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「だけど……それでも、俺は五年も一つの家族と過ごし続けて、父さんも母さんも大切な家族で、お前のことも本当に大切な妹だと思って……うおぅ?!」
「妹」への想いを吐露していたスアルスが素っ頓狂な声を上げてしまう。
一物をしゃぶっていた沙織が、少し強めに歯を立てたのである。
「……妹にちんちんしゃぶらせるなんて、お兄ちゃんってさいてー」
親しみのこもった憎まれ口。
「さ、沙織?」
「……今更無礼打ちになんてしないでよね? わ、私はお兄ちゃんが寂しそうだったら、昔みたいに妹として振舞ってるんだから……
で、でも、そういう風に考えたら、これってすごく変態的だし……んんっ…ちゅるる……」
照れ隠しをするように、再びスアルスのものをしゃぶり始める沙織。
真祖という種に生まれついたスアルスと違い、沙織は吸血鬼という存在に歪められたアンデッドである。
二人の体温の差、命の差がスアルスにとってヒンヤリとした口淫となって一物を刺激する。
「い、いや……お前に他人行儀にされるよりは……主従の関係なんて存在の在り方の問題だし、別に無礼だとかそういう感情はないけど……んんっ!」
「んぅ……じゅる……ちゅるるる…んんっ!」
思いがけない事態に戸惑っている間に、沙織はスアルスの一物を激しく吸い上げる。
「んほっんぅ?」
真祖にあるまじきみっともない声をあげて、スアルスは沙織の口の中に射精してしまう。
「…んんっ…んぅ……ふぅ……んぅ……ちゅぽ……はぁ……ごちそうさま、お兄ちゃん」
精液を飲み干して一物から口を離した沙織は上目遣いに「兄」を見ながら妖しく微笑む。
以前のままの沙織とはいえない。しかし、表情の久しぶりに見せた感情のある表情。
「……私ね…ずっと不安だったの。お父さんもお母さんも死んじゃって……お兄ちゃんはお兄ちゃんじゃなくて……」
一転して、弱弱しい表情を見せる沙織。そんな沙織を見て、スアルスは優しく頭を撫でてやる。真祖と吸血鬼の関係ではなく、兄と妹の関係として。
「それに……お兄ちゃん、妹にエッチなことしてくるし」
「うぐっ」
今度は悪戯っぽい笑顔を見せて言う沙織の言葉に言葉を詰まらせるスアルス。
「わかってたの。私があり続ける為に必要だったって。でも、だからお兄ちゃんが本当は真祖ってすごい人で、私も本当に吸血鬼になってて……
本当に今までどおりお兄ちゃんって呼んでいいのか、ずっと迷ってたの」
「沙織……バカだな。ずっと呼んでいいって言ってたのに」
「うん、ありがとう、お兄ちゃん。これからも……ずっとそばにいてね」
スアルスは沙織を抱き上げると、優しく頭を撫でてやる。沙織は嬉しそうに目を細めた。
穏やかな日々が待っている。
暗く、冷たい夜の中であっても、よりそう二人の絆がその日々を約束してくれるのだから。
終わり