強制女性化小説ない?Part34at EROPARO
強制女性化小説ない?Part34 - 暇つぶし2ch150:名無しさん@ピンキー
08/03/09 02:12:40 DGxmJz0e
>>146以外にも、
最大40行、2KBの制限とかもあり。
あと、荒らし対策で、
同じ記号が大量にあったり、
逆に改行が極端に少なかったりするのもダメらしい。

151:名無しさん@ピンキー
08/03/09 04:32:39 9voqwa2f
ちなみにここの現在の規制値は、サイズで4kb、行数で60行ね。
サイズは数えるときに改行が<br>に変換されたりして若干大きくなるので、
あまりぎりぎりにしないで余裕を持たせて3kbくらいにしておくといい。

152:名無しさん@ピンキー
08/03/09 06:19:39 KFJIXNy8
専ブラだと60行規制は分かるはず。
したらばだと実はもっといけるんだが、
大抵2chで60行まで書き込むと容量オーバーになるね。
目安としては1レス40行くらい。
40×40の原稿用紙にびっしりでなければ結構いけるもんだ。

153:名無しさん@ピンキー
08/03/09 16:10:21 r5ROaciP
ところでこのスレには漫画『ここはグリーンウッド』の
蓮川がパラレルワールドに行く回の話をできるかたは
いらっしゃいますか?

154:名無しさん@ピンキー
08/03/10 00:48:06 PKjRkYOP
チェリーウッドのことか?

155:263
08/03/10 00:56:14 QlKXbKh3
 今日は、俺の定めたルールによれば“要請”する日だった。
 14人目。最後のひとり。─キヨハルの番。

******

 朝に自分の席に着いたと思ったら、授業はすべて終わって放課後になっていた。
時間だけが飛ばされたみたいに自分の席で我に返る。その間のことはよく思い出せなかった。
昼食を食べたのかどうなのかすらあやしい。
 もう教室には俺のほかに誰もいなかった。長いこと放心していたようだ。
 胸が高鳴っていた。正直なところ、俺は極度に緊張していた。と同時にこの後
するであろうことに期待もしていた。期待すると胸の奥がむず痒くなり熱くもなった。
そんなにも俺はキヨハルのことが好きになったのだろうか。
 ポケットの中にある銀色のケースに手を触れる。この仕草もすっかり癖になってしまった。
決意を固めるように強く握り締める。
 まだなにもしてないうちから息が切れていた。呼吸がうまくいかない。
肺が酸素を受け取るのを拒否しているかのように息苦しい。

 ─そうか。俺は今からいつもやっている“要請”じゃなくて告白するのか。

 好きな人に好きと言う、それがこんなにも緊張するものだとは思わなかった。
昨日はあれから色々とイメージトレーニングをした。イメージの中の俺ははっきりと
キヨハルに思いを伝えることができたというのに、現実の俺は─こんなにも弱々しい。
 だが後には引けない。
 このまま明日に伸ばしたところで、今日を悶々と過ごすだけだ。
昨日は寝られなかった。好きだと自覚してたった1日でこうまでなってしまった。
また昨日のようなことになれば─俺は狂ってしまうかもしれない。
 一歩を踏み出す。大丈夫だ。そう自分に言い聞かせる。

******

156:263
08/03/10 00:58:17 QlKXbKh3
 キヨハルは校門を出てすぐのところで見つけた。ひとりで帰路についているところだった。
視界に後姿をおさめただけで鼓動がまた速くなる。ほとんどの生徒は下校したあとで周囲には誰もいない。
言うなら今しかないというタイミング。
 大きく息を吸う。こういうのは先手と勢いだ。面食らうかもしれないが……構うものか。
「なあキヨハル、ちょっといいか? あのな…………昨日の、ことなんだが─」
 息が詰まる。続きが言えない。一気に言ってしまわなければならないのに、口が動かない。動いてくれない。
「なんなんだよ!!」
「キ、キヨハル? どうしたん─」
 それ以上は口にできなかった。気圧されて。
 俺をみとめたキヨハルは見たことのないような形相だった。怒っている?
─いや、そもそも怒っているキヨハルなんて今まで一度も見たことがない。だがなんで怒っているんだ?
 俺はなにか怒らせるようなことをしたのか? その理由がわからない。
「どうしたと言いたいのはこっちだ! おれのことを振ったやつが、いまさら何しにきたんだよ!
 もういいんだよ。おれに構わないでくれ!」
 振った? ─そうか、昨日の俺のとった行動を振り返ると、あれは拒絶ととられても仕方ない。
だが違う。俺は本当のところでキヨハルを拒絶なんかしてない。
「そうじゃない。ただ俺は昨日のことで─」キヨハルのどこでもいい、掴もうと伸ばした俺の手は「だからもういいって言ってんだろ!」払いのけられた。
 手にしびれるような痛みを感じながらも今起こった事が信じられなかった。昨日好きだと言ってくれたのに、
なんで拒絶されなければならないんだろう。
 心にぽっかり穴があいたように感じられた。好きな人に明確に拒絶されると、こんなにも胸が痛く重く苦しい。
─これが昨日キヨハルが味わった感情なのか。
 だが負けていられない。今誤解を解いておかないと、松田のときのようになる。あんなことは二度とご免だった。
だから怯まないし、挫けない。
「聞いてくれ。……俺は、キヨハルのことを振ってない」
「ど、どういうことだよッ!?」
「昨日は返事をしなかっただろ? 俺はまだ「はい」も「いいえ」も言ってない」
「だからいまここで振ろうってのか? だったら同じじゃないか。……もういいんだよ、もう構わないでくれ。
おれは昨日のことは忘れる。だからおまえも─」

157:263
08/03/10 00:59:24 QlKXbKh3
「キヨハル!!」
 これ以上言い訳なんて聞きたくなかった。取り乱す姿を見たくなかった。
キヨハルの言葉を遮り、両手でキヨハルの激情に駆られた顔を固定し──キヨハルの唇に俺の唇を重ねた。
 背伸びしないと届かない身長差。だが、しっかりと繋がった。
「これが俺の、昨日の答えだ。……最後まで言わないとわからないか?」
 爪先立ちのまま、手はそのまま、驚きで見開かれたキヨハルの眼を強く見据える。
「俺も、キヨハルのことが好きなんだよ」
 たったこれだけのことを言うのに、ずいぶんと手間取ってしまった。だが、もういい。伝えたいことは伝えた。
「本気……なのか?」
「俺はもう女なんだ。女が男を好きになるのがおかしいか?」
「最初に告白したほうが言うのもなんだけどな、……もうおまえを親友としてじゃなくて、好きな女として見ることになるんだぞ。
それでもいいのか?」
「ああ、それでいいよ。俺─」

 いや、もう俺は“俺”じゃない。

「私もそうだから。私というひとりの女としてキヨハルっていうひとりの男を好きになったから」
 俺は“私”になることを選んだ。どの道を選んでも結果的にはこうなったかもしれない。ただ流されただけなのかもしれない。
だが胸のつかえが取れたように心はスッキリした。かつて特別授業と称して身につけさせられたこの女のような言葉遣いも、
元から使っていたように噛むこともなく、恥ずかしさもなく、ためらうことなく口にすることができた。
「私はTS法に基づかず、母体提供者としてでもなく、ひとりの女としてキヨハルに好きですと“要請”します」
 だからこの言葉には拘束力も強制力もない。
「それでも受け入れてくれる?」
「もちろんだ。おれはおまえのことが好きなんだからな」
 2度目のキスはキヨハルから。私は足の裏を全部つけて、キヨハルは背中を丸めて。
 このキスが恋人同士になった証のように思えた。

******

158:263
08/03/10 01:03:45 QlKXbKh3
 私はいつも保健室で“活動”していた。
 2人目からずっとそうだ。消毒液の匂いに心なしか精液特有の青臭さも混じっている気がする。
対策をとらずにこのままここでし続ければ、いつかはっきりと嗅ぎ取れるようになるかもしれない。
 横に4つ並ぶベッドのうち、一番奥が私にとっての“いつもの場所”だった。
 年季の入ったパイプベッドは腰掛けるだけでぎしぎし軋む。まず私が腰掛けキヨハルにも促すが、
キヨハルは立ち尽くしたまま動こうとしなかった。
 見上げたキヨハルの顔はさっきまでの気勢は見る影もなく、がちがちに緊張していた。その気持ちはわかる。
そう言う私もそうなのだ。これからすることを考えれば、身も硬くなる。
「本当に、い、いいのか? いきなりこんな、こんなこと……!」
 それなのに、キヨハルはさらに緊張を高めさせようとしてきた。意図してではないだろうが見事なまでに空気が読めてない。
こんなときこそ笑えないギャグでも披露してくれればそれなりに雰囲気も和らい──無理か。
 たった今想いが結ばれて、即こんな状況。お互いが望んだとはいえ、一足飛びが過ぎる気がしないでもない。
 だが、それもしょうがないことだ。お互いの合意があってこの場は成り立っているのだから。合意に至った経緯は
……正直口に出せるようなものじゃない。かいつまむと、告白のあと幾度となくキスを繰り返した結果ガマンできなくなった、
とそういうことだ。─自分たちのことながらあきれてしまう。
「はは、はじめるときには、き、きききキスもするんだろ?」
 さっきから両手の指にあまるほどしているというのに、まだキヨハルはキスを求めてきた。
 ……でもないか。
 こういったことを始める前にキスをするのは予定調和のようなものだ。はじまりの合図や宣誓みたいな。
「すると思う」
「タン……じゃない、舌は入れる?」
「…………入れてほしい」
 女の子になんてことを言わせるんだ─注意しようと口を開くと、そこにキヨハルの口が覆いかぶさり舌が侵入してきた。
まったくタイミングが悪い。だが、─悪くない。
 キヨハルの舌が口腔を貪るようにくまなくねぶり、私はそれをあるがままに受け入れる。
 思えば、私の唇を求めてくるようなクラスメイトはいなかった。皆例外なく首から下だけを求めていた。
キスの時間さえ惜しんで“下”に夢中になっていた。─私もだが。
「なあ、なんでおまえはおれのことを好きになったんだ?」
 口を離したと思ったら、またもやいいとはいえないタイミングでの質問。ただでさえテンパっているのに、
余計なことを考えさせなくてもいいだろうに。
 だがなんで私はキヨハルを好きになってしまったのだろう。気づけば一番に近くにいて、しかし空気で、
それが当たり前のようになっていただけだと思っていたのに。“事件”のあと慰めようとしてくれたことなのか、
それとももっと別のことなのか。……思い当たる節が漠然としすぎて、どれが直接の原因かわからない。下地が多すぎるのだ。
「ごめん、理由がありすぎるみたいでよくわからない……。そういうキヨハルはどうなの。どうして私を好きになったの?」
「うーん、そうだな……おれもいっぱい理由があってどれがどれだか」
「それじゃあ私と同じじゃない」
 二人して笑い合う。お互い緊張は完全に解けたようだった。災い転じてなんとやらだ。

159:263
08/03/10 01:06:12 QlKXbKh3
「じゃあ─するぞ?」
 キヨハルに押し倒される。緊張は解けても私の心臓までは落ち着いてくれなかった。激しい鼓動で今にも破裂しそうだった。
せっかく和らいだ身体も制服を脱がそうと手がかかっただけで、意味なく強張る。キヨハルを直視できない。
脱がされる自分を想像して─しかしそれは一向に実現しなかった。
「あれ? んー……えー……」
 お世辞にも脱がせることに慣れているとはいえない手つきだった。しかもいちいち私にうかがいを立ててくる。
「これどうやってはずんだ?」「先におれが脱いだほうが?」質問は多岐にわたった。
「もしかして、初めて?」
「…………恥ずかしながら。けどよ、みんな似たようなものだっただろ? 俺だけが童貞ってわけじゃ─!」
 そう言いながらも、脱がす手際はこれまでの誰よりも悪かった。口先はあれだけ滑らかなのに、指先はリンゴひとつむけそうにない。
 結局お互い各自に脱ぐことで合意した。せっかくのムードが音を立てて崩れたような気がする。
 一旦キヨハルは仕切られたカーテンから出て行った。カーテンの向こうでごそごそ音が聞こえる。
ただの衣擦れ音なのに耳をそばだてて聞き漏らさないように傾注してしまう。どきどきする。
男の着替えなんて自分のでさんざん見飽きたと思っていたのに、異性のそれだと思うと─
 いや、そんなことをやっている場合じゃない。私も急いで脱ぐ。ブラもショーツも脱いで、─急に恥ずかしくなった。
今までこんなことはなかった。薬で我を忘れていたせいかもしれない。しかし今は、今までに13人の男にみずから晒していた胸もあそこも隠したかった。
 急に自信が持てなくなったのだ。キヨハルが私の裸に魅力を感じなかったらどうしよう。
他の13人は喜んで飛びついてきたが、キヨハルが喜んでくれる保証はどこにもないのだから。
 待ちかねたようにカーテンが勢いよく引かれ、反射的に私は両手で胸を隠していた。
あそこはしょうがないので女の子座りで見えないようにする。
 そんな私の姿にキヨハルは絶句していた。なにか言いたそうに口がぱくぱく動いていたが、
なにも言わず─抱きしめられた。体が潰れてしまいそうなほど強く。
「き、キヨハル?」
「ごめん、すっごくかわいかったからさ。……思わず手が出た」
 キヨハルの体温を感じる。キヨハルの息遣いが聞こえる。キヨハルが私に触れている─
 薬を飲まなくても身体が疼いていた。さっきの不安はあっけなく消し飛び、目の前の男を、キヨハルを欲しがっていた。
いや、キヨハルだからこそ欲しい。薬なんかに頼らず、初めて自分の意志で、男と─キヨハルとしてみたい、

そう思った。

160:263
08/03/10 01:14:46 QlKXbKh3
ということで今回は以上です。

ご推察通り、最初に改行を入れていたのがまずかったようです。
これは恥ずかしい…

161:名無しさん@ピンキー
08/03/10 22:52:48 beIwgLI0
本当にそうだな

162:名無しさん@ピンキー
08/03/11 01:24:20 eFCgeY77
GJ!
妊娠系のネタは結構好きなので、最後まで期待してますw

163:名無しさん@ピンキー
08/03/11 09:52:25 WYe8Ysw6
263氏GJ!
WKTKしながら続きをお待ちしております

164:名無しさん@ピンキー
08/03/11 22:21:24 NsPst2iw
マンセー!!キモ!!

165:名無しさん@ピンキー
08/03/12 02:46:42 7CbZypps
263氏戻ってきてるー
うっほうっほ。気になるところで留めますね。

166:名無しさん@ピンキー
08/03/13 20:24:32 6ZzpuHh7
初めて書いてみました。URLリンク(ncode.syosetu.com)
勿論TS小説です、評価してください。良かったらスレにオリ投下します。悪かったら修行してきます、よろしくお願いします。

167:名無しさん@ピンキー
08/03/13 22:35:57 GmIkdXb8
悪くは無いけど、普通女の子(外見上だけれども)が体調不良になったら
女子保険委員なり、それに準ずる子が付いていくと思うんだけど。

168:名無しさん@ピンキー
08/03/14 00:01:32 ElAcrPtq
>>166
ハッキリ言う
良かろうが悪かろうが投下してください (・∀・ )っ/凵⌒☆

169:名無しさん@ピンキー
08/03/14 00:15:37 bJul4bHz
166ですが、お二人方ご意見ありがとうございます。
小説書く事自体初めてでしたのですみません。
とりあえずちょっと修行して、今日の夕方からでも試し投下してみたいと思います。
このスレを盛り上げるため頑張りたいと思います。

170:名無しさん@ピンキー
08/03/14 05:57:36 1oGFZHkO
とりあえずぐっちゃぐちゃにヤられる展開を所望しておこう・・・

171:コロコロン
08/03/14 16:41:08 bJul4bHz
6時半頃にちょっと短編ですが試し投下させてもらいます。
よろしくお願いします。

172:コロコロン
08/03/14 18:51:09 bJul4bHz
とりあえず投下。
―のえる君の不思議な1日―
…僕の名前は桃井のえる名前がひらがなって以外はどこにでもいる高校生。…ちなみに男だよ、顔は悪くは無いと思う。自分で言うのもなんなんだけど、とりあえず着替えようかな…
「あれ?」
おかしい、置いてある制服が女子用の制服だ…
何かというよりおかしすぎる。
とりあえず母さんに聞こう。
「母さーん、何で僕の部屋に女子の制服が置いてあるの?」
―パタパタ
母さんが僕の部屋に向かってくる。
―ガチャッ
僕の部屋のドアが開き母さんが顔を出す。
僕は母さんに聞いた、
「何これ?僕の制服は?僕、男だよ?」
制服に指を差しながら母さんに言う。
「??何を言っているの、のえる?あなたは女の子じゃない?」

173:コロコロン
08/03/14 19:20:58 bJul4bHz
「へっ?」
僕は自分の身体を見てみる、よく見ると確かにいつもの僕とは比べものにならないぐらい華奢だ。鏡を覗いてみると……

…女の子だ。
しかも可愛い。
あれ、僕はなんで……おかしいな夢かな?
ギュッと頬をつねってみる、
「いたっ!」
「何してるの、のえるちゃん!?」
母さんが僕を心配する。つねった頬が赤くなってる、夢じゃないみたいだ。
「もう…早く着替えなさい、ご飯できてるから」 そう言って、母さんは僕の部屋を出て行った。

とりあえず着替える事にした、スウェットの上を脱ぐとしっかりした女性の胸があった。
しかもちゃんとブラをつけてあった。
「……うーん」
下も脱いでみると、穿いているのはトランクスじゃなく女物の可愛い下着だった。
「はははっ……夢であって欲しい」
僕は思わず一人言を言ってしまっていた。
としあえず、Yシャツを急いで羽織りボタン一つずつ、つけていく。
スカート…なんか抵抗あるなぁ、まぁ今更だけど。
なんだかんだで、スカートを上手くはきおえたがそれにしても…なんかスカートって足下がスースする…
そんな不思議な感触を味わいながら、ご飯が待つリビングに向かった。

母さん特製の豚カツとそれに生姜焼きが……って随分と朝から油っ濃い料理だなぁ。
………………
…やはり食べると結構胃にきたが、のんびりしてたら学校に遅れるので「行ってきまーす」と母さんに言って、僕は家を飛び出た。

174:名無しさん@ピンキー
08/03/14 19:45:40 9jloghaS
・+     ・ l /,         ヽ ・|*゚ + |
゚ |i    | + / i |ー|-|i | i l . i | |!     |
o。!    |! ゚o !|{ヽ{`━' |i iト、 l |   | *  ゚ |
  。*゚  l ・ ゚ |ソ_` "" リ!ノ /|  |o  ゚。・ ゚
 *o゚ |!   | 。 ヽ=-   ノi| {  +   *|
。 | ・   o  ゚l  ゚+ ` イ  jハ l  *゚・ +゚ ||
 |o   |・゚ ,.‐- .._ -‐}!    ヽ!  |  ゚   |
* ゚  l| /    、  i  }  \   o.+ | ・
 |l + ゚o i     ` -、{! /_   \  ○・ |o゚
 o○ |  | ヽ.     ヾ´    ̄  `ヽ  *。

175:コロコロン
08/03/14 19:49:14 bJul4bHz
学校に向かう途中、小学校からの親友、山田太一に会った。
「おはよー、太一」
「おはよう、のえる」
普通に挨拶をかわした。…そうだ太一ならもしかして男だった僕を、「なぁ、太一僕ってさぁ…男だったよね?
小学の時とかさ、中学の時とか?」
「はぁ?なに言ってんだよ、昔からのえるは女だったぞ。なに言ってんの?病気か?」
全然ダメだった…僕だけなのかな男だった僕を覚えているのは…
「それに、お前か男だったら…俺はお前の事…」 なんか太一が一人でつぶやいている。
まぁ、仕方ない。
「とりあえず、太一学校行こうぜ。」
僕は太一と学校に向かう。

―昼休み
やっぱりクラスの人達にも教師にも僕は昔から、女の子として見られていた。
まぁ…悲しいけどね。

―放課後
暇つぶしに、太一と一緒に僕は家の近くの公園にいた。
なんだか、太一が男の時の僕を見る目と違う。それに胸に視線がいってるような気がする。
「んっ?太一、なんか僕の胸になんかついてるのか?」
「……」
太一は何も言わない。
「なんかついてるなら取ってくれよ、めんどくさいから。」
「…いいのか?」
「いいに決まってるじゃん、おかしな事聞くなぁ早くしてくれよ」
「…いいんだな、…誘ってるんだな…」
「んっ?」
何か変だ?…………そういえば僕女の子だったんだ。胸を……
と考えた瞬間、太一が飛びかかってきた!
「うわっ!ちょっと待てよ太一!」
「今更、何言ってんだよ!昔から、ずっと好きだったんだ、のえる!」
太一に告白されてしまった。…おいおい

176:コロコロン
08/03/14 19:53:39 bJul4bHz
ちょっとご飯に致します。
かなり自分視点のSSでしたが大丈夫でしたらご飯の後、続きを書きます。ダメでしたら修行してきます。

177:名無しさん@ピンキー
08/03/14 20:18:59 nBmL3U4g
初投下乙でした。
若干読みにくい箇所も有ったが、良い意味で何か気になる作品。
謎の部分は果たしてどうなるのか…楽しみにしてます

178:コロコロン
08/03/14 21:20:04 bJul4bHz
読み返してみたら確かに読みにくかったです。
すいません、とりあえず続き。

太一は勢いよく、のえるの着てるワイシャツを脱がす。
『ちょっとなぁ、おいっ!太一、話しを…んっ!?』
…太一にキスされた。
男の親友に…でも今の俺の身体は女…
『んっ…んっ…ちゅっ…』
なんか不思議な感じだ。嫌なのに、嫌じゃない。
そのまま、のえるは太一の首に腕を回した。
『んっ…ちゅっ…レロ』ただのキスじゃない、お互いの舌と舌を絡めるディープキス。

…なっ、なんか興奮してきた。
―ちゅぱあ…
お互いの舌と舌を離した。
『なっ、なぁ太一…本当に俺の事好きなのか?』…なんで俺こんな事聞いてんだ?
『好きだよっ、大好きだよ!のえるは…俺の事は好きか?』
僕は正直に答える。
『好きだよ…その、僕は…友達としてだけど…ね』
また太一がキスをしてくる、今度は胸も一緒に触りながら。
『んっ…んっ…太一…胸は…ここだと誰かに見られる…』
だが、太一はのえるの言葉を無視してブラジャーを剥ぎ取る。
のえるの形のいい、乳房が姿を見せる。
『…他の奴なんて…関係ねえ!』
そのまま太一はのえるを押し倒し、剥き出しになったのえるの、2つの乳房を両手で甘く揺さぶり、その頂の乳首も軽く刺激をする。
『…んっ…やめっ…んっ』
…なんか身体が痺れてくる。

179:コロコロン
08/03/14 21:47:33 bJul4bHz
のえるの、乳首が隆起してきた。それを見て太一は、更に興奮して胸を今度は、乳首を集中的に責めてきた。

「のえる…乳首こんなに立ってコリコリだぞ、感じてるのか?」

「そんなこと…んっ…ちょっ……引っ張らないでくれっ…」
軽くのえるの身体が震える。
また、太一はキスをしてくる。キスをされる度に男だった事をのえるは忘れていく。
軽く夢見心地に入っていたのか、いつの間にかのえるのスカートは脱がされパンツの中に指を入れていた。
…あれ。
「濡れてるぜ、のえる」
「えっ…ぼく…んっ!」
太一の手が音を立ててのえるの膣をいじり回している。
―ぐちゅっ、ぐちゅっ!
完璧に濡れている…びしょ濡れと思える程に…
「んっ…あっ!…そこっ!…」
「ここがどうしたんだ?」太一は、のえるのクリトリスを弄りながらわざと聞く。
「しっ、痺れるんだ…んっなんかさ…気持ちいいかも…」

……ぼく、もう女でもいいや…気持ちいいし…なんか太一の事、本当に好きになってきたし…

また、キスをするネットリと優しく。

のえるの下着もまた、いつの間にか脱がされていた。太一も下を全部脱いでいた。

「のえる…」

…ぼくはなんだか太一のチンチンから目が離せなかった。だから言ったんだ。
「…太一のが、…欲しい…入れていいよ…のえるの中に…」
少しずつ僕は、女言葉になっていた。
そして、
「……入れるぞ」
「…うん」
太一のチンチンが僕の膣に……マンコに入ってきた。

180:コロコロン
08/03/14 22:10:39 bJul4bHz
「…んっ!」
ちょっと僕は痛かった、処女だもの…でも、
「大丈夫か?」
太一が心配してくれる…そして優しく動いてくれる。
「のえる、好きだ」
「ぼくも、太一の事好き…」
またキス…優しいキス
痛みが無くなる。

―ぐちゅっ、ずちゅっ!気付いたら膣から愛液が溢れてた。
「…んっ、なんか…あっ!気持ちぃぃ…」
「ほんとか!これはどうだ」
太一が腰を細かく動かしたり、急に大きくスライドさせたりしてくる。
「気持ちいい…壁がこすれて…すごい気持ちぃぃ…処女なのに、処女だったのに…太一」
なんでだろう、こんなにエッチに。
「…んっ…太一」
「なんだ?」
「中で…んっ…出して」
「中って!?……いいのか?」
「うん…中にいっぱい出してくれれはいけるんだ…だから」
何故か中出しならイケると確信めいたものがあった。
「子供できても…いいのか?」
「うん…子供作って…のえるの中に…いっぱい出して。妊娠させて…!」 ヤラシイ言葉がスラスラ出てくる。男だった僕がどんどん消えてく。
「いくぞ…」
太一の腰の動きが一段と激しくなる。
「んっ…壊して…のえるおっ!…んっ壊して…太一ので……んっんっ」
このタイミングだ。
「太一…のえるの中ぶちまけてぇぇ!!」
「いくぞっ!!出るっ!」…ピュッピュッビユッ!「太一のが出て…いっぱい…んっ…熱い……あぁぁあぁっっっ」
男だった僕が消えた。
…このまま女でもいいや…幸せだし

181:コロコロン
08/03/14 22:26:26 bJul4bHz
……いつのまにか僕は自分の部屋のベッドにいた。
…部屋の窓に誰かが立っている、近づいてくる。そして、
「気持ち良かったでしょ…また来るね、あなたの美味しかったから。」
そう言って消えてった。
……また来るか…
また僕は深い闇に包まれた。


…そして次の日
起きてみて鏡をみたら、男に戻っていた。

あの不思議な1日。

女になった自分の1日。
のえるは元の男に戻った、だけど日にちは戻っていない…1日が過ぎている。

またいつもの男であるのえるの1日が始まる。

もう一つ変わったものがある、それは……

不思議な1日がまた来る日をのえるが楽しみにしている事。

「また来るね」

―終わり。

以上です、結局夢落ちですいませーん。

182:名無しさん@ピンキー
08/03/14 22:31:09 q5hlCsxl
夢オチなのか(  ´・ω・)

でもGJ! 夢が夢じゃなくなって
現実と入り混じっていく続編を期待w

183:コロコロン
08/03/14 22:51:12 bJul4bHz
どうもありがとうございます。
ご飯食べながら考えて打ち込んだものなんですが、それでもお褒めの言葉ありがとうございます。単発予定だったんですが…続編考えてみます。では、また。

184:名無しさん@ピンキー
08/03/14 23:51:11 bHrZ9+PV
舌が肥えた連中ならともかく
なかなか良いんじゃない?

185:名無しさん@ピンキー
08/03/15 00:30:51 PErNuXYU
うむ、何か新鮮。
なんでだろう…原点っつうか、原初を見た気持ち。
短編でこういうのも良いですねぇ。


186:名無しさん@ピンキー
08/03/15 01:03:43 qBep6kJG
叙述が一人称だったり三人称だったり、つまり地の文で僕と書いたりのえると書いたりで、混乱しているのでどちらかに統一しましょう。

187:名無しさん@ピンキー
08/03/15 01:10:17 j23777XS
ところでスカトロTS小説まだですか?

188:名無しさん@ピンキー
08/03/16 05:23:14 KoQ0s2i1
そういう需要があるとは知らなかったな
TSなのにアナルだけとかでもええのんか

189:名無しさん@ピンキー
08/03/16 06:20:13 mN8dBJe+
アナルセックル程度ならともかく食糞になると流石に引く
スカを否定はしないが、あるなら投下前に
一言どの程度か書いといてくれるとありがたいかな

190:名無しさん@ピンキー
08/03/17 09:35:08 DnnLHp/H
元気がないですね。

191:名無しさん@ピンキー
08/03/17 09:42:35 4hmVy57K
スカは書き手も読み手も選ぶからねえ。
嫌いじゃないが。

192:名無しさん@ピンキー
08/03/17 21:35:58 a+D/TbIh
お前ら気持ち悪いレス付けんなよ
前前から思っていたけどそんなレス付けて楽しいか?
俺は俺のアイデンティティーを崩してまでそんなレスしたくはないね
のび太のような生活をしている野郎は外に出て太陽の光でも浴びて来いよw
けなしたけどお前らの才能には一目置いているんだぜ
つかう所について間違っているとは思っているがな
のんきに家にのさばってないで外で社会生活を満喫するべきだ
中々大変だが、中途半端なところで投げ出さずに最後までやりきってみな
にげずに働けばなにか見えてくるはずだぜ
小さくても仕事に大小は関係ないと思う
便利な事だけでなく不便な事も多いが頑張れば良い結果に繋がるはずだ
しっかり働いて親孝行もしてやれば親もきっと喜ぶぜ
ろくでもない生活を改善しろよ

193:名無しさん@ピンキー
08/03/17 21:41:34 FnivBazg





194:名無しさん@ピンキー
08/03/18 00:10:52 W5X3aQWL
なんか定期的にスカトロネタを振る香具師が来るけど、
それって夏場の台風みたいなものか?

195:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:35:41 +8Al5i5S
ちょっと投下してみます。
短編淫魔モノで、直接エロなしなんですが。

196:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:36:49 +8Al5i5S
「夢の中からコンニチワ。サキュバスです」
「はぁ、どうも」

目を覚ますと何か絶世の美女がいた。
いきなりの展開と背筋がむず痒くなるような涼やかな声に、俺は何となく間抜けな空返事を返してしまう。
そんな俺に頓着せず、目の前の淫魔を名乗る美女は、俺の前で屈むとなにやら両手を合わせた。

「いきなりで悪いのですが、いい夢見させてあげるので、ちょっとだけ精気吸わせてくれませんか?」

まるでクラスメートが掃除当番代わってくれと頼むような申し訳なさそうな顔と声色。
背中では漆黒の翼が所在無げに揺れていた。
それは目の前の銀髪蒼眼超絶クールビューティーには絶望的なまでに似合っていなかった。
だがまぁそんな俺の心象は置いといて、問われたのならば答えなければいけないだろう。

「……そりゃちょっとだけなら構わないけど。興味もあるし」

俺が了解の意を示すと、淫魔は何故か複雑そうな顔で溜息をついた。
元々、有無を言わさずに相手を篭絡してしまうのが彼女たちのやり方だと思っていたが、
自分から頼んでおいて嫌な顔をされるというのはちょっと納得がいかない。

「何でそんなに嫌そうな顔してるんだよ?」
「それは……私が……からですよ」

少々憮然として俺がそう聞くと、か細い声で淫魔は何やらつぶやいた。よく聞こえない。

「え? なんだって?」
「私が男だったからですよっ!」

その言葉を聞き、しばし吟味する。
そしてその意味するところを認識すると、俺は淫魔に向き直って満面の笑顔で告げた。

「 帰 れ 」


197:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:38:44 +8Al5i5S
目の前の淫魔のクールヴォイスにも負けない
絶対零度の声でそう告げると、淫魔は慌ててすがり付いてきた。

「あああ、待って、話を聞いてください。まだ目を醒まさないで!」

淫魔のその言葉でたった今気付いたが、ここは現実世界ではないようだ。
俺とオカマ淫魔以外には、俺が寝ていたベッドがあるだけで、周囲の景色もぼやけていた。
ともあれ、俺は今一度淫魔に向き直ってドきっぱりと告げる。

「悪いが俺にその手の趣味は無い」
「違います、今は完全に女なんです!」

クールな声に似合わない必死な声。
今はと言う言葉が気になり、もう一度目の前の絶世の美女?を観察する。

「……まぁ、確かに見た目クールな絶世の美女だし間違っても男には見えないが」

俺のそんな感想を耳にした淫魔は複雑そうに微笑んだ。
そして何やら身の上を語りだした。まぁ、聞くくらいは聞いてやってもいいだろう。
とりあえず俺が聞く態勢に入った事を悟ったのか、少々早口で淫魔は語る。

「どうも。実は私、数年ほど前にサキュバスに転生したっぽいんですが」
「はぁ」
「何の間違いか、普通に前世の記憶が残ってまして」

ああ、何となく合点がいった。

「……で、その前世が男だったと」

淫魔は我が意を得たりと頷いた。

「話が早くて助かります。ええ、当時数時間前までエロゲしていた記憶まで鮮明に。
 ……ああ、まだあのゲームCGコンプしてなかったのに!」
「あー、大体把握した」


198:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:40:10 +8Al5i5S
無理やり取り殺されることも覚悟していた俺は、内心で胸を撫で下ろした。
こいつは無害だ。

「そんな訳で私の主食は野郎の性欲な訳ですが」
「……まぁ、心中察するよ」

相手の身になって考えれば、恐らくは想像したくもない壮絶な話だと思う。
俺ごときでは想像する事すらかなわなかった。

「どうも。お察しの通り、私にしてみれば無人島に流されて食べ物がウ○コ味のカレーしか無いような状況でして」
「きっついなー」

何て的確で絶望的な表現だ。
前世の記憶なんぞが残ってしまったばかりに、彼女?のサキュバスとしての生活は、
命を取るか尊厳を取るかの、まさに究極の選択と化してしまったのだ。

「それで、どうしたんだ? それでももう数年もサキュバスやってるんだろ?」

さすがに同情しながらもとりあえず話を進めるために先を促すと、
淫魔はやにわに銀糸の髪を振り回しながら、ヤケクソ気味に叫んだ。

「ええ、そりゃ食べたさ、食べましたとも! 喰わなきゃ消滅するんだからしょうがねえだろ!」

どうやらトラウマに触れてしまったらしい。口調まで変わってしまっている。
何か段々気の毒になってきたので、優しく宥めすかしてやると、幸いすぐに正気を取り戻してくれた。

「……お見苦しい所を。でも私もギリギリまで妥協点を探したんですよ」
「妥協点とは?」

再び話を促す。

「はい、まず必要なだけしか食事をしないということと、
 女の子より可愛い男の子しかターゲットにしないという事です」


199:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:41:39 +8Al5i5S
その答えを聞いて、俺は完全に納得がいった。

「……あー、つまり」
「はい。私も汚れてしまったあの日から少しは吹っ切れて、様々なショタっ子を見てきましたが、
 貴方は間違いなく最上の素材です。はっきり言って二十年後でも余裕で歌舞伎町の―」
「目覚めてほしくなければ今すぐ黙れ」

如何に俺が、男子の役より女子の役が回って来るほうが圧倒的に多い、
完全超絶美少女顔の子役スターとはいえ、まったく気にしていない訳ではないのだ。
―ともあれ。

「つまりはそれが現在○学●年生である俺の夢なんぞに出てきた理由か」

俺の絶対零度のジト目も気にせずに、淫魔はニコニコしている。うぜえ。

「はい。と言う訳でよろしいでしょうか?
 勿論吸い殺したりなんてしませんし……どーしても嫌なら、退散します」

淫魔の殊勝な言葉に、俺は溜息を一つついてから言った。

「さっきも言ったけど、正直そういう事に興味が無い訳じゃないし、
 人助けだと思えば別に構わないんだけど。外見だけは絶世の美女なんだし」
「本当ですか!?」
「ただ一つだけ問題が」
「? なんでしょう」

なかなか可愛らしく小首をかしげる淫魔に、俺はもう一つ溜息をつきながら告げた。

「俺、まだ精通始まってないんだよなぁ」

淫魔はその答えにしばらく固まっていたが、やがて苦笑した。

「……では、今夜が初体験ということで。大丈夫です。経験の浅い方の相手にも慣れてますし、
 ぶっちゃけ野郎なんて初めてだろうが何だろうが気持ち良いだけですよ」


200:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:43:16 +8Al5i5S
ふむ、良くは解らないがそういうものなのだろう。

「あんたのほうは本当に良いのか? ウ○コ味のカレーなんだろ?」
「……まぁ、認めたくはありませんが、これでもサキュバスですからねー、
 一度勢いに乗ってさえしまえば、割と平気です。という訳で―」

そして淫魔が微笑んだ。

「―よろしくお願いします」

それは。
さっきまでの道化た態度など、全てが擬態だと言わんばかりの、妖艶な笑みだった。





「……で、何で毎晩毎晩俺の夢に現れる」
「すいません、貴方の味がどうしても忘れられなくて……」
「毎日親にバレないように下着を洗濯するほうの身にもなってほしいんだが。
 大体、必要なだけしか食事しないんじゃなかったのか?」
「だって、しょうがないじゃないですか!! 
 生まれ変わってから初めて『食事』を美味しいと思ってしまったんですよ!?」
「……そりゃー光栄な事で。で、これから二十年後まで付きまとうつもりか?」
「お望みであるなら一生涯」
「……あんた、中身は男なんじゃなかったのか?」
「所詮はサキュバスだった、という事なのでしょうかね。
 それでも他の野郎どもを喰いたいとは少しも思いませんが。
 でも相手が貴女であるなら、例外中の例外です」
「何故か字面が激しく気になるんだが、まぁいいか。……俺が干からびない程度で頼むぞ?」
「はい♪」



END

201:名無しさん@ピンキー
08/03/18 10:39:37 VZDObRsS
ギャグマンガを読んだ気分になりました。

202:名無しさん@ピンキー
08/03/18 11:51:11 //e/k5eI
すれたガキだなーw

203:ふう@ピンキー
08/03/20 01:32:26 dazHR4DH
こんばんわ。
遅筆でなんですが、しぃちゃんの続きの投下します。
つかまだエロまでたどりつかねぇ。。

では短いですが、まったり投下。

204:大塚志乃
08/03/20 01:34:30 dazHR4DH
5時間目が始まるまでの僅かな時間、志乃まわりにはクラスメートの人だかりができ、
質問攻めの嵐だった。

「ねーねー、大塚くん。すごい久しぶりだね! 初めてみた時はびっくりしちゃったよ~。」
「はは。。 まあね。」
「なあ志乃。こんな風になってたなんて、おれらびっくりしたんだぜ!」
「うるせーよ。おれだって最初はすげー驚いたんだって!」

最近は女性のような柔らかい口調に慣れてきた志乃だったが、
昔の男友達に話しかけられると、つい昔のような口調で話してしまっていた。
女なのに男っぽい口調でしゃべること、または女のようなしとやかにしゃべること、
交互に現れるその相反するふたつの行動は、どちらをとっても小恥ずかしさがあった。

「そういえばさ、由衣ちゃんまだ具合よくならないの・・?」

一人のクラスメートの女子が、突然、由衣のことを尋ねてきた。

一瞬、言葉につまった志乃だが、
冷静に、言葉を選ぶように、

「うん。もう身体の方はいいんだけど、でもまだ調子が悪くて、退院はしたんだけどまだ親戚に家で療養しているんだ。」
「そう。。また早くあいたいな。。」

由衣は表向き、交通事故にあったということになっている。
由衣があのレイプ事件で身も心もずたずたにされたことは、この学校では志乃だけが知ることだった。

「・・でもさ、きっと具合がよくなったら、また登校してくるよ!大丈夫さきっと!」
「そうよね・・! あーお見舞いとかいきたいけど、親戚の家ってどこだろう~。遠いのかなー。」


205:大塚志乃
08/03/20 01:36:27 dazHR4DH
そうこう話しているうちに、一人の学友がとんでもない事を言い出してきた。

「なあ大塚。ずっと気になっていたんだが、それ、マジで本物なのか。。!?」

その男の視線は、志乃のブラウスの下から盛り上がる大きなふくらみを直視しており、
なんのことをさしているのかは一目瞭然だった。

「え・・!? あ、胸のことか?」
「ああそうだよ。マジででけーじゃん。やっぱ本物か?ちょっと触らせてくれよ!」

言うが早く、その男の手は志乃の胸に掴みかかろうとしたとき、
突然、その横から平手が飛び出し、その不埒な手を払い落とした。

「いてっ!!」

「バカ男子!! なに触ろうとしてんのよ!この変態!!」

横からすごい剣幕で出てきたのは、最初に志乃に声をかけてくれたクラスメート、
宮田遥だった。

「いてーな! 別にいいだろ!?大塚は男だったんだから、胸くらい触ったっていいじゃんか!」
「いいわけないでしょ! 大塚くんは女の子なんだから、そんなコト絶対ダメ!!」
「んなこと言ってもほかにも気になることあるんだよ!
 なあ大塚、オマエさ、そのスカートの中、女モンのパンツはいてんの?マジ??」
「な・・!? オマエなに言って・・。」

突然話をふられ、思わず言葉に詰まり顔を赤面する志乃。
それをみてさらに怒りの色をあらわにした遙はさらに怒鳴り始めた。
それに従うように、周りに女子も反発し始めた。
輪の中心にいる志乃は、思わず反応に困り、呆然とするだけだった。


206:大塚志乃
08/03/20 01:38:37 dazHR4DH
「うるせーよてめえら。もういいや。じゃあまたな、大塚。」

吐き捨てるように言うだけいって退散し、残った男子も徐々に散り始めていった。

そした遙は志乃の手を軽く握り、まるで言い聞かせるように喋りだす。

「大塚くんね、もう女の子なんだから、困った時は女の子同士、私たちになんでも相談してね。きっとよ!」

これが女の連帯感なのか、男たちが相容れぬ垣根なのか、
今自分が初めてそちら側に入ったとき、それをしみじみと感じてしまった。

(あ、今宮田と手を握っているよ。。)

こういう風に簡単にスキンシップがとれるのも女同士なんだよな、と志乃は思った。


その頃、教室のすみで、その姿をとおまきで眺めている男子グループがいた。
さっき、志乃の胸を触ろうとした大場と、その仲間たちだった。

「なんか大塚のやつ、すっかり女どもの仲間って感じか? なんか違う人になったみてー。」

愚痴るようにこぼすツレに対し、大場は視線を動かさないまま応えた。

「なあに。大塚は元々同じ男同士だったじゃねぇか。きっとまた仲良くやれるよ。。」


そしてまた大場のグループとは別に、
最初は一人輪の外から志乃の様子を伺っていて、そして今も遠目でみている男子が一人いた。

(大塚君。。君ならきっとボクと・・。)

その小柄な男子の目には、期待半分、不安半分が入り混じったものがあった。


207:ふう@ピンキー
08/03/20 01:40:39 dazHR4DH
短いですが、ここまでです。

とりあえずフラグはたった感じですww
でも伏線ばっかでエロまでなかなかいかねぇ。。

明日は休みなので、早めに続き書きたいです。


208:名無しさん@ピンキー
08/03/20 07:24:55 i00G45Er
>196-200
おお!おもすれぇ 
相手の設定にムリがあってもキャラ立で押し切れてるよw


209:名無しさん@ピンキー
08/03/20 08:16:44 cRJI3VP/
しぃちゃんの続き待ち望む人。

210:名無しさん@ピンキー
08/03/20 09:24:21 ajjyvnWC


211:ふう@ピンキー
08/03/21 00:35:32 KN8IBFq2
しぃちゃんの続きを投下します。

やべー、思ったりエロまでの道のりが長いww
今回もあまりえろくないです。←毎回いってんなこれ

212:大塚志乃3
08/03/21 00:36:44 KN8IBFq2
志乃は病院では暇を持て余していた。

特に病院でやることがなかった志乃は、なにげに勉強を自主的に行っていた。
女になったばかりでまだ女としての生活習慣がなく、
特になにかをしたい、というのがなかったのだ。
そのせいか、男の時とは別人のように勉強が出来るようになっていた。

5時間目の数学が始まり、数学の教師が試しに質問すると、難なく回答出来る志乃。

「なんだ大塚。積分法をつかったこんな計算ももう出来るのか。」
「はい。一応、やってました。」

周りからは感嘆の声があがる。
先生もまるで別人を相手にしてるような錯覚を起してしまう。

(やべ。いくら暇だからって、ちょっと先に進みすぎたか!?)

男子の頃はけして勉強が出来ないというわけではなかったが、学力は至って普通のレベルだった。
なぜかここにきて、勉学優良な女生徒、というヘンなイメージが出来てきてきそうになる。


213:大塚志乃3
08/03/21 00:37:53 KN8IBFq2
そして5時間目も終わり、志乃が急いで帰ろうとすると、帰り際に遙が声をかけてくる。

「ねえ大塚くん、帰り一緒に帰ろうよ! 同じ方向だしね!」
「ああ、そうだな。いいよ。でも宮田って、剣道部は?」
「だって3年でしょ。この前のインハイ予選でもう引退よぉ~。」
「ああそうだったんだ。てことは負けちゃったのか。。残念だったな。」
「うん。でも結構がんばった結果だし、仕方ないよ。でも、今でもたまには部活に顔だしているよ。」

遙は剣道部に所属していた。
格技場が、半分が畳、半分が板の間なので、剣道部と合気道部はよく同じ時間で稽古をすることが多かった。
遙は身長が155cmで、身長があるわけではないが、足腰のバネが強く、
遠間から一気に飛び込んでいく打ち込みを得意としていた。
志乃も男ときも遙とは結構仲がよく、刀捕りの練習相手としてよく打ち込んでもらったりしてた。

(そういえば部活の方はどうなったんだろ・・。引退はまだ先だったと思うけど、顔だしづらいなぁ。)

「ねぇねぇ、大塚くんもさ、また部活に顔だしたら?またあたしが練習相手になってあげるよ!」

などと考えていると、遙の方から部活に誘う言葉ができてきた。
考えていることをいきなり言われて、思わずうろたえる志乃。

「はは。。そうだな。そんときはまたよろしく頼むよ。」
「大塚くんって、あたしが打ち込んだ面をスルってかわしたと思うと、いつのまにか横に現れて、
 気がついたらうつ伏せに押し倒されているんだもん。結構びっくりするよあれって~。」
「でも、あんなの3回に1回ぐらいしかきまんないよ。ビニール刀でなかったら頭にこぶだらけだよ。」

剣道着姿の遙が思い起こされる。
長いストレートの髪を後ろにひとつで結わき、
紺の袴に身を包んだをその凛々しい姿が記憶の底から目に浮かびだす。

竹刀を構えたその姿に相対してみると、その眼力に大抵の男だったらたじろくほどだった。


214:大塚志乃3
08/03/21 00:39:40 KN8IBFq2
「ふふふ。そうね~。  ねぇ・・大塚くん。」
「ん? なに?」
「しぃちゃんって・・、名前の方で呼んでもいいかな??」
「ん? あぁ、別にいいよ。」
「ほんと? よかった!! じゃあこれからも仲良くしようね! しぃちゃん!!」
「あぁ。よろしくな。」

それは傍からみると普通の仲の良い、女学生二人組の会話だった。

「ところでしぃちゃんって、しゃべり方がたまに変るよね?
 なんか女の子ぽかったり、昔の感じでしゃべったり。。」
「んーまあな。一応、初対面の人とかにヘンに思われないように気をつけてしゃべってはいるけど、
 なんか昔の友達にあうと、やっぱり昔の感覚でしゃべっちゃうよ。照れくさいしな。。ははは。」

志乃は少し頬を赤らめて、口元が軽く緩む。

「そっかー。でもいいんじゃない?しゃべりやすい方で。」
「あぁ、宮田は気兼ねなくしゃべれて楽だよ。」
「あ、宮田じゃなくて、わたしも名前でよばれたいなぁ~。」
「ん?そうか? じゃあ、はるか。 遙でいい・・?」
「うん!!いいよ!っふふ~。」


そして楽しく話していると時間がたつのが早い。二人は分かれ道にさしかかったとき、
遙が少し前にかけだすとこちらを振り向き、

「じゃあしぃちゃん、また明日ね!」
「ん、じゃまたな。」
「あと明日は体育があるから、体操着忘れないでね。」
「あぁ、そういえばそうだったな。わかったよ。」
「バイバイ!」
「ああそれじゃ。」


215:大塚志乃3
08/03/21 00:40:45 KN8IBFq2
遙は大きく手を振ると、てけてけと自分の家路に向かって歩き出した。
そして志乃もそれを見送ったあと、自分の家に向かって少し早歩きで向かう。

徐々に歩く速度が増していき、志乃は駆け込むように自分の家に飛び込んだ。
そして制服のままトイレに駆け込み、急いでショーツをおろし、便座に腰かける。

ゆっくりと尿道の力を緩めると、志乃の陰部から小水が流れ始めた。

「はぁぁ、ちょっとやばかった。。いくら昼からきたとはいえ、漏れるかと思った。」

用をたし終えると、わずかに濡れている自分のあそこを軽く拭き取り、
そのまま立ち上がりゆっくりとショーツを履きなおす。

「ふう。。なんか女の身体って、これ我慢するのキツくなった気がするな。。
 でもさすがにまだ学校でする度胸は・・ない。」

志乃の新しい学校生活は、まだまだ前途多難を示していた。


216:ふう@ピンキー
08/03/21 00:44:31 KN8IBFq2
今回も短いですが、ここまでです。

ちなみに遙ちゃんは、最近はまっているドラマ「鹿男あをによし」で、
堀田イト役を演じている「多部未華子」をイメージして書いていますww
堀田も剣道部だしww


217:名無しさん@ピンキー
08/03/21 01:13:16 SbjfkJF7
投下乙です。
今回も期待して読ませていただきます

218:名無しさん@ピンキー
08/03/21 01:20:58 LAuzwHXJ
GJ!
続き待ってます

219:名無しさん@ピンキー
08/03/21 01:37:22 cMiSP8CX
しぃちゃんは俺がこのスレに常駐するきっかけになった作品なので
復活してくれて大変うれしい

220:名無しさん@ピンキー
08/03/22 03:06:35 ZjNxjIFe
少しずつ、みんなの力でこのスレに活気を取り戻そう!

221:コロコロン
08/03/23 19:23:13 qTFZLbF0
別サイトで長編を書いているのですが、ここの住人の方達に応援のお言葉などを頂きとても日々感謝しております。
質問なんですが、別サイトでの作品の外伝をこちらで書くのは皆様方的には大丈夫でしょうか?
無理でしたら、魔法系でも投下しようかと、このスレの少しでも力にでもなれればと思います。

222:名無しさん@ピンキー
08/03/23 21:28:55 bP+vawS5
どんどん投下してくれて結構。あっちもこっちも期待してますよ。

223:名無しさん@ピンキー
08/03/23 22:02:32 0ZhX1rtB
コロコロンさん投下してくれくれるのは嬉しいけど、いつもageないでsage進行でお願いします。

224:名無しさん@ピンキー
08/03/23 22:21:40 ZpUEg+ao
( ゚д゚ )

225:名無しさん@ピンキー
08/03/23 22:22:39 p5HN6Hzy
>>221
読んでやるからとりあえず投下してみろよ。

226:名無しさん@ピンキー
08/03/23 22:38:50 WsXVN0J8
とりあえずsageろよ

227:ふう@ピンキー
08/03/24 01:02:45 8Tr9d6xu
しぃちゃんの続き投下します。
短いのでなかなかエロに到達しませんがw

228:大塚志乃4
08/03/24 01:03:34 8Tr9d6xu
再び登校するようになってから二日目の朝を迎えた。
家をでる時間よりも1時間半は早起きをして、志乃は起きがけのシャワーを浴びている。
まだ朝の静かな空気の中で、志乃の家の1階ではシャワーの音だけが流れている。

元々志乃が育った実家の家には母親が戻ってくることになり、志乃も一人暮らしのアパートを引き払って戻ってきたのだ。
この前のアパートの時とは違い、静かの住宅地の中にある一戸建てのこの家は、
志乃と母親の二人で住むにはまだ少し広かった。

(はぁぁ。。気持ちいい・・・。なんでシャワーがこんなに気持ちいいんだろ・・。
 多少の早起きもあまり苦にならないなんてな。。)

去年の今頃だったら、学校があってもまだ寝ているような時間だが、
初夏に入ってからだんだん寝汗をかくようになり、朝起きるとまずシャワーを浴びる習慣が出来てしまった。
寝汗が気持ち悪い、というのもあるが、朝起きてから浴びるシャワーがとても気持ちよかったのだ。
どうも女になってから、お風呂やシャワーを浴びる行為がとても気持ちよく、心地よいものに感じるようになり、
湯船の時も少しぬるめのお湯に入り、ずいぶんと長湯するようになってしまった。


229:大塚志乃4
08/03/24 01:04:30 8Tr9d6xu
流れるシャワーのお湯が、肩から胸の谷間、おなかから足の方にと、絶えることなく流れていく。
肌をつたうお湯がすごく気持ちよい。
湯気を帯びた雫を全身に浴びていくと、志乃の身体のすみずみの細胞が段々と活性化していくのが感じる。
志乃は全身が目覚めてきたのを感じると、名残惜しむようにシャワーの栓を閉じて、
お風呂場を後にする。

脱衣所で身体を丹念に拭くと、その大きめのバスタオルで胸からおしりのあたりまでを覆い隠すように巻きつけてから、
脱衣所をでて自分の部屋に戻る。
これは少し前に風呂上りで、裸のままタオルを肩にかけただけの姿で廊下を歩いていたら、
ちょうどその姿を母親にみられてしまい、

「ちょっと志乃ちゃん! なんて格好で歩いているよ!だらしない!!」

と、一喝されてからは、家の中でもタオルをまいて歩くようになったのだ。

部屋に戻ると上半身がまるまる映る大きな鏡が置いてある。母親が買っておいてくれたものだ。
志乃はタオル一枚の姿のままその前に座ると、ドライヤーで髪を乾かしはじめる。
志乃の髪は結構長いため、時間をかけてじっくりと乾かすことになる。
女性になってから芽生えた羞恥心なのか、志乃は少し見た目を気にするようになってきて、
風呂上りはちゃんとドライヤーで丹念に髪を乾かすようになっていた。

時間をかけてゆっくりと乾かした髪は、さらさらで潤おしさをもった髪となり、
鏡の中に映る自分の姿をみて、志乃は少し誇らしげな気持ちになる。


230:大塚志乃4
08/03/24 01:05:40 8Tr9d6xu
鏡の前から立ち上がると身体にまいてあるバスタオルを外し、まだ濡れている部分をよく拭き取ると、
タンスからショーツとブラジャーを取り出す。

「えーと、パンツはこれでいいとして、今日は体育があったな。。スポーツブラにしとくか。。」

志乃はその一見小さくみえるショーツをはくと、それは股間からおしりまでぴったりフィットしている。
次に胸全体をしっかりと覆うようなスポーツブラをつけた。

「よしOK。激しく動いてもあまりゆれなくていい感じだな。」

続けて壁にかけてあるブラウスとスカートを着る。
もうブラウスの右前のボタンを特に違和感なくつけれるようになってきた。
灰色に赤のチェックが入ったスカートをはき、胸元に赤いリボンタイを軽くとめる。

鏡にの前でその姿を確認し、その着こなしに満足した志乃は、
下の部屋におりて朝食の支度を始める。
母親は家でSOHOのような仕事をしており、夜も遅いことがあって起きてくる時間が不規則であった。
なのでだいたい志乃はかってにパンを焼いて紅茶をいれ、一人で朝食をとることが多い。

「おっともうこんな時間か。早起きしてもちょっとのんびりし過ぎたかなー。」

志乃は時計に気づいて慌てて身支度をし、家を飛び出すように出て行った。


231:大塚志乃4
08/03/24 01:06:29 8Tr9d6xu
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「あ、大塚くんおはよー。」
「ああおはよ。」
「ちょっと美雪~! もう大塚さんだよね! おはよ!」
「はは。。 おはよー!」

教室につくと、クラスの女子たちが、顔があうたびに挨拶をしてくる。
男子の方は一人では声をかけてくるやつはあまりいなかった。
やはり女子の方が自然と馴染んでいくようである。
呼ばれ方も大塚くんから大塚さんに変ってきている。

そして遙もすでに教室にいて、志乃をみると声をかけてきた。

「しぃちゃんおはよー!」
「あ、えーと。遙、おはよ。」
「うん。ところで1時間目は体育だよ。ホームルームが終わったら、すぐに更衣室に移動だからね。」
「あ、そっか。更衣室ね。 うん。。わかった。」

更衣室ときいて、思わず言葉がつまりそうになる。
今まで男子の時は、女子がいなくなった教室で体操着に着替えていたが、
女子は更衣室を利用して着替えなくてはならない。

(おいおい・・。おれそこで着替えちゃっていいのか・・!?
 そもそも入ってもいいのか!?)

心の中で少し焦りを感じつつも、ホームルームはあっという間に終わり、
遙に連れられ更衣室に向かうことになった。


232:ふう@ピンキー
08/03/24 01:08:01 8Tr9d6xu
今回はここまでです。
あまり話が進んでませんがww

早くしぃちゃんを犯したいなww
遙ちゃんも一緒にでもww

233:名無しさん@ピンキー
08/03/24 05:46:27 wSHV53AA
巨乳ネタや母乳ネタでオススメおしえて誰か

234:コロコロン
08/03/24 06:37:35 tuZ3M+5c
皆様、sage入れてなくてすいません(´・ω・`)
どうかお許しを。
あと、ふうさんGJです!自分もとりあえず早めに投下します。

235:名無しさん@ピンキー
08/03/24 20:53:06 6OOF7/hI
>>232
乙~
濡れ場期待してます

236:名無しさん@ピンキー
08/03/25 00:48:24 bC77+u8e
しぃちゃん投下乙です

237:名無しさん@ピンキー
08/03/25 19:39:01 FMpeVetr
イマイチだったな。
期待していたほどでもない。

238:名無しさん@ピンキー
08/03/25 21:48:02 jqR9F2Vo
じゃあひとつすごいのを頼むぞ>237

239:名無しさん@ピンキー
08/03/26 15:03:55 kpbYC78y
まだ始まってもいねーよ

240:コロコロン
08/03/26 19:51:20 IpHfY9FC
とりあえず投下。
タイトル
-神様のいたずら-

僕の名前は、結城夏樹 《ゆうきなつき》
年17才でちょっと女っぽい名前だけど、れっきとした男だ。
身長も160と小さく顔もよく女の子に間違えられるけど、れっきとした男だ。
くどいようだけど僕は男だ、喧嘩はしないけど強い自信はある。
ボクシングをしててジムのプロの人のパンチも見える、一般の人には負ける気はしない、喧嘩はしないけど。
とりあえずここで自己紹介は終わり。
今、僕はジムでトレーニングし終わって帰り道を歩いている。
時間は9時を過ぎていて、おまけにこの辺りは街灯が少なくかなり道が暗い。
変出者が出るそうだが、僕には関係ない。
普段通り歩いていると、見るからに変わっている女の子が僕の前に現れた。
ヒラヒラしてる服を着てアニメとかに出てきそうな……そう、魔法少女ってやつの格好。
へーんなの…まぁ関わらない方がよさそうだな…と僕が思って通り過ぎようとすると、
「ちょっと待ってください」
と声を掛けられ引き留められた。

「あのー、何か僕に用?」関わりたくないんだけど無視するのも悪いから、とりあえず僕はその娘に何の用なのか聞いてみた。

241:神様のいたずら
08/03/26 19:54:58 IpHfY9FC
すると、
「あのですね、今日神様が間違えをしちゃったのであなたにお伝えにきました。」
「はあ……?」

全く意味の分からない事を言ってきた。
これは新手の宗教勧誘かな…?
そんな僕の考えをよそに、その子は話を続けてくる。
「えっと、神様が地上の皆様を眺めていたらあなたを見て…そのぉ、あなたは男の性ですよね?」

その言葉に、どっから見てもそうだろ!とは言わず、
「男だけど、どうしたの?」
と答えた。
女の子は困った顔をし、何か言いにくそうにしながら話してくる。
「あのー、実は神様の間違いというか、イタズラであなたには女の性が似合うという事で今日の日付変更から性別を変えてしまうという事をしてしまったのです」

なんという妄想をしてるんだろうか、この子は。とりあえずはっきり言ってやろう、そんな事が起こる訳がないと。
「僕が?…明日から女?冗談はよしてくれよ、初めてあった名前も知らない人に神様だなんだ言われても、ワケわかんないし…そんな事起こるワケがないだろ?」

242:神様のいたずら
08/03/26 20:00:24 IpHfY9FC
「可哀想な、夏樹さん」

あれ…?

「なんで君…初めて会ったのに、僕の名前知ってるの?」
僕が不思議に思っていると、目の前の子はにっこりと笑って、
「天界からいつも見てましたから♪」

……????…天界?…
「私、メリッサって言います♪あなたとか言わずに初めから夏樹さんって呼んでおけば良かったんですね♪」
……そんな問題じゃないんだけど、意味不明な話に言葉がでない。
メリッサって子はお構いなしに一人で喋り続ける。
「はぁー、その中性的なマスクに私ファンだったんですよー」
……要するに、天界とかワケがわからない事の前にはっきりわかった事があった。

このメリッサって子はストーカーって奴だ。

そう考えれば、僕の名前を会った事がないのに知っているのもうなずける。
だから僕はその子から走って逃げる事にした。
「あっ、ちょ、ちょっとー!?」
彼女の言葉を無視して、僕は全速力で自宅まで帰った。

243:コロコロン
08/03/26 20:03:51 IpHfY9FC
とりあえず今日はここまでです。
恐ろしく中途半端で女の子にさえもまだなってなくてすいません。

244:名無しさん@ピンキー
08/03/27 00:07:17 eWT4AbXD
せめて女体化するところまで書けてから、投下してくれよ…。

245:名無しさん@ピンキー
08/03/27 01:05:59 deNvf9fh
みんな御本をよんで文章を良く勉強しましょう

良い職人さんをお手本にしましょう

そうして自分のレベルを見極めてからssを書きましょう

246:名無しさん@ピンキー
08/03/27 01:28:49 ma+SH5KE
>>243
乙です。
できれば、もう少しまとまった量で投下してくださると。

247:コロコロン
08/03/27 21:29:43 toPihEYb
中途半端すぎと文章未熟で申し訳ないです。
次はもう少し投下量多めにして、文章見直ししてから続き投下します。
では、失礼します。

248:名無しさん@ピンキー
08/03/28 18:46:01 7XPeiSsg
URLリンク(tsadult.s7.x-beat.com)
ここに書き込もうとしたら、「長すぎる行があります」の嵐だったんで、こっちに投稿してみた
エロ分、少なめ

249:名無しさん@ピンキー
08/03/28 22:06:56 mWfRC5Uw
レスを分けて書き込めばいい

250:名無しさん@ピンキー
08/03/28 22:42:17 7XPeiSsg
>>249
いや……縦方向じゃなくて、横方向でのエラーだから……訂正するのが大変そうだから、諦めましたw

251:名無しさん@ピンキー
08/03/30 02:43:06 G0uo2K+H
最近mixiでネカマしてるんだけど、ネット上ではあるけど女として暮らしてたらますます女に生まれたい気持ちが大きくなった
ネカマ続けてたら、そのうち女性化とかしないかな?
そんなミラクルありえないけどww

この気持ちをSSに託します

252:名無しさん@ピンキー
08/03/30 02:43:48 G0uo2K+H
あ、ちなみにまだ書いてません
書けたら投稿するねw

253:名無しさん@ピンキー
08/03/30 09:17:35 42O1M4uL
>>251
つモロッコ

254:名無しさん@ピンキー
08/03/30 10:00:51 Gpy/xKPZ
今はタイ

モロッコなんて
カルーセルマキの時代だろw

255:名無しさん@ピンキー
08/03/31 17:29:55 GigUeBBl
でも○○ッコってなんかいいよね

256:名無しさん@ピンキー
08/04/01 02:58:26 d1F+6VDv
エロゲーだとこんな感じか

もぎたて☆もろっ娘!
~ムリヤリ女の子にされちゃいました~

257:名無しさん@ピンキー
08/04/03 10:31:11 eh+Xd6ZE
もぎ取られるのかw

258:名無しさん@ピンキー
08/04/03 19:15:18 aKTeGlwG
>>256
後の糸井重里である
コピーライターとタイトル考える人は明らかに別の人な気がするけど気にしない

259:名無しさん@ピンキー
08/04/04 02:10:33 1VswS+p2
主題歌は MOSAIC.WAV の電波なTSソングでお願いしたいね

260:名無しさん@ピンキー
08/04/04 22:20:23 tQ5Eideh
>>256
そのキャッチコピー、何か良いねw

261:名無しさん@ピンキー
08/04/05 13:16:48 pFje5RDm
うむ…何かあくまでもハイテンションなストーリーになりそなキガス。

262:名無しさん@ピンキー
08/04/05 14:41:07 GEaDwOfv
>>256
35歳独身の妖精が頭に浮かんで離れない

263:名無しさん@ピンキー
08/04/06 03:23:02 oJCcAiBD
>>256
そのタイトルでゲーム作って欲しいw

264:名無しさん@ピンキー
08/04/06 23:48:46 1y3D/1Ug
TSF支援所が無くなってるんだけどなんかあったの?

265:名無しさん@ピンキー
08/04/06 23:57:33 JY3j3upp
あるよ

266:名無しさん@ピンキー
08/04/07 07:32:17 MaBP43oM
>>264
アク禁食ってるんじゃないのか?ww

267:名無しさん@ピンキー
08/04/07 12:34:42 yn5K2jYn
>256
それはないな。と思ってスルーしてたが、そのくだらないセンスを賞賛するレスがあって驚いた。
世の中広いな。

268:名無しさん@ピンキー
08/04/07 21:40:12 +BTEpAyB
引っ越してから見れないからプロバイダ自体が弾かれてるのか?俺オワタ…

269:名無しさん@ピンキー
08/04/09 22:08:22 LulQ4qWC
ところでだね、過去スレで
男女どっちでも通用する名前ってどんなんがある?
ってな話題出たような覚えがあるんだが
誰かその時出た名前わかんないかな?
結構色々あったような気がするんだが
「まこと」くらいしか思い出せん

270:名無しさん@ピンキー
08/04/09 22:28:18 fvCHxMe3
それの思い出し出はないが、

じゅん、けい、あきら、ゆい、ひかる

とか、結構あると思うが

271:名無しさん@ピンキー
08/04/09 23:04:06 E49E9qDQ
過去ログ漁って来た。確かに思ってた以上にあるね。

あきら
あすか
いずみ
いつき
かおる
けい
さくや
しのぶ
じゅん
たつみ
ちひろ
とも
なつお
なるみ
ひかる
ひろみ
ますみ
まこと
みこと
みさき
みずき
みなと
みゆき
むつき
めぐむ
ゆう
ゆうき
よしみ
るい
れい

272:名無しさん@ピンキー
08/04/10 00:11:27 teRCjZA/
>>270
みきというのは考えたことがあるな


……ん? 前に書いたっけ? いや、未発表の奴だったか

273:名無しさん@ピンキー
08/04/10 08:10:41 AZquPCrV
「かなた」とか「こなた」とかいうと、らき☆すたかよ! とつっこまれそうですが

274:名無しさん@ピンキー
08/04/10 09:16:18 5OAjYedl
>273
「ゆたか」「みさお」なんてのはどうだねw
あとアニメには出てないが「ふゆき」とか。

275:名無しさん@ピンキー
08/04/10 17:30:40 m9Xs+8yU
職人さん達頑張れ。

276:名無しさん@ピンキー
08/04/10 18:23:48 cNintasV
「つばさ」とか「つかさ」も
それに「しずか」。いや、いるじゃない、政治家に

277:名無しさん@ピンキー
08/04/10 22:30:17 iaJcWvLc
男で「みゆき」ってありか?

あと、一時期「せな」は男女とも結構多かった。

278:名無しさん@ピンキー
08/04/10 23:43:04 xrNSudKs
深之という奴がいた

279:名無しさん@ピンキー
08/04/11 00:48:55 LRc5oLtx
>>277
>「せな」
なんかカーブを曲がりきれなくて衝突死しそうな名前だなw

280:名無しさん@ピンキー
08/04/11 00:56:46 ZpBX++bC
>>277
仮面ライダーで聞いた覚えはある

281:【僕オマエ】作者
08/04/11 02:48:36 QaHssxYU
 こんにちは。
 >54でちょっと顔出しましたが「強制女性化小説ない?Part30」以来です。
 そろそろ文章が溜まってきたのでぼちぼちと落として行きたいと思います。

 あんまりエロくないです。
 エロ回収のための下準備期間となります。

 NGワードは【僕オマエ】でお願いします。

【強制女性化】【レイプ】【強制破瓜】【童顔爆乳】

282:【僕オマエ】
08/04/11 02:50:09 QaHssxYU
■■「僕はオマエを許さない」~不本意な戸惑いと哀しみに~■■

■あらすじ■(前回までを忘れた方のために)
 少しだけ未来の話。
 人類は、知的異星生命体「フィルコス」の来訪により、様々な医療技術の革
新的進歩を迎えていた。
 そんな時、進行性の末期癌で絶望の淵にあった少年「香坂薫」は、先進国家
間プロジェクトの被験者として日本国内の余命幾ばくも無い重病患者リストか
ら政府により無作為に選出され、第一期計画候補への打診もたらされる。
 その世界規模の臨床実験である国際プロジェクトは『再生計画(リヴァース・
プロジェクト)』と呼ばれ、処置の施しようが無い重病患者の、病巣に犯され
ていない健康な脳髄を取り出し、健康な部位から取った遺伝情報を元に肉体を
再構成(クローンニング)して再び頭部へと移植するという、画期的なもので
あった。
 そして実験には、被験体20人の内、半数の10人がランダムに選ばれ、
「フィルコス」からもたらされた技術を転用する際に“染色体反転”されるこ
とも含まれていた。即ち、『男性(女性)体から取り出された脳を、「転体」
(女性または男性に遺伝的転位)した肉体に移植するとどうなるのか』という、
医療的性転位実験である。
 男が女になり、女が男になる。
 『手術により外見のみを整形する』従来の外科手術と違い、完全に性の異な
る肉体へと変化する。
 それは、性同一性障害を初めとする、人類を取り巻く様々な問題に対応し得
る、まさに画期的な医療実験であった。
 そうして薫は、16歳の9月に「オンナ」になったのである。
 やがて彼……いや『彼女』は、父の生家がある地方の片田舎で、「女の子」
として男女共学の高校に通う事となる。
 そこで出会う人々との生活、女として生きていく事への戸惑い、そして新た
な性となり初めての『恋』と『官能』に、薫の心と体は揺れ動く。
 男の脳と女の体。
 それは『彼女』に、一体何をもたらすのか……。

 女性化が進めば進むほど、難事件は増えてくる。
 たったひとつの真実に惑う、見た目は女、頭脳は男。
 その名はリバーサー(再生計画被験者)薫(カオル)。

 詳しくは過去ログ参照にて。

283:【僕オマエ】
08/04/11 02:51:43 QaHssxYU
「んくぅ…っ…はぁ…」
 思っただけで“きゅうん”と体が啼いた。
 首筋をゾクゾクとした甘い“疼き”が舐め、背筋を駆け下りて“ぬるり”と
したものがオンナの器官をじわじわと滑り降りてゆくのがわかった。
「んあっ……」
 肩を竦め、目を瞑り、体の中心を走り抜けた快美感をやり過ごすために、薫
は肩をすくめ、右手の人差し指を真珠のような歯で噛んだ。
 途端、近くを歩いていた中学生が顔を赤くして足早に通り過ぎ、隣の肉屋の
店先でコロッケを頬張っていた男子高校生が、まだ2口しか食べていないそれ
をアスファルトの上に落としたが、薫は体の中で吹き荒れる嵐を鎮めるのに必
死で、それにはこれっぽっちも気付かなかった。
『もう…だめ…』
 そう。
 もう、「だめ」だった。
 我慢出来なかった。
 『好き』という気持ちが胸から溢れて、朝露に濡れる大輪の花を咲かせたよ
うに、薫の全身へ歓喜の根をしっかりと下ろしてしまっていた。
 直人の事を想うだけで、心も体も心地良さで“とろとろ”にとろけてしまう。
『僕……どうしたら……』
 発情し、匂い立つようなフェロモンを強烈な色香としてたっぷりと周囲に振
り撒きながら、薫は涙ぐんだ瞳で赤く染まり始めた空を見上げた。
 逢魔が刻の夕空は、憎らしいほど晴れ渡っていた。


 『再生計画(リヴァース・プロジェクト)』の被験者は、その生体データが
常に長期的、かつ詳細に国際研究所へと随時送られてゆく。
 その情報は、異なる性別の「脳」と「体」の適合性から、脳内の神経シナプ
スの機能、そして全身の代謝機能や免疫系、ホルモン分泌まで多岐に渡る。そ
して、発汗や分泌物の分泌状況、全身の血流の増減や体温まで綿密にチェック
されていると噂されていた。
 それら、生体情報の送信方法には、異星の知的生命体「フィルコス」からも
たらされた医療技術の応用が使われれている。
 一週間に一度、微細なナノマシンが含まれたカプセルを一錠だけ飲み下すと、
およそ3時間で血管やリンパ腺を介して全身の主要器官にナノマイクロ単位の
プラントが生成され、そこから特殊な生体波動が発信されるのだ。そしてそれ
は、昼夜を問わず町の各所に設置された政府管轄のセンサーによって受信され、
「エンコード(符号化)」されて地方自治施設を介して都道府県庁で集約され
る。その後、国家機関によって「デコード(復号化)」され、研究施設で解析・
統合される事となる。

284:【僕オマエ】
08/04/11 02:53:15 QaHssxYU
 また、体内に生成されたプラントはおよそ10日間に渡り状態が保持され、
やがて腎臓を通って尿に混じり排泄された以後も、しばらくは微弱な生体波動
(環境が変わることにより、若干の変化を伴う)を発信し続けるため、時には
被験者の行動範囲の把握(犬のマーキングと同等の)にも役立っていた。
 被験者にしてみればプライバシーもなにもあったものではないが、これもリ
ヴァース・プロジェクトへの参加を承認した際にサインした十数枚もの誓約書・
契約書・承諾書に盛り込まれた条件であるため、文句の言いようも無いという
のが実情だった。

『内臓に定着してるから、風呂に入ったくらいじゃあ落ちたりしないんだよな
……あんまり実感無いけど……』
 食事の後、たっぷりと時間をかけて風呂に入った薫は、ホカホカの肉まんみ
たいになりながら、自室のベッドの上で黙々とバストアップ体操をしていた。
風呂上りということもあり、身に着けているのはグレーのスウェット生地のシャ
ツとパンツ、それと通気性重視のスポーツブラだけだ。立体裁断された前開き
のシャツか伸縮素材のTシャツでなければ、前に大きく張り出したおっぱいの
せいでウエストがとんでもなく太く見えるから、薫はデブだと思われたくない
ために、いつしか誰に見せるわけでもないけれど、部屋にいてもそういうシャ
ツを着る癖が付いていた。
 誰に思われたくないのか。
 かつて、それは不特定多数の「他人」であり、自分自身だった。
 でも、今は……。
「んんっ……」
 仏様に拝礼するように、両手の平を体の前で合わせ、大胸筋の動きを意識す
るようにしながら呼吸と共に力を加える。
 「バストアップ」と言っても、もちろん「増量」の方ではない。
 むしろ彼女は、いつか絶対に「豊胸手術」ならぬ「減胸手術」をしようとさ
え思っているくらいだ。
 薫の、その華奢な体躯からは有り得ないほど豊満なおっぱいの重量は、左右
両方を合わせて、実に2キロ弱ほどもある。今は、若さゆえ重力に負けまいと
懸命に張り詰めたおっぱいは、椰子の実のような豊満さでありながら健気にも
薫の胸から前方に突出しているが、いつか必ず重過ぎる自重で垂れてしまうに
違いないと彼女自身、恐れていた。
 そもそも、豊満過ぎる胸で足元が見えないというのは階段や凹凸のある道路
では危険極まりないし、両腕の間に重たく実ったその豊満な乳肉が、どんな時
でも自分がどうしようもないほどにオンナなのだという揺るがない事実を薫に
突きつけ続けていたから、彼女にしてみれば邪魔で目障りで、鬱陶しいことこ
の上なかった。

285:【僕オマエ】
08/04/11 02:54:38 QaHssxYU
 そんな“ずしり”と重たい肉の塊ではあったが、せめて、みっともなく垂れ
るのだけは避けたかった。だからこうして毎晩、バストを支えるクーパー靭帯
を痛めないように気をつけながら、皮膚の張りを保つバストアップジェルを塗
り込みつつ、バストエクササイズを欠かさないでいるのだった。

 確かに、21世紀初頭に比べて、人類の老化はゆるやかになったし、食べ物
や飲料水に混入されているナノマシンによって皮膚の状態も最良の状態が維持
されるようになって、紫外線などに起因するシワやシミやソバカスが目立たな
くなってきてはいる。
 が、完全に老化を止める事は出来ないし、耐久重量を越えても状態を保持し
続ける事が出来るほどの強度を皮膚や筋肉や靭帯に求める事も出来ない。
 「老化」とはつまり細胞分裂の回数制限であり、それを決定付けるテロメア
の数が主な原因と言われているが、だからと言ってむやみに制限を解除すれば
良いかと言えば決してそうは行かないのが難しいところだ。なぜなら細胞分裂
制限は、紫外線や薬物、活性酸素などの外的要因で遺伝子が傷付けられ異常を
起こし癌化するのを防ぐ、いわばセーフティ安全機構でもあるからだ。
 「フィルコス」からもたらされた医療技術の中には遺伝子の耐久力向上もあ
るにはあったものの、それには地球上に存在しない(生成出来ない)特殊な化
学触媒を必要とするため、老化防止策も含め、未だ研究所のシャーレの外には
出ていないというのが現状だった。

 薫が毎晩おっぱいに塗り込んでいるバストアップジェルは、その「フィルコ
ス」の技術から派生したタンパク質活性素材が混入されており、高校生の女子
が購入するにはまだまだ値段が高い。
 おかげで、化粧品や服に、思うようにお金がかけられないのがちょっとだけ
悲しかった。
『……いや、別に綺麗にして誰かに見せようってんじゃないんだけどさ……』
 胸の中で“ごにょごにょ”と言葉を濁し、薫はクローゼットの奥に押し込ん
である服の事を思う。
 母が買ってきてくれたものはあまりにもフェミニンで、パステルカラーのワ
ンピースとかフリルの付いたキャミとか、いったいどこで着せるつもりだった
のだろう?と悩まずにいられないものばかりだった。
 薫としては、もっと大人っぽい、カッコイイ服が欲しいのに。
 ……似合う似合わないはともかくとして。
「ふう……」
 せっかく風呂に入ったのに、また汗をかいては意味が無い。
 薫は小さく息を吐くと、適度なところで切り上げてベッドの上に寝転がった。
 女は、タイヘンだ。
 それを痛感する。

286:【僕オマエ】
08/04/11 02:56:16 QaHssxYU
 筋肉の量が男とは絶対的に違うし、脂肪の量も違えば、皮膚の硬ささえ違う。
 男の時には難なく持ち上げていたものが持てなくなり、体のどこもかしこも
ふにゃふにゃで柔らかい。
 最も厄介なのは「やわらかい」というのが、「重力に対して脆弱である」と
同義であることだろうか。
『……まだ…大丈夫…だよな……』
 薫はベッド上に体を起こして、“ぺろっ”とTシャツとスポーツブラを一度
に捲り上げた。
 途端、子供の頭ほどは優にある椰子の実のようなおっぱいが“ぶるんっ”と
まろび出る。
 女に“なって”1年と9ヶ月。
 毎度の事ながら、“よくもここまで育ちやがったもんだ”と思わなくも無い。
 前方に大きく張り出した、透き通るような肌の白い椰子の実おっぱいは、乳
房の上側にもたっぷりとボリュームがある。両手でおっぱいを挟むように押し
てみると、まろやかでありながら内側から意外に強い力で押し返してくるし、
きめが細かくて滑らかな肌は、親指と人差し指で摘もうとしても容易には摘め
なかった。
 一応、しっとりとした肌は手に吸い付くように瑞々しいし、しっかりと若々
しい張りに満ちている、健康な状態だと、薫は思う。
 ピンク色…とは言わないが、乳首も特に黒ずんだりしていないし、乳暈も変
に大きくはない。他の女子に比べれば多少大きめかもしれないが、おっぱいそ
のものが大きいため、全体のバランスとしては決して悪くないと思う。
 500円玉大の乳暈に、赤ちゃんの小指の先くらいの乳首……。
 ここだけ見れば、20代後半の完熟おっぱいみたいだ。
 その乳首を、右手の人差し指で“ぷるっ”と撫でた。
「んっ……」
 生理が近いからか、敏感になっている。
 見る間に乳首が立ち上がり、乳暈が充血して“ぷくっ”と膨れた。

 ―ちょっと、敏感過ぎるかもしれない。

 月曜日に坂東達にレイプされかける前、保健室で乳首を自分で咥えて自慰を
した事を思い出す。絆創膏を剥がした時の痛みで思わず嘗めてしまったのがきっ
かけではあったが、あれは女になってから初めての体験であり、そして初めて
体験した『イク』という感覚だった。
 実は、薫はあれから、一度も自分で乳首を嘗めていない。
 病み付きになってしまうのが怖いというのもあったし、その先に何があるの
か、自分がどうなってしまうのか、考えたくなかったということもある。どん
どん、インランになり、やがては誰でもいいから自分をメチャメチャにしてく
れる男を求めるようになっていってしまうのではないか?と思ってしまったのだ。

287:【僕オマエ】
08/04/11 02:58:01 QaHssxYU
 けれど、あの時、坂東達がやって来た事で中断された思考……自分の乳首が
『誰に』可愛がられたいと思っているか、自分が『誰に』抱かれたいと願って
いるのか、もう、知ってしまった。
「……ナオタ……」
 直人のことを思うと、むやみやたらと泣きたくなってくる。
 泣きたくなるだけじゃなく、感情が飽和して胸がいっぱいになり、息苦しさ
まで感じてしまう。
『…オカマ野郎』
 再会して初めて交わした言葉は、最悪だった。
 頭が“カ~~~ッ”として、目の前が真っ赤になったかと思った。
『…誘ってんじゃねーよ。なんだその格好』
 「誘ってる」と思ったのだろうか?
 ……「あの格好」なら、直人を「誘える」のだろうか?
『…へぇ…可愛くなったもんだな』
 可愛いって、言った。可愛いって、言ってくれた。
『…牛みたいなチチ放り出して歩くなんて、どう見ても頭悪いだろ』
 牛とか、放り出してるとか、あんまりだ。
『…うるせー巨乳。牛女。デブ』
 デブじゃない。僕はデブなんかじゃない。
 牛女だなんて…どうしてあんな事を言うんだろう…。
『…牛みたいなチチしてるくせにノーブラか?』
 ちがうもん…。
 牛じゃないもん…。
『…垂れるぞ』
 垂れないように、ちゃんと努力だってしてる。

『…帰るぞカオル』

 ああ……。
 思えば、それは、突然だった。
 組み伏せられ、弄ばれ、おっぱいもあそこも好きにいじられて、涙と絶望に
塗り込められた心に射した一筋の光。
 自分でもどうしようもないくらい、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
 他の誰でもない、この自分を迎えに来てくれたのだ。
 助けに来てくれたのだ。
 その事実が、心を覆っていた絶望の闇を一気に振り払ってくれたのだ。
 今思い返せばあの瞬間、転校初日に直人が打ち込んだ「楔」が、その『真実』
を露にしてしまったのだった。
 女は男を求めるもの。
 生物学的に定められた種族保存の『本能』。
 人生経験が圧倒的に少ない薫には、女が女を求め、男が男を求めることを否
定する事は出来ない。だが、それは知能が発達し、心と体が剥離する事態を引
き起こすほどに精神的な成熟を迎えた『人間』という種のみに起こりうる事な
のだということくらいはわかる。
 あの時、薫にとって直人は、「求めるべき男」だという、そのたった一つの
真実が白日の下に晒されたのだ。
「ああっ……」
 薫はむき出しのおっぱいを下から支えるようにして持ち上げると、人差し指
でぷっくりと勃起した乳首を撫でた。
「ひうんっ」
 刺激が胸の中を走り抜け、脊髄を辿って尾骨まで駆けてゆく。
 あっという間に“じゅわんっ”とお腹の中で女の臓器が“啼いた”。

288:【僕オマエ】
08/04/11 02:59:44 QaHssxYU
 「寄越せ」と。
 「アタシが求めるオスの子種を寄越せ」と。
 そう、啼いた気がした。
 生理前のホルモンの仕業によって体積を増した椰子の実おっぱいが、持ち上
げる事により、さらに量感を増している。
 直人のことを想うだけで、考えるだけで、体が反応してしまう…。
 直人のあの顔を、匂いを、厚い胸板を思い出すだけで、子宮が疼き、あそこ
がとろとろになってしまう…。
 それは“悦び”だった。
 今はもう女である自分にとって、それは明らかに愉悦であった。
 『求めるべき相手』に巡りあえたという、“生物としての本能”と“雌とし
ての欲望”、そして“女としての恋心”が、薫を狂わせる……。

『触れたい』

『触れて欲しい』

 その想いがせめぎあい、絡み合って、うねり、震え、そして体中を満たして
ゆく……。
 震えるほどの幸福感と共に、死にたくなるくらいの絶望感が薫の瞳から形と
なってこぼれだす。

 ―それは、自分がいくら直人を恋焦がれても、彼の方は決してそうではな
いという事実。

 香坂薫が、元は男だったという記憶が彼の中にある限り、きっと彼は自分を
真の意味で女だとは……恋愛の対象とは思わないだろうという、確信めいた想
像が、薫を苦しめていた。
 例えば直人の前に立って潤んだ瞳で『抱いて』と言ったって、彼は絶対に
『いいよ』と言うような奴じゃない。それは小学生の時の彼を知っている薫に
は手に取るようにわかっていた。それどころか『好き』と言ったとしても、きっ
と『熱でもあるのか?』と気の毒そうに同情されるのがオチだ。最悪の場合は
『キモチワルイなお前』とか言われて翌日から避けられてしまうかもしれない。
 そんな事になったら、もう二度と学校には行けなくなってしまう。
 それどころか、本当に死んでしまうかもしれない。
 悲しくて苦しくて切なくて、本当に死んでしまうかもしれない。
 助けてくれたのだから、嫌われてはいないのだと思いたい。
 けれど、好かれているか?と言われれば言葉が出なかった。
「ナオタ―」

 ―その日、薫は泣きながら自慰をした。

 恋しくて恋しくて恋しくて。
 でもその恋が絶望的に叶わないものだと、胸に刻んでしまったから。
 それでも体が、『彼』を求めて震えてしまったから。
 結局、去年のクリスマスの夜、涙に濡れながら自慰をした時から、自分は何
一つ変わっていない。
 臆病で、自分はもう男じゃないという事実に追い立てられ、かといって自分
はもう女なのだという事実を直視出来ずに生まれようとした恋を自らの手で遠
ざけてしまった頃の自分と。

289:【僕オマエ】作者
08/04/11 03:04:13 QaHssxYU
 今日はここまでに。
 私は、下準備を入念にした方がエロエロになった時に感情移入度が段違いだ
と考える人間です。そのため、行為そのものの描写まで長くなる傾向にありま
す。出来るだけ早くエロエロを御届け出来るように努力しますが、私自身も書
く事を楽しみたいので、その辺、御容赦頂けますと、嬉しく思います。

 また近い内に、お会い致しましょう。

290:名無しさん@ピンキー
08/04/11 06:44:03 ca8mR5fM
GJ!
薫可愛いよ薫!

291:名無しさん@ピンキー
08/04/11 10:47:14 n977ro/r
薫は永遠の処女でいてもらいたいGJ

292:名無しさん@ピンキー
08/04/11 11:20:14 Wck2nI+C
うひょおおおおおおおおおおおおおお
出がけに投稿来てテンション上がったぜ!!とりあえずGJ!
帰ってから読むぜうほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

293:名無しさん@ピンキー
08/04/11 12:47:08 QYpvkT/B
>>289
待っていた。
純真でありながらえろい薫に心からGJ!
心理描写がたまらなくツボだ

294:名無しさん@ピンキー
08/04/11 22:38:29 kpiRBw5h
相変わらずツマンネーこと書いてんのなwww
いい加減卒業しろよww

295:名無しさん@ピンキー
08/04/11 22:47:43 X4eN8ZN2
GJ!
あなたの作品はいつも楽しみにしております

296:名無しさん@ピンキー
08/04/12 21:16:24 2+qu10dE
おっぱい体操が個人的にツボ。GJ!

297:名無しさん@ピンキー
08/04/12 23:16:43 CFO9hZMN
生理ネタスキーの俺としてはそのあたりが混ざっているのが俺しい。
GJです

298:名無しさん@ピンキー
08/04/14 00:43:36 hT1D+rHx
切なくて愛しい感情のせめぎあいがたまらないです
つい過去ログから全部呼んでしまいましたよ。GJ

299:名無しさん@ピンキー
08/04/15 21:17:19 arYVy06z
久々に来たらあがってたーw
元男設定を生かしつつ、何気なくえろい描写を書く作者に乙!

300:名無しさん@ピンキー
08/04/17 10:13:47 /FbO97as
最近ラッシュが続くので
TS物のAV総合立ててみた、ヨロ!

h スレリンク(avideo板)

301:【僕オマエ】作者
08/04/18 02:29:52 V6/vedJi
 約1週間ぶりです。こんばんは。
 過分な御言葉、皆様ありがとうございます。励みになります。
 もう少し後にするつもりでしたが、投下が無いのも寂しいので、落とさせて
頂きます。

 出来るだけエロを入れようと思っているのですが、今回もあんまりエロくな
いです。……いえすみません。全然エロくないです。エロ回収のための下準備
期間となります。スレ違いと憤慨されるかもしれませんが、御許し下さい。
 エロエロは、かなりエロエロとなる予定です。
 お楽しみ頂けたら幸いです。

 NGワードは【僕オマエ】でお願いします。

 人の出会いは摩訶不思議。それより世の中謎めいて。
 あなたに会えてホントに良かった!
 たったひとつの真実に惑う、見た目は女、頭脳は男。
 その名はリバーサー(再生計画被験者)薫(カオル)。

 詳しくは過去ログ参照にて。

302:【僕オマエ】
08/04/18 02:30:59 V6/vedJi
■■【17】■■
 自己嫌悪にまみれながら眠りに付いた次の朝は、大抵いつも、最悪な気分で
の目覚めとなる。
 かつては毎朝、洗面所に立つたびに『もう男には戻れないんだから、素直に
女の人生を受け入れなさいよ』と、もう一人の自分に鏡の向こうから、まるで
死刑宣告の如く告げられていたが、今日の『彼女』は真っ赤に充血して腫れぼっ
たい瞼と涙袋をしたまま、いつになく気弱に見詰めてくるばかり。
 こんな顔じゃ、せっかくの土曜日なのに買い物にも行けない。

 ―わかっている。

 去年のクリスマスがトラウマになって、そのせいで一歩が踏み出せなくなっ
ているのは。
 自分が女であることを心身共に認めてしまうと、直人に対しての気持ちにブ
レーキがかからなくなる。
 でもブレーキの壊れた列車の末路は脱線か衝突事故で、とどのつまりは自爆
しか無いのだ。
 「元男なんか好きになれるか」とか言われて涙に濡れ心が砕ける、失恋確定
しか無いのだ。
 絶望的な将来像だった。
 かつての薫は、“男の気持ち”のまま、女の子を好きになりかけたこともあ
る。でも、それまで女の子というものに抱いていた幻想は、去年の4月にこの
学校に転入して早々に、現実の女の子……男の視線の無い、更衣室やトイレで
の等身大の女の子―を前にしてことごとく打ち砕かれた。ようやくここ数ヶ
月で「女の子も所詮は同じ人間なんだ」という境地に達して、普通に対峙出来
るようになってきたところなのだ。
「はぁ……」
 洗顔クリームをしっかり泡立てて、丁寧に顔に塗り込みながら、薫は溜息を
吐く。そして、洗面台に置いた白いチューブを、しみじみと見下ろした。
 洗顔、スキンケア、歯磨き、着替え、髪セット、化粧(リップメイクでグロ
スを塗るくらい)など、いつの間にか、どんなに落ち込んでいても、たとえ半
分眠っていても、無意識にちゃんと一通り終える事が出来るようになったのは、
いつ頃のことだっただろうか?
 それは、「女の子」としては喜ぶべき事なのだろうけど、「かつて男だった
者」としては、かなり微妙な線だった。
『……もう、女の習慣がすっかり体に染み付いてる……』
 そう、思ってしまうのだ。
「はぁ……」
 また、溜息が出た。
『溜息ばかり吐いてると、幸せが逃げちゃうよ?』
 薫と同じくらい背が低くて年相応に子供っぽいクラスメイトの貞華は、よく
そう言って薫の頭をなでなでする。
 胸が無い分、やもすると中学生に見られかねない少女は、精神年齢的には薫
よりずっと大人だった。

303:【僕オマエ】
08/04/18 02:33:11 V6/vedJi
「……しあわせ……か……」
 自分の幸せは、どこにあるのだろう?
 化粧水をパタパタと肌に塗り、乳液を塗り、更に紫外線予防と美白効果のあ
る下地クリームを塗りながら、薫はシワの寄った眉根を中指で揉み解した。


 外は、呆れるくらいの快晴だった。
 6月の梅雨時期で、しかも週末の土曜日、そしてこの天気は、本当に貴重だ。
 それは、完全に気象コントロールされた現代でも変わらない。年間雨量や気
候変動も考慮して、梅雨そのものは無くしていないからだ。月曜からは再び雨
の降りやすい、雲の多い天気が続くとあって、町には人が溢れていた。
 制服はともかく、私服でスカートを履くなんてのはまだまだ抵抗がある薫は、
溶けかけた宇治ミルクみたいな淡いグリーン色のニットと白のカーティガン、
紺のスキニーデニム、そしてスニーカーという出で立ちで、町中(まちなか)
を歩いていた。背中の中ほどまである真っ黒い髪は、天然のヘヤー素材なため、
そのまま下ろしていると背中が蒸れて暑くて仕方ない。そのため今は、軽く結っ
て頭の後ろでダンゴにし、バレッタで留めている。そして顔には、明るい色の
眼鏡をかけていた。もちろんレンズに度の入っていない伊達だが、腫れぼった
い目を隠して歩くには、これくらいは必要だった。
 肩にはクリームイエローのトートバッグを掛け、背筋を伸ばして歩く。
 格好だけ見ると、いかにも『活動的で快活な健康優良少女』といった感じが
した。

 湿度が高いためか、6月の陽射しの中でも、少し汗ばむほどだった。襟ぐり
の深いニットから覗く、氷河に走ったクレヴァスのような胸の谷間には早くも
汗が浮き、ブラに押し込められた規格外の豊満乳肉(どデカおっぱい)の下は
じっとりと濡れていた。周囲に視線さえ無ければ、裾を持ってパタパタと服の
中に空気を送り込みたくなるほど、不快指数は高い。
『もうすっかり夏になったみたいだ……』
 小さな地方都市。
 さらにそのベッドタウンとして機能している片田舎の、ちょっと緑が多いか
な?と思える小さな古い町。
 住宅街から少し離れれば、そこには成長著しい、青々とした稲の揺れる田ん
ぼが広がっている。もうすぐ蛙たちの恋の季節がやってきて、昼も夜も騒がし
い日々になるだろう。
 片田舎の地方都市とはいえ、基本的なインフラストラクチャー(infrastruc
ture)は、驚くほど整備されている。
 むしろ、自然を残すため、化石燃料による内燃機関を搭載した車両は数年前
に姿を消し、電力供給や通信関連のためのケーブルは、全て地下深くの共同溝
に埋められているなど、積極的に環境保全方面へ最新の整備を施していた。

 それが今、薫が住んでいる場所だ。

 そして薫は、国家規模の臨床実験被験者……日本で20人しかいない「リヴァ
ース・プロジェクト」被験者の、更に半分の『染色体反転者』10人の内の女
性化した人間である。また、同級生からは、同い年にもかかわらず「可愛い妹」、
下級生からは「手のかかるお姉ちゃん」という、甚だ不本意な扱われ方をして
いる薫は、「リヴァース・プロジェクト」被験者だという噂を抜きにしても、
近隣の高校にその名が知れ渡っていた。

304:【僕オマエ】
08/04/18 02:35:36 V6/vedJi
 そのため、町を歩いていても、何かの拍子にふと視線を感じてしまう。
 もちろん、カーディガンを着ていても隠し切れず、“鎧ブラ”でガッチリと
ホールドしていても揺れ動く、大き過ぎる胸がやたらと目立ってしまう事もあ
るが、それだけではないのだ。
 薫に気付き、時に手を振ってくるのは圧倒的に同世代の少女が多かった。
 家を出てから、この町唯一と言っていい繁華街まで歩いてくるまでに、2人
の小学生に「きょにゅうだー!」と指を指され、違う学校の生徒らしい女子高
生集団に3回も、「かわいー!」とか「スカートの方がいいのに~」とか「背、
ちっちゃー!」とか言われながら写メを5枚も6枚も撮られていた(文句は、
言いたいけど言えなかった)。
 下手にサングラスを掛けると逆に目立ってしまうため伊達眼鏡しか掛けてこ
なかったが、あまりにも声を掛けられる事が多いから、陽射し避けも兼ねて帽
子くらいは被ってきた方が良かったかもしれない……と、思わなくはない。
 そして最後に、色々ぐったりしたところでトドメとばかりに、買い物に来て
いた仲良し三人娘のうちの二人……松瀬志宇(しう)と大地友香(ともか)に
出会ったのだった。

「あ、カオルちゃんだ~」
 薫が買い物をしようと思っていた商店街の反対側から、分厚いメガネをかけ、
肩までの髪をいつもポニーテールにしている志宇が、青いTシャツにオレンジ
色のキュロットとサンダルという、ラフにも程がある格好で歩きながら“ぶん
ぶん”と手を振っていた。
 隣では、ちょっとぽっちゃりした友香(ともか)が薄緑色のワンピースを着
て、見る者に不思議と警戒心を抱かせない、妙に福々しくて人懐こい“ぽやぽ
や”とした笑みを浮かべている。
 相変わらず二人とも化粧っ気とは無縁だけど、二人とも、薫からしてみれば
人生17年の、いわば『女のプロ』であり、『女である自覚』なんてしなくて
もちゃんと“女をやれている”大先輩だった。
「買い物?」
「うん。ちょっと買い過ぎたかも」
 志宇は本の入った書店の袋を、友香は食料のぎっちりと詰まったスーパーの
袋をそれぞれ手にしている。友香に至っては、額に汗を浮かべながら、実に重
そうな袋を二つも提げていた。

 ちなみに……2029年現在、町のスーパーでは昔と同様、商品を包むため
に無料で半透明の袋が配布されている。
 化石燃料の枯渇懸念や大気汚染、炭酸ガスによる温室効果がもたらす地球温
暖化を理由に、21世紀初頭には「エコロジー」理念を基にして廃止されたス
ーパーのビニール袋だったが、「フィルコス」から提供された高分子化合物合
成技術により、下水道や工場などの排水をろ過した際に大量に発生する濾物か
ら、ビニールと同等の強度を持つ半透明フィルムが再合成出来るようになって
から、再び市井に登場を果していた。そしてその合成技術は、生体皮膜の代用
品生成にも利用されており、薫が女に『転体』する際にも、その技術は大いに
役立っていた。

「一つ持つよ。貸して」
 さすがに見るに見かねた薫は、彼女が持つ袋の一つを持って、二人が利用す
るバス停まで付き合うことにした。

305:【僕オマエ】
08/04/18 02:37:34 V6/vedJi
 『女の子には優しくするもの』という両親の教えは、今でも薫の中で生きて
いる。
 たとえ彼女達と同じ、非力な女になったとしても、それは変わらなかった。
「悪いねー」
「いいよ。僕もこっちに用があったし」
 ちっとも悪そうに見えないのに、それが少しも嫌味になってない友香に苦笑
しつつ、薫は横を歩く志宇を見た。
 下げている紙袋は一つだが、中に重そうな参考書や画集などが何冊も入って
いるため、見た目よりもずっと重そうだ。
「カオルちゃんはデート?」
「……なんでそうなるんだよ?」
「だって、おめかししてるもん」
「違うよ」
「じゃあ…買い物?」
「うん、まあ…そのつもりで来たけど……なんだか気乗りしなくて、ちょっと
ブラブラしようかな……って」
「そうなんだ。もうちょっと早かったら、あたし達に付き合ってもらえたのに
なぁ」
「二人とも、何時から来てるの?」
 薫の言葉に、志宇が“にやっ”と笑ってVサインを出す。
「8時くらいかな」
「はやっ……学校ある時とほとんど変わんないじゃん」
「角のヤマギヤでセールしてたからね。ここぞとばかりに買っちゃったんだよ」
 友香の買い物袋の中には、1.5リットル入りのペットボトルが3本も入っ
ている。薫もそこそこ好きなメーカーのお茶だった。効果の程はともかく、飲
むだけで歯の再石灰化が促進されるという謳い文句でヒットした商品だ。
「これ?」
「これ」
 掲げて見せた友香の手の袋にも、一本入っていた。

 完全自動の幹線無人バスは、10分間隔、誤差30秒で、町の主要な施設を
繋いでいる。
 駆動動力は主に燃料電池であり、市民であれば誰でも無料で利用する事が出
来るため、日常生活の脚として大勢の人々に愛されていた。
 その情景を、20世紀後半に日本各地で走行していた路面電車と似ていると
評する者もいる。
 薫は路面電車の実物を見たことは無いが、その可愛らしい車体には興味をそ
そられたものだ。

「あ、そういえば、ヤマギヤで岡島クン見たよ?」

 バス停についてすぐ、志宇がそう言って薫の瞳を覗き込むようにして見た。
 志宇のその綺麗な瞳は海の底のようで、視線の矢は薫の胸の奥にまでまっす
ぐに届く。何もかも見透かしているような瞳の色は、混血が進んだ日本では珍
しくないターコイズ・ブルー(トルコ石色・青緑)だった。
 ドキン!と薫の鼓動が高鳴る。
 動揺が手に伝わって、スーパーの袋が大きく「ガサッ」と音を立てた。
「相手は岡島くん?」
 前置きも何も無かった。
 いきなりだ。
 いきなり志宇は、直球で投げてきた。
 「好きな人いる?」とか「相手は誰?」とか、そんなものを軽くすっ飛ばし
て時速150キロで胸の中心に『ずどん』と投げてきた。
 びっくりして息を呑んだ薫は、努めて平気な顔を作り、志宇から“さりげな
く”目を逸らした。
「なっ…なにが?」
 そうしてようやく口を割って出た、上ずった言葉は、自分の声とはとても思
えないほど、弱々しいものだ。

306:【僕オマエ】
08/04/18 02:41:06 V6/vedJi
「やっぱりね」
「な…なにが、やっぱり!?」
「あたし、これでも女の子、17年やってるんだよ?」

 ―バレバレだった!

 『だから、なんだ?』とは言えなかった。
 自分でも抑えられないくらい、『かああぁぁ~~っ』とほっぺたが熱くなっ
ているのがわかる。きっと、トマトかイチゴかリンゴみたいに、真っ赤になっ
てるに違いなかった。
 それを自覚しているから、薫は志宇の視線から逃げるように、彼女とは反対
側へとそっぽを向いた。
 それで「もうこの話はおしまい」と示したつもりだったのだ。
 けれど、志宇は全く持って容赦が無かった。
 薫のピンク色に染まった首筋とか、ぷるぷるとした真っ赤な耳たぶとかを、
特に何を言うわけでもなく、黙ってじっと見ていたのだ。
 やがてバス停にも並ぶ人が少し増え、空をひばりが飛び去って、友香が大き
く欠伸をした。
「……どうしてわかった?」
 ついに根負けして、薫は小さく溜息を吐き、どうしたらいいのかわからない
まま何とも言えない顔で地面に転がる小さな石を蹴り飛ばした。
「わかるよ。だってカオルちゃん、岡島くんのこと、いつも見てるもの。みん
な、いつ告白するのかな?って思ってたんだよ?」
「べ、別に好きだから見てたわけじゃ……」
「もういいから。言い訳なんて」
 まだ“うにゅうにゅ”と言う薫の言葉を、まるで“釈明しようとした犯人の
口上を手厳しく遮る百戦錬磨の女刑事”みたいに、情け容赦無く“ぴしゃり”
と封じると、志宇は一転して優しい口調で「しないの?告白」と言った。
「…………僕が元は男だって、知ってるだろ?」
「知ってるよ」
 『今更何言ってんの?』と言われた気がした。
「な、なら…」
「でもそれがどうかした?今は女の子じゃない」
 言外に『そんなの告白しない理由になんかならない』と言われた。
 気がした……どころじゃない。
 志宇だけじゃなく、友香の目まで、本当に真面目に、そう言ってた。
「今ならまだヤマギヤにいるんじゃないかな?岡島くん」
「……だから?」
「べつに?」
 むくれたように唇を突き出しながら恨めしそうに見る薫に、友香はいつもと
全く変わらない口調で言った。
「で、でも、今日は別に……その、そう!こんな格好だし、その、告白、とか、
するなら、普通はお洒落とか、その、するものなんじゃないの?」
 顔が熱い。
 喉がひりつく。
 つっかえつっかえ、薫はそう言うと、志宇は大真面目にこんな事を“言いや
がった”。
「大丈夫。エロいよ?」
「はあ?」
 「似合うよ」とか「可愛いよ」とか、そういう答えじゃなかった。
 よりにもよって「エロいよ」ときやがった。
 そして絶句して何も言えなくなった薫に、志宇はトドメのようにこう言った。

「カオルちゃんはさ、存在自体がエロなんだから、格好なんて別にどうでもい
いんだよ」

■■【18】■■
 別に、直人に逢いたくて向かってるわけじゃない。
 そう。
 友香が買ったお茶は、自分だって好きなのだ。

307:【僕オマエ】
08/04/18 02:43:39 V6/vedJi
 だから、それを買いに行くのだ。

 「これから一旦家に帰った後で図書館に行く」と言う志宇達と別れた薫は、
一心に自分へそう言い聞かせるようにしながら、町内のさして大きくも綺麗で
も新しくもない、築15年のスーパー『ヤマギヤ』へと向かっていた。
 直人がいようがいまいが、別に関係ない。
 そう思いながらも、鼓動はどんどん激しくなり、体はどんどん熱を帯びてく
る。ひどく喉が渇いて、唇を何度も嘗め、唾を飲み込んだ。
 あと少し。
 その角を曲がって、20メートルほど歩けば。
 そう思うと、自然と足運びが速くなる。
 重たい胸が“ぼよんぼよん”と服の下で踊るように跳ねている。
 薫は、自分でもおかしいと思った。
 どうして自分はこんなに急いでるんだろう?
 やっぱり直人に逢いたいから?
 その顔をひと目でも見たいから?
 今もヤマギヤに直人がいるとは限らないのに。もう帰ったかもしれないのに。
 なのに、早足になった体を止める事が出来ない。
『ちがう……』
 もう誤魔化せない。
 お茶なんかどうでもいい。
 逢いたい。
 逢って……。
『それで……どうしよ……どうする?…ナオタがいたら、僕はどうするんだ?
まさか、志宇が言ったように、告白する?本気?』
 不意に、脚の間、太腿の付け根。
 早足で動かす太股の、よれてこすれるパンツのクロッチ部分。
 そこで『くちゅ』という音を聞いた…気がした。
『ああ…また……』
 動悸が激しいのも、呼吸が浅いのも、汗が吹き出すのも、全ては足早に歩い
ているから。
 そう思っていた。
 今も、そう思っている。
 でも本当は、自分が性的に興奮しているからか、単純に運動量が増したから
なのか、わからなかった。
 ただ、子宮とか膣とかその他もろもろ…男には無くて女には有る内性器官の
デリケートな壁という壁から、とろりとした甘い蜜のような液体がにじみ出た
事を知覚した。


 結論から言えば、スーパーに直人はいなかった。
 なぜなら、その前に、出会ってしまったから。
「…カオルか?」
 角を曲がった途端、目の前に“彼”はいた。
 日に焼けた肌と野性味溢れる髪形に、無地のTシャツとジーンズが似合い過
ぎるくらいに似合っていた。左手にスーパーの袋を提げ、右手に徳用のトイレッ
トペーパーを抱えたまま、驚いたように目を見開いてこちらを見ている。今ま
での彼を見ていると、驚いたりあからさまに怒ったり、ましてや笑ったりといっ
た、激しい感情をあらわにする姿など想像出来ないが、今みたいに「ぽかん」
と口を開けてみるような間抜けな顔が見られるのも珍しかった。
 もっとも、薫にはそんな余裕など、これっぽっちも無かったが。
 直人の隣には、寄り添うような形で、もう一人の人物がいたからだ。
 その姿を見た時、薫は頭に昇った血が“すうっ”と引いた気がした。
 ぽかぽかと温かかった指先や足の先が、一気に冷えた気がした。
 早鐘のように鳴っていた鼓動の音が、一気に遠くなってしまった気がした。

 音が。

 ……商店街の様々な音が、一気に消えてしまった気がした。

308:【僕オマエ】
08/04/18 02:45:41 V6/vedJi
「…お前も買い物か?」
 直人が、何か言っていた。
 でも薫には、良く聞こえなかった。
 声が遠かった。

 肩で切り揃えてブリーチした、明るい色の髪が風に揺れている。

 大人っぽい顔立ちの中、薄めの唇に引いたリップはパールピンクだ。

 胸も小さくて、襟元のネックレスと耳のピアスがカッコイイと思った。


 ―そこには、すらっとしたスレンダー美人が、直人の腕を取って嬉しそう
に微笑んでいた。


「カオル?」
 間近で聞こえた彼の声にハッとして顔を上げれば、直人が訝しげにこっちを
見下ろしていた。
『―なんだ……彼女、いるんじゃん……』
 自分と違って明るい色の髪
 自分と違って短いスポーティな髪型。
 自分と違って大人っぽい顔立ち。
 自分と違って化粧もすごく上手だ。
 自分と違ってアクセサリーがすごく良く似合ってる。
 自分と違って胸が小さくて、全体的にすらっとしてる。
 自分と違って背丈が、直人とお似合いなくらい高い。
 自分と違ってスカートをカッコ良く着こなしている。
 自分と違って脚元のパンプスがカッコカワイイ。

 何もかもが、自分とは反対の女の子。

 正真正銘の、『本物の女の子』。

 生まれた時からの性のまま成長した、

 ―『ニセモノじゃない女の子』。

 どんな関係?と聞くまでもなかった。
 女の子の瞳には直人を信頼し、全てを委ねた安心感が現れていたから。
 直人の左腕に強引に腕を絡めて、小ぶりな胸をわざと押し付けるようにして
抱いていたから。
 すぐに気付いた。
 「ただの関係」じゃない。
 近しい……他人には入り込めないほど“親密な”関係なのだと。
 それだけが、すぐにわかった―。
「……別に……特に用があったわけじゃ……ない」
 カラカラに乾いた喉から、自分じゃないような声が漏れた。
 しゃがれて小さな、ぼそぼそとした声だった。
「ねえ、この人ダレ?」
 直人の左手を抱いた女の子が、きょとんとした顔で彼に聞いた。
 大人っぽい顔に似合わず、意外にも可愛らしい声だった。
 この声で、この女の子は直人に囁くのだろうか?
 「好き」と、まるでなんでもない事のように舌の上で転がしながら。
 自分はまだ、素直に好意を向けることすら躊躇っているというのに。
「…あ?…ああ、コイツは俺の同級生だ」
「友達?」
「…まあ、そんなようなもんだ」
「へぇ~……」

309:【僕オマエ】
08/04/18 02:48:31 V6/vedJi
 女の子は、直人の言葉に綺麗に揃えられた眉を上げ、そして何の前触れも無
く、両手を絡めた彼の腕をより一層“きゅっ”と抱き寄せた。
 直人と女の子の体が今まで以上に密着し、小さいとはいえ、ちゃんとふくら
みのある胸に直人の腕がますます押し付けられた。
 その途端、薫の全身が“ぶわっ”と熱を帯びた。
 “ひうっ”と息を吸ったまま、息が止まってしまった。
『なんだこの女……!!』
 たった今まで、悲しみとか、どこか裏切られたような理不尽な寂寥感に満ち
ていた心に、猛るような炎が灯る。
 それは、薫が同性に対して初めて抱いた、殺意にも似た、明確な“敵意”―。
 ……が、
「ふうん……そうなんだぁ…」
 女の子は、薫の顔を見て「くすっ」と笑った。
 笑ったのだ。
 その笑みはまるで、瀕死のネズミを嬲る猫の嗜虐性と残虐性がべっとりと塗
り付けられた仮面のようだった。
 余裕と、高みから蔑むかのような瞳の色に、薫は思わず目を逸らした。

 気付かれた…!?

 薫が、直人に対して少なからぬ好意を抱いている事に。
 薫の心に、確信めいたものが鋭い棘のように突き刺さる。
 目の前のこの女の子は……この女は、それに敏感に気付いて、わざと体を密
着させたのだ。
 薫が直人に「友達(のようなもの)」としか思われていないのに対して、自
分はこんなにも直人にくっつけて、心許してもらえて、「それが当たり前のよ
うに振舞うほど」自然な態度を崩さないでいてもらえることを、傲慢な優越感
を含んだ笑みと共に、厳然たる事実として見せ付けたのだ。
 ぶるぶると脚が震え、ぎゅっと両手を握り締めた。
 そうしないと、たちまち瞳に涙が溢れてきそうだった。
 直人の前で、この女の前で、みっともなく泣くのだけは、どうしても嫌だった!
「……な…んだよ。デートか?謹慎中のくせに、気楽だな」
 自然と乱暴な、とても女の子っぽくない蓮っ葉な言葉が唇を割って迸った。
 その一瞬、薫は直人が誰のせいで、誰のために「謹慎」しなければならなく
なったのかを忘れてしまった。
 その“男みたいな”口調に、女の子の顔がびっくりしたようになる。
「…いや、買い物しただけだ」
 直人は、なんだかわからないけれど急に態度が硬くなった薫に戸惑ったかの
ように、目を二三度パチパチと瞬かせた。
「……そうか。でも普通、そういうのを『デート』って言うんだよ」
「…そういう…ものか?」
「そうだよ。ね、小梅庵(こうめあん)いこ?抹茶パフェたべたーい」
 女が会話に割り込んで、勝手に断定し、勝手に話を進め、直人の逞しい胸に
頭を擦り付けた。
 小梅庵というのは、商店街からははずれた場所にある和風喫茶の事で、もっ
ぱら恋人同士の憩いの場所となっている人気の店だった。この町において、そ
の店に男女で行くというのはつまり、自分達が付き合っていると公言するよう
なものだった。
 両手が塞がっている直人は、女のされるがままだ。
 薫にはそれがまさしく、じゃれあうカップルのようにしか見えなかった。
 直人は女の態度に少し苛立っているように見えたが、今の薫には、それは照
れ隠しにしか見えなかったのだ。
「…ちょっと待てよ。俺は今、コイツと話」
「いいよ。行けよ」
「…カオル?」


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