灯し、微かな夜風が吹く。杖を戻し光が治まる
と、彼女の身体に異変が起きる。ドレスの下から背中が静かに隆起すると、皮膚の下からドレス
を貫通して漆黒の光沢を放つ一対の突起物が現れた。現れた突起物は中程で下向きに折れ曲がると、
いずれも彼女の身長を優に超すまでに伸びていく。やがてそれは羽毛に覆われた巨大な烏の翼と
なった。蛹から蝶が孵る様という表現の合う、激しくも静かな変化が完了する。月明かりを反射した
彼女の翼が妖しくも神秘的な様相を呈していた。翼を生やした女性は一呼吸置くと2度、3度それを
羽ばたかせた。周囲に静かな旋風を起こしながら、彼女の身体は宙に浮かんだ。まるで滑空する
鷹が野兎を仕留めんとするかの如く、彼女の狙う「獲物」が走る道路目掛けて降下して行った。
同輩が闇夜の彼方へ舞い行くのを見届けると、和服の女性は向きを変えると誰にとも無く呟いた。
「祖国も変わったのですね・・・」
変わり果てた祖国の風景を見回して和服の女性は、溜息とも感嘆とも、あるいは恍惚とも取れる
声で漏らす。彼女は悠久の昔に想いを馳せる。かつてこの地で強大なる二つの武家勢力が、全国で
抗争を繰り広げていた時代を思い出す。強く焼き付いたその記憶は彼女の脳裏に走馬灯の如く蘇った。
かつて鎌倉武士の青年と恋に落ちた事を、その彼はクーデターを起こした朝廷軍との戦で命を落と
した。その怒りから、気付いた時には朝廷軍の侍勢を吹雪で襲い全滅させていたのだった。深い悲
しみと犯した行為に対する自責の念から、茫然自失とした彼女は飛騨国の白山に身を隠そうとした。
深い絶望感から、生き甲斐を失った彼女はいつしか山頂へと向かっていた。頂にある火口へと身を
投げ、そこで消滅するつもりだった。ふもとに辿り着いた時、山頂から強大な妖気を感じたのを想
い出す。ふもとからも感じられるほどの異様な妖気の持ち主は何者なのか、恐怖と好奇心の入り混
じった自然と彼女の足は向かっていた。想い返せばそれが全ての始まりだった。山頂で東洋へと赴
いていた強大なる蝿の魔神との、運命的な出会いが脳裏に蘇る。見た事も無い衣類に身を包み、この
国の者とは明らかに異なる髪や肌の色をしていた、何よりもそれは彼女がそれまで感じた事も無い
ほどの強大な妖力を放っていた。戦わずとも知れていたその力は、彼女を畏怖させるに十分だった。
敗北感や劣等感といった陰湿なものは微塵も無かった。心に極限の驚嘆と感動が満ち溢れる中、
それの存在そのものに対して歓喜し敬服していた。気付いた時にはまるで魅かれるかの様に彼女は平伏し、その組織の軍門へと下っていたのだ。
―あれから凡そ800年もの月日が流れた。
664:名無しさん@ピンキー
09/03/17 00:57:27 lURS+X5I
魔王の軍門へと下りし後も、組織の任務で祖国へは幾度と無く赴いていた。しかし今彼女は
その変容ぶりを改めて感じていた。彼ら人間は僅か1000年足らずで祖国を、世界を、これほど
までに進展―否、変質させたのだ。妖力を持たぬとはいえ、彼らの力は決して侮ったものでは
なかった。その高度な文明によって自然を搾取し、民を洗脳し、他国家及び他民族を攻撃し、
富を奪い合い、そして何よりも世界中をその手中に収めんとする彼らの支配欲はもはや脅威の域
にすら達している―魔界の海軍提督にして軍部大臣を兼任しているリヴァイアサン御将軍の
お言葉を思い出す。彼が言う様に、人間と妖怪はもはや、本当に共存できないのだろうか。
すると急に、思考がそれていた事にはっとする。もう一つの獲物が走り去っていった方向に視線を
やる。人間をむやみに傷つける事は好まなかったが、今は一つの任務を遂行するのみだった。
女性の輪郭が崩れると彼女の爪先が、脛が、腰が、指先が、腕が、儚く散っていくと無数の白い
雪片となりながら夜風に舞っていった。
夜風に身体を漂わせていく女性は冷たい冬の風に身を舞いながら思いを巡らせていた。アスファ
ルトで舗装された道路を走るワゴン車へと照準を合わせながら、無数の雪片と化した彼女はその文明
の進歩の速さに感嘆する。雪片を飛ばす白い霧は溜息の様にも見える。やがて、彼女は車上に降り立
った。降り立った者の重量によってではなく、その異様な冷気によって凄まじい音と共にワゴン車の
天井は軽く収縮した。
665:名無しさん@ピンキー
09/03/17 01:01:18 lURS+X5I
ワゴン車に乗っていた男達は異変に気づき上を見上げた。たった今、彼らの頭上で鉄板が軋む様な
激しい音がしたのだ。強盗3人はいずれも黒い覆面で顔を覆い、黒いジャージにチョッキ、手には厚手
の手袋を嵌めている。車の運転席に座っていた男一人と、後部座席に座っていた男二人は不審に思い、
バックミラー越しに顔を見合わせる。何かが勢いよく車上に落下したのだろうか。後部座席の1人が様子
を確認すべきか、運転席の男に訊ねた。
「なあに、大した事はない。」
運転していた男は首を横に振る。周辺には高いビルが沢山建てられている。恐らく、どこかで工事を
行っていたビルかどっかから工事具材か何かでも落下したのだろう。頭上に落ちなくて良かったな、と。
仲間達は納得した様だったが、どこか怪訝な表情だった。言ってる本人である彼にもどこか引っかかる
ものがあった。そういえば何故だか急に冷え込んだ―と思って角を曲がろうとした瞬間、路上に移し
出された車の影を見て男は息を呑む。街灯の蛍光によってワゴン車の影がゆっくりとアスファルトの路面
に映し出される―そこで信じられない現象が起きていた。ちょうど今彼らが座っている場所の真上に、
得体の知れぬ物体が形成されていく。それは次第に一本の柱の様な形を取り、まるで粘土の様に一つの姿
を形作った。車の影の上に不気味な1本の柱の様な物体が映し出されていた。始めは樹氷の様にも見えたが、
街灯に近付くに連れ、次第に輪郭をはっきりさせた。それを見て男は目を剥いた。それは一体の人影だった。
得体の知れない何者かが車上に乗っている。こんなことは有り得ない―!!
運転席の男は後部座席の男2人にシートベルトを装着するよう指示を出すと、車体を乱暴に振り回す様に
して急カーブを切った。2つの内輪が路上と擦れ、外輪2つが軽く路上から持ち上がるのが分かった。シート
ベルトはしていたが、まるでカーブする方角に吸引される様に三人の身体は大きく傾いていた。路上を見降
ろすと、得体の知れぬ人影は消えていた。バランスを崩して路上に転落でもしたのだろうか、安堵の息を漏
らそうとしたその時―瞬間、瞬く様に何かがガラス越しに映る。女の白く長い脚の様にも見えたそれが一瞬
だけ視界に入る。刹那、凄まじい衝撃と共にフロントガラスが突き破られた。
666:名無しさん@ピンキー
09/03/17 01:08:38 lURS+X5I
「―!!?」
車内には無数のガラス片が飛散し、運転席の男も含めた3人は身を屈めた。鋭利なガラス片が、合成繊維の
手袋の上から素手を切る痛みも忘れ男はハンドルから手を離すまいと必死で堅く握る。危うく視線を逸らし
ハンドルを切り損ねそうになる。状況が掴めぬままどうにかハンドルを切り、電柱への正面衝突を回避した
所で、後部座席の男2人の叫びと共にバックミラーに映った姿を見て男は息を失った。冷気で結露したミラー
にその姿が朧げながら映し出されて行く。雪の様な純白の地に淡い水色の結晶模様が散りばめられた和服姿、
透き通る様に美しい水色の瞳と長髪、幻想世界の住人とも思える幻想的な風貌だった。こいつが今しがた
フロントガラスを蹴破って侵入してきた何者かに違いなかった。戦慄を覚えながら運転席の男は後部座席の
2人に指示を送る。戦慄に震えている運転席の男の指示で、後部座席の男2人は女目掛けて一斉射撃をする。
無数の弾丸がまるで殺到するかの如く、次口に女の頭部へと命中する。弾丸は女の顔を削り、吹き飛ばした。
崩れゆく女の頭部は無数の肉片となって車内に散乱する。一体どれだけ撃っただろうか、気付いた時には
彼女の首から上は無残にも破壊され、すでにそれは人の頭部としての原型を留めてはいなかった。首から上
が吹き飛ばされた女性はまるで頭部だけ破壊された彫像の様に、直立したまま動かない。取り乱し冷静な
判断力が鈍っていたとは云え、今更の様に男は自分が支持した行為の残虐性に動揺していた。極度の興奮状態
の中、3人とも身体の震えが止まらなかった。身体が標的を外した弾丸は助手席の背もたれに幾つもの醜い穴
を空けていた。死んだのだろうか、生きている筈がない。が、しかし何かがおかしい。そういえばあれだけ
狙撃したにも関わらず、返り血を全く浴びていない。どころか出血がまるで見られない。ふと視線を落とすと、
床に落下していった肉片がは無数の雪の欠片となって崩れて行った。その光景に驚愕する。車内の空気が急速
に乾燥していくと、空気中の水滴がダイヤモンドダストとなって宙に舞い上がる。車の中と外から大気中の水分
が凍りつき、無数の結晶となっていく。それら無数の結晶は宙を漂い、吹き飛ばされた首の断面へと集結して
いった。
667:名無しさん@ピンキー
09/03/17 01:11:56 lURS+X5I
↑ミス
9行目 ×次口→次々○
14行目 ×身体を標的を→標的を○
668:名無しさん@ピンキー
09/03/17 01:21:24 lURS+X5I
「――なっ!?」
何が、起こっている!?状況を理解できぬ男達はただ黙ってその光景を見つめる他無かった。早急には
事態を理解できなかった男達はその光景に息を呑む。凍った水滴は雪となって女の頭部を形作る。それは
まるで木材から木彫りの人形が浮かび上がる様に、顔の細部が復元されて行く。目が、鼻が、唇が、頬が、
次々と形を顕にし、修復されて行く様相は不気味さを通り越していた。幻想の造形という有り得ない不思議
は、不気味であると同時に美しく、神秘的ですらあった。3人は暫しの間、置かれていた状況と恐怖を忘れ、
その奇観に見惚れる。雪の造形だったには生気が注し、やがて人肌の様な生気が注す。澄んだ瞳は青を灯し、
肩から腰にかけて流れ落ちる様に長髪がなびく。やがて全体が修復された彼女は静かに手を口に当てると、
何かを取り出す様な仕草を見せる。か細い指を静かに開くと、掌からばらばらと落ちたのは凍った銃弾だった。
その乾いた音が、夢から覚ます様に状況を思い出させる。忘れていた現状を思い出し、恐怖に震え、取り乱す。
再び女目掛けて発砲――しようとするが、弾が出ない。弾は切れているにしては変だった。筈だが、弾丸が
発射されない事態に焦りを抱き、手元に視線を降ろすよりも先に男は手に凄まじい寒気を覚える。ようやく
視線を降ろすと、銃口に、引き金に、銃身全体に、白い霜が降りて凍結していた。かじかんで自由の利かない
両手は内なる焦りに対して、余りにも緩慢でもどかしい動きをするだけだった。味わった事の無い恐怖と、
異様な冷気から発狂しそうになる。叫び、暴れ様とするが恐怖と寒気で声を出す事も、身体を動かすことも
ままならなかった。そこで男達はさらなる不思議を目にした。女の手首から先を冷気の湯気が取り巻くと、
それは瞬時に形状を変化させた。霧が、冷気の湯気が晴れる、そこには鉤爪状に変形した女の右手が姿を顕わ
にした。白く透き通った爪の一本一本が長く鋭利な刃物と化し、5本の刃は刀身をぎらつかせていた。女は
右手を氷でできた巨大な鉤爪へと変形させていた。めきめきとまるで氷に亀裂が入る様な音をたてながら、
小さかった女の口は倍ほどの幅に裂けると、左右の口端からは頬の肉を内側から突き破る様にして、2本の
短刀状の牙が上顎から下へと伸びる。つららと呼ぶには余りにも鋭利で美しく、凶悪に過ぎる氷の牙が生え揃う。
寒気と恐怖から男達3人は股間に何やら生暖かいものが溢れ出るのを感じた。しかしそれも束の間、刀剣の様な
指で女は後部座席の男2人の胸部を一閃した。純白の生地に返り血が撥ねるよりも前に、凍った血飛沫は真紅
の花弁となって彼女の足元に散る。斬られた男達からは生気が失せると、重なる様にして女の足元に力無く
倒れた。運転席から身を起こした男は戦慄に打ち震えた。思考よりも先に男の身体が動いていた。
「死ねぇ!!」
我が身の危険を感じた男は本能的にサイバルナイフを抜くと、全体重をかけて女に飛び掛っていた。
が、身体が前に進まない。目に映る像に再び驚愕する。
「なっ―!?」
刃物の尖端を、棒を握る様に横からではなく、前に在るものを掴み取る様に正面から、今度は左の掌が
受け止めていた。まだ人の掌としての形状を保っている柔らかな女性の手が、先鋭な刃物を押さえ込む。
その場から毛ほども動かない女性は指先を微かに動かし、ナイフの重心をそっとずらした。力をいれた様
には見えなかったが、合金製の鋭利な刃物があたかも麦わらの様に、根元からぽきりと折れた。女性の持
っていたナイフの先端と男の持っていた取っ手が同時に床に落ち、喧しい金属音を立てる。その音に平静
を掻き回された男は、まるで教会の鐘の音に悶え苦しむ悪魔の様だった。擾乱した軍隊の様にまとまりを
失う意識の内から、膨大な恐怖が溢れ出す。