08/03/30 01:38:42 Pa0Bh4Ic
「ごめんなさい…。今の私は、教会にはいられない…」
その顔には申し訳なさに満ち満ちている。可愛い後輩を放り出して教会を辞めたのは未だに引け目がある。
しかし、今のティオには教会にいられない明白な理由がある。
「…やっぱり、ニース先輩のことが。なんですか……」
「!」
リオンの言葉に、ティオは心臓が飛び出しそうな衝撃を受けた。そこで、ニースの名前が出てくるとは思いもよらなかったからだ。
(まさか…、やっぱりこの二人は私とニースのことを…)
先ほど打ち消した警戒心がまたぞろ頭をもたげてくる。が、
「ニース先輩をあんな形で失ってしまったショックが、忘れられないんですか……」
リオンが続けた言葉に、どうやらリオンはニースが吸血鬼に襲われ命を落してしまったことをティオが
悔やみ続け、そのため教会を去ったと勘違いしているようだとティオは悟った。
まさか吸血鬼になったニースを庇い、そのためには教会にいるのは都合が悪すぎるという理由から教会を辞めたなどとは絶対に言えない。
(ならば、そう思っていてくれたほうが得策か…)
ティオは暫く沈黙を続けた後、こくりと無言で頷いた。
「あれは避けられない不幸な事故だった。と言われても先輩は納得なさらないのでしょうね」
アンナの言葉にもティオは沈黙を守り続けた。下手なことを言ってぼろを出すわけにはいかない。
「…今日は二人にあえて嬉しかったわ。これからも、仕事を頑張って……」
潮時か、と思い椅子から立ち上がったティオだが、その時不意に頭にズキン!と痛みが走った。
「えっ……?!」
慌ててテーブルに手をついたが、それでも体を支えきることは出来ずティオはそのまま床にずるずると突っ伏してしまった。
「「せ、先輩?!」」
リオンとアンナが慌てて体を支えてくるが、どうにも体に力が入らない。
「あ、あれぇ…。どうしたの、かな……」
「先輩、ちょっと無茶しすぎなんじゃないですか?!すぐに休まなきゃダメですよ!」
「私、横になれるところがあるか店主に相談してきます!」
アンナは飛ぶような速さで店の奥へと消えていった。
(ちょっと…、疲れが出ちゃったのかもな……)
がんがんと響く頭痛の中、ティオの意識はすーっと薄れていった。
食堂の店主が好意で貸してくれた従業員用の仮眠室。そのベッドの上でティオはすーすーと軽い寝息をたてていた。
その横では、リオンが厳しい顔をして立ち、アンナがティオの首筋に軽く手を当てている。
「アンナ…、どうだい?」
リオンの声に、アンナはすっとティオの首から手を離し、沈痛な顔で振り向いた。
「やっぱり…、わずかながら吸血鬼の力を感じる。
先輩は間違いなく、吸血鬼に魅入られているわ」
「そうか……」
この町でティオを見つけたのは本当に偶然だった。最初は市井に戻ったティオに遠慮して声をかけるのを
躊躇ったリオンだったが、アンナがティオの体から発せられる人とは違った気配を感じ、嫌な予感がしたリオンは
ティオに声をかけて誘い、お茶に仕込んだ眠り薬で意識を失わせここに運び込んだという寸法だ。
「………」
リオンは首から下げた十字架に僅かばかりだが自らの理力を込め、ティオの傍にそろりと下ろしてみた。
101:猟血の狩人
08/03/30 01:39:53 Pa0Bh4Ic
「ぅ……ぅぅん…」
意識が無いはずのティオは、顔の近くに掲げられた十字架にピクリと反応し、顔を反らして十字架から離れようとしていた。
顔から脂汗が滲み出てきて、首筋にある小さな傷が赤く充血してきており、半開きになった瞳は鈍い赤光を放っている。
携帯していた聖水をティオの首の傷口に一滴垂らすと、シュウゥと音を立てて傷口から煙が吹き、ティオは苦痛から顔を歪めた。
そのどれもが、ティオの吸血鬼化が侵攻している何よりの証拠だ。
「先輩っ……
アンナ、一刻も早く先輩を捕らえている吸血鬼を見つけ出して討滅し、先輩を救い出そう!」
「待って…。今日はもう日が暮れようとしている。ここは先輩をまず吸血鬼が入ってこれない教会に移し、明日の日中に…」
そう。もう日は完全に傾き地平線へ沈もうとしている。夜は吸血鬼の時間だ。
「それに、おそらくティオ先輩を絡め取っている吸血鬼は…」
「そんなの関係ないよ!
例え夜だろうが、例えニース先輩が相手だろうが、先輩を酷い目にあわせている者は許せない!」
リオンの目には厳然たる決意が見て取れた。そこには自分の道を遮る物は、例え何者であろうと排除するという意思が感じられる。
「僕は絶対に、ティオ先輩を取り戻し、先輩にまた教会に戻ってもらうんだ!」
「わ、私は、夜は危ないと思うから…」
あくまでもリオンを止めようとするアンナを、リオンは普段の幼げな外見からは想像も出来ないような凄みのある目で睨みつけた。
「だったら僕一人で行くよ!アンナは先輩をしっかり看て守っていてくれ」
アンナの態度に業を煮やしたリオンは、アンナを残したまま部屋を出て行こうとした。
その行動に慌てたアンナは、ぱっと立ち上がってリオンの裾を掴んだ。
「ま、待って!わかったわ。私も行く!」
アンナの言葉に、リオンはにっこりと子どものような笑みを浮かべた。
「わがままを言ってごめんね、アンナ…
行こう。先輩を蝕む吸血鬼を滅ぼし、先輩を助けてあげるんだ!」
「え、ええ…」
決意を新たに、リオンとアンナは眠っているティオを残して部屋を後にした。
その際、仮眠室のドアを閉める時にアンナはちらりとベッドに横たわるティオに視線を移した。
ティオを見つめるその瞳は、凍りつきそうなほどに冷たかった。
第三回前編終
102:名無しさん@ピンキー
08/03/30 01:44:53 Pa0Bh4Ic
また寸止めっぽいですが、この先はもう1~2日待ってください。それまでは後輩二人が
どうなるか妄想を膨らませて…
べ、べつにわざと寸止めにして焦らしプレイをしているわけではありませんからね。
103:名無しさん@ピンキー
08/03/30 02:09:58 ESDVGs1E
GJ
wktkして待ってる
104:名無しさん@ピンキー
08/03/30 02:24:57 eB/ezRO3
待ってたぜぇええええええ!
GJGJGJ。
またwktkして待ってますよ。
105:名無しさん@ピンキー
08/03/30 04:29:33 0IpEPCY0
>>94>>95
ラストに出てきたニーナが中華おっぱいに洗脳されてるように見えたんだけど違ったか…
106:名無しさん@ピンキー
08/03/30 04:48:41 tcxNtS4U
私もそう見えたから無問題。
てか違うとしてもどう見ても脳内補完余裕レベル。
で、ティオちゃんシリーズ大好きだからがんばって下さい><
107:名無しさん@ピンキー
08/03/30 05:24:03 Jn6j2cPN
>>88
遅レスだけどGJ!
>>89と同じく続きが気になってしまった…。
108:名無しさん@ピンキー
08/03/30 10:05:11 PF4EG44a
>>102
なんという寸止め
続きお待ちしてます。
109:名無しさん@ピンキー
08/03/30 18:58:44 PF4EG44a
しかしリオン君は少し迂闊ですな。プロなのに
大切な先輩を助けるためだからしょうがないのか
110:名無しさん@ピンキー
08/03/31 00:12:03 KnyavZ5a
リオン君
ガーリオン君
バレリオン君
111:名無しさん@ピンキー
08/03/31 00:27:22 ECnEi8gl
>>102
超GJ!後半がうpされるまで
wktkしながら待ってるよ!
112:名無しさん@ピンキー
08/03/31 00:41:06 AWD2fuff
久しぶりにバイオ4やってるんだがアシュリーがサドラーに操られるムービーでおっきしたわ。
113:名無しさん@ピンキー
08/03/31 00:44:31 AWD2fuff
すまん・・。sage忘れた・・。
ちょっとROMってくるorz
114:猟血の狩人 第三話後編
08/03/31 02:12:09 qF5M5kKG
出来ました!いよいよ堕ちシーン満載の後編です。
「ん………」
日が暮れ、夜の帳が街を多い隠さんとしている時、窓の隙間から入ってくる闇の気配に当てられたのか
ベッドの中に包まって寝ていたニースは、ゆっくりとその目を見開いた。
「あぁ…、そっか。満腹になって寝ちゃったんだっけ…」
いくら吸血鬼になって身体能力が増したといっても、動けば消耗するし疲れる。そして、満腹になれば眠りもする。
ベッドからむくりと起き上がったニースは、ぐるりとあたりを見回してみる。忌々しい太陽の気配はほとんど
なくなっており、自分の時間が来たことを体が感じている。
そして、一緒に向かいのベッドに眠っていたはずのティオの気配もまた、この部屋からなくなっていた。
「ティオちゃん……、はいないか。
多分ご飯を食べにいったんだろうね。あ~あ、ひどいな。自分ひとりだけで食べに行くなんてさ」
ニースはちょっとだけ頬を膨らませ、どさりとベッドに寝転んだ。
「そりゃ私は吸血鬼だから普通の食事なんかいらないけどさ…。いつでも一緒にいたいじゃないのさ普通」
暫くの間、ニースは寝転んだままぶちぶちとグチを垂れていたが、そんなことをしていても何も解決する物ではない。
「…ちょっと外、出てみるか」
もう殆ど日の光は無いので、振闇を羽織っていれば何も問題はない。あとはティオの気配を辿っていけば
見つけることはそうは難しくは無いはずだ。先ほど血の交換を済ませたばかりだから、ティオとの繋がりも問題はない。
ニースは壁に掛けてあった裏地に小瓶をいっぱい仕込んである振闇を手に取って、肩からかけようとした時、
旅館の階段を上ってくる足音に気がついた。
最初は気にも留めてはいなかった。が、その足の運び方を察した時、ニースの警戒心がピクリと反応した。
「これって…、狩人が獲物を追い詰める時の歩行法だ…」
この歩行法はもちろんニースもティオも心得ている。が、ティオがニースに対してこの歩行法をする道理はない。
(となると、近づいてきているのは敵!)
ニースが扉から離れようと一歩足を引いたその瞬間、目の前のドアがバタン!と大きな音とたてて開き、二人の狩人が部屋へ乱入してきた。
「あ…、や、やっぱり……、ニース先輩…」
「先輩、生きていた…、とは言い難いんでしょうね。今の先輩は」
大剣を構えたリオンはわかってはいたがそれでも信じられないといった驚愕の、外套に腕を入れたままの
アンナはあくまでも予想内のことといった冷静な表情をニースへと向けていた。
「あ、リオンにアンナじゃない。久しぶりね。元気してた?」
緊張した面持ちでニースへ対峙している二人に、ニースは以前のニースと全く変わらない表情、言葉づかいで
声をかけてきた。その姿は、リオンとアンナが知っているニースそのものだった。
が、その態度は二人はニースへ向ける警戒をさらに色濃く変えていった。
なるほど、外見は以前のニースとなんら変わりはしない。が、その内から発せられる気配は目で見えるほどに真っ黒な物だった。
「リオン、騙されちゃダメ。あれはもう、ニース先輩じゃない」
「うん…。この物凄い鬼気…、外からでも感じられるくらいだったもの」
実際、ここまでニースが簡単に見つかるとはリオンにもアンナも思ってはいなかった。が、日が暮れるにしたがって
膨れていく巨大な吸血鬼の気配が感じ取れるようになり、労せずしてニースの居場所を特定することが出来たのだ。
「二人共、すっかり狩人の顔になったわね。でも、普段からそんな顔していると疲れちゃうよ」
ニースはあくまで昔と変わらない態度で二人に接してきている。それが何を意図しているのかいまいち測りかね
リオンもアンナも踏み込んだはいいが次の一手が打てずにいた。
「もう、どうしちゃったのよ二人とも。まるで私を吸血鬼を見るみたいな目で見てさ」
「先輩…。ごまかしてもダメです。今の先輩は、吸血鬼そのものじゃないですか」
リオンの言葉に、笑顔を浮かべているニースの顔がピクリと動いた。その赤い瞳に、邪悪な光がちらつき始める。
「ふ~~ん。じゃあリオン君は、吸血鬼の私をどうしたいの?
私の体にそのぶっといモノを突き刺して、オスの征服欲に浸りたいのかしら?」
「な?!」
ニースはリオンの持っている剣を指差しながらも、ニヤニヤと笑いながらわざと卑猥な表現でリオンに食って掛かってきた。
頭では違うと分かってはいるのだが、予想もしていなかった言葉にリオンの顔がボッと赤く染まる。
115:猟血の狩人
08/03/31 02:13:11 qF5M5kKG
「それとも、私に血を吸って貰いたいのかしら?
いいわよぉ。血を吸われるのってとっても気持ちいいの。すぐになぁんにも考えられなくなって、私に
血を吸われることばっかり願うようになるの。そして、幸せな気分のまま永遠の命と若さを手に入れられるのよ。
どう?なんならアンナから吸ってあげようか?リオンの血、最初に吸わせてあげるから、さ」
ニースは、時折扇情的な仕草も交え、リオンとアンナの心の平静をわざと失わせるかのように振舞っていた。
実際リオンは羞恥と怒りで顔を真っ赤にし、アンナもニースに凍りつきそうな冷たい視線を投げつけている。
(こんな簡単に挑発に乗るなんて…、まだまだね)
ニースにしてみれば、リオンとアンナは懐かしい後輩でもなんでもなく鬱陶しい闖入者でしかない。
本来ならとっとと切り裂くか血を吸い尽くしてしもべにでもしてしまいたい。
が、人目がつく旅館でそんなことをしてしまっては間違いなくティオの耳に入ってしまう。それだけは避けたい。
(後は冷静さを失った心に魔眼で暗示をかければ問題ないわ)
魔眼で『吸血鬼はここにいなかった』とでも暗示をかければ、騒ぎを起こさずにこの場を収めることが出来る。
二人とも心の動揺で、吸血鬼と退治した時は魔眼を防ぐために真正面から向き合うなという原則すら忘れ自分を睨みつけている。
(さあ、二人ともとっととこの町から出て行きなさい!)
謀が成功したことを確信したニースは、二人の脳髄を焼き尽くさんばかりに魅了の魔眼を投げつけた。
が、ニースは少しばかり二人を甘く見ていた。
ニースが魔眼を投げつけるより早く、外套に隠れたアンナの腕がブン!という音を立てて飛び出してきた。
「!!」
唸りをあげ、顔面目掛けて飛んできた物体をニースはすんでのところで顔を捻ってかわした。
後ろの壁にドカカ!と三本の小刀が突き刺さる。
(そうだった!アンナは投剣使いだった!)
危なかった。と、思う間もなく立て続けにリオンが大剣を振りかぶって襲い掛かってきた。
「うわああぁっ!」
「きゃっ!」
ニースの体を掠めて振り下ろされた剣は、ニースが座っていたベッドを真っ二つに切り裂いた。
「ち、ちょっと!人が寝るベッドを壊すなんて。それでも聖職者なの?!」
「安心してください先輩!もう先輩は寝る必要なんてありません!だって先輩はこの場で討滅されるんですから!」
リオンは重い大剣に振り回されること無く、ニース目掛けて必殺の斬撃を打ち込んでくる。別にそれそのものは
かわすのはわけないが、その隙をフォローするかのように投げられてくるアンナの小刀が非常に鬱陶しい。
(これは…、狭いところにいるのは不利だ!)
形勢がまずいことを悟ったニースは、まだ完全に日が暮れていないにも拘らず振闇を適当に羽織ってから窓を蹴破って旅館の屋根の方へと逃げ出した。
「「逃がすものか!!」」
もちろんリオンとアンナもそれを追っかけ、外へと飛び出していった。
夕闇が次第に濃くなっていく空が屋根伝いに追いかけっこを繰り広げる三人を覆い隠し、いつしか三人は
人気のない廃屋の屋根の上で対峙していた。この広い空間ではアンナの投剣はそれほど効果的ではなく、リオンも不安定な足場で大剣を
思うようには振るえない。が、ニースにしても僅かながら日が顔を覗かせている屋外では力を揮いにくく双方決め手に欠ける展開になっていた。
「いい腕になったのね、二人とも。先輩として鼻が高いわ」
「そうやって日没までの時間を稼ごうとしても無駄ですよ、先輩」
リオンとアンナはニースとの間合いをじりっじりっと詰めてきている。日没になればニースはその力を
全開発揮できるため、リオンたちにとって甚だ不利になる。なんとしても日没までに討滅しなければならない。
「さっさと先輩を討滅して…、ティオ先輩を助け出してみせる!」
リオンの口から出たこの言葉。その言葉にニースはピクリと反応した。
「ティオちゃんを…、救うですって?」
「そうです!ニース先輩に魅入られているティオ先輩を救うには、それしか手が無いのは先輩も承知のはずでしょう!
ティオ先輩のためにも、ニース先輩!あなたはここで滅ぼさせてさしあげま…」
リオンの言葉は最後まで続かなかった。目の前にいるニースの表情がみるみる険しく、鋭くなっていく。
116:猟血の狩人
08/03/31 02:14:11 qF5M5kKG
髪の毛がざわざわと蠢き、両手の爪が急激に伸び始めている。瞳の光は赤を通り越して金色に輝き、伸びきった牙ががちがちと音をたてている。
「ふざけたことを言っているんじゃないわよ…。私からティオちゃんを取り上げる腹積もりなの…?!」
ニースが憎悪に塗れた目でリオンとアンナを睨みつけた。
「うっ…、な、なんて威圧感なんだ…」
「これが、先輩の本性なの…」
魔眼が発動していないにも拘らず、その瞳が放つ薄ら寒さに思わずリオンとアンナは一歩後じさってしまった。
「魔眼で暗示を与えて穏やかに追い出そうとしたけれど…、気が変わった。お前達には死よりも辛い屈辱を与えてやる…」
二人を睨みつけたまま、ニースは懐を手でごそごそといじりまわすと、一個の小瓶を取り出した。
それは、あのニースがコレクションしていたと自称していた、吸血鬼の灰が入った小瓶だ。
「普通、灰になった吸血鬼は、ある程度の量の纏まった灰がないと肉体を再構成しきれない。
もちろん、こんな小瓶に入る量では、通常では復活なんか到底覚束ないわ」
そう言いながらもニースは小瓶の蓋を開けて、ぽいと下へと投げ捨てた。
「でもね」
ニィッと笑ったニースは親指をガリッと噛み、滴り落ちる血を一滴、小瓶の中へと垂らした。
すると、その瞬間小瓶から一筋の煙が吹き始め、高々と天へ登り始めた。
「強大な魔力を持った血があれば、充分に復活させることが出来るのよ!!」
派手に煙が吹き始めた小瓶を前へと投げると、小瓶はパン!と音を立てて弾け、次の瞬間には一体の吸血鬼がその場に立っていた。
その吸血鬼の姿を見て、リオンとアンナは思わず息を飲んだ。
「ア、アンナ…。あれって…、もしかしてヴァンダール、じゃ……」
「なんで…。私達が討滅するよう言われた吸血鬼が、いきなり…」
そう、ニースが復活させた吸血鬼は、先日仕留めたばかりのヴァンダールだった。
「あら、お前達こいつを討滅しに来たわけなの?残念でした。こいつはもう私とティオちゃんの手で仕留めちゃったの。
そして今は殆どの魔力を私に吸い取られ、私の血で忠実なしもべになってしまったのよ。そうよね、ヴァンダール?」
「はっ…」
ニースの声に、ヴァンダールは虚ろな顔でこっくりと頷いた。
リオンとアンナは声も出ない。
侯爵を名乗るほどの強大な吸血鬼をしもべに出来る力とはいったいどれほどのものか。
たったあれだけの量の灰を、ただ一滴の血で吸血鬼にまで再構成できる魔力は一体どれほどの物なのか。
目の前にいるかつて先輩だったものは、間違いなく今までに目にしてきたどの吸血鬼よりも強大な存在だった。
「おまけに、吸血鬼の灰はこいつだけじゃないわよ。ほら!!」
ニースが振闇をばさっとめくると、そこには10ではきかない数の小瓶がぞろっと縫い付けられていた。
「こいつらを全部復活させて、この町を吸血鬼だらけに変えて見せましょうか?アハハハハ!!」
声高らかに笑うニースの顔には、人間の命など気にも止めない残忍な吸血鬼の本性が色濃く張り付いていた。
「さあいけヴァンダール!私が町中にしもべをばら撒くまでこいつらの相手をしておくのよ!」
「御意!」
ニースの命令を受け、ヴァンダールはリオンとアンナ目掛けて轟然と突撃してきた。それと同時にニースは踵を翻し、町の奥へと走り出した。
「まずいアンナ!先輩を行かせてはダメだ!ヴァンダールは僕が何とかする。アンナは先輩を止めてくれ!」
さっきのニースの言動からすると、ヴァンダールはかなりの力をニースに取られているらしい。それなら
自分ひとりでも何とか倒せるかもしれないと踏み、リオンはアンナを一人で向わせることを決断した。
「でもアンナ、決して無茶はしないで!危ないと思ったらすぐに戻ってくるんだ!」
「わかったわ、リオン!」
ヴァンダールの相手をリオンに任せ、アンナはすぐさまニースの後を追いかけ始めた。
が、この時アンナには、また別の思惑が生まれつつあった。
うまい具合にリオンと別行動を取ることができた。
これは、好機だ。と。
117:猟血の狩人
08/03/31 02:15:11 qF5M5kKG
屋根伝いに町の奥へと走っているニースは、自分を後ろから追ってくる気配が一つあることを感じてほくそ笑んでいた。
「バカな奴。私がこの町を吸血鬼だらけにするわけないじゃない。クフフフ…」
そんなことをしたら、ティオの不興を買うだけではなく自分にも収拾がつかない事態になってしまう。
リオンとアンナの強さは二身一体のコンビ攻撃にあるので、この二人を分断できればニースにとっては敵ではない。
思惑通りに二人を離れ離れに出来たことで、ニースは込み上げてくる笑いを抑えることが出来なかった。
「来ているのは…、アンナか。このまま誰にも邪魔できないところまで誘い込んで、ゆっくりと血を吸って吸血鬼にしてあげる。
そして、リオンと仲良く殺しあうがいいわ。ティオちゃんを私から獲ろうとした報いよ」
ティオと交わした『人間を襲ってはダメ』などという約束も最早関係ない。
ティオを自分から奪おうとする輩を、ニースは絶対に許すわけにはいかなかったのだ。
「さあ、追っかけてきなさい。すぐにその頭をリオンの血のことしか考えられないように…って、えっ…?!」
おかしい。アンナの気配がどんどん自分から離れていっている。だからといって、リオンの方へ戻ってもいない。
まるで他に何か重要な目的でもあるみたいに見当違いのほうへと進んでいる。
「どういうこと……」
ニースは動きを止め、アンナが向う方へ意識を集中させる。一体アンナに、何の思惑があるのか探るために。
そして、程なくニースが捉えた気配は、いま自分と一番繋がっている存在のものだった。
「これは…、ティオちゃん?!ティオちゃんの所に、行こうとしているの?でも、なんで…」
背中がゾワゾワと悪寒で震える。なにか、とてつもなく嫌な予感がしてきた。
「っ!」
矢も盾もたまらず、ニースは逆にアンナを追っかけ始めた。何故かは分からない。だが、そうしないと絶対に後悔すると吸血鬼の感覚が教えていた。
アンナの目の前で、ティオがすやすやと寝息を立てている。
眠り薬はまだ十分に効いている。あと二時間は目は醒めないだろう。
仮眠室全体を不可視の結界で封印した。ここで何が起こっても誰も何も関心は持たない。
纏っていた掛け布団は捲っておいた。これで布団に穴は開かない。
眠っているティオの体の向きを変えた。これでこちらに正対する形になる。
全く表情を変えずに、アンナは懐から小刀を三本取り出した。大きく振りかぶり、その狙いを定める。
「………っ」
ピュッと放たれた小刀は、寸分狂わずティオの胸へと吸い込まれていった。そして、それが突き刺さろうとする瞬間
バンッ!!
「だめええぇっ!!」
閉ざされていた雨戸が破り壊され、矢のように飛び込んできたニースがティオの前へと立ちはだかった。
ドドドッ!
懸命に伸ばした左腕に小刀が次々と突き刺さり、小刀に篭められた浄化の力がニースの腕を焼き、ジュウジュウと嫌な音を立てた。
「うわあぁぁっ!!」
苦痛の余りニースは左腕を押さえながら大きな悲鳴を上げた。その様をアンナは苦々しげに眺めていた。
「や、やるじゃないアンナ…。わたしがティオちゃんに固執しているのを見て、まさかティオちゃんを狙うなんてね……
動けないティオちゃんを狙われたら、さすがに私も、こうするしかない…、痛ぅぅっ!!」
ニースの左腕は焼け爛れ、血と肉が焦げた匂いを発しながらボタボタと床に垂れている。動かそうとしても全く反応しない。
(このまま、ティオちゃんを狙われ続けたら、体が持たない…っ!)
だからと言って、この状況で盾代わりに小瓶からしもべを解放しようとすれば、即座にアンナは右腕を封じにかかるだろう。
追い詰めたと思った獲物が思わぬ形で牙をむき、いまや形勢は逆転しようとしていた。
が、そんな好転した状況にも拘らず、アンナの顔は未だに憮然としたままだった。
「この部屋には不可視の結界を張っていたのに、なんで…」
「おあいにく様…。私とティオちゃんは互いの血で繋がっているわ。言ってみれば自分がもう一人いるのと同じ。
自分の居場所がわからなくなるバカなんていないわよ…」
118:猟血の狩人
08/03/31 02:16:11 qF5M5kKG
と、そこまで言ってからニースは不可解なことに気がついた。
「って、ちょっとまって!不可視の結界?!なんで、ティオちゃんを隠すような真似をしたの?」
ティオを餌にしてニースを釣り出すつもりならば結界などは不要だ。ティオを隠す意図があるなら、それは
ニースからティオを遠ざけるのが目的であって、ティオを狙う意味はない。
そして、アンナの口から紡がれた言葉はニースにとって予想外の物だった。
「余計な、ことを…」
「え…?」
ニースは最初、アンナが何をいっているのか理解できなかった。自分がティオを庇うのが、なんで余計なことなのか。
「…。せっかくその女を殺すチャンスだったのに、よくも邪魔をしてくれた」
アンナの表情はいつにも増して重く、暗い。闇に生きる存在になったニースすらぞっとするほどの冷気が漂ってきている。
「ち、ちょっと待ちなさい!あなた、ティオちゃんを殺す気?!
もしかして、それって教会の命令なの?!だったら、そんなこと絶対にさせな…」
「教会は、関係ないわ。これは私自身の意思」
かちり、という音と共にアンナの両手に小刀が何本も迫り出してくる。それで狙う目標の目線は、明らかにニースの後方を指している。
「その女がいると…、リオンが命の危機に晒される。だから、殺す」
その表情には、かつての先輩を敬うとか憧れとかいう感情は全くない。獲物を狙う狩人の瞳でもない。
邪魔者を目の前から排除する、冷徹な執行人の顔をしていた。
「ふざけるな!ティオちゃんを…、お前なんかに殺させはしない!」
「ならば防いでみろ!」
アンナは横っ飛びに跳ね、ティオの体の真正面から小刀を打ち放った。直接受けるわけにはいかないニースは
動く右手で小刀を払おうとしたが、全てを弾き飛ばすことは出来ず一本右腕にもらってしまった。
「うあっ!」
「そうやって私の刀を受け続ければ、いつかお前も力尽きて倒れる。そうすれば、ゆっくりとそいつを殺せるというもの。
リオンには、先輩はお前に操られて盾にされたって言っておくわ。私が殺したっていうわけにはいかないからね!」
アンナの瞳に次第に狂気がちらつき始める。いつも感情を表に出さず冷静沈着なアンナが、ニース(というかティオ)に感情剥き出しにして襲い掛かってきている。
投げ放たれる小刀はあくまでニースではなくティオを標的としている。動かないティオは小刀を避けようがないので、
自然ニースが受け流す羽目になるからニースを狙っていると言えなくもないが。
ニースにはそこまでティオの殺害に執着するアンナが理解できなかった。
「なんで…、そんなにティオちゃんを殺そうとするのよ!そんなにティオちゃんに近くにいて欲しくないなら
とっととここから出て行けばいいじゃないの!ティオちゃんはもう教会と何の関係もないのよ。会う可能性なんて、殆どないじゃない!!」
「…!」
その言葉を聞いた時、アンナはぴたりと動きを止めた。
「関係ない…?いいえ、その女がいる限り…、この大地のどこかにいる限り関係はある…」
狂気の色に包まれていたアンナの表情が、見る見るうちに鎮まっていく。
代わりに、伏せがちの顔に浮かんできたのは悔恨とも怒りとも取れないものだった。
「その女がこの世界のどこかで息をしている限り、リオンはそいつのことをどこかで気にかける。
今日だって、日が沈むから明日にしようといった私の言葉を無視し、『先輩を助ける』とか言ってわざわざ
夜に吸血鬼と対決するような無謀な行為を選んだ。普段のリオンなら、こんなことを絶対にしはしない。
私と一緒の時はこんなことはしない!そいつが絡んでいるから、リオンは無茶な真似をした!!」
「アンナ…」
次第に激高していくアンナの感情を、ニースはようやっと理解することが出来た。
これは、嫉妬だ。
「そいつがいる限り、リオンは私のものになってくれない!私と一緒にいても、リオンの心はそいつに向っている!
リオンが好きな私の心に、リオンは絶対振り向いてくれない!!
だから殺す!!そいつを殺して、リオンの心を私のものにしてみせるんだぁ!!」
これが、物静かでクールな印象をもたれているアンナなのだろうか?嫉妬の炎を撒き散らしながら大声を
張り上げるその姿は、普段の彼女からは想像も出来ない。いや、普段の戦闘時での周りの被害を顧みない苛烈さ
を考えると、この姿こそがアンナの本質で普段は巧みにそれを隠していたとしか考えられない。
119:猟血の狩人
08/03/31 02:17:11 qF5M5kKG
「なんて、奴なの…」
そのあまりに自分勝手な言動に、あっけにとられたニースの心にふつふつを怒りが湧き上がってきた。
「どこまでバカなのあなた…。普段ろくに自分の気持ちも喋らないくせにリオンが振り向いてくれない、ですって?!
そんなにリオンのことを想っているんだったらちゃんと口にしていいなさいよ!黙っていてもいつか相手が
自分の気持ちを理解してくれる。空気を読んでくれ。なんて、現実にあるわけないじゃない!
自分の気持ちはきちんと相手に言わないと、永遠に理解してもらえないのよ!!
どうせ、度胸が無くて告白も何もしていないんでしょ!この意気地なし!!」
「ぐっ!」
図星を突かれたからか、アンナの顔が一瞬引きつり血の気がサッと引いた。
「だ…、黙れ黙れぇ!とにかくお前とそいつを殺せばリオンは私のほうを向いてくれる!
その女は特製の眠り薬であと数時間は目が醒めない。この部屋には結界を張ってあるから誰も何が起こっているのかわからない!
誰にも知られず苦しまずに殺してあげるのがせめてもの慈悲だと思えぇ!!」
が、自分の弱さを認めることが出来ないアンナはムキになって否定し、両手にもてるだけの小刀を持ち構えた。
さすがにあれだけの数の小刀を防ぐ手立てはニースにはない。
(クッ…、せめてティオちゃんが起きていれば……っ?!
寝ている?意識がない?!そうだ!!)
ニースがあることに思い至ったと同時に、アンナは怨念が篭められまくった小刀を持つ手を振り上げた。
「死ねええぇっ!!」
「ティオちゃん、アンナの動きを止めて!!」
「!!」
それと同時にニースが放った声。その直後、薬によって眠らされたティオの双眸がカッと開き、人外の速さで飛び起きた。
「えっ?!!」
予想外の事態に小刀を投げる手が一瞬止まった隙を見逃さず、ティオはアンナの後ろに回りこみ、後方からはがい締めにしてしまった。
「なっ!せ、先輩起きてたの?!」
アンナは驚愕に目を見開き、なんとかティオを引き剥がそうとするが、元々無理な体勢に加えティオの
人間離れした膂力に組み伏せられ全くびくともしない。
「そんなバカな。少なくとも、後一時間は絶対に起きてこないはずなのに…!」
「起きていないわよ。ティオちゃんの意識はまだ、ぐっすりと眠っているの」
再びの形勢逆転に、ニースの顔に勝ち誇った笑みが浮かんだ。
「今の私は、眠っているティオちゃんに限って意のままにすることができるの。状況が状況なんですっかり忘れていたわ」
「なんですって?!」
アンナは比較的自由になる首を何とか動かして、後方のティオの表情を覗いて見た。
「………」
その顔は全く表情が無く虚ろなままで、瞳は吸血鬼のように紅く輝いていた。
「ウフフ、うまく私を使って思いを遂げようとしたけれど、その浅知恵が命取りになったわね」
ニースがアンナの方へじりっじりっと近づいてくる。体中傷だらけで満身創痍だが、その目だけはギラギラと赤光を放っている。
「あ、あ…」
アンナは、ニースが何をしようとしているのか理解できた。ニースは自分の血で傷を癒すつもりなのだ
「い、いやあぁっ!ティオ先輩、離して。離してぇっ!!」
が、もとより意識がないティオは、アンナの懇願にも眉一つ動かさない。
「誰か、誰か助けてぇっ!!」
しかし、結界を張っている部屋からは外へ声が漏れることもない。
自業自得だった。アンナは数々の策を張り巡らせたが、その全てが自分への代償として跳ね返ってきたのだ。
ニースの血まみれの手がアンナの顎をつぅっと撫で上げた。
「ひいぃぃっ!!」
血を吸われる。血を吸われる!いやだ、いやだ。いやだいやだいやだいやだいやだいやだぁっ!!!
120:猟血の狩人
08/03/31 02:18:11 qF5M5kKG
「そんなに恐がらないの…。私はあなたの血を貰うけど、私からもあなたにあげるものがあるんだから」
ニースの言葉にアンナはさらに震え上がった。吸血鬼が人間にあげるものといえば、あれしかない!
「いらないいらない!永遠の命なんていらない!不老不死なんていらない!いやいやいやいやぁぁ!!」
アンナは大粒の涙を流しながら、かろうじて自由になる頭をぶんぶん振って抵抗した。
「そんなものじゃないわ。私があなたにあげるのは『勇気』よ」
「ゆ、ゆう、き……?」
ニースのあやすような優しい声に、アンナはピクリと反応した。勇気とは、一体何か。
「そう、勇気。リオンに告白することが出来る勇気と力を、あなたにあげるわ…」
そこまで言ってから、ニースは瞳を愉しげに歪めて口をガッと開いた。鋭い牙が部屋の灯りに反射して輝いている。
「リオンを自分の物にすることが出来る、吸血鬼の力をね!!」
ガシュッ!!
「きゃあああぁぁーーーっ!!」
深々と穿たれた牙の衝撃に、アンナは魂を振り絞るような悲鳴を上げた。が、勿論その声は外には届かない。
「ああっ、あがぁ……」
頚動脈を深々と貫いた部分がカァァッ!と熱もってくる。まるで、体中の体温を集められているようだ。
『どう?牙を挿された感触は…?とっても気持ちいいでしょ』
アンナの頭の中にニースの声が直接響いてきている。
『でも、吸われる快感はこんなものじゃないわよ…』
チュッ
ほんのちょっと、傷口から溢れ出てきた血を啜られただけだった。
「ひあぁっ!」
だが、その瞬間アンナの体内に腰が痺れそうな快感が走った。
(な、なに、これ……。これが吸血の快感…?!)
たちまちアンナの瞳には薄い霞みがかかり、口元は知らずのうちに悦楽の笑みが浮き出ている。
頭の中は気持ちいいで塗りつぶされていき、思考するのも億劫になってきている。
それだけに、消えかけている理性はこの状況に危機を発していた。
この快感は危険だ。これに溺れてしまったら、二度と浮き上がることは出来なくなってしまう。
考えられる理性があるうちに、なんとしても引き剥がさないと!!
が、それを実行に移す間もなくニースによる本格的な吸血が始まった。
『さあ、狂わせてあげるわ』
チュッ、チュッ、チュゥ…
「ああぁっ………!」
ニースの喉がこくり、こくりと動くたびに、アンナの目の前に雷が落ちたかのようなフラッシュが走る。
ニースの牙がアンナの血を啜るたびに、自分の命もニースの中に獲られている実感が湧く。
でも、そんなの関係ない。
(凄い!吸われるの気持ちいい!とっても、とっても気持ちいい!)
吸血には快感が伴うことは聞いたことはあるが、これほどとは思わなかった。リオンのことを想って自慰をしたことも度々あったが
その時もこれほどの快感を得たことは無かった。
吸血鬼の犠牲者が盲目的に吸血されることを求めるという気持ちも今ならわかる。
こんな快感を知ってしまったら、もうこれがない世界に戻ることなんてできっこない!
「ああぁっ!凄い!血を吸われるの気持ちいい!もっと、もっともっともっと吸ってぇぇっ!!」
とうとうアンナは口に出してまで吸血を求めてしまった。
が、それを聞いたニースはつぷっと牙をアンナから引き抜いてしまった。
121:猟血の狩人
08/03/31 02:19:11 qF5M5kKG
「あああああっ!!なんでぇ?!なんで抜くのぉ?!吸って。吸ってぇ!吸ってくださぁい!お願いしますぅ!!」
恥も外聞も無く喚き散らすアンナを、ニースは面白そうに眺めていた。
血塗れだった左腕は白煙を上げ、物凄い速さで再生していっている。もう傷口は塞がっており、怪我する前となんら変わりはない。
「フフッ、ご馳走様。見ての通りあなたにやられた傷は完全に元に戻ったわ。もう血を貰う必要もないの。
それに、これ以上血を吸ったらあなたも吸血鬼になってしまうわ。そうしたら、リオンも悲しむでしょ?」
もちろんここで吸血を終わらす気など全くないのだが、ニースは意地悪くアンナに語りかけてきた。
「え…」
それを聞き、アンナの顔からざっと血が引いた。
もう自分の血は必要ない。もうこれ以上自分の血を吸ってくれない。もうあの快感を味わうことが出来ない!
それは、今のアンナにとって死ぬよりも辛いことだった。
「いやあぁっ!もっと、もっと吸ってくれないといやぁっ!吸って!私の血、吸い尽くしてくださぁい!!」
アンナは光をなくした瞳に涙を浮かべて懇願してきた。しかし、それでもニースは動かない。
「いいの?これ以上吸ったら、あなた本当に吸血鬼になってしまうわよ?」
「いいの!吸血鬼になってもいいの!だから、吸って!吸って!!」
もうアンナの頭には血を吸われる快感を味わうことしか浮かんでこない。
「もう何もかもどうなってもいい!私の血をすべて吸われたいんです!お願いします!ニース様ぁぁっ!」
「…ククッ」
完全に堕ちた。それを確信したニースはようやっとその牙をアンナの喉元へと近づけていく。
「そこまで言われてはもう私も遠慮する必要はないわね…
じゃあ、あなたも連れてってあげるわ。猟血の輩の世界にね!」
ガッ!とニースの牙が突き刺さった瞬間、アンナの顔が満足げに歪んだ。
「うあはあぁっ!いいっ!気持ちいいよおぉっ!」
ニースとティオに挟まれながら、アンナは腰を大きくひくつかせて快感に喚いた。
その瞳には紅い光が次第に大きく輝き始め、だらしなく舌が零れ涎を流している口からは鋭く牙が伸びてきている。
その様を、ティオは意識が無いまま紅い瞳でじっと見つめていた。
「アンナ…、どこに行ってしまったんだ?」
あの後、ヴァンダールを何とかしとめたリオンは、アンナを探して街中を彷徨っていた。
無茶はしないでとは言っておいたものの戦闘になったら何が起こるかわからない。ましてや相手は強大な魔力を持ち、
自分達のことをよく知っているあのニースなのだ。
(もしかしたら…、僕はとんでもないミスをしたのかもしれない…)
リオンは今更ながら、アンナと離れ離れになってしまったことを悔いはじめていた。ティオを助けるために
夜に吸血鬼と戦う危険さを承知していながらも強行してしまい、怒ったニースに街中に吸血鬼をばら撒かれる
ような事態を作ってしまった。これは戦闘を日中に行うようにしていれば容易に防げたことだ。
幸い、今まで街中に吸血鬼が出没したという話は聞こえてこない。アンナがうまくニースを防いでいると
思いたいが、もし、もしも実はニースがアンナを手にかけるのに夢中で他に手が回っていないのだったら…
(お願い、アンナ!無事でいて!!)
焦る気持ちを必死に押さえ、リオンはニースとアンナが消えていった方角を必死に駆け抜けていった。
そして、薄暗い角を曲がった時、リオンの目の前にふらりと一人の人影が現れた。
「う……、リ、リオン……」
「!!あ、あ……」
その服はボロボロに引きちぎれ、胸を抑えて蹲っている。日がすっかり暮れてしまった上に明かりも指さない
路地裏なのでおぼろげにしか全身像を見ることは出来ないが、その姿は見間違えもしない…
「ア、アンナ!!」
「リオン……、ようやっと、会えた……」
リオンの耳に届くアンナの声は今にも消えそうなほどに小さい。酷い怪我でもしているのか苦しそうにゼェゼェと息を吐いている。
「アンナ!あれほど無茶はしないでって言ったのに…」
これは自分のミスだ。アンナを一人にしてしまったためにこんなに酷い目にあわせてしまった。
リオンは悔しさに臍を噛みながらも、アンナの状態が心配なので無防備にアンナへと近づいていった。
122:猟血の狩人
08/03/31 02:20:12 qF5M5kKG
「でも…無事でよかった。とにかく、今は状態を立て直して……っ?!」
蹲るアンナの手を優しく握った時、リオンの体に戦慄が走った。
アンナの手から体温を全く感じない。いくら夜になって冷えてきたとはいえ、ここまで体温がないなんて人間ではありえない。
「ア、アン…!」
リオンが思わず手を離そうとした時、アンナがもう片方の手でリオンの肩をがっしりと掴んだ。
「リオン……、もう離さない…。フフフ…」
ゆっくりとリオンのほうを向いたアンナ。その瞳は、燃えるように紅い血の色をしていた。
「そんなっ!アンナ…」
驚愕から思わずアンナの瞳を覗いてしまった時、アンナの瞳から発せられた赤光がリオンの瞳に飛び込んできた。
「あうっ…!」
その瞬間、たちまちリオンの全身から力が抜け、くたっとアンナにもたれかかるように倒れてしまった。
「アハハハ…。さあリオン、二人でゆっくりできるところに行こうね。そこで、たっぷりと可愛がってあげる…」
リオンを抱えたまま、アンナは路地の闇へと消えていった。
「うあっ、おああっ!!」
人気のない納屋の中で、決して外には漏れないリオンの絶叫がこだましていた。
敷き詰められた藁の上で、裸に剥かれたリオンがアンナに組み伏せられたまま蛇のようにのたうっている。
アンナはリオンの太腿にその牙を埋め、ジュルジュルと音を立ててリオンの血を吸い取っていた。
『ウフフ、どうリオン?血を吸われるのって気持ちいいでしょ?
私もついさっき、ニース様からこの快感を味あわせてもらったの。だから、リオンにも体験して貰いたくて、ね…』
リオンをよく見ると、もう片方の太腿にも、首筋にも胸板にも生殖器にもアンナの牙の噛み跡が見える。
猫がネズミを弄ぶかのように、アンナはリオンの体のあらゆる部分からじわり、じわりと血を搾取していた。
「ア、アンナぁ…、や、やめて……」
が、吸血の快感に溺れそうになりつつも、リオンは必死に理性を奮い起こし抵抗しようとしていた。
それがアンナには気にくわない。
自分がニースに吸われた時は一瞬にしてその牙の虜になってしまった。なぜ、自分はニースと同じように出来ないのか。
何故すぐに、リオンは自分の物になってくれないのか。
太腿から牙を引き抜いたアンナは、リオンのがちがちに勃っているペニスに目を向けた。
「やっぱり、ここから吸うのが一番いいのかしらね…」
アンナは両手でリオンのペニスを握り締めると、その先にがぶりと噛み付いた。鋭い牙の感触が海綿体を
ずぐずぐと抉り、溜まりに溜まった血を吸い上げていく。
「うわあああああぁっ!!!」
その魂までも吸い上げようとするアンナの吸引に、快楽中枢を直撃されたリオンはたちまち射精し、アンナの口の中に精液を迸ってしまった。
「んっ!んんぅ……」
紅い生命のエキスと共に飛び込んできた白い生命の種を、アンナは一滴のこぼすことなく飲み乾した。
「ぷぅ……。どうだったリオン。気持ちよかった?」
射精が収まってからアンナは口を離し、リオンの顔を覗き込んでみる。
「あぁ…、ふわあぁ……。きもち、いぃ……」
放出の魔悦にリオンの顔は今までにないほど蕩けきり、口元にはだらしない笑みが浮かんでいる。
無意識に腰をビクッビクッと動かすリオンを見て、アンナはクスリと微笑んだ。
「ようやっと吸血の気持ちよさが分かってくれたみたいね。どう?もっと私に吸ってもらいたい?」
「あぅ…。そ、それは……」
まだ僅かに理性を残しているのか、なおも躊躇うリオンにアンナはぼそっと呟いた。
「今より、もっともっと気持ちよくしてあげるわ。おちんちんから精液、びゅーびゅーって出させてあげる」
「び、びゅーびゅーっ、て……」
たった今体験した腰も抜けそうな快感。アンナの口へ自らの血液と精液が吸い取られていく快感。
わかっていた。それがどれほど気持ちよいことなのか。それに浸るのが、どれほど心地良いのか。
しかし、それに溺れるのが恐かった。今までの自分が目茶目茶に壊れ、全く違うものになってしまう恐怖があった。
が、もう引き返すことは出来ない。アンナという毒蜘蛛の巣に捕らえられてしまっている以上、ここから逃げ出すことはもう出来ない。
なら、我慢したところでそれが何になるというんだ。
123:猟血の狩人
08/03/31 02:21:11 qF5M5kKG
「お願い…。私、リオンに気持ちよくなってもらいたい…」
アンナが悲しそうな目でリオンを見つめている。吸血鬼になってしまっても自分のことをこんなにも想ってくれている。
(二人で堕ちるのも…、悪くないか……)
「アンナ…、吸って。僕の血、たっぷりと吸って!!」
リオンの言葉に、アンナはピクッと反応した。
「いいの?本当にいいの?リオンの血、吸っちゃってもいいの?!」
「いいよ!吸って!もっともっと僕を、気持ちよくさせて!!僕の血、全部吸い取っちゃってぇぇ!!」
リオンの堕ちた声に、アンナはニタァと欲望を剥き出しにした笑みを浮かべた。
ようやっとリオンが私の物になってくれた。これでリオンは私だけの物。私だけを見て、私のためだけに存在してくれる。
もう絶対に手放さない!永遠に私のしもべになる!!
「アハハハハッ!じゃあリオンは私のしもべよ!他の誰も見ない。永遠に私の物になるのよ!いいわね!!」
「わかった…、いや、わかりました!僕は永遠に、永劫にアンナ様のものです!
だから、だから早く吸ってぇ!」
「わかったわ!!リオンの血も精液も、全て吸い尽くしてあげるわ!!」
勝ち誇った笑みを浮かべたアンナは、リオンの真っ赤に腫れたペニスに勢いよく牙を打ち込んだ。
「あーーーーーっ!!」
壊れた笑みを浮かべたリオンは、血と精液を放出し続けながら人外の快感に身を委ね続けた。
そして、その鼓動がしだいに小さくなるにつれ、虚ろな瞳に邪悪な光が宿り始めていった。
ニースが二人がいる納屋に入ってきた時、リオンとアンナは人間では絶対に経験できない情交を交わしていた。
「ふわぁっ…、アンナ様の血、凄くおいしい……」
「リオン、リオンゥ…。あなたは私のもの……」
リオンとアンナはお互いの首筋に顔を埋め、互いの血を貪りあっていた。吸血する快楽と吸血される快楽が
双方を燃え上がらせ、行為をエスカレートさせていた。
「あらあら、二人ともすっかり立派な吸血鬼になっちゃって。ついさっきまで聖職者だったってのが嘘みたいね」
後ろから聞こえたニースの声に、アンナは血塗れの口をそのままに後ろに振り返った。
「だぁって…、吸血鬼の体と快感を与えてくれたのはニース様ですよ…。
こんな素晴らしいことを知ってしまった以上、過去の自分なんて省みる気にもなりませんよぉ…」
「僕もアンナ様に吸血鬼にしてもらって、今まで人間をやっていたことがすっごくバカバカしい気分になってきましたよ。
吸血鬼がこんなに素晴らしいものだって分かっていたら、以前に討滅した吸血鬼のどれかにさっさと
吸血鬼にされていれば良かった。って気になってきましたからね…」
リオンの方も、生えたての牙を惜しげもなく見せびらかしながら、以前のリオンからは想像も出来ない言葉を口走っていた。
「あぁ…、アンナ様の血もおいしいけれど、早く人間の血を思いっきり啜りたいよぉ…」
「すぐに吸えるわよ。そうしたら、一匹の人間を二人で一緒に啜りましょ!こんなふうに!!」
アンナは、再びリオンの首筋にガブリと勢いよく噛み付いた。
「う、うん!こんなふうにね!!」
吸血される快感に頤を仰け反らせたりオンは、我慢できないといった顔をしてアンナの首筋に噛み付いた。
「「んんーーーっ!!」」
うっとりと目を細めて吸血の快感に浸り始めた二人に、ニースはゆっくりと近づいていった。
その手には、リオンが持っていた大剣が握り締められているが、吸血に夢中な二人は気づく由もない。
「二人とも立派な吸血鬼になってくれて嬉しいわ。でもね…
後先考えず人間の血を吸われるようになったら、こっちとしてもまずいのよね」
互いに血を貪りあうリオンとアンナの胸板目掛け、ニースは大剣を勢いよく振り下ろした。
124:猟血の狩人
08/03/31 02:22:11 qF5M5kKG
「ん…?」
ティオが重い瞼をゆっくりと開け放った時、部屋の中にはティオ一人しかいなかった。
「あれ…、リオンとアンナは…?」
身支度を整えて部屋を出てレストランの店員に話し掛けると、『仕事がある』とかいって二人は出て行ったと聞かされた。
「そっか…。あの二人、ヴァンダールの城へ行ったんだ…」
といっても、城の中はもぬけの空のはずだから、行ったらさぞビックリするでしょうね。と、ティオは軽く微笑んだ。
「せめて別れの挨拶でもしたかったな…」
少し寂しい気分になりつつ、ティオはレストランを後にした。ニースを一人残しているのが少し気がかりだったからだ。
(あの子のことだから二人に気づかれることはないだろうけれど…)
夜とはいえ人通りが多い大通りをとことこと歩いていると、前の方から見慣れた姿がちょこちょこと近づいてきた。
「やっほー。ティオちゃーん!」
「ニ、ニース?!」
その姿に、ティオはぎょっとした。もし二人がまだこの近くを歩いていたら、間違いなくニースに攻撃を仕掛けてくる!!
「どうしたの?ティオちゃ……、きゃっ!!」
呑気に手を振りながら近づいてくるニースの手をティオはガシッと掴み、近くの路地へと物凄い速さでカッ飛んでいった。
「な、なにがおこったのティオちゃん!」
「何が起こったのじゃないわよ!あなた、何一人で勝手に歩いているのよ!!」
ティオの凄い剣幕にニースはちょっと引きながらも、手に持っていた紙袋をおずおずと差し出した。
「なにこれ……?ああっ!!」
そこには、例の小瓶が一ダース入っていた。
「この前、空の小瓶が全部なくなっちゃって、買いに行っていたの…」
ニースが振闇をぱっとめくってみる。なるほど、裏に縫い付けられた小瓶にはすべて灰が詰まっている。
「まったく……。さっき、リオンとアンナに出会ったのよ。私」
「えっ……!それって、あのリオンとアンナ?!」
ニースはまるで初めて聞いたふうにギョッとした表情を浮かべた。
「そうよ。もし会っていたらこんな街中で大立ち回りをするはめになったじゃないの。ちょっとは自重しなさい」
「ごめんなさ~い」
ニースはしゅんと頭を下げ反省したそぶりをした。意外に素直に謝ったことで、ティオも怒りの気分がスッと抜けていった。
「まあいいわ。二人はもう町を離れていったみたいだし、気をつけていれば大丈夫でしょう。わかったわね」
「うん。でも私も、久しぶりに二人に会いたかったな~」
「冗談はほどほどにしなさい!!!」
調子に乗りすぎだ。と、ティオはニースの頭に拳骨を一発見舞った。
「痛った~~~い!」
「知らないわよ!!」
頭を抑えて痛がるニースを省みることなく、ティオは表通りへ一人でずかずか出て行った。それを見たニースが慌てて後を追いかける。
「ま、私も別れの挨拶くらいはしておきたかったけれどね…」
ニースのほうを振り返ることなく、ティオはぼそりと呟いた。
(大丈夫だよティオちゃん…。会おうと思えば二人にはいつでも会えるんだ…)
それを耳にしたニースは心の中で呟き、小瓶が縫い付けられている部分にそっと手を触れた。
そこには、ヴァンダール戦の後2つ残っていた空瓶に詰めたリオンとアンナの灰がある小瓶がある。
(ティオちゃんが吸血鬼になってくれたら、一人づつしもべにして暮らそうね。それはとてもとても面白い生活になるよ…)
吸血鬼になったティオに二人が甲斐甲斐しく付き従う姿を夢想し、ニースはほんの少し唇をゆがめて微笑んだ。
終
125:猟血の狩人
08/03/31 02:28:00 qF5M5kKG
以上です。投下を待っていると言ってくださった方、有難うございました。励ましは
なによりも制作意欲の原動力になります。
猟血の次回はどういう感じにするかは未定ですが、また気を長くしてお待ちください。
126:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:39:10 YpkxDdDQ
GJ!!
こんな時間まで粘って起きてた甲斐があったぜ。
次回までwktkして待ってますよm(_ _)m
127:名無しさん@ピンキー
08/03/31 03:18:14 p0xqbHiYi
GJ!!
かなり良かった。
128:名無しさん@ピンキー
08/03/31 07:03:41 qmutdmIp
>>125
うぉぉ、後編ktkr!
前編より多目の量で十分に見応えあった!
次回も楽しみにしてるよ!
129:名無しさん@ピンキー
08/03/31 08:18:05 kyMaTKc7
>>125 GJ!!
次回も期待しています!!
130:名無しさん@ピンキー
08/03/31 21:21:22 lfIyzI6V
>>125
なるほど、アンナが最後に見せた表情にはこんな理由があったのですか。
しかしティオはモテモテなんですねw
131:名無しさん@ピンキー
08/04/01 00:14:14 f5wLNLf2
>>125
GJでした
最後の方のニースの台詞で「ティオに甲斐甲斐しく付き従うアンナ」の姿が想像できて
何か凄く良かったです。殺したいと思ってた女性への気持ちまで、しもべ化で捻じ曲げられるんですね
132:名無しさん@ピンキー
08/04/01 01:09:11 LcrSdi4e
>>125
これはwktkせざるを得ない
GJ!!!!1
133:名無しさん@ピンキー
08/04/01 01:44:38 1MVKLNfL
GJ!!!
書き方上手くて泣くwww
134:名無しさん@ピンキー
08/04/01 12:42:40 th0r85vb
念のためブラックサイク見たら案の定エイプリルフールネタがw
135:名無しさん@ピンキー
08/04/01 13:07:52 USCxi2kd
俺も見たがこれはひどいwww
だが逆に見たいwww
136:名無しさん@ピンキー
08/04/01 16:49:48 vURczdGi
黒岩よしひろ先生って昔からマンドコントロール系のネタを描く人だと思ってたけど
悪堕ちイラストとかも描いてるんですね
某萌○連に魔法戦隊マジレンジャーのヒロイン二人の悪堕ちイラストが詳細希望で出されてた
137:名無しさん@ピンキー
08/04/01 17:26:17 LZ38wHMN
どー見てもコラだろw
138:名無しさん@ピンキー
08/04/01 19:05:48 SgT2rhZx
っていうかルクシオン買えば?
139:名無しさん@ピンキー
08/04/01 20:17:39 f+RD0Pkt
おおおきく絵柄変わってたね
140:名無しさん@ピンキー
08/04/02 01:09:14 maULWxQn
「さあ、行こうかお母さん」
「いっ、行くって……お、お城によね?」不安そうに母が尋ねる。
「いいから行くのよ」そういうのと同時にアルスの赤い瞳が怪しく輝いた。
「は……い……」すると母親はまるで意思を失った抜け殻のように棒立ちになり、瞳はどんよりと濁る。
フラフラと歩く母を導いて、アルスはお城とは逆の方向、町の東の井戸へと向かって行った。
辿り着いた井戸は魔物が出るとの噂で、この頃は近付く人も無く、ツタが絡まり荒れ果てた様子だった。
「さっ、行くわよ」アルスはそういうと母親を井戸の中に突き落とし、後を追うように自らも飛び込んだ。
思いのほか井戸の底は浅く、水が衝撃を和らげたこともあって、母親もアルスも全くダメージを受けない。
そして驚くべきことに井戸の底にさらなる横穴が掘ってあって、その向こうにはかなりの空間があり、宿屋のような体裁になっていた。
「おや、お客さんかね……おお、これはこれは……」
その空間の奥のカウンターには好色そうな顔をした商人風の男、そして手前の机に二人のチンピラとその兄貴分らしい荒くれ者がいた。
「へへっ、お嬢ちゃん若いくせに色っぽいねぇ!小貨六枚でどうだい?」チンピラの一人が舌なめずりをしながら近寄ってくる。
「なあ、いいだろ?」馴れ馴れしく肩に手を掛けてくる。
「ばっ、馬鹿野郎っ!この方を誰だと…っ!すっ、すいやせん……」荒くれ者があわててチンピラを制し、アルスに頭を下げる。
どうやらここは裏の売春窟で、アルスはそれなりの顔らしかった。
「……ねぇ親父、この女を働かせてやって欲しいんだけど?」
アルスは荒くれ者を不愉快そうに一瞥した後、奥の男に向かって母親を乱暴に押しやった。
「ふうむ、少々年は食っておりますが、中々の上玉ですなぁ。これなら一回あたり……そうですな、仲介料を引いて小貨三枚でどうかな?」
「百十枚でどうかしら?」「ひゃくじゅ……ご冗談を……どんな上物でも十枚が限度、ましてこのような……」
「誰も一回辺りなんていってないわ。そんなセコイ事言わないで一括でって事よ。最初の支払い以外は一切無し。
この女の稼ぎは全部そっちが持って言って良いわ。」
「なるほど、そういうことですか……少々お待ちくだされ……」
そういうと男はソロバンを取り出し損得について計算を始めた。
「うむ、良いでしょう。しかし途中でこの女性に逃げられては困ります。一筆いただきたいのですが……」
「あら、しっかりしてるのね。まっ、お安い御用よ。」
そういうと紙を二枚とペンを男から借り受け、母親に渡す。
「まずは契約書。」母親はアルスが耳元で囁く通り、自身の身柄を売り払う旨の契約書を作成し、男に渡した。
「そしてこっちは」アルスは一際邪悪な笑みを浮かべると、何やらもう一通文書を書かせ、それは自分の懐に納めた。
「これで用は済んだわ。ああそうそう、その女ケツはまだ新品だから。あんた達ラッキーだよ。」
勇者の一族とは思えない卑猥な言葉をチンピラ達に投げかけると、アルスは早々に売春窟を後にする。
背後ではチンピラ達が歓声をあげ、待ちきれないといった具合で早速親父と値段について話し合いを始めていた。
141:名無しさん@ピンキー
08/04/02 01:11:06 maULWxQn
「う…んんっ……あれ、もう朝ぁ?……えっ!?」
愛くるしい栗色の瞳を持つ寝ぼけ眼擦りながらカーテンを開けたアルスは、文字通り飛び起きた。
今日は王様に会いに行く大切な日、それなのにもう日は高く上り、町は真昼の喧騒に包まれているのである。
「たっ、大変っ!遅刻っ、大遅刻っ!お母さんっ、お母さんっ!」
慌てて旅人の服に着替え、階段を駆け下りる。
「あっ、あれ?お母さ~ん?」
いつもは台所で家事をしている母の姿は見えず、その代わりにテーブルの上に一枚の手紙があった。
『私の可愛いアルスへ、今日はいよいよお前の旅立ちの日。
しかし母が一人でこの家に居たのではお前も安心して冒険が出来ないでしょう。
ですからしばらくテドンの実家に身を寄せることにします。
しばしの事とはいえ、やはり別れは辛いもの。黙って出て行くことを許してください。
お前が平和な世界を作り上げた後、また共に暮らしましょう。
お前ももう十六歳、母の助けが無くても立派にやっていけると信じています。』
「おっ、お母さん……僕っ、僕頑張るからねっ!」
アルスの胸には、母が旅立った寂しさ、その思いやりへの感謝、一人前と認められた喜びなど、
様々な思いが出来し、思わず手紙を握り締めたまま涙ぐんでしまった。
「おっ!おごっ!おおおおおっ!」
その頃町外れの井戸では、猿轡をかまされ、目隠しをされた母親が、
四つん這いのような格好でテーブルの四脚にそれぞれ手足を縛られ、
五六人の男達に変わる変わるその肢体を貪られ、獣のようなうめき声を上げていた。
それにしても……と、売春窟の主人は思う。
自らサインをしておきながら、事に及ぼうとした途端抵抗するとは、肝の据わった女だ。
「持ってきやしたぜ親父!」
背むしで出っ歯のいかにも下卑た男が、一本の針を持ってやってきた。
闇ルートで手に入れた毒針に細工をしたもので、致死毒の代わりに精神に作用する神経毒が縫ってある。
「ご婦人、貴女が悪いんですよ……こちらだって高い支払いをしてるんですから……」
針を受け取った主人は、ゆっくりと白濁液に塗れた女のほうに歩み寄り、
肛門に汚い性器を突き入れていたチンピラを押しのける。
「うっ、うぐっ!?んんっ!んおおおっ!」
異変を察知した母親は、わずかに動かせる首を必死に振り、抵抗の意を示す。
「静かにしていただけますか?すぐ天国に連れて行ってあげますから……ねっ!」
主人は暴れる首根っこを押さえつけ、背筋と首の中間点にあるツボを狙ってチクリと一刺しした。
「んおおおおおおおっ!!!!」
途端にくくり付けられたままのテーブルがズリズリと移動する程狂ったように暴れだし、
先ほどまで身体を貪っていた男達は『大丈夫か?』といった具合に顔を見合わせる。
「心配要りませんよ旦那方、少し利口になるような処置をしただけでして。」
好色そうな顔に邪悪な笑みを浮かべて、主人が穏やかに言った。
「なぁに、ものの五分で喜んで旦那達に奉仕する色情狂になりますよ……」
暴れまわる母親の頭の中では思考がショートにショートを重ね、
瞬く間に色欲だけしか考えられないような精神構造と変容を重ねていく。
最後にチラりと愛しい娘の笑顔が浮かんだかと思うと、
そこで思考の糸はプッツリと断ち切られてしまった。
142:名無しさん@ピンキー
08/04/02 01:12:03 maULWxQn
「おっ、お初にお目にかかりますっ!僕……じゃなかった、ワタクシはオルテガの娘でっ!」
「ハッハッハ!よいよいそう硬くなるな。お主は客人じゃ、楽にしてよいぞ。」
謁見の間で、アルスと王の会見が行われていた。
王の後ろには十人ばかりの完全武装の近衛兵が控え、王の傍らには大臣が侍っている。
初めて見る威厳に満ちた光景に、お転婆なアルスといえどカチカチに固まってしまっていた。
緊張してところどころ声が裏返るアルスを、王は孫の成長を見守る祖父のように優しく語り掛ける。
「お前ぐらいの年頃の頃のオルテガに比べれば、中々どうして立派な礼儀作法じゃ。」
「あっ、ありがとうございます。あの、ごめんなさい。実は僕、その……寝坊しちゃって……」
「ハッハッハ!正直な事じゃ!ますます気に入ったわい!ところで、早速だが時間が無い、本題に入ろう。」
「はい、魔王バラモスの事ですね!」
一時の談笑の後、一転して王もアルスも引き締まった顔になる。
「そうじゃ、しかし勇者オルテガは旅の途中で……お主の様な若者にこのような過酷な使命を与えるのは心苦しい……」
「そんなっ、とんでもない!父さんの仇でもあるんです!気にしないで下さい、僕が必ず打ち倒します!」
苦悶の表情を浮かべる王に対して、アルスは胸を張って自らの固い決意を打ち明ける。
「うむ、そういってくれるとワシも幾分気が楽になる……大臣、武器をこれへ。アルス、大した物ではないが、受け取ってくれ。」
そういうと大臣は前もって用意してあったひのきの棒や棍棒といった武器を近衛兵に運ばせる。
「へぇ、ひのきの棒……ですか。」
それを目にした瞬間、アルスの瞳がボウッと赤く染まる。
「凄い……硬くて……太いんですね……」
そういいながらひのきの棒を両手で持ち、擦り、撫でて質感を確かめる。
しかしその行為は実に艶かしく、行為を連想させるものであった。
「ふうん、こんなになってるんだ……」
いつしか場に居る全てのものが固唾をのんでひのきの棒を弄る手を注視し、一言も言葉を発しなくなっていた。
「あっ!痛いっ!トゲ刺さっちゃった……んんっ……」
ガッシャーン!
アルスがトゲの刺さった指を舐めると、王の背後で大きな音が響いた。見とれた近衛兵が思わず得物を取り落としたのだ。
しかし誰一人としてそれをたしなめはしない。皆、それほど夢中になっていたのだ。
「それで王様、軍資金はいかほどいただけますか?」
それだけで射精してしまいそうな微笑を浮かべ、すっかり呆けた顔になった王に尋ねた。
「う~ん、こんなに貰って良いのかなぁ?」
城からの帰り道、アルスは金貨がぎっしりと詰まった袋を不安そうに見つた。
「まっ、いっか!仲間を雇うお金も要るみたいだし。酒場かぁ、なんだかドキドキするなぁ!」
持ち前の天真爛漫さで悩みをどこかへやってしまうと、ウキウキした気持ちで酒場のドアを叩いた。
GJ過ぎるSSの後で気後れしますが一応>>87続編のようなものを……
意見なんかありました頂けると幸いです
143:名無しさん@ピンキー
08/04/02 01:45:48 1rELUqTo
キティの人です。
最終回もキャプカードの不具合で乙りますたOTL
・・・ひとまずこれからもあの番組はヲチするとしますが。
これまでご利用ありがとうございました。
144:名無しさん@ピンキー
08/04/02 02:45:06 6GC+FSSU
DQはエロゲー
1は姫さんが洞窟内に囚われてたり、宿屋でハアハア
2は犬姫が色々とハアハア
3は女勇者、女戦士、女賢者、女僧侶、女商人などが生まれ、ハアハア
4は姫やモンバーラ姉妹で、トルネコが奴隷商人とかハアハア
5はビアンカとフローネでハアハア
6はテリーの姉貴とダーマの幼女
7は忘れた。
8はゼシカでハアハア
145:名無しさん@ピンキー
08/04/02 03:59:57 kY1FJEo4
7は踊り子のポリゴン音頭……
じゃなかった、石版世界のダーマ神殿
フォズタソ ハァハァ(児ポル)
おまけにふきだまりの町にて悪堕ち有り。
146:名無しさん@ピンキー
08/04/02 08:19:39 5j5rFbdm
>>144
6と7がごっちゃになってるな、
ダーマの幼女のフォズは7だな、あとビッチな風の精霊とか・・・
6にはここで何度も話題になったシスターとかいるしなぁ
147:名無しさん@ピンキー
08/04/02 08:29:05 3iXqeyqU
>>142
表と裏の人格があるわけか
で、敵を倒すごとに相手の力を吸収しつつ表の人格を悪に、淫らに染め
最終的には裏の人格と同じ悪の存在に変えるってとこかしら
なんにせよ先が気になるね、GJ
148:名無しさん@ピンキー
08/04/02 10:07:13 9B9SaoA9
フローネって誰だよ…
149:名無しさん@ピンキー
08/04/02 11:01:12 YCBWPzK4
DQ6だったっけ?
あの牢獄の町にいるシスターが魔物にされそうになったのって。
あのまま魔物にされちゃうような話って誰か書かないの?
150:名無しさん@ピンキー
08/04/02 11:34:44 dOoXOp9S
>>149
それ確か舞方さんとこにあったかと・・・
151:名無しさん@ピンキー
08/04/02 12:28:43 6GC+FSSU
>>148
ぶっ!……名前変更でもしてたかも知れない。
押し入れに全部あるんだけど、あえて記憶に任せてみたら色々と馬鹿だった。
そういや7にはライラとかが居た気がする。
152:名無しさん@ピンキー
08/04/02 13:45:49 dzUNfbfy
>誰か書かないの?
つかなんでこんな上から目線なんだYO
153:名無しさん@ピンキー
08/04/02 14:56:39 +ZR7Mi1y
悪の帝王だからだよ。
154:名無しさん@ピンキー
08/04/02 15:01:25 La/0uygU
>>144
8は呪われた馬姫調教日記でハアハア
155:名無しさん@ピンキー
08/04/02 16:04:06 5j5rFbdm
DQMはさらわれた姉がラスボス・・・
156:名無しさん@ピンキー
08/04/02 17:05:29 pZos6ga7
>142
GJ、二重人格なのはわかるけどもしかしてとっくにモンスターに操られてる?
157:名無しさん@ピンキー
08/04/02 20:21:10 LaViyXAp
>>156
おそらく>>87に答えが。
まだ胎児である勇者は母が謎の侵入者に陵辱された時に注がれた精の影響で…
そして、勇者アルスには元々の人格の他に裏の人格として…
158:名無しさん@ピンキー
08/04/02 21:05:45 Bh4NyD20
ルパン3世 天使の策略
URLリンク(jp.youtube.com)
五右衛門に挑んだ女がいいね。
妖艶+妖刀「桜吹雪」の切れ味に虜。
159:名無しさん@ピンキー
08/04/02 23:46:44 DHvtrZ80
「結界師」にて脳洗い場なるものが登場。まだ使用されず
「妖怪のお医者さん」にて二口女がヴァンパイアに吸血される。
今週はフラグが立つな。
160:名無しさん@ピンキー
08/04/03 00:22:56 RhXs1s/O
ソルディバンが今期の既出該当ゲーの中じゃ、一番使える出来。
希望もあるが、バリエーションもボリュームもあるので何げに満足した。
161:名無しさん@ピンキー
08/04/03 00:37:38 ChJLlCuD
DVDを整理していたら「ジャックと悪魔の国」が出て来たので久し振りに鑑賞。
劇中、魔王が儀式で清純なエレーン姫を魔女化、魔女化した姫は自ら志願して
勇者ジャックを騙す…という感じで萌え萌えなんですが、普通のファンタジー
なのでエロ度は低いし、あっさり魔女化が解けちゃうのが残念無念。
ジャックに甘言を並べてキスを誘い、睡眠薬を飲ませるシーンを見て「そこで
エロ技で落とせば」とか、魔女化が解けた時は「魔王が精を使って同族化して
おけば」とか、そもそも魔女姿がもちっとエロければ…等々、思った次第で。
このエレーン姫の魔女化悪堕ちをエロパロ化して下さる神様はいらっしゃい
ませんでしょうかね。
そりゃ自分で書けよ、って話だとは思うんですが。昔ちょっと書いたことは
あるものの文才無いし、すっかり力尽きてしまって…。
姫の魔女化姿は↓で見られます。
URLリンク(www.youtube.com) (魔女化儀式フル)
URLリンク(www.youtube.com) (魔女姿のピックアップ)
162:名無しさん@ピンキー
08/04/03 01:14:02 N3NDzYv/
まあ結界師は寸止めにすらならなさそうだが
163:名無しさん@ピンキー
08/04/03 01:26:21 6+8BYu4K
結界師だからなぁ
164:名無しさん@ピンキー
08/04/03 01:31:22 RhXs1s/O
この展開だと少しはやられそうな印象もあるが・・・。
そうでない場合、すでにこれ使って誰か人格変えられたという伏線かも。
母親だったたら楽しいが、多分そういう流れじゃないんだろうなぁ。
165:名無しさん@ピンキー
08/04/03 02:35:18 kIPe0u2V
結界師は悪堕ちどころかやられシーンもないもんな
ほんとがっかりだよ
166:名無しさん@ピンキー
08/04/03 03:14:22 6+8BYu4K
いいじゃないか、
サンデーには他に某洗○漫画もあることだし。
俺は読んでないが。
167:名無しさん@ピンキー
08/04/03 05:31:12 UnW6+KPK
>160
…………
なんで、まだ出ても居ないゲームを褒めちぎった挙げ句今期一番とか言いきれるんだオマエ
168:名無しさん@ピンキー
08/04/03 07:06:20 Q0LzeecR
フラゲしたんじゃね?
169:名無しさん@ピンキー
08/04/03 07:12:35 dtNhHbRZ
だろうな、もうメーカー・作品別スレにはフラゲ報告きてるし
前のペルソナみたいに一通り正義ルートを終わらせてから悪堕ルートに入る流れらしい
ペルソナ好きな俺はwktkしてるぜ
170:名無しさん@ピンキー
08/04/03 09:26:41 4fpISz0q
アリスのあれはまあ別格として、個人的にこのスレ的には今期一番満足できる方向の
作りで量もバリエーションもあると思うぞ。
俺の個人的判断だけど、ハルカは基本的に和姦ゲーだから負けてないところも多いし。
171:名無しさん@ピンキー
08/04/03 15:08:58 Jnn9AcWA
他のゲームとか、まあ
172:名無しさん@ピンキー
08/04/03 17:25:31 JlL1XdRa
社員乙、と言ってあげましょうよ・・・
173:名無しさん@ピンキー
08/04/03 17:41:48 4fpISz0q
単純によかったから、同好の士に薦めてるだけなんだが。
何でそんなにネガティブなんだ。虚しい・・・。
174:名無しさん@ピンキー
08/04/03 17:59:47 URbfr/FU
社員乙は2chの華よ
たまに本来の意味で使われてるスレがあって和む
175:名無しさん@ピンキー
08/04/03 18:19:54 sxyOj8z/
こんな所で温もりなんぞに期待しないほうがいいぞ
176:名無しさん@ピンキー
08/04/03 18:39:11 Idq1TIjl
あまり気にしなさんな
FG出来てないやつにとっちゃ羨ましくて妬ましいんだよ
漏れも含めてなw
177:名無しさん@ピンキー
08/04/03 18:52:15 4fpISz0q
確かにそういう増長はあったかもしれんorz
もうやっちゃったから何でも聞いてくれ!みたいな。
178:名無しさん@ピンキー
08/04/03 19:31:23 m8e/NQ2A
ほかの職人方に追随してSS投下。
内容は、一人の魔法使い族の女の子が怪しげな繭に入れられ、
中でしばらくモゴモゴした後……というもの。
苦手な人はスルー推奨。
あと遊戯王に深い思い入りを抱いている方は、
不快と感じるかもしれないのでご注意。
179:進化の繭(1/14) by PNY
08/04/03 19:33:44 m8e/NQ2A
「俺のターン!ドロー!クリボーを生贄に、ブラック・マジシャン・ガールを召喚!」
マスターの呼び声と共に、私は彼の手札からフィールドへ召喚された。
ゆっくり目を開き、魔法の杖を一周振り回して、私は凛々しくポーズを決める。
魔導帽の下にある金髪は風になびき、青とピンクの魔女服が華奢な体にぴったりくっつく。
ミニスカートがひらひらと翻り、敵味方問わず心をくすぐる。
スカートとブーツの間に、健康的な太ももが露呈している。
私はデュエルモンスターズ界の魔法少女、みんなのアイドルマジシャンガール。
今日も元気よく可愛く、見参なのだ。
私は状況確認に、あたりを見回す。
味方の場には私しかいなく、対する相手の場に二体の昆虫族モンスターがいた。
一体はゴキボール。攻撃力1200の下級モンスター。
その外見も名前のとおり、でかくて丸いゴキブリだ。
そしてもう一体はインセクトクイーン。攻撃力2200で、
場の昆虫族モンスター一体につき100ポイント強くなる上級モンスター。
上級モンスターらしい巨体を持ち、毒々しい触覚や羽を展開している。
彼女の胸部から二つの乳房が垂れ下がり、下腹部は女王アリの卵巣のように膨らんでいる。
(はっ……それは!?)
私はふと、二体のモンスターの瞳が凶暴の赤色になって、額に禍々しい紋様が輝いているのに気付く。
それはまさにモンスターズ界を脅かし、世界を滅ぼそうとする邪神オレイカルコスの紋様だった。
そしてすぐに、私はフィールドのまわりにオレイカルコスの結界が張られたことを発見する。
よく見れば、マスターに立ち向かう相手のデュエリストも目を赤く光らせ、
額にあの邪悪な紋様が輝いていた。
オレイカルコスの結界を使用した者は、心の闇が最大限に引き出される。
その配下のモンスターも邪悪な力に支配され、パワーアップされてしまう。
私は気を引き締めて、敵の決闘者を見据えた。
マスターと対峙しているのは、眼鏡をかけて、
虫の絵柄が描かれた服を身に着け、目つきの悪そうな少年だった。
彼は私を見下ろし、
「ヒョーヒョヒョヒョ……そんなザコの五つ星モンスター出したところじゃ、何ができる」
うっ……いきなりすごく馬鹿にされた。
私はぷんぷんとピンク色のほっぺたを膨らませた。
あの変てこな格好と悪趣味の笑い声。
間違いない、彼はモンスターズ界で昆虫族使いと噂される決闘者、インセクター羽蛾である。
確かに昆虫族使いとしては凄腕らしい。
しかし、対戦者のカードを海に捨てたり、不利になるようにカードを事前に仕組んだりするなど、
卑怯な手を使う決闘者としても悪名高い。
過去において、彼は私のマスターに敗れたことがあるらしいが、
まさかまた懲りずに挑戦してくるとは。
私は少し不安げに私のマスターを見つめた。
彼は非常に不幸な事を経験したばかりで、その顔に憔悴の色が現われている。
そして、彼はまだ自分を強く責めているためか、
モンスターの精霊である私と心を通わすことができなくなっている。
(マスター……)
私は杖をぎゅっと握り締め、なんとかマスターを助けたい気持ちで一杯になった。
いつかマスターとの絆が復活することを信じ、今はマスターを助け、目の前の敵を倒すのみだ。
180:進化の繭(2/14) by PNY
08/04/03 19:34:40 m8e/NQ2A
「だまれ、この蟲野郎!いけ、ブラック・マジシャン・ガール!ゴキボールに攻撃だ!」
「はーっ!」
私は魔法のステッキに魔力を集中させた。
ステッキの先端はまぶしく輝き、それが魔力弾に凝縮する。
「ブラック・バーニング!」
私が魔力弾を敵に向けて飛ばした。
激しい轟音と共に、ゴキボールは粉々に爆殺された。
「俺はカードを一枚伏せ、このターンを終了するぜ」
「ウィーン」と機械が作動する音が鳴ると、私の背後のゾーンにカードが一枚伏せられる。
目の前は私よりも攻撃力の高いインセクター女王がいる。
もし、マスターが伏せたカードは私を守る力が無ければ、
次のターン私が撃破されてしまうだろう。
それに対して、相手マスターは不愉快な大声で笑った。
「ヒョーヒョヒョ!その伏せカードはどうせ仕様も無い罠カードだろ?
そんなんで俺を倒せると思ってんのか?」
「くっ……」
「今までお前からの恨みを、じっくり返してもらうよ!装備魔法、『進化の繭』!」
「なにっ!?そのカードは、昆虫族モンスターを進化させるレアカード……!」
「そうさ。今まで散々負かされた屈辱を、このカードで返すぜ!」
「ふん、だが羽蛾。お前の場には、それを装備させる専用モンスターがいないみたいだぜ」
「なーに言ってんだ。俺が装備させるのは、お前の場のモンスターだ!」
「なんだと?」
「このオレイカルコスの結界の効果により、俺の魔法効果は増幅されるのだピョー!
さあ、お前の場の小娘をいただくぜ!」
「えっ?」
私はステッキを構えて、緊張しながら相手の動きを見た。
突然、私の足元にあの禍々しいな魔方陣が刻まれた。
次の瞬間、邪悪なオーラが私の体を締め付ける。
(きゃー!う、動けない……)
次の瞬間、相手の場に気持ち悪い巨大繭が現われた。
繭は不気味な白とピンク色を呈し、その下辺に生える多数の糸でがっしりと地面につながれている。
そして、繭の表面から一筋の触手が伸びて、私の足首を絡めた。
「ひゃっ!」
私は思わずバランスを失い、地面に倒れる。
そのまま、ずるずると相手側のフィールドに引き込まれる。
繭は表面に気色悪い膜が網目状に突起して、私を待っていた。
「マスター!」
私はマスターに助けの手を求めた。
しかし、彼はただ悔しそうに私を見送っていた。
その冷ややかな目線を見て、私の心が冷え切った。
(そんな……マスター……)
以前のマスターなら、どんな困難だろうと私達モンスターとの絆を信じ、颯爽と相手を倒せたのである。
しかし、闘気を失った今、マスターはただ情けない表情を浮かべて立ち尽くしていた。
私の心は絶望へと沈んだ。
181:進化の繭(3/14) by PNY
08/04/03 19:35:24 m8e/NQ2A
ついに、私の片足繭の中へ引き込まれた。
「ひゃっ!」
私は悲鳴を上げた。
ぷにぷにした柔らかい肉に含まれたような、気持ち悪い感触だった。
私はあがこうと、杖で地面を突いた。
しかし、繭に近づくに連れ、
そこからもっと多くの糸や触手が私の腕や胴体を絡み、中へと引き込む。
繭の表面がドロドロに溶け、その汁が私の太ももを覆い、同化しはじめる。
露出した肌に、ねっとりとした粘液が付着し、まるでガムのように貼りついて取れない。
ついに、腰までが繭の中へ溶け込んだ。
スカートの奥の下着から、べとべとした粘液が秘所やお尻へと流れ込む。
「きゃっ!」
私は顔を真っ赤にさせた。
恐怖の気持ちと共に、どことなくいやらしい気分になった。
「離してよ……このっ!」
私は繭の表面に両手を張り、繭から脱出しようとした。
しかし、力をかけた瞬間、手をかけた部分もドロドロに溶け、私の両腕を肘まで飲み込む。
ここまで来たら、後はもう中へ引きずられるのみだった。
繭全体は蠕動運動をはじめ、私の体を確実に中へ中へと押し込んでいく。
またたく間に、私の臍、胸、肩、鎖骨までが飲み込まれた。
「いやだ……こんなの、いやだよ!」
私は首を左右に動かし、最後の抵抗を試みた。
しかし、それもわずかな時間の無駄。
ついに頭が完全に繭の中へくい込まれ、視界を失った。
「うっ……」
繭の中はまるでべとべとしたジャムのように、私の体にねっとりと付着して包みこむ。
不思議なことに、息苦しいと感じることは無かった。
その代わりに、意識は段々と朦朧とする。
「ヒョーヒョヒョヒョ、遊戯、このカードの効果はな、五ターン後に装着したモンスターを、
俺の可愛いインセクトモンスターに変化させるのだ。
お前はそこでじっくりと、しもべが変わり果てる姿をたのしむがよい!」
私が……インセクトに?
なに、言ってるの……
朦朧の中、私は目を瞑ったまま、体を蠢かせた。
周囲のべっとりとした粘液は、私の服を溶解しはじめ、私の肌に直接触れるようになる。
粘液は段々と肉感のある感触に変化し、私の体を絡める。
邪悪なエネルギーが肌を通して、私の中を染める。
「あぅん……」
私は自然と口を開けた。
どろどろの肉汁は、いくつかの太い筋が捻り合い、密度の高い触手へ合成する。
その触手のうちの一本が私の口内へ侵入した。
訳も分からず、私はそれを口の中にくわえこんでしまった。
触手の先端から濃密な甘蜜が分泌され、それを私の体内へ送り込む。
「むん、うぅんっ!」
私はそれを吐き出そうとした。
しかし、弾力を帯びた触手に勝てず、ついついそれを飲み込んでしまった。
最初は不快でしかなかった。
だが、そのうち甘美な味が口の中へ広がり、違和感が無くなりかける。
182:進化の繭(4/14) by PNY
08/04/03 19:36:15 m8e/NQ2A
「ううぅん!」
突然、私はくぐもった声を上げた。
一本の触手は、私の秘所を探索するように撫ぜる。
他の触手は私の足首を掴み、ゆっくりと両側へ開脚させる。
秘所にあてがう触手の鎌首は私の太ももを触れながら、
遠くから近くへ焦らすように、私の淫裂へ接近してくる。
「うんぐぅ、むうぅん!」
その異様な感覚に、私は涙を溢れさせ、足の付け根をもじもじさせた。
清らかな涙粒は、私の目尻から離れるとまわりの稠密な肉汁に溶け込み、同化する。
涙だけではない。
私の全身から放たれた汗も、肌に密着する肉液に吸収される。
段々と、私はどこまでが自分の肌で、どこまでが繭中の肉液なのか、
区別できなくなってしまった。
秘所へ近づく触手は、やがて私の大事な場所へたどり着いた。
触手の先端は、そのまま捻りこむように私の中へ入っていく。
「うぅんん!」
私の喉の奥から、悲鳴が上がった。
まだ性を知らない神聖な場所が、異形なモンスターに犯されようとしている。
触手は私の中で、少しずつ前進する。
(だめ……そんな太いの、入れないで!)
私の身をよじり、開脚させられた両足を蠢かせる。
しかし、それはささやかな抵抗でしかなかった。
触手は私の膣中で、肉汁を分泌した。
(はぅ!なに、これ……熱いどろどろとしたものが、広がってくる!)
私の中は、すぐにぐしょぐしょとなった。
それと同時に、今まで感じた痛みが緩み、代わりに熱い甘美な痺れが生まれた。
その感覚はあっという間に体中へと広がる。
(あ、ああ!)
私はどうしていいか分からず、飲み込めなかった蜜とともに、よだれを溢れ出す。
もちろん、それらの液もすぐにまわりの肉液と同化した。
何本かの細い肉液が、私の体を撫でるように変形し、付着した。
私の豊満の胸を、中央へ円を描くように掠める。
滑らかの背中の左右に、ゴム状のねばねばした液が吸い付く。
うなじやわきの下がいやらしく舐めとられ、おへそあたりに粘液がぬめりと触れて悪戯する。
アンダーバストを持ち上げられ、優しく淫らに揉まれる。
所々から伝わるくすぐったい感が、やがて物足りない感へと変化し、
私を淫乱な女へと作り変える。
(お願い、やめて……これ以上やられると、変になっちゃう!)
私は心の中で悲鳴をあげた。
いつの間に、私の頭の中はいやらしいことしか考えられなくなった。
口の中のものはウネウネしたナメクジのように変化し、私の舌と絡めある。
少し前の私ならば、気色悪いとしか感じないだろう。
しかし、今の私は自ら唾液を攪拌させ、じゅばっとしゃぶていた。
183:進化の繭(5/14) by PNY
08/04/03 19:36:53 m8e/NQ2A
(ああぁっ!)
私は心の中で小さく呻いた。
無防備となった私のお尻の穴に、一本の触手がゆっくりと挿入した。
しかし、体がすでに火照ったこともあり、私はその触手をすんなりと受け入れた。
触手は淫液を分泌しながら進む。
それに連動して、淫裂の触手も中を動かす。
(はぁん、だめ……中をかき回さないで!このままでは……イッちゃう!)
私はただじっと蹂躙されるのを耐えるしかなかった。
しかし、やがて別の考えが私の頭を支配し始める。
私が絶頂寸前までのぼりつめると、触手はピタリと動きが止まり、体をそのまま放置する。
しばらくその繰り返しがすると、私の頭がおかしくなりかけた。
(はぁん……あぁん!)
両腕は肉液に絡め取られ、周りの汁が浸透しながら徐々に性感帯へと変化した。
渇きを追い求めるように、私は口の中に溢れる蜜を絶えず飲み込む。
そうして媚を売り続けると、触手は私の体が順応できると分析したのか、また大きな動きを見せた。
(はぁ……はぁああ!)
私は腰をうねらせた。
触手の先端が分裂し、更に数本とても細い紐状の触手が奥へ伸びる。
それらの触手が、やがて膣の突き当たりに衝突した。
しかし、触手の動きはそこで止まらなかった。
細い肉紐は更に奥へ奥へと進んだのだ。
(うぅ……ああああはぁ!)
言いようのない満たされた感が私を襲う。
細い肉紐は狭き入り口の中へ捻りこみ、子宮に入ってしまった。
肉紐はそのまま中で分裂し、表面積を広げながら子宮の中を張り巡らす。
自分の肉体の奥部が見知らぬ異物を挿入されることを考えると、恐ろしくてたまらないはずだ。
しかし、それに喜びすら感じる自分に背徳的な悦楽を覚える。
私が完全に抵抗の意志を捨て、繭の中の肉液や触手からの愛撫に体を委ねた。
どろどろ溶けた汁は皮膚からしみこみ、私の体の組成を作り変える。
繭の中の肉液は、ドクン、ドクンとリズミカルに躍動していた。
いつの間にか、私の心臓もその音に同調し、ドクン、ドクンと鳴り出す。
まるで、自分が繭の一部になれたような感じだった。
私はそれに喜びを感じながら、意識がまどろみの中に沈んだ。
一ターン目。
うっすらと目を開くと、まわりにピンク色の肉壁が輝いているのが見える。
いつの間にか、私は膝を抱きかかえた姿勢になっていた。
(私……どうなっちゃうの?いやだよ、虫になんかなりたくないよ。
マスター、たすけ……あれ、マスター?)
朦朧としている中、大事な人の顔が思い出せなくなっている。
ところどころ青黒のまだら模様が入ったその薄い壁は、私の体を優しく包み込む。
私の口の中や秘所には、触手が繋がったままだ。
肉壁との空間を満たすねっとりした肉液は、時々蠢いて私を心地よく愛撫する。
殻のような肉壁から、私の体のあっちこっちに筋が繋がり、栄養分を染みこませる。
その生温い感覚が気持ち良い。
(はぁ……このまま、沈んでいく……)
エンドフェイズと共に、私の意識が暗闇に落ちた。
184:進化の繭(6/14) by PNY
08/04/03 19:37:46 m8e/NQ2A
二ターン目。
手を膝から離し、体をまっすぐに伸ばす。
私は朦朧とする中で、体を芋虫のように蠢かせた。
口の中から伝わる蜜を、一生懸命吸い続けた。
(はぁ……気持ち良い……)
秘所の中の変化が続き、時々快感の高波が全体へ広がる。
体は敏感となり、全身のくすぐったい感じが歯痒い。
いつの間にか頭の上から二本の触覚が生え、それが今も伸び続ける。
(なに、これ……触覚……?)
今まで無かった器官の感触が新鮮で、くすぐったかった。
下を見ると、乳房の二つの膨らみに、柔らかそうな青い毛が生えていた。
両腕や両足にも、同様の青い柔毛が溶液の中で漂う。
(いやだ、私……これじゃまるで、虫になったみたいじゃない……)
肉液の流れに従って、体を一本の棒のようにする。
(なんだか、芋虫になったみたい……恐いけど、嫌いじゃないわ……)
この体勢で、私は肉液との一体感を感じる。
エンドフェイズと共に、私はまた意識を失う。
三ターン目。
繭の中の肉液が凝縮し始めた。
外側が乾き、白い糸質へ変化する。
その代わり、私の近くにある肉液は一段と濃いものに。
凝縮の流れに沿って、四肢は自然と中央へすくめる。
(はぁ……いい気持ち……)
腕や足を覆う柔毛は硬質化し、光沢を反射する甲殻のようになる。
足には青のハイヒールブーツが形成される。
(うふふ、素敵ね……硬くなった毛束は私を守ってくれるわ)
頭部の触覚の上に、硬い螺旋模様の入った甲殻の帽子がかぶされる。
乳房を覆う柔毛だけ柔らかさを保ったままで、青の中に白い柔毛が混じり、より艶かしいものとなる。
(うふふ、うっとりしちゃう……これで男をいっぱい誘惑できるわ)
背中から、二枚の薄い羽が巻いたままの状態となる。
肉液は手足の表面に張り付き、そのまま固まる。
私の新しいマスターが高らかにエンドフェイズ宣言すると、私は凄艶な笑みを浮かべながら眠った。
突然、繭の外側から何かが突進した衝撃を感じた。
私は繭の隙間から覗くと、あちらの決闘者がモンスターを操っているのが見える。
誰だろう……彼は、私の方へ心配そうな目線を向ける。
でも、バカな人だな。
進化の繭に守られた私は、守備力が2000もある。
しかもオレイカルコスによって、それが強化されている。
少し攻撃されたぐらいで、くずれないのさ。
それに、私の今のマスターが、私を守ってくれるのよ。
彼は私を大事にしてくれるのよ。
だって、こんな気持ち良い繭をプレゼントしてくれたもん……
185:進化の繭(7/14) by PNY
08/04/03 19:38:39 m8e/NQ2A
四ターン目。
ついに繭の中の肉液を吸い尽くしたのか、私のまわり薄い無色の粘液しか残っていない。
口や秘所に当てられた触手は萎縮して消えた。
私はゆっくりと目を開き、邪悪な微笑をこぼした。
背中に力を入れると、巻かれた羽が少しずつゆっくりと伸び始める。
私の目元は青い鱗粉が付着し、唇にも紅色のルージュが引かれる。
手の爪は赤いマニキュアが染まり、長く鋭く伸びる。
体表面に硬質化した物質が液体の中で自然と剥がれ、
その下から女性の魅力に溢れる肢体が現る。
手足を覆う青はタイツのようになり、表面に毒々しいピンク色のアクセントが入り、敵を挑発する。
青やピンクのまだら模様の鱗粉が体中を妖しく彩る。
腰の周りから秘所にかけて白の柔毛が覆い、高貴な演出でありながら、淫らな雰囲気が漂う。
頭の触覚はビクン、ビクンと跳ね、外の空気に触れたくて触れたくて仕方が無いという様子だ。
背中の羽が伸びきった。
更に神経を集中させると、羽に体液が循環しはじめ、美しい脈目を作り、鱗粉を生産し始める。
私は、羽化して成虫となった。
その時、マスターが嫌味っぽい口調で、エンドフェイズを宣言する。
ふふふ。
さすが私の新しいマスター、本当にいじわるい。
私は待ちきれない気持ちで、次のターンを待った。
そして、ついに五ターン目がやってきた。
「俺のターンだ!この瞬間、俺はフィールドの進化の繭を生贄にささげ、
新たなモンスターを召喚する!出でよ、ブラック・インセクト・ガール!」
ブラック・インセクト・ガール。
これが、私の新しい名前。
ああ、なんて素敵な響きかしら。
マスターの呼び声に、今まで朦朧としてきた意識は完全に覚醒した。
私は内側から繭の殻を突き破って出た。
「はぁ、はぁ……」
いきなり溶液から空気に出たため、私は少し息を切らした。
ハイヒールの履いた足の片方を殻の縁に乗せ、両手で繭をつかまって体を支えた。
ねばねばした粘液は私のうなじ、乳房、太ももから垂れ下がる。
ふふふ、見てる見てる。
私のかつてのマスターは、驚愕の視線でみつめてくる。
彼のフィールドには一体のモンスターがいた。
あら、いつも噛ませ犬役をやっているエルフの剣士じゃないか。
うふふ……彼も私の体をじろじろと見ている。
無理もないもの、今まで味方だった私が、こんな姿になったんだから。
それに対し、私の今のマスターは、嫌味っぽい笑顔を相手に向けた。
どうやらまた精神攻撃をかけているようだ。
左右には、さきほどいたインセクトクィーン、仲間を呼び寄せる代打バッター、
そして相手に直接攻撃できるレッグルが並んでいる。
なーんだ、断然こっちが有利じゃない。
やっぱりあいつはヘタレな男だったんだね。
186:進化の繭(8/14) by PNY
08/04/03 19:39:20 m8e/NQ2A
私は地面に降り、私が所属する陣地に加わった。
ハイヒールのかかとコツン、コツンと心地よい音を叩きだす。
私の体から粘液が完全に乾き、胸部や腰を覆う柔毛はふさふさと膨らみ、可愛いラインを作る。
羽は鱗粉を製造し始め、敵を惑わす鮮やかなものとなる。
そして、私の額にも邪神オレイカルコスの紋様が浮かび上がった。
その瞬間、私は絶頂にのぼるような快感を覚え、秘所からいやらしい蜜が垂れた。
心はどす黒い邪悪な力が満ち溢れ、私をパワーアップしてくれる。
もともと澄み切った瞳は禍々しい赤が宿り、私の性格が残酷なものへ変化したことを証明する。
「俺の場に昆虫族モンスターが増えたことにより、インセクト・クィーンがパワーアップする!」
と、マスターは宣言した。
そう、インセクトクィーン様は、場の昆虫の数だけ攻撃力が上がる効果がある。
私は女王様の側へ寄り、恭しく頭を伏せた。
『ほほう、魔法使い族の小娘か。このわらわに忠誠を誓うというのか』
同じ昆虫族になったからなのか、女王様のお言葉が自然と私の頭の中に浮かぶ。
「はい、女王様。今の私はインセクトガール、昆虫族の一員である。
私はマスターの忠実なしもべであるとともに、女王様の奴隷である。
今までのご無礼を、どうかお許しください」
『あーっははは、いいだろう。わらわに忠誠を誓う証として、そこで足を開き、跪きなさい』
「はい」
私はドキドキした気持ちで足を開き、地面に膝を突いた。
女王様の巨大な腹部から、妖しい管が伸びてきた。
彼女が求めるものをすぐに理解し、私は股間を覆うふさふさした毛を持ち上げ、オマンコを広げた。
そして、吸引管は私の淫裂へ挿入した。
「はぁん!」
私は色っぽい嬌声を上げた。
生まれたばかりの私の秘所は、昆虫族特有の蜜で濡れだった。
吸引管は私の蜜を吸い取る。
女王様に私の初めてを捧げられるのは、とても幸福なことであった。
『ふふふ……おいしいエキスだわ。ねばっこくて、いやらしく濃い味だ』
「ああん、お、お褒め頂き、あ、ありがとうございます!」
『そなたにも、わらわからのプレゼントを与えよう。わらわの下へ来なさい』
「はい!」
私は女王様の胸部の下へ歩んだ。
『わらわの乳に舌を這わせなさい』
「はい」
私は恍惚の表情を浮かべて、彼女の垂れ下がる乳をしゃぶった。
豊満なふくらみから、濃密な蜜の粘液が分泌され、私の喉を潤す。
「ふーん、ちゅば……っはぁん!ああ、とても素敵な味ですわ!」
『ふふふ……その調子で、わらわ達の敵を蹴散らすのよ』
「はい、女王様」
私は自分のモンスターゾーンへ戻った。
はぁ、なんと素晴らしい感覚だろう。
今すぐにでも敵を八つ裂きにして、敵の決闘者に直接攻撃したい気分だわ。
「このターンはまだ光の護封剣の効果が続いているから、俺は攻撃できない。
ブラック・インセクト・ガールに『インセクト・フェロモン』を装着させて、ターン終了だ」
187:進化の繭(9/14) by PNY
08/04/03 19:40:01 m8e/NQ2A
マスターがそう宣言すると、私のフィールを邪魔している光の剣陣が消えた。
あら、このターン攻撃できないんだ。つまんない。
でもその代わりに、マスターからすごい装備カードをもらった。
私は羽を伸ばすと、体中からいやらしい匂いが四散する。
それはちょうどメスがオスを誘う時に、オスを無理やり発情させるような芳しい匂いである。
ああ、素晴らしい気分。
こんな良いカードを私を付けてくれるなんて、やはり前のマスターと全然違うわ。
私はあざ笑うかのように、相手の決闘者や、その配下のエルフの剣士を見下ろす。
魅惑のフェロモンに影響され、エルフの剣士は恍惚の表情を浮かべていた。
彼の情けない表情をみて、私は悪戯っぽい笑みを作った。
(ふふふ……面白いわ)
私はわざと胸倉の柔毛を掴み、それを扇情的に少し引上げた。
その下から、私の下乳がちらりと見える。
案の定、エルフの剣士は私の胸に釘付けとなった。
彼の欲情した顔に、私は満足感を覚える。
本来、私達デュエルモンスターズは人間界の住人ではない。
ソリッドビジョンを通して、人間達は私達の姿を視覚的に捉えることが出来るが、
それは抽象的な光景であり、本物ではない。
だから、私達がバトルする時も、その詳しい事情を人間たちは見ることが出来ない。
私にとって、それは残念でしかなかった。
今の私のいやらしい姿を、もっと相手に見せ付けたかったのに。
「俺のターン、ドロー!エルフの剣士を守備表示にして……」
「そこでインセクト・フェロモンの効果発動!このカードが装備したモンスターがいる時、
それと異性である相手モンスターは、全て攻撃しなければならない!」
「なんだと!?」
相手の決闘者が焦ってる。
ふふふ、あなたが私のマスターに勝つなんて、百年速いわ。
エルフの剣士はアホみたいに、ふらふらと剣を掲げて走ってくる。
あ~あ、可哀そうに。
攻撃力では私の方が断然上だというのに。
私はひらりと身をかわすと、エルフの剣士の背後を取った。
「ふふふ、私のフェロモンをたっぷり嗅ぎなさい!」
私は妖艶な笑顔で体を妖しくひねらせ。
太ももからお臍、全てに淫靡なメスの匂いが染みこんである。
相手の剣筋を余裕で交わしながら、
私は秘所を覆う柔毛を触ったり、舌を艶かしく舐めたりして彼を誘惑した。
そしてついに、エルフの剣士は欲望が抑えられなくなった様子で、
乱れた息で地面にひざまずいた。
「ふふふ……あなたはもう私の虜よ!」
私は彼を簡単に押し倒し、彼の上に馬乗りになる。
かつての味方が淫乱なメスになったなんて信じられない、という目付きで私を見上げる。
「あらあら、そんなに見つめちゃって。ここがこんな硬くなってるのに」
と、私は彼のズボンをずらした。
エルフの赤く腫れたチンポが、天を向かっていきり立つ。
188:進化の繭(10/14) by PNY
08/04/03 19:40:49 m8e/NQ2A
「もうそんなになっちゃったね。あなたは今、私のいやらしい姿を抱きたくて仕方ないでしょ?
ふふっ、私の匂いを嗅いで、もっといやらしくしてあげるわ!」
そう言うと、私は笑みを浮かべながら、胸の膨らみを彼の顔に押し付ける。
「むぐぅっ!」
「ふふふ……さあ、私の胸の中で息を吸ってごらん……
あなたはもう私のいいなりよ、私の言うことならなんでも聞くの」
「むぐっ、うぅん!」
エルフの剣士は完全にバトルを忘れ、私の体に夢中になる。
「ふふ、ではイカせてあげるね!」
私は羽を震わせ、おびただしい量の鱗粉を彼の体にばら撒いた。
噎せ返る香りが周囲を包み込む。
エルフの剣士はその匂いに陶酔し、最後に抵抗をやめた。
「うふふ、憐れな男ね。この毒鱗粉はお前の性欲を拡張しながら、体を溶かしていくのよ!」
私は魅惑な薄笑いをこぼし、おもむろに彼のチンポを私の濡れたオマンコにあてがう。
「うっ……ぐっ!」
オマンコは、ぬめりとその肉棒を飲み込んだ。
私の中で、チンポがずぶずぶとせり上がって来るのを感じる。
「はぁ……ああぁん!」
私は艶かしい吐息を吐き、自分の中が満たされていくのを耐えた。
快楽に浸った体から汗が分泌され、それがフェロモンを助長させる。
あたりに芳ばしい香りを散らしながら、男の更なる欲情をそそる。
エルフの剣士は両目の焦点が合わなくなり、獣のようなうなり声を上げた。
「ふふふ……そうよ、私の体で感じなさい!
フェロモンや毒鱗粉によって支配されたあなたは、もう私を犯すことしか頭に無いんだから!」
私はゆっくりと腰を上下に動かし始めた。
びしょ濡れになっているオマンコの中は、私の意のままに襞がビクつき、相手の肉棒を刺激する。
エルフの剣士は口から泡を吐き出し、私に合わせて下腹部を突き上げる。
ああ、なんて無様な格好。
これじゃ色狂いのケダモノ同然よ。
彼をあざ笑うかのように見下ろし、私は腰の動きを加速させながら、彼のオチンポを締め付けた。
「あぁん、いいわ!中がどんどん熱くある……はぁ、私の中に出して!」
私は気持ち良いあまりに涎を垂らし、せり上がる絶頂を感じた。
魅了状態に陥った惨めな男は、その下腹部から汚らしいザーメンをほとばしる。
「ああぁあ!……はぁ、はぁ……はぁ、ふふふ、まだまだよ。
あなたの体を全て搾り出されるように、欲望をぶちまけなさい!」
私はフェロモンを一段と濃くさせ、彼の欲情を促し続けた。
出したばかりのチンポはすぐに硬くなり、その中にある精液を私に貢ぐためにピンと伸びる。
彼の欲情しきった目付きと、絶望に染まった顔色は、私の邪悪な心を更に興奮させる。
「ふふふ……そのままじっとしてて、後は全部私に任せなさい。
一滴も残さず、搾り取ってあげるからね!」
彼が吐き出した精液は、粘っこいものから、やがてただの薄い体液となった。
精気を充分に吸い取った私は、ゆっくりと立ち上がった。
私のオマンコから淫らな匂いと発し、白く濁ったものが太ももに沿って垂れ下がる。
それを指でこぼさないように掬い取り、私は口の中へ入れた。
「んむぅん!さすが剣士だけあって、最後までおいしかったわ」
吸い尽くされたエルフの剣士は、ただやせ細った体で息を絶え絶えに漏らす。
189:進化の繭(11/14) by PNY
08/04/03 19:41:27 m8e/NQ2A
「ふふっ、最後はせめて苦しくないように殺してあげるわ!」
私は豊艶な乳房を持ち上げ、エルフの剣士に向けた。
両の乳首から鋭い毒トゲが発射され、彼の躯体に打ち込んだ。
「ぐわっ」
情けない断末魔を上げると、彼の体はみるみるうちに溶け出し、
最後は緑色の剣士服だけ地面に残った。
「エルフの剣士……撃破!」
私は邪悪な笑みを浮かべて、そう宣言した。
私の陣地へ戻ると、そこにいる昆虫族の仲間達が私を迎え入れてくれた。
微笑みながら会釈すると、私は突然嬌声を上げ、両膝を地面に突いた。
体の中からいやらしい波動が広がり、オマンコの奥から未知の悦びが込み上がる。
マスターは眼鏡を整え、不敵に笑う。
「この瞬間、ブラック・インセクト・ガールのモンスター効果を発動!
ブラック・インセクト・ガールが戦闘によってモンスターを破壊した時、
場に一体のプチモストークンを召喚する!」
「はぁああん!」
私は大きな喘ぎ声を上げた。
さきほどの受精により、私の子宮から卵子が膨らむ。
下腹部が見る見るうちに膨らみ、心を捻るような快楽が私の心身を襲う。
やがて、体内で生成された異物は、私にオマンコをゆっくりとすり抜けている。
何かが生まれる。
私は母性的な優しさと期待をこめて、指で自分のオマンコを広げて下腹部に力を入れた。
オマンコはぬめりと濡れていて、やがて一つの緑色の卵の先端が見える。
「あああぁぁ!」
卵がポトリと、地面に産み落とされた。
疲れ果てた私は、その卵を愛おしそうに見つめた。
卵の中にうっすらと蠢く生命体の影が見える。
ああ、あれが私の子供なのね。
なんて可愛らしい子だろう。
私は暖かいそれに優しく頬ずりをした。
「くっ……」
かつて私のマスターだった者は悔しそうな表情を浮かべ、
「ならば、俺はクィーンズ・ナイトをおもて表示で召喚してターンエンドするぜ」
「ウイーン」と機械音が作動すると、彼のフィールド上に一体の女モンスターが守備形式で召喚される。
真紅の鎧を身にまとい、美しい金髪を後ろへなびかせる。
手に持っている剣と盾を構え、守備体勢を取り地面にひざまずく。
ふふっ、確かに同じ女型モンスターなら、私のフェロモンは効かない。
ヘタレながら、考えたじゃないか。
クィーンズナイトは私の姿を確認すると、驚いた表情を浮かべ、
「ブラックマジシャンガール!あなた、一体なぜそんな姿に……!
どうして、あなたが敵のフィールドにいるの?」
私とクィーンズナイトがまだ仲間だった時、
同じ女性モンスターだということもあって、私達の仲は特に良いのだ。
190:進化の繭(12/14) by PNY
08/04/03 19:44:01 m8e/NQ2A
「ふふふ……私は新しいマスターの力によって、生まれ変わったのよ!」
私は妖艶な肢体をくねらせた。
煽情的なフェロモンを嗅いだのか、彼女は眉をしかめる。
「そんな……あなたは相手にコントロールされてしまったのね!
待ってなさい、必ず助けてあげるわ!」
「コントロール?ふふ、そんな安易なものではない。
私はもう身も心もオレイカルコス神のものであり、今のマスターのものなのよ!
あなたにも、この快感を分けてあげるわ」
その時、私のマスター宣言する。
「ブラック・インセクト・ガールの効果発動!ライフを1000ポイント払うことで、
このカードと同性の相手モンスターを寄生卵に変えることができる!
ゆけっ、ブラック・インセクト・ガール!」
「はいっ!」
私は命令されたとおり、羽をブーンと振動させ、一瞬のうちクィーンズナイトの側へ飛びついた。
クィーンズナイトは剣で私の体を切りつけようとするが、私は簡単に彼女の攻撃をかわした。
「おとなしくしなさい!」
私は彼女の剣や盾を弾き飛ばし、彼女の華奢な体を押し倒した。
「ブラックマジシャンガール、目を覚まして!」
「ふふっ、私はもうその名前ではない。今の私は、ブラックインセクトガールよ!」
彼女がみにつけている鎧を剥ぎ取ると、その大人めいた魅力的なバストが露出する。
「うっ……」
クィーンズナイトは私を睨みつけ、顔を赤らめた。
「ふふふ、すぐ気持ちよくさせてあげるわ!」
私は自分の乳房を持ち上げ、彼女と乳首を合わせた。
その淫靡な行動に、クィーンズナイトは顔を真っ赤にさせながら、驚愕の目線を向ける。
乳首が完全に重ね合わさったとき、私の乳首から二つの小さなトゲが伸び、
彼女の乳首をチクリと刺した。
「いーっ!」
クィーンズナイトは悲鳴を上げた。
しかし、すぐに彼女の凛々しい顔は恍惚なものとなり、小さく口を開き浅い呼吸を繰り返した。
私が彼女に注入した毒は、エルフの剣士に使った溶解液ではない。
今度の毒はどんな屈強な女でも、いやらしい淫女に変える媚薬であった。
淫毒は瞬く間に彼女の体中に周り、きめ細かい肌は色っぽく火照り始めた。
私は更に彼女の秘所に当てられたアーマーを取り除いた。
ピンク色のオマンコが愛液を漏らしながら、ビクビク蠢いていた。
「ふふっ……どう、私の淫毒は?もうほしくてほしくてたまらなくなったでしょ?」
「そんな、やめて……あなたは、そんなことをする人じゃないはずだわ!」
「もう何を言っても無駄よ!今の私は、昆虫族モンスター、昆虫の繁栄を手伝う女モンスターよ!
他の種族のオスを食い、養分を搾取する。
そしてメスを昆虫族に変え、私と同様に昆虫族を繁殖させるのよ!」
「うっ、そんな……ああぁん!」
クィーンズナイトは潤いだ目線で私のいやらしい体を見回し、心の中が葛藤になっているようだ。
「我慢しなくて良いんだよ。私と一緒に気持ちよくなろうね!」
191:進化の繭(13/14) by PNY
08/04/03 19:45:23 m8e/NQ2A
私は秘所に手を伸ばすと、そこから一本の排卵管を摘み出した。
それを彼女に見せ付けるように、ゆっくりと彼女のオマンコのなかへ挿入する。
「うあああぁ!」
一際大きい呻き声。
クィーンズナイトは体をくねらせ、私の蹂躙やそこから生まれる快感を耐え続けた。
私は彼女の両腕を押さえつけ、二人の結合部分を円を描くように動かす。
そして、彼女のあいた口に唇を重ね合わせ、彼女の舌をしゃぶりつくす。
「ううーん、むぅん!」
クィーンズナイトは目を瞑り、私が送りつけた快楽に身をゆだねた。
やがて、彼女のオマンコがいやらしくビクンと跳ねると、
私の排卵管から大量の卵子が送りつけられる。
卵子が彼女の子宮に定着するのを待ってから、
私はゆっくりと彼女から離れ、その変化を見届けた。
「はあぁぁぁー!」
彼女は大きな悲鳴を上げた。
次の瞬間、彼女の秘所からおびただしい白糸が吐き出された。
白糸はすぐに彼女の体をまといつき、丸い繭を形成する。
それは、まるでかつて私を捉えたあの繭のようだった。
クィーンズナイトの姿が徐々に薄くなり、やがて完全に白繭に覆われた。
「ふふふ……その中でじっくりと進化しなさい!」
私は嬉しく呟いた。
そして彼女の繭を優しく持ち上げ、私の陣地へ持ち帰った。
「くっ……」
あのマスター、すごく悔しそうな表情をしていた。
ははあん、なんて間抜けな顔かしら。
そうやって、自分の仲間がどんどん敵のしもべになっていくのを、見ているがいいわ。
このターンの終了時、さきほど私が産み落とした卵が孵化し、
中から一匹の可愛い幼虫が這い出た。
彼の全身が緑色の皮膚に覆われ、生まれたばかりの体は卵のねっとりした粘液がこびりついた。
私の心から優しい気持ちが湧き上がり、いとおしそうに彼を抱き上げた。
これが母性本能だろうか。
ついさっきまで少女だった私は、今では我が子を慈しむ母親に変貌した。
私は自然と彼を胸のほうへ持っていった。
幼虫は本能的に、私の胸の先端にしゃぶりついた。
「はぁん……」
私は心地よい嬌声を上げた。
胸が吸われるのを実感できる。
さきほどエルフの剣士を吸い尽くした生命力は、
私の体内で子を育むミルクへと作り変えられ、子供に与えられる。
しばらくすると、幼虫は満足したかのように眠りに陥った。
彼の体表面は徐々に硬くなり、蛹の形へ進化する。
192:進化の繭(14/14) by PNY
08/04/03 19:46:30 m8e/NQ2A
「俺のターン!……カードを二枚伏せ、ターンエンドだ!」
「ヒョーヒョッヒョッヒョ、もう打つ手が無くなったのか?まだまだだぜ、俺のターン、ドロー!
この瞬間、寄生の卵が孵化する。出でよ、インセクト・ナイト!」
さきほどクィーンズナイトを包んだ繭が変化した。
繭の一箇所に亀裂が走り、その亀裂がやがて周辺へと拡散する。
どろりとした溶液が、亀裂から溢れ出る。
一本の腕が伸び、殻をから破り出る。
「はあぁ~」
気だるい声とともに、一人の女性モンスターが中から出てきた。
彼女の全身は真っ赤の甲殻に覆われていた。
背後に赤い翅が伸び、手には毒々しい剣と怪しいまだら模様が入った盾を持っていた。
頭から長い触角が伸び、ピクンピクンと周囲を探知する。
彼女はぼうっと周りを見渡し、そして私の姿を捉える。
「ふふふ……気分はいかがかしら、インセクトナイト」
彼女はしばらく考えた後、やがて私を思い出したかのように、妖艶な笑みを浮かべる。
「はい、インセクトガール。あなたのおかげで、
私はこんな素晴らしい姿に変身できたわ」
インセクトナイトは邪悪に口元を吊り上げる。
彼女の額も私と同じオレイカルコスの紋章が浮かび上がり、そして瞳は凶暴な赤へ変化した。
「これから一緒にマスターのために、がんばろうね」
「はい。この手にしている剣で敵を刺し殺し、昆虫族の養分にしてくれるわ!」
そして、インセクトナイトも女王様の側へ寄り、彼女をパワーアップさせる儀式を行う。
勝負はもう決めたのも同然。
オレイカルコスの結界が発動されているため、
私のマスターは上限を無視して好きなだけモンスターを召喚できる。
後は、あの間抜けな敵デュエリストのモンスターを次々と餌食にし、
フィールドに昆虫族モンスターを埋め尽くせば良い。
(ふふふ……お師匠様、あいつが負ける前に速く出て来てね。
私の変わり果てた姿を見せてあげるから)
自分の愛弟子がこんな邪悪なものに変貌したと知ったら、どんな絶望の顔を浮かべるだろうか。
それを想像しながら、私は赤い唇を艶かしくなめずった。