【ひぐらし】07th総合part16【うみねこ】at EROPARO
【ひぐらし】07th総合part16【うみねこ】 - 暇つぶし2ch200:名無しさん@ピンキー
08/02/18 00:15:48 8DVaXEsV
発表会の続きキボンヌゥゥゥ

201:名無しさん@ピンキー
08/02/18 00:40:14 +4lm9b+z
最近激甘圭レ多いね。クララ☆の人も執筆中みたいだし

鞍替えしてしまいそうな俺に梨花沙都分を補充してください

202:名無しさん@ピンキー
08/02/18 04:49:29 8d06tWFY
喪女のひぐらしスレなんか去年の8月から200しか進んでないじゃないか
あんなん女プレイヤーの総意として参考にするなよ、魅音は元々信者もアンチも多いんだし

このスレはノーマルも百合も時にはホモまでも容認されてて器が大きいよなあ

203:名無しさん@ピンキー
08/02/18 08:48:40 wfLIe4hB
作者が多彩なんだよ
ほのぼの、シリアス、ダーク、鬼畜、コメディ、逃避、なんでも出るよ。

204:名無しさん@ピンキー
08/02/18 16:02:01 GrkLjJgk
∩( ・3・)∩

205:名無しさん@ピンキー
08/02/18 16:20:10 wfLIe4hB
次期頭首様もお喜びのようで………恐悦。

206:名無しさん@ピンキー
08/02/18 18:48:39 HPOcLWvM
このように次期頭首様をお喜びさせるために皆ドンドン投下しようなんだぜ

207:名無しさん@ピンキー
08/02/18 20:37:59 bBiNeAUE
そう言えば昨年のこの時期
バレンタイン当日に投下すると予告があったんだが
結局投下は来なかったんだよな…
確か「飴渡し編」だったな、保管庫に前フリだけあったし
というわけで悟史×詩音希望

208:名無しさん@ピンキー
08/02/18 20:55:08 UNJAsGBr
詩音襲い受けの魅詩希望
付き合わされてすっかり詩音仕様にされた姉とやる気のない姉にイライラする妹

209:名無しさん@ピンキー
08/02/18 21:25:19 wfLIe4hB
この流れに便乗して、正月ネタクリスマスネタは投下されなかったなあ
個人的には2、3スレ前に風邪引いて休筆してた作者の知恵×圭一を待っている……
あのとき風邪引いてた作者さん見てますか?いつまでも待っているぜ!

210:名無しさん@ピンキー
08/02/18 23:35:04 VmRVon8o
そろそろうみねこも見たいな……ep2もでたし

211:名無しさん@ピンキー
08/02/19 00:03:11 hzWR1Czx
魅音×羽入って組み合わせを見てみたい。

212:名無しさん@ピンキー
08/02/19 00:18:22 vpBvASgE
>>300
ババ抜きをせずにジジ抜きを選んだ部長と
自分をジョーカーと称したオヤシロ様…
これは良カプの予感

213: ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:28:48 DicUSXU9
前回、キャベツと薔薇をお読みいただき、ありがとうございました。
今回は前作と同じ世界の1~2ヶ月前の話です。
ダークな鉄平夫婦×悟史(3P)で、
タイトルは、雛のなく頃に ―贄始め― です。
よろしければご覧ください。


214:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:31:18 DicUSXU9
 目が覚めた。時刻は、草木も眠る丑三つ時。田舎特有の漆黒の
闇が周囲に満ち、物音一つしなかった。
 ふと、喉の渇きを覚える。このまま朝まで我慢しようかとも思ったが、
一度自覚してしまった渇きは情け容赦なく攻め立て、刻一刻と欲求の
度合いを増してくる。何度か寝返りを打ち、しばらく水への渇望と
戦っていたが諦めた。
 ゆっくりと立ち上がり、襖にそっと手を掛けた。立て付けが悪いので、
なるだけ音を立てないよう慎重に動かす。
きしきしと軋む階段を静かに、爪先立って降りていく。

 台所へ向かう途中の廊下で、何か聞こえた。こんな時間に何事か。
泥棒かとも思ったが、この雛見沢で盗みを働く人も、わざわざ雛見沢へ
盗みに来る者もいるわけがなく、すぐに打ち消した。
 音を辿って家の中をしばらく彷徨う。源は叔父夫婦の寝室だった。
 変に声を掛けて起こしても、烈火のごとく怒られるだけだ。
下手をすれば暴力へと発展する。
引き返そうかと決めかけた時、襖が細く開いているのに気付いた。
 別に大したことは無いだろうと思いつつ、そっと覗く。そこで―。

215:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:32:35 DicUSXU9
 叔父夫婦が居た。眠ってはいなかった。
 裸の二人は繋がっていた。犬のように四つん這いになった叔母の尻を掴み、
腰を叩きつけるようにして振っている叔父の背中が見えた。
 互いに言葉を交わすことも無く、ただ自分たちの行動に没頭している。
 快楽を貪り尽そうとする、理性を無くした二匹の鬼の姿だった。
 予想だにしなかった光景に、息を呑む。
 慌てて踵を返そうとした時、片手が襖に当たり大きな音をたてた。

 「誰ね!?」
 叔父が動きを止め、振り返る。いい所で邪魔をされた為か、只ならぬ形相だ。
 このまま自室へ逃げ帰ろうかとも思ったが、恐怖に足が竦んで動かない。
 「誰ね言うとるがね!?」
 重ねて問われて観念した。
 「…ぼ、僕です。悟史です……」
 「なんね、悟史ね。」
 叔父は叔母の身体から離れた。叔母が一声呻いた。
 「…喉が、そう喉が渇いちゃって、それで…水を……」
 乾燥した為か、声帯がへばり付いて開かない。声が掠れる。
 「起こしてごめんなさい、もう寝ます。」
 自分は何も見ていない。そういう事にして逃げようとした、が。
 「まあ、ちょっと待ちぃね。」
 そう言いながら叔父が大股で歩み寄って来る。大事な部分を隠すこともしない。
 電灯に照らされぬめぬめと光る男根は、とぐろを巻いた蛇のような威圧感を放つ。

216:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:33:34 DicUSXU9
 襖が大きくガラッと開かれた。
 「ひっ!!!」
 「そないに驚かんでもええがね。」
 叔父は悟史の反応を面白そうに眺めながら、ニヤニヤ笑っている。 
 「ちょっと来い。」
 悟史の二の腕を鷲掴みにし、有無を言わさず部屋に引き込む。
 「あんた、どしたん?」
 叔母が髪の乱れを直しながら問う。こちらは上掛けで裸体を隠している。
 「いやな、こいつももうええ歳なんやし、ちょいと『お勉強』をさせてやろうかと思ぉてな。」
 布団に向かって、乱暴に転された。
 「勉強って、あんたまさか?」
 「そうや、社会勉強やね。大人んなってから、こいつが困らんようにしてやらんとね。」
 叔父のニヤニヤ笑いが一層広がる。
 「子供の将来を考えんのも、親の大事な役目やし。」
 親のつもりなんか、これっぽっちもないくせに。放り出され、布団に両手をついた
姿勢のまま悟史は思う。
叔父と叔母が何について話しているのかは、さっぱりだった。でも分かる。
どうせロクなことじゃない。

217:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:34:20 DicUSXU9
 「悟史、何しよんね。早ぅ脱がんね。」
 一瞬、何を言われたのか分からなかった。脱ぐって何を?
 ぽかんとした表情で、叔父を見上げる。
 「何を呆けた顔しとんな。服じゃ、服を脱がんね。」
 「えっ?」
 何でそうなるのかが分からない。
 相変わらず動こうとしない悟史の様子に叔父は焦れ、パジャマのボタンに手を掛けた。
荒々しく外されていくボタンをただ呆然としながら見守る。 
 だが流石に上衣を脱がされ、ズボンに手が掛かった所で悟史が暴れ始めた。
舌打ちの音がしたと思ったら、左の頬に衝撃が来た。叔父の平手打ちで部屋の隅まで飛ばされた。
 「ったく、手ぇの掛かるこっちゃ。」
 打撃の衝撃に意識が遠のく。荒々しい仕草で、下着ごとズボンが下ろされる。
煌々と灯された電灯の下に、悟史の細い肢体が晒された。

 「ほぅ。顔に似合わず、なかなかえぇもん持ってるん。」
 布団の上まで引き摺って来られ、大の字にさせられた。
 蛍光灯の光が眩しくて、目を開けていられない。
 「ちょっと、あんた。」
 咎めるような口調ながらも、叔母も興味津々に覗き込んでくる。
 「どぉや、大したもんやんな?」
 自分が苦心して釣り上げた大物を自慢するような口振りだった。
 「じゃけど折角の持ちもんが縮こまってもうて、台無しやんね。お前、ちょいと舐めてやれや。」
 「そんな。こんな子供のなんて。」
 叔母は躊躇う様子を見せるが、右手は悟史の股間へと伸びていく。
 「ええから、早よぅやれ。」
 叔父に強要されて仕方なく、そんな言い訳を自分なりに見つけたようだ。
 痛みと恐怖で、負け犬の尻尾のように縮んでしまった悟史自身を、やんわりと握り込む。

218:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:35:12 DicUSXU9
 「ひっ!」
 それまで浮遊していた悟史の意識が戻る。
 反射的に半身を起こし、手を振り払おうとしたが駄目だった。
 いつの間にか悟史の頭の上に移動していた叔父が、両手を掴み押さえ付ける。
 痛くない程度に体重をかけられ、床に縫い付けられたように動かせない。
 「心配せぇでも、なーんも、痛いことは無いがね。気持ち良ぉて止められんぐらいやんな。」
 叔父の下卑た笑いが顔に降り注ぐ。獣臭い息がかかる。発作的に暴れたら、頬を張られた。
口の中が切れ、鉄の味が広がる。
 「ったく、このダラズがっ!!」
 その間も叔母の手は止まらず、泣いた赤子を宥めるような優しさで悟史の股間を刺激していた。
袋にも手を添え、やわやわと揉んでいる。
 萎縮していた器官が、徐々に緩んで戻ってくる。さらには元より大きくなり始める。
 「いやだ、やめて。」
 痛さと恥ずかしさと悔しさとに、涙が溢れるのを止められない。
 「おい。」
 叔父からの指示に、叔母が動いた。悟史自身に舌を這わせる。丁寧に舐めながら、
唾液をたっぷり塗り付ける。ゆっくりと先端を口に含み、舌を絡めて吸い上げる。
 「もうやめてください。お願いします。」
 抑え切れない涙が零れ、こめかみを伝って敷布に染み込む。
 「どうね。わしが仕込んだだけあって、なかなかのもんやろ。」
 窄めた口の粘膜で刺激を与える。叔母の頭が上下する度、えもいわれぬ快感が背骨を駆け上がる。
 くちゃくちゃと湿った音が室内に響き、より一層猥雑な雰囲気を盛り上げる。
 初めての感覚を耐え忍ぶのに精一杯で、悟史にはもう抵抗する意志も無い。
叔父は悟史の手を放し、悟史の乳首を摘んだ。指で挟み、摺り合わせる。爪で軽く引っ掻き、弾く。
 「あっ…はぁ……いやだ…やめて…んっ……くださ…い……お願い…で…すから……」
 甘い嗚咽を堪えながらの嘆願は、叔父の情欲を燃やしこそすれ、冷ます事はできなかった。
 少女のような顔で頬を紅潮し、変声前の可憐な声で哀願する様は、叔父にとっては媚びているのと
かわりは無い。股間の怒張の張りが増す。
 「もうえぇやろ。」
 それを合図に、叔母の動きが加速する。
 「…いや…だ……やめてっ……あぅ……もう…もう……出る…出…るっ!!」
 悟史の身体がバネのように伸び上がる。全身が痙攣する。
 叔母の喉が鳴った。悟史が放出したものを嚥下している。最後の一滴まで逃すまいとするように
吸い付き、啜り上げる。

219:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:35:59 DicUSXU9
 叔父は、幼児に用を足させるような姿勢で抱え上げた叔母を、悟史の顔の前に据えた。
 よく見えるようにと、手で陰毛を掻き分け秘部を割る。
 初めて見るソレは、何だか別種の生き物のようで、人体の一部とは思えなかった。
 「えぇか、ここが女陰ね。」
 叔父は人差し指を出し入れし始める。既にたっぷりと蜜を溢れ出していて、簡単に指の付け根までを銜え込む。
 中指が加わり、愛液を掻き出すように捏ね繰りまわす。叔母が声を上げ、身を捩る。
 「ここが、ク○ト○ス。女が一番悦ぶ所なんね。」
 そう言いながら、今度は小さな突起を親指で刺激し始めた。叔母の腰が動き、内腿がひくついている。
 「ほれ、お前も触ってみんね。」
 未だ射精の余韻に呆然としていた悟史の手を叔父は取り、叔母の秘部へと導いた。
 言われるがまま、指で刺激し、手を動かす。叔母の動きが大きくなる。
 「あんた、早く……。」
 叔母が口の端からよだれを垂らしながら、哀願している。
 「なんね、もうかいね。まあ、先刻が途中までやったからな。」
 叔父は叔母の前に回り、両足を掬い上げた。自分自身に手を沿えた。
 「ええか、悟史。よぉう見とれよ。」
 ゆっくりと腰を沈める。悟史の目の前で、男根がずぶずぶと沈んでいく。叔母が応えるように嬌声を上げる。
 「これが本番や。」
 腰を前後に動かし、出し入れを繰り返す。時々円を描くような動作も加わる。叔母の腰も、叔父の動きに
合わせるように蠢いている。あまりの近さに滴が顔に飛んでくる気がした。
 その内、二人は悟史の存在を忘れたかの如く、自分たちの動きに集中し始めた。叔父が叔母の唇を吸い
唾液を注ぎ込めば、叔母は叔父の肩に噛み付き歯形を付ける。
 「あ、あんた…もう、もう、いくー……」
 「ええぞ、ほれ、いてまえ。」
 叔父の動きが加速し、湿っぽい音が大きくなる。
 「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ。」
 叔母の両脚が、叔父の腰を逃がすまいとするように絡み付き、締め上げる。
 二匹の鬼は、頂点を目指し突っ走る。誰にも邪魔されず、唯、走る。
 そして―。

220:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:37:00 DicUSXU9
 事が終わると、それまで互いに求め合っていた事が嘘のようにあっけなく、二人は離れた。
 別々に自分の後始末をしていた時、叔父が気付いた。
 「ほう、お前もしたいんね?」
 初めは、自分に言われている言葉だとは気付かなかった。
 叔父に呼ばれて叔母も来ると、ほう、と溜め息を吐いた。
 「特等席であんだけ見せ付けられっちゃ、仕方ないんね。」
 叔父に掴まれ気付いた。悟史は勃起していた。自分ではそんなつもりは無かったのに…。
 「このままじゃ可愛そうやんね。おい。」
 顎で指図され、叔母は悟史に跨った。悟史自身が叔母に飲み込まれていく。
 「ひっ!!!」
 叔母に喰われる、そう思った。鬼と化した叔母に大事な所からバリバリと。
 内はどろどろと熱かった。溶鉱炉を連想した。甘い快楽に脳髄が痺れた。ウツボカズラを思い出した。
鉄をも熔かす高熱と、捕らえた虫を喰う消化液で溶かされると思った。だが、熔解したのは理性だった。
 こんな事をしてはいけない、抵抗しなければいけないと頭では理解しているのに、身体は動かなかった。
 叔母が上下運動を始めると、余計に考えられなくなる。
 悲しかった。悔しかった。でも気持ち良かった。
 一刻も早く止めて欲しいと思いながら、もっと長く感じていたいと思う自分もいた。
 初めての悟史が直ぐに達しそうになると、叔母は察知し動きを止める。少し静まると、
また駆り立てようと動き出す。その繰り返し。
 「…もう…もう、許して……お願い……」
 何をどう許して欲しいのか自分でもわからぬまま、そう口にしていた。
 とにかく現状を何とかして欲しかった。
 「まあ、もうちょいと待ちぃね。」
 欲情に染まった叔父の声が嘲笑う。
 悟史は新しい抵抗を感じた。叔母の中が狭くなったようで、肉一枚隔てて何だか硬い物が当たる気がする。
 飛びそうな意識に霞む目で見ると、叔母のすぐ後ろに叔父の姿があった。叔母の背中にぴったりと貼り付く
ようにし、叔母の腰を抱きかかえ二人の動きに同調するように揺らしている。叔母の快楽も増したようだ。
 このまま逝けば自分まで鬼の眷属にへと堕ちてしまう。背筋の凍る恐怖に駆られながらも、それもイイとも
思ってしまう。肉の悦楽に浸り続けられるなら、何処までも堕ちていきたい。そう願ってしまう。
 三人三様の悦びの声を上げ、ともに鬼国へと疾駆する。各々がそれぞれの頂を目指し、駆け上る。
 三匹の鬼は歓喜の雄叫びを上げた。

221:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:39:10 DicUSXU9
 チュンチュンと雀が呑気に歌い、遊んでいる。カーテンの隙間から陽光が差し込む。
 朝が来た。全ての罪を白日の下に曝そうする、日が昇った。
闇の眷属たる鬼を追い払おうと眩い光を放しつつ。
 白光から逃れるように布団の中に潜り込む。まだもう少しこのままで……。
願いも空しく目覚ましが鳴る。反射的にけたたましく鳴り響くアラームを止める。
 ココカラデタクナイ。ズットココニイタイ。
 息を潜め、じっと外の様子を伺う。己に害を成す存在がいない事を確認する。
 そろそろと布団から這い出し、恐る恐るカーテンを引き開ける。
 朝日が目に入り、視神経を焼かれる。熱い。焼け爛れた全身から煙が立ち昇る。
熱い。熱い。熱い。
 現実に起こるはずのない現象を体感していた。
昨夜、鬼へと変わり果てた自身が審判を下され、火焙りに処せられる。
昨夜見た夢とも、目覚めた後の現の事とも判別のつかぬまま、焼かれ、焦げ、熔けていく。
 落ち着け、落ち着くんだ。COOLになるんだ、北条悟史。
僕は昨日の自分と何も変わっていない。鬼になんかなっていない。
だから、日に焼かれる事なんて起こるわけがない。しっかりしろ、悟史。
 自分で自身を抱くようにし、何とか気持ちを落ち着けようとする。
全身に冷や汗が浮かび、震えが止まらない。
 気持ちをしっかり持て。こんな状態じゃ、いつかはバレルぞ。バレル? 誰に? 何を?

222:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:40:16 DicUSXU9
 ―昨日の事に決まっているじゃないか。
 もう一人の自分が唇の両端を吊り上げながら、囁く。
 ―昨夜の痴態が皆にバレてもいいのか? 叔父と叔母にいいように弄ばれて、
悦び乱れた事をバレてもいいのか?
 イヤダ。アンナコト、ダレニモシラレタクナイ。……デモ、ミンナッテ、ダレ?……
 ―皆は皆。魅音やレナや梨花ちゃん、学校の皆。
 ダメダ、ダメダ。シラレチャダメダ。
 ―それに。
 ソレニ?
 ―それに沙都子。
 サトコ?
 一瞬、誰の名前か分からなかった。どうしても思い出せなかった。否、思い出したくなかった。
 ―お前の妹の沙都子だよ。
 サトコ…サトコ?…サトコ!!!
 ―そう、あの沙都子。どう思うだろうな、昨夜、お前が何をしたかを知ったら?
 ダメダ、ダメダ、ダメダ、ダメダ、ダメダ、ダメダ、ダメダ、ダメダ、ダメダ、ダメダ……
 ―なら、どうする? 
 ……ナカッタ。ナニモナカッタ。ユウベナンテ、ナカッタ。キノウナンテ、ナカッタ。
 ―あれだけ感じて喜んでいたクセに。
 カンジテナンテナイ! ヨロコンデナンテナイ! 
 ウルサイ、キエロ!! キエロ!! キエロ!!!
 くすくす嫌味な哂いを浮かべながら、もう一人の悟史は消えていった。
 そうだ。誰にも知られてはいけない。特に沙都子には……。
 だから、無かった事にする。僕は何も知らない。何も覚えていない。
 自己暗示をかけるように繰り返す。呪文のように口の中で唱える。
 ナニモシラナイ。ナニモオボエテイナイ。
 昨夜は何も無かった。なら、どうする?

223:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:41:44 DicUSXU9
 いつも通りに行動しなければ。そう、昨日と同じように学校へ行かなければいけない。
 慌てて時計を見る。あれだけ長い時間、悩んで苦しんだはずなのに、目覚めてから
5分と経っていなかった。ほっと溜め息を吐きながら、決意を込めて立ち上がる。
僕は守らなくてはならない。昨日までと同じ毎日を。
 何も変わってなんかない。昨日と同じ、今日も同じ、明日も同じ。
 布団をあげる。パジャマを脱ぐ。制服を着る。時間割を合わせ、教科書、ノート、その他を
鞄に詰め込む。
 鞄を玄関に置き、洗面所へ向かう。やればできる。いつも通りの日常を送れる。
 少し自信が出てきた時、汚れ物を抱えた叔母と鉢合わせした。心臓が飛び跳ねる。
反動で口から飛び出しそうだ。
 「…お、おはようございます。」
 いつもの挨拶。でも、目は逸らしたまま。
 「おはよう。」
 叔母もいつもと同じに応えた。ほっと胸を撫で下ろし、入れ違いに洗面所へ入ろうとした。
擦れ違い様、
 「昨日は良かったわよ。今晩もいらっしゃい。」
 熱い息と一緒に、そう耳元に吹き掛けて行った。
 空間が凍る。
 イマ、ナンテ、イッタ? キノウハ、ヨカッタ? ソノアトハ?
 コンバンモ? コンバンッテ!?
 少しずつ積み上げていった日常が、一瞬で崩れ去る。
 コンバンモ!?!?!?
 世界が回る。視界がどんどん狭まり、暗くなる。
 ダメダ。ダメダ。ダメダ。シッカリシロ。キヲ、ツヨク、モテ。
 壁に手をつき、倒れかかった身体を支える。こんな事じゃ駄目だ。
これ位で気を失いかけるなんて情けない。
 自分を叱咤激励する為に、冷水で顔を洗う。まだ桜も咲かない早春の水は冷たく、清く、
厳しく、自分の内の汚れも、迷いも、弱さも、全て洗い流してくれるようだった。


224:雛のなく頃に ◆VnJSOIf/ss
08/02/19 02:43:28 DicUSXU9
 指先も鼻も頬も冷たさで感覚が無くなるまで顔を洗った後、昨夜の垢を削ぎ落とす様に
手荒くタオルで顔を拭いていた時だった。
 背後に人の気配を感じた。
 「…にぃにぃ……」
 沙都子の微かな呼び掛けに、肩が大きくぶれる。
 ナニモシラナイ。ナニモオボエテイナイ。
 静かに息を吸い、吐く。出来るだけのんびりとして見えるように、ゆっくり振り返る。
 微笑え。いつも通り、微笑うんだ。強張る頬をどうにか笑いの形に歪める。
 「おはよう、沙都子。」 
 どうにか普段通りの声で言えた。
 「おはようございます、にぃにぃ。」
 沙都子も力なく微笑う。その目が、頭を撫でてくれと求めている。
 何気なく、手を伸ばした悟史だったが、触れる直前で止まる。
 昨日、この手は何をした? この手で叔母に何をした?
 ―こんな汚れた手で、大事な妹の頭に触れてもいいのか?
 いつの間にか、もう一人の自分が戻って来ていた。 
 ―そんなふしだらな手で触ると、妹も穢れるんじゃないのか?
 「……にぃにぃ?」
 なかなか撫でて貰えず、不安になった沙都子が問いかける。
 大丈夫だ。先刻、あれだけ洗った。一所懸命、洗った。石鹸もちゃんと使った。
沙都子が汚れる事なんてない。
 沙都子の頭にそっと手を乗せ、宥める様にゆっくり撫でた。
 「さぁ、沙都子も早く顔を洗って。」
 嬉しそうな沙都子を急き立て、位置を換わる。素直に洗顔を始める沙都子を見て、
安心する。大丈夫、バレてない。
 珍しく朝食が用意されている食卓を見て、沙都子が怪訝な表情をした時には危なかったが、
何とか誤魔化せた。
 このまま家に居続けると何時かボロが出そうで怖い。少し時刻は早かったが家を出た。
 どろどろした家の空気を肺から全て吐き出す。冷え切った外気を胸一杯に吸い込む。
それだけでも身体の内側から洗われる気がする。
 「何をしてますの? にぃにぃ、早く行きましょう。」
 「今、行くよ。」
 先に行きかけていた沙都子が振り返り、呼び掛ける。家から一歩外に出ただけで、
沙都子にも力が湧いて来るようだ。
 大丈夫。この雛見沢の清澄な空気がある限り、いつでも僕はきれいになれる。汚れや穢れを祓ってくれる。
いつもの僕に戻って、がんばれる。そう、がんばらなくちゃ……。

    ―END―

225:名無しさん@ピンキー
08/02/19 03:17:29 eW9imqhq
グッジョブでした
おっさんに攻められる女キャラというのは割とよくあるが
おっさんおばさんに攻められるのが似合う男キャラなんて俺の知る限り悟史しかいねぇww

226:名無しさん@ピンキー
08/02/19 03:43:11 egnlHQFM
鬱なssありがとうございます。
こんなのくらったらそりゃ発症するわなさとし

227:名無しさん@ピンキー
08/02/19 08:38:29 Fk31OdwW
乙です
これって性的虐待だよなぁw 悟史カワイソス

228:名無しさん@ピンキー
08/02/19 14:03:40 YASemqgL
>>299
家具×楼座とか?

229:名無しさん@ピンキー
08/02/19 15:48:25 x6Yp9XIS
>>317
他にも
紗×朱(カノンに手を出すな的な)
夏×真(まとめスレが途中だった)
戦×朱or真(最初ふざけてた)
ベルン×ベアト(×ラムダ)
とか
譲×紗と朱×嘉は同人で読んでお腹一杯です

230:名無しさん@ピンキー
08/02/19 18:26:48 pjhD2p8h
ヤンデレレナ

 日付はとっくに跨いでいるはずだった。ここには日などまだまだ息づかない。誰もが家の
中で休んでいる。そして雛見沢はひっそりと目を伏せ、全てが動き出す朝を待っている。
 
 俺たちは、いや、レナは一体なにをしているのだろうか。どれだけこうしているのか分か
らない。暗闇に慣れた視界一杯にレナの顔がある。掻き乱れた髪の毛が頬を突き、大粒の汗
がまばらに落ちていた。また口がふさがれる。指先でちょいと押さえるようにレナの舌が唇
の端から端までを行き来する。それが終わると上唇を押し上げて唾液のたっぷり乗った舌を
勢いよく挿入してくる。得体の知れない何かにズブズブと飲み込まれていくような柔らかさ
だった。あっという間に、言葉と意思とが奪われていく感覚に陥った。俺はレナの機械人形
だった。頭の中で早く解放されたい、してくれとまだ思えたのは、口内を蹂躙する舌が異様
に冷えていると感じたかもしれない。

 顔を一時も離さないまま、レナは腰を激しく振っている。幾度も風船が破裂したかのよう
な音が響き渡り、六畳の部屋を覆いつくす。最初は、獣としか思えない欲望の匂いが充満す
るのに耐え切れないものがあった。今は麻痺しているのだろう、そんなことは欠片も思わな
かった。俺の発した白濁液は、それを遥かにしのぐ大量のレナの愛液によって存在を奪われ
ている。ちゃんとして、在るとすればおそらくレナの子宮内だけだろう。しかしそれすらも
また、俺の自由を奪っていく楔に他ならなかった。
 
 始めのうちは愛されているのだと思った。ただただ俺を喜ばせたいと思っている様子がひ
しと感じられたからだ。赤ん坊をあやすような声で何度も俺に気持ちいいかと聞いては、満
足そうな笑みを絶やさなかった。たとえ俺が答えていなかったとしてもだ。もっと気持ちよ
くしてあげるねと言ったレナの腰は上下に動くだけでは留まらなかった。陰茎の先を子宮口
でぐりぐりとこねくり回し、根元からをぎゅっと絞り上げた。あらゆる角度に陰茎の行き先
を作ってはそこに導いていった。俺が射精するのなんてあっという間だった。それで終わり
だと思った。しかし違った。だらしなく崩れた表情を見てレナもイッたのだと思ったが、そ
れでも腰を振るレナの気色はおかしかった。ここから、嬌声も奇声となって聞こえ始めた。
しばらくして、何度も何度も絶頂を迎えているのだと悟った。掻き抱かれる肩が何度傷つい
ただろうか。しかも無意識じゃない。なぜなら途中で、幾度も血のついた爪を舐めていたか
らだ。俺は恐怖から全てをなすがなされるがままになった。



199 :名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 12:09:35 ID:VVEjfQvT
 その行為が終わったのは階下からコール音が聞こえたときだった。レナがそこではっとし
た顔で悦楽を手放し、俺から離れたのだ。間違いか悪戯か、どちらにしても掛けてきてくれ
た影も知らない誰かに心から感謝をした。また、このとき部屋が暗くてよかったとも思った
。電話に向けられたレナの据わった眼を、まともに見ることができなかったからだった。
 
 俺が意識的にとった距離に気づいたのか、表情と声色を誰もが知るレナのものに戻して言
った。中出しされちゃった、と俺でない者が見たならば無邪気としか思えない微笑で。そし
て安全日だから赤ちゃんはできないかな、とも言った。至極残念そうに。俺はその言葉に引
っかかるものを感じた。いや、気にならないほうがおかしい。レナは性行為に移る前になん
と言った? そう、赤ちゃんが欲しい、と。俺は当然、今日が一番子どものできやすい日な
のだと信じて疑わなかった。そう考えて諦めた。しかし違った。本人がそう言うのだから本
当なのだろう。様子を見ると嘘だとも思えない。そもそも偽る意味などない。……つまり、
一連のレナの行動は、計画的ではなかったということだ。直情的あるいは突発的に家までや
ってきた。そもそも俺が鍵を落としたのだって偶然だったじゃないか。昨日まではレナも普
通だった。俺が頭を撫でるのに大仰に照れたり怒ったりもしていた。

231:名無しさん@ピンキー
08/02/19 18:37:36 eW9imqhq
>>316
むしろこれが性的虐待でなくてなにが性的虐待か?

232:名無しさん@ピンキー
08/02/19 19:03:46 sbQcqFkI
EP1の時はイジりキャラかと思ったがEP2を見てジェシは空回り→涙目のよく似合うイジられキャラだと確信した
家具2人に完全にナメられまくってて萌えた

233:名無しさん@ピンキー
08/02/19 22:19:37 BPQ9Pd8w
>譲×紗と朱×嘉は同人で読んでお腹一杯です

そんなにあるか?あんまみたことないぞ?

234:名無しさん@ピンキー
08/02/19 22:37:29 egnlHQFM
机の下に圭一スタンバイ
部活メンバーがいすに座る
圭一がスカートに顔突っ込んでクンニ開始
恥じらいと快感を隠す女性部活メンバー
的なssを誰ぞ頼む。

235:名無しさん@ピンキー
08/02/19 23:01:15 x6Yp9XIS
>>322
書き方が悪くてごめん。一度見たから他のを見たいなって感じ

236:名無しさん@ピンキー
08/02/19 23:52:18 YASemqgL
>>318
Epi1から考える
ヒデヨシ×エバ/ローザ→ルドルフ/バトラ→ナツヒ

Epi2から考える
ラムダデルタン→ベルンカステル/バトラ×ベルン/甘クラウス×ナツヒ
ヤギさん×ジェシカ/ローザ×シャノン/きんぞー☆中二病×シャノン

く、蔵臼兄さんのお嫁さんなんて性格悪いに決まってる><
↓ ←を個人的には読みたい
夏妃姉さん…!ヽ(*´∀`*)ノ[茶葉]

237:名無しさん@ピンキー
08/02/20 00:07:46 QeXKGPmc
忘れてた、
絵羽×夏妃/楼座×夏妃/楼座×ヤギさん(SM)/ベアト×戦人/俊朗×夏妃
非エロになるだろうけど、嘉音×真里亞/真里亞×戦人もいいね

238:名無しさん@ピンキー
08/02/20 17:14:49 Gis0iJbo
>>325-326
スゲーwww>>318で満足してたのが恥ずかしいぜwwwww

239:名無しさん@ピンキー
08/02/20 22:22:21 +EjpSsjw
>>319ヤンデレの続きが着たのかと
思ったよ

240:名無しさん@ピンキー
08/02/20 23:08:49 YyYfp4c5
戦人×嘉音SS希望。
ジェシカにとっては寝取られを

241:名無しさん@ピンキー
08/02/21 00:23:23 mGUJ29K+
発表会の続き見たさに
五分毎くらいに保管庫確認してる俺きめぇ

242:名無しさん@ピンキー
08/02/21 00:45:34 waU1AcyN
>>325-326
我ながら趣味丸出しで噴いた。霧江さん涙目ww


243:名無しさん@ピンキー
08/02/21 00:51:05 7DR+rYZQ
>>330
まあ落ち着くんだ
発表会の続きの予想でもしようじゃないか
まず誰が最初に我慢出来ずにしゃぶりつくと思うかね?

244:名無しさん@ピンキー
08/02/21 00:59:15 pf/jCnv9
俺だって秘密(悟史×双子)の続き見たくて
投下された日以来ずっとこのスレに居着いてるんだぞ

…誰も続き書くなんて言ってないんだけどさ

245:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:15:36 uhjRIFNs
>>332まずレナ。んで魅音がしょうがないなーって感じで。
そのあと梨花ちゃんが沙都子唆して一緒にって展開に1000ペリカ

246:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:15:43 mGUJ29K+
>>332
しゃぶりつくとしたら
本命・羽入 対抗・レナ
あと意外と梨花かな
嫌がってるのに無理やりってのが好きなんで
反応が好みなのは魅音と沙都子だが

247:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:18:36 al7VHTyN
>>333
双子の入れ替わりプレイというか真○音プレイは一生の夢
逆の格好させて…なんてハァハァハァハァハァハァ

248:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:53:46 uNRrX9Rm
ヤンデレレナ

「お夕飯作りにきたよ。圭一くん」
 
 花開くような笑顔で、レナは現れた。陽は山の向こうに沈み始めている。その山はレナの真後
ろにあった。逆光で翳る肢体。レナの心の裏を見せ付けられているような気がして、俺は早くド
アを閉めたかった。

「悪いけどさ。間に合ってんだ。最近自炊を覚えた俺は偉いと思うだろ?」
「うん、えらいと思うな。でもね、やっぱりレナの方がお料理上手だと思うんだよ?」
「そりゃあそうだろう。長年の経験がものをいうからな。料理ってやつは」
「本当だ。圭一くんお料理のこと分かってきてるね。何だか複雑だな」
「だろ? そのうちレナに、美味いっつって転げまわるようなやつご馳走してやるぜ」
「本当にっ?」
「ああ。でもそれまでは我慢してくれ。じゃな」
「うん、楽しみにしてるよ。頑張ってね、圭一くん」
 
 ドアを閉める。もう世界は闇に包まれていた。少し切り上げるのが遅かった。なぜだか俺は、
光の残るうちに外との隔絶した空間を作りたかったのだ。玄関で空間をつなぎたくはなかった。
こわごわと息を吐く。レナが扉越しにこちらを見ている気配を感じたがすぐに踵を返したようだ。
佇んでいた時間に不自然さはない。俺は部屋へ戻ろうとした。そのとき。

『きゃっ』
 
 外からそんな声が聞こえた。明らかにレナの声で、俺は咄嗟に振り向いてしまった。

『痛いよぅ』
 
 扉の隙間を通り抜けてくる囁き。四辺が切り取られたような錯覚に陥る。下手に壁を無視する
声よりもよほどたちが悪かった。正体の知れない繭の中に居るレナ。紡ぎだされる糸はこうして
俺の手足を絡めとる。このままいけば、いずれレナの全てが露になるときもくるのかもしれない。
本人はそれを理解しているのだろうか。
 俺はドアノブを回した。

「レナ?」
「はぅ。圭一くん」
 
 ほっとした顔を見せる。しかしその右顔面を真っ赤な血が伝っていた。

「―ッ」
 
 手足が痺れるほどに大きな鼓動が、二度三度脈を走り抜けた。血。赤。もっとも暴力的に瞳を
焼くそいつは、誰もが体内に飼っているものだ。一度あふれ出せば、見るものは怯え身を縮ませ
る。自分の中で、呼応するように粟立つそいつを抑えるため必死なのだ。俺も、無意識にシャツ
を強く握り締めていた。

「どうした、んだよ」
「帰ろうとしたらつまづいちゃって……。落ちてた石で頭を打っちゃった」
 
 傷口に手を添えブーツを履いた両脚はこちらに、蹲った姿勢のまま首だけを動かして俺に笑い
かけるレナ。すぐ横に血のついた拳大の石が転がっていた。じわじわ垂れていた血は土の覆った
箇所に到達しようとしたところで乾ききってしまったようだ。ちょうど時間が止まったようにも感じた。

「手当て、するからさ。入れよ」
「うんっ、ありがとう」
 
 嬉しそうに立ち上がったレナの白いスカート、まばらに血痕の灯った裾のばさりと翻った向こ
うに踵がすっぽり収まるくらいの凹みが目に入った。


249:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:57:43 uNRrX9Rm
「あいたたた……」
 
 ガーゼを傷口に固定する間、レナは大人しく俺に従っていた。会話がないのも変なので色々と
話しかけていたら、結局レナが夕食を作ることになってしまった。手当てのお礼だと言われれば、
始めこそ渋ったものの断ることはできなかった。レナにとっては譲る必要のない大義名分ができ
たということになる。

「圭一くん優しいね」
「普通だろ。怪我したら誰だって手当ては受けるもんさ」
「そうかな?」
「そうだ。それとも、レナの怪我は普通じゃないっていうのか?」
「……」
 
 傷口を綺麗にするため、何度かガーゼを使って血をふき取っていた。不思議なことに血痕は一
センチほどの間をとって二箇所にあり、吸い込んだ量もそれぞれに違った。転んだときに傷つい
たことを前提に考えるなら、傷口の大小とずれは少し不自然だ。まさか二度転んだわけでもない
だろう。そもそもにして……レナは受身をとることさえしなかったのか? 右前頭部を打つなん
てこと、普通に意識がある状態で倒れてそうそうあることじゃない。

「お夕飯作るね!」
「……」
 
 何の邪気も感じられないことが、ますます俺の疑心を煽る。脳裏に浮かんだのは昼間見たよう
な虚ろな目で歩みを進めるレナ。つまづいて、重心が崩れることを気にもせず頭を打つ。わずか
に滲む血。そこに埋まっていた石を手にとり、自ら……。
 頭を振ってその想像を追い出す。ぱたぱたとキッチンに駆けていくレナの後姿からも視線を切
り、ソファーに腰を下ろした。少しするとレナが鼻歌交じりにあちこち動き回る様子を目で追っ
ていた。カーテンを閉めない窓にそれがはっきりと映る。テレビも脇の新聞も、俺は全く気にし
ていなかった。そのうちまな板を軽快に叩く音が聞こえたかと思うと。

「痛いっ!」
「レナ?」
「はぅ。指切っちゃったよ~。圭一くん、助けて」
 
 半泣きになって血に染められた人差し指を差し出してくる。俺は二度目の手当てをしなければ
ならなくなった。次々に零れる赤い液体に嫌悪感だけが募り、ティッシュを二枚渡す。

「しばらく押さえてろ」
「うん」
 
 泣き笑いの表情は俺に縋っているようにも感じられる。たったそれだけの傷で。
 俺は引き出しから絆創膏を探す。

「やっぱり優しい。怪我をしたからかな?」
「……」


250:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:58:34 uNRrX9Rm
 その考え方は……危険だ。
 人は多かれ少なかれ誰かにかまってもらいたいと思う。悪戯をして怒られたり、怪我をして心
配されたり……。程度の差こそあれ、どちらも自分を気にかけてくれていると確認するために有
効になりうる手段であり、特定の誰かの自分に対する愛情の欠如を原因として表に出てくるもの
だ。それは人の弱さを容易に露呈する。レナの場合も、つまりはそういうことなのだろうか。し
かし……。
 レナの手の中で、そうそうと血染めのティッシュが出来上がっていくのを見る。
 ……痛みを凌駕する感情はどれだけあるものだろうか。相手の気持ちを確かめたいとする欲求、
それはとりもなおさず相手を試すことであるが、その行為に対して痛む良心を押さえつけること
はさほど難しいことでもない。むしろ押さえつける必要もないくらいだ。自分の欲求がはるかに
勝るだろうから。翻って、痛み……。……正直想像もつかない。
 さっきからずっと、絆創膏を持つ背中に突き刺さる視線。
 俺はレナを正さなければならないのだろう。そのために何か言葉をかける必要がある。沈黙は
肯定の意に他ならない。早く、早く。そう思っても、全ての動作は無言で行われた。『違う、怪
我をすれば誰でも心配する』そんな普通のことを言えばいいだけなのに。それがなぜなのか、一
挙手一投足に遅れる思考の中で、俺は理解していた。このやり取りに儀式めいたものを感じたか
らだ。きっとレナは、頭を手当てしたときの会話を心に留めている。そしてそれが本人の納得し
た形で終わっていないことも。

「レナもたまに失敗しちゃうんだよ。えへへ」
 
 否定をすればおそらく、『そうだよね、普通だよね』という答えが返ってくる。そうすること
で一度目のやり取りに上書きをする。ミスで、自分の意志ではない過失で指を切ったときと同じ
ように、頭の怪我もなんら不自然なことはない。俺の指摘したことは間違っている、と遠まわし
に言うつもりなのだ。しかしレナの言葉にかかわらず、俺は指の切り傷を故意だとする認識を拭
い去ることができない。結局、肯定も否定もしようがなかった。ゆえに、沈黙。しかしここまで
考えて、黙する即肯定、ということにはならないことに気づいた。いうなればレナにとっては、
俺から何の言葉もないことが一番のプレッシャーなのではないだろうか。肯定も否定もおそらく
レナの悪いようにはならない。
 絆創膏を渡すとき、俺はまっすぐにレナを見た。
 レナは無言で受け取ってから。

「ありがとう」
 
 そう返した。血が止まったのを確認して再びキッチンへと戻っていく。

「指……料理しづらいんなら、無理しなくていいぞ」
「ううん、大丈夫だよ……」
 
 肩にのしかかるようだった空気をふっ、と下ろす。怪我にかこつけて帰りを促すこともできた。
さすがにその通りにはならなかったがこれで、今まで迫ってくるだけだったレナを押し留め、一
定の距離をとれるようになった。俺はレナの思い通りにはならない。小さな達成感をもって、調
理を再開したレナに頭の中で語りかけた。しかしその自信は一瞬で粉々になる。


251:名無しさん@ピンキー
08/02/21 02:04:27 uNRrX9Rm
『トゥルルルル―』
 
 空気が、変わった。
 苦しい。体の全てが締め付けられていくように、四方八方から強い圧力がかかっている。空気
の質は昨日の夜と同じだ。より禍々しく感じるのは、レナが包丁を手にしたまま動きを止めてい
るからだろうか。どこまでも鋭い視線を廊下に向けている。昨日感じたことだ。光をもたない瞳
なのに、暗闇の中で体の何よりもその存在感を放つ。昼間のレナを思い出した。深い深い絶望は
ただレナ自身のみに向けられていた。だから、絶望と呼べたのかもしれない。今は、その逆だ。
全て外に向かっている。もっと限定するなら鳴り響くコール音に。

「圭一くん、お風呂入ってきたらどうかな?」
「なっ……?」
 
 声だけが俺を捉えている。そのときの俺は電話に出ようなどとは欠片も考えなかった。
 お風呂……? 確かにもうそんな時間だがなぜ今それを言うのか。そう思ってまごついている
と、深海に沈む水より暗いと思わせるレナの黒目が、ゆっくりとじわりと、こちらに……―ッ。
足から頭まで全てが震える。まるで自分の体でないかのように。吐き出した息はなぜか血の匂い
がした。まだ鳴り止まない電話のけたたましさがやけに遠い。胸の奥でとぐろを巻くように反響
している。レナの中に広がる闇を垣間見た気がした。

「お風呂」
「わ、わかった」
 
 気がつけば俺から視線が外れていた。風呂場へ向かおうとしたとき電話も静かになった。ほっ
とすると同時、怒りもわいた。電話機を睨みつつ横を通り過ぎる。しかし風呂場の扉に手をかけ
た瞬間、再びそれは空気を凍りつかせた。三コールほど鳴ってから、レナが角から姿を現す。手
には包丁が握られている。
 廊下はリビングより暗い。一番奥まで行けば、電気をつけないと足元もはっきりしないほどだ。
一方たった今まで俺がいた場所は明るすぎるほど明るい。だから、だろうか。レナの異様さがよ
り際立つ。確信する。やはりおかしい。もしかしたら、と考えたこともあった。異常なのは俺の
ほうでレナはいつも通りなのではないかと。だが違う。狂気がひしひしと皮膚に感じられる。


252:名無しさん@ピンキー
08/02/21 02:05:42 uNRrX9Rm
レナの視点は電話機のみに定まっている。その間に俺は、風呂場に身を入れた。レナは受話器
をとったようだ。何かをぼそぼそと言い始める。一体誰なのだろうか。低い声が廊下を這うその
様子から、もしかしたらレナの知っている相手ではないのかもしれない。おふくろや魅音たちで
あったなら普段のように振舞うだろう。……そう思いたい。ふと、静かになった。聞こえやすい
ようにと作った隙間から、今度は足音が響いてくる。レナだ。電話機があるところからそのまま
俺の方に向かってきている。そのとき、頭に鈍い閃光が走った。包丁は? 持ったまま近づいて
くるのか? どうして。
 俺は完全に扉を閉めた。背でおさえるようにして立ち尽くす。混乱してどうするべきなのかも
分からずにいたが、防衛本能だけは確実に働いている。己の身のために研ぎ澄まされた感覚が、
壁一枚隔てたレナの姿を、影まではっきりと浮かび上がらせる。

『圭一くん』
「な、なんだ?」
『電話、間違いだったんだけど一応知らせておくね』
「間違い?」
『うん。誰か、知らない女の人』
「そ、そうか」
 
 風呂場と廊下との間には小さくない段差がある。勿論俺の居るほうが高くて、レナは低い位置
から話しかけているのだがそう感じさせない。肩口から発せられる声は妙な威圧感を持っており、
扉を押さえる手がかすかに震え始めた。

『やっぱり、お湯張ったほうがいいかな?』
「いや、いいよ。シャワー、浴びるから……」
『そう。シャワーだとすぐ上がっちゃうかな。それまでにお夕飯できたらいいけど』
「ならなるべくゆっくり入るよ。出来上がる頃に上がる」
 
 もともと長く居るつもりだった。何も考えなくて済むから。

『うん、そうして。でないとレナ、困るから』
 
 曖昧な言い方だった。だから俺も漠然とその意味を考えた。
 ―包丁が、置けないから。俺がその思考に至ったのを理解したかのように、足音がさっと遠ざかっていった。

 
 続く(後二回くらい)


253:名無しさん@ピンキー
08/02/21 02:13:27 uhjRIFNs
ちょっと怖かったww
だがK、漢なら風呂に一緒にはいるべきであろう

254:名無しさん@ピンキー
08/02/21 02:16:33 JuWyD+Ec
ヤンデレ好きの俺にはたまらんな
続き期待してます

255:名無しさん@ピンキー
08/02/21 10:18:51 gQcel7LC
GJ!それにしてもヤンデレナと純愛レナが同じスレ内で見れるとは・・・素晴らしい。

256:名無しさん@ピンキー
08/02/21 11:50:11 7DR+rYZQ
よし、この調子で部活メンバー総ヤンデレ化計画だっ!


…色々想像してみたケド魅音と沙都子は思い付かない(゚∀。)

257:名無しさん@ピンキー
08/02/21 12:06:16 ZNmzj25j
沙都子は簡単じゃないか?
「妹」「村中から疎外されてて主人公に助けられる」ってそれだけでヤンデレ化してもおかしくない要素だ

258:名無しさん@ピンキー
08/02/21 12:35:48 uhjRIFNs
魅音も簡単だろ
きっかけは圭一レナが親密だから嫉妬とかでいい

259:名無しさん@ピンキー
08/02/21 12:52:01 7DR+rYZQ
>>346
あ、なる程 にーにーへの依存度を危ない方向へマックスにする感じだな?
俺が考えても圭一の靴を隠したり玄関にトラップを仕掛けたりして自分から離れさせない可愛いヤンデレ(?)みたいなヤンデレの出来損ないになってたわw 流石プロ住人の目の付け所はスゴいな

>>347
魅音がそこまでレナたちを疑うかぁ?
一番心が安定しててそこまで疑心暗鬼を生みそうな感じがしないんだが…(´・ω・)個人的な認識の違いかな?

260:名無しさん@ピンキー
08/02/21 12:59:10 u+5bzWJ5
>>346
ぶっちゃけ、ヤンデレ化した沙都子はにぃにぃと四六時中体がつながってないとダメできない体に(ry

261:名無しさん@ピンキー
08/02/21 13:01:54 zY5lCrpY
>>347
アニメ組か?

262:名無しさん@ピンキー
08/02/21 14:34:42 rdke5gpv
想像してみた
詩音  悟史にちょっと声かけたクラスの女子を睨みつけたり恫喝、仕舞いには組の若い衆を呼ぶ
梨花  赤坂の奥さんに猫の死体や離婚届を送りつける ベビーシッターをかってでて
     抱いてるうちにだんだん憎悪が・・・
  やっぱり魅音と羽入は考えれられん ちなみにキャラアンチではありません

263:名無しさん@ピンキー
08/02/21 15:24:06 vGwrjTkH
想像つかん、だがそこがいいと思ってる
魅音と羽入最愛の俺

264:名無しさん@ピンキー
08/02/21 16:10:23 7DR+rYZQ
ヤンデレ化したあとの行動なら色々妄想出来るんだけどなぁ…
詩音と比べて内気な魅音はヤンデレになっても攻めまくることが出来ない(;・3・) そこで圭一に料理を作るときは必ず麻薬を忍ばせて料理にチラチラ☆ だんだん圭一は魅音の料理なしには生きていけなくなって…

羽入はもうなんでもアリだよな。
圭一が一人のときの行動を「全部見てた」から一挙手一投足を知っててビビらせたり。エロ本の隠し場所も昨晩のオカズ(性的な意味で)も体のホクロの位置も全部把握済み。 
しまいにゃ気味悪がって家に沢山、厳重に鍵を掛けて部屋に閉じ籠もっても後ろに人の気配を感じて振り向くとニコニコした羽入がいたり。「バケモノ」呼ばわりしたら鬼狩柳桜もって押し掛け来t  
…ひょっとしたら賽殺し編の要領で二人だけの世界にぶっ飛ばしたりも出来たりするかもしれない(((;゚Д゚))

265:名無しさん@ピンキー
08/02/21 16:39:47 PnVgUeH9
>>353
>部屋に閉じ籠もっても後ろに人の気配を感じて振り向くとニコニコした羽入がいたり
羽入怖ええええぇぇwwww
そういや下郎!の時の顔はヤンデレの顔そのものだったよなw 案外ヤンデレ向きかもしれん
でも羽入はその気になればフワラズの勾玉で篭絡も出来るんじゃね? これなら圭一も怖がらないからL5発症せずに楽ちん最短攻略だろ?

266:名無しさん@ピンキー
08/02/21 16:40:35 PnVgUeH9
ageてしまった・・・スマン・・・orz

267:名無しさん@ピンキー
08/02/21 17:32:55 7DR+rYZQ
>>354
ところがどっこい、L5に近づくほど羽入を知覚しやすくなるのを忘れないで欲しい!
羽入を恐れて疑心暗鬼になればなるほど羽入を強く感じる… まさに悪循環\(^o^)/
それにフワラズの勾玉は流石に卑怯すぎるような… お茶にでも混ぜて時間内に羽入が解呪しなければ効果は永遠な訳だしあくまで最後の手段じゃねw

268:名無しさん@ピンキー
08/02/21 17:51:27 Yb6sX16o
ヤンデレと言えばひぐらしの中では詩音のイメージだが、結構、梨花もそれっぽくなりそうな気もするなあ
みおんは精神的にショックでリスカとかしても相手に攻撃できなそうなイメージだ


269:名無しさん@ピンキー
08/02/21 18:33:08 ZNmzj25j
ヤンデレだからといって必ずしも他のヒロインに対して攻撃的ということはないよ。
あすせかの青葉のようなエロ方面特化の依存系キャラにするという手もある。

270:名無しさん@ピンキー
08/02/21 20:02:03 a5BDQE1U
愛してる愛してるヒーッヒッヒヒってヤンデレ?

271:名無しさん@ピンキー
08/02/21 20:34:23 pePXEmaf
>>359
これか
URLリンク(homepage3.nifty.com)

272:名無しさん@ピンキー
08/02/21 20:43:27 al7VHTyN
魅音がヤンデレ化すると攻撃性より元々の依存気味で自信のない性質が溢れ出て
なんとか留めておこう留めておこうと媚び媚び奉仕型になりそうだ

あと夏美はヤンデレ期待新星

273:名無しさん@ピンキー
08/02/21 20:49:37 YeP0H9Lr
鬼曝し編の人か。

274:名無しさん@ピンキー
08/02/21 20:49:54 uNRrX9Rm
>>360
ちょw夏美好きだwww

275:名無しさん@ピンキー
08/02/21 21:02:23 Q6hXXxBJ
夏美は暁との日常を守るために、家族全員を殺したからな
もしかしたらひぐらしの中では、一番ヤンデレに当てはまるかもしれん。恋愛体質的な意味で

漫画二冊だけにとどめておくには惜しい逸材だよ、本当に
祭やひデブでは水橋かおりが声優に付いたことだし、三期でアニメ化したらなかなかウケると思うんだが。

276:名無しさん@ピンキー
08/02/21 21:11:29 al7VHTyN
夏美と暁はまた出番あるそうだぞ。今回は暁にも声優付いて
せっかくなんだし今後も活用して欲しいよな

277:名無しさん@ピンキー
08/02/21 21:21:18 rdke5gpv
保管庫に発表会の続きキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!


278:名無しさん@ピンキー
08/02/21 21:39:28 uhjRIFNs
レナと梨花ちゃんがかぁいいwwwww
でも羽ぁちゃんって何。原作やひデブじゃ羽入ちゃんじゃなかったか

279:名無しさん@ピンキー
08/02/21 21:43:03 al7VHTyN
やべえ梨花wwwww
途中からの( ・3・)がムカつくwwwこれは素晴らしい

280:名無しさん@ピンキー
08/02/21 22:00:34 KMU9zlA1
お触り会腹抱えてワロタwww

281:名無しさん@ピンキー
08/02/21 22:00:52 AdKXGI6v
おお、ヤンデレ続編が来てるではないかw

282:名無しさん@ピンキー
08/02/21 22:04:17 bcWpNW9p
あの職人さんずっと前の前の梨詩の人かな?ああもう今回も最高すぐるww
羽入エロスw梨花カワイソスww
続き楽しみにしてますんね!!

283:名無しさん@ピンキー
08/02/21 22:13:34 7DR+rYZQ
オットセイ奉納演舞wwwwww 腹筋が綿流しされる程わろたwwwwwwwww
もうGJすぎwwwwww

284:ダイヤモンドダスト
08/02/21 22:46:57 OS7ykcM9
流れを読まず
投下
「ダイヤモンドダスト」
圭一×沙都子
携帯からです
エロは無いです

285:ダイヤモンドダスト
08/02/21 22:47:27 OS7ykcM9
 雪が深々と降っているとあの頃を思い出す。
今もまだ、忘れられないあの冬に見たダイヤモンドダストの景色と約束

「ごめんな…沙都子約束守れなくて…」

 俺と沙都子が付き合ったのは、五年前だった。お互い社会人になっていた。
昔から、お互いの事を好きでいたのに一歩踏み込めないでいた。
沙都子は、悟史が帰ってくるまで恋愛しない
強くなった私の姿をにぃにぃに見せるまで安心させるまで、恋愛しませんわ
 俺はそんな沙都子の想いを尊重したかった。
悟史が帰るまで、友達でいた…
 何年過ぎた冬の季節
監督から、嬉しい報告が部活メンバーの元に届いた…
「みなさん…やっと目覚めましたよ!悟史君が…早く病院に来てください」
 みんなが、喜びを爆発させた…
詩音と沙都子は、泣きながら駆け寄った。
俺は「はじめまして」って言った。
「はじめまして…様子を見ると新たな仲間だね…前原君だっけ?よろしく」
握手をして仲間が増えた事に嬉しさが募った。
 一年後の冬沙都子を呼び出した。
想いを伝える為に……

286:ダイヤモンドダスト
08/02/21 22:47:58 OS7ykcM9
 思い起こせば一年の間色々あった。悟史と詩音が結婚したり結婚式の二次会の時だった。
「圭一…僕が寝ている間沙都子を守ってくれてありがとう…この一年間やっと兄妹の時間を過ごせたよ。次は、沙都子が幸せになる番だ。沙都子を幸せにしてあげて…」
「知っていたのか?俺が沙都子を好きだって…」「圭一態度で分かるよ。沙都子も圭一の事好きなはずだよ…苦労ばかりかけていて、恋愛すらしてこなかった…だから沙都子を幸せにしてあげて」「ありがとう…必ず沙都子を幸せにしてやるよ。前原圭一が言うなら絶対だ!」
 誓ったんだ…沙都子を幸せにするって

 思い出しながら、沙都子を待っている。

287:名無しさん@ピンキー
08/02/22 12:15:28 uDlnlK7l
SS書くの初めてかい?ちと読みづらい。


288:名無しさん@ピンキー
08/02/22 12:35:09 Y++vMwfa
病んでレナ怖ええええ
狂った感じがよう出とるのう……
病んでレナと病み詩音の共演のssを誰ぞ頼む

289:名無しさん@ピンキー
08/02/22 12:37:40 95h+RbNu
ヤンデレナと詩音が組んで圭一と悟史の貞操を奪う
凄くわくわくするな

290:名無しさん@ピンキー
08/02/22 14:46:12 TpWSqili
叔母夫婦にいじめられ
村八分にされて
また追い詰められる
悟史テラカワイソス

291:名無しさん@ピンキー
08/02/22 17:02:55 DDy+pJ0B
>>378
ゾー(((;・3・)))(((`ヮ´;)))ーッ

292:名無しさん@ピンキー
08/02/22 19:29:14 40onI6xr
>>380
どうしたひぐらし二大M

293:名無しさん@ピンキー
08/02/22 21:21:01 /JxsIGbk
おさわりが良い意味で頭悪すぎて吹いた

飲み物があったらPC破壊されてたよ馬鹿wwwww

294:名無しさん@ピンキー
08/02/22 21:22:30 pCLdpPMf
「鷹野さん、何で抵抗しないんですか? 俺に押し倒されてるんですよ?」
「…そうねぇ……くすっ。驚いたけど、たまにはいいんじゃないかしら? くすくす」
「それは鷹野さんのことですか、それとも俺のことを言っているんですか?」
「どちらもよ。可愛い子たちに囲まれていて、持て余すものがあるんでしょう?」
「……」
「私は……ジロウさんとなかなか会えないし……」
「じゃあ、して、いいんですか?」
「ここまでしておいてそれを言うの?」
「違います。もし富竹さんに知られたら……」
「違うわよ。ここまであそこを固くしておいて…っていう意味よ。それに……ジロウさんに知られたら? くすくす。
知られたとして…あなたみたいなお子様が入れる隙間なんて……あるわけないでしょう? くすくすくす」
「―っ!」


っていうのキボン。


295:名無しさん@ピンキー
08/02/22 22:10:34 j3lU2YxE
>>383
さぁ、そのまま続きを

296:名無しさん@ピンキー
08/02/22 22:18:09 40onI6xr
おさわり会がいつの間にか
表主人公と裏主人公の戦いになってるw

微妙に行き当たりばったりなKに吹いたが
ギャグから一転して鬼畜全開で凄いよ最高。

297:名無しさん@ピンキー
08/02/22 22:41:39 95h+RbNu
魅音がなんかキモい。セリフが棒読みみたいに取れる

298:名無しさん@ピンキー
08/02/22 22:53:37 XwYPDwjd
止まらない止まらない。 死ぬ! で早くも腹筋が壊れたwwwwww

299:名無しさん@ピンキー
08/02/22 23:14:47 pCLdpPMf
>>384
え…?

「んんっ!」
「―」
「ん……っはぁ…。まさか…本当にするなんてね…くす。胸まで触って。どう? 女の人の胸なんて、触ったの初めてでしょう?」
「……柔らかいですね。ただ、俺はキスのほうが気持ちよかったです」
「…ふぅん?」
「鷹野さんの体で一番エロいのは口だと思ってるんで」
「いつもそんな目で見られていたのかしら?」
「さぁ…どうでしょう。……ところで、監督はいないんですか?」
「……何を言うかと思えば。居ないのを確認して、わざわざこんな夜に診療所を訪ねてきたんでしょう? ……今夜は私一人よ。くすくす」
「誰もいないのに、ナース服なんですか?」
「当たり前じゃない、ここは病院よ?」
「……それもそうですね」
「くす…どうしたの? そんな舐めるように見て。一息に脱がすのはもったいない?」
「……いえ」
「くすくすくす。暗いから、前原くんの目がいやらしく光ってるのが、よく分かるわぁ」
「いやらしいのは鷹野さんのほうでしょう」
「そうかしら? くすくすくす」


300:名無しさん@ピンキー
08/02/23 00:14:35 iypxs72p
>>383
wktk

301:名無しさん@ピンキー
08/02/23 00:48:05 Vdc0iRDc
全然関係ないけどまとめwikiのSSの最後にある数字、今までなんだろうと思ってたんだけど
アクセスカウンタだったんだな、知らなかった 気づいてなかったの多分俺だけ(´・ω・`)

302:名無しさん@ピンキー
08/02/23 00:53:53 lEdEEAX2
>>383

「……くす」
「……鷹野さん…? んむ!」
「ぁん……んっ…ふぁ……ちゅ…ぴちゅ……」
「…ぷはっ! ……はっ…鷹野、さん?」
「あらぁ? どぉして逃げるの?」
「い、いえ……」
「ディープキスだと刺激が強かったかしら? ……それでも、誘ってきたのはあなたでしょう?」
「誘ったというより俺は鷹野さんを押し倒して……」
「くすくすくす、泣きそうな顔して押し倒されてもねぇ」
「っ!?」
「ねぇ、前原くん?」
「は……ふぶっ!?」
「こういうのもいいかもしれないわねぇ」
「ちょっ、た、鷹野さんっ、胸っ……」
「気持ちよくない? 真っ赤な顔して、かわいいわぁ、ふふっ」
「く、苦しいですよ……」
「弟みたいねぇ」
「……話、聞いてください……」
「ねぇ前原くん? お姉さんが、色々と、教えてあげましょうか?」


圭一が受けになってしまった。
つかごめん。これ以上は無理。

>>390
お前のレス見て初めて気づいた。

303:名無しさん@ピンキー
08/02/23 01:14:09 jIMw1ZN9
>>391
GJ

304:名無しさん@ピンキー
08/02/23 01:19:18 wasoDiMz
>>391
GJ
十分頑張った。

305:名無しさん@ピンキー
08/02/23 07:10:47 FNY6G5XG
>>391
惜しいな~
立派なSSの可能性を秘めてるんだぜ!
それだけで勃ったぜ
なにはともあれGJ!!

306:名無しさん@ピンキー
08/02/23 08:33:23 QEtI+XAA
>>383,388,391
台詞を借りて地の文だけ書いてみた。どうにもムラムラしてしまってw
文章書き慣れてない上推敲も校正もしてない。
勝手にスマン>>391

圭鷹圭で勝手にコラボ逝きます。3レスくらい。

307:名無しさん@ピンキー
08/02/23 08:34:06 QEtI+XAA
深夜、非常口と玄関先のライトだけが暗闇を侵して佇む入江診療所。
人気のない上部区画の一室。病院特有である薬品臭の漂う診察室。
寄せられたカーテンが、細く開けられた窓からさらりと吹き込んだ風に揺らされる。
診察台に覆いかぶさるように身を伏せた少年が、震えの滲んだ声で呟いた。

「鷹野さん、何で抵抗しないんですか? 俺に押し倒されてるんですよ?」
「…そうねぇ……くすっ。驚いたけど、たまにはいいんじゃないかしら? くすくす」

少年の下から、妙齢の女性の声が応えた。大人の色気と余裕が感じられる声。
実際、その女性―鷹野三四―は妖しく微笑んだまま、少年の表情を楽しげに観察している。
少年―前原圭一―は余裕を崩さない鷹野に怖気づかないよう、ゆっくりと問いかける。

「それは鷹野さんのことですか、それとも俺のことを言っているんですか?」
「どちらもよ。可愛い子たちに囲まれていて、持て余すものがあるんでしょう?」
「……」

圭一の眉間に少し皺が寄る。苛立ちとは別種の感情が、彼の脳裏を走った。
―違う、違う。そうじゃない。俺は、鷹野さんだから…
さらさらの髪が綺麗だと思った。妖艶な声に背筋が震えた。妖しく微笑む唇に、どうしようもない官能を感じた。
しかし、圭一の真意が口に出される事はなかった。
次の瞬間、彼の思考を塗りつぶすような激情に全てを支配されて。

「私は……ジロウさんとなかなか会えないし……」

富竹ジロウ。鷹野の恋人だ。
圭一とも面識があり、大らかで人当たりのいい典型的な「良い人」だ。
この行為は富竹に対する裏切りだと、圭一は十分理解している。
しかし、どうにもならなかった。
鷹野への思いを封印し、思い出にするには、圭一はあまりに若すぎたのだ。

「じゃあ、して、いいんですか?」
「ここまでしておいてそれを言うの?」
「違います。もし富竹さんに知られたら……」

―このまま鷹野さんをを奪い去りたい。寝取りなんて褒められたもんじゃないけど、それでも…
最早自分の思いを叶えるにはこの方法しかない。彼はそう決意してここへ来た。
しかし鷹野は冷然と答える。余裕に満ちた侮蔑交じりの笑みで、圭一をあしらうかの様に。

「違うわよ。ここまであそこを固くしておいて…っていう意味よ。それに……ジロウさんに知られたら? くすくす。
知られたとして…あなたみたいなお子様が入れる隙間なんて……あるわけないでしょう? くすくすくす」

「―っ!」

次の瞬間、目の前でフラッシュを焚かれたように頭の中が真っ白になった。


308:名無しさん@ピンキー
08/02/23 08:34:58 QEtI+XAA
「んんっ!」
「―」

勢いに任せ、焦がれた人の唇を乱暴に奪う。
―柔らかい。温かい。気持ちいい。キスって、こんなに気持ちいいのかよ?
食らいつくように、吸い付くように啄ばむだけのキスを繰り返す。
驚きと快感にはやる気に急かされ、手荒く胸元をまさぐった。
ナース服の合わせに手を突っ込み揉みしだくと、ブラウスとブラジャー越しでも柔らかな弾力が圭一の指で形を変えていく。
ボタンを引きちぎりそうになるのを必死で押さえ、もどかしい思いで外し、直に触れると人肌の温もりが掌に広がった。
滑らかな肌に掌を這わせ、指先に触れる突起を乳房にくっと押し込んで、それからそれから…。
いつしか鷹野のニーストッキングを穿いた肉感的な脚に、股間の膨らみを押し付けてしまっていた圭一だが、
鷹野の甘く扇情的なため息を聞いて、一瞬我に返った。

「ん……っはぁ…。まさか…本当にするなんてね…くす。胸まで触って。どう? 女の人の胸なんて、触ったの初めてでしょう?」
「……柔らかいですね。ただ、俺はキスのほうが気持ちよかったです」
「…ふぅん?」

―落ち着け、圭一。クールになれ。焦りでペースを奪われるな…!
本当ならすぐにでもその唇に、乳房にむしゃぶりつきたいのを堪える。
自分の性知識では鷹野を篭絡できないと自覚した圭一は、自身の最大の武器である口先で対抗しようと考えたのだ。
脳裏に並べられる言葉の羅列を、出来るだけ余裕のある言葉に直してゆっくりと吐き出す。

「鷹野さんの体で一番エロいのは口だと思ってるんで」
「いつもそんな目で見られていたのかしら?」
「さぁ…どうでしょう。……ところで、監督はいないんですか?」
「……何を言うかと思えば。居ないのを確認して、わざわざこんな夜に診療所を訪ねてきたんでしょう? ……今夜は私一人よ。くすくす」
「誰もいないのに、ナース服なんですか?」
「当たり前じゃない、ここは病院よ?」
「……それもそうですね」
「くす…どうしたの? そんな舐めるように見て。一息に脱がすのはもったいない?」
「……いえ」
「くすくすくす。暗いから、前原くんの目がいやらしく光ってるのが、よく分かるわぁ」
「いやらしいのは鷹野さんのほうでしょう」
「そうかしら? くすくすくす」


309:名無しさん@ピンキー
08/02/23 08:45:52 QEtI+XAA
「……くす」

圭一の影になって月明かりは届かないというのに、鷹野の瞳が妖しく光った。

「……鷹野さん…? んむ!」

圭一がそれに気付いた時には、すでに遅かった。
鷹野の腕が圭一の首に絡みつき、少し頭を上げて圭一の唇を塞ぐ。
驚きで軽く開かれた唇と鷹野のそれとはぴったりと隙間なく重なり、そのまま圭一の口腔内にぬろりとした舌が滑り込む。
鷹野の舌が圭一の歯列をなぞり、上あごを舐め上げ、舌を絡ませる。
あふれ出した唾液がくちゅくちゅといやらしく圭一の頭の中に響いた。

「ぁん……んっ…ふぁ……ちゅ…ぴちゅ……」

とろりと唇の端から溢れた二人分の唾液が鷹野の頬を伝っていく。
完全に思考が飛んでしまった圭一は、ただ翻弄されるがまま。
肉と粘液が擦れ合ういやらしさと官能が否応なしに下半身に血液を集束させていた。
―いや、ちょ、コレ…コレはヤバい!気持ちよすぎる!ああ畜生クールになれぇ!!

「…ぷはっ! ……はっ…鷹野、さん?」
「あらぁ? どぉして逃げるの?」
「い、いえ……」

してやられた。正にシテ犯られた。
鷹野の策に嵌った時点で主導権も余裕もあったものではない。
圭一が必死に繕ってきた仮面は今やボロボロと剥がれ落ち、欠片が僅かにくっ付いているといった程度。
鷹野は下になっているにも関わらず、唇の端をくっと持ち上げて妖艶に微笑んだ。

「ディープキスだと刺激が強かったかしら? ……それでも、誘ってきたのはあなたでしょう?」
「誘ったというより俺は鷹野さんを押し倒して……」

―犯してしまおうと思っていたのに…

「くすくすくす、泣きそうな顔して押し倒されてもねぇ」
「っ!?」

―俺、そんな顔してたのか!?
もう圭一の表情に激情は微塵も見られず、ただ思わぬヘマに驚き悔やむ少年の顔になっている。
羞恥と困惑と焦りが入り混じり、紅潮した頬が小さな子供を連想させてしまう有様だ。


310:名無しさん@ピンキー
08/02/23 08:46:44 QEtI+XAA
「ねぇ、前原くん?」
「は……ふぶっ!?」
「こういうのもいいかもしれないわねぇ」

鷹野が圭一の頭を抱えて、豊満な胸に押し付けていた。
頬にも鼻にも瞼にも、ナース服の布地と胸の柔らかさに包まれる。
楽しげな声の半分は鷹野自身への独り言でもあった。

「ちょっ、た、鷹野さんっ、胸っ……」
「気持ちよくない? 真っ赤な顔して、かわいいわぁ、ふふっ」
「く、苦しいですよ……」
「弟みたいねぇ」

胸に埋まったままの圭一の顔面を、悔しさと苦々しさと寂しさと悲しさと、最後にほんの一瞬だけ、諦めの表情が駆け抜けた。

「……話、聞いてください……」

そもそも圭一は鷹野を犯そうと診療所まで来たのだ。
こんな雰囲気では暴力的な衝動など起こるはずもなく、鷹野にいなされた結果だがせめて想いだけでも伝えておきたい。
ぐっと目を瞑り、身体を起こして鷹野へ真剣な目を向ける。
そんな圭一の視線を、鷹野は微笑んで受け止め―そのまま流した。

「ねぇ前原くん? お姉さんが、色々と、教えてあげましょうか?」

少し悪戯っぽさの混じる微笑を向けられた圭一は、完全に見とれていた自分自身の未熟さを思い知った。
―くそ、絶対、絶対エロカッコいい大人になってやる…!



おわり

311:名無しさん@ピンキー
08/02/23 08:51:09 QEtI+XAA
改行規制テラキビシス
ROM専だったがついカッとなってやった反省は(ry

改めて>>391ありがとう
少しでも楽しんでもらえたら幸いだ

312:名無しさん@ピンキー
08/02/23 09:36:58 Tqq603zi
鷹野エロいぜ!
巨乳、ミニスカナース、ニースト、垂れ目、人殺し、多彩だぜ!

313:名無しさん@ピンキー
08/02/23 12:22:12 7HmK3AjR
GJ
鷹野物を久々に吸収させていただきました。

314:名無しさん@ピンキー
08/02/23 12:23:45 lEdEEAX2
>>391でつ。
>>400
まさか本当に使ってくれる人が…。
GJ!&こっちこそサンクスだぜ!
それと最後の圭一に吹いたw

315:Miwotsukushi
08/02/23 13:01:08 MBYhYfEY
土曜のお昼にこんにちは。

注意事項

・次回の投稿が大量になるのを防ぐため、つなぎのみ投稿。よってエロなし。

・この作品を知らない人は、このスレッドの初めにあります。


316:Miwotsukushi
08/02/23 13:02:37 MBYhYfEY
圭一が学校をサボるのは初めてだった気がする。
事前に東京に戻るとかなんとか言ってた時とは違い、前置きなしに欠席したのは記憶にない。
鷹野の一件―ひとつの件(くだり)か……。幾度もコンテニューしてひとつと言えるのか―で、どうしても私は変化に機敏となっている。
羽入に相談したら『当たり前なのですよ、あう!』とか言いそうなぐらい私は苦労したのだから、順応しただけかもしれない。
これから始まる新しい出来事に一つ一つ不安がっては、もはや永遠の潤いを持っていない肌に皺が寄りそうだ。
だが、さすがに昨日あれだけのドンパチがあったわけで、仲間の輪に不協和音が起こった今、心配するのが『仲間』ってものだ。
「不快だけど……楽しくないわけじゃないわね」
くすっと口から息が漏れる。老練とも表現すべき達観した物事の見方。
辛いモノに弱かったどこぞの神よりも、ある意味でヒトとしての感情を失っている。
「園崎魅音は来ている。竜宮レナにもおかしい所はない。北条沙都子は私とずっと一緒だから論外ね」
真っ先に浮かぶヴィジョンは魅音と一悶着があったことなのだが、弱い彼女が元気はないにしても絶望はしていない。
顔に出にくさで言えばレナが断トツなのだが、圭一と繋がる意味が見えてこない。
私は未だ何故圭一と魅音が喧嘩をしているか知らない。
だが思春期特有の、恋愛だの肉欲だのそんな痴話に決まっている。
不器用の二乗が二人いて、その二人が揉めているのだから面倒極まりないことだった。
ならば発端はどこか。これが一番の問題で一番の推理の壁だ。
私の豊富な経験則から言えば圭一の可能性が一番高い。魅音との関係では特に、喜劇も悲劇も彼の無頓着さが招く場合が多かったからだ。
ここで決断まで至れないのは魅音が教室を飛び出した際『また間違えた』と反省の念があったことだ。
どこかに自覚がある。鷹野の一件で確実に成長している。当たり前だ。今はもう六月ではなく七月なんだから。
成長にほくそ笑むなんて、こんな幼児の躰で味わう感傷じゃないんだが。
じゃあ圭一の可能性を否定し、他の起こりうる事例を想像するならば……?
浮かぶ緑色の髪をした少女。当事者の園崎魅音ではなく、精神異常を起こしやすい園崎詩音であった。
「『アレ』が一枚噛んでるとしたら……、私がどうのこうのする問題じゃないわね」
別に単純な問題だからといって介入しようとは思ってなかったが、確かに詩音まで登場するとこれは厄介なんてレヴェルではない。
園崎姉妹と圭一の三角関係と仮定するならば……、それはそれは血みどろの泥仕合になりそうだ。
「出遅れたみたいね」
魅音はまだしもその妹まで関わっているなら、しばらくは圭一と深い関わりを持たない方が良さそうだ。
まぁ、まだ機会はある。隙が出来ればいつだって奪えるだろう。
「まずは『コレ』の成長ね。さすがに『コレ』じゃあ、誘惑もへったくれもないわ……ふふ」
眼下の矮躯を見て笑い声が漏れる。少なくともあと三、四年は待たないと、彼を堕とすことは出来なさそうである。
それまで、彼女らが圭一を壊さないようにだけ気をつけよう。もうリセットボタンはなくなっているんだから。

Maybe…, I overlooked something fatal for me.
「ふふふ……それはないか、にぱぁ☆」

あらん限りの怪しさで、私は仮の姿の、道化の口癖を吐く。
何度も何十度も何百度も言ってみれば、意外と愛着は湧くもんだ。
私は……、魔女は静かに始まりのベルを待つ。

317:Miwotsukushi
08/02/23 13:03:29 MBYhYfEY
事後。あぁ、なんて今にぴったりの単語だろう。
ベッドの上で目が覚めた時には、まだ圭ちゃんは眠っていた。
まぁ、あれだけ暴れれば、細身の彼じゃあ体力が持たないと思う。
辺りを見渡し、一糸纏わないこの状況を打破する布を探す。
ベッドの下に落っこちていたパジャマを発見し、トイレに向かいながら上を羽織った。
下腹部の違和感。いつもと違って躰が重い……。
「あ……」
用を足そうと座って気が緩んだ瞬間、どろりとしたモノが排出された。
思わず腰を浮かせてそれを確認してしまう。白と透明が半々の、固体と液体が半々のものが付着している。
昨日圭ちゃんと性交をした証拠。私は愛してくれた証拠がここにある。
「……まさか受精なんてしてないわよね」
安全日とは言え、百パーセントしない訳じゃないことは知っていたので、今更不安が頭をよぎる。
これからはコンドームなるものがあった方が良いわけだけど、どちらが用意すれば良いのだろうか……。
女性の尊厳から言えば、圭ちゃんにしてもらいたいわけだが、圭ちゃん自身が乗り気でないのは分かっている。
誘った方のマナーとして、やはり部屋に備えているべきかもしれない。
する事を済ませてトイレを出た私は、朝食を作ろうと冷蔵庫を開けた。
適当に卵やらハムやらを取って、台所に並べる。
時刻は十二時半。訂正しよう。昼食のために私は冷蔵庫を開けたんだ。
油で熱せられたフライパンに、卵の水分が弾かれる。ばちばちと大きな音が耳をつんざく。
「……おはよう。詩音」
乱れた髪をいじくりながら圭ちゃんが台所を覗く。まだまだ睡眠が欲しいのか瞼が重そうだった。
「おはようございます、圭ちゃん。昨日はお疲れ様でした」
フライ返しを掲げてウィンクしてみせる。あー、なんかマンガに影響されやすいお姉みたいじゃないか。
「うっ……、そう言われると恥ずかしいじゃねえかよ」
本当からかい甲斐のある人だ。一番血が通いにくい耳たぶまで真っ赤になっている。
「ふふ。昨日の圭ちゃんはまさに獣でしたからね。あんなこっぱずかしいセリフまで言っちゃってー」
フライ返しを握ったままくるくる回して圭ちゃんを挑発する。
どうも目を合わすことも恥ずかしいらしく、視線が床へと落ちている。
「昨日のこと考えたらまた濡れてきちゃいましたよー、圭ちゃん」
「嘘をつけ」
そこは冷静なのか、と心でツッコミを入れる。
「まぁ嘘ですし」
痴女と思われるのは嫌だったので、私もあっさり認める。
こんな所で圭ちゃんをからかえるとは思わなかったので、自然気持ちが高ぶる。
鼻歌も歌いながら体をキッチンへと戻した。

318:Miwotsukushi
08/02/23 13:03:54 MBYhYfEY
瞬間、目に入る。異臭を放つ真っ黒い異物がフライパンにこびりついていた。
「……」
しばらく静止した私に、圭ちゃんがなにか私へ言葉を投げかける。
だが、何を言ってるかまでは識別できない。依然プスプス焦げ続ける異物を見つめるだけだ。
とりあえず火を消す。青い炎が消えても余熱で異物は未だ焦げるのをやめてくれない。
水をぶちこんでやると白い水蒸気がぼわっと発生し、視界が軽く塞がれる。
また圭ちゃんの声が後ろで起こった気がするが気にしない。
フライ返しで何度か削ってやるとその異物は剥がれた。あぁ忌々しい。さっさと流し台にでも押し込んでおこう。
「詩音、俺あんま腹減ってねぇから……、な?」
……それは慰めと言うより、終止符ってやつだろう……。
このフライパンを振り回したい気分だが、それをぐっと堪えてため息を漏らした。
しばらくは圭ちゃんの中に、料理下手のイメージが定着するのかなぁ……と思いながら。
いや、昨日の夕食で多少評価は高いと思うから……って、あの時は味なんて考えられる状況じゃないか、と勝手に焦っていると部屋のチャイムが鳴った。
園崎の黒い奴らが住むこんなマンションにわざわざ足を運ぶと言えば一人しか居ない。
「詩音、誰だ?」
「黒いのの親分ですよ」
はぁ?、と聞き返す声を流しながら、私は玄関戸の小さな窓を覗いた。
大柄のサングラス髭オヤジが、最近の小学生に見せてやりたいほどの『気を付け』をしている。
とりあえず他の園崎関係の奴じゃないことだけ確認して、私は扉を開けた。
「お迎えに参りました、詩音さん」
開口一番ドスの効いた低い声が唸る。
明日の朝まで離れる、と言った割にはえらい遅く来たもんだなと思う。
空気が読める、と言うかヤクザらしくない、執事のような一面がある。
執事よりも格段にボディガードの名称が似合う彼の顔を見てると、ふと余計なことを気付いた。
あんまり空気読めてるから気付きにくかったが、私を学校行かせるなら当然早朝に来るはずだ。
てめぇ、絶対私が登校しないことを前提に行動してるだろう。
残念なのは、その前提を私が確実に消化してしまっているので、これからも葛西は私の不登校癖を踏まえて関わるのだろう。
絶対いつか見返してやろう、と切りをつけて私は圭ちゃんを呼んだ。
ピンクの寝間着で登場し、葛西を見つけてかすぐに引っ込む。
そりゃぁ、罰ゲームとは違う恥ずかしさがあるから、コントのような一連の流れも至極納得できた。
「妙に可愛らしい格好でしたね」
口元を緩めて葛西が言う。幾らこの葛西と言えども、圭一の一挙一足は面白みを感じるらしい。
「私のチョイスですからね、なかなか似合ってるでしょう」
「ええ」
小さく頷きながら、またサングラスで若干隠されている表情が明るくなる。
事実、もうちょっと男の子向けのモノもあったが、そこは家の主の権限として圭ちゃんに無理をしてもらった。
お陰で一時期の目の保養と、しばらくのからかうネタが出来たので、大成功と言えるだろう。
引っ込んでからなかなか反応がなかったと思うと、自分の服を着込んで圭ちゃんが再登場した。
葛西にちらりと目線を配る。葛西がわざとらしく視線を避ける。圭ちゃんの目が一瞬絶望を映した気がした。
「圭一さんも雛見沢にお戻りになりますよね?」
顔を背けたまま葛西が言う。意外としつこくいたぶるモノだ。
「あ、はい」
力のない声で圭ちゃんが答える。肩が下がり、視線も下方修正されて見るからに面白い。
この反応が一層楽しませているのを気付くのは、一体どれほど先なのだろう。
「行きましょう、圭ちゃん」
自然明るくなった声で私は扉を開ける。
右手で握った圭ちゃんの温かさを感じて、私は小走り気味に駆けだした。


319:Miwotsukushi
08/02/23 13:04:35 MBYhYfEY
数十分車に揺られて、自然の度合いが増すごとに記憶にある道になっていく。
別に幾多の道に分かれている訳ではないが、周りが木で囲われている分、どうしてもすべてが似通った風景となり覚えるのが難しい。
それでありながら記憶にある道とはどういう事だろう。
こんな遠くまで遊びに来たことはないはずだ。
だが既視感のような感覚がある。ふわふわとして少し気持ちが悪い。
「既視感か……」
ならばこれは梨花ちゃんの言う別の世界で体験したことなのだろうか。
どれも同じに見える木々を、俺が『一度見た』と特別にするのはそんな理由なのか。
視線を窓から前方の助手席に座る詩音へと移す。
詩音も俺のような感覚を沙都子の時に感じたようだ。
恐らくは俺のように種明かしはされていない。
いや、たとえされていたとしても、俺でさえ半信半疑なのだから、詩音だったら冗句と片づけるかもしれない。
だが確かに感じる既視感―おかしな表現だとは自分でも思う―で、詩音は何かしら行動を修正している。
本人が語る沙都子の件だけかもしれない。
しかしもし俺を好いているのもその既視感の影響があるなら……。
やはり俺は心から詩音に愛を与えられない。
そんなあやふやで人の気持ちは背負えない。
無駄に頑固だと、冗長に理想論だと分かっているけど、やはり俺は俺に逆らえなかった。
既視感の霧の記憶から、確固な実体を持つ記憶になっていく。
この道を進めば、すぐ通学路に出るはずだ。
時間はさすがに帰宅時間と重なってはいなかった。
教室の掃除を終えて、そこらを駆けながら帰ってもずいぶんお釣りが来る頃合いだ。
魅音と待ち合わせをする水車小屋が見えてきた。
ここを通り過ぎれば後少し……と、車は減速し、葛西さんはハンドルを左に切る。
この道の先には一つしか建物はない。
「園崎家に寄るんですか?」
魅音の家とは言わず、あえて他人事のように言う自分に驚いた。
「私がちょっと……。圭ちゃんも付いてきてもらえますか?」
「ん。お、おう」
魅音と喧嘩別れして丸一日が経っている。本当なら朝仲直りしておきたかったのだが、それが叶わなかったのである意味機会となるかもしれない。
詩音の用が気になる所だが、あまり魅音と関係ないことなのだったら、俺は彼女の部屋に行き解決するのも一つの案か。
どちらにしろ腹はある程度括った方が良いだろう。
詩音の後ろを付いていくと詩音が茂みの中へと入っていく。
玄関とは方向が反対だったのだが、恐らく別の入り口があるのだろう。
青々と色づいた茂みを払いながら、俺は奥へと進んで行く。

320:Miwotsukushi
08/02/23 13:05:07 MBYhYfEY
所々が朽ちている木製の戸を開く。
手入れがされていない茂みがまた現れ、二人は身をかがめて進んでいった。
軽快に進んでいく詩音に対し、圭一は肌が露出している部分を中心に傷を負いながら付いていく。
枝の先やらで引っかかれた皮膚が痛い。
慣れている詩音には造作ないことだったが、圭一は悪戦苦闘を強いられたのだった。
「ストップ、圭ちゃん」
前を歩いていた詩音が止まる。差し込む光の量から出口が近いことを直感した。
目を凝らして誰かが居ないかを確認する。
次いで顔を出して最終確認してから茂みの外へと出た。
何もない縁側の所で靴を脱ぎ、その下へと靴を隠す。
「見つかったら面倒なんで、慎重にお願いしますよ」
圭一へ釘を刺しておいて、詩音は再び歩き出した。
広い園崎家で居るのはお魎、魅音、使用人は今日居ないはずなのでその二人である。
半分は当たりであるし見つかる可能性はごく僅かだが、あの人は勘が恐ろしく鋭いので油断をしないのが当然だろう。
圭一はと言えば場違いにもただ広い家に口を開けて眺めているだけだった。
この先起こる修羅場など想像せず、一応足音だけ気を付けながら付いていく。
「ここです」
旅館のようにひたすら続くふすまのパレードの中、詩音は一つのふすまの前で圭一へと振り返る。表情は落ち着いていていて、むしろ精悍ともとれた。
「詩音です、入ります」
礼儀正しく詩音が正座をしてふすまを開く。圭一は中から死角となる位置から、状況を見守る。
ふすまの先には一式の布団があった。
圭一の言ったことのある魅音の部屋とは比べる必要もないほど広い。
宴会さえも楽に出来るような部屋だった。
その空間に生活をするための物としてあるのはその布団だけ。
中で上体を起こして存在する人物。白髪に覆われているものの、目が彼女を園崎の者であることを証明する。
その側で和服姿の凛とした女性が座っていた。彼女もまた園崎の人物であるのが一目で分かる。
「どうしたんだいアンタ、こんな所に来て」
絹肌の顔の中で、園崎の目、紅に塗られた唇が動く。
圭一は一度この女性を見たことがあった。
思いを馳せる。梨花ちゃんの件で雄弁を振るったあの時。あぁ、もしかしたらその時と同じ部屋かもしれない。
梨花ちゃんが山狗の元から抜け出し沙都子の救出を嘆願した際、あの梨花ちゃん臆することなく説教し、かつ魅音へと日本刀を振るった暴力団側の人。
魅音との会話から、彼女が魅音、詩音の母親であることがあの時分かった。
つまりこの場に園崎の三世代が集結したわけだ。
普段あれほど大きくーー畏怖ともとれるーー見える詩音がいかに小さく見るか。
雰囲気よりも一つ上の、オーラともとれるものが二人にはあった。
「お隣は……、ふふ、雛見沢のヒーローかい」
急に話を振られて、圭一は一歩足を退いた。
表情は微笑そのものなのに、なぜ自分はこれほどびびっているのだろう。
威圧、を初めて感じる圭一。我夢舎羅だった時ではなく、理性が繋がっているとこの人はこんなに怖いのか。

321:Miwotsukushi
08/02/23 13:05:36 MBYhYfEY
「なーにしにきたんね」
一喝。冷めていた空気が一層凍る。
雛見沢で一番の発言権を持ち――否、雛見沢の発言権を掌握している者の声。
口調が『感情』を表し、視線が『対象』を表しているのだろう。
詩音―もちろんその先には圭一も含まれているのだが―に対する感情が隠されることなく伝わってくる。
「話しておきたい人がいるので」
そう言い、詩音は圭一へと顔を向ける。慌てて圭一が姿勢を正して正座した。
「……っと、前原圭一と言います」
辞儀をして、ちらりと視線をお魎へと移す。視線は既にこちらにはなかったが、代わりに茜の目が圭一をえぐっていた。
そして再び圭一は頭を下げる。
「圭ちゃんには私が雛見沢に来た時いつも可愛がってもらっています。過去、北条悟史についての一件がありますので、こちらから来させて頂きました」
過去愛した男と、現在(いま)愛する男の名を詩音は出す。
「勘当されているとは言え私も園崎の者です。母さんの時と似通った道だと思いますが、こう言った『関係』は報告した方が良いかと思いました」
「必要ないね」
声は予想に反し後方からした。
詩音は畳を見続けたまま。圭一は声の主へ振り返る。
青に近いパンツと黄色のシャツ。肩からモデルガンを入れるホールダーを羽織っている。
一蹴するような声は、詩音も含めて一番若く聞こえた。だが詩音には無い雰囲気を彼女は纏っていた。
「お姉、なかなか良いタイミングで来ましたね」
視線は畳へと一点に注がれる。魅音と目を合わせようとは毛頭もないらしい。
「ずっと傍観してたからね。暴走しそうだったから止めさせてもらったよ」
と言う姉。
「気付きませんでしたね、じゃあ庭から入った所からお見通しですか」
と問う妹。
「部屋にいたらそれぐらいは分かるよ、物騒だからね今は」
と答えた姉。
まるで姉妹の会話とは思えない憎悪めいたものがぶつかる。
圭一がすぐに魅音を特定できなかったのは、声色ではなくやはり目だった。
他の雛見沢の住人を見ても分かる。自分が住んでいた都会と、雛見沢とでは一番目が違う。
普段なら気にならないことでも、状況が変調すると途端視線に力がこもる。
当然それらを束ねる彼女らの眼力は、圭一からすればただ恐怖の一言だった。
「姉妹喧嘩なら余所でやってくれるかい。私たちの前でするような話じゃないだろう?」
母親が娘たちを叱る一般的な光景。圭一はそれさえにも身震いをする。
しかし状況だけ考えるなら茜の一言は助け船だった。
私たちの前から消えろ、と言うのだから少なくともこの二人からは離れることが出来る。
精神力が消える前に、少しでも消耗を減らした方が圭一のためになっているに決まっている。
「圭ちゃん、行こう」
声を掛けたのは連れてきた詩音ではなく魅音だった。
詩音は動かない。未だ正座で上体を下ろしたまま硬直している。
反論もなにも詩音から出ないのを見計らい、圭一が腰を上げる。
「じゃあ詩音。またな」
一声掛けてから、既に先を行った魅音の後を追う。ここで初めて自身が汗を吹き出していたのを圭一は知った。

322:Miwotsukushi
08/02/23 13:06:07 MBYhYfEY
「あれが新しい恋人かい?」
二人が去り部屋にはお魎と茜、詩音が在った。表情は崩れ、一家族の何ら変わらない会話である。
「新しい……とはやめてください」
悟史を少しでも否定するのを許さない詩音は言う。
だが『恋人』の箇所は否定しなかった。
「予定……ですけどね」
正座の脚を崩して詩音が続けた。
その表情はコミカルで、金魚を逃した後のような少女の顔だった。
「ふふっ、魅音の奴も入れ込んでるようだし……。前原の坊っちゃんもご苦労なこったね」
「あんのボンズのどこが良いと言うんじゃ」
お魎が唸るも声はどこか軽い。茜のように状況を楽しんでいるだけかもしれない。
「詩音が恋する男だ。そりゃあとんでもない大物に決まってるさ」
表情が笑顔となる。お魎も「くっ」と笑いを吹き出した。
「お願いだから魅音とポン刀で斬り合う真似だけはよしてくれよ? これ以上この刀に血を吸わせたくないからね」
魅音が頭首としての覚悟を見せた場面が茜の頭に浮かぶ。
だが当の場に居なかった詩音は、抗争で母さんが使ったのだろうと誤った方向に考えた。
「保証できませんね、圭ちゃんの為ならそれぐらいはするかもしれません」
豪快に詩音が茜の意見を吹き飛ばした。お魎の笑い声がまた漏れる。
「血じゃろぅか」
ひとつ鼻で笑い、同じく園崎家を勘当された茜を移す。お互いに名に鬼は入っていない。
だが血にはやはり『園崎』が脈々と流れているようだ。
「私と違って、圭一くんはカタギだよ? さすがに母さんも認めてあげんなきゃあね」
「分―かっとるわ、じゃかぁしぃ……。あの小僧を相手にする元気は残っとらんわ」
「圭ちゃんばかりは何をするか分かりませんからね。だけど敵に回さなければからかい甲斐のある人ですよ」
三者三様に圭一の評価を下す三人。
秘密の組織なぞ言う少年漫画よろしくの展開を、迷うことなく信念を貫き通し救った中学生。
他が見えなくなるぐらい人情に熱い男を、園崎は好む傾向があるらしい。
「母親としてはどっちも応援したいけどね。私としては魅音と繋がって欲しいものだよ」
怒り混じりに出て行った少女の名前を出し、茜が呟く。
自分が応援されないことに詩音は肩を竦めて応えた。
「アンタは悟史くんのことがあったけど、あの娘が積極的になったのは圭一くんが初めてだからね。初恋ってのは本当実って欲しいわ」
これ以上自分に挫折をさせたいのか、と異議を唱えたいのを堪えつつ、詩音は生返事で会話を終わらせた。
お姉こと園崎魅音には様々な面でハンデを抱えていることを詩音は自覚していた。
確かに魅音は性別を意識させないような仕方で圭一と接してきたが、友好が恋愛に転するのは本当に小さなきっかけだ。
いつ圭一が魅音を女と意識し始めるかによるが、そこまで達すればあとは一気に魅音へと傾いてしまう。
築き上げたものが違う。なぜなら魅音は詩音よりもはるか前に自身の恋慕に気付き、鈍感な圭一へとアピールしてたのだから。
「それで諦める園崎詩音じゃないんですよ」
シニカルな笑いに確固たる信念が宿る。
笑い話であっても、詩音は冗談を一度もこの場で発していない。
それぐらい圭一が好き。例え姉――、いや妹であっても取られたくは――ない。
「葛西を待たせているので帰りますね。次会う時は、またさっきと同じ人連れてきますよ」
「じゃかぁしぃわ」
最後にお魎が笑い飛ばし、詩音はふすまの外に出た。
ひぐらしの声が少しだけ強くなった気がする。蝉の声も混じるようになってきた。
初夏の陽を浴びながら、今度は堂々と正門へと向かう。圭一が魅音と何をしているのか、考えようとはしなかった。

323:Miwotsukushi
08/02/23 13:07:35 MBYhYfEY
以上です。

とにかく圭一には園崎家が畏怖の存在のままであってほしい。
ツンデレお魎とは仲良くなんないでほしい、と言う戯言でした。

324:名無しさん@ピンキー
08/02/23 13:08:03 33hKv6s6
名前欄にカプ書いて淡々と投下するだけでいいのに

325:名無しさん@ピンキー
08/02/23 14:19:59 MBYhYfEY
>>399
終わらせるのは勿体ない。



「あら帰っちゃうの?」
と、目の前の女性は言った。
俺が数刻前まで犯してしまおうと考えていたジョセイ。今となっては痴情の暴走としか考えようがない。
「出来たら……レナや魅音たちには言わないでくれますか」
こんな情けない姿を、部活のメンバーに知って欲しくはなかった。
自分で済ますことが出来ず、欲望のまま突っ走った雄の顔を見せたくはない。
「ふふ、確かにこんな前原くんを見るのは、あの子たちからしてはショックかもしれないわね」
頭をくしゃくしゃに撫でただけで恥ずかしがる彼女らとは違う。
一応形式上は強引に唇を奪ったとしても、表情はいつもの鷹野さんと何ら変わりない。
悔しいが場数と言うものが違うのだろう。
未だ高鳴っている心臓を抑えることに必死な俺とは、比べ者にならない。
「お願いです、何でもします」
勢いよかった割には最後に頭まで下げるなんて。
情けないのを通り越して、自分自身が憎くなるぐらい自分の所業が馬鹿らしくなった。
鷹野さんが席を立ち影が俺に近づいてくる。無音の診療所内でヒールの音だけが鳴る。

「じゃあ早速聞いてもらいましょうか?」

は? と顔を上げた時、俺の頬は両の手で挟まれていた。
本日二度目。俺の情けない情けない口腔が舌で犯される。
さっきの絡ませるだけのキス―充分俺には刺激的だったが―とは、また異なる接吻だった。
搾り取るかのような鷹野さんのキスに俺は身をよじらせる。
鷹野さんの肩を押して引き離そうとするが、情けない情けない体に力が入らない。
顔の角度を何度も変えて鷹野さんが俺を犯す。俺がしたかった、俺がしようしてしていた行為そのものが己に降りかかっている。
舌を口内から抜いたと思えばまた挿れ、慣れてきたと思えばまた違う刺激が伝わる。
完全に手玉に取られているのに、そう分かっていても鷹野さんの手の上から逃げ出せない。
鷹野さんの左手が首に回った。
手の平は俺の後頭部に当てられ、片手で顔の自由が制限されてしまう。
鷹野さんは不要となった右手を俺の頬から離し、Tシャツへと滑らせた。
え、いや、ちょっと。それはやばいって!
シャツの中へと手を入れた鷹野さんは、俺の脇腹を流すようになぞる。
触れているのか触れていないのかあやふやな感触が俺の横っ腹を通り、体が一段と硬直する。
抵抗しようとしても反論しようとしても、舌一つで俺は塞がれてしまった。

326:名無しさん@ピンキー
08/02/23 14:20:43 MBYhYfEY
舌が離れた。唇も離れる。視界に鷹野さんの瞳が映る。
何故か今までの時間よりも、鷹野さんが『近い』と思ってしまう。
「どういうことですか、これ……」
唇の端から流れた唾液を鷹野さんに指でなぞられながら俺は問う。
鷹野さんはなぞった指をくわえてから俺に答える。
「だから、何でもするんでしょう? くすくす。自分で言ったことも思い出せない?」
体が強い力で引っ張られる。鷹野さんがまた俺を寄せてきたのだ。
再び口内へと侵入されるのを防ぐため、口を一文字にし、目をつぶって防御態勢へと入る。
だが刺激は違う場所へと来た。無防備で、しかも目をつぶっていた為不意に、首筋へと温かい粘膜が貼りつく。
噛み締めていたはずの口が開き、吐息がその口から漏れた。
「アナタみたい子をね、青い果実って言うのよ。私からしては好物なのよね」
官能的な含み笑いの後、再び首筋を俺は舐められる。
執拗に同じ場所を何度も何度も、ゆっくり鷹野さんは舐め上げる。
未だシャツの中にあった右手が再び動き出し、脇を擦り胸へと移動し乳首をなぞる。
親指で何度か転がされて、人差し指と中指でつままれたり、俺の上半身は大変なことになっていた。
「やめてください……やめて……」
犯しに入った男から漏れた台詞はこんな嘆願だった。
希望通りの筈なのに、俺はこの場から逃げようとしている。
「そうね、そろそろ止めてあげないと」
首にかかった吐息を感じ、その吐息が離れたので鷹野さんが俺から離れたと思った。
目を開けると視界には確かにいない。だが全くいないとはどういう事だ。

327:名無しさん@ピンキー
08/02/23 14:21:19 MBYhYfEY
「こっちを楽にさせてあげて、終いにしましょう」
声は俺の下からした。
しゃがんだ鷹野さんは俺のズボンのチャックを下ろして、今にも竿を露わにしようとしている所だった。
よく見たら―そう、よく見てしまった―鷹野さんはいつの間にか、いくつかボタンを外していて胸を少し露出させていた。
反射的に視界を外している内に、俺の息子は外界へと飛び出して冷気を感じていた。
見事なことに息子は性欲を吐き出そうとパンパンになっている。
鷹野さんは俺のモノを取り出した所で立ち上がり、俺の背の方へと回った。
胸から腹の辺りで俺を抱きしめ、自然鷹野さんの膨らみが俺の背へと当たる。

鷹野さんが耳元で囁く。甘い誘い。最高のご褒美。俺は無言で頷いた。

俺のペニスを握る鷹野さん。自分でする時と同じ握り方なのに、かかる圧力の違いからか全く違う刺激となる。
ゆっくりと根本から亀頭へと手を動かす。
冷たく柔らかい指が、俺の竿を擦り上げている。
うなじから耳の後ろへと舌が滑った。初めて受けた感触に、また俺のペニスが硬直する。
普段自分でしている時とは明らかに膨張の度合いが違った。
パンパンと固くなった竿。今にも放出しそうな亀頭。付け根の後ろ側さえ強張っているのが確認できた。
左手で乳首を転がされ、舌で耳の中を犯されて、右手は絶頂へと確実に導いていく。
「まだイかないのね、意外と粘るじゃない」
鷹野さんが右手を俺から離した。俺はその瞬間息を大きく吐き出し、呼吸を整える。
すぐに俺のペニスは鷹野さんに握られてしまったが、今度はさっきと感触が違った。
どろりとしたモノが俺にまとわりついている。鷹野さんの手がどろどろしたモノを俺の竿に塗りつけている。
唾……?
予想が立った瞬間、俺の頭は一瞬スパークした。
亀頭にそのどろどろが多量に塗られ、竿を無視して先端のみを鷹野さんはこすりだす。
手の平で先端の形状に沿ってこね回し、皮との境目、亀頭の裏側を爪で掻く。
今までで最大の刺激、最高の快楽が俺の体中を走った。
そんな俺の反応が面白いのか、鷹野さんはしつこく俺の亀頭の裏を掻きだした。
「うああぁぁっ、つっ……、やめてっ」
堪えようにも刺激が強すぎる。ガマンしていた放出物がこみ上げるのを感じた。
「やめ……っ、う……ぁ……あああっ」
勢いよく俺の鈴口から精液が放出される。二度目三度目の波でかなりの飛距離を記録して飛んでいく。
まだ収まらない。鷹野さんの手の中で、俺のペニスが暴れ回る。
出し切った所で体の力が一気に抜けた。鷹野さんはそんな俺を支えようとせず、俺は両膝をつく。
ズボンに垂れた精液が付いてしまったかもしれない。だが今はそんなことはどうでもいい。
今はただ……、こみ上げる疲労感に身を任せる……だけ……。

328:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:34:14 1NhiRwuB
発表会~おさわり会って
派手に食い散らかすとこまで続くんだろうかwktk

329:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:46:04 OQKuBOrS
そんなことになったら
またしても保管庫が気になって夜も眠れないw

330:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:21:46 Tqq603zi
鷹野の方、みおつくしの方gjです。
心躍らされました。

病み詩音と病みレナのレズプレイを夢想したがなかなか難しいな。
病みを受ける対象がいなきゃ厳しい。

331:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:42:44 OQKuBOrS
お互いに依存しあえばいいじゃないか。

332:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:56:08 /FcdYcY/
よくあるのはどっちかに魅音がヤラレちゃうパターンだけど、
詩音とレナ二人からってのは見たこと無いな

333:名無しさん@ピンキー
08/02/23 23:01:56 hDfTexJn
関係ないけど悟史と沙都子ってあんまりみないな
あんだけ二人ともシスコンでブラコンなのに

334:名無しさん@ピンキー
08/02/23 23:47:36 gnEDySBh
近親ものはちょっとな・・・
Miwotsukushi の人GJ!
こういうエロだけじゃなく長編ものが好きだ

335:名無しさん@ピンキー
08/02/24 00:03:17 vcSG9QXs
そこで詩音による北条兄妹丼ですよ。

>>422
近親ものは痛々しい(だがそれがいい)が、
その二人の場合、痛々しいを通り越して救いようのない激痛という感じがする。

336:名無しさん@ピンキー
08/02/24 00:13:34 VWsrPrbq
>>423
あれだけ鬼畜やらなにやら色々あるんのに
近親程度なにを今更

337:名無しさん@ピンキー
08/02/24 00:28:57 SHr4Vs4H
俺も近親とNTRは拒否反応でる
レイプスカトロはいけるんだけどね

338:名無しさん@ピンキー
08/02/24 01:02:25 rr4qBTRp
我儘だなあ

339:名無しさん@ピンキー
08/02/24 01:04:43 vsO0kxr6
思うのは自由だが、書き込むのはどうなんだろうな。
創作意欲がそがれる神がいたらどうする。

340:名無しさん@ピンキー
08/02/24 01:49:16 sOW7uy1E
純愛やら激甘好きな俺にとっちゃ、鬼畜物とか近親系は刺激が強過ぎるぜ。

だが

そ れ が い い 。



341:名無しさん@ピンキー
08/02/24 01:58:33 0+w+wozS
我儘、か…


「うっ…、なぁおい羽入、このカレー砂糖入れすぎだろ… 甘くて食えたもんじゃないぞ…」
「あぅ? いいじゃないですか。甘い方が美味しいのです」
「いや、でもこれはあまりにも…」
「あぅっ!圭一は我が儘なのです! せーっかく甘くて美味しいカレーなのに文句を言うなんて我が儘すぎるのです!! 僕は我が儘な男の人は嫌いなのです!! ふんっ!」
「…嫌い、かぁ」
「そうなのです、大嫌いなのですよっ!!」
「そうだよなぁ…、俺って我が儘だよなぁ… 昔からそうなんだよ。
我ながら好きな女の子のタイプが優しくて可愛くて料理上手で家事全般出来て胸が大きくて変わった巫女服を愛用しててすぐにあぅあぅする母性的で角の生えたちょっとドジな年下の女の子だなんて気付いたときは…さすがに思わず自分の我が儘さに呆れ返っちまったぜ」
「あぅ… スパイス足してくるのです(///)」

342:名無しさん@ピンキー
08/02/24 02:03:59 0+w+wozS
この後余ったカレーでカレープレイをする二人を誰か書……

    , -‐――‐-、
  / ___      〉
 |/_/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、
  ∨/ / /ル‐、ヽ、 } } l
  | i l // \ , ソ リノノ
  | l l l<( )> <()>レノ  書けるかッ!!!
  | ト八  ┌┐ ノハ   
  リ八 .ゝ、.└┘イルノ
    (_/⌒ヽフ、/⌒ヽ
     | 人ノし'ゝ人ノし'
    人_ノ、  \ノ

343:サブロー
08/02/24 04:06:19 VWsrPrbq
じゃあ書きましたよ
投稿はおろか小説(?)を書くのも初めてなんで色々と大目に見てね
あ、エロはないよ、題名は誰かつけてやってください

「ふう…」
悟史は疲れによるものではない溜息をつきながら畳に座り込んだ。
背中から壁によりかかり読み途中だった本を開く。
「ええと、」
どこまで読んだっけ、と心の中で呟いてペラペラと適当にページを捲ると
「栞は持ってないんですの?」
それまで無言で近づいてきた沙都子が
悟史に寄り添って体重を預けたところでようやく口を開いた。
「うーん、前に持っていたのが見当たらないんだ」
沙都子はその返答に特にコメントはないらしく
「そうなんですの」と表情だけで意思表示をしてみせた。

ぺらり、また新しいページを捲る。
こうしている時が一番落ち着く自分がいることに気付く。
(部活も野球も好きだけどやっぱりこういうのがあってるのかな)
他にも好きなことは沢山ある。
それらの多くが大切な妹や仲間達と過ごせるもので
かつてからは考えられなかった今の幸福がとても、とても嬉しかった。





344:サブロー
08/02/24 04:07:19 VWsrPrbq
ふと気が付いて、隣にいる妹に目をやると眠ってるのか
すうすうと静かな呼吸音と共に体を揺らしている。
「………」
悟史は沙都子の頭に手を乗せて優しげに撫でた。
すると、沙都子はぱちりと目を開けて兄の顔を見上げた。
どうやら眠ってはいなかったようだ。
沙都子は少し微笑むように目を細めると、
こてん、と首を傾けて胸の辺り頭を乗せた。
「にぃにぃ…」
愛おしむように様に兄のことを呼ぶが彼からの返事はない
それでも沙都子には全く気にした様子がない。同様に悟史も解っていた。
この発言に応える必要はないと、ただ慕ってくれるこの妹の頭を撫でれば満足なのだと。

(そろそろ…)
頭を撫でていたことによって一端中止していた読書を再開しようかと考えた時だった。
沙都子はなにか意を決したようで体の位置を悟史の正面に移動した。
「にーにー」
今度はさっきとは明確に違う何かを感じさせる口調でもう一度兄を呼ぶ。
「なんだい、沙都子」
対照的に悟史は少しもいつもと変わらない様子で妹に応える。
お互いにこの世で最も気心の知れた仲であるから、
多少いつもと違う挙動にでてもその意図を思索、推測するなんてことはありえなかった。


345:サブロー
08/02/24 04:08:14 VWsrPrbq
沙都子は一度うつむくような動きを見せた後すぐに顔を上げたが
その時には再び瞼は閉じられていた。
それから、少し顎を出すかのように顔を悟史の方へ近づけていく。
が、10㎝程近づけた頃になにか気付いて、眉を僅かに動かした。
そして片目だけをちらっと開けて悟史の顔のー正確には唇の位置を確認した後、
先程とは比較にならない早さで悟史の唇に自分のそれを押し当てた。
こう、がばっと、覆い被さる要領で

「!?」

それまでなんとなく、いつもの、魅音曰くぽやーんとした状態に拍車がかかった
和みモードだった悟史はこのー彼にとってはだがー突然の妹の行為に驚きを隠せなかった。
というよりなにが起こっているか完全に頭が置いてきぼりでただ硬直していた。

ーーーーちゅぱっ

悟史が無抵抗なのをいいことになるべく長く行為を、キスを続けていた沙都子は
色々な理由で自らが耐えられなくなり唇をようやく離した。
意図せずして鳴った名残の音で我にかえった悟史は
「え、沙と、え?その、ええ?」ーやはり動揺することしか出来なかった。


346:サブロー
08/02/24 04:09:39 VWsrPrbq
あんまり悟史が動揺するものだから
沙都子はかえって冷静になる自分に気付いた。
「ーただの愛情表現ですわ」
しかしそれは冷静というより只の開き直りなことに本人は気付いていないらしい。
故に、頬の上気も瞳の潤みも声の震えも隠すことは出来ていなかった。
「愛情表現って…これはその、そういうことなんだけど…」
悟史が言葉に詰まっていると沙都子は再びがばっと
ただし今度は顔の位置をずらして、抱擁に留まったが
ぎゅうっと兄の体にしがみついた。
「にーにー…駄目ですの?」
なにを、とは訊けなかった。沙都子の体全体から自分を想う気持ちが伝わってくるから。
同時に悟史の頭によく自分たち兄妹が言われる言葉がよぎる。

「本当に仲がいいね、兄妹ってより恋人みたい」

そうか、そうだったのだ。
沙都子はーいつからかは知らないけれどー自分に、僕に、
家族としてじゃない好意を抱いていたのだ。



347:サブロー
08/02/24 04:10:53 VWsrPrbq
「ー駄目、ですの?」
もう一度沙都子が訊く。
確認は出来ないが確信は出来る。
沙都子の瞳は先程よりも潤んで揺れて、頬は真っ赤であることが。
何故ならその声は短い言葉でさえ聞き取りづらいほど震えていて、
密着した胸からは早鐘の様な動悸が伝わってくるから。
「………っ」
悟史はずっとまともな言葉を言えない自分に苛立ちを感じた。
もう事態は把握した。だがそんなに早く答えを出せるはずがない。
かつてこれほど重大な問答があっただろうかーーいや、ない。
一つ言えるのは自分は絶対にこの娘を拒めないということだ。
かつて拒んでしまいそうになったこの妹を、
自分に認められようと己に厳しくしていたこの妹を、
拒むだなんて、それだけは絶対有り得ない。
「にーにー大好きですわ」
未だに悟史の返答を得られないから不安になったのか
沙都子はもうわかりきってるその胸の内の真意を明かす。
今度こそ自分のターンを終えたとばかりにほう、と息を漏らした。

348:サブロー
08/02/24 04:11:59 VWsrPrbq
自分が眠っていた間、その永い時間をずっと待っていてくれた妹を
再び待たすことも悟史には出来ずに、言葉を漏らし始めた。
「僕も沙都子は好きだよ…でも、それは家族としてなんだ」
「…………」
「それに仮に僕が沙都子を、その…女の子として好きになっても…諦めるしかないんだ」
僕達は兄妹だから、とは言わなかった。
悟史は陳腐なことしか、当たり前のことしか言えない自分が情けなくなった。
でもこれが誤魔化しなんて一切ない自分の正直な気持ちなんだ。自分にはこれしか言えない。
「…わかってますのよにーにー」
沙都子はそう言うと体を離して悟史と向き合った。
「…え?」
悟史は沙都子が何を言わんとしてるかが解らずに間の抜けた声を出した。
「私達は兄妹で…それは絶対に変えられないこと。でも…
どうしても気持ちを伝えられずにはいられなかったんですの。
妹としてじゃなくてにーにーに触れたかったんですの。」
沙都子は一呼吸置いて
「それが…今回の、この、これの理由ですわ。
ごめんなさいにーにー。私の軽挙で混乱させてしまって………。
…今回のこれは忘れてくださいまし。」
今度は三呼吸置いて
「さ、さあ!今からもう元通りに兄妹ですわ!
今夜の夕飯はにーにーの好きな鶏の唐揚げですわよ!」
パチっと自分の両頬を叩いて立ち上がり、誰もが空元気だと解る様な声を上げながら
沙都子は振り向いて台所へ向かおうとした。

349:サブロー
08/02/24 04:12:45 VWsrPrbq
だが、悟史はそれを許さず沙都子の腕をつかんで自分のもとへと引っ張った。
「あっ…!」
どさっと音を立てながら悟史の腕の仲にすっぽりと収まった。
この予想できなかった兄の行動に沙都子は体は強張らせる。
「に、にーにー?」
「沙都子…さっきから聞いてればちょっと勝手がすぎるんじゃないか…」
やや低い声での兄の言葉に身を縮こまらせながら
「ご、ごめんさいにぃにぃ…」
泣きたくなってきた。自分でつくったドツボに自分ではまっている。
言訳も出来ない。全て自分が悪いのだから。
しかし悟史の次の言葉は沙都子の予想の裏をいくものだった。
「じゃあ僕の我儘も聞いてくれるかな…?」
「へ…あ、な、なんですの…?」
「僕と付き合って欲しいんだ」

全世界が停止したかのように思われた。
しばらくした後悟史が「むぅ…なんとかい言ってくれないかい?」
と言うまで沙都子はあんぐりと口を開けていた。
身をよじって悟史の顔を見上げる形にして、動揺を隠せないまま沙都子は
「予想外でしたのでなんと言ったらいいか…と、というよりどういうことですの!?」
「あ、いつまでもってことじゃなくて…
僕達にいつかそれぞれそういう人が出来るまでなんだけど…駄目かな?」
沙都子は言葉足らず気味な兄の言いたいことを読みとるのは慣れたもので
すぐに悟史の言わんとしていることを具体化した。
「それは…つまり代理人、というより疑似恋人ということですの?」
「あ、うんそういうことだよ」


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch