牧場物語のエロパロスレ6at EROPARO
牧場物語のエロパロスレ6 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/02/06 19:13:18 KhU2qo+T
前スレ
牧場物語のエロパロスレ5
スレリンク(eroparo板)

過去ログ(離散)
いやマジで牧場物語のエロ画像…
URLリンク(vip.bbspink.com)
牧場物語のエロ画像inエロパロ板
URLリンク(www2.bbspink.com)
牧場物語のエロパロスレ (保管庫内)
URLリンク(red.ribbon.to)
牧場物語のエロパロスレ2 (保管庫内)
URLリンク(red.ribbon.to)
牧場物語のエロパロスレ3 (保管庫内)
URLリンク(red.ribbon.to)

関連リンク
公式ホームページ
URLリンク(www.bokumono.com)
牧物キャラの絵師、まつやまいぐさ氏のHP
URLリンク(www5e.biglobe.ne.jp)
ルーンの絵師、岩崎美奈子氏のHP
URLリンク(homepage2.nifty.com)

3:名無しさん@ピンキー
08/02/06 19:15:55 KhU2qo+T
>>2に追記
牧場物語のエロパロスレ4 (保管庫内)
URLリンク(red.ribbon.to)

ミス失敬。

4:名無しさん@ピンキー
08/02/06 19:26:05 6VvVGoNI
乙です

5:名無しさん@ピンキー
08/02/06 19:35:28 NLgbVAnv
2クリア、1未プレイだった俺。

いま1をやっているんだけど、ニコルの「僕はセシリーと結婚できるかな」という台詞が悲しくて悲しくて、もう。



6:名無しさん@ピンキー
08/02/06 20:02:51 rdZ2J2c7
乙。

>>5
だからこそ、せめてジェイクなぞに渡してはならんのだよ…。
まあ俺は妥協とかじゃなく選んだが

7:名無しさん@ピンキー
08/02/06 20:55:30 D/q+msrj
>>1にZOKKONをプレゼント

ロザリンドと結婚すると2章のマックス兄貴が楽しすぎる件

8:名無しさん@ピンキー
08/02/06 21:03:51 0zrWlYFX
>>1乙
ジェイク氏ね

9:名無しさん@ピンキー
08/02/06 21:19:09 7HVCR4j+
>>1
ジェイクは死ね

10:名無しさん@ピンキー
08/02/06 21:19:22 kJ4TmB/d
>>8
前スレは埋まってますよ

11:名無しさん@ピンキー
08/02/06 21:31:11 DPsnPjSD
>>1
乙!


てか皆そんなにジェイクが嫌いか。自分もあまり好きではないが…

12:名無しさん@ピンキー
08/02/06 21:49:46 6VvVGoNI
ジェイクにセシリーを渡してしまった

俺って一体………

13:名無しさん@ピンキー
08/02/06 23:15:15 EedXqspI
あんっ!あんっ!ジェイクの方が大きいのぉ!

14:名無しさん@ピンキー
08/02/06 23:29:38 sOKkJG2Z
1乙

2部のユエは結構母親らしいこと言ってくれて嬉しいなぁ
カイル×ユエが至高な俺は異端なのだろうか 当て馬とか言うなよ…
というかユエが他の男キャラとくっついてるところが想像できません。

15:名無しさん@ピンキー
08/02/06 23:58:35 UF32uwRw
母親がアルスを自分好みに育て上げてから美味しく頂く

16:名無しさん@ピンキー
08/02/07 00:04:59 lgxtH47Q
このスレのおかげでセシリアファンが苦手になりました。

17:名無しさん@ピンキー
08/02/07 00:13:20 xqynteuy
一番かわいそうなのはニコルだよな
いい女性を見つけただろうか

18:名無しさん@ピンキー
08/02/07 01:31:33 8SH1uzlR
1のゲーム後半の時点で「最近セシリーが一緒に遊んでくれないんだ」って言ってるし
ニコルもなんとなく眼中にないって察していたんじゃないかな。

同じ世代の人がセシリーしか居なかったから、外から嫁もらって来るしかないな・・・。

19:名無しさん@ピンキー
08/02/07 01:50:38 X9kxg/0v
>>1
俺は2やってないけどジェイク死ね

20:名無しさん@ピンキー
08/02/07 07:11:00 UgWnFQWX
いやジェイクは言われてるほど悪い奴では無いと思うんだが。
他の野郎共がやたらいいやつ揃いだから相対的にそう見えるだけで。
仲良くなったらピンチのときに「お前を倒すのは俺だっ!」とか言いながら助けに入りそうなベジータタイプ。

21:名無しさん@ピンキー
08/02/07 07:20:46 COGnJFg2
>>18
他の女性キャラは全員、どこぞの牧場主にとられてそうだしな

22:名無しさん@ピンキー
08/02/07 07:51:24 X9kxg/0v
>>18
ルーンファクトリー3の主人公がニコルになれば問題ないと思うが
どうだろう。

23:名無しさん@ピンキー
08/02/07 08:16:33 TV/hmw8U
>>22
ラムリアかカノンを攻略キャラに置いてくれ








アリアも入れてくれ

24:名無しさん@ピンキー
08/02/07 12:11:04 2toNlA6Q
ジェイク・アタァァァック!

25:名無しさん@ピンキー
08/02/07 12:39:18 Y8Z68aA0
セシリア立ち絵って髪の毛1本染め忘れてるよな
ハg

王道が好きだからもうマナでいいや・・
カノンを孕ませたかった

26:名無しさん@ピンキー
08/02/07 14:14:52 Fj7Pkou+
>>24
サイド3に帰れ

27:名無しさん@ピンキー
08/02/08 04:50:10 KnzPwNUR
>>16
同じく

28:名無しさん@ピンキー
08/02/08 08:07:54 dI0HM+H6
セシリアはジェイクに貰ってもらうからどうでもいい。

29:名無しさん@ピンキー
08/02/08 12:12:32 z+nN1uZd
マナ先生の保険体育の授業はまだですか?

30:名無しさん@ピンキー
08/02/08 15:03:01 WuTH+ERS
体育ならバレットだな。
つまり初潮がきて不安がるアリアにあんなことやそんなことを。

31:名無しさん@ピンキー
08/02/08 15:20:29 enkLgGFP
それなら息子のリーンも入れて逆親子丼に…


けど、7歳で初潮って早くね?

32:暇つぶしの小ネタ
08/02/08 19:51:46 VsVTYN4Y
拝啓 父上様
お元気ですか? 私はとてもピンチです。
幼い頃あなたと会いたい一心で身を粉にし戦いました
その時、私は村の人たちの暖かさにふれ。時にみなの温もりを感じました
その際。私はある約束をしました。
それは、幼い頃の無邪気な約束。誰もが成長と共に忘れてしまうような思いで
なのに、ああ、なのに!
彼女たちは違った! 彼女たちは幼い思い出を忘れずに私に約束を守れと強要するのです!!

「アルスちゃん! 私と結婚してくれるって言ったよね!!」
「アルスさんは私と結婚すると! あんなに積極的に・・・」
「アルスちゃんと結婚するのは」
「ムーとスーなのー!」

父よ、助けて下さい・・・・






新作の投下マダー?

33:名無しさん@ピンキー
08/02/08 21:48:22 RDrIUZiK
>>14
\(・∀・)メ(・∀・)ノ<ナカーマ
書きたいけど全然進んでいなくてキャラがよく分からないと言う状況だ

34:名無しさん@ピンキー
08/02/09 00:07:42 XT7uNSUS
>>32
これはwww

35:名無しさん@ピンキー
08/02/09 02:50:33 zzAp8Fgq
カイルの遺伝子はどっちになっても受け継がれるんだな。
このフラグ一家め!

36: ◆d2QaWdg0VU
08/02/09 06:02:21 XR7G1BsM
唐突に聞くんだがユエに人間関係で相談される依頼でユエの欲しがる
恋人がいることをアピールするためのアイテムって何て名前だったっけ?
覚えてなくて、攻略サイト見てものってねえorz
すまん、誰か教えてくれないか?

37:名無しさん@ピンキー
08/02/09 12:26:05 3bS/gNcB
あ、サンクリってオンラインなら15日まで申し込みいけるんだな。
お金ないからルンファク2で申し込むの諦めてたけど、それならなんとかなりそうだし、ルンファク2の成人向けで申し込んでくるよノシ
きっと周りにルンファク系サークルいないだろうけどな・・・

スレ違いな気もしたけど、同人板の方は個人的になんか書きにくい空気で・・・スマソ

38:名無しさん@ピンキー
08/02/09 12:42:31 93nO4Uij
>>36
ホワイト、パール、リング、1000G
あたりのキーワードしか覚えてないわ・・

39:名無しさん@ピンキー
08/02/09 14:29:25 H2Xf/DyC
何か指輪関連だったような…

>>37
頑張れー

40:名無しさん@ピンキー
08/02/09 20:50:41 MK2jgBme
>>37
同人開拓されてないジャンルで成人本を出す場合
多キャラ本にするのが定石
というわけでドロシーさんも頼むぜ

41:名無しさん@ピンキー
08/02/09 23:05:57 FCmf3WO9
>>36
たしかダイアパーリングじゃなかったか?
ダイアとパールのリング。

42:名無しさん@ピンキー
08/02/09 23:14:57 knzb+8De
あーそれっぽい

43:名無しさん@ピンキー
08/02/09 23:31:16 3bS/gNcB
>>39
がんばゆー

>>40
とりあえずユエは確定してる。嫁だから。
あとはドロシーとロザリンドあたりかなあ・・・あんまり増やすと手が足りなくなるし
いや、主人公×嫁+娘とかも考えたんだけどね?

44:名無しさん@ピンキー
08/02/10 00:25:08 sGY7GGta
ユエにパイズリされたい

45:名無しさん@ピンキー
08/02/10 00:25:15 akbDZZMn
>いや、主人公×嫁+娘とかも考えたんだけどね?

You頑張っちゃいなよ

46: ◆d2QaWdg0VU
08/02/10 02:36:39 haWKaKjC
>>41
ダイヤパーリングか。
どうもありがとう、助かったよ。

今『本当の強さ』の続編とか3本の話を練ってるんだけど
プロットが今一まとまらねえ・・・orz
どっかで聞いたような二番煎じっぽい話にしかならないのはなんでだ・・・
文神達よ俺に構成力の力を・・・!

47:名無しさん@ピンキー
08/02/11 07:51:26 dgJ/qHzU
セシリーみたいに前作とかで子供だったキャラが成長して、男を作ってセクースまでやるようになってるのを見ると、普通より興奮するのはなぜだろう・・・。


48:名無しさん@ピンキー
08/02/11 08:04:30 rQSuOgXa
>>47
きみが光源氏みたいな人だからじゃない?

49:名無しさん@ピンキー
08/02/11 19:24:08 vghWqG1m
そう言うと偉大に思えるがぶっちゃけるとロリコンに限りなく近い何かということだな

50:名無しさん@ピンキー
08/02/11 20:10:38 F3H7+aOH
>>49
カノンを嫁にしたいと思った俺はロリコン?

51:名無しさん@ピンキー
08/02/11 21:00:37 cc031jSg
ロリコンの俺はカイルでアリアを嫁にしようと考えていたが
ゲームの仕様的に無理だったので逆にアリアでカイルを攻略することにした

いくらZOKKONをカイルに投与してもラブ度が上がらない(というか表示されない)のは多分気のせい

52:名無しさん@ピンキー
08/02/11 21:32:26 f7vUGzwc
アリアかわいいけど攻略できないのが・・

アルスにしてカイルと親子二代 夜の銀狐にした

53:名無しさん@ピンキー
08/02/12 17:55:41 7EtwaPAV
これは?携帯だけだけど
URLリンク(courseagain.com)

54:名無しさん@ピンキー
08/02/13 00:40:42 sgRlG17u
無差別に宣伝来てるな。

55:名無しさん@ピンキー
08/02/13 18:24:47 RlOPL91D
アルスとカノンの会話見てるとカノンが逆光源氏っぽい

56:名無しさん@ピンキー
08/02/13 19:36:44 a219p0EF
「女の子とニャンニャンしたいがために作物を育て、
 付随的にルーンを生産してしまう…
 それが巨大な計画の一部とも知らずに」

「な、何を言っている?ロザリンド…」

「Rune Factory(魔素量産化計画)とは言ったものだ…」

「ロザリィィィイインド!!」

「カアァァァァイルッ!!私を倒してみせろ!」



ロザリンドが気に入ったのでSSを書いてみました^^v
これでスレ住人の気持ちもTNKも鎮ま…ってアレ?
俺が書きたかったのってこんなのだっけ?

57:名無しさん@ピンキー
08/02/13 19:41:33 qic5qDfy
じゃあ次はラブラブなのを頼む
レイとマックスも主演させてくれ

58:名無しさん@ピンキー
08/02/13 22:39:21 tAGEF9Fu
レイ、V-MAX発動

あれ?

59:名無しさん@ピンキー
08/02/13 22:46:46 /oFtLSIB
ここ、エロじゃなくても小ネタ程度ならオーケー?

60:名無しさん@ピンキー
08/02/13 23:26:00 cIXEoz9i
保管庫に非エロ系も保存してあるし、非エロでも問題ないんじゃないかな。
投下が最近なくて、ルーン本スレと大差なくなってる気がするし…。
燃料は個人的に大歓迎。

61:名無しさん@ピンキー
08/02/14 00:10:45 NR+e41ua
むしろ本スレがここみたいになっている気が…


携帯からだけど、頑張って何か書いてみる。

62:確かな絆・夢の先にある幸せ ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:47:07 L1yylF//
新作に入る前に、まずはお礼を。
前作の『本当の強さ』にGJをくれた人たちに心から感謝を。
小説を書いたのは初めてだったのでまずい部分もいろいろあり、
正直スルーされるかもしれんと思っていたが、
GJをもらえてマジ嬉しかった。どうもありがとう。

前回の『本当の強さ』ではセシリアとのあまぁぁぁいエロを入れたかったが
話の展開上入れることが出来ず、また巧く書くこともできなくて挫折した。
ので、今回はプロットを練り直して再挑戦してみた。
…が、正直甘さもエロさも中途半端で、微妙なクオリティになってしまった。
構成力と表現力の底の浅さがはっきりでてしまった…
すごいよメロディさんのようなテンポのいいエロが書きたかったが…
今回も、生暖かく読んでもらえると嬉しい。

63:確かな絆・夢の先にある幸せ1 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:48:42 L1yylF//
「ふぅ…さすがにちょっと飲みすぎたかな」

ヴィヴィアージュ公園のベンチに座り、カイルは夜風を浴びていた。
人口の少ないこの町では結婚式は一大イベントである。
特に、世代の関係上ここ数年間は結婚式は行われていなかったこともあり、披露宴は大いに盛り上がりを見せていた。
ターニャは剣舞を舞い、ダグラスは樽を素手で粉砕し、ゴードンは説教をはじめ、ヘリチャコスは大宇宙のごとき胃袋を見せつける。
…余りに盛り上がりすぎて、もはや主役達をほっぽりだしてどんちゃん騒ぎの様相に突入してはいたが。

そんな中、カイルは同世代第一号の幸せを掴んだことで、皆の羨望と祝福を一身に受けてしこたま飲まされていた。
中でも、酒の席でのレイの豹変ぷりはカイルにとって予想外であった。
日ごろは常に控えめなレイであったが、一度酒が入ると人が変わったように陽気になるのである。
そしていつもの笑顔はそのままに、しかし有無を言わさず酒を勧めてくるのであった。
その強引さは、彼がアリシアの弟であることを思わせずにはいられないものだった。
結果、カイルはすっかり酔わされてしまい、一人席を抜け出して酔いを醒ましていた。

「大丈夫ですか? カイルさん」

不意に横手から声がかかる。
カイルが振り向くと、そこにはカイルの妻となった少女、セシリアがいた。

「ふふ、私も抜け出してきちゃいました」

そういって、セシリアはカイルの横に腰掛けた。

「ずいぶんと沢山お酒を飲んでいましたけど、大丈夫ですか?」

心配そうに聞いてくるセシリアに対して、カイルは笑顔で無事を示す。

「うん、ちょっと飲みすぎちゃっただけだから。しばらく休めば大丈夫だよ」
「そうですか。よかったです」

セシリアは安心したようにいうと、カイルに寄り添ってその肩に頭を預けた。
秋の夜風はすでに肌寒くなっていたが、触れ合った部分は暖かかった。

「本当に、夢みたいです…。カイルさんとこうやっていられるなんて…」
「うん…。僕もだよ」

カイルは一度言葉を切ると、感慨深げに続けた。

「今日は本当にいろんな事があったから…。セシリアと結婚することができて、こうしていられるのが夢みたいだ」

改めて思い返してみれば、ここ数日はカイルにとって本当に波乱の日々だった。

…ジェイクとの対決に敗れたこと
…一度はセシリアの為に身を引こうとしたこと
…知らされたセシリアの想い、そしてぶつけられたマナの想い
…自分の弱さ、そして自分の本当の気持ちに気づかされたこと

それらを思えば、セシリアと結婚し、今こうしていることがまるで奇跡のように思える。
そうして、二人はしばし心地よい沈黙の中、満点の星空を見上げていた。


64:確かな絆・夢の先にある幸せ2 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:49:37 L1yylF//
「そういえば、前にもこうやって一緒に星を見た事がありましたよね」

セシリアは上を眺めたまま、カイルに語りかけた。

「あの時、お星様にお願いしたんです。いつか、カイルさんとずっと一緒にいられますようにって」
「僕もだよ。僕もセシリアと一緒にいられるようになりたいって思ってた」

セシリアと星空を眺めたあの日、カイルは星の明かりに照らされるセシリアの横顔を本当に美しいと思った。
今思えば、それまでカイルの中にあった淡い気持ちが恋だと気づいたのはあの瞬間のことだったかもしれない。

「本当ですか? 嬉しいです」

カイルも同じ気持ちだったという事が分かり、セシリアは破顔した。

「それじゃあ、お願いを叶えてくれたお星様にお礼を言わないといけませんね」
「そうだね。一緒にお礼をしよう」

セシリアの提案に、カイルも笑顔で応じる。
二人は目を閉じて手を合わせ、星々に感謝の想いをはせた。

「…それに、町の人たちにも本当に感謝しなきゃ」

祈りが終わると、カイルは言った。

「僕がこの町に来てもう半年以上になるけど、僕は今まで本当にこの町の住民になれたのかずっと不安だったんだ」
「え…?」

カイルの予想外の言葉に、セシリアは不思議そうに聞き返した。

「僕は昔の記憶がないから、自分がどういう人間だったかもわからない。自分の故郷がどこなのかもわからない…」
「もし自分に記憶が戻ったら、その時はこの町を出て行くことになるのかもしれない…。そう思ったら、僕は本当にこの町の住民だって自信を持てなかったんだ…」
「カイルさん…」

カイルはアルヴァーナに来てからの時間こそ短かったが、まるで旧知の仲のように町の人々の中に溶け込んでいた。
自分達の前でもいつも明るく、一生懸命生きていたカイルがそのような不安を抱いていたとは、セシリアは思いもしなかった。

「でも、今日こうやってセシリアと結婚できて…。町のみんなも心から祝福してくれて…。僕は本当に嬉しかった」

カイルは一度言葉を切ると、心配そうなセシリアに微笑みかけた。

「これからセシリアと一緒にこの町で暮らしていくと思うと、僕もやっと本当の意味でこの町の住民になれたと思えたんだ」

もちろん、過去の記憶を知りたいという気持ちは今でも消えてはいない。
だが、今のカイルには守るべきものがある。これからセシリアと共にこの町で紡いでいく新しい生活がある。
失われた自分の過去の穴は、これからの始まる幸せな未来で覆い被せていけばいい。
カイルは、もう過去に縛られるのはやめようと決意したのだ。

「カイルさん、これからは私が家族です…。一緒に暮らしていきましょう…この町の人たちと一緒に…」

セシリアはカイルの腕を取ると、優しく抱きしめた。
カイルはセシリアのその温もりに、安らぎに満たされる。

「そうだね。これからずっとよろしくね、セシリア」
「はいっ! カイルさん」

笑顔のカイルに対して、セシリアも満面の笑みで応える。

65:確かな絆・夢の先にある幸せ3 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:51:45 L1yylF//
しばし微笑みあう二人であったが、ふとそこでセシリアが思いついたように言った。

「あ、でも夫婦になれたのにカイルさんっていうのも変ですよね」
「そう? 今まで通りだし、特におかしいとは思わないけど」
「カイルさん、っていうのは何か他人行儀の気がするんです」

カイルは特に気にしていないようであったが、セシリアは不満のようである。

「それなら、カイルとか? まあ、セシリアの好きなように呼んでくれていいんだけど」
「うーん…。カイルさんは私のだんな様ですから、呼び捨てにするのもちょっと…」

セシリアはしばし考え、少し恥ずかしそうに言った。

「あの…それじゃあ、あなたって呼んでもいいですか?」

頬を染めるセシリアに、カイルも思わず赤くなる。

「あなた、かぁ。ちょっと照れくさいね」
「…ダメ、ですか?」

照れたカイルであったが、カイルとしてもそう呼ばれるのが嫌なわけではなかった。
それに、残念そうなセシリアの顔を見ると、ダメといえるはずもなかった。

「セシリアがそう呼びたいならもちろん構わないよ」
「本当ですか!?」

セシリアは一転して満面の笑顔になり、カイルに抱きついた。
カイルもしっかりと抱きしめる。
そこにある温もりが、改めて二人の絆を感じさせた。

そうしていると、やがて二人を呼ぶ声が聞こえてきた。
主役が抜け出した事に気づいた町の人々が、二人を探しているようだ。

「みんな僕たちを探してるみたいだし、そろそろ戻ろうか」
「はい、あなた♪」

そして、二人はしっかりと手をつないで、喧騒の輪の中へと戻っていったのだった。

66:確かな絆・夢の先にある幸せ4 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:52:39 L1yylF//
やがて、楽しい時間もあっという間に過ぎ去り、披露宴はお開きとなった。
宵も更け、二人はカイルの家へと帰ってきていた。
ここからは夫婦二人水入らずの甘い時間のはじまり。そう、嬉し恥ずかし新婚初夜である。
記憶がないとはいえ、カイルにもその意味することは分かっていた。

…とはいえ、どこまでもウブな二人である。
二人は寝室のベットの側で、緊張にカチンコチンになって向かい合っていた。

「あ、ええと…? しようか…セシリア…?」
「は、はい…あなた…」

カイルは自分がリードしなければと思うものの、そもそもカイル自身(恐らく)未経験者のため、なにをしていいやらわからない。
とりあえず、抱きしめてみればいいのでは…?
そう思い、セシリアの肩に手をまわそうとするが…

「ひゃっ!」
「わわっ! ごめん!」

セシリアの肩にカイルの手が触れた瞬間、セシリアが緊張の余りびくんっと痙攣し、カイルはあわてて手を離す。

「あっ…ご、ごめんなさい」
「僕こそ…っ、ごめんね…?」

二人して謝りあってしまう。
お互い苦笑し、そしてリトライ。
カイルはおずおずとセシリアを抱き寄せると、包み込むように抱きしめた。
腕の中に感じる温もり、至近距離で見詰め合う瞳と瞳。
その愛しさが、カイルの緊張を優しく溶かしていく。

「…ん…っ」

愛しさに導かれるように、気付けばカイルはセシリアに優しく口付けをしていた。
セシリアは一瞬驚いた素振りを見せたが、すぐに眼を閉じて応じる。
ついばむ様な優しいキス。二度目のキスはミルクの甘い味がした。

顔を離し、見つめあう二人。
頬を染め、はにかむセシリアがたまらなく愛しい。
その想いが、カイルを更なる行動へと突き動かす。

「ぅんっ…ン…っ…ちゅ…っ…」

今度は奪うように深く口付けると、セシリアの口内に侵入する。
戸惑いながらもカイルの舌に絡ませるセシリア。
熱くて甘い、とろけるようなキス。
二人の舌がホットチョコレートになってしまったよう。

「んっ…はぁ…っ」

唇を離すと、名残を惜しむように銀の糸が引いた。
胸を焦がす想いが、二人の情欲に火をつける。
カイルは、セシリアの身体をまさぐっていた。
優しく、そこにある存在を確かめるようになでまわす。

67:確かな絆・夢の先にある幸せ5 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:53:26 L1yylF//
「脱がすよ…?」
「はい…」

カイルが言うと、セシリアも目を閉じてうなずいた。
おずおずと、お互いの衣服を取り払っていく。

やがて、二人は一糸まとわぬ姿で向かい合う。

「…ごめんなさい」

不意に、セシリアが謝った。

「…え?」

思わず聞き返すカイルに、セシリアは申し訳なさそうに続ける。

「ごめんなさい…私…小さくて…。アリシアさんくらいあれば、よかったんですけど…」

確かにセシリアの身体は、お世辞にも発育がいいとは言えなかった。
マナと並んで、アルヴァーナ女性陣のなかでは最低ランクに属している。
オトメロンの如き豊満さを誇る彼女の友人とは比べるべくもなかった。

だが、カイルにはそんなことを考える余裕など全くなかった。
目前のセシリアの裸身から目が離せない。

「綺麗だ…」

手を伸ばし、セシリアのつつましげな乳房に触れる。

「あっ…」

戸惑いの声をあげるセシリアだったが、カイルは気にせずまさぐり続ける。

「綺麗だ…本当に可愛いよ…セシリア…」

愛する人が一糸まとわぬ姿でいる、その興奮にカイルは何も考えられなくなる。
愛しさと、触れたいという想いのみがカイルの思考を埋め尽くしていた。

「あ…はぁ…んっ…ぁっ…」

カイルの言葉と愛撫に、セシリアの心も高まっていく。
心地よさに任せ、控えめに甘い声をあげ始めた。

セシリアの甘い鳴き声がカイルの理性を灼いていく。
カイルはセシリアを抱き寄せると、そのままベッドに押し倒した。
セシリアに覆いかぶさり、自身のモノをその花弁に当てる。
セシリアの花弁は既に潤っており、くちゅりと音がして先端が触れた。

「挿れても…いいかな…?」

カイルはセシリアの瞳をじっと見つめ、聞いた。

「はい…」

セシリアもその意味を察し、静かににうなずいた。
カイルは意を決し、少しずつ挿入を始める。

68:確かな絆・夢の先にある幸せ6 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:55:01 L1yylF//
「くっ…」

だが、セシリアの中はとても狭く、なかなか進むことが出来ない。
先端が埋没しただけでもきつく締め付けられる。
力を入れて一気に進めようにも、セシリアの苦しげな声がカイルをためらわせる。
セシリアを出来る限り苦しめないよう、慎重に前進するカイルであったが、やがて壁に突き当たる。
女性にとって、処女の証を散らされることは激しい痛みを伴うということはカイルにもわかっていた。

「あなた…来てください…」

カイルがためらっていると、セシリアから声がかけられた。

「いいの…?」

戸惑いながら聞き返すカイル。
それに対して、セシリアは苦しげな表情を抑えながらも精一杯微笑み、しっかりと答えた。

「来てください…最後まで…。あなたと一つになりたいんです…」

その言葉に、カイルも迷いを断ち切った。

「わかった…。いくよ…」

カイルはうなずくと、一気に処女の証を突き破った。

「あ…! あぁっ…!!」

セシリアの悲鳴と同時に、カイルのモノが根元まで入った。

熱い…!
何よりもまずカイルが感じたのは、熱さだった。
セシリアの胎内の熱に、自分のモノが熔けてしまうように感じる。
自分という存在のすべてが、セシリアに包み込まれているようだ。

そのまま動き出そうとしたカイルであったが、セシリアの表情を見て、動きを止めた。
セシリアはカイルを心配させないよう、必死で声を抑えて痛みに耐えている。
カイルはセシリアの健気さに心を打たれた。

「どうぞ…あなた…。私は大丈夫ですからお好きなように動いてください…」

セシリアはカイルが自分を気遣って動きを止めていることに気付き、先ほどと同じように先を促す。
だが、カイルは首を振った。

「ダメだよ。セシリアはすごく辛そうだ。僕は、セシリアと二人で一緒に気持ちよくなりたい」

自分がこれほど気持ちよいのに対し、セシリアは苦痛を堪えている。その何と不公平なことか。
カイルは少しでもセシリアの苦痛を和らげたかった。
そうして、カイルはセシリアの身体を優しく愛撫しはじめた。
乳房を揉みしだき、その先端にキスをする。

「あっ…! くすぐった…ぁっ…はあぁ…」

その刺激に、再び甘い吐息を漏らすセシリア。
その反応に安心したカイルは、セシリアの唇を奪うと、そのまま全身をついばむ様に口づけていく。

69:確かな絆・夢の先にある幸せ7 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:56:09 L1yylF//
「あぁ…あなた…やさし…い…です…」

セシリアも全身でそれを受け止め、切ない声をあげる。
カイルの優しさが胸を熱くする。
花弁はさらに蜜をあふれさせ、二人の結合部を熱く潤す。
カイルはその蜜をすくい取ると、花弁の上の芽を刺激した。

「やっ! そこはっ…! あぁぁっ!」

身体を突き抜ける強烈な刺激に身を震わせるセシリア。
だがカイルは構わずに愛撫を続ける。
セシリアはそれを受け、声を上げてしどけなく乱れていた。
そして、いつの間にか、カイルは腰を動かしていた。

「あっ! ぅあっ! ああ…っ!」

一突きごとに、先端がセシリアの胎内を刺激し、甘い声が上がる。

「あなた…っ! あなたぁ…っ!」

その声がカイルの脳を熔かし、さらに腰の動きを強めさせる。
もう止まらない…! もう止まれない…!
愛しさが理性を灼き尽くし、情欲の高まるままお互いを求め続ける。

「はあぁ! あなたっ…! わた…し…もう…もぅ…だめ…ダメです…っ!」

セシリアが息も絶え絶えに限界を訴える。
膣内が痙攣するように収縮し、カイルを追い立てる。

「僕も…もう…!」

カイルもとっくに限界に達していた。
ラストスパートとばかり、セシリアの最奥を突き上げた。

「セシリアぁっ!!」
「ぁあっ! あなた…! カイル…っ…さ…んっ…!!」

お互いの名前を叫んだ瞬間、カイルの想いが奔流となって爆発した。

「ああああああぁぁぁあぁぁぁぁっっっ!!!」

胎内にほとばしる熱さに、セシリアも同時に絶頂を迎えた。
背筋を反らせて大きく痙攣させ、叫び声をあげる。
意識が弾けとび、視界が白く染まった。

70:確かな絆・夢の先にある幸せ8 ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 12:57:20 L1yylF//
しばし後、二人は並んでベットに横になっていた。
セシリアはカイルの腕を枕に、甘えるように寄り添っている。
お互いの体温が、先ほどとは違う意味でたまらなく心地よい。

「あなた…。私、本当に…本当に夢みたいです…」

セシリアは眼を閉じたまま、カイルに語りかけた。

「こんなにあなたに愛してもらって…本当に幸せです…」

セシリアはそこで言葉を切ると、カイルの存在を確かめるように擦り寄った。

「でも…幸せすぎてちょっと怖いんです…。眼が覚めたら、これが全部夢だったら…そう思うと…」
「夢なんかじゃないよ」

カイルは不安げなセシリアの言葉をさえぎると、その頭を抱き寄せて、優しく撫でた。

「僕はずっとセシリアの側にいるよ」

セシリアの瞳を真っ直ぐ見つめながら、カイルは言葉を重ねる。

「これからは、僕がずっとセシリアを守っていくから…。だから大丈夫、怖くなんかないよ」
「はい…」

頭に感じる優しい感触が、その言葉が、セシリアの心を安らぎで満たしていった。
そしていつしか、安らかなまどろみが二人を夢へと誘っていく。

「おやすみ、セシリア。愛しているよ…」
「私もです…あなた…」

窓から差し込む月の光が、二人を包み込むように優しく照らし出していた。

(完)

71: ◆d2QaWdg0VU
08/02/14 13:00:32 L1yylF//
以上です。読んでくれた人たちはありがとう。
正直、かなり難産だった。
当初は4日で書き上げるつもりが結果的に一週間かかるとは…

現在、他の話も同時進行しているがプロットがまとまり切れず難航中。
どれだけかかるがわからないが、なんとか完成させたいと思ってる。
スレが少しでも活性化してくれることを祈りつつ…ノシ。

72:名無しさん@ピンキー
08/02/14 13:14:59 uKmvYHMv
ID:L1yylF//
GJこれ読んで最近大きくなってきた邪な気持ちが多少どっかに飛んで逝ったような気がするよ
あとセシリアがアリシアに見える病にかかってるのだが治療法はないのかねぇ

73:名無しさん@ピンキー
08/02/14 13:52:32 NR+e41ua
>>62-71
GJという言葉しか思い浮かばないよ…ありがとう。

74:名無しさん@ピンキー
08/02/14 15:11:29 esDPeUnA
>>71
GJJJJJ!!
オトメロンにワロタw
メロンに例える表現は多々あるが、オトメロンだと名前のせいかしっくりくるなw

75:名無しさん@ピンキー
08/02/14 19:07:46 /ME9pr3o
神キター!

このSSの影響で、2週目の嫁は強奪イベントありのセシリーにしたよ。

76:名無しさん@ピンキー
08/02/14 21:02:48 rYMMZut0
GJ!

「でも…幸せすぎてちょっと怖いんです…。眼が覚めたら、これが全部夢だったら…そう思うと…」

俺も経験した、すごい鬱な気分になった

77:名無しさん@ピンキー
08/02/14 21:23:21 35LHE0Ap
経験したのそっちかwww

78:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:25:43 gbFDipPU
空気読まずにバレンタインネタ投下する





だめ?

79:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:31:19 VeVpzjrB
誘い受けがどうのこうのって荒れるから、気にせず投下しちゃいなYO

80:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:44:34 35LHE0Ap
さあ、日付が変わらぬうちに投下するんだ

81:叔父として
08/02/14 23:53:35 gbFDipPU
「マックスおじちゃ~ん」
屋敷の外から走ってくるアリアを僕は溜め息まじりで見ていた。
「アリア、何度も言うけれどね。僕のことは『お兄さん』と呼ばなきゃダメじゃないか」
目の前で息も切らさずに僕の挨拶を待っている姪に注意する。掃除をしていたメイドのセシリアは開けっ放しだったドアを閉めておもしろそうにこちらをうかがっていた。
「だってわたしにとってはおじちゃ」
「ガッデム!アリア!」
アリアは困った顔をしている、がこれは譲れない。
そう、決して譲ることはできないっ!!
「……マックスお兄さん」
よろしい。
僕はアリアの頭を撫でる、アリアは照れながら笑っていた。
「ところでうちに何かようかい?ラムリアならいないけれど……」
遊びにきたのかと思って聞くと
「今日はマックスおじ……マックスお兄さんに用事があってきたの」
そう言って彼女は小さなかばんの中からこれまた小さな包みを僕に手渡した。
「アリア、これはなんだい?」
そう聞いてから僕は今日が何か思い出す。
「バレンタインだから、大好きなマックスおじちゃんに作ってきたのっ!」
そう言ってアリアは来たときと同じように走って屋敷から去った。照れくさかったのだろうか?
いや、あの子の年だ。本来なら父親に渡す年代だろう、だからこそ一番親しい僕にくれたのだ
「まったく……」
そう呟きながら、消えた義弟のことを考えていた
早く帰って来いよ、それまでは面倒見てあげるから
おじちゃんとして、さ……

82:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:54:49 gbFDipPU
ケータイからだと時間かかるね
というわけでお目汚しスマン
エロはまだまだ書けません、というか初投稿です

83:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:58:47 NR+e41ua
GJだが、メール欄にはsageと打とう。

84:名無しさん@ピンキー
08/02/15 00:00:36 gbFDipPU
下げ忘れてたorz

85:名無しさん@ピンキー
08/02/15 00:21:09 iDm1uRrl
>>81
oh ナイスだ。日付も間に合ってるw
マックスおじちゃんがアリアにいけないことするのかとドキドキしちまったぜ。

86:名無しさん@ピンキー
08/02/15 07:28:28 54ThKjkp
>>81
和むなぁ(*´∀`)
アリアかわいいよアリア

87:名無しさん@ピンキー
08/02/15 12:55:15 hG7gm9fW
>>81
かわいいですなあ

88:名無しさん@ピンキー
08/02/15 22:34:47 RC/X3ZBy
>>81さん、GJ! なんかなごんだわぁ。
俺もバレンタインネタ書きたかったのに、
よりにもよって昨日、家に居れなかった…。
なんで一日遅れだけど、セシリアとカイルバレンタインネタ。
2で春の感謝祭がなくなってたのが寂しい。

89:春の感謝祭inアルヴァーナ
08/02/15 22:36:08 RC/X3ZBy
セレッソの花の咲き乱れる春の、よく晴れた、とある暖かい日。
カイルはセレッソ広場のベンチに座っていた。
先日、セシリアと待ち合わせの約束をしたのだ。
理由は不明だが、時間はとらせないと言っていたし、断る理由もない。
待ち合わせの時間よりも早めに広場を訪れ、彼女を待ち続けていた。
「あ、カイルさん! すみません、お待たせしましたか?」
メイドの仕事の合間らしく、メイド服のままでセシリアはやってきた。
手には小さな包みを持っている。
「いえいえ。…それで、どういったご用件ですか?」
「えっと、その…。…チョコを、受け取ってほしいんです」
少しばかり顔を紅潮させながら、セシリアが手に持った包みをカイルに差し出す。
最初は不思議そうな顔をしていたカイルだったが、笑顔でそれを受け取った。
「ありがとうございます、セシリアさん。…でも、どうしてまた急に?」
「実は…今日は、私の住んでいたカルディアの風習で、その…
す、好きな…男性に、チョコをあげる日なんですよ…。アルヴァーナには、そういう風習がないみたいですけど…」
『好きな』の部分のボリュームが非常に小さく、カイルの耳には届かなかったが、
セシリアからチョコをもらって全く悪い気はしなかった。
「ありがとうございます」
もう一度、笑顔で礼を言うカイル。
一方のセシリアは、先ほどと同様に、顔を紅潮させている。
「…あの、カイルさん?」
「はい?」
「少しだけ、目を閉じててもらえますか?」
「…? 構いませんけれど…」
言われるがままに目を閉じるカイル。
「い、いいって言うまで開けないでくださいね?」
「はぁ…」
…そのまま10秒ほど経過したが、何も起こる気配は無い。
「…あの、セシリアさん?」
そう言った、頬に何か柔らかいものが触れるのを感じた。
驚いて目を開けたが、そこにはさっきよりも更に顔が赤くなっているセシリアしか居ない。
「あ、すみません、まだ何も言われてないのに開けちゃって…」
「いえ、い、い、いいんです! あの、それより…チョコ、味見してみれくれますか?あまり、自信はないんですが…」
やけにあせっているセシリアに対し、怪訝そうな顔をするカイル。
…しかしそれよりも、つい先ほどの感触が何なのかが気になった。
一瞬、唇の感触なのではないか、などという考えが頭を過ぎったが、まさか、とその考えを自分で一蹴した。
包みを開けると、ハート型の小さなかわいらしいチョコレートが、何個か入っていた。
試しにひとつ、口に放り込む。
「…うわ、美味しい…」
「そ、そうですか? 良かったです…」
咲き誇るセレッソの花の下、微笑み合う二人。
相も変わらず、セシリアの顔はセレッソの花よりも色を帯びていたが、その笑顔は、
とてもとても、幸せそうな笑顔だった。

90:名無しさん@ピンキー
08/02/15 22:36:56 RC/X3ZBy
以上。
ああ、なんかこういうネタ書くのがいまだに恥ずかしい…。
早く慣れなくては

91:名無しさん@ピンキー
08/02/15 22:58:19 uGNuHm20
GJ
セシリーかわいいよセシリー

92:名無しさん@ピンキー
08/02/15 23:21:02 wxVzR+En
>>88-89さんGJ
セシリーと見るとどっかの宇宙海賊思い出す俺涙目
セシリアって人気あるんだな
おらの大好きなターニャさんが俺の脳内以外で輝ける日はくるのだろうか・・・

93:過去462 ◆MlASmWsLOk
08/02/15 23:43:22 67qsk2hY
URLリンク(boku002.hp.infoseek.co.jp) [688]

※ふたなり注意
ごめんねキレイな話のあとにこんなの投下して。

94:名無しさん@ピンキー
08/02/15 23:53:51 zVbAq5Wn
>>89
GJ!
ちなみに自分、81です
負けずにネタを考えてきまっす

95:名無しさん@ピンキー
08/02/16 00:44:05 vHrA0p9B
ふたなりは受けつけん・・・

96:名無しさん@ピンキー
08/02/16 04:07:51 Cn1f/4W4
なんのための注意書きだ
お前の嗜好なんかに誰も興味は無いぞ

97:名無しさん@ピンキー
08/02/16 09:16:50 YrKtv1jy
>>93
GJ
いつも乙です

98:名無しさん@ピンキー
08/02/17 00:26:05 W0Y5jfa4
バレンタインデーに
バイブで犯されるラグナの夢ばかり見ます。
気絶しても泣いても街の人達勘弁してくれないというような。

99:名無しさん@ピンキー
08/02/17 00:50:36 tt702kAl
ヒロイン全員のラブ度10まで上げたまま放置プレイだったのでついにキレたか

100:過去462 ◆MlASmWsLOk
08/02/17 01:37:13 9jR88uYL
URLリンク(boku002.hp.infoseek.co.jp) [689]

どうあれ今回はふたではない
ただ、あんまりエロくもないかもしれない

101:名無しさん@ピンキー
08/02/17 01:53:38 MlUurM+I
>>56

「あれは最早 妹ではない。
 君の・・・君の手で楽にしてやってくれ・・・」

「マックスさん!?」

「今まで僕は、現実というものから目を背けてきたわけだけど
 今回ばかりはそうもいかない。
 妹をころすこと。そして、それには君の力を借りなくてはならないこと・・・」

「マックス・・・さん・・・」

「これで・・・、これで彼女の胸を一突きにしてくれ!!
 せめて苦しまないように・・・!!」

「・・・これは・・・!?」

「ただの剣さ・・・人を殺す道具に値打ちなんてあるわけないだろう?」

カイルが受け取った剣は糸のように細く、鋭い。
柄には名前らしきものが彫ってある。



「・・・グローリー・オブ・ヴィヴィアージュ・・・」

102:名無しさん@ピンキー
08/02/17 06:19:12 t02UrfrV
>>100
可愛いGJ
毎度オツです

103:名無しさん@ピンキー
08/02/17 09:29:24 cfzO1Np/
>>100
まいどまいど素晴らしいです!
ルーンの作品が多いのは喜ばしいがたまには普通の牧場シリーズ作品も読みたいな。

104:名無しさん@ピンキー
08/02/18 22:13:00 MsI9NZYq
みれない・・・・

105:春色の笑顔 ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:08:58 EAxlGO1j
新作に入る前にまたお礼を。
『確かな絆・夢の先にある幸せ』にGJをくれた人たちに心から感謝を。
初エロということで色々と表現とか微妙になってしまったが、楽しんでもらえたのなら嬉しい限りだ。
特に75氏の言葉は嬉しかった。
俺の作品でセシリーに萌える同胞が増えてくれるのはこれ以上の喜びはない。

81氏と89氏の作品も超GJです。
短い中にこれほどの萌えがつまっているとは…!
長けりゃいいってもんじゃないんだな…勉強になります。

えと、今回の新作だけど、遅すぎるが一応バレンタインネタになる。
実は、89氏と同じ、アルヴァーナにセシリアが感謝祭を持ち込むというネタを俺も考えていたんだけど、
89氏に先に出されてしまい、しかも俺の文章よりずっとクオリティが高かったため断念した。
でも、完全にお蔵入りさせるのも悔しかったので、方針転換して練り直してみた。
ラムリアかわいいよラムリアということで、その煩悩を叩きつけてみた。
二部のキャラはまだ特徴が完全に掴みきれず、もしかしたら違和感があるかもしれない。
こんなの俺のラムリアじゃねー!と思ったらすまない。
まあ、また生暖かくよろしく頼みたい。

106:春色の笑顔1 ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:10:03 EAxlGO1j
「はぁ、どうすればいいんでしょう…」

夜、ヴィヴィアージュ家の自分の部屋にて、ラムリアは溜息をついていた。
三日後、とうとう待ちに待ったあの日がやってくる。
春の月13日。そう、春の感謝祭が…!

春の感謝祭…それはあまねく乙女たちが一年で最も輝く日である!
あこがれのあの人へ、自らの想いをチョコレートに乗せて伝えるのだ。

元々アルヴァーナにはこの風習はなく、町を挙げて花見をする日であったが、セシリアによってこの風習が持ち込まれたのは8年前の事で

ある。
チョコレートと共に想いを伝える、こんな素敵なイベントにアルヴァーナの乙女たちが飛びつかないはずはなかった。
セシリアの故郷では冬の感謝祭だったそうだが、マナの『セレッソの花の下で渡すほうが素敵じゃない?』の言葉により花見と融合し、春

の感謝祭として生まれ変わった。
今では、想い人と一緒にセレッソの花を見ながら、チョコレートを渡すイベントとしてすっかり定着していた。

そして、そんな淡い思いを秘めた小さな乙女がここにもいた。
アルスさんが好き。
その想いにラムリアが気づいたのは少し前の事である。

彼は、あまり活動的とはいえない自分をいつも連れ出してくれた。

夏、彼に手を貸してもらい、初めて木に登った。
木の上から二人で眺める町並みは今までと違ってとても新鮮に感じた。
服を汚して怒られてしまったけど、とても楽しかった。

秋、彼に連れられて初めてメッシナの谷に入った。
モンスターがいるから入ってはダメだと言われていたが、彼は慣れているようでなんなく進んでいく。
モンスター達も彼の強さが分かるのか、襲ってこようとはしなかった。
二人で紅葉を眺め、ブドウを採って食べた。
あのブドウの味は今まで食べたどんなブドウよりも美味しいと感じた。

冬、雪で滑って転び、足をくじいた自分に肩を貸して病院まで連れて行ってくれた。
日ごろから農作業で鍛えられた肩は、自分と同い年とは思えないほどたくましかった。
病院につくまでの間、ラムリアは自分の鼓動が抑えきれないほど高まるのを感じた。
手当てが終わり、彼の安心したような笑顔を見た時、胸の奥がきゅんっ、と締め付けられ、これが恋なんだって気づいた。

そして春、感謝祭は自分の想いを伝えるには絶好の機会である。
今日、アルスと一緒に花を見ようという約束を取り付けることには成功した。
後は、彼に渡すべきチョコレートを用意するだけなのだが…

そう、問題はそこだった。
お嬢様であるラムリアは、基本的に家事を自分でやる事がない。
学校の授業で料理を習ってはいるものの、あくまで簡単な料理しか習っていない。
また、日ごろからやっていないため経験も絶対的に不足している。
チョコレートケーキを焼こう!と意気込んだものの、いざやろうとすると何から始めればいいのかさっぱりわからない。

普段なら、メイドのセシリーお姉さんに作り方を習えばいいのだが、今回に限ってはそれはできなかった。
セシリアはアルスの母親である。
彼女がアルスに対して秘密を漏らすとは思えなかったが、やはり当日まではできる限り秘密にしておきたかった。

…かといって、母親のジュリアに教えてもらおうにも、悲しいかなジュリアも料理が得意とは言えなかった。
サラダなどの簡単な料理を作ってもらった事はあるものの、基本家事はセシリア任せである。
高度な技術を要する菓子作りができるとは思いがたい。

107:春色の笑顔2 ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:11:02 EAxlGO1j
悩むラムリアであったが、そこでハタと思い当たった。
そうだ、マナ先生に教えてもらえばいいんだ。
彼女は学校で自分たちの料理の先生をしており、技量は折り紙つきだった。
それに、マナ先生ならアルスさんにバレることもないはず。
我ながら名案だった。

翌日の放課後、ラムリアは雑貨屋のキッチンにいた。
午前の授業が終わったあと、ラムリアはマナにケーキの作り方を教えてもらえるように頼み込んだ。
調理施設は学校のほうが充実しているのだが、教わっているところをアルスに見られたくなかったため、雑貨屋でやることにしたのだ。

「それじゃあ始めようか。メモの準備はいい?」
「はい! お願いします」
「それじゃ、まずは小麦粉を量って…」

かくして、マナ先生の課外学習が始まったのだった。


そして、感謝祭当日の朝。
ラムリアは自宅のキッチンでケーキ作りにいそしんでいた。

マナの元でしっかり修行をつけてもらってきた。
昨日、予行演習も行ったが、ばっちり美味しく焼けた。
今の自分になら、この想いを託すのに相応しい素敵なケーキが焼けるはず!

高鳴る気持ちに任せて、鼻唄を歌いながら材料を混ぜていく。
手馴れた手つきで生地を型に流し、オーブンに入れた。
これで、あとは焼きあがったら表面をチョコレートでコーティングすれば完成である。
はやくアルスに渡したい。美味しいと言ってもらいたい。
はやる気持ちが抑えられず、ラムリアは小躍りせんばかりだった。
美味しく焼きあがってくださいね、ラムリアはそう願いを込めると服の準備を整えに自室へ戻った。


「どちらにしましょうか…」

鏡の前で悩むラムリア。
自分の中で一番お気に入りの二着のドレス。
可愛らしさではこちらのピンクの方が…、でも、セレッソの花の下では緑のほうが映えるかもしれない…
それにアクセサリーだって気を使わないと。
いつもの鈴のついたリボンにしようか、それともこちらの花をあしらったバレッタのほうがいいのだろうか…

「あら? こんなにふくをちらかしちゃって、どうしたのん?」

ラムリアが決めかねていると、そこに母親のジュリアが入ってきた。

「あっ、お母さま。今日でかける服が決まらなくて、困っているんです…」
「どれどれ…。ちょっとみせてよー」

彼女の母親は料理はともかく、服飾のセンスに関してはピカイチである。
ラムリアは素直に、母親にコーディネートしてもらうことにした。

108:春色の笑顔3 ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:13:47 EAxlGO1j
30分後、そこにはすっかり着飾ったラムリアがいた。

「わぁ~! すっっごくかわいーわよ♪」
「お母さま、ありがとうございます~」

フリルのついた緑色のドレスに、鈴のリボンで髪を結ぶ。
母親が貸してくれたサファイアのブローチが胸元で輝き、うすくルージュも引いてもらった。
鏡の中の自分は、自分でも見違えるほど可愛らしくなっていた。
母親のセンスの良さを改めて思い知らされていると、母親はニヤリと笑って言った。

「ウフフ♪ これならアルスだっていちころよん!」
「えぇっ! あ…えっと…!」

図星を突かれ、思わずあわてるラムリア。
今日、アルスと一緒に花見をするということは母親にも言っていないはずだった。

「ウフフ、てれちゃってー♪ みてたらわかるわよん。それにしてもラムリアもすみにおけないわねん」
「うぅ…」

すっかりバレバレだったことに真っ赤になるラムリア。
アルスは、自分を見て可愛いと思ってくれるだろうか?
ケーキを美味しいと言ってくれるだろうか?
自分の想いはちゃんと伝わるだろうか?

期待と不安が入り混じり、思い悩むラムリア。
ジュリアは初々しいラムリアを微笑ましげに見ている。
そんな、素敵な時間が二人の間を流れる…

……はず…が……

不意に、ジュリアは鼻に違和感を感じた。
何か…変な匂いがするような…?

「ねぇ、なにかこげくさいようなにおいがしないかしら?」

そう言われ、ラムリアも妙な匂いがするのに気づいた。
そう…まるで、なにかが…焦げる…よう…な…

………………

「ああっ!!」

一瞬で真っ青になるラムリア。
あわてて部屋を飛び出し、キッチンへと駆けていく。

「な、なに!? ちょっとまってよ!!」

ジュリアもあわててその後を追う。
二人がキッチンに飛び込むと、そこにはもくもくと黒煙をあげるオーブンがあった。

「きゃーーっ!!」
「むきゃー!! かじーーー!!!」

二人は大慌てでオーブンの火を消しにかかった。

109:春色の笑顔4 ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:15:21 EAxlGO1j
幸運な事に(?)、オーブンの火は燃え広がる事はなく、中を焦がしただけで済んだ。
…だが、中のケーキはチョコレートとは違う意味で真っ黒になっていた。
見事な『失敗作』の完成である。

「あぁっ……」

ラムリアは思わずがっくりと膝をつく。

「あ、あちゃぁ~~……」

さすがのジュリアもフォローする言葉がなかった。


そして昼も回り、ラムリアはとぼとぼと学校への道を歩いていた。

…結局、ケーキはもうどうしようもなかった。
新しく作り直そうにも材料がなく、あいにく雑貨屋は祝日は休みである。
マナに直接頼みに行ってチョコレートを売ってもらおうとも考えたが、もうそこまでの時間もなかった。

やむを得ず、コーティング用に少量残してあったチョコレートを使ったものの、小さなチョコレートが数個できただけだった。

「ぅ…うぅっ…」

自分の情けなさに涙が出そうだった。
母親は気持ちがこもってれば大丈夫だと励ましてくれたが、やはりケーキをプレゼントしたかった。
準備万端に用意したはずだったのに…どうしてこうなってしまったのだろうか…
春の陽気に華やぐ町の中、ラムリアの周りだけはどよよーんと暗い空気がただよっていた。


「あ! こんにちは、ラムリア!」
「…アルスさん、お待たせしました…」

学校に着くと、アルスが待っていた。

「僕も今来たところだよ。それじゃ、一緒に花を見ようよ」
「はい…」

二人はセレッソの花の下のベンチに並んで座り、満開の花を見上げた。
この町の自慢の花たちは、カイルとマナが出会ったときから変わらない美しさで咲き誇っている。

「すごい、キレイだね!」
「そうですね…」

だが、やはりラムリアの心は晴れなかった。
アルスが隣にいてくれるのに… セレッソの花はこんなにも綺麗なのに…
本当なら、今自分は最高に幸せな時間を過ごしているはずだったのに…
気持ちを切り替えようと思えば思うほど、情けない現状を再確認させられて気分が沈んでいく。

110:春色の笑顔5 ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:17:20 EAxlGO1j
「…どうしたの?」

ラムリアの様子がおかしいことに、アルスも気づいているようだった。

「今日、ずっと元気ないよね…? もしかして、僕が何か怒らせちゃった?」

アルスは本当に心配そうに問いかけてきた。

「あ……」

それを見て、ラムリアはますます自責の念を感じた。
失敗してケーキをプレゼントできないだけでなく、こうやって心配までかけさせてしまっている。
思わず、涙がこぼれてきた。

「ど、どうしたの!?」

突然泣き出したラムリアに驚きの声をあげるアルス。
ラムリアは涙を止めようとするが、一度堰が切れるともう止まらなかった。

「うぅ……ぐす…っ……」

泣き止まなきゃ、そう思っても嗚咽を止めることができない。

「ぐすっ…違うんです…アルスさんの…ぅっ…せいじゃ…ないんです…」

何とか、アルスが悪いわけじゃないという事だけでも伝える。

「泣かないで…、悲しい事があるんだったら、僕に話してくれない?」

優しく慰めてくれるアルスに、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
チョコレートの小箱を取り出し、アルスに差し出す。

「アルスさんに…ケーキを…プレゼントしたかったんですけど……わたし…失敗しちゃって…これだけしか…できなくて…っ!」

途切れ途切れにそこまで絞り出すと、ラムリアはとうとう声を上げて泣き出してしまった。
うつむき、肩を震わせる。
ケーキを失敗した事も、アルスに心配をかけさせた事も、デートをぶち壊しにした事も、何もかも自分が嫌だった。
アルスさんも、小箱を受け取ったきり、何も言わない。
きっと、こんなドジで泣き虫な自分に呆れて…

不意に、ラムリアの細い肩がふわりと暖かく包まれた。
ラムリアは、アルスに抱きしめられていた。

「え…っ…?」

思わず顔を上げると、そこには自分をじっと見つめるアルスの顔があった。

「泣かないで…?」

アルスはラムリアの瞳を真っ直ぐ見つめると、満面の笑顔を浮かべて言った。

「チョコレート、すごく美味しいよ。僕のために作ってきてくれて本当にありがとう。だから、泣かないで?」

111:春色の笑顔6 ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:18:37 EAxlGO1j
「あ……」

そう、この笑顔だった。
かつて、病院に連れて行ってもらったときに、アルスが見せてくれたこの笑顔。
泣き虫の自分が落ち込んでいると、いつもアルスが見せてくれるこの笑顔。
自分が悲しい時に、つらい時に、それを全て吹き飛ばして安心させてくれる春の日差しのような笑顔だった。

きゅんっ

ラムリアはアルスの優しさが自分の胸を貫くのを感じた。
胸がドキドキして、頬が紅潮していくのが止まらない。
止めようとしても後から後から溢れて来た涙が、あっさりと引いていく。

「よかった、やっと笑ってくれたね!」

そう言って笑うアルスがとんでもなく眩しい。
ラムリアの心はたちまち安らぎと幸せに満ちていった。

「ねぇ、折角だから一緒に食べようよ」
「はい!」

そういってチョコレートを差し出してくるアルスに対して、ラムリアは精一杯の笑顔で応えた。
眼は真っ赤に腫れ、ちょっと背伸びしたお化粧も涙で流れてしまったが、それはその日一番の笑顔だった。

二人でチョコレートを食べながら、改めてセレッソの花を見上げる。
先ほどと同じ花なのに、今は全ての花たちが自分たちを祝福してくれるように感じる。

「アルスさん」
「ん、どうしたの…」

ラムリアは振り向こうとするアルスの頬に、そっと口付けた。

「わっ…!」

瞬時に真っ赤になるアルス。
ラムリアも真っ赤な顔のまま、アルスの反応にクスリと微笑んだ。

「アルスさん、大好きですよ」

(完)

112: ◆d2QaWdg0VU
08/02/20 06:22:02 EAxlGO1j
以上です。読んでくれた人はありがとう。
前作では、エロにこだわりすぎたせいか、いまいち甘くできなかったので、
今回は徹底的にあまぁぁぁぁぁぁぁぁい話にしようとがんばってみた。
…が、やっぱ長い割には薄いかもしれないなorz
短い中に書きたい事を濃縮して詰め込める構成力が欲しいよ…。

113:名無しさん@ピンキー
08/02/20 06:22:45 L7e5Huu0
甘ああぁぁぁぁぁぁぁい!!(*´Д`)GJ!!

114:名無しさん@ピンキー
08/02/20 07:18:37 iVplYGVC
おおおお!

2部のSS、それもラムリアものだ!

GJ!!!!

115:名無しさん@ピンキー
08/02/20 08:01:30 avdRBjjw
( ゚-゚)b GJ
投下を煽るわけじゃないけど、
二部でエロって可能なんだろうか…

116:名無しさん@ピンキー
08/02/20 08:56:14 HRtWiNF3
あんまぁぁぁぁぁぁぁいいいいいいい
G・J!! ラムリアかわいいよラムリアはぁ・・・はぁ・・・

117:名無しさん@ピンキー
08/02/20 10:04:41 btc827J0
チョコレートケーキの256倍甘いわっ!

118:名無しさん@ピンキー
08/02/20 14:47:14 EngO2vov
まじGJ!!

次の作品にも期待だな

119:名無しさん@ピンキー
08/02/20 19:38:36 xjOkr4hk
アルラム最高ぉぉぉォぉォ!!!!!

120:名無しさん@ピンキー
08/02/20 20:39:10 BaN4lYkc
でも2章キャラでチョコレートケーキ好きなのって・・・

121:名無しさん@ピンキー
08/02/21 01:13:01 caYu0KHZ
GJ!

>>120
言いたいことは、わかるな?

122:名無しさん@ピンキー
08/02/21 09:34:56 HcKBtGT4
俺の中のアリアは攻めだな。
ロイに年上なんだから優しくリードしてね?と誘うとか
オルファスの耳をフェラしつつ背中から抱きしめて手コキとか
男の子なのにお尻が感じるんだ?と、うつぶせに寝ているリーンを指で弄るとか。

123:名無しさん@ピンキー
08/02/21 09:55:59 MCDS3Ide
よしお前攻めアリア書け!

124:名無しさん@ピンキー
08/02/21 16:17:52 QEjMKMVx
バレット先生やマックス叔父さんに迫るアリアたん(*´Д`)ハァハァ
アルスにカイルを重ねて襲っちゃうマナてんてーも良い。

125:名無しさん@ピンキー
08/02/21 19:16:05 Ffyflj7h
>>122
>オルファスの耳をフェラしつつ背中から抱きしめて手コキとか
お前天才だな

126:名無しさん@ピンキー
08/02/21 23:20:59 4dlMAjRI
カイルの家に遊びに行きてぇ。お土産持たせてくれそう

ドロシ「こ、こんにちは……カイルさん。クッキー焼いてきたんですけど……」
カイル「いやあ、なんだか悪いですね。そうだ、今日収穫した野菜、よかったらどうぞ?」
ドロシ「え、こんなに沢山……。あ、ありがとうございます」
カイル「いえいえ」

ドロシ「わぁ……。ここのモンスターは大人しいんですね。あ、モコモコもいる……」
カイル「皆いい子ですよ。あ、今日取れた牛乳と卵です。持っていってください」
ドロシ「そんな、さっきも頂いたのに……いいんですか?」
カイル「どうぞどうぞ」

ドロシ「この釣竿、バレットさんのだったんですか……。でも釣り大会の優勝、凄かったです」
カイル「運がよかっただけですよ。そうだ、イワナが多く釣れたんですけど、どうですか?」
ドロシ「え、ほんとに悪いですから……。うう、でも……(ヨダレ)」
カイル「いいですよ」

ドロシ「あの、こんなに頂いてしまって、本当にすいません……ありがとうございます」
カイル「いやいや。ああ、これゴードンさんにどうぞ。戦士の証って言うんです」
ドロシ「あ、あの……。えっと、はい……」
カイル「今日は楽しかったです。じゃあまた明日」



ゴードン「おいおい、こんな時間まで何処に行ってたんだ?」
ドロシー「に……、荷物、重くて……っ」

127:名無しさん@ピンキー
08/02/22 00:21:23 Q+NhWCnH
マックス×アリア見たいなあ。純情でも、ラブラブでも何でもいい!!

128:名無しさん@ピンキー
08/02/22 00:29:28 YO4OwFMM
>>126
ありそうだな。イワナでよだれ垂らすドロシーがかわいい。

129:そして始まる新しい物語 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:00:49 bQtzcXmc
まいど、どうも。
まずは、毎回GJをくれる方々に心から感謝を。
本当にありがとう。とても励みになっています。

えと…今作なんだが…
なんていうか…ギャグ…というか…壊れ…というか…
おかしいな…俺はマナの萌える話を書こうとしてたはずだったのに…

3連徹でイッちゃった頭で怒涛のごとく書き終えてみるとこんなものになっていた…

先に一応注意しておきます。
この作品はあなたのマナに致命的な障害をもたらす恐れがあります。
熱烈なマナファンの方はスルーしてくれお願いorz

時系列的には『春色の笑顔』の裏の話になります。
萌えを期待してくれていた人たちは本当にごめんorz
くれぐれも…生暖かく…お願いします…orz

130:そして始まる新しい物語1 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:01:51 bQtzcXmc
ある晴れた春の日、その日は乙女たちが待ちに待った日である。
春の月13日。そう、春の感謝祭である…!

春の感謝祭…それはあまねく乙女たちが一年で最も輝く日である!
あこがれのあの人へ、自らの想いをチョコレートに乗せて伝えるのだ。

……そのはずが……

ここに最も輝いていない乙女(?)がいた。
今年もあげる人がいない…
その虚しさに彼女が気づかされるのは毎年の事である。

4年前、既婚者でも友人としてプレゼントすればいいよね! と思い立ってチョコレートを作ってみたが、夫婦のラブラブバリアに跳ね返

されて近寄れず、渡せずじまい。
結局父親に全部喰われた。
泣いて喜ばれたが、余計虚しくなった。

3年前、ならば町の人たちに日ごろの感謝の念をこめてプレゼントしよう! と思い立ったものの、同世代の男性は全員既婚者だった!
やっぱり近寄れず、町のおじさま達に配って歩いた。
とても喜ばれたものの、やっぱり虚しくなった。

2年前、女同士でもいいよね! と思い立って友人とチョコレートを交換し合った。
現状を再確認し、さらに虚しくなった。

去年、日ごろ頑張ってる自分へのご褒美に! と思い立って自分でチョコレートを作って食べてみた。
どうしようもなく虚しくなった。

そして今年、またこの日がやって来やがった…

そう、セレッソの花の下のベンチに一人座り、暗いオーラに包まれる乙女(?)こそ、我らが正ヒロインのマナたんである!


元々アルヴァーナにはこの風習はなく、町を挙げて花見をする日であったが、セシリアによってこの風習が持ち込まれたのは8年前の事で
ある。
チョコレートと共に想いを伝える、こんな素敵なイベントにアルヴァーナの乙女たちが飛びつかないはずはなかった。
セシリアの故郷では冬の感謝祭だったそうだが、この町では花見と融合し、春の感謝祭として生まれ変わっていた。
今では、想い人と一緒にセレッソの花を見ながら、チョコレートを渡すイベントとしてすっかり定着していた。

そのせいで…

セレッソ広場はどこを見てもカップルカップルかっぷr…
広場中に幸せな空気が満ち溢れている。ぶっちゃけハートが飛び交っている。

だが、その幸せな空気もアンデッド属性になってしまったマナにとっては毒である。瘴気である。
その空気にあてられ、大好きなセレッソの花を満喫することもできやしない。
全く、誰のせいで折角の花見がこんな甘ったるいイベントに変えられてしまったのだろうか!?

…………

あ・た・し・の・せ・い・だ!

ずーん…
マナは気持ちが沈みこんだ。

131:そして始まる新しい物語2 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:03:21 bQtzcXmc
ダメだ! このままでは更に沈み込んでいってしまう…!
ここはなにか、気持ちが明るくなるようなことを考えないと!
マナは、ここ数日の微笑ましい出来事を思い返してみることにした。

=================================================================================================================

二日前、彼女が授業を終えると、教え子のラムリアが彼女の元へ近づいて来た。
何か、今の授業で分からない事でもあったのだろうか? そう思っていると…

「あの…っ! わたしにチョコレートケーキの焼き方を教えていただけないでしょうか…!」

聞けば、感謝祭でアルスにケーキをプレゼントしたいので、アルスに内緒でこっそりと教えて欲しいとのこと。
もちろん、可愛い教え子の頼みを断るはずもなかった。
放課後、自宅で彼女と一緒にケーキを焼く事にした。

「それじゃあ始めようか。メモの準備はいい?」
「はい! お願いします」
「それじゃ、まずは小麦粉を量って…」

自分の細かな注意点とかも聞き漏らさずメモし、不明点は一つ一つ質問してくる。
日ごろおっとりしている彼女とは別人のような気合の入りようだった。
ラムリアはマナも驚くほどのスピードで焼き方を習得していった。

「わたしはいつもアルスさんに助けてもらってばかりですから、今回は自分の力でこの感謝の気持ちを伝えたいんです…」

そう言って頬を染めるラムリアはとても可愛らしく、マナも微笑ましい気持ちでいっぱいになった。

=================================================================================================================

昨日、彼女が店番をしていると、元気な声と共に少女が飛び込んできた。

「マナ先生こんにちはっ! チョコレートくださいっ!」

彼女の親友のセシリーと、その娘のアリアであった。
アリアは籠にチョコレートを次々と入れていく。

「こんにちは、アリア。感謝祭に誰かにあげるのかな?」

マナが笑いながらそう聞くと、アリアは良くぞ聞いてくれたとばかりにっこりと笑った。

「パパとね、アルスにあげるの! 今日、ママと一緒に作るんだ」

アリアはそういって、さらにチョコレートを入れていく。
小さな籠がすでにチョコレートでいっぱいになっている。

「アリア、ちょっと入れすぎじゃないかな?」

それを見てセシリアが苦笑しながら言うが、アリアは意に介さない。

「ううん。大きなチョコレートをいっぱい作りたいの」
「でも、それじゃパパとアルスが食べきれないかもしれないわよ」
「パパと、アルスと、ママと、4人で一緒に食べたいの! そのために大きいのを作るのよ」
「ふふ…それじゃ、頑張って作りましょうね」

セシリアとアリアのやり取りをみて、マナは思わず頬が緩んだ。
アリアは、本当に家族の事が大好きなんだろう。
そんな一生懸命な少女を見て、マナも微笑ましい気持ちでいっぱいになった。

=================================================================================================================

132:そして始まる新しい物語3 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:04:06 bQtzcXmc
なったことはなったが…
よく考えてみると、今この場においては余計自分の寂しさを引き立てているだけでは…?

ずずーん…
マナは更に気持ちが沈みこんだ。

ダメだダメだ! このままでは更に沈み込んでいってしまう…!
ここは、現状の問題点の把握と、これからに向けた対策を考えるべきだ!
マナは前向きに考える事にした。

『カイルよりずっといい男を見つけてセシリーを悔しがらせてあげようよ』
『そうね!』

アリシアとそう誓い合ってからもう8年になる。
いつか現れる自分だけの王子様のために、二人して女を磨いてきたはずだった。
だが、現状は未だに変わらず、悲しい一人身である。
そろそろ、乙女という単語にも疑問符が付くようになってきた。
15-18歳ほどで結婚するのが一般的なこの町において、自分達は超晩婚にあたる。

『売れ残り同盟』

恐ろしい単語がマナの脳裏をよぎる。

そもそも、なぜ自分には素敵な人がいないのか?
アリシアはあの性格だから当然として(←オイ)、自分は(公式発表では)世間で大人気の妹系萌えキャラのはずだ。

男性との出会いがないからだろうか?
いや、この町には同年代の男性が少ないとはいえ、旅人や商人など町を訪れる男性がいないわけではない。
実際、マナとて出会いが全くないわけではなかった。


…ある時、トレジャーハンターの青年が町を訪れた事があった。
カイルと同じ冒険者であり、カイルにはないワイルドな雰囲気を漂わせる青年にマナは心惹かれかけた。

だが…

マナは青年とトリエステの森にてデートをしていた。
いい雰囲気になってきたところで、唐突にいかにも強そうなモンスターが現れた!
おびえるマナ、マナを庇うように立つ青年!
なんて王道!

…のはずが…

「真のトレジャーハンターは、逃げ時をわきまえているヤツのことを言うんだ」

青年はマナを置き去りにして真っ先に逃げてくれやがりました。

あたりに満ちる気まずい沈黙、流れる寒い空気。
マナはモンスターに哀れみの視線で見られるという屈辱を味わった。
なお、その青年はその後、ダグラスに完膚なきまで鉄拳制裁を受けて撃沈したのは余談である。

133:そして始まる新しい物語4 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:05:18 bQtzcXmc
…またある時、旅の吟遊詩人の青年が町を訪れた事があった。
彼は毎日雑貨屋を訪れ、マナに愛の詩を詠った。
甘いマスクから囁かれる愛の言葉に、最初は疎ましく思っていたマナも次第に心惹かれていった。

だが…

結婚指輪は父親のダグラスから奪わないといけないと告げた時、彼はいきなりビビりだした。
一応、決心してダグラスに対峙したものの…
ダグラスの一睨みであっさり逃げてくれやがりました。
なんというへたれ!

…………

オ・ヤ・ジ・の・せ・い・か!!

よく考えれば原因は明白だった。
ほかにもマナに近づいてきた男たちはいたが、皆ダグラスによって撃退されていた。

これはまずい…!
このままでは、自分の魅力とかいう以前に男が近づいてきてくれない!
冷静に考えれば、ダグラスのお陰で変な男に引っかからなくて済んでるような気もするが、そこは気にしたら負けである。

…とはいえ、自分がたとえこの町を出たとしてもあの父親は地の果てにでもついてくるだろう。
雑貨屋も人間関係も全て投げ出してどこまででもついてくる…!

そう思うと、そこまで愛されてる事が嬉しいようなうざったいような…やっぱりうざったかった!

手詰まり…
自分を取り巻く環境自体をすぐに改善する事は不可能、マナはそういう結論に達した。

ずずずーん…
マナはますます気持ちが沈みこんだ。

…余談だが、マナ自身は決して認めようとはしなかったが、明白な原因はもう一つあった。
八年前から女を磨き続けてきたマナであったが、全く磨かれていない八年前と何も変わらない箇所が一つ…
アリシアにあって、マナにないもの…
カイルのようなぺったん派はこの町を訪れる男たちにおいては少数派だったようだorz


いやいや待て! まだ手はあるはずだ…!
マナは気持ちを必死に立て直した。

そもそも、マナの運命の大きな分岐点、それは8年前にあった。
自分の愛した人と、自分の大切な親友との結婚式。
マナは、記憶がない事で悩むカイルの背中を大きく後押しした。
二人が結婚したのはマナのお陰、といっても決して言い過ぎではあるまい。

もちろん、あの選択は正しかったと今でも思っている。
あの時カイルの背中を押した自分を、今でも誇りに思うことができる。

…だが、それでも…
もし…あの時…非情に徹して自分の気持ちを優先させていたら…?
セシリーを失い、落ち込むカイルを自分が慰めていたなら…?
そこには、また違った未来が待っていたのではないか?

134:そして始まる新しい物語5 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:09:02 bQtzcXmc
いや…まてよ?
まだ、今からでも遅くないのでは…?

たとえば…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「こんにちはカイル! えへっ♪」
「…こんにちは。マナ」

ある雨の日の午後、マナはカイルの家を訪れていた。

「雨の日はヒマなので、遊びに来ちゃった♪ 奥さんいるのに、迷惑だった?」
「いや…別に迷惑じゃあないんだけど。でも、ここのところ毎日だよね」

そう、この一週間、なぜか毎日雨が降り続き、マナは毎日カイルの家に入り浸っているのだった。

…言うまでもなく、マナがアリシアをイチゴで買収し、天候操作をさせまくっているのである。
このままでとは水路が氾濫し、町が浸水してしまうとブライたちが深刻そうに話し合っているのが聞こえたが、そんなの関係ねぇ!

「でもマナ、お店のほうはいいの?」

お茶の準備をしながらごく当たり前のことを聞くカイル。

「雨の日って仕事をする気が起きないから休みにしちゃった♪」

しれっと答えるマナ。

「いやそれ違う人だから!」

思わず突っ込むカイルであったが、マナは華麗にスルーした。
更に突っ込もうとしたカイルであったが、マナの顔を見て言葉に詰まる。

『あまりわたしを怒らせないほうがいい』

マナの笑顔が無言のプレッシャーをかけていた。

「そういえば、今日はアリアちゃんたちはいないの?」
「うん、何でも学校でやらなくちゃいけない宿題があるんだってさ」

…言うまでもなく、その宿題をだしたのはマナである。
学校の施設を使わなければできず、なおかつ時間のかかる料理を宿題として出したのだ。

そして、セシリアは平日はメイドの仕事があるため、夕方まで帰ってこない。

そう…、今ここにいるのはカイルとマナ二人っきり…!

135:そして始まる新しい物語6 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:11:30 bQtzcXmc
「カイル…。あたしのとっても大事な話、きいてくれる…?」

不意に、マナはカイルに語りかけた。

「どうしたの…?」

突然場の空気が変わったことに戸惑いつつも、聞き返すカイル。

「あたし……カイルのことが好き……好きだよ! 初めて、セレッソの木の下で会ったときから、ずっと好きだったよ!!」

突然の発言にカイルは椅子ごと後ろにひっくり返った。

「いやその依頼もう掲示板から消えたんだけど! それに僕もう結婚してるんだけど!!」

後頭部を抑えながらも突っ込むカイル。律儀な男である。

「たとえカイルの気持ちがどうでも、あたしの気持ちは変わらないわ…うふふふ♪」
「いや健気そうな台詞だけど状況がおかしいから!!」

倒れたカイルににじり寄っていくマナ。

……………………

…………

……アッーーー!!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

…うふふふふふふ♪

妄想にふけり、怪しい忍び笑いを漏らすマナだったが、ハッと我に返った。

今のは一体なんだったんだろう…?
幸福な空気にあてられすぎて謎の電波を受信してしまったようだ。
あんまりな内容の妄想を思い出して、青くなるマナ。

これはいけない…! 
これではカブ毒電波の二の舞だ。

ひとたび汚れ役が定着してしまえば、それを払拭するのがどれほど困難な事か。
先人の失敗からそれを痛いほど思い知っていたマナは、あわてて邪念を振り払った。

…が、ふと正面を見るとムーとスーがドン引きした視線でマナを見ているのに気づいた。
思わず固まるマナ。
これは、何とか誤解だということを伝えなければ…!

「あ、えっとね…?」

「マナせんせーが変な笑い方してる!!」
「こわいの~~!!」

だが、マナが話しかけようとした瞬間、二人は悲鳴を上げて走り去ってしまった!

オワタ\(^o^)/オワタ

今度こそ精神に重篤なダメージを受け、マナはぐったりと崩れ落ちた。

136:そして始まる新しい物語7 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:12:40 bQtzcXmc
ああ…もうこのまま…灰になって大地に還っていくのだろうか…

ベンチに身を預けたまま、マナは薄れ行く意識のなかそう思った。

そのとき…

「あの、すみません…」

声が、聞こえた。

慌てて眼を開けると、そこにはナイスミドルのオジサマがいた。
状況がわからず、戸惑うマナに彼は話しかける。

「あの…ここってどこなんでしょう…?」

「え…?」

予想外の質問に固まるマナ。

「実は私、記憶がないようでして…」

そして、始まる新しい物語…!


Rune Factory3 ~ SeniorSeasons ~

大好評のルーンファクトリーが新たなシナリオとシステムを引っさげて帰ってきた!
青年、ロリ主人公と来て、今度の主人公はオッサンだッ!!
厳しい競争型社会や、つらい会社生活でお疲れのアナタも、感情移入できること間違いなし!
さあ、アナタも牧場でスローライフを満喫してみませんか?

今作は今までとは趣向を変え、大人の男性をターゲットとしております。
選択肢を間違えると即座にシナリオが詰むシビアなゲームバランスが、あなたのプレイに大人の緊張感を与えます!
また、プレイヤーの負担を軽減するためオートセーブ機能を搭載。
そう、人生はただ一度。安易なやり直しなど利かないからこそ、一回一回のプレイに感情移入することができるのです!

シリーズ伝統のバグは今作も健在!
壁抜け・フリーズなど序の口!
セーブデータ自動削除、ソフトウェア破損、DS本体発火など、よりスパイスの効いたバグがあなたをお待ちしています。

☆新システム:ヒロインコンバートシステム

前作、前々作のルーンファクトリー1、2のセーブデータをコンバートする事で、『売れ残った』ヒロインたちが今作に登場します!
また、年齢の関係上前作では攻略できなかった未亡人たちも今作では問題なく攻略可能!
今までの作品では表現できなかった大人の恋愛をお楽しみいただけます。

さあ、冒険にでかけよう…!!

Rune Factory3 ~ SeniorSeasons ~

COMMING SOON!

※本ソフトウェアは18歳未満の方はお求めいただけません

(\(^o^)/オワレ)

137:始まる前に終わった物語 ◆d2QaWdg0VU
08/02/22 06:20:08 bQtzcXmc
_|\○_ なんかもう…あらゆる意味でごめんなさい _○/|_
いやね…言い訳をさせて欲しいんだ…!
俺はマナはセシリーの次に好きなんだ。
だから、萌える話を書きたかったんだけど…
マナは『普通のいい人』すぎて特徴がない…
妹キャラを前面に押し出すわけでもなく、特別なキャラが立ってるわけでもなく…
書いてるとどうしても盛り上がりの欠ける話になってしまう…。

ちょっと最近大学院が地獄モードに入ってきたんで次の作品をすぐにかけるかどうかはわからないが、
できるだけ早く書きたいと思ってます。
次はまじめな話を書きたいな。
最後に、こんなふざけた話を読んでくれた人本当にありがとう!

138:名無しさん@ピンキー
08/02/22 06:29:27 lyAPOf/q
なんて素敵(*´Д`)
SS面白かった
この3は是非ともやりたい

139:名無しさん@ピンキー
08/02/22 07:29:08 LcDCjLZD

ダイアパーリングが出てくるユエのSSも待ってるよ\(^o^)/

140:名無しさん@ピンキー
08/02/22 09:45:45 2XEiyNmt
>>123
アリア「ふふ、先生こんなに大きくしちゃってかわいい」
バレット「アリア頼む早く、はやくしてくれ、もう我慢出来ないんだ」










ぴちゃん
バレット「あぅう」
アリア「先生、もういい大人なんだから一人で目薬ぐらいさしてよね」

141:名無しさん@ピンキー
08/02/22 10:11:23 tg7OdLZO
>>137
フレンドシロップ吹いたwww
つーかこんなのが記念すべき初作品のマナって・・・

142:名無しさん@ピンキー
08/02/22 10:20:07 99ATOxRG
>>137
GJ!
確かにマナはメインヒロインなのに影薄いよなぁ…


>>140
おいw
てか看護婦の嫁にして貰えよw

143:名無しさん@ピンキー
08/02/22 16:57:07 WfFOJrYA
もっと失礼な一作目があったのを忘れたか!

144:名無しさん@ピンキー
08/02/22 20:18:18 Cs4DuKGy
たしかにマナはメインヒロインな割に存在感が薄いが、
未婚の第2部でアルスを初恋のカイルに重ねてにゃんにゃんしちゃうシチュエーションを想像してものすごく萌えました。
牧物シリーズでも貴重な女教師なんだぜ?

145:名無しさん@ピンキー
08/02/22 21:55:02 HW3IslTM
第一部で、もう嫁を決めてるのに
依頼コンプのために他キャラの
イベントこなすのが辛いです…

146:名無しさん@ピンキー
08/02/23 00:01:11 q4pXVQih
ドロシーの娘のアリアと
バレット先生のエロスが見たいぜ

147:名無しさん@ピンキー
08/02/23 02:55:22 lDuHIdCD
ふと思ったけど誰の子供かでアリアの将来は決まることになるのか。胸的な意味で。

148:名無しさん@ピンキー
08/02/23 09:56:05 0+lOKwJY
誰が母親でもぺったんこ

149:名無しさん@ピンキー
08/02/23 10:42:28 yLU1PuLm
うちのアリアはユエママだからきっとそこそこにはなるよ

150:名無しさん@ピンキー
08/02/23 10:54:36 Ltgx5eJp
うちのアリアもアリシア母さんだから可能性あるぞ。

しかし母親からの遺伝だとしたらラムリアとスー&ムーは…

151:名無しさん@ピンキー
08/02/23 14:23:48 MqGKJXkm
だからラムリアは乳製品を摂取するのだ
ひんぬー遺伝子に打ち勝つ為に

152:名無しさん@ピンキー
08/02/23 16:28:34 +dK0w+38
ラムリアは胸より先に腹が成長しそうだよなピザ的に考えて

153:名無しさん@ピンキー
08/02/23 17:20:40 GQWxG67r
うちのラムリアはユエがかーちゃんだから将来は安心だな。
つーかジュリアにしたって他のヒロインと比べたら少しはあるんだぞ?

154:名無しさん@ピンキー
08/02/23 19:38:38 reW6kKoE
うちの娘、幼少期からドロシーさんに育てられたのに
よく明るく育ったもんだな
未だに前髪で顔隠してるそうとうな駄目母だと思うんだが

155:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:12:09 s514GHxu
馬鹿ばっかだなwwだがあえて乗ろう妄想だが
ラムリア>ムー>カノン=スー
ラムリアは乳製品取りまくってるから割とでかくなりそうスー&ムーはムーがちゃっかりスーを
追い越すと思うカノンとスーは…置いといてアリアは未知数な感じ、母親によるかも知れないけど
ただカイルの血が入ってるからよく分からない。ところで二部の男達のナニの大きさはどう思う?私的だけどリーン>アルス>ロイorオルファス?
リーンはあの顔でもの凄そうそれでアリアやアルスを襲ってきそう、アルスは主人公補正で大分おっきくなりそう
ロイとオルファスはまぁ標準前後ぐらいだと思う。
>>152
ん?胸より先に孕…

156:名無しさん@ピンキー
08/02/23 20:57:58 Ai20ZcaC
>>152
太りそうになったらジュリアの温泉地獄コース

157:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:45:01 mDzEIbVs
あれ?もしかしてこのスレは俺みたいなひんぬー派は希少種なのか?

158:名無しさん@ピンキー
08/02/23 21:49:24 C0IjRets
あるならあるでいいし無いなら無いでいい。胸の大小は個性である

159:名無しさん@ピンキー
08/02/23 22:11:26 Dq8nR12t
ジョルジュ長岡は全ての乳に公平である。

160:名無しさん@ピンキー
08/02/24 00:24:55 g40oNqtk
俺の計算だとそろそろアリアと双子姉妹の百合百合エロがあるはずなのだが…

161:名無しさん@ピンキー
08/02/24 08:46:21 pZ7kqTfR
アリアと双子姉妹の結婚ごっこがあるなら、
アルスとリーンの(以下略)

162:名無しさん@ピンキー
08/02/24 09:30:19 +SJuNJoE
「ぼ、ボク…本当は女の子なんだ」
「こんな可愛い子が女の子なはずがない!」

163:名無しさん@ピンキー
08/02/24 10:11:02 S3RFFeTi
そういやリーンってバレットを手伝って合成の材料を集めてるらしいが、
ダンジョン行かなきゃ材料調達なんてできないよな。
やっぱりリーンはかわいい顔して実は凄いモノ持ってるんだろうか。
ジェイク程度なら一撃で倒せるとか。

164:名無しさん@ピンキー
08/02/24 11:14:20 BruEq2Z2
実は隠しラスボス

165:名無しさん@ピンキー
08/02/24 12:02:27 TAvUxOZk
(性的な意味で)

166:名無しさん@ピンキー
08/02/24 14:37:00 g2tU0J3b
さっき小説が完成したんだが…投下しても良いだろうか?
初心者で文才が無いのは見逃してほしい

167:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:09:36 QrQ+wBEt
>>166
投下キターー!

お願いします。

168:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:24:55 g2tU0J3b
秋に芽生えるキモチ1

ある晴れた秋の日の午後…
マナはいつものように出荷箱からカイルの出荷物を回収しその代金を置いて行くつもりだった。

しかし、今日に限って出荷箱を覗いたら何も入って無かったのだ。今までは必ず何かしらの出荷物が入っていた。

マナ「あれ…?どうしたんだろ?」

マナは理由を聞こうとカイルを探したが牧場には見当たらない。いつもなら畑で元気に水撒きをしている時間だが…

家の中にいるのかもしれない…そう思いドアをノックしてみる。返事が無い。

マナ「カイル~?いないの~?」
ドアを開けて呼んだがやっぱり返事がない。

マナ「…寝てるのかな?……お邪魔しま~す…」

部屋の一階には誰もいないのですぐにマナは階段に。
階段を上がった先はカイルの寝室だ。ベッドにもカイルの姿は無かった。

マナ「留守なのかな…」

ふと、彼の日記が置いてあるのが見えた。

マナ「ちょっとだけ読んでみようかな…」

~春の月2日~
今日からここで生活する事になった。牧場なんてやった事無いのに出来るだろうか?
…いや弱気になるのはやめよう。あの親切な女の子マナとその父親のダグラスさんにお礼をする意味でも頑張らなければ!

169:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:27:19 g2tU0J3b
秋に芽生えるキモチ2

~春の月3日~
今日は仕事が終わった後街の人達に挨拶に行った。みんな優しそうな人ばかりだ。
僕には記憶が無いけど…ここで新しい楽しい記憶が作れそうだ。

マナ「ふふ♪あの頃はセレッソの花が綺麗に咲いてたっけ」
マナは楽しそうにページをめくる。

~春の月10日~
街の人達と少しでも仲良くなるために掲示板の依頼を沢山やった。
その後畑仕事をやろうとしたけどとても疲れてしまったので今日はやめようかと思った。
だけどマナに励まされたので頑張る事にした。
マナは不思議な子だ。会ってまだ間もないのに、親しげに話かけてくれる。

マナ「…鈍いのね…」
はぁ…とため息をつく。

~春の月13日~
今日はお花見というお祭りだった。一人で見るのは寂し過ぎるのでマナを誘った。彼女はとても嬉しそうだった。
マナと別れた後一人でお花見しているユエさんがいた。
一人でお花見は寂しいだろうと思い誘う事にした。
やっぱりユエさんも一人でお花見するのは寂しかったらしい。誘って良かった。

マナ「…むっ……ユエさん…」




170:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:29:35 g2tU0J3b
秋に芽生えるキモチ3


~夏の月2日~
今日はドロシーさんの依頼を受けた。人と話す練習がしたいらしい。ドロシーさんは色々話してくれるようになってきている。良い傾向だ。


マナ「…む…今度はドロシーさん…」


~夏の月9日~
今日はジュリアさんの依頼を受けた。新しい美容保持の体験者になって欲しいらしい。内容は長く風呂に入るというもの。
風呂の外にいるジュリアさんと色々話していたが僕は途中でノボせてしまった。ジュリアさんは普段もっと長く風呂に入るらしい。
凄い…


マナ「・・・・・・」


マナは日記を読んでいるうちに不安になってしまった。
日記を元に戻し、カイルのベッドに横になった。

マナはカイルの枕に顔を埋めた。
…彼の匂いがする。

マナはその匂いを嗅ぐうちになんだか興奮してしまった。

マナ「まだ…帰って来ない…よね…」

我慢出来なくなってスカートを捲り、下着の上からなぞる。
マナ「んん……はぁ」

下着の上からでは刺激が足らず下着の中に手を入れ直接触る。

マナ「…んぁ…カイル……カイル…」



171:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:31:35 g2tU0J3b
秋に芽生えるキモチ4


一方その頃カイルは…
ダンジョンで鉱石掘りを終えてシルバーウルフに乗り帰宅途中だった。

家に着き、シルバーウルフを飼育小屋に送った後、家のドアが半開きになっているのに気付く。

カイル「おかしいな…出掛けた時は閉めたはずなのに」

中を覗くと何やら二階から物音が聞こえる。

カイル(泥棒か!?)

彼は愛用のクレイモア大剣を構え静かに二階に登る。しかも物音は…女の子の声…それも妙に艶っぽい声が聞こえる。

カイル(一体何が…?)

階段の最上段からそっと覗き込むとそこには…

カイル(!?)

ベッドにマナが横たわり自分の下着の中をまさぐっている。
マナ「…あぁ…いいよぉ…カイル…」

カイルは驚いて手にしていた大剣を落としてしまう。

ガシャーン!!

けたたましい音が辺りに響く。

マナ「あ…!!」

カイル「あ…えっと…その」

マナ「…ごめん…勝手に入っちゃって…」

カイル「う、うん」

マナ「あ!」
マナは慌てて自分の服を直す。

カイル「…」

マナ「…見た…よね?」

カイル「…え?」

マナ「…見ちゃったよね」

カイル「…あ…えっと…ごめん」

172:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:34:48 g2tU0J3b
秋に芽生えるキモチ5


マナ「…今日は勝手に入ってごめんね」

カイル「うん…」

マナ「じゃあ帰るね」


マナが帰った後カイルは一人ぼんやりしていた。

心臓がバクバク言っている。
びっくりしたのはもちろんだが…彼女が女性である事を改めて認識した。決して忘れていたわけでは無いのだが…

椅子に座り天井を眺めながら考える。

仕事の事を考えようとしてもすぐにさっきのマナの姿を思い出してしまう。

今日はさっさと寝ようと決意しベッドに潜りこんでもやっぱりマナの姿を思い出してしまう。



今までこの街の多くの女性との付き合いのなかでこんな気持ちになったのは初めてだった。



カイルはしばらくたった後、自分の気持ちにようやく気付きマナにプロポーズするのだが…
それはもう少し先の話。



END

173:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:36:20 g2tU0J3b
あとがき

如何だったでしょうか?
小説は普段読むだけで書く事は滅多にないので…
下手くそだったかも…
(´・ω・`)

174:名無しさん@ピンキー
08/02/24 15:44:37 OzQG+cuT
うん、碌に感想もかけない馬鹿だけど一言だけ言わせてくれ
GJ

175:名無しさん@ピンキー
08/02/24 19:06:50 pZ7kqTfR
微エロありだし、レアなマナ小説だし、おもしろかった! GJ!

176:名無しさん@ピンキー
08/02/24 19:09:00 QrQ+wBEt
>>173
GJ!
初投下乙カレ。これからもガンガン投下してくれ。

177:名無しさん@ピンキー
08/02/24 19:43:51 g2tU0J3b
>>173です。
沢山のGJを頂き作者はびっくりまた嬉しく思っております。
いつ投下するかは分かりませんが上の大二部「秋に花咲くキモチ」を作ってみたいと思います。

178:名無しさん@ピンキー
08/02/24 20:40:08 735vqGQX
GJ!微エロいいよ~。
ただ一つ注文付けると、タイトルは名前欄にでも放り込んでくれたほうが読みやすい。

179:名無しさん@ピンキー
08/02/24 23:30:00 Os9zanTp
そろそろ教会でお祈りをしていたゴードンがエンドールさんに襲われるエロが投下されるはず

180:名無しさん@ピンキー
08/02/26 00:13:34 ud2B8SjQ
>>173だが…続編の第二部「秋に花咲くキモチ」がたった今完成した

今回は非エロなのだが…投下しても構わないかね?

181:名無しさん@ピンキー
08/02/26 00:20:59 nfkBE+HI
その辺は各自で脳内変換するから安心したまえ

182:名無しさん@ピンキー
08/02/26 00:23:13 65eFoLom
ちゃんと小説を投下してくれよ

183:名無しさん@ピンキー
08/02/26 00:31:21 lqW7HSLv
ささ、どーぞ

184:名無しさん@ピンキー
08/02/26 00:35:49 Z9th4Cy7
投下は大歓迎なのー。

185:秋に花咲くキモチ1
08/02/26 00:35:50 ud2B8SjQ
マナの秘密の事を見てしまってからカイルは落ち着かなかった。何より仕事が手につかない。ジョウロで水を撒いてもボンヤリして雑草に水を撒いたり、モンスターにブラシがけしてもいつの間にか、何もいない所にブラシをかけている始末。


仕事が上手く行かないのはマナも同じ。
荷物の配達でサツマイモを届けるはずがジャガイモを届けたりお釣りを支払いより多く渡してしまったりと失敗が続く。


ダグラス「マナ…一体どうしたのだ?」

マナ「あ………お父さん…」

ダグラス「何か悩みか?ならばこの父になんでも打ち明けるが良い」

マナ「・・・・・」

言えるわけが無い。片想いの男の家で自慰、さらにはそれを最も見られたくない相手に見られてしまったのだから。

ダグラス「さては…カイルに何かされたのだな!そうなんだな!?」

マナ「違うの!カイルは関係無いの!」(関係あるけど!)

ダグラス「安心しろ。マナよ。この父がカイルを絞めあげてやろう」

マナ「もう!お父さん!!!」

ダグラス「しかし…マナ…」

マナ「お父さん…大丈夫だから…」

186:秋に花咲くキモチ2
08/02/26 00:37:42 ud2B8SjQ
二人とも気まずいのかお互い相手を避けている状態になってしまっている。
小さい街だ。いずれ皆にも気付かれてしまうだろう。

誰がこんな悩みを聞いてくれるだろうか…マナは街を歩きながら考える。

父親に改めて相談するか…いやいやそんな相談しようものなら卒倒して病院に担ぎ込まれてしまうだろう。

セシリアに相談しようか…いやいや…セシリアもカイルの事が好きなはず…互いに口には出さないが分かるのだ。


そんな事を考えながら歩き舟着き場まで来てしまった。
アリシア「あら…?マナじゃない?どうしたの?顔色が悪いわよ」

マナ「アリシア…」

アリシアはどうだろう…秘密を守ってくれそうだし何より経験や知識が豊富そうだ。

アリシア「ご飯でも食べに行く~?エンドールさんのとこにさ」


マナ「うん…」


アリシア「何食べようか?太るからあんまりカロリー高いのは食べられないけどね~♪」


マナ「うん…」


アリシア「…ねぇ…さっきから話聞いてるの?」


マナ「うん…」


アリシア「だったらいいけど。マナは何食べる~?」

マナ「うん…」


アリシア「・・・」


アリシアはマナは宿屋まで引っ張るように連れて行った

187:秋に花咲くキモチ3
08/02/26 00:39:47 ud2B8SjQ
エンドール「お待ちどうさま」


アリシア「わぁ~美味しそう♪頂きま~す♪」


マナ「・・・・・」


アリシア「マナも遠慮しないで食べてよ。今日は私のおごりで良いから♪」


マナ「・・・・・」


アリシア「…何かあったんでしょ?カイルと」


マナ「あ…」


アリシア「話してみてよ。力になれるかもしれないし」


マナ「…絶対、絶対誰にも言わないって約束してくれる?」


アリシア「あのねぇ…私は占い師よ。守秘義務は守るわよ」


マナ「…あの…実はね…この前…カイルの


マナはアリシアにこの間あった事の全てを打ち明けた


アリシア「ふ~ん…大体分かったわ。でもあんたも随分大胆な事をしたわねぇ…」


マナ「…うう…言わないでよぉ…」


アリシア「…で、どんな顔して会えば良いか分からないって所かしら?」


マナ「…うん…それになんだか避けられてるみたいだし…」


アリシア「いっその事自分の気持ちをぶつけてみたら?」


マナ「え?でも…もしダメだったら?」


アリシア「…これ以上状況が悪くなるとは思えないけど?」

188:秋に花咲くキモチ4
08/02/26 00:42:03 ud2B8SjQ
マナ「…そうよね。分かったわ。頑張ってみる。」


アリシア「…それにさ…」


マナ「それに??」


アリシア「…これはある意味チャンスかもよ?」


マナ「どうして?」


アリシア「…彼は確かにアルヴァーナの色々な女の子と仲良いけど…何ていうのかな…」

マナ「?」

アリシア「彼って…女の子をあまり意識してないみたいなのね。全然カッコつけたりしないで男の友達と同じように別け隔てなく付き合ってるから…今回の事で彼の心に火を付けられたかもしれないわね」

マナ「…避けられてるのに?」

アリシア「…多分そうだから避けられてるのよ」

マナ「…え?」

アリシア「彼は記憶が無いのよ。もちろんこれまでに好きな女の子との思い出もあったでしょうけど…そういうのも全て忘れちゃってるから…きっと戸惑ってるのよ」

マナ「あ…」

アリシア「…まあでもそんな純粋な彼だから女の子にも人気があるのでしょうね」

マナ「…」

アリシア「だから…あなたも彼を好きになったんでしょ?」

マナ「うん!」

189:秋に花咲くキモチ5
08/02/26 00:43:46 ud2B8SjQ
一方のカイルと言えば…

相変わらず仕事が上手く行かず無駄な動きが多いためすっかり疲れてしまった。
カイル「はあ…どうしたんだろう?僕は…」

ジョウロを投げ出し牧草の上に寝転がる。

牧草の香りと涼しくなった風が心地よい。

こうして休んでいる間もマナの事が頭に浮かんで来る。
仕事が上手く行かない理由は分かっている。マナだ。彼女の事しか頭に浮かんで来ないのだ。街ですれ違っても心臓が飛び出しそうな程鼓動が激しくなる。
しかし彼には記憶がない…この気持ちの正体に気付けないのだ。

誰かに相談しようと結論を出したが…誰にすべきか?
彼は思考を巡らせある人に行き着いた。

ゴードンさんだ。彼なら聞いてくれるに違いない。
そして正しい結論に導いてくれる。
そう決めると彼はジョウロを片付け、街の教会に向かって走って行った。

カイル「ゴードンさん!」
ゴードン「おう、カイルか?どうした?俺の説教を聞きに来たか?」

カイル「いえ、違います!ゴードンさんに聞いて欲しい事があるんです!」

ゴードン「悩みの相談か?いいぜ、聞こうじゃないか」


190:秋に花咲くキモチ6
08/02/26 00:45:59 ud2B8SjQ
さて…何から切り出したものか…カイルが悩んでいると…
ゴードン「話にくいのか?ならばこうしよう」

カイル「?」

ゴードン「俺がお前に質問をしていく。お前はそれに答えるだけだ。いいな?」

カイル「はい」

ゴードン「お前は何か困っている事がある。そしてそれを俺に話して解決策を探しに来た。そうだな?」


カイル「はい」

ゴードン「うむ。そしてその困った事を一つ挙げてみろ」

カイル「…仕事が上手く行かないんです」

ゴードン「うむ。その原因は分かるか?」

カイル「…マナだと思います」

ゴードン「ほう。マナが四六時中付き纏うのか?」

カイル「違います!…いえ…違わなくも無いんですけど」

ゴードン「…つまりお前の心の中にマナが付き纏うと言う事だと思うのだが違うか?」

カイル「…はい。」

ゴードン「それでお前はその心の中のマナをどうしたいのだ?」

カイル「…教えて欲しいんです。どうして僕はこんな事になってしまったのか?」

ゴードン「…お前…本当にそれが何か分からないのか?」

カイル「はい…もしかしたら病院に行った方が良いような病気なんですか…?」

191:秋に花咲くキモチ7
08/02/26 00:47:22 ud2B8SjQ
カイル「街でマナとすれ違っても急に鼓動が激しくなっちゃうし…」

ゴードン「…ああ思い出したぞ。お前には記憶が無いんだっけか」

カイル「…はい。」

ゴードン「…道理で鈍いわけだ。マナも苦労するな」

カイル「???」

ゴードン「…話が逸れたな。本題に戻そう。カイル、お前は病気にかかっている」

カイル「…え…」

ゴードン「それもとびっきり重いヤツだ。ワイングラス片手にお供を付けて赤絨毯歩けるくらいタチの悪いヤツだな」

カイル「…そんな…」

ゴードン「お前の病名はな…『恋の病』だ」

カイル「……え?」

ゴードン「お前は…今マナの事が好きで好きでたまらないのだろう?」

カイル「…でもマナは前から好きでしたけど…?」

ゴードン「…違う。そうじゃない。例えばそうだな…確かマックスやレイとも仲が良かったよな?」

カイル「はい」

ゴードン「あいつらの事は好きか?」

カイル「そりゃそうですよ。大切な友達ですから」

ゴードン「その『好き』と今のマナに対する『好き』は一緒か?」

カイル「…あ…」

ゴードン「違うだろう?その『好き』ってヤツがな、カイル。人を愛するってヤツなんだよ」

192:秋に花咲くキモチ8
08/02/26 00:48:49 ud2B8SjQ
カイル「ゴードンさん…僕はどうしたら…?」

ゴードン「簡単じゃねぇか!マナに自分の気持ちを伝えるんだ」

カイル「…でも…」

ゴードン「安心しろ。マナもきっとお前の事が好きなはずだ」

カイル「ええっ!?何で分かるんですか!?」

ゴードン「そりゃあ…大体マナの様子見てれば分かるからな…」

カイル「そうなんですか!凄いなあ」

ゴードン「いや…あれで気付かないって方がどうかしてると思うぞ…」

カイル「…あはは…はぁ…」

ゴードン「とにかく胸張って張り切って行って来い!」

カイル「はい!ありがとうございました!」

ゴードン「礼なんていらねぇよ。感謝するならここでマナとお前の結婚式を挙げてくれ。それが最高の礼だ!」

「はい!」

カイルが出ていった後…ゴードンは一人呟く

ゴードン「…ふっ…若いってのはいいな。久々に色々思い出しちまった…」

ゴードン「…なあ、お前。」

そういってゴードンは壁に架けられた絵の中で美しく微笑む婦人に目を向けた。

193:秋に花咲くキモチ9
08/02/26 00:50:40 ud2B8SjQ
カイルは牧場に戻り、今日も出荷物の回収に現れるであろうマナを待っていた。

牧場に夕焼けの紅い光が差し込む頃、彼女は現れた。

カイル「マナ~!」

マナ「…カイル?…どうしたの?」

カイル「…マナ…大事な話があるんだ…」

マナ「…え?」

カイル「…マナ…僕は…僕は…マナの事が好きなんだ。好きで好きでどうしようもないんだ!」

マナ「…カイル…」

カイル「…だから僕と…結婚してほしい!」

マナ「…はい。喜んで…」


カイル「!?なんで泣いてるの…?」

マナ「…違うよぉ…嬉しくて泣いてるの…」

カイル「…マナ…」

マナ「…ずっとずっといっぱいアプローチしたのに…カイルったら全然気付いてくれないんだもん…」

カイル「…ごめん」

マナ「やっと気付いてくれたのね…」

カイル「うん…」

マナ「…嬉しいよぉ」

カイルは泣きじゃくるマナを抱き寄せてキスを交した。

夕闇の迫る牧場に二人の重なる影が静かに伸びていた。


続く

194:名無しさん@ピンキー
08/02/26 00:53:16 ud2B8SjQ
如何だったでしょうか?
会話文形式が殆んどで小説とは呼べないシロモノになってしまったかもしれませんね(´・ω・`)

相変わらず素人文脈ですし…
読んで頂けたら嬉しいです

195:名無しさん@ピンキー
08/02/26 01:24:55 rLhvcpfj
セリフでキャラがきちんと判別できるから「」の前に名前を付けるのはいらないんじゃないかな。
内容はGJ。マナのネタ以外のSSは切望していたよ。このまま続けてくれー

196:卒業 ◆d2QaWdg0VU
08/02/26 04:59:30 5K0It4Y5
まいど、どうも。
前回はふざけた作品を投下してしまいすまなかった。
マナファンの気分を害したなら心から謝りたい。
また、あんな作品にもGJをくれた人たちに心から感謝を。

194氏は超GJです。
俺がマナを書くとどうしても脇役になってしまうので、
氏のマナSSにはマジ萌えました。
続きも超期待してます。

今作なんだけど、本当はユエ物を投下したかったんだが、
ちょっと今あまりに難航しすぎててまだしばらく完成しそうにない。
ので、気分転換と真面目路線のリハビリを兼ねて、セシリア物を書いてみた。
だが、正直展開が急すぎて微妙かもしれない。
ずっと書きたかったネタなんだけど、うまく形にする事が出来なかった。
自分でも練りが足りないとわかってはいるんだが、推敲を繰り返しても
今の俺の実力ではこれ以上のものに出来なかった。
構成がしょぼいのは毎作のことでホントに申し訳ないと思うが、容赦して欲しい。
また、生暖かく読んでもらえれば幸いだ。

あ、文脈から一応わかるとは思うけど、最初の少女は娘ですハイ。
8歳になるのかな? 年代的に。
まあ、イメージとしてはカノンっぽいのを想像してもらえれば。
母親譲りの明るくて人懐っこい娘です。

197:卒業1 ◆d2QaWdg0VU
08/02/26 05:00:23 5K0It4Y5
「うーん…、やっぱり僕は残ろうか…?」
「もう、今さらなにいってるのよぉ! お父さんが行かないと意味ないでしょー!」

春の晴れた朝、さわやかな日差しの中。
しかしそれに相応しからぬ喧騒がひびく。

「お父さんが行かないとセシリーお姉ちゃんがっかりするよ? 行くって手紙出しちゃったんでしょ?」
「うーん、それはそうなんだけど…。でもお前を残していくのはやっぱり心配だし…畑の世話もあるし…」

困り顔の青年に、隣の女性が切り出す。

「ねえラグナ、ラグナはやっぱり行ったほうがいいと思うし、あたしが残るわよ」

だが、少女はそれを聞いてますます怒り出す。

「もぉー! お母さんまでそんなこと言うー! 畑の世話とかはちゃんとやれるから大丈夫だってばぁ!」
「「うーん…」」

顔を見合わせて悩む二人。
その時、後ろから声がかかった。

「大丈夫ですよ。コルネちゃんはあたしがちゃんと面倒みますから」

そう言いながら、ミストが歩いてきた。

「そうだよ! ミストおばちゃ…じゃなくてお姉ちゃんがいるから大丈夫だって!」

少女はミストの側に駆け寄り、大丈夫だという事をアピールする。

「お父さん達は新婚旅行にも行けなかったんでしょ? 折角の機会なんだから楽しんできてよ!」
「そうですよ。畑の管理はあたしたちがやっておきますから安心して行って来て下さい」

二人の言葉に、夫婦も決心したようだった。

「うーん、それじゃあ言葉に甘えようか?」
「そうねぇ」

夫婦はそう言って、旅行用の大きな荷物を担ぎ上げた。

「それじゃコルネ、行って来るね。ミストさん、コルネをよろしくお願いします」

ミスト達もにっこり笑って二人を送り出す。

「いってらっしゃい! セシリーお姉ちゃんによろしくね!」
「お気をつけて行って来て下さいね。ラグナさん、メロディさん」

そうして、笑顔で手を振るミストとコルネを後ろに、ラグナとメロディはラッセルの待つ図書館へと向かったのだった。


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