08/08/17 04:46:04 JzDK9fi0
「ヴェーダは何者かに掌握されてしまった。ヴェーダがなければこの計画は…」
「できるだろ!」
その先を言わせないように声をかぶせる。小さなうめきと共にティエリアがこちらを向く。その眼差しに、涙の跡を見る。俺は一瞬視線を通わせるとティエリアからそれを外す。
「戦争根絶の為に戦うんだ、ガンダムに乗ってな」
「だが、計画実現の可能性が…」
「四の五の言わずにやりゃぁいいんだよ。お手本になる奴がすぐ側にいるじゃねぇか。自分の思ったことをがむしゃらにやるバカがな」
そして俺も相当バカだ。ティエリアに掛けた言葉は全部自分の我侭の押し付けだ。だけどその言葉でティエリアは揺れ動いている。エゴで俺はティエリアを動かそうとしている。生き残るために…
「自分の思ったことを…」
「じゃなぁ~部屋戻って休めよ~」
これ以上いたら俺はボロを出しかねない。そう感じると俺は、あくまで自然にティエリアから離れた。