08/07/14 21:10:59 hvi/em+E
ネイルは、目覚めると多くの反乱軍の魔術師達に囲まれていたるのに気がついた。
「お目覚めかな?若き白魔術師団長くん」
隙だらけの元同僚を前に、ゲマは勝ち誇ったようにパイプをふかした。
「くッ…結界は…守護兵はどうした…!」
「あんな古めかしい結界など部屋の前に張っていてもむだだよ。私の発見した新たな黒魔術の威力を試す良い機会に過ぎなかったのだからね。そうそう、兵士は…
まあ、後のお楽しみにしてくれ」
2日前に国王が急逝去してから、ネイルは城内の不穏な空気を感じ取っていた。
案の定、国王の遺体から黒魔術の痕跡を見つけた頃にはもう王国黒魔術師団の反乱の火はあがっていた。ネイルを長とする白魔術師団がそれに応戦をしたが、敵方の圧倒的な力にどんどん押され、いまに至る。
ネイルはこの困難な状況から如何にして脱出するかを考えた。
「アクラム!」瞬間移動の呪文を唱えられてもゲマはうすら笑いをやめない。
「なっ…」
「どうだ、ネイル君、この結界のなかでは白魔術は全くの無となるのだ。そして君が白魔術以外まともに使えないことも調査済みだ………ふふ、殺せ?何をもったいないことを。殺しはせん。さぁ、ショータイムだ」
ゲマの言葉と共に魔術師たちがネイルのまわりに魔方陣をつくった