触手・怪物に犯されるSS 16匹目at EROPARO
触手・怪物に犯されるSS 16匹目 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/02/23 01:06:54 bR9+iF4C
>1 乙

3:名無しさん@ピンキー
08/02/23 02:33:29 sVr70rNH
otu

4:名無しさん@ピンキー
08/02/23 03:01:42 8zPaszFP
これはわっちの自慢のしっぽではなくて、>>1乙じゃから勘違いをするでないぞ!
              |\       |\
              l lヽ`-‐ '´ ̄ `ヾゝヽ  つ
                 シ~ /" `ヽ ヽ  `、l     つ
             //, '///|! !∥ ヽハ 、_ヽ  つ
             〃 {_{\」」 L|l|/リ l │ |ヽ   つ
  ____.      レ!小l●    ● 从 |、| )
 く  ノ::::::;;;;;;\.     ヽ|l⊃ r‐‐v ⊂⊃ |ノハ´
   ̄ ̄フ;;;;;/ /⌒ヽ__|ヘ  ヽ ノ    j /⌒i !ヽ
    /;;;;/  . \ /ヽ.| l>,、 __, イァ/  ///ハ
  /;;;;∠___ /ヽ./| | ヽヾ、 /,{ヘ、__∧/ハ !
 く:::::::::;'::::::;':::::::;'::::::7ヽ< } /   l丶× / ヾ l l''ハ∨

5:名無しさん@ピンキー
08/02/23 05:48:10 1JSmIMi5
スレ立て乙

6:名無しさん@ピンキー
08/02/23 06:42:23 opZPG1yn
>>1乙にょろり


7:吟遊屋台
08/02/23 22:28:18 02XjESqZ
~お品書き~

・オススメ
触手の蒲焼き ¥時価

・凡々的菓子料理 
グレープグミアイスC(材料:グレープグミ+オロナミンC) ¥250円
カッパマヨ(材料:カッパえびせん+マヨネーズ) ¥300円

・本日の出し物
帰って来なくなった触人の鎮魂歌

8:名無しさん@ピンキー
08/02/23 22:48:54 kJLkIR/8
>>1乙。
前スレ見て思うけど、やっぱり触手なりきりスレとか作って、そっちでやってほしいとか思った。
終盤SSも上がらずアレばっかり見せられたのはさすがに萎えた。
書いてる自分個人から言わせてもらうと、もう少し抑えてほしい。入りどころわからないときがあるから。

9:名無しさん@ピンキー
08/02/24 00:12:53 gB3blvDH
otu-


10:名無しさん@ピンキー
08/02/24 03:27:11 oQw/1dCi
>>1
>>8
だって、ひまなんだもの

11:名無しさん@ピンキー
08/02/24 06:07:03 CVZEtETt
こないだ制服の可愛いラデッシュという店に女の子を求めて行って来たんだけど
もうそこの娘たち、強いのなんの…
蹴られるはレザーソや出刃包丁で触手が斬りつけられるは流木で殴られるは
いやあ、散々な目にあったよ



でもしっかりと店長さんとそのご友人をゲット!!
二人ともすでに出産経験済みなので、オイラの極太触手も楽々挿入できたよ
子供が産まれたら、彼女たちの娘さんに見せてあげたいな
『ほら、君たちの弟だよ』ってw
でもってお母さんたちを人質に、産まれた弟たちと交尾・繁殖を…

12:名無しさん@ピンキー
08/02/24 13:40:40 hmzl6qCU
寄生型の触手の特権は女性にチンチンを生やす事が可能性な点だよね。

いくら女性としての責めになれていても大抵の女性は経験無い未知の感覚で我慢の方法を知らないので
どんなに強情で屈強な精神の女性も最後には
オチンチン良いィィとか奇声を発しながら堕ちます

13:名無しさん@ピンキー
08/02/24 17:29:13 kMbuqkPB
フタも好み別れるからなー。俺も苦手だし。
まあ触手ならば「寄生=取り外し可能」って事でギリギリセフセフかも知れないが。

俺にとって白濁液は男性的欲望を象徴したものであって、それは触手か怪物(男)によって
発射されるべきものなんだ。
つまり、「(擬似であれ)男性器から白濁液を発射する女」は例え外見が女であっても
俺の脳内では男に分類されてしまい、アッー!なイメージになって萎えてしまうわけだ。

14:名無しさん@ピンキー
08/02/24 22:00:02 1BzJq0OS
>>11
おまい、それやってもその娘の父親が
娘や母親を触手出産ショーの見世物して結局おまいの子供達も見世物になるぞ……

15:名無しさん@ピンキー
08/02/25 08:41:54 YchoebhG
戦闘中にワザと逃走して深追いしてきた女戦士を罠にハメて陵辱もなかなかだよね

土地勘がある我々、触手と単に退治に来ただけの土地勘も無い女性とでは差がでるのは確実で

土地勘がある人間で無いと気付かない生い茂った草で隠れた底なしの泥沼周辺に誘い込み足を取られ焦って隙を見せた所に
いっきに襲いかかりお腹に一撃を加えて意識を飛ばして巣に持ち込んで頂きました

16:名無しさん@ピンキー
08/02/25 16:50:15 GW0SGnvL
>>13
では美少年がおにゃのこ(ローティーン辺り)にされてしまって、
ただでさえおにゃのこの体で戸惑ってるのに、
触手に孕まされて更にどうしような展開なSSとか

…そういう場合って仮に元に戻った場合どうするか?って問題があるな
そのまま孕ませられた状態で男の体でどうやって出産するのかってのが
まあ、触手モノってファンタジーだから何でもありに出来るが、
そういう現実を見てしまうと制約出来てしまうね…

いや、俺が挫折した設定だったんだけどさw

17:名無しさん@ピンキー
08/02/25 19:15:09 tehHuwhU
ショタ触手はいいよ

18:名無しさん@ピンキー
08/02/25 19:32:04 +dSGIhZ6
極めて個人的な意見で恐縮だが・・・
俺は性転換系は(恐らく全面的に)アウアウだな。多分フタもそれに分類されてると思う。

俺の好みはともかく、>>16氏の設定はちゃんと作ればお話として充分にイケるんでね?
何らかの要因で性転換しちゃうって時点で既に現実離れしてるんだから、別に美少年に戻った時に
妊娠状態が継続している必要は無いし、そこらは”いいわけ設定”をキッチリ詰めて丁寧に説明すれば
何の問題もないと思う。

>>そういう現実を見てしまうと制約出来てしまうね…

いやむしろそう言う制約こそが面白い話に繋がると思うよ。
オニャノコ状態の時のみ臨月カウントはジリジリと進み、主人公が自分の「女性要素」を認識するほどに
(速い話が触手にエチされて絶頂するたびに)加速するとか。
美少年モードでは臨月カウントは停止しているが、次にいつオニャノコ化するかとオドオドビクビクしつつ生活し、
何とかオニャノコ化しないように奔走するも、結局はオニャノコ化して触手に襲われて絶頂しまくるとか。

秀吉スキーな人にはド真ん中ストライク狙えそうだとは思うw
俺には無理だがww

19:名無しさん@ピンキー
08/02/26 15:10:55 3gknJE1F
美少女ヒロインを倒して捕らえたのですが変身を強制的に解除させてみたら正体は何とか
魔法のコンパクトで変身した小学生の女の子だったのですがどうしましょう?

触手としての意地で陵辱して虜にしちゃうか。情けをかけて逃がしてあげるか

手足を拘束して大の字で固定してコスチュームを引き裂いて全裸にして後は変身を強制解除して正体を拝んでから、ご開帳&処女強奪と思ってたのに。
女の子は涙目できっとみんなが助けてくれるから何をされても平気だもんって強がってるので、この子を人質に仲間を一網打尽って作戦も考えたけど・・・・・多分、仲間の正体も小学生の女の子

マジでどうしよう

20:名無しさん@ピンキー
08/02/26 15:35:12 uLsu3u1S
>>19
そこまでいくとVIPでやれと思う訳だが

21:名無しさん@ピンキー
08/02/26 17:33:31 xIuxDRa6
流れが妙な方向にいってるような……。流行り病か?
さぁみんな、今一度自分の触手を引き締めるにょろ!

22:名無しさん@ピンキー
08/02/26 18:32:31 vWPIPq+q
なんかドロドログチョグチョのエロについて熱く語るのが照れくさくて、
もしくはスレの空気が荒れるのが恐くて各人が書き込みの最後にニョロって付けている感じ

それが逆に空気固めていて、雑談ぶつ切り
指摘するとネタを出せと言われて荒れるので、また書き込みにニョロをつけて整調する

投下待ちってのは辛いな

23:名無しさん@ピンキー
08/02/27 05:57:32 UDwjpkqX
>>19
やっておしまい
仲間を信じる心をへし折ってやりな!

24:名無しさん@ピンキー
08/02/27 10:07:28 bWUrSYDT
>>19
もう遠慮なしに激しく犯して、堕としてしまいなさい。
更には孕ませてしまいなさい。
堕とした子を利用して更に仲間も堕としてしまいなさい。

25:名無しさん@ピンキー
08/02/27 18:47:38 pks6Vm8i
孕ました女の子が鬼嫁に変貌しました。

26:名無しさん@ピンキー
08/02/27 22:25:22 Ehefdpnr
>>22
たぶん年度末で書き手のほとんどが時間取れないからだと思われ
このスレ長いSS投下する触人が多いし、後1ヶ月ぐらいは耐えろ

なんならyouが書き手デビューしてみるという手もあるぜ?

27:名無しさん@ピンキー
08/02/28 01:20:38 4tSHnTF2
書き上がったの投下する予定だったのだが、何度試しても書き込めない……orzミンナスマナイ

28:名無しさん@ピンキー
08/02/28 02:32:58 EeqQAcsd
1レス22行以上で最初の行が何もなく改行だと書き込みが反映されないらしいにょろよ。
最初の1行目空けたい場合はスペース入れるといいって聞いたにょろ。
頑張って投下してくれにょろ!

29:名無しさん@ピンキー
08/02/28 03:48:25 QUNi/LL7
ちゅるやさん乙

30:名無しさん@ピンキー
08/02/28 04:47:31 6JryrwE4
なにゆえアニメ臭薄いここでちゅるやさん…。
触手ちゅるちゅる?うげげ…。

31:名無しさん@ピンキー
08/02/28 04:50:44 +7WcHwnN
15匹目のログ持ってる触手の方、UPしていただけませんか
保存しわすれてしまった

32:名無しさん@ピンキー
08/02/28 11:13:50 kbaB+ZPK
>>31
ロダ紹介して

33:名無しさん@ピンキー
08/02/28 12:37:13 4tSHnTF2
>>28
㌧クスにょろ。
今は難しいけど、夕方には投下できると思う。

34:名無しさん@ピンキー
08/02/28 13:59:16 wkiY9LsY
>>32
1rKからお好きなものを

35:謀ったな@シャア!!
08/02/28 14:58:38 1je6dHtO
新スレ開始から5日も経ってようやく把握した当方は間違いなく浦島太郎。
粉砕天使ナツメ、ゼフィルス編最終章。のっけから胃に優しくない長文作品で恐縮ですが、何卒ご容赦を。

36:謀ったな@シャア!!
08/02/28 14:59:42 1je6dHtO
~粉砕天使ナツメ 第四話 後編~

「これは…」

エミリアの瞳は銀貨のように丸くなった。
木々が鬱葱と茂る小高い丘陵の中腹。腰の高さまで伸びた夏草を掻き分けて入った斜面に、ぼっかりと洞窟が口を開けていたのである。
幅も高さも大人が並んで通れる代物。中を覗き込めば一面に広がる暗黒世界。奥行きは相当なものだ。そして左右には朽ち果てた観音開きの鉄格子が。

「どうやら戦中の防空壕みたいだな」

入り口の脇に倒れていた立て札を掴み起こしマルーシャが言う。

「アメさんだかガミラスだかとドンパチやってた頃のモンだね。管理は雛菊市になってら」

立ち入りを禁止する旨と管轄の連絡先だけが書かれた味気無い標識を、マルーシャはポイと後方に投げ捨てた。錆び付いた金属が草むらに頭から沈み、スズメが何羽か逃げていく。

「……………」

エミリアは無言で進み出て入り口付近で膝を着いた。
彼女が見ているのは鉄格子に施されていたと思しき鎖と南京錠。それは正規の手段で解除されたのではなく、とてつもない力でひん曲げられ、鎖の部分を引き千切られていた。
そしてを暗闇に目を凝らせば一面に輝く黄金色の粉末。間違いない。ビンゴだ。

「マルーって方向音痴のクセに、ホントこーゆー場所だけはバッチリ嗅ぎ当てるのよねぇ…」

「なはは。もっと褒め称えなさい」

感心というよりもむしろ呆れて呟くエミリア。片や金髪娘は十六まで迷子センターのお世話になっていた過去を棚に上げ鼻高々だ。
ワルシャワでは三回迷子になり、バルセロナでは八回迷子になり、ベネツィアではとうとうホテルに帰って来なかったのは、当人を除いてエミリアとユイのみが知る秘匿事項である。

「さァて、どうするエミィさんや?せっかくだから担当部署にテレフォンしてみるかい?」

おどけた口調とは裏腹に、マルーシャは端正な唇を獲物を前にした猛獣の如く吊り上げ、その美しい顔に壮絶極まる戦闘的な笑みを貼り付ける。
セーフティーを解除された<ブラチーノ>がジャキリと牙を打ち鳴らし、主人の闘争心に応えて見せた。

「やめとくわ。ナツメのお陰で今月の通話料金すごい事になってるから」

エミリアは表情ひとつ変えずに受け流すと<クロイツァー>の照準を洞穴内に向ける。どこまでも蒼白いセントエルモの篝火が闇を打ち払い歩むべき道を指し示した。

「ほんじゃあ、久方振りの殴り込みと行きますか!」

互いの武器を構え、二人が魔窟の内部へと足を踏み出したその瞬間だった。


『嫌あああああーーーーーっ!!!』


「………ッ!!!」

黒一色の世界を引き裂く断末魔の悲鳴。

「なっ、ナツメ―――!!」

「クソ。インディ先生を呼びに行ってる暇は無いってか」

即座に二人は地を蹴り、洞窟内の淀んだ大気を掻き回す竜巻となって駆けて行った。

37:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:01:32 1je6dHtO


「ひあっ、ああああああーーーーー!!」

一番乗りの卵を無事子宮に送り届けた後も、ゼフィルスの女王は攻撃の手を緩めなかった。
自らの生命力を誇示するかのように膨張した腹部は、巨大なヒルを思わせる前立運動を繰り返し、内部に貯蔵された胚を産卵管へと押し出し続ける。
母親の胎から追い出された命の種は、自らを受け入れてくれる別世界へと至る架け橋を、ゆっくりと、テンポ良く、そして確実に渡って行く。

「くぁうっ!やめてぇ!もう、もう許してぇーーーーーっ!!」

半透明のアーチで女王とリンクさせられている継母は、何の罪を犯した訳でもなく、言葉ひとつ通じぬバケモノにひたすら許しを請う。
彼女の内股は自らの肉腺から溢れ出た分泌物と、触手をコーティングする粘体の混合物で泥沼と化し、そこから滴り落ちるコロイドが足首に絡まるジーンズに黒々としたシミを広げていった。

―――ぐにゅ。

「…うぐっ!?」

二つ目の卵が彼女の膣に潜り込んで来た。大物を咥え込まされたナツメの肉壷は、悪魔の球体を押し返そうとあらん限りに収縮したが、地力の差は歴然。
脈動するパイプの肉厚に保護され、ゼフィルスの子種は難なく最終関門まで到達。既に送り込まれた兄弟との間を隔てる谷間に頭を擦り付ける。そして…。

―――ぐぽっ。

凶悪な肉棒の先端が大きく爆ぜるのと、柔らかな真珠はラムネ瓶のビー玉のように、ナツメの子宮内へと転がり落ちた。

「は…んうっ!!」

言葉にならない苗床の悲鳴を他所に、二つになった卵達は早くも生存競争をスタートさせる。並み居る兄弟達を凌駕し、最も強靭な幼体となった物が、この娘の腹を独り占め出来るのだ。

「いぁぁぁあーーーーーっ!!」

二個目の卵と一緒にどろりと流し込まれたゲル化物。その尋常ならざる熱さにナツメの身体が跳ねた。母胎の性的興奮を加速させ、生まれ来る芋虫達により快適な揺り籠を提供する悪魔の触媒だ。
注ぎ込まれるヘドロの中で二つの卵がころころ転がり子宮内壁に跳ね返る。その切ない刺激は昂ぶらされた神経を焦がし、限界まで開かれたナツメの瞳は星屑を見た。

「くぁ…ぁ、…あ…うぁ…」

ごぼ…ごぼごぼごぼ、ごぷん。

小さな口を顎が外れそうなほど開け放ち、白い歯並びを剥き出しにして、ナツメはかすれた呼吸を続ける。ピンと張り切った四肢とは対照的に緩み果てた彼女の秘部を、クリーム色の球体が次々と通過していく。
ひとつ、ふたつ、みっつ、…それ以降はもう数えていない。いや、数えられない。これが自分の終わりなのだろうか?

―――ぶちゅ。

いや、始まりなのだ。女として生まれた者が背負う母としての人生の。世の一般的な女性達と違う点があるとすれば、それはたった一つ。その身に宿す子供が、ホモ・サピエンスの子孫ではないと言う事。

38:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:03:22 1je6dHtO
ぷちぷち……、ぶち…。

股間の辺りから、何かが千切れる音がする。
ナツメの膣に挿し込まれた産卵管が、矢じり状の先端部を切り離そうとしているのだ。彼女の膣内にすっぽり埋まったその部位は、既に卵が通過した空洞を筋肉の力で閉じてしまっている。
そう、つまり役目を終えた亀頭をナツメの膣内に残し、栓をしてしまおうというのだ。

(そん………な…)

子宮に充填された卵と液体が洩れ出してしまわない為の、言わば究極の防止策である。この肉の栓が外される時、それは終齢まで成長し終えた幼虫が、蛹になろうと母胎から頭を覗かせる瞬間に他ならない。

(どうして…、どうして…そこまで…されなきゃ…)

―――ぶちり。

その音は彼女の疑問には応えなかった。完全に切り離された穂先をナツメの身体に残したまま、ゼフィルス・クィーンの産卵管は股間から離れていった。
殆ど動けない上体をゆっくり起こしながら、女王は抜いたばかりの生殖器を六本の脚で丹念に拭う。これは今や殆ど用を為していない脚部にとって数少ない仕事でもある。
先端をパージした産卵管はムズムズと蠢きながら、内部の組織を切断面に送り出し、数秒と要さずに新品の亀頭を作り上げて見せた。まるでロケット鉛筆である。

―――どちゃり。

「あ………」

触手の拘束が外され、ナツメの身体はヌメった岩肌に投げ出される。そのお腹はまだ膨らんでこそいなかったが、ムズ痒い異物感とズシリと来る重さが現実を如実に語っていた。
頭の中が真っ白だ。もう何も考える事ができない。
わらわらと、ワーカー・ゼフィルスたちが集まって来る。尻から粘糸を放射し、ナツメを固定するつもりなのだろう。もう、彼女は抵抗しなかった。迫り来るワーカーたちの複眼が、翼が、視界を覆い尽くす。

巨大な光の柱が眼前を横切り、それら烏合の衆が津波に攫われるようにして消し飛んだ瞬間も、ナツメは瞬きひとつしなかった。

39:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:04:24 1je6dHtO


「ナツメぇーーーーーーー!!」

普段の彼女を知る者ならおよそ想像もつかない大声で、葬送天使エミリアは仲間の名を叫んだ。彼女の眼前は一直線に抉られ、融解した岩盤がジュウジュウと赤く呻き続けている。
フルチャージで魔力の矢を解き放つ技<アインホルン>。その閃光は矢というよりも神殿の石柱に近い巨大さであった。
苗床にされている他の少女達が巻き添えにならなかったのは、もはや只の偶然である。およそエミリアに似つかわしくない暴挙だ。

「――くッ!!」

モーセに割られた海の如く左右に逃げ惑うワーカー達を、手甲から飛び出した鉤爪で切り裂きながら、エミリアはカマイタチを思わせる神速でナツメの許に急行。
虚ろな彼女を抱き起こすと、敵軍の密度が薄い壁際にひとっ跳びし、地べたの乾いた場所へその身を横たえた。

「ナツメ!しっかりしなさい、ナツメ!!」

「…えみぃ…ちゃん?」

赤子のように頬を紅潮させた彼女は、意外としっかりした動作でその身を起こすと、エミリアの方を見返してくる。

「ナツメ!無事だったの!?」

間に合ったかに見えたのだ。しかし、その喜びは一瞬だった。ナツメは幽鬼の如き表情のまま、ようやく自由になった両手を自身の股間へと運ぶ。
そのままクチュクチュという淫らな音を立て、何かをまさぐっていた彼女の指は、ようやく捕まえたその物体を膣の中から一思いに引きずり出した。

――べちゃ。

白濁液まみれで摘出されたその物体は、浜辺に打ち上げられて干乾びたクラゲのようでさえある。

「な、ナツメ…。まさか……これ……」

震えるエミリアに応える形で、栓の抜かれたナツメの陰部から大量の粘液が流れ出した。そして、その中に浮いているクリーム色の球体…。

「エミィちゃん…。私、わたし…、わた……――うぶッ!?」

ナツメは咄嗟に背を向けた。一拍遅れてべちゃべちゃと流動体の吐き出される音。自らの胎内に植え付けられた物体を間近で確かめたナツメは、ショックを起こし、消化途中の昼食を全部戻してしまったのだ。
そしてエミリアも確認した。受け入れがたい現実を。ナツメがバケモノの母胎にされてしまったのだと言う事を。

「ハァ、ハァ、ハァ……。んむっ」

ヨダレを拭い涙ぐんだ顔を持ち上げるナツメ。嘔吐で少しは楽になったのだろうか。その瞳は幾らか生気を取り戻している。

「エミィちゃん、私………」

「ごめんなさいナツメ。私が、私がもっとしっかりしてれば…っ!」

「ねぇっ!私どうしたらいいの!?ねえってば!?」

今流れ出た卵で全部でないのは確実だ。<クロイツァー>をギリギリと握り締めるエミリアに、縋る様な視線でナツメは問いかける。

「落ち着いて。治療法はあるから。とにかく、ここを切り開いて一旦退くわ」

「そんな!?わたし……っ、変身するだけの力なんて――」

「目を閉じて。少し時間が掛かるけど、今から私の魔力を半分渡すわ」

エミリアは慣れた手つきでナツメの腕を取り、彼女の両手と自らの両手を重ねた。僅かな隙間に入り込んだ空気は、なぜか二人の体温以上の温もりを持っている。ナツメは悟った。これが天使の持つ魔力の温かみなのだ、と。

40:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:05:44 1je6dHtO
「で、でも!こんな事してたら――っ」

敵に囲まれてしまう。と言い掛けたところで、数匹のワーカー・ゼフィルスが二人の視界を掠めて吹っ飛び、ごしゃりと粉砕音を立てて岩壁に激突した。

「……ナッちゃん……」

デスパイアを薙ぎ払ったのは後詰めで敵を掃討して来たマルーシャだった。勘の良い彼女は二人の姿を一瞥しただけで、ナツメの身に起こった事の全てを理解した。そして、今の自分が果たすべき使命も。

「……………」

コートを翻し、灼熱天使は身を寄せ合う二人に背を向ける。自分には、誰かの傷を癒す力なんてハナから備わっていない。灼熱天使マルーシャに出来る事は唯一つ。
目の前に押し寄せる敵を叩き潰し、薙ぎ払い、尽く消し炭に変換する事。

「…よくも犯ってくれたな。このデス公ども」

雲霞の如く集まって来た敵兵の群れ。人質だらけのこの空間内で、よもや<ブラチーノ>をぶっ放すワケにはいかない。だが、虎の子の重火器を封じられたにも拘らず、金髪娘の顔には焦りも恐怖も見られない。
そこにあるのは怒り。赤熱化した鉄の如き怒り。魔弾の射手は自らの拳をゴキゴキと鳴らした。そして…。

「悔い改めろ。一思いに死ねるだけでも神慮だと思え!!」

彼女が地を蹴った半秒後。包囲網の最前列にいた巨大昆虫の頭部は、強烈な右ストレートに跡形も無く吹き飛ばされていた。



目の前にいた同胞の上半分が突如消失し驚いた一匹が、慌てて距離を取ろうとする。が、遅い。長大な銃身が鬼の金棒の如く振り下ろされ、後退したデスパイアはその一撃で平面図へと変わり果てた。

「ぜあッ!!」

大振りな攻撃の隙を付いて、左脇から一匹が踊りかかる。だが、マルーシャの身体に組み付いたと思ったその瞬間、デスパイアの腹部に固体ロケットのような左アッパーが炸裂。
バケモノの体は玩具のように宙を舞い、天井から垂れ下がる鍾乳に突き刺さった。

「さァ、死にたいヤツから整列しろィ!!」

普段から重さにして20キログラム近い重火器を持ち歩いている身だ。変身後の彼女の両腕は、赤手空拳であろうとに凶器そのものである。
加えて本来なら弾丸に乗せて射出されるはずの魔力をそこ宿し、赤銅色に輝く両の拳は、およそワーカー・ゼフィルスの身に耐えられる代物ではなかった。
彼らにとって不幸だったのは、この限られた空間では持ち前の空中機動を活かせなかった事。そして、余りにも増え過ぎた個体数が逆に彼らの動きを阻害してしまった二点である。
対するマルーシャは接近戦の名手、殲滅天使イゾルデから手解きを受けて来た強者。その戦闘能力の差は筆舌に尽くし難い開きがある。

「…っらあ!!」

背後から跳び掛かった個体を振り向きざまの裏拳で叩き割り、更にもう半回転して正面に迫った一匹に肘打ちを叩き込む。降り注ぐ返り血を魔力で蒸発させながら舞踏するそのシルエットは、天使というよりも鬼神のそれに近い。
デスパイアも負けてはいられない。破壊衝動を的確にコントロールして叩きつけてくる戦乙女を前にしても、彼らは我が身を省みず突進し、マルーシャを引きずり倒そうとする。
女王を護る。本能に定められたその使命だけが、彼らの恐怖を麻痺させ死の竜巻へと躍り掛からせていた。

41:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:06:19 1je6dHtO
(畜生。大漁にも限度があるぞ、こりゃ………)

質と量の戦い。下段から音も無く滑り込んできた一匹をトゥキックで蹴り上げ、その頭部を膝と肘で挟み叩き潰す。
天井から直滑降して来た勇者には抜き手を打ち込み、握力に任せて臓器をグシャリ。ビクビクと痙攣する亡骸を真正面に躍り出たヤツに叩き付け、怯んだところを銃のストックで薙ぎ払う。

「そんじゃあボチボチ隠し球と行きますか!」

目の前の集団と距離が出来たと踏むや、イグニートエンジェルは鉄塔のような<ブラチーノ>のバレルに魔力を凝縮。すると銃口下部から赤熱化したレイピアの如き刺突兵装が飛び出す。

「さァ!マルーシャさん特製バヨネット<戦列をなすプラーミア>!!跪いて拝みやがれ!!」

血の海を蹴り、撃鉄で尻を叩かれた弾丸の如く飛び出すマルーシャ。銃剣を備え騎兵の面を被った<ブラチーノ>は、三匹のデスパイアを軽々と串刺しにした。
大きな弧を描いて銃身を振り回せば、既に事切れたワーカー達がスッポ抜け、亡骸は天井にぶち当たって落下。
マルーシャがその身を反転させて後方を薙ぐと、たちまち二匹の魔物の上半身が斬り飛ばされて、肉の焼ける匂いを放ちながら同胞どもの頭上に舞った。
灼熱の銃剣で焼き切られた傷口は一瞬の内に炭と化し、一滴の血液も流さない。

(このまま押し切れりゃ万々歳なんだけどな…)

雲霞の如く、という比喩は正に彼等の為にあるようなものだ。これでようやく一割、いや二割片付いた辺りか。白状すると、マルーシャは乱戦には余り向かない天使だ。
攻撃のインターバルが比較的長く、単発の大技を得意とするパーティーの言わば大砲である。
昔なら手数が必要とされる戦いは、いずれもユイがその力量を発揮し、次いでバランスに長けたエミリアが揮っていたのだが、この状況ではそれも望めない。

(ちッ。捕まってる娘らさえいなけりゃ、こんな虫ケラども即刻レンジでチンしてやれたのに)

翅を広げ鱗粉を撒いていた一匹を突き刺し、高々と放り投げながらマルーシャは臍を噛む。

「エミィー!まだ終わンねえのか!?」

二人がいる方角にマルーシャが振り向いたその瞬間、蒼白い光の矢が彼女の前髪を掠めて通過し、背後で跳び掛かろうとしたデスパイアの額に突き立てられた。

「さーっすがエミ坊。ナーイスタミング!!」



ナツメへの魔力転送が完了し、戦線に復帰するエミリア。立て続けに放たれた五本の矢がそれぞれ的確にバケモノを打ち抜く。そして、その傍らには――……。

「…っておいナッちゃん!大丈夫なのかよ!?」

ウェディングドレスのような華やかに衣装に、不釣合いな巨大ハンマー。
再変身したナツメが<フロムヘヴン>を握り締めて立っているのだ。その顔は明らかに紅潮し、足腰も内股気味で心なしか震えているように見えた。注ぎ込まれた液体の効果はまだ続いているらしい。だが…。

「だ、だって…。マルーシャさんやエミィちゃんが戦ってるのに、私だけなんて…」

荒い息をつきながらもナツメは言葉を紡ぐ。潤んだ瞳には梃子でも動かない彼女特有の固い決意が宿っている。

「……………」

隣の葬送天使にチラリと目配せしてみたが、彼女は黙って首を横に振る。エミリアは止めなかったのか。或いは止めても無駄だと判断したのか。
変身するところを他の被害者に見られなかったか少々気掛かりだが…、生憎その心配は要らなそうだ。
戦闘で巻き起こされたデスパイアの燐粉に曝された彼女たちは、完全にその脳を快楽一色に染め上げられ、はしたない嬌声のコーラスに明け暮れている。
余り好ましい状況ではないが、こればかりは仕方が無い。

42:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:07:35 1je6dHtO
「わーった。取り敢えずは一旦脱出だ。密閉空間でこれ以上エロい粉撒かれたらウチらも危ない」

「走れる、ナツメ?」

「う、うん」

簡潔なブリーフィングを終えた彼女たちは明りが差し込む方角を見据える。出口はあの先だ。しかしその周囲はまだ数十匹ものワーカー・ゼフィルスが大河の如く横たわっている。
流石に全部相手にするのは無理がある。戦闘は最小限に留めなければ――……。

ブチ。ブチブチブチ…。

「…え?」

「ん?」

何の脈絡も無しに、聞き慣れぬ不気味な響きが彼女たちの聴覚へと割り込んだ。

ブチ、ブチブチ、ビチ…。

それだけではない。ワーカー・ゼフィルスの動きが一斉に停止したのだ。音の正体を掴みかねた三人は互いに背中を合わせ、息を殺して警戒態勢を取る。
その内の一人、エミリアの武装<クロイツァー>の照準が洞窟の最奥部に照らし出した物は――……。

「なッ!?」

「げ」

「…うそ…!?」

産卵用の巨大な腹部をブチブチと切り離しているゼフィルス・クィーンの姿。女王自らの出陣である。



ずずぅ……ん…。

壕全体が軽く揺れ、パラパラと小石が降り注いだ。天井に張り付いていたクィーンの巨体が床に降りたのである。
芋虫のように膨張していた腹部は完全に切り離され、中から現れたのは甲冑に覆われ金属光沢を放つスマートなボディ。その全長はワーカーたちの実に数倍。ジェット戦斗機と肩を並べる大きさである。

「マルー…。貴女これ、知ってた?」

「いんや…、全然…」

荘厳美麗な威容に息を呑む三人。対デスパイア用ドキドキ必勝マニュアルは大幅な加筆修正が迫られそうだ。
まるでクシャクシャにされた半紙がひとりでに元の姿に戻っていくかのように、完全にちぢれていた女王の双翼が開き始めたのだ。
蒼と紫を基調にした美しいアラベスク模様が天井を覆い、周囲のワーカー・ゼフィルスたちはその光景を称えるかの如く、一斉にバサバサと翅をはためかせ、鱗粉を盛大に舞わせ始める。

「――走って!!」

エミリアの号令を引き鉄に三人は出口目掛けて駆け出す。翅を振り回すワーカーを途中何匹も肘で押し退け、彼女たちは光の差す方へと一目散。

「キシャァァァァアーーーー!!!」

その背後から、ゼフィルス・クィーンの咆哮が響き渡った。それを合図にワーカー達は一斉に活動を再開。真紅の複眼をギラギラ輝かせながら、一斉に天使達の追撃に走る。


43:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:08:54 1je6dHtO
「畜生。やっこさんども追って来やがる!!」

背後を振り向いたマルーシャが吐き捨てるように言った。
巣穴と出口の中間に位置する細く緩やかな坂道を一行は全力で駆け上がる。そのすぐ後ろからは、ワーカー達の翅と翅がぶつかり合うガサガサという音。
時折響いてくるズゴンズゴンという地鳴りは、最後尾のゼフィルス・クィーンが狭い通路を鋼の肉体で拡張しながら迫り来る音だ。

「追って来るって、一体何の為に?」

「そりゃあー、やっぱアレっしょ。謝罪と賠償を要求する、ってヤツで」

「なによそれ」

マルーシャの返事をエミリアが訝しがる。

「だーかーらー、殺された仲間の分をウチらで産んで返せって事よ」

その答えにエミリアの顔は歪み、ナツメの顔は青ざめた。

「私は御暇させて貰うから、一番多く仕留めたマルーが全部お願いね」

「あ、こらテメ。誰を庇ったと思ってやがる、この薄情モン」

「ってゆーか…そもそも、そーゆのを聞き分けて貰える相手じゃないと思います…」

自分達の馬鹿な遣り取りにまで落ち着いたツッコミを入れて来るナツメにマルーシャは内心胸を撫で下ろす。
どうやらナツメには気づかれずに済んでいる。そう、奴らの目的は他でもない、卵を産みつけた母胎を、つまりナツメを取り返そうとしているのだという事を。

(この子の事だからねえ…。アタシらが追い詰められたら自分がスケープゴートになるくらい平気で言い出すよ、きっと)

隣のエミリアもウインクして来る。彼女もこのルーキーの性格は把握済みだ。

「あぅッ!」

苔むした岩場に足を取られナツメが危うく転びそうになる。
無理もない。彼女の腰は人間のモノを遥かに凌駕する巨大な一物を突き立てられた直後なのだ。太腿を伝わる幾筋もの滴は、洩れ出るデスパイアの粘液か、或いは自身の愛液か。
強がって見せてはいるものの、彼女が置かれている状況は余りにも厳しい。

「大丈夫か、ナッちゃん!?」

「あ、…ハイ!」

マルーシャに背中から抱き起こされ、辛うじて転倒を免れるナツメ。
僅かな時間でも稼ごうと、エミリアが振り返りざまに数度<クロイツァー>の弦を鳴らしたが、一匹や二匹屠ったところで焼け石に水である。

「頑張れよ、ナッちゃん。入り口まであと一息だ」

「で、でも!外に出たらアイツらまた飛べるんじゃ…っ!?」

「なァに、心配ゴム用。こんな事もあろうかと、我等がエミィは入り口に“とっておき”を仕掛けてあるのさ」

「とって…おき?」

「ああ。国際人道法廷に引きずり出されても文句言えないくらいのイカした奴をね。ド鬼畜天使エミリアたんの名はダテじゃ無いッ、てな」

「…人の称号、勝手に改竄しないで貰えるかしら?」

グッと親指を立てるマルーシャを横目で睨みつけながら、エミリアはナツメに肩を貸す。二人の仲間に支えられながら、粉砕天使ナツメは朱色の光が差し込む脱出口へと駆けて行った。

44:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:10:13 1je6dHtO


視界が開けると、焼けるような真夏の太陽は既にそこに居なかった。
雑木林に響き渡るのはヒグラシの合唱。紫色の空には既に夜のインクが滲み始め、丘陵から見渡す市街地はもう所々に明かりを灯し始めている。
街を南北に分断する光の帯は開通間もない高速道路だ。

「エミィ!!」

「ええ!」

暮れなずむ景色を眺めている暇など彼女たちには与えられない。
マルーシャはナツメを軽々と抱え、手近な広葉樹の陰へと滑り込む。一方のエミリアは洞窟入り口の前でこれ見よがしに立ちはだかり、<クロイツァー>の弦をひとたび鳴らす。
空洞内部からは、バケモノたちの押し寄せる行軍音と、地鳴りとなって響き渡るクィーンの咆哮が…。

「え、エミィちゃん!!」

「大丈夫だ。伏せてなって」

彼女の身を案じたナツメがマルーシャに押し止められた丁度その時、洞窟手前の地面に蒼白い円形の魔法陣が出現。バチバチと周囲に紫電を走らせながら、中心部に魔力を掻き集めて行く。
大地を伝わる振動は、凝縮された魔力に地盤が共鳴しているのか、濁流の如く押し寄せる敵勢の軍靴か、あるいはその両方か。

「キシャーーーーア!!」

狂気と怒りの境目を見失った絶叫が深い闇を切り裂いて盲進して来た。近い。敵はもうすぐそこに迫っている。そして…。

「さぁ、大地に伏せし蒼白の檻よ!葬送の名の下に猛き戦嵐となりて爆ぜなさい!!」

エミリアの手甲が円陣を射すのと、敵先頭集団の顔が防空壕の入り口に現れたのは同時であった。

ドッ…ズズウーーーーーーーン!!

瞳を閉じても目蓋の裏が白くなるような、猛烈な光が辺り一面を包み込む。エミリアの仕掛けた魔法陣は、活火山の火口が蒼い炎を吐き出したかのように決壊し、無数の光柱を噴出。
丁度真上に差し掛かったデスパイアの集団は次々と、炉にくべられた薪のように燃え上がり、蒼き篝火となって夏草の上に転げまわる。

トラップ型の攻撃魔法陣<シュテルメン・フェーダー>。設置後も大気中の微量な魔力を吸い上げ続け、その破壊力を維持継続する必殺の罠である。
使いどころこそ限られるものの、不用意に踏み込めば上級デスパイアと言えども致命傷を負いかねないこの遠隔操作型地雷の前では、ワーカー・ゼフィルスなど塵芥に等しい。
前方の異変を察知した何匹かが急停止を試みたが、果たせるかな、僅かな先見性を発揮した者も、自身の後方より殺到する友軍に呑まれそのまま死地へと一直線。
断末魔の悲鳴を上げる猶予も与えられぬまま、光にまで分解され消えていった。

「…す、すごい…」

「なんつーか、いつ見てもジェノサイド条約違反だよな。見ろ、化け物がゴミのようだ!みたいな」

たったひとつの魔法陣で、並み居るデスパイアが見る型も無く消し飛んだのだ。ナツメの瞳は満月になり、流石のマルーシャも苦笑いである。

「おーい、エミィー!終わったかーい!?」

敵方の壊滅を見届けた二人が、樹木の陰から身を起こそうとしたその瞬間だった。洞窟の前で構えていたエミリアが、唐突に地を蹴り草むらに飛び込んだのだ。
その様子に何かを察知したマルーシャが、ポカンとしていたナツメを掴まえ横っ飛びに倒れ込む。その刹那――。

「キシャァーーーーーーーアッ!!!」

雄叫びと共に防空壕の入り口が吹き飛んだ。魔力によるものではない、物理的破壊である。
洞窟から飛び出し、エミリアの頭上すれすれを通過する巨大な影。旅客機のような風切音と風圧がナツメたちの所まで届き、伏せている三人を丸太のように転がす。

45:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:10:48 1je6dHtO
「――くっ!?」

何事かと頭上を仰ぎ見れば、蒼い炎に包まれた巨体が火の粉を撒き散らしながら木々の枝を突き抜け、悠然と上昇していく。
黄昏に打ち上げられる花火のように大空に舞ったそれは、エンジェル達の姿を遥か下界に望みながら巨大な翼をバサリと展開。まとわり付く炎を振り払いながら、見る者を圧倒する美しき威容を彼女たちの頭上に咲き誇らせる。

「…流石にボスキャラは一発でドカンとはいかないか」

夕闇に沈み行く雛菊市を眼下に望みながら、三人の天使達はゼフィルス・クィーンと対峙した。



先手を打ったのはエミリア。目にも止まらぬ早業で<クロイツァー>が引き絞られ、弓鳴りと共に光の筋が打ち出される。だが…。

「…なっ!?」

直撃かと思われた刹那、ゼフィルス・クィーンの翅に浮かぶ幾何学模様が妖しく煌き、光の矢はジュッと音を立てて掻き消される。間髪入れずにマルーシャがライフルの照準をその巨体に向けるが…。

「危ない!!」

「――のわッ!?」

「きゃあっ!!」

引鉄が引かれるよりも早く、クィーンの翼からず太い光線が放たれ、ドシャーンという轟音と共に彼女たちの周囲を薙ぎ払ったのだ。

「畜生。なんだってんだ今のあ!?」

「…見た感じ、ライトニング系の攻性魔法みたいだけど」

「魔法って!デスパイアが魔法!?」

狼狽する天使達の頭上でクィーンの双翅が光り輝き、二射目の雷撃が大地を焦がした。三人は散り散りになってコナラやブナの樹の下に駆け込み、敵の射線軸からその身を隠す。
木々の合間を縫って、絶妙な照準精度を誇る<クロイツァー>の応射がクィーンに放たれたが、光の矢は先程同様、命中寸前で弾かれてしまった。

「あの翼に描かれてる紋章。恐らくは戦術魔法陣の一種ね」

「てーとアレか。あの女王様は、背中にドでかい大砲を二門乗っけて遊覧飛行してらっしゃる?」

「ええ。おまけにシールドも展開できるみたいだから、こっちからの魔法攻撃は完全にシャットアウトされるわ」

つまりあの巨大な翅は単なる飛翔器官ではなく、無敵の剣と盾を兼ねた武装でもある訳だ。

「なんか手は無いのか、エミィ?」

「遠距離からじゃなくて、何かこう、直接叩けるような手段があれば…」

「直接ってそんな…。あんな高いとこ飛んでるのに…」

マルーシャのライフルなら撃ち抜けるかもしれないが、<ブラチーノ>の長銃身では照準を定めている間に狙い撃ちだ。ナツメの<フロムヘヴン>は…当然届かない。
攻め手を欠き歯噛みする彼女達のすぐ脇を一条の光が走り抜け、一拍遅れてその軌跡が爆発し燃え上がった落ち葉を宙に舞わす。三人の居所を見失った敵は、絨毯爆撃でネズミを燻り出そうとしているのだ。

46:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:13:02 1je6dHtO
「へっ。敵さんのキャンプが防空壕だったのはツイてたな」

マルーシャの言う通りだ。穴の中で苗床にされている娘達は、この航空攻撃の嵐の中でも分厚い岩盤によって護られている。まさか掘られてから半世紀以上後の世でこの壕が役立つ時が来ようとは。当時の人々は夢想だに出来まい。

「問題はむしろこっちよ…」

苦々しく呟くエミリアの背後を光線が通過し、巨木が一本根元から薙ぎ倒された。このまま何時までも隠れてもいられない。よしんぼこの場をやり過ごしても、あんな爆撃機のような昆虫を市街地に出す訳には行かないのだ。

「なァ、エミィ…」

「…何?」

数メートル先の木の下から、押し殺した声で話し掛けてきたのはマルーシャだ。

「あの“空飛ぶ妖樹”を墜とした時のアレ。このメンツでやれないか?」

「――な!?」

努めて冷静を保っていたエミリアの顔が俄かに気色ばむ。ナツメにはその理由がイマイチ掴めない。

「マルー、あなた正気?この面子ってナツメがどれだけ消耗してるのか分かってるの?」

「あー。言いたい事は分かるさ。でもね、こうやってこのまま隠れんぼしててもジリ貧だよ。三人揃ってローストチキンか、ママンにされちまうかの二択だ」

「そうは言っても…!」

いつに無く厳しい語調をマルーシャに向けるエミリア。だが、その視線に射抜かれる金髪娘は至って涼し気だ。自分の腹はもう決まっている。唇の端を僅かばかり持ち上げた微笑は、その言外のメッセージである。
エミリアの決断を促すように、更に一発の雷撃が山肌を穿ち岩盤を真っ赤に煮え繰り返らせた。敵はアウトレンジからやりたい放題である。

「あ、あのー…」

ここに来て話の読めないナツメがようやく口を挟む。

「えーと、つまりその…。ちょっと危ないけど一発逆転の手段がある、って事でいいの?」

「んーまァ、高倍率というか一発ポッキリの大博打がね」

「ひょっとして…自爆とか?」

「えっ、あ、いや流石にそこまではー…。つーか何気にナッちゃん過激だな…」

ナツメの極端な発想力に半歩引きながらも、マルーシャは傍らの後輩に耳打ちした。

47:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:13:42 1je6dHtO
「言ってみりゃサーカスみたいなモンさ。二人掛かりで全力のエア・ブースト魔法陣を作って、残る鉄砲玉役がブッ飛んで、お空の敵を直に殴り飛ばすって寸法な」

「それってつまり…人間大砲…ですか?」

「んなダッサイ呼び方しなさんなって。その名も<超、滅、殺!地対空ときめきエンジェルキャノン!!>。どう、イカスっしょ?」

「……………」

返事はない。

「…そんな酷い呼び方してたの貴女とユイだけよ」

「へーん、二対一ですもんねー。ビバ、民主主義。異議申し立ては法廷まで御労足お願いします」

「ユイはともかくナツメがいつ賛成したのよ」

頭の痛くなりそうな先輩達のコミュニケーションを他所にナツメは真顔だった。
鉄砲玉役というのはつまり、今回はナツメの事を言っているのだろう。このメンバーで一番物理攻撃力が高いのは自分なのだし、先程エミリアが止めていた訳も合点がいく。

「…………」

どうする?出来るのか?あの巨大な昆虫のバケモノと、一対一で、それも空中で。
巣穴の中での出来事が頭を過ぎる。卵を産みつけられる少女の悲鳴。苗床にされた少女達の嗚咽。そして、突き立てられた野太い産卵管。その感触は今なおナツメを苛ませて止まない。
あの地獄絵図を天井から睥睨していたデスパイアの女王。果たして自分は奴に勝てるのだろうか?

(…でも、このままじゃ…)

兵隊を全て潰されたとはいえ、ゼフィルスが成熟に要する期間は僅か一ヶ月。ここで逃してしまえば、彼らが元の数を復元するのにそう時間は掛からない。
そしてそれは当然、相応の人数の女性が連中の毒牙にかかる事を意味する。あの特別病棟で泣き明かす人たちがまた増やされてしまう。
ならば…頭上の敵が勝負するつもりでいる内に決着をつける他ないのだ。そして、それは天使である自分に課せられた宿命でもある。

「エミィちゃん!マルーシャさん!!」

全ての迷いを決意の彼方に押しやり、ナツメは宣言した。

「なんとかキャノンの準備、お願いします!」



「ギイィ…」

裾野に広がる緑を程よく焼き払ったところで、ゼフィルス・クィーンは攻撃の手を休めた。
敵は反撃の気配を匂わせて来ない。雷撃の餌食になったか、それとも逃がしてしまったか。完全に沈黙している。
どうやら、あの娘の回収は断念せざるを得ないようだ。なかなか上等な器であり、少々惜しい事をした気もするが、いかんせん追跡に払った代償が大き過ぎた。
ワーカー・ゼフィルスは全滅である。いや、厳密に言えば巣穴に残してきた苗床の胎内にまだ相当数の兵が眠っているのだが、どちらにせよ彼らが羽化するまでの間、クィーンは自ら餌と母胎を調達しなくてはならない。
これ以上、どこに消えおおせたとも分からぬ苗床ひとつに費やしている時間は無いのだ。

「ギィッ!」

未練を断ち切るように一鳴きすると、ゼフィルスは空中で百八十度回頭。猛々しくも麗しいその翅で大気を打ち据え、夜の迫る雛菊市へと機首を向ける。
この時間ならまだ、日が沈む前に上等な雌の一匹や二匹は手に入る。今頃が丁度、駅前や大通りが帰路を急ぐ人間達で溢れ返っている時間帯だという事を、この老練なデスパイアは熟知していた。
夕闇に紛れ音もなく襲い掛かれば、甘酸っぱく芳しい愛液を滴らせる女体も、艶のある良質な母胎候補も掴み取り放題である。

久々の狩りの興奮に全細胞をざわめき立たせ、女王が丘陵上空から離脱しようとしたその瞬間だった。

「――!?」

鋭敏なクィーンの触覚が、真一文字に引き裂かれる大気の悲鳴を捉えた。何だ。何か途轍もない魔力の塊が急接近している。
新たな脅威の出現を察知し、その巨体を反転させた時…。血の如く赤いゼフィルス・クィーンの双眸は、空中に咲き誇る一輪の真っ白い花を映していた。

48:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:16:55 1je6dHtO


遥か上空を通過する旅客機の機影ほどしかなかったクィーンの姿は、みるみる内に大きくなる。デスパイアの女王が見た花の正体は、純白のドレスを翻し急上昇してくる粉砕天使ナツメであった。
巨大昆虫はすぐさまその敵を撃ち落とそうと魔力をチャージ。だが、少女が自らの子種を宿しているという事実が一瞬だけその発射を躊躇させ、迎撃の遅れを招く。

「ハアァーーー……ッ!!」

気が付けば、ナツメはゼフィルス・クィーンと同高度まで上昇し、唸りを上げる巨大ハンマーを振り被っていた。

「キシャーーーーアッ!!!」

生命の危機を感じ取った女王の絶叫が、全ての打算を彼方へと退け、半ば反射的に雷撃を放たせた。だが――。
エミリアと、マルーシャ。二人の全魔力を受けて加速されたナツメは今や砲弾そのもの。紫電の一撃は彼女の纏う白亜の障壁<アイギスの盾>に弾かれ、夜空の彼方へと拡散する。そして――。

「でやあぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!」

閃光が夜空に花咲いた。フルチャージで叩き込まれたその一撃の名は<絢爛のジャガーノート>。市営プールの戦闘で、アンモナイト型デスパイアの甲羅を粉砕せしめた一撃である。
何も知らずのこの光景を眺めていた者は、一週間後に迫った花火大会が予定を繰り上げられたものと勘違いしたかもしれない。
急所を守る為に咄嗟の盾として突き出されたクィーンの腹部は水風船のように破裂。<フロムヘヴン>は尚も止まらず、胸部の甲冑を砕き、心臓を食い破り、衝撃は背面の外殻までも一掃。
行き場を失った体液の内圧に耐え切れず、巨大な複眼がボコリと飛び出し宙を舞う。閃光に呑まれ、さらさらと、砂金のように崩れ去り夜空に溶けて行くのは…、このデスパイアを象徴する蒼い蒼い翅――。

ゼフィルス・クィーン、殲滅完了である。

「やったあ!!」

自らを辱めた怨敵が淡雪のように散っていく様を眺め、ナツメは空中でガッツポーズを決める。そして遥か下界でナツメの帰還を待ち侘びているであろう仲間達の方を見て――……。

「……………」

見て――……、見てしまった。
高い。高圧電線が遥か下界に起立していて、自動車のヘッドライトが蛍火くらいで、二人の仲間に至ってはそれこそ動物プランクトンの目玉よりも小さくて――。

「――はふん……」

そこまで確かめたところで、哀れナツメの意識は昇りたての月の彼方に飛んでいってしまった。

49:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:18:57 1je6dHtO


「なァ、エミィ…」

「なに?」

敵の爆散を控え目に喜んだエミリアとマルーシャは、これから訪れる危機を漠然と感じ取り夜空を見上げていた。

「打ち上げてから思い出したんだけどさァ…、そういやナツメって高所恐怖症なんじゃなかたっけ?」

「えぇ。私も今思い出した」

「……………」

「……………」

三秒ほどだろうか。暫しの沈黙の後、血の気の失せた二人は大わらわで対衝撃用魔法陣の展開に掛かる。とは言え先程の打ち上げで魔力の大半は使い果たしている。そして駄目押しに――。

「…げ」

ヒュルルルル…、と真夏の夜空を切り裂きながら落下してくるのは破砕兵器<フロムヘヴン>。もはやこれは当たらぬ事を祈るのみ。マルーシャの脳裏をそれまでの人生が走馬灯の如く走り抜けた。そして――。

ごっずーーーーーーーーーん。

後で知った事だが、この時の衝撃をガス爆発と錯覚した通報が消防に殺到したとか何とか。
前後不覚の粉砕天使ナツメは見事魔法陣の中心部に。滅尽滅相の凶器<フロムヘヴン>はマルーシャの右斜め後方五メートルの位置に、木々を薙ぎ倒しながら着弾した。

「最後の最後までお騒がせなヤツ…」

パラパラと降りしきる樹木の破片を被りながら、ようやくマルーシャはこの日初めてとなる安堵の吐息をついた。視線の先のナツメは人の心配など他所に規則正しい呼吸のまま綺麗に気を失っている。
そんな彼女に黙って歩みを進めるエミリア。彼女はナツメの傍らに腰を下ろすと――。

「…っておいエミィ!い、いきなし何してんのよアンタ!?」

がばっとナツメのスカートを捲り上げたのだ。

「何って…。ナツメの中の卵を中和しないと…」

「あ…」

エミリアが懐から取り出したのは、原料禁句の“白い液体”が充填された小型注射器。その先端は針ではなく、アルコール消毒されたシリコンへと換装されている。
本当に用意のいい女だ。…と言うか普段から一体何を想定して行動しているのだろう、このエミリアという娘は。

「な、なァ…エミィ。そーゆーのはさァ、なんつーか、本人の同意無しにその、ブチ込んでいいモノなのかねぇ?」

「まあ…正直、かなり抵抗があるんだけど…。でも、目を覚まされてから解説して渡してたら、また一悶着ありそうだから」

「…むーん…」

努めて無表情を装いながら、エミリアはグイっとナツメのパンティをズリ下げる。数秒後、彼女が狙いを定めてグっと力を込めると、意識の無いままナツメは「うぅ~ん…」と呻いた。
後日変わった事は無かったかと問い質したところ、エミリアに変な事をされる夢を見た、とだけ仄かに紅くなりながら答えたというが、それはまた別の話。

50:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:20:16 1je6dHtO


「……う…ん」

まどろむ体を揺らす規則正しい振動にナツメは目を覚ました。辺りは既に日が落ち真っ暗である。木々の合間から聴こえて来る虫たちの鳴き声だけが唯一の外部情報だった。

「気が付いた?」

「…エミィちゃん…」

すぐ傍から聴こえて来る馴染みの声。そして自分より一回り大きい背中。ここに来てナツメはようやく自分がマルーシャに背負われている事に気づく。
傍らで揺れているプラチナブロンドの髪から、隣を歩いているのはエミリアだと分かる。

「デスパイアは?」

「獅子座あたりまで飛んでったよ。よくやったな、ナッちゃん」

マルーシャが半分振り返って背中のナツメに答える。鼻先を掠める長い金髪がくすぐったい。
既に変身を解除した一行は小奇麗に舗装された林道を下り、丘陵を後にするところだった。途中、数台の救急車がサイレンを灯しながら逆行していくのと擦れ違う。
エミリアの通報を受けた救護班が、苗床にされている少女達の救出に向かったのだ。

「あ。そういえば…」

「…ん?」

「あの…私に産み付けられた…卵は?」

「あー…大丈夫だろ。さっきエミィが“中和剤”打ったから。うん」

マルーシャは視線を前方斜め上空に逸らしながら応答する。おんぶしたナツメがホっと息を付くのが外套越しでも伝わってきた。

「でも、念の為病院で検査は受けといた方がいいわ。もう少し下ったらタクシーが拾えると思うから、悪いけどそれまではマルーの背中で我慢して頂戴」

「人様に大荷物担がせといて何て言い草だよ。こんの外道」

「あ、大丈夫です!私、自分で歩けますから――」

「あー、いいっていいって。なんたって今日一番の功労者なんだから。下手な気なんか遣わずにてーんと構えてなさいな」

慌てて降りようとした後輩をマルーシャが背負い直す。少々気拙い思いのしたナツメだが、戦闘に戦闘を重ね――思い出したくは無いが――デスパイアによる凌辱を受けて間もない身。
ここは素直に先輩天使の背中に体を預ける事にする。

マルーシャが言い終わらぬ内に車がまた一台、ハイビームのヘッドライトで林道を照らしながら通り過ぎていった。
薄暗さの為良くは見えなかったが、灰色のセダンの運転席には若い男性。助手席にはコートを羽織ったままの中年男性が腰掛けていた。
恐らくは警察関係者だろう。続いて坂道を駆け上がっていったのは白のワンボックスカー。車体にプリントされた“雛菊市中央保健所”の文字が予想を確信に変える。

「市が管理してる防空壕跡がデスパイアの巣窟になってたんだ。被害者の家族にバレたら職員の首が飛ぶな、こりゃ」

ご愁傷様とでも言いたげな口調でマルーシャはそのテールランプを見送った。

51:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:20:49 1je6dHtO
「ねえ――……」

少しの沈黙を挟んでナツメが再び口を開く。

「捕まってた他の子達は…大丈夫、なのかな…?」

数秒経っても返事は無かった。マルーシャは正面を向いたままで、傍らを歩くエミリアの表情も人気の無い通りの薄暗い街灯では窺い知る事はできない。
口にしてしまった事を後悔させるような沈黙に、街の方から犬の遠吠えが重なる。

「大丈夫じゃあ………ないだろうね。やっぱ」

永遠とも思える時間凍結を破り、溜め息混じりの声にやるせなさを隠さず呟いたのはマルーシャだった。
彼女の言う通りなのだろう。あんなバケモノの生殖器で辱められ、追い討ちにその子供を身籠らされとあっては。平穏な日々の中にいた者達には余りも酷たらしい仕打ちだ。
事実、カウンセラーの話しに拠れば、デスパイアにレイプされ入院した被害者の内、現時点で社会復帰出来た人は三割にも満たないとか…。

「ナツメ」

それまで口をつぐんでいたエミリアが、少々強い語調で呼びかけた。気押されたナツメが顔を起こすと、ドキリとするほどの至近距離にエミリアの顔がある。
仄かに揺れる銀色の瞳に、弦の如く結ばれた薄紅の唇。木々の合間から覗く月に照らされた彼女の顔は、言い知れぬ決意と、ほんの少しの悲しみが湛えられていた。

「いい、ナツメ。私達は今日、デスパイアのコロニーをひとつ壊滅させたわ」

「………うん」

「天使の使命は果たされたの。ここから後は人間の仕事。魔法が使えても、空が飛べても、私達は神様にはなれない。私達の仕事は一匹でも多く奴らを倒すこと。それを忘れないで頂戴」

端正な唇で、一語一語を噛み締めるように、自分自身に言い聞かせるように、エミリアはその言葉を紡ぐ。瞳の中のナツメは暫く押し黙っていたが、やがてゆっくりと深く一度頷くと、背中で結ばれたマルーシャの金髪にその顔を埋めた。
すぐには理解できないだろう。反発もするかもしれない。だが、この道に踏み入れた者ならば誰もが乗り越えなければならない壁だ。
だからこそエミリアは、かつて母から幾度となく言い聞かされて来たこの言葉をナツメに送る。

それは時として折れそうにもなる胸の内の決意を、彼女自身、風化させないための儀式でもあるのだから。



「…そういえばエミィちゃん」

「ん?」

「どうして私が捕まってる場所、分かったの?」

「ああ、それはそのー…。えーっとね。………うん、女の勘よ。女の勘」

「へぇー、すごーい」

察しが悪いのか元からこうなのか。天然仕様の後輩天使は素直に感心してみせる。そして――。

「は~ん。まるで発信機みたいな勘だな~………って、あいててて!」

「余計な事は言わないでよろしい」

要らぬ茶々を脇から入れた金髪娘の足には、エミリアの踵がプレスされた。

52:謀ったな@シャア!!
08/02/28 15:22:15 1je6dHtO
んー。後半の戦闘パート、ホントは『バケモノに卵を産み付けられちゃったけど、それでも必死で耐えながら戦うヒロイン』をやりたかったんだけど、正直微妙…。
いっそエロゲみたく本軸とは別にBADエンド挑戦してみるか。などと大風呂敷広げると後が大変なのだが。
何にせよチョイと締め方を誤ったな~…と考えさせられる第四話でした。卵、勿体ねえ…。
ゼフィルス・クィーンはまんまエイリアン2で。流石にパワードスーツで殴る勇気は出てこなかった。

ともあれ気を取り直して、お次はインターミッションを挟んだら、まだ日直(←?)の回って来てないマル者をニョロる予定。得ろシーンの比重ももっと増やさにゃあね。

53:名無しさん@ピンキー
08/02/28 15:24:51 xIiJ9zHb
お疲れ様でした( ゚д゚ )
エロスも戦闘描写も骨太で実に読み応えが有りますな。

54:名無しさん@ピンキー
08/02/28 16:22:37 tvOzCG/T
Greatest Job!!

もう貴方の文ならエロ無しでも読みたいぜ。
勿論エロ有りはもっと読みたいけどね

55:名無しさん@ピンキー
08/02/28 16:23:37 EeqQAcsd
GN!(グッドにょろ) 産卵シーン最高でした!
確かに卵が勿体無かった…。次回のにょろりも期待してますにょろよ!

56:名無しさん@ピンキー
08/02/28 17:04:51 4tSHnTF2
「…ぅ……ん」

気がつくと、アリッサは床の上に投げ出されていた。
既に夜は明けたらしい。窓からは外からの光が差し込んでいたものの、その灯りは薄暗く、周囲が良く見えなかった。

「ここは……? …痛っ」

立ち上がろうとして、体勢を崩した。手足を縛られているらしい。
一体どこから持ってきたのか、何かの電源コードのようだ。乱暴に引き千切られたそれは適当に束ねられ、
アリッサの両手両足の自由を奪っていた。

「― 急ごしらえの手錠ってわけ? それにしたってもっといい物あったでしょうに……ねっ!」

仮に逃げ出したとしても大した問題ではないと考えられているのか。
あるいは、捕らえた女の始末より他に優先しなければならない事態が起こったのか。
どちらにしても、敵の注意が逸れていることは彼女にとって僥倖だった。
慣れた手付きで巻きつけられたコードを解き、体の具合を確かめる。
……先程の事は、まだ鮮明に覚えていた。
あの自在に姿を消す怪人に捕らえられた後も、本能だけで這い回る化け物達に代わる代わる、何度も犯されたのだ。
腹部に残った鈍い痛みが、それが夢ではない事を示している。

「ホント、情けないな……」

破かれて散乱していた服を拾いながら、下唇を噛む。
どうにか胸と腰に巻きつけて結んでみたものの、水着の方がまだマシ……といったところか。
とは言え、歩き回る分には問題ない。いや、歩かなくてはならないのだ。
散々化け物の玩具にされた後であっても、彼女が引き下がることは無かった。
 
 
アリッサが放り込まれていた部屋は、どうやら先に潜入した研究所とは別の建物のようだった。
部屋の中もそうだったが、外に出てみても研究所に比べると、壁や床の造りが粗い。
ついでに、何かの駆動音がどこまで歩いても続いていた。

「この音は……発電機? なら、研究所の横にあるっていう発電施設……かもしれない」

しばらく歩き回ってみたが、窓や施設の外へ通じる扉が見当たらない。
しかし事前に受けたブリーフィングでは、島の中にある大きな建築物は研究所と発電施設。その二つだけだ。
外へ出ることが出来れば、現在位置程度は分かるのだが……。細いダクトや抜け道からでは、それもままならない。
もし、今あの化け物達と遭遇すれば対抗する手段が無い。その事がアリッサの行動を慎重にさせていた。
あの化け物達がうろついている可能性のある主要な通路は使えないし、そうでない通路を使ったとしても、
またあのカメレオン男に見つかれば、彼女にはどうしようもない。
幸いにも、天性の身の軽さと勘の良さでこの稼業を生き延びてきたアリッサにとって、身を隠して動き回る事は難しくなかった。

「でも、いつまでもコソコソしてられない……何とかしないと」

いくら脅威では無いと言っても、いつまでも野放しにはしておいてくれないだろう。
体力も時間も有限なのだ。何か行動を起こさなければならない……。

57:名無しさん@ピンキー
08/02/28 17:09:45 4tSHnTF2
アリッサが選んだのは、地上から脱出を試みるのではなく地下へと進む事だった。
発電施設と研究所はそれなりに離れた地点にあったはずだ。にもかかわらず、地上には送電線らしいものは無かった。
そこで、地下で二つの施設が繋がっている可能性に思い至ったのだ。

「こっちが港への送電ケーブルで……これは通信用かな。こう入り組んでるとどれがどれだか……」

予想通り、発電施設の地下には島中へ電力を供給するための地下道が用意されていた。
記号と番号で区分された無数のケーブルが、西へ東へと伸びている。
だがその内で分かるのは大まかな方角だけで、後は記号の意味するところをアリッサ自身が読み解くしか無い。

「せめて一覧表くらいあったらいいんだけど……」

と言いつつ彼女が周囲を見渡してみると、少し離れた所にこちらが見通せる窓のついた部屋があった。
どうやら、操作パネルの類が収められた制御室らしい。あそこならば、地図くらいはあるだろう……。
早くしなければ、という焦りもあったのかもしれない。アリッサは不用意にその中へ足を踏み入れてしまった。

「― 暗いわね。どこかに電灯のスイッチが……」

暗闇の中からお目当てのスイッチを探り当てるのは、そう苦労しなかった。
パチン、と小気味いい音と共に古びた電灯の明かりがおぼろげに部屋を照らす。
アリッサが予想した通り、窓の脇には地下の様子が一目で分かる地図が掛かっていた。
さすがに簡単に取り外せるようなものではなかったが、地下道の大まかな構造を把握する事が出来た。

「で、これが電力供給のための操作パネルか。……あれ?」

パネルの表示には、研究所への供給が行われているとされていた。
アリッサが乗り込んだ時は電力は死んだままだったはずだ。つまり……。

「私が気を失っている間に、ここを操作して研究所に行った奴がいる……?」

だとするなら、はぐれてしまった仲間の可能性ある。
合流する事が出来れば、体勢を立て直すことができるかもしれない。

「よし、もう一度あの研究所に――!」

ところがアリッサは、ドアを開けようとした時の硬い手ごたえに困惑した。
建てつけが悪いのか、古くなったためなのかは分からないが扉が開かないのだ。

「この忙しい時に……ッ」

彼女は元来、気の長い性質では無い。特に、今のような切迫した状況においては。
それにこんな古い扉である。いっそのこと蹴り破ってしまっても構わないだろう、とさえ思っていた。
しかしながら、今回はあと一歩のところで踏み留まった。外の異変に気づいたのだ。
咄嗟に壁に張り付いて、窓から外を窺う。その間に扉の鍵もかけてしまっていた。
おぼつかない足取りの足音に、生気を感じさせない呻き声。例の化け物だ。

「まさか、私を追いかけてきたっていうの……?」

思わず口に出してしまっていたが、そういうわけではなさそうだ。
化け物達は群れを成して地下道へ雪崩れ込んだものの、その後は散り散りになって歩を進めていく。
とりあえず当面の危機が去ったことに胸を撫で下ろし、アリッサはその動向を見つめた。
このまま奴らをやり過ごして、それから地上へ出て研究所を目指す。難しいが……やるしかないだろう。
と、その時。耳をつんざくような音が響いた。アリッサが立てた音ではない。
彼女が音のした方を見遣ると、天井近くに設置された通気口の鉄格子が床に落ちていた。
壁材が腐敗でもしていたのだろうか。格子を拾い上げて調べてみたが、そんな様子はなかった。

58:名無しさん@ピンキー
08/02/28 17:13:15 4tSHnTF2
「一体何だってのよ……? ―っ!」

瞬間、背筋が凍った。
既に体は後ろへ飛び退いており、通気口からの初撃を間一髪で避ける。
無様にも尻餅を付いてしまったが……命に較べれば安いものだ。
続けざまに繰り出された激しい殴打も、転がるように床を蹴って事なきを得る。
通気口から姿を覗かせるソレは……鞭のようにしなる、おびただしい数の触手だった。

「く……またこんな化け物とっ!」

視線を窓に向け、外を見た。奴らはまだうろついている……。
通気口から伸びた触手は侵入を続け、無数のそれを身に纏った本体が這い出してくるのも確認できた。
だがアリッサは外へ逃げる事もままならず、執拗に手足へと伸ばされる触手をあしらう事しか出来ない。

「……っあ!」

膝をついた隙に、右足を絡めとられた。軽い体がいとも簡単に引き倒される。
続いて数本の触手が身体の自由を奪い、アリッサは吊るし上げられる格好になった。

「離せ……! こ、このぉ!」

ジタバタともがいてみるものの、海洋生物のそれを思わせる触手は彼女の体をきつく締め上げるばかりだ。
触手群の中核をなす部分には大きさの異なる瞳が二つ爛々と煌き、アリッサの恐怖を煽る。
そして器用に蠢く触手達は、薄布で覆い隠しただけの胸と秘所をあっけなく露わにさせた。

「―ぃ、いやぁぁぁぁっ!?」

マングリ返しにされ、更なる陵辱の予感を感じ取ったアリッサはついに堪えきれず、悲鳴をあげてしまった。
だが、触手達はお構いなしに瑞々しい体を蹂躙していく。
まずイソギンチャクを思い起こさせる形の触手が、胸を撫で回した。
それに合わせて、数本の触手が秘所から尻にかけて舌でそうする様にゆっくりと動いた。

「んっ……く…ぅ………ぁ…、あぁっ!」

経験が豊富とは言えないアリッサではあったが、自然と舐められた部分が濡れ始めているのを感じていた。
頭では必死に否定するものの、身体の芯が鉄を焼いたように熱い。
振り払おうと足をばたつかせても、しっかりと固定されていては思うように動かせなかった。
アリッサのそこが濡れてきたのを感じ取ったのか、触手は次なる行動に出た。
胸を揉みしだく力が一層強まり、秘所を責めていた舌状の触手が溢れ出る愛液を吸い始めたのだ。

「ひぁぁっ! ぃ…いやあああっ! あぁんっ!」

泣き喚くアリッサを尻目に、触手達の責めはさらにエスカレートしていく。
より執拗に太ももから腰にかけて絡みつき、粘液を彼女の全身に塗り込んでいった。

(なに……これ……?)

アリッサは、自分の体に染み込む粘液から感じる違和感に気づいていた。
手足に重りをつけられたかのような感覚。それが、次第に感覚そのものの喪失に変わっていく。

「は……ぁ…。ぃ…い…やぁ……」

毒。それも神経に作用するものだろう。捕らえた獲物の自由を奪う……まるで本物のイソギンチャクのようだった。
反抗する力も奪われたアリッサは、不意にその場に解き放たれた。
どさりと崩れ落ち、這うように後ずさった。その跡に残る粘液と愛液の残滓が、彼女を惨めにさせた。
この触手の塊は楽しんでいるのだ……。そうアリッサは確信した。
そんな道楽に付き合ってやる理由は無い、と言ってやりたいところだが……。
今の彼女には、部屋の隅へと追いやられながら震えることしかできないのが現実だった。


59:名無しさん@ピンキー
08/02/28 17:17:17 4tSHnTF2
「いやああああああああっ!」

触手の群れに覆い被さられるようにして、アリッサは再び陵辱の嵐の中に飲み込まれた。
今度は両手を押さえ込まれ、下から全身を絡めとられる。
その形はまるで、女王の座る玉座のようであった。

「うぅっ! …う、ぁ……ひあっ…!」

抵抗する余力はもう残されていない。ただ触手のされるがまま、アリッサは体を上下に振るばかりだ。
触手達はたっぷり時間をかけて彼女の体を堪能した後、膣内への侵攻を始めた。
一度に4~5本の触手が、我先にと彼女の膣へ殺到する。その間にも、彼女の体を舐め回す触手の動きは止まらなかった。

「い、いやぁ……! ひあああああんッ! あっ あああああっ!?」

惚けかかっていたアリッサは、文字通りその身を裂くような痛みで一気に覚醒した。
膣内の最奥を代わる代わる突くペニス型の触手が、さらに彼女の体力と精神力を削っていく。

「だめぇ……! そんなに、動いちゃっ! 壊れ……るっ! はぁんっ!」

次々と繰り出される触手達の責めに、アリッサは限界を迎えそうになっていた。
もっと激しく突いて欲しい。気持ちよくして欲しい……。
いつしか、そんな暗い欲望がぞわぞわと彼女を蝕んでいた。

「く…ぁっ! ……ぁ…ぇ?」

突然、触手達の動きが止まった。
膣内を掻き回すのでもなくただ揺らめき、肌にも軽く触れる程度の動き。
ただそれだけのはずなのに、恐ろしいほどにアリッサの体は疼いた。

「ぁ……ぁ、あ……」

まただ。またコイツは……私を玩んでいる。やけにはっきりした意識の中で、アリッサは悟った。
もう知っているのだ。あの触手で、この体を貫いて欲しい事を。
とっくに悟られているのだ。触手から放たれるモノを求めている事なんて。
コイツは私を堕とそうと躍起になっている。私を、自分のお人形にしたくてしょうがないのだと理解した。
それも……悪くは無いだろう。

(……でも、そう簡単に…くれてやる、もんか)

哀願の言葉を待っていたのだろうか。
自分から触手にしゃぶりついてくるのを待っていたのかも。
でも、それでも、ノーだ。してやらない。
ぎょろりと覗き込む目玉に向けて、ちろり、と舌を出す。

堰を切ったように、触手が女の体に雪崩れ込んだ。



その後に繰り広げられたのは、あまりに一方的な陵辱だった。

「ぁ…はあぁぁぁんっ! …ぃ、いやあぁぁぁっ! ぁぁ…あ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

怒涛の責めは、既に限界を迎えていたアリッサをあっさりと絶頂へと誘う。
触手はそれでも彼女を離さず、そのまま犯し抜く。どこまでも、力でもって。
張り詰めていた糸は断ち切られ、アリッサは何度も絶頂に達した。

「いやあああぁぁぁぁぁっ! あっ……ぁ、あぁぁん…ぃ…や…ぁ、はぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

膣から溢れ出た白濁液が床を伝う。
彼女が自ら閉ざした扉は開かれる事無く、狂宴はまだまだ続きそうだった……。

60:名無しさん@ピンキー
08/02/28 17:20:46 4tSHnTF2
……ご無沙汰してます、14スレ目の149です。
15には結局間に合いませんでした。
続き物で申し訳ないですが……。


61:名無しさん@ピンキー
08/02/28 18:42:01 EeqQAcsd
GN!保管庫いって前回の読んで来ました。
イソギンチャク型にょろGJ!アリッサたんタフだな。
でもアリッサたんならまだまだイケるよねー。

62:名無しさん@ピンキー
08/02/28 19:33:30 U3Etnx1d
>>52
マルーの日直、言っちゃったら楽しみで人生に手が付かないじゃないか
かと言って突然来ても心臓麻痺で死にそうだけど

63:名無しさん@ピンキー
08/02/28 19:46:45 kbaB+ZPK
>卵、勿体ねえ…。
出産も見たかったねー


64:名無しさん@ピンキー
08/02/28 22:35:07 IkGLYq9q
まぁ出産はペルテちゃんに任せましょうよw

65:謀ったな@シャア!!
08/02/28 22:57:42 1je6dHtO
あー…。なんかよく読み直したら>>27氏が投下しようとしてるトコに見事割り込んでた。

大変申し訳ありませんでしたm(_ _)m

66:名無しさん@ピンキー
08/02/29 12:36:33 Hh4OZJYy
>>62
ワロタ
どんだけマルー好きなんだよ

67:14-149
08/02/29 14:09:31 zV40fEH/
>>65
いえいえ、元々夕方に投下する予定でしたから大丈夫ですよー。
こちらも読ませていただきましたが、GJでした。
過去作も読みにいってきますねー

68:名無しさん@ピンキー
08/02/29 21:17:47 fw1QmzVw
+   +
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・) スレ恒例の職人ラッシュ来るか!?
 (0゜∪ ∪ +        
 と__)__) +


69:名無しさん@ピンキー
08/03/01 09:42:20 BZJNfs39
お二方GJ!

次はついにマルーの出番か。凄く楽しみだ

70:名無しさん@ピンキー
08/03/02 13:18:47 ZOjxJ7kP
やっぱこのスレの触手どもは孕ませや出産までキッチリ犯るのが大好物なのか?



関係ないが以前洋画のスタッフロールにハーラー・マッセル(Hurler Mussel)なる素敵な御方がいた。

71:名無しさん@ピンキー
08/03/02 15:08:56 ca61mcC7
あかほりさとるテイストに溢れた名前だな

72:名無しさん@ピンキー
08/03/02 18:28:53 V+Pw/k5a



73:名無しさん@ピンキー
08/03/02 20:54:51 LS5tWA/1
百戦錬磨の触手さん達の巣に
触手さん達を退治して有名になろうと企む3姉妹の女性騎士(3人とも処女)が無謀にも乗り込んできましたがどうします?

長女はガサツで乱暴な性格なパワーファイターにして前衛であり特攻隊長

次女は知的で策士な性格で三人の頭脳的存在で実質的な司令塔の指揮官タイプ(三人の中で一番強い)

末っ子は攻撃魔法・回復魔法に長けた魔法騎士タイプで接近戦は苦手な泣き虫さん

74:名無しさん@ピンキー
08/03/02 22:46:54 3wtH4sR8
いや、もういいって。
1回やってウケたからって2度3度やるのはぶっちゃけウザい

75:名無しさん@ピンキー
08/03/02 22:48:08 4XNf4+fo
もう少し違う設定ないのか?

76:名無しさん@ピンキー
08/03/02 23:36:29 L2guziF3
>>75
こうか?

主人公の触手くんに思いを寄せる3人の少女(姉、妹、幼馴染み)が
いる。
誰を襲う(選ぶ)?

姉:何かについけて面倒を見たがる、世話好きの姉。
  積極的なアプローチを試み、わざと主人公に襲われようと
  画策する為か、色々と隙だらけ。

妹:お兄ちゃん子の可愛い妹。お兄ちゃんが好きで好きで仕方なく、
  多少の無理には応じてくれる。過去にお医者さんごっこ?の経験あり。

幼馴染み:ポジション的には妹に近いものがあるが、主人公への
     思いを打ち明けられずにいる。
     半ばレイプ願望があり、主人公に犯される事を望んでいる。

・・・ダメだorz

77:名無しさん@ピンキー
08/03/02 23:45:38 suis4Fbi
3人とも全部以外の答えはない!!

78:名無しさん@ピンキー
08/03/03 00:48:47 Z425yKVm
>>73
どうして末>長女>次女の組み合わせしかないのを設定するのか。


79:名無しさん@ピンキー
08/03/03 06:54:45 y7qtM9+7
イタリアの社会福祉公社を襲って擬態少女を犯したい

80:名無しさん@ピンキー
08/03/03 08:54:57 p4MPFwNZ
むしろ義体少女の身体の一部になりたい

81:名無しさん@ピンキー
08/03/03 10:12:32 DCqZydhe
>>擬態少女
ワームか?

82:名無しさん@ピンキー
08/03/03 12:20:52 0tIzEjNF
>>81
バカ速く逃げろ!
天の道を行く総てを司る彼奴が今こっちに向かってるんだぞ!!

83:名無しさん@ピンキー
08/03/03 12:36:36 TxkmLuFN
乗り物をモチーフにした美少女戦闘サイボーグ戦士の中で
医療担当の救急車をモチーフにしたナース型ロボを陵辱の虜にしてやろうと狙ってるのですが
いつも蜂の巣にされて失敗します。装甲を剥ぎ取っていざ本番とか良い所までは毎回いけるのですが

なんせ他が戦闘機とか戦車や軍事ヘリなどシャレにならない乗り物モチーフばかりなので

って言うよりサイボーグを狙う私は異端なのでしょうか?

84:名無しさん@ピンキー
08/03/03 15:18:13 vzhVV6NC
>>83
いやだからさ、ここは質問コーナーじゃねえっての。
そのシチュに萌えるなら、それで一発書いて投下しようぜ?

85:名無しさん@ピンキー
08/03/03 17:07:24 cTv7bGxA
触手は出すが完全に雑魚扱いで魔法少女にやっつけさせる俺

86:名無しさん@ピンキー
08/03/03 17:56:35 bMljdvFw
投下があるまでの繋ぎと言っちゃナンだが、触手の舞台背景についてでも語るか?
メジャーどころとしては、剣と魔法のファンタジー世界や現代を舞台にした魔法少女&退魔師モノ。他にはなんだ、ミュータントが跋扈する近未来とかかな。

87:名無しさん@ピンキー
08/03/03 18:14:20 yeUaVymL
機械のワイヤー触手もいいと思う

88:名無しさん@ピンキー
08/03/03 18:14:47 ozPOpiJP
機械触手がジャスティス

89:名無しさん@ピンキー
08/03/03 18:15:56 4DyIvo2L
もちろんエンジンの振動でバイブレーションしてるんだろ

90:名無しさん@ピンキー
08/03/04 00:06:04 ZoGbfEqC
SF設定で触手惑星の調査を

91:名無しさん@ピンキー
08/03/04 00:38:36 lsCFKq8w
SF設定なら長期航海中の宇宙船にエイリアン侵入とかも

92:名無しさん@ピンキー
08/03/04 01:36:53 ++BWpqXx
>>91
そういうシチュエーションの触手物今まさに探してます
宇宙とかだと完全に逃げ場無しなのがいい

93:名無しさん@ピンキー
08/03/04 06:19:26 316bDJXj
DOOPってエロゲがそうじゃなかったっけ?

94:名無しさん@ピンキー
08/03/04 07:48:01 wl8i5txB
>>91
ブラッドシードっていうすげー昔のがあるな


95:名無しさん@ピンキー
08/03/04 12:40:16 PLlSMWmx
つ「淫獣エイリアン」

96:名無しさん@ピンキー
08/03/04 17:24:55 iozu/tvl
ソウルなんとかって宇宙ステーションが舞台のエロゲーさあ、
攻めて来るのが武装グループじゃなくて触手生物だったらどんなに良かったろうなんて思った事があるテスト。

97:名無しさん@ピンキー
08/03/04 17:56:46 WrttU800
NavelのSoul Link?

98:名無しさん@ピンキー
08/03/04 18:13:35 iozu/tvl
あーそれそれ。美味しいトコは全部若本と幼女が持ってくヤツ。

99:名無しさん@ピンキー
08/03/04 20:22:42 WirZJizE
触手陵辱に限らず陵辱において最も重要なのは拉致した際に初めて陵辱する際の絶頂のさせ方だよね

寸止め地獄で極限まで絶頂させずに追い詰めてトドメの際に、いっきに解放して引き返せない程の奈落の底に突き落とす

時間はかかるけど普通に絶頂させて犯し続け徐々に快楽の味を教えていき堕落させる

など色々あるし

100:名無しさん@ピンキー
08/03/05 01:26:34 khFe5ZfL
大いに賛同する。後はアレだな。忘れちゃアカンのは衣類の扱い方。
ちり紙みたいにコンマ数秒で破く輩も多いが、やっぱシャツの下に潜り込んで柔肌まさぐったり、ショーツのゴムを引っ張ってずり下ろしたり(ry

101:名無しさん@ピンキー
08/03/05 08:59:55 TasGZg+w
触手や怪物による陵辱なら妊娠の有無も重要な要素になると思う。
単なる陵辱だけなら何とか持ちこたえれるけど妊娠などのある一線を越えた場合は一瞬にして崩れるなんて良くあるし

102:14-149
08/03/06 00:54:58 Wor5Z7/V
連続物書くときって、ちゃんと名前考えたほうがいいのかなぁ…。
とか思いつつ。

これより投下しまーす。

103:14-149
08/03/06 00:55:35 Wor5Z7/V
「く……ぅ…。はぁ……」

薄暗く、氷のように冷え切った床をを踏み、アリッサは地下道を進んでいた。
側壁に寄りかかるようにして覚束ない足どりで歩き続けるその顔には、疲労の色が濃く出ている。
……あの触手達から解放されたのはつい先程の事だ。
彼女の体に飽きたのか、それとも別の理由があったのかは分からない。
が、あの化け物は自らの体液でべとべとになったアリッサを放り出して入ってきた通気口から去っていったのだ。

「どうにか、命は拾えた…けど……。う、ぅ……」

あれから数が減ったとはいえ、徘徊する者達に気づかれないように地下道を進むのは困難を極めた。
疲れきった体に鞭打って、先の見えない通路をただ歩き続ける。
ちょっとした段差に足がもつれ、へたり込んでしまった。
胸が痛む。呼吸も苦しい。
目は霞んでいたし、いつのまにか喉もカラカラになっていた。
腰から下は、まるで彼らに砕かれてしまったようだ。

「ち、く…しょ…ぅ……」

悔しさに歯噛みしても、どうしようもない。
だらしなく足を投げ出して、天井を見上げた。
なんてみっともない姿だろう。
こうして惚けていれば、すぐにでも化け物達に見つかってしまうだろう。
もう、立って歩けるような体力は残っていない。

「……っ。く……っ」

床に寝そべるように倒れ込んで、右腕を前へ伸ばした。爪を立てる。
持てる限りの力で腕を曲げてみた。
…ほんの少しだけ、前へ進んだ。それだけだった。
それだけは、まだ出来た。
左手を伸ばし、また少しだけ前へ進む。そして。

「……案外、諦め…悪いわね。私」

ぽつりと、そう呟いた。



地上に繋がっているはずのエレベーターへたどり着いたのは、たっぷり数十分経ってからだった。
幸い、まだ電源は生きていた。ゆっくりと乗り込んで、何とかボタンを押す。

「……痛っ。ちょっと…キツイかな……」

肩で息をしながら、その場に横たわった。
細い指が赤くなっている。痛い。
頭が、ぼんやりする。体が自分の物でないような感覚。

(ぁ…やば……)

エレベーターが起動した音を聞かず、アリッサの意識は闇に沈んでいった。

104:14-149
08/03/06 00:56:37 Wor5Z7/V
…まぶしい。
目を覚ました時、まず思い浮かんだのがそれだった。
天井から吊り下がっている豪奢なシャンデリア。
派手な装飾の大きな鏡に、中世の騎士を思わせる甲冑。

「…例の研究所、だったはずなんだけど。間違えたのかな」

立つのは少し辛かったが、いつまでも寝転がってもいられない。
転ばないよう壁を伝うようにしながら、彼女はこの部屋を見て回った。
エレベーターの扉は本棚だった。隠し扉ということらしい。
机には散らばった書類の束、そして研究所のものと同じパソコンが設置されている。

「なるほど……所長室、ってことね。それにしても無駄に広くて豪華……。ん?」

ふと、鏡が目に付いた。
下着以下の布を纏っただけの自分の肢体が映し出されている大きな鏡。
急に気恥ずかしさを覚えて、アリッサは目を逸らした。
少し肌寒い気もする。何か着る物を……。
そう思った矢先、部屋の隅にクローゼットが置かれていることに気づいた。
開けてみると、きらびやかなドレスが一杯に詰め込まれていた。

「所長は男性のはずなんだけど……ね。ま、何でもいいわ。お借りします…っと」

地味な装飾の黒いドレスを選んで、アリッサはそれを手早く身に纏った。
長い裾は引き裂いて、動きやすくしておく。靴はクローゼットにあったものを適当に見繕った。
一通りの身支度を終えて鏡の前に立ち、彼女はわずかに微笑む。
この島に来て、ようやく人間らしい喜びを得た気がした。

「さて、それじゃこれからどうするか考えない―― と― ?」

何の前触れも無く、すとん、と腰が抜けた。
まだ疲れているのか…と思って立ち上がろうとして、アリッサはその異変に気づいた。
……体が、ひどく疼く。
あっという間に体が熱くなり、わけの分からないまま、彼女は床に伏せった。

「ぁ―。 ぁ…んっ……ぁ…。は……ぁ」

吐息は甘く、荒いものへ変わってゆく。
熱に冒されたように火照る体。アリッサはその鎮め方を既に理解していた。
しかし、それは――。
考えるより先に体が動いた。
右手は左の乳房に伸び、左手の指をを下腹部へとあてがう。

「あ…ぁん……どう、して……こんな…いきなり…ん、ぁ……」

あまりの状況の速さに、思考が追いつかない。
そして何より、アリッサ自身が一刻も早くこの疼きから解放されたかった。

105:14-149
08/03/06 00:57:24 Wor5Z7/V
「んっ…ぁ……あああぁぁっ!!」

仰向けに寝そべっていたアリッサの腰が持ち上がった。
軽くイッたものの、未だ身体の疼きは収まる気配を見せない。
それどころか、もっと激しくなってきているようにすら感じる。

「ぁ……は…ぅ。ぅ……ぐううっ!?」

その衝撃に秘所を弄っていた手を止め、腹部を抱きしめるようにして身を縮めた。
彼女の『内側』から、何かが彼女を突いたのだ。
全く予期していなかった快感に、アリッサはただ困惑することしかできない。

「な…なに? 何が……!?」

一体どうしたというのか。混乱した頭で考え、一つの仮説に思い至った。
もし、あのイソギンチャクの化け物が自分を解放した理由、それが飽きたわけでも他に用があったわけでもなく、
既に目的を達したからだったとしたら……。

「ぃ、嫌ぁぁぁぁぁぁっ!! ゃ…やめ…てぇぇ……」

彼女は身を捩り、すがるような哀願の声をあげた。
ようやく気づいたのか、とばかりに、胎内に潜んでいたモノは激しく蠢く。
抵抗しようのない内側からの蹂躙にさらされ、幼子のように泣きじゃくるアリッサ。
が、彼女の中で肥大化したソレはゆっくりと外を目指して動き始めた。
ひとつ、ふたつ、みっつ。次々と数を増やしてゆく陵辱の源。
既に出口へと到達したモノは細い触手をチロチロと覗かせていた。

「ぅ……ぅううううっ! うああああぁぁぁぁぁ!」

歪に膨らんだ腹部、そして外へと飛び出した小さな触手クリーチャー。
ボタボタと愛液混じりの小さな悪魔を排出しながら、アリッサは震えていた。
彼女が産んだ子、というわけではあるまい。
苗床として利用されただけのことではあったが、その擬似出産は彼女の心を折るのには十分過ぎる衝撃だった。

「や…ぁ…、もう……ゆるして……。やめて…ください……」

言葉を介する知能を有する者達であったなら、まだ幸せだったかもしれない。
が、外へと飛び出して這いずり回る彼らは本能のままに活動する生き物だった。
当然ながら、床に転がって胸を露わにし、濡れた秘部を見せつけている女を放っておくはずがなかった。
男性器に触手の束を生やしたようなネズミ大のそれらは、思い思いの部位に絡みついた。

「ひっ……。ぃ、いや……! いやあああぁぁぁぁぁぁっ!!」

数匹がかりでマングリ返しにし、先ほど出てきたばかりの肉壷に自らを捻じ込んだ。
張り裂けんばかりに怒張したソレに貫かれ、アリッサの体が軋む。
彼女自身は相手が聞く耳すら持っていないと気づく暇も無く、何度も哀願の言葉を口にして、許しを乞いつづける。

「お願い……もう…やめてぇ……誰か、たすけ…て……だ…れか…」

うわ言のように繰り返すアリッサの姿を、部屋の隅に据え付けられた監視カメラの眼光がじっと見つめていた……。

106:14-149
08/03/06 00:59:45 Wor5Z7/V
以上でーす。短めですいませんorz
もうちょっとキリのいいところでカットできればよかったんですが……。
なかなか難しいです。精進します。ではまたー。

107:名無しさん@ピンキー
08/03/06 12:10:31 5HWMDQhS
ゴチソウサマデシタ

108:名無しさん@ピンキー
08/03/06 19:20:31 8LVndfAN
出産!出産!GJ!出産!
イソギンチャクイイ仕事してんな。

109:名無しさん@ピンキー
08/03/07 15:26:50 Iv5d816M
よお、お仕事ゴクローさん、イソギンヌルヌル君。

110:名無しさん@ピンキー
08/03/07 23:28:48 V9OjFKpX
イェア、GJ!出産分がドバドバ補充されて満杯だぜ!!
しっかしこうも連チャンとはつくづく不運なヒロインだ(笑。

最盛期に比べると常駐してる職人さん減っちゃったのでバイオホラー系はマジ貴重ですー。

111:名無しさん@ピンキー
08/03/08 13:27:46 mMiVnWmK
以外の雑談ネタ:触手溜め

112:名無しさん@ピンキー
08/03/08 16:45:14 1sdXFqzP
数々のスライムを入れた瓶におんにゃの娘をゆっくりと投入…

113:名無しさん@ピンキー
08/03/08 20:29:30 v9leVOs2
>触手溜め
体内に触手を飼い溜めておくのか?
腕に相当する触手を斬り飛ばし勝ち誇っている相手に対し
不意打ちで口から触手を伸ばし攻撃、形勢逆転して後は(ry

…なんでナチュラルに「相手は、こちらより強い」で考えたんだろうか…
M願望があるのかな?俺

114:名無しさん@ピンキー
08/03/08 21:49:14 dzwMzKFh
>>113
違う。
触手が大量に入っている穴や入れ物のこと。
以前のスレで雑談ネタでこれが出たときに何人かの職人が作品化してる。
まとめに行けば見られる。

115:名無しさん@ピンキー
08/03/08 22:34:14 WekqnBOR
女性に対する刑罰の一種だったけ<触手溜め

116:名無しさん@ピンキー
08/03/08 23:43:56 WekqnBOR
確認した
触手を満たした穴に女性犯罪者の下半身を沈めて狂死させる刑罰だった<触手溜め

117:名無しさん@ピンキー
08/03/09 00:03:27 nSgHGlLm
たまに大喜びしちゃう女もいる諸刃の剣

118:名無しさん@ピンキー
08/03/09 00:05:26 4+jvj4/Q
あー、思い出した絵はスレチだけどTANAが昔似たようなの描いてたわ・・・

119:名無しさん@ピンキー
08/03/09 00:06:11 gcehdRF5
あー。当方はてっきり25mプールを無数の触手で埋め尽して
そこに女子生徒を突き落としていくのかとばかり(ry

120:名無しさん@ピンキー
08/03/09 01:35:34 yzz0M9Oc
>>119
読んでみたいw
大人しい子もギャルな子もスポーツ娘もみんなニュルニュルがいいな

121:名無しさん@ピンキー
08/03/09 03:48:53 bf04xs5i
デスパイアとかゆらぎとかソッチ系のバケモンに
是非お願いしたいところだ

122:名無しさん@ピンキー
08/03/09 04:23:39 mdDZJcvN
プールの水が実は全部スライム型デスパイアだった!
入っていた女の子みんなにゅるにゅるん~
とか考えたけど、謀ったな@シャア!!氏のゼフィルスにもろ被りな状況になりそう…

123:名無しさん@ピンキー
08/03/09 09:12:41 g+IqJGbF
いぬかみっ! に出てきた妖怪がそんな感じだった
新設されたレジャープールにスライム妖怪が出没して水着を溶かして攻撃…みたいな

124:名無しさん@ピンキー
08/03/09 10:38:15 euqdSM/d
スイートナイツのプリンセス・ティアみたいに変身すれば性的な方面も含めて身体の感度が何倍にも増幅されるって致命的な弱点を持つ戦士は
実は屋内プールの水は全てスライス型触手だったってタイプと究極的に相性抜群(ヒロイン的には最強最悪の敵)だよね。

敵を見かけ屋内プールに潜入するが見失い。プールサイドに不用意に近付いたばっかりに異変に気付いた時には遅く悲鳴をあげる暇もなく
プールに引きずり込まれ全身が敏感になると言う致命的な弱点も呪いながらイカされ続けるしかないヒロイン。って感じに

125:名無しさん@ピンキー
08/03/09 13:08:10 HeI9MgGm
>>116
しかも公開処刑なw
腰を挟むように蓋をするから、観衆からは上半身しか見えないという、通好みな設定だったw
俺も見てみてえw

126:名無しさん@ピンキー
08/03/09 23:04:48 xK/e5PJ+
>124
ふんっ、甘いわね
残念ながら、このプールの触手はとっくにスライスよ





こうですか?わかりません

127:名無しさん@ピンキー
08/03/09 23:11:00 NBoHfQrG
しかしスライスすればするほど分裂成長し数を増す触手群。
さらにヒロインの武器やヒロイン自体に返り血ばりに降りかかりまとわりつく粘液が
しだいに武器の切れ味を鈍らせ、ヒロインの身体を狂わせていく・・・・・。

128:名無しさん@ピンキー
08/03/09 23:47:02 NY6Sqkm6
ふむ。つまり25mプール満杯の触手風呂で人質の女子生徒たちをホニャララしつつ、
ヒロインに「コイツらを助けたければココに飛び込むのだァ~」的な脅迫をと。

なかなかイイ具合に煮詰まってきたじゃないか。

129:名無しさん@ピンキー
08/03/10 00:29:57 N4pDMBGn
同じ文章を読んでいるとは思えない程多種多用の捉え方がありますね

かくいう俺的にはプーンの中にはしっかり媚薬で満たされていて、中には外から見えにくい透明な触手がウヨウヨと

130:名無しさん@ピンキー
08/03/10 00:54:57 L9O3mw2z
プールの中の触手は
中の人の友達たちの成れの果てで攻撃を躊躇するんだろう(棒

131:名無しさん@ピンキー
08/03/10 02:12:24 VlNp4q3l
>>129
実は透明なうなぎみたいなのがいっぱい泳いでいて、下手にプールに入ると穴という穴に(ry

132:名無しさん@ピンキー
08/03/10 02:49:41 KnEiVjiQ
>>131
触手溜め祭りの中に、そんな設定のがあったよ
ガラス製の壷の中に水と屈折率が同じ触手が放してあって
陵辱される下半身や膣の中まで丸見えになるやつ

133:名無しさん@ピンキー
08/03/10 06:16:03 Z2vw4o70
空中を漂う透明触手

134:名無しさん@ピンキー
08/03/10 10:10:56 2SXQINMA
高度なステルス機能を持つメカ触手なんても面白そうじゃない?

欠点は数こそ大量に導入可能だけど遠隔操作も大変で一度でも斬られたり壊されたら役に立たない

利点は魔族との戦いを熟知して妖気などで敵の気配を感じ取る女性であるばあるほど術中にハマり気配を読み間違う

135:名無しさん@ピンキー
08/03/10 14:29:45 LEzLKd5K
ここいらで触手同士の戦いが読みたい

136:名無しさん@ピンキー
08/03/10 15:02:00 hEAT5ky/
触手同士の繁殖行為を考えた事なら


137:名無しさん@ピンキー
08/03/10 16:56:14 2SXQINMA
そう言えば、触手も生き物である以上は何らかの方法で繁殖するんだよね
細胞分裂か、繁殖かは種族ごとによって違うんだろうけど

138:名無しさん@ピンキー
08/03/10 22:32:31 CCeYxhoQ
え?そりゃもちろん女の子をめちゃくちゃに犯して精子を妊娠したかのようにたらふく中に出して、「もう産みたくないよぉ」もしくは「もっと産ませてぇ」とか(ここらへんは触手の種族によって違うとか)言いながら産ませるのがただしい触手の繁殖法だろう。


139:名無しさん@ピンキー
08/03/10 22:45:56 KnEiVjiQ
女の子の卵子を受精させて繁殖するんだろうか?
それとも子宮や直腸に卵や幼生を植付けて苗床として使うだけ?

個人的には、前者は獣系、後者は触手系っぽい気がするけど・・・

140:名無しさん@ピンキー
08/03/11 01:36:37 +hW3+7oN
前者は有名どころならミノタウロスなんかもろに該当しそうな印象。
他種族のメスで繁殖。

141:名無しさん@ピンキー
08/03/11 05:55:39 uH0c1E15
俺は触手だけど精子を女の子の卵子にぶっかけて産ませてるぜ
最初は嫌がるんだけど、一度出産を経験させると
産みたくてしかたがなくなるらしい

>>134
つミラージュコロイド
つ全波長迷彩
つ光学迷彩

142:名無しさん@ピンキー
08/03/11 07:50:24 HBA294Vr
URLリンク(www8.axfc.net)

143:名無しさん@ピンキー
08/03/11 10:13:17 gXVtVZoM
>>142
keyが分かりません・・・

144:名無しさん@ピンキー
08/03/11 12:16:22 OD2z6nN9
>子宮や直腸に卵や幼生を植付けて苗床として使うだけ?
卵は100ほどでも生き残るのはそれぞれの穴に一匹だけなら
子宮内で300倍に膨張した触手でぽんぽんの妊婦腹&直腸で育った触手がにゅるんと生えてアナル尻尾娘に…

145:名無しさん@ピンキー
08/03/11 12:26:45 2nGHet6F
>>138
はいはいどうせイケメンなら許されるんだろ

イケメン→「もっと産ませてぇ」
ブサメン→「もう産みたくないよぉ」

これだからスイーツ脳は

146:名無しさん@ピンキー
08/03/11 12:59:25 BoqA0PaL
スイーツ脳とは、人の身に触手をイケメンとブサメンに判別することを可能ならしめる
脅威の脳髄である。


147:名無しさん@ピンキー
08/03/11 14:47:04 mFdpI3Rk
触手は何気に怪力が多いよね
捕らえた女性が疲弊したり疲労状態なのもあるんだろうけど身の丈以上のデカい武器を振り回していて並の女性よりは剛腕で力自慢でも
一度、絡め取り絞めあげれば抵抗も出来ずに弱っていき堅く閉じた足を大開脚でアソコは見せ物状態

148:名無しさん@ピンキー
08/03/11 22:39:24 2nGHet6F
自分で>>145と言っておいてなんだが、ブサメンのほうが楽しそうだと思った。

149:名無しさん@ピンキー
08/03/12 00:07:50 TLUJ+K6j
つ 媚薬
魔法少女もエロス大暴走

150:名無しさん@ピンキー
08/03/12 06:48:18 2dDZSqe2
埼玉県春日部市に巫女さんやオタ少女をにゅるにゅるしに行って来ます~
一番の狙いはゆたかちゃんです

151:名無しさん@ピンキー
08/03/12 17:33:16 sPPnNFSq
メッツァー・ハインケルの様な大手のかつ勝利はほぼ確実な人の配下になりたいです

152:名無しさん@ピンキー
08/03/12 22:40:45 MIa+u8fb
>>150
基本ゆたかはみなみの嫁です。二人をラブラブにしつつ尚且つ…がベストだと思います。

153:名無しさん@ピンキー
08/03/13 06:57:02 JQw78gr7
みなみの股間に取り憑いて(本人とは快楽神経融合)ゆたかをズボズボ…
と妄想してるひよりんをズポズポしよう

154:名無しさん@ピンキー
08/03/13 15:21:46 xDhn4F9N
>>153
そして触手責めにダメだししはじめるひよりん

155:名無しさん@ピンキー
08/03/14 06:06:43 3kg2nUvB
妖獣戦記もう一度やりたいなぁ

156:名無しさん@ピンキー
08/03/14 22:53:02 hLh6FvAC
新しいのより古い方のがよかったよDO

157:名無しさん@ピンキー
08/03/15 05:26:56 Hp0PXO6j
保触守

158:名無しさん@ピンキー
08/03/15 08:57:01 kOV8riEn
かつて、退魔の巫女の母娘を襲撃し娘の目の前で母親を再起不能になるまで陵辱して。母親が壊れていく姿を見せ付けながら娘は処女を奪うだけにして解放し

何年かたった後に、退魔の巫女の娘が血の滲む過酷な訓練に耐え抜き、母親の仇討ちをする為の力を身につけ復讐鬼と帰ってきた場合はどんなシチュが良いんだろ?

159:名無しさん@ピンキー
08/03/15 14:06:20 t3uen3DC
>>158
つまり母親は解放しなかったんだな?



数年がかりで仕込んだ母親に仕込ませる。


160:名無しさん@ピンキー
08/03/15 14:28:28 tHsOXmIj
そこに母親に生ませた妹も付け加えてください。

161:名無しさん@ピンキー
08/03/15 14:43:38 nwZXSva/
そしてアルベガス状態に


162:名無しさん@ピンキー
08/03/15 23:40:45 r81iDt7l
光速電神?

163:名無しさん@ピンキー
08/03/16 02:02:47 NzoZLicf
触手にニュルニュルされちゃってセックス恐怖症or依存症になちゃったヒロインが、
トラウマを克服しようと彼氏とベッドインするもフラッシュバックしちゃって…

ってなSSはぶっちゃけスレ違いかね?

164:名無しさん@ピンキー
08/03/16 04:17:07 IOYHxV/O
>>163
その彼氏も実は触手の擬態で、追体験だと思ったものが実は現実だった、とか

165:名無しさん@ピンキー
08/03/16 08:30:28 EOUHrpX6
>>158
その頃にはもう母親もすっかり触手好きになってるだろうから
パワーアップして帰ってきた娘さんを人質芝居で無力かして
数年間の修行が無意味であったことを教えながら
今度は触手の良さも教えてやる

それか>>160のように産まれた弟や妹と闘わせる
産まれたのが人型じゃなかった場合はとどめをさしかけたときに
母親に娘の姉弟であることを告げさせて
躊躇してるところを姉弟近親姦させる


対魔巫女やエクソシストシスターなどの力のある人間に子供を産ませ
その産まれた触手子供とその母親と掛け合わせれば
さらに強い触手子供が産まれるのだろうか

166:名無しさん@ピンキー
08/03/16 12:05:51 34Slvr+1
>>165
検証してみる価値はあるな

167:名無しさん@ピンキー
08/03/17 09:51:19 6oswW92o
母親は、快楽に取り込まれて忠実な僕と化してるなら
魂まで怪物に売り渡し堕ちた証のフタナリ化で娘を陵辱を面白そうだよね。

生きていた母親が単に操られて陵辱するな兎も角
仇討ちをしようとしていた相手に魂まで捧げ虜となり顔色も変えずに平気な顔をして笑いながら自分を犯す。それだけでも精神的に大ダメージを見込めるし

168:名無しさん@ピンキー
08/03/17 15:54:26 JUnqqxeR
自分としては髪で凌辱というのを考えていた。
娘が引き裂かれる前から母の長く美しい黒髪に憧れていて、自分も伸ばしていた。
かつての母と同じ長さになった頃に戦い敗北。
囚われた娘は変貌した母と再会する。
身長の三倍ほどもある髪を持つ母はその髪を操り娘を凌辱する、といった感じ。

169:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:36:31 bM3aOCe8
そこまで混み入ってくると逆にノーマルな触手攻めが新鮮に映るZE!


・・・触手プレイの時点でアブノーマルだろというツッコミは間に合ってます。ハイ。

170:名無しさん@ピンキー
08/03/18 18:04:55 Gs35FMF0
あんまり妄想設定を細かく書いてにょろにょろされると職人が取っ付きにくいぞ。つかそこまで書けるんならSSまでもうちょっとやがな。

171:名無しさん@ピンキー
08/03/18 22:05:10 nrmOE6Aw
小さい口の中に細かいひだひだがいっぱいついてる触手でクリトリスに吸い付かれる的な話が凄く好きです・・・

172:名無しさん@ピンキー
08/03/18 22:12:18 d2bVoo8+
レベルの高い退魔の力を持つ女性にはイカしながらのエナジードレイン責めが有効。

絶頂に導いた時なんて大量に吸収可能だし。急激なエナジーや霊力低下は妊娠防止の子宮の結界も弱めて貫く事も可能だし。
ただエナジーは奪いすぎると廃人に追い込む危険も伴うから注意が必要。霊力なら枯渇させても大丈夫だけど

173:名無しさん@ピンキー
08/03/19 06:00:46 fEYn26C1
鬼畜な俺なら廃人になっても犯すぜ
というかむしろ犯し抜いて廃人にしてただの苗床にする
精神が崩壊しても栄養だけ与えておけば体は死なないんだし

174:名無しさん@ピンキー
08/03/19 08:46:40 6NjOwHGy
滅ぼされた国から
全身、斬られた跡や殴られた跡で傷だらけで甲冑はボロボロな女性騎士が
幼い姫君(9歳)を連れて脱出して

追っ手を振り切り亡命場所まで後少しとなり女性騎士が満身創痍な身体を少しでも休める為に野宿場所として選んだ洞窟がなんと
触手の皆さんの巣でそうとは知らない二人は眠り始める。しかも追っ手を完全に振り切った油断と疲労から女性騎士は不覚にも熟睡してしまう

そんな女性が巣に紛れ込んだらやっぱり餌食にするよね?両方

175:名無しさん@ピンキー
08/03/19 10:31:07 2Rd+2p3h
妖しげな成長促進作用で苗床にしつつ姫を13歳くらいまで仕立てて、
媚薬溜まりに閉じこめて騎士と絡ませるとか。

176:名無しさん@ピンキー
08/03/19 12:21:15 1993oUDk
触手に足りないのは脳か野心か…
国取りに全力で協力するに決まってるじゃないですか。その上で姫に寄生すれば…

177:謀ったな@シャア!!
08/03/19 15:53:18 UC5OcUSJ
国取りか…。触手モンスターに占領されちゃって、あんな事やこんな事が昼夜ぶっ通しで繰り広げられる城だの町だのってのも来るモノがあるな。
巫女さんは残念ながら守備範囲外だ。

話の腰をヘシ折るようで申し訳ないが投下。
あと誰か当方と一緒に日本中の杉の木伐採して回りませんか?

178:謀ったな@シャア!!
08/03/19 15:54:29 UC5OcUSJ
~粉砕天使ナツメ いんたーみっしょん~

ゼフィルス・クィーンとの交戦から五日ほど経過した夜。

通り過ぎていく自動車のテールランプを下界に望みながら国道を飛び越え、イグニートエンジェルことマルーシャ=アレクサンドルヴナ=トルスターヤは十数メートルは離れた商業ビルの屋上に軽々と飛び移った。
ここは東日本を中心に全国展開していた大型スーパー『ミスター・ハート』の店舗跡だ。展開していた、と過去形になっているのは、赤字続きだった本社が昨年とうとう経営破綻し、
駅前商店街を震え上がらせ乗り込んできたこの店舗も、今や全てのシャッターが降り豆電球ひとつ灯っていないからである。
世の中の流れとは実に早いものだ。事実、神に代わって一度はこの地上の全てを掌握したかに見えた人類も、現在では追い上げられる側なのだ。
それも淫らかつ醜悪な怪生物の一群によって。

「ふー、どっこらせっと」

埃まみれのベンチを軽く払うと、横柄に足を投げ出して彼女はそこに腰掛ける。約束の刻限には少々早いが、まあ、相手は自分と違って律儀な女だ。そう待たされはすまい。
周囲には立ち入り禁止を示すロープとカラーコーンが林立し、訪れる者のいなくなった屋上のプレイランドは墓場のように静まり返っている。
子供向けのミニSLにゴーカート。ポップコーン販売機にモグラ叩き。かつての賑わいの名残りも今となっては全てがモノトーン。現実は駆け足で色褪せて、過ぎ去った跡にはただ一握りの思い出だけが残る。まるでどこかの三人のようだ。

「…お」

そんな寂れた世界に一点だけ浮かぶ生気の色。何をする訳でもなく場内の遊具を順に見渡していた彼女の目線は、百円硬貨一枚で動き出すパンダの乗り物、正確にはその上に腰掛けている人物の姿を拾う。
どうやら待たせていたのはこちらの方だったらしい。
軽く微笑んで会釈するとその人影は遊具から立ち上がりマルーシャの方へ向かってくる。
上下一体になった黒のライダースーツ。右手に持ったバイクのキーをチャラチャラ振り回し、ブルネットのショートボブを夜風に遊ばせながら彼女は歩みを進めてきた。

「よ。久々だな、バネッサ」

「ええ、ホントに久しぶりね。マルー」

互いに短い言葉を交わす娘たち。ふたりの付き合いは長い。マルーシャがまだエミリアやユイとチームを組む以前、イゾルデの処に身を寄せていた頃からになる。
彼女はバネッサ=リリーヒル。エンジェルだ。いや、厳密には元エンジェルになる。

「しっかし相変わらず毎度へんぴな場所指定してくるよなァ、オマエも」

コートのポケットから缶チューハイを二本取り出し、片方をバネッサに差し出すマルーシャ。

「オマエも、って言うと?」

「ユイだよ」

「ああ、あの子…」

受け取った缶のタブを起こすバネッサの笑顔には暗い影が射している。
彼女もユイとは旧知の仲だった。エミリアを挟んで何度か共に任務に当たったし、一緒に買い物や食事に出かけたりもした。もっとも、ユイの方はエミリア以外の人間とはあまり喋りたがらなかったが。

「随分派手にやりあったみたいね。あの学校、爆弾でも落っこちたみたいになってたわよ」

「そいつァご本人とエミィに言ってくれ。こちとりゃチョイと急ぎでね、早いとこ本題をお願いしたいんだが」

「ええ、先日送ってもらった交戦記録を元に解析してみたけれど…。どうやら彼女、Sランクへの格上げは間違い無さそうね」

「そうかい。ならいっちょ祝電でも打ってやるべきかね?」

「残念。潜伏先までは掴めなかったわ。帰国してから滞在していたと思われるビジネスホテルも空っぽ。宿帳からも従業員の記憶からも綺麗さっぱり消えてたわ」

「ったく、知恵つけてんなー。昔はオラウータンといい勝負だったクセに」

179:謀ったな@シャア!!
08/03/19 15:55:15 UC5OcUSJ
バネッサは言わば情報屋だ。天使のサポートに当たるこの生業は俗に“キューピッド”と呼ばれる。
彼女も昔はクリスタルを秘めた天使として、二挺拳銃を自在に操り最前線で戦っていたのだが…。とある一戦でその身に注がれたデスパイアの精液が、魔力の低下していた彼女を無惨にも妊娠させてしまったのだ。
手術により化け物の子供を堕ろしたバネッサが再びエンジェルとして銃把を握る日は遂に訪れず、メンタル的な理由もあって彼女は後進にクリスタルを譲り、そして引退した。

自らの限界を悟りつつも負け犬という自己嫌悪に苛まされ、絶望の淵にあった彼女を励まし、この仕事を勧めたのが駆け出しのマルーシャだったのだ。
元来、身のこなしに長け情報通で通っていた彼女には、この“キューピッド”は正に天職と言えた。そんなこんなで、二人の付き合いは少々のブランクを挟みながらも現在に至るまで続いている訳である。

「で。そのユイちゃんの新しいお仲間なんだけど…」

そう言ってバネッサがノートパソコンを開く。ディスプレイに映し出されたのは夜の校庭に溢れかえった巨大な触手の大群。丘の中腹にある防災カメラが、ヤツの出現を地震と勘違いして誤作動し、偶然撮影された一枚だ。
言うまでも無く、茨のデスパイアである。

「ごめんなさい。残念だけど殆ど何も掴めなかったわ」

「…そっか…」

なるほど。残念と言えば残念だが予測通りの回答である。これだけの巨体でありながら、自らその姿を曝すまで尻尾ひとつ掴ませなかった相手だ。一朝一夕で御殿が割れるハズも無い。

「でも、画像から見るだけでも凄まじい相手ね。ホラ、ここなんか影が歪んでるでしょ?こいつから自然に洩れる魔力だけで、ここまで空間が歪曲されてるのよ。
膨大な質量が空間に作用する事は前から知られてるけど、魔力だけでそれを顕現させてしまうなんて。ハッキリ言って相当ヤバイ相手よこれ」

「わり。もう少し噛み砕いて説明して」

「歩く原発みたいなヤツだって事よ。この辺り一体の勢力図を塗り変えてしまうような規模の魔力がコイツの体を循環してるってワケ」

「ったく…どこのゴジラだよそれ」

憎々しげに吐き捨てながら前髪をクリャリと握るマルーシャ。この手の局面で出る彼女のクセだ。
事実不愉快極まる。通常時でこれだけの効能があるなら、その魔力を空間歪曲に集中させればそれこそ光学迷彩の一丁上がりだ。隠れ家を暴くのは容易ならざる行為である。先が思いやられるなんてモンじゃない。

「わーった。バネッサは引き続き情報の収集を続けてくれ。アタシは目ぼしい場所を足で洗ってみるからさ」

「いいの?他のデスパイアも相手しないといけないでしょ。見回りは?」

「んーまァ、平行して続けていくけどね。いざって時の為にエミィがあちこちに“枝”張ってるし」

「分かったわ。でも無理だけはしないでね。………私みたいな思い、貴方にはさせたくないわ」

バネッサは俯き加減になってそう紡いだ。
確かにエンジェルは一般人と違ってデスパイアに犯されても、注ぎ込まれた精子を魔力で分解する事が出来る。
しかしそれは万全の状態の話だ。幾度も絶頂を味わされ力を吸い取られてしまえば、彼女たちと普通の人間を隔てる壁は徐々に薄く低くなっていく。
聞くところに拠れば、バネッサは半月ほど軟禁状態に置かれて孕まされたらしい。取り出されたデスパイアの子供の育ち具合から逆算すれば、彼女の受胎は敗北初日と見て間違いないだろう。
要するに、戦闘中の一回や二回ならともかく、完全敗北を喫し囚われの身になってしまえば人間も天使も結末は一緒であるという事だ。


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