【異形化】人外への変身スレ第三話【蟲化】at EROPARO
【異形化】人外への変身スレ第三話【蟲化】 - 暇つぶし2ch225:名無しさん@ピンキー
08/08/06 10:34:36 iepDNMO+
>>222の続きです。本当遅くて申し訳無い(´;ω;`)

 絹の様に柔らかく艶やかな白い肌を晒した少女は、泉の前に立つとゆっくりと一歩ずつ泉の中
へ足を踏み入れていった。水流で洗われた黒い玄武岩の感触を足の裏に受けながら、少女は一歩、
また一歩足を踏み入れていく。腰の深さまである場所に着くと少女はそこへしゃがみ込み、胸の
辺りまで身体を浸した。そこへ座り眼を瞑りながら少女は悪夢の穢れを落としていった。まだ両親
が生きていた頃からの習慣である。少女は母と来た事もあるこの泉が好きだった。何か嫌な事が
あった時もこの泉に浸って癒されると気分が良くなるものだった。

 髪の毛に何か柔らかく軽い物が落ちるのを感じて、少女はそっと眼を開け空を仰ぐ。岸壁の上
に生えた木蓮が、満開になった純白の花を無数に讃えていた。水面に落ちた花を拾うと少女はそれ
を髪に飾り、水面に映った自分の顔を見る。十数年前のちょうどこの時期、母と最初に泉を訪れた
時にも木蓮の花が咲いていたのを思い出す。水面に落ちた花を母は拾い上げ、まだ小さかった少女
の髪に飾ろうとしていた。まだ小さかった顔に花が大き過ぎて似合わないのを母は面白おかしく笑
いながら自分の髪に飾ったのだった。ただでさえ常人離れした美貌を持っていたその時の母は、
その時の少女にはまるでおとぎ話に出てくる女神の様にさえ見えた。その美しさに見惚れながらも、
花の似合う事を羨んだ少女は母に尋ねたのだった。


「ティアも・・・いつか花の似合う女になれる?」
幼い少女の無邪気そのものの質問を、母は笑いながらも優しく応えてくれた。
「ええ、なれるわ。そのうちすぐにね。きっとお母さんなんかよりももっと似合う素敵な女の子に
なってると思うわ。」
「本当!?」
「ええ本当よ。」
少女は悦びに胸を躍らせてさらに訪ねた。
「本当!!どれぐらい?どれくらいでなれるの?」
「そうね・・・あと十年もすればとっても綺麗な女性になってると思うわ。」
十年、当時の少女にとってそれは果てしなく長い年月の様に思えた。少女は堪えきれなくなって叫んだ。
「十年・・・?ティアそんなに待てない!ティアもっと早く大きくなるの!早くおっきくなってお花
の似合う顔、ママンにも見せてあげる!」
「うふふ、そうね。お母さんも見てみたいわ。」
そんな風に焦れる少女を母は優しく宥めてくれたのだった。
「うん絶対見せるの!待っててね!」
「ええ、楽しみだわ。」
「約束する!絶対見せるって!」
「じゃあ、お母さんも必ず見るって約束するわ。」
「本当?破ったらティア許さないの!おっきなドラゴンに変身しちゃうの!」
母は笑いながらも、そんな娘とのやり取りに真面目に応える。
「ええ、必ず守るわ。必ずね。」
遠く懐かしい記憶だった。

―そんな遠い母との会話の記憶―



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