【友達≦】幼馴染み萌えスレ15章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ15章【<恋人】 - 暇つぶし2ch230:名無しさん@ピンキー
08/04/24 07:52:34 xH/DXOKx
>>229
おいおいおいおい!
朝っぱらから何だよ!
テラGJじゃねぇか!
もう学校行けねーよw

231:名無しさん@ピンキー
08/04/24 17:20:30 R4eqv0cJ
某スレでもファンですた
流石です
GJ!

232:名無しさん@ピンキー
08/04/24 19:30:32 5hhfvlXc
>>229
グレート!いい話だぜ!

233:名無しさん@ピンキー
08/04/25 00:52:36 yXfyoB1W
GJ!
自分も某スレからのファンです。
初々しさが伝わってきて、ニヤニヤ止まりません!

234:名無しさん@ピンキー
08/04/25 23:57:03 maYE2wYB
gj!

某スレっていうか、かおるさとー氏がSS投下してるスレ一体幾つあるんだよwww
俺が知ってるだけで3つ以上あるww

235:名無しさん@ピンキー
08/04/29 11:46:13 QhSPSeKy


236:名無しさん@ピンキー
08/04/29 20:06:38 zPdJO8X8


237:名無しさん@ピンキー
08/04/29 21:01:44 26rdA7a8


238:名無しさん@ピンキー
08/04/29 22:41:07 N9/+iFKJ


239:名無しさん@ピンキー
08/04/29 22:45:17 26rdA7a8
あまぁぁぁあああああああい!!!

240:名無しさん@ピンキー
08/04/29 23:17:12 FucDnNhR
ワロタww

241:名無しさん@ピンキー
08/05/01 20:07:49 uTxgY9wf
「このほしがきあまぁぁぁああああい!」
 そう言って笑顔を見せる隣家の女の子。
「だろー?」
 ふふん、と誇らしげに胸を張る俺。
「じーちゃんが毎年送ってくれるんだぜ!いいだろー」
「いーなぁ・・・。ねぇ、もいっこ頂戴?」
「えー、ダメだよ!さっきのは特別にあげたんだ!」
「けちー」
 頬を膨らまし、ジトっとした目で抗議され一瞬たじろいでしまうが、
「ダメなものはダメ!家族の分しかもうないの!」
 本当のことを言って諦めて貰うことにした。
「えー・・・。でも、あ、そっか」
 残念そうだった表情が一転、何か得心したような顔になると
「じゃあ、お嫁さんになれば好きなだけ食べられるんだね!」



「あなた、お義父さんがこんなに」
 妻が俺に実家から届いた荷物を見せてくれる。
「親父も毎年よく送ってくるよなー」
 そろそろ来るころだと思っていたが、そのまめな所に思わず苦笑してしまう。
 今度礼に孫を連れて帰るか。と思っていると妻は早速そのうちの一つを味見していた。
「お前、本当にそれ好きだなぁ」
 少し呆れて言う。毎回俺の倍ぐらい食べるからだ。
「いいじゃない。あの時食べてから大好物になっちゃったんだもの」
 美味かったのだろう。最高の笑顔で答えられた。
「食べさせた俺に感謝してほしいね」
「あら、あなたが私に悪戯して泣かせちゃったからくれたんじゃなかった?」
「・・・やなこと覚えてるなぁ」
 妻はふふっと笑ってから、それに、と付け加える。
「あなたがくれたから余計に美味しかったのよ。」
照れたように言うのは、もちろん嫁になる!と干し柿目当てで言った女の子である。

勢いだけで書いた。反省はしていない。

242:名無しさん@ピンキー
08/05/01 21:27:25 ULqbP0St
>>241
ちょw だがGJ!

243:名無しさん@ピンキー
08/05/01 21:29:26 qiMSEcPD
いいなw

244:名無しさん@ピンキー
08/05/01 23:06:52 r0MuTjhR
ちょっと干し柿買ってくる。

245:湯泉
08/05/04 20:16:00 BefZfrC9
言い訳はすまい…ちょっと諸々の事情で二ヶ月程遅れたが投下させて頂く…!

246:You is me
08/05/04 20:18:35 BefZfrC9
 あたしは最近、いつも有頂天だった。理由は簡単。長年の初恋が……叶っちゃったからで。
 あ、だめ。自然に顔がにやけてきちゃう。あーもう、こんなことしてないであしたの服装をさっさと決めて
寝なきゃいけないのに。
 明日は休日。それで女の子がおめかしする理由は? 答えはひとつ。好きな男の子と出掛ける、つまりは
デートだ。しかも、初デート。初。はじめて。思わず脳内で明日のデートのシミュレートを始めてしまう。
 手を繋いで貰って、ちゅーもいっぱいして貰って、もたれかかったりもしちゃって、色んなとこ回って、ご飯も
雰囲気のいいとこで食べて、ちょっとぎゅーっ、てしてもらっちゃたりなんかして……それで、それで、もちろん最後は―
 最後は、その……当然……きゃー!
「へ……へくしゅ!」
 なーんてバカなことを考えてたらくしゃみをひとつ。時計を見ると既に午前一時。流石に寝なきゃ……
 よしと気合いの入っている服、アクセサリーを決め、念のために下着もお気に入りの物を選択、布団に潜った。
 明日―じゃないや、今日という日が良い日でありますように……
 そして、今のあたしはとても憂鬱だった。
「38度5分」
「うう……」
 体温計をもったゆーちゃんがやれやれという表情であたしを見た。
「デートは中止だな。養生しろ」
 それについて抗議の声をあげようとするが、力が上手く入らなかった。あたしは風邪を引いて、熱を出し、
ベッドで寝込んでいた。頭ががんがん痛む。寒気がする。咳が出る。喉も痛い。


247:You is me
08/05/04 20:20:52 BefZfrC9
 朝、起きたあたしはもうベッドから抜け出せないほどにしんどかった。時間になっても現れないのを不審に
思ったゆーちゃんに発見され―今に至る。
「ほれ、こいつでも貼っとけ」
 ぴた、と額にひんやりした感触。市販の熱冷ましシートだ。
 あ、きもちい…
「薬、飲んだか?」
 首を横に振る。
「じゃあ、今から薬と、あと色々買ってきてやるから、大人しくしてろ」
 ゆーちゃんがそう言って、ぱたんと扉が閉められた。足音が遠ざかっていって、玄関の扉が閉まる音がして、
門の閉まる音がした。
 失敗、しちゃったなぁ……あーあ。
 しんどいせいか、熱に浮かされているせいか、細かいことが脳裏に浮かんでは消える。
 その中で、あたしは昔も同じ様なことがあったのを思い出していた。
 ……いつぐらいだったか、あたしが同じ様に熱だして、同じ様にお母さんもお父さんも仕事が忙しくて、でも、
やっぱりゆーちゃんがずっと傍にいてくれて。
 あの頃くらいかな、ゆーちゃんを本当に好きになったのは。
 恋を自覚するのは今から考えると早過ぎかなぁ……でも、仕方ないよね。ゆーちゃん、凄く優しいんだもん。
女の子なら放っておかないよ。ゆーちゃんは気付いてないみたいだけど、女子の間では評判も良いんだよ? 

248:You is me
08/05/04 20:22:55 BefZfrC9
 風邪の寒気なのか、そのもしもを想像してなのか、寒気が走る。
 もし、ゆーちゃんがあたしじゃない女の子を好きになってたら―
 息が詰まるほどの恐怖感。嫌だ。そんなの嫌だ。絶対に嫌だ。胸が苦しい。
「本当に、あの日」
 勇気を出して良かった。
 心から思う。
『一日中、ゆーちゃんとちゅーしてたい』
 あの瞬間から世界がぐるりと変わった。夢みたいに。
「…-…おい」
 今がずっと続いて……
「おい、みー」
 いつの間にか寝ていてしまったみたいだった。声に気付いて目を開けると、ゆーちゃんが横に立っていた。
「飯、食えるか?」
「う、ん」
 掠れた声が喉から漏れる。
「首を振るだけでいいから大人しくしてろって」
 ゆーちゃんが苦笑しながら言った。ぽんぽんとあたしの頭を軽く叩く。
 たったそれだけで妙に気分が落ち着いてしまうあたしは本当にゆーちゃんがすきなんだな、と思う。
「すぐ作るから。あと、これ買ってきたから飲めよ」


249:You is me
08/05/04 20:26:36 BefZfrC9
 取り出されたのはスポーツドリンク。それをグラスに注いであたしによこしてくれる。ちょっとだけ体を起こして
ゆっくりとほんのり甘い液体を飲み干した。喉がカラカラだったからかとてもおいしい。
 ゆーちゃんはそんなあたしを見て、満足そうに頷いて笑って部屋を出ていった。
「あ、はは」
 思わず笑い声。あたし、結構おかしいな。ゆーちゃんの笑顔を見ただけで少し幸せな気分になれるだなんて。
 しばらくしてゆーちゃんが持ってきたのはおかゆ。具はとき卵だけ。ゆーちゃんに食べさせて貰った。具体的には
ふーふー、あーん、の繰り返し。風邪で苦しいのに顔が笑顔になってしまい、ゆーちゃんに「本当は大丈夫じゃ
ないのか?」と疑われる。だって仕方ないじゃない。その後、薬を飲んだ。「口移しで」と言ったら無言で頭を軽く叩かれた。
 小一時間くらい経過すると、薬の効果か少し気分が楽になった。すると、おもむろにゆーちゃんが袋からある物を
取り出した。
「あと、デザートな」
「あ、アイスクリーム! しかもちょっと高いやつ」
「流石にこれは自分で食べるだろ? ほれ、スプーン」
「やだ」
「……は?」
「食べさせて」
「……まぁ、いいけどさ」
 釈然としない表情のゆーちゃん。スプーンでアイスをすくって―あたしがそれを止めて言った。
「口移し」


250:You is me
08/05/04 20:27:56 BefZfrC9
「馬鹿じゃねぇのかこいつ。……あ、しまった。つい心の声が」
「バカ~?」
「いや、まぁ、うん、その、なんだ。あ、口移しで食べたいんだったな。喜んでさせて頂きますとも。わーい、うれしいなー」
 言葉の抑揚の無さが気になったけど、ちゃんとしてくれるようなのでベッドに上半身を起こしたまま、目を閉じた。
いつものように胸のざわめきが激しくなる。
 そして、ゆーちゃんの唇があたしの唇と接触した。


251:湯泉
08/05/04 20:29:37 BefZfrC9
とりあえず、今回はここまで。
続きは今日か明日か明後日には絶対に投下するのでよしなに。

自分で言っておいてメチャメチャ遅れてごめんなさい。

252:名無しさん@ピンキー
08/05/04 20:46:07 q+8IY1YY
おお、待ってたよ湯泉……!
甘いなぁ畜生! 何で俺はお持ち帰りの激辛カレーなんか食ってるのかなぁ!

253:名無しさん@ピンキー
08/05/04 20:56:31 umhDyq8D
看病イベントキタ━━(゚∀゚)━━!!!!
相変わらずラブラブな二人ですな。ニヤニヤしっぱなしですわw

254:名無しさん@ピンキー
08/05/04 21:53:00 ASBTOmW9
>>251
口移しなんかしたせいで、風邪をうつされるんですね?わかります。

255:湯泉
08/05/04 21:55:19 BefZfrC9
ちょっとだけおまけ(書いといて忘れてた)
>>247の八行目から分岐



「けほっ、ゆーちゃん、薬なら確か救急箱の中に、あるよ……」
「そうか、まぁ、でも、他にも買うものあるから出かけてくらぁ」
(中略)
「……なぁ、みー、救急箱に薬あることはあったけどさ」
「?」
「これ……座薬だぞ?」

省略されました…全てを読むにはここをクリックしてください。



流石にジャンルが違ってきそうだし、かなり好みが分かれそうなので省略させて頂きました。
実はオシリスキー(スカトロ的な意味合いではない)なんだよォォォォォごめんなさいごめんなさいごめんなs

256:名無しさん@ピンキー
08/05/04 23:02:18 3LeWSTJb
クリック出来ないぞー。訴えてやるー!

まあなんだ超GJ

257:名無しさん@ピンキー
08/05/05 11:18:07 XCLuo7oy
壊れんばかりにクリックしたのに展開されない(´・ω・`)
とはいえGoodJob

258:湯泉
08/05/05 18:01:35 k1+5QGLt
なんとかあがったぜ…他に投下する人がいなければ二分後より投下する…!

259:You is me
08/05/05 18:04:15 k1+5QGLt
 至って普通の唇の感触。それから、ゆーちゃんの冷たい舌があたしの口腔内に入ってきた。
「―っ!」
 声が出た。互いの舌のさきっちょがくるりと絡まる。ゆーちゃんの口に一回入って少し溶けたバニラアイスの味が、
口に広がる。顎がだるくなるぐらいの甘さ。口腔内に溜まったアイスと二人の唾液を音を立てて飲み込んだ。
 やがて距離が離れた。離れる時に唾液の糸があたしとゆーちゃんの間に出来た。あたしはそれがなんだか
途轍もなくいやらしい光景に感じた。
 うわ……なんか、ゆーちゃんの顔が見れない。なんだろう、何か……胸がむずがゆい。
 ごく、と息を飲む音が聞こえた。でも、それはあたしが立てた音じゃない。まさか、と思って、そのむずがゆさも
忘れて顔を上げた。目が合った瞬間、ゆーちゃんが言った。
「……まだあるけど、どうする?」
 そう、食べたアイスはまだほんのひとくちだけ。
「残すのはもったいない……よ」
 それだけで確認は終わった。アイスを含んで飛びつくように荒っぽく口付けを交わした。ゆーちゃんの背中に両手を
回して服をきつく握り締めた。全身に震えが走る。熱のせいなのかな、なんて、解ってるのにわざと勘違いして見たり。
 最初はゆーちゃんがあたしに口移しする一方だったけど、何回かしてから、ゆーちゃんがあたしにくれたアイスを
もう一度、あたしがゆーちゃんの口に送り返すような事もし始めた。
 あたし―いや、あたしとゆーちゃんっておかしいのかな……? ううん、きっとおかしいんだろうなぁ……だって、
風邪で苦しいはずなのに口のまわりをべたべたにしながらアイスの食べさせあいっこしてるなんて、どう見ても―
どうみても。

260:湯泉
08/05/05 18:04:55 k1+5QGLt
抜けてた。>>259>>250からの続きです。

261:You is me
08/05/05 18:07:08 k1+5QGLt
「ん、く、ふぅっ、はぁっ、ね、ゆーちゃん……?」
「……ん?」
「あたしね、ゆーちゃんが恋人でよかった」
「……なんで?」
「……だって、あたしもゆーちゃんも同じくらいすごいおかしいから……あたしたちはあたしたちじゃなきゃ恋なんて
出来ないと思う」
 ゆーちゃんは呆気に取られた表情をした後、笑顔であたしの頭を二回、軽く叩いた。
「……そうだな、俺はみーに染められちまったな」
「……その言い方じゃあ、あたしは最初からおかしかったみたいな言い方なんだけど」
「違うのか?」
「だ、だって、あたしは―」
 幼稚園の頃からゆーちゃんに対してひたすらにちゅーをせびっていた自分が頭に思い浮かんだ。
「あたしは……だって」
「うん?」
 あたしは思い切って言った。
「だって、ゆーちゃんがすきなんだもん……ずっとそうで、ずっとずっとああしたい、こうしたい、って思ってて、
それで今、やっと夢が叶って、こんな風になっちゃったら、もう、ガマンなんてできないよぅ……」
「……そう、なのか」
「……うん」



262:You is me
08/05/05 18:09:21 k1+5QGLt
 そして部屋に広がる微妙な空気。言ったあたしだけじゃなく、何故かゆーちゃんも恥ずかしそうにしている。
二人っきりの部屋で顔を真っ赤にした二人が横目でチラチラ見るというわけのわからない状況が展開される。
 は、はずかしーっ! 言わなきゃよかったー!
 心の中に手足をバタバタさせて悶えてる自分が描かれるくらい恥ずかしい。
「ま、まぁ、あー、そうだ。残ってるアイスを全部食べようぜ」
 照れ隠しとはっきりわかるぐらいゆーちゃんがどもりながら言う。あたしもそれは指摘しない。
「えっと……口移しで?」
「いや、もうやめとこ……普通に」
 確かに今からもう一回やると行き着くとこまでいっちゃいそうだから、普通が良さそうだった。あたしは頷いた。
 本当の事言うと……あたしはまだしたいし、やっちゃってもいいんだけど、まだ体調が悪いから仕方ないよね。
うん、仕方ない仕方ない。
 そんなことを思いながら、あたしはゆーちゃんがスプーンで差し出したアイスを頬張った。
 ……またしたいな。

 なんて馬鹿な事をやったせいか、一度ちょっと下がった熱がまた上がった。その間、ゆーちゃんはずっと傍に
いてくれた。励ましたり、冗談言ったり、手を握ってくれたり。……せびったらまたちゅーもしてくれちゃったり。
「みー……何ニヤニヤしてんだ?」
 ちょっと用で台所に降りて、戻ってきたゆーちゃんに言われた。あたしはちょっと元気になったのも手伝って、
ついいたずらの様なことを言った。
「すきな人が横にいてくれるって幸せだなー、って思ってた」
 あたしの言葉を聞いたゆーちゃんは顔を赤くして顔を手で押さえた。

263:You is me
08/05/05 18:11:23 k1+5QGLt
「―っく、な、なんでそういう事を突然言うかね、このお嬢さんは」
「えへ、ごめーん」
 舌を出しながら謝った。九割くらいは本気だけど。
「……まぁいいや。それより汗かいたろ? お湯持ってきたから体拭けよ。着替えもしといたらいい」
「―え」
 ゆーちゃんの言葉にあたしは固まった。そ、それって……?
「どうした、みー?」
「え、あ!! そ、そっか、そうだよね、ごめん!」
 あたしを不思議そうに見詰めたゆーちゃんを見て、自分の盛大な勘違いに気付いた。うわぁ、あたしってほんとに……
「……どうゆうことだよ?」
「あ、う……その……ゆ、ゆーちゃんがあたしの体を拭いてくれて、着替えさせてくれるのかな、って思っちゃった、り……」
「はぁ!? 何をどうしたらそう―」
「だ、だからごめん! 今のナシ! 忘れて!」
 うう、最近のあたしって考えがいつもこんな方向にばっかり行ってる……女の子としてどうなの、それって。
 体は自分で拭くことにした。もちろん、ゆーちゃんは外に出てもらってだ。流石に、ずっとあのむずがゆい空気に
浸っていると……汗をかいてるんだか拭いてるんだか。
 ゆっくりやっているとなんだかまた騒動が起きそうな気がしたので、さっと終わらせよう……
 ぱっぱと拭いてさっさと着替える。ショーツの一部が汗以外の液体で濡れてるのを今更確認して頭を抱えたくなりながら。
あたしって……感じやすいのかなぁ……?

264:You is me
08/05/05 18:13:31 k1+5QGLt
 それからはまた午前中と同じ。ベッドで寝ているあたしの横にゆーちゃんがずっといてくれる。あたしが寂しく
ならないように。
「ね、ゆーちゃん」
「んー?」
「なんでもなーい」
 あたしが嬉しそうに言ったのを見て、ゆーちゃんはあたしの頭を軽く叩いて言った。
「ほら、バカやってないで寝とけよ」
 ……ゆーちゃん、そんな優しい顔で言っても説得力無いよ?
「ったく。もう元気じゃないのか?」
 こつんと額が合わさった。吐息がかかってくすぐったい。なんで体温を感じるだけでこんなにドキドキするんだろう……
ゆーちゃんはそんな事に気付かず「まだちょっと熱いかな」と言っている。
 相変わらずだなぁ、と思う。だって、もしゆーちゃんがそうゆうことに敏感な人なら、もっと前にあたしたちは今みたいな
関係になってたかもしれないから。いや、それなら他の可能性もあったかもしれない。実は友達とかからゆーちゃんを
紹介して、と頼まれたのは一度や二度じゃないし、手紙とかだって……と、もうやめよう。そんな可能性はきっと
無くなった―はず。
「みー?」
「ん、え、何?」
「あー、いや、なんかみーが寂しそうに見えた気がして……勘違いかな」
 おかしいな、とゆーちゃんが頭を掻きながら言った。

265:You is me
08/05/05 18:16:53 k1+5QGLt
「……あは」
 思わず笑いが漏れた。知ってた事を再確認できて嬉しかった。
「おいおい、今度は何だ」
「ううん、ゆーちゃんってそうだったなぁ、って」
「……意味がわからん」
 そう、ゆーちゃんは鈍感かもしれない。でも、あたしが困ってるときはいつだって傍にいてくれた。いつだってあたしに
元気をくれる。いつだって、ただ、あるがままに、そこに、ゆーちゃんは。
「ね、ゆーちゃん、今日はごめんね。デート駄目になって迷惑かけちゃって」
 ゆーちゃんはその言葉を聞いて―
「あだっ」
 あたしにデコピンをしてきた。
「な、何するの~?」
「馬鹿、これが俺とみーが逆の状況だったら、みーは迷惑に思うか?」
「……思わないけど」
「こうゆう時の言う言葉は逆だろ?」
「ありがとう……」
「よろしい」
 ゆーちゃんが笑顔で頷いた。
 あたしはその笑顔を見て、この人が好きで、この人があたしを好きで―幼馴染で、本当によかったと思っていた。
 ね、ゆーちゃん、あたし、ほんとにあなたの事―だいすきだよ。

266:湯泉
08/05/05 18:18:55 k1+5QGLt
とゆうわけで終り。

次はまた投下するの凄い空くこと確定です。ごめんなさいぃぃぃ。
下手したら二ヶ月程度空きます。また覚えていていただけたら幸いです。
では、またお会いする日を心待ちにしています。


267:名無しさん@ピンキー
08/05/05 20:18:22 dQ7txHIQ
空いても良質な物語が提供できれば何も問題はないぜ。書けるだけでも羨ましい。
てなわけでGJ!

268:名無しさん@ピンキー
08/05/05 20:39:36 Z0C/GfBW
悔しくなんかないぞ、今俺は妹からもらったチョコレートを食っている……!
く、悔しくなんか……orz イイ サクヒン デス

269:名無しさん@ピンキー
08/05/06 00:48:18 MICdrO8o
羨ましくなんかないぞ、今俺は>>268を見て自分の人生を振り返って絶望している……!
う、羨ましくなんか……orz

湯泉の旦那GJ!どんなに間が空いても覚えて待ってます。

270:名無しさん@ピンキー
08/05/06 08:53:02 tEYqAYez
幼なじみほしー!

271:名無しさん@ピンキー
08/05/06 09:01:39 Z6aHjSPu
幼馴染って、なんでいないんだろうなぁ…

と、幼年時代に幼馴染成立フラグをバッキバキにへし折った俺が言ってみるorz
うわぁぁぁぁん

272:名無しさん@ピンキー
08/05/06 10:28:33 luH3Vbdy
俺はあと二ヶ月全裸で正座していないといけないのか・・・

俺の両親とあちらの母親が同じ職場で、俺の母親とあちらの父親が従兄弟で、親の職場の託児所時代から約20年
の付き合いでそこそこ顔もいい幼なじみがいるが、その約20年の間特に何にもない。
このスレ見てるとすごい損した気分になる。

273:名無しさん@ピンキー
08/05/06 13:56:49 j+5rtyY3
特に何もないだけで接点ないんじゃないんだろ?

諦めたら、そこで試合s(ry

274:名無しさん@ピンキー
08/05/06 19:24:37 EafIZolh
幼稚園、小学校、中学校(田舎なんで全部一緒)の同窓会にて

幼馴染A『ねぇ、私と付き合ったりする気ない?』

俺『へ?ずっと仲の良い姉弟みたいなもんだと思ってたからそんな気は起きないなぁwww』

幼馴染A『酷い事言うね(苦笑)んじゃ、三十路までお互い独身だったら貰ってよ』

俺『構わんが、俺25までには結婚するつもりなんで期待すんなよー』

幼馴染A『人生そんなに上手く行きますかねw?』

幼馴染フラグを余裕でブチ壊す俺

何故なら俺は幼稚園の頃から幼馴染Bの事が好きなんだぁぁぁぁぁ

ちなみに幼馴染Bは酔っ払って『〇〇君の事ずっと好きだったんだ~』とかデカい声で言ってますた
(´・ω・`)

275:名無しさん@ピンキー
08/05/06 19:28:37 V56Xjkuy
>>271>>274
リアル幼馴染なんてそんなもんだよね……


276:名無しさん@ピンキー
08/05/06 19:30:14 V56Xjkuy
間違えた。スマソ

>>271 ×

>>272 ○

277:名無しさん@ピンキー
08/05/06 20:02:13 EafIZolh
>>275
リアル幼馴染なんてそんなもんさね

いっそ幼馴染Bに告白してフラレて禁止委員になっちまおうかなぁ・・・

278:名無しさん@ピンキー
08/05/06 20:29:49 luH3Vbdy
>>274
俺も田舎だから小学校中学校同じで一学年一クラスだった。

279:名無しさん@ピンキー
08/05/06 21:23:16 EafIZolh
>>278
田舎だとそんな感じですよね

その中で幼馴染となると家が近所になるんだよなぁ

280:名無しさん@ピンキー
08/05/06 21:36:37 1abKg4Me
>>277
早く告白するんだ

281:名無しさん@ピンキー
08/05/06 22:25:40 VP222/cT
そして撲滅委員会に入会

完。

282:名無しさん@ピンキー
08/05/07 08:11:10 b8+cVm8j
>>255

さあ早くここに行くんだ
【アナルっ娘】そこ違う…でも…!(ビクッビクッ【尿道娘】
スレリンク(eroparo板)


283:名無しさん@ピンキー
08/05/07 16:13:03 pEyeij8o
俺の場合はことごとく引越しでフラグ消滅だった(´・ω・`)

284:名無しさん@ピンキー
08/05/07 19:24:31 ESe6Ivpp
そもそもフラグは有ったのかい?
と、自分の方が引っ越した俺が言ってみる

285:名無しさん@ピンキー
08/05/07 19:41:07 b1vOcNnR
団地はフラグいっぱい立つな

ドア向かいのおとなりさんが中学でかわいくなって意識しちゃってそのまま疎遠になっちまった


数年後に両親が離婚したみたいで父親残して引っ越したけど

286:名無しさん@ピンキー
08/05/07 20:25:29 p6xWL2N3
小学生のころ幼馴染と許婚フラグあった
あいての父親に相当気にいられてたみたい
当時はかけらも好きじゃなかったからフラグへし折っちゃったけど
中学生ぐらいのときその子好きになったんだよなぁ

287:名無しさん@ピンキー
08/05/07 23:12:45 b1vOcNnR
幼稚園の頃一緒に風呂入ったり、隣としか繋がらない電話設置したり、一緒に食べたビワの種植えて成長競ったりなぁ


あの頃が一番人生輝いてたかもしれん

288:名無しさん@ピンキー
08/05/07 23:48:00 UXRPDXeX
昔からずっと今でも家族ぐるみで付き合いあるけどそんな風に意識した事はないし
もう結婚してるからこれからも無いな
幼馴染というよりは姉って感じだったしなあ

289:名無しさん@ピンキー
08/05/07 23:53:45 C2H1xJZf
待て、向こうもそう思っていたとは限らないじゃないか

290:名無しさん@ピンキー
08/05/08 00:12:50 02AQ3Lcw
リアル幼馴染いる、あるいはいた人多いなあ。
いない人がわざわざ名乗り出ないだけなんだろうが。嫉妬で気が狂いそうだ。

291:名無しさん@ピンキー
08/05/08 00:48:18 MLIWJDIb
俺の幼馴染みには2才上の姉がいてな、これもまた面倒見がよくて美人で。

アニキと姉が結婚して、俺と幼馴染みが結婚するなんて言って時期があった

バレンタインももらったし・・・

10年も前の話してごめん

292:名無しさん@ピンキー
08/05/08 01:07:07 9EcMr4M8
>>290
いなかった人はその羨ましさをこのスレにぶつける
いた人はフラグ立てられなかった悔しさをこのスレにぶつける

そうやってこのスレは成り立っているのです

293:名無しさん@ピンキー
08/05/08 02:35:15 9EcMr4M8
「おい」
「なに」
「何で急に抱きついてきてんだよ」
「あんたこそなんで抱きしめ返してんのよ」
「お前俺が地震苦手なの知ってるだろ」
「あんただってあたしが怖がりなの知ってるでしょ」
「は! お前が怖がりだったらこの世は大和撫子で溢れ返るわ」
「そうね、あたしはあんたみたいなヘタレじゃないものね」
「なんだと」
「何よ」
「つーかそろそろ離れろよ」
「あんたが肩抱いてるから離れられないんでしょ」
「おめーだって思いっきり俺の服掴んでんじゃねーか」
「何よ」
「何だよ」
「……」
「……」
「そもそも何であたしの部屋にいるわけ? こんな時間に」
「お前が呼んだんだお前が。夜遅くに屋根伝って来るのも怖いんだぞ」
「やっぱりヘタレね」
「呼んどいてその言いぐさは何だ」
「じゃあ今すぐ帰ってよ」
「お前が手を離せば帰ってやる」
「じゃあ離してやんない」
「どっちなんだよ」
「はー……ヘタレなくせに鈍いとか」
「ヘタレヘタレうるせぇなしまいには怒るぞ」
「事実を言ったまでです」
「減らねぇ口だ、後悔させてやる」
「…ちょっと」
「んー?」
「痛い、暑苦しい」
「後悔させてやるっつったぜ」
「すぐ傍で喋んないでよ、息がくすぐったい」
「おめーの息だってくすぐったいぞ」
「じゃあどうすんのよ」


294:名無しさん@ピンキー
08/05/08 02:36:17 9EcMr4M8
「いいことを考えた、ひっつけば息はかからない」
「それは名案だ」
「だろ?」
「どこひっつける?」
「わざわざそれ聞きますか」
「変なものひっつけられても困るし」
「その考えはありえん」
「分かんないよ、男は狼っていうし」
「また古いな」

グラグラグラグラッ

「…!」
「やっ……」
「……」
「……」
「このまま寝るか?」
「暑いよ」
「でもお前震えてるぞ」
「寒いから」
「でもお前」
「あんただって地震怖いでしょ、苦手でしょ」
「まあ、そりゃそうだが」
「そうだが、何よ」
「一人じゃねーし」
「そこは素直に『お前がいるし』って言ってよ」
「うっせーな」
「告白もあたしからだったし」
「うっせーよ」
「昔は自分のこと僕って言ってて口調もなよなよしてたよね」
「うっせーって」
「なんでこんなの好きになったんだろう」
「それはお互い様だ」
「ひどい、泣きそう」
「とてもそんな表情には見えんが」
「もしもの時には責任とってね」
「脈絡なく語弊のある言い方しないでください」
「…ひねくれもの」
「……どっちがだ」




しまったオチがない



295:名無しさん@ピンキー
08/05/08 04:54:01 e54z3NZT
でも余震はあった。

GJ !!

296:名無しさん@ピンキー
08/05/09 00:57:59 Tix6XCZL
>>295
誰がうまいこと言えt(ry

>>294
GJ !!

297:名無しさん@ピンキー
08/05/12 07:10:50 lbcUZgj3
保守

298:名無しさん@ピンキー
08/05/14 15:00:06 DbjnYOgo


299:名無しさん@ピンキー
08/05/14 18:17:11 +kDRzoYi


300:名無しさん@ピンキー
08/05/14 20:19:17 Oym12slJ


301:名無しさん@ピンキー
08/05/15 03:29:32 FffNXXAt
唐突だが少し歳の離れた年上で女性の幼馴染を呼び捨てにしてるのが萌える。

302:名無しさん@ピンキー
08/05/16 22:48:49 rmfTUjFY
保守

303:名無しさん@ピンキー
08/05/17 22:08:27 lsmpaIyf
「なあ、一美、今度の日曜だけど……」
「一美さん、でしょ?」
「……うっせーな」
「四つも年上を呼び捨てなんて……従姉(ねえ)さん、
 隆彦をそんな子に育てた覚えは無いわっ!」
「育てられてねえから」
「おしめの交換とかしてあげたじゃない」
「覚えてるかよ、そんなこと」
「おんぶして、子守唄も歌ったげたし」
「覚えてねえって」
「お風呂にも入れてあげたのよ?」
「………………」
「……赤くならないで欲しいんだけどなー。こっちまで
 恥ずかしくなってきちゃうじゃない」
「……で、一美は今度の日曜空いてるか?」
「何事もなかったかのようにっ!? ふーんだ、一美さんって
 呼んでくれなきゃ答えないもーん」
「……四つ年上が聞いて呆れるな」
「なによー」
「大人なのは見た目だけじゃねえか。そんな性格じゃ彼氏もいねえだろ?」
「むむぅ、酷い事言われてるー。……そりゃ、確かに彼氏とかいないけどっ!」
「はぁ……ったくもぉ……」
「?? 私、隆彦が頭抱えるような事なんか言ったっけ?」
「うっせえ! ……とにかく、今度の日曜、行くぞ」
「……行くって……どこへ?」
「この前、一美言ってたろ。あのバンドのコンサート……ほれ」
「え? ええ!? 嘘、これ、チケット!?」
「責任持って付き合ってもらうぞ」
「……ど、どうやって取ったの? っていうか凄い、隆彦!」
「苦労したんだからな……ホントに」
「……けど、そんな苦労したチケット……私なんかと一緒に行くより……
 ほら、隆彦ももう年頃なんだし、彼女とかいるんでしょ? 一緒に行ったら?」
「……いねえよ、彼女なんて」
「……あ、そうなんだー。ご、ごめんね?」
「余計傷つくわっ!? ……だいたい、これは一美の為にとってきたんだから、
 例え彼女がいても……これには、お前と一緒に行くよ」
「……」
「……なんだよ」
「えへへー……何か、今、凄い嬉しいかも」
「……にやけんなよ。気持ち悪いぞ」
「にへへー」
「と・に・か・く! ……今度の日曜、ちゃんと空けとけよ、一美!」
「了解っ! ばっちり予定空けて、寂しい隆彦君に付き合ってあげますよー」
「そんな事言われたら余計寂しくなるわっ!」



                                     オチは無い。

304:名無しさん@ピンキー
08/05/17 23:57:18 jg9YVyBP
従姉がオチたわけだ

305:名無しさん@ピンキー
08/05/17 23:58:50 mcH/w/OJ
誰がうま(ry

306:名無しさん@ピンキー
08/05/18 02:42:14 jwt8lPFd
「誰がうまい棒買えと」ですね、わかります

307:名無しさん@ピンキー
08/05/18 03:29:12 ydEkWO2G
つまり隆彦の棒のことですね、わかります

308:名無しさん@ピンキー
08/05/18 11:44:20 kFWR8kjt
いや、新境地「うまい棒プレイ」ですね、わかります

309:名無しさん@ピンキー
08/05/18 17:41:16 NXZ5avwG
ふやけちゃう~


310:名無しさん@ピンキー
08/05/18 19:40:50 cm9InpvI
緊張で起たなくてふにゃふにゃですね
わかります

311:名無しさん@ピンキー
08/05/20 05:09:25 HfR86ufo
結局うまい棒使いたくないんですね、わかります

312:名無しさん@ピンキー
08/05/20 19:23:22 hk4PQ6n2
でも、結局は食べられちゃうんですね、わかります

313:名無しさん@ピンキー
08/05/20 20:35:59 uLH6vftc
ふやけさせてる途中でそのまま食べるんですね、わかります


でも、明太子味とかヒリヒリしそうだな

314:名無しさん@ピンキー
08/05/21 15:06:41 aJaZ2Elv
だがそれがい(ry

315:名無しさん@ピンキー
08/05/21 23:36:27 Eoo+kh2q
お前らのこういう所が好きだ。

316:名無しさん@ピンキー
08/05/22 00:12:48 vrdmNk3T
なんでもわかる賢者の集うスレなんですね。わかります

317:名無しさん@ピンキー
08/05/22 04:09:47 0IHCDDCK
一巻目では微妙にサブヒロインっぽいだけの立場だった幼馴染が最終刊ではメインヒロインになっていたというライトノベルをこの前読んだ
かなり予想外だった

318:名無しさん@ピンキー
08/05/22 07:54:14 ihzck3/v
>>317
暗闇にヤギを探してですね、わかります。
正直あれは先輩でもよかったと思う

319:名無しさん@ピンキー
08/05/23 13:05:42 0JzEJHNd
下がりすぎ

320:名無しさん@ピンキー
08/05/24 03:09:12 T/Bt80lj
>>317
先輩は何故か百合EDだったもんな

321:名無しさん@ピンキー
08/05/24 17:32:54 R28cGKbZ
>>320
え、それマジ?
一巻以降買ってないから買おうと思ったけどやめた

322:名無しさん@ピンキー
08/05/25 03:51:05 EbppoTTN
>>321
自ら百合に走ったんじゃなくて主人公にフラれて後輩に告白されて「それも良いのかも」って感じで
主人公が自分の一番大事な人が幼馴染だと気付いたからなんだけどね
個人的には幼馴染キャラが一番好きだったからそれもありかと思ったモンだ、ビックリしたけど
ってスレ違いになりそう

323:名無しさん@ピンキー
08/05/26 23:23:14 CLgY97p9
過疎ってる…

324:名無しさん@ピンキー
08/05/26 23:35:48 VOIZXTB6
ツンデレ幼馴染という王道を覆すような幼馴染いないかなー。
もはや新ジャンルって感じの。

325:名無しさん@ピンキー
08/05/27 00:05:27 1IWK6gXC
あの書きかけの奴を完成させて、また戻ってくるぜー!

326:名無しさん@ピンキー
08/05/27 00:53:57 /0d+FgDF
一迅社文庫のある夏のお見合いとあるいは空を泳ぐアネモイと。
が実にいいツンデレ巫女幼馴染みだった。

327:名無しさん@ピンキー
08/05/27 03:41:29 RyyBJg7q
このスレの作品だと、素直デレが多くて女の子の押しが強い作品が多い気がする
あんまツンデレの印象がない

328:名無しさん@ピンキー
08/05/27 09:34:05 XI8cT1aS
ツンデレスレが止まっている状況からして、案外ネタが続かないのかもな…
素直デレにした方が書きやすいとか

329:名無しさん@ピンキー
08/05/27 09:36:44 oxRkJNiW
ツンデレスレはツンデレスレで勝手にやるだろ

330:名無しさん@ピンキー
08/05/27 19:39:21 S4r+pd5b
じゃあ素直クール幼馴染みで

331:名無しさん@ピンキー
08/05/27 20:32:38 4fVgTJUa
いやいや無口な幼馴染で

332:名無しさん@ピンキー
08/05/27 22:07:57 LuawJHxA
なるほど、12人の幼馴染だな

333:名無しさん@ピンキー
08/05/27 23:19:12 18gRCFrF
「じゅ・・・12人の幼馴染が、3分で・・・」
こうですか、わかりません><

334:名無しさん@ピンキー
08/05/28 12:03:09 bLBd2mtb
ツンデレ、素直クール、無口娘、ヒート、世話やき、僕っ娘、ロリ風、妹的、姉的、悪友的……

あと二名は任せた。

335:名無しさん@ピンキー
08/05/28 12:46:06 XiFAahKx
電波、根暗

336:名無しさん@ピンキー
08/05/28 17:03:57 4f8sAqRW
その12人が3分で殺されるのか

337:名無しさん@ピンキー
08/05/28 17:35:00 5KFVKVSF
性的な意味でな

338:名無しさん@ピンキー
08/05/28 23:56:09 t+77rgrR
12人の幼馴染が3分で(性的に主人公を)イカすわけですよ

339:名無しさん@ピンキー
08/05/29 08:01:18 KbDZ0gKA
12人の幼馴染が3分で24人に増殖するんですよ

340:名無しさん@ピンキー
08/05/30 16:41:09 wRnyNfjP
>>338
12人がかりでも3分持つ兄の賢者っぷりにワラタ

341:名無しさん@ピンキー
08/05/30 18:01:52 fsGX5fwE
>>324
きっと良質の幼馴染み分って、即席に「ツンデレ」とかのテンプレをポンと貼り付けただけじゃ出来上がらないんじゃないかな
だからこそこのスレは幼馴染み分に恵まれてるんだと思います
いつもありがとう、書き手さん

342:名無しさん@ピンキー
08/05/31 02:23:37 RNPfG5PG
お前ら幼馴染好きでもそれぞれ好きなタイプが違うんだな
自分はちょっと気が弱いが優しい系の幼馴染が好きだな

例を挙げるとこのみとかラムネの七海とかこんにゃくの海己とか

しかしこのタイプは昔から主人公に気持ち伝えられなくて封印してるんだけど
何かのきっかけで他のメインヒロインと主人公が接近してしまいっていうケースが多いんだまたこれが

343:名無しさん@ピンキー
08/05/31 03:11:19 zsf4q2et
好みとしている幼なじみのタイプは、既にこのスレで全身全霊の力を持って書かせていただいた
素晴らしき自己満足

344:名無しさん@ピンキー
08/05/31 08:43:06 kcTZCaT+
>>343
全身全霊って一回きりじゃないと思うんだ

345:名無しさん@ピンキー
08/05/31 23:17:52 aqBqAhsP
>>343
タイプは同じでも過程が違えば複数書けるんじゃないか?

346:名無しさん@ピンキー
08/05/31 23:41:39 BcJCHdrY
つまり、みんな>>343の新作を期待しているわけだな

347:名無しさん@ピンキー
08/06/01 12:00:43 mhzBFgvg
説明ありがとうっ・・・・!

348:名無しさん@ピンキー
08/06/04 04:12:45 GX33H/Vi
世の中にはこんな奴らがホントに存在するんだな…


22 名前:名無しさん@HOME 投稿日:2006/11/20(月) 20:14:06
ウチは幼馴染み婚。
幼稚園から高校までずっと仲良しご近所さんで大学進学と同時に
お互い上京(京都と東京w)してそこで就職したから全く会わず。

26歳の時帰省してたら地元スーパーで偶然再会し、あっという間に
結婚まで進んでしまった…。
高校までは全く恋愛感情ない友達だったんだけど不思議…。
姑さんと言っても常に夕飯ご馳走になってたオバチャンだし
(しかも旦那の姉のお下がりを私は子供の時よく着てた)
旦那は小学校の時お漏らししたパンツを私の実母に
洗ってもらってる過去があるくらいなので
何も隠すような事がない…

それが楽な事も多いけどたまにめんどくさいよ

349:名無しさん@ピンキー
08/06/04 14:28:25 g/Ml3BKT
>>348
馬鹿だなぁ、そんなの本当にいる訳無いじゃないか。
それ、俺が書いたSSだぜ?






なんつて。
うらやましくなんかないやい!

350:名無しさん@ピンキー
08/06/04 17:29:26 qxtm8QOk
>>348
嫁と姑の中を心配しなくて良いってのは大きな利点だと思うんだ

351:名無しさん@ピンキー
08/06/04 22:19:11 CXz/+XX8
世の中には、サッカー選手のオーウェンとか、日本の某プロ野球選手とか、
そういう実例はあるしね。

352:名無しさん@ピンキー
08/06/04 23:02:01 Lt17p99k
>>351

>某プロ野球選手
それは日本シリーズで8回ノーノーの快投やった投手のことですか?

353:名無しさん@ピンキー
08/06/04 23:56:24 3L3Nc4o7
確かに以前このスレに貼られたのは山井のことだったが、
野球選手の場合他にも幼なじみと結婚した人はいる

354:348
08/06/05 01:43:38 y8mXS31x
同スレから抜粋

33 名前:名無しさん@HOME 投稿日:2007/02/22(木) 13:34:12
本人同士は「なんで別々に住んでいるんだろう?」と思うほど
物心つく前から互いの家を行き来していた2人が、成人と同時に
生まれ落ちた時点で両家の間で婚約成立していたと知らされる。
齢3歳で結納も済ませており、本人達も覚えていたが
「節句祝いだと思ってた」とのこと。
嫌いあってもいなかったので、そういうことなら…とそのまま結婚。
しかし感覚的には中々複雑だったらしく(※冒頭)
「初夜の感想は?」
『う~~ん、……近親○姦?』

幼馴染で結婚ではなく、結婚を前提とした幼馴染という話。



44 名前:名無しさん@HOME 投稿日:2007/05/06(日) 23:44:18
あー私、向かいの家に住んでた人と結婚したわ…
向こうが年上だったからお兄ちゃんお兄ちゃんと慕っていつも遊んでもらってた。
今思えばちょっとエロゲなシチュかも。
大人になって適齢期になった時にお互いの親の間で話がついててなんとなく…。
恋愛もそれなりにしたけど結構それで苦労してて(ダメ男好きでした)、
結婚は身元がはっきり分かってる人が良いなと思ってた時だったから。
さすがに初エチ時は少し照れました




べ、別に羨ましくなんかないんだからねっ

355:名無しさん@ピンキー
08/06/05 02:46:08 dhqVZlDt
事実は小説よりも妬ましい

356:名無しさん@ピンキー
08/06/05 03:56:57 Ld+6Usse
ダメ男好きってあたりがw

357:名無しさん@ピンキー
08/06/05 04:24:16 qR2C9dZY
>>355
なんという名言w

358:名無しさん@ピンキー
08/06/05 21:06:49 UYWeGzj/
兄夫婦は結婚式のとき、「交際期間イコール新婦の年齢」と紹介されていたな

359:名無しさん@ピンキー
08/06/07 15:01:30 efBLp0uJ
妬まし過ぎてなんか死にたくなって来た…

360:名無しさん@ピンキー
08/06/07 21:09:14 1VgnSSgG
俺の幼馴染は男三人だよ
今でも皆仲良くつき合ってる

361:名無しさん@ピンキー
08/06/08 12:43:29 jY8Qjdda
>>360のメンバー構成

>>360:ショタ
幼馴染A:筋肉バカ
幼馴染B:スポーツバカ
幼馴染C:このメンバーのリーダー的存在で比較的なんでもできる、実は>>360が好き

362:名無しさん@ピンキー
08/06/08 12:48:38 LDFujKGE
    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ

363:名無しさん@ピンキー
08/06/08 14:01:21 iVdHXzMN
>>361
なるほど。実は>>360が俺っ娘と

364:名無しさん@ピンキー
08/06/09 00:31:44 PykHPNH+
>>361
>>360は、実は女の子の幼馴染(幼馴染Cの妹)もいてその子とつきあっているんですね?
わかります。

365:名無しさん@ピンキー
08/06/09 21:09:20 yPaNrbca
んじゃあ、俺もリアルな話をするか
つい最近見合いをしたんだが、その相手がオレのおかんの友達の娘
向こうのほうが年上なんだが、どうやら俺は小さい頃、家によく遊びに行ってたらしい

オレは記憶がないが向こうは覚えているというこのシチュはどうよ?
というか、これは幼馴染の部類に入るのか?

366:名無しさん@ピンキー
08/06/09 21:55:51 1qb6o4C+
>>365
王道パターンの一つじゃね?
幼い頃の顔馴染み、と考えれば個人的には幼馴染だ。

367:名無しさん@ピンキー
08/06/09 22:35:16 WGpOCHgT
姉妹にはそれぞれ(異性の幼馴染み)いるのに
俺にはいない…
なぜだぁー!!!

368:名無しさん@ピンキー
08/06/09 22:37:58 T/mdEeZo
>>365
個人的には幼馴染に入るな

取りあえず妬ましいから歯食いしばれ

369:名無しさん@ピンキー
08/06/10 11:09:22 EZNoD1bj
自分は密かに近所の男女を観察している
娘の同級生なんだがその子たちは同じマンションに住んでいて
親同士仲がよく幼児期からいつも一緒で
幼稚園小学校の登下校も一緒だし帰宅後も一緒に遊んでたりする
似たような環境の子どもはけっこういるけど
男女で仲がいいのはその子たちくらい
まわりは男子~女子~って距離をおいてる感じ
中学生高校生くらいまで見守りたい


370:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:37:45 dqwoh0Ur
>>369
男女の溝って、結構ちっちゃい頃からあるよな。
俺も幼なじみ♀が一人いるけど、中学にあがるまでほとんど口聴いたおぼえが無い。
拾った捨て猫を一匹引き取ってからはちょっと親しくなったけど、恋愛とか正直無いわ。
お互い成人した今でも、せいぜいお菓子作ったときにお裾分けに行く程度の間柄。

371:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:54:28 9l8KhkVa
幼馴染みの定義をどんなに広げても異性の幼馴染みがいない俺涙目www

372:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:00:28 O2fbrFa1
>>371
一人ぐらい使えそうなのはいないのか

373:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:19:52 xFd3/CU+
>>372
ナニに使うんだよw?

374:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:24:15 4LjiPNY/
>>373
SSのネタじゃね?

375:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:42:50 yARAjZIb
2年前に引っ越してきたのは12戸の建て売り的な住宅地で去年うちに子供(男)が生まれた
同い年にあと男が二人
他の子供達は幼稚園以上

で、今年隣に女の子が生まれた
近所付き合いもしっかりやって末永く見守っていこうと思う

376:名無しさん@ピンキー
08/06/11 01:55:46 p1tS6YPI
>>375
隣のうちの父親と協力して、幼馴染みブリーダーになるんだ、パパ
そして将来は孫を2軒隣のうちの孫と……

377:名無しさん@ピンキー
08/06/11 14:25:41 J4p2fISB
>>376
そして12戸みんなが親戚になるわけですね、わかります。

378:名無しさん@ピンキー
08/06/12 17:20:42 rClXwXVL
なんかすげぇwww
正月の親族会とか半端なさそうwwww

379:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:29:15 AeWC7SBb
こんにちは。一ヶ月ぶりです
以下に投下します。前編です。後編はまた後日
エロありですが、今回はねっとりとは書いていません
やや逆レイプ入ってますので苦手な方はスルーして下さい

380:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:31:32 AeWC7SBb
『ある失恋話・前編』



 学校の北校舎裏で、三原正志(みはらまさし)はひとり深いため息をついた。
 時刻は五時過ぎ。元々日の当たらない場所がさらに陰の色を深めつつある。残暑の風は
半袖にも関わらず生暖かい。
 とりあえず帰ろう。正志は鞄を拾い上げると、とぼとぼと歩き出してその場を離れた。

      ◇   ◇   ◇

 生まれて初めて真剣に告白をした。
 幼稚園に通っていた頃くらいには、拙い想いを誰かに無邪気にぶつけていたかもしれない。
 しかし思春期を経て、正志にも明確な恋愛感情が芽生えた。
 初めての告白の相手は、一学年下の女の子だった。
 本が好きらしく、休み時間や放課後はよく図書館にいた。図書委員の正志はカウンター席から、
本を選ぶ彼女の姿をちょくちょく見掛けていた。
 毎日のように本を借りに来る彼女に、ある日正志は話し掛けてみた。彼女は少し驚いた
ようだったが、存外はっきりした声で返してくれた。
 少女の名前は田中亜季といった。
 二人はすぐに親しくなった。カウンター越しにする会話の中身は本に関することばかり
だったが、彼女は意外と話上手だった。
 梅雨が過ぎ、夏休み前には下の名前で呼び合う程の仲になった。その頃にはもう、正志は
亜季に完全に惚れてしまっていた。
 彼女は人からの頼み事を断らない人間だった。
 誰かの世話を焼くことが、誰かのためになることが、とても嬉しそうだった。年下なのに、
まるで『お姉さん』のようだった。
 正志にはそれが魅力的に映った。一見おとなしそうに見える彼女の内側を知って、正志は
もっと亜季に近付きたいと思った。
 そして正志は、夏休み明けに思い切って告白したのだ。
 その結果は─

381:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:36:32 AeWC7SBb
      ◇   ◇   ◇

「だめ、だったんだ」
 正志の部屋で、ポニーテールの女性が小さく呟いた。
 正志はベッドに座り込んだまま顔を伏せる。
 ノースリーブにジーンズとラフな服装をした女性は、困ったように頬をかいた。
 彼女、天川沙織(あまかわさおり)は近所に住む、正志より三つ上の女子大生だ。明るい
性格は親しみやすく、正志は小さい頃から付き合いがあった。正志にとっては姉のような
存在で、今は家庭教師も頼んでいる。
 そんな彼女に、正志はここしばらく恋愛相談をしてもらっていた。
 告白をしたのは、沙織の後押しがあったからだ。
 気持ちを伝えてよかったかどうかはわからない。ただ、後悔はともかく、気落ちしてしまうのは
仕方のないことだった。
 沙織はそんな正志に優しく声をかける。
「大丈夫だよ。すぐにまたいい子に出会えるって」
「……どうだろう」
 うつ向いたまま、正志は短く返す。
 沙織に文句を言うつもりはない。相談に乗ってもらえたことはありがたかったし、勇気を
出せたのは沙織のおかげだ。だが、今はそんな彼女にさえ、恨み言や愚痴をぶつけてしまいそうで、
できればそっとしておいてほしかった。
 しかし沙織は、そんな正志の思いなど介さないのか、止まらず話しかけてくる。
「ほら、私は正志くんの先生なんだから、勉強を教えなきゃいけないの。辛い思い出は忘れて、
勉学に励もう?」
「……」
「じゃ、じゃあ、気分転換に散歩でもして」
「沙織さん」
 正志は一声で沙織の提案を抑えた。
 うう、と唸って黙り込むのを見て、少しだけ罪悪感が湧いたが、正志は無視した。どうせ
今日はまともに会話できる気分ではない。
(ごめん、沙織さん。明日からはちゃんとする。だから今日だけは、)
 ちら、と顔を上げて様子を窺うと、沙織は落ち込んでいるのか、正志と同じようにうつ向いていた。
 罪悪感が増して、
「決めた」
「─え?」
 不意に、強い調子で言われた。
 何を、と問う前に沙織は立ち上がり、
「今日は泊まっていくから」
 と言った。
「…………え、なんで!?」
 正志にはわけがわからない。いきなり何を、
「だって今日はおじさんもおばさんも帰ってこないんでしょ?」
「そうだけど」
「なら誰か他にいた方がいいよ。一人は寂しいもの」
「……」
 むしろ一人になりたいのだが、沙織はもうその気のようである。正志ににっこり微笑むと、
「ご飯何がいい?」と訊いてきた。
「いや、別にいいよ」
「よくない! 落ち込んでるときこそ、おいしいもの食べて元気つけなきゃ」
「……確かに沙織さんの料理はおいしいけど」
「じゃあ決まり! 和風パスタとかどうかな? あ、唐揚げも好きだったよね」
「……」
 迂濶な発言だったかもしれない。実際沙織の料理はおいしいのだが、今のタイミングは
正志にとってよろしくない。
「じゃあ準備するから。正志くんはお風呂にでも入ってきて」
 うきうきと指示する沙織に、正志はうまく言い返せない。さっきの罪悪感もある。
「……うん」
 仕方なく、正志は頷いた。

382:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:39:16 AeWC7SBb
      ◇   ◇   ◇

 風呂から上がると、既に料理がテーブルに並んでいた。
 和風パスタ、大根とごぼうのサラダ、鶏肉の竜田揚げ、けんちん汁にひじきの和え物と和風
仕立てのメニューだ。パスタの上のきざみ海苔が綺麗に映える。
「和風寄りにしたくて竜田揚げにしてみましたー」と、沙織ははにかむ。
 どの料理もおいしかった。沙織は洋食の方が得意だと思っていたが、和もいけるようだ。
若干ヘルシー色が見えるのは女性特有のものだろうか。
 しかし、当の沙織は食事そっちのけでビールを飲んでいる。
「あれ? 沙織さん、お酒呑めたっけ」
「今日が初めて」
「は?」
 なんでこのタイミングで。
「なんで?」
「二十歳になったから」
「……へ?」
 沙織はテーブルの対面から正志を見るや、むっと眉を寄せた。
「正志くんは幼馴染みのお姉ちゃんの誕生日も憶えてないの? 私の誕生日はいつ?」
「…………あ」
 ここ最近ずっと亜季に告白することばかり考えていたせいか、すっかり忘れていた。
 今日は沙織の誕生日だ。
「薄情な弟だねー正志くんは。そんなにお姉ちゃんは空気?」
「ご、ごめんなさい!」
「そう思うならきちんと祝いの品を献上なさい」
 途端に慌てる。当然ながら正志はプレゼントすら用意していない。
 沙織の視線がちくちく痛い。
「あ、あの、ぼくその、うっかりしてて」
「……許します!」
「……え?」
 正志が呆けたように固まると、沙織はおかしげにくすくす笑った。
「冗談だよー。ちょっとからかっただけ。正志くんすぐ本気にするんだから」
「……」
「正志くんがいろいろ頑張ったのは知ってるし、大変だったのもわかってるもの。失恋って、
辛いよね。だから許します。特別に」
 沙織は小さくウインクしてみせた。
「……本当にごめん」
「だから本気にしないの。……意外とおいしいのね、ビールって」
 沙織は料理そっちのけで、三本目の缶ビールを開ける。
「あんまり呑み過ぎないようにね」
「大丈夫大丈夫。私のお父さんもお母さんもお酒強いもの。これくらいたいしたことないよ」
 沙織はにっこり笑ってアルミ缶を傾けた。
 正志は自省する。確かに失恋は辛いことだが、それはきちんと自分なりに向き合った結果だ。
いつまでも引きずるのはそうやって向き合った自分の行為さえ駄目にする。
 まして、沙織にまで心配かけるなんて。
 簡単に吹っ切るのは無理でも、他人に心配されない程度には気を張り直さないと。

383:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:42:59 AeWC7SBb
「沙織さん」
「ん?」
 沙織はいつもの優しい笑顔を向けてくる。
 正志はそれがなんだか嬉しい。
「今度の日曜、時間ある?」
「特に予定はないけど、どうして?」
「今日の埋め合わせ。誕生日プレゼント、沙織さんに直接選んでもらおうかな、って」
「え?」
 沙織は意表を突かれたのか、目を丸くした。
「ダメかな」
「さ、さっきのは本当に冗談だからね? 別に気にしなくても、」
「ぼくがそうしたいんだ。沙織さんが嫌なら仕方ないけど」
「……いいの?」
「うん」
 はっきり頷くと、沙織はなぜかうつ向いた。
 しばらくして再び顔を上げる。
「じゃあ、お姉ちゃんといっしょにデートしよっか」
「デート?」
「いっしょに遊ぼうってこと。映画観たり遊園地行ったり、一日私に付き合って」
「そんなのでいいの?」
「ん? 何十万もする服とか、何百万もする宝石とか正志くんに買えるの?」
「……デートでお願いします」
「うん。決まり!」
 沙織は楽しそうに笑う。
「日曜日はたっくさん楽しむからね。正志くんの慰安も兼ねてるんだから」
「慰安?」
「失恋で傷付いた心を私が癒してあげるってこと」
「べ、別にいいよぼくは」
「遠慮しないの。ナイーブな少年に失恋はダメージでかいからねー。特に正志くんは初失恋
なんだから」
「失恋失恋って何度も言わないでよ」
「あははは! まあこれでも呑んで忘れなさいっ」
「未成年にビール勧めるなー!」
 正志は三つ上の幼馴染みにペースを握られっぱなしだ。
 こうやって馬鹿話に置き換えることで、沙織はきっと正志の心を和らげようとしているのだろう。
正志はその気遣いが嬉しかった。
 少しアルコールが回ってきたのか、沙織の顔はほんのり赤い。
 お酒もあるいはそのための小道具なのかもしれない。
 かなわないな、と正志は内心で苦笑いした。
「ほら、箸が止まってるよ。それともお腹いっぱい?」
「ううん、食べるよ」
「お姉ちゃんが食べさせてあげよっか」
「遠慮しとく」
「こらー、そんなことじゃ将来恋人ができたときに慌てふためいて後悔するぞー」
「意味がわかんないよ」
 恋人か、と正志は内心でため息をつく。
 ふと思った。沙織も自分のように失恋をしたことがあるのだろうか。
(あるんだろうな……)
 対面でビールをぐいぐい呑んでいる彼女からは、そんな様子は伝わってこないが、さっき
沙織ははっきりと言っていた。
『失恋って、辛いよね』
 きっと世の中では茶飯事なのだ。正志が味わった思いも、沙織が受けただろう辛さも、
すべて些細なことにすぎない。
 それが、少しだけ寂しかった。

384:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:45:53 AeWC7SBb
      ◇   ◇   ◇

 小道具が効きすぎた。
 沙織は十本目のビールを空にすると、テーブルに突っ伏してすやすやと眠ってしまった。
 幸い料理の載った皿は既に片付けていたので、和風パスタやけんちん汁に顔面ダイブを
決めることはなかったが、このまま放っておくわけにもいかない。正志は空き缶を片付けると、
奥の和室に布団を敷いて沙織の寝床を準備した。それからダイニングに戻って、沙織を揺り
起こした。
「沙織さん起きて。こんなところで眠ったら風邪ひくよ」
「ん……キリンさん、どこ……?」
「まだ呑み足りないの? ほら、寝惚けてないで」
「キリンさん、お空飛びたいの? 首を回すの首を……ヘリコプターみたいにお空を飛ぶのー」
「いや、それ首の骨折れるから。じゃなくて沙織さん、早く起きて」
「んー……?」
 沙織が寝惚け眼を向けてくる。
「あー、正志くんだ」
「起きた? ほら、布団用意したからそっちに移ろう」
 正志が助け起こすと、沙織は嬉しそうに体をくっつけてきた。
 肩を貸して歩かせる。沙織は素直に歩いたが、どこか必要以上にもたれかかってきたため、
正志はバランスを取るのに苦労した。ビールの臭いと体の柔らかさに少し困った。
 なんとか和室まで連れてくると、正志は沙織を布団の上に横たえた。
 沙織はにこにこ笑って正志を見ている。
「正志くん」
「うん?」
「だっこー」
 そう言うと、沙織は体を起こして正志に抱きついてきた。
「うわあ!」
 正志は驚きの声を上げた。
「えへへー」
「さ、沙織さん」
 ノースリーブの薄い布地を隔てて、沙織の胸が当たる。
「正志くん大好きー」
「……」
 どう反応したらいいのやら。正志は困り果てた。

385:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:51:16 AeWC7SBb
 と思えば、今度はどこか憂いを帯びた表情で見つめてきた。
「正志くん……」
「な、何?」
 正志は少したじろぐ。
「慰めてあげる」
「え?」
 次の瞬間、正志は沙織に無理やり押し倒された。
 そして有無を言わさぬ速さで唇を奪われた。
「─」
 正志は突然の事態に目を白黒させた。
「ん……んむ……」
 沙織は喋らせないかのように唇を押し付け、さらに己の舌で正志の口内をなぶった。
 酒の臭いにどこか甘い香水の匂いが入り混じる。不思議と正志は不快に思わなかった。
 沙織はゆっくり口を離すと、小さく微笑した。
「沙織さん、どうして」
 年上の彼女は答えない。代わりにノースリーブの服を脱ぎ、ジーンズを躊躇いもなく下ろす。
 下着姿になった沙織は、さらに上のブラジャーも外した。
 形の整った真っ白な乳房が目の前に現れ、正志は思わず顔を逸らした。
「沙織さん、いくらなんでも酔いすぎだよ……」
「あは、そうかな」
「そうだよ、こんなの……沙織さんらしくない」
「私は正志くんを慰めたいだけ」
 頭がくるくると狂いそうになる。
「そんなことしなくていいから」
「……じゃあ、私を慰めて」
「……え?」
 言葉の意味がわからず、正志は沙織を見返す。
 沙織はそんな正志の右手を取ると、自分の胸に押し付けた。
「さ、沙織さん」
 初めて触った異性の胸はありえないほど柔らかく、正志は息を呑んだ。
「自慢のバスト88ぃー」
「沙織さん!」
 耐えられなくなって、正志はついに叫んだ。
 沙織はその声に驚いたようだったが、ぶんぶんと首を振った。
「失恋って、辛いんだよ……。男だけじゃ、正志くんだけじゃないんだから」
「……」
「私だって辛いの。悲しいの。耐えられないの。だから、お願い……正志くんだけなの……」
「……沙織さんも、失恋したの?」
 沙織は小さく頷く。
 正志は閉口した。
「正志くんは何もしなくていいから……私が勝手に正志くんを襲うだけ。悪いのは私」
 酔っているのか、いないのか、沙織はタガが外れているようだった。
 その分、より正直な気持ちを吐露しているように、正志には思えた。
 そんな彼女を拒絶することなど、彼には─

386:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:53:48 AeWC7SBb
 沙織は正志の股間を愛しげに撫で回す。
 すぐに反応してしまう男の性に正志は情けなく思ったが、沙織は嬉しそうだった。
 ズボンを下ろされる。慣れない手つきを見ると、沙織も経験は少ないのかもしれない。
対する正志は経験0だが。
 トランクスごと強引に下ろされた。少年のものが露になると、沙織はにっこり笑う。
「凄い……正志くんも成長してたんだね」
 沙織は手を伸ばし、肉棒を優しく握り込んだ。その刺激に正志は微かに呼気を洩らす。
「あの……ぼく、初めてで、その……」
「大丈夫……お姉ちゃんに任せて」
 沙織は性器をまじまじと見つめる。
 やがて、その先端をおもむろにくわえた。
 強烈な刺激だった。正志は腹に力を込めて、未知の快楽に耐える。
 沙織の美しい口元から延びる赤い舌が、男根をぬるりと這った。当人以外にはグロテスクに
映るだろう肉の竿を、嫌悪することもなく沙織は舐め尽くす。
 感覚的にも視覚的にも正志には刺激が強かった。こんなことをずっと続けられたら、あっと
いう間に達してしまう。
 しかし沙織は、その様子を感じ取ったのか、突然舌での愛撫をやめた。
「沙織さん……」
「じっとしてて。私がしてあげるから」
 沙織は残った下着を脱ぎ捨てると、正志のシャツを捲り、腹の上にまたがった。お尻の
感触が柔らかい。
 沙織は微笑とともに腰をずらし、秘部を肉棒に当てがう。
 そして、そのまま腰を下ろして、正志のものをずぶずぶと呑み込んだ。
「あああああぁぁぁ──っ!!」
 一際高い叫声が上がり、正志は一瞬怯んだ。
 沙織は荒い息を吐き、目に涙を浮かべていた。
 正志は唖然とした。今の反応。気持ちよくは見えなかった。むしろ苦痛にしか、
「沙織さん、まさか……」
「ご、ごめんね。さすがにちょっと痛いよ」
 沙織は涙を拭って無理やり笑ってみせた。
 経験が少ないどころじゃない。沙織は経験がなかったのだ。
 正志は知らないまま、彼女の処女を奪ったことになる。
「沙織さん、どうしてこんな」
 沙織は笑顔を浮かべたまま答えた。
「だって、正志くんを慰めたかったから」
「そんな……」


「それに─初めては、好きな人にあげたかったから」


 正志はその言葉に固まった。
 好きな人。
 それは─そんなことって。
 沙織は少しずつ腰を動かしていく。
 痛みに耐えながら、それでも懸命に刺激を送ろうとしてくる。
 正志は何も考えられない。頭が混乱している。
 正志の目の前では、年上の幼馴染みが必死に体を動かしている。
「あっ……あんっ! あっ、んん、まさ……し、くん、あっ」
 形のいい胸が喘ぎに合わせるように揺れている。
 刺激が興奮を生み、正志の脳内は快感で弾けそうになる。
 しかし心は、それとは逆に倒錯しそうだった。
 それでも限界はやってくる。前戯の寸止めがそれを早めてもいた。
「正志くん……私で、イッて。私を感じて。私を─」
「くう─」
 正志は溺れそうな快楽から理性の一部を取り戻すと、沙織の体を両手で持ち上げて、中から
己を強引に引き抜いた。
 その瞬間射精が訪れ、正志は自分の腹の上に精液を巻き散らした。
「あは、すごいね……」
 沙織は感嘆の声を洩らすと、正志の上に折り重なるように倒れ込んだ。

387:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 18:57:58 AeWC7SBb
      ◇   ◇   ◇

 正志はぼう、と天井を眺めていた。
 部屋はひたすらに無音で、ただ自身の息遣いだけが耳を打っていた。
 沙織もまた動かない。
 突っ伏したまま、微動だにしなかった。胸と胸とが重力に引かれて強く密着し、心臓の
鼓動と肺の収縮を伝え合うだけだった。
 しばらくして、耳元に小さな寝息が聞こえてきた。
 恐る恐る顔を覗くと、沙織は静かに眠っていた。さっきまでとは違う穏やかな寝顔だった。
 普段の沙織が帰ってきたように思い、ちょっとだけ安心した。
「……」
 正志は沙織が完全に眠ったのを確認すると、行為の後始末を始めた。
 力尽きるように眠ってしまった沙織の体を拭いてやり、布団をかけて姿勢よく寝かせる。
風邪をひくといけないので、不恰好ながら下着も着けてやった。
 それから正志はもう一度風呂に入った。
 腹にかかった自分の精液がべたついて、どうにも気持ち悪かったのだ。気持ちを落ち着かせる
ためにも、体を洗い流す必要があった。
 シャワーを浴び、アルコールと体液の臭いを石鹸で洗い流すと、少し冷めてしまった
ぬるま湯に身を沈める。
「……」
 さっきまでのことは悪い夢なのではないか。正志はしかし、射精後の倦怠感が確かにあるのを
自覚する。
 夢ではないのだ。
 それはつまり、沙織が洩らした言葉も現実ということで、
『初めては、好きな人にあげたかったから』
「─っ!」
 沸騰した頭を湯船に勢いよく叩きつける。ざばん、と水柱が立ち上がり、後頭部を濡らした。
 沙織の言葉が本当ならば、正志は想いを寄せていてくれた女の子に、脳天気にも恋愛相談を
持ちかけていたことになる。
 そんな愚かしいことをよくも自分はやれたものだ。知らなかったとはいえ、沙織は大いに
傷ついたはずだ。
 正志は無自覚に彼女を傷つけ、その上逆に気を遣わせてしまっていたのだ。
 どうして気付いてやれなかったのだろう。ずっと自分のことばかり考えて、周りが少しも
見えていなかった。
「馬鹿だぼくは……」
 後悔の念が胸を貫き、呼吸をするのがひどく苦しかった。
 浴室に響くのは小さな鳴咽の声。
 目から溢れる涙は一向に止まる気配を見せず、湯船に波紋を作り続けていた。

388:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY
08/06/12 19:01:03 AeWC7SBb
以上で投下終了です。今回は
終わり方がちょっと湿気多いので(風呂場的な意味で)
できるだけ早く後編を上げたいと思います

389:名無しさん@ピンキー
08/06/12 20:26:50 NONV14CK
>>388
おつつ
続き待ってるよ~

390:名無しさん@ピンキー
08/06/12 22:44:33 jT6qZZsl
>>388
GJ!!
後編期待してまっせー。

391:343
08/06/15 02:18:09 Y6FpGTqH
皆に突っ込まれて二度目のSSを書きかけだったことを思い出したんだ…
至らない出来な上に、この話投下するの前々スレ以来なので色々とごめんなさい|ω・`)ノシ


392:Memories ~Second~
08/06/15 02:20:54 Y6FpGTqH
 おお…美味い。色々他の味が気になった時もあったけど、やはり最終的にはカップヌードルは
シーフードだな。牛乳入れる人もいると聞くが、やはりカップ麺である以上お湯を注ぐべき
だろう。一回試してはみたけど、俺はこっちの方が好きだな。
 やはりこの味と比較してしまうと、チリトマト味はそこに一時的な目新しさによる興味本位的な
要素が多分に含まれてしまっていることを認めざるを得ない。なんだかんだ言って、やっぱり
原点の味が一番だな。ちなみに俺にとって醤油味はパンチに欠けるので原点じゃない。
打ちやすいど真ん中のストレートより、手を出しにくい外角低めギリギリのゾーンの方がよっぽど
重要だと、とある名将も公言してるしな。

 余韻も含めて噛み締めるようにしっかりと味わっておかないとな。ラストスパートなんて
もっての他だ、あんなことすれば折角の味わいが消し飛んでしまう。最後までペースを乱さず
しっかりと食って……うし、ご馳走様。
 空になった容器を持って一階に降り、水洗いしてから燃えないゴミ専用のゴミ箱に放り込む。
割り箸は当然燃えるゴミの方に。分別するのは基本です。今ここに柚稀がいようものなら、
「でかい図体して細かいことをいちいち~」とかそんなこと言われんだろうなぁ、プラスチックの
容器やペットボトルでも平気で燃えるゴミに出しそうだ。

 今日は、あいつは来ない。
 当然っちゃ当然だ。今頃自分の部屋で、うんうん唸りながら寝込んでるわけだし。一階に
降り、冷凍庫の中から既に買っておいた見舞い品を取り出して家を出る。一応、お見舞いは
するって約束したからな。冗談交じりではあったが。
 すぐに曲がって隣の家のインターホンを押す。
『はい』
「こんにちはー」
 応対に出たのは弟の恭一だ。ここのところ顔を合わせてなかったから、こうして話すのは
随分久しぶりな気がする。
『あ、どうも。急にどうしたんですか?』
「いや、お姉さんの容態の確認に来ただけなんだけどね」
『そんなわざわざ……、大丈夫ですよ? 部屋に閉じこもってはいますけど、全然普通ですし』
「あいつが大人しく部屋に閉じこもってる時点で、十分異常事態だよ。入ってもいい?」
『分かりました、どうぞ』
 自分の部屋から一階に降りてからここまで僅か一分強。外に出ていた時間なんて二十秒にも
満たない。どんだけ近いんだまったく。
 家に上がり込んむと、彼は玄関で出迎えてくれた。かっちりとした印象を覚える四角い
メガネに、年不相応とも言える落ち着き払った理知的な雰囲気は相変わらず健在だった。
体型も標準的で背丈も結構高い為、俺とは違った意味で実年齢よりも上に見られるそうな。
「お久しぶりです」
「久しぶり。柚稀は寝てんの?」
「ええ、まあ。父さんにも叱られて、すっかりふてくされてます」
 二階に上がりながら柚稀の様子を確認する。まあ自業自得だし理由が理由だもんな。
おじさんに叱られても仕方ないよな。
「姉さん、兼久さんが来たから通すよ」
 扉に顔を近付けノックをしてから恭一が声をかけるものの、中からの応答はない。
「別にいいんじゃないか。柚稀だし」
 どうしましょうかと言った感じで視線を向けてくる彼に小声で返す。二人の仲は至って
良好なのだが、彼は人との距離感をとても大事にする。だからたとえ相手の性格思考を
掴んでも、それを無下に扱うことは決してない。
 余談ではあるが、そのせいで柚稀は我が家の間で「小宮山さん家の末っ子」という
愛称で親しまれている。さもありなん。
「やあ柚稀、ちゃんといい子にしてたかい」
「……」
 扉を開け幾分おどけながら話しかけてみるものの、機嫌があまりよろしくないのかだんまりを
決め込まれる。

393:Memories ~Second~
08/06/15 02:22:41 Y6FpGTqH
 床の上に直接敷かれた敷き布団の上に、緑のうろこ柄の布団を頭からつま先からすっぽり
被っていて、姿はまったく見えない。なんか亀みたいだな。
「なーにふてくされてんだ」
「……」
「姉さん、わざわざ兼久さんが来てくれたのにその態度はちょっと…」
「……」
 反応がない、ただのしかばねようだ。

 顔を見せたくない理由は分かるけどな。見せたくないっていうより、見せられないって
言った方がこの場合正しいか。まったく、高校生にもなって何やってんだか。
 あ、なんか布団が蠢きだした。どうやら体勢を入れ替え、頭が俺達側にくるようにしてる
みたいだな。時々指やかかとがはみ出たりしてんのがまた笑える。顔だけ布団の中から現すと、
そこには不機嫌そうな表情が浮かんでいる。
「……笑いに来たんだろ」
「見舞いに来てやった開口一番がそれか」
 つまり、逆の立場だとこいつは俺を笑いに来るってことだ。こういう何気ない一言で
人間性って出るよね。
「へそ曲げんなよー、ちゃんと見舞いの品も買ってきたんだぞ?」
 その一言に、柚稀の顔がぴくりと反応を示す。平静を装ってるものの、俺が持ってきた
箱を気にしだしてちらちらと視線を送ってくる。
「で?」
「ん?」
「中身は?」
 徹底無視の方針は既に撤回の方向らしい。意志弱いなほんと、それでこそ柚稀だが。

「ほれ」

 持っていた取っ手つきの箱を柚稀の眼前へ持っていく。すると最初は訝しがっていた
表情が、みるみるうちに驚きの色へと変わり瞳が爛々と輝きだす。
「これ!」
「少し並んだ。噂は聞いてたけど、ほんと人気だったよ」
 最近、駅前に新しいジェラートショップができたのだが、そこが今結構な人気を集めて
たりする。味は言うまでもなく抜群なのだが、庶民派志向とはいえない店なので一つあたりの
単価もそれなりだ。その店のアイスをこうして買ってきたわけだ。くくく…いくらアイス好き
とはいえ、月の小遣い三千円の身では流石に厳しかろうて。

「満足したか?」
「おう!」
「感謝するか?」
「おう!」
 なんか餌を目の前にした犬みたいだな。見えない尻尾が左右にパタパタ振れるような錯覚を
覚える。しかし、こういうのもなかなか悪くないな……。
「喜んでもらえたようで何より」
「どういたしまして!」
「じゃ、食べるか。いただきまーす」
「ええええなんでお前が食べようとしてんだよ!」
「俺が買ってきたもんをどうしようと俺の勝手だしー。そもそもお前にやるなんて一言も
言ってないしー」
「横暴だ!」
「褒め言葉をどうもありがとう」
 なんだ元気じゃないか。一晩でバニラアイス十個も食って腹壊したとか聞いてたが、
全然大丈夫っぽいな。
「姉さんお腹の調子は大丈夫…」
「ふざっけんなあたしへの見舞い品だろ! なんでくれないんだよ!」


394:Memories ~Second~
08/06/15 02:24:50 Y6FpGTqH
 恭一の心配をよそに、大声でがんがん喚いてくる。うーん、ここまで大仰に反応して
くれたら、わざわざ並んで買ってきた甲斐もあったってもんだ。
「だってこれ抹茶味だし」
「……っ!」
「ほらこの前、お前が腹壊したら、『目の前でアイス食ってやるからな』って言ってたろ? 
ちゃんと有言実行しとかないといけないと思ってな」
「……っ! ……っ!」
 俺の言葉にがああああん、と酷くショックを受けた様子で、柚稀は涙目になって再び
布団の中に隠れてしまう。こいつが好きなのはあくまで「バニラ」のアイスだからな。
それ以外の品種には興味が持ってない。当然、それを見越した上で購入したわけだが。
「兼久さん、流石にちょっと大人気ないんじゃ…」
「心配すんなって。他はちゃんと全部バニラだ」
 見かねた恭一が口を挟んできたが、こうなることは想定の範囲内である。全部で四つ購入
して、その内訳は抹茶が一つバニラが三つである。

「聞こえたぞ!」

 うおっ、びっくりした。突然布団をめくって膝立ち状態で姿を現した柚稀に、アイスの
箱を奪われる。三度布団を被ると、中で「うひょひょひょ冷てー!」とか言ったりしてんの、
もう見てらんない。
「もらったぞ兼久! 返さないからな!」
「あー、好きにしろ」
「おう! 好きにする!」
 好きな食い物目の前にしただけで随分テンション高くなったな。本当に腹壊してたのか?
「じゃあ、ちょっとばかし味見を…」
 ってオイ、本当に今食うのかよ。流石にそれはやめといたほうが……

「姉さん駄目だろう。お腹の調子は、まだ戻ってないんだろう?」
「うっさい、お前は黙ってろ」
 今にもアイスを頬張ろうとした柚稀を、恭一が止めに入る。
「冷凍庫に入れておけばいいじゃないか。何のために寝てるのか忘れてない?」
「あたしは今食べたいんだよ。いいからほっといてくれ」

 なんだか兄弟喧嘩に発展しそうな勢いだな。ちょっとずつだけど、口論が激しくなって
きてるぞ。
「柚稀、俺も恭一の言う通りだと思うぞ。また腹壊して、布団にくるまる時間が伸びたら
元も子もないぞ」
「お前までそんなこと言うのか」
 俺が恭一の側についたことで、柚稀はしょんぼりとうなだれてしまう。いやでも、そりゃ
そうだろ。お前今の今まで横になってた理由忘れてるだろ。
「やだー! 食べたい食べたい食ーべーたーいー!」
 駄々っ子かこいつは。普段は擦れてるくせに、バニラが絡むと途端に幼児になるな。
「ワガママ言うんじゃありません。そんなこと言ってると、アイス没収しますよ」
「ふざけんなー」
 母親口調で宥めてもちっとも効果がない。くそー、どうしてやろうか。

 と、そんなこと考えてたら部屋の隅っこの方にビニールの紐が転がっているのが目に入る。
ようし、これを使って……
「恭一、俺があいつの気を引くから、その隙にアイス奪い返してくれ」
「でもすぐに取り返してきますよ。体調も良くなってきてるみたいだし」
「それは俺が何とかするから。とりあえず、奪い取ったらそのまま冷凍庫に持ってってくれ。
 ドライアイス入れてるけど、あんな風に抱え込まれてたらすぐ溶けそうだ」
「分かりました」
 小声で恭一と示し合わせると、互いにそそくさと動き始める。とりあえず、警戒した目つきで
こっちの様子伺ってくる柚稀の気を引かないとな。


395:Memories ~Second~
08/06/15 02:26:08 Y6FpGTqH
「あ、窓の外にUFOが!」
「は? 何言ってんだお前」
 当然、こんな古典的な方法じゃごまかしきれるはずもない。だがそんなことは計算のうちよ!
「ほらあそこだって! 見えないのかお前」
「今時そんな手に引っかかるわけないだろ、アホか」
 完全に呆れた様子で柚稀は毒づいてくる。そうなると当然、恭一への注意は疎かになる
わけで…

「姉さんごめん!」
「あっ! てめっ!」
 その隙を突いて恭一は、柚稀からアイスの箱を奪い返す。よくやった! 
 そのまま彼は指示してた通りに部屋から飛び出し、足早に一階に降りていく。
「待てよ!」
「待つのはお前だ」
「うあっ!?」
 立ち上がろうとした柚稀の足を綺麗に払って再び布団の上に転がすと、巻き寿司の要領で
敷き布団ごと柚稀の身体を巻き込んでいく。こんなところで日々道場習っている柔道技が
役に立つとは、分からんもんだ。
「いきなり何すんだよぉ」
「だまらっしゃい」
 巻き終えると、馬乗りして逃げられないようにがっちりと固定して、更にビニールの紐で
何重にも縛っていく。多少大袈裟になってしまったような気もするが、この際気にしない
でおこう。
「なんだよこれー、身動きとれないぞ」
「お前が言うことを聞かんからだ」
 頭と足だけはみ出した巻き寿司状態になりながらも、反抗はやめないときた。というか、
端から見るとすげーおかしいな。気を緩ませると笑ってしまいそうだ。
「あいすー! あいすー!」
  やばい、世にもおかしい妙な地球生命体が誕生してしまった。これは面白すぎる。

「ほどけってー」
「お前が反省したらな」
「何を反省するんだよ、んなこと一つも無いぞ」
「アイス食い過ぎて腹壊して、治りきってもいないうちからまた食べようとするバカが
どこにいる」
「好きなんだからしょうがない」
「勝手に納得すんな」
 ったく、屁理屈ばっかりこねやがって。相手する俺の身にもなれってんだ。
「じゃあ渡すもんも渡したし、意外とお前元気そうだし、そろそろ帰るわ」
「ざっけんな。解かないと後でヒドいぞ」
「ならあのアイスを持って帰るまでだ」
「ぐっ…卑怯者ー」
「ま、お大事に」
「覚えてろよー!」
 あー、面白かった。部屋に入った時は大人しかったけど、元気が出て良かった良かった。
見舞いをした甲斐があったってもんだな。
 布団の中から這い出せる頃には腹の痛みも治ってるだろうし、持って帰らなくても問題
ないだろ。それでまたぶり返しても俺は知らん。自分の体の責任は自分でとってもらうしか
ないもんな。

 さあて、少ししたら道場に行く時間か。近々昇段審査が迫ってるから頑張らないとなぁ。
去年段を取って黒帯貰えたけど、今年は今年で二段になっておきたいところだ。頑張るか――


396:名無しさん@ピンキー
08/06/15 02:27:21 Y6FpGTqH
とりあえず今回はこんだけで
これからはまたぽつぽつ書いていこうと思ってるんで勘弁してください(´・ω・`)


397:ジエン隊 ◆xn7VzWEhyM
08/06/15 03:54:05 qRQT4uSH
(・∀・)<結局、アジアのトップ5(日韓サウジイランオージー)は全チーム最終予選に出てきそうだな。イラン勝ちそうだし

398:名無しさん@ピンキー
08/06/16 14:33:12 0zcugMiD
>>396
GJ!

399:名無しさん@ピンキー
08/06/19 02:29:35 7rIcjJuJ
>>396 アイスで腹痛の自分にはとてもタイムリーな話でGJ

    腹痛い・・・ 

400:名無しさん@ピンキー
08/06/20 03:09:47 8l5kL+l/
幼馴染カーチャンを読んで、近年稀にみる絶望感を味わったオレが来ましたよ。
ここの甘い話しを読まないと、オレはダメになるかもしれん。

401:名無しさん@ピンキー
08/06/22 11:27:26 qURG1FAe
401

402:名無しさん@ピンキー
08/06/22 17:44:15 9QzIcGFE
どんなひどい腹痛も一回下痢出せば治る俺は勝ち組

403:名無しさん@ピンキー
08/06/23 21:11:59 iCSJEDLF
>>402
即回復することによって、幼馴染みから看護して貰えないお前は負け組

404:名無しさん@ピンキー
08/06/23 22:32:09 aKnf529L
腹痛がすぐに治らないうえに、看病してくれる幼馴染みがいない俺は・・・orz

405:241
08/06/25 01:21:02 LJqFvwnO
>>241で干し柿の話を書いた者です。
登場人物は彼らってことでお願いします。

『お見舞いの言葉』

「なんだ、お前か」
 もっと可愛い娘が見舞いに来てくれたらいいのに。
とベッドの上から生意気な言葉を投げてきたのは隣の男子中学生。
昔から隣同士で同年齢ということもあり、よく一緒に遊んで(いじめられて?)いた。
ところが、こいつときたら中学生になってからは
会話はおろか挨拶すらまともにしなくなった。
まー、半月ばかりお姉さんの私からすれば、
異性と中学生にもなって仲良くしてたら恥ずかしいっていう男の子の気持ちもわからなくはない。
でも、同じ陸上部なのだし、腐れ縁と言ってもいいくらいの仲なのだから、
もうちょっと、おしゃべりするぐらい良いじゃない。と思う。
今だって、私が一方的に話して向こうは、
「ああ」とか「へえ」とか聞いてるのかどうか疑わしい返事しかしないし。
ちなみに話題は今私のお気に入りのドラマの話。
主演の俳優さんがかっこよくてついつい見てしまう。
だけど、この馬鹿にはいかに彼が魅力的なのかを語っても理解できないらしい。
ずっと難しい顔をしている。困ったもんだ。

「ああ、そうそう。先生が、来週の日曜は記録会だから調子を整えておくように。って」
 先生からの言伝を思い出した。記録会と聞くと目の色を変えるのがいつものこいつだ。が、
「ふーん」
 せっかく人が伝えてやったのに、ぶすっとした表情で返事をしてから、
「それじゃ寝るわ」
 そう言って、ゴソゴソと布団に潜り込んでいった。
これには私も呆然とする。本気で体調が悪いのかと思ったけど、
私が語りだすまではもう元気そうだった。
ってことは、私と会話するのが嫌って事なのか!?
そう思うとなんだか今まで溜まっていたフラストレーションが一気に

「なっっっんなのよ!あんたは!?」
「へっ!?」 

 爆発した。

 突然キレた私に驚いてがばっと跳ね起きたところにずいっと近づいて、
「人が折角来たのに開口一番『なんだ、お前か』だし、可愛い娘に来て欲しかったとか言うし、
 記録会のこと教えたのに感謝の言葉もないし、私に連絡なく休むから心配したし、
 最近は朝会っても『よぉ』ってだけだし、休み時間に話そうとしたら既に友達と話してるし、
 理科で同じ班の女の子とはしゃべってるし、ようやく話したと思ったら話すことは部活のことばっかりだし、
 だいたい、学校の中じゃ、絶対、あんた私のこと避けてるわよね!?なんなのよ!?」

 言った。言ってしまった。今まで散々積もり積もった鬱憤を全部ぶちまけた気分。
スッキリしたが、あれ?私何を言ったっけ?
と自分の行動を思い出せなくなるぐらい熱くなっていた。
その後、自分が何を言ったか思い出して、かぁっと顔が赤くなるのを感じた。 
目をまん丸に見開いて吃驚している彼から、
逃げるようにカバンを引っ掴んで部屋から飛び出すまで十秒とかからなかっただろう。
『今なら自己ベストが出せそうだわ』
 彼の家から出て少し冷静になった私はそう思った。


406:241
08/06/25 01:21:58 LJqFvwnO
「あの時は訳わかんなくて驚くことしかできなかったなー」
 入院中のベッドの上で笑いながら話す夫に、
バツの悪い顔でいることしかできない。
入院と言っても盲腸の手術だからそれほど
心配しなくてもいいのかもしれないが、やはり不安は不安だ。
 それにしても、何度目の話だろうか。
夫は風邪やらなんやらで寝込むとすぐこの話をしたがる。
 いじめっこなのは小学生の時と変わらない。
「でも、まさかあの後お前が体調悪くするとは思わなかったよ」
 そうなのだ。帰ってからも私はずっとあの発言を気に病み続け、
お布団の中でも寝られなかったのだ。
その結果、熱を出し学校を休んだのだが、
「私も、まさかあなたがお見舞いに来るとは思わなかったわ」
 一番顔を会わせたくなかったのに。
小声で呟いたのだが、彼にはしっかりと聞こえていたようだ。
「はははっ、そりゃ気の毒だったな。でも俺が行ったら元気になったじゃないか」
 そう言われると何も言い返せない。事実であるし、あの時彼は言ってくれたのだ。
私が元気になる魔法のような言葉を。これ以上ないほど正確に。
今回も、きっと不安な私の心を察してこんな昔話で私をからかって、
元気付けようとしてるのだろう。
中学生のときから、いや、小学生のときから、彼は私にすごく甘いのだ。
それは今でも変わらない。だから、
「ゆっくり休んで早く良くなってね」
「当然だろう。ずっと一緒だって言ったんだから」
やっぱり、今回も言ってくれる。あの時と同じ魔法の言葉。


以上です。
お目汚し失礼しました。

407:名無しさん@ピンキー
08/06/25 03:27:25 3IE3llxw
>>406
GJ!
とてもよかったです
携帯から失礼します。おやすみなさい

408:名無しさん@ピンキー
08/06/25 03:31:19 oayKKH2E
>>406
GJ!!! 今回も過去+現在の構成なんだな。
そういう自作内でのパターンや約束事の踏襲は大好きだw

このまま二人の関係がゆっくり深まっていく様子を是非。

409:名無しさん@ピンキー
08/06/30 07:21:53 QfbWm91F
モーニング保守染み

410:名無しさん@ピンキー
08/06/30 22:37:56 qLLVDUk4
染みと幼馴染み

付いて困るのは前者、付いて有り難いのは後者

411:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:33:56 PrwHpXhx
後から付けられるのは前者、今更どうしようもないのは後者orz

412:名無しさん@ピンキー
08/07/01 03:59:23 f60PbhMq
幼なじみと再会した。
小学校の頃は1番の仲良しで、毎日遊んでた。
中学に入って俺が意識しだして、ちょっと疎遠になった。
でも先日ばったり再会して、遊ぶことになった。
手料理をごちそうになる予定wktk

…緊張と興奮で眠れないorz

413:名無しさん@ピンキー
08/07/01 05:31:37 iCBUlhQI
>>412
寝ろ

414:名無しさん@ピンキー
08/07/01 12:42:04 coEdQROM
>>412
うらやましい……
楽しんでこいよー

415:名無しさん@ピンキー
08/07/01 14:09:42 eWvv/UMf
お前だけに良いおもいさせてたまるかぁーッ!
────‐──────-── ─-
─‐──────‐────‐∧_∧
───‐∧ ∧,~ ──────‐(; ´Д`)
─-─‐( (⌒ ̄ `ヽ──_ ────‐ /    /─―/
─―──‐\  \ `ー'"´, -'⌒ヽ───‐| |  /‐─‐/ | | >>412
―‐―─‐ /∠_,ノ    _/_──‐―─―─‐| |  /─―/ | |
───‐ /( ノ ヽ、_/´  \―──‐─‐∪ ./─,イ ∪
──‐ 、( 'ノ(     く     `ヽ、 ―──―‐| /-─/|| |
──‐‐/` ―\____>\___ノ ───‐|/─/ || |
──/──―‐/__〉.──`、__>.―‐―──‐─―‐| || |
─/─‐───────―-──‐(_)_)
─/────-──────‐───

お幸せに。

416:名無しさん@ピンキー
08/07/01 16:48:02 cPaeZ3is
>>412
宗教勧誘か子ねずみ勧誘のどちらかだな。
412逃げて逃げて~

417:名無しさん@ピンキー
08/07/01 17:34:07 Xk/iqMqJ
残念既婚者でした!

418:名無しさん@ピンキー
08/07/01 18:11:05 9gw6tuXK
男同士というオチですよね分かります

419:名無しさん@ピンキー
08/07/01 20:30:49 h0JWs4ZD
>>412

壺買ったらアップしてね

420:名無しさん@ピンキー
08/07/01 21:32:33 0syJ7rDW
伸びてるなーと思って来てみたらwww

421:412
08/07/01 23:19:10 f60PbhMq
ただいま。

進展はなかったww
でも、迎えに来てくれて、帰りも送ってくれた。
あと、頭撫でられた。


…これフラグ?

422:名無しさん@ピンキー
08/07/01 23:37:21 mCF09diM
弟扱いしてるな

423:名無しさん@ピンキー
08/07/02 00:55:28 V5WsWdeX
もううんざり
そんなに私生活自慢したいのか?
VTPで安価でもしてこいよ

424:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:20:23 njaBDiXO
>>412が実は………

『第一人称が俺』というボーイッシュ少女というオチでは?

で男に料理を作って貰う代わりに、自分が料理され(ry

425:名無しさん@ピンキー
08/07/02 11:36:31 aJiOJK7s
幼馴染みスレって、某所でもそうだけど、リアル自慢したがりが沸くよね。
なんか変なオーラでも発してるのかな?

426:名無しさん@ピンキー
08/07/02 21:41:26 I9HPnE32
>>425
そりゃあ、望んでも得られないわけだし、
羨ましく思う人間も多いだろうからな。

程ほどにしておいて欲しいが、まあSSの形にして
投下してくえっるなら何の文句も無いし、
是非リアル体験者達には頑張っていただきたい。

427:名無しさん@ピンキー
08/07/02 23:53:48 0F3cAcec
むしろ某所含めリアル自慢叩きたがりが湧いてる気がする。
こっちの奴はマシだけど某所の方は自分の意見を住民の総意みたいに言ってるから腹立つ。
つまらないんだったらスルーするかSSに直して面白くしてくれよ。

428:名無しさん@ピンキー
08/07/03 00:25:24 H8m/00ls
かといってスレ違いどころか、板違いの報告行為をされても困る

429:名無しさん@ピンキー
08/07/03 00:37:21 M6xZaqTN
SSスレでそういう事されても反応に困る。

430:名無しさん@ピンキー
08/07/03 15:16:57 MBi+lP2d
ならその経験をネタにしてSS書こうぜ!

431:名無しさん@ピンキー
08/07/03 15:19:00 1OdAMkup
で、次に来るコメントは、

「ごめん、俺、文才無いんだわ」

432:名無しさん@ピンキー
08/07/03 20:38:54 8fp4wLlw
「ごめん、俺、文才無いんだわ・・・っと」
「なにしてんの?」
「おわわわわっ、な、な、な、なんだよっ!?」
「ん? なにこれ……エロパロ板……幼馴染萌え……?」
「あっ、見るなっ! 見たら駄目っ!」
「……へへー、ふーん」
「な、なんだよそのにやけ面はっ!?」
「いえいえ、べつにー」
「……どうせ、俺はこんなエロい板を独りで見て悦に入ってる
 根暗なオタクですよ……ぐすぐす……」
「あ、ちょ、泣かなくてもいいじゃん……嬉しかったのに」
「ぐすぐす……へ?」
「あんたがむっつりスケベな事くらい知ってるわ。何年の付き合いだと思ってんの」
「……酷い事を言われた気がする」
「あはは、酷い事言ってんのよ」
「ひでぶ」
「……でも、ちゃんとあんたの中身まではわかってなかったのかもね」
「……え?」
「だって、興味ないのかと思ってたもん」
「何に」
「私に」
「………………」
「お・さ・な・な・じ・み・の・わ・た・し・に」
「……べ、別に興味なんか……」
「じゃあ、それ何?」
「ぐっ……」
「……あ、やっぱり私の事書いてるじゃん」
「あ、だから読むなって!」
「もう読んじゃったー」
「………………」
「……嬉しいよ、私……だって、私、ずっと……あんたの事……」
「待った!」
「へ?」
「……先に、俺に言わせてよ。じゃなきゃ立場が無さすぎる」
「……うん」
「……ふぅ……言うぞ?」
「……うん」
「…………言うからな?」
「……うん?」
「………………言うったら言うぞ!?」
「……さっさと言えっ!」
「はいぃっ! ……えっと、だな……俺、ずっとお前の事……好きだった。
 そんで、今も……その、好きだ」
「………………」
「……なんだ?」
「私、すっごいドキドキしてる」
「お、俺だって……なんかもう、心臓止まりそう……」
「ふふふっ……。ありがとう……私も、だよ」
「………………」
「……どうしたの?」
「……ヤバイ、もう、なんか……死ぬ……」
「ちょっと大丈夫? 顔、物凄い赤いよ?」
「うぉぉぉぉぉぉ、もうだめだぁぁぁぁぁぁ! 悶え死ぬぅぅぅっぅうぅ!」
「……そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
「はずいわっ!? ……お前は恥ずかしくないのか?」
「ちょっとね……だけど、恥ずかしいついでに、お願いしてもいい?」
「なんかしおらしいお前ってぶきいたっ!? ……殴るなよなんだよ」
「……両思い記念に……キス、しよっか?」
「………………ぷしゅうぅぅぅぅぅぅぅ」
「ああっ! 潰れたっ!?」

433:名無しさん@ピンキー
08/07/03 20:40:56 8fp4wLlw
男が潰れてしまったのでここまでです。

何というか、俺文才無いとか言う人が
こういう風にいい感じになってるかと思うと、
軽く氏ねばいいのにとか思いますねはっはっは(爽

どう見ても妄想です。
本当にありがとうございました。

434:名無しさん@ピンキー
08/07/03 21:01:31 IPvT+CJx
GJ過ぎるwww

435:名無しさん@ピンキー
08/07/03 22:01:36 l7e4NlLV
ごめん、俺、幼馴染居ないんだわ

いや居るけどさ…そんなに可愛いのいねーよちくしょう(´;ω;`)

436:412
08/07/03 23:51:17 T0B01Vfd
ネタに勢いで書いた。
すまんかった。
432に感謝する。




何の刺激もない4年間だった。
女子大という女の園に通ったせいか、男性と付き合うどころか、出会うことすらなく卒業を迎える。
そして、なんとなく社会人になってしまった。

仕事から帰り、いつものようにパソコンを立ち上げた時だった。
懐かしい名前が目に飛び込んできた。
幼馴染の名前だ。

『亮』、物心ついた頃からの幼馴染だ。
小学校の頃は毎日のように遊び、姉弟のようだったらしい。
中学に上がってからはクラスも別になり、疎遠になっていった。
しかし、高校の頃、ひょんなことからまた話す機会を得る。
それはチャットという共通の趣味を持ったからだった。

『わ、久しぶり』
『あれ、あんたか。元気かい?』
『そっちこそ!』
『俺は結構元気!』
『こっちも元気だよ。』

大学に入ってからはお互いに生活が忙しくなり、出くわすことも少なくなっていた。
あまりに久しぶりで、会話は弾みに弾んだ。
お互いの近況や、小中学校の話、昔の友達の話など、会話は尽きることがなかった。

『うわぁ、4時過ぎてるwww』
『え・・・ほんとだ』
『そろそろ寝なきゃやばっw』
『明日・・・というか今日か、休みでよかったなw』
『お互いにねw』
『まったくだw』
『じゃあ、寝ようか』
『あ、待って』
『ん?なぁに?』
『今度遊びに来いよ、せっかく近いんだから』
『え、うん、じゃあ、お言葉に甘えて・・・』



437:412 その2
08/07/03 23:55:27 T0B01Vfd
数日のうちに話はまとまり、亮の家にお邪魔することになった。
彼は、この春から隣町で一人暮らしをしている。
『自炊ちゃんとできてるの?』
という私の売り言葉に、
『俺は結構料理うまいんだぞ』
という買い言葉で、料理をごちそうしてくれる約束になった。

ある日の仕事帰り、バス停まで歩く途中、1通のメールが届いた。
『今から迎えに行く。今どこ?』
慌ててメールを返すと、電話がかかってきた。

「あ、俺。すぐ近くにいるから、○○スーパーで待ち合わせよう。」

私が答えるか答えないかのうちに、電話は切れてしまった。
急いで待ち合わせ場所に向かいながら、混乱した頭で考える。
昨夜は今日の約束で緊張したのか、なかなか寝付けなかった。
おかげで、仕事中眠気をこらえるのに必死で。
具体的な待ち合わせなどしていなかったため、てっきり『勝手に来い』と言われるとばかり思っていたのに・・・。

「お、早かったな。ひさしぶり。」

遠慮がちにノックをして扉を開けると、笑顔の彼がそう言った。
息を切らして目的地にたどり着いた時、彼は既にそこにいた。
正確に言うと、車の中にいたのを、私が見つけた。
うながされるまま助手席に座り、シートベルトを締める。
2人きりなんて久しぶりすぎて、なんだか緊張する。
・・・顔が熱いのは、走ったせいだろう。

「じゃあ、我が家へ帰りますか!」

その言葉とともに、エンジンがかかった。

438:412 その3
08/07/04 00:01:39 T0B01Vfd
続けてすまん。
携帯からだとこんな細切れになるとは。
笑いどころはないから、つまらなかったらスルーで頼む。



「お、お邪魔しま~す。」
「おう。遠慮なく上がれ。」

ぎこちなく会話しているうちに、家に着いた。
想像したよりずっと近くにいたんだなぁ、と思いながら、靴を脱ぐ。
部屋にお邪魔するなんて、高校以来だ。
そして、彼について奥の部屋に入った。

「まぁ、適当に座っていいよ。パソコンもあるし。」
礼を言って、遠慮がちにパソコンの前に座る。
亮の部屋は思ったよりも広くて、思ったよりも、その、落ち着かない。
さらに奥にも他の部屋があるようだ。
ダイニングにパソコンが置いてあるし、同じ部屋にいられるだけマシだと思うことにして、起動ボタンを押した。

しばらく二人でパソコンで遊び、だんだん調子が戻ってくるのを感じた。
散々笑い合って打ち解けてきた頃、亮が切り出した。

「腹減った。飯、何食べたい?」
「え、え~と、何でも良いのだけど・・・。」

料理を作ってくれると聞いた日から、私なりにリクエストを考えてはいた。
が、結局何も思い浮かばなかったのだ。
それに、作ってくれるなら何でも美味しいだろうと思っていた。

「「う~ん・・・」」

二人して考え込んでしまい、料理に取り掛かったのは7時を回った頃だった。
下ごしらえを終え、炊飯器を覗き込むと、まだまだ炊けそうにない雰囲気だ。
肝心の御飯が炊けなくては、調理にはかかれない。
すきっ腹を我慢し、再びパソコンと向かい合った。

ようやく御飯が炊きあがり、食事にありつけた頃には、8時を過ぎていた。
空腹は最高の調味料、とはよく言ったもので、非常に美味しかった。
いや、実際彼の料理の手際は良く、本人が言うだけあって、腕もなかなか良い。
会話も弾み、楽しい夕食だった。

439:412 その4
08/07/04 00:07:09 2TwBw/v5
しかし、夕食後の片づけを済ませた私たちは、少々ぐったりしていた。
目分量で作る男の料理は、量が多かったのだ。
持参したデザートを食べるどころではなく、休憩してから、という意見で一致した。

「じゃあ、新しいゲーム見せてやるよ」
「うん!」
嬉しそうに答えた私を見た彼は、可笑しそうに笑った。
そして立ち上がると、私の横を通り、隣の部屋へと移動しようとした。
と、通りざまに何かが触れた。
彼の手が、私の頭の上にあった。

「いいこ、いいこ。」

彼はそのままくしゃくしゃと頭をなで、そして何事もなかったようにゲームの準備を始めた。

「な、な、なになに??髪ぐしゃぐしゃになったじゃないかあぁ・・・」

我に返った私は咄嗟にそう言い返し、慌てて髪をなでつける。
彼はその様子を見て、さらに笑顔を濃くした。

その後、彼がゲームをするのを横で見る私は、混乱が深まるばかりだった。
あの彼の行動を、どう解釈したら良いのか測りかねていたのだ。
幼い頃以来、久しぶりに触れた彼の手は、大きくてごつごつしていて・・・。
背なんて、とっくに抜かされている。
この人は男で、私は女だ。そんなことはわかっていたけども。
『あんたのこと、姉のように思ってた』
この間はそう言ってたのに。

そうしているうちに、夜も更けてきた。
「そろそろ帰るか?」
「あ、そうだね。遅くまでごめん。」
そう答えると、彼は笑った。
「じゃ、送るよ。また遊びに来いよ。」
そして、こともなさげに、家まで送ってくれた。

彼を見送って、お風呂の中ではたと気づいた。
そういえば、夕食のときには必ず酒を飲むと言っていたのに。
・・・私を送るため、我慢してくれたの・・・?
そう思いついてしまうと、もう収集がつかなくなった。
ヤケになって酒を飲みながら、寝てしまった。

440:412
08/07/04 00:16:03 2TwBw/v5
今回はこれで。
また書くかも。

441:名無しさん@ピンキー
08/07/04 04:42:06 LSTbBpIx
GJ!ただし 続くかもではなく続けなさい。

442:名無しさん@ピンキー
08/07/04 10:19:44 KBGCW56z
>>433
萌え死んだ

>>440
続きを書くんだ!

443:名無しさん@ピンキー
08/07/07 16:42:37 PZq2gkmS
男のヤンデレって需要ないんだろうか。
あんまりないよな。
幼なじみで男のほうがヤンデレっていう設定に萌える俺涙目。

444:名無しさん@ピンキー
08/07/07 16:43:59 dDoBKq0K
>>443
男のヤンデレはキモイだけ
つかウザイ

445:名無しさん@ピンキー
08/07/07 21:21:39 VcjVyQuN
>>443
萌える人は少ないかもしれんが、物語を盛り上げる要素にはなるかも
まあ難しい題材だと思う

446:名無しさん@ピンキー
08/07/08 02:15:38 Jd46U6uy
想像してみたが、ストーカーにしかならないな

447:名無しさん@ピンキー
08/07/08 06:58:23 OOzjyZH7
俺も過度の暴力やグロはちょっと…
男が解体されても修羅場の一言で済むのに
おにゃのこが解体されるとグロく感じる!ふしぎ!

448:名無しさん@ピンキー
08/07/08 16:38:07 qCIcTQkw
例えば幼なじみの子が自分以外の男と親しく喋ってるのを見て、その日の夜は人が変わった様にドSになる男はヤンデレ男と言うのだろうか

449:名無しさん@ピンキー
08/07/08 17:50:33 89/G+q1w
>>448
つ チラ裏

450:名無しさん@ピンキー
08/07/08 18:17:51 F46ebH2w
>>449
いや、ここはむしろ書けというべきじゃね?

451:名無しさん@ピンキー
08/07/08 23:33:00 F46ebH2w
連投になってしまった

すごーく久しぶりに投下してみる
本当なら昨日投下すべきネタだったんだけど、途中で寝落ちしてしまってたよ……
今回久しぶりに書いたから、かなり無駄が多い文になってます。よければ軽く流して下さい

昔投下したネタの続きになってしまったんで、よければまとめにある「幼なじみと四月バカ」を読んで下さいな
では投下。いけるかな……?

452:幼なじみと七夕を
08/07/08 23:35:01 F46ebH2w
今日は七夕。
天の川を隔てて生きる織姫と彦星が、年に一回出会うことができる日だという。
……天の川がどれくらいの幅かは知らないが、川くらいなら船で渡れそうな気もするんだが、どうなんだろうな。
うまく口利きしたら、船頭一人くらいは丸め込めるんじゃなかろうか。
それとも、船も漕げないくらい川の流れがすごい速いのか。……そういや雨降ったら氾濫するんだっけ。
そう考えると、本当気が長いな、あの二人は。
「まぁオレには関係ないけど」
「何だか知らないけど手を動かしなさい」
言われて、しぶしぶ視線を窓の外から手元の机に戻す。
開かれたノートの中には奇怪な数式の数々。数字は世界共通の言語とはいうが、少なくともオレには通じないぞと、恨み言の一つも言いたくなる。
思わずため息を一つ。すると目の前のこいつはそれに敏感に反応して、
「もう、今度は何がわからないの?」
と身を乗り出して聞いてくる。
「あー……、全部、かな」
素直に答えると、あきれ顔をされる。事実だから仕方ない。
「ほら、ここでは傾きが0のところが極になるんだから、微分してから値を代入して0になるところを探すのよ。わかる?」
「……えーと。極って何だっけ?」
……何だその哀れむような目は。何となく切なくなるから止めろ。こっち見んな。
今度はあっちが大きなため息。何だよ、悪かったな阿呆で。
「……あのね、極って要は山頂とか谷底みたいなもので……」
それでも、粘り強く説明してくれるこいつには、正直感謝もしてる。
天敵たる数学のテストが明日に控えているが、オレだけじゃ到底太刀打ちできないからな。

高校生のオレこと高遠 匠(たかとお たくみ)と目の前の女、木崎 優奈(きざき ゆな)に七夕なんぞは関係ない。何てったって、今はテスト週間なんだから。
そう、オレと優奈はまたしても一緒に勉強していたのだ。

453:幼なじみと七夕を
08/07/08 23:38:26 F46ebH2w
「……と。はい、範囲はここまで。ちゃんとわかった?」
「な、何とか……」
あの4月1日から3ヶ月ちょっと。
オレと優奈のクラスはやっぱり同じで、オレは何者かの作為を本気で疑ったりもした。
やはりクラス委員長となった優奈は相変わらず人気者だったが、オレの立ち位置は昨年とは少々異なっていた。
それというのも、優奈が今までより積極的にオレに関わってくるからだ。
わざわざ登校時間を合わせてきたり、昼飯にはオレを強引にグループに引き込んだり、帰りもオレを待ってみたり。
最近はこうして勉強も教えてくれたりする。本当なら委員会の用事とかで忙しいはずなのに、だ。
そのおかげで、クラスの連中に散々いじられることになるのは想像にかたくないだろう。
男子連中などはことあるごとにオレの首を絞めてくる。「うらやましいぞコンチクショー!」とか何とか。
……だがまぁ正直、この変化を悪く思ってない自分がいる。
クラスメイトは気のいい連中が多いし、自分がそんなクラスの一員として参加できることは、何だかんだで楽しいのだ。
それもこれも、やはり優奈の―
「―匠、聞いてる?」
「うぉあっ!?」
気付けば、優奈がこちらの顔を覗き込んできていた。優奈の顔が間近に迫る。
「……ちゃんと人の話は聞きなさいよね」
優奈は不機嫌そうに眉根を寄せ、こちらにきつい視線を向けている。
ちょっとこっちが前に出たら、おでこがぶつかってしまいそうだ。なぜだか、少しドキドキした。
「わかった、わかったからちょっと離れてくれ」
とりあえず優奈に提案する。距離を取らないと、よくわからないが色々まずいような気がした。
と、優奈も距離感の近さに気付いたか、ちょっと頬を赤くしつつ、さっと身を引いた。
「ま、まったく、しっかりしてよね!」
そっぽを向き、眉を吊り上げながら厳しい言葉を浴びせてくる。しかし、頬の赤さが刺々しさをなくしてしまっていた。
……つか待て、その表\情は反則だろ。こっちまで赤くなってしまうじゃないか。
しばらくそのまま沈黙が続く。気まずい間が続いたままで、優奈が立ち上がった。
「お茶、入れてきてあげる」
一言を残して、部屋から出ていった。
ちなみにここは優奈の部屋だ。昔はよくきたが、最近までは来ることも滅多になかった。
まぁ4月以降、よく勉強を教えてもらうので、再び来る回数が増えていたりするのだが。
手持ちぶさたなのでマンガの一冊でも読みたかったが、腐れ縁といえど、さすがに女の子の部屋を物色するのはまずい。
暇潰しになるものはないかと首をめぐらせ、オレはそれに初めて気付いた。


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