ガンダム00(ダブルオー)エロ小説総合スレ3at EROPARO
ガンダム00(ダブルオー)エロ小説総合スレ3 - 暇つぶし2ch450:名無しさん@ピンキー
08/04/04 21:36:13 ba6hsCJq
マリナも、2期で刹那とにゃんにゃんすれば
このスレでの扱いもまともになるのかな?
現在では某所の影響で本編の面影が残ってないという・・・。

451:名無しさん@ピンキー
08/04/04 21:47:41 xwsvLY6W
>>450
小説だと結構いい感じなのにな・・・

452:名無しさん@ピンキー
08/04/04 21:48:58 FCStwh53
本編が空気だったからねえ
二期で活躍してくれればそれに応じて
変わってくるだろうさ

453:名無しさん@ピンキー
08/04/04 22:02:50 pg1RuIze
これで二期が一期の放置伏線回収してリンクしまくった上にストーリーが前進したら俺的に神アニメ

454:名無しさん@ピンキー
08/04/05 01:15:27 kMYICHx2
他のトコでやってる
サイドストーリーも絡めてくれたら・・・。

455:名無しさん@ピンキー
08/04/05 01:41:47 Nppr1X4u
ロクフェル読みたい・・・・

456:名無しさん@ピンキー
08/04/05 02:22:38 wiOtNfnE
久しぶりに来たらアレハレ×スメラギの続きが投下されてて感激した!

エロもイイがアレハレ一人漫才に笑い転げるスメラギさんに萌え

やっぱこの人好きだわw
職人さんGJ!

457:名無しさん@ピンキー
08/04/05 03:01:44 VL6MrTbE
最近刹フェル職人さん来ないな

458:名無しさん@ピンキー
08/04/05 10:05:53 xpFJ1Drv
あげゃがババァを鬼畜攻めするSSを読みたいのは俺だけではあるまい。

459:名無しさん@ピンキー
08/04/05 12:19:49 mKY6qixa
>>458
うむ。同意しよう

460:名無しさん@ピンキー
08/04/05 14:39:01 doA+N5RO
ここは874のナノマシンプレイであげゃを攻めよう

461:名無しさん@ピンキー
08/04/05 17:16:22 mKY6qixa
>>460
それは…萌えると言わざるを得ないw

462:名無しさん@ピンキー
08/04/05 18:54:19 1RBbQgYV
>>460
ナノマシン操作で通常の性交では体感不可能な快楽を得るわけだな?

463:名無しさん@ピンキー
08/04/05 20:31:51 mKY6qixa
>>462
そうなると一人で十分だなw

464:名無しさん@ピンキー
08/04/05 22:20:31 r6lxDirK
ロクスメを…誰か…。

465:名無しさん@ピンキー
08/04/05 23:37:26 mKY6qixa
まさかの…職人さん留守?

466:名無しさん@ピンキー
08/04/06 02:02:38 gvlFW6gS
職人さん留美?
って見えた俺は紅龍ですかそうですか

467:名無しさん@ピンキー
08/04/06 07:24:59 unhouwA6
流れぶった切って刹マリ投下してみる。とりあえず前半だけ
妄想入りまくりで多少なりとも文章がおかしいかもしれん。
後半はマリ刹マリ予定なんで需要があったら投下して見る・・・

468:刹マリ1/4
08/04/06 07:30:28 unhouwA6
「刹那…」
戦いが終わってから二年、毎夜窓を眺めてはもう来ないであろう彼の名を呟くのは幾度目だろう…?世界は徐々に確実にまとまりを見せ、各国家軍は統一するために軍の解体準備を始めていた。
平和へと世界が歩み寄る中、自国では内紛が続いている。今は彼らの代わりに国連が牽制をしているが、それが新たな火種を生む事もある。精神的にまだまだ閉鎖的な国民がよそ者として受け入れないためだ。
新たな火の手が上がるたび、私は空を見上げる。何を期待しているのか分からないわけではない。だから余計に胸が苦しくなる。彼への思いと、国民への自責の念に。
「刹那達は世界を変えた…なのに私は、アザディスタンの内紛を抑える事すら…出来ない」
「諦めるのか、マリナ・イスマイール」
「…っ!?」
呟きはそのまま闇夜に消えるはずだった。しかし、窓の外からそれを諌める声がしたかと思うと、その人影は月明かりを背に部屋に入ってきた。…いつかの刹那のように。
「…だ、誰」
知っている顔のはずなのにそう問い掛けられずにはいられなかった。あれから二年経っていることと、わずかな面影を残して彼の顔つきが少年から青年へと変わっていたこと。そしてさらに低くなった声。自分の中の彼とだいぶ誤差が生じている。


469:刹マリ2/4
08/04/06 07:31:56 unhouwA6
「…刹那?」
ゆっくりと寝所から立ち上がると、同じ目線だった彼を見上げている自分がまるで小さく感じて目を逸らす。
「マリナ」
名前を呼ばれ、再び目線を戻すと少し傷ついたような視線が私を見つめる。
「ご、ごめんなさい…私、そんなつもりじゃ…」
言葉は途中で遮られた。大きな腕で抱き寄せられると息が掛かる程近くに刹那の顔があり、そのまま私の唇を刹那のそれで塞がれた。
「…むうっ」
刹那が頭を抱えているので逸らす事も出来ず、解放するまでそれは続いた。力が抜け、崩れ落ちそうになった私をゆっくり寝台に座らせると、刹那は私の前にかがんだ。
「マリナ・イスマイール、俺は…俺達は武力で世界を変えた。けれど、代償もそれに見合う以上に払った。
仲間が死んで…俺もエクシアを無くした。目を覚ましたらほとんど全てなくなっていた。怖くて、俺は…」
再び唇を塞がれるとゆっくり寝台に倒れこむ。拒む事も出来たはずなのに、いつのまにか私がしがみついていた。
「私、刹那に…会いたかったの」
零れ落ちた涙をぬぐうように刹那が目じりに口付けをする。一瞬視線を合わせると、それを合図に刹那が首筋を這うように唇が降りていく。


470:刹マリ3/4
08/04/06 07:32:45 unhouwA6
「…いっ」
右手がネグリジェの上からわき腹をなぞり、胸の膨らみに触れると痛いくらいに掴まれる。
「やさしく出来ないかも知れない…」
そう呟くと一気に服を引き下げられ、露になった胸の突起部を舌先で転がされると小さく呻き声をあげる。
「せ、つな…」
快楽で薄れそうな意識の中、刹那に手を伸ばす。しかし、ネグリジェの肩紐が腕に絡みつき届くことなく落ちる。抱き締めたい…けれどそんな思いを無視するかのように、刹那はさらに激しさを増す。
同時に左手で胸揉みながら突起部に刺激を与え、右手では器用に裾を上げ秘部を下着の上からなぞられた。
「んぁあっ…!」
強弱をつけたそれに体は否応無く反応する。刹那に抱きつこうにも服が拘束具の様にまとわりつき、腕が上がらない。
「あっ…や、刹那ぁ」
下着を下ろし、指が小さな芽を擦りながら進入してくる。既に濡れていたそこは刹那の指を難なく受け入れる。指を一旦引き抜くと二本に増やし再び侵入してくる。
先ほどとは違い痛みを伴いながら入っていくそれを何とか受け入れると芽を擦りながら中でバラバラに動く。


471:刹マリ4/4
08/04/06 07:33:36 unhouwA6
卑猥な水音をたて羞恥心とその刺激に耐え切れず服を腕に食い込ませながら刹那に手を伸ばし辛うじて服を掴み引き寄せる。
両手で襟元を掴むと刹那の激しい抽挿に皺をつけるほど強く握り締めると同時に絶頂を迎え、あっけなく刹那の胸元を引き裂いた。
胸元がはだけ、半裸になった刹那を見て私は息を呑む。先ほどまでの熱が一気に冷めていく。
鍛え上げられた肉体と、そこに走る様々な傷痕…大きさから致命傷と見て取れる痕もあった。唖然としていると罰が悪そうに刹那が顔をそむけた。
「見られたくなかった…」
指を抜き体を離すと両手で胸元をあわせる。もしかして、見られたくないから服で私を拘束したの…?
「刹那」
まとわり付く服を脱ぎ捨てると、丸くなった刹那の背中に抱きつく。
「見せて、ううん…私は見なくちゃいけいの」
刹那の戦ってきた証を胸に、体に焼き付けたい。それがきっと私の礎なりそうな気がする。
「マリナ…イスっ」
刹那がしたように今度は私が後ろから口を塞ぐ。そのまま首筋をなぞると胸元に手をかける。
「お願い…刹那」
背中に抱きついたままそっと胸元に私は手を滑り込ませた。


472:刹マリ4/4
08/04/06 07:35:33 unhouwA6
とりあえず前半以上です。遅れながら小説で禿萌えた。本編でなぜやらん!…orz


473:名無しさん@ピンキー
08/04/06 08:17:37 Z2ZfVFQD
>>466
敢えて言おう!重症であると!

474:名無しさん@ピンキー
08/04/06 08:29:53 Z2ZfVFQD
>>472
激しくGJ!を送ります!
刹マリも萌えますな!…もう一回読んで来る!!!

475:名無しさん@ピンキー
08/04/06 08:32:11 HxISKQ9q
マリナ椅子?

476:名無しさん@ピンキー
08/04/06 11:08:52 e3uJpfnw
スパイダーマッ!

477:名無しさん@ピンキー
08/04/06 12:52:44 Z2ZfVFQD
>>476なぜにあの男が来る!自重しない男だな!
しかし俺は刹マリにも目覚めた様だ!
ま~けたぁ~orz

478:名無しさん@ピンキー
08/04/06 13:33:10 b5EIEEsQ
>>476
自重しない男、それがス(ry

479:名無しさん@ピンキー
08/04/06 15:50:58 KsYwHAO5
刹マリいいねぇw
刹那が成長してマリナよりでっかくなってるとかたまらないな
後半楽しみにしてます

480:名無しさん@ピンキー
08/04/07 00:01:13 yAQyTYLd
てすと

481:名無しさん@ピンキー
08/04/07 00:15:40 mkSs05Ju
>>472
刹マリ来てるー!GJ!
2期できっとこの二人の萌えがくる筈だ!刹那もガタイが成長してるだろうし

後半のマリ刹マリも期待して待ってるよ!

482:名無しさん@ピンキー
08/04/07 01:10:54 R+ckXFb9
>>468
は、はやく後編を!
全裸でチンコスタンバイして待ってる

483:名無しさん@ピンキー
08/04/07 02:56:16 Be/HTEPq
刹マリキテタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
地味に待ち望んでいたかいがあった。
続きもwktk。

484:468
08/04/07 21:11:58 yUxdCeCT
レスありがとうございます。今日は刹那の誕生日らしいのでトランザムモードで頑張っていますが
現段階でマリ刹マリのマリ刹までです。今日中に上げたいですが、出来上がったマリ刹だけで投下するかもしれません。
でも、完成させたい感もあるので今日来れなかったら週末になります。(仕事の関係で)
ご容赦をorz


485:名無しさん@ピンキー
08/04/07 22:27:14 mBYt0hPh
wktkしながら全裸で待ってる
仕事ガンガレよ

486:名無しさん@ピンキー
08/04/07 22:50:29 NO3vQ7uu
>>484
萌えながら待つ!!
まぁ適度にね。仕事大変なの分かるし

487:名無しさん@ピンキー
08/04/07 23:03:30 NO3vQ7uu
二代目さん編集乙です。
まさか…スメアレ党員でコテハンされるとはw
貴方の為にも私です。

488:468
08/04/07 23:48:00 yUxdCeCT
トランザム終了。義理チョンで完成したよ~
しかし、一晩(前半)一晩と少し(後半)で書いたため文章荒いのは目をつぶってくれると助かります。
刹那のガタイがでかいのは体は大人、中身は子供、そしていじり倒したいが為だったりして(笑)
分割するので少々お待ちを。

489:名無しさん@ピンキー
08/04/07 23:52:04 NO3vQ7uu
>>488
ぬおぉぉぉぉ!!!!

490:マリ刹那マリ1/8
08/04/08 00:11:05 FH1u4lLe
>>471の続き

首筋に唇を置いたまま両手で胸をまさぐる。胸の突起を擦るたび刹那が小さく声を上げた。ゆっくり確実になで上げる。傷と思われる部分は特に優しく…手触りの違う二つの肌は触るだけで熱さが伝わってくる。
ゆっくり、手を抜きながら服の端に手をかけ上半身を露にする。広い背中に走る傷を見つけるとそこに舌を這わせた。
「マリナ…っ」
感じるのかさらに屈んで刹那は丸くなる。そんな刹那の筋張った胸や腹を抱き締めながら背中から腰へと舌を這わせる。まるで大きな子供を抱きかかえているその格好に内心苦笑する。
「何が、おかしいんだ?」
どうやら吐き出した吐息が笑っているように刹那の背中をくすぐったのだろう。刹那の問いに遂に声を出して笑ってしまった。
「……?」
振り向いた刹那の目が怪訝そうに私を見る。そんな刹那の頭に手をやると撫でるように抱え込む。その仕草で自分が子供扱いをされていると悟ったのか、不機嫌そうに前を向く。しかし、抵抗する事は無くされるがままに体を預けてきた。


491:マリ刹那マリ2/8
08/04/08 00:11:52 FH1u4lLe
かわいい、なんていったらどんな顔をするだろう?あの時と比べて全てが大人に近づいた彼には失礼だろうか。身に刻まれた傷も、守られる子供ではなく、守る側だと主張している。
けれど、今こうしている彼はひどく子供で…そのアンバランスさに複雑な気分になる。あの時、私を射抜くような目をした彼は…―
「…ねえ刹那」
「何だ」
「今ここにいる貴方はソレスタルビーイングの刹那・F・セイエイ?それとも…カマル君?」
刹那はコードネームで、カマル・マジリフはおそらく偽名…もし本当だったらここにいるのはきっと…
「…ラン」
刹那の小さな呟きが耳に入る。刹那でもカマルでもない響き…
「ソラン・イブラヒム」
「ソラン?」
鸚鵡返しに名を呟くと、さらに熱が上がるのを感じた。後ろから見ても分かるくらい顔が赤くなっている。


492:マリ刹那マリ3/8
08/04/08 00:12:37 FH1u4lLe
「ソラン」
再び呟くと刹那は丸めた背中を伸ばし、私に体を預けてくる。覗き込むように抱えていた頭を降ろすと、刹那の表情がとても煽情的で思わず額に口付けをする。
今までに見たこの無いその表情に、指が動く。誰にも渡したくない、離したくない…彼をさらうのが戦場ならば消してしまいたい。
「…マ、マリナ?」
刹那に呼ばれて、彼の顔に涙を落としている事に気付く。きっと今、私はひどい顔をしている。涙が落ちるのは私が何も出来ない無力な人間だと自覚しているからだ。
そして、内紛が起こるたび刹那が来るんじゃないかと期待した自分の浅はかさに絶望した。戦場に刹那を縛りつける事は出来ても、私に縛りつける事は出来ない。それよりも、彼は私に失望するのが先だろう。
「…私はっ」
結局私は自分ひとりでは気付くことが出来なかった。また、彼に気付かされた。本当に私は愚かだ…
「マリナ…」
涙が止まらない、見られたくないのに…こんな私。覗き込んでいる刹那の顔がとても胸に刺さる。


493:マリ刹那マリ4/8
08/04/08 00:13:27 FH1u4lLe
「マリナ・イスマイールっ!!」
「きゃっ…」
素早い動作で入れ替わると、刹那は私を押し倒した。少し怒ったように、あのときのような射抜く視線で私を見つめる。
「見ないで…私、とても愚かだった事に気付いた。貴方にまた気付かされたの」
「何を…」
「私、内紛が起こるたびに刹那のことを考えていた。貴方が来ないかって…そんなことを想っている私の言葉が国民に伝わらないのも道理だわ。
心のどこかで話し合いじゃ解決できない、刹那達のような力がほしい。側に、貴方がいてくれたら…そんなことばかり考えていた事に気付いたの。だからお願い、私を見ないで」
きっと彼は私に失望した、こんな私に。怖くて刹那の顔が見られない…
「…マリナ」
しかし、待っていたのは失望した顔ではなく、優しい口付けだった。
「刹那…どうして」
刹那は腕を掴むと、手のひらを傷に当てる。


494:マリ刹那マリ5/8
08/04/08 00:14:03 FH1u4lLe
「……あちこちで紛争が起こるたび、俺は破壊する事でそれを止めた。分かり合う余地も無く。誠意を見せたところで俺達は破壊者だ…簡単に善意が悪意へと翻る。
中にはこの国で知り合った顔もいた。しかし、分かり合うことも無く歪みとして排除するしか俺には出来なかった。マリナのように考える事すらしなかった」
刹那が、一番大きな傷を撫で/26(土) 23:10:36 ID:KREmkXHG

495:名無しさん@ピンキー
08/04/26 23:21:30 yrgoVKQ+
>>656
俺今作ってる
いつできるかわからんが

496:名無しさん@ピンキー
08/04/26 23:48:43 ML37qgWR
可愛くて切ない刹ネーナ欲しい・・・ずっと待ってる

497:名無しさん@ピンキー
08/04/27 00:54:29 U/ojDg0a
>>657

気長にまってるYO!

498:名無しさん@ピンキー
08/04/27 07:45:51 e0QcakQI
>>650
楽しみにしてます

499:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:10:27 ZreDxwjY
「はい。無いです!!」
持っている薔薇の花束の如く頬を染め、はっきりと言い張る姿にカティは内心、これが我が軍のエースに含まれているのかと溜め息を吐いたが同時に無邪気に自分に会えた事を喜んでいる姿が目に止まった。
ポピュラーだが大型犬を彷彿とさせる。大きな尻尾をわっさわっさ振って飼い主に寄ってくる様を鮮明に連想させるコーラサワーに思わず呆れていた口の端から笑いが浮かんだ。
「…全く…放って置けん男だ」
「何です???」
きょとんとした顔で固まるコーラサワーの姿に敢えて無表情に答え
「待っていろ。用意をしてくる」
そのまま扉を閉めると直ぐに
「やったあぁ!」
コーラサワーの喜ぶ声がドア越しに聞こえてカティは思わず吹き出した。
そのまま部屋に戻るとクローゼットを開きシンプルなデザインのドレスを幾つか手で撫でる様に選ぶ。ダークブルーのタイトなドレスを手に取ると着替えを済し、鏡台の前に座った。
癖の入った赤茶色の髪をかき上げアップにし手元にあった髪止めで止めるながら、コーラサワーの喜んだ声を思い出すと、くすぐったい様な気持ちが胸に湧き上がりカティはその久し振りの感覚に驚いた。


楽しんでいるのだ。


こんなに楽しい気分は久方振りだと清々しい気分にもなった。

500:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:11:12 ZreDxwjY
コーラサワーが訪ねるまでの時間。
部屋でカティはベッドの上で携帯端末を見つめ、軍から新たに渡された情報と目的を眺めながら作戦を頭の中で軽く組み立てていた。
三国に分けられる新たな兵器が問題だった。
その部隊の指揮を任され過去の作戦見直し、現状に一番似たパターンから想定した上で振るいにかけ、また模索するという思考の渦に嵌る悪い癖だった。
職業病と言っても過言ではない。つい集中して幾つもの戦闘パターンを脳内で演習してしまうのだ。
だが目の前でコーラサワーが「無いです!」と、あっさり否定して見せた態度には見習うべきところもあるかもしれないとカティは考えた。


久し振りに踵の高いヒールを足に引っ掛ける様に履くとドアを開いた。
ドアが開く音に俯いていたコーラサワーが赤く染まったままの顔を瞬時に上げる
「待たせたな。少尉」
一瞬カティを見つめてコーラサワーの口がぽかんと間抜けに開いた。また固まったコーラサワーが身震いして目を見開き
「ぃっいいえ!大佐…綺麗です!!」
改めて薔薇の花束を向けられカティは思わず微笑みながら花束を受け取った。
「で、何処に連れて行ってくれる?」
「はっ大佐…評判のレストランです!」
「大佐か…今は名前で良い。コーラサワー」
「っはい!カティ!!」


501:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:11:53 ZreDxwjY
その瞬時に拳が動いていた。
油断からか殴られた衝撃でコーラサワーは庭に転んだ後、頬を押さえて信じられないと言う表情を浮かべながら呟いた。
「…カティ…?」
「…誰がファーストネームで呼んで良いと言った?」
腰に手を当てるカティがコーラサワーを注意深く覗き込み、コーラサワーは叱られた犬の如くしゅんとした。
「…………マネキンさん」
「よろしい、コーラサワー。行くぞ」
「…はい!」
手を差し延べて立たせるとカティはエスコートを待つ。だが全くコーラサワーには伝わっていない様子にカティは片眉を上げた。
「マネキンさん…?」
今までどの女もコーラサワーに微笑んで誘う様に首を傾げたのに、カティは動かない所か不機嫌な視線をコーラサワーに向ける。
「マネキンさん…」
「コーラサワー。エスコートと言う言葉を知っているか?」
「はい!知ってます!」
やっと察したのかコーラサワーは乗って来た自慢の車のドアを開き手を差し出した。やっとそこにカティの手がのるとコーラサワーは恭しく礼をし車に招入れドアを閉め、左側の運転席に向かって滑稽といえる小走りをした。
慌ててエンジンをかけ車を発進させると助手席で口許に手をやりクスクスとカティが肩を震わせて笑っている姿にコーラサワーは嬉しくなって頬が熱くなった。



無言なままにタイヤが地面に摩擦する振動と鼓動が重なる。



502:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:12:44 ZreDxwjY
ハンドルを握る手に汗が湧いた。気の利いた事を言おうと思うがどれもが舌の上を転がる様でコーラサワーは上手く会話を弾ませる事が出来ず焦るが、何故かその様子にカティはずっと窓側を見て拳を口に当てたまま肩を震わせている。
何を笑われているのか分からないがコーラサワーはカティが笑っている事に再度満足した。
郊外を抜け車が通りを進むと夜の街を賑わす灯が増えてくる。
ぽつぽつと背の高い高層ビルが見え初め目指す建物が目に止まるとコーラサワーはイカした自分に合う最高のもてなしをする最高のレストランにカティを優雅に招く自分を想像して一人顔をにやけさせた。
「何を笑っている?」
妄想に先走りコーラサワーにはカティの声が届いていなかった。
角を曲がれば目的の店先に到着だ。優雅に車から降りてカティの手を引く…俺様の優雅さに頬を染めるカティ…
ブレーキを踏んで速度を落としつつ駐車する。いよいよだとキーを捻るとエンジンが切れた。
「…コーラサワー聞いているのか?!」
「!?…カ…マネキンさん到着しました!」
「…全く……」
頬に手を当てカティが小さな溜め息を吐くのが目に止まった。どうして今日に限って上手くいかないんだ。
コーラサワーは急いで車から降りドアを開けてカティをエスコートしながらドアボーイに車の鍵を手渡した。

503:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:13:34 ZreDxwjY
どぎまぎする間抜けな心臓が腹立たしい上にコーラサワーは染まろうとする自分の頬が憎らしかった。
何でスペシャルな自分が思い通りにならないのか。
お気に入りの店内に入り
「どうぞ」
予約席の椅子を引きカティを座らせる時にふわりと甘い芳香がする。
「ありがとう」

そつ無くコースを選び大差にワインを注文したが運ばれた前菜やスープやメイン料理に満足したのかも舌が麻痺した様に味が馴染まなかった。

カティが少し口の端を上げて笑い、そんな事が喜ばしい。全てが初めて味わう様なの感覚だった。
夢見心地と言うのだろうか。アルコールは運転の為に避けたのにテンションが下がらない。ミネラルウォーターしか口にしていない筈なのに、心も体も浮き足だっている。
カティと食事を共にして笑ったり話もしたが実感が無かった。
「コーラサワー」
赤いワインを口に運びながらカティが呼ぶその姿にも見とれる。
「…はい!」
辛うじて返事をするとまたカティがクスクスと笑った。ほろ酔いで軽くピンクになった頬にキスをしたいが殴られそうだ。
「…そろそろ帰るぞ」
「はい!帰ります!………………へ?」
ウェイターに手を上げてカティが合図すると。静かにウェイターが近付き会計の挟まれている見慣れた黒皮が渡されるのをコーラサワーはぽかんと見つめた。


504:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:14:54 ZreDxwjY
割り勘だと言い張るカティから会計を奪い取るのに苦労したが、ドアボーイが回した車に乗るとコーラサワーは一息吐いた。
頬染め俯いたたままコーラサワーがキーを捻り車が発車するとカティはにこりと笑う
「中々楽しかったぞ」
けれどコーラサワーは落ち込んだ気分を隠せずに呟いた。
街中を走る車から見えるネオンまでもコーラサワーをからかう様に見える
「…俺は上手く出来ませんでした」
「何故だ」
「こんなに格好悪いデートは初めてです」
「…そんなに緊張したか?」
口に笑みを浮かべてカティが覗き込む仕草に胸が高鳴る。
言葉に詰まり、黙ったまま車が進むとカティの家が見えるまであっと言う間だった。
ちらりと横を見るとリラックスした様子のカティが淡く色付いた頬に、アルコールで潤んだ瞳でコーラサワーを見返す。ハンドルを握る手に力を込めると深呼吸した。
やがてカティの家の前でブレーキを踏み、車を停車させると思い切って口にした。
「好きです大佐」
その声に一気に酔いが冷めたのか無表情にカティが一瞥した。
「…まだまだだな少尉」
「何をですか?」
「焦るな」
厳しい表情でカティが言ったと思うとその唇が悪戯に笑いコーラサワーの頬に一瞬触れた。
「たっ…大佐?!」
「楽しかったぞコーラサワー」
ひらりとドレスを翻しカティが車から降りるのを呆然

505:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:16:30 ZreDxwjY
と見送った。
開けたドアの前でカティが軽くコーラサワーに手を振り反射的に手を振り返すと家の中に入って行く。先程カティの唇が触れた頬は手で押さえたままコーラサワーは運転席で固まっていた。
「…」
大佐…カティは楽しかったと、俺に言っていた。
大佐がキスした。
好きだと言ったが『焦るな』と言われた。これは断られたのか。いや
大佐がキスした。
大佐がキスした。
大佐がキスした。
これは…今日は。大失敗が失敗じゃない。
大佐がキスした。


「いいぃぃぃぃぃやっほおおぉぉぉ!」
車を発進させながらコーラサワーは叫んだ。

506:コーラ×カティ(エロ無し)
08/04/27 09:21:08 ZreDxwjY
コーラ×カティ難しすぎる上にgdgd流れでさーせん…orz
何度か止めようと思ったけど半分出来てたから無理矢理終わらせた感たっぷりの駄文。
カティは簡単には落ちませんでした。

507:(アレルヤ+ハレルヤ)×スメラギ:間
08/04/27 09:35:04 ZreDxwjY
「嬉しかったです…とても。恥ずかしがらないで」
そんな顔で見つめるのは狡いとスメラギは内心一人ごちた。顔を反らせない状況でアレルヤが優しく微笑んだと思えば
「…また湯中りさせてやろうか?」
と、ハレルヤは悪戯な微笑みを浮かべる。
その言葉に先程の行為に自分が夢中になり、どんなに悦びを覚えていたかを身体が思い出してスメラギは耳まで赤くなった。
「…どうしたんだよ?まだ熱いか」
耳元に意地悪く囁く声に胸がドキリとした。
人を好きになる。何度か経験して傷付く度に臆病になり傷付かない様に計算高くなっても結局はその度に初心者に戻るのだとスメラギは改めて思い知った気分だった。
気持ちを明かすつもりは指揮する立場からも毛頭無かったが、成行きとはいえ気持ちを口にしたのだから仕方ない。志気に関わるなんて理由で逃げる事はもう出来ない。
目の前に居るこの男アレルヤ・ハプティズムが好きなのだ。もう一人の彼であるハレルヤも含めて
「…いけず」
スメラギが抗議の目で拗ねる表情に心臓が愛しさで締め付けられるとアレルヤは感情のままにスメラギを抱き締めていた。
「っ…アレルヤ?」
厚い胸板に抱かれながら頬に伝わる心音が心地良くてスメラギは目を閉じる。
「ずっと前から好きでした」


508:(アレルヤ+ハレルヤ)×スメラギ:間
08/04/27 09:35:51 ZreDxwjY
「実は…前から分かってたわ」
「え?」
思い当たる節が幾度かあった。地上に降りた時やアルコールを口にした時、何かに付けてスメラギを注意したがるのは余程自分を見て居てくれるのかと少し嬉しかったのは秘密にしたい。上目遣いにスメラギがぽつりと呟いた言葉に、アレルヤは目を見開いた後に顔を反らした。
「…スメラギさんは狡い」
「…アレルヤ?」
「僕の事が好きだったなんて…知らなかった。でも僕の気持ち知って…」
「でも…何となく、よ」
抱き締められる力が緩むとスメラギはアレルヤの胸板から顔を見上げた。手で顔を押さえてはいるがアレルヤの顔が赤いのは明白だ。
可愛いなんて嫌がるかもしれないけれどやっぱり可愛い。
気持ちが分からない様に接していたのに全部見透かされていたアレルヤの恥ずかしさをスメラギは想像して胸をくすぐる笑いを堪えた。
「…敵わないな」
「あら?…私もよ」
顔が近付いてお互いの唇を啄みながら口付けが段々と深くなる。
これ以上繰り返すとまた直に肌で触れ合いたくなりそうでスメラギの唇がそっと離れて寂しい中アレルヤは安堵もした。

「…おやすみなさい」
微笑みながらスメラギが言うとハレルヤがふいに顔を近付け頬に軽いキスをした。
「…俺の事は黙っとけよ」
「分かってるわ」


509:(アレルヤ+ハレルヤ)×スメラギ:間
08/04/27 09:36:49 ZreDxwjY
「ハレルヤをスメラギさんが隠してくれませんか?」
「…正直。表に出過ぎた…」
普段のアレルヤの態度を考えると、ハレルヤが人前で表に出る事が無いのだと今のスメラギには分かる。
「ハレルヤおやすみなさい」
ハレルヤの金色の瞳を納めた瞼にキスをしてアレルヤのいつも顔を隠す髪を出来るだけ優しく下ろした。何故隠すのか。先程それを不思議に思って聞いた時、二人の考えが重なる事が滅多になく二人の存在が認められたからと言っていた。それはとても嬉しい事だとも。
「スメラギさんおやすみなさい」
今度はアレルヤがスメラギの頬にキスをして、スメラギもそれを返す

「…アレルヤ」
小さく呼んで軽くアレルヤを抱き締めると手を離した。
ベッドから見送る顔に微笑むと部屋の明かりを消してスメラギの部屋を出た。

変わらない世界と人間に畏怖と不条理を持ち合わせている事。それらが、話し合う必要も無く意見を一致している事は言わずとも肌で感じられた。
けれども時間が許す限りの睡眠は必要不可欠で作戦に支障をきたすのはお互いの志したものの意味を奪う。

平和に暮らしていて出会えたなら…部屋に戻りながらふとその有り得ない現在が脳裏を過ぎった。それが意味を成さない事は百も承知だが、ふと思ってしまう。


510:(アレルヤ+ハレルヤ)×スメラギ:間
08/04/27 09:37:40 ZreDxwjY
自室に付くとアレルヤは部屋の明かりも付けず心地良い疲労感を抱いたままベッドに寝転がった。ドアが閉まると瞼を閉じているのか開けているのか分からない闇の中でアレルヤはもぞもぞと寝返りをうった。

考えてもどうしようも無いだろと囁く声がしたけれどアレルヤは答えない。

優しい世界で出会えた姿を想像した。全くの無駄だと分かるのに考える事が止まらない。くすぐった時のスメラギの笑顔が浮かんだ。


やがてそれでは出会う事も無かっただろうと苦笑が口元を霞めると想う事を止め大人しく眠りに意識を手渡した。


511:(アレルヤ+ハレルヤ)×スメラギ:間
08/04/27 09:39:58 ZreDxwjY
やっと部屋を出たので次からプトレマイオス内うろうろ予定。


512:名無しさん@ピンキー
08/04/27 15:25:57 HoZCVg2U
>>661
コーラかわええwwwwww

513:名無しさん@ピンキー
08/04/27 15:40:27 IlcFReSo
カテコラとアレハレスメもええええええ!
GJすぎるネ申達だぜ!!!!

514:名無しさん@ピンキー
08/04/28 00:36:07 +F70DD6+
カティコラ、すんげー待っていたので嬉しかった!
それぞれらしくて、GJ!
アレハレスメもよかったよ!
00のない週末だけど、神降臨続きで嬉しい。


515:名無しさん@ピンキー
08/04/28 07:11:57 FpcWCeB5
>>675
志村~ID!!ID!!
カティコとアレハレスメ書いてる人同じ

516:名無しさん@ピンキー
08/04/28 07:16:01 FpcWCeB5
保管庫更新乙です!二代目!!


517:名無しさん@ピンキー
08/04/28 15:15:03 ERJpgfhb
カティコラキテター!GJでふ!

518:名無しさん@ピンキー
08/04/29 01:23:08 Jb1lbFiC
カティコーラGJ!コーラみたいにドキドキしながら読みました。
恋に純粋なコーラがたまらない。

519:名無しさん@ピンキー
08/04/29 08:41:38 3/y+H/0r
誤字脱字やっぱりしてる…見直してるつもりなのにorz
同時進行きついのでアレハレスメとカティコラ優先させるなら…一番最初のレスさんで決定おk?

520:刹マリ(刹那視点)もとい498
08/04/29 21:47:12 X3qow4eV
神来てたー!両方ともGJです!!

どうもコンバンワです保管庫の人更新乙です。ルイサジのところで498氏と名を貰っていたので
投下時だけ498名乗らせていただきます。…いや、一気に書かないで前編後編とかに分ける自分がいけないんですがね。
コテハンで括ったほうが読みやすかろうと思った次第です。
刹マリ後編できました。中編は?思われた方、長くなりすぎてヤスリどころか金おろしで削り落としていった結果
後編でまとまりました。思ったより短くなりましたハイ。いつもどおり荒さに目をつぶっていただけると幸いです。
甘い二人をお求めなら下二つ~三レスは読み飛ばしてもらうと助かります。熱が一気に冷める可能性大です。
蛇足かと思いつつも締まらないためこんな形になりました。ダメダメでスイマセン


521:マリ刹マリ(刹那視点)1/8
08/04/29 21:53:20 X3qow4eV
>>612-619の続き
>>490-497(マリナ視点)参照
まわされた手の感触がひんやりとしていて傷口を這う舌はとても熱く、その二つの熱に翻弄されていく。彼女の触れる場所全てがとても敏感に感じる。
疎ましい傷痕を彼女がなぞるたび、まるでそこからマリナがしみこんで、全身を駆け巡り俺を侵していく。堪らず身を屈めると、マリナの吐息が弾む。
「何が、おかしいんだ?」
振り返った瞬間、マリナは声を上げて笑う。そんなマリナを見て先ほどまで感じていた熱が徐々に引いていく。今までの流れでどうしてそうなったのか…その疑問はすぐに解消された。
マリナが俺を胸に抱きながら頭を撫でてきた。その子供をあやすかのようなそれに少々ムッとしながらすぐさま前を向く。その一瞬、マリナの手が止まるが身体を預けるとまたそれをしてくれる。
きっとマリナは子供扱いしたことに少なからず責を感じているのかも知れない。けれど俺は、こみ上げる懐かしさに身が震えていた。知られたくない…今、正に母親を重ねてしまった事を。
それを認めてしまったら、知られてしまったら…この世に神など居なくても、俺は最低に違いない。マリナを通してそれを見る限り、俺は肉親にもそういう感情を抱いている事になってしまう。
マリナは、マリナだ…しかしその声が、仕草が彼の人を重ねる。それを含めて欲しいと思うなど俺はどうかしている。


522:マリ刹マリ(刹那視点)2/8
08/04/29 21:54:23 X3qow4eV
「…ねえ刹那」
「何だ」
「今ここにいる貴方はソレスタルビーイングの刹那・F・セイエイ?それとも…カマル君?」
マリナの問いに、俺の鼓動が大きく跳ねる。
「…ラン」
考えるより先に、俺は名を呟いていた。自分でも驚く位あっさりと…
「ソラン・イブラヒム」
それをはっきりと口にすることで今の自分を肯定する。ここにいる俺は刹那じゃない。こんな感情を抱く俺がそれであってはならない。今の俺は…「彼女」の事意外考えられないのだから。
「ソラン?」
鸚鵡返しに彼女は呟いてくる。その呟きに軽く失望感が走った。似たような声であってもアクセントがまるで違う。いつか見た夢の彼女とも違うその呟き…
(ああ、俺は…)
そんな感覚に襲われながらも、俺の全身に熱が駆け巡っていく。これまでに無いほどに。
「ソラン」
再び彼女が呟いてくる。その呟きに丸めていた背を伸ばし、下から覗き込むような形に身体を預ける。彼女の顔を見るために。


523:マリ刹マリ(刹那視点)3/8
08/04/29 21:56:21 X3qow4eV
そのマリナの呟きは、完全に俺からちらつく影を払拭していた。それどころか欲しいとは違う、別の感情が俺を支配していく…これがきっと愛しいという事なんだろう。
俺はマリナに名を呼んで欲しかった…でも今やっとわかった。それはもう居ない母親に縋る事だったのだ。マリナの響きが愛しさとなって俺から湧き上がってくる。
見上げたマリナは俺を見て優しい笑顔を向けてくる。それだけで俺はさらに熱を上げた。近づいてきたマリナが俺の額に口付けをすると、妙な気恥ずかしさが走る。しかし、同時に何かが俺の頬を濡らした。
「…マ、マリナ?」
濡らしたそれが涙だと理解するまでに時間がかかった。顔を上げたマリナが両の目から涙を零すまで悟ることが出来なかった。それはマリナも一緒だったらしい。
「…私はっ」
雨の様にマリナの涙が降ってくる。必死に止めようと堪えている顔がとても複雑で、次第にマリナの顔が曇っていく。ついには顔を隠してしまった。
「マリナ…」
名を呼んでもそれは変わることはなく、ついには微動だにしなくなった。自分を見てくれないことに、激しい苛立ちを覚える。その原因は自分にあるかも知れないのに…
「マリナ・イスマイールっ!!」
「きゃっ…」
苛立ちに従うままマリナを押し倒すように身体を入れ替える。とにかくこちらを向いて欲しかった。しかし、すぐに目を逸らされる。


524:マリ刹マリ(刹那視点)4/8
08/04/29 21:57:17 X3qow4eV
「見ないで…私、とても愚かだった事に気付いた。貴方にまた気付かされたの」
「何を…」
衝撃で離れた手で再び覆い隠した。しかし、今度は見てくれないことよりもマリナの言葉が頭の中で反芻する。愚かなこと、それがこの行為を指すのなら悪いのは俺だ。
正気になれば彼女にとっては確かにこれは狂気の沙汰だ。汚した俺は大罪人…マリナからもこの国からも居場所はなくなる。そうだ、全てを失うのだ。マリナの純潔を奪う代わりに。
(今ならまだ、引き返せる…かもしれない)
しかし、彼女から出てきた言葉は意外なものだった。
「私、内紛が起こるたびに刹那のことを考えていた。貴方が来ないかって…そんなことを想っている私の言葉が国民に伝わらないのも道理だわ。
心のどこかで話し合いじゃ解決できない、刹那達のような力がほしい。側に、貴方がいてくれたら…そんなことばかり考えていた事に気付いたの。だからお願い、私を見ないで」
そんな彼女の言葉にあっけどられる。戦いに身をおく刹那・F・セイエイなら…あの頃の俺なら失望するだろう。しかし、今の俺にはその資格がない。


525:マリ刹マリ(刹那視点)5/8
08/04/29 21:58:05 X3qow4eV
「…マリナ」
震える彼女に優しく口付けをすると驚きに目を見開く。引き返す所か、俺はもう完全にマリナにつかまってしまった。もう、戻れない…
「刹那…どうして」
驚いているマリナの手をとり、傷痕に当てる。彼女がそれを愚かだというのなら、あちこちに走るこれが俺の愚かさに値する。
「……あちこちで紛争が起こるたび、俺は破壊する事でそれを止めた。分かり合う余地も無く。誠意を見せたところで俺達は破壊者だ…簡単に善意が悪意へと翻る。
中にはこの国で知り合った顔もいた。しかし、分かり合うことも無く歪みとして排除するしか俺には出来なかった。マリナのように考える事すらしなかった」
俺達が武力で世界を変えるたび、彼女の心を何度打ち砕いただろう。話し合いすら無意味だといわんばかりに俺達は駆け抜けてきた。自身すら破壊に巻き込みながら。
「戦場だから仕方が無いといったらそれまでだが、この傷をみるたび後悔とマリナの言葉が俺を支配した。目を覚ましてから暫く…今も時々思う。
俺には、俺達にはそんな後悔をすることすら許されない。けれど、俺はマリナに会いに来た。想うだけでは飽き足らずに…そんな俺は愚かなのか?」
それでも、彼女は俺を思ってくれていた。側に居て欲しい…その言葉が俺にとってどれだけ嬉しかったか。


526:マリ刹マリ(刹那視点)6/8
08/04/29 21:59:23 X3qow4eV
「…刹那」
マリナが俺を呼ぶ。けれどその名は、ここでは意味をもたない。
「…違う、ソランだ。刹那・F・セイエイには後悔など許されない。ここにいるのはただのソラン・イブラヒムだ」
「私も、ただのマリナよ。ここにいる私は臣民ではなく、ただ貴方だけを想う一人の…女よ」

そして俺達は互いを求める。それは俺が信じていた神、マリナが信じる神に背く行為。けれど俺は知っている。

……この世界に神なんて居ない事を。





「マリナ…」
激しさの余韻が俺の身体を支配する。お互いに溶け合い繋がったままだ。マリナの意識が朦朧としたまま遠のいていくのを自分に掛かる重さで理解していく。吐息のような呟きは動きで自分を呼んでいると知る。



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