ちりとてちんでエロパロ 第三席at EROPARO
ちりとてちんでエロパロ 第三席 - 暇つぶし2ch50:名無しさん@ピンキー
08/03/21 14:37:55 IqhWEfSr
>49
その展開は、朝ドラじゃなくて昼ドラだろw

51:名無しさん@ピンキー
08/03/21 14:49:42 jv+D/KCh
ちりとてちんは朝ドラなのに
かなりの昼ドラテイストだよ

52:名無しさん@ピンキー
08/03/21 15:29:02 BgHveZrY
盛り上がってる時に悪いが…
今のところ続編はありません、って公式サイトでプロデューサーが書いてたぞ


53:名無しさん@ピンキー
08/03/21 19:30:13 X+qqsV7K
草々×小草若お願いします。

54:名無しさん@ピンキー
08/03/21 20:34:04 AvHDBiNi
>>48
会長がんばり杉で若狭の上で腹上死→生まれて来たのはそん時の子→遺産相続で天狗芸能の株式を大量取得→若狭とその一門ウマー
なんてどう?


55:名無しさん@ピンキー
08/03/21 21:07:46 eX/06IpI
>>45
大文字じゃなくて、全角だろ。

56:名無しさん@ピンキー
08/03/21 21:20:24 2f2DIqFV
>24
亀だけど、小草若若狭、ありがとう!
こんなエンドもありかもね。ただその後の4弟子の関係は気まずそうw

弟子時代の、四草x若狭、みたいなぁ。
今の小草若も四草も、まだ独身なんだよね。40近いのに。

57:名無しさん@ピンキー
08/03/21 23:06:22 PQErKmzc
>>46
>>47
バカじゃねーのw
続編なんかないし
若狭の妊娠エピは来週にするだろ…

ここって意外とライトユーザーが多いんだと知ってがっかりだわ

58:名無しさん@ピンキー
08/03/21 23:33:05 XGVXLWWg
↑「ちりとてちんのヘビーユーザー」を自慢してるアフォがいますねww
恥ずかしすぎるww

59:名無しさん@ピンキー
08/03/21 23:41:10 I12NvZMn
まあまあ。
そりゃ続編については今のとこ否定されてるってことで確定だけど、
ここはエロパロ板だから、若狭妊娠をネタに妄想するってことで良しかと。

「妊娠発覚する若狭に、徒然亭一同&柳眉と鼻毛は色めき立つ。
   『一 体 誰 の 子 な の か …?』
ノンキに大喜びする草々を尻目に、どうする身に覚えのありまくる一同!?
やがて十月十日。生まれてきた子供は誰の面影を宿すのか? 待て次号!」

みたいなw
…正直すんませんでした。

60:名無しさん@ピンキー
08/03/21 23:58:47 4ebKeOKU
>>52>>57
プロデュ―サーもヒロインの役者も、大分前に
「今のところ続編は無い」って断言してるしね。

niftyの来週のネタバレ写真、微笑む若狭の頭を撫でる草々の手、
若狭を嬉しそうに見上げる草々。幸せそうで嬉しくなった。

61:名無しさん@ピンキー
08/03/22 00:36:00 edBDePSO
>>59
愛妻家の草原兄さんは除かれますよね。
その代わり焦りまくる一同に鞍馬会長を含めてください。

62:名無しさん@ピンキー
08/03/22 03:37:12 scvInQhN
こんな感じ~?

(若狭と俺の子。ほんまにほんまの家族ができるんや…)
感動に打ち震える草々。
いつも家族を求め続けた自分にとってこれほどの幸せがあろうか?

(喜代美ちゃんが妊娠…もしかして俺の子やろか?)
数ヶ月前の罪深い行為を思い出す小草若。
自分を小浜まで迎えに来た喜代美と過ごしたあの日の…?

(喜代美が妊娠…あの時の…?)
バレンタインので貰った催淫剤入りのチョコを喜代美に食べさせ、
乱れ狂う喜代美をそのまま犯した記憶を呼び覚ます四草。
確か避妊はしたはず。けれど算段も、狂うことは、ある。

(若狭に子供が…私とのあの時の子やろうか…?)
「古典落語の会にまた出てくれ」との名目で若狭を呼び出した日、
真っ白いうなじに引かれるように口づけて、そのまま…。
柳眉は、苦悩する。計算は、あう。

(俺の子や。まちがいなく俺の子や。)
鼻毛、もとい尊健は確信する。
柳眉の落語会にでたんやったら、俺との創作落語の会にも出てくれ!
半ば脅すようにして頼み込んだあの日。
「創作落語のほかにも色々教えたる!」と、無理やり関係を迫ったあの日の?

(そうか、若狭に子ができたか)
常置小屋を建てたいと、一途に願い出る若狭にそっと耳打ちした。
「そんなに助けてほしいんやったら、出すもん出さんかい。なぁ若狭?」
苦痛に耐える若狭の顔を思い出す鞍馬会長。


前スレからいろいろ設定拝借。ご容赦!

63:名無しさん@ピンキー
08/03/22 04:19:16 scvInQhN
あー小草若の「数ヶ月前」は時系列あわんね。訂正。
あれって5月5日だから、四草のチョコレートもいつまで保存しとったねん!てことにw
やっぱりテキトーなこと書くもんじゃないですねぇ。

ついでだから忘れてた小草々の分。

(おかみさんが妊娠…もしかして)
師匠とおかみさんの連夜の営みに疲れ果て、昼間はぼーっとしがちになった小草々。
だんだん夢遊病の兆候が現れてきたことを指摘される今日この頃。
(おかみさんを無理に犯したん夢や思うとったけど、実はほんまやったんやないやろか?)
おかみさんは普段どおりに接してくれとるけど、なぜかふとした弾みに固い表情を見せる。
あまりに生々しすぎる手触り、快楽の記憶。あれは。
(夢や、ない…)


なんつってw

64:名無しさん@ピンキー
08/03/22 05:51:53 lF/bu9sw
ソースもないのに続編とか言い出すのもハァ?だけど
>>28みたいな事を得意気に書く人間もいるからな…

65:名無しさん@ピンキー
08/03/22 08:04:23 edBDePSO
>>63
いい、時系列合わなかろうが細かい事はいい。
自分も大体そんな感じの妄想したからw

66:名無しさん@ピンキー
08/03/22 08:31:59 tkA+CsaA
>>63
前スレでバレンタイン四草×若狭書いたものですが…
ちょwおまwwそれなんて昼ドラwww
素敵に設定いかしてくれてありがとう!


四草×内弟子修行中の若狭書きたいんだけど、今更需要あるのかな?

67:名無しさん@ピンキー
08/03/22 08:39:10 AG0evxNb
エロパロで妄想する分にはいいけど本編の方で本当に若狭が妊娠したら
草々と若狭ったらやっぱり…って感じでなんか生々しくてヤダw

68:名無しさん@ピンキー
08/03/22 08:47:58 q/2mvBPk
>>66
4x若狭 ぜひ。平米師匠も絡めて欲しすw

>>63
妄想GJ! 
小草々、夢遊病ですか。可哀想だけど、子供が産まれたら、
お世話係としても活躍しそうだね。子供に実は自分がパパだと吹き込んだりしてw


69:名無しさん@ピンキー
08/03/22 09:02:46 iA/RY0DP
>>66
待ってます
エロいのよろしく

70:名無しさん@ピンキー
08/03/22 11:08:38 wgPCP1TT
>>66
誘い受け自重

71:名無しさん@ピンキー
08/03/22 11:33:35 tkA+CsaA
誘い受でスイマセン^^^^

四草×内弟子修行中の若狭(→草々)、書き上げてしまったので投稿します。
携帯厨なので無駄に長い+あんまりエロくない気がしますがご了承下さい。
そして四草兄さんの若狭を誘い出す手口が前スレバレンタインと同じ…orz



72:四草×内弟子修行中の若狭 叶わぬ恋 その1
08/03/22 11:35:03 tkA+CsaA
今日はお昼から四草兄さんに稽古をつけてもらった。
しぶしぶだけどしっかり教えてもらえたのでなんとか覚えられた。
兄さんが帰ったあと、庭掃除をしながら噺を何度も反復していたら電話が鳴る音がした。

「はい徒然亭です」
『居間に財布忘れた』
「し、四草兄さん?」
『ついでにバナナ買ってこい』
「あ、あの、ちょ…」

一方的に電話を切られた。

「これも修行の内…なんかなあ」
「そぉやぞ」
「し、師匠!」
「まあ気ぃつけてな、色々」
「はぁ…」

仕方なく私は兄さんの家まで財布(と平兵衛の餌であろうバナナ)を届ける事にした。


73:四草×内弟子修行中の若狭 叶わぬ恋 その2
08/03/22 11:37:58 tkA+CsaA
***

「…で、はいこれ財布とバナナです」
「まあ座れ、茶ぁぐらい淹れたる」
「あ、私手伝います」
「マアスワレワカサ!スワレワカサ!」
「平兵衛~!久しぶりやねぇ」

四草兄さんと並んでキッチンに立つ(…と言っても私は見てるだけ)。
兄さんの手はすごく綺麗で、男なのに一つ一つの動作が色っぽい。

「兄さんって色っぽいですねぇ」
「……は?」
「女の私よりもなんや色っぽぉて羨ましいです」

すると兄さんはにやりと笑って私の耳元に顔を近付けた。

「そらな…処女に色気も糞もあらへんやろ」
「っ……!?」
「なんなら俺がお前の色気、引き出したろか」
「え!?ちょっと兄さ…っわあ!」

何がなんだか分からないうちにフローリングに押し倒されて、手をタオルで縛られた。
兄さんは私に跨がって、冷たい目で私を見下ろしている。
その目が何だかとても怖くて仕方がなかった。

74:四草×内弟子修行中の若狭 叶わぬ恋 その3
08/03/22 11:39:10 tkA+CsaA
「に、兄さん何のつもりですか!やめて下さい!!」
「だまれ」
「ダマレワカサ!ダマレワカサ!」
「いや!怖い…怖い!」
「だまれ」

トレーナーを胸までぐいと捲りあげられて、冷たい空気に肌が粟立つ。
経験はなくともこの先されるであろう行為はなんとなく分かっていて、頭の中が恐怖と戸惑いでいっぱいになった。

「胸はデカいな」
「い、や…」
「白いブラか…まあアリやな」
「兄さん…いや…!」

兄さんの整った鼻が臍から胸の方へ肌を滑ってくる。
そして左胸をペロリと舐めて、ブラの上から甘噛みされた。
右胸は痛いぐらいに揉みしだかれている。
体の震えが止まらない。

「いややあ…こんなん、ホンマにいや…」
「……」
「兄さん…助けて草々兄さん…」

草々兄さんの名を出した瞬間、今まで薄ら笑いを浮かべていた四草兄さんの顔が一瞬で凍り付いた。
そしてみるみるうちに怒りの表情に変わっていく。

75:四草×内弟子修行中の若狭 叶わぬ恋 その4
08/03/22 11:41:44 tkA+CsaA
「…そんなに好きか!?草々兄さんが!!」
「ひ…!」
「あんな落語だけの恐竜頭のどこがええねん!
あんな女も博打もしらんようなやつおもろないやろが!!」
「に、いさ…ん?」
「黙れブス!」

そのまま頬をはたかれて、身体を目茶苦茶にまさぐられた。
ショーツの中に兄さんの綺麗な手が入ってきて、自分でも触ったことのないような場所に指を挿れられる。

「い…った、ァ!」
「黙れ!お前なんか…!」
「痛い…!いや!痛い兄さん!!」

激しく指を抜き差しされて、ビリビリ身体が痺れた。
初めては痛いって聞いてたけど、これはちょっと痛すぎる。
私の目からはボロボロ涙が溢れてて、ぼやける視界の中に草々兄さんの笑顔が浮かぶ。そして同時に師匠の「色恋は禁止やで」という声が聞こえてきた。
所詮、叶わない子供の恋だったんだ。
そこからは殆ど放心状態でされるがままになっていた私に気付いた四草兄さんがすっと立ち上がった。
そしてシンクから何かを持ってきて、再び私の上に跨がる。

76:四草×内弟子修行中の若狭 叶わぬ恋 その5
08/03/22 11:43:08 tkA+CsaA
「子供出来たらかなんからな…これ挿れたるわ」
「……?」
「ま、意味分からんでえぇ」

そのまま下腹部を、兄さんの指とは比べ物にならない圧迫感が襲った。
痛くて痛くて思わず身体がのけ反る。
メリメリという音が聞こえてくるようだ。

「い……った…ぁ…い!」
「うまそうに咥えこむなあ」
「なに…?いた、い痛い…!」
「バナナ、そんな美味いか喜代美」
「…!」

考えられない。
私の下腹部にはバナナが挿さっていて、兄さんの手で抜き差しされている。
グチャグチャといやらしい音と平兵衛の羽の音が小さな部屋に響いている。
兄さんは、訳が分からなくて泣きじゃくる私の額にキスをして、何故かとても傷ついた顔をしていた。

「い…いやァ……あ、あぁ、い…ンああ!」
「お前なんか…死んでしまえばえぇのに…」
「あっ、あん…ぁ!兄さ…し、ぃそ…兄さん…っあ」
「死んでまえ、お前なんか」
「ひ…あァっ!」

それきり私は意識を手放した。


77:四草×内弟子修行中の若狭 叶わぬ恋 その6
08/03/22 11:43:47 tkA+CsaA
そして目が覚めたら草若邸の内弟子部屋にいた。
身体は痛みがあるものの、汗などは綺麗に拭かれていた。
おぼつかない足取りで立ち上がり壁に耳を当てると草々兄さんの寝息が聞こえて、涙が溢れてきた。

「兄さん…っ」

(もう私は、後戻りが出来ないんだ)




78:名無しさん@ピンキー
08/03/22 11:47:22 tkA+CsaA
以上です。
思ったより長くなかったかな?
そして平兵衛がちょっとうっとおしい感じにw

欲望のまま書き進めたら、四草がただの変態レイプ犯にorz
読んでくださった方、ありがとうございました~

79:名無しさん@ピンキー
08/03/22 14:06:30 edBDePSO
若狭もまた動揺していた。

結婚して10年。
新婚当時こそ経済的な事情もあって避妊はしていたけど、
何とか生活も安定してきて、何時の頃からか子供を望んでいた。
だけど今まで何の兆候も無かったのだ。
それがどうして今・・・・・・?
そう思うと、妊娠の喜びに翳りが差す。
草々と自分が待ち望んだ、血を分けた家族なのだ。そう、そのはず。
そうでなくてはいけないのに・・・・。

処置してしまおうか、でも自分の胎内で新しい命は成長していく。
そして夫の本当に嬉しそうな表情を見ていると、そんな事は出来ないと思う。
幸か不幸か、夫の恐竜頭では自分の不貞なぞ思いもよらないだろう。
例え遺伝上の父親が誰であれ、自分の子供なのだ。
大丈夫、某野球選手の都市伝説みたいに、
肌の色が違う子供が生まれる事は無いだろう・・・・


>>63さんから妄想してみましたw


80:名無しさん@ピンキー
08/03/22 14:42:04 1/7aRnZf
>>79 ちょww
もし若狭が黒い子を産んだら
伝説になるやろ

81:名無しさん@ピンキー
08/03/22 22:44:29 scvInQhN
>>78
GJ!久しぶりの四×若狭ktkr
四草、やってることはほんまメチャクチャwながら、ちょっとしんみりした。
前スレの名作『アンバランスなkissをして』でも思ったけど、
やっぱ途中で自分以外の男の名前出されるのはキツいよなぁ…
感情表現下手な四草だけに、キレるとこうなっちゃうのか。あなおそろしやw

>>79
GJ! 63の妄想ネタからナイスな若狭心情編妄想して頂けてなんか嬉しい。
某野球選手の都市伝説ワロタ!確かに日本男子ばかりなんでそれはないw
ていうか、この話の展開だと草々兄さん男性不妊症設定?
しかも夫の恐竜頭って…ひでえよ若狭w

82:名無しさん@ピンキー
08/03/23 00:05:46 VNHthp7l
>>81
>ていうか、この話の展開だと草々兄さん男性不妊症設定?

ドラマ板本スレで、若狭が迎えに来た廃屋で高熱を出した際
種無しになった説があったww

いや、別にどちらに原因がある不妊と言うわけでなくても
たまたま出来なかったという事もあるわけで。

83:名無しさん@ピンキー
08/03/23 01:12:10 Fy7PMYzW
>>81
入れる所を間違えてるか、コウノトリ説orキャベツ説を未だに信じてる可能性も有りそうな気が…

84:名無しさん@ピンキー
08/03/23 02:34:02 UIwaaEIh
回数を重ねすぎると出来ない説も

85:名無しさん@ピンキー
08/03/23 05:35:31 UbvGAw7B
マジレスすると、健康な男女がタイミングよく合体しても、受精する確率は20~30%と言われてる。
また妊娠成立しても15~20%は流産。
現実なんてそんなもの。

86:名無しさん@ピンキー
08/03/23 10:13:12 UIwaaEIh
純粋に排卵日とかに無頓着なだけな気がしてきた

87:名無しさん@ピンキー
08/03/23 10:22:49 ZX9zr03j
「人間て哺乳類やろ?排卵なんかあるかいな!」
「エエッ、恐竜って卵で産まれるんですか?」

88:名無しさん@ピンキー
08/03/23 15:23:00 vvfcLliR
「若狭、楽しみやな。早よ生まれてこんかな・・・・・卵!」
「草々兄さん、卵が生まれたら、私、頑張って温めますさけ。」
「無理すなよ。卵が孵るまで家のことは俺もやる。」
「なんか俺、あの二人から卵生まれてきそうな気ぃしてきたわ。」
「卵が生まれるかどうか、賭けますか?」
「生まれるか、アホ!」

89:名無しさん@ピンキー
08/03/23 21:22:48 Fy7PMYzW
>>88
師匠…地獄から帰って来て、恐竜夫妻に性教育の稽古つけてやって下さい。

90:名無しさん@ピンキー
08/03/23 21:28:58 Zzb9cXXi
>>88
なんだか目に見えるようです

91:名無しさん@ピンキー
08/03/23 22:02:07 0Y3D+EDN
青木夫妻の仁義なき離婚戦争

92:名無しさん@ピンキー
08/03/23 22:03:12 JIsGWFdc
失礼。

93:名無しさん@ピンキー
08/03/24 00:20:17 gs4ImrCI
四×若狭内弟子時代、いいなあやっぱり好きだ。
ということで一気書きしてしまいました。
長めエロなし。ほんますんません。
そんなんで良かったら読んだって下さい。

94:「世界はそれを恋と呼ぶんだぜ」 1
08/03/24 00:22:57 gs4ImrCI
女は勝手に寄ってくるもの。
つまり自分は、邪魔になった女を追い払うだけでよかった。
「もう用はあらへん。帰れ」
「カエレブス」
平兵衛とのこの連携で、大抵の女は泣きながら退散する。
多少粘っても、冷たく一瞥くれて部屋からたたき出せばそれで終わり。
女など、一時だけ体があればそれで上等。あいつらの心など必要ない。

…そのはずだった。
勝手が違う。
どう考えても勝手が違う。
田舎くさい子供じみた妹弟子を思い出して、四草は不機嫌になる。
アホで鈍うてどん臭うて色気ゼロで、不器用なことこの上なく。
すぐ落ち込むくよくよ陰気な子で、その上妄想癖まであるときた。
そのうえあいつは…草々兄さんを好いとる。

草々兄さんはといえば、あいつのことなんぞ気にかけとる気配もなく、
あいつと同姓同名のまあまあええ女にすっかり入れこんどる。
そやのにあいつときたら、草々兄さんに怒鳴られても睨まれても、
草々兄さんの背中ををいっちょまえに切なげな目で追いかけとる。
あんまりにも冷たくあしらわれとるから、「泣くな、喜代美」と肩に手をおいたが、
例外なくころりと女が落ちるはずの手管が、この鈍い子供にはまったく使えん。
「へ?呼び捨て?」とそんなところにだけ反応しよった。
自分達を徒然亭に必死で呼び戻したんも、草々兄さんのためやときた。
自分にとっては奇跡が起きたような天恵だったが、そうと聞いてはなぜか面白くなかった。

つまりこの自分が、生まれて初めて女のために心を砕いている。
そのことが四草を限りなく不機嫌にさせていた。

……算段、しまひょか?

算段の四草モード発動。

片付けをしとるあいつの後ろから声をかける。
「…おい」
「うっひゃぁぁ!、、、って四草兄さんやないですか。もう!おどかさんといて下さい!」
「…お前、ほんま色気無いな。なんやその絶叫」
「いいいいい色気なんてええんですっ!ほっといてください!それより四草兄さん、何の用ですか?」
「…そんなんやから、草々兄さんとられてまうんやぞ。」
途端、喜代美の顔がすうっと曇る。
「そんなん、最初から草々兄さんは私のことなんて全然好いとりならんし、それに、内弟子修行中やから…」
「お前に致命的に足らんのは、色気や」
あっけに取られたような喜代美に、さらに畳み掛ける。
「色気、あったら大抵の男は落ちる」
ぱくぱくと金魚のように口を動かす喜代美。声でてへんぞ。ほんま色気皆無やな。
「それさえあったら、お前もあの子から草々兄さん取り戻すことかて出来るかもしれんな。まあ俺には関係ないけど」
喜代美の表情が、すうっと迷うように揺れる。
そして、とどめの一押し。
「色気、ほしいんやったら、俺がなんとかしたろか?」

95:「世界はそれを恋と呼ぶんだぜ」 2
08/03/24 00:25:09 gs4ImrCI
四草兄さんの言葉に釣られるまま、四草兄さんの部屋へ来てしまった。
草々兄さんの気持ちをA子から取り戻せるかもしれんって恋愛マスターの四草兄さんに聞かされたら、
思わず心が動いてしまったけど。
辺りを見回す。飾り気ひとつ無い質素な部屋。紛れもないおとこのひとの部屋。
気づいて、改めてドキドキしてしまう。よかったんやろか、こんな所来て…?
「なに緊張しとるねん」
私の気持ちを見透かすように四草兄さんが薄く笑う。
慌てて立ち上がった弾みで、机の上に置いてあったマグカップを手で払い落としてしまう。
「何やっとるねん…ほんま鈍くさいな」
「ドンクサイ」
ばたばたと羽音がして、九官鳥の平兵衛が繰り返す。なんだか微妙に落ち込んでしまう…。
「さて…。何から始めるかな?」
唇の端を吊り上げて、にいっと四草兄さんが笑う。な、なんやいやな予感…。
「まずはあれや。そのいっつも色気のうくくっとる髪。ほどけ」
「は?」
聞き返す間もなく、四草兄さんの手がすうっと伸びて、髪をくくったゴムを引き抜いた。
「そう。それでこの髪をちょっと顔にかけて、、ちょっと唇にかかるくらいに」
ぼんやりしてる間に四草兄さんの手はてきぱきと動いて、髪に触れ整えていく。
間近に見る四草兄さんの顔は、まつげが長くて、すがめた眼差しが…色っぽかった。
「…何をぼやっとしとるねん。で、ちょっと上向いて唇を開いて…鏡見てみ」
言われるままに差し出された鏡を見ると、なんや普段と違う自分の顔。
なんや、キスをねだって誘っとるみたい…。
「…まあまあやな。」
いつの間にか後ろに回ってきていた四草兄さんが、私の肩越しに鏡を覗き込む。
ふわりとグリーン系の香りと、あと何かが混じった香り。四草兄さんの、におい…。
四草兄さんの息が首筋にかかって、ぞくりとしてしまう。
「あとは目やな。うるませろ」
「はあ?そんなん潤ませようおもて潤むもんやないやないですか」
「簡単や。切ないこと考えたらええ。」
切ないこと…、、
草々兄さんがA子に見せるはにかむような笑顔。A子だけを追う眼差し。
A子を抱きしめる、草々兄さんの後姿…。
「…ちょっとはうるんだやないか」
鏡を見ると、しっとりと濡れた目。


96:「世界はそれを恋と呼ぶんだぜ」 3
08/03/24 00:26:05 gs4ImrCI
「…お前、何考えた?」
凍てつくような冷たい声に振り返る。
さっきと同じ無表情なのに、なぜか四草兄さんの感情が凍てついているのがわかる。
「し、四草にいさん…?」
「答えろ。草々兄さんのことか?」
ぐい、と二の腕をつかまれる。大きな手。抗えないほど強い力。
「い、痛い!四草兄さん!」
「答えろ」
「そ、そんなんやないです!今までのつらかったこと思い出しただけです!」
気がついたらそう答えていた。怖かった。男の人の手。男の人の力。
急に四草兄さんが男の人やっていうことが、身に迫って感じられて。
「へぇ…」
つかまれていた腕が解放される。相変わらず四草兄さんの雰囲気はどこか怖いままだったけれど。
「まあええ。表情はそんなもんや。あとは、体やな」
「はあっ!?」
私の困惑もどこ吹く風の淡々とした声で、四草兄さんは続ける。
「お前、そのだぼっとした服なんとかならんのか?」
「何とかて…そんなこと言われても、ずっとこんなんやし…」
言いながら、自分の服を見下ろす。ゆったりとしたジーンズにパーカー型トレーナー。
内弟子中の雑用をこなすには、やっぱり動きやすい格好が一番やし…
「脱げ」
「はあぁぁぁっ!?」
耳を疑う。ぬげ、って、、えええええええ!!?
「どうせトレーナーの下、何か着とるやろ?」
「それは…Tシャツ、着てますけど。でも…」
「それやったら夏や思うたらええだけや。トレーナーやったら全体の雰囲気がわからん。色気の算段のしようがないやないか」
それは、、確かに夏や思うたら普通の格好やけど、でも、、なぜか無性に恥ずかしい気がした。
「まあお前が別に草々兄さんと今のままでええ言うんやったら、俺は全然かまへんけどな」
ちくり、と心が痛む。草々兄さんとA子が抱き合っている姿が目の裏に浮かぶ。
えいやっとトレーナーを脱ぐ。ひやっとした冷気に、思わず体がすくむ。
えりぐりの大きく開いた、体にそった薄いTシャツ一枚になった私を、四草兄さんが冷たい眼差しで検分するように見ている。
自分がマネキンにでもなったかのような感覚。見られているという恥ずかしさで、いたたまれないような気持ちでいっぱいになる。


97:「世界はそれを恋と呼ぶんだぜ」 4
08/03/24 00:27:49 gs4ImrCI
「…けっこう胸あるな。色気だそ思うたら、乳放り出すくらいの気持ちで生かせ。」
淡々とした四草兄さんの口調は変わらない。けれど内容は完全にセクハラで。
「っ!!!四草兄さん!なんちゅうこと言わはるんで…、、ってきゃああああああ!」
いつの間にか、抗議しかけた私のすぐそばまで四草兄さんは来ていて。おもむろにぐっと私の胸を両側から寄せてあげた!
「ななななな、何するんですか四草兄さんっ!!」
ざざざ、と音を立てて後ずさった私を、四草兄さんは涼しい顔で見返す。
「何って、谷間作ろうとしたんやないか。色気でるように。」
ああそっか、色気出すための工夫の1つやったんですね…って、そんなわけありますか!!!
頭の中で猛烈な勢いで危険信号が点滅する。はやく、はやくここから出んと…。
「かかか帰りますっ!!!」
後も見ずトレーナーをつかんで部屋を飛び出そうとして、どんっと何かにぶち当たった。
あいたた…と見上げると、それはいつの間にか玄関近くまで来ていた四草兄さんで。
「もう遅い」
強い力で抱きしめられていた。厚い胸板、固い筋肉質の腕。男の人の、体。
息が出来なくなりそうになって見上げると、そこには四草兄さんの顔があった。
長いまつげ。整った鼻筋。そして…どこまでも冷たく澄んだ、氷のような目。
吸い寄せられるように、動けない。
その顔がすうっと見る間に近づいて、、唇に何かが当たる感触。
ふぁーすときす…と思う間もなく、舌で唇がこじ開けられる。続いてぬるりとした感触。
四草兄さんの舌は、私の舌をさんざんもてあそび、口の中を蹂躙する。
苦しくて息ができなくて、でもなんだかぼんやりしてきて、不思議な感触に陶然とする。
しばらくして唇が離れたとき、体中の力が抜けて、ぺたんと座り込んでしまった。
「目が潤んで、ええ感じの表情になっとるな。鏡見てみい」
言われるままに、ぼんやりと部屋にある等身大のスタンドミラーをを見る。
そこには、初めて見る自分の姿が映っていた。
ぼんやりと虚ろな目は潤みきって、半開きの唇にはほどけた髪がかかり、
ぺたんと前についた腕で胸は両側から寄せられて、Tシャツの胸を大きく盛り上げていた。
いやらし…
淡々とした四草兄さんの声が聞こえる。
「そんな顔されたら、大抵の男は落ちる」
座りこんだままの私のそばにすっと身をかがめる四草兄さん。
そして、そのまま覆いかぶさるように床に押し倒された。

「そんな顔で誘うからやぞ」



98:「世界はそれを恋と呼ぶんだぜ」 5
08/03/24 00:28:51 gs4ImrCI
もうアカン。ぎゅうっと目をつぶる。いくら経験ない言うたかて、この先どうなるかくらいはわかる。
初めてやのに。なんで、なんでこんなことに。
なんでひょいひょい男の人の部屋に来たりしたんやろう。自分のアホさに腹が立つ。
でも兄さんやから、兄さんやのに、なんで、四草にいさん…?
草々兄さん…
涙がぽろぽろとあふれて止まらない。
ひっく、ひっくと自分のしゃくりあげる声と、平兵衛の羽音だけが部屋に響く。
けれど、しばらくたっても、四草兄さんは全然動かない。
「ぎゅううっっと目えつぶるな。ほんま色気ないな」
「イロケナイ」
先ほどと変わらない淡々とした四草兄さんの声に、おそるおそる目をあける。
「あの、しいそう、兄さん…?」
兄さんは、私に覆いかぶさった体勢のまま、私を見下ろしていた。
その顔はいつもの無表情…のように見えたけれど、少しだけ、ほんの少しだけ違って見えた。
すこし呆れたような、少し悲しげなような、少し苛立ったような、少し途方にくれたような…
それは、初めて見るとても不思議な表情だった。
「せっかくエエ線行っとったのに、今ので台無しや。まだまだ子供やな」
「え…?」
「その程度では、まだまだやな。もっと色気出るように精進しとけ。ただし」
四草兄さんは薄く笑う。
「色気は好きな男の前だけでだせ。せやないと、さっきみたいな目にあうぞ」
「兄さん…」
「まあそのうち俺の前だけで色気出すようにさせたるからな。覚えとけ」
そう言ってちらりと流し目をくれた四草兄さんの、その色気の凄まじいこと。
へなへなと力が抜けそうになったけれど、何とか立ち上がってトレーナをつかみ、
四草兄さんに一礼して、よろよろと師匠の家へ帰ったのだった。

99:「世界はそれを恋と呼ぶんだぜ」 6
08/03/24 00:36:17 gs4ImrCI
その晩、兄さんの夢を見た。
草々兄さんではなく、四草兄さんの。
四草兄さんの不思議な表情と、最後の言葉と、そしてあの目が頭から離れなくて。
稽古場で今日も四草兄さんに会うはず。会ったらどんな顔をすればええんやろ?
そんなことばかり考えて、朝帰りした草々兄さんの姿に胸を焦がす暇もないくらいで。
「おはようさん」
四草兄さんの声を聞いただけで、胸がドキドキする。なかなか顔が上げられない。
「おはようございます、四草兄さん」
そこには、無表情ないつもの四草兄さんがいて。
人の悪い笑みをわずかに浮かべて、こちらを見るものだから。
私はなぜか動揺して、足元にあったバケツの水を見事にひっくり返したのだった。


自分に会うなり目が泳ぎ、見るからに動転して挙句の果てにバケツの水をひっくり返して
「ひゃぁぁぁ!!」と色気ない声をあげる喜代美を見て、色気のいの字もあらへん、と四草は思う。
(まだまだ子供や。けど…)
昨日、自分の部屋での喜代美の姿を思い出す。
誘うように軽く開かれた唇、濡れた瞳は四草だけを映してぬめる。
あんな顔をされたら……。いや、もともと喜代美を頂くつもりで部屋に連れ込んだのだが。
けれど、目をぎゅっとつぶってすすり泣く喜代美の姿を見ていると。
(算段の四草ともあろうものが)
アホで純情なあいつを算段にかけて部屋に連れてくるなど、赤子の手をひねるより簡単。
体を頂く算段は実に容易い。ならば心をも頂こう。
(覚えとけ。今度は自分からあの顔させたるからな)

四草は、心を手に入れたいと思ったこの初めての感情の名前を、まだ知らない。

『世界はそれを恋と呼ぶんだぜ』



100:名無しさん@ピンキー
08/03/24 00:43:12 gs4ImrCI
以上です。ほんまお粗末でした~。

>>88
なんか微妙にありそうでワロタ
会話上手いですね~ほんま目に浮かぶw

101:名無しさん@ピンキー
08/03/24 00:47:48 xZnWyA/Z
なんか不器用な感じがよかったです

102:名無しさん@ピンキー
08/03/24 00:56:19 Wm0UE0S8
>>93 おお!GJです
これが本編ならどんなに嬉しいか…
続きwktkして宜しいですかな?

103:名無しさん@ピンキー
08/03/24 07:57:42 ezgNihrL
>>100
おお~、すごくらしくて好きです。
四草は最終段階までは手を出せないだろうなー、というイメージなので、
ものすごく想像通りでした。続きよろです~。

104:名無しさん@ピンキー
08/03/24 11:58:04 /X1bht9r
>>100
すごくいいですねー!
それぞれのキャラがよく出てるし、テンポがいい!
特に「もう遅い」がツボでした
続き待ってます!

105:名無しさん@ピンキー
08/03/24 16:19:53 oAOfk+W/
>>100
乙です!オチが上手いですね!

話し変わって、今日の放送で今度は草若宅の2階に住んでいる青木夫妻。
弟子入りから6年近く経過しているから小草々はもう内弟子部屋を出てるだろうし
誰はばかることなくセクロスできる環境でご懐妊?

106:名無しさん@ピンキー
08/03/24 16:41:33 kUVRL9xs
ていうか今日の若狭の服がスッケスケではあはあした(´Д`*)
えろすぐるw

107:名無しさん@ピンキー
08/03/24 18:53:07 vFIhAc3s
今更だけど若狭は人妻になってからの方がエロいね
四草に抱き締められたり小草若に旦那と別れてくれ言われたり

108:名無しさん@ピンキー
08/03/24 19:08:21 IJa/symO
でも、あんまりエロく感じなかったw>四草抱きしめ
個人的には、その後の頭撫で撫でと視線の方がエロく感じた。

あのとき弟子たちの前には亡き師匠が居たなーと
思い出したら哀しくなってきたんだぜ・・・(つД`)
地獄で師匠は志保さんといちゃこらしてるといい。

109:名無しさん@ピンキー
08/03/24 23:01:10 k8wXqcud
草々は早漏

早漏にいさーん!
若狭ー!

110:名無しさん@ピンキー
08/03/24 23:53:49 yDdDlFij
>>100
遅くなったがGJ!GJ!
やっぱり四草×若狭良いわ、面白かったです。
まだ子供子供してる若狭に四草が本気でのめり込むのが好きだ。
若狭の色気が覚醒した所も読みたい!

111:名無しさん@ピンキー
08/03/25 02:12:23 a012ih3/
流れを読まずに小草若×若狭を投下します。

草々が無精子症で、小草若と草々が同じ血液型という設定です。
エロありですのでよろしくお願いします~。

112:小草若×若狭 不信のとき 1
08/03/25 02:13:58 a012ih3/
小草若はとあるホテルのロビーにいた。
というのも、可愛い妹弟子の若狭に突然呼び出されたからである。
平日の昼下がりとあってあまり人気のないロビーに、約束の時間ちょうどに若狭は現われた。

「小草若兄さんすいません、突然呼び出したりして…」
「おはようさん、別にかまへんがな~
で?どないしたんや?」

向かい合わせに座る若狭の顔を覗き込むと、普段からは想像出来ないような暗い表情をしていた。
何かよっぽどのことがあったのだろうと察した小草若は、かつて彼女に恋心を抱いていた若かりし頃のように、優しく問い掛けた。

「若狭?どないした?
俺でよかったらなぁんでも聞いたるし、力になるから。
時間は気にせんでえぇし」
「あ…あの…」
「ん?」

俯いていた若狭はゆっくり顔をあげ、潤む瞳を左右させながら躊躇しつつも話始めた。
そしてその内容は驚くべきものだった。


113:小草若×若狭 不信のとき 2
08/03/25 02:15:18 a012ih3/
「私、ずうっと子供が欲しかったんです…
でも結婚してから今まで、子宝に恵まれませんでした。
それで、もしかしたら何か悪いとこあるんかも思うて…草々兄さんと一緒に病院行ったんです。」
「え…あぁ…ふ、不妊とかそんなんの検査か?」
「はい…」
「そぉかあ…、それで?
結果はどないやってんな」
「私は何ともないぃ言われたんですけど…」
「?」
「兄さんは…草々兄さんは…
無精子症、なんです」
「……えぇっ!?」

あの見るからに健康な男が無精子症だなんて信じがたいことだった。
なんでも例の破門事件の際に高熱を出したことが原因かもしれないらしい。

「それ…草々は知ってんのか」
「いえ、結果聞きに行ったんは私だけですさけぇ」
「そうか…」

小草若は戸惑いを隠しきれなかった。
何故ならその件は自分が起こした暴力沙汰のせいであり、そのせいで最愛の妹弟子を苦しめてしまったからだ。
力になるとは言ったもののどうすることも出来ない、そう思って頭を抱えた瞬間、若狭の口から思わぬ言葉が出た。

114:名無しさん@ピンキー
08/03/25 02:17:02 a012ih3/
「あのぉ、小草若兄さんと草々兄さん、血液型一緒でしたよね」
「え…あ、うん」
「小草若兄さんさえよければなんですけど…」
「…なんや?」


「私を、抱いてくれませんか…」


小草若は予想外の言葉に驚き、ゆっくり若狭を見た。
その若狭の顔は今までとは違い、凛とした大人の女性のものだった。

「若狭はそれで、えぇねんな?」
「はい」
「後悔せんか?」
「はい」
「……分かった」


小草若がこんなにも大変なことを承諾したのは若狭の強い意志と己の責任感もあったが、何より彼女を抱きたいと思ったからだった。
いつの間にか大人の色気を纏うようになった彼女を、純粋に抱きたいと思ったのだ。

「部屋はとってありますさけぇ、今からでもえぇですか」
「…かまへん」

そうして小草若は、初めて心から愛した妹弟子を抱くことになった。


++++++++++++

115:小草若×若狭 不信のとき 4
08/03/25 02:19:41 a012ih3/
先にシャワーを浴びた小草若は、ベッドに腰掛けて目を閉じた。
当たり前だが、後ろめたさがない訳ではない…しかし他に方法がないのだから仕方がない。
そう言い聞かせて、安物のワインを飲み干した。

「兄さん、お待たせしてすいません」

声の方へ振り向くと、小草若は思わず息を飲んだ。
上気した肌をガウンに包み、少し湿った髪をおろした若狭は恐ろしいほど色っぽかったからだ。
若狭は小草若の隣りに腰掛け、震える手を握り締めた。

「小草若兄さん…お願いします」
「……喜代美ちゃん」

堪らず小草若は若狭…否、喜代美を押し倒した。
啄むようなキスを繰り返し、そして深く口付けた。
時折漏れるくぐもった声、乱れる髪や白い肌、全てに目眩を覚えた。

「あかん…優しく出来へんかもしれへん」
「構いませんから…小草若兄さんの、好きにして下さ…い」
「ゴメンやで…好きや、喜代美ちゃん」
「あ…兄さ…んぅ…」

116:小草若×若狭 不信のとき 5
08/03/25 02:20:34 a012ih3/
手のひらで覆うのがやっとの胸を片方揉みしだき、もう片方は舌を這わせる。
それだけで喜代美は身体を震わせて悦楽の表情をみせた。
自分とは違う肉付きの良いふくよかな身体は柔らかくてとても気持ちがいい。
身体中にキスをしながら空いた手で下半身を撫でてやると、すでにそこは湿り気を帯びていた。

「嬉しいなあ…もう感じてくれてんねや…」
「あっ…いやや、そんなこと言わんでぇ…」
「せやかて、ココこんなにしてるんは気持ちえぇからやろ?」
「それは…ぁ…ひゃぅ!」

少しキツめに突起を擦り上げると喜代美は腰を浮かせた。
口ではいやと言いつつも、いつの間にか小草若の指に腰を押し付ける動きをしていた。
今度は中へと指を入れてやると、きゅうきゅうと締め付けてきた。

「あっあ…ん!こそ、じゃく兄さん…」
「喜代美ちゃん…もう、」
「来て、早く…挿れて下さい…!」

喜代美がそう言い終わらないうちに、小草若は己の熱を喜代美の中へとねじ込んだ。

117:小草若×若狭 不信のとき 6
08/03/25 02:21:15 a012ih3/
「ん、んあっ!!」
「喜代美ちゃん…力抜い、て…!」
「あっ、は…ぁ!無、理です…んっ」
「動くで…?」
「は、い…っあ!」

小草若は性急に腰を動かし始め、喜代美も自ら腰を振る。
部屋には肉のぶつかる音と二人の吐息、そしてぐちゃぐちゃと粘着質な音が響いていた。
互いに限界が近くなり、更に激しく出し入れをする。

「あっ、にい、さん…も、アカン…っ」
「えぇで…俺ももう…」
「あ、ああ、あ…あぁあ…ん!!」
「…っく!」

思いっきり喜代美の奥を突いた瞬間、二人は同時に果てた。
小草若は喜代美の奥へ熱を放ち、喜代美はその熱を感じながら意識を手放した。



喜代美の懐妊が分かったのは、それから2ヶ月ほど後の話だった。

118:名無しさん@ピンキー
08/03/25 02:24:53 a012ih3/
お付き合いありがとうございました!

す、すいません、途中で題名なし+ageてしまいました…
申し訳ない…orz


あまりに草々無精子症説が広がっていたので色々捏造してみましたw
草々×若狭派の方々には申し訳ない。
ちなみに題名は某ドラマから拝借ww


119:名無しさん@ピンキー
08/03/25 05:26:29 3GTLP3jP
>>112-117
GJ!
私にとって、いろいろな意味(長さとかシチュエーションとか)でGJ!な話ですら


120:名無しさん@ピンキー
08/03/25 12:25:21 M5TUTHV+
GJです!
同じ事を草原、四草、小草々にも頼む若狭をキボン

121:名無しさん@ピンキー
08/03/25 13:01:51 61nTlkKk
>>118
大人なエロさGJ!
今日の本編の妊娠騒ぎにそんな裏があったと思うと
背徳感&「良かったな!」と喜ぶ小草若の笑顔が
全く別の意味に思えてきていい感じに興奮した!

122:名無しさん@ピンキー
08/03/25 16:28:12 Ta/lrrhL
GJです
なんだかんだとちゃんと草若のDNAを受け継いだんですな

123:名無しさん@ピンキー
08/03/25 17:22:03 x7DS1l+l
若狭が吐き気を催した時、「熊、何入れたんや?!」と
熊五郎を呼び捨てにする草々に萌えた

若狭、愛されてるね

124:名無しさん@ピンキー
08/03/25 19:17:27 IM1hKxmQ
妊娠と聞いて、若狭のお腹を見つめながらじりじりとにじり寄り、
若狭の両手を取り「ありがとう」と言う草々に感動。
まぁその後の「落太郎」「落子」に笑ったがw
若狭の幸せの象徴でもあるし、草々の落語を子守唄にして育てるのかな。

125:名無しさん@ピンキー
08/03/25 21:28:43 OkyijKyP
草々オムツ変えたりお風呂入れたりしそうw

126:名無しさん@ピンキー
08/03/25 21:33:53 tB+lVTKc
寝床で若狭のとなりに四草兄さんがいたから
何かおっ始まるのかと一瞬ドキドキしてから、冷静に戻ったw

127:名無しさん@ピンキー
08/03/25 21:41:44 /NsDqsR8
自分は、子供が出来たと聞いた時の四草の表情に、心当たりあるのかとww

128:名無しさん@ピンキー
08/03/25 22:12:27 M5TUTHV+
>>126
> 寝床で若狭のとなりに四草兄さんがいたから

字面で見たらスゲーエロい

129:名無しさん@ピンキー
08/03/26 01:16:50 rZ7Cpgjk
>>111です。
皆さん感想ありがとうございました~!
気力があれば鼻毛あたりも書いてみたいなあと思っています。
よろしければお付き合いお願いします。

130:名無しさん@ピンキー
08/03/26 01:41:04 q57ZLp5D
鼻毛と清海、鼻毛と順ちゃんあたりもお願いしますうー

131:名無しさん@ピンキー
08/03/26 01:48:46 ghdu8cGp
>>127
めっちゃきょとんとしてたねwどういう心情なのかな?
 A.タイミング的に心当たりがある
 B.草々兄さん無精子症情報入手済み→誰の子やねん
 C.あの恐竜頭入れる場所知っとったんかい
 
>>129
鼻毛兄さん昨日の本編でええ味やったので、自分の中で株価↑↑!
wktkしつつお待ちしておりますです。

132:名無しさん@ピンキー
08/03/26 02:34:59 eCy98C8j
>131
つD.妊娠なんて都市伝説

133:名無しさん@ピンキー
08/03/26 07:57:16 9Xm9lF3u
>131
つE.生まれてくる子が女の子だったら光源氏計画の算段発動

134:名無しさん@ピンキー
08/03/27 02:05:32 qkR9XSXp
妊娠中もやんわりセックスしまくる草々夫婦。
おかげで年子が5、6人できました。
草々家族が増えて嬉しい\(^o^)/
これからも作るぞ!
若狭常に妊娠中、授乳中でヘトヘトになり体を壊して死んでしまう。

135:名無しさん@ピンキー
08/03/27 09:27:03 WnYk8Uen
妊娠、出産回数が多い程
子宮は負担が少ない

毎月の月経の方が子宮には負担大

とマジレス、カッコワルイ

136:名無しさん@ピンキー
08/03/27 09:45:05 3P4TN7AW
今まで出来なかったのに、2人目はあっさり出来そうな青木夫妻

137:名無しさん@ピンキー
08/03/27 14:13:55 5AoZSAu3
>>134は妊娠中にセクースすると次の種が仕込まれると思ってるんだろうか

138:名無しさん@ピンキー
08/03/28 00:27:35 dPZzcuz8
颯太に犯される妊婦の若狭

颯太:ドラえもんが生き返らしてくれると思った

139:名無しさん@ピンキー
08/03/28 02:45:32 RstcUkVi
それはさすがに不謹慎

140:名無しさん@ピンキー
08/03/28 08:12:05 RDsUrcmG
>>138
お前最悪だな

141:名無しさん@ピンキー
08/03/28 09:27:43 mCdWatVu
>>138 本村氏に謝れ

142:名無しさん@ピンキー
08/03/28 10:43:51 6bvDTz7+
若狭の妊娠は四草の算段

143:名無しさん@ピンキー
08/03/29 02:28:21 YErf4QqM
微妙に流れ読んでない感じで投下します。

四×若狭 常打ち小屋完成間近のある夏の日。
けっこうな長文で、ぬるいエロ有ですが合意なし
つまりレイプ系です。
あと四草はほぼ算段なしで、かなりダメダメです。
そんなんでもよろしければ、見たって下さい

144:祭りの後 1
08/03/29 02:29:20 YErf4QqM
遠くから響く花火の音。華やかなざわめき。
(ああ、今日は夏祭りやったな)
別にもう、何の感慨もないけれど。
祭りはあまり好きではなかった。
太鼓の音、楽しげにさざめく人々。
徒然亭を失い心まで凍てついていた頃、それらは自分に、失ってしまった幸せな日々を
思い出させたから。
もう二度と高座など関係の無い自分に、あの高揚感を思い出させたから。
けれど、それはもう昔の話。
どんくさい少女という姿をとって舞い降りた奇跡が、自分に徒然亭をもう一度与えてくれたのは
もう15年も昔のこと。
師匠はすでになくなり、たくさんの危機もあったけれど、落語は四草の中で確固たる物として
息づき、もう二度とこの手を離れることはない。いや、もう離しはしない。
あのどんくさい少女―妹弟子の若狭は、今は兄弟子の草々の妻となり、人気落語家として、
そしておかみさんとして徒然亭を支えている。
おどおどとしてどんくさく不器用だった若狭は、今もその名残はあるけれど、落ち着きと貫禄を
備えるようになった。
あの頃…。
四草は、ほんのわずかの苦い思いとともに心の中だけで苦笑する。
あのどんくさい少女を自分のものにしたいと思ったこともあった。
自分に奇跡を起こした女。アホで不器用で、一途で強くて。
けれど、それももう昔の話。そう、遠い遠い昔の。


145:祭りの後 2
08/03/29 02:30:26 YErf4QqM
「あ、四草兄さん。今から帰りなるんですか?」
稽古場をでて帰ろうとした時、縁側から声がかけられた。
「若狭」
そこには浴衣を着て、少しめかしこんだ若狭が立っていた。
ニコニコ笑いながら、こちらに走り寄ってくる。
「どないしたんや、その格好?」
「いえ、祭囃子きいとったらなんや落ち着かんようなってえ。ずうっと常打ち小屋のことで
落ち着かんかったさけ、お祭りに行く機会もなかったなあ思て。ちょうど浴衣着とったでぇ、
折角やからお祭り行ってみよかなぁ思て。」
子供みたいにころころとはしゃいで笑う。こういうところは昔から全然かわらんな。
「草々兄さんは?」
「草々兄さんは今日地方で高座があって、小草々くんもそれについていっとるんです。
一人でお祭りいうんも、なんや寂しいなぁておもとったとこで。」
「そうか」
そう言って帰ろうとすると、若狭はてこてこと四草についてくる。
「…なんや?」
「四草兄さん帰らはるんやったら、途中までお祭り、一緒に行きませんか?兄さんも
ちょうど浴衣やし」
「夏の落語家やったら普通のことやないか。」
「あきませんか?」
無邪気ににこにこと笑う。旦那が留守の時に、他の男と祭りに行くことになるという事に
全く気づいてないのだろう。というより、兄弟子が男やという発想が無いのか。
いや、と四草は自嘲する。そんなことを考える自分のほうがおかしいのだろう。
久しぶりに祭りをのぞくのもそう悪くはない。そんな風に思うのも、常打ち小屋の完成が
間近となり、こんな自分も少し浮かれているということなのかもしれない。
「どうせ帰り道やからな。」
そう答えると、若狭は花が咲いたように、それは嬉しそうに笑った。


146:祭りの後 3
08/03/29 02:31:25 YErf4QqM
宵闇。露店の光と提灯が若狭の顔を照らし出す。
「四草兄さん!あれ!あれしましょう!!」
四草の袖をちょんちょんと引っ張り、若狭は無邪気な笑顔で見上げる。
その手はすでにたこ焼きやらリンゴ飴やらヨーヨーやらでいっぱいで、頭にはお面まで着けて
心から祭りを楽しんでいる風情だった。子供か、お前は。
「ほら!あれです!私得意なんですよ」
若狭が指差すのは射的の露店だった。
「見てて下さいね、四草兄さん!あの右から二番目のクマ、当てますさけ!」
言って5発の玉で狙うけれど、もとよりどんくさい若狭に仕留められようはずもなく。
がっくりとうなだれる若狭を見ていると、ほんの少し気まぐれがおこった。
「銃貸せ」
「へ?四草兄さん、射的やらはるんですか!?」
無言で玉を購入し狙いをつけた四草を見、あまりに意外だったのか若狭はきょとんとする。
昔から、負ける賭けはしたことがない。一発目は若狭の狙ったクマを、二発目はその隣のハコを。
「すごいすごい!!!四草兄さんほんま上手ですね!!!」
大喜びする若狭。その顔は本当に…昔と変わらなくて。眩暈がする。15年前であるかのような錯覚。
「次は、次はどれ狙わはるんですか!?」
「どれでも」
「大きいもんでも?」
「2~3発かかるかもしれんけどな」
「それやったら、それやったら、、あの人形、どないですか!?」
無言で狙いをつける。残り3発。3発目で少し後にずらす。4発目でもうすこし。そして。
「わぁぁ!すごい!!すごいです兄さん!!!」
喜びで顔を輝かせて、若狭が四草の腕に飛びつく。と、慌てて手をはなす。
「すすすすいません四草兄さん!!つい興奮してもて…」
恐縮したようにぺこぺこと頭を下げる。なぜか、ちくりと心が痛んだ。
「それにしても、四草兄さんほんますごいですね!!一発も玉、外れなしやなんて」
いつの間にか。周りに少しずつ人垣が出来始めていた。若狭はそれにも気づいていない様子で、
嬉しそうに話していたけれど。
(―おいあれ、徒然亭若狭ちゃうんか?テレビによう出とった)
(ほんまや。若狭ちゃんやないか!一緒におる男は―旦那とちゃうな、見たことあるけど。あれは確か―)
(徒然亭四草や!ここ最近よう出とる)
(ほんまほんま?若狭ちゃん?四草さんもおるんやって!!)
「…おい、そろそろ帰るぞ」
「へ?もうですか?」
きょとん、とした顔で見上げる若狭。目顔で周りを指し示すと、はっとしたように若狭の顔がこわばる。
「…そうですね。空模様もなんや怪しなってきたし、帰りましょう」


147:祭りの後 4
08/03/29 02:32:19 YErf4QqM
すみません、兄さん。私が興奮して騒いだでぇ、人が集まってきてしもて…」
人通りの多い道を急ぎ足で抜け出た後、若狭が申し訳なさそうにつぶやく。
「かまへん。潮時や。」
「けど…あ。」
ぽつり、と雨が若狭の頬に落ちる。と、見る間に雨は本降りになった。

師匠の家に帰り着いたときには、すでに雨にいいように濡れ、すっかり濡れ鼠だった。
濡れた肌に浴衣がはり付いて、髪からはぽたぽたと水滴が落ちる。
「すみません。兄さんほんまは家に帰りなるとこやったのに」
申し訳なさげな顔をしながら若狭は四草にタオルを差し出す。
「あ、それよりも着替え、とってきますね」
そう身をひるがえした若狭はまだずいぶんと濡れていたものだから、思わず声をかける。
「お前も早よ拭け」
「はい」
振り返って、若狭はにっこりと笑う。15年前そのままの笑顔で。
濡れた髪は顔に乱れかかり、浴衣はぺったりと肌にはりついて透けていて。

気づいたときには、若狭の腕をつかんで引き寄せて

「四草兄さん!?どないしなったん…っ」

若狭の声を封じるように、口づけていた。

「ちょっ、四草兄さん、やめ」

腕の中でもがく若狭を力ずくで抱きしめる。柔らかい小さい体。まるい感触。
(あの時と、同じ―)
いつか草々兄さんが出て行ってしまい、落ち込む若狭を抱きしめた時と変わらぬ感触。
あの時は<売れっ子の妹弟子を慰めて兄さんを探しに行かせて仕事を頂く>という
算段のつもりだったけれど。
(ただ若狭を抱きしめたかっただけ、か)
今になって気づく。抱きしめる必要性などどこにもなかったのだから。
別れる気のうても別れる言うたったらええと助言した自分に、どこかに本当にそうなれば
いいという期待が――あった。
(浅ましい、アホな男や)
そう。算段もなく、ただ好きな女に好きやと言い続けたアホな小草若兄さんよりもずっと。
(底抜けの、アホや)
自分は、ずっと、この女を。


148:祭りの後 5
08/03/29 02:33:30 YErf4QqM
もがく小さい体を畳におさえこみ、濡れた浴衣をはだける。
こぼれだす白い胸。あっと小さく声をあげ隠そうとする若狭の腕を、四草は片手でねじ伏せる。
手のひらにあまる柔らかな乳房をもみしだき、もう片方の先端を口に含むと、若狭の口から声が漏れる。
「くっ…兄さん、こんなん、あかん…」
切れ切れの声で懇願する若狭。目に涙を浮かべて。
その姿にさらに煽られるばかりの自分の浅ましさに、四草は罪悪感を覚える。
けれど、その感覚もどこか遠いことのようで。ただ若狭の体をむさぼる。
白い胸。カーブを描く腰のライン。吸い付くような肌。大きく割れた浴衣の裾からあらわになる脚。

止めろ、と頭のどこかで声が聞こえる。
なぜわざわざ他人の女を。しかも他ならぬ妹弟子を。
どうして負ける賭けに手を出す?
女など、他に掃いて捨てるほど手に入るのに。

結い上げていた若狭の髪はすっかり崩れ、畳の上に乱れ広がる。浴衣は乱れに乱れ、
かろうじて体にまとわりつくばかりで、裸よりもかえって淫猥な影を落とす。
雨で濡れて冷え切っていた肌はほの赤く火照り、いつのまにか声にも甘い響きが混じる。
秘所に指を伸ばし、ゆっくりと這わせる。そこはもう潤み滴っていたけれど、
ひっと細い悲鳴を上げ、若狭は腰を引き逃れようとする。
「や、やめ…兄さん、ひああっ!」
かまわず指をうずめようとする四草の手をおしとどめるように手で押し返そうとする。
けれどその力は悲しいほどに弱弱しく、その手ははかないほどに華奢で。
健気やな、と四草はぼんやりと思う。人妻の矜持か、草々兄さんへの操か。
逃れようとする腰をとらえ、秘所に顔を埋める。滴り落ちる蜜をこそげるように舌でなめとると、
若狭の背が大きくしなる。舌を挿しこみ、とめどなくあふれかえる蜜を吸い上げるたび、
身を震わせて小さく悲鳴をあげる。割れ目にそって指を滑らせ、蜜をたっぷりからませた指を
奥まで差し入れ、ゆっくりと抜き差しはじめると、ひくひくと内壁が震えまとわりつく。
「くっ、あ、に…さん、だめぇ…」
すでに体は蕩けきって、表情には官能の色が濃いのに、言葉は四草を拒む。
「…何でや?」
「そんな、ん、私は…草々兄さんの…あああっ!!!」
草々の名前が出た瞬間、秘所の隠れた突起を強く扱きあげる。
「聞こえへん」
「し…そう、兄さん、、何で、なんで、いやぁぁぁぁ!」
若狭の脚の間に体を強引に割り込ませ、奥まで一気に貫ぬく。硬直する若狭の体。
間髪いれず腰を引き、また最奥まで。若狭の内側が、四草自身をきつくきつく締め上げる。
「くぅ…っ」
あまりのきつさに思わず息をもらす。若狭の両脚を持ち上げ、さらに奥まで突き入れる。
「あああっ!!!」
内部をこするように激しく抜き差しする。そのたびに若狭の口からはあられもない嬌声が漏れ、
中は吸い付くように四草自身にまとわりつき、四草を限界へと導く。
「やあぁぁぁっ!!!」
一際激しく腰をたたきつけた瞬間、若狭の体が、中がびくびくと震え。
それと同時に、四草は若狭の一番深いところに、己のすべての精を注ぎ込む。
頭の芯が痺れるような感覚――。


149:祭りの後 6
08/03/29 02:34:27 YErf4QqM
もう既に祭りのざわめきも消えた闇の中。
若狭の白い体だけが、闇の中にぼんやりと浮かび上がる。
「…なんで、ですか?」
力なく横たわる若狭の口から、そんな言葉が漏れる。
答える言葉もない。
まだ荒い息をつきながら、若狭は続ける。
「な…んでぇ、そんな、悲しそうな顔、しはる…ん?」
かなしそうな、顔…。
「四草にいさん、泣きそうな顔、してはる…」
この、自分が? 泣きたいのは自分のほうやろうに。
若狭の言葉の意味がわからず、呆然としている自分に気づく。
一筋、二筋。頬に何かが流れ落ちる。
涙…?
「兄さん…」
気遣わしげにこちらを見上げる若狭。そんな、そんな目で。
「見るな…」
顔をそらす。けれど、涙はもう一筋、さらに頬をすべり落ちる。
(ああ、若狭に泣いとる所を見られるのは、これで二度目やな―)
なぜ涙がこぼれるのか、わからない。
ただ、自分の思いに気づいてしまった今、心に大きな穴があいたようで。
人には弱みを見せまいと、いつもポーカーフェイスを保ってきたのに。
この女の前では、どうしてそれが崩れてしまうのだろう?
ふわり、とあたたかいものが四草の身を包み込む。
「四草兄さん…泣かんでぇ…」
いつまでも、いつまでも若狭は、四草の体を抱きしめていた。
ぽつり、と若狭はつぶやく。


「いつか、兄さんとこうなるんやないかって…どっかで思うてたような…気ぃがします」


二ヶ月ほど後。
秋。常打ち小屋の完成が間近にせまったある日。
「若狭ちゃん、子供ができたんや」
感極まって若狭の手を握る草々兄さん。
大きな目をさらに見開いて驚きつつも、晴れやかな笑顔で祝福する小草若兄さん。
良かったなと、穏やかな笑みをみせる草原兄さん。
四草は、半ば確信する。若狭に宿った子は――



150:名無しさん@ピンキー
08/03/29 02:35:58 YErf4QqM
以上です。お粗末さまでした。

若狭妊娠→四草の子供だったバージョンで書きたかったんですが、
予想以上に難航…。四草は華麗に算段にかけるのがお似合いだけど、
自分の出生のことがあるから、よっぽどでないと人妻に手は出さないぽ…
考えれば考えるほどドツボに…orz
読んでいただけた人がいたら、それだけで感謝です。

今日最終回と思うと、本当に寂しいなぁ…

151:名無しさん@ピンキー
08/03/29 02:41:51 Ra/ukPrI
うわぁ、リアル投下に遭遇!

GJです!やっぱり四草×若狭は萌えるなあ

152:名無しさん@ピンキー
08/03/29 06:33:26 5RK81Stx
>>150
最終回前の投下、待ってましたぁ!!
GJ!!!!
「聞こえへん」、底抜けにしびれましたがなぁ!

四草かわいいよ四草


153:名無しさん@ピンキー
08/03/29 09:28:59 u8vw9Tx2
>>150
やっぱり四草×若狭好きだ・・・(ほろり)。
んで・・・若狭も四草好きなんじゃん。
抱きしめた時、怒ってなかったもんなぁ。
またよろしゅう~。

154:名無しさん@ピンキー
08/03/29 14:35:00 wcLofa6J
ちりとて終わっちゃったからこのスレも疎かるのかな。。。
ちょっとせつない。。。


155:名無しさん@ピンキー
08/03/29 16:41:45 YAFmln1Z
GJです!

終わってもまだ四草×若狭好きです。
暫くはまだまだイケる気がします。



156:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:13:05 +WkrHNj1
なんか今さら四草×若狭が再燃してきた・・・。


157:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:33:24 Ra/ukPrI
四草の悪食にはビックリ

158:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:40:35 D/9HMPya
でも、初期の水商売風のおねえちゃんと、
太って年取ったけどやっぱり水商売崩れっぽいおばちゃんで、
テイストは似てるような気がしたw
だから若狭みたいなタイプが新鮮だったのだよ

159:名無しさん@ピンキー
08/03/30 01:43:37 48GPK3m/
公式の草若邸図面見てフイタww
一部屋分空けてない…隣り合ってるよ

160:150
08/03/30 03:36:29 DXv/E6MW
読んで下さった方、ありがとうございます。
ほんま自分、45の男を泣かせるなよ…orzとかいろいろアレな話なんで、
感想頂けてめっちゃ嬉しいです。

本編は終わってしまいましたが、自分の中ではまだまだ…。
職人さん方の降臨、お待ちしております!!!
四×若狭熱はなぜか高まる一方。しかも、

1.新草若はまだA子呼び&結婚していない→ 若狭に未練たらたら。
                    同じ「キヨミ」の名に惹かれてる
2.>>159さんの図面ネタより→小草々想像以上に眠れない日々w
3.DVD完全版発売→内弟子時代アゲイン

とか、依然妄想中。自分やばい…w

161:名無しさん@ピンキー
08/03/30 06:41:57 gNVh7tzA
若狭の痴漢ネタ読みたいな。
バスか電車で痴漢されまくるの。

162:名無しさん@ピンキー
08/03/30 09:06:44 UAMtbdKy
妊婦ってエロいよな

163:名無しさん@ピンキー
08/03/30 09:07:20 r1L59+VT
>>159
小草々くん・・・・
我々の想像以上の眠れぬ夜を乗り越えたのかも知れぬww

164:名無しさん@ピンキー
08/03/30 09:23:16 zW0CYj5E
>>160
お疲れちゃん

165:名無しさん@ピンキー
08/03/31 00:24:29 /YSQMPUW
四草と若狭はお互い興味も接点もないんじゃない?
四草が執着してるのは平兵衛、師匠、小草若なわけだし。
初期設定では4兄弟のひとりは女性だったんだから、
四草がらみのカプで一番妥当なのは四草×女小草若でしょ実は。

166:名無しさん@ピンキー
08/03/31 00:47:47 VqjH9ARQ
何を特殊な想像ばっかりしてんねん

167:名無しさん@ピンキー
08/03/31 03:07:53 G22ls+21
小草若(女体化)と四草いいな。

居候させてもらうかわりに四草に身体を差し出す小草若。
小「最近生理ないねん…もしかしたら…」
四「ガキでも出来たんやったら堕ろせ。」
と言いながら本当は嬉しくて密かにガッツポーズをする四草。

ある日、突然、小草若の腕を引っ張り草若のもとに。
四「小草若姉さんを僕にください。」
草「どうぞどうぞ。」

168:名無しさん@ピンキー
08/03/31 04:08:00 KUgFOMbh
茂山氏の女装しか思い浮かばんよ…orz
自分の想像力では補完できんかった。
あんたらスゲーよ。
性別変わったら確かに薔薇ではないが、この板でアリ?
自分の感覚的には薔薇ぽだが。

169:名無しさん@ピンキー
08/03/31 04:19:33 Tf/dgF7Z
無理…

170:名無しさん@ピンキー
08/03/31 04:58:49 GhOIKXV4i
自分は女体化もわりと大丈夫だが…小草若は無理。

171:名無しさん@ピンキー
08/03/31 05:53:19 A/kPkQ54
一生懸命、スレンダーな女小草若を想像してみたが…
女体化妄想は四草のが簡単にできた。

172:名無しさん@ピンキー
08/03/31 06:34:49 VqjH9ARQ
いっそのこと両方おにゃのこにして百合は如何?

173:名無しさん@ピンキー
08/03/31 07:34:23 PdW3iknY
「小草若」っつー名前の時点で男が浮かぶから無理。

174:名無しさん@ピンキー
08/03/31 09:46:47 p6OKw6vR
女体化は自分もムリぽ。
はてなの茶碗の稽古を小草若に頼まれた草原兄さんの如く、
想像しただけで「(・∀・)ムリ」となってまう。



175:名無しさん@ピンキー
08/03/31 09:58:48 I8765ELk
同じく、このドラマで女体化はちょっと・・・。



176:名無しさん@ピンキー
08/03/31 10:35:51 GhOIKXV4i
へーべー師匠はどうだ?
黒髪の美女に化けて四草や草若師匠に性的な恩返しをするカラス…
女体化と言うより擬人化に近いか。

177:名無しさん@ピンキー
08/03/31 11:15:27 Hr+TFDaf
イイ!小草若より平兵衛師匠のほうが女顔だわ

178:名無しさん@ピンキー
08/03/31 11:22:29 G22ls+21
いっそ四兄弟全員女体化して若狭が男体化したらおもしろいかも。
草原=太めな藤山直美タイプ
草々=長身の和田アキ子タイプ
小草若=華奢な久本タイプ
四草=セクシーな叶恭子タイプ
若狭=徳井優

179:名無しさん@ピンキー
08/03/31 12:08:55 VqjH9ARQi
徳井優…
せめて生田トーマにしてくれ

180:名無しさん@ピンキー
08/03/31 12:28:25 2BQZ2vds
わっかんねぇwww
つか、変な方向に向かってるぞ、このスレwww

181:名無しさん@ピンキー
08/03/31 12:46:54 Rk3Ck6k6
>>176
九か(ry

>>177
平兵衛師匠のどのへんが女顔なのか説明してもらおうかw

そしてスピンオフ正式決定おめ!

182:名無しさん@ピンキー
08/03/31 13:36:07 M3vZvZMg
高校を卒業したばかりの僕が大阪で下宿したのは
自堕落な生活を送っている未亡人の師匠と、ぶっきらぼうで素朴な二番弟子一子が暮らす家
高飛車だが実は純粋な売れっ子タレントの仁子は師匠の実子だが仲たがいしている
師匠のもとを離れ、スーパーで働いている優子姐さん、男に貢がせながらも九官鳥と孤独に暮らす忍姐さん…
一門の結束を固めるために僕は奔走する!

こうですか?わかりません><

183:名無しさん@ピンキー
08/03/31 14:01:20 tfSZvAwh
>>182
おもしろ~い。
置屋さんの設定なら「(・∀・)アリ」だと思う。

184:名無しさん@ピンキー
08/03/31 14:06:22 qFZDlpTU
若狭はちょんまげ結ってんのか

185:名無しさん@ピンキー
08/03/31 14:17:42 GhOIKXV4i
>>182
そして後半には、虚言癖のあるメガネっ娘が弟子入りして来るんですね。

186:名無しさん@ピンキー
08/03/31 15:41:17 I8765ELk
普通に兄弟子と若狭の絡みが読みたい。

187:名無しさん@ピンキー
08/03/31 15:45:31 +vkKODiV
でもなあー、正直言って九官鳥の(性的な)恩返しはすごく読んでみたいw

188:名無しさん@ピンキー
08/03/31 15:46:45 LRc0iZrl
つやっつやの黒髪なんだろうな(*´д`)

189:名無しさん@ピンキー
08/03/31 15:48:10 +vkKODiV
んだけど、四草の場合ある日部屋帰ったら妖艶な九官鳥女がいても
「帰れブス」で物語終わりそう……ね


190:名無しさん@ピンキー
08/03/31 15:51:27 LRc0iZrl
いや、その妖艶な魔力で絡め取られてしまうんだきっと

191:名無しさん@ピンキー
08/03/31 15:53:56 G22ls+21
優子まさこ
一美かずこ
仁絵ひとえ
忍しのぶ
美喜よしき
勇子ゆうこ
正子しょうこ
清きよし
順じゅん
友海ともみ

192:名無しさん@ピンキー
08/03/31 15:54:24 G22ls+21
優子まさこ
一美かずこ
仁絵ひとえ
忍しのぶ
美喜よしき
勇子ゆうこ
正子しょうこ
清春きよはる
順じゅん
友海ともみ

193:名無しさん@ピンキー
08/03/31 16:14:21 +vkKODiV
連投ごめん
でも、需要あるなら全然九官鳥女書けるわ。

194:名無しさん@ピンキー
08/03/31 16:44:45 ry+VFd1Z
>>193
あれだけカラスのこと溺愛してるんだから、帰れブスはないでしょう

ところでここ数レス話題の女体化や人間化の話を書くなら、数字板の避難所の
イロモノスレのほうが適切だと思う

とりあえずノーマルも女体化も人間化もなんでもOK、待ってます

195:名無しさん@ピンキー
08/03/31 16:45:26 VqjH9ARQ
投下ヨロ

196:名無しさん@ピンキー
08/03/31 17:46:12 +vkKODiV
>>194
つまり、投下するとしたらここはあんまりふさわしくないってことですか?


197:名無しさん@ピンキー
08/03/31 18:07:37 VqjH9ARQ
内容について投下前にワンレスあれば
別にここでも構わないんじゃね
嫌ならスルーすればいいことだし
わざわざアッチに行かなくてもなあ

198:名無しさん@ピンキー
08/03/31 18:19:13 kbxLWJBI
正直、女体化は腐くさいので勘弁してくれと思う・・・
原作キャラをやおらせるための言い訳にしか思えん。
そういったSSを投下する場所が他所にあるなら、そっちでやってほしい。

199:名無しさん@ピンキー
08/03/31 18:30:29 G22ls+21
アッチってどこや?
答えろブス

200:名無しさん@ピンキー
08/03/31 18:33:06 M3vZvZMg
そういうことばっか言うから書き手が減るんじゃないのか

201:名無しさん@ピンキー
08/03/31 18:48:26 331B07ud
サゲない奴は荒らしだから
ほかしとこ

202:名無しさん@ピンキー
08/03/31 21:02:37 PqJHvDJ6
ほやさけ四草×喜代美はエロいぃいうことやでぇ

203:名無しさん@ピンキー
08/04/01 00:29:51 PkUXJGT5
四草にメスが近付くとヘーベーがティンカーベルみたいに嫉妬して嫌がらせするんだよ。


204:名無しさん@ピンキー
08/04/01 02:22:47 SW6FZn5B
だから四草の「ガンバレ、ワカサ」の後に「ツカエヘン」言ってたのか>平兵衛

205:名無しさん@ピンキー
08/04/01 03:32:25 AUH60SGW
ちょw平兵衛ww
あの長生きっぷりからして、もうただのカラスではないような気はしてたけどww
もうすでに猫又みたいになってるのかもね。
「カエレブス」とか言って今まで散々女追い出してきてそうだし…。

206:名無しさん@ピンキー
08/04/01 14:24:02 y6s/QDdH
>>205 九官鳥です

207:名無しさん@ピンキー
08/04/01 15:03:21 U+nHoRF0
もう獣姦でいいよ

208:名無しさん@ピンキー
08/04/01 17:55:30 64pcQZTL
そんな投げやりなw

209:名無しさん@ピンキー
08/04/01 18:42:14 PkUXJGT5
平米の発情期に性処理の世話をしてやる四草

210:名無しさん@ピンキー
08/04/01 23:02:06 CBXw3MHb
四草×擬人化女カラス……
モエス。

211:名無しさん@ピンキー
08/04/02 02:57:46 65jCQVWW
>>209
そういえば猫とかだと、発情期の処理は飼い主がやるんだよな…
鳥の場合は知らんが。

212:名無しさん@ピンキー
08/04/02 09:16:16 w5Z33/Ox
前の方で四草×九官鳥女書けるよーなんて抜かしてた者です。
やっぱ女体化ネタは荒れる原因になっちゃうんですかね。
反応してくれた人には申し訳ないけど、今回は自重ってことで様子見しますー
ごめんね。

213:名無しさん@ピンキー
08/04/02 10:14:22 9Q5cftkI
じゃあ数字板ちりスレの避難所へ是非ともお願いいたします!

214:名無しさん@ピンキー
08/04/02 15:34:11 oRRMHTfR
書いてくれ
避難所なら避難所でいいから

215:名無しさん@ピンキー
08/04/02 17:25:19 0BPkP7Uq
>>211
それは大嘘。都市伝説の類。
もし、そんなことしてる飼い主がいたら、飼う資格のないDQN。

216:名無しさん@ピンキー
08/04/03 00:57:07 E0q8G9ep
男性の登場人物の女体化はキモいが、
(女小草若×四草とか)
平米が実はメスで人間になって…とかなら自分は萌える。
平米の性別って、四草が平米って男性名をつけただけで
実は不詳だと思うし。

ぜひ書いて欲しい!
もし非難所に書いたら、誘導してくれると嬉しい。

217:名無しさん@ピンキー
08/04/03 02:10:16 5R0r/8zJ
女体化は無理と良いながら小草若だけはおkって小草若ヲタってどんだけ~

218:名無しさん@ピンキー
08/04/03 02:35:01 Bnaw/CfZ
>>217
誰もそんな事言うてへんがな

自分は相手が女キャラだったら、女体化もギリいける。

219:名無しさん@ピンキー
08/04/03 03:13:06 jshlIJcj
女体化ではありませんが、平兵衛視点の四草→若狭なんてもん思いついたんで投下します。
エロなし。片思いものです。カラスの。

220:平兵衛視点の四草→若狭1
08/04/03 03:13:43 jshlIJcj
私がご主人に拾われたのは3年前。
傷を負って迷いこんでしまった人間の家に彼はいた。
その家のシショウと呼ばれる人間と賭けをした彼は、本と顔を突き合わせておっかなびっくり、だけどひたむきに私を介抱し続けて。
傷が癒えた時、彼は私を欲しいと言ってくれた。
それから私はご主人のものになった。
ご主人は人間の中でも美しい姿をしている。烏の羽みたいに黒々と濡れた瞳と、鷲のように逞しい四肢と。
それに魅きつけられてか、ご主人の住む部屋には常に人間のメスが群がってきた。
所詮鳥の身の私は籠の中からご主人の肌に触れるメスどもを見ていることしか出来ないけど。
ご主人にとってはそれらは餌と一緒で。用が済めば例外無くオガクズみたいに捨てて、籠の中の私を愛撫してくれた。
そう、ご主人の女はこの私ただひとり。たとえ九官鳥であっても、ご主人が戻ってくるのは私の籠の傍らなのだから。
いつもそうだったのだから。
あの日までは。


221:平兵衛視点の四草→若狭2
08/04/03 03:14:15 jshlIJcj
あの日。
私が迷いこんだ庭にご主人が通うこともなくなってから3度の夏がきた、あの日。
突然、ご主人の部屋にきた人間ふたりの前で、私は思わずご主人が毎日唱えていたウタをうたってしまった。
ご主人があまりにも苦しそうだったから。
そして、あの日からご主人はこの部屋を出て再びあの家へ行くようになった。
また3年前と同じように微笑むご主人を見て私は嬉しかった。
なにもかも3年前と同じ。に、思えた。
でも、私は気付いてしまった。ご主人の微笑に3年前とは違うものが含まれるようになったのを。

いつものようにあの家から部屋に戻ってきたご主人は、私の籠の前でウタをうたう。
それは滑稽なものだったり、恐ろしいものだったり、時には胸の締め付けられるようなものもあった。
ご主人の美しい喉からうたわれるそれらを、私は出来るだけ真似てうたってみる。
私の喉はご主人と違って嗄れていてちっとも美しくならないのだけど、ご主人はとても喜んでくれた。
「ほんまに覚えが早いな平兵衛は。小草若兄さんとはおお違いや」
そう言いながらしてくれる愛撫がたまらなく好きだったのに。


222:平兵衛視点の四草→若狭3
08/04/03 03:14:47 jshlIJcj
このごろのご主人は私がうたっても籠の前でぼんやりしている事が多くなった。
そんな時はきまってあるコトバを呟いている。
き よ み
そのコトバをご主人はまるで甘い露を味わうようにゆっくりと舌の上でころがしていて。
私はそれを聞くたびに苦しくなった。
ご主人の中に、私の他に特別な女がいる。

そのコトバの正体はすぐに知れた。ご主人に連れられてあの家に行った時、いつかの、部屋に来た女がいた。
女といってもまだほんのヒナのような小娘で。ご主人が連れ込んでくる人間のメスとは比べ物にならないくらい乳臭いのに。
ご主人はひたと見つめて。あの甘い露を含んだコトバで呼び掛けていた。
いつかこの女がご主人の部屋に来る。私は籠の中からそれを見てるしか出来ない。
嫌。嫌。嫌。

でも、それは拍子抜けするくらい、私の杞憂で終わった。
待てど暮らせどちっとも来ないのだ。
どうやらあの小娘はご主人以外の男に夢中になってるらしい。
「…どこがええんや、あないな暑苦しい落語バカの」
悔しそうに呟くご主人は少し気の毒だったけど、私は安堵していた。

223:平兵衛視点の四草→若狭4
08/04/03 03:15:16 jshlIJcj
風に冬の匂いが混じるようになったある日。
その日のご主人はいつもと違っていた。
部屋に着くなり上着も脱がず、私の籠の前に恐ろしいくらいの勢いで飛び付いて来たのだ。
「いいか平兵衛、いまから俺の言うことをよーく覚えるんやぞ」
その瞳はいつに無く真摯なもので。ふいに拾われて介抱してくれた日々を思い出していた。
私に出来ることなら。
あなたの美しい声を、嗄れた喉で拙く繰り返す事しか出来ないけれど、それがあなたの助けになるなら。
だけど、ご主人の唇から紡がれるその声に、私の羽は冷たく固まっていくのを止められなかった。
「がんばれ わかさ がんばれ わかさ がんばれ わかさ…」
わ か さ
聞き慣れないコトバだった。でも、そのコトバの温度は違えようもない。
き よ み
ご主人が大切に唇に乗せる、あの娘の名と同じ温み。
「がんばれ わかさ わかさ わかさ…」
いつの間にか、ご主人は私の籠に額を押しつけ、抱き締めていた。

224:平兵衛視点の四草→若狭5
08/04/03 03:15:54 jshlIJcj
長くて綺麗な指が、籠のつるをゆるりと撫でる。何度も。何度も。
それは、私の羽根を撫でるのとも、ましてや身体を重ねる女たちとも全く違う。
愛おしく 撫でる
文字通りのその行為の先に、あの娘がいた。
ご主人の指先は焦がれるように娘の姿態を描いていく。
柔らかな頬からふっくらとした唇。細い首筋を伝って、豊かな膨らみとその先端。
くびれを掌で包み、その下に秘められた箇所へわけいって。
かたく瞼を閉じ、籠に押しつけた額にはうっすらと汗を浮かべ、熱い吐息を乗せる唇で娘の名を恋う彼は
喩えようもなく無様で美しかった。



明くる日、ご主人に連れられて娘の前に来た私は、散々に叩き込まれたセリフを鳴く。
「ガンバレワカサガンバレワカサ…」
だけど、そうは問屋が卸すもんか。算段の平兵衛の名にかけてこの恋は実らせやしない。
「ムダムダ オマエツカエヘン カエレブス」



以上です。実はちりとて真剣に見始めたの、草々実家へ帰るの巻からなんで季節があいまいです。
そこらへんは流していただくと底抜けに有り難いです。

225:名無しさん@ピンキー
08/04/03 03:48:58 g/vxLsnx
おお~、新しい!
GJ!!楽しく読ませて頂きました!

226:名無しさん@ピンキー
08/04/03 08:42:56 /tsApEZL
美しいね!
四草は悶々としてるのが似合うよ

227:名無しさん@ピンキー
08/04/03 09:36:35 5S4HToCQ
おもしろい!
そしてこんな乙女なのに「平兵衛」なんて名前をつけられてるカラスがいとおしい。
平兵衛可愛いよ平兵衛。

228:名無しさん@ピンキー
08/04/03 10:36:32 Y6gguFZd
四草×平兵衛(♀)よりも、
平兵衛(♀)→四草×若狭とか、
四草×若狭←平兵衛(♂)とかのほうが好きかも。

どれも四草×若狭前提やけど・・・。


229:名無しさん@ピンキー
08/04/03 11:14:38 ixEJy5ds
>>219
おおお!GJ!GJ!
おもしろかった!ありがとう!
切ないのう、㎡師匠…。

>>227
きゅ(ry

230:名無しさん@ピンキー
08/04/03 11:28:58 UtJFy24b
GJ!面白かったです!
乙女な平兵衛タソに萌えました

平兵衛(擬人化とかでなく鳥のままで)×若狭とか読んでみたいと思ってた自分を頃してやりたい

231:名無しさん@ピンキー
08/04/03 14:51:30 ETU0iK9Y
>>219
超GJです!!!
綺麗で切なくてとても新鮮。
現実とおとぎ話のはざまのような空気感がとても魅力的!
若狭を無様に美しく恋う四草…ってなんとも絵的ではないですか。
すごく良かったです。

クサい言葉連発の感想でほんますみません。言葉選びが上手く出来ない…

232:名無しさん@ピンキー
08/04/03 15:35:19 B82FV2rE
GJ!
他に言葉が出ない

233:名無しさん@ピンキー
08/04/03 23:42:31 zlrP8h4M
>>219
底抜けにGJ!
ものっすごく美しいのに、どこか官能的。
「頑張れ若狭」を仕込むのには、ものすごい愛情があると思うので。

234:名無しさん@ピンキー
08/04/04 02:13:29 GBxfeIEe
そーこーぬーけーにっ!おもろおましたがなぁ!!

235:名無しさん@ピンキー
08/04/04 15:27:02 qUjRJHEc
保存しますた

236:名無しさん@ピンキー
08/04/04 21:17:14 jvwzKNBU
今さらこのスレの存在知ったorz
まとめサイトとかないよね……あああ過去ログ読みたいorz

237:名無しさん@ピンキー
08/04/04 22:47:16 UqdedYfm
>>236
まとめサイトは知らないけど、ミラーで読める気がする。
多分読めるんじゃないかな?
第一席の中盤あたりから職人さんが多数居てかなり盛況だったね。

URLリンク(www.geocities.jp)

238:名無しさん@ピンキー
08/04/05 01:27:23 K3EB7Yso
携帯からだと過去ログが
読み放題なんだけどね

239:名無しさん@ピンキー
08/04/05 01:48:11 wnuH/MMJ
空気読まずぶったぎり投下失礼します。
それぞれのちりとて見れない悔しさからムシャクシャして書きなぐりました。
エロなし。落ちなし。五兄妹のgdgdギャグ。です。

240:真夏の徒然五兄妹その1
08/04/05 01:49:13 wnuH/MMJ
―続いて大阪の気温です…日中の平均気温は…
徒然亭草原は片側の耳でニュースの気象情報を拾いつつ、電話口に立っていた。
『そういうわけで3、4日明けるけどな。時たまでええから様子覗いたってくれや』
師匠・草若は磯七の散髪屋組合の慰安旅行に便乗して夕日ケ浦温泉へ行っている。
ちゃっかりとした性格は昔とちっとも変わってない。苦笑しつつ草原は愛妻に声を掛けた。
「今日ちょっと師匠の家寄ってくるで、昼は颯太と適当に済ましといてな」

平成6年8月某日。
その年の最高気温を記録することになる炎天下の中、
草若邸を訪ねた草原は早速この日最初の頭痛を覚えた。

241:真夏の徒然五兄妹その2
08/04/05 01:49:45 wnuH/MMJ
「なんでおまえが指図すをねん!」
「なんやとコラ!」
このクソ暑い中、飽きもせずに二番弟子と三番弟子が掴み合いの喧嘩の真っ最中。
真っ先に皮肉を言う筈の四番弟子はというと、板の間に突っ伏している。
「ソモソモーコレーワータイラノトモモリー」
物真似上手な九官鳥の声から察するに、船弁慶の稽古の途中で暑さにぶっ倒れたらしい。
「たらいまもどりまひたあ~」
両の手から買い物袋をぶら下げて帰宅した末っ子弟子は、
今にも頭から湯気を吹きそうなほど真っ赤な顔に汗を滴らせ、へろへろと崩れ落ちた。
ほとんど日射病一歩手前である。

242:真夏の徒然五兄妹その3
08/04/05 01:50:16 wnuH/MMJ
「若狭!!大丈夫か!?」
「草々!おまえこんな昼日中に喜代美ちゃんを買い物行かせたんか!!」
「やめえっちゅうねん!!!」
またもや取っ組み合う弟たちの頭へ一発ずつ拳固をくれ、妹を助け起こす。
「若狭、後はかたしとくからさき風呂浴びてき」
幾つになっても手が掛かる弟妹たちに頭を痛めつつ、
面倒見の良い長兄は取り敢えず食材を冷蔵庫に詰め込むと、
表通りを行くキャンデー屋を呼び止めに、再び射すような陽光の中へ出て行った。

冷菓を手に門をくぐった草原はやけに静まり返っている邸内を不審に思った。
先程まで取っ組み合いをしていた次男と三男は、何故か仲良く肩をそばめて息を詰めている。
見るとくたばっていたはずの四男までむっくりと頭を上げている。
(なんや…?)
弟たちの視線を辿って漸く合点がいった。と同時にその対象に目を奪われてしまった。
ふぅっという満足げな溜め息。密やかな衣擦れの音。
洗い髪にタオルをあてて佇んでいる、湯上がりの妹弟子の姿があった。

243:真夏の徒然五兄妹その4
08/04/05 01:50:50 wnuH/MMJ
襟ぐりの大きく開いたシャツはサイズがあっていないのか
うなじから肩までの白い曲線が丸見えになっている。
下にはスポーツブラを着けているらしいが、はち切れんばかりの豊かな乳房を覆うには面積が足りず、
窮屈そうにくい込んでいるのがシャツの上にくっきりと見えてしまっている。
思いきりよく括れた腰と、形のよい尻を包んだハーフパンツの下から
真っ白な太股とふくらはぎが伸び、若々しい姿態を一層眩しいものにしていた。
(ああそうやった)
ふだん垢抜けない格好でドタバタ走り回り子供っぽさの抜けないこの末っ子は
実は小柄なわりになかなかグラマラスな身体の持ち主だったりするのだ。

とはいえ、二十歳の乙女の無防備な姿を
独身の三十男たちの前にこれ以上晒しておくのはあまりにも酷だ。
なにより草原自身の目の毒だ。
スウッと一息吸い込み些かわざとらしい大声で皆に呼び掛けてみる。
「差し入れや!アイスキャンデー買うてきたで!」

244:真夏の徒然五兄妹その5
08/04/05 01:51:32 wnuH/MMJ
「わあ!草原にいさんありがとございます」
いそいそと嬉しげに卓袱台へついた末っ子とは対照的に、弟たちはなにやら不服げな顔を揃える。
中にはあからさまに「チッ」と舌打ちを鳴らした輩もいるようだが(恐らく四男)
…まあ聞かなかった事にしよう。
ともかく弟妹全員にキャンデーを手渡した長兄は、
師の留守を無事に守りおおせた充実感でいっぱいだった。
…筈だった。

「…んっ…んくっ…ぅん…」
白く太い棒が小さな口いっぱいに押し込められる。
柔らかな頬の内側できゅっと締めつけ、滴る液を白いのどがこくんと飲み干す。
飲み込みきれず、溢れ出した白い液体を追って赤い舌がちろちろとねぶる。
伏せた睫毛が揺れ、うっとりとした目元は朱をおび、形の良い眉は悩ましげに顰められ…

(だからなんでそないややこしいキャンデーの食いようさらすんじゃ!!!!)
叫び出しそうになるのをすんでの処で堪えた草原は、
本日何度めかの頭痛を覚えつつ男兄弟たちに目をやった。

245:真夏の徒然五兄妹その6
08/04/05 01:52:14 wnuH/MMJ
案の定、そこには
自分のキャンデーが溶けるのも構わず、あんぐりと口を開けたまま固まる二男。
鼻の下を伸ばしウヒョヒョヒョ…とだらしなくにやけっぱなしの三男。
ムッツリと黙り込み、舐め回すようにジロジロ見つめている四男。
「…どねしはったんですか?にいさんらぁは?」
男四人の異常な視線にやっと気付いたのか、ふいっと顔をあげて若狭が聞いてくる。
「あ?あ、ああ、ほんまにおいそしーに食べんのやな、思てな」
動揺する弟たちの代わりに答えてはみたのだが。
「噛んでますよ草原兄さん?一体なにを考えてたんですか?」
「四草!おまえこそさっきからなに喜代美ちゃんのことジロジロ見てんねん!」
「人の事言えんのか?小草若!やらしい目ぇで若狭見てたやないか!」
「なんやと?!やらしいのはどっちやこのムッツリスケベ!!」
暑さも手伝ってか互いに互いを責め合う男たち。
誰もが妹弟子を「そういう」対象で見ていた後ろめたさを隠すため、
必要以上に声が大きくなる。
「ちょっと!やめてください!!ケンカせんといて…」
「…あ」

246:真夏の徒然五兄妹その7
08/04/05 01:52:51 wnuH/MMJ
 ぽた
わけもわからず立ち上がりかけた若狭の手から、溶けかけのキャンデーが落ちた。
よりによって胸の谷間と股間に。
掴み合ったまま硬直する男たち。
(…おい、どーする?)
(誰かなんか言うてフォローせい!)
(できるか!この状況で!)

「…ひどい…あんまりや」
若狭の顔が悲しげに歪む。
「…まだ全部食べてへんのにぃ~!」

「…また新しの買うたるから、さき着替えぇ」
脱力感に襲われながら、なんとか長兄の威厳をもって草原は命じた。
「ほんまですか?ほんまに買うてくれなるんですか?」
ぱっと顔を輝かせる若狭。色気より食い気のお子さまかおまえは。
「まだまだ子どもやな若狭は」
「身体は充分おとななんですけどね。」
「だからそーゆーやらしい言い方やめ!」
着替えに内弟子部屋へ戻る末っ子を、どこかほっとした表情で見送る兄弟子一同。
いつの間にか、日も傾きかけ、
今年一番の真夏日は漸く終わりを告げようとしていた。


『で、どや?あいつらは。仲良うやってるか?』
なんだかんだで心配性の師の電話に、苦笑しつつ一番弟子は答える。
『ええ。いろいろありますが、まあ仲良うやってますよ。』


終われ

247:名無しさん@ピンキー
08/04/05 02:02:22 aCL+OXr3
>>239->>246
あ、リアルに久々立ち会えました。
エロなしといいつつ、エロいですがな!GJ!!

248:名無しさん@ピンキー
08/04/05 02:04:18 aCL+OXr3
>>239->>246
リンクこれでおkかな

249:名無しさん@ピンキー
08/04/05 02:12:15 12CWJFH/
>>239
GJ!こういうノリ大好きだ。

250:名無しさん@ピンキー
08/04/05 02:21:17 R6AQOc7j
>>239
そうそうそうこの感じ!!!懐かしの内弟子時代!
やっぱりこの雰囲気いいね。大好きだ~!
無防備無自覚のエロ爆弾な若狭可愛い。
というわけでめっちゃGJです!!

251:名無しさん@ピンキー
08/04/05 06:51:55 K3EB7Yso
面白かった!GJです

本編が終わったことで妄想が膨らませ易くなったね
居なくなった職人さん達、帰ってこないかな

252:名無しさん@ピンキー
08/04/05 09:00:43 wnuH/MMJ
DVD発売にスピンオフとまだまだちりとてビームは続いてるんで、
そろそろ帰ってきてくださるんじゃないかなと期待。

GJありがとうございます。
自分のアホ文が、少しでも職人さんの呼び水になってくれれば嬉しいです。

253:名無しさん@ピンキー
08/04/05 09:46:38 /sSyRd39
GJ!!

凄く楽しめました。
久々の5兄妹!


254:名無しさん@ピンキー
08/04/05 10:28:08 is60i1ua
>>239
〆の『終われ』に噴いたw
こういう投げっぱなしなノリ大好きw

255:名無しさん@ピンキー
08/04/05 11:51:49 Qw4vhGxM
>>239
内弟子時代、なつかしくて楽しかった!
あのクールな飼い主さえぶっ倒れる暑さで平米師匠は大丈夫なのか心配になったw

256:名無しさん@ピンキー
08/04/05 12:40:57 SSUH1FeS
>>239さんGJです!
ほのぼのエロ、ぐっときましたw

続いて投下させてください。
以前小草若×若狭を投下し、鼻毛を書くとか抜かしてた者です。
鼻毛が予想以上に書きにくかったため、痴漢ものに変更しました。

痴漢×若狭(年季開けして間もない、タレントの仕事が入り出す前)です。
あんまりエロくないですが。




257:痴漢×若狭 メトロに乗って 1
08/04/05 12:41:50 SSUH1FeS
若狭は京都に向かっていた。
小さな会場で催される半年に一度の反物市での営業の仕事が入ったからだ。
有り難いことに女性落語家はこういうとき重宝される。

マネージャーは今日は不在で、勿論車など用意されていないため、若狭はひとりで快速急行に乗り込んだ。
土曜日の朝とあって、なかなか車内は混合っていた。

(うわぁ…ぎゅうぎゅうやなあ…)

小さな体は人込みに流されて、車内の端っこに追いやられた。
ほぼ身動きのとれない状態も仕方ないと高を括り、目的地まで我慢することにした。
暫く電車に揺られながら今日の高座の内容を確認していた若狭だが、急に腰あたりに人の手が触れた。

(え…?)

驚いて身を堅くした若狭の腰を、何者かがゆるゆると撫でまわす。

(ち、痴漢!?いや…どねしよ…)

周りに助けを求めようとも、恐怖で声が出ない。
しかも次の停車駅まではまだだいぶ時間がある。

(助けて…誰か助けて!)

心の叫びは誰にも届かない。
腰を撫でていた手は段々下へ伸び、若狭の柔らかな尻を揉みしだきだした。
ジーンズ越しとはいえ、男の手のひらの熱さが伝わってくるのがなんとも気持ち悪い。
耳元にも熱い吐息がとぎれとぎれにかかる。

258:痴漢×若狭 メトロに乗って 2
08/04/05 12:42:30 SSUH1FeS
(どねしよ…気持ち悪いし、恥ずかしい)

恐怖で抵抗出来ない若狭に気を良くしたのか、男は体制を変えて若狭にぴったりくっついた。
後ろから抱きすくめられる形になり、今度は腹部を撫でられる。
腰には男の熱を帯びた肉棒が布越しに擦り付けられている。
するりと男の手が服の中に侵入し、直に若狭の弾力のある肌に触れた。
汗でしっとり濡れた手のひらが腹部をくすぐるように這い回る。

(もういや…誰か、誰か気付いて!)

助けを求めるように目を見開くが、目の前は壁。
誰も気付きはしなかった。
そうこうしているうちに、男の手がゆっくりとショーツの中へと進んできた。
そしてすぐさま指がクリトリスに触れる。
恐怖とは裏腹に先程からの見知らぬ男からの愛撫にそこはすでに膨れはじめていた。
男は鼻で笑い、若狭のそこを中指でコリコリと刺激した。

「ん……っ!」

突然の刺激に、若狭は思わず声を漏らしそうになった。
唇を噛み締めてなんとか堪えたが、涙は今にも溢れ出しそうだった。

(知らん人に触られて感じるやなんて…私、変態や…)

そんな若狭に、男は構わず刺激を与え続けた。
膝はガクガク震え、立っているのがやっとの状態だった。

259:痴漢×若狭 メトロに乗って 2
08/04/05 12:43:39 SSUH1FeS
男は指を更に下へと進め、すでに濡れている秘部に辿り着いた。
柔らかな肉が付いたそこに指を滑らすと、濡れそぼったそこは難なく男の指を受け入れた。

「ひ…っん…!」

くちくちと淫らな音をたてながら男の太い指が中を掻き混ぜる。
気がつけば3本もの指が立て続けに動いて若狭の中を犯していた。
もう片方の手で胸を揉みしだかれ、時たま耳や首筋を舐められる。

「あ…っん…ふ…」

若狭はただ、堪えて声を押さえるしか術がなかった。
気が遠くなりそうなぐらい長い時間がすぎていた。

『次は北大路、北大路です』

車内アナウンスが流れた瞬間、男は身を引いた。
そしてそそくさと電車を降りていった。
―助かった。
そう思い、溜め息を付いた矢先。

「ネェちゃん、俺も頼むわ」

若い男が体をぴったりと寄せ、耳元で囁いた。

260:名無しさん@ピンキー
08/04/05 12:45:20 SSUH1FeS
以上です。
最後、タイトルミスりましたorz
あんまり長いとアレかな~と思いましたが…ちょw短すぎだろこれww
楽しんで頂けたら幸いです。

261:名無しさん@ピンキー
08/04/06 06:45:46 pVRVe4EJ
乙!
御堂筋線とか阪急神戸線とか身近な「痴漢頻発線」を
想像してもたよ

262:名無しさん@ピンキー
08/04/06 10:27:51 XsQs9E3C
>>256
GJ!GJ!GJ!GJ!がっつり痴漢えろktkr
オチがブラックすぎて良いね!
鼻毛も底抜けに期待してます。

263:名無しさん@ピンキー
08/04/06 19:25:11 WaoNaiyz
>>260
痴漢電車イイヨイイヨ~!GJ!
ああいう背の低いむっちり系おとなし顔の娘は狙われやすいらしいしw
これからは兄弟子の誰かに護衛してもらわんとね。

264:名無しさん@ピンキー
08/04/06 20:15:17 3nWDIfPj
痴漢から守るために密着した兄弟子がだんだんハアハアしてきて……
援護のはずが痴漢に早変わりw

265:名無しさん@ピンキー
08/04/06 22:23:54 fASQF4uk
えー、流れぶった切らせて頂きます、すいません。創作は初投稿です。
四草×若狭+小草若(共犯)、みたいな感じ。
時期的には24~25週。本編深読み。

若狭→草々が好きな方には、拷問以外の何物でもありません(陳謝)。

関係は持ちますが、エロ描写は皆無と言っていいでしょう。
書けませんでした。申し訳ないが、各自で脳内補完して下さい(ぇ)。

266:夕陽の国  1 予兆
08/04/06 22:25:42 fASQF4uk
高座に復帰した小草若は、若狭とともに大阪に戻ることになった。
電車に座ると、不思議に思ったことを尋ねてみた。
「若狭。いっこ聞いてええか」
何だろう、と若狭に緊張が走る。
見開いた目がおかしくて、小草若は思わず笑った。
「大したことちゃうねん。ただな、何でかなー思ただけで」
「何で、若狭は、俺が『草々にだけは継いで欲しない』思てる、て
 そない考えたんかな、て……ちょっと気になっただけや」
「え?!」
若狭は、ちょっとしたパニック状態になった。
それを説明しようとすると、草原が草々に襲名を勧めたとか、
草々が一度は襲名を受け入れたとか、もろもろを話さないといけない。
「いやいやいや、何やようわからんけど、細かいことはええねん。
 ただ、草々が何か思てたんかな、て……気ぃ遣わせたかな、て思たんや」
「草々兄さんは、そんな細かいこと考えとらんでぇ。
 小草若兄さんに継ぐのが一番や、とは、いっつも言うてますけど」
「そしたら、何で、『草々があかん』なんて思たんや」
「いえ、四草兄さんが……」
若狭の口から、意外な人物の名前が漏れ、小草若は目を丸くした。
小草若の反応に気付かず、若狭は、独り言のように続けた。
「四草兄さんが、あんなこと言いなったの何でやろ? 考えてたら、
 もしかして、そんな風に思とんなるんやないやろか、て気付いて……」
ここまで言って、小草若の視線に気付いた若狭は、慌てて手を振った。
「ああああの、気にせんで下さい! 別に、草々兄さんが草若襲名することに
 なりかけたとか、そういうわけやないですさけ!!」
言うてるがな、と突っ込むのはやめておいた。
小草若が気になったのは、そんなことではない。
常に草々のことで頭がいっぱいで、草々の立場からしか物事を見て
いなかったような若狭が、四草の言動について考えた。それが意外だった。

今思うと、それは予兆だった。

267:夕陽の国  2 隙間
08/04/06 22:27:29 fASQF4uk
大阪に帰って、ひとしきり再会の喜びに浸った後、一門は「寝床」で飲んだ。
「若狭、ウーロン茶」
四草が言うと同時に、若狭はウーロン茶を四草のグラスに注いでいた。
「何や……珍しいな」
「四草兄さんにも……いっぱい迷惑かけたでぇ」
若狭の言葉に、小さく笑って首を振る四草。
が、次の瞬間、つまみの追加を言いつけていた。
自分の注文のためにぱたぱたと動き回る若狭への眼差しに気付いた者が
いようとは、四草にしては迂闊にも気付いていなかった。

(……思た通りや)
弟弟子と妹弟子の様子を見て、小草若は確信に至った。
そもそも、四草が若狭を思っているのではないか、という疑いはあった。
算段も笑顔も優しさも苛立ちも……四草が全ての感情を見せた唯一の女。
それが若狭だった。四草自身は、長らく自分の感情に気付いていなかったが。
年越しそばを奢ってくれたときに、さり気なく聞いてみたが、四草は
「何でそんなことを思いついた」と言わんばかりの顔をするだけだった。
草々を思い続けている若狭を愛するなど、リターンのない行動には
無縁でいようとするのが、四草のやり方だ。しかし
(もったいないなぁ……)
と、小草若は思う。どんなに自分が頑張っても、決して入り込めなかった
若狭の心の隙間に、四草はいつしか根を伸ばしていた。
それに気付かず、四草は、自分の心に生まれた愛情だけに気付いて、
穏やかな目で若狭を追っていた。

268:夕陽の国  3 発端
08/04/06 22:30:10 fASQF4uk
翌日、草々と若狭が暮らす草若邸を訪ねた小草若は、
久々にためらいなく居間に上がった。
草々と小草々は留守で、若狭は料理をしていた。
「ほんまは、二人とも今日は要らんのですけど、私がおらんときもあるさけ、
 こうやって時間あるときに作り置きしとるんです」
「そうか。……ちょっと頼んでええかな」
このとき、小草若は、我ながら名案が浮かんだ、という思いしかなかった。
「俺の夕飯の当番、たまに代わってくれへんかな。
 四草と交代で作ってんねんけど、俺、バイト入れながら落語稽古せんと
 あかんし……そら、みんなそうやねんけど、とにかく……
 四草のメシ、頼むわ。出来たら今日、早速」
若狭は、きょとんとした顔をし、それから笑って言った。
「ほしたら、今からこれ、持って行きましょか」

小草若が若狭を伴って四草の部屋に戻ると、四草はちょうど、
高座が終わって帰宅したところのようだった。
若狭は、さっと部屋に上がりこみ、持って来た煮物を広げた。
四草のとがめるような視線を気にも留めず、小草若は明るく
「ほな、若狭、あとよろしゅう頼むな。
 俺はバイト行って、その後、袖から高座見てくるし、遅なるわ」
「小草若兄さ……」
四草の呼び止める声を気にも留めず、小草若は笑って出て行った。

269:夕陽の国  4 崩壊
08/04/06 22:32:24 fASQF4uk
(……余計なことを)
四草は内心で舌打ちをした。
小草若が、若狭への思いを見抜いているのは、何となく感じていた。
だからこそ、歯止めになると安心していたのに、
まさか、部屋に若狭と二人きりにさせるとは思ってもみなかった。
(無理強いは、しとない。そやけど……止まらへん)
「あ! お味噌汁、お味噌汁でも作りましょうかね?」
明るい声が、四草の理性を失わせた。
若狭の背中に、腕を伸ばす。
「四草兄さん?」
そのまま、若狭の全体を腕の中に収めてしまった。

若狭は身動きをしない。
自分で行動を起こしておきながら、そんな若狭に四草は苛立った。
「何で抵抗せえへんねん……どないなっても知らんぞ」
掠れ声で言った瞬間、若狭の腕が、そっと四草の腕を抱きしめた。

270:夕陽の国  5 応答
08/04/06 22:35:11 fASQF4uk
小草若から、「草々兄さんにだけは襲名して欲しない」という結論に
辿り着いた理由を聞かれたあの時、若狭は、夕方であることに感謝した。
四草の名前を出し、四草のことを考えることで、小草若の感情に気付いた。
その過程を振り返った時の、自分の感情を思い出して、顔が熱を持った。
(四草兄さんは、小草々君が言うような、悪い人やない、優しい人や。
 草々兄さんが破門になったときかて心配しとんなったし、私が落語で
 悩んで相談に行ったら、お手本を見せてくれなるし……。
 その四草兄さんが、何で? 何で自分が襲名したいなんて……)
入門順が近いために稽古を見てもらうことも多かっただけに、
若狭にとって、いつしか四草は身近な存在になっていた。
だから、自分一人で考えた時は気付かなかった。

四草のことを、一生懸命に思っていた自分に。

今、後ろから回された腕に、記憶が蘇る。
結婚当初、草々と喧嘩して落ち込む自分を抱きしめた腕。
戸惑ったものの、決して嫌ではなかった。
そんな自分に余計戸惑って、草々を必死に追いかけた。
ずっと私が好きやったのは、草々兄さんなんやから。
だけど……

四草の唇が、首筋に触れた。回された腕の力は、決して強くない。
逃れようと思えば、いくらでも可能なのに。
「何や……動けへんのか?」
耳元で聞こえる四草の声。違う。動けないのではなく、動かないのだ。
自分の中にある思わぬ感情に、声が出ない。
若狭は、返事の代わりに、振り返って潤んだ瞳を四草に向け、
それから黙って彼にもたれかかった。

271:夕陽の国  6 流転
08/04/06 22:37:04 fASQF4uk
こんなにも優しく女を扱った記憶が、四草にはない。
そのくせ、こんなにも相手を求めた記憶もなかった。
若狭の全てを自分のものにできた。
求めても無駄だと諦めていた存在だったものを。

そして、若狭もまた、四草の温もりに、ずっと自分が求めていたものが、
これだったのだと知った。間近にある四草の顔を見て、若狭に笑顔が浮かぶ。

その時だった。

覆い被さっている四草が、突然乱暴になった。
若狭の腕を押さえつける力が強くなり、乳房を摘む指がきつくなり、
脚を強引に広げさせるようになった。
「し……四草兄さん……?」
呼びかけても、四草は若狭と目を合わせない。若狭は混乱した。
二人、同じ思いを抱いたと言うのは錯覚だったのだろうか。
関係を持つに及んだのは、ただの四草の気まぐれなのか。
一度、そんな疑いが生まれると、咄嗟に抵抗してしまう。
だが、力で敵うわけもなく。
「……いや……っ!」
若狭の悲鳴にも、四草は耳を貸さない。
ただ、無言で、淡々と若狭を支配した。
四草の豹変振りについて行けないまま、若狭は、その指に翻弄された。

272:夕陽の国  7 視線
08/04/06 22:40:11 fASQF4uk
いつしか、意識を手放していたらしい。
若狭が気付いた時には、四草はこちらに背を向けて座っていた。
四草の背中を、窓から差し込む西日が照らしている。
若狭は、自分の頬が濡れていることに気付き、そっと手の甲で拭った。
四草のものらしきモノトーンの布団が、若狭の体を覆っている。
その温かさは、確かに、四草が優しく触れた時のものだった。
「……四草兄さん」
四草の意図がわからぬまま、若狭は静かに呼びかける。表情が見えない。
若狭は、起き上がると四草に近付いた。が
「寄るな……!」
激しい叫びに、伸ばした手が止まる。四草は、相変わらず若狭の顔を見ない。
「四草兄さん、何で……」
「ええか、若狭」
押し殺した声に、若狭は目を見開く。
「お前は、夕飯の準備しに来ただけや」
え、と息だけが若狭の口から漏れた。四草は、静かに続ける。
「夕飯作りに来たったのに、このどうしようもない兄弟子に、
 無理やり迫られて、犯されたんや。
 女の力では……ろくに抵抗も出来んかったんやな」
「何で!」
若狭は思わず叫ぶ。
「何でそんなこと言うとんですか!」
掛け布団だけを身に纏い、四草の正面に座り込む。
四草の強い目が、若狭を捉えた。その目を知っている、と若狭は気付いた。
あの時と、同じ……。

273:夕陽の国  8 刹那
08/04/06 22:42:29 fASQF4uk
「何で四草兄さんはそうなんですか!
 自分で抱え込んで、自分だけが悪う言われるようなこと言うて……!
 襲名問題の時かて、みんなに酷い責められて……何で、四草兄さん……」
若狭は次第に涙声になる。
草々に責められても黙ったままの四草を、見ているのがつらかった。
今回もまた、悪役を一人で引き受けようと言うのか。
「けど若狭。お前に、草々兄さんの家族幻想、壊せんのか」
四草の言葉に、若狭は草々の顔を思い浮かべる。
その昔、恋しくて恋しくて仕方なかった存在。
いつしか、恋い慕う相手ではなく、「家族」らしくなり、そして……
小草々がやって来て「師匠とおかみさん」の関係になった。
草々はむしろ、その関係に満足しているように見えた。
「おかみさん」を求め続けた、家族が欲しいと願い続けた草々……。
若狭は、ぶるんと頭を振って、思考を止めた。
「……今更、何言うとんなるんですか」
若狭の言葉に、四草は小さく笑う。
「そやな。でも、お前は草々兄さんをほっとけへん……やろ?」
どこまでも深く見通した四草の言葉に、若狭の目から涙が溢れる。
自分が四草を求め、四草を満たしてやりたくても……
「家族」の情としては、「草々一門」を壊せない。
「……ごめんなさい……」
「布団で涙を拭いたり、鼻をかんだりはやめろ」
若狭は慌てて布団を手放した。拍子に、白い体が露わになる。
今更ながら戸惑い所在なさげな様子を見せる若狭に、
四草は思わず笑みを漏らした。
そういうところは、初めて惹かれたときから、少しも変わらない。
手を伸ばし、指の腹で涙を拭ってやる。
「……泣くな喜代美」
言うと、喜代美の目から、さらに涙が溢れた。
次の瞬間、彼女は四草の胸にかじりついてきた。
震える体を抱きしめてやる。温かく、柔らかく、心地いい。
離れがたく思いながらも、この温度が刹那的であることを、
四草は自らに言い聞かせていた。

274:夕陽の国  9 陽光
08/04/06 22:47:19 fASQF4uk
夜、小草若が帰宅した時には、四草は夕飯を食べ終えたところだった。
室内には、四草の布団が出ている。
それを見ると、日頃、四草から「頭悪い」と言われている小草若だったが、
留守の間に何が起きたかわかる。そもそも、そのつもりで外出した。
だが、逆に四草は憔悴していた。
彼の出生を思えば、実の親と同じ行為に及んだというのは、
思いを秘めたままでいたより苦しいのかもしれない。
常に自分を励ましてくれた弟弟子と、自分を迎えに来てくれた愛しい妹弟子。
二人のために、とこの場を離れたことが、かえって残酷だったかもしれない。
「……四草」
小草若は呼びかける。
「すまんかったな。その……メシ当番サボって、長いこと外おって……」
四草は、静かに小草若を見据えた。
この洞察力に長けた男は、小草若の侘びの真実を、確実に理解している。
「小草若兄さんが、謝る必要はありません」
起こった出来事を見抜かれていると悟ってか、四草は誤魔化しを言わない。
「出て行った後で何が起ころうと……
 小草若兄さんの知ったこっちゃないでしょう」
「そうか」
小草若は、それ以上追求しなかった。
「そやけど、一人で何でも抱え込むんとちゃうで。
 しんどなったら、俺に言え、な?」
四草は小さく笑った。どこまでも、若狭と小草若は似ている。
そんな陽の光のような性格を翳らせたくないものだと、四草は思った。


【終】

275:265-274
08/04/06 22:51:57 fASQF4uk
すいません、初投稿なので、文章の加減がわからず……(汗)。
確認画面が出ると思って安心してたら、連続投稿の時は出ないんですね。
おかげで、1記事辺りの分量が多くてすいません。
しかも前振りが長かった……(大汗)。

四草×若狭が好きなのもあったんですが、第一席の時から「小草若×若狭」を
見守る四草が出て来る話は結構あって好きだったので、
ふと「小草若と四草のポジションを入れ替えたら?」
と思ってしまったのが運の尽き。四草と若狭が二人でいるシーンより、
小草若の出番が多いではないですかorz。

お目汚し失礼しました。


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