ヤンデレの小説を書こう!Part14at EROPARO
ヤンデレの小説を書こう!Part14 - 暇つぶし2ch550:名無しさん@ピンキー
08/03/27 22:25:32 T8VfrP0p
>>548
よせ。やたらめったに穴を掘っても、出てくるのは……

遅かったか。やはりヤンデレモグラ娘に……

551:名無しさん@ピンキー
08/03/27 22:28:35 qShjnu3i
メガテンだと鬼女なんだぜ。
しかも回復魔法とアギ系の魔法を持っているので、天使や女神を作るための
合体材料に何度も何度も仲魔にしては合体を繰り返してた。

552:名無しさん@ピンキー
08/03/27 22:29:34 PJggZNxE
>>549
本によると、モンスターとしては吸血鬼に分類されるらしいです
愛した男を我が身に取り込もうとしてるんでしょう

553:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:09:07 RF+iNqTl
投下します。かなこルート26話です。

554:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:10:45 RF+iNqTl
第二十六話~令嬢と地下室で~

「遠山様。どうぞ、中へお入りください」
 室田さんの手によって、ドアが開いていく。
 開ける前に自分の身分がそうするのにふさわしいのかと省みたくなるほど、重厚な扉だ。
 今来ている場所はかなこさんの住む菊川邸。
 三度目となる今回は望んでここにやってきた。俺がそうしてくれ、とかなこさんに頼んだのだ。
 怪我をした華を助けるために。

 バスの中で華を気絶させたのは、その後の会話を聞かせないため。
 華も一緒に来たら邪魔になるから降ろして欲しい、と言って頼んだ。もし聞いたら、あいつは拒むに違いない。
 それに、あのままにしておいたら、またかなこさんへ挑みにいっていただろう。
 勝ち目のない戦いへ向かうのを放っておくわけにはいかなかった。
 華が左肩を負傷しているから勝てないと思ったわけではない。
 もし万全の状態であってもかなこさんには敵わないだろう、と踏んだのだ。
 肩だけで済んで良かったと思う。現に今、華は生きているのだから。
 今頃はバスを降ろされた運転手に連れられて病院に行っているはずだ。

 扉が開ききった。ドアの傍で黙礼する室田さんの前を通り過ぎ、邸内へ足を踏み入れる。
 しん、としていた。
 踏み込んだ途端に外界からの音から隔絶された。空間の静寂に聴覚を支配された。
 冗談みたいに広い屋敷なのに、他に人がいないのか? かなこさんと室田さん以外、誰も?

 立ち尽くしたまま耳を澄ませていると、背後から声がかかった。室田さんだ。
「ただいま、屋敷の使用人は私一人しかおりません。他のものは皆出て行きました」
「出て行った? 全員が一度に?」
「はい。昨日の夜、遠山様と私が一緒に屋敷へ入ったときにはすでにそうなっておりました。
 もっとも、そのことに気づいたのは今朝のことでしたが」
「十本松が居なくなったからですか」
「いいえ、どうやら十本松あすかがそうしたようです。
 連絡の取れた元使用人に聞いたところ、十本松あすか自らが解雇を言い渡したということでした。
 どうやら、純粋な契約で使用人を雇っていたようです」
 そこで一旦言葉を切ると、一段階低い声音で続けた。
「菊川家では使用人を希望する人間に対して、私が面接を行っていました。
 ですが、邪な考えを抱いていると見抜けていなかったようです。そして十本松あすかの企みにも気付けなかった。
 災いをもたらす人間を招いたのは私です。全ての責任は私にあります」
 そう言う室田さんの表情には悔恨が浮かんでいた。
 見て分かるとおりに、室田さんは執事という職業に誇りを持っているのだろう。
 だからこそ、俺には納得のゆかないことがある。


555:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:12:13 RF+iNqTl
「室田さんはどうしてかなこさんを……止めないんですか?
 今のかなこさんが普通じゃないことぐらいわかっているんでしょう?」
「もちろんでございます」
「わかっているのに、止めないのはなんでです?」
「主が過ちを犯そうとしているなら、止めるのが執事の役目である、と思います。
 ですから、今の私がこうして遠山様を屋敷にお連れしたのは執事としてではございません。ただの年寄りの妄動です。
 図書館まで車で送ったのも、私がそうしたいと望んだから。バス会社へ連絡をしてバスを止めさせたのも私です。
 遠山様を追い詰め、ご友人の方に傷を負わせたのも私の責任です。
 私はただ、かなこ様に幸せになっていただきたいのです。それこそが私の幸せでございます」
「……かなこさんは死のうとしているんです。俺に殺されることを望んでます。
 それでも幸せになれますか? かなこさん……と室田さんは」
「それがかなこ様の望むことであれば。どのような形でも、それが幸せと言えます。
 遠山様はご存じないでしょう。かなこ様が以前、どんな方だったのか」
 かなこさんの顔を脳裏に浮かべてから、頷く。
 考えてみれば俺は、かなこさんのことをよく知らない。
 今までは踏み込もうともしなかった。知ったところで無駄になるから。
 俺が金持ちの家のお嬢様と接触する機会なんてないと考えていた。
「とても繊細なお方でした。普段は静かに物思いにふけり、夜が近づくといつも寂しそうにしておりました。
 菊川家の長女であらせられますから、連日資産家や政治家の息子からお見合いの話はやってきます。
 それら全て、かなこ様は受けませんでした。桂造様や私が説得しても無駄でした。
 決まった相手がいるような話は耳にしません。それなのになぜお見合いを受けないのかわかりませんでした。
 謎が解けたのは二週間ほど前のことです。かなこ様はその日、図書館へ行かれました。
 屋敷で待っていた私は、帰ってこられたかなこ様の表情を見て、年甲斐もなく心を動かされました。
 ついぞ見たことのない柔らかな微笑みを浮かべておられました。
 もう、おわかりでしょう。その日はかなこ様と遠山様が初めて出会った日です。
 あれから、かなこ様はずっと…………」


556:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:13:55 RF+iNqTl
「そこまでです、室田」
 芯の通った強い声がその場に響いた。
 声が聞こえてきた方向を向くと、階段を降りてきているかなこさんがいた。
「ほどほどになさい。雄志様をここへお呼びしたのは、あなたと長話をさせるためではないのですよ」
「申し訳ございません、かなこ様!」
「……もういいわ。下がりなさい。あなたはあなたのするべきことをなさい」
「かしこまりました。それでは……遠山さま、失礼いたします」

 一礼して室田さんは立ち去った。
 廊下の角を曲がって姿が見えなくなってから、俺はかなこさんに向き直った。
「いきなりですけど、はっきり言っておきます」
「なんでございましょう?」
「俺の気持ちは変わりません。かなこさんを殺したりしませんから。
 ここに来たのは言うとおりにするためじゃなくて、二人きりで説得するためです」
「どうしても、でございますか?」
「……ええ。しないと言ったらしないんです」

 断りを入れたことで、怒鳴られるか斬りつけられるかと予想していたのだが、かなこさんに動きはない。
 バスの中で遭遇したときのような危ない感じもしない。
 にこやかに微笑んでいるだけだ。
「雄志様がそうおっしゃること、予測していましたわ。ですが、わたくしは諦めません。
 ここにお連れしたのは、雄志様のお気持ちを変えさせるためです」
「俺の話、聞いてました?」
「あなた様のお言葉は一字一句、聞き逃しませんわ。
 見ていただきたいものがあるのです。それを見て下されば、お気持ちも変わるはずです」
 自信たっぷりの淀みのない口調だった。
 俺の気持ちを変えさせるほどのもの? これ以上、この屋敷の中に何があるっていうんだ?
「ご案内いたしますわ。わたくしの後についてきてくださいませ」


557:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:15:57 RF+iNqTl
 五歩先を歩くかなこさんに導かれて向かう先は、屋敷の地下室だ。
 といっても、昨日十本松が死んだ地下室ではない。もう一つの古い地下室だ。
 昨日は向かう必要がなかったから行かなかったが、やはり何かがあるらしい。
 壁のランプによって薄暗く照らされた螺旋階段をこうして下っていると、嫌な気配がひしひしと伝わってくる。
 かなこさんが見せたいもの。それが何なのかは知らない。予想もつかない。
 だが何を見せられようと俺は気を変えてはならないし、逃げてもいけない。
 俺と香織と華、そしてかなこさん。
 これ以上誰も死なせずに過ごすためには、俺が力を尽くすしかない。

 黙ったまま階段を下り続けていると、扉に遭遇した。
 扉の縁やノブの辺りに錆や苔が付いて変色している。ただし鍵穴までは錆び付いていない。
 かなこさんの言う、見せたい物がとうに準備されているということだろう。
 室田さんでさえ近寄ることの許されない地下室の向こう側。 
 そこへいたる扉が、かなこさんの取り出した鍵によって重い音を立てて開かれた。

 最初に目に飛び込んできたのはまばゆい光だった。
 すっかり暗がりに慣れていた目が眩む。
 十秒ほど待ち、まぶたの向こうにある光に慣れはじめてから、薄く目を開く。
 かなこさんの足が見えた。床は石を繋ぎ合わせて作ってあるようだ。
 視線を上げる。少しの段差が出来ていて、その先には畳が敷いてあった。
「…………たたみ?」
 見間違い? いや、何度目を凝らしても同じだ。
 床には畳が敷き詰められていた。地下室の入り口に石畳があり、木製の敷居の先に畳がずっと続いている。
 地下室は和室だった。しかも、部屋と言うにはあまりにも広大な。
 広さは、六畳間の俺の部屋の三四倍はある。
 壁は無機質なコンクリートではなく障子で覆われている。左右の障子の向こうに白い光源が見える。
 天井板にはプリントではない本物の木目が並んでいる。
 部屋の奥、床柱で遮られた左には床の間が、右には天袋と違い棚がある。
 余分な物など一切この和室には無かった。

「何なんですか、この部屋は」
「見てお分かりになりませんか? 雄志様は見覚えがあるはずです」
 ―無い。
 実家の内装は和風だけどここまで広くもないし立派でもない。
 これまで行ったことのあるどんな場所だってここの光景とは似ていない。
「ここは、前世のわたくしが過ごしていた部屋をそのまま模した部屋ですわ。
 お忘れですか? ここで雄志様とわたくしは幾度も言葉を交わしあったというのに」
「……なるほど」
 そりゃ見覚えがないはずだ。俺は前世の記憶なんて持ち合わせていないんだから。
 
「どうぞ、お上がりください」
 かなこさんが靴を脱いで畳の上へ上がった。俺もそれに続く。
 踏みしめた畳の感触は固く、冷たかった。
 足下を警戒しながら歩き、部屋の中央辺りで立ち止まる。
 障子の向こうから何かが飛んできたりしないか、と疑ったが、白い光以外のものが入り込んでくる気配はない。
 静か過ぎる。かなこさんの足音さえ聞こえない。


558:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:17:01 RF+iNqTl
 かなこさんは和室の奥にある天袋の前に立つと、振り返って俺を見た。
「雄志様。心はお決まりになりましたか?」
「心……ああ、かなこさんを手にかけるって意味ですか」
「はい」
 この人は殺されることを望んでいるのに、どうして柔らかな笑みを浮かべて居られるんだろう。
 かなこさんの考えが俺には分からない。
 最上の愛情表現は相手を殺すことだと、かなこさんは言っている。
 性的なカニバリズムに似たものなんだろうか。どちらにせよ、俺には理解できない思考だ。

「心は決まってますよ。自分がどうしたいのか、はっきり自覚しています。
 ―何度も言っているように、俺はかなこさんを殺したりしません」
「……そうでございますか」
 悲しそうな、残念そうな声だった。
 少しだけ心が痛むが、悪いことをしたとは思わない。
 間違ったことをしているわけではないのだから。

「それともう一つ、言いたいことがあります。
 かなこさん、もう俺につきまとわないでくれませんか?」
「雄志様……? 何をおっしゃっておられるのです?」
「聞いてください。俺は、本気なんです」
 強く息を吸い込む。これから台詞を言う心構えを作るために。
「かなこさんは俺と前世で恋人同士だったから、という理由で俺に近づいていますよね。
 でも、前世でそんなことがあったのだとしても、おかしいんですよ。
 違う人間として生まれてきた二人がまた結ばれるなんて」
「いいえ。おかしくなどありません。何も間違っているところなどありません。
 雄志様とわたくしは将来を約束しあった仲なのです。だからこそ、今こうして巡り会えたのです。
 これを運命と言わずしてなんと言うのですか」
「かなこさんの勘違い、です」
 自分でも驚くほど、はっきりと告げてしまった。
 だけど、これぐらい強く言わないといけない。
 信じられないような行動をとる人が相手なんだから、強気で行かなくては。


559:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:18:35 RF+iNqTl
「勘違い……? わたくしの……?」
「そうです。あなたは何かが原因で俺のことを好きになったのかもしれない。
 その何かを前世からの縁だと勘違いして、自分で納得してしまっているだけです。
 俺にはそう見えます。
 だって、俺みたいなどこにでも転がっている男が、かなこさんみたいな高嶺の花の人と
 少しでも関係があったり、するわけがないじゃないですか」
「そのような……現世での家柄など、わたくしにとっては何の価値もございません。
 雄志様に愛されることのみが、わたくしの幸せなのです」

 かなこさんが近づいてくる。部屋の向こうから、中央にいる俺の方へと。
 悲しさをあらわすように伏せられた眉と目尻、涙を零しそうなほど潤んだ瞳。
 小刻みに震える唇からは、嗚咽と共に呟きが漏れている。
「お願いでございます。どうか、どうか……」
 とうとう、お互いが腕を伸ばせば触れ合える位置まで近づいてきた。
 かなこさんは両手で顔を押さえ、項垂れている。

 無意識のうちに俺の足が少しだけ前に出ていた。
 ―また出てきた。発作だ。
 かなこさんと香織を前にした時だけ起こる、吐き出さずにはいられない暴力の衝動。
 距離を空けていれば抑えることができるが、ここまで近づいてこられると勝手に表に出てくる。
 かなこさんが顔を上げた。見えたのは、大粒の涙を流し続ける泣き顔。

 突然、呼吸が楽になった。
 衝動を抑える必要が無くなった。衝動が瞬間的にかき消えたのだ。
 訳も分からず悲しくなった。そして、自分に対しての激しい怒りが湧いてきた。
 女性を泣かせたからではない。もっと深い、心の奥の奥にある暗闇の中からこみ上げてきた。

 ―どうしてこの人を泣かせた!
 ―なぜ悲しませるようなことを言った!
 ―何が勘違いだ、ふざけるな!

 そんな声が聞こえた気がした。


560:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:20:21 RF+iNqTl
 悲しみと怒りと、予期しない心からの声に混乱していると、肩に手が触れた。
 相手の顔しか見えない距離にまでかなこさんの顔は近づいていた。
 静寂に包まれた地下の和室には、かなこさんの嗚咽しか音がない。
 鳥の羽ばたきよりも小さい呟きもここまで近づけば全て耳に入ってくる。
「お願いでございます。……どうか、どうか、そのような悲しいことは言わないで。
 思い出してくださいませ……本当のわたくしのことを…………寄り添って過ごしたあの日々を……」

 不意に、朝に目を覚ましたときのような感覚が襲ってきた。
 頭の中がクリアになり、軽くなった。
 そこへ押し寄せたのは喜びや悲しみや怒りや後悔などの強い感情がない交ぜになった混沌。
 偏頭痛、そして目眩。立っているのがやっとだ。
 かなこさんの顔はすぐ近くにあるはずなのに、認識できない。
 頭の中にある感情のうち、どれから片づけていけばいいのか分からない。
 複雑に絡み合ったそれらと自分の意識が混ざり、さらに膨らんでいく。
 痛い。頭の中でギリギリと音がする。意識もろとも吹き飛びそう。
 首に冷たいものが触れた。感触が上へと上がっていく。
 撫でられただけなのに、背筋に冷や水を浴びせられたように芯から震えた。
「一度だけ……一度だけでいいのです。わたくしに唇を許してくださいまし。
 そうすればきっと、いえ、今度こそ思い出してくださるはずです」
 首を軽く前へと引かれた。
 倒れそうになったが、首に触れている冷たい感触と胸に当たるやわな体を支えにして耐えた。
 歪んだ思考のまま目を開くと、そこには目を閉じて唇を薄く開けた女性の顔があった。
 どんどん近づいてくる。だがこんな満身創痍の精神状態では何も出来ない。

 唇に柔らかな感触。なんとなく、俺はキスされたんだと分かった。
 頬に息がかかる。首の後ろを弱い力で押されている。だけど、唇を押しつけられている感じはしない。
 安らぎがあった。ずっとこの場に留まって休んでいたくなる。
 しかしその時、それを押しとどめる囁きが聞こえてきた。
 体の感覚が全て耳に集中した。鮮明な声が、頭の中を深くえぐる。

 ―お前はそんなことをしてはいけない。
 意識に浸透していく。 
 ―お前がするべきことはすぐにその女を振り解くことだ。
 何よりも正しい忠告に聞こえる。
 ―お前が一番愛しているのはその女ではない。他の娘だ。
 そうなのか? ……そうなのかもな。
 ―その女の唇は汚らわしい。すぐに離れるべきだ。
 離れて、それから、どうする?
 ―拒絶しろ。憎み、恨め。そして、殺してしまえ!
 そんなことはしたくない。
 ―ならば、嫌え。見つめられる、近づかれる、話しかけられる、たったそれだけのことさえ許してはいけない!
 どうして?
 ―お前には好きな女がいるからだ。そんなことをしていて、好きな女に失礼だと思わないのか。
 ああ、そうだった。
 そうだったよ。俺には恋人が居る。だから、この人のことは嫌って―――


561:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:24:14 RF+iNqTl
 引きつるような息の音が聞こえた。
 いつの間にかすっきりしていた視界の中には、顔を歪めたかなこさんの顔があった。
 俺の首の後ろからはとっくに手を離して、距離を空けて立っていた。
「あ……あああ…………ああ、あああああ! う、ああああああああ!」
 その場にくずおれ、かなこさんは慟哭した。
「また! ……また間に合わなかった! ここまで性急に動いたというのに、もう雄志様は毒されていた!
 今度こそはと強く願ったというのにまだ、雄志様に取り憑くものがいる!」
「か、かなこさん?」
 座り込んだかなこさんに右手を引かれて、抵抗する間もなく床に座らされた。
 上着の襟を掴まれ、引き寄せられる。憎しみの籠もった眼差しに一直線に見つめられる。
「なぜ邪魔をする! 一体貴様はなんだ! なぜわたくしの雄志様を独占している! なぜ独占できる!
 わたくしは……幾たび生まれ変わっても一緒にはいられないのに、どうして貴様は……」
 胸の中にかなこさんが顔を埋めてきた。
 すすり泣く声が耳に入り込んでくる。
 俺はかける言葉も見つからず、ただ泣き崩れるかなこさんの肩に手を添えるだけしかできなかった。

 そうしているうちに、かなこさんの嗚咽が鎮まってきた。
 肩を掴んでかなこさんの体を起こす。俯いたままだから表情までは見えない。
「もう、大丈夫ですか」
「…………………………しなさい」
「え?」
「離しなさい。雄志様に取り憑いた悪霊めが、わたくしに触れるな」
 充血して真っ赤になった目で睨み上げられた。反射的に手を離す。
 かなこさんはふらつきながら立ち上がると、俺の後ろへと歩いていった。
 放心したままその場に座り込んでいると、背後から重い鉄の音が聞こえてきた。
 振り返ると、地下室の入り口に立つかなこさんの後ろ姿があった。
 鉄製の扉の上に開いている小窓に指を入れている。
 小さな音が耳に届いた。アパートの鍵を廊下に落とした時に立つような音。

 かなこさんが近づいてくる。ずっと俺を恨めしげに睨んだまま。
 畳から腰を浮かす。同じ目線から見つめ返したが、かなこさんは気にも留めずに歩き、通り過ぎた。
「何をしたんです、今」
「鍵をかけました。もう二度とこの部屋から出ることはできませぬ。わたくしも、あなたも」
 素っ気ない声が俺の心を激しくかき乱した。
「……え? 出られないなんて、そんなの……嘘でしょう」
「あの扉は内からも外からも鍵をかけられます。鍵が無くなってしまえば二度と開けられませぬ」
「じゃあ、鍵は…………まさか、今のって!」
「扉の向こうに落としました。これでもう、あなたはここから逃げられない」
 閉じこめられた。かなこさんと二人で、絶対に出られない密室に。
「は、はは……そんなの、嘘でしょう。どこかに出られる道があるはず」
「そのようなものはありませぬ。
 この部屋は、雄志様が今のように取り返しの付かない状態になった時のことも考えて作らせました」
「そんなの……こんな! 取り返しのつかない状況にしたのはあなたじゃないか!」
「わたくしにとっては些細なこと。これからすることを考えるならばこの状況こそが望ましい」

 背後からの戸を開ける音に振り返る。
 天袋の戸を開けたかなこさんが布の袋に包まれた長物を取り出していた。
 紫色の紐の結びが解かれていく。布が取り除かれ、中身が姿を見せる。
 かなこさんの手に緩やかな弧を描いた白木が握られていた。
 それがただの白木であって欲しいという間抜けなことを俺は願っていた。
 だが、もちろんそんな願望が叶うことなどありはしない。
 何の感情も映さないかなこさんの瞳が俺の目を見据える。穏やかな口調で告げる。
「雄志様、聞いておられますか? わたくし、これから取り憑かれ苦しむあなたさまをお助けいたします。
 悪霊をこの刃で、二度と甦らぬよう、残滓も残さず、退治いたします。
 ですから、聞いておられるのでしたら―どうか、力をお貸しくださいまし」
 かなこさんが、白木の端を右手で握った。


562:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo
08/03/28 00:26:12 RF+iNqTl
というところで、26話は終わりです。

かなこルートはあと2~3回の投下で終わる予定です。

563:名無しさん@ピンキー
08/03/28 00:29:01 MHQHZQkJ
リアルタイムGJ!

564:名無しさん@ピンキー
08/03/28 01:02:15 CKWHsc/O
ついにリアルタイムきた
主人公もパワーアップしているけど、どうなるかな?

565:名無しさん@ピンキー
08/03/28 03:25:02 kJAvi2Mn
おぉ!ことのはぐるまキテタwww
このままBAD ENDに直行か…?
ていうかまだ物語始まって二週間しか経ってないんだな

566:名無しさん@ピンキー
08/03/28 09:02:27 W9fs2vNq
523だがこんなところにあったわ、望みのものが。
しかも襲った方じゃなくて華の方がなんか好みだ。

567:名無しさん@ピンキー
08/03/29 15:57:43 nAKCBPIg


568:名無しさん@ピンキー
08/03/29 19:51:27 C4QRnsy+
最近投下されるSSの量が減ってきてる気がする。
まさか、このスレに書きこんだ奴はヤンデレ娘に狙われて
ある回数書きこむとそのヤンデレ娘にお持ち帰りされてしまうのか?!
とか考えていた俺はただの阿呆ですね。作者さんたち、頑張ってくれよ~

569:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:09:25 FmCYkgY4
>>568
そのネタで書いて投下すればいいんじゃね?

570:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:28:39 BlF/euAA
年度末はみんな忙しいのさ

571:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:57:16 C4QRnsy+
最近投下されるSSの量が減ってきてる気がする。
まさか、このスレに書きこんだ奴はヤンデレ娘に狙われて
ある回数書きこむとそのヤンデレ娘にお持ち帰りされてしまうのか?!
とか考えていた俺はただの阿呆ですね。作者さんたち、頑張ってくれよ~

572:名無しさん@ピンキー
08/03/29 20:59:29 C4QRnsy+
あれ?なんで二回書き込んでんだ?スマンかった

573:名無しさん@ピンキー
08/03/29 21:56:35 DgZ9uoqN
前そんな感じの「ヤンデレ喫茶」ってなかったっけ?あれは良かったな。

574:名無しさん@ピンキー
08/03/30 07:55:28 8g44rgIe


575:名無しさん@ピンキー
08/03/30 23:41:02 uv/QcFjK
>>569
ためしに書いてみてるが、gdgdすぎてなんだかもう・・・
明日頃投下できるかもね。

576:名無しさん@ピンキー
08/03/31 00:31:18 nuujFB3L
>>575
誘い受けうぜ

577:名無しさん@ピンキー
08/03/31 01:50:02 oToJsXb/
過敏うっぜ

578:名無しさん@ピンキー
08/03/31 01:53:25 mHzd0mal
はいはいワロスワロス

579:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:12:06 ikjCDlIA
でも実際書いてる本人すら駄目だと思ってるのに、わざわざこんな風に書き込む意味が解らん?

投下した後おべんちゃらで「全然下手じゃない」「面白かった」って言って欲しいのか?
それなら黙って投下すりゃ良いのに。このスレでは反論、批判は荒らし認定で封じられてんだし。

580:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:16:25 eKB/0asU
>>579
議論厨乙
そうやって釣り針に引っ掛けようったってそうはいかね……




っは!?

581:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:18:53 KlmpPkm8
昨日、駅で突然見ず知らずの姉ちゃんに飴貰って会話が始まった
俺より一個年上だとか俺を年上だと思ったとか、仕事で他県に研修に行ってたとか
背が低くて学生に間違われるとか言ってきたんだがヤンデレフラグなのか?メンヘラか?ビッチか?
身長150センチくらいの可愛い子だったんだが、初対面の二十歳過ぎた野郎に飴は無いよな普通

582:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:25:38 GDwyf222
逆に考えるんだ
それは本当にただの飴だったのか、と考えるんだ

583:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:26:59 vlz3uXoh
天然なのか、ゆとりなのか……それともネタ?
世間知らずって恐いな

584:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:28:53 vlz3uXohi
↑のは>>581のことね

585:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:32:54 r/vqFgVk
つつもたs…いや、なんでもない

586:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:40:21 KlmpPkm8
食ってから自分もそうとうアレだとは思ったが童貞が自分の好みの女の子に
話しかけられて頭がまともに動くはずないだろ?

587:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:42:35 r/vqFgVk
それには同意せざるを得ない
壷とか普通に買ってしまいそうだ

588:540
08/03/31 02:51:42 4fz9kcFj
>>542
亀レスごめん。とりあえず概要を語ると
主人公は千葉の大学に通う女子大生。容姿は良いのだが流行に疎く、考え方もどことなく古風。恋愛の方も慣れておらず、まともに異性とつきあったことがない。差出人不明の手紙に悩まされている。
しかし数合わせで参加した合コンで出会ったサラリーマンと、出身地が同じという事もあり意気投合。恋をする。
今までにない気持ちに大いに浮かれる主人公だが、郵便受けに今まで一通しかこなかった手紙が山ほど送り込まれるようになり、不安にかられサラリーマンに相談する。
サラリーマンは大いに憤り、二人は良い雰囲気になりそのまま一夜を共に。
翌日目を覚ますとサラリーマンは既におらず、簡単な書置きが残されている。既に仕事先に向かっていた。
元々不安にかられており、縋る対象を求めていた主人公は相手に強く執着し、物陰から見つめるだけと仕事先にまで向かってしまう。
サラリーマンの仕事先であるビル出入り口付近にある喫茶店で待つこと数時間。昼頃に一人出てきたサラリーマンを見つける。
しかし、サラリーマンはその後なんと主人公を合コンに招いた友人と合流し、親しげに肩を抱きながら近くのレストランに入っていく。
呆然とした主人公はそのまま逃げるように走り去り、自宅に引き返す。
翌日友人を問い詰めるが、マトモに相手にしてくれず、一回寝ただけで恋人と考える純情な発想をからかわれる。
納得できずサラリーマンに直接問いただしてみると、友人はセフレで主人公とも遊びだったとあっさり開き直り、信じられず縋りつく主人公を今までとうって変わって冷たく突き放す。
それでも諦められない主人公は、もう一度話せばきっと優しい彼に戻ってくれると固く信じ何度も会おうとするが、もちろんそんな事が起きるわけもなく、どんどん邪険にされていく。
とうとう相手の会社前で待ち伏せまでするようになったところで、ストーカーとして警察に逮捕される。
しかし悪い話ばかりでもない。主人公はあの夜にサラリーマンの子供を妊娠していた。彼に会えないのならばせめてこの子は私の手で育てようと決意したところで場面が転換。
川原を主人公はベビーカーを押しながら歩いている。乗せているのは彼との子供、などではなく白い子犬である。しかし主人公はその子犬が自分とサラリーマンの子供である事を信じて疑っていない。
道行く人は主人公を奇異な目で見るが、主人公は気にしない。彼女は至福の幸せを手に入れたのだ。
とまぁ、こんな展開。
もっとも、このルートははっきり言って基本設定からは外れるパラレルワールドな展開なんだけどね。

589:名無しさん@ピンキー
08/03/31 02:57:09 KlmpPkm8
俺はそれの警備員さんの飴玉婆さんルートが好きだな、ヤンデレ娘も出てくるし

590:無形 ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 18:49:20 EsE5f1aD
ぎりぎり3月間に合った・・・
投下します

591:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 18:51:23 EsE5f1aD
楢柴文人から改めての謝罪があったのは、昨夜の事だった。
財閥の長のそれとは思えない丁重な謝意と、従妹との婚約の解消を正式に告げられた。
騒動の発端―綾緒は謹慎を申し付けられたらしい。
自分の罪を自覚できるようになったら、本人にも頭を下げさせる。
伯父はそう云って額を地面に擦り付けた。
楢柴文人は有言実行の人だ。
彼がそう云う以上、その言葉を信じない訳には往かない。
綾緒の件は一件落着と考えて良いのだろうか。僕の胸は少しだけ軽くなった。
従妹とはここ最近で色色あったけれど、以前のような関係に戻れたら良いな、とは思う。それが可能か
どうかは置いておいて。
だから。
「日ノ本くん」
今は。
「朝ご飯作りに来たわよ」
この人―“日ノ本創の恋人”、織倉由良こそが最大の問題になったと云える。
チェーン越しに覗く笑顔。
手にはスーパーの袋。
そして、包帯。
「開けて?日ノ本くん」
「・・・・」
綾緒には織倉由良は家に入れるなと云われたが、今はそれ以上の理由で入れるべきではない、と思う。
けれど。
「ね?」
どこか不気味な笑顔を浮かべるこの人を、拒む力が僕にはなかった。
チェーンを外す僕の顔は、一体どの様であったろうか。
すぐ傍の壁を見上げる。
そこには綾緒の設置した能面があり、面はじぃっと、僕を見つめている。
(綾緒に知れたらただじゃ済まないんだろうな・・・)
だけど、拒んでもただでは済まない。
痛痛しく巻かれた包帯が、拒むことを拒ませる。
「ふふ、おはよう、日ノ本くん」
「・・・おはようございます、織倉先輩」
彼女は上機嫌で靴を脱ぐ。心底嬉しいのだろう、雰囲気が明るい。
「ねえ、日ノ本くん」
「はい?」
「防犯のつもりだか何だか知らないけど、チェーン掛けるの止めてね?」
「え?」
「だって、そんなのがあると、私がこの家に入りにくくなるでしょう?窓ガラスを破ったり、鎖を切断
するのも面倒臭いし、すんなり入れるようにしてくれると嬉しいな?」
「・・・・・」
彼女は笑顔。
何て事の無い話しをするように、笑顔でそう云った。

「はい、めしあがれ」
暫く後。
テーブルにつく僕の前には、朝食とは思えぬ力の入った料理が並べられている。
僕はそれを力なく口に運ぶ。
「どう?美味しい?」
なんて先輩は微笑むが、僕には味がわからなかった。
今まで何度も先輩のご飯は御馳走になった。
だから、今咀嚼している『これ』も良い出来なのだろう。見るからに腕によりをかけたとわかる品品な
のだから。
先輩は重ねて「美味しい?」と問う。
味覚を機能させていないまま、僕は頷いた。これも嘘になるのだろうか。
「良かった。まだまだあるから、沢山食べてね?」
織倉由良は上機嫌に微笑んで、頬杖をつきながら僕を見つめている。
「ふふ、嬉しいなぁ。日ノ本くんが私のご飯、食べてくれてる」
「・・・・」
「・・・ねぇ、日ノ本くん」

592:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 18:53:50 EsE5f1aD
「はい?」
「日ノ本くんには、イトコの女がいたわよね?」
一瞬動きが固まる。ここでその名前が出てくるとは思わなかった。
「綾緒の、ことですか」
「そう、その娘」
先輩は自身の作った料理に目を落とす。
「前にあの娘、自分が日ノ本くんのお世話をする、何て云ってたけど、その後どうなったの?」
「・・・・」
僕は手を止めた。
先輩と綾緒の相性は間違いなく悪い。
ただ、不幸中の幸いと云うべきか、接点があまりない。余計なことにならずにいる。
先輩を刺激するようなことは云わない方が良い。
それが僕の下した決断だった。
「綾緒は、そうそうここには来れませんよ。あいつ、雪見台(ゆきみだい)に住んでるんで。習い事も
多いし、家の付き合いもありますから」
本来の綾緒はそうだ。
ここ最近が特別だっただけで、それは、嘘ではない。
「ふぅん」
先輩は指で皿を弾く。
「まあ、中学の時から日ノ本くんが私のお誘いを断ったのって6回だけだったから、それはその通りな
んだろうね。―それにしても、雪見台かぁ、遠いねぇ。じゃあ、“後回し”かな」
「え?」
「ううん、こっちの話。それよりも日ノ本くん」
織倉由良は笑顔で僕を見る。
「私達、恋人同士よね?」
「―」
「どうしたの?どうして答えてくれないの?」
「いえ・・・」
僕は首を振る。
包帯ばかりが目に入る。
「先輩、手、痛くないんですか?」
「ん?これ?」
織倉由良は自らの腕に目を落とし、それからくすくすと笑った。
「ふふふ。これはね、日ノ本くんに安心して貰うために付けた傷だもの。日ノ本くんが私のことを好き
だって云えるようにした代価なの。だから、平気。ジンジンと疼くけど、日ノ本くんのことを考えると
この痛みも心地良いのよ?私は何度でも命を掛けられる。貴方が望むなら、今この瞬間にだって」
どこか夢見るような表情で彼女は包丁に目をやった。
「や、止めて下さい」
「でも」
「お願いですから、怪我するようなことはしないで下さい」
「・・・・・」
僕がそう云うと、彼女は口を止め、動きを止めた。
織倉由良は頬を染めている。
頬を染めて、僕の掌を両手で包む。
「嬉しいなぁ。やっぱり日ノ本くんは私を愛してるのね?私のことを気遣ってくれているのね?」
掌を引き寄せ、その甲に頬を擦り付ける。
陶酔とはこういう状況をさすのだろうか。いずれにしても、『僕』と『彼女の中の僕』には大きな乖離
があるようだ。
「私、日ノ本くんがいれば、他は何もいらない・・・。日ノ本くんもそうでしょう?だからね、お願い
があるの」
「・・・・」
僕は答えない。
何を云われるか判らないのだから、返事など出来るはずも無い。
けれど彼女は沈黙を肯定と受け取ったらしい。そのまま言葉を紡ぎ、『お願い』を口にした。
「あのね、私以外の女の子とは、口を利かないで欲しいの」
「―え」
「誰とも。何とも。どこでも。女と云う女とは、口を利かないで?そのかわり、私も日ノ本くん以外の
男の子とは、口を利かないから」
「そんなの」

593:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 18:56:03 EsE5f1aD
無理に決まっている。
第一部活をどうしろと云うのだろうか。茶道部は僕以外、皆女子なのだ。
「部活なら気にしなくて良いのよ?もうあんな所へ往く必要なんて無いの。あそこは元元、日ノ本くん
を保護するために拵えたのだから。これからの放課後は、ここか私の部屋ですごせば良いの。この世界
には2人だけで良い。他はいらないの」
そうでしょう?
先輩は当たり前のことを確認するかのように僕に微笑みかける。
けれど僕は首を振った。
「そんなこと出来る訳無いじゃないですか。先輩だって、そのくらい判るでしょう?」
「・・・・・」
織倉由良は笑顔を消して、悲しそうな顔をする。
「日ノ本くん、どうして判ってくれないの?私達は愛し合ってる。そうでしょう?」
「・・・・・」
「なら、お互いを大切にしたいじゃない。お互いだけにしたいじゃない。だから“他”は不要だし、そ
うなる様に努力すべきでしょう?」
違う。
この人は。
織倉由良の考えはどこかおかしい。
仮に僕が彼女の本当の恋人だったとしても、こんな考え方についていけはしないだろう。
いや、それ以前に。
(織倉先輩は、こんな人間ではなかったはずだ)
ここ最近の―そして、今の彼女の態度。
それは、明らかに常軌を逸している。
『彼女の中の僕』が先輩を愛しているとしても、ここまで歪な愛情になるものだろうか。俄には信じら
れない。
彼女が変わってしまう様な、そんな事があったのだろうか。それとも僕の目が節穴だっただけで、元か
らこういう人だったのだろうか。判断が付きかねる。
「ね?そうしてくれるわよね?」
「・・・・・」
彼女は僕の手をぎゅっと握る。
(何とかしないと)
僕は冷静でいるであろう後輩の姿を思い浮かべた。

「それは申し訳ありませんでした」
一ツ橋朝歌は深深と頭を垂れた。
申し訳ありませんと云っている割には、表情に変化は無い。
ここは学校の屋上。
時間は昼休み。
織倉先輩から逃れ、比較的発見され難いこの場所へ一ツ橋を連れて来た。勿論話を聞いて貰うためだ。
ここ最近の織倉先輩の行動と僕の立場。そして綾緒の境遇も説明した。
一ツ橋はいつも通りの無表情で黙って話を聞いていたが、聞き終えると前述のように頭を下げたのだ。
「何でお前が謝るんだ?」
「責任の一端が私にもあるようですから」
後輩は無表情に面を上げる。隣同士に座っているので、顔が近い。
「責任の一端?」
「部長がお兄ちゃんのことを好いている事は知っていました。お兄ちゃんは、知らなかったでしょうけ
ど」
「寝耳に水だった」
「部長には、想いが届いていないからお兄ちゃんは振り向かないと云いました。それでああしたのだと
思います。加えて云えば、お兄ちゃんの過去を話したのも私です。今思えば余計なことをしましたね」
「そうか。藤夢のこと話したの、お前だったか。確かに、一ツ橋なら、僕の過去を知っているか」
「すみません」
「いや、そのくらいなら別にお前のせいじゃない。謝らなくて良い」
僕が云うと、一ツ橋はもう一度、無言で頭を下げた。
「これをどうぞ」
ひと段落すると、一ツ橋は掌を差し出した。そこには何かが乗っている。
「これは?」
「御守りです。今回のものも効果が無かったようですから、交換します」
使い方は一緒です。

594:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 18:58:27 EsE5f1aD
そう云って立ち上がる。以前貰った御守りは首からかけているので、架け替えるつもりなのだろう。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「確認ですが、お兄ちゃんは、部長のことを愛してはいないんですよね」
「異性に対する愛情という意味ではね」
「そうですか」
ちいさな妹分は頷いて、じっと僕の顔を見つめる。凄く顔が近い。息が掛かりそうだ。彼女はそのまま
の姿勢で、身じろぎもしない。
「どうかしたか?」
「いえ何でもありません。終わりました」
後輩は以前の御守りを仕舞うと、そのまま僕の膝の上に座った。相変わらず、軽い。
「なあ一ツ橋、僕はどうしたら良いと思う?」
「朝歌です」
「・・・朝歌」
「お兄ちゃんは、どうしたいんですか?」
「僕か?」
目を閉じる。
想起するのは、少しだけ前の日常。
普通に暮らしていた毎日。
そんな光景。
「以前の境遇に戻ることは、不可能だと思います」
胸中を察したのか。一ツ橋は僕が答える前に云う。
「そうだろうな」
納得はしている。
それは理想、否、妄執だ。
どう纏めても、戻ることの無い日日なのだ。
「それでも僕は、先輩には昔の尊敬できる人に戻って欲しい。仲の良い、唯の後輩に戻りたいんだよ」
「具体策はあるんですか?」
「ない。だから相談してる」
「・・・・」
「まあ、当面の問題として、“恋人関係”を解消しないとな」
けれど、峻拒できない。
すれば、あの人は再び自身の身体に刃物を突き立てるかも知れない。
「なあ、朝歌、何か良いアイデアはないか?」
「時間切れです」
「え?」
後輩は僕の膝の上から降りた。
刹那、屋上の扉が開かれる音がする。
「日ノ本くんっ」
「織倉先輩・・・」
音のしたほうに目をやると、そこには息を切らした『恋人』の姿。
随分走り回っていたのだろうか、白い肌に珠の汗が浮かんでいる。
(時間切れ、か)
「探したのよ?どうして私とお昼を一緒してくれなかったの?」
「・・・・・」
怒ったような。
拗ねたような。
それでいて安堵したような。
そんな表情で、僕の傍へと遣って来る。
「朝も云ったでしょう?私達はもっと一緒にいる時間を作らないといけないの。1秒も無駄には出来な
いのに・・・」
云いかけて、先輩は動きを止める。
「・・・・・何、それ」
白く長い指が、華奢な矮躯を指差した。僕の傍に在る後輩の姿に気づいたらしい。
「どうして?どうして私じゃなくて、朝歌ちゃんと一緒にいるの?」
「あ、これは・・・」
「私、朝云ったわよね?私以外の女の子と、口を利かないでって。なのに、なのに、なのに!なのに!
なのに!!何で私以外の女といるのよ!?」
炎のような瞳だった。

595:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 19:00:40 EsE5f1aD
怒りを燻らせ、揺れる双眸が僕を捉えた。
僕は一瞬、身を竦める。
刺激しない方が良い。
それは判っている。
判っているが、長い付き合いの後輩を無視の対象には出来ない。
「先輩、流石に一ツ橋とまで口を利かないなん、」
「黙って!!」
僕の言葉を遮って、織倉由良は一ツ橋を睨みつける。
「朝歌ちゃん。貴女が私の日ノ本くんをここへ連れて来たの?」
「・・・・・・」
一ツ橋は答えない。
澱みの無い瞳で、じっと年長者を観察している。
「私と日ノ本くんは付き合ってるの。愛し合ってるのよ?貴女が日ノ本くんと古い知り合いなのは知っ
ているけど、そんな理由で私達の間に入り込んじゃいけないの。どうなの?貴女が日ノ本くんをここに
攫ったの?」
「はい。私が先輩に無理を云ってお付き合い頂きました」
「なっ」
違う。
相談を持ちかけたのは僕なのに。
「そう。やっぱりそうなのね。―じゃあ」
ゴツッと。
鈍い音が屋上に響く。
それは織倉由良が一ツ橋朝歌を殴りつけた音だった。
一ツ橋は一瞬身体を揺らしたが、すぐに直立の姿勢に戻った。口を切ったのか、口端から血が滲んでい
る。
「と、朝歌!」
僕は思わず駆け寄ろうとする。
けれど、後輩は目でそれを制した。
「余計なことはしなくて良い」
そういう瞳だった。
「・・・・・・」
ここで本当のことを話せば、織倉先輩は逆上し、更に話が拗れる。それを知っているから、一ツ橋は嘘
云ったのだ。
(でも駄目だ)
それでも一ツ橋を悪者にするわけには往かない。
「織倉先輩、待って下さい!一ツ橋を誘ったのは僕のほうだ。悪いのはこいつじゃない」
「日ノ本、くん・・・・?」
織倉由良は信じられないものを見たかのような顔をする。
「どうして?どうしてこの娘を庇うの?悪いのは朝歌ちゃんなのに。私達の貴重な時間を奪った張本人
なのに・・・」
「そうじゃないんです。本当に僕が一ツ橋を誘ったんだ」
「・・・・」
先輩は呆ける。
次いで俯いて。
そして、怒りに歪んだ顔を上げた。
「このっ、浮気ものッッッ!!!!」
先輩は腕を振り上げる。拳ではなく、平手。
僕は目を閉じた。別に殴られるくらいは構わない。
けれど。
「うぁあっ!痛いッ・・・・!!!」
先程まで微動だにしなかった一ツ橋が、織倉由良の腕を捻り上げていた。余程に力が入っているのか、
指が腕に食い込んでいる。
「ひ、一ツ橋」
「朝歌ちゃん、な、何するのよ・・・!」
「それは私の科白です」
淡淡と。
いつものように抑揚の無い、無機質な喋り方だった。
「私を叩くのは構いません。ですが、兄に手を上げるなら話は別です」
「ぅ、ああああ!痛い、痛い、痛いぃぃ!!!」

596:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 19:02:54 EsE5f1aD
「そうですか」
ぎりぎりと指が食い込み、白い手首が鬱血して往く。包帯を巻いていないその腕も、このままでは治療
が必要になってしまう。
「朝歌!止めろ!!!」
僕は叫ぶ。
「・・・・」
一ツ橋は僕の顔を見る。
本気でそう云っていると判ったからか、
「わかりました」
アッサリと手を離した。
「~~~~~!」
戒めを解かれた織倉由良は驚愕し、それから怒りが込み上げた様な顔をする。
「何するのよっ」
力任せに頬を張る。
一ツ橋は抵抗もしない。避けもしない。黙って叩かれている。
「織倉先輩、もう止めてください」
僕はたまらず腕を掴んだ。一ツ橋はどれほどの力を込めていたのだろう。彼女の腕は真っ赤になってい
た。
「日ノ本くん!まだこの女の肩を持つの!?」
「そうじゃありません。暴力は止めて下さい。悪いのは僕なんです」
「酷いよ、日ノ本くん、悪いのは朝歌ちゃんなのに・・・っ」
織倉由良は腕を振り解くと、涙を浮かべて走り去る。
「先輩・・・」
「今はそっとしておいたほうが良いです」
追いかけようとした僕を、後輩が制した。
「後で私が謝っておきます。多分、それで解決します」
「けど、それじゃ、お前が」
「構いません」
一ツ橋は織倉由良の消えた方角を見つめている。
「お兄ちゃんは、自分の問題を解決してください。それで良いんです」
「でも、」
「“これ”は見物料みたいなものです。気にしていません」
そう云って頬を撫でる。
痛痛しく腫れ上がっているが、何事も無いかのような表情だった。
「気にしないって、お前・・・」
「気にしてません。」
一ツ橋は涼やかな瞳で僕を見る。
「私、ただの傍観者ですから」


597:ほトトギす ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 19:04:59 EsE5f1aD
放課後になった。
先の宣言どおり、一ツ橋は織倉先輩に謝罪に往ったらしい。
元元の原因は僕にあり、更には先輩の狂行があり、その結果の出来事なのだから一ツ橋に非は無いはず
なのだ。
けれど、扱い次第で命に関わる話だからと泥を被った。
「あとで一ツ橋に謝っておかないとな」
勿論、お礼も。
そんなこんなで、帰路に着く。
先輩も後輩もいない。
珍しく、今日は一人の放課後になりそうだ。
酷い話だが、少し心が軽くなった。僕は自分で思っているよりも、性格が悪いのかもしれない。
校門まで来て、異変に気付く。
疎らにだが、人だかりが出来ていた。
「?」
何だろう。
僕もそちらに歩き出す。
「あれは・・・」
そこには、見覚えのある高級車が止まっていた。
僕の血。
それが交換になったときに乗った、あの車だった。
車の傍には使用人と思しき人物が立っている。
彼は僕に気付くと、人だかりを気にせずこちらへ来て、丁寧な礼をした。
「日ノ本様。お待ち申し上げておりました」
確かに見覚えのある人だ。楢柴の屋敷で、何度か合った事がある。
「あの、僕に何か・・・」
『どちら』の用事だろうか。
父か、子か。
それとも、別の誰かか。
彼はもう一度丁寧に礼をした。
「綾緒お嬢様の云い付けで参りました。どうか、御同行下さい」

598:無形 ◆UHh3YBA8aM
08/03/31 19:07:37 EsE5f1aD
投下終了です
次回は投下は未定になります、申し訳ありません
では、また

599:名無しさん@ピンキー
08/03/31 19:10:16 EeU/Srfx
この作品の良さに脱帽

600:名無しさん@ピンキー
08/03/31 19:39:32 XxW1dQPx
ほトトギすキター!作者マジでGJ!これからもよろしくお願いします!次回も楽しみにしています!

601:名無しさん@ピンキー
08/03/31 19:44:32 mHzd0mal
なんつーかこれ俺の急所にあたってたまらないんだがwww
GJ

602:名無しさん@ピンキー
08/03/31 20:26:27 UM8F8DbA
投下乙であります。
怖ええええええええええええ!!
先輩といい綾緒といいなんかもう病みが深くなりすぎて良い意味で怖くて怖くてたまらないんですが。
朝歌派としては果たして朝歌が傍観者で終えるのか、最後の最後に牙を剥くのかが楽しみです。

603:名無しさん@ピンキー
08/03/31 20:31:01 OWcQZZ6f
ただただ私はいう。
素晴らしいと。

604:名無しさん@ピンキー
08/03/31 20:39:37 7WOvt1eO
>>598
God Job!

>>601
おティンティンにクリティカルヒットするんですね、わかります 

605:名無しさん@ピンキー
08/03/31 21:15:03 OhdLDIr1
GJ!
俺も朝歌派だからなぁ…
続きwktk

606:名無しさん@ピンキー
08/03/31 22:10:24 eFia5zsl
綾緒派だけど今回で初めて朝歌に萌えた。
>「私を叩くのは構いません。ですが、兄に手を上げるなら話は別です」
この台詞とかすごく(・∀・)イイ!! 

607:名無しさん@ピンキー
08/03/31 23:02:48 RugEicNh
GJ!
だけど朝歌派としてはこの先の展開が不安過ぎる
キモウトスレの朝歌とはパラレルワールドの可能性もあるけど

608:名無しさん@ピンキー
08/03/31 23:08:55 /A1foQ6v
>>598
相も変わらず野GJでした。
続きものんびりと待ってます。


保管庫の中の人の仕事ぶりには本当に脱帽。もうほトトギすが
掲載されているし。いつも本当に乙です。
これからもどうぞよろしくです。

609:名無しさん@ピンキー
08/04/01 03:27:03 S2sX103B
ようやく、ようやく一ツ橋の病みが見れた
彼女には聖域でいてほしかった気もするけど、やっぱ嬉しい

610:名無しさん@ピンキー
08/04/01 04:46:31 2IkzQAS0
朝歌が良すぎるんだが…なんつーかここまで気に入るとは思わなんだ。

なんか呼び方もお兄ちゃん固定になってるしだんだん病んできたのかとwktkしてます。

611: ◆wzYAo8XQT.
08/04/01 13:45:28 ovaSZsBM
結構間が空いてしまいましたが、これから投下します
ヤンデレになるのはいつの日になることやらか……

612:ぽけもん 黒  鳥と草むら ◆wzYAo8XQT.
08/04/01 13:46:56 ovaSZsBM
 僕達は他愛の無い話をしながら歩き―話の内容は本当にただの世間話だったが、彼女の口調は強いものの、ちゃんと会話が成立した。
つまり話もしたくないほど僕を嫌っているというわけじゃないようだということが確認でき、少し安心した―、町のはずれの草むらの前に着いた。
 人間の子供は皆、危険だから町からは絶対に出ちゃダメ! もし草むらに入ったりしたらこわーいポケモンにさらわれちゃうわよ! と親から耳にたこができるほど言われたものだ。無論、僕も例外ではなかった。
 ポケモンも子供は同様だろう。田舎町だからあまり危険なポケモンはいないとはいえ、もしいきなり複数の大きなポケモンに襲われたら逃げることもままならないだろう。
 少し不安になって、香草さんに話しかける。
「えーっと、これから草むらに入るわけだけど、大丈夫だよね?」
「私を誰だと思ってるの? エリートなのよ? その辺の雑魚なんか相手にもならないんだから」
 彼女は胸を張り、自信満々に答えた。
 エリートとは。確かに彼女は御三家と呼ばれることもあるあのメガニウム系の純系のように見える。もしかしたら、それなりに良家のお嬢様だったりするのだろうか。
「それは頼もしいね」
「当たり前でしょ! 弱い人間なんかと訳が違うんだから!」
 むむ、中々に聞き捨てなら無い発言が。やはり彼女は差別主義者なのだろうか。先ほど覚えた僅かな安心がすぐに不安に覆い隠される。
 彼女はそういうと、僕の不安をよそに足早に草むらに分け入った。僕も慌てて彼女の後を追った。

 しばらくはただの虫かねずみくらいしかいなかった。あれだけ危険と言われていた草むらなのに、町の中の草むらと変わらぬあまりの平穏さに拍子抜けしてしまった。
 しかし、油断したのがまずかった。僕は何かの羽音を聞いたかと思うと、次の瞬間には地面にねじ伏せられていた。
「うわぁ!」
「何!? 鳥ポケモンじゃない!」
「当面の食べ物ゲットですー」
 聞こえてきたのは香草さんの慌てた声と、間延びした可愛らしい女の子の声。
 背中にしっかりと感じる重さと香草さんの言葉の意味。
 つまり僕は、鳥ポケモンに背後から飛び掛られたのだろう。
 いや、そんな冷静に分析してる場合じゃないぞ! あまりに暢気な口調だからついつい油断してしまうが、よく考えれば食べ物ゲットとか不穏な台詞が聞こえたぞ!
 もしかしてこのままさらわれてそのまま……うわあああああ!! まずい、それはまずいぞ!
「た、助けてー!」
 僕は必死に手足をバタバタと動かし暴れる。しかしびくともしない。
「落ち着きなさい! 『蔓の鞭!』」
 香草さんの大声の後、何かが空気を裂く音が聞こえ、僕の背中が軽くなった。
 急いで飛び起きると、香草さん手首の辺りから指くらいの太さの濃緑の蔓が飛び出していた。
後ろを向けば深い茶髪と鋭い黒い目をした、全身が卵色の羽毛に包まれている、腕が翼になっている少女がいた。
 鉤爪になっている赤褐色の右足と左の翼を蔓で絡めとられている。
 そして……なんと言ったらいいのか……服を着ていない。
 これは……ピジョット系の子供かな? 翼の表地が見えればそうだと断定できるんだけども。
「『風起こし』ですー!」
 と、ぼんやりしていたら、彼女は激しく羽ばたき始め、瞬間突風が巻き起こった。
「うわあああ!」
「きゃああああああああ!」
 僕は再び地面に這い蹲り、香草さんは蔓が千切られた上に数メートル飛ばされた。
 子供とはいえ鳥ポケモン。草タイプでは相性が悪い。
 ならばやはり、僕のやるべきことは一つだろう。
 僕は立ち上がると、リュックを下ろし、そして走って彼女に飛び掛った。
「きゃあ! な、なにするですー!」
 彼女は油断していたのか、あっさりと僕に押し倒された。そして当然慌てて僕をどかそうと暴れる。
翼で叩かれる背中が痛い。こんなにあっさりいくんだったらリュック下ろさなかったらよかったな。しかし頭一つ分も小さい彼女では僕をどかすことは出来ない。
「あのさ! 僕とパートナー契約しない!」
 僕はバサバサという騒音に負けないように、声を張り上げて言った。
 それを聞いた彼女の攻撃の手が少し弱まった。

613:ぽけもん 黒  鳥と草むら ◆wzYAo8XQT.
08/04/01 13:47:23 ovaSZsBM
「ぱぁとなぁけいやく? それ食べれるですぅ?」
 彼女はキョトンとして僕を見つめる。正直、かなりこれはやばい。主に僕の理性的な問題で。
「食べれないけど、食べ物は保障するよ!」
「本当です? ならするですー!」
 そう言って、彼女は拍子抜けするくらいあっさりと攻撃の手を止めた。満面の笑みとともに。
「ありがとう! これからよろしくね!」
 僕は彼女の上からどけ―少し彼女の感触が名残惜しかったが―、彼女の翼をとって起こした。
 さて、これからが問題だ。
 後ろを向けば、ちょうど香草さんが上体を起こしたところだった。 ああ、赤い双眸が彼女の憤怒の表情によく栄える。
「は、話聞こえてたよね? そういうことだからさ、お、落ち着いて」
「黙りなさい」
 音量は小さいが、その声はどんな怒声にも劣らぬ迫力を持っている。
 予想よりも遥かにまずい事態だ。
「落ち着こう! とりあえず落ち着い」
「黙れ!」
 それ自体で空気を裂けるような、鋭く尖った大音声が発せられた。
 僕と彼女のビクンッと体を竦ませる。
「たかが……たかが小鳥の……それも低脳な野生のポケモンの分際で……よくもこの私に傷を負わせてくれたわね……! 殺す……殺してやる!」
 彼女は立ち上がると共に、両の手首から十本近い数の蔦を出した。
 あの鳥ポケモンは僕を殺して食べようとしていたみたいだから正当防衛が成立しなくもないだろうけど、今の香草さんに、そこまでの理性的思考が出来ているとは思えない。
「話を聞いてよ!」
 ああダメだ、彼女は完全に聞く耳を持っていない。
 しょうがない、こんなことに使うことになるなんて思ってもなかったが……。
「ええと、僕はゴールド。君、名前は?」
 僕は背後の彼女に呼びかける。
「はい! ポポというです!」
「ポポさん、少しの間だけ、なんとかあいつから逃げてくれ」
 僕はそう彼女―ポポに指示すると、自身はバッグに向けて走りだした。
 僕のバッグに入っている奥の手を使うために。
 ポケモン商品で業界最大手であるシルフスコープ社製の眠り粉。
あたれば九割以上の確率で相手を眠りに落とす。僕が野生のポケモンから逃げるために用意した最後の手段だ。それをまさかこんな形で使うことになろうとは。
 僕が走り出した後、すぐにバサバサという羽音が聞こえた。
 ナイス判断だ、ポポ。
 あの数の蔦では地面を走るという2Dの動きではすぐに捕らえられてしまうだろうが、空を飛ぶという3Dの動きでは捕まえるのは容易ではないはずだ。
 その様子を確認しようと顔を上げる。
 その瞬間、僕の脳に衝撃が走った。
 速い!
 香草さんの蔦はそれぞれが意思を持っているかのようにそれぞれが独立して無軌道に動き回っていて、しかもその速度は風圧だけで草が薙げるほどのものだ。
 一方のポポも、複雑な軌道を描いて飛び回っていて、あたりそうで中々あたらない、という絶妙な距離をとっていた。どうしても避けられないものは翼で起こした風で切り裂いている。
 二人のレベルの高さに驚かされる。
 こういっては何だが、普通に町で暮らしているポケモンとは格が違う。
 と、彼女らのバトルに見とれている場合ではない。
 今僕は観客ではなく選手なのだから。
 僕は大回りに彼女の後ろまで回りこむと、そのままそろそろと彼女に近づいていく。
 幸いにも彼女は自らの蔦を捌くので精一杯で、周囲に対しては気が回っていないようだ。
「えいっ!」
 僕は一気に彼女に接近すると、彼女の頭上で眠り粉をぶちまけた。
 振り向いた彼女と視線が合った、と思った次の瞬間には、僕は地面に横たわっていた。
 同時に、全身を強い痛みが襲う。
 痛みに耐え、なんとか目を開くと、数メートル先に僕を見下ろしている香草さんがいた。
 振り向きざまに何かされたのだろうけど、何をされたかすら分からない。
 彼女は一歩、また一歩と僕の方に歩いてくる。

614:ぽけもん 黒  鳥と草むら ◆wzYAo8XQT.
08/04/01 13:48:16 ovaSZsBM
 背筋に寒いものが走った。全身の痛みは引いてきていたが、腹部の痛みだけは引くどころかいっそう強く主張してくる。そのせいで、体が強張って立つことすらままならない。逃げることなんて出来るはずもない。
 彼女は僕の足元まで来ると歩みを止めて、何かを言おうとしているのか、口を開いた。
 が、口は言葉を紡ぐことなく、そのまま彼女は僕の上にダイブした。
「……………………!」
 僕の腹部に彼女の腕が勢いよくめり込み、僕は言葉にならない悲鳴を上げた。そして、そのまま意識を飛ばされた。

―――――――――――

 目を開けると、僅かな光が感じ取れるのみだった。
 日暮れか明け方か。いずれにせよ、太陽の姿は見えなかった。
 暫し待つと、脳と視界にかかってた靄は晴れてきた。
 現状を確認しようと上体を起こそうとして気づいた。
 僕の上には、まだ香草さんが乗ったままだった。
 よく考えてみれば、眠り粉は二十回分以上あったはずだもんなあ。それを一度に、それももろに受けて、なおかつ強い刺激が与えられなければしばらく意識を覚ましていなくても不思議はない。
 それでも、まだ香草さんが寝てるってことはその日の内ってことだろう。
 つまり、今は日暮れの時間であり、僕は数時間ほど気絶していたみたいだ。
「香草さん、起きて」
 香草さんの肩を揺する。
 程なくして彼女は意識を取り戻した。
 無言でコシコシと目をこすると、再び僕の上に倒れこんだ。
「……暗い」
 先ほどまで辺りを僅かに照らしていた残光はもうなく、光源といえば星明りくらいしかなくなっている。つまり、彼女にとってしてみれば、もう休眠の時間なのだろう。
 しかしそれでは僕が困る。
 というわけで、僕は彼女を僕の上から下ろすと、目を凝らしてなんとかリュックを見つけ、そして中から野営用の道具を取り出した。
 固形燃料に火をつけ、辺りにあった枯れ草や枯れ木を集めて火を起こす。野生のポケモンや害虫に対する対策と、料理のためだ。火の上に水筒の水を移したなべをくべた。
「ゴールド、目を覚ましたです?」
 何を食べようかとリュックの中をあさっていると、上からバサバサという羽音と共にポポが降りてきた。
「ポポ! 一体どこ行ってたんだ?」
 僕が目を覚まして以来姿が見えなかったから、あの騒ぎで怯えて逃げてしまったかと思っていた。
「ポポ、空から二人見てたですー。そしたら暗くなって降りられなくなったですー」
 そうか、野生のポケモンに襲われることの無いように見張ってくれてたのか。でも日が暮れてしまうと鳥目だから、何も見えなくなってしまって途方にくれてた、って時に僕が焚き火をして、それを目印に降りてきたって訳か。おかしくて僕はクスクスと笑ってしまった。
「そうなんだ、ありがとう。ところでお腹減ってるよね、何食べる? 人間の肉はさすがに無いけどさ」
「人間? ポポは人間なんか食べたりしないです! パンなら食べるです!」
 ポポは翼をパタパタさせて抗議する。
「でも、僕に飛び掛って『食べ物ゲット』とか言ってなかった?」
 僕はパンの缶詰を開封して、彼女に手渡しながら問う。
「それは、大きなリュック背負ってる人間はみんな食べ物持ってるからですー」
 ああ! そういうことか!
 彼女の狙いば僕じゃなくて僕の持ってるリュックだったのか!
 はあ、そりゃそうだよな。そもそもポポは人を裂けるほど鋭い鉤爪を持っているわけでもないし、人を食いちぎれるほど立派な牙を持っているわけでもない。よく考えれば人間を食うために襲うわけがない。
 急に気が抜けてしまった。いや、ちょっと前までは気どころか意識さえ抜けていた訳だけれども。
「なぁに? 騒がしいわね……」
 香草さんがこの騒ぎで起きたみたいだ。ちょうどいい、説明してしまおう。
「いやあ、実はかくかく」
「しかじかというわけなんですー」
「……なにそれ。どうしてそんなこと」
 今の彼女はそもそもが感情の起伏に乏しく、僕達の話を聞いて何を思ったかがまったく分からない。昼間の元気すぎるのも困り者だが、こういうときはあまりに元気がなさ過ぎるのも困り者だ。

615:ぽけもん 黒  鳥と草むら ◆wzYAo8XQT.
08/04/01 13:49:36 ovaSZsBM
「説明したとおりさ。ポポにはなんの問題もないわけだし。あ、香草さんはパンと御飯どっちがいい?」
「……パン」
 僕がパンの缶詰を手わたすと、彼女は無言で開け、そのまま黙々と食べだした。
 僕もパンの缶詰を開け、食べると、沸いたお湯でインスタントのスープを作り皆に配った。
 それを食べ終えると、ポポはすぐに寝てしまった。鳥ポケモンの大半は基本的に朝型だから無理も無い。
「……歯磨きたいんだけど」
 一方の香草さんは、朝型とはいえ衛生状況を気にかけるくらいの余裕はあるようだ。
「はい」
「……なにこれ?」
「知らない? シルフスコープ社製の『キシリトール配合メタモンガム』。五分くらい噛んでると歯を磨いたのと同じ効果があるとか」
「……知ってるわよ。私は歯を磨きたいって言ったんだけど」
「しょうがないじゃないか、水は貴重なんだから。吉野町に着くまでどれくらいかかるか分からないし」
 彼女はしばらく不服そうにメタモンガムを眺めていたが、諦めたようにため息を一つ吐くと、包装を向いて噛みだした。
 僕もメタモンガムを噛みながら、寝袋を取り出すと、一つを彼女に手渡した。
 二人のガムを噛むクチャクチャという音だけが沈黙を埋めていた。
 しばらくして二人ともガムを口からだし、包装に包んでリュックのゴミスペースに入れた。
 僕はその後寝袋に包まり、ボーっと空を眺めていた。

 野外で寝て空を眺めるなんていつ以来だろうか。
「ねえ……起きてる?」
 僕のそんな懐古は、香草さんの呼びかけによって中断された。
「起きてるよ。どうかした?」
「……どうしてあんな子と契約するの?」
 僕はつい吐きそうになったため息を慌てて飲み込んだ。まだ引きずっていたのか。
「さっきも言っただろ? 彼女には何の問題もないんだから」
 それに香草さんに石英高原で四天王を倒して殿堂入りまで旅をする気があるように思えない、ということは言わなかった。
「私一人だと不安なの?」
 言い切ってからでよかった。言葉の途中に挟まれたなら確実に言葉に詰まってしまっただろうから。
 この言葉はある意味、核心を突いている。
「私、強いのよ? ……誰にだって、絶対に負けないんだから」
「強くたってタイプの相性とかあるだろ? やっぱりそれをカバーする仲間が」
「相性なんて関係ないわ。どんな相手だって、私は負けない」
 凛とした強い言葉だった。僕は言葉を失ってしまった。
 これで分かった。彼女は人間を差別しているわけではない。自分の種族以外の全てを差別しているのだ。自分の種族に対する圧倒的なプライドが拗れた形、か。
 後はそのままずっと無言だった。
 聞こえる音は虫の鳴き声と香草さんの息の音と、時々聞こえてくるポポの寝言だけ。
 あまりの静けさにそのままうとうとしてしまった。
 慌てて、なんとか意識を覚醒させ、そのまま寝袋から抜け出した。
 必ず一人は火の番が必要だ。でも、香草さんはポポには出来そうもない。今日はとりあえず僕がやるとして、明日からどうしようか。
 僕は一つため息を吐くと、近くの木の根元に、木を背もたれにして、火のほうを向いて座り込んだ。この姿勢なら負担も少ないし、うとうとすることはあるだろうが火が消えたり燃え広がったりしていないことの確認くらいは出来るだろう。
 上着をペロンとまくってみる。予想通り、腹部には大きな青あざが出来ていた。
 はあ、ともう一つため息を吐く。前途多難どころじゃないぞ、これは。
 これからどうしようか。
 そんなとりとめも無いことを考えたり、小さくなった焚き火に枝を放り込んだり、うとうとしたりしながら、僕は夜をすごしていった。

616: ◆wzYAo8XQT.
08/04/01 13:50:22 ovaSZsBM
今回の分は投下終了です

617:名無しさん@ピンキー
08/04/01 14:17:55 bnS9KDIk
>>616
GJ!
楽しみがまた増えたよ

618:名無しさん@ピンキー
08/04/01 15:28:29 Uo1UDhti
>>616
GJ!
wktkが止まらないw

619:名無しさん@ピンキー
08/04/01 17:02:09 w6yDn/QG
>>616
ポケモンを一度もまともに観たことのない俺がGJをお贈りします。
放送はごらんのスポンサーの提供でした

620:名無しさん@ピンキー
08/04/01 17:28:54 Ki2bDz1l
>>616
GJ!
ところどころに小ネタが織り込まれていて素晴らしかった。

621:名無しさん@ピンキー
08/04/01 22:22:35 OycTah3d
>>616
GJ!チコ可愛いよチコ

>>そして……なんと言ったらいいのか……服を着ていない。

その発想は無かったわ
ということは
最終的にはゴールドは六人のヤンデレ娘に囲まれながら
老若男女問わず全裸のポケモンが跋扈するカオスワールドを
冒険するわけですね!


622:名無しさん@ピンキー
08/04/01 22:51:24 QCPgck/h
part14からの今北産業なんだが
この板のレベルすごいな

623:名無しさん@ピンキー
08/04/01 23:48:34 wekgogX/
無形氏が来ていた…だと…?
一日遅れだが乙です!

624:名無しさん@ピンキー
08/04/02 00:20:13 SgQ5+kb7
朝歌は徳川家康ということですね、わかります

625:名無しさん@ピンキー
08/04/02 01:25:37 hKolcGLT
誰か甘えん坊なヤンデレを書いて俺を殺してくれ…

626:名無しさん@ピンキー
08/04/02 02:02:06 qf1e772I
「625お兄ちゃん…625お兄ちゃん…」

夜、寝ているとふと妹の声が聞こえた。…またか?
もそもそとベットから這い出て部屋のドアを開けるとそこにはぬいぐるみを持ってべそをかいた妹。

「どうしたんだい?」
「ひっく、ひっく、625お兄ちゃんごめんなさい…こわいゆめ見たの…ひっく」
「そうまた見たのか、よしお兄ちゃんが寝付くまで手を握っててあげよう」
「ひっく、ありがとう625お兄ちゃん♪」

ニコッ とべそをかきながらも笑った妹を部屋に入れて一緒にベッドに入る。
こうやって泣き虫の妹と一緒に寝るのはいつものことだ。

だから俺は妹がぬいぐるみの中に隠したものに気がつかなかった…

「お兄ちゃん…まだ起きてる?」
「ん…なんだい?」
「あたしが見たこわいゆめってね、お兄ちゃんがしらない女の人とけっこんして、
 あたしのこときらいになるゆめだったの…」
「そうか…大丈夫、お兄ちゃんはおまえが一人立ちするまで一緒に居るよ」
「ほんとう?ほんとうのほんとうに?」
「ああ、本当だ。だから今日はもう寝ような」

「ううん、言質が取れたから寝る前にやることができよ」
「やること…?」
「えへへ、あたしと一緒に居てくれるんだよね?
 あんな恋人気取りの雌豚のところには行かないんだよね?
 ずっとあたしの、あたしだけのものになってくれるんだよね?」

なんだ、この空気は…!?うぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
く、首に、首になにか、さ、刺さって、刺さってる!!いだだだだだだだあ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛!!

「えへへへへ、本できちんと調べたんだよ。
 首のうしろのここにある神経を破壊すれば人間って半身不随になるってね。
 大丈夫大丈夫。刺したのは特注の畳針だから傷穴は小さいし血もすぐ止まるよ♪

 …625お兄ちゃん?ねぇ、眼を開けてよっ!半身が不随になるだけだよ?殺すつもりはないんだよ?」
 625お兄ちゃん!625お兄ちゃん!625お兄ちゃん!625お兄ちゃん!625お兄ちゃん!」

こうして>>625は死んでしまった。
だが彼は幸せなのだろう。

627:名無しさん@ピンキー
08/04/02 08:17:46 UQo+fRay
>>616
GJ。
ただ、時々出て来る社名はシルフカンパニーじゃなかったっけ?

作品内での名前はシルフスコープ社って事になってるんだったら、申し訳ない。

628: ◆wzYAo8XQT.
08/04/02 10:40:39 8xO1p88/
>>627
うへあ
うっかりしてました
次回からはちゃんと直しときます

629:名無しさん@ピンキー
08/04/02 18:31:43 kZ6tv3L3
URLリンク(yaruomatome.blog10.fc2.com)


630:名無しさん@ピンキー
08/04/02 21:52:47 59IWgLj2
世にもに割りと王道なヤンデレ女がwww

631:名無しさん@ピンキー
08/04/02 21:55:45 C0e03Pdm
フジテレビwwww

632:名無しさん@ピンキー
08/04/02 21:57:27 zgyUsCaV
3次元に萌えたの初めてww

633:名無しさん@ピンキー
08/04/02 21:59:34 w2+U9/hF
戸田恵梨香かわええwwwwww
修羅場のとことかマジ最高wwwwww

634:名無しさん@ピンキー
08/04/02 23:03:16 ECKwon3q
どんな内容だったんだ?


635:名無しさん@ピンキー
08/04/02 23:09:42 zgyUsCaV
ヤンデレ分の所だけを言うと
男に弁当作ったりして恋人ですよみたいな流れだったんだが
実はストーカーでしたみたいな?
最後は多分男と彼女がそのストーカーに刺されて終わり


…説明下手ですみませんorz

636:名無しさん@ピンキー
08/04/02 23:11:25 3mWrsdIG
>>629
前から思ってたんだがこれ正直ただの釣りだろ

637:名無しさん@ピンキー
08/04/02 23:26:21 SgQ5+kb7
釣りと創作と人を楽しませるという点で何が違うというのかね

638:名無しさん@ピンキー
08/04/02 23:36:01 HKRg4PH9
いや、キモいだろ?戸田恵梨香棒読みだし、何より三次元でやるとただムカつくだけだ。と姉と共に話し合っていました。

639:名無しさん@ピンキー
08/04/03 00:32:49 t2lhbXSd
>>638
姉・・・?

640:名無しさん@ピンキー
08/04/03 00:35:20 TCdknWxx
>>637
>>632みたいなのが出てくるから言っただけ

641:名無しさん@ピンキー
08/04/03 00:54:43 K8IBNpac
嘘つき自重。俺640じゃねぇwwww

642:名無しさん@ピンキー
08/04/03 00:59:11 K8IBNpac
ちなみに姉は腐女子じゃないからな

643:名無しさん@ピンキー
08/04/03 01:00:54 3ShlSqq5
どうでもいい

644:名無しさん@ピンキー
08/04/03 02:10:59 eaND1FtN
綺麗だったよ


645:名無しさん@ピンキー
08/04/03 10:59:06 kXpaUr/r
どうでもいい

646:名無しさん@ピンキー
08/04/03 12:36:44 2JA/jQ1t
(ドラマ) 世にも奇妙な物語 2008-04-02 春の特別編 「これ……見て……」 戸田恵梨香 [704x396 DivX521].avi 146,031,828 865f44680d103956ce9b106761dd988334d44f95

四の五の言わずにコレ見て判断

647:名無しさん@ピンキー
08/04/03 12:41:18 vKBPr9zQ
全く無意味なリアル情報アピールお疲れ様です
そして二度と来なくて結構です

648:名無しさん@ピンキー
08/04/03 18:20:45 7bY5Aa5w
どっちも邪魔

649:名無しさん@ピンキー
08/04/03 20:25:38 aw18P7ZH
二次オンリー板でないわけだから、過剰反応してる奴の方が気持ち悪く見えるな

650:名無しさん@ピンキー
08/04/03 20:30:17 0Hss4d2E
←←←右から左に受け流します←←←

651:名無しさん@ピンキー
08/04/03 20:34:07 TCdknWxx
虹賛辞の問題じゃないのが分からないのが春厨

652:名無しさん@ピンキー
08/04/03 21:32:03 i2cIDldx
三次にヤンデレは存在しません

653:名無しさん@ピンキー
08/04/03 22:55:43 0Hss4d2E
>>652
一瞬「にゃんデレ」に見えたぞ!
どうしてくれる!

654:名無しさん@ピンキー
08/04/03 23:04:07 guIgz/kS
>>629の名言

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/01(火) 23:47:14.91 ID:jLLGVA1l0
ヤンデレとメンヘラは同義語でいいの?

ちょっと束縛するくらいじゃん
可愛いじゃん



109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/01(火) 23:48:36.27 ID:JwuRALkAO
>>107
別物


ヤンデレは愛故に

メンヘラ基地は人格故に

655:名無しさん@ピンキー
08/04/04 00:07:44 aDQH8iOg
>>653
それただのデレデレじゃね?m9(ОДО)デュワー

656:名無しさん@ピンキー
08/04/04 01:11:32 VkPZRYNj
「刺します」

 優しさと不安に塗り固められた声が耳に届いた。
 多分、僕も同じような気持ちだったのだと思う。
 命を奪われかねない獲物を向けられて、なお全面的に彼女を信用していた。
 けれどそれは皮膚を貫通し、痛みが走り、それによる僕の呼吸の乱れは声にのぼってきそうだった。
 彼女を見ると、弱々しげな目尻を表情の中で際立たせている。
 ふっと涙の粒をそこに幻視できるように。
 そして、僕を傷つけたのは彼女のはずなのに大丈夫か、と問うてくる。
 戸惑いつつも僕は笑顔で返した。笑顔といっても微笑くらいだ。
 彼女の見えないところで脂汗をたっぷりかいていたから、微苦笑だったのかもしれない。
 それでも彼女は嬉しそうに笑った。
 しばらくたつうちに、僕はだんだんと眠くなってくる。
 ごわんごわんと耳元が疼き、それが子守唄のような役目をしていたからだ。
 体の力が抜けていきそうになる。時々、傷口がずきんと痛むこともあった。
 時間の流れがとてもゆっくりとしたものに感じ始めて、ああ、このまま、彼女の隣で寝てしまいたい。そんな考えも頭に浮かんできた。
 しかしそう思ったところで、また声がかけられる。
 今度は事務的だった。

「はい、終わりましたよ。ありがとうございました」

 マスク越しの声でもそうと分かる綺麗な声を、僕は耳に染み込ませた。
 可愛らしい笑顔もそっと盗み見、その日から僕は献血の虜になった。


657:名無しさん@ピンキー
08/04/04 01:17:58 VkPZRYNj
献血中に白衣のヤンデレを夢想した俺は末期。
この後「僕」は献血ナースにアプローチ。
めでたく付き合うも「彼女」の愛情深さは「僕」にとある要求をする。
「怪我をして。あなたが入院すればずっと一緒にいられるから」

というところまで妄想。
誰ぞ頼む('A`)

658:名無しさん@ピンキー
08/04/04 01:19:51 iXVaN4gs
つまらん

659:名無しさん@ピンキー
08/04/04 01:24:31 VkPZRYNj
精進するよorz

660:名無しさん@ピンキー
08/04/04 03:12:07 Y2CYAD2P
そういう輩の感想は聞き流せ

661:名無しさん@ピンキー
08/04/04 07:13:58 sppuLHQU
俺も刺されたくなってきた!

662:名無しさん@ピンキー
08/04/04 07:20:21 oLLn+log
うんこ

663:名無しさん@ピンキー
08/04/04 07:57:51 HqxeYt+p
ヤンデレなラノベとかってあります??

664:名無しさん@ピンキー
08/04/04 08:38:53 haFczotQ
文学少女だな

665:名無しさん@ピンキー
08/04/04 09:44:24 qj0JaYTS
あれはヤンデレというかメンヘラ
しかも他の男とくっつきそうだからやめとけ…

666:名無しさん@ピンキー
08/04/04 10:41:39 /aOeuLzR
うんこっこ

667:名無しさん@ピンキー
08/04/04 11:07:24 mNS8bz4M
          , ─ 、      / ⌒ \
        /    \   /     ヽ
        /   , -´  ̄ ̄ ̄ ─  、|
       /  /    , ─── \
       | /    /            ヽ
/  /  |/     /   ⌒\     /ヽ ヽ
  /   /    /     ヽ l /      ヽ l /  ヽ
/      l     /      / ⌒ヽ     /⌒ヽ   l
   / |    l      | (‘l |      |(‘l |   | メロンパン食ってる場合じゃねえ!
  /   |    |     l     l   _ l    l  l
/  / l     |      ` ー ´   (二) ー ´  |
  /    l   l          ___       !
/  /  ヽ  ヽ     ヽ/´      l     /
  //   lヽ   ヽ      ノ─-、    ノ     /
//    /ヽ\ ヽ   /____ノ_ /   /
/    /  \` ー` ‐──── イ   /
  /  /     ` -─/⌒/´ー‐─´\ / /
/   /        \  ヽ_/  #♯# ヽ /
                >´⌒ヽ   ♯# /⌒ヽ /


668:名無しさん@ピンキー
08/04/04 11:30:04 XIuuP3yN
デレてこそのヤンデレ
ヤン状態すら受け入れられるのはデレがあるからこそ
浮気者が病んでも、それはただのメンヘラだ

一途な想い故に病むからこそ美しい



いや、文学少女ほぼ読んだことねえんだけど
必要とすることと愛することとの間には絶対的隔たりがあると思うんだ

669:名無しさん@ピンキー
08/04/04 12:55:37 HqxeYt+p
>>665
買っちまったじゃん…

670:名無しさん@ピンキー
08/04/04 14:09:13 FxGLE9GV
文学少女はメンヘラ
デレはほとんどない

671:名無しさん@ピンキー
08/04/04 20:26:02 1cHvYFQE
だが全員がメンヘラなわけではない。

女同士が揉めている光景が好きな人なら買っても楽しめる本だと思う。
三巻と五巻にそれっぽいのが出ている。



672:名無しさん@ピンキー
08/04/04 21:34:49 NTGWJk0+
むしろあれはツンデレ萌えの人が買う本だと思ってる

673:溶けない雪 ◆g8PxigjYm6
08/04/04 21:40:36 xtqVsE/d
流れをぶった切って投下します
相変わらずの遅筆なのは・・・・・うん、気にしません

674:溶けない雪 ◆g8PxigjYm6
08/04/04 21:41:32 xtqVsE/d
11

田村 夏夢視点より


健二に更生…と呼べる様なものをさせてもらった私は、
その頃にもなると沢山の友達を作る事が出来ていた。
多少、小学生で苦労したが、それもが仕方ない。
一度拒絶をしておきながら、自分から歩み寄ったのだから。
しかし、健二を見習って何度も諦めないで歩み寄っていくうちに、
そういった人達とも仲良くなる事が出来た。
仲良くなる日が来るとは思っていなかったので、
そんな人達と笑い合う日常に対しては凄く驚いたりしていたが。
だが、そこらへんは慣れだった。
最初は違和感がある日々も、中学に上がる頃には自然となっていた。


私がその気持ちに気付いたのは、小学校という囲いから、
中学校という囲いに変わって、まだ日も浅い頃だ。
中学に上がってから最初に喜んだ事は、健二と同じクラスになったという事。
小学校の頃は、5年生、6年生共に同じクラスになれたけれど、
小学校より人数が多くなる中学
(ここら辺の地域には他と比べて中学校があんまりないのだ)
で一緒のクラスになるのは厳しいだろうなと思っていた。
あの日の運動会以来、健二とはよく話をするようになり、たまに一緒に遊んだりしていた。
遊びと言っても、私は一人以上でやる遊びというものをあまり知らなかったので、
新しい遊びが出る度に、健二からどうやってやるのかを聞く事が多かった。
そんな最初の、二人だけで遊んでいたのが、私がクラスに溶け込むにつれて、二
人が三人に、三人が四人に、四人が五人に…と段々と増えていく。
気がついたら私は、かなりの人数と遊ぶ様になっていた。

しかし、そんな大人数と遊ぶ様になった頃には、健二と遊ぶ事はなくなっていた。
それもそうだ。
女子ばかりの中に一人だけの男子。
そんなもの、居づらいに決まっている。
それでもなお、途中までは遊んでいてくれたのだ。
きっと、ギリギリ一杯まで居てくれたのだろう。
こんな私に付き合ってくれた健二に感謝もしていたし、
本当にギリギリまで付き合ってくれたのもちゃんと分かっている。
それでも、たまに校庭で友達とサッカー等のスポーツを楽しそうにやっている健二を見る度に沸き上がる寂しさというものを、結局私は中学に上がる頃になっても取り除く事は出来なかった。
なので、私は健二とはよく話をした。
遊ぶ事は出来なくとも会話は出来る。
私は必死になって健二と話をした。
何を必死になっていたのかはその時の私には分からなかったが、
それでも私は健二と毎日会話をした。


675:溶けない雪 ◆g8PxigjYm6
08/04/04 21:42:39 xtqVsE/d
そのお陰とも言うべきか、休み時間には健二と話すのが普通になっていた。
健二との会話は、いくら話そうとも飽きる事なく、とても楽しい時間だった。
そんな楽しい時間も、いつまでもいつまでも続くものではない。
健二の友達が誘いを出し、それを健二が承諾して一緒に外へ出ていく。
その背中を見る事が何回も、何回もあった。
その背中を見る度に、よく分からない感情が、胸の中で生まれた。
中学に上がって間もない頃の健二と私の関係は、そういうものだった。



小学校から中学校に上がっても、私と健二の関係は、小学時代から変わっていなかった。
やはり休み時間に話をして、健二の友達人からの誘いが、健二との会話が終わる合図。
そして私から離れる健二を見る度に生まれる、よく分からない感情。
小学校から中学生に変わり、明らかに何もかもが変わった筈だった。
だけど、私と健二の関係は全く変わっていなかった。
健二が去った後は、私も私で友達と談笑をする。
これと言って、大した話をしなかったけれど、これはこれで楽しかった。
ある日、そんな風にいつも通りの談笑をしていた時
「なっちゃんは健二君の事好きなの?」
そう、唐突に聞かれた。
ちなみになっちゃんとは私のあだ名で、友達がつけたものだ。
何でも、背が小さい私にピッタリの愛称だという。
小学生の時は普通だった私の背も、中学生に上がったとたんに、伸びなくなってしまった。

そう聞かれた私の答えは
「分からない…かな」
といったものだった。
友達の質問に、私は否定の答えを出すつもりだったのに、口から出た答えは否定ではなかった。



「一緒に帰ろうよ」
放課後、私は健二を誘った。
誘ったと言っても、一緒に帰ろうといったものだけど。
「え?…うん、まぁたまにはいいか」
最初は私の申し出に面食らったようだったけど、健二は快く承諾した。
帰り道、私と健二は沢山の話をした。
小学生の、あの時の健二の心境、私の心境。
それは出来れば掘り返したくない話だったけれど、
実際に話してみれば笑える良い思い出となっていた。
そんな流れだったからだ。
私がずっと聞こうに聞けなかった事を言ったのは。
「健二の家の両親は…健二の両親は何であの日、運動会に来てなかったの?」
私の質問で、健二の顏が曇ったのが分かる。しかし、それも一瞬で元に戻して言う。
「いや、実は両親が仕事の都合で海外に出てるんだけどさ、
その都合で結構忙しいんだよね。だから運動会もその都合で来れなかったんだよ」


676:溶けない雪 ◆g8PxigjYm6
08/04/04 21:43:32 xtqVsE/d
そう答えた目の前に居る人の、いつも通りの調子で話すのを見て、
簡単に分かってしまった。
何かを…隠していると。
「本当にそれだけなの?」
当たり前だ。
そんな単純な事なら何で…何であの時
「…何でそんな事を訊くの?」
あの運動会の、教室ので
「じゃあ、何であの時教室で、健二は泣いていたの?」
何で、健二は泣いていたのか。
「………そうか。あの時、その場面も見ていたのか」
健二は少しの沈黙の後、そう独り言を言って、直ぐに隠していた事を話始めた。
「僕にはね…妹が居たんだよ」
「えっ?」
私が声を上げてしまったのも無理はない。
決して長いとは言えないが、2年位の付き合いになる。
その間に、少ないとはいえ、健二の家に何回か行った事もある。
それでも、妹に会った事もないし、妹が居る等といった話を聞いた記憶もない。
いや……、妹が「いた」?
「両親は妹を溺愛していてね…親ばかここに極めたり、といってもいい位だった。
でもだからといって、妹を溺愛しているから、
僕が疎外されていた、なんて事はなかった。
ただ、妹の方をよく可愛がっていただけで、僕も親の愛情をもらったよ。
それでも小さい頃は、妹ばかり構われている事に対してたまに羨ましいなと思ってた。
でも、ある程度の年齢になると、慣れだったのかもしれないけど、
そんな家の風景も悪くないなと思える様になっていたけどね」
昔を懐かしむ様に、昔を羨む様に、健二は続けた。
「だけど、そんな家の日常も、妹が事故にあって…死んでからは壊れた。
妹が死んだのは…小学4年生の時だった。
車が妹に直撃。
よくあるような交通事故…。
妹が死んでから両親は、その事を忘れる様に仕事に入れ込む様になってね。
海外ばかりに行って、家に帰ってくる事なんてほとんどなくなった」
「健二…」
その時の私が発した彼の名前は、果たしてちゃんと届いていたのだろうか。
喋れば喋る程に、健二の顏からは懐かしむという感情が薄れ、
悲しみという感情が表に出てきている。
それでも私は、そんな健二を止める事は出来なかった。
喋るのも辛い事、それでも私に話してくれている。
「親が居ない間は、近所の優しいおばあちゃんに面倒を見てもらってくれていたんだ。
おばあちゃんは本当に僕に優しくしてくれてね、運動会なんかにもちゃんと来てくれた。
年甲斐もなく行事が好きな人でね、僕が徒競走なんかで一位を取ると、凄く褒めてくれた。
あんまりこういう事は言いたくないけれど、いつもいない家にいない両親なんかよりもずっと、
家族らしかった。
だけど、それでも両親も運動会に来て欲しかった。
用事があっておばあちゃんが来る事が出来なかった小学5年の運動会、
あの場所で、その事に気付いた」


677:溶けない雪 ◆g8PxigjYm6
08/04/04 21:44:27 xtqVsE/d
小学5年生の時の運動会。
昼休み。
独りで教室に居た、あの日、あの時間。
「昼食時になると、皆が皆、親の所に向かう。
そんな中で一人だけ、どこにも行けないやつ。
それが僕だった。
校庭には、どこにも僕の居場所がなかった。
だから、誰も居なさそうな場所…立ち入り禁止の教室で、僕は昼休みを過ごした。
夏夢が言う様に、確かに僕はあの時教室で泣いていたよ。
だってそうだろう?
確かに両親は、僕にも愛情を注いでくれた。
だけど、結局は妹とどちらか選べと言われたら妹をとる。
そんな両親だったんだよ。
それは妹が死んでも変わらない。
今生きている僕を見向きもしないで、死んだ妹の事ばかり気にして…
その事に気付いて、どうして堪えられる。
強い人なら、それでも堪えられるかもしれないけど、僕には堪える事なんて無理だった。
弱い人間だからね」
まるであたかも、堪える事が出来なかった自分を悔いている様な表情。
あぁ…自分は、聞かなければ良かった話を聞いているんだな、と思う。
別に、私がそれで悲しくなるとか、そんな理由からではない。
健二にそんな顔をさせてしまった事に、私はそう思った。
「だけど、あの時は夏「健二はさ…」……何?」
それでも、一つだけ、どうしても聞きたい事があった。
その問いに対する健二の答えも分かるし、その答えに対して私が思う事についても、分かっている。
それでも、聞いてみたかった。
「健二は……その事で誰かが憎かったりする?」
「ないよ」
やっぱり。
しかも即答だったではないか。
「確かに、妹が死んでから家に帰ってくる事がなくなった両親や、
車で妹をはねた運転手を最初は憎んでいた。
だけどね、それは仕方がない事だ。
両親は結局僕より妹を優先しただけ。
運転手については、妹が自ら当たりにいった様なものだったからね。
だから、今の家庭状況は、どうしようもない事だ。
誰も悪くない…誰もね」
これで話は終わりとばかりに口を閉ざす。


気がつけば、もう別れ道だ。
「じゃあね、夏夢。また明日」
「うん、また明日」
つい先ほどまでの空気取り繕う様に別れの言葉を言う健二に、
私も同じ様にして別れの言葉を言った。


678:溶けない雪 ◆g8PxigjYm6
08/04/04 21:45:25 xtqVsE/d
そして別れ道で、私と健二は別れた。

帰路につく途中で考えていたのは、先ほどの話。
いや、正確に言うと、あの話で私が分かった事だ。
健二の話を聞いて、今まで分からなかった秘密を知って、
ようやく分かったのは、私は健二が好きだという事。
きっと、この気持ちは、あの時の教室で健二を見た時から続いていたのだろう。
その事の認識については、ある意味予定調和ともいえた。


それとは別に、さっきの話で抱いた気持ちがあった。
それは………………………自分でも戸惑ってしまうほどの、
健二の両親と妹に対する憎しみだった。





投下終了
ようやく次回でヤンが出てきます
視点変更もこれで終わりです


679:名無しさん@ピンキー
08/04/04 21:47:30 EUQsmw9S
溶けない雪キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

680:溶けない雪 ◆g8PxigjYm6
08/04/04 21:47:43 xtqVsE/d
そして誤字発見orz
>>677
下から2行目

空気取り繕う×
空気を取り繕う○
です

失礼しました

681:名無しさん@ピンキー
08/04/04 22:11:21 mbrHm5Jk
GJ!
とうとう次回から本番ですね、続きに期待してます。

682:名無しさん@ピンキー
08/04/04 22:21:23 sppuLHQU
ぐっじょぶ

683:名無しさん@ピンキー
08/04/04 22:37:52 ZFO3F5jO
水無月さん派だが、思わず夏夢に転びそうになってしまった……

684:名無しさん@ピンキー
08/04/04 23:42:41 R//NWJ8A
>>678 GJ!!
そろそろ夏夢の初ヤンが出てくるか?

685:名無しさん@ピンキー
08/04/04 23:48:19 R//NWJ8A
sage忘れた……マジスマソ

686:名無しさん@ピンキー
08/04/05 01:51:22 laTy91Qh
うんこっこw

687:名無しさん@ピンキー
08/04/05 02:40:55 hnlJ3tco
>>678
GJ!
夏夢の闇がいい感じに出てきましたね


688:名無しさん@ピンキー
08/04/05 04:45:05 Lhd2YAZO
うおおお久しぶりに溶けない雪キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!


689:名無しさん@ピンキー
08/04/05 22:26:50 SofpzrgT
紅の崩月夕乃って
素質があると思わない?
漫画版しか読んでないんだが。
病んでくれないかなぁ。紅だけに

690:名無しさん@ピンキー
08/04/05 22:37:38 oD2xuLW9
紅は好きじゃないがその人とロリだけは好きだ
ただヤンデレとは違う気がする

691:名無しさん@ピンキー
08/04/05 22:42:43 mB94j0+4
紅好きな人が少なくて悲しい
アニメ板でもボロクソ言われてるし
銀子がヤンデレになってくれれば…

692:名無しさん@ピンキー
08/04/05 23:12:55 2l1TMMBG
紅は好きだ。特に銀子が好きだ。
だがヤンデレになって欲しくはない。そのままの銀子でいてほしい。

しっかりした性格の夕乃が病むとしたら、真九郎が紫と(性的な意味で)くっついた時ぐらいじゃないだろうか。
いつまでも子供だと思っていたら、いつの間にか奪われていた……みたいな。

693:名無しさん@ピンキー
08/04/05 23:28:40 +m9oivD+
>>691
好きだから酷評なんだよ

694:名無しさん@ピンキー
08/04/06 00:02:53 P4dDj9bg
紅で思い出したが戯言シリーズの巫女子って若干ヤンデレ要素あったよね?

695:名無しさん@ピンキー
08/04/06 00:13:57 rxzrQdAJ
紅見たけどいまいち設定が理解できなかったぜ!

696:名無しさん@ピンキー
08/04/06 00:16:38 BKHv8Oy9
一言いわせてもらうとここから先はよそでやれ
雑談もいいがほどほどにしろよ

697:名無しさん@ピンキー
08/04/06 02:02:40 VM8sY3Ym
ヤンデレの歌

ボクの名前はヤン坊♪ ボクの名前はデレ坊♪
2人合わせてヤンデレだ~ キ~ミとボクとでヤンデレだ~♪
小さな鋸(ノコ)から 大きな鉈(ナタ)まで
血を出せモツ出せ ヤンマーディーゼルー♪
(提供:ヤンマーディーゼル)



698:名無しさん@ピンキー
08/04/06 04:54:56 ylz4z6rb
>>697L&M乙


699:名無しさん@ピンキー
08/04/06 08:41:28 /IUyOyaQ
渡瀬草一郎の「輪環の魔導師」のヒロインはヤンデレの素質が十分

700:名無しさん@ピンキー
08/04/06 10:16:33 FfBc3aFk
ヤンデレに正座させられたい

701:名無しさん@ピンキー
08/04/06 10:34:58 93ERfAMt
キモ姉でよろしければ心当たりが

702:名無しさん@ピンキー
08/04/06 11:40:38 e89bKf8T
困ったことになった
ヤンデレを優先すればストーリーが立ち行かず、ストーリーを優先すればヤンデレが薄味になる

703:名無しさん@ピンキー
08/04/06 11:42:03 u9yZjj/X
自分でどうにかしろ

704:名無しさん@ピンキー
08/04/06 12:53:04 jn0rGM8V
自分語りでなれ合おうとするなカス
死ね

705:名無しさん@ピンキー
08/04/06 13:13:52 93ERfAMt
>>704
そーゆう発言はsageてから言えよ

706:名無しさん@ピンキー
08/04/06 13:22:00 i0D14iH1
>>702
薄味でもヤンデレはヤンデレじゃね?


707:名無しさん@ピンキー
08/04/06 22:23:26 vtlb37ey
>>705
ただ病んでるだけの人間にレスするのはヤンデレ好きとは言わん

708:名無しさん@ピンキー
08/04/06 23:31:39 VGGzxdAI
>>702
薄味の方が好きな子だっているよ?

709:名無しさん@ピンキー
08/04/08 15:47:06 0H0plSbJ


710:名無しさん@ピンキー
08/04/08 17:34:53 MLSyLoq2


711:名無しさん@ピンキー
08/04/08 19:41:58 PP3qkPE2
たらかし

712:名無しさん@ピンキー
08/04/08 22:43:54 7Tucocz6
にされたら

713:名無しさん@ピンキー
08/04/08 22:44:24 dKYqChdE
ほうちょう

714:名無しさん@ピンキー
08/04/08 23:04:52 Se1pyFg4
でどろぼうねこ

715:名無しさん@ピンキー
08/04/08 23:14:28 3Qjo+Xd3
を刺

716:名無しさん@ピンキー
08/04/08 23:22:13 qM1NbmZN
し続け

717:名無しさん@ピンキー
08/04/09 00:22:50 6+oABejT
愛しの

718:名無しさん@ピンキー
08/04/09 00:43:17 nyD4KJRp
彼にも

719:名無しさん@ピンキー
08/04/09 00:45:52 f7r6/Vwh
ボンバヘッ

720:名無しさん@ピンキー
08/04/09 01:55:46 LI644C3E
>>719
何か違うなwwww

721:名無しさん@ピンキー
08/04/09 08:10:14 +BiOMbeB
>>719
フイタwww

722:名無しさん@ピンキー
08/04/09 10:54:49 5mN/Qzn/
    ボ ン バ ヘ ェ !
          ,へ ● へ
   o    o    /           o
  オ   オ    \    ォ゚   オ
           //

723:名無しさん@ピンキー
08/04/09 12:00:06 20G3deVn
>>719
お大事にwwww

724:名無しさん@ピンキー
08/04/09 17:19:53 +kAEz2HW
メンヘラのSSを読んだり、投下していいスレって蟻鱒蚊?

725:名無しさん@ピンキー
08/04/09 19:42:48 0VEwU1Jn
メンヘラ≠ヤンデレ

726:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:01:27 eK6DDsk5
前に「ヤンデレだ! 」って騒がれてたNASAの女性宇宙飛行士の特集組まれてるけれど
ただのビッチだったぜ……

727:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:32:41 wW8R3BiW
ただのビッチとヤンデレなんてどうやって間違ったんだ?

728:名無しさん@ピンキー
08/04/09 21:54:39 2zOQygIF
オムツを付けて1500㌔車で爆走、泥棒猫の乗った飛行機を待ち伏せ
って行動自体はぶっ飛んでてヤンデレっぽかった

729:名無しさん@ピンキー
08/04/09 23:15:05 8FFlKLEB
新歓と黒化って相性がいいかも

730:名無しさん@ピンキー
08/04/09 23:31:14 tE6r/pGx
新しい人間関係が生まれるってことは新しい泥棒猫出現の可能性をはらむってことだからな

731:名無しさん@ピンキー
08/04/10 00:49:29 MPfRmceK
沙耶の歌やったけど
ヤンデレ云々よりストーリーがきつかった

732:名無しさん@ピンキー
08/04/10 01:13:46 3koAJVky
グロ耐性ないときついかもねー

733:名無しさん@ピンキー
08/04/10 01:20:38 MPyP1e2h
以前ここのスレであったヤンデレ喫茶ならぬヤンデレリフレとかないかな・・・。
いや秋葉原とかにあるメイドさんがリフレクソロジーとか肩たたきとかしてくれる
ののヤンデレバージョンとかあるかなって思っただけなんだが。

・・・疲れてるだけだな、俺orz

734:名無しさん@ピンキー
08/04/10 07:17:03 NeuYoOPF
いや、そんなことよりヤンデレ喫茶だろう。あれは神すぎる。

735:名無しさん@ピンキー
08/04/10 20:31:41 zSHFEP6Y
そんな喫茶があるのか

736:名無しさん@ピンキー
08/04/10 20:48:03 3koAJVky
三次のヤンデレとかまじありえない

737:名無しさん@ピンキー
08/04/10 21:20:34 NeuYoOPF
お前ら、保管庫を読め保管庫を

738:名無しさん@ピンキー
08/04/10 21:22:33 NeuYoOPF
お前ら、保管庫を読め保管庫を。『ヤンデレ喫茶は実在する~』みたいなのがあるから1度目を通して見ろ。良作だから。

739:名無しさん@ピンキー
08/04/10 21:52:32 3PTnDTjo
お兄ちゃんどいてそいつ殺せない

740:名無しさん@ピンキー
08/04/10 22:20:33 VlqIJNPq
つーかあれを知らん奴がここにいたのか

741:名無しさん@ピンキー
08/04/10 22:47:48 +r5YIlus
馬鹿あんまり刺激するな

そういう雰囲気になるとあそこ思い出しそうでいやなんだよ・・・

742:名無しさん@ピンキー
08/04/10 23:03:21 HLssP2nl
毎回この手の話になるNE!

知らん人には勧めれば良いだけのこと、「これを知らない奴は居ちゃいけない」みたいに取れることを言うのは良くないぜ?
まあ、俺変な拡大解釈乙

743:名無しさん@ピンキー
08/04/10 23:15:47 fibeP2vc
この場を和ますジョークでも

「あれ、いつの間にか雨がヤンデレ!」

744:名無しさん@ピンキー
08/04/10 23:23:46 aH2xQ5jG
>>743
コイツをどうすればいいか悩ンデレ

745:名無しさん@ピンキー
08/04/10 23:37:01 fibeP2vc
我ながら酷いもんだと悔ヤンデレ

746:名無しさん@ピンキー
08/04/11 00:09:17 968YealY
この板はじめてきたんですが投稿していいですか?携帯からですが…

747:名無しさん@ピンキー
08/04/11 00:15:00 1Jv91LJ6
いいんじゃないのか。

ただ、書きながら投下は止めたほうがいい。
投下するときは、書き上げてからまとめて投下するほうが無難。

748:名無しさん@ピンキー
08/04/11 00:16:08 sMkAG+Yz
>>746
you投稿しちゃいなよ

749:名無しさん@ピンキー
08/04/11 00:20:06 9JhslUri
是非投稿して下さい

あと、次回から誘い受けはやめておいた方がいい
スレによっては叩きの対象になったりするからね

携帯からなら改行も気をつけると良いよ


750:名無しさん@ピンキー
08/04/11 15:34:17 WB9DNt2S
大口叩いといて糞みたいなもの投下しやがったらやっぱり叩かれるけどな
あまり甘く見ないほうがいい

751:名無しさん@ピンキー
08/04/11 18:11:11 hltbFLg7
そうやって悪い空気にもってくのが一番すきじゃないかな

752:名無しさん@ピンキー
08/04/11 18:20:38 VgvsVe5E
反応してそれを引きずるのも好きじゃない

で投下はどうなったのかな?

753:名無しさん@ピンキー
08/04/11 18:52:42 Qf+4fLzs
そういや、本保管庫が更新されなくなって久しいね
夏まで行ったらまるまる一年止まってる事になるんじゃね?
とりあえず更新しないならしないで新保管庫へのリンクや更新停止宣言してもらいたいなぁ

……メールでも送ってみようかしらん?

754:名無しさん@ピンキー
08/04/11 19:00:58 968YealY
すいません大口を叩くつもりはなかったんですが…不快にさせてすみませんでした。
書きためたほうがいいとのアドバイスをいただいたのでまた後日にします。
ご迷惑をおかけしました

755:名無しさん@ピンキー
08/04/11 19:07:39 3Qoy7446
>>754
自分の納得いくように書いてください。お待ちしてますよー

756:名無しさん@ピンキー
08/04/11 21:23:26 YkN6srT4
叩かれても文句言うなよ・・・
あらかじめ叩くって警告してるんだからな

757:名無しさん@ピンキー
08/04/11 22:04:47 hltbFLg7
>>756 そのまえにあげないでくださいw

758:名無しさん@ピンキー
08/04/12 03:17:09 fzsvzCQN
なんだか春だなあ
こんな感じで職人が減ったら嫌だなあ

759:名無しさん@ピンキー
08/04/12 05:00:12 2LC9LI0y
息子はもう入学式とっくに終わったんだがなぁ…
他の春房も早く現実で忙殺されないかなぁ…

760:名無しさん@ピンキー
08/04/12 07:03:12 jIrPchjB
>>759
ちょ、親wwwwwwww

なんか普通に驚いちゃったよ・・・・。

761:名無しさん@ピンキー
08/04/12 08:09:18 u6vZJl25
ワシの孫はとっくに入学式も終わったというのに…

なんて言うおじいちゃんもこのスレを見てるかもしれないぞ

762:名無しさん@ピンキー
08/04/12 10:11:38 2RV9RQr6
>>759
むしろ職人のほうが忙殺されてそうだけどな

763:名無しさん@ピンキー
08/04/12 13:03:14 XIndT0uu
むしろ今暇なのは入学式終わって友達が出来ず大量の必修授業の鬱憤を晴らしたい大学生だろう
つ~わけで友達とか出来ず、偶然声をかけてくれた男にベタボレのヤンデレ娘を希望

764:名無しさん@ピンキー
08/04/12 17:54:58 6othDKGm
>>763
俺はその逆がいいな~。友達が居ない男に声かけた女がヤンデレでだんだんその男にはまっていくやつ。

765:名無しさん@ピンキー
08/04/13 02:17:46 PMQ93Ca0
私がいてあげないと…ってなっちゃうんだな。

766:名無しさん@ピンキー
08/04/13 14:33:06 PLpNUcyv


767:名無しさん@ピンキー
08/04/13 18:25:38 ryKIahhi
>>765
そうそう、それでその男にもう一人女のお友達が出来て病んでいくってストーリー。

こういうのまだー?(・∀・)

768:名無しさん@ピンキー
08/04/13 19:30:24 m4bYDGPD
男「最近できた友達B子って言うんだけど、A子の話したら…」
女A「誰よそれッ!?私とだけ話してればいいじゃないのよ!」

男「前に話したA子にお前の事話したら何か怒っちゃってさー」
女B「そう…そんなにA子さんが大事…?」

男「(・ω・`)」

こんな展開だな

769:名無しさん@ピンキー
08/04/13 19:50:52 mIhiO5lh
>>768
そして男に友達がいないことで安心しきっていた妹がツンデレ→ヤンデレに……

770:名無しさん@ピンキー
08/04/13 19:57:25 y61rW8Ip
ふと思ったんだけどさ、クーデレとかデレデレってある意味ヤンデレに分類できないか?

771:名無しさん@ピンキー
08/04/13 20:19:59 ENY5GNZU
定義の話は荒れやすいからやめたほうが…

772:名無しさん@ピンキー
08/04/13 20:26:18 y61rW8Ip
スマソ
忘れてくれ

773:名無しさん@ピンキー
08/04/13 21:17:33 e9ZIBen1
ヤンデレとしては料理が上手い子とそうでない子だとどっちがいい?


774:名無しさん@ピンキー
08/04/13 22:14:15 QZy4dJ0W
>『ヤンデレ喫茶は実在する~』
ググったら出て来た
良かった~

775:名無しさん@ピンキー
08/04/13 22:26:39 sVvYec6n
まずい料理を無理矢理食わせるとかでなければどっちでもいい

776:名無しさん@ピンキー
08/04/13 22:46:26 u3JhQOjt
「ヤンデレ喫茶は実在する~」は世にも奇妙な物語にでてきそうな内容だったね。
タイトルは「ヤンデレ喫茶」とかでね。

777:名無しさん@ピンキー
08/04/13 23:02:16 Jtsa3Cla
>>776
「お持ち帰られます」というタイトルが思い浮かんだ

778:名無しさん@ピンキー
08/04/13 23:34:59 ZzV6+8uJ
ヤンデレって単語にこだわらなければありそう

779:名無しさん@ピンキー
08/04/13 23:51:15 r5qd/qfh
>>778ジュドー乙

780:名無しさん@ピンキー
08/04/13 23:52:36 r5qd/qfh
  

781:名無しさん@ピンキー
08/04/14 01:26:20 vUrR/FCK
好きな歌でヤンデレ小説書こうと思ったらプロットすら練れないからご飯作りに行っていいですか?
イイデスヨね?

782:名無しさん@ピンキー
08/04/14 07:18:24 2D7ZrXfU
ディスプレイから手が…

783:名無しさん@ピンキー
08/04/14 10:38:51 8VceWvzc
ディスプレイ「私の事だけ見て。あなたの書く淫らな物語を、私にだけ見せて?」

784:名無しさん@ピンキー
08/04/14 12:38:09 pye1yHOf
こうして職人達はディスプレイに呑み込まれていくのであった

785:名無しさん@ピンキー
08/04/14 13:50:03 itjcycHa
次はあなたかもしれない・・・

786:名無しさん@ピンキー
08/04/14 15:01:01 0XoDggo9
二次元に行く方法ついに発見!

とかニュースになってお祭り騒ぎだな


787:名無しさん@ピンキー
08/04/14 15:50:24 ZbYqMZd1
このスレとキモ姉妹スレは神だな。

788:名無しさん@ピンキー
08/04/14 19:43:22 oqnBxiYL
他スレのことはどうでもいいです

789:名無しさん@ピンキー
08/04/14 20:14:50 ZbYqMZd1
別にお前に聞いたつもりはないんだが・・・。
どうでもよかったらスルーが基本ですぜ。

790:名無しさん@ピンキー
08/04/14 20:18:26 zpgLp0y9
>>789
矛盾してるよ

791:名無しさん@ピンキー
08/04/14 21:41:09 arSeNSVz
ヤンデレがヤンデレに愛されたらどうなるんだろうな

女1→女2→男
こんな感じで

792:名無しさん@ピンキー
08/04/14 21:45:06 28tic25p
百合はアンチが多いからきをつけたほうがいい

793:名無しさん@ピンキー
08/04/14 22:15:52 PrPFazkq
妹もヒロインとしてありですか?

794:名無しさん@ピンキー
08/04/14 22:19:12 H0GHukay
なら
女1→男→女2では?

最初はヤンデレな女1が男を追うが、女2の事を好きな男は相手にしない。

頭にきた女1は女2を攻撃するが、潜在ヤンデレな女2が……

795:名無しさん@ピンキー
08/04/14 22:24:33 JShc+Lnd
男1→女→男2の構図なら鬼哭街やカルタグラで見れる
男1がめっちゃかわいそうだったw

796:名無しさん@ピンキー
08/04/14 22:30:42 Jw/kvDyj
妹もヒロイン?もちろんありさ!でも、その場合キモウトって分類されちゃうかな?

797:名無しさん@ピンキー
08/04/14 22:59:49 iUw5U/BS
何度も言うが、ヤンデレ男は萌えない

798:名無しさん@ピンキー
08/04/14 23:10:43 JShc+Lnd
別に萌える必要はなかろう


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