調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロインpart22at EROPARO
調教や洗脳などで悪の奴隷になるヒロインpart22 - 暇つぶし2ch861:名無しさん@ピンキー
08/05/02 01:34:43 8F1Qv/dB
情景描写はともかく、シリアス/コメディは好みの問題でもあるからなあ
巧拙でなく好みなら、書き手の書きたいものを書いたほうがいいのでは
むしろ個人的には、聞き分けの良いふりをしておいて
>ただ、手が勝手に…
なんていう言い訳をかますほうが誠実さを欠くように思えるので
(というか15♀氏は毎回エクスキューズが長いのが気になる)
創作のコアに関しては適度に堂々としていて欲しい


862:名無しさん@ピンキー
08/05/02 02:05:19 znZBd9yC
15♀さんの小説って娯楽要素が強いよね
それがいいんだよ
ということでGJ!

863:名無しさん@ピンキー
08/05/02 02:53:05 1Q6Ai0gu
乙でした!
エロとコメディ一緒にするの難しいですよねー

864:名無しさん@ピンキー
08/05/02 16:55:30 I3SWmAIh
>>836
見逃した…ログも上がらないようだし…
くそぅ、何でオイラが外出中に限ってこんなおいしいお祭りが…。


865:名無しさん@ピンキー
08/05/02 17:25:47 kzwSKh1J
姫神買うなら気を付けろよ
インストしても音楽とかムービーが別のファイルにできるんで自分で移動させないと音が鳴らないというアホなインスコ
さらに声ズレがヒドイ、どんぐらいかって言うと1シーン丸ごととかそんなレベルでしかも頻繁に起きる
買ったらメーカスレを1度は覗くべき

俺は敵とかに隷属する悪堕ちが好きだからぴんくはてな系はあまり合わないんだよなぁ(買ってるけどさ)

866:名無しさん@ピンキー
08/05/02 17:29:59 VRbh8fAJ
あそこのは堕ちというか「俺は人間をやめるぞー」的なノリだからなぁ
その後は攻守が逆転して人間イビリやってるようなシーンばかりだし
人外堕ちをやってくれる稀有なメーカーではあるんだが


867:名無しさん@ピンキー
08/05/02 17:56:40 5aJI4MGu
>>864
神の啓示かも? まっとうな道を歩め

868:名無しさん@ピンキー
08/05/02 18:30:29 XIzfYuRH
>>866
「俺は人間をやめるぞー」的なノリって言い方に吹いたwww

869:名無しさん@ピンキー
08/05/02 18:59:58 1fY7Ztoi
>>865
まじか。
不安になってきた…

870:名無しさん@ピンキー
08/05/02 20:07:47 l/O5FBQV
俺は、ビックリマンのダークヘラの悪落ちで嵌まった口なんだけど
同じように、アイテムや装置で洗脳されて悪落ちするアニメって
他にないかな?

871:名無しさん@ピンキー
08/05/02 20:21:05 EvcEMvTY
ところでラングSSの続きまだですか?
尻尾振って待ってます。

872:名無しさん@ピンキー
08/05/02 20:21:55 95RJ0yJE
>>870
俺の覚えてる範囲だとストリートファイターのTVアニメ版とか、バーチャファイターのTVアニメ版とかだな。

873:名無しさん@ピンキー
08/05/02 20:27:51 oAfysbr1
俺は半角二次元の悪魔城スレで嵌まった

874:178 猟血の狩人 第五回
08/05/02 21:45:47 v5I/bmxU
どうも。ラングではなく猟血の狩人の五回目です。
>>419の第四回の続きですので、未見の方はどうぞそちらから…

ティオが吸血鬼兄妹によって攫われてから一夜がたち…
ニースは来たくもない教会を訪れ、眠り続けるリムと一緒にいる両親に事の顛末を話した。

「それでは…、結局吸血鬼は倒せなかったのですか」
リムの両親が顔にあからさまに失望の色を浮かべて呟いた。娘を狙う吸血鬼に、これからも怯えなければならないという暗鬱とした
気持ちと、何故吸血鬼を倒してくれなかったのかとニースに対する不満が心の中に渦巻いている。
「………」
その内心を察して、ニースは心底から目の前の二人を憎々しいと思った。

(何よその目は…
自分たちで自分の娘すら守れないクズの癖に、私たちを非難する資格なんてあると思っているの?!
だいたい、お前達のせいでティオちゃんは攫われたっていうのに、それに対する謝罪もない訳?!ムカツク!)

願わくば、今すぐにでもこの家族をズタズタに切り裂いて豚の餌にでもしてしまいたい。
血を一滴残らず吸い尽くす、という選択肢すら拒否するほど今のニースはこの一家に対する憎悪を募らせていた。
しかし、ティオの命が抵当に取られている以上、少なくともリムを今殺すわけにはいかない。
(でも…、ティオちゃんを危険な目にあわせた代償は、必ず払って貰うわよ…)
「それだから、悪いけれどリムを今晩連れ出すわ。もしこのまま隠し続けると奴ら、きっと町中を灰燼に帰しても探し続けるよ」
多分にはったりを含んでいるが、こうでも言わないと絶対このクズ共は娘を差出しはしないだろう。と、ニースは考えていた。
(もしそれでもリムを寄越さないなら、ガキ達に代わって私がこの町をメチャメチャにしてやる!)
なにしろ、リムを持ってこないとティオが危害を被る事になってしまうのだ。
ニースの優先基準からすれば、この町の住人全員の命よりティオ一人の命の方が断然重い。太陽さえ暮れてしまえば、ニース一人ででも
恐らく2時間ちょっともあればこの町の住民全員を殺し尽くすことは可能だ。
ニースはじーっと凍て付くような視線で両親を睨みつけ、無言の圧力を加え続けた。
手っ取り早く言う事を聞かせるために魔眼を使うという手もあったのだが、あえてニースはその選択肢を外した。

この同意は、あくまでもこいつらの意思でされなければならない。
そうでないと、この後に起こる事態にこいつらの責任が問えないからだ。

「で、ですが…、娘を夜に連れ出すというのは…」
それでも、リムの両親はまだ躊躇っていた。
そりゃ吸血鬼狩りのプロ二人掛かりでも倒しきれず、片割れを連れ去ってしまうほどの強大な吸血鬼だ。
一人だけになったニースが勝てるか?と考えれば、その可能性は皆無に等しい。
そんなニースに大事な一人娘を預けたら、吸血鬼にどうぞ私たちの娘を連れ去ってください、と言っているのと同じと考えても無理はない。
「とりあえず、一晩様子を見て…」
「まずは、確実に吸血鬼を殺すために誰か応援を…」
なんとかリムをこの場に留めようと、両親はあれこれと理屈を捏ねてニースに納得させようとしてきた。
ニースの相方が攫われたのには同情するが、所詮両親にとっては他人であり、肉親のリムの身の安全の確保の方が優先されるのは当然だ。

が、それはニースにとっても同様である。
耳障りな言い訳を暫く聞き続けたあと、ニースは突然バン!と手元の机を手ではたいた。
その勢いたるや、机の脚がミシリと嫌な音を立てたのみならず、面が多少ひび割れるほどの衝撃であった。
ギョッとした両親は騒いでいた口をぴたっと閉じ、恐る恐るニースの顔を覗いてみた。
「言っておくけれどね、あんた達に選択権はないの」
空気が凍りつくほどに冷たい声を放ったニースの表情は、昨日ティオと一緒にいたときに見せていた無邪気な笑顔とは一変した
禍々しさ溢れるものだった。

875:猟血の狩人
08/05/02 21:46:48 v5I/bmxU
「あんた達が娘を大事にしているのと同様、私もティオちゃんのことがとっても大事なの。
ティオちゃんを取り戻すためだったら、私はどんなことでもするわ。あくまでもあんた達がこの子を貸さないっていうんだったら、
私はあんた達を殺してでも連れて行く。これは本気よ」
髪の間から覗くニースの瞳が異様にぎらついて見える。声の調子からも表情の真剣さからも、ニースが本気なのは見て取れる。
「っ………?!」
リムの両親はニースの発する雰囲気にぞっと背筋を震わせた。
もしあくまでも娘を渡すのを拒めば、ニースはなんの躊躇いもなく自分たちを殺すだろう。
このまま娘を渡したら、娘が吸血鬼に殺される可能性は高い。だが、そうしなかったら自分たちは確実に目の前のニースに殺される。
そして、結局娘はニースに連れ去られてしまう。
「………、分かりました。娘をあなたにお預けします」
さらに多少の逡巡の後、両親はとうとうリムをニースに預ける決意をした。結果が変わらないならば、ニースに全てを賭けてみるのも
悪い選択肢ではない。
「ですが……、必ず、必ず娘を狙う吸血鬼を滅ぼしてください、お願いします……。っ!」
こうなったらと腹をくくり、ニースに頭を下げた父親の目に入ったもの。
それは、憎悪と殺意と怨嗟で染まり、歪みきったニースの真っ赤な瞳だった。
「当たり前よ…。ティオちゃんを私から奪った連中…。絶対に許すものか。
どんな手を使ってもいい。あいつらの顔を絶望と後悔で化粧し、手足をもいで動けなくしたところで全身の血を抜いていやる…
見てらっしゃいよ、あのガキ共が……」
ギリギリと歯軋りする口元から妙に長い犬歯が見えるような気がする。
(まさか…、この人…)
父親はその形相から、もしかしてこの女性も吸血鬼なのではないか?と一瞬心の中で思ってしまった。
それは正鵠を射たものではあったが、父親自身吸血鬼を一度も見たことがないのと、日中に教会の中に入ってくるニースを考えたら
まさか彼女が吸血鬼のはずがないと勝手に結論付けてしまった。
ある意味、命拾いしたともいえる。
もし、ニースに吸血鬼ではないのかと少しでも話し掛けでもしたら、さすがに有無を言わさずに殺されていたであろう。



「とはいえ…、どうしたものかしら」
眠らせたままのリムを自宅へと戻させ、ニースもまたリムの家へとさっさと引き上げてきたが、先への展望が開けたわけではない。
「奴らの意表をつく手段は既に考えてあるけれど…、絶対的に人手不足なのよね」
なにしろ敵は少なくとも二人いるのに、こちらにはニースただ一人。
心の中では、アレクサウスとアルマナウスにいかなる恥辱を与えて地獄に落すかのアイデアがあれこれと浮かんでくるものの、
現実にそれが出来るか?と問われれば相当に困難と言わざるを得ない。なにしろティオと二人がかりでも手玉に取られたのだから。
少し頭を冷やして考えたら、あの二人が相当に強いことは分かる。爵位こそ名乗ってはいなかったが、間違いなく高位貴族に匹敵する
齢と魔力をもっているだろう。一対二で勝てる相手ではない。
「となると、こっちも複数で当たらなければいけないだろうけれど…」
まさか、町の人間に助けを借りるわけにもいかない。ニースが吸血鬼だってことがばれると逆に攻撃されかねないし、
そもそも多少腕に自信がある人間風情が相手に出来るものじゃない。絶対に足手まといになってしまう。
「そうなると、頼れるのは…、これしかないかな…」
ニースは、遮光用の装身具である降闇を撒くりあげ、裏に縫い付けられた大量の小瓶をじっと眺めた。
この小瓶の一つ一つには、かつてティオと一緒に狩り魔力と血を奪い尽くした吸血鬼の灰が詰められている。
通常、この程度の量の灰では普通に血を与えても復活することは出来ないが、魔力がふんだんに込められたニースの血ならば
僅かばかりの血でも灰の状態からニースの忠実なしもべとして蘇らせることが出来る。

876:猟血の狩人
08/05/02 21:48:07 v5I/bmxU
だが、

この灰になっている吸血鬼は前述の通りニースが魔力を奪い尽くした絞りカスなので、人間相手には充分すぎるものの高位の吸血鬼を
相手にすると『いないよりはマシ』程度の代物にしかならない。実際、カスを10人ほど蘇らせたとしてもアレクサウスほどの力を持った
吸血鬼なら、一体倒すのに3分はかかるまい。それでは時間稼ぎにもならない。
「せめて、この中でも少しでもマシな奴を……って、ちょっとまった!」
まじまじと小瓶を見ていたニースだったが、そのときふと『あること』を思い出した。

「いるじゃない!私のしもべで、かつ力を奪っていない奴が!!」

嬉々とした笑顔を浮かべたニースの視線の先には、つい先日灰を詰めたばっかりの二本の小瓶があった。
ニースはブチリと小瓶を縫い付けてある糸を引きちぎると、蓋を投げ捨ててから自らの親指をその鋭い牙で噛み破った。どす黒い吸血鬼
の血がぷくーっと親指の腹に膨らんでくる。
その血をニースは数滴づつ、小瓶の中へと垂らしこんだ。
すると、瞬きする間もなく小瓶から白い煙がしゅうしゅうと立ち昇り始め…、ブワッと白煙が広がったかと思うと徐々に収縮して
人の形を取り始めた。
やがて、人型となった煙は色を為して実体を採り、ニースの前に若い男女の吸血鬼が顕現した。
男は幼い背格好で童顔。長く伸ばした髪を肩口辺りで結わいている。
女は長身短髪、猫科の肉食獣のような四肢と鋭利な容貌を備えている。
「おはよう。リオン、アンナ」
リオン、アンナと呼ばれた吸血鬼は、ニースの声に固く閉じられていた瞳をカッと開いた。血よりも紅い虹彩がゆっくりと動き、
自分たちの主の姿を捉える。

「「おはようございます、ニース様」」

かつてニースやティオと同じ『狩人』に所属していたが、ふとしたことから吸血鬼と化し灰になってニースの懐にしまわれていた
リオンとアンナはニースの姿を認めると恭しく傅き礼をとった。二人の体に流れる血が、瞬間的に目の前のニースが
自分たちの主であることを知らせ忠誠の礼をとらせたのである。
「ニース様、また私たちに命をくださり有難うございます」
アンナが嬉しそうに自分たちを復活させてくれたニースへ感謝の言葉を述べた。
とは言っても、彼女らを灰へと帰したのはそのニースであるのだが、もとよりアンナはニースによって吸血鬼へとされており
親吸血鬼であるニースは絶対的な存在となっている。アンナにとってニースは主人であり持ち主であって、道具である自分がどう
扱われようが文句を言える立場ではないのである。
そしてそれは、アンナによって吸血鬼となったリオンにも同じことが当てはまる。アンナがニースの支配下にある以上、
そのアンナが親吸血鬼であるリオンとっても、ニースはアンナ程ではないが忠誠を誓う存在である。
「これでようやく、人間の血を啜ることが出来るんですよね…」
リオンが、もの欲しそうに唇の周りを舌でなぞった。リオンの血を吸うことが出来たアンナと違い、リオンは吸血鬼に
なって早々ニースによって灰にされてしまったため、人間の血の味をまだ知らないでいる。
「ああ…、我慢できない…。血が、血が欲しい……。あっ…」
一刻も早く血を味わいたいのか、うわ言のように呟くリオンが、ニースの後ろで寝ているリムを目ざとく発見した。
「なんだぁ…、人間がすぐそこにいるじゃないですか。
ニース様、その人間の血、少しでいいんですから吸わせてもらえませんかぁ…?」
リオンは欲望に目をぎらつかせてニースに頼み込んできた。
見ると、アンナも舌なめずりをしながらリムのことを眺めている。二人にとってリムは極上の御馳走に見えるのだろう。
「うふふ、この子にも私たちの牙で天国を見せてあげないとね」
「そうですよね、アンナ様ぁ。
ああ、あの真っ白な肌…。そして、その下に流れる赤い血……、たまらないよぉ…」
リオンもアンナも、顔に笑みを張り付かせたままじわりじわりとリムへと向けて近づいていっている。ニースの返事を聞く前に
今にもリムへ向けて喰らいつきそうだ。

877:猟血の狩人
08/05/02 21:49:06 v5I/bmxU
「………、ダメよ」
しかし、勿論それを許すニースではない。左手をリムとアンナたちの前にかざし、二人がそれ以上進むのを阻止した。
「えっ…?なんでですかニース様。せっかく餌が目の前にあるのに……」
初めて血を吸う機会を奪われたリオンが、あからさまな不満を顔に浮かべた。アンナの方はニースがダメと言ったのだから
しかたがないと思っているが、アンナ程ニースへの支配力がないリオンはそう易々とは納得はしない。
「この人間の血は吸ってはダメ。大事な取引材料なんだから」
「取引材料…、ですか?」
アンナがニースの言った言葉をおうむ返しに返した。何の、取引材料なのか。
「この人間のせいで、ティオちゃんが吸血鬼に攫われたわ。そして、今晩こいつと引き換えにその吸血鬼がやってくる」
そう言われて、初めて二人はこの場にティオがいないことに気が付いた。
「そう言えば…、先輩の姿が見えない…」
「………」
リオンは周囲を改めてきょろきょろと見回し、アンナはティオという言葉を聞いて少し複雑な表情を浮かべた。
「どうしたのアンナ?まさかあなたまだティオちゃんのことを…」
殺す気じゃないでしょうね?と、ニースはアンナへ向けて鋭い視線を送った。
「いえ、ニース様が大事にされている先輩を殺める気などもう少しもありません。
第一、私は自らの手でリオンを自分のものにしたのです。今更先輩を狙う理由もありませんし」
そう言ってはみたものの、アンナの表情はやはりちょっと曇ったままだった。以前、殺したいほど憎みきっていた相手だけに
ニースの支配力に心が呪縛されていても、そうそうその想いは消せないのだろう。
「そんな…、あの先輩が攫われるなんて…」
リオンは少なからずショックを受けたのか呆然としている。こっちも吸血鬼になってもティオを慕う心はあまり変わらないようだ。
「じゃあ一刻も早く先輩を助けなければいけないじゃないですか!
このままじゃ先輩の血が、その吸血鬼どもに奪われてしまいますよ!
そんなことになったら、僕が先輩の血を味わえないじゃないですか!!」
もとい、やっぱり心は吸血鬼側にぶれているようだ。
「ニース様、今すぐにでも…」
「落ち着きなさいリオン!」
焦りまくるリオンに、ニースはぎろりと睨みつけながら一喝した。
「今は真昼間よ。降闇がある私はともかく、あんたたちなんか一瞬にして燃え尽きてしまうわ。
それに、あいつらティオちゃんの気配を完全に消して私に感知されなくしているの。どこにいるかも分からないティオちゃんを
どうやって探すっていうの?!」
ニースの声には苛立ちが隠せないでいる。リムと取引すると言っている以上、アレクサウスがティオの血を吸うという可能性は低いと
思っているが、絶対にないとは言い切れないところが歯がゆい。
それ故、ニースも内心気が気ではなかった。
「あなたたちは私に力を奪い取られないまま私のしもべになっているわ。だからこそ、今回ティオちゃんをさらった吸血鬼に
対抗するために蘇らせたの。
あなたたちは吸血鬼としての力はまだまだ弱いけれど、狩人じこみの体術があるわ。吸血鬼の体になったあなたたちは、人間の時より
はるかに身体能力が増しているからそれなりの吸血鬼にも太刀打ちできるはずよ」
ニースの言葉に、アンナはこっくりと頷いた。
が、リオンは少し浮かない顔をしていた。
「ですがニース様…。僕たちがその吸血鬼を相手にするとしても、先輩はどうするんですか?
そんなことをしたら向こうが先輩を無事にしておくとはとても思えないんですが…」
リオンの懸念はもっともだ。が、ニースはリオンに向けてニタリと微笑んだ。
「そのへんは考えてあるわ。向こうがティオちゃんとあの女を交換する時…、仕掛けを施しておくのよ。
向こうがそれに気を取られている隙に、ティオちゃんを保護しつつあいつらを攻撃するわ。大丈夫、絶対にうまくいくわ。あと…」
そこまで言って、ニースは突然リオンの喉首を掴み上げた。みしみしと鈍い音が鳴り、爪が食い込んだところから血がツゥーっと流れている。

878:猟血の狩人
08/05/02 21:50:11 v5I/bmxU
「ぐはっ!ニ、ニースさまぁ…、なにを……」
「あなた、さっきティオちゃんの血を味わうとかいったわね…。ふざけるんじゃないわよ。
ティオちゃんの血は私だけのものよ。お前如きが口にしていいものだと思っているの?!」
ニースの目には不遜なリオンに対する怒りがメラメラと浮かび上がっている。このままでは本当にリオンの喉を握りつぶしかねない。
「も、申し訳ありませんニース様ぁ……!もう金輪際、先輩の血が欲しいなんていったりしませぇん!!」
リオンは喉を圧迫され発生もままならぬ仲、必死に声を張り上げ自信の不逞をニースに謝罪した。
「それでいいのよ。ちょっとは自重しなさい!」
リオンの謝罪の言葉に満足したのか、ニースはリオンを握り締めていた手の力を緩め、リオンはその場にどさっと崩れ落ちた。
げほげほとえづくリオンにアンナが泡を食ったかのように近寄り、心配そうに背中を摩っている。
「まったく…、血なんて後でいくらでも飲ませてあげるんだから。
馬鹿なこと考えなければ痛い目を見ずに、吸血鬼の悦楽にたっぷりと身を浸すことが出来たってのに」

「「えっ?!」」

あきれた顔をしながらぼそっと呟いたニースの言葉に、リオンとアンナはパッと反応し驚いた顔をニースへと向けた。
「そ、それはどういうことですか?ニース様」
「うふふ、それはねぇ……」
アンナの問いにニースが向けた顔は、吸血気の毒に染まりきった笑みだった。





879:猟血の狩人
08/05/02 21:51:11 v5I/bmxU
一方、アルマナウスの人形にされて連れ去られてしまったティオは…

「………ハッ?!」
今まで体の奥底に沈殿していた自らの意識が急速に覚醒していくのをティオは感じ、目を覚ましたティオはパッと首を上げた。
ティオの視界に入ってきたもの。それは薄明かりに照らされこじんまりと整えられた一室と、自分を見つめる二人の子ども…
いや、自分に敵対する存在である二体の吸血鬼、アレクサウスにアルマナウスだった。
「あ、兄様。ティオさんが目を覚ましましたわ」
「おはようございます、ティオさん。ちょっと不自由かもしれませんが勘弁してくださいね」
アレクサウスの言葉にティオは自分の状態をちらっと確かめてみた。
なるほど、両手首は枷で縛り付けられ天井から鎖で吊り下げられている。両足も床から伸びる鎖で繋がれており文字通り手も足も出ない。
「なるほど、これはちょっと勘弁しかねるわ…って、ちょっと待った」
このとき、ティオの心にある疑問が生じた。なんで、この二人は自分の名前を知っているのだろうか?
「あなたたち…、なんで私の名前を知っているの?」
このティオの問いかけに、アレクサウスとアルマナウスは何かを思い出したのか、クスクスと微笑みながら答えてきた。
「それは…、貴方の主人が貴方の名前を連呼していたからですわ。それはもうもう滑稽で滑稽で…
ティオちゃん、ティオちゃんって泣き叫びながら、届かぬ手を必死に伸ばして…
貴方はよっぽど主人に愛されているのですね…。クスクス」
「し、主人……?!」
ティオは最初、アルマナウスが言う『主人』が誰を指すのか思い浮かばなかった。
が、自分のことを『ティオちゃん』と呼ぶものはただ一人しかいないことにすぐに気が付いた。
「…何言ってるのよ。ニースは私の主人なんかじゃない。仲間よ」
「そうなのかい?吸血鬼と人間が一緒にいるからてっきりそうだとばっかり思っていたけれど…
でも、君からは僅かばかりだがニース…だっけ?の気配が感じられるな。彼女に血は捧げているんだろ?」
アレクサウスの問いかけに、ティオはしかめっ面をしながらもこくりと頷いた。
「…ええ。でも牙を立てられたりはしていないわ。あくまでも傷口から血を与えているだけよ」
血は与えているが自分は吸血の虜にはなってはいない。ティオはそう主張していた。
「ふぅん…」
ティオの言い分にアレクサウスは内心失笑を禁じえなかった。
そんな子供だましな事をしても吸血の呪縛からは逃れられはしない。例え傷口越しからでも吸血鬼から血を吸われ続けることにより
ティオの魂は僅かづつではあるが吸血鬼の力に汚されていく。
そして、それが一定の割合を超えれば身も心も隷属し、吸血鬼に全身の血を吸われることを望むようになる。
所詮、その状態になるのが速いか遅いかの差でしかないのだ。
が、どうやらニースはそれを承知の上であえてティオにそのこと言わず傷口からの吸血を続けているようだ。
(僕も彼女のことは言えないけれど…、いい趣味をしているよ。
じわじわと時間をかけて、この人間をすこしづつ吸血鬼に堕していくなんて、ね)
アレクサウスはニースの意図をほぼ正確に見抜いたが、それを口にすることはなかった。
したところで意味はないし、その意図もこれから無駄なことになるからだ。
「じゃあ君は、まだ本当の吸血の快感を知らないんだね…」
ニッと笑ったアレクサウスの瞳に、それまでなかった欲望の色がはっきりと浮かんできている。


880:猟血の狩人
08/05/02 21:52:15 v5I/bmxU
「………!!」
それを感じ取り、ティオの顔面からさあっと血の色が引いていった。
ひた、ひたとアレクサウスが足音もなくティオに向って歩いてくる。薄ら笑いを浮かべたアレクサウスの視線の先にあるものは
四肢を縛られたティオ、の首。
「あ、あ…、いやぁ……」
ティオは反射的に後方へと逃れようと体を捩ったが、手も足も縛られているので体だけ『く』の字に曲がるばかりで一歩もその場を動けない。
「やめて、やめて!こないで!!」
ティオだって、吸血鬼に血を吸われることで与えられる快感を知らないわけではない。
何しろ、定期的にニースに自ら血を与えている時に感じる魂をも汚してしまいそうな快感を味わっているのだから。
でも、それすら直接牙を挿しこまれて与えられた快感ではない。
過去に、幾度もニースに直接牙で吸って貰いたい衝動に駆られた事があったが、それで与えられる快感を知ってしまったら
恐らく二度と後に引き返せない。
この身全ての血が吸い尽くされるまで吸血の快感を求め続け、果ては自分が吸血する側へと堕ちてしまうことになるだろうと
ティオは本能的に感じていた。
だからこそ、ここでアレクサウスに吸血されることで自分の身も心もアレクサウスに従属させられることになってしまうことが
たまらない恐怖だった。
「ふふふ…、さっきまでの勇ましい君はどこへ行ってしまったんだい?そんなに牙を立てられることが恐いのかい?」
アレクサウスはふわりとティオと同じ目線まで浮き上がり、恐怖で顔を引きつらせるティオの顔をまじまじと眺めた。
ティオは言葉も発することが出来ず、小刻みに顔をかくかくと縦に振り続けていた。否、それしか出来なかった。
「可哀相に…、そんなに怯えてしまって。でも、もう恐がることはないんだよ…」
アレクサウスは震えるティオに歳相応の少年に相応しい天使の様な笑みを浮かべた。そして、そのまま顔をティオの喉下まで下げ…

チュッ

ティオの首筋に、軽いキスをした。
「ひぁっ!!」
噛まれた!というショックと首筋に感じた燃えるような熱さに、ティオは体をビクッと反らせ大きな悲鳴を上げた。
「あははは…。その反応、初々しいね」
ティオの反応が面白かったのか、アレクサウスは二度、三度とティオの首筋にキスを繰り返した。
「ひぃっ、いやぁっ!!」
その度に、ティオは目に涙を浮かべながら大声を上げていた。
「……、どうやらこんな子供だましのキスはお気に召さないようだね」
恐怖と立て続けの悲鳴でハァハァと息を切らしているティオから、アレクサウスはスッと顔を離した。
「んっ…」
そしてそのまま涙目になっているティオの唇へ自分の唇を重ねた。
「んうぅっ!!」
ティオの心に、さっき魂を奪われたアルマナウスのキスが否応なしに思い起こされた。
が、今度のアレクサウスのキスはそういった儀式めいた物ではなく、単純にティオの口腔を蹂躙していくものだった。
(な、なにこれぇ……)
ぬらりぬらりとアレクサウスの熱い舌がティオの舌を絡め獲り、ティオの思考力を一舐めごとに奪っていく。
下唇にちくちくと当たるアレクサウスの牙が心地良い刺激となってティオの体を燃え上がらせていく。
ちゅるっ、ちゅるっ、と唾液が跳ねる音が、いままでまともなキスすらしたことがないティオの心を興奮させていく。
「んっ…ふぐっ、んんっ……!」
ニースが見たら怒り狂いそうな濃厚なディープキスはかれこれ五分以上続いた。

「ふふ…、どうだい?本気のキスの味は」
アレクサウスが満足そうに口を離したとき、ティオの顔は興奮で真っ赤に染まり、腰はガクガクに腰砕けになり吊るされている鎖で
かろうじて立っているような状態だった。


881:猟血の狩人
08/05/02 21:53:11 v5I/bmxU
「あ…、あふぅ……」
さっきとは別の意味で、ティオは言葉を発することが出来なかった。
頭の中がピンク色の霞で完全に覆われており、紡ぐべき言葉を思い浮かべることが出来ない。
その代わりの意思表示なのか、自分から離れていった唇を惜しむかのようにティオの舌が半開きになった口から伸び、
アレクサウスの唇を求めゆらゆらと蠢いていた。
「あら兄様、この方一回のキスだけでもう蕩けてしまいましたわ。何か施術でも致しましたの?」
「別に。普通のキスをしただけだよ。
どうやら彼女は着ている服装の通り、今まで禁欲の生活をしてきたようだね」
ティオはアレクサウス達との戦闘に備えて『狩人』の正装の法衣を纏っている。教会の関係者である以上、肉欲とは無縁の生活を
送っていたことは容易に想像できる。
だからこそ、アレクサウスのちょっとしたディープキスでも簡単に跳んでしまったのだろう。
時折弱々しくビクビクと体を震わせているだけのティオを、アルマナウスはとても楽しそうに眺めた。
「貴方って本当に面白いわ。私の人形を倒すくらいの強い力を持っているかと想ったら、兄様のキスだけで崩れる脆さも持っている」
「う、あ……」
ティオは熱に浮かされたような顔で自分に近づいてくるアルマナウスに視線を向けた。そこには抵抗の意思は、最早ない。
(あ……)
自分が一目置くほどの強さを見せた人間が、今目の前で触れたら壊れそうな弱さを見せている。
そう思った時にアルマナウスの嗜虐心がゾクッと刺激され、アルマナウスは思わず両手で両腕を抱え体を一震わせした。
「そんな…顔を見せられては……、私も、ジッとしていられませんわ……」
アルマナウスはティオの唇に軽く触れるようなキスをすると、ティオの両胸に服越しに手を這わせた。
「ひっ……」
服の上からでも胸を擦られる刺激に官能に燃え上がりきった体はすぐに反応し、ティオの脳髄に震えるような快感をもたらした。
「あら…、背のわりに胸は大きくないのですね。それでも私のよりは大きいのですけれど…
まあ、肉が引き締まった肉食獣というイメージで悪くはないですわ」
むにっ、むにっとアルマナウスは大きさを確かめながら双乳をやんわりと揉みしだいている。
その都度、ティオの体に感電したような痺れが走る。
「ああっ、いやぁっ!!こんなの、こんなの変よ!変だわ!!」
自分の感覚がコントロールできない。こんなことは今まで感じたことがなかった。際限なく暴走していく官能が恐ろしくもあり、
また楽しみでもある。そんな相反した感情がティオの中で膨らみ続け、ティオはパニックに陥っていた。
「やめて!もうやめて!!このままじゃ私変になる。狂っちゃう!!」
「…うるさいわね」
わんわん泣き喚くティオが耳障りだったのか、アルマナウスはさっきのアレクサウスのようにキスで口を封じてしまった。
「むぐーっ!!」
再びティオの口腔を吸血鬼の舌が蹂躙する。
が、さっきと違うのは口からの悦楽のみならず胸からも官能の波が送られてくることだ。

「んん…ちゅぅ…」
もぎゅ もぎゅ もぎゅ

「んーっ!んーっ!!」
あまりに激しい快感に支配され、ティオは気絶することも出来ず注がれ続ける快楽に翻弄されていた。さらに、
「アルマナウス、僕も参加させてもらうよ」
妹とティオの情事を後ろで眺め続けていたアレクサウスがいつの間にかティオの後ろに周りこみ、
ティオの首の頚動脈沿いに舌をぞわりと這わせた。
「!!んぐぐーっ!!」
不意打ちのように訪れた首への刺激に、ティオの塞がれた口からはくぐもった悲鳴とともにアルマナウスとの接合部から涎が
滝のように溢れ出てきた。
アレクサウスは時折牙で甘噛みしたり、耳の裏を舐めしゃぶったりとティオが体験したこともないような刺激を
飽きさせることなくティオの肉体へと送り込んでくる。


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