08/03/03 01:13:06 yw9M2Ema
「目が覚めましたか?ミョズニトニルン」
(ここは…?)
女の声が響き、シェフィールドは目を覚ました。が、開かれた目には光が差し込むことはなく。そこは
暗闇の世界だった。
(そうだ、私は……)
トリステイン軍とガリア軍の決戦…いや、正確にはジョセフ軍とハルケギニア連合といった方が正しい
か。ともかく戦争があって、負けた。ジョセフ様は捕らえられ、私は殺された、死んだはずだがこれは
一体・・・。
「あなたを蘇生させるのには金がかかりましたよ。エルフから聞き出した特製の秘薬でね。」
自分の状況を確認する、目はおそらく目隠しされているのであろう。両手は背に回され縛られている。
椅子のようなものに座らされており、両足はついているもののあまりよく動かせない。
「ふふふ、こうしてみると無様ですね。これが虚無の使い魔とは、とてもとても」
甲高い女の声が気に障る、私はせめてその女を黙らせようと魔法の詠唱を試みる、が。
(!!何だ!?なにかがおかしいぞ!?)
「あら?何か喚いていますね、ふふ。驚いていますね、そうですよねぇ、自分の歯が一本もないんですから」
なんという事だろう、私の歯が一本残らず姿を消してしまっていた。
「魔法を使われると厄介ですから、摘出させてもらいました。あと自殺も面倒ですからね。脚はちょっと
腱の方をプチッとね。」
「~~~~~~」
「あと声帯も摘出しましたから、声事体も出せませんよ。ああ、目はきちんと残してあげてますから
心配しないでください。」
「~~~、~~~。」
「煩い!!」
パシィィィンと良い音が響き、頬に痛みが走る。
「自己紹介はまだでしたね、姿はみえませんけど。声は聞いた事があるでしょう?トリステイン王女、
アンリエッタでございます。」
「・・・・・」
「それにしてもミョズニトニルン、少し儀礼をわきまえたらどうですか?人と会うのに全裸というのは
少し・・・もしかしてその手の方ですか?」
自らをアンリエッタと名乗る女の言葉を受け、私はもう一つの事実を突きつけられる。そう、衣服を身に
まとっていないのだ。
「まったくです…ね!」
ガコンと椅子が蹴っ飛ばされたのか、私はそのまま吹っ飛んだ。
「そろそろ本題にうつさせてもらいますか、きなさい!」
倒れた私を誰かが抱き起こして、膝の上に座らせられる。