08/03/18 10:08:27 UK8sni00
咄嗟に支えるものを探して彷徨ったフェルトの手が、パイロットシート脇のコンソールパ
ネルにしがみ付こうとする寸前に、ロックオンの手がフェルトの身体を支えて引き戻した。
「っぶねぇなぁ。大丈夫か、フェルト?」
達した直後で軽い放心状態のフェルトが荒い息遣いもおさまらないまま、ぼんやりとロッ
クオンを見つめる。一応、ロックオンの問いかけにこくりと頷きはするが、いまいち現状
を把握できていない様子のフェルトに、悪戯心を出したロックオンがさらに声をかける。
「おーい、フェルトー? せっかく気持ち良くなってるとこ悪いんだけど、あんまり不用
心にそんなとこに手置いてると、ほれ、ブリッジとの通信開いちまうぜ?」
「……!!」
さすがにこれには慌てたのか、それまでトロンとしていたフェルトの瞳がぱちくりと大き
く開かれると、ほとんど瞬間的にパッとコンソールパネルから手を引っ込めた。
不安そうに周囲のモニタに目をやるフェルトのうろたえっぷりに、ロックオンは我慢でき
ずにふきだす。
「冗談だって、さっき全部のロックかけといたから心配ご無用ってな」
「……ロックオンっ! もうっっ、なんで!」
「うわ、悪ぃ。待て待て、フェルト!」
それでなくても一人で絶頂に達してしまった恥ずかしさに加えて、この仕打ちである。
あまりのきまり悪さにカッとなったフェルトが、この意地悪な恋人の胸へ打ちつけようと
振り上げた小さな拳を、ロックオンの手が優しく受け止めた。肩をすくめると、フェルト
に対していかにも不満げな、不機嫌そうな顔をつくってみせる。
「でもよ、正直俺もショックよ? 目の前にこんなかっこいいお兄さんがいるのに、なん
で俺じゃなくてそんなとこにしがみ付こうとするかね? 普通、俺だろ俺?」
大げさに口を尖らせてみせたあとで、ロックオンはふと真顔に戻ると掴んでいたフェルト
の両手を自分の首の後ろにそっとまわした。
「ほら、これが正しい手の置き場所だ。これからは、俺といる時はここがフェルトの腕の
定位置ってわけだ。なにがあろうとこれからはずっとな……」
「ロックオン……」
普段のどこか軽口めいた口ぶりとは違って真剣な口調でそう言われて、フェルトはそれ以
上何も言えず、そのままギュッとロックオンの首に抱きついた。
今度こそ全身をすべて自分にあずけてくる少女の身体の重みを、体温を、鼓動をロックオ
ンもまた全身で受け止める。だがそれだけでは飽き足らない、さらにもっと深く、この少
女のすべてを今すぐ自分の物にしたいという思いがロックオンの身体中を支配する。
密着していた身体の間に隙間をつくると、片手でズボンのベルトを解いて、ずいぶんと前
から中で窮屈そうに張り詰めていた自身を解放する。
「フェルト……そろそろ入れるぜ?」
フェルトが、さっと顔を赤らめると視線を逸らした。