08/04/17 23:04:08 9/UyxpEv
「いやん、駄目。駄目だ」
「何が駄目なのだ、陽子」
「んっ、ん―ごめんなさい、そこは駄目」
「感じるのか。では、これは」
「あっ―本当に駄目!駄目。あっあっ、あああ、あの、ごめ、―っこ出ちゃう!!」
「んん?」
「ごめん、尚隆!おしっこ出ちゃう!!」
陽子はバタバタと身づくろいすると、厠へと走った。
「……ごめんなさい」
帰って来た陽子。
しゅんとする愛しい女の額を尚隆が小突く。
「お前なあ」
「はい」
「何回も言っているが女性が達する瞬間は小用を足す瞬間に似ていて。な?」
「でも、区別が付かないんですよ!もしも漏らしたら恥ずかし―」
「漏らしても良い、一回、我慢してみろ」
「嫌ですぅ!?恥ずかしいっ」
「違う物で敷布が汚れるかもしれんぞ」
くつくつとわざといやらしく尚隆は笑った。
それを嫌悪するかのように陽子が顔をしかめる。
「違わなかったらどうしろと。そういうもので敷布を汚すなんて。ああっ、
恥ずかしくて延王におめもじ出来ませぬ」
(アレの間に厠に何回も立つお前もいい加減恥ずかしいと思うぞ?)
大人(ってかじじい)の尚隆はにっこりと笑ってそんな心の内を隠して囁く。
「お前の何を見ても恥とは思わん。下らんぞ。全てひっくるめて陽子なのだから」
「でも」
「『でも』は国を統べる者の言葉では無い。動け―動けぬ事があるなら、私が動く」
「ああ、尚隆。駄目だってば」
「黙れ」