強制女性化小説ない?Part34at EROPARO
強制女性化小説ない?Part34 - 暇つぶし2ch400:名無しさん@ピンキー
08/05/06 01:16:14 /+TfWajG
>今スレ中
久々にワロタ

401:名無しさん@ピンキー
08/05/06 23:59:07 mKnRtyIS
>>386
調教や洗脳による悪落ち属性もあるのね
E=Mcの洗脳戦隊のお世話になったん?

402:名無しさん@ピンキー
08/05/07 03:14:33 eChVoyS7
いやいや、SKYの心霊研究部かもしれんぞ。

403:名無しさん@ピンキー
08/05/07 18:27:30 Xfb7ui5R
寝取られ、女性化、調教、洗脳悪墜ちのコンボを希望。

404:名無しさん@ピンキー
08/05/07 19:18:13 VQiPTuro
そして却下
ここは、貧乳希望

405:名無しさん@ピンキー
08/05/07 20:31:18 2aa0F8Oi
それも却下で姉弟希望

406:名無しさん@ピンキー
08/05/07 21:08:00 lLLIB1FY
カイトたん孕ませ希望

407:名無しさん@ピンキー
08/05/08 15:27:24 nTtJYiY+
>>406
それ、確か分岐になかったか?

408:名無しさん@ピンキー
08/05/09 02:15:31 7eRufQ9O
Altanの最終章は落とされてましたっけ?

409:名無しさん@ピンキー
08/05/09 03:40:52 sHE2EPBU
落とされてるって言うか、確か和訳は全部終わってない。
確か売春宿で働かされてる辺りまでだったっけか。
まあ原文を自分で和訳した方が早い気がする。

410:名無しさん@ピンキー
08/05/10 12:14:31 gTcupASH
アルタンの原文ってどのサイトにありますか?

411:名無しさん@ピンキー
08/05/10 18:43:38 HJt9DxTL
>>410
URLリンク(www.fmstories.com)

412:名無しさん@ピンキー
08/05/10 18:47:14 dMon8beT
それじゃあ和訳されてなかった最後の部分の私訳をこれから落とします。

413:アルタン王子の敗北 最終章(1)
08/05/10 18:47:43 dMon8beT
アルタンは花嫁の付き添いが長い絹の裾を整えて、周囲で慌ただしく動き回っている中、チャペルの外に立っていた。
バロンとの結婚の時を迎えて、彼は驚くほど美しいウェディングドレスを着ていた。
アルタンは先週の出来事を思い起こして、そして再び自分が正しいことをしていたかどうか疑問に思っていた。
アルタンがバロンの提案を受け入れた後、男爵家全体は結婚式の準備でハチの巣のようになっていた。
どういうわけかアルタンは自分が状況を全くコントロール出来ない事に気付いていた。
バロンは遠まわしに完全なコントロールをとり、アルタンは周囲の全てが組織化されるにつれて、無力に見守ることしか出来なかったのだ。
アルタンはバロンに対し、自分が男性の服を着ることを許されるよう懇願していた。
しかしバロンは彼がまだ将軍から隠される必要があったと言ってそれを拒否していた。
バロンは二人が結婚し、そして反乱が始まれば、アルタンが再びズボンをはくことを許されるであろうと主張した。
アルタンも抵抗はしていたが最終的に諦め、美しい絹のスカート、コルセットとランジェリーを着て週の残りを過ごした。
バロンの城には評議会が招集されている。
しかし アルタンはまだ議事への参加を認められておらず、バロンは評議会が意志決定において女性を受け入れないであろうと説明していた。
しかしながら、バロンは自分が アルタンの欲したもののために戦っていたと強く主張した。従って アルタンは、バロンが呼ぶまで女らしい服を着ていて、外に待つことを強いられているのだ。
アロリアの王族との結婚が差し迫った事により、バロンは素早く評議会の支配を獲得している。
評議会の政策を方向付けること、そして彼らを王子から遠ざけることは容易であった。
結婚が完全に行われれば、バロンは国の法律上の支配者となる。
そして次にバロンは アルタンに対する見せかけの態度を終わらせるだろう。
バロンは再び アルタンの無力な女性の体の喜びを試すことが出来るようになる。
彼は結婚式の夜を楽しみにしていた。
もう1つの口論が結婚式自身に関して起こっていた。
アルタンは、ただ少数の目撃者と共に行う小さな式典を望んだ。
しかしバロンは人々を納得させるには、盛大な儀式が必要であると強く主張していた。
彼は同じくアルタンが、長い腰あてと裳裾を付けた、伝統的なウェディングドレスを身につけるべきだと、強く主張していた。
アルタンは抗議したものの、バロンは慣例について一つ一つ取り組むことは重要であったと言い張った。

414:アルタン王子の敗北 最終章(2)
08/05/10 18:48:15 dMon8beT
また結婚式の誓約においても同じく対立があった。
アルタンはただ結婚に忠実であると誓うことを望んでいた、しかしバロンはアルタンが「彼に対し出来うるすべてを行う」と「愛と名誉を与えて、そしてそれに従う」という古い言葉遣いによる制約を強く要求していた。
結局は、自信の誓約を誓う限り、アルタンはガウンを着ることに同意していた。
アルタンがなんとか勝ち取った唯一の成果は、彼の花嫁の付き添いの選択だったが、それでさえ、彼はただ一人を選ぶことが可能であっただけであった。そして若干の奇妙な理由で彼はマデリン女史から得たセラナを選ぶことに決めていた。
花嫁の付き添いは彼の周りで動き回り続けた、そしてアルタンは洋裁師のためにモデルをして過ごしていた多くの時間を思い出させられた。
ドレスは本当に魅力的であった。
最も細い純白の絹から作られて、絶妙なレース製のフリンジとかなりふわっとしたスリーブで彼の肩を轢いていた。
加えてきらきら輝いている真珠で覆われていた非常にきついボディスを伴い、メイドはコルセットの中にしっかり体型を整えていたので、アルタンのウエストはごく小さかった。
アルタンは自分の息切れが差し迫った結婚式によるものか、あるいは窮屈なコルセットのせいかどうか分からなかった。
また彼の胸は見事な割れ目を造り出すように、コルセットとドレスによって持ち上げられ、ドレスはペチコートときついサテンが過小に囲む多くと一緒に、フルのスカートを持っていた。
外部のスカートはドレスの周りに輪を作って、かわいらしく拾い集められて、そしてレースとパールで縁どられている。
最終的に、完全な腰あてと長いすそが付けられ、彼の顔は軽いベールで覆われ、そして長く流れ出ている髪にきれいな白い絹とレースリボンをつけられていた。
そしてアルタンは男爵の家紋を身につけた上で、その美しい体を飾る真珠のネックレス、イヤリングとブレスレットは実によく似合っている。
要するに、彼はどこをとってもまったく完ぺきな恥じらう花嫁そのものであった。
お手伝いがアルタンを化粧させていたとき、わずかに頬を赤く染めており、それが特に彼をはかなく見えさせたことを知っていた。
アルタンはまったく自分がこんなことをしていたと信じることができなかった。彼はもちろん結婚するつもりであったが、決して自分が美しいガウンを着る花嫁として結婚するとは思っていなかった。
しかし今の彼の姿は、美しいプリンセスがウェディングドレスを身につけて花道を歩く準備をしているという、すべての男の夢そのものなのだ。
アルタンは音楽が内部から始まるのを聞き、次いで彼はドアが開くと共に、花嫁の付き添いによって内部に導かれるであろうことを知っていた。

415:アルタン王子の敗北 最終章(3)
08/05/10 18:48:44 dMon8beT
セラナはかわいらしいピンク色をした花嫁の付き添い用のドレスをまとって、アルタンの横にしつけられた自分の席に着いた。
彼女は周囲を見渡して、そして励ますように微笑した。
「心配することはないわ。あなたは彼の事をもう知っているんだから」
「それはどういう意味だ?」
アルタンは背中ごしにささやいた。
「マデリン女史のところの話よ」
ドアがゆすぶって開いた時にエラナはささやいて答えた。
アルタンが返事することができる前に、彼は司祭と、まもなく彼の夫となる男に向かってゆっくりと祭壇への階段を上っていた。
セラナは何を言おうとしたのか、アルタンは考えた。
アルタンがマデリンのところでバロンに会っていた唯一の機会は彼がアルタンを救い出した時であった筈だ。
答えについて考えることができる前にアルタンは祭壇に到着し、バロンは横切って手を伸ばし、その顔から穏やかにベールを持ち上げた。
「あなたは実に美しい」
バロンは正直にささやいた。その目がアルタンの絹に覆われた姿をねめ回すにつれて、 アルタンは自身がかわいらしく赤面しているのを感じることができた。
アルタンが返答を考える前に、年配の司祭は礼拝を始めた。
その間、アルタンはずっとぼんやりとしていた。彼が考えることができたすべては、民衆の前で女性としての姿を見せ、そしてバロンに対し結婚を宣誓することの恥ずかしさであった。
またセラナの最後の言葉をアルタンは思いだし続けた。しかし彼はそれらがなぜ重要であったか考えることができなかった。
そして決定的瞬間が来た。バロンが誓約を行ったのを、アルタンは聞いたのだ。
「あなた。アロリアのヴォード・バロンはエラナ王女を己のものとし、そして守る事を誓うか。もしあなたがこの誓約を違えたら、神々の全ての力があなたと敵対するであろう」
「誓います」
司祭の詠唱に引き続き、強い声でバロンが答えた。
アルタンは驚いて見上げた。彼は自分の本当の名前がこの式典で使われることを望んでいた、しかし司祭は彼を「エラナ王女」と呼んだのだ。
もしアルタンがこの誓約を行ったなら、それは自分がこの新しい女性の名前を受け入れていたことを意味するであろう。
しかしながら、彼が何かできる前に、司祭は彼の方に向き直っていた。
「あなた。アロリアのエラナ王女がヴォード・バロンを愛し、名誉を与えて、そして従うことを誓うか。あなた自身の権利を放棄して、あなたの全てを彼に捧げるか?もしあなたがこの誓約を違えたら、神々の全ての力があなたと敵対するであろう」
そう司祭は詠唱した。

416:アルタン王子の敗北 最終章(4)
08/05/10 18:49:33 dMon8beT
アルタンは、何をするべきか分からずにためらった。これは彼がバロンに認めていたものではなかった。
これらは夫に対する妻の伝統的な誓約であった。
彼は混乱しながらバロンを見た、しかしバロンはただ司祭が誓約を間違っていたと示すように、肩をすくめただけで、とにかく続けるようアルタンに対しうなずいた。
アルタンの困惑は深まった。これは彼が望んだものではなかった。絶望しつつアルタンはセラナを見た。
しかしセレナは何が悪いのか分からず、そしてただ励ますように頷いただけだった。
そして民衆がアルタンの態度をいぶかしみ、ざわめいているのが聞こえてきたため、アルタンは決断をしなければならなかった。
もし彼が誓約する事を拒否したなら、評議会に対するバロンの影響力は破壊されるだろう、そして評議会は分裂するに違いない。
将軍に対してアロリアが団結して立ち向かうという、アルタンの希望は砕け散るであろう。アルタンが振り返るとバロンは再び、誓約を促すように頷いた。
最終的にアルタンの頭脳は混乱し、周囲がくるくる回るように見える状態で、決断を下さざるを得なかった。
「誓います」
アルタンは小さな女らしい声で言った。
「いいでしょう。私は今あなた達を夫婦と宣言する。あなたは花嫁にキスしなさい」
司祭が宣言した。
アルタン ― 現在はエラナ ― は式典のこの部分を含むことを望んでいなかった、しかし自分が突然バロンの腕に抱かれ、彼が情熱的なキスをしている事に気がついた。
アルタンは離れようとしたが、バロンはしっかりと彼を抱いた。
彼は民衆の前であまり激しく抵抗することを望まず、そのため抱擁を受け入れることを強いられた。
最終的にバロンは手を離したのでアルタンは後ずさった。
そこでバロンはエラナの手を取り、そして祭壇の下へと彼女を導いた。エラナは民衆が拍手しながら、彼女の美しさを褒め称えた時、彼女自身が赤面しているのを見いだした。
やがて拍手が終わると、彼らは二人を置き残してドアから出て行った。そこでエラナは怒ってバロンへと向き直った。
「あれは我々が約束した結婚式ではない!」
彼女は激怒していた。
「まあ待てエラナ。そう怒るな」
バロンは落ち着かせようとする。
「私をそう呼ぶな!私の名前はアルタンだ!」
かつての王子は異議を唱えた。
「違う!」
バロンは激しく叫び返した。

417:アルタン王子の敗北 最終章(5)
08/05/10 18:50:08 dMon8beT
「そなたが宣誓をしたとき、エラナと認めたのだ。私はそなたが王女として、正しく振る舞う事を要求する」
「な、何を言っている?」
いきなりのなりゆきに、エラナは恐怖に震える声で問うた。
バロンは前に進んで、そして美しいが、怖がっているプリンセスを取り押さえた。
「そなたは自発的に、神々の威徳の元で、私を愛し、名誉を与えて、従うことを約束した。
今そなたの所有権と王国は私のものだ。
今晩そなたは愛するという約束を果たすことになる。
私はマデリン女史のところでそなたを楽しんだ。
しかし今そなたは私ひとりのものである。
そなたが王子であったとき、私を見下していたな。
だがそなたは今では私に従うと誓った。
それゆえに、そなたへの最初の命令は自分をエラナと呼ぶことだ。
そなたは私の妻である。
そしてそなたはその通りに振る舞わねばならない。
今から死ぬ日まで、私はそなたがドレスとスカートだけを着て、常に女らしい礼儀で振る舞う事を要求する。
私が望むときはいつでも、私はそなたを楽しむであろう。
そして我が妻としてそなたは夫を喜ばせるために最善を尽くさねばならない。
心配は不要だ。私はそなたを守るであろう。
わかるか。そなたは我が子の母となるのだ」
バロンは突然エラナを引っ張って固く抱きしめ、柔らかい絹に覆われたかよわい体を手でなで回しつつ熱烈にキスした。
身体を支配され、誓約によって拘束され、 エラナの抵抗は薄れていった。
そして彼女は最終的に男にキスすることを許した。
エラナの心の中で最後の抵抗の考えは消失し、そしてついに彼女の新しい立場を受け入れた。
アルタン王子は消え、そこに残っていたのはエラナ王女だけである。
バロンがエラナを持ち上げ、そして寝室でその新生活に向かってチャペルから彼女を運び出していたとき、涙がそのきれいな顔の下方へと流れ出ていた。

アルタン王子の敗北 完

418:名無しさん@ピンキー
08/05/10 18:50:50 dMon8beT
これで終わりです。
また気が向いたら、他の英文のも投下したいと思います。

419:名無しさん@ピンキー
08/05/10 21:50:16 aW2RsxEZ
>412-418
GJ!…と言いたいところだけど、バロンが売春宿から助け出してから
アルタンが結婚を決意するまでの下りが抜けてるんじゃないか?
それとも過去ログに残ってたっけ?

420:名無しさん@ピンキー
08/05/10 23:12:09 E53kh43U
>>418
投下乙です!
猛烈につまんなかったです!

421:名無しさん@ピンキー
08/05/11 01:00:00 mupOKeKk
>>419
ここにあるよ。
URLリンク(library.s12.dxbeat.com)

422:名無しさん@ピンキー
08/05/11 01:15:01 RPDvDbWa
>421
あ、こんなとこにあったのか
気づかなかったよ、thx
そして>412-418改めて乙。

423:名無しさん@ピンキー
08/05/11 22:22:57 RXq7H2q8
気がむいたらまた和訳お願いします

424:名無しさん@ピンキー
08/05/11 23:46:54 5gqrI/yN
洋楽の直訳って感じだなw
ヒロミGO!のカバーソングはやはり優秀だと再認識w

425:名無しさん@ピンキー
08/05/12 00:15:42 pOPKRzgw
>>424
あれはほとんど別モンって聞いたことがあるけどね。

426:名無しさん@ピンキー
08/05/12 07:58:15 XTHON7we
>>418
GJ!!

427:名無しさん@ピンキー
08/05/12 10:04:30 dV6NSeq9
>>424
そりゃ腐ってもプロが金貰って翻訳してるんだからねぇ・・・

428:名無しさん@ピンキー
08/05/12 12:33:24 ONdTGVrN
しぃちゃんとか鈴の続きまだー?

429:名無しさん@ピンキー
08/05/13 19:42:37 cWS50uDw
強気なキャラが嬲られる話はすげー良いんだが、しぃちゃんも鈴も続きがこないな…。
鈴のクリスマス話とかはどうなったんだろうな。

430:名無しさん@ピンキー
08/05/13 20:10:49 KMkIEzmE
弱気なキャラが性転換する話はお呼びじゃない?

431:名無しさん@ピンキー
08/05/13 20:20:09 3PZWYwsh
>>430
その辺は人それぞれの好み
誰もが最高っていう話もなければ、誰も興味を持たない話もない

432:名無しさん@ピンキー
08/05/14 01:47:25 r0Y/Vr7V
いやいや、やはり
「男の子なのに感じちゃってはずかし~」と言うシチュが最萌

433:名無しさん@ピンキー
08/05/14 13:15:11 U0UBYy53
>>431
それを聞いて安心した。
今そういう旨のものを、書かせてもらっているから不安になった。

>>432
たしかに。

434:名無しさん@ピンキー
08/05/14 19:42:16 sSRdHIZ7
>430
それはそれで大いに有りだから期待してる。

435:名無しさん@ピンキー
08/05/16 21:22:10 pN39lBbP
『女の子になって今日で~日目』のひとのホムペが出来たんやね
今後の新作も期待していいんだろうか?

436:名無しさん@ピンキー
08/05/17 22:50:42 Q8jPGvVY
>>433
むしろそういう珍しいものの方が歓迎されるもんだぜ
俺脳内の話だが

437:ふう@ピンキー
08/05/18 01:10:16 9Pm4IVK9
ども、お久しぶりです。
また間があいちゃいましたが、しぃちゃん投下します。


438:大塚志乃7
08/05/18 01:13:53 9Pm4IVK9
志乃の胸の高さから、志乃を見上げるように顔を覗き込む中嶋。
その懇願するような目で志乃の顔をじっと見つめながら、志乃の言葉を待っている。
冷静に考えれば、いくらでも拒むことが出来る。
ただこの沈黙が志乃を催促しているかのように、考える間を与えてくれない。

「ちょっと待て。男同士だからって、触るのはヘンだろ!??」
「でも、大塚君の身体は女の子だよ。すごく触ってみたい。
 けど中身は男なんだから、ちょっとくらい触られても、別に気にならないでしょ・・?」

中嶋のいうことは、正論のようにみえて正論ではない。
自分の欲望を勝手に言っているだけだった。
普通に拒めばそれで話は終わりのはず。
しかし、中嶋の言い分を拒めば、それは自分自身の何かを否定するような気がする。
いや直感的に拒めない、という気持ちだけが表に出ているような状態だった。

「いいってことかな・・?」

中嶋はその両手を志乃の胸に近づける。

「おい、ちょ、ちょっと・・」

志乃の口から、明確な拒否の言葉はでていない。
中嶋はゆっくりと志乃の大きなその双乳を脇から包むように掌で覆う。
志乃の両胸から、中嶋の掌の感触が伝わってくる。

「あっ・・・。」

そのまま中嶋は掌で胸をなぞるように動かす。
だんだんと山の先端に近づき、志乃の乳首にその手が擦るように触れた瞬間、
志乃の胸の先から、甘美な刺激が脳に伝わる。

「ちょっ・・。んんっ!」

思わず、言葉が漏れる。

「すごい・・。こんなに柔らないんだ・・。」

中嶋はそのまま擦るように乳首を掌で転がす。

「あっ・・・はぁぁ・・あっ。」

敏感な先端を刺激され、思わず身体がこわばる。
しかも体育用具室で、クラスの男子に上半身をさらけ出しているという、
この異常な状況が、志乃の感覚を徐々に高めてきている。


439:大塚志乃7
08/05/18 01:17:25 9Pm4IVK9
「ふぅ・・も、もう離せよ・・。充分だろ・・!?」

これ以上触られると、なんかヤバイ、と直感的に感じた志乃は、
中嶋を制止しようとする。
しかし中嶋もここまでくると止まらない。

「ねぇ大塚くんさ・・・・。」
「ん? いいから早く離せよ・・・。」

中嶋の顔が志乃と20cmほども近い場所にある。

「やっぱり女の子になると、おっぱい触れると気持ちいいのかな・・??」

「えっ!?? なっなに言ってんだよ!?」

否定が出来ない。しかも同様の色も隠せない。

「男ってさ、胸さわられても、別に全然気持ちよくないでしょ?
 今はどんな感じなの?? やっぱり気持ちいいの??」

「そ、そんなこと・・・。」
「どんな感じか、僕にも教えて欲しいな。」

とつぜん、志乃の胸に顔を近づけ、片方の乳首にかぶりつくように吸い付いた。
さっきまでこねられていて、感度が上がっているところに突然の吸引力。

「きゃっ・・あぁっ!!」

急激な快感が全身を貫き、思わずひざに力が入らなくなり、
その場で背後の跳び箱によりかかるような形で座り崩れる志乃。

そんな志乃に体を預けるような形のまま、
乳首を吸った状態のまま、中嶋は志乃に覆いかぶさるようにしゃがみこむ。
そして左右の手で大きな双乳を掴みながら、必死に志乃の乳首にすいつく中嶋。

「やぁ、ヤメっ!!ちょっと待て!! はぁはぁ・・・んんっ!」


440:大塚志乃7
08/05/18 01:23:08 9Pm4IVK9
しばらくして、中嶋が志乃の乳首から口を話す。
今度は志乃の上から見下ろすような形で、

「ねえ、やっぱり気持ちいいんだよね? どんな感じなの?」
「そ、そんなわけないだろ!?? いい加減にやめろ!!」
「うそでしょぉ? だって大塚君、すごく気持ちよさそうだったよ?」

志乃は言葉がつまり、思わず顔に血が昇っていく感覚。
なんて言ったらいいのか、感じてるって言うのか? 否定しちゃっていいのか?

「大塚君のおっぱい、とっても美味しいよ。」

志乃の頭が混乱しているところへ、
中嶋は今度は志乃の反対側の胸に顔を近づけ、乳首を舐め回す。
唇で敏感な乳首を挟みつつ、舌先で転がす。
同時に反対側の手でもう片方の乳首をつまみ、軽くこねるように弄くる。
どこで勉強したか意外にテクニシャンな中嶋。

「あっ・・んん・・いや・・。」

両方の敏感が突起から、そのまま胸全体、そして全身に快感が広がっていく。
その快楽に思わず身を委ねたくなる志乃。

しかしその後、突然、両胸からの刺激がやみ、思わず中嶋の方みる。
すると中嶋は志乃の下半身を凝視していた。
志乃は跳び箱によりかかるように座り込んでおり、
その足は大きくM字型に開かれていて、ただでさえ短めなスカートは完全にめくれ上がり、
志乃の大事な部分を覆っている唯一の白い布は、
完全に中嶋に晒されている状態だった。

「お、おい・・なにみてんだよコラ!!」
「やっぱり、こんな女モノのパンツなんてはいていたんだね。。大塚君。」
「ば、バカ!! 仕方ないだろ?? トランクスなんてスースーするし・・
 それに女のパンツは意外とフィットしていて・・・きゃっ!!」

中嶋は志乃がしゃべり終わる前に、その眼前のショーツに顔をうずめた。

「ひっ!! やめろ!!! ひゃっ・・!?」

志乃は慌てて足をばたつかせるが、中嶋はそのまま両手で志乃の太ももをがっちりと抱え込んでいる。
中嶋は志乃の股間をショーツ越しに、うずめた顔を大きく上下にスライドする。


441:大塚志乃7
08/05/18 01:25:41 9Pm4IVK9
「ちょっっとやめっ・・んっ・・あぁっ・・!」

中嶋の鼻先が志乃の一番敏感な部分に擦れるたびに、
志乃はそこから流れ込んでくるその快感に反応してしまう。

しばらくして、中嶋はまたむくっと顔をあげると、

「大塚君・・やっぱりアレがないんだね。。」
「はぁはぁ・・当たり前だろ・・・って何言わせてんだ・・。」

だんだん息もたえだえになってくる志乃。

「みてみたい・・。」
「へっ・・?」

中嶋はその太ももを抱えている手が、一瞬で志乃のショーツかかる。
そしてそのまま一気に膝の辺りまで引き上げる。
突然のことで反応できない志乃。その隙を逃さんとばかりに、
あらわになった志乃の大事な股間にまた顔うずめる。

「わっ・・って、おい!!  ・・きゃあああっ!!!!」

むき出しになった志乃の大事な秘部。
中嶋はピンポイントで志乃の敏感なクリトリスを口で含み、その舌先で舐め回す。
中嶋は志乃が動けないように、また両手で志乃の太ももを抱え込むようにしている。

「やめぇっ・・はあんっ!! あああっ!!」

一気に襲いかかってくるその快楽に波に、
志乃は背後の跳び箱に寄りかかりながら大きくのけぞる。

チェロチェロチェロチェロチェロ・・・・。

「あんっ!! あぁっ!!ひゃぁああ!!」

中嶋は執拗に志乃の敏感な箇所を攻めている。
志乃の全身には絶え間なく快楽に波が覆い、脳が沸騰しそうになってくる。

(ヤバイ・・・この感覚・・・。意識が飛びそう・・あああ・・)


442:大塚志乃7
08/05/18 01:30:22 9Pm4IVK9
志乃の身体が段々と高まってくる。
震えがじわじわと全身に広がっていき、
最後には今までとは比較にならない、大きな波がやってくる前触れ。

志乃がだんだん、その全てを中嶋に委ねそうになる直前、
中嶋は志乃のアソコから顔を離す。

「はぁはぁ・・ん・・・??」

すると中嶋は、志乃の両足を抱えた状態で、膝立ちの体制になっている。
よくみると中嶋のズボンとブリーフが少しだけ下げられており、
そこには昔よく見慣れたモノが、大きくそそり立っていた。

「ちょっと・・まさか!?? いやあああっ!!」

中嶋は志乃の両足を抱えたまま、徐々自分の股間を志乃のアソコに近づけてくる。
堅くなったその肉棒は、濡れ濡れになっている志乃アソコから侵入口をなぞるように発見する。
そのまま志乃の入口をとらえた肉棒は、徐々に中へと押し込まれていく・・・。

「あああぁぁぁぁぁぁっ!!!」

自分の身体に異物が入ってくるこの感覚。
志乃は一際大きな声を上げてしまう。

「はいっちゃった・・・。大塚君のオマンコに・・。」
「うぅぅ・・・だめぇ・・抜いて・・。あんっ!!」

中嶋は志乃の言葉が終わりきる前に、腰を大きくスライドする。

志乃の中に入り込んだ異物は、久しく刺激のなかった志乃の膣内で暴れまくる。

「んぁああっ!! はぁん!! んっ・・んっ・・あぁんん!!」
「はぁはぁ・・大塚くん・・いやしぃちゃん!! しぃちゃんの中、すごく気持ちいよ!!!」

中嶋は興奮したように志乃の中を掻き混ぜる。
その度に襲い掛かる刺激に、志乃は全身でそれを受け止め、悶え狂いそうになる。

(おれは・・いったいなんでこんなことを・・)

段々混濁していく志乃の意識の中で、中嶋の口から飛んでもない言葉が出る。


443:大塚志乃7
08/05/18 01:33:35 9Pm4IVK9
「しぃちゃん・・僕もうなんか出そう・・・」
「はぁはぁ・・はっ?? はぁああ!!??」

志乃の失いそうになる意識が、一気に引き戻された。

「はぁはぁ・・バカ!!なに考えてんだ!! あんっ・・抜け!早く!! んぁぁあ!!」

さすがにヤバイと感じた志乃は、襲い掛かる刺激の中で、
必死に止めるようにさとす。

「ダメだぁああ・・。はぁはぁ。。気持ちい・・もうこのまま出しちゃいそう・・。」
「だめえーーー!! 中で出しちゃいやあーー!!!」

志乃は中嶋に抱え込まれている両足を使い、最後の渾身の力でそのまま中嶋の両肩を大きく蹴っ飛ばした。

突然の逆襲に、大きく後ろに吹っ飛ぶ中嶋。
アソコからすっぽり抜けた肉棒は天井を見上げ、
その3,4秒後、 どぴゅっ・・どぴゅっ・・っと白濁とした液が大量に飛び出し、
仰向けになった中嶋の身体に降り注ぐ。
そのまま両目を大きく開いたまま動かなくなる中嶋。
最高に気持ちいい状態で放出したことと、蹴っ飛ばされたショックで動けないようだった。

「はぁはぁ・・・・危なかった・・。」

息も絶え絶えな志乃。。
だんだん呼吸が落ち着いてくると、
ゆっくりと身体を起し、両胸をはだけた状態のブラウスをさげ、ショーツを履きなおす。

(このバカっ・・・。いちど死ね!)

中嶋を軽く一瞥すると、慌てて用具室から逃げるように飛び出した。


444:ふう@ピンキー
08/05/18 01:36:59 9Pm4IVK9
今日はここまでです。
しぃちゃん、とりあえず中出しは免れましたww


445:名無しさん@ピンキー
08/05/18 01:48:07 yNxh6HqR
ラストシーンの中嶋のあまりにダメな姿に涙が止まりませんw

446:名無しさん@ピンキー
08/05/18 02:36:49 RKv6eyfW
中嶋孕ませるまで頑張れw

447:名無しさん@ピンキー
08/05/18 04:45:03 eDQvciOE
GJ!
コント的なほほえましさがあるなあ。
強姦だけど。

448:名無しさん@ピンキー
08/05/18 09:38:48 oeJP9HRc
>【関連サイト】
>画像うp/お絵描きサイト(他TS系スレと共有)
>URLリンク(tsadult.s7.x-beat.com)

が見れないんだが俺だけ?

449:名無しさん@ピンキー
08/05/18 11:01:57 2fLL2usL
喪舞だけ

450:名無しさん@ピンキー
08/05/18 12:39:59 2eWCMATv
中嶋、早く追いかけるんだ!!
そして犯されても欝入らない志乃たんGJ安心して捕まるがいい。

451:名無しさん@ピンキー
08/05/18 16:58:58 x9TZYce9
>>444
乙、良いねえ。
最後の展開で免れるケースは予想外。
ぜひ再チャレンジをw

452:名無しさん@ピンキー
08/05/19 08:36:54 3NIEF2DV
>>448
俺も俺も。携帯からだと見られない。早く復旧して欲しいよな。

453:名無しさん@ピンキー
08/05/19 20:18:32 iuEEwZAg
>>444
お疲れ様です!
中嶋ドSじゃないですか(笑)

454:名無しさん@ピンキー
08/05/20 01:17:07 jCa5Y61Y
中嶋天然なのか?それとも計算づくなのか?


どちらにせよ中嶋君の更なる活躍を期待いたします

455:名無しさん@ピンキー
08/05/20 13:35:13 wMi5wsl2
>>448

>画像うp/お絵描きサイト(他TS系スレと共有)
>URLリンク(tsadult.s7.x-beat.com)
どうしても、このアドレスに飛ばされてしまう。なんで?
URLリンク(affiliate.dtiserv.com)


456:名無しさん@ピンキー
08/05/20 14:05:03 rbyDxruO
はやく復活して欲しいよな。

457:名無しさん@ピンキー
08/05/20 20:22:33 DFGWXhxB
少し意見を貰いたいのですが

無理矢理オーラルセッ クスさせる描写とかあると、不快ですか?
勿論、主人公は鬱入りませんが…それでも、強 姦的描写はここでは
賛否両論なようなので。

ぜひ、意見を聞いてみたいです。
意見次第で改善したいと思ってます、お願いします。


458:名無しさん@ピンキー
08/05/20 21:07:16 RO7D1et/
>>455
アク禁
思い当たる節が無いなら巻き添え
御愁傷様

>>457
好きな様に、書き易い方で書けばいい

459:名無しさん@ピンキー
08/05/20 21:12:49 g0Bw/rvK
人其々だから書きたいように書くのが一番いい

ただそういう嫌いな人間もいるから投稿前に注意書しておくといい
それでも文句言う奴は馬鹿だから無視が一番

460:名無しさん@ピンキー
08/05/20 23:29:09 NSCUhFnT
>>457
私は無理矢理アナルセックスさせる描写があると快感です。
もちろん主人公は絶望入ります。

461:名無しさん@ピンキー
08/05/20 23:40:45 d2lAXANe
アッー!

462:名無しさん@ピンキー
08/05/21 00:07:36 W5husOvz
>>457
|     ||       ∥      ||      ∥
|   あ.  ||   ず  ∥  ま  . ||  寿  ∥  し
|___ノ.|_______|l_____|l______.ノ|____
    |┃      _,,-ー----.、  
    |┃    <"      "l  ガラッ
    |┃三   '; ,、、__ソ^`7, i、
    |┃     ';'___  _,,, リ
    |┃ ≡-ーートーj 'ーー rー-、_  
____.|┃/    ハノL ヽ ノ | `ー、_
    |┃    /  lヽ∀ /  |    l
    |┃  Y L  |,) ー'↑  ,> ィ   |
    |┃  |ヽ  |,バ  |  7 /  |


463:名無しさん@ピンキー
08/05/21 18:06:22 Bc9Pp0G+
>>458-459
なるほど、そうします。ご意見ありがとうございます。

>>460
なるほど、そうですか。

>>462
ググっても元ネタ分かりませんでした。すみません…



464:名無しさん@ピンキー
08/05/24 16:13:27 Cn8Tkizg
支援図書館の復活まだ?あれじゃ投稿できないじゃない。

465:名無しさん@ピンキー
08/05/24 16:37:13 myO+79CN
わざわざこのスレで言うのかwww

466:名無しさん@ピンキー
08/05/24 17:54:08 LasP+5u6
[最新の過去書庫はこちら]から入って「最新作品集」へ行くんだ。

467:名無しさん@ピンキー
08/05/28 00:11:50 uxkKAinc
保守

468:名無しさん@ピンキー
08/05/30 22:33:07 suJPbFQ2
保守

469:名無しさん@ピンキー
08/05/30 22:59:07 U5Z15BEJ
危うくここ向けのSSをエロと全然関係ない別スレに誤爆するとこだったわ
こぇー

470:名無しさん@ピンキー
08/05/30 23:29:58 PxWUdac/
あるある・・・

471:名無しさん@ピンキー
08/05/31 06:25:53 m4IaPtQw
>>469
ここに投下しないのか?

472:【僕オマエ】作者
08/05/31 21:05:39 QMr/BTCe
 こんばんは。

 枯れ木も山の賑わい。
 他の方の投下が途切れているので投下します。

 私はセックスそのものより「おっぱい嬲り(男だった時には無かったものを、
かつては同性だった男によって嬲られる)」が大好きで、そしてじわじわ背徳
感を高めていくのが大好きで、そこにこそ「エロ」を感じます。
 なので、好みが合わない方はとことん受け入れられないかもしれません。
 それが私の考える「エロ」との認識のズレなのでしょう。

 場合によっては、もう
 「弱みを握られ泣く泣く……」のSS
 とかの方に移った方がいいのかもしれませんが、純粋な女でないため、
荒れる可能性があり、出来ればこのままここで進めたいなと思ってます。
 どうか御許し下さい。

 NGワードは【僕オマエ】でお願いします。

 強い心に愛するパワー、本質踏みこむ鋭いリズム!
 たったひとつの真実に惑う、見た目は女、頭脳は男。
 その名はリバーサー(再生計画被験者)薫(カオル)。

 詳しくは過去ログ参照にて。

473:【僕オマエ】
08/05/31 21:06:49 QMr/BTCe
■■【21】■■
 デジカメのフラッシュが、何度も肌を嘗める。
 小便のアンモニア臭が漂う、公衆トイレの一番奥の個室。
 その中の薄汚れた、蓋をしたままの便座に座り、嘔吐物で汚れたニット・セ
ーターもピンクのブラもたくし上げて、薫は豊満な乳房を6人の男達の目に晒
している。
 もう、何枚写真を撮られたかわからない。
 初夏の陽気とトイレに篭った人いきれに室温が上がり、汗ばんだ脇から雫が
垂れて、前方に大きく張り出した豊乳の下に水分が溜まる。薫は、むせ返るよ
うな男達の汗の匂いと体温、そして実際に熱を孕んでいるのではないか?とさ
え感じさせる熱い視線に晒され、頭が“くらくら”した。
 自分はいったいここで、何をしているのか?
 薫は、複数の荒い気遣いだけが聞こえる薄闇の中で頻繁に鳴り響く電子音を
浴びせられ、立て続けに光るフラッシュに照らされつつ、息を殺し、心を殺し
て、ただひたすらに現実から意識を引き剥がしながら、少しでも早くこの時間
が過ぎる事だけを願っていた。

 彼等はあくまで、薫が自発的に肌を晒すことを望んだ。
 6人の男達に追い遣られるようにしてトイレの一番奥に押し込められた時は、
さすがの薫も、“このまま犯されてしまうのではないか?”と心の中でビクビ
クしたものだが、坂東が顎で促すと他の男達は息を呑んで大人しく薫の一挙手
一投足を見守った。
 だがおそらく、坂東が一言「やれ」とでも言えば、まさしく飢えた狼が怪我
をした羊に襲い掛かるように、あっという間に薫は10本の腕で服を脱がされ、
今まで一度たりとも何者も迎い入れた事の無い可愛らしい膣口に、次々と汚ら
わしい男根を突き込まれ悪臭放つ精液を流し込まれて、犯され尽くしていたに
違いない。
 薫はそんな、まるで空腹のライオンの檻の前に血の滴るような生肉を置いた
ような、危うい緊張感が張り詰める中、ゆっくりと服をたくし上げていった。
 全身が震え、鼓動がうるさいほど大きく激しく打っていた。
 背中や脇、掌がじっとりと汗ばみ、呼吸が乱れて粗くなる。
 ニットの裾を持つ手が震え、“自分はとんでもなくひどい間違いを犯そうと
しているのではないか?”と何回も何十回も自問してしまった。
 それでも、「自分がここで脱がなければ直人も仲の良い女3人も、この男達
にボロボロにされてしまうのだ」と思うと、逃げ出すことも出来なかった。
「……や、約束だぞ。写真、撮るだけ……セ、セックスだけは、しない。何が
あってもだ」
 カラカラに乾いた口で無理矢理唾を飲み込み、震える体を叱咤しながら眼前
の大男を睨み付けて、薫は必死の思いで死守すべき最低ラインを告げた。
「わかってるよ」
「ナ、ナオタにも手を出すな。貞華や、志宇や、友香にもだ」
「わかってるって」
 個室の狭い入り口に、男達のギラギラとした目が並ぶ。
 一瞬さえ見逃すまいと見開かれ、少し充血した目が。
「早くしろ!」
「じらすんじゃねーよ!」
 その熱い目と怒号に、ブラジャーのカップの下で、充血し、ぱんぱんに張り
詰めた薫の乳首と乳暈が、熱をともなってじんじんと痛む。
『……なんで!?』
 薫は自分の体の反応が信じられなかった。
 こんな場合、乳首は萎縮し、小さくなってしまうのではないか?
 だのに、こんなにも硬く立ち上がってしまうとは、思いもしなかった。
 きっとこれは緊張とか恐怖とか羞恥とか、そういう色々な感情が混じって体
が勝手に反応してしまったのだと、自分に理由付ける。そうしないと、気が狂
いそうだった。自分の体が今の状況に性的な興奮状態にあるなどと、絶対に思
いたくは無かった。
 薫は自分で“ぐぐっ”とニットをまくり上げ、ブラに包まれたとんでもなく
豊満なおっぱいの上に引っ掛けた。“普通の”女の子であれば、こんな風に
“おっぱいに引っ掛ける”事なんて出来ない。それほどまでに薫の乳房は胸板
から高くそびえているのだ。

474:【僕オマエ】
08/05/31 21:08:35 QMr/BTCe
 そして、それだけで坂東を除く、彼女を取り囲む男達の好色そうな顔が、一
斉にニヤけた。
「すげー!実際にこうして見ると、ものすげーな!」
「まさにきょぬー!…いや、ばくぬーか!?」
「やわらかそうだなぁ。あ~~嘗めまわしてぇ…」
「早くブラ取れよ!ブラ!!」
「ぐずぐずすんなっ!」
 体が熱く、鼓動がうるさいくらいに鳴り響いているにも関わらず、薫の顔色
は、もはや血の気が引いて真っ白に近かった。
 目をぎゅっと瞑り、胸元を注視する男達から顔を逸らす。目尻に涙が光り、
その屈辱に震え、羞恥に唇をわななかせる姿だけを見れば、到底、元は男だっ
たなどとは思えなかった。
 元々、体は遺伝子的にも完全な女性体なのだ。ただ脳だけが違う。メンタリ
ティは、過去の記憶がまだまだ残っている限り、男のものに近かったが、心ま
では人の目には見えない。
 だからこそ、男達は薫が『リヴァース・プロジェクト』被験者と知った後で
も、性的な対象として見ていられるのだった。
「おい」
 いつしか手が止まってしまった薫に、坂東が小さく声をかける。
 その声音に薫は唾を飲み込み、一瞬だけ逡巡した後、規格外の重量に耐える
ため、鎧のように頑丈となったブラカップに手をかけた。
 片方だけで1キロ以上もある、まるで椰子の実のような乳房が、ブラに引っ
張られて上方へと重たげに持ち上がる。やがてそのまあるく巨大な乳肉は、ブ
ラに支えきられずに、“ぶるんっ”とカップからこぼれ落ちた。
 まず左の乳肉が、そしてすぐに右の乳肉がこぼれ落ち、“ゆっさゆっさ”と
盛大に揺れ動く。
 そうして、やわらかさと重たさと豊満さを、男達にまざまざと見せ付けた。
 その途端、“カシャ!”“ピロロロ~ン!”“ジャジャーン!”と、電子合
成されたケータイのシャッター音がいくつも響き、デジカメのフラッシュが光
のシャワーのように降り注いだ。
「か……顔は、写すなっ……」
 自分でも抑えようも無いほどに震える声音で精一杯強気に抗議した薫へ、板
東は気味が悪いくらい優しく答える。
「写さねぇよ」
 もちろん嘘だった。
 坂東は悔しさと怒りと羞恥に染まる薫の顔を、やわらかく重たそうにゆらゆ
らと揺れる白い椰子の実おっぱいと一緒に、何枚も何枚も撮影していた。そし
て目尻に大きく盛り上がる涙の粒は特に拡大して記録した。
 なぜならそれは、彼にしてみれば全く愉快な眺めだったからだ。
 ナマイキで身の程知らずの男女(オトコオンナ)を屈服させる時ほど、心踊
る事は無かった。
 だが、まだだ。
 ゆっくり。
 これからゆっくりと、もう二度とナマイキな言葉を口に出来なくなるくらい
に、その心を「折って」やる。
 折って踏み付け、ぐずぐずに崩してから、涙に濡れた顔を眺めつつたっぷり
と犯し、弄び、その膣内に溢れるほどの精液を流し込んでやる。
 あの時大人しく犯されていれば良かったとさえ思える方法で。
『でねーと、俺の潰された将来と釣り合わねぇ……』
 坂東は、薄気味悪い笑顔の下で、そんな獰猛な誓いを立てていた。

 呼吸と共に前後し、薫が身じろぎするたびに“ゆらゆら”と揺れる、圧倒的
な重量感を持つ肉のカタマリ。
 薫の、ブラから開放されて“もったり”と裾野を広げた、途方も無い豊かさ
を誇示するまろやかなおっぱいは、それから十数分に渡って、6人の男達の手
でケータイとデジカメに何十枚もの写真と動画に、微に入り細に入り、克明に
記録された。
「……うぅ……」
 かつては男だった自分が、女の象徴たる乳房を晒しているという不可解。

475:【僕オマエ】
08/05/31 21:10:22 QMr/BTCe
 胸の重みがそのまま女としての性(さが)を魂に刻み付けていく侵食の感覚。
 それは薫にとって、どうしようもないほどの哀しみを感じさせ、その結果が、
幾度も頬を流れ落ちる透明な涙であった。
 男達は坂東の命令で、手を触れることは一切許されなかった。
 その代わり、彼等は至近距離から何度も何度も、メモリーいっぱいになるま
で薫のおっぱいや乳首を撮影し、その都度わざわざ、彼女を辱めるようにして
見せた。
 もちろん、薫に見せるのは顔が写っていないものばかりであり、本当はその
数倍の枚数が、彼女の可愛らしい顔も同時にフレームに収めていた。
 みっちりと具の詰まった重たそうな肉のカタマリは、艶やかな肌も輝いて実
に『美味しそう』だった。
 男の手にも余りそうな、たっぷりとした重みを感じさせる乳房だ。触り、揉
み立て、捏ねて、吸い、噛み、そして乳首も乳暈も、しっとりとした肌の隅々
まで“べろべろ”と嘗めたくってやりたくなるのは、ここにいた男達全員の渇
望であった。また、そうするのが当たり前だとしか思えないような、淫猥で卑
猥で、嗜虐をそそる乳房であり、乳首であった。
 男達を制止していた坂東でさえ、出来ればすぐにもでもその白い肌を引っ叩
き、真っ赤に腫れあがらせた上で数え切れないほどの歯型やキスマークで「自
分達のモノだ」という刻印を刻みつけてやりたかった。血管が薄く透けるほど
色の白い肌は、そんな被虐の色が実に良く映えるに違いないからだ。
 だが、耐えた。
 なぜなら、熟れた果実は熟れ切って地面に落ちる直前が一番甘く、一番美味
だからだ。
 坂東はゆっくりと時間をかけて、じわじわと、まず薫の心から犯してやるつ
もりだった。
 抗し難い快楽の波に流されるのを、自分から受け入れるよう仕向けていくつ
もりなのだ。


 20分ほどして、ようやく薫は少しひんやりとした豊満な乳房を、服の下に
仕舞うことを許された。
 結局、撮影された以外は、犯されることはおろか、手を触れたり、一定以上
近付かれたりもしなかったた。そのため、妙な話だが、薫はそれを制していた
坂東に対して、どこか“信用”してしまっている自分を見つけていた。
 “約束”をしたら、“ちゃんとそれを守る男なのだ”と、認識してしてしまっ
たのだ。
 それは薫の心に生まれた、わずかではあるがハッキリとした“綻(ほころ)
び”であった。
 また、外気に長いこと触れていたことで少しひんやりとしたおっぱいをニッ
ト・セーターに手早く仕舞いながら、薫は自分のパンツがしっとりと濡れてい
るのに気付いた。
 それが失禁のせいだと、すぐにわかった。
 引き倒され、殴られ、トイレに引き擦り込まれた際に、恐怖と緊張で少し漏
らしてしまったのだ。
 そして、それとは別にあそこが“くちゅくちゅ”に濡れているのも自覚した。
 男達に見られて体が反応したのだと、薫は絶対に思いたくは無かった。
 だが、事実だ。
 事実だった。
 そして薫は、坂東達と交わした約束を思い出し、絶望した。

 「契約」してしまったのだ。

 直人を、貞華を、志宇を、友香を危険に晒さない為に、自分の体を提供する
という契約を。
 「セックスだけはしない」という約束だったが、彼等を相手に、果たしてそ
れが本当に守られるかどうか。彼等が、裸を見るだけで我慢し続ける事が出来
るとは、到底思えないのだ。
 なにしろ2度も、レイプしようとしたのだから。きっと彼等は我慢が出来な
くなる。今日のように狭い場所で6人に囲まれたら、もう絶対に逃げられない。

476:【僕オマエ】
08/05/31 21:12:17 QMr/BTCe
 それまでに、しかも性急に、なんとか打開策を練る必要があるだろう。
 汚れたニットを脱いでトートバックに隠し、人目を避けながら一人、家路を
とぼとぼと辿る。
『僕はヤラれない。男なんかに……あんなヤツらなんかに、ヤラれてたまるか』
 そうしながら、薫は潤んだ瞳に強い光を宿し、空を見上げた。
 しかし……。


 思えばその日から、あの長い『明けない夜』が始まったのだった―。


■■【22】■■

 ―坂東の『責め』は、こんなカンジで始まった。

 公衆トイレでの一件から夜が明け、まず朝一番に、ケータイにメールがあった。
 発信者のアドレスは非通知になっていた。
 それにはファイルが添付されていて、不審がり、ウィルスチェックをかけて
から開いたその画像を見ても、薫は最初は“ソレ”がなんだかわからなかった。

 画面いっぱいに広がる白っぽい肌色と、左隅にあるぼやけた朱色の半円。

 意味がわかったのは、5分後に再び非通知で送り付けられて来たメールの、
添付ファイルを展開した時だった。なぜならそこには、薫の良く知っている…
…知り過ぎるほど知っている、顔の下半分と唇と、吐瀉物で汚く汚れた「溶け
かけた宇治ミルクみたいな淡いグリーン色のニットのセーター」が写っていた
からだ。
 ケータイにはそれから何度も、メールが送られてきた。
 そのどれもに添付された画像は、昨日撮られたばかりの、薫の豊満な白い乳
房だった。
 恥ずかしさと嫌悪と怒りと、なんだかよくわからない感情が飽和して、薫は
メールが到着するたびに狂ったように消去し、受け取り拒否に設定した。だが
メールは、あらゆるアドレスを駆使し、時には普通のメールのような体裁を取っ
て次々に送られてきた。その手段と行動は、まるきりスパム・メールそのもの
だった。
 薫にはそれが誰からのメールで、そして何を意味しているのか、ハッキリと
わかっていた。
 “ヤツら”以外に、考えられない。
 “ヤツら”はこう言っているのだ。

“言う事を聞かないと、あらゆる手段を使っておよそあらゆる人間にこの写真
をばら撒く”

 ……と。
 ―覚悟はしていた。だが、「覚悟する事」と、「体験する事」は全くの別
モノだった。
 女になってから、たった二年しか馴染んでいない体のはずだ。愛着という意
味では、生まれてから16年間馴れ親しんでいた男の体に勝るはずがない。だ
から、どこか「おっぱいくらい撮られても、別にそんなものはどうってことな
い」と甘く見ていたのかもしれなかった。
 メールの受信件数が150件を越えた辺りで、薫は限界を迎え、汗ばんだ手
で坂東に電話した。
「よお。元気か?」
「……お前がやらせてるんだろう!?」
「何の事だ?」
「とぼけるなっ!!」
「……うるせえな。落ち着けよ」
「お前達の言いたい事はわかったから……だから、もうやめろ!」
「はあ?俺達の言いたい事?」
「ぼ……僕が言う事を聞かないと、写真をばら撒くってことだろう?」

477:【僕オマエ】
08/05/31 21:14:01 QMr/BTCe
「おいおい。それじゃあまるで、俺達が“脅迫でもしてるみたい”じゃないか」
「なっ……脅迫だろうが!」
「落ち着けって」
「坂東!!」
「大体よぉ……人にものを頼むのに、“やめろ”は、ねぇよなぁ?」
「え?」
「そういう時は普通、やめて『ください』、じゃねーの?」
「……てめぇ……」
「怖い声出すなよ。僕は“か弱い”から、おしっこ漏らしちゃう」
「このっ……」
 薫は“カッ”となって声を上げようとして、喉が詰まったように押し黙った。
 坂東は気付いていたのだ。
 薫があの時、失禁してしまっていたことに。
「ん?なんだって?」
「……っ……やめて……ください……」
「はあ?よく聞こえないんだけど?」
「メールするの……を、やめて……ください……」
「お願いします」
「お……お願い……します……」
「はい、最初から」
「……メールするのを、やめてください。お願いしま……す」
「よくできました!」
 ゲラゲラと笑う坂東の声を耳にしながら、薫はどうしようもない悔しさに、
涙した。
 それは薫が坂東に「屈服」したという、否定する事の出来ない純然たる証明
でもあった。


 そして策を練る間もなく、夜になって非通知のコールに呼び出されたのは、
前日とは違う公園だった。あそこよりももう少し大きく、遊具もあって、昼間
は家族連れや恋人などが集う明るい場所だ。だが夜に訪れた公園は、外灯もま
ばらで闇も多く、鬱蒼とした印象が強かった。
 公園に到着した途端、両側から山口と谷崎に腕を掴まれ、長いこと歩かされ
た挙句、少し大きめの公衆便所に、連れ込まれた。
 またも公衆便所。
 まるで薫自身の未来を暗示しているかのようで、冗談ではなく吐き気さえ覚
えたが、昼間のメール攻撃と昨日の今日で食欲が無く、夕食もあまり喉を通ら
なかったため、今回は、かろうじて嘔吐だけは免れた。

 公衆便所は、公園に比例して大きく、清掃もきちんとされていて昨日のよう
なアンモニア臭はほとんどしなかった。
 そこには6人の男達が全員揃っていた。
 そして坂東は、個室に薫を押し込めて開口一番に、「裸になれ」と薫に命じ
たのだ。
 薫は当然、拒否した。
 けれど、直人や貞華達のことがあるため、強くは拒否出来なかった。
 それに対して、坂東以外の男達がいきり立った。
 「めんどくせーから犯しちまおうぜ」などと言う者も出た。
 それを坂東がなだめ、それじゃあ……と、今度は「おまんこの写真を撮らせ
ろ」と言った。
 震えながらも、それだけはイヤだと、薫は断固拒否した。
 あそこを撮られる嫌悪は、おっぱいを撮られることの比ではない。
 それに、そこを撮らせたら、もう後戻り出来ないのは明白だった。
 すると坂東は「じゃあ、また胸でいいから撮らせろ」と命じた。
 それすらも拒否すると、坂東は「だったら、あの3人に頼むからいいぜ」と
笑った。
 最初から、薫に選択権は無かった。

478:【僕オマエ】
08/05/31 21:15:24 QMr/BTCe
 薫は慌てて考え始め、その間隙に坂東は「だったら触るだけでいい」という
ような、一見、『簡単そうな』要求を付きつけた。

 そして薫はそれを、承諾したのだ―。

 一度“禁忌(ボーダーライン)”を踏み越えてしまうと、変な感じで感覚が
マヒしてしまうものらしい。
 自分でも気付かないうちに基準がどんどん変化していってしまうのを止めら
れなかったのである。
 「されていること」と、「許してはいけないこと」、そして「許してしまっ
たが、認めてはいけないこと」のバランスが、肉体の“ゆらぎ”でブレてしま
うのだ。
 気が付けば、『直接触られるくらいなら、まだ写真を撮られた方がマシだ』
と考え、そしてそれが『写真を撮られるくらいなら、まだ服の上から触れられ
る方が後に残らないからマシだ』という考えに……何がいけなくて何がマシな
のか、自分でもその基準があやふやになっていったのだ。
 そうして薫は日曜日の夜、公園の公衆便所で、6人の男達に服の上から次々
に大きく盛り上がるおっぱいを触らせた。
 触るだけだった。
 揉んだり、掴んだりもしなかった。
 ただ、撫でた。
 丁寧に、ゆっくりと。
 まるで、痛みやすい桃の表面を撫でるように、可愛い子犬を慈しむように。
 けれどそれが、薫には死にたくなるほどの嫌悪と、まるでライターの火で
“じりじり”と嬲られるような“熱さ”を、体の奥に刻み付けていった。
 ただ肌に触られるだけでも抵抗があるのに、相手は自分が嫌悪する人間なの
だ。その上、相手は自分に対して性的な欲望を持っている。こちらに“その気”
がこれっぽっちもないのに、外性器を執拗に撫でられる気持ち悪さと嫌悪感は、
尋常ではない。
 もし「わからない」「ただ触らせるだけじゃないか」と思う男がいたら、自
分が生理的に受け付けないタイプの男性なりゲイなりに“決して自分からは逃
げられない状況”で自発的に胸や股間を服の上から執拗に撫でられてみればい
い。おそらく5秒も経たないうちに、自分がこの世に生まれてきた意味をしみ
じみと考えてしまうに違いない。


 そして、思ったとおり、『リヴァース・プロジェクト』の研究所ならびに政
府からは、表立って、何の接触も行われなかった。
 少なくとも、薫の生体データは逐一把握しているのだから、発汗・脈拍・分
泌ホルモンなどの頻繁な異常激化も把握しているはずなのだ。
 だが、何も無い。

『僕が死ぬと、政府が動く』

『リヴァース・プロジェクト被験者の登録証は、僕の健康状態を24時間マー
クし続けている体の中のナノマシンプラントから、定期的に発信される生体波
動を増幅すると同時に、僕の体に異常が起きた時、すぐに政府の研究所にそれ
を知らせてもくれる』

 あの公衆トイレで坂東達にブチ上げた警告は、薫の、確証の無いハッタリだ
った。薄々気付いていながら、あの場はああ言うしかなかったのだ。
 予想はしていた。
 『リヴァース・プロジェクト』の目的はあくまで「モニター」であり、それ
は天然記念物を保護するような、無条件で対象を『護る』事ではないのだと。
 おそらく、“被験者が一般社会に身を置く事で生まれるだろう軋轢やトラブ
ル、及びその対処法と結果”なども、サンプル情報として将来へのテストケー
スとして役立てようというのだろう。
 そうなれば、本当に命の危険が及ばない限り、研究所が動くような事は無い。

479:【僕オマエ】
08/05/31 21:17:28 QMr/BTCe
 いや……ひょっとしたら、その「死」すらも“彼等”の視野に入っている可
能性もある。病気や不慮の事故、その他、明らかな人為的な要因以外での死亡
例において、その肉体は細胞の一個に至るまで研究所で「有効利用」されるこ
とが、『リヴァース・プロジェクト』への参加を承認した際にサインした承諾
書に盛り込まれていたからだ。
 坂東達は、薫を殺さない。
 薫を殺すのは、薫自身だ。
 救いは、無い。
 誰にも助けを求めることは出来ない。
 自分でなんとかするしか、ないのだ。

■■【23】■■

 翌日の朝。
 月曜日。
 学校がある日は、さすがに謹慎中の坂東達もおとなしくしているに違いない。
 そう思っていた薫は、登校途中、待ち構えていた谷崎と山口と、あと名前も
知らない男2人に不意に物陰に引き込まれて、再びじっくりと時間をかけて、
4人がかりでゆっくりとおっぱいを撫でられた。
 薫は引き込まれた時に上げかけた“まるで女の子みたいな”悲鳴を飲み込み、
じっと嵐が過ぎ去るのを待ったが、解放された時、セーラー服にはシワが寄り、
顔は赤く火照って、足元はおぼつかなくなっていた。
 “ぞわぞわ”と、まるでナメクジかムカデが這い回っているかのような嫌悪
感の中、望まない性感を掘り起こされ、いつの間にか乳首は痛いくらいに勃起
し、パンツのクロッチ部分はしっとりと濡れそぼっていたのだ。
 学校着いた薫は、買い置きのナプキンをトイレで貼り付けながら唇を噛んだ。
 熱く火照り、“みっしり”とした重さをこれほど疎ましいと思った事は無かっ
たかもしれない。
 馴れた、と思っていた。
 だが、この重みに馴れたからと言ってそれが女である事に馴れる事と同義に
はならないのだ。
 薫はただ、確実に『男である自分』が削られていっているのがわかった。


 「体育館裏に来い」というメールを受け取ったのは、貞華達いつもの3人と、
昼御飯の弁当を広げている時だった。
 最初、薫はそれを無視した。
 すると5分後、薫と、クラス中の男子のケータイが、一斉にメロディや振動
で着信を知らせた。
 驚く者。
 ニヤつく者。
 そして教室から出て行くもの。
 男子生徒の反応は様々だった。
 慌ててメールを確認した薫は、非通知発信のメールに添付された一枚の写真
を見て、志宇が心配するほど真っ青になった。
 そこには、まあるい椰子の実のようにたっぷりとした重さで実った、白くて
やわらかそうなおっぱいが大写しになっていたのだ。
 坂東か山口か谷崎か。それとも他の3人の誰かか。
 奴等のうちの誰かが、おそらく“直人を除くクラスの男子全員”に送りつけ
たのだろうことは明白だった。
 そして、3通目のメールには「次はどんな写真がいい?」とだけ記されてい
た。薫は青褪めたまま、不審がる志宇達を置いて、人影の無い体育館の裏に走っ
た。
 そこには、朝にはいなかった坂東がいた。
 メールを送り付けたのは、この男だったのだ。
 坂東は気安い笑顔を浮かべながら手を上げて近づき、薫の乳房を何度も何度
もセーラー服の上から、その肌の質感を確かめるようにゆっくりと丁寧に撫で
ると「じゃあな」と言って去っていった。
 坂東の姿が消えてから、薫は体育館の冷たいコンクリート壁に背中を預け、
曇った空を見上げて目を瞑った。

480:【僕オマエ】
08/05/31 21:19:18 QMr/BTCe
「遊ばれている」
 そう……強く感じた。
 薫は、悔しくて涙が滲むのを抑えられなかった。
 そして、自分の意思を裏切り“じんじん”とする硬くなった乳首が煩わしく
て、信じられなくて、ぽろぽろと涙を零しながら両手で包むようにしておっぱ
いを抱いた。

 男達は本気だ。
 拒めば、昨日の朝送られてきたように、100枚以上の写真が一気に流され
るに違いない。
 そうなれば、もうこの町にはいられなくなるだろう。
 直人とも、もう逢えなくなるに違いない。
 だから、その日の放課後にメールを送り付けられ、町外れのひと気の無い神
社に呼び出された時、薫はもう半ば諦めていた。
 胸を触られるだけで済むなら、我慢しよう。それ以上は絶対に許さなければ
いいのだから。
 その思いこそが、薫の心に高く積み上げた土嚢を突き崩し決壊させる、最初
に穿たれた小さな蟻の一穴だということに気付かないままに……。

 日の沈みかけた真っ赤な夕焼け空の下、小さな薄暗い神社の本殿裏で、6人
の男達にさんざんおっぱいを触られ、揺らされ、そして視線で犯された後、薫
は溢れる涙を拭いながら一人、重い脚を引き摺って帰った。
 パンツは濡れ、膣内はとろとろにとろけ、そしておっぱいは熱を持ってじん
じんと疼いた。
 直人ではない、嫌悪すべき男達に嬲られたにも関わらず、こんなにもいやら
しい反応をしてしまう自分の身体を、薫はすぐにも捨て去ってしまいたいと願
いながら、眠りへと落ちていった。
 夢の中だけは、平穏であたたかな世界が待っていると信じて。

■■【24】■■

 そうして迎えた次の日。

 西暦2029年6月26日の火曜日。
 その日は、直人の謹慎がようやく解ける日だった。

 この日も薫は、登校前に5人の男に捕まり、乳房を撫でられ、“たぷたぷ”
と思うさま揺らされていた。
 散々遊ばれ、望まぬまま“とろとろ”に濡れてしまったパンツは、学校に着
くなり履き替えた。
 そして腫れぼったい目元と赤く火照った顔を洗面所で冷やし、前の入り口か
ら教室に入った時だ。薫の想い人―直人はもう既に登校してきており、まる
で何も無かったかのように廊下側の一番後の席に陣取り、机に突っ伏して寝入っ
ていた。
 その姿を見た時、薫はあらゆる感情が溢れ出し、今にも泣き出してしまいそ
うになった。
 不意に目頭が熱くなり、喉の奥に熱いものがこみ上げて、今すぐに直人に縋っ
て泣きじゃくりたくなったのだ。
 そうできたら、どんなに良かったことか。
 でも、出来なかった。
 してはいけないと、自分を叱咤した。
 こんなことに、直人を巻き込むわけにはいかないからだ。

 けれど、午前中も、薫は何度も直人の横顔を盗み見た。
 見るだけで、その度に泣きたくなった。
 自分がこんなにも直人を好きで……好きで好きで好きで好きでたまらないと
いうことを、伝えたくて、伝えられなくて……そして自分がそう望んだとはい
え、彼の知らないところで彼以外の男に体を遊ばれている事を思って、苦しく
て哀しくて切なくて、人知れずひっそりと涙を拭った。

481:【僕オマエ】
08/05/31 21:20:56 QMr/BTCe
 けれど同時に、自分は貞華達と彼と、そしてついでに彼の想う人……あの大
人びた少女の平穏を護っているのだという自負で、それだけで自分を奮い立た
せた。
 おそらくそれは、そうでも思わなければ耐えられなかったからだろう。

 ―だがそれも、昼休みに坂東からメールが届くまで……だった。

「……はやくしてくれ」
 体育館裏にある倉庫の影で、薫は6人の男を前に後で腕を組み、目を瞑った。
 謹慎中に校内へどう入ってきたのか。
 坂東も谷崎も山口も、他の3人の男達も私服だった。
「素直になったなぁ」
 呼吸と共に前後に揺れ、重たそうにセーラー服を盛り上げる薫の豊満な乳房
を、男達はニヤニヤとした笑みを張り付かせて眺める。
「へへっ……いっちばーん」
「……っ……」
 すぐに谷崎の武骨な手が、やわらかく繊細な乳房を、半ば叩くようにして撫
でる。
 フルカップのブラに包まれてなお、重たい椰子の実おっぱいは“ぶるっ”と
震えて揺れる。
 その無遠慮さに、薫は唇を噛んだ。
「またデカくなったんじゃねーの?」
「1日でデカくなるかよ」
「わかんねぇぞ?成長期だもんなぁカオルちゃん」
 右乳房を谷崎に撫でられながら、左の乳房を別の男に、ブラのラインに沿っ
て“つうっ”と撫でられた。
 “ぞぞっ”とした気持ち悪さに息が止まり、薫の眉の間に深い溝が刻まれる。
「難しい顔すんなよ。シワになんぞ?」
 別の男に右の乳房を、大きく前方に張り出したセーラー服の上から丁寧に
「なでなで」と撫でられる。乳首がある部分を特に入念に指先で撫でられて、
薫の腰が揺れた。
「んぅっ……」
「お?感じてんの?」
「ちっ…ちがうっ!」
「だよなぁ…俺達にこんなことされて感じてたら、ヘンタイだもんなぁ」
 今度は別の方向から左の乳房を撫でられ、そして右と同様に、乳首がある部
分を入念に指先で撫でられた。
 薫には、そこに「熱」が集中し、“ぷくっ”と立ち上がるのがわかった。
「くっ…うぅ……」
 唇を噛み締め、目をぎゅっと瞑っている薫は、自分では「感じてなんかいな
い」と誇示しているつもりなのだろうが、坂東達から見れば「むちゃくちゃ感
じている」ようにしか見えなかった。
 4人の男に次々に乳房を愛撫され、薫の意識は早くもとろけかけていた。
 「馴らされて」しまったのだ。

 まだ処女なのに。

 2年前は、正真正銘の男だったのに。

 男におっぱいを触られて、感じてしまうなんて……!
 これ以上されたら、自分はいったいどうなってしまうのか?
 それを考える余裕さえ、薫の意識から消えてしまいそうだった。
「いいんじゃね?カオルちゃんはヘンタイだもんよ」
 “ぶにゅっ”と、不意に左の乳首を太い男の指が押し潰した。
「ひっうっ」
「お、声が出たな?ここか?ここが感じるのか?」
「……っ……!…っ!!…」
「なんだよ。声はさっきので打ち止めか?」
 “ぶにゅっぶにゅっぶにゅっ”と、太い指が左右の乳首を突付くようにして
押し潰す。

482:【僕オマエ】
08/05/31 21:22:54 QMr/BTCe
 コリコリと立ち上がった乳首が押し込まれ、瑞々しい張りがありながらもま
ろやかにやわらかい乳房が、ブラの中で“ぷるぷる”と変形した。
「……っ……んっ……くっ……」
 その度に薫の身体が揺れ、だが気丈にも、彼女は脚を踏ん張って耐えた。
 それを面白そうに見ながら、男達は何度も何度も執拗に乳首を突付く。
 薫の頬は真っ赤に火照り、やがて耳から首筋にかけてもが綺麗なピンク色に
染まった。小鼻が空気を求めるように“ぷくっ”と可愛らしく広がって、時折、
唇が喘ぐようにうっすらと開く。
 その顔は、薫としてはそのつもりが全く無くても、まるで“男を誘っている
表情”そのものに見えた。
「もう我慢出来ねぇ」
 不意に一人の男が、薫の背後からセーラー服の下へと両手を差し入れ“ぎゅ
うっ”とおっぱいを掴んだ。
「あっ!!」
 潰されるような鈍い痛みが走り、薫は身を捩って逃れようとした。だが男の
両手は、薫のやわらかくもしっかりとした張りのあるおっぱいを掴んだまま、
“ぐにぐに”と激しく揉み立ててゆく。
「くうっ」
 意味を成す声が出ない。
 痛みに背中を丸め、薫は必死でいやいやと首を振った。
 まとめていた長い髪がほどけ、背後の男の顔を打ったが、男は決して離さぬ
とばかりに体を密着させてきた。その途端、何か硬いものが尻に当たり、それ
が男の怒張した股間のモノだと気付いた途端、そのおぞましさに薫は気が狂い
そうになった。
「やめっ……あぅぅっ……」
 膝ががくがくと笑って、腰から崩れ落ちそうだった。
『こんなっ……』
 痛い。
 おっぱいがちぎれそうだ。
 それは、いたわりも優しさも何も無い、ただ乱暴なだけの、愛撫とも呼べな
い「陵辱」。
 だのにそれと同時に、脳まで一気に突き抜けた名状し難い、奇妙な感覚があっ
た。“ソレ”は汚らわしくも甘美な“肉の感覚”だ。今の状況では感じるはず
も無い……感じてはいけない、強烈な快美感だった。
 被虐に濡れ、乱暴にされて剥き出された、爛れた感覚。
 他者に“征服”される事で生まれる、マゾヒズムにも通じる感覚だった。
 そして尻に当てられ、擦り付けられている灼熱の激情。
 雌を求める雄の衝動に、吐き気を感じながらも本能が反応していた。
 それは「女の本能」。
 まだ心の隅に残っていた「男の心」が持つ「男のアイデンティティ」が、そ
の「女の本能」に塗り潰される。
 侵される。
 上書きされてゆく。

 このままだとヤバい。

 体から力が抜けたら、こいつらに何をされるかわからない。

 そう思いながら、薫は逃れる術を持たないまま、思うように動かない体を震
わせた。
 その時だ。
 男の手が、不意に乳房を開放したのは。
「……?……」
 同時に薫はしどけなく“くたくたくた…”とコンクリートの打たれた地面に
崩れ落ち、薄く膜が張ったような視界の中、何が起こったのかわからないまま
に男達を見上げた。
「……チャイムだ。そろそろ行くぜ」
 舌打ちと共に吐き出された坂東の声に、全ての音が遠退いていた薫の耳にも、
ようやく午後の授業を知らせるチャイムが聞こえてくる。
「じゃあな」

483:【僕オマエ】
08/05/31 21:24:30 QMr/BTCe
「またな、カオルちゃん」
「今度は俺な」
「あとでな」
「愛してるぜ」
 男達が口々に声を掛けながら、名残惜しそうに乱れた髪や、紅く染まった首
筋や、ふっくらと容積を増したおっぱいや、汗ばんだ背中を撫でてゆく。
 その度に薫の細い体が、若鮎のように“びくびく”と跳ねた。
 涙はもう、出なかった。

 男達が姿を消した後、薫はコンクリートの地面に“ぺたん”と座り込んだま
ま、呆けたように空を見ていた。やがてのろのろと身を起こし、ふらついて倉
庫の壁に手を付く。
 あそこが“くちゅくちゅ”になっているのが、自分でもわかった。“とろと
ろ”で“ぬるぬる”だ。
 スカートにまで染み出しそうな勢いで、パンツがぐしょぐしょに濡れている。
 犯されていないはずなのに、犯されてしまったような気がした。
『ちくしょう……』
 知らず、ようやく思い出したようにこぼれる涙を、腕で強引に拭う。
 抑えきれずに漏れる嗚咽が、自分の“弱さ”を露呈しているようで、尚更胸
が苦しくなった。
 もう授業は始まっているのだろう。
 さっきまで聞こえていた生徒達の声が、今はぱったりと止んでいた。今頃に
なって遅れて教室に入れば、クラスの注目を浴びるのは目に見えている。
『どこかで……』
 体を休めて、出来ればあそこのぬるぬるを拭き取りたかった。
 ふらふらしながらシワくちゃになってしまったセーラー服を伸ばして整え、
ミニスカートに付いた土埃を払う。
「はぁ…」
 知らず、溜息が漏れた。
 汗ばんだ体が、ひどく火照っている。胸に灯った熱い疼きが、じわじわと腰
と直結しようとしていた。
「好き勝手……しやがって……」
 薫は人影に気をつけながら、渡り廊下から特殊教練に入り、保健室を目指した。

「…カオルか?」
 あと少しで保健室……というところで、不意に背後から声を掛けられた。
 “ギクリ”として振り返ると、そこに、今一番顔を合わせたくない人間が立っ
ていた。
「ナオタ……」
 その瞬間、たまらなく甘美な波が体内を駆け抜けた。
 唇が震えて、“じゅわん”と体が疼く。
 薫は“はっ”として、すぐに顔を伏せた。
 今の自分は、きっと不自然なほど顔が赤くなっているはずだ。それに、まだ
まだ息が荒い。
 体の中を荒れ狂う嵐が、全く鎮まってくれないからだ。
「…どうしたんだお前……」
「…よ…寄るなっ!」
 近付こうとする直人から、薫は慌てて飛び退り、脚をもつれさせて廊下の壁
に寄りかかった。
 直人に近付かれては困る。
 それだけは絶対に避けたかった。
 なぜなら……。
 もし今、直人の体臭を嗅いだら、あっという間に悦びで失禁さえしかねない
ほど「出来上がって」いたからだ。
 直人の声を聞き、顔を見ただけで……たったそれだけで、下腹の奥の『女の
器官』が“きゅうん”と啼いたからだ。
「…カオル?」
「…だ、大丈夫だから……だから、僕の事は放っておいてくれ」
「…どこか怪我でもし」
「いいからっ!もう行けよッ!」

484:【僕オマエ】
08/05/31 21:26:24 QMr/BTCe
 せっかく心配してくれている直人の言葉を遮って、わざと声を荒げて追い払
わなければならない自分を呪い、また、涙がこぼれそうだった。
 これ以上泣いたら、目が腫れて隠しようがなくなってしまう。
 でも、仕方なかった。
 直人には、坂東達にされている事を知られるわけにはいかなかったからだ。
 直人は、このまま薫を置いていっていいものか、しばらく躊躇っていたが、
やがて諦めたように背を向け、その場を離れていった。
 薫は一瞬だけ去って行く直人に手を伸ばし、すぐに胸元に引き寄せて唇を噛
んだ。
 助けは、請えない。
 請うわけには、いかないのだ。

■■【25】■■
 嫌悪感はしっかり感じているし、自分を律して、決して坂東の言いなりには
ならない……と薫はいつも自分を叱咤していた。
 自分がしているのも、直人のため、貞華達のために、仕方なくしていること
なのだと、自覚していた。
 そこに隙があったのだろう。
 いつしか、「直人や貞華達のために坂東達の要求を飲むのは仕方無いことな
のだ」という理由が、「坂東達の要求を飲むのは、直人や貞華達のためだ」と
いう歪んだ自己欺瞞へと変化していったのだ。
 “直人や貞華達を護る”という「目的」と、そのために“坂東達の要求を飲
む”という「手段」が逆転し、“坂東達の要求を飲む”ために“直人や貞華達
を護る”という理由を必要とし始めたのである。
 そしていつしか「誰にも相談出来ない」事が苦痛であったはずなのに、「誰
にも相談出来ない」事が、すなわち「誰にも知られない」事となるのだ……と
いう“安堵”に取って代わっていた。


 そしてあの公衆トイレの一件から4日経った頃にはもう、直接触られるので
も、おっぱいを撮影されたりするのでもなく、“ただ服の上から触れられる事”
が、坂東と薫の間での“定番化した要求”となってしまっていたのだった。
 登校前、昼休み、下校時。
 それがやがて、毎日のように続いた。
 “日課”となったのだ。

 それだけではない。

 5日目ともなると、男達は薫に、皆の前で自分達と腕を組ませたり、肩を抱
いたり、腰を抱いたりする事を要求しはじめた。
 あたかも「恋人のように振舞え」と命じたのだ。
 学校の登下校時には、決まって待ち伏せられ、胸をセーラー服の上から触ら
れながら、お尻や髪までも撫でられ、時にはうなじに吐息を吹きかけられたり
もした。

 拒めなかった。

 いや、口では拒絶し、否定し、男達に牙を剥いていながら、その実、男達の
言葉に不承不承ながら従ってしまっていたのだ。
 そうして、毎日のように違う男に肩を抱かれ、腰を抱かれ、腕を引かれる薫
を見て、最初は心配そうにしていた友人達も、薫が曖昧に笑ったり「関係ない
だろ?」と言う度に、一人、また一人と彼女の側から離れていった。
 貞華達は「きっと何か理由があるのだろう」と、薫に幾度と無く問いかけた
が、もとより薫には彼女達に理由を話す事など出来なかった。「お前達がレイ
プされないためだ」などと、どの口が言えるというのか。そもそもの原因が、
薫(自分)にあるというのに。
 そうして、何度問いかけても答えない薫に、やがて志宇が、貞華が離れ、最
後には友香までもが積極的に話し掛けることを控えるようになってしまったの
だった。

485:【僕オマエ】
08/05/31 21:28:28 QMr/BTCe

 30日は土曜日だった。
 その日は朝早くから呼び出され、一人ずつ順番に途切れる事無く、デートす
るように1日中引き回された。
 もちろん、デートなどではない。
 そんな“気持ちの悪い事”、自分からするはずが無かった。
 場所は、たった2駅しか離れていない隣町だった。
 薫はそこで、男達が望めば、それがたとえどこであろうとも、“スナック菓
子を食べるような手軽さ”でおっぱいを、お尻を、髪を触られた。保健室で坂
東達に襲われるまでは、いつも元気で生命力の溢れていた薫が、まるで別人の
ように、青褪め、引き攣った顔のまま、次々と男を代え繁華街を歩いた。
 ゲーセン、マック、駅、公衆トイレ、路地裏、アクセ売り場、露天商、ホコ
天、自販機の前……。
 人が見ている前で、学校のクラスメイトがいるかもしれない……いや、直人
や貞華達といつ出会うかわからない場所で、男達はゆさゆさと揺れる薫の豊満
なおっぱいや、きゅんと引き締まりながらもまろやかなやわらかさを持つお尻
の感触を楽しんだのだ。
 決して目立ちたくなくて、母のウィッグを被り、帽子を被り、伊達眼鏡をか
けて、更には普段着ないような膝丈のスカートを履いて印象を変えた薫は、
ちょっと見ただけではそれとわからないほどだったが、そのスカートが仇と
なっていた。男達は、スカートの下にまで手を入れ、薄いパンツの上からお尻
に触れたのだ。
 いつものようにジーンズであれば、まだ我慢出来たかもしれない。
 だが、薄く繊細な生地は、男達の体温や感触を余す事無く薫に伝え、そして
当然の如く、薫の尻肉の少しひんやりとした体温やまろやかな感触を男達に伝
えた。

 “ぞっ”とした。

 『男にお尻を触られる』という現実に、薫の中の男の記憶が悲鳴を上げる。
 癌治療で入院するまで、薫は普通の男の子として学校に通っていた。その時、
『彼』には年頃の男の子らしく気になる女の子もいたし、女の子と“そういう
こと”をする妄想だってした事があった。電車で痴漢をされたクラスメイトの
話を聞けば『女の子のお尻は、きっとすごくやわらかいんだろうな……』など
と想像したりもしたのだ。
 その自分が今、その女の子のように男にお尻をまさぐられているという事実
は、薫の心を屈辱と羞恥と嫌悪で塗り潰した。
 だのに、男達の手の動きは巧みで、そして執拗であったため、薫は望まない
感覚に身を焦がす事となる。
 男達は尻肉を撫で、揉み、双丘の狭間に指先を滑らせ、時には尾骨や腰骨を
“ととんっ”と指の腹で素早く叩いたりもしたのだ。そうすると、敏感になっ
た“あそこ”と下腹の奥でふくらんだ子宮が震えるようにして揺らされ、その
刺激が背筋を雷のように駆け上って首筋を焼いた。
 おっぱいとお尻をそうして触られ、嬲られながら耳や首筋に息を吹きかけら
れては、ひとたまりもなかった。
 こみ上げる声を必死に押し殺し、視線に呪詛を相手を睨み付けるのが精一杯
だった
 時に、“きゅっ”と引き絞った後の蕾を、ぐっと押し込んだ中指で撫でられ
もした。
 そうすると薫の膝はたちまち力を無くし、そこを男達は抱き止めて「これ幸
い」とばかりに人目から隠れるようにしておっぱいを揉みしだいた。
 それは、まごうこと無き“拷問”であった。

 彼等の要求を受け止めている間は、薫の体は気を張って強固に自分を保持し
ていた。
 だが、彼等と別れた後、薫は決まって自宅や駅の女子トイレへと逃げ込んだ。
 個室に逃げ込み、涙ぐんだ瞳で激しい動悸を必死に抑えるのだ。
 彼等に触れられるのは耐えがたい苦痛であり、屈辱だった。
 気持ちが悪く、怖気(おぞけ)すら感じた。
 だのに、薫の体は、彼女の心を容易く裏切るのだ。

486:【僕オマエ】
08/05/31 21:30:04 QMr/BTCe
 いつしか彼等が体に触れる回数を重ねる度に、あそこがとろとろに濡れる具
合はどんどん酷くなっていった。
 パンツのクロッチ部分はねっとりとした白っぽい粘液でぬるぬるになり、重
たいおっぱいの先は痛いくらいに張って勃起していた。
 駅で身体を弄ばれ、その後に駆け込んだトイレで手を洗い、洗面所の鏡を見
た時、薫は自分の顔がめちゃくちゃいやらしく見えて狼狽した。
 瞳は涙で熱く潤み、唇は充血してぷっくりと膨れ、半開きになって、今すぐ
に誰でもいいからキスして欲しそうに見えるくらい、色っぽく……そして好色
そうに変化していたからだ。
 自分が「おかしな事」をしている自覚はあったものの、頭の中では、どんど
ん「ヤバイ方向」に進んでいるという考えは無かった。むしろ男達の要求をギ
リギリのところで上手にかわしているつもりさえあったのだ。
 だから、まるで快楽に陶酔しきったようなそんな自分の顔は、ひどくショッ
クだった。

 それでも直人や貞華達にバレてしまってはマズいという事だけは認識してい
たから、彼等が来そうな場所では、決して坂東達の要求を飲むような真似はし
なかった。
 だが彼等は、薫自身が知らぬ間に、薫の体を徐々に篭絡しつつあった。
 町中で、しかも人前で嬲られることに抵抗を感じなくさせていったのだ。
 いや、それどころか、自覚の無いままいつしか要求を待ち望むまでに“仕込
んで”いったのである。

 そして……やがて要求は、あっという間にエスカレートしていった。


■■【26】■■
 それは2週間の停学処分が解かれ、坂東達が登校してきた、7月3日の事だ。

 昼休みに柔道部の部室に呼び出され、何十枚、何百枚と撮られていた半裸の
写真を床にばら撒かれて、薫はついに自分から直接おっぱいを触らせてしまっ
た。見るだけでは明き足らず……いや、とうとう“頃合い”だと判断した6人
の男達は、ついに禁断の果実に手を伸ばしたのだ。
 順番に下から掬い上げるようにして、剥き出しにした裸の重たいおっぱいを
支えられ、“たぷたぷ”と揺らしながらその重量感とやわらかさを“堪能され
た”。

 最初はそれだけだった。

 次の日の放課後は、呼び出されてすぐに「揉ませろ」と言われ、薫は“仕方
なく”ブラのホックを外し、セーラー服をたくし上げて、順番に揉ませた。
 柔剣道場の奥に在る、更衣室を兼ねた柔道部部室に、男達に囲まれるように
して立ち、次々に男達の手にも余るヴォリュームたっぷりな乳房を自由にされ
たのだ。
 じっくりと時間をかけて眺め回されたあと、おもむろに汚らわしい熱い吐息
を吐きかけられながら、両手で弄り回された。
 片手ではとても収まらない大きさの、やわらかであたたかい剥き出しの乳肉
を、優しく、丁寧に、めちゃくちゃに、乱暴に、いたわるように、慈しむよう
に。
 6人の男達は飽きるまで薫の豊満過ぎるくらい豊かな椰子の実おっぱいをたっ
ぷりと揉み込んだのだ。
 部室にこもった柔道部員達の汗の臭いや、胴着の匂い、悪臭とさえ思えるそ
れらの匂いに加え、男達が吐き出す吐息の熱さが首や胸元、おっぱいにかかり、
薫は立っているのさえ危うくなるほど、脚が震えて、力が抜けるのを感じてい
た。
 「馬鹿になる」。
 そう思った。
 頭が真っ白になり、おっぱいに与えられる刺激だけで全身が満たされていく。
 “それ”だけしか考えられず、“それ”だけが現実と自分を繋げる唯一の感
覚となっていく。

487:【僕オマエ】
08/05/31 21:33:51 QMr/BTCe
 午後の授業を知らせる予鈴が鳴らなければ、どうなっていたかわからなかった。

 授業中、放課後に何をされるのか、それとも下校途中に待ち伏せされてしま
うのか。
 そんな事ばかり考えてしまい、授業内容はちっとも頭に入らなかった。
 だがその日、坂東達からの呼び出しや待ち伏せは無く、薫はホッとして帰宅
した。
 けれど、部屋で一人でいる時、気がつくと左の乳首を右手で触れている自分
に気付き、愕然とした。
 坂東達は、決して乳首をいぢめようとはしなかった。
 手の平で擦れることはあっても、決して乳首だけを捏ねたり、摘んだり、弄っ
たりはしなかった。
 薫の体は自覚の無いままに、それを『不満』に思い始めていたのだ。


 次の日は、学校に来てすぐ、トイレの個室に連れ込まれた。
 そしてとうとう、乳首を吸われ、嘗められたのだ。
 両手の平をトイレの狭い個室の左右の壁に付け、“ずしり”と重たく、たっ
ぷりとした乳房、その充血して膨らんだ『勃起チクビ』を“てろんてろん”と
手を使わず舌だけで嬲られながら、薫は目を瞑り、理性を総動員して、襲い来
る快楽の波に呑まれぬよう踏みとどまっていた。
 だが、男から『転体』したからといって、18才の瑞々しい女の肉体が、無
理矢理与えられ押し寄せる快感に、耐えるのは難しい。
 赤い乳首は痛いくらいに勃起して、男達の唾液に濡れ光る。
 ぷくっとふくれた乳暈は、まるでふっくらとしたパンケーキのようだった。
 その乳首を嘗められ、口に含まれて“ちゅばっ”と吸われた。
「はんっ……」
 薫は自分の唇を割って迸った、いやらしいオンナの艶声が信じられなかった。
 自分の左右の乳首を嘗め、吸いたてている二人の男に聞こえたかもしれない
とビクビクしたが、彼等は最後までその事には触れなかった。
 気付かなかったのだろうか。
 両方の乳首を別々の男に別々の強さで嘗められ、吸われ、そして甘噛みされ
ながら、薫はそう思い、ひそかに安堵した。
 だが、そんなことがあるはずがなかった。
 二人の男に乳を嘗められ、弄られている薫が、おそらく自分でも気付かない
だろう“うっとりと呆けた顔”をしているのを、開かれた扉の向こうからニヤ
ニヤしながら見ていた坂東には、しっかりと聞かれてしまっていたのだった。

■■【27】■■
 やがて薫にとっては、毎日のように坂東達の要求を聞く事が生活の一部とな
り、今では『あって当たり前』な行為なのだと、受け止めるようになってしまっ
ていた。
 “大切な人達を護るため”に、これは仕方の無い事。
 しかもそれが、今では感じたことの無い快楽さえも、もたらしてくれる。
 薫は、自分がいつしか坂東達からの要求を待ち望んでいる事に、気付かなかった。
 いや、本当は心のどこかで気付いていたのかもしれない。
 気付いていながら、その事実からあえて目を逸らしているのかもしれなかった。

 坂東からの呼び出しは、いつもケータイだった。
 メールで数字と場所だけが、ただ完結に書かれている。
 「2 特2ト」は、2時間目の休みに特殊教室練2階の廊下トイレ。
 「4 柔」は、昼休みに、柔道部部室。
 「放 倉」は、放課後に体育館裏倉庫だ。
 通常、授業間の休みは10分しかない。その10分で廊下トイレまで行き、
待ち受けている男達に連れられるようにして個室に入って、順番に乳を“嬲ら
せる”のだ。
 吸うのが好きな男もいる。
 ただ嘗めるのが好きな男もいる。
 山口は、ずっと揉んでいた。

488:【僕オマエ】
08/05/31 21:35:35 QMr/BTCe
 谷崎はとにかくキスばかりする。跡はつけるなと何度言っても、必ずキスマ
ークをいくつもおっぱいに刻んでいく。
 昼休みは50分あって、坂東達は食後の楽しみに薫を呼び出し、30分はたっ
ぷりとおっぱいを、乳首を嬲った。
 それは午後の授業の予鈴が鳴る直前まで続けられるため、トイレに寄る時間
も無くて、そのために、とろとろに濡れたあそことパンツのまま、薫は午後の
授業を受けなければならなかった。
 他の生徒に匂いでばれないか気が気でなく、坂東達に遊ばれるたびに、薫は
どんどん寡黙になっていった。

 帰宅して風呂に入る時など、洗面所で服を脱ぎ、おっぱいに付けられた指の
跡と無数のキスマークを見るたびに、薫は自分がどんどん汚れていっているよ
うな気がした。
 弄られ、吸われ、引っ張られて嬲られる乳首は色素の沈着こそ微少で赤味が
濃くなった程度だったが、その様相は成熟した女のもののように淫靡でいやら
しい形になっていったのだ。
 おっぱいが、坂東達の好きに変えられてゆく……。
 だのに、その『汚された』乳房を見ると、再びあそこが“じゅわん”と濡れ
るのだ。

 ―堕ちてゆく。

 自分がどんどん、いやらしく、そして恥知らずな“変態”になっていく気が
する。
 何か大切なものを、毎日少しづつカンナで削られるように喪失(うしなって)
いく気がする。
 そしてそう思いながらも、もう自分が坂東達の要求に抵抗出来なくなってい
る事に、安堵にも似た諦めを感じてしまうのだった。

 だから。

「裸になれ」

 坂東にそう言われた時、薫はとうとうそれを承諾してしまった。
 校内にもうほとんど残っている生徒のいない放課後。
 薄暗い、普段使われる事の無い特殊教練の3階の西側男子トイレだった。

■■【28】■■
 谷崎真一は、香坂薫のおっぱいが大好きだった。

 友人として付き合っていた時も、いつかあのおっぱいを揉みしだいて、嘗め
まわし、吸いたててやりたいといつも思っていた。制服の上からでもわかる重
たそうにボリュームたっぷりな“わがままおっぱい”が“ゆっさゆっさ”と揺
れるたび、内包した肉の充実と肌のみずみずしい張りが、はっきりとイメージ
として伝わってくるのだ。
 “あの時”保健室でたっぷりと撮影した写真やムービーを薫にケータイごと
オシャカにされた時は本当にガッカリしたが、思いきり頬を張られた時は逆に
これから絶対にコイツを汚し、辱め、オモチャにしてやると腹の底で暗い炎が
燃え上がって発奮した。
 大きくてやわらかくて白い、たっぷりと身の詰まった豊乳が“ゆさゆさ”
“たっぷんたっぷん”と面白いように揺れ動く様は、身体が痺れ、何も喋る事
が出来なくなるくらい本当に興奮した。いつまでも眺めていたいと思ったし、
家に帰ったらパソコンに移して永久保存するつもりでいたのだ。それくらい、
薫のおっぱいはオカズに最高だった。

489:【僕オマエ】
08/05/31 21:38:17 QMr/BTCe
 そのムービーを失った事は哀しく、そして引っ叩かれた事実は谷崎に、薫を
「犯す」事が出来るのなら、何を犠牲にしても構いはしないという暗い情念を
鬱屈させていったのだ。

 そして今、目の前にはあれほど望んだ薫の、椰子の実のように大きく“ぷり
ぷり”とした肌の豊満おっぱいだけでなく、贅肉の無いすっきりとした滑らか
な腹や、股間に楚々と茂る薄い陰毛、それに、慎ましやかで綺麗なサーモンピ
ンクの陰唇までもが在った。

 ようやくここまできた。
 そういう感が強い。

 薄暗いトイレの個室の、蓋を下ろした洋式便所の上に、ソックスだけを身に
付けた薫がそのお尻を乗せていた。
 制服も下着も既に脱ぎ去って、個室の壁の上に引っ掛けてある。
 その下で薫は両脚を折り曲げ、血管がうっすらと浮かび上がる綺麗な白い太
腿を晒して、そこにある全てのものを曝け出していた。
 今はぴったりと閉じられている、まだ硬くて若い果実のような陰部には、じ
わっと透明な粘液が滲んでいる。
 谷崎は今すぐそこを押し開き、チンポを射し込んで体の奥まで蹂躙し射精し
て匂いをつけてやりたかった。
 たぶんそれは、ここにいる山口と竹山と神原もそうに違いない。
 だが、坂東はそれをまだ彼等に許す気は全く無いようだった。
「……こ、これで……いいのか……?」
 顔を真っ赤にして反らし、薄ピンクに染まった首筋を晒している薫が、押し
殺したような声で言った。
「上等だ。イイコだなカオルちゃんは」
 不安定な体制で苦しそうに自分の膝裏を持った薫に、坂東がズボンからでか
くて太い極悪な男根を引っ張り出した。
 それは既に硬く勃起し、血管が浮き出るくらいに怒張していた。
「セ…セックスはしないっ!しないぞっ!」
「わかってるよ」
 こちらを見上げながら涙を滲ませ、必死に訴える薫に、むしろ優しげな口調
で坂東が応えた。
「お前はちょっとそうしていればいい」
「俺達は俺達で勝手にやるからよ」
 “ジィィ…”とズボンのファスナーを引き下ろす音。
 “カチャカチャ”とベルトの留め金を外す音。
「おい、さっさと済ませろよ!」
 トイレの入り口で見張りに立っている河野が、声を抑えて急かす。
「すぐに代わってやるから、ちゃんと見張ってろよ」
 神原が自分のイチモツを扱きながら、やに下がった顔を薫に向ける。
「見るだけなんて、こりゃ拷問だぜ」
「セックスだけはしないって約束だからな」
 野太い声で坂東が告げる。
 わかってるよ、と言いながら、神原はニヤニヤとした笑みを深めた。
 確かに坂東達は『セックスだけはしない』と薫と約束をした。
 だが逆に言えば、『セックス以外は何でもしてやる』という意味だ。
 そして、自分達からセックスを強要しないということは、薫から要求された
ら拒まないという事でもあった。
 坂東の狙いは“それ”だった。
 薫の体を開拓し、開発し、快楽に塗り込めて篭絡し、自らセックスを請うく
らいにまでしてやるのが。
 実際、薫はあの公衆便所の一件以降、急速に抵抗を和らげつつあった。
 おっぱいを嬲りものにし、尻を、髪を、パンツの上からではあったが尻の穴
までも触らせるまでになったのは、ひとえに坂東の緩急取り入れた篭絡の手腕
があったればこそだろう。
 そして今日、とうとう服を脱がせるまでに至った。

490:【僕オマエ】
08/05/31 21:40:49 QMr/BTCe
 坂東の今日の要求は、

『俺達のオナニーの手伝いをしろ』

 だった。
 だが性急にチンポを握れとか、扱けとか、そういう直接的な肉体の接触では
なかった。
 裸になり、オカズになれと言う意味だった。
 今日は体に一切触れない。
 おっぱいも触らない。
 そう言った時の、薫の“ホッ”としていながらどこか落胆しているかのよう
な顔色を、谷崎は見逃さなかった。
 快楽に慣らされ、毎日のように刺激を与えられ続けた薫は、自分達の呼び出
しに対してさほど抵抗を見せなくなってきている。
 それは坂東だけでなく、谷崎も山口も感じていたことだった。
 それが今日、確信へと変わった。
 薫は無意識に、坂東達から与えられる快楽を確実に求め始めているのだ、と。

「ふっ……」
「あっ!!」
 竹山の短いイチモツから、白濁した粘っこいものが飛び出し、薫の白い太腿
へとへばりついた。
 まるで真っ赤に焼けた鉄の棒でも押し付けられたかのように薫が声を上げ、
身を縮こまらせる。
「へへ……はえぇなお前」
「うっせ」
「かける……なんて……」
 ひひひと笑う山口と、勃起したままの男根を握り締めた竹山へ、薫は喘ぐよ
うにして恨みがましく抗議した。
 どろりとした精液がすべすべの太腿を滑り落ち、便座の蓋に零れる。
 しゃくりあげるように波打つ薫の腹と、ゆらゆらと前後に揺れるおっぱいに、
谷崎も玉袋の裏側が“きゅうううぅ”と縮み上がるのを感じる。
「おうっ」
「あっ!やぅ……」
 “びゅるっ”と黄色っぽい粘液が坂東の極太チンポから迸り、薫の真っ白な
おっぱいに引っ掛かる。
「うぅ……」
 自分のおっぱいがぬるぬるとした粘液に汚されたのを見下ろし、薫が悔しそ
うに下唇を噛んだ。
 だが、谷崎も山口も、そして他の男達にも“それ”は見えていた。
 二枚貝のようにぴったりと閉じられた薫の陰唇が、ゆるゆるとほぐれ、開き、
そこから“とろり”と透明な蜜が肛門へと垂れ落ちていったのが。
 かけられた体温残る精液の温かさと、立ち昇る匂いに、薫のオンナの肉体が
反応しているのだ。
『……なんだよ。まるっきりただのオンナじゃねーか』
 正直、薫が元々は正真正銘の、産まれた時からの男だと言われても、まだ谷
崎にはピンと来なかった。
 『リヴァース・プロジェクト』という国際的な医療臨床実験の名前は聞いた
事があるし、薫がその被験者であるという噂も聞いた事があった。
 だが、どこか半信半疑でもあったのだ。
 男が女になる。
 それも、単純な部分的肉体改造ではなく、遺伝子構造からの性転換。
 それはこの現代においても、まだ理論すら確立されていない、未知の技術で
はなかったか。
 その生きた臨床例が目の前で普通に女の子をやっているという事実は、にわ
かに信じられるものではない。
「……もう…やめ……」
 蚊の啼くような小さな声で抗議する薫は、どこからどう見ても女で、だから
こそ自分達はその体を欲している。
 自分達の、男の体がそれを欲している。

491:【僕オマエ】
08/05/31 21:44:48 QMr/BTCe
 薫の、女の肉体を。
 今はただそれだけが真実だった。
「んおっ……」
「やっ…あぁ……」
 派手に飛んだ谷崎の精液は、震える豊満なおっぱいと、可愛らしい薫の頬を
汚し、そしてとうとう薫の目元から涙が一滴零れ落ちた。



---------------------------------------------------------------------
 以上です。

 今回もめちゃくちゃ大量&連続投下でした。

 女性化が済み、ある程度月日が経った「少年少女」は、普通の女となんら変
わらない。

 そういうジレンマにハマってます。

 男であった意味。
 「強制女性化」という枠。

 難しいです。

 またしばらく伏せます。
 もしよろしければ、気長に御待ち頂けたら幸いです。

492:名無しさん@ピンキー
08/05/31 21:47:53 45N/rBRi
投下乙です

493:名無しさん@ピンキー
08/05/31 21:50:10 ENsnvdF7
GJ!
次の投稿では明るいエロになるよう願っております。
気長に待ってますよー

494:名無しさん@ピンキー
08/05/31 22:03:08 2lshVpyC
GJ!

495:名無しさん@ピンキー
08/05/31 22:40:08 gFhO1tmM
おつかれっす!


496:名無しさん@ピンキー
08/06/01 19:50:35 e6MnWaed
すっげーいい感じだなw
このままじっくりいってほしい

497:名無しさん@ピンキー
08/06/01 22:33:21 sA9CQpdC
(;´Д`)y━・~~~

498:名無しさん@ピンキー
08/06/02 18:13:19 YN6Q0CgJ
ここ二週間のToLoveるがやばかった件についてなんだが

499:名無しさん@ピンキー
08/06/02 20:23:00 ZxxFk/NB
>>498
うpしてくれないとわからないんだけどおわかり?

500:名無しさん@ピンキー
08/06/02 20:53:40 T38Hx4uP
あのままの路線で続ければよかったに
糞が

501:名無しさん@ピンキー
08/06/02 20:57:49 v5VziKYN
アンケートで50万くらい>>500と同意見がでたら、
後遺症で変身体質になってしまうかもな

502:名無しさん@ピンキー
08/06/02 21:16:29 MIif/Ka4
変わりっぱなしじゃ鮮度が落ちるから
あのお嬢が落ち込んでなぐさめる為とか
なんやかやで年一ペースで数回やる方が新鮮でいいぞ

503:名無しさん@ピンキー
08/06/02 21:39:57 QA4q4Uj8
毎月第三週だけなるとかなw

504:名無しさん@ピンキー
08/06/02 23:17:53 BS88KWUx
>>500
それは間違ってる。
どっちで行っても糞だ。

505:名無しさん@ピンキー
08/06/02 23:18:47 BS88KWUx
すまん、誤爆した。

506:Zh-nS
08/06/04 20:29:09 4M2rCXQd
久しぶりの書き込みとなります。
前回の書き込みからかなり間が空いてしまいましたが、
6月に入ってようやく、まとまった分を投下できる状態になってきました。
長らくお待たせしてしまい、大変申し訳ありません。


明日の夕方までには続きを投下させて頂く予定ですので、
その旨よろしくお願いします。

507:Zh-nS
08/06/05 18:15:07 mOndSymA
少し、いや大分遅くなりましたが、Part-4の続きを投下させていただきます。
今回は色々あってえちぃシーンは皆無ですが、その点についてはご了承ください。
それでは、どうぞ。

508:AfteR Part-4
08/06/05 18:16:09 mOndSymA

 ご飯に味噌汁、野菜炒めに目玉焼き。
 ちゃぶ台の上に、俺と透矢で作った料理が並ぶ。
「いやぁ、まさかこんな日にみゆの作ったメシを食えるとは思わなかったな」
「別にそんなご大層なもんじゃねぇぞ」
「いいのいいの。みゆが作ってくれたってだけで、価値があるんだからさ」
 その言葉に、思わず胸が熱くなってしまう。
 今朝透矢と出くわしてから、何度となくこんな思いに悩まされてる気がする。
 人の気も知らないでと、思わず目の前の彼を恨みたくなってくる。
 でも、それとは逆に、もっとそんな言葉をかけてもらいたいという気持ちも少なからずあった。
―ホントに、どうしちまったんだろうなぁ俺……。
 そんな具合で一人思案していた俺の耳に、透矢の声が飛び込んでくる。
「みゆ?早くしないと冷めちまうぞ?」
「ん?あ、あぁ……」
「んじゃ、いただきます」
 言うより早く、透矢の箸が野菜炒めの皿へと伸びる。
 ご飯と一緒に野菜炒めを頬張った瞬間、その表情が一際明るくなったのが見て取れた。
「むぅ~……やっぱりみゆの作った料理は最高だよなぁ」
「また大げさなこと言うなよ。そんな事、姉ちゃんに知れても知らないぞ」
「ん?だって雪乃ちゃんに料理教えたのってみゆじゃん」
「……そんな覚え、ないから」
 確かに、姉ちゃんの料理を手伝ったりとか、そういう事はたまにある。
 もちろん教える程上手いとは思ってないし、教えたつもりもないけれど。
 とは言うものの。
 目の前で、ご満悦といった面持ちでメシを掻き込む透矢の姿からは、
彼が心からそう思っているのが伝わってくる。
 もちろん作った者として、そんな反応を見せてくれるのは―やっぱりうれしい。

「どうしたんだよみゆ?何かニヤニヤしちゃってさ」
「別に、なんでもないって」
 だからこそ、こぼれてくる笑みを止められる筈がなかった。


509:AfteR Part-4
08/06/05 18:17:04 mOndSymA

「ところでさ」
「ん?」
 こんな調子で透矢が切り出してきたのは、丁度俺が味噌汁を啜っている時だった。
「女の子でいるのって、やっぱ大変だろ」
「まぁ……大変っちゃ大変、かも」
 お椀に残っていた味噌汁を空けながら、この十日間の事を改めて振り返る。
「服着るの一つとっても色々面倒な事多いし、前に比べて体力落ちちまってるし、それに…」
「麻里紗ちゃんとどう付き合ってくか、だろ」
「……なんで分かった」
「もう何年、みゆの友達やってきたと思ってんだよ?それくらい、顔見りゃ分かるって」
 何年、という言葉じゃ済まないだろう。
 もう物心ついた頃から、俺と姉ちゃんと―そして透矢は一緒にいた気がする。
だからと言うわけじゃないけど、お互い言葉を交わさなくても、大抵の事は分かるって事なのかも知れない。
 とはいえ俺の方はと言えば、この年になってもまだ透矢の考えてる事の半分も分からないけれど。
「……やっぱりさ、今までのようには行かないなって思うところはあるんだよな。
 流石にこのなりで、彼氏として通るわけないし」
「おいおい、他にもあるだろ、他にも。誤魔化そうったって、そうはいかねっから」
「他って言うけどな…一体何があるっての?」
「あたしと満幸の立場が逆になってる気がする、でしょ?」
「あぁ、そう言えば………って?」
 おかしい。
 本来なら聞こえてくる筈のない声がなぜ、こんな所で聞こえてくるのだろう。
訝る俺が振り向いたその先に、信じられないものを目にしたのはそんな時だった。


510:AfteR Part-4
08/06/05 18:17:47 mOndSymA

 半分ほど開かれたふすまの向こう。
 そこから顔だけを出すようにして、麻里紗が部屋の中を覗き込んでいた。
「あ…れ……麻里紗?」
「あ、麻里紗ちゃん来てたんだ」
「桂木くんどうも♪」
 普段と何ら変わらない、可憐な笑顔が透矢へと向けられる。
 が、それも一瞬の事。
 すぐに俺の方に向けられたその顔には、とてもとても不機嫌だとでも言いたげな、
そんな思いが色濃く表れてるように見えた。
「どこで油売ってるのかなぁって思ったら、こんなとこまで行ってたなんて」
「何ていうか…色々あって……」
「まぁそれはどうでもいいんだけど、満幸大事なこと…忘れてない?」
 一段とトーンを落として問い掛けてくる麻里紗。
 その腹がきゅぅと小さく、場違いなまでにかわいらしい音を響かせる。
「大事な……こと?」
「朝ごはんの当番。やっぱり忘れてる」
「あ……!?」
 やっちまった。
 今週は俺が朝飯作るって決め合っていたのに、なんでそんな大事なことを忘れてたんだろう。
 そんな俺の心を知ってか知らずか、麻里紗の皮肉めいた言葉が追い討ちをかけてくる。
「あ、でも忘れてたわけじゃないよね。桂木くんにはちゃんと作ってたわけだし」
「別にそんなつもりじゃ……」
「そうそう、作ってくれって頼んだのは俺の方だし、それにみゆはてつだ…」
 助け舟を出そうとした透矢のその言葉は、麻里紗の一睨みの前には無力に等しかった。
 蛇に睨まれた何とやら、といったところだろうか。
「……ホントに…ごめん」
 こういう時の麻里紗には、言い訳なんて通じる訳もなくて。
だからただ、謝るしかないのだ。
 むくれ顔の麻里紗へと手を合わせつつ、謝り続ける事しばし。
 その間不機嫌そうな表情を崩さなかった麻里紗が、一転して満面の笑み俺に向けてくる。
「じゃ、目玉焼きもう一個追加ね」
「ここで……食べてくの?」
「他にどこで?」
「……分かったから、そうやってにらむのもう止めてって」
 力なく呟きながら、俺は再び台所へと向かう。
 期待に胸を膨らませる麻里紗の視線と、ご愁傷さまとでも言いたげな透矢の視線とを、
その背中に感じながら。


511:AfteR Part-4
08/06/05 18:18:20 mOndSymA

 小さな茶碗と茶色い箸がコトリと、ちゃぶ台の上に置かれる。
「ごちそうさま」
 満ち足りた様子を見せる麻里紗の姿から、先程の不機嫌さは全く窺えない。
「相変わらず沢山食べるよね、麻里紗ちゃんって」
「腹が減っては道草出来ぬ、って言うでしょ」
 それを言うなら腹は減っては戦は出来ぬ、と言いかけたところで俺は思い留まった。
 こういう妙な間違い、今に始まったわけではないのだから―と思い至って。
「ところで満幸……さっきから顔赤いけどどうしたの?」
「ん、そうなの?」
「うん。まるでゆでだこみたいに。桂木君もそう思うよね?」
「そう言われてみれば……熱でもあるのか、みゆ?」
「んな訳ないだろ」
 そう言いながらも、さっきから身体は微妙に熱を帯び続けていて。
 その熱が引く気配は、今のところ感じられずにいた。
 とりあえず熱を帯びた身体を冷ます意味合いも込めて、麦茶を勢いよく飲み干す。
もっとも、この時にはもうぬるくなっていて殆ど意味はなかったけれど。
「またさっきみたいにぶっ倒れるのもアレだし、とりあえず横になったらどうだ?」
「だから平気だって……」
 本当に心配性だなと、軽くうんざりしながら応えるのと時を同じくして、
突然麻里紗が閃いたように声を上げた。
「あぁ……なんか分かっちゃったかも!」
「……はい?」
「分かっちゃったって……何が?」
 呆気に取られる俺と透矢に、麻里紗は得意満面な様子で応えてくる。
「決まってるでしょ、満幸の顔が真っ赤な理由」
「……で、何なのその理由って」
 あまりに得意満面なその様子に一抹の不安を覚えつつも、その゛理由゛を聞かずにはいられなかった。
聞かなければいいと、心の片隅では思いながらも。
「桂木くんが目の前にいるからだよね?」
「……え?」
 この数秒間のうちに、俺の表情は目まぐるしい変化を見せたに違いない。
 突拍子もないその言葉に表情が凍り付いたかと思えば、次の瞬間にはもう、
それを解かす程に紅潮していくのが感じ取れる。
 とにかく、それぐらい俺に衝撃を与えた一言である事は確かだった。
「みゆ、それってホントなん?」
「ば……馬鹿言うなよ!?」
「じゃあ違うの?」
「当たり前だろ!って言うか……なんでそんな結論になるんだよ?」
「だって、満幸ったらさっきから桂木くんのことばっかり見てるじゃん」
 そんな訳……と思っているうちに、麻里紗の次の言葉が耳に入ってくる。
「自分じゃ気付かなかったかもしれないけど、他の人から見たらと~っても分かりやすいんだから」
 にこやかに語り続ける麻里紗を他所に、俺の顔からは再び血の気が引いていくのが感じ取れた。
―そんな……そんなのって………。
 誤解のないように言えば、俺だってその事に気づいていなかった訳ではなかった。
どちらかと言えば―気づかないように努めていたと言った方が正しいかも知れない。
 けれど今の麻里紗の一言は、俺が透矢の事を意識しているという事をハッキリと認識させるものだった。
 それも同性としてではなく、異性として意識しているという事を。


512:AfteR Part-4
08/06/05 18:19:56 mOndSymA
 本当にショックだった。
 元々男だったからなのかも知れないけれど、こんな感情を抱くなんて―ありえないと思っていた。
 そこだけは、いくら女に変わっても揺るぐ事はない、そう信じていた。
現に今だって、麻里紗の事を変わらずに好きでいるのだから。
 けれどそれは大きな間違いだったのかも知れない。
 こんな内面まで変わっていて、しかもそれをこうして他人に指摘されるまで気がつかずにいる。
 その事実を前に、俺の心は完全に恐慌を来たしていた。
 そんな俺の胸中を知る由もなく、麻里紗の何気ない一言が止めを刺す。
「でもちょっと嫉妬しちゃうかも。いくら幼馴染って言ったって、満幸のこと取られちゃうって思うとなぁ」
 グサリと、音を立ててその言葉が心に突き刺さった気がする。
 俺はそんな事、本気で思ってるわけじゃないのに。
 麻里紗が好きだという気持ちに、変わりはないというのに。
 なのにそれを麻里紗に疑われてるような気がして、言いようのない悲しさに囚われてしまう。
「……なんで、そんなこと言うの?」
「ほぇ…?」
 俺の言葉に、一瞬麻里紗が戸惑ったような表情を見せる。
「なぁ…俺ってそんなヤツに見える?」
「ちょっと……満幸落ち着いてってば」
 落ち着いてられる訳がない。
 このままじゃ、本当に誤解されそうな―そんな焦燥感が俺の心を埋め尽くしていた。
 そんな感情に駆られてか、俺の言葉にも一層熱がこもっていく。
「麻里紗の事が一番好きなのに……お前を差し置いて透矢にドキドキするような……
 そんなヤツにみえ…」
 そこまで言いかけて、ふと俺は目の前の二人が目を丸くしているのに気が付いた。
 もうこれまでに何度も感じた嫌な予感が、俺の脳裏を掠める。
「ん?俺にドキドキしてるって……」
「どういうこと?」
 ……まただ。またやっちまった。
 何また自爆してるんだろう、俺って。
 今鏡が目の前にあったなら、多分幽霊よりも蒼ざめた俺の顔が映っているに違いない。


513:AfteR Part-4
08/06/05 18:20:53 mOndSymA

「いや……その…えっと……」
「あれ、冗談のつもりだったんだけど」
 相変わらずにこやかな麻里紗。そして右の方へ視線を移せば、
「ま、でもみゆが言ってるんだからホントの事なんだろうな」
 透矢も透矢で、悪戯っぽい笑みを浮かべているのが見てとれる。
「……いや…だから……違うんだってば………」
 さっきの激しい口調はすっかりなりを潜め、殆ど消え入りそうな声ばかりが口から漏れ出るばかりだ。
「だいじょぶだから。別にあたし、満幸が他の子にドキドキしてたって怒らないよ?」
「ホントに違うって……」
「あたしの事一番好きなんでしょ?それ忘れないでいてくれれば……それでいいんだからね♪」
 言いながら俺の頭を撫でてくる麻里紗。
「俺にドキドキしてくれるのは嬉しいけどさ、俺もう先約済みだしなぁ」
「え、そうなの桂木くん?」
「やだなぁ、雪乃ちゃんの事忘れないでって」
「あ、ごめんね」
「そういう訳だからさ、残念だったなみゆ」
 俺の頭をわしゃわしゃと、からかうような口振りを見せる透矢。 
 もう完全に、二人に遊ばれている状態だ。
 そんな二人を前に、俺はただ頭を抱える事しか出来なかった。
「んじゃ、そろそろ片付けちまおっか。いつまでもお膳出しっぱなしって訳にも行かないし」
「うん。ほら、満幸も手伝ってよね」
 頭を抱える俺を他所に、マイペース振りを見せる二人。
「……馬鹿」
 せめてものお返しにと、恨めしげな視線を二人に投げかけてやろうと目を向けたその時になって初めて、
透矢がどこか複雑な表情を浮かべているのに気がついた。
 普段はあまり垣間見る事のない、悲しさと寂しさが交じり合ったようなその表情に、
再び俺の心が掻き乱されていく。

―なんで……また?
 さっきあれだけショックを受け、その事実を強く否定していたのに。
 心のどこかが、それとは正反対な反応を見せている事に、俺は嫌悪を覚えずにはいられなかった。



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