煩悩の十二国記*十二冊目at EROPARO
煩悩の十二国記*十二冊目 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/03/28 00:07:59 9ZkQOT/5
十二国関連スレは >>2-5あたり


●前スレ●
煩悩の十二国記*十一冊目
スレリンク(eroparo板)


●過去スレ●
煩悩の十二国記*十冊目
スレリンク(eroparo板)
煩悩の十二国記*九冊目
スレリンク(eroparo板)
煩悩の十二国記 *八冊目*
スレリンク(eroparo板)
煩悩の十二国記*七冊目*
URLリンク(idol.bbspink.com)  html化待ち
煩悩の十二国記*六冊目*
URLリンク(pie.bbspink.com)  html化待ち
煩悩の十二国記*五冊目*
URLリンク(www2.bbspink.com)
煩悩の十二国記*四冊目*
URLリンク(www2.bbspink.com)
煩悩の十二国記*三冊目*
URLリンク(www2.bbspink.com)
煩悩の十二国記*二冊目*
URLリンク(www2.bbspink.com)
煩悩の十二国記
URLリンク(www2.bbspink.com)

●SS書庫●
URLリンク(red.ribbon.to)
司書さんお元気ですか 旦~~

3:名無しさん@ピンキー
08/03/28 00:09:25 9ZkQOT/5
●関連スレ●
・2ch・小野不由美関連まとめサイト
URLリンク(12ch.w-site.jp)
・エロパロ板過去ログ(まとめサイト内、ただしTOPからはリンクしてません)
URLリンク(12ch.w-site.net)
・十二国記お絵かき掲示板
URLリンク(juunieita.hp.infoseek.co.jp)
・十二国記で801
スレリンク(801板)
・【王様】801十二国記【麒麟】 別館
URLリンク(jbbs.shitaraba.com)
・2ちゃんねる十二国記用語辞典
URLリンク(www.globetown.net)

上記以外の関連スレは、まとめサイトを参照のこと。

4:名無しさん@ピンキー
08/03/28 00:10:08 9ZkQOT/5
テンプレここまで。何か補足あればおながいします。
そういえば数字も十二でキリがいいですなw

5:名無しさん@ピンキー
08/03/28 00:15:28 9ZkQOT/5
「スレが読めません」がdat落ちしていたの気付かなかった…チェック漏れです。スマソorz

6:名無しさん@ピンキー
08/03/28 00:46:06 9ZkQOT/5

・エロパロ板過去ログ(まとめサイト内、ただしTOPからはリンクしてません)
URLリンク(12ch.w-site.jp)

に訂正ですorz

7:名無しさん@ピンキー
08/03/28 01:42:42 qh83v6Mc
>>1
乙悦!
もう十二スレ目か。初代スレ誕生から新刊は出たことない件。
偽朝ならぬエロ朝だけど、俺らよく堪え忍んでるよ。

8:名無しさん@ピンキー
08/03/28 07:32:29 wd4DOHBs
>>7
そういえばそうだ…w<新刊が出ていない
今年こそ新刊ほしいなあ

9:名無しさん@ピンキー
08/03/28 21:45:41 E+WKJ/3t
>>1
(゚◇゚)<ソクイ!

10:名無しさん@ピンキー
08/03/28 23:00:53 l7wAsDWn
>>1 乙!

11:名無しさん@ピンキー
08/03/29 15:34:16 Ea2u1RUI
1乙です

12:陽子
08/03/29 18:52:22 w1IXB4kS
 いな     へヘ    新
 いん   〃⌒丶\
 言.と  (从ハ从 )  ス
 葉聞  .リ ´∀`§(
 かこ  ハ _ †ハ )  レ
 |え  U|_____|U
 |の   ∪ ∪
 ! !

13:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:24:19 5ZQrvFqh
>>1乙~

保守がてらちょっと触り程度に。
延陽なり。


「あ、あっ……は、んんぅ」
夕暮れ時、金波宮の王の自室に、若い女の喘ぐ声が響く。
否、響くほど大きな声ではないのだが、静かすぎる房室では、
僅かな音でも大きく聞こえてしまうものだ。
声の主は、この国の女王。
女王―陽子は、背後から抱き竦められ、髪を乱し胸元は
手の侵入を許し、堪えきれずに声を漏らす。
「や……延王、駄目で……ああっ!」
胸の尖端を摘まれて、陽子は悲鳴を上げた。
太い指が肌の上を滑るたびに、体の奥が疼く。
男の手は、陽子の快楽を引き出すべく、的確に触れてくる。
薄暗い房室の中、二人の姿は蠢くひとつの影となり、
聞こえるのは陽子の喘ぐ声と衣擦れの音のみ。
「このときまで、号で呼ぶな」
「延王、誰かが来たら―」
夕餉の支度が調えば、誰かが呼びに来る。
だから駄目だと陽子は告げた。だが、尚隆の手は止まらない。
「ひあっ」
「……声を上げれば、誰かに聞こえるやもしれぬぞ」
指先が、胸の尖端を掠めるように動く。声を上げさせているのは誰だ、
と、陽子は力の抜けかけた手で尚隆の腕を掴んだ。
丁度その時。
「主上」
女御が呼びかける声が耳に入った。陽子はびくりと体を震わせる。
尚隆も、手を止めた。
「夕餉の支度が調いました」
「い……今、行く」
「畏まりまして」
胸元からするりと手が抜かれ、密着していた温度が離れる。
陽子が衣服の乱れを直しながら振り向くと、尚隆がくつりと笑った。
「そんな顔をするな。食後にたっぷりと可愛がってやろう」
「そ、そんな顔って」
大きな手が、陽子の髪の乱れを直すように撫でる。不意に、耳朶を
ぺろりと舐められ、陽子は肩を竦ませた。
「楽しみにしていろ」


……続く、のか?

14:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:56:37 hMZBF6wi
gjgjgj!!
ぜひぜひ続いてほしいところw

15:名無しさん@ピンキー
08/03/29 22:45:06 qZMjip7R
おおっ!

16:名無しさん@ピンキー
08/03/30 23:16:12 iTKIY9yL
続き保守

17:名無しさん@ピンキー
08/03/31 12:49:40 Cq2DqypK
GJ平伏して続き希望

18:13 延王×陽子 2
08/04/01 07:58:03 ao1VK9j2
陽子は食事もそこそこに席を立ち、自室へと急ぎ戻った。
接待も仕事のひとつだと解っている。相手がよく知る尚隆ならば、
接待だと思うことは少なく、嫌だと思うこともない。
しかし、今日は違った。
できるだけ早く、あの場から逃げ出したかった。
嫌だと思ったのではない。居たたまれなかったのだ。
―あの目がいけない。
陽子は榻にへたり込むように座ると、大きく息を吐いた。
夕餉の間、陽子を見る尚隆の目。それは、いつもと同じようであり、
何か意図をもって見ているようでもあり、陽子を混乱させた。
陽子は前髪をくしゃりと掻き上げ、ぽつりと呟いた。
「延王が、あんなことを仰るからだ」
「あんなこととは、どんなことだ?」
当の本人に問われ、陽子は振り向いた。
尚隆が、榻乗せに手をつき、軽く息を吐く。
「食事も早々に出ていくから、逃げられたのかと思うたが……
待ち切れなんだか」
「違います!」
もう、勝手に言っていればいい。陽子がむくれて姿勢を元に戻すと、
尚隆が覆い被さってきた。鼻先が触れるほどのところで、陽子は
ようやく口を開いた。
「……人払いを」
「とうにしてある」
「なら、臥牀の上がいい」
陽子の言葉に、尚隆がくつと笑った。
「陽子から閨に誘ってくれるとは……珍しいな」
だが、悪くない。尚隆は起き上がり陽子を抱き上げると、額にひとつ
口づけを落とした。


19:13
08/04/01 07:58:42 ao1VK9j2
ごめん、えち突入までいかんかった。
続きはまた今度。

20:13
08/04/01 07:59:41 ao1VK9j2
× 榻乗せ
○ 榻の背

再度ごめん。アホー……

21:名無しさん@ピンキー
08/04/01 17:21:32 HTb30rzm
投下します
女仙の皆さん×泰麒
逆レイプ苦手な方はスルーして下さい

22:名無しさん@ピンキー
08/04/01 20:26:16 H+s8Df5H
>13
Gj!
続きも楽しみに待ってます。

で、タイキの投下はマダー…?

23:名無しさん@ピンキー
08/04/01 22:21:26 IYDH4fx5
>>13
GJ!これは平伏してただひたすら続きを待たねばなるまいて……

24:名無しさん@ピンキー
08/04/02 02:53:04 THxeRF1P
>>13
久々に延陽読んでうっとりしちゃったじゃないかYO!
続きキボンヌ

25:名無しさん@ピンキー
08/04/02 16:53:58 FYXoJlkg
また投下しますします詐欺か…


26:名無しさん@ピンキー
08/04/02 17:46:38 MBpi73QD
日付見ようぜ・・・

27:名無しさん@ピンキー
08/04/02 20:27:54 F7obFh9r
四月馬鹿な日とはいえ酷なウソだわあああw

28:名無しさん@ピンキー
08/04/04 00:03:24 ixoXVOUY
ほしゅ

29:13
08/04/04 07:58:30 VDwHBIh9
本番までは遠い道のりになりそうですが、投下しますー。
ひとまず一話。

30:13 延王×陽子 3
08/04/04 07:59:32 VDwHBIh9
前回まで >>13 >>18

臥牀に下ろされるまでは、短くも長くも思えた。
ただ、繰り返される「儀式」のようなものだと陽子は思う。
陽子が尚隆に抱かれるための。
尚隆が陽子を抱くための。
いつからこうなったのかなど、とうに思い出せない。
陽子がぼんやりと尚隆の顔を見上げていると、それに気付いた
尚隆が陽子を見下ろし、ふっと笑った。
「どうした」
ゆったりとした動作で、尚隆が臥牀に腰掛ける。そうして、
慣れた手付きで陽子の髪から簪を引き抜いた。紅い髪がさらりと
こぼれ落ちる。
「用意周到だな、と思って」
「何がだ?」
「人払いのことです……んっ」
ちゅ、と鼻先に口づけられ、陽子は反射的に目を閉じた。
「今更だろう」
確かにその通りなのだが、陽子はいまいち納得できない。皆には
勘ぐられているのだろうが、それももう今更だ。
「……なぜ、貴方とこんなことをしてるんだろう」
「それは、考えるだけ無駄だ」
しゅる、と帯が解かれる。体が引かれる衝撃をやり過ごし、陽子は
瞼を上げた。眼前には、静かな目をした尚隆がいる。
「俺以外の誰かとしているのなら、尤もな疑問やもしれぬが」
気付けば、薄い小衫一枚にされていた。着付けに時間がかかった
幾重かの襦裙は、どうしてこんなに早く脱がせられるのか、と思う
程早く陽子の身から剥がされ、臥牀の下に投げ捨てられていた。
「私とこんなことをする物好きは、貴方くらいのものだ」
しかも、こんなところへ来てまで。陽子は片眉を上げ、くすりと
笑う。物好きと言われた尚隆は、一瞬顔を顰めたが、陽子の次の
言動に相好を崩した。
「確かに、考えるだけ無駄ですね」
にこりと笑い、陽子は尚隆に向かって手を伸ばす。尚隆もまた笑顔
でそれを受け入れ、陽子の柔らかく小さな唇に己の唇を重ね合わせた。
はじめは触れるだけの口づけを何度となく。やがて、尚隆が陽子の
唇を舌で辿るように撫でると、陽子の口が薄く開いた。
その隙を逃さず、尚隆は陽子の口内に舌をねじ込んだ。

続く。

31:13
08/04/04 08:00:17 VDwHBIh9
中途半端でスマンです。
これから仕事なんだ……。

32:名無しさん@ピンキー
08/04/04 10:49:46 Ei+yvC0C
仕事は大事だ仕方ない
おとなしく続き待ってる

33:名無しさん@ピンキー
08/04/04 19:13:55 GLh320GE
別カプすきだけど描写が好みだー。
続きおとなしくまってます。

34:名無しさん@ピンキー
08/04/04 21:27:58 VhNp56Ek
Wakutekaしてまってる

35:名無しさん@ピンキー
08/04/05 00:03:55 7YPZm7l3
俺なんか正座して待ってる

36:名無しさん@ピンキー
08/04/05 00:16:55 FPe+kosj
正装して待ってる

37:名無しさん@ピンキー
08/04/05 15:48:13 DoPf5iqf
桜の下で緋毛氈に正座して待ってる
決して花見を楽しんでいるわけじゃないぞ

38:名無しさん@ピンキー
08/04/08 20:13:47 HUzStAyV
保守町

39:名無しさん@ピンキー
08/04/12 00:00:54 H498Ammh
大字保守

40:名無しさん@ピンキー
08/04/12 00:15:12 rsW7HRvA
ご祝儀相場っていうか、ここはスレの立ち始めはレスが甘くてアレだね。
職人さんはブツブツ切って落とさないで、一気にお願いします。
長きの読み手であり、書き手でもある人からのコメント。
お願いします。

41:名無しさん@ピンキー
08/04/12 01:30:02 hKMJedrW
こんな過疎スレで何を言ってるのかと

42:名無しさん@ピンキー
08/04/12 17:29:18 FBiqVQmo
ブツブツでも投下があるだけ有り難いとオモエ

43:名無しさん@ピンキー
08/04/12 23:36:20 eMIXa5GD
>>40みたいなコメントに嫌気がさしていなくなった職人さんたち
いつか戻って来てくれるだろうか

44:名無しさん@ピンキー
08/04/13 01:31:55 oQwCm8NB
悪いが無理だろ……

45:名無しさん@ピンキー
08/04/14 23:50:46 cosngv6y
ここの書き手さんはあーだこーだ言わないで黙々と落としてくれるのが
好きだ。
ブツブツ途切れても良いではないか。読み手も厳しいから本当に「アレ?」って
感じなら批評もするしさ。
>>40氏も、「あー…」って今の状況に思うところがあるならば、ぜひ投下で
もって意気込みを示して頂けるとありがたい。

46:名無しさん@ピンキー
08/04/15 00:24:54 I715dd5p
んだーね。
苦情を申し入れるよりは、作品が一つでも増えたほうがこのスレの為になるであります。

47:名無しさん@ピンキー
08/04/16 21:37:57 vZTTXhO5
陽子、祥瓊、鈴、李斎、珠晶
この5人は、どうやっておしっこするのかな・・・

48:名無しさん@ピンキー
08/04/17 22:21:45 9/UyxpEv
また、小便マニアがwww

書けって言うなら小便ネタも書けるが、ぜひ>>47が見本を示してくださいよ。
要望だけってのが一番タチ悪いと思う。

49:名無しさん@ピンキー
08/04/17 22:55:38 HmUR4NPy
いや、無闇に書けって言うとまた例のコピペ持ってきそうなんで
勘弁して。
しかし同じ人なんだろうが、とりあけずsage覚えて地味に進歩してるな。

50:48
08/04/17 22:59:16 9/UyxpEv
じゃあ、私が書いてみる。
こんなんで小便マニアは満足してくれるか、どーか知らんが。

51:厠 尚x陽 1
08/04/17 23:04:08 9/UyxpEv
「いやん、駄目。駄目だ」
「何が駄目なのだ、陽子」
「んっ、ん―ごめんなさい、そこは駄目」
「感じるのか。では、これは」
「あっ―本当に駄目!駄目。あっあっ、あああ、あの、ごめ、―っこ出ちゃう!!」
「んん?」
「ごめん、尚隆!おしっこ出ちゃう!!」

陽子はバタバタと身づくろいすると、厠へと走った。

「……ごめんなさい」
帰って来た陽子。
しゅんとする愛しい女の額を尚隆が小突く。
「お前なあ」
「はい」
「何回も言っているが女性が達する瞬間は小用を足す瞬間に似ていて。な?」
「でも、区別が付かないんですよ!もしも漏らしたら恥ずかし―」
「漏らしても良い、一回、我慢してみろ」
「嫌ですぅ!?恥ずかしいっ」
「違う物で敷布が汚れるかもしれんぞ」
くつくつとわざといやらしく尚隆は笑った。
それを嫌悪するかのように陽子が顔をしかめる。
「違わなかったらどうしろと。そういうもので敷布を汚すなんて。ああっ、
恥ずかしくて延王におめもじ出来ませぬ」

(アレの間に厠に何回も立つお前もいい加減恥ずかしいと思うぞ?)

大人(ってかじじい)の尚隆はにっこりと笑ってそんな心の内を隠して囁く。
「お前の何を見ても恥とは思わん。下らんぞ。全てひっくるめて陽子なのだから」
「でも」
「『でも』は国を統べる者の言葉では無い。動け―動けぬ事があるなら、私が動く」
「ああ、尚隆。駄目だってば」
「黙れ」

52:厠 尚x陽 2
08/04/17 23:23:04 9/UyxpEv
若い陽子の身体が軽く反る。
熟練した尚隆の指が陽子の乳房を、尻を、そして秘所を彷徨い、陽子はますます身体を反らした。
「んん、良い。良いです、尚隆!」
ぬるぬるとした愛液が尚隆の指をまた濡らし始め、それを確認すると尚隆は己の猛りをおもむろに
陽子の中心に突き刺す。


「あーーーーーーっ」
「どうだ、陽子。お前の中に、私が居る」
「うん、あっ。そう、そう尚隆が私の中に」
すすり泣く陽子は顔を尚隆の肩にうずめ、ひくひくと身体を痙攣させる。
蜜壷までもひくひくと痙攣するので、たまらず尚隆はぐう、と息を呑み、達するのを我慢する。
(―しかし、名器よな。みっちりとからみつき、まるで千の舌で舐め尽されるよう)
「あっ、大きい。熱い、すごく、良い―」
ぐいぐいと腰を動かし、尚隆は陽子の中へと自らを突き立てる。
「良いか?良いのか?大きいか。それでは、もっと」
「ああ、ああっ。んんん、すごい、もっと―あ、尚隆ぅぅぅ!」
「そうか、では、これでは」
いっそう尚隆は陽子の中に入り、唇は強く陽子の首筋を吸った。
ぎゅうう、と腕に陽子の爪が突き刺さり、たまらず陽子は尚隆の耳元で呟いた。

「おしっこ」

ぱたぱたと厠へ走る陽子を見つめ、尚隆はがっくりとうなだれた。

様々な古い形式を破った景王赤子ではあるが、筒を持って小用の助けをする役職を廃さなかったのは
有名な話し。
しかし役職は名はあったものの、実はその王の情人が小用を手伝ったとか。

<FIN>


53:名無しさん@ピンキー
08/04/17 23:29:57 9/UyxpEv
普通の感覚を持つ人は小用は、秘すべき事ですよ。
何であってもお題目があれば書けるけど、エロには難しいよ。本当に。

54:名無しさん@ピンキー
08/04/18 21:44:50 lqZeajZJ
しかし、投下 乙であります!

55:名無しさん@ピンキー
08/04/19 00:30:14 mFS/SKh0
>>51
お役目ご苦労様であります

56:名無しさん@ピンキー
08/04/22 23:19:20 1DaDjV+t
ho

57:名無しさん@ピンキー
08/04/25 02:33:46 WaoSv7fb
常世の人は蓬莱人とは体の構造が根本的に違っているから
おしっこはしないよ。
尿意をもよおすと、おしっこは異空間に吸い込まれ、そこから
地下深くに潜入。
分解されたおしっこは里木の養分となる。うんこもそう。
だから常世にトイレはないよ。

58:名無しさん@ピンキー
08/04/26 01:09:25 xwsq7VsV
けれども胎果は蓬莱生活に順応して育ったため
蓬莱人と同じ体の構造になっている。
陽子や鈴はトイレが必要であるため、気まずい思いをしているようです。
常世における胎果・海客差別の根本はこの点にあるといってよいでしょう。
体から何かわけのわからない臭い物を出す人々、ということで
軽蔑されています。
蓬莱人ってほんとに汚らわしいですね!

59:名無しさん@ピンキー
08/04/26 11:19:44 PU5jFdTZ
胎果・海客は普通に排泄するが、常世の人は水分のみ排泄する
だから放尿ではなくて放水になる

こんな設定がいいな

60:名無しさん@ピンキー
08/04/28 22:18:03 oClUR2Xi
HO

61:名無しさん@ピンキー
08/04/29 00:30:20 ox3XQQBg
えっと、おしっこネタがあまり好きではない一人です。
何なんでしょうね、毎スレ、毎スレ。

なので、レズネタを一つ落とします。変態は変態でもって制す!

62:祥瓊と陽子 一
08/04/29 00:31:25 ox3XQQBg
あれは夢だったのかな。

制服を着て授業を受けて真面目にノートをとって帰り道に何処へも寄らず、
宿題を片付けてニュース番組を見てお風呂に入って遅い晩御飯を一人勉強机の上でとって。

当たり前すぎる、平和な平和な毎日。

人が死ぬのは寿命か病気だ。不幸なケースだったら事故。血が流れる事なんて見る事はないと思っていた。
あのまま生きていたら、私は手近な男の人と恋をして結婚して子供を作って。

退屈でも平和な毎日を送っていたのかなあ―孤独なまま。


「陽子、どうしたの?」
ひんやりとした手が、自分の頬を軽く触る。
「ん、あれ―あれだ。えっと、寝てた」
細い首をかしげ、蒼い髪を揺らして祥瓊は微笑む。
「のんきねえ。寝言を言ってたわよ」

そうだ。園林で、息抜きに祥瓊と茶を飲んでいた。
美しい横顔を見ていたら、ものすごく気持ちよくって、目を閉じたっけ―そうしたら、いつの間にやら
寝入ってしまったようだ。

「何か、言ってた?」
「もごもご言ってた。可愛いらしかったのよ」
「冗談でなくて、さ。私は何て言ってた?」
ほっそりとした指で唇を隠し、ふふっ、と祥瓊は笑った。
「政の事よ」
(私と居ても、貴方はいつもそうね―主上)
さみしげに小さく呟く横顔を見て、ああ美しい―と私はあらためて思う。

アーモンド型のくっきりとした瞳。睫はうんざりするくらいに長く、いつも泣いているように目は濡れていて。
すっきりとした輪郭と、凛とした高い頬骨。唇が誘うように桃色に突き出している。
上を向いて突き出した胸と、柔らかな曲線を描く腰。


63:祥瓊と陽子 二
08/04/29 00:32:41 ox3XQQBg
「祥瓊」
「なあに?お茶を召し上がる?もう、ぬるくなってしまったのだけれど」
ゆるりと動いて、祥瓊が湯のみに茶をそそぐ。
『主上』と他人のように呟かれた私の気も知らず、わざと無邪気に祥瓊はふるまう。
一口、私が茶を含むと祥瓊は満足したように笑った。
「うまいよ」
「そろそろ戻りませんか」
「うん」
「そうですね、戻りましょう、『主上』」

賢い祥瓊、美しい祥瓊、聞き分けの良い祥瓊。
意地悪く私を絶妙なタイミングで「主上」と呼ぶ祥瓊。

なんだか腹がたって、思わず湯のみを床に落とした。
ぱりん、と高く細い音が響く。

「あのさ、戻りたくない―って言ったらどうするんだ?」
「どうする、って」
いっそ悲しげに祥瓊は笑って、湯のみのかけらを拾う。
「主上、戯れはおやめになって」
「そう呼ぶな」
「しかし、『主上』」
私はかけら拾う祥瓊の手を叩き、叫んだ。
「そう呼ぶなって言っているだろう!?」
まっすぐに見つめる祥瓊の視線をぎりぎりで私は受け止めた。
「嫌なんだ、そう、呼ばれるのは」
「では、どう呼べと?」
「ただ、『陽子』と」
「はい、陽子」
「とってつけたみたいに。腹が立つ」


64:祥瓊と陽子 三
08/04/29 00:34:02 ox3XQQBg
私は乱暴に祥瓊を草の上に押し倒す。
「駄目よ―戻りましょう」
「黙れ」
柔らかな髪に顔をうずめ、私は祥瓊の匂いを嗅いだ。優しく、それでいて官能的な匂い。
首筋に唇をずらすと、いっそう誘う匂いがする。
「胸を開いて。祥瓊の胸が見たい」
「駄目」
「駄目なんて、それこを駄目だ。許さない」
駄々をこねる私の態度にあきらめたように襟を解いて、祥瓊は乳房をあらわにした。

真っ白な乳房。そして桜の花びらによく似たかすかにピンク色の乳首。小さく堅くなって、
食べられるのを待っている。
私はたまらず、それを舌でゆっくりとなぞる。

「あ」
感じやすい祥瓊の身体がぴくん、と震えた。聞こえるか聞こえないかの喘ぎが私の耳をかすって、
その官能になぜか凶暴な気分になる。
「するよ」
「いけない、主上―執務に戻らない、と。ああっ。だめ」
「そう呼ぶなって!!」
脚を持ち上げ、秘所をあらわにすると、私は跡が残るほど強く口づけた。
乱暴に指を刺し入れ、それをぐりぐりとこねくり回す。痛みで祥瓊が身体をよじった。
「痛い」
顔を下にやり、秘芯を強くすすると、祥瓊は耐え切れないように震えた。
「こんなになってるのに痛いの?」
舌で蕾を刺激しつつ、指を奥まで入れてぬるぬると湿る壁を強くなぞる。ぐいぐいと
中をまさぐると祥瓊が苦しげに呟いた。
「陽子、痛いの」
顔をしかめる祥瓊。
指を引き抜くと伸びきった己の爪の先、祥瓊の赤い血が濡らしていた。

65:祥瓊と陽子 四
08/04/29 00:34:51 ox3XQQBg
「……祥瓊、ごめん」
「良いのよ、陽子」
今度は壊れ物を扱うように淫襞をなぞり、舌でゆっくりと襞を舐めた。
「はぁっ……あ、陽子」

血が混じった蜜。
それを味わいながら、私は抑制しつつも止められぬ激しさで祥瓊の秘孔に舌を這わせた。
「痛い、祥瓊?私は痛くしているか?」
「ううん、ぜんぜん。ああ、良い。今度は良いわ―すごく、良い」
ゆっくりと顔をふって、可愛らしく快感を示す祥瓊。私は顔を股から離すと、祥瓊の耳朶を噛んだ。
美しい顔を見つめながら、私は私は手のひらで祥瓊の乳房を包み、それをゆっくりと揉みしだく。
唇をむさぼり、舌を絡ませ、もう一度、秘所へ指がさまよいはじめる。
と、同時に思いがけなく祥瓊の冷たい手が私の尻を掴み、するりと指が淫孔に滑り落ちた。
「あっ、祥瓊!」
唾液で濡らされた祥瓊の指が、ゆるゆると孔を刺激する。
耐え切れずに私は思わず背を反らした。
「祥瓊、駄目」
「仕返し」
面白うそうに笑う祥瓊の肩に軽く噛み付くと、私は我慢できずに身を起こして体勢を変え、
祥瓊の脚を高く持ち上げ、大きく拡げた。
「仕返しなんて、生意気だよ、祥瓊」
「なっ―陽子、やめて」
思わぬ私の行動に、祥瓊は思わずあたりをちらりと伺いつつも、小さく悲鳴を上げた。
誰も来ない園林とは言え、さすがに秘所をあらわにするのは恥ずかしいのであろう。
羞恥と興奮に声を上げ続ける祥瓊を見つめ、私は祥瓊の頬に唇を寄せた。
「新鮮だね、祥瓊。そんな風にまわりを気にして。可愛いよ。可愛い、私の祥瓊」
脚を大きく開かせたままで、私は股に顔をうずめて薔薇色のしるしを刻み始める。


66:祥瓊と陽子 五
08/04/29 00:36:11 ox3XQQBg
「祥瓊。ここも―」
「いやっ。ひどいわ、陽子」
しなやかな腿の内側。
「ここも」
「だめ、だめ。だめよ」
柔らかな秘襞。
「ここも」
「ああ、駄目……」
陰毛に息をあて、鼻でそれをかすかにくすぐる。
舌先は秘蕾をちろちろと刺激した。つん、と何度目かの刺激のあと、びくびくっ、と祥瓊の身体が震える。
と、とろとろと淫水がしとどにこぼれ始めた。
水にまみれ、祥瓊の秘芯と自分の舌をからませて、私は祥瓊を抱く。
「ああ、ここも、どこも。愛しいところだらけなんだ。どうしてくれる?祥瓊―」
互いの体液が身体を濡らし、唇は吸われ続けて紅く腫れ始める。
乳首がこれ以上無いくらいに硬くなり、無意識にそれを相手の肌になすりつける。
触れる唇、こすりあう肌、そして指先を濡らす愛の雫。
「祥瓊、祥瓊。入れたい―!」
「私も」
「私にはこんな小さな指しか無い。辛い」
私は本当に肉槍を持っていないのが辛くって、涙ぐんだ。
「私もよ―陽子。でもほら、あなたはこんなに長い舌を持っていて」
祥瓊が私の口内に指を入れた。
「祥瓊も、こんなに長く美しい指」
口の中の指をゆっくりとしゃぶり、舐め尽して私はかすれ声で呟いた。
「掻き回してくれる?その舌で」
「祥瓊もその指で、いっぱいして」


67:祥瓊と陽子 六
08/04/29 00:36:58 ox3XQQBg
秘壷にほっそりとした指が刺され、激しく私の中を掻き回す。
私も祥瓊の花弁に顔をなすりつけ、舌で秘壷を貫き、懸命に舌を這わせた。
一心不乱に交わる私たちはどこか滑稽で、私たちは笑いながら、互いの身体をまさぐりあった。
自分でもわかるほどにぷっくりと膨らんだ秘蕾を口におさめられ、私は体を痙攣させて
脚をつん、と突っ張らせた。
クレバスを分け入って、舌を這わせ、顔面で愛液のしたたりを受け止め、舐める。
「ああ、ああああっ、陽子、陽子」
きゅん、と見た目にもわかるほどに締まった孔に指を差し入れて、くにゅくにゅと動かす。
「いや、いや、いや、止めて止めてやめ」
髪の毛を振り乱して、腰を動かす祥瓊に合わせるように私は舌を懸命に動かして、
蕾をくちゅくちゅと吸い続けた。
祥瓊も舌を私の腰奥まで刺しいれ、秘壁をざらりとした舌で舐めあげる。
「あっ、祥瓊。駄目、やめて。行く」
「行く行く行く行く、陽子、陽子」
「私も、行く、行く、ああああっ、あ、い行く――!!」

お互いの身体が、どこまで自分の皮膚なのかわからなくなった瞬間、私たちは同時に達し、
淫水で身体を汚し、清め合った―


68:祥瓊と陽子 七
08/04/29 00:37:36 ox3XQQBg
戯れの後、身体を草の色に染めて祥瓊がため息を吐く。
「困ったわ」
「何が?」
祥瓊は髪の毛をととのえながら呟く。
「見てよ、草の色。草の色で愛し合ったから―身体が緑色」
恥ずかしそうに、祥瓊が呟いた。
「―まあ、それは洗えば良いとして、『匂い』が体中に。んもう」
誘うようにわざと困り果てた顔で祥瓊が微笑むから、私はまた祥瓊に腕を伸ばす。
「足りないなあ」
「こりない人―駄目よ、陽子」
「駄目?」
「駄目です」
「けちんぼ」

くすくすと祥瓊が笑う。
それを聞いて私はまた目を閉じる。
祥瓊は、賢い人だから―そっと息を潜めて待つことを知っている。

私は思う存分官能の後の倦怠を堪能し、うつらうつらとまた夢を見て、覚醒し、また夢に戻り、
そうしてゆっくりと現実に戻っていった。

気づくと、幾分日は落ち、その分肌寒くなっていた。
自分の身体の上に、着物が綺麗にかけられている。

「あたたかいよ、有難う。だからかな、また夢を―過去を、さっき夢に見てた」
祥瓊の膝の上、私は髪を撫ぜられるままに呟き続けた。

「私はね、普通の女の子で。死ぬことも、死なれる事も遠くって。お腹が空くってどんな事か
知らなかった。凍える、ってどんな事かも」
微笑んで、祥瓊は私を見下ろした。
「笑うんだね、おかしいかな、やっぱり」
不満げに唇を突き出すと、祥瓊はふわりとそれに唇を合わせてくれた。
「ううん、おかしくなんかないのよ。ただ―」
「ただ?」


69:祥瓊と陽子 終章
08/04/29 00:39:17 ox3XQQBg
「お帰り、陽子」
「どういう意味?」
とろけそうな笑みで祥瓊が再び口付けてくれる―
「お帰りなさいって、言ったの。あなたは、私のそばに居なくっちゃ」
嫣然と笑う祥瓊を見つめ、私は首をかしげる。
「意味がわからん」
ぱしん、と頭をはたかれ、私はまた祥瓊を見上げる。
「あのね、陽子。どれだけ、待ったかしら―あなたが私をなかなか見つけないから」
「意味がわからないよ」
「二人は一緒にいなきゃならないの!わかるでしょう?それは貴方の役目だったのよ?
なんで私をもっと早く見つけないのよ、どうしてもっと早く迎えに来ないのよ!!」

ぷん、と頬を膨らまし、涙目の祥瓊が可愛らしくって、私は思わず苦笑した。
「ねえ、祥瓊。時間はかかったけど、見つけたよ?」
「遅いのよ!ばか陽子。しかも昔の、あっちの世界の夢を見たりなんてして―許せないわっ!」
怒る祥瓊が愛しくて、私はそっと抱きしめる。
ごめんね、と呟いてまた接吻する。

ばかばかばかばか―

「愛しい祥瓊。あなたは、私のただ一人の人だよ」
くすん、と祥瓊が鼻をすする。
「許して、あげ―ても、良い、かも?でも、どうして私をもっと早く見つけないのよっ!」

私はたまらず愛しくて、また口付ける。

さあて、もうすぐ景麒が迎えに来る。
それまでに着物はととのえなきゃな。
で、言ってやろう。

麒麟の気持ちが少し、判ったぞ、って。
半身を見つける方も、結構たいへんだな、って言ってやろう。
で、結構幸せだよな、って言って見るんだ―あいつが否定したら、祥瓊と一緒に殴ってやろう。

<了>

70:名無しさん@ピンキー
08/04/29 00:52:57 K1WZpU5D
おおおおおおおおおおおおおおおおっ! キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

71:名無しさん@ピンキー
08/04/29 11:21:51 IUP9YgRD
>>61
GJ! \(^o^)/であります。乙であります。鈴も加えての3Pも期待であります

72:名無しさん@ピンキー
08/04/29 16:24:41 4omXPKEZ
常世にもトイレはあるよ。
みんなオシッコもウンコもするんだよ

URLリンク(ysk.orz.hm)

73:名無しさん@ピンキー
08/04/29 17:51:36 WPKkvpVu
いいかげんヤメレ カス

74:名無しさん@ピンキー
08/05/01 21:15:22 yS76HX+8
ホモは憎むが、百合には萌える。
個人的にはすずとしょうけいのカップリングが見たい。

75:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:59:30 p2hZpq7+
陽子が初勅を出して数日後の夜、金波宮の中庭に祥瓊と鈴がいた
2人はその場にしゃがんで空を見上げていた
しばらくして、祥瓊はパンツの股の部分を手で横にずらしてまんこを出した
鈴は、祥瓊が連れションを誘ってるのだと思い込んだ
そして、鈴もパンツの股の部分を手で横にずらしてまんこを出した
しかし、鈴は祥瓊に付き合って連れションしようとしてるだけで尿意を催してるわけではなかった
だから、鈴はすぐにおしっこを出すことはできなかった
しばらくして、おしっこが出る寸前の状態になった
しかし、ここで鈴は疑問に思った
連れションに誘ったはずの祥瓊が、なぜか一滴もおしっこを出していないのである
尿意を催していれば、なかなかおしっこが出ないのは不自然だし
尿意を催していなければ、連れションに誘うはずはない
ついに、鈴は祥瓊に真意を尋ねてみた
実は、祥瓊は連れションではなくてエッチを誘っていたのである
常世の女が相手にエッチを誘うときは、まんこを出すのも方法の1つである
(男から誘う場合は、ちんちんを出すという方法は許されず、これは犯罪になる)
常世ではホモはタブーだが、レズは自由である
鈴は祥瓊がエッチを誘っていたことを理解したら、これを快く受け入れた
そして、2人はレズ行為をすることにした
しかし、鈴はおしっこが出る寸前の状態であった
おしっこを出してからエッチするか、おしっこを引っ込めてエッチするか
鈴は少し迷った・・・

祥瓊と鈴のレズ小説なら、こんなのがいいな

76:名無しさん@ピンキー
08/05/02 14:44:06 OHHS+8HN
他のSSスレなどでは「気持ちいいー、おしっこでちゃうー」が普通なのに
このスレでは、「立ちション・連れション」になってしまうのは何故だ?

77:祥瓊の激しい夜・1
08/05/02 19:44:41 GNDp9aVA
カップリング・祥瓊×鈴
特殊・男体化

半獣は生まれつきのもので獣と人間の二態を持つ。
だが生まれつきでないこれは、なんと呼べばいいのか。
天帝の粋な計らいなのか、祥瓊と鈴が、自分たちが二態を持つ存在であることを
知ったのは、つい最近のことだ。
しかも、この二態は半獣とは違い、いったん姿が変わってからというもの、
二人とも元の姿に戻れなくなっている。
「こんな姿はいや」
むせび泣く鈴の背中に祥瓊はその逞しく筋肉の張った腕を優しくまわす。
「泣いてはダメよ。私はむしろ、今の鈴のほうを好ましく思っているわ。
私はこんなガッチリした骨格に筋肉と脂肪が盛り上がった男性が理想だったの。
私を見てごらんなさい。鈴を上回ってガチムチでしょ?
鈴が自分の姿を貶めるのは私を貶めることにもなるのよ」
 祥瓊はいかつい顔を鈴に寄せ、そっと口付ける。
「ごめんなさい・・・・・・そんなつもりじゃなかったの」

78:祥瓊の激しい夜・2
08/05/02 19:53:58 a2t3FI3G
許してくれる?と上目遣いに求める鈴を、祥瓊が許さないわけがなかった。
「でもね・・・・・・でもね、祥瓊。祥瓊の望みは、とても叶えてあげられないわ。
私・・・・・・そんなこと、どうしても、ダメよ」
「だめだなんて言わせないわ。絶対に気持ちよくしてあげるんだから。
お願い、私に乱暴なことはさせないでくれるわね?」
言いながらも祥瓊は鈴の肩に腕をまわし顔をのぞきこんだまま、
じりじりと鈴を歩かせ、目的の場所へと歩を進めていた。
はぁはぁという祥瓊の息遣いが鈴の精悍な顔にかかる。
鈴は頬を赤らめ、俯きつつも祥瓊の動きに逆らえない。

79:祥瓊の激しい夜・3
08/05/02 20:06:26 FuO8mcGl
「きゃぁぁ」
どさり、と羽根布団の上に投げ出され鈴は悲鳴をあげた。
「鈴、ごめんなさいね! 私、いきなり限界みたいなの!」
言うなり、祥瓊の巨躯が鈴の上に勢いよく覆いかぶさった。
服の上からでも張り切ったものの感触が伝わってくる。
「そんな! だめよっ!!」
しかし鈴が全ての着衣を脱がされてしまうのに長くはかからなかった。
肩から胸に見事に張った筋肉。胸にも乳輪にもゴワゴワとした毛。
ぼこぼこに割れた腹筋。
「素晴らしいわ!素晴らしいわ、鈴!」
祥瓊は自身も急ぎ諸肌脱ぐと、独特な色の胸毛を鈴の胸毛に重ねた。
「鈴!・・・・・・鈴っ!」
髭の剃り跡も青々とした祥瓊の口元は、鈴の胸から腹筋、さらにその下へと
たゆまなく動いていく。
「あっ!・・・・・・しょ・・うけ・・それはだめえっ」
祥瓊の返事はなかった。返事ができなかったのだ。
すでに祥瓊の口は鈴のものでいっぱいだったからだ。

80:祥瓊の激しい夜・4
08/05/02 20:24:32 BKODZmPG
そこから先は二人とも夢中で何がなんだかわからなくなっていた。
「鈴ったら感じすぎよ!私のより大きくなってるじゃない!」
鈴は息遣いも祥瓊より激しくなっているほどだった。
祥瓊の口の絶妙な動きにより、敏感な鈴はこれまでにない大きさになってしまっていた。
祥瓊は鈴の脚を広げて抱え込むようにしてのしかかる。
「鈴・・・・・・鈴・・・・・・」
それは二人が初めて一体となった瞬間だった。
「あっ、あああああっ」
鈴の体がびくっと痙攣する。
祥瓊のものは、じらすように奥まではいかず、浅いところを突いてくる。
「あっ、やっ、・・・・・・ああんっ」
鈴の野太い声が漏れる。
ぶつかり合う筋肉。祥瓊の額に背中に、汗が滲む。
「あっ」
悦ばされるだけでは済まないことを鈴は急に察した。
祥瓊のものが、いきなり鈴の深いところを突いてきたのだ。
鈴の甘い声が悲鳴に変わる。
「鈴、鈴、ごめんなさい・・・・・・ハ・・・・・・んっっ、」
言いながらも祥瓊の腰の力強い動きは止まらない。

81:祥瓊の激しい夜・5
08/05/02 20:47:41 daQV+vTI
その後、いったい何度体位を変え愛し合ったことか。
体位を変える間には、祥瓊はじゃれるように鈴のものを口にふくんだりする。
「やめて祥瓊・・・・・・それはもう、」
「だめよ、鈴をこうしたくてしかたないの。鈴・・・・・・かわいいわ」
祥瓊の口がものを袋を様々な角度から攻め上げる。
そして次には再び正常位に戻り、祥瓊の息遣いはさらに加速してきた。
それにつれ、腰の動きも激しさを増す。
果てしなく続いたかに思える愛の行為が最終段階に入ったことを
鈴は本能的に悟った。
「鈴っ、鈴っ!!」
「あっ、あっ、祥瓊っ!しょうけ、いっ!!!」
「い、イクわ!!!」
全てを鈴の中に。鈴に。
祥瓊の激しさに、鈴は眩暈のような感覚と共に、瞑った目の中に火花が
散るのを見た。
激しく。ただ激しく。いつまでも激しく。
そしてやがて、祥瓊の逞しい体が鈴の上にくずおれ落ちた。

82:祥瓊の激しい夜・終
08/05/02 21:00:18 EufKQWV8
卓の上には見た目も美しい甘いお菓子。
二人はお茶を飲みながら、なごやかに話し合っていた。
「祥瓊ったらもう、激しすぎるんだから」
恥じらいなからもそんなことを言う鈴に、祥瓊は、かわいくてたまらない、
という目を向ける。
「だって、そうするしかなかったんだもの」
「でも、あれが元の姿に戻れる唯一の方法だなんて、どうやって知ったの?」
細い指で砂糖菓子をつまみながら鈴が上目遣いに訊く。
「あら、そんなこと知らなかったわ。私は鈴への気持ちを抑えきれなかっただけよ。
元に戻れたのは、ほんの偶然ってことね。
でも、鈴、鈴がどんな姿になろうと私の愛は変わらないわ。鈴が逞しい男性の
姿になれば、それが私の一番好きな姿よ。でも今は元の姿の鈴が一番好き。
どんな鈴でも、体も中身も全てが好き。いつでも好き。大好きよ」
そのまま、そっと唇がふれる。
それは、やわらかかった。

                          おわり

83:名無しさん@ピンキー
08/05/02 21:04:10 3lbg3xnd
終わりました。
スレ汚し失礼しました。
なんとか>>74さんのリクエストに答えようと頑張りました。
小説の視点って難しいですね。
今度は鈴の視点に統一したものを描いてみたいです。
では、失礼します。

84:名無しさん@ピンキー
08/05/02 21:19:30 bnMbi/ot
>>74は「ホモは憎む」って書いてあったよ…ww
違う意味でクソワロタw

85:名無しさん@ピンキー
08/05/02 21:27:30 fWyJQmXv
>>75
グッドジョ━━━(゚∀゚)━━━ブ!!!!!

86:名無しさん@ピンキー
08/05/02 21:39:49 GIWRaak0
ワロスwwwwww

87:名無しさん@ピンキー
08/05/02 21:53:44 fWyJQmXv
レス番間違えたw
>>75 クソ

>>77 グッドジョ━━━(゚∀゚)━━━ブ!!!!!

88:名無しさん@ピンキー
08/05/02 23:24:13 hsdrEn9A
>>77 とってもとっても乙であります。GJであります。次作もWakutekaであります

89:名無しさん@ピンキー
08/05/02 23:59:43 PzX6I0fO
>>84-88
ありがとうございます。
ほめてくれた方、ほんとありがとう! 書いた甲斐がありました。

90:名無しさん@ピンキー
08/05/03 02:08:02 anbZl81/
バロッシュwww
ガチムチってwww

91:名無しさん@ピンキー
08/05/04 22:29:27 DOfbZPmj
陽子はヒーローだから、ヒーローらしくズボンのチャックを開いて立ちションがいい
(陽子は女だけど、ヒーローであってヒロインではない!)
だから、陽子の股間は「まんこ」ではなくて「まんこの形をしたちんちん」ということになる
見た目は「まんこ」でも、立派な「ちんちん」なのだから
陽子が、ズボンのチャックを開いて立ちションするのは当然のことである

こんな話がいいな・・・

92:名無しさん@ピンキー
08/05/06 15:10:01 Pf7pOQKz
保守

93:名無しさん@ピンキー
08/05/08 18:55:55 +J1Fk5i9

URLリンク(ysk.orz.hm)

94:名無しさん@ピンキー
08/05/08 21:56:03 6UqohlPM
禁断の恋ですな

95:名無しさん@ピンキー
08/05/08 22:46:09 iNCmwwOU
陽子も、景麒が溜めすぎないように出してやらないと
ナニを襲うかわかったものじゃないなw

96:名無しさん@ピンキー
08/05/09 23:27:43 /a/tH4kv
>>93
景麒wwwwwww

97:名無しさん@ピンキー
08/05/10 11:10:12 yFp3D7yi
陽子と楽俊(人間)のカップリングを希望します

98:名無しさん@ピンキー
08/05/11 05:05:54 5gpbJscD
陽子×楽俊(ネズミ)を希望します!
ふさふさのもこもこ~私がおそいたい。

99:名無しさん@ピンキー
08/05/11 11:27:01 VQQ+zSvW
97-98
見本がないことにはどうにもできないぜ?
見本をぜひとも額づいてお願いします。ハァハァ

100:名無しさん@ピンキー
08/05/12 11:09:52 P7oTZjfr
>>91
「まんこの形をしたちんちん」という発想は斬新なアイデアだな
だったら反対に「ちんちんの形をしたまんこ」というのがあってもいいな

陽子はヒーローだから、股間にあるのは
見た目は「まんこ」でも、立派な「ちんちん」であり
姿は女でも、立派な男である(女の姿をした男)

泰麒はヒロインだから、股間にあるのは
見た目は「ちんちん」でも、所詮は「まんこ」であり
姿は男でも、所詮は女である(男の姿をした女)

こんなネタで話が作れそうだな・・・

101:名無しさん@ピンキー
08/05/12 20:33:39 dMDL77BM
>>91
自演ヤメレ カス

102:名無しさん@ピンキー
08/05/12 21:52:26 HT7PtSOH
>>100
レスの内容が幼すぎる。消防かせいぜい厨坊のボクチャンだろ
18禁板だぞ

103:名無しさん@ピンキー
08/05/14 18:44:36 76jRgLUs
ほしゅしゅ

104:名無しさん@ピンキー
08/05/16 21:22:44 bZZQTS9/
ほしゅります

105:名無しさん@ピンキー
08/05/21 20:51:58 7g3to/0u
陽子とセッキのカップリングを希望します。
意外と面白い組み合わせだと思うので

106:名無しさん@ピンキー
08/05/21 23:15:53 /k/XjX8E
>>105
おまいが書くんだ

107:名無しさん@ピンキー
08/05/23 21:55:56 Xn4sSNhw
ほしゅまち

108:名無しさん@ピンキー
08/05/25 22:20:03 HKxFxuzM
獣形の麟タソにアソコをなめてもらいたい

109:景麒
08/05/25 22:47:47 56/r8MTj
   〃⌒ヽ、
  〃ノ人ヽヽ >>108
  ノノ ´_>`从 私が舐めて差し上げよう

110:名無しさん@ピンキー
08/05/25 22:49:10 UdXKp0d4
ワロタw

111:名無しさん@ピンキー
08/05/25 23:00:05 fXMKz3Mo
麟タソじゃなきゃイヤイヤ

112:名無しさん@ピンキー
08/05/28 07:03:58 EnhofYyI


113:景麒
08/05/28 19:55:55 upcrE4bj
   〃⌒ヽ、
  〃ノ人ヽヽ
  ノノ*´_>`从    シュッ
  Σ⊂彡_,,..i'"':
      |\`、: i'、
      \\`_',..-i
        \|_,..-┘

114:名無しさん@ピンキー
08/05/29 21:59:13 h1PxXvR1
テッシュでなくゴックンプリーズ

115:ごっくん
08/05/31 01:55:19 0VLq5dZq
陽子はゲホッとむせた。白濁した液が唇から漏れる。
景麒は指を唇にはわせ、液を拭い取るとぐい、とその指を陽子の唇に突っ込んだ。
「味わってくださいよ、いい加減に」
「お前の……なぞ、飲めるか!」
陽子はもう一度咳き込むと、ぐいと唇をぬぐって景麒を睨んだ。
「お前のは、苦い、まずい。最悪だ」
景麒はつまらなそうに臥牀に横たわり、主を見つめた。
「女郎のようですね。男の精の味を語りますか」
陽子は景麒に唾を吐いた。
景麒は涼やかに笑い、己の頬に落ちた唾を拭う。
「お前みたいに女を抱く奴なんてどこの世界にも居ない。自分だけ楽しければ良いんだろうな。
さんざん突いて、濡れてもいないのに私の中に指を突っ込んで。しまいには口の中に発射だからな」
景麒は紅潮した主の顔を見て、皮肉に笑った。
「そういうのが好きなくせに」
「この―馬鹿麒麟めっ!!」
主が己に腰の上に跨る。牝馬のように腰を激しく揺らして。
中心には、私の猛り。
「あっ、主上。良い―」

「あっ―あ?」
(今日もまた、夢精してしまった―)
景麒が敷布を見下ろす。
「……私のは、苦くてまずいのかな?」
自重の笑みを浮かべる景麒。
思わず敷布に残る己の精を舐めてみた。

「んんん―?げ、げげげぇえぇええええ!」

景麒の童貞ロードはまだ続く。

ゴックンおわり

116:名無しさん@ピンキー
08/05/31 12:07:28 8Lbh6Gvv
>>115
GJ! ワロスw

117:名無しさん@ピンキー
08/05/31 19:33:51 JoffIwFa
>>115 GJGJ!

118:名無しさん@ピンキー
08/06/02 23:38:08 d5P4MGJZ
>>115は女性なんだろな。
男なら、自分の精液、舐めてみるなんて考えないから。

・・・と、書きながら、せっせとエロを投下している、ポニーテール(推定)の
>>115氏の事を考えて、なんか、熱くなってきた自分はどうしよう?あっ

119:名無しさん@ピンキー
08/06/03 22:33:52 JDjuQn51
   〃⌒ヽ、
  〃ノ人ヽヽ >>118
  ノノ ´_>`从 私の出番と聞いてやって参りました

120:名無しさん@ピンキー
08/06/04 23:38:56 ZOh1lASc


   〃⌒`⌒ヽ
   |i i⌒⌒i |
   ||!.{ ゚ ヮ゚ リ
   ハ::ヽy/ス 
   l フっ==l フっ
    ソ::::::::::::l       >>119 私もお手伝いします!
   ノ ハ ヽ ゝ
   `'` ' `'` '`


121:名無しさん@ピンキー
08/06/04 23:55:50 ZOh1lASc

   へヘ
  // ⌒丶   
 (从ハ从)
  )§ ゚∀゚リ.   | | ガッ
 とハ† _ )    | |
   Y /ノ    人 〃⌒ヽ
    / )    <  >ノ人ヽヽ ∩
  _/し' //. V(´Д`从リ / >>119
 (_フ彡     }/ Y  { / 


122:名無しさん@ピンキー
08/06/08 00:24:31 K9iytMB3


123:景麒
08/06/08 21:13:17 kkKFdkUL
   〃⌒ヽ、
  〃ノ人ヽヽ
  ノノ*´_>`从    シュッ
  Σ⊂彡_,,..i'"':
      |\`、: i'、
      \\`_',..-i
        \|_,..-┘

124:名無しさん@ピンキー
08/06/08 22:41:42 ZzqqnnHF
やっぱりキターwww

125:名無しさん@ピンキー
08/06/09 23:47:25 fBKuCBFa
AAも和む。
だが、SSが欲しいんだ。

過去レスあさって、最高は「慕情」(←万人受け)と「北風と太陽」(←通好み)と、
景麒の紫の膝の人(←題名覚えてねえ)だ。

おまえらもこの3つは読んでおけ。


126:名無しさん@ピンキー
08/06/10 00:23:07 Z6n6AINQ
>>125
だから、既存品をすすめる前にお前さんが書いてみろと。

127:名無しさん@ピンキー
08/06/12 01:09:48 wN+8d130
>>125
AA景麒がきてくれなくなるのはやです。

そういうわけでほ。

128:景麒
08/06/12 01:42:56 gwK0Q3Nl
 〃⌒ヽ、
〃ノ人ヽヽ
ノノ ´_>`从
}/  Y ハ シュッといきたいところですが、
 (⊃□⊂) 作品を投下しないのもアレですので…
 |___|_|
  U U













     〃⌒ヽ、
    〃ノ人ヽヽ 代わりに私のおヌードを
    ノノ*´_>`从    ご覧あれ~~!!
 ⊂L/ (ー'ーノヽl⊃
   (  〉 全〈  ) ガバッ
   )__/ , つ ヽ(
    (_/   ヽ)

129:名無しさん@ピンキー
08/06/14 09:53:44 Hquszh9Q
景麒はチンカスを自分で洗うのだろうか?


130:名無しさん@ピンキー
08/06/17 01:07:02 lAIZMTcm
>>129

景麒は、まがりなりともお偉い人なので奚とかにチンカスは洗ってもらって
いると思われ。

って、最後を決めずに作品投下してみます。カップリング、適当に
あてはめてください。それで、書きます。(すいません、他力本願で)

131:陽子(?) x ?? 1
08/06/17 01:08:08 lAIZMTcm
会いたくて、会いたくて、執務中でもため息を吐いてしまう。
すれ違って少し触れただけの腕が、熱を持ったように痛い。
風が、寝室の扉を叩いただけなのに「あの人」がやって来たのかと思って飛び起き、
確かめもせず扉を開けてしまう。

指の先まで、貴方でいっぱいで、気が狂う。


132:陽子(?) x ?? 2
08/06/17 01:09:39 lAIZMTcm
「で、陽子はもう延王と寝たの?」
いつでも直球ストレートの祥瓊が、陽子に問う。
「え、え、ななななな、何言ってるの?」
朝議の後の昼下がり、ひと時の休み時間を気心の知れた女史とお菓子をつまみながら
語らっている最中の出来事である。
祥瓊の口から飛び出したとは思えないあけすけな言葉に、陽子は誰ぞに聞かれていやしないかとあたりを見回した。
「誰も居ないわよ、陽子。だからお止めなさい、その挙動不審な動作は」
「祥瓊はそんな美しい顔をして、とんでも無い事を言う!」
「話を変えないの、陽子。私の顔はどうでも良いのよ。今は貴方の話」
ずい、と祥瓊は陽子の顔に、花のかんばせを近づけた。
「寝たの?寝てないの?」
「……ぃ」
「何よ、まだ寝てないの?じゃあ、接吻は?」
「……ぃゃ」
「えー、聞こえないわぁ」
どん、と陽子はいささか乱暴に祥瓊を押した。
「ひ……人の気もしらないで、そうやって茶化してばかりだ、祥瓊は!」
涙目になった陽子がバシンと乱暴に扉を閉じて出て行った。逃げるように駆けていく足音が、
しばらく室に満ちる―そうして、消えた。
祥瓊はふう、と吐息と小さく吐いた。
「人の気も知らないで、か」
祥瓊は、肩を小さく震わせ、笑った。


133:陽子(?) x ?? 3
08/06/17 01:10:55 lAIZMTcm
「あら、台輔」
寝屋にやってきた、景麒を見て祥瓊はくすりと笑う。
「……私が一人の部屋を『たまたま』あてがわれているのって、こういう時の為なのかしら?」
「たまたまなぞではないと知っているだろうに」
一時さえも無駄には出来ないように、景麒は後ろ手に扉を閉めると祥瓊の寝巻きをするりと脱がした。
祥瓊が景麒に抱きすくめられながら、静かに呟く。
「良い、香り」
「香を久方ぶりにたいてみたからな」
祥瓊ははしたなく高笑いを響かせた。
「香ではないでしょう―獣の匂いが、いたします」
獣か―
つまらなそうに景麒が笑うのを合図にして、祥瓊は小さく、だが強く呟いた。
「早く、早く、私を高みへと導いて下さいまし」

景麒は祥瓊を赤子のように軽々と抱き上げ、膝に乗せた。祥瓊は見せ付けるように脚を大きく拡げ、
景麒を見上げると唇の端をそっと上げた。
赤い舌が祥瓊の唇から蛇のようにちろりと刹那、見え隠れした。
それを合図に景麒の手が祥瓊の太ももに伸び、ゆっくりと撫で回す。
嫌悪感と快感とが、同時に祥瓊を襲った。

太ももを触れながら、景麒は祥瓊の喉元に唇を這わす。
しがみつく祥瓊も、身もだえする景麒も、まるで獣のような力強さ。
祥瓊は目を閉じ、無意識に開いてしまった唇から― 一筋涎を垂らし、のけぞる。
景麒は祥瓊の乳首を口の中に含み、柔らかく転がす。祥瓊の身体が軽く痙攣し始めると
ゆっくりと指を濡れ始めた秘所に這わせた。

愛撫は獰猛だった。動きは暴力的と言ってもよく、祥瓊は自分の中をガリ、と景麒の爪で
引っかかれ、痛みに思わず腰を引いた。
が、景麒は憎憎しいように祥瓊の腰を構わず引き寄せ、今度は強引に臥牀に押し倒して
猛りを突き刺す。
両腕を掴まれ身体は臥牀に押し付けられ、祥瓊は自由を奪われたまま目の前の美しい顔を見上げた。


134:陽子(?) x ?? 4
08/06/17 01:12:41 lAIZMTcm
「―黙りなさい」
何も言わない祥瓊に、景麒は震える声で呟く。祥瓊が軽く笑うと、景麒は己の主の敵を討つように
唇を祥瓊の頬、額、耳、胸元にすべり落とす。
長く激しい口付けの後、景麒の唇は再び祥瓊の柔らかな唇に戻る。
乱暴な愛撫に身体は悲鳴を上げて良いはずなのに、熱い猛りを腰の中心に据えられて、祥瓊は
知らず喘ぎ声を漏らしていた。

と、思いがけない、祥瓊の低い声が室を満たす。

「いけないんです、こんな事は―」

景麒は静かに、顔色を変えずに答える。
「どうして、いけない?君は私を求めてる」

(嘘つき)

「あああああっ」
太い楔を打ち据えられ、祥瓊は一言も言えぬまにすすり泣いた。

身体の芯に火が灯されない内に逃げようと、祥瓊は身体をのたうつ。が、軽々と景麒の腕に絡めとられ、
そうしてまた愛撫の嵐に合う。

無垢も、穢れも、選べない―
誰か、罰してくれればいっそ楽なのに!!

己の身体を壊すような景麒の猛りを感じながら、純愛と淫蕩との狭間に祥瓊は泣いた。

戯れの後、景麒は一つ、ため息をついた。
「祥瓊?」
「何でしょう、台輔。明日はお早いでしょう、寝所に、お戻りに―」
「うむ、知っている。だが、あまりにもそれではお前が」
「私は構いませんよ。昼くらいにまた、陽子―いえ、主上におめもじ出来ます。
元気が無いと、主は心配するので」
きょとんと景麒は首をかしげる。
「あの、聞いても良いか、祥瓊」
「どうぞ、台輔」
「主上が恋したっているのは―」


135:カップリング自由です
08/06/17 01:17:38 lAIZMTcm
過疎ってるから、フリーダムなSSを落としてみた。
祥瓊と景麒がからんでるなら、誰でもラスト、書いてみます。
リクが無ければ、まあ、粛々と・・・

136:名無しさん@ピンキー
08/06/17 18:52:29 iUm00gTx
延王じゃないのか?


個人的には楽俊が好きだ。

137:名無しさん@ピンキー
08/06/17 20:05:58 pN3pU7/8
>>131
グッドジョ━━━(゚∀゚)━━━ブ!!!!!

138:名無しさん@ピンキー
08/06/17 21:32:38 GnSvg8am
おおっ! GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

139:陽子x?? 5
08/06/18 01:39:19 DwpHJAEM
「延王です」
そうか、と小さく景麒が呟いた。
「お気づきではありませんでした?」
自重するかのように景麒は笑った。
「お前が恋い慕っているのも、同じ方なのであろうな」
ふふ、と祥瓊は笑うと窓に顔を向けた。
「夜が明けます。どうぞ、お戻りになられて」
震えた声音に誘われるよう一瞬、景麒の指が祥瓊の方に伸び、そして宙をさまよって、落ちた。
「手荒くしてしまった―すまない」
祥瓊の顔はずうっと窓の方を向き、景麒が部屋を出るまで微動だにしなかった。

まだ蒼い陽の光がうっすらと室内に入り込みはじめた頃になってようやく、祥瓊は
臥牀に体を横たえ、囁いた。

「馬鹿な台輔」

祥瓊は涙に顔を濡らして苦く笑う。
延王を好きなはずはないじゃない。あの人は、兄でしかない。もしくは父親、友人。

陽子が人目を忍んで、誰に鳥を飛ばしているのだと思っているのだ。
陽子が一番辛い時に誰がそばに居て、助けたのだと思っている?
ただでさえ微妙な立場の半人半獣をかばう為、わざと延王を慕っている振りをしている幼い恋心を
どうして分ってあげられないのだ。

「馬鹿な陽子、馬鹿な台輔―馬鹿な祥瓊」

嗚咽は止まらず、祥瓊は枕に顔を押し付けた。

140:陽子x楽俊 6
08/06/18 01:41:58 DwpHJAEM
どれだけ会っても、言葉を交わしても、足りない。
いつも視線は景麒の背中を追って、振り返ってくれるのをただ待っている。
魂がいつも景麒だけを求めて、心がくだけそうに痛い。

それと同じような気持ちを景麒が陽子に対して持っているのはすぐに祥瓊は分った。
だからこそ、抱かれた。

「台輔は、私を抱いてなんかいやしないのに―」

自分を通して陽子を抱いているのを、祥瓊は理解していた。
それでもよい、と思っていた。
抱かれるたびに、自分の嘘が膨らんで、どんどん体を満たしていく。背徳は快感になって、
更に景麒を求めてしまう。

延王を恋い慕う主ならまだしも、鼠ごときに心を奪われていると知ったら、矜持の高い景麒のこと、
どれだけ傷ついてしまうだろう。

無粋な物言い。でも、言った後でそれを後悔するようなお顔。
楽器のように響く声。囁き声が耳をかするだけで腰の奥が熱くなる。
青年のようないでたちとは裏腹に、老人のように暗く煙る瞳。
風に揺れる美しい鬣。
そして自分を深く貫く、堅く張り詰めた猛り―

いつまでこの茶番が続くかは分らない。
でも、祥瓊は景麒の腕の中に抱かれ続ける為にだったら、千の嘘でも吐こうと思う。
陽子が幼い恋心を貫くのであれば、私もねじれたこの恋情を貫いて見せよう。


今はただ、帰りがけに自分を見つめていた台輔の視線だけで―十分。


日が高くなりはじめた。
小さな人の思いを輝きで隠すように、また慶の一日が始まる。

<了>

141:名無しさん@ピンキー
08/06/18 01:59:01 wNU05+S/
乙!!

無能がニブと言うのはわかったw

142:名無しさん@ピンキー
08/06/18 19:52:25 H0nz457+
おおっ! 
続きがあったのか GJ!

143:名無しさん@ピンキー
08/06/18 21:18:22 gYdA53kT
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!


144:名無しさん@ピンキー
08/06/19 00:51:04 iQiZSKb/
GJGJ!!
それぞれの関係性に禿萌た
できれば続きも読みたい!

145:陽x楽 スピンオフ
08/06/20 00:15:03 HNj31YpJ
皆様、コメントありがとうございます。
お詫びに、祥瓊x景麒の裏設定の陽x楽を書きます。

146:陽x楽 スピンオフ1
08/06/20 00:16:19 HNj31YpJ
(女王は皆おなじだな)
(国よりも己の感情が先に立つ)
(まあ、台輔に恋慕して国を傾けるよりは)
(豊かな隣国の王の方が)

官たちのくつくつと漏れる下卑た笑い声。聞こえるようにかわされる噂話。
咎めるのも馬鹿馬鹿しい。
人間というのは思いたいようにしか思えないものなんだと、あきらめた。
でも、自分の想いをごまかしても良いのだろうか。周りをだまし、自分をだまし、そうしてあの人への―

「何よ、まだ寝てないの?じゃあ、接吻は?」

祥瓊の声に、はっと私は我に返る。

私を見つめる必死な祥瓊の顔。美しい顔が引きつって―きっと私も同じ顔をしている。
(嘘つき!国の為って言いながら、ただ臆病なだけじゃない!!)

私は思わず祥瓊を突き飛ばしてしまった。
「ひ……人の気もしらないで、そうやって茶化してばかりだ、祥瓊は!」

走り出してから、ようやく涙が頬をつたった。
涙は自分の恋慕のためか、祥瓊の恋の為か。


147:陽x楽 スピンオフ2
08/06/20 00:17:50 HNj31YpJ
知っている。
気づいていた。

ごめん、祥瓊。
あなたが景麒を見つめる視線。
袖が触れ合っただけなのに、まるで火に触れたように体を震わせて。
あいつは馬鹿だから、本当のあなたの気持ちなんて気づいていやしない。
延王の事をいかに漢らしいか、今度いらっしゃるのはいつなのかと言いながら、気持ちは背後を
「たまたま」通りすぎていく景麒に向いて。
景麒に対する愚痴をいっぱい聞きたがったね。いつだって、話題は不自然に景麒だった。
「あの人」を知っているのは祥瓊だけだから、私もいつも雁の話をしたがった。


首筋についたばら色の痣や、泣き明かした事を物語る祥瓊の瞳の下の青黒いくまが出来始めたのは
いつからだったろう?
景麒の残り香をまとっているのにも気づかずに、わざと無邪気に笑って。
細い体が、どんどん痩せてきて。

私は何も言えず、ただただ景麒が祥瓊に優しければ―と逃げていた。
私の心も、ただ一人の事でいっぱいだったから。


(やるべきことを選んでおけば、やるべきことを放棄しなかったぶんだけ後悔がかるくてすむ)
「うん、楽俊」
(おいらは陽子がどんな国を作るのか見てみたい)
「そうだね、楽俊。でも、でも私は、そばにいる女史の心さえ―救えない」
部屋に駆け戻って後ろ手に扉を閉めると、私はようやく声をあげて泣いた。


148:陽x楽 スピンオフ3
08/06/20 00:18:28 HNj31YpJ

まるで、昨日のことのよう。

玄英宮の砂浜で、私は楽俊の腕の中にいた。
王になろうかなるまいか、迷っている事を言い訳のようにして楽俊に包まれていた。

「ふり向くなよ。今ちょっと障りがあるからな」
ほほに触れるあたたかな指。そして腰にあたる―熱く堅い猛り。

「嫌だ!ふり向くっ」
「ぉおおい、陽子」
今しかない。
今を逃したら、きっと永遠に機会は無い。
ふり向き、私は楽俊の唇に自分の唇を重ねた。
恐る恐る顔を離し目を開けると、そこにはまだ人型でいてくれた楽俊が居た。
「……戻ってしまうかと、思った」
「戻れるわけ、ねえだろ。馬鹿だな」

私は自ら着物を脱いで、生まれたままの姿になる。
「一回で良い」
首をかしげる楽俊に私は叫ぶ。
「一回で良いんだ―それを支えにして、私は己の国を救うから。頑張るから!」
楽俊はあっけにとられたかのように私を見て、そうして笑った。
「二回は無いのか」
楽俊らしくな物言いに、私は吹き出し―その優しさに、涙した。
「多分、無いんだろうね」
私のウエストに腕をかけ、楽俊はすこし強い力で引き寄せた。私の体は柔らかく
しなり、楽俊の体に密着する。
私は思い切って手を楽俊の腹からゆっくりと茂みに伸ばしていき、少しだけ強く猛りを握り締めた。
不明瞭な声で楽俊が何かをつぶやくと、気づかぬ内に私は砂浜に押し倒されていた。


149:陽x楽 スピンオフ4
08/06/20 00:19:07 HNj31YpJ
お互い不慣れに体を触り、唇と手と―身体全体でお互いを確かめ合って、愛くしむ。
乳首を舌で舐められた瞬間、何か腰の方から熱い電流のようなものが流れ、私は思わず漏らしてしまったと思った。
「やだ、私―漏ら」
身をよじる私をしっかりと右腕でおしとどめ、楽俊の指は私の茂みの奥へ入っていく。
「濡れてる。すごく」
濡れるって、本で読んだけど―恥ずかしさに体をくねらせると、ますます楽俊の指は奥深く入っていった。
「あっ、痛」
「痛いか?」
返事をせず、私は楽俊の胸を唇でなぞる。ゆっくりと舌で胸から腹へ、そうして腰へと静かに唇が落ちていくと
いつのまにか私の茂みの下に楽俊の顔があった。
恥ずかしさよりも、誰にも見せたことが無いところを楽俊に晒している事が幸せだった。
(楽俊なら、良い。全部を見てほしい)
ほっそりとした指で自分の秘壁をなぞられ、少しざらりとした舌で舐められると、私はまた漏らしてしまうような
感覚になる。
喉の奥まで猛りを含んでも、それでもまだ楽俊の猛りはおさめきれず、おさめきれないところを私は両手で包み、
ゆっくりと上下させ、軽く握り続けた。
舌で舐めるたびに、また楽俊のは大きくなるようで、私は両手でゆっくりとさすり、舌でぺろぺろと味わい続ける。
「駄目だ―我慢できねえ!」
私の体を引き離し、楽俊が私に向き合うと、私のひざの内側に手をあて両脚が楽俊の肩に乗せられた。
ちらりと見た楽俊のそれは、大きく堅く赤黒く―そこまでしたのが自分なのだ、と誇らしい反面、
少しだけ怖かった。
「楽俊―大きい、よ」
「うん。おいらも、少しびっくりしてる」
「きっと、大丈夫」
楽俊の汗がぽとっ、と私の顔に落ち、それが合図だったように一気に楽俊は私の中へ入ってきた。


150:陽x楽 スピンオフ5
08/06/20 00:19:46 HNj31YpJ
(痛い―!)
でも、駄目。顔を歪ませちゃ駄目。楽俊が止めちゃうもの。

私はせきたてるように手で楽俊の腰を引き寄せる。
「あ」
思わず声が漏れてしまった楽俊が愛おしくて、そして少しこっけいで私はわざと(痛いのに)
下半身をくねらせてみる。
「陽子ぉ」
「何?」
「おいらは、ゆっくり―いっぱい、してえんだ。いっぱい、陽子を知りたい」
「楽俊……」
(私だって、いっぱい、ゆっくり、楽俊を知りたい。足りない。時間が無い)
泣いてしまった私のほほに口付けて、楽俊はまだつながったままで居てくれた。

「忘れねえよ」
「私も―」

波の音と、己の吐息と、そして結合部から漏れる湿った淫音。
香る潮の匂い。楽俊の肌の香り。
ひっそりと目を開けると、精悍な美しい青年の顔。
五感のすべてで楽俊を味わう。
上になり、下になり、何回も何回も交わる。

陽が昇りはじめる、少しまえ、汗みずくの楽俊がつぶやいた。

「おいらは、もう誰とも交わらねえ」
(私も―!!)

でも、言葉はそれ以上、出なかった。


151:陽x楽 スピンオフ6
08/06/20 00:20:44 HNj31YpJ
私はわかっていた。
楽俊もわかっていた。

王になるのは、国を守ること。
そのためには、あらゆる手段を尽くすだろうということ。
この身体が、その手段になるだろうということ。

楽俊がやわらかく笑う。
「夜が明ける」
「うん」
「陽子。どんな国を作るのか、見せてくれよな」

笑った顔が、最後―だった。



祥瓊。
ごめんね、気づいてない振りをして。
景麒は馬鹿だから、また貴方の閨を訪ねるんだろうね。

私は守りたい。
あなたを、景麒を、この国の民を―そして遠い国で、一生懸命生きている愛しい半獣も。

突き飛ばしてごめん。
延王を好きな振りをしてごめん。
でも、私は王なんだよ。
この先どうなるかなんか、わからない。
でも、策を寝るのは私の領分なんだろうね。
それに男の人って、結構単純だし。
私なんて忘れて、ほかの女を抱いているのかもしれない。

また、突っかかってきてね。
そうしたら、泣けるもの。
陽が、昇るね―景麒は、またあなたのところにいるのかな。
また二人でお菓子を食べようね。
いっぱい、景麒の愚痴を言うよ。
だから、あなたは雁の話をして。あの国で、命を燃やしている半獣の離しをしてね。

日が、昇る。
慶の夜が明ける。

<了>

152:名無しさん@ピンキー
08/06/20 00:32:22 HW2JpFl+
リアルタイムで読んだ。こっちが本編だろ。
泣ける。

153:名無しさん@ピンキー
08/06/20 02:01:37 hF+23Esw
陽子が杉本にレイープされる話マダー?
女郎宿に売られてご奉仕もいいよ~

154:名無しさん@ピンキー
08/06/20 13:37:33 1kyQcIU4
JGです みんな切ないよ

155:名無しさん@ピンキー
08/06/20 17:46:30 m32WM7V6
>>151
GJGJGJ!!
楽×陽のリクした者です。嬉しすぎる。これを糧に殺伐とした日を生きていくよ。

景麒と楽俊視点や続編を心よりお待ち申し上げます。

156:名無しさん@ピンキー
08/06/20 20:01:24 ucLsObT5
北北北キタキタキタ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

157:名無しさん@ピンキー
08/06/21 00:30:14 JdvQ8C7N
>>154
JGとは新しい。じゅん、ときてグッときたの略か?

まあ、とりあえずネズミが何だか場慣れし過ぎてて。。。

JG!


158:名無しさん@ピンキー
08/06/22 22:06:17 wa4nkMJz
煩悩の~も十二冊目ですか。最後に書込みしてから早12ヶ月経っってしまった。(遠い目)
HPでも作って載せようかと思っていたのですが、そんな気力もなくなったので、
桓×祥をここに載せちゃおうかと・・・。祝十二冊目ってことでw
ぢつは1年前、某SS月×祥を読み、触発されて速攻書いたものなのですが・・・。

さてここで疑問、カンタイの字はそのまま漢字で載せても良いのかなぁ?

159:名無しさん@ピンキー
08/06/22 22:07:50 NoKroAzZ
確か2は対応してなかったっけ?<カンタイの字

160:名無しさん@ピンキー
08/06/22 22:23:52 wa4nkMJz
>>159 ありです。

 まぁ、読めなかったらゴメンナサイで、そのうちコッソリ投下します。

161:名無しさん@ピンキー
08/06/22 22:38:36 U4+xMyMm
>>158にキタイWaku
このスレの住人なら桓魋の名くらい読まなねば

162:名無しさん@ピンキー
08/06/23 00:31:24 8JhSJV1i
テスト 桓魋

163:名無しさん@ピンキー
08/06/23 19:39:32 M6/RfeNK
    |┃三   ∩___∩      _____________
    |┃    | ノ      ヽ    /
    |┃ ≡  /  ●   ● | < お呼びですか >>161-162
____.|ミ\__|    ( _●_)  ミ)  \             
    |┃=__     |∪|    |     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃ ≡ )    ヽノ 人 \ ガラッ

164:名無しさん@ピンキー
08/06/23 20:06:02 4m8o1XIW
>>163
とりあえず服を着ろ

165:名無しさん@ピンキー
08/06/23 21:21:23 DOONvPuf
桓&#39755;←こんなふうに見える。記号数字は全部半角で。

166:名無しさん@ピンキー
08/06/23 21:25:03 v9Pbs34Y
窓かりんごにもよるかもな。
自分は窓98だけど見えるよ。

167:名無しさん@ピンキー
08/06/23 21:46:43 92XV2R75
パソに入っている辞書による。無ければ登録汁

168:145
08/06/24 00:06:14 CdSzat10
おお!
祥x桓なら正座して待ちまする!1年以上待ちました!ぜひぜひ!

ちょい前のちょっと、頂けない陽x楽を書いてしまったものですが、
待ちます。
スピンオフもできたのですが、恥ずかしいので・・・蟄居。えへ。
私もおこ4年くらいの新参者なので、158に期待!

169:名無しさん@ピンキー
08/06/26 01:49:45 eJzzUyp/
祥x桓、の神を待つ間に、おつまみ!

170:陽x延 スピンオフII 1
08/06/26 01:50:44 eJzzUyp/
「お、久しいな」
先触れ無しに扉を開けたにもかかわらず、あちらを向いて長椅子に寝そべっている尚隆の背中はぴくりとも動かず、
声音からも全くの緊張は感じられない。
(このように無用心で、命を失わないのが不思議な事だ)
「今日のはなかなかに良い酒だ。お前も飲んでみるか―陽子」
言われて陽子は軽く肩をすくめ、無造作に投げ出されている尚隆の足元に腰をするりと下ろした。
尚隆は酒が半ばほど残っている杯を卓に置くと、片手で陽子の肩を抱く。
「必要がなければ国交さえ持たないこの世界で、俺とお前はずいぶんと仲良しな事だ」
苦笑しながら、陽子は尚隆の膝にすり寄せ、責めるように尚隆を見遣る。
「こんな無用心―」
「回廊がくねくねとつながって迷路のような玄英宮でも、お前は迷わず来る。素晴らしい」
ところどころの曲がり角に隠れている、忍者のような人間たちを思い出し、陽子はあはは、と笑う。
(邪心を持って近づいていたならば、あっと言う間に絶命、か)
が、陽子はむしろ面白そうに言う。
「最近では迷わなくなりました」
「愛、だなあ」
「そうですね、愛ですよ」
判りあった者同士にだけ分かる、軽い冗談。二人はくつくつと笑った。
「しかしお前もようよう雁に来てくれる。慶がそんなにも安寧とは知らなかった」
「私には勿体無いほど良き臣下がおりますので。まあ、上手く、いろいろと」
「いろいろ、か」
尚隆は身を起こし居住まいを正すと、えいやと陽子を抱き上げて膝に乗せた。
顔を寄せ、まじまじと陽子を見つめる。
「痩せた―か」
「いろいろありましたから」
「泰麒の件では、お前も大変だった」
「―その後も」
こん人と内宰によって暗殺されかかった事は聞き及んでいた。そして、それが一回でない事も。
(よりにもよって来訪者の素性を改めて取り次ぐ役目のこん人が―)


171:陽x延 スピンオフII 2
08/06/26 01:51:34 eJzzUyp/
「延王」と、小さいけれどはっきりした声で呼ばれ、尚隆は再び陽子に視線を戻した。
「私は、平気です。鈍感ですし、意外と打たれ強いので」
尚隆はため息をつき、陽子の頭に触れると髪の毛をわしゃわしゃと乱した。
「雲海の水が落ちると心配していたお前に会ったのは、つい昨日の気がする」
「キンゲンを鮮やかに打ち払って、私の目の前にあらわれた延王の姿もまるで昨日のように」
「あの時は―」
「「お互い、若くて」」
同時に言葉を発して、二人は笑った。
「笑うな、陽子。俺なんぞはまだまだ若い。どこぞやに、六百年の治世を誇る国があるし」
尚隆は立ち上がって酒をつぎたすと、杯を陽子の前に差し出した。
「延王。駄目ですよ。酒は―乱れてしまう、私」
「延王と呼ぶな。どうせ二人だけだ。いつものように」
まっすぐな視線に射すくめられ、陽子は酒をこくりと飲み干し、囁いた。
「尚隆」
「―それで良い」
尚隆の指が、陽子の着物の合わせ目に伸びた。


172:陽x延 スピンオフII 3
08/06/26 01:52:37 eJzzUyp/
戯みのあと、陽子は尚隆の指をゆっくりと舐めていた。
面白そうに尚隆は「何をしている?」と尋ねる。
「尚隆の指を味わって、愛しているの。尚隆の猛りが私の中にまだあるんだ、想像しながらしゃぶってるの」
尚隆は陽子の乳首をつまみ、「俺のはそんなに細くはない」と笑った。
尚隆の指が淫唇に落ち、乳首には湿った舌が触れてきた。
陽子は笑いながら身をよじる。「駄目です、尚隆。さっき、したばかりなのに」
「それがどうした」
尚隆の指が茂みを分け入り陽子の中に入ってくる。足をばたつかせて笑っていた陽子だったが
腰の奥底にひそかに残っていた肉欲が激しく渦巻きはじめ、己の中心から熱いものがしたたってくるのを感じ、
笑いはすぐさま甘い叫びへと変わった。
「駄目、と言っているのに」
陽子は両手で尚隆の肩を押しやりながら、顔をしかめる―快感に。
(駄目、飲まれてしまう)
くい、と更に深く尚隆の指が入り蜜壷の中をゆっくりと巧みに掻き回し、陽子はたまらず
唇を噛む。

「お前が愛おしい、陽子」

陽子は己の真上にある尚隆の顔を見た。伸びかけている顎の髭、熱っぽい瞳、ちょっとだけ皮肉そうに口角が
あがっている口元、紅く濡れて甘い囁きを繰り返す唇。
陽子は今、この場で、言うべき言葉を口元にのぼらそうとし―
「愛してるよ、陽子」
二度言われ、陽子は己の言葉を飲み込み、ようやくささやくように一言、呟いた。
「抱いて、尚隆」


173:陽x延 スピンオフII 4
08/06/26 01:53:28 eJzzUyp/
すでに二度、達していた二人はゆっくりと愛し合う。
互いの身体の線を記憶するように、手を這わす。
陽子は尚隆の重みと堅さを、尚隆は陽子のなめらかさと柔らかさを十分に味わうように、ゆっくりと。
指と指をからませ、陽子は尚隆の太くたくましい首筋に舌を這わせた。それは唇へと寄せられる。
舌がからみあい、唾液でお互いの顔が濡れた。
するりと下に移動した尚隆の顔の少し剛い毛が己の太ももに触れる。ちくちくとした刺激に陽子は腰を振って
興奮を表した。
舌で秘壷を刺激しようとするたくらみを巧みにそらし、陽子は尚隆の身体をむりやり引き上げる。
顔と顔を向きあわせ、瞳で尚隆をからめとろうとする。
「ごまかさないで。貴男のこれ」
と、陽子は尚隆の猛りをぎゅう、と握る。
「こんなにも欲しているくせに」
尚隆はあきらめたように笑い、茂みと茂みをすり合わせる。

陽子は尚隆の熱く堅くなっているそれを、自分の陰毛の奥へと導こうとした。その度に、尚隆はそっと身体をずらし
舌で乳首を転がし、指で太ももをゆっくりと撫で回して、焦らし続ける。
「尚隆!」
たまらず、陽子は叫ぶ。
端正な顔がまっすぐに陽子を見つめ、そしてまた唇をふさぐ。指がたくみに己の腰奥まで這う。
「あ、んん。良い―あ―ぁ、やん。ではなくて、はぁ、ん―もう」
ちょっと泣きそうになった陽子の額に接吻を落として、秘所をまさぐりながら尚隆が言う。
「―これは、仕置きだ」
「ん、え、な何―あああっ!?」
ついに涙を流してしまった陽子を見下ろし、尚隆はおもむろに猛りを陽子に突き刺した。
陽子の背中が弓なりに反り返り、高い悲鳴が室を満たす。


174:陽x延 スピンオフII 5
08/06/26 01:54:28 eJzzUyp/
すさまじい勢いで、尚隆は陽子を突きたてた。
抑えていた陽子の声が、解き放たれた獣のように玄英宮に響く。
結合部から漏れる液で、褥は濡れた。
陽子はたまらず尚隆の肩に噛み付き、声を抑えようとする。が、今度は尚隆が我慢できないように更に深く陽子を抱き上げ
奥へ奥へと己を突き刺し、叫ぶ。
陽子はあまりに奥底に刺された楔に、少し恐れるようにすすり泣く。
「尚隆、尚隆。駄目、そんな奥まで。壊れてしまう。痛い」
尚隆も、己の猛りがそんなにも大きくなっているのに驚き、深くため息を吐く。
「痛いか?我慢できないか?」
陽子はこくりと頷こうとし、目を見開いて顔を振った。
「痛い。でも、平気」
「陽子、俺を、包んでくれ。お前なら、きっと包んでくれる」
(駄目、怖い!)
が、陽子は叫びを飲み込み、こくこくと頷いた。
「抱いてくれ―抱け、陽子」
「抱け、というのですか―尚隆?」
陽子はいっそ悲しくなって、痛みに耐えながら尚隆の猛りを己の中に収め続けた。
腰を動かし、舌を尚隆の喉に肩に胸に這わせ、腰の奥の痛みに耐える。
あえぎながら、陽子は言った。
「尚隆、感じて!!―私、今、あなたを抱いている!」

互いの、途切れ途切れの呼吸が激しくなる。

上なのか、下なのか。
褥を濡らしているのは自分か、相手か。

泣いているのは―どちらなのであろう

ぴくん、と尚隆の身体が震え、それにこたえるように陽子の身体がわななく。
「行く―」
獣のような叫びが二つ、響く。
尚隆が精を放った瞬間、陽子もまた淫水を放ち、二人の愛の営みの跡が、
寝台を濡らした。


175:陽x延 スピンオフII 6
08/06/26 01:55:58 eJzzUyp/
(フランス窓が開いている)
尚隆の髪に顔をうずめて陽子はひとりごちた。
(あなたは、海の香りがするよ、尚隆)

産み出し、消し去る海。
波打ち際の激しさと、沖の静謐さ。

「あなたそのものだ、ね。尚隆―」
お互いが放出した愛液で濡れる寝所に寝そべりながら、陽子は柔らかに尚隆をかき抱く。
そうして、眠りに落ちた尚隆を起こさぬように、ゆっくりと尚隆の額に口付ける。
どれだけ、激しいセックスをしても、どこか掴みきれないような尚隆の身体を抱きしめ、
陽子は呟く。

「ごめん」
(ごめんね、尚隆。私は―愚かだから)
声を殺し、陽子は泣いた。
小さく肩を震わせ、頬に涙が伝う。が、規則正しい尚隆の寝息に誘われるように、陽子も
ふわりと寝床に横たわる。

波の音。
情人の、息。
波の音。
あの人の―吐息。


176:陽x延 スピンオフII 7
08/06/26 02:01:21 eJzzUyp/
ゆっくりと瞼を開け、眠りに落ちた陽子をゆるりと尚隆が抱き返す。
「……ほんとに、おまえは阿呆だよなあ」
陽子は安心したように眠り続けていた。涙に頬を汚したまま。
またゆっくりと尚隆は陽子の頬に接吻を落とす。
「俺に惚れれば、よいものを。わざと難しい方向へと向かう―本当に、阿呆だ」

代わり、なら、それでも良いさ。
長い生を堪能して、退屈していたところにお前みたいなびっくり箱だ。
ちょっとからかってやろうと思ったのに、薮蛇だ。
まあ、藪をつついて出てきたのは、蛇ではなく、聡い鼠なのだが。

「俺は『じじい』らしいから、まあ、付き合ってやるよ」
陽子の髪に、ゆっくりと顔をうずめ、尚隆が笑った。
と、その前に眉間に皺を寄せ、青ざめ立っている麒麟がさえぎった。
尚隆は苦笑し、瞼を閉じてその姿を消す。

景麒。
俺は雁の王だからな、雁大事だ。
お前はまあ、勝手に誤解やら、恋慕やら、片付けろ。俺は、知らん。
亡霊みたいに、こっちに来るな。

「……ん、尚隆」
寝言で、ささやかれた己の名前。
これ以上愛しいものは無いかのように、尚隆が柔らかに陽子を抱きしめた。

偽りではない寝息を尚隆が立て始める。

波の音。吐息―

陽子は瞼を一瞬開け―
「もう一回だけ、ごめん。泣かせて、ね」
頬に涙を流すと、延王の寝息に合わせ、眠りに落ちる。

フランス窓から潮の香りがする。
目を瞑ると、いつだってあの時に戻れる。

―その思い出の為なら、何だってする。

「ばいばい、楽俊」

陽子は、潮の香りのする尚隆の腕に再び潜り込んだ。
濡れた尚隆の頬にキスをして、ゆっくりと腕をからませる。

波の音が、二人を包む。

<了>

177:陽x延 スピンオフII
08/06/26 02:08:29 eJzzUyp/
閽人=こんじん。
テスト。

178:陽x延 スピンオフII
08/06/26 02:10:02 eJzzUyp/
あ、書けた。失礼しました。こんじん=閽人、です。
「忍者みたい」なのは、雁の閽人です。忍者、好きなので。

179:名無しさん@ピンキー
08/06/26 02:37:08 /szKjuP+
>>168
蟄居て、>>169以降はお前さんだろう?
投下は感謝だが、しょうけい×かんたいの作者さんを待つ余裕は無かったのかい?どうよ?
長年の職人さんらしいから、ちと苦言。若い職人を育てる気持ちを忘れないように。いやマジで。
てか、景麒側からの話書いてね。お願いしますね。

180:名無しさん@ピンキー
08/06/26 15:15:17 fuKjASX7
GJ! ええ話や

181:名無しさん@ピンキー
08/06/26 22:56:27 IypW+gR7
>>179
作者は投下宣言あってから四日も待ってるよ
それ以上いつ来るかもわからない投下を待てってのはあんまりじゃないか
しかも文句垂れながらリクするとか何考えてんだ

182:名無しさん@ピンキー
08/06/26 23:10:00 dDyfBuZu
>>179
こんなんだから職人さんが逃げてくんだよなあ。。。

183:名無しさん@ピンキー
08/06/27 00:44:12 W6+CUP/T
この職人さん、自分の勘が正しければわりと頻繁にシリアス・ギャグ問わずに
落としてくれている。。。気が。違ったらごめんなさい、でもいつもありがとう。

尚隆編も良い!切ない!でも、流れから言って、実は景麒は祥瓊が好きで
陽子は尚隆に傾いて終わるのかとおもた。
「ばいばい、楽俊」は悲しいなあ。なんか、恋を実らす方法はありそうなものだが。

184:名無しさん@ピンキー
08/06/27 00:47:06 ly9FOyvE
私も常連職人サンだと思ってたよw
そんな訳でまた懲りずに落としてくだちぃ。

185:名無しさん@ピンキー
08/06/27 00:59:05 W6+CUP/T
>>184
同意うれしいかもww
この人、いつもエロ少なくて(良い意味で)、ストーリー重視なんだよなあ。

  /__.))ノヽ
   .|ミ.l _  ._ i.)  
  (^'ミ/.´・ .〈・ リ  
  .しi   r、_) |  
    |  `ニニ' /      俺たちが育てた
   ノ `ー―i´ 


みたいなw
ほかにも、「おお」って見守っている職人さんがいる。だからここを覗くのやめられないw
過疎板だけど、中身は濃いんだよなあ。

186:158
08/06/27 21:03:00 zQ0qHQte
 いえ、あの、そのぉ・・・桓×祥なんですが・・・(´・ω・`;)あるぇ?

 ま、いいやw 投下!

187:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:06:51 zQ0qHQte
 此処は、内朝にある官邸の房室。
 邸宅の主人は、強い酒を片手に、今日も一日が恙無く終わった、後は寝るだけと
安堵の息を漏らす。
 禁軍左軍将軍。
 今の彼の地位である。
 裕福な商家に生まれ、兄弟達はみな官吏や有望な職に就いていた。が、己が半獣だ
と解かってからは、半ば以上自分の人生を諦めていた。
 それが、麦州候だった浩瀚様に採り立てられ州師将軍職に就いた。
 それだけでも、かなりな幸運だと言えた。
 だが、元冢宰の靖供の企てにより、浩瀚様共々追われる身となり、浩瀚様の罷免に
憤るも、自分へは「まぁ旨くいき過ぎたのだから、これで帳尻は合う」と、変に
納得したものだった。
 だが、行き掛かり上助けた娘の繋がりで、不可能に近かった反乱を成し遂げ、
罰せられるどころか、浩瀚様まで救う事が出来た。
 なんと今では、主上とも近を置ける立場となった。
 人生とは、つくづく分からないものだと思う。
 家族の誰が想像出来ただろうか。半獣の自分が、家族の誰よりも出世するなど
と・・・。
 人の繋がりとは、人生とは時に己を裏切る。粋なものだ。
 また一杯と呷り、飲み干した杯に酒を注ぐ。
「・・・」
 ふと、その手が止まる。
 ゆっくりと徳利を方卓に置き、卓の脚に立て掛けて置いた刀に、手を伸ばす。
「誰だ」
 短く鋭い問い。
 キィ、と扉が少し開く。


188:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:10:28 zQ0qHQte
「私よ」
 涼やかな声が答える。
「なんだ、脅かすな」
 伸ばした手を元に戻し、杯を口に運ぶ。
 声の主が、布擦れの音だけをさせて静かに入ってくる。
 立ち居振る舞いが優雅だからこその所作である。それには育ちの良さが窺える。
「ご挨拶ね。折角、肴を持参したのに」
 少し拗ねた物言いが、愛らしい。
 彼女は、唯でさえ足音が小さいのだ。
「足を忍ばせるからだ。普通に歩いて来ればいいものを・・・」
 苦笑しながらも促す。
「だって、貴方、いつも先に気付くんだもの」
 ちょっと悪戯心を起こしてみたのよ。と笑う。
「それが、俺の仕事なんでな」
 武人として、将として、当然危険を誰より早く察知する術を、持っていなくては
ならない。
 禁軍左将軍という要職に、半獣である自分が就いた事に対する反発は、未だ根強く
残っている。実力を見せ付け大人しくさせてはいるが、いつ寝首を掻かれても、おか
しくはない。
「そうよね。ごめんなさい」
 全て察して、寛ぎの一時に要らぬ緊張をさせたと、彼女は謝る。
「まぁ、半分は分かっていたから、気にするな。殺風景な部屋が、華やかになる
のは大歓迎だ」
 酒も美味くなる。と大きく笑う。
 気配はすれど、殺気が全く無かった。だから彼女だと分かった。
 見れば、彼女は方卓の上に持って来た包みを取り外し、中にあった箱の蓋を開
ける。取り皿に幾つかの具をよそうと、桓魋の前に箸を添え置いた。
 その時、美味そうな肴の匂いと、祥瓊から微かに立ち昇った香りが、桓魋の鼻
を掠める。
「陽子がね。・・・貴方に差入れだって、いつもすとれす発散に、付き合って貰っ
てるからだって」
「ほぅ」
 珍しい。というより、普通こういう事は余り無いのだが。
「二人にばれたのよ」
 さらりと告げられて、手元の差入れを見やる。


189:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:13:38 zQ0qHQte
 二人・・・。
 主上と、もう一人は、女御か。とすぐ思い当たる。
「ふむ、まぁ時間の問題だと思っていたが、早かったな」
 彼女は、ふふふと笑う。
「宮中では、特に女官の間ではこういう話は早いのよ」
 ふむ、と唸る。
 祥瓊は、方卓の四つある床几の、桓魋にとっては左隣に座る。
「折角の主上の計らいだ。頂くとしよう」
 酌をしようと、伸ばす祥瓊の手首を、右手で掴み軽く引き寄せる。
 きゃっ、と小さく上げた悲鳴が可愛らしい。
「祥瓊・・」
 見詰める桓魋の視線と、少し顔を赤らめた祥瓊のそれとがぶつかる。
「お前を、だ」
 先程、むくりと湧き上がった欲望を諌める気は更々ない。畏れ多くも差し入れ
られた主上からの肴より、味わいたいものが目の前に在る。
「・・・いいか?」
 桓魋の問いに、何が。とは祥瓊は言わない代わりに「聞かないで・・・」と
小さく答える。
 祥瓊にも、否やを唱えるつもりは無い。
 陽子が気を利かせて、堂々と桓魋と会える理由を作ってくれたのだ。久し振りに
彼と会うのに、まるで期待していないと言ったら嘘になる。
 祥瓊が身を寄せると、桓魋は祥瓊の両の太腿の後ろに左腕を回し、そのまま立ち
上がる。
 軽々と、子供を片手で抱き上げるような気安さで持ち上げられて、見た目は虎嘯
程大柄ではないのに、どこにこんな力があるのかと、毎度の事ながら驚かされる。
 大人しくされるがままに運ばれる先は、見慣れた桓魋の牀榻。
 室内は目に優しい明るさの灯火に照らされている。
 下ろされた先が牀でなく、床の上だったことに、祥瓊は少し戸惑う。
 そのまま祥瓊を放し、桓魋は榻に腰掛ける。
「脱いでくれ」

190:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:17:51 zQ0qHQte
 その一言に、祥瓊が問い直す。
「脱がせては、くれないの?」
 悪趣味ね。と拗ねて見せる。
 苦笑して、桓魋が答える。
「破いてもいいなら、俺が脱がせるが?」
 つまりは、これでもかなり抑制しているのだと暗に仄めかす。
 やや瞠目して、それは困るわ。と苦笑される。
「もう、仕方ないわね。女の方から脱ぐのは、恥かしいんだから・・・」
 今までの相手なら、自ら脱ぐ事になんの抵抗も示さなかった。
 かつての慶での半獣の扱いは差別的で、半獣の自分の相手など、商売女の花娘
くらいなものだった。加えて桓魋自身、女をそれ程必要だとは思っていなかった。
 だが、もう何度も肌を重ねているのに、祥瓊は未だそういう恥じらいを見せる。
「最後の一枚は、俺が脱がせるさ」
 馬鹿・・・。と呟いて背を向ける。
 正面に向かっては、流石に恥かしいのだろう。
 質素だが、上質の布を使った襦裙。女史らしい相応の装いだが、祥瓊の美しさは
それに勝る。
 公主であった十三の頃を見た事は無いが、その時の可憐さは想像に難くない。
 先の峯王が、蝶よ花よと、着飾らせ持て囃していたのも、分からなくはない。
 数瞬躊躇いを見せるが、ややあって祥瓊は腰紐を解き、上着と共に近くの床几
の背に掛け置く。
 しゅるり、と衣擦れの音をさせて、一枚また一枚と同じ様に襦を脱ぎ掛け、
そして、小衫から覗く白い手が裙を取り払い、床几に置いた。
 とほぼ同時に、祥瓊は後ろから抱き竦められた。
 祥瓊から僅かに湯上り独特の匂いと、衣に焚き染めた香が香る。
「良い匂いだ。俺の為に湯を使って来たんだろう。・・・気付いていたさ」
 だから、これ程欲しいと気持ちが掻き立てられる。
 祥瓊は、回された腕に手を添える。
「貴方って、本当に目聡いわね」
 耳元の囁きに、擽ったそうに祥瓊が肩を竦める。
 この場合鼻が利くと言った方が正しいのだろうか。ちらりとそんな言葉が脳を過るが、
この際、そんな事は取るに足らない。
 微かに湿った祥瓊の髪は、いつもより艶を増している。

191:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:22:18 zQ0qHQte
「あっ・・ん」
 傾けられ露になった項に、唇を寄せる。しっとりとした肌。
 そして、胸の膨らみに両手を這わせる。
「っ桓魋・・」
 武将たる桓魋の手は、肉刺などとうに潰れ、繰り返し潰れたそれは硬い胼胝に
なり、指の腹や掌はゴツゴツとした分厚い皮で覆われている。
 祥瓊の肌は、白く、軟らかい弾力が手に吸い付くような感触がする。
 初夜の時など、力を入れ過ぎると、容易くこの柔肌へ擦り傷を作ってしまいそうで、
怖かったものだ。手を首に回すと、余りの細さにぎょっとした。片手でいとも簡単に
縊り殺してしまえるではないかと思えた。
 そういえば、この娘を助けたあの時も、手首の細さと軽さに驚いたものだったな。
と思い返す。
 痩せた体は、女史となってからは栄養状態が良好なのも手伝ってか、今は丁度良い
ふくよかさを伴なっている。もう少し肉付きが良くても好い位だ。
「あ・・んっ」
 耳朶を甘噛みし、息を拭き掛けると小さく仰け反る。
 小衫の上からでも分かる、胸の膨らみから飛び出すように勃った乳首に、その周りを
指で円を描き、擦り、爪弾く。
「はぁっ、あん」
 無骨な手で直に捏ね上げては、傷をつけてしまう。敏感なところなのだ。それよりも
薄布一枚隔てた方が、逆に祥瓊の感度が良い事を発見していた。
 案の定、身を捩り仰け反り、しな垂れ掛かって来る。
「あっ、桓魋・・・っ」
 熱を帯びた溜め息の漏れる薄紅の唇を、深く割って味わう。
「っあ、んんっ・・ぅんっ・・」
 桓魋の舌の動きを、祥瓊の舌が慣れた様に追いかける。
 祥瓊の着崩れ肌蹴た小衫が、肩からするりと落ち、臍から上半身の素肌が露に
なる。
 意図的にというか、なるべくして為った艶姿に、桓魋は正面に反転させると、
祥瓊の胸に口付ける。
「あんっ・・・」
 待っていた感覚の一つを与えられ、祥瓊が甘い声を発し大きく仰け反る。

192:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:27:28 zQ0qHQte
 両の胸を交互に吸われ、舌で突付かれ転がされる。感じ易い乳首を、じっくりと
舐められ弄り回されて、徐々に膝の力が抜けていく。
 多分、桓魋が腰を支えていなかったら、その場に崩れ落ちただろう。
 頭に回された祥瓊の腕が、小刻みに振るえているのを桓魋も気付いている。
 空いた片方の手で、祥瓊の柔らかな尻を撫でる。
 祥瓊が、膝を微かに擦り合わせ始めた事を見て取る。
 一頻り感触を確かめると、小衫の合わせを割る。
 胸への愛撫を止めず、膝の少し上の太腿の内側を撫で上げる。
 必死で閉じている両脚だが、そこが女体の妙というところか、上手い具合に内股
には隙間がある。
「あ、そこっ・・・は・・・ぁ・・は・・んっ」
 茂みの中の、肉襞の割れ目に沿って数度摩ると、染み出した清水が指先を濡らす。
 水と言うにはねっとりとし過ぎたそれは、蜜の様に指に絡まってくる。
「もうしっかり、濡れているな」
「あっ、ああんっ・・・」
 指先に触れる小さな突起を撫でると、祥瓊の身体がビクッと跳ねる。
 その反応の良さに、ふっと笑い、桓魋がその奥の花弁に、クイっと指を差し入れる。
 指を根元まで入れ、掻き回す。
「・・はぁ・・・ああっ・・・あっ・・・んっ」
 中指とはいえ、太い筋張った指は祥瓊の花弁を刺激するに十分だった。
 奥の薄い襞を、内側を擦られ、奥から次々と雫が垂れる。
 祥瓊が、弾む息の下から、途切れ途切れに告げる。
「・・・硬いモノが・・・当たって、っるんだけどっ・・」
 何かしら?
 と、薄っすらと瞼を開け、紫紺の瞳が少し挑戦的に桓魋に問う。
 おや、と惚けた様に答える。
「ああ、やんちゃ坊主でな、落ち着きがないんだ。どうすれば大人しくなるかねぇ?
女史殿」
 全く、と祥瓊が少し苦笑する。
「もう、仕方ない・・わね」
 そう、欲望に正直で仕方の無いヤツなのだ。

193:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:32:32 zQ0qHQte
 くっくっく、と笑って桓魋が、祥瓊の左膝を持ち上げる。
「えっ・・桓・・魋っ、このまま?」
 何をしようとしているのか察して、驚いた様子の祥瓊を尻目に、問題無い。
と桓魋は腰を押し入れる。
 性急に過ぎるかとは思ったが、己の欲求に抗えなかった。
「はぁあっ・・あっ・・んっ」
 祥瓊も同じだったのだろう、悦びの啼き声を張り上げる。
 それでも祥瓊には、身の内に入ってしまった事より、こんな体勢で繋がる事が
信じられなかった。
「牀がっある・・のにっ・・・」
 と少し拗ねた祥瓊に、不適に笑う桓魋がいた。
「・・まぁ、みてな・・・っ」
「・・・あああっ・・・・あっ・・・」
 ぐいっと、思い切り突かれて、祥瓊が悲鳴を上げる。
「ああっ、はぁっん・・」
 繰り返される律動と衝撃に、自分を支えているのは桓魋のモノだけではないか、
と錯覚してしまいそうだった。
「んっ・あっ・・すごっいぃっ」
 右足一本で立ったまま、串刺し宜しく貫かれ、突き上げられる度に、その反動で
爪先立ちになってしまい、時には小さく宙に浮いてしまう。
 己の体重と、桓魋の突き上げる力の相乗作用で、身体の中の奥、そのまた最奥に
まで当たってしまう。
 これ以上は無いという結合に、祥瓊は溜め息とも喘ぎとも言えない、嬌声を発する。
「桓・・魋っ・・・ああっ」
 いつも己が振り回す鉄の得物に比べたら、女の身体の何と軽いことか。
 細い腰は優美な括れと曲線を見せ、反らせた背中に揺れる紺青の髪が、桓魋の腕を擽る。
 恵州候が好きだと言っていた祥瓊の歌を聴いた事はないが、この艶やかで淫らな啼き声は、
自分以外の誰一人として知る者はいない。
 それで十分だと思う。
「元公主様に、このような霰も無い姿をさせ、申し訳ないが」
 優越感に、人の悪い笑みを刻む。

194:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:37:26 zQ0qHQte
 申し訳程度に、腰でなんとか引っ掛かった、白い小衫の紐を解き、床几に放る。
 一糸纏わぬ、白く艶かしい全裸体が晒される。
 が、祥瓊には既に、それに構っていられる余裕が無かった。
「はっ・・ああっ、もぅ・・だめっ・・・よっ・・」
 桓魋の肉棍がいつもより深く、苦しい姿勢により狭まった肉壁を、容赦無く擦り上げ
突き上げる。
「だめっ・・桓魋っ・・」
 立っていられない程膝から力が抜け、桓魋の首に噛り付く様に、しがみ付く。
「あっ、ああっ・・んんっ・・・はぁっあああっああ」
 背中が反り返り、両の足の甲がこむら返りの様に、ぎゅっと伸ばされる。
 祥瓊の身体は、完全に床から離れていた。達したと同時に、祥瓊の肉壺が一層
強く締め付け、そしてほぼ同時に桓魋は己をそこへ注ぎ込んだ。
「祥瓊っ」
 祥瓊の内壁は、ヒクリヒクリと桓魋を締め上げ、迸る体液を搾り取り、飲み込んで行く。
 お互いの荒い息が治まりきらぬ内に、桓魋が祥瓊から己を引き抜く。
「ぁ・・んっ・・」
 乱れた息で凭れ掛かる祥瓊の、だらりと弛緩し投げ出された右脚の内側に、白濁した
体液が膝まで流れ落ちる。
 扇情的なその様に、祥瓊の恍惚の貌に、再び情欲が湧き上がる。
 そのまま祥瓊を牀に運び横たえると、乱れた己の被衫を脱ぎ捨てる。
 先程までは、胸元が覗く程度にしか見えなかった、桓魋の身体。
 祥瓊はその露になった雄々しい身体に、視線をゆっくりと移動させ暫し見惚れる。
日に焼けた肌、厚い胸板、逞しく太い腕、見事に割れた腹筋、そして・・・。と、
そこで思わず視線が釘付けになり、祥瓊は熱い吐息を漏らす。

195:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:42:53 zQ0qHQte
 達したばかりなのに・・・。
 桓魋は、陶酔の表情を浮かべる祥瓊の視線が、己の中心で止まり、その紫紺の
瞳が揺らめくのを見止めた。
 桓魋は薄く苦笑しながら、祥瓊に覆い被さった。
 今宵はどれだけ求めても、求め足り無い。
 そんな予感がした。



「時折り、怖くなる」
 仰向けになり、己の胸に伏せ凭れ掛かった祥瓊の、柔らかな髪を撫で梳きながら桓魋が呟く。
 何が?と祥瓊が気だるそうに、潤んだ紫紺の瞳で上目遣いに聞いてくる。
 一頻り、お互いの身体を貪り合った恋人同士は、日頃中々会って話せない時間を補う様に、
語らいの一時をゆったりと愉しんでいた。
「今の地位にトントン拍子で就いて、おまけに元公主のお前と、こうしてるんだからな」
 怖くもなる。と桓魋は軽く笑う。
「元公主と言っても、大した者じゃないわ。特に私は・・・公主だった事が、恥かしくて
仕方ないわ。今も私は、祖国の民に疎まれているんだもの。そんな元公主なんて・・・」
 知っているくせに、と祥瓊が目を伏せる。
 祥瓊は、高慢さと角の取れた今の自分が、どれだけ美しく気高く見えるのか知らない。
内面から光り輝く魅力が、どれ程のものなのか無自覚でいる。
「俺は、明郭で会ってからのお前しか知らないし、公主であった事実しか知らない」
 過去なぞ知らん、今のお前が好いのだ。と微笑む。
「鹿林園でも皆の羨望の的だった。今も宮中では、高嶺の花なんだぞ」
 鹿林園と聞いて、懐かしそうに祥瓊が目を細める。
「あの頃から私は、今の私になれたんだもの。・・・貴方にも助けて拾って貰って、
本当に感謝してるわ」
 楽俊にも、という言葉は飲み込む。
 こんな時に、別の男の名を出すのは無粋だと分かっているから。

196:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:47:07 zQ0qHQte
 桓魋は、「貴方にも」という言葉に引っかかる。そして、「ああ」と得心が
いく。主上の言っていた楽俊という鼠の半獣のことだろうと。自分も祥瓊も彼が
いなければ、今の自分は無いだろう。恩人なんだと、懐かしそうに語っていたな。
「雁の御仁にも、世話になったんだろ。主上が仰っていた」
 雁の、との言葉に少し驚く。
 敢えて言わなかったのに、何故。と思ったが、すぐに思い至る。
 言わずとも察してくれるのが、この桓魋という男なのだと。気にならぬ訳は無い
だろうに、本当に懐が深い。
 半獣と生まれた者は、差別され虐げられ蔑まれる。なのに、何故こうも皆優しく
思いやりに満ちているのか。
 人生の恩人とも言える人物が幾人かいるが、その三割が、元々それ程多くない
半獣であるというのは、すごい確率だと言えよう。
「つくづく半獣に縁があるんだな」
 桓魋の少し自嘲めいた言葉。
 即座に祥瓊は、自分を卑下しないでほしいと思い語る。
「陽子が言っていたわ。「個々の能力は高く、人より抜きん出ているのに、
半獣というだけで、差別して貶めるのは愚の骨頂だ」「麒麟の如く転変出来る
のは、その証拠じゃないか、素晴らしい事だ」って」
 自らも身分に重きを置かず、人となりと能力が有れば、家柄や生い立ち等、
一切構わず登用して行こうというのが、現景王赤子だった。御蔭で、出自や
身分を尊ぶ者達に、敵の多いこと。
「そこまで持ち上げられると、むず痒いな」
 一時は女王の短慮に落胆したが、今では忠誠を尽くすに足る御方だと思っている。

197:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:52:06 zQ0qHQte
「ああ、麒麟と言えば。最近頓に、景台輔に見詰められてるような気がするんだが・・・
何か、仰りたい事でもあるのだろうか」
 そういう事には疎いのね。と可笑しそうにクスクスと祥瓊が笑う。
「見詰めてるんじゃなくて、睨んでらっしゃるのよ、多分」
 は?
 と腑に落ちない様子の桓魋に続ける。
「陽子の仕合の相手を、してほしくないんじゃないかしら」
 主上との仕合に、台輔が反対されているのは知っていたが、今まで特に何を言わ
れた事も無かった。
「・・・いやぁ、それは俺だって、したくてしてる訳じゃないんだが、主命だから、
なぁ」
 実際、賓満憑きの主上と、怪我をさせないよう打ち合うのはしんどいのだ。
「貴方、結構本気で陽子の相手してるでしょ」
「しなきゃ、こっちの身が危ないからな」
 本体の技量や筋力体力が上がれば、賓満が憑依した時、益々手に負えなくなる。
 全くの素人ですら、訓練された兵士にも勝る。主上が徐々に基本を踏まえ、剣技の
腕が上がったなら・・・このまま後数年もすれば、自分でも相手は難しくなるのでは
なかろうか。
「だからよ」
 訳が分からない。
「わざと負けろってことか。それをすると、主上は怒るぞ」
「違うわよ。本気で仕合すれば、鍔競り合いや打ち込みで・・・」
 祥瓊は言いながら、桓魋の手首を掴む。桓魋の掌を本人に向けて、指差す。

198:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:56:19 zQ0qHQte
「・・・こんな風に、肉刺や胼胝が出来ちゃうでしょ」
「ここまで、なるとは思えないが・・・」
「でも、陽子は女の子なの、女王なの。すべすべで軟らかい手をしていてほしい
じゃない。それが当たり前なのよ」
「・・・まぁな」
「鈴だって言ってるわ。ただでさえ、着飾らせて貰えないんだから・・・。
 氾王の様になれとは言わないわ。なってもらっても困るもの。
 だた、女王なら御璽より重い物なんて、持ったことが無いってのが本当でしょうに、
陽子ったら」
 事実、公主の自分は箸否、扇子より重いものは持ったことはなかったのだ。貴婦人
としての振る舞いを、中々してくれない陽子に、祥瓊以下女官達は皆、苛立ちを隠せない。
 徐々に熱くなる声音に、これはやばい、と桓魋の顔が引き攣る。
「そ、そうだな。俺もなるべく、用事を作って逃げるようにはするよ」
 そうして頂戴。と祥瓊が詰め寄る。
 臣下として、嘘をつく事は感心出来る事ではない、ましてや命に従わない等許さ
れる事ではないが、この件に関してだけは、皆が自分を含め同意見なのだからと、
自分を納得させる。
「臣下の最たる台輔なら、主上の命を無下に出来ない事は御存知だろうに、俺を
睨まなくても、御自分で主上に・・・」
「陽子が聞き入れないから、だから貴方の方からそれとなく断わって貰いたいのよ」
 台輔にも出来ない事を、俺にやれと言うのか・・・。
 桓魋が唸る。
「それにこのままいって万が一、もし陽子にほんの少しでも怪我させたりしたら・・・、
そんな時に、台輔は陽子に近付けないのよ。それは御気の毒だわ」
 ほう、と祥瓊は同情の色濃い溜め息を付いて、己を見詰める桓魋に、「そうでしょう?」
と意味有り気な微笑みを向ける。
「・・・・・・それは、つまり・・・」
 そういうこと、なのか。
 万が一にも、怪我をさせるなどありえないが、衣の裾を多少引っ掛けたり、髪を
数本散らせた事はあった、かもしれない、否あったと思い出す。
 台輔の氷の無表情を思い出して、背筋が寒くなるような感じがした。

199:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 21:59:38 zQ0qHQte
 仕合する破目になっても、怪我だけはさせないよう細心の注意を払おう。今一度、
心に誓う。
 そんな事を考えての仕合では、主上は怒るかもしれないが、こればっかりは多数の
者達の平穏の為と、様々な思惑もあり許してもらうしかない。
 それを気取らせる気は毛頭ないが。
 仕事より、そっちの方が気疲れしてきつそうだ。
 まぁ、確かに俺でも嫌だと思うだろう。
 祥瓊が、大の男と打ち合いしている様など、想像したくもないし、見てなど居られ
ないだろう。
 柔らかなこの手が荒れる事もさせたくはない、ましてやこの白い滑らかな肌に怪我など
・・・許せるものではない。
「どうしたの?」
 考え込む桓魋を、祥瓊が覗き込む。
「いや、お前が女史で良かったなと、な」
 掴んだままの祥瓊の手を、ゆっくりと剥がし、引き寄せ、にやりと笑う。
 不穏なものを感じ、祥瓊が小さく暴れる。
「えっ、嘘っ、ちょっと待っ・・さっきまで、あんなに・・・」
 皆まで言わせず、唇を塞ぐ。息を全て吸い取る様に貪る。
「全然、足りない」
 猛る腰を押し付けて、不適に笑う。
「貴方っ、体力が・・有り過ぎるのよっ」
 呼吸が跳ねていくのに抵抗するように、祥瓊が軽く怒ったような声を出す。
「褒め言葉として、受け取っておく」
 桓魋は、祥瓊の白い首筋に、胸に、口付けを落としていく。
 この肌に在って許せるものは、己の唇の朱い跡だけだ。
 二人の身体が絡み合う。
 今宵、幾度目とも知れない交わりが、部屋の湿度を増し、牀榻をしっとりとした
空気で包んでいく。
 長い夜が、更けていく。

200:桓祥宵濃艶歌
08/06/27 22:03:29 zQ0qHQte
 朝議が終わり、内殿で冢宰浩瀚との打合せ話も済み、桓魋は殊の外、機嫌良く
廊屋を歩いていた。
「桓魋」
 と背後から呼び止める声に、ぎくりとする。
「し、主上」
 やや引き攣りながら振り返れば、あちらは機嫌良さそうにこちらに近付く。
 ほっとしたのも束の間、桓魋は陽子の後ろに台輔の姿を認めて、二度ぎくりとする。
 昨夜の祥瓊との会話が蘇る。
 拱手をしながら、まさか、仕合しろと仰るんじゃないでしょうね。と桓魋の顔が引き攣る。
 いやいや、今日はご機嫌麗しく居られる様子、その心配はなさそうだ。
「昨日の差入れは、どうだった?」
 その問いに軽く胸を撫で下ろす。
「はい、大変美味しく、頂戴致しました。主上には御礼の言葉も御座いません」
 二重の意味を込めて微笑む。
「そうか」
 と、陽子まるで気付いていないようだった。
「ああ、暫らく仕合は無しだ。お前が自分の時間を少しでも多く持てるようにしない
とな。今まで気付かず悪かったな、心置きなく仕事に励んでくれ」
 にっこりと微笑みながらの言葉に、桓魋は、ほっと溜め息を漏らす。
 主上に、祥瓊との関係を知られたのは、ある意味良かったのかもしれない。
 仕合をせずともよくなったではないか。
「それは有難き幸せ。職務に邁進致します。それでは」
 もう一度拱手したその時、景台輔が小さく安堵の息を吐くのを目の端に捉えた。
 しかし、この主上とあの台輔が・・・。
 待てよ。と思い至る。
 この御二人が喧嘩でもなさったら・・・、事実未だ云い合いは絶えないのだ。
その皺寄せは多分、いや確実にまた自分に来るのではなかろうか・・・。
 踵を返し、歩き出す桓魋の顔が、複雑に変化したのであった。


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