寝取り・寝取られ総合スレ7at EROPARO
寝取り・寝取られ総合スレ7 - 暇つぶし2ch247:名無しさん@ピンキー
08/03/11 00:36:21 QLlfnGQ/
しっかし「一番悪いのは風岡だ」つー類のレスが付かん当り風岡は読者的には当て馬程度な役割なんだなあw
氏ねとか車に撥ねられろとか阿部に掘られろとかはあるみたいだがな。

248:名無しさん@ピンキー
08/03/11 00:53:22 bVrSmZw4
風岡に悪いとこはないからな。
ヤスタケが勝手に嫉妬して突っかかってるだけだし
今のところは。

249:名無しさん@ピンキー
08/03/11 00:59:41 aCawMk3w
落ち着いて改めて読み返してみると龍介が不気味だ。
調教というより洗脳という表現が合うような真琴の振る舞いだもんな。
マジで着地点どうする気よ?>職人

250:名無しさん@ピンキー
08/03/11 01:04:14 fDWR8ewG
いや、頼んでも無いのにハメ撮り画像見せられたり
野外プレイにつき合わされたり散々だろw
主人公にしてみたら、二人で勝手にやってろって感じだ。

251:名無しさん@ピンキー
08/03/11 01:08:21 ZlpSTpOi
でもヤスタケには「横からかっさらわれた感」があるからもう最後まで付き合うしかないんですよ。

252:名無しさん@ピンキー
08/03/11 01:17:29 M2OBcAve
素晴らしい構図だな。
俺はこの寝取りに感動して軽く泣いた。
ビューティフルだ。

253:名無しさん@ピンキー
08/03/11 01:25:19 IQInQz8o
>>250
ヤスタケはハメ撮り画像で思いっきり抜いてる。
ここら辺がばれたら、真琴は二度と帰ってこなさそうだw


254:名無しさん@ピンキー
08/03/11 01:40:07 716wkCbE
そのあたりは職人におまかせするしかないね。

255:名無しさん@ピンキー
08/03/11 06:34:51 YMAAdUzv
蝶BADENDでおながいします。

256:名無しさん@ピンキー
08/03/11 07:31:58 WfL/mnwS
蝶逆襲ENDでおながいします。

257:名無しさん@ピンキー
08/03/11 07:47:26 gXOJYBvV
>>231
乙。どんなラストであれ職人の書きたいように悔いのないように書いてほしいな
こういう良作を見ると自分も何か書いてみたくなってくるな

258:名無しさん@ピンキー
08/03/11 08:20:00 OgFNQAxO
これだけ長くて良い書き物は寝取られ部分の切り抜きだけの幕切れには
なって欲しくない。結末とその後を書いて完結して欲しいのは要望


259:名無しさん@ピンキー
08/03/11 14:42:59 K8KII0EB
真琴が風岡に堕とされた過程が読みたい!!
そこが読めれば、この後の展開がどうなろうと大満足です。

260:名無しさん@ピンキー
08/03/11 16:50:15 aCawMk3w
>>259はNTRが好きなのかと問い詰めたい

261:名無しさん@ピンキー
08/03/11 17:14:44 QLlfnGQ/
>>260
『知らない内に自分の手の届かない所まで
自分の好きな娘が調教されちゃいました』
ってシチュエーションもNTRの1要素と思うし、
俺は解らないでもないぞ。

262:名無しさん@ピンキー
08/03/11 17:53:30 T0Bqenxl
ヤジロベイもどきへたれ杉

263:名無しさん@ピンキー
08/03/11 18:04:22 NYjU7DLr
ヤスタケがトテモ自故中なすとーかーや労に見えたのは俺だけか?


264:名無しさん@ピンキー
08/03/11 18:05:15 HiUAyHiu
半ば強引に犯す最中で言葉巧みに思考誘導したんだろうな~。

不意打ちでファーストキス奪って「空手実力者なのに抵抗しなかったのは俺のことが好きだからじゃない?」
と錯覚させて
処女喪失のショックで頭が真っ白になってる最中に「もうヤスタケ君のところへは戻れないよ。君もわかってるんでしょ?」
と決め付ける。
そういう風にして気丈な彼女の精神をグズグズに溶かして自分に身も心も依存させたんだろうなぁーニヤニヤ

265:名無しさん@ピンキー
08/03/11 18:32:21 dpiBLePJ
今一かなぁと思えたお話も最初に主人公と真琴の日常パートからしっかり描いた後に
>>264の描写を描いての寝取られ作品なら神作品になっていたのだろうな。

266:名無しさん@ピンキー
08/03/11 19:21:51 sRlGVNKn
真サンタ、マダー?

267:名無しさん@ピンキー
08/03/11 19:30:51 AetYWGeM
本来結ばれるはずであった二人が寝取り野郎のせいでズタズタになるのは確かにくる。
けど、それを乗り越える描写もスカっとしてて大好き。
この掲示板的には寝取られ後の寝取りということになるだろうが。
踏ん張りどころだなw作者もヤスタケも。

268:名無しさん@ピンキー
08/03/11 19:36:42 QLlfnGQ/
>>267
紆余曲折を経て元鞘ってのも絆が強まった感があっていいな。

結局破局してしまうにせよ、取られた男が精神的に成長してくれたら
それはそれで救いになるとも思うな。

269:名無しさん@ピンキー
08/03/11 20:29:05 OgFNQAxO
元鞘嫌いの人もたまにこのスレで見かけるけど、寝取られあっての元鞘は大好き

270:名無しさん@ピンキー
08/03/11 21:26:22 yFjgeci7
そうは言うけどこのスレで元鞘ネタなんてあったっけ?

271:名無しさん@ピンキー
08/03/11 21:32:04 QLlfnGQ/
>>270
ここに来て日の浅い俺は見た事は無いな。
しかし有ったら有ったでそれも面白いと思う。

272:名無しさん@ピンキー
08/03/11 21:37:02 Kb7vPQzA
でもその辺書き込んでくと、嫉妬・三角関係スレと区別つかなくなってくるんじゃ…
まあ、内容がカブってるスレなんて他にもいっぱいありますけどね

273:名無しさん@ピンキー
08/03/11 21:55:40 AetYWGeM
寝取られのエロをピックアップしてたり、主人公がヘタレだったりする話ばかりだからな。
今回の話みたいに頑張ってる主人公や、比較的きっちり状況や心情が描写されてる話は見たことないし。
丁寧に描写されてる分、寝取られで救いようのない結末には逆に違和感を感じるかもね。
こっから元鞘な話にもってくには主人公のもう一段階の覚醒が必要だけどw

274:名無しさん@ピンキー
08/03/11 23:15:14 SY5epOlx
何気に真面目に語り合ってていいスレだな
これもいい作品が投下されたおかげか

275:名無しさん@ピンキー
08/03/12 00:22:47 xu13699R
こっち絶望の底に落としてくれるような展開を期待してるぜ!

276:名無しさん@ピンキー
08/03/12 00:25:25 PJg7k9eU
絶望の底どころか解脱してしまいたいね!

277:名無しさん@ピンキー
08/03/12 08:00:01 SH3IT+Tw
風岡はどうでもいい存在だな。寝取り小説でもないしね
主人公からみれば憎悪しかないんだろうけど

278:名無しさん@ピンキー
08/03/12 09:15:35 WEtpjd6e
作者も混じってヨイショしてるからなw

279:名無しさん@ピンキー
08/03/12 12:53:36 fX+zyfyj
>>278
自分好みの展開にならなくて口惜しい脳~ですかw

280:名無しさん@ピンキー
08/03/12 13:20:29 0w8tl+PE
突然風岡に捨てられ、真琴が泣きながら主人公の所へ
そのまま昔話で盛り上がりエッチして付き合うことに。

その後、風岡が真琴の前に現れ主人公に内緒でエッチする。
風岡がメールや電話、ビデオなどで主人公に報告。

真琴は普段通り主人公と接する。
真琴は主人公にばれていると思わない。

その後も主人公の目の前で真琴の携帯にメールが入る。
風岡は主人公とのデートの日を中心に真琴にメールを送る。
主人公に嘘を言って風岡のところへ行く真琴。
しばらくして風岡からメールが入る。
メールに画像が添付されている。風岡とのキスシーン。

主人公は真琴との恋人の関係が壊れたくないがうえに、
真琴と風岡とのエッチを黙認する。

真琴は風岡とのエッチした次の日は、いつもかわらず普段通り明るく
接するのだった。主人公に申しわけないそぶりはひとつもみせずに。



281:名無しさん@ピンキー
08/03/12 13:33:55 0w8tl+PE
真琴はデートの日、よく遅刻するようになった。
10分~30分。長くて1時間とか。
それは、全て風岡とやっているからだ。

全て写メールなどで風岡から報告がくる。

その後、なにくわぬ顔で真琴が遅れてごめんとやってくる。
そのなにくわむ顔をした10分前までお前はあいつのちんぽをしゃぶっていたんだろ。
それを喉まででかかったが、やはり真琴と別れたくない気持ちが強すぎて
声に出す事はできない。

真琴が俺が怒っているのかと心配になり、
ごめんねと顔を近づけキスをする。

かすかだが精子のニオイと味がしたようなきがした。


というオチになってくれたら俺好み。



282:名無しさん@ピンキー
08/03/12 13:37:19 Gl4PmKGK
>>280
そこまで妄想できんならSS書いてくれ

283:名無しさん@ピンキー
08/03/12 13:57:39 sbApfXcK
嫌がらせじゃないんなら、投下中の作品のそういう長文妄想やめようぜ。
作者が書きにくくなりそう。


284:名無しさん@ピンキー
08/03/12 19:41:44 cmtFAfV8
アンチも涌くようになったら本物

285:名無しさん@ピンキー
08/03/12 21:56:41 K+OyyWWu
このスレで困難乗り越えて元鞘の清々しい後味の小説は読んだことないわけよ。
寝取り寝取られなんでどうしても憎悪が伴うから。
でも、雨の中傘を差さずに踊る人間がいてもいいと思うんだ。
つまり今回に限っては寝取り返しを読みたいわけさ。

286:名無しさん@ピンキー
08/03/12 22:03:09 45F/eiVB
自分で書けばいいじゃない

287:名無しさん@ピンキー
08/03/12 22:58:27 bBpvudmT
長文妄想の人もSSの才能有りまくりだよ
オリジナル作品を読ませて欲しいよ

288:名無しさん@ピンキー
08/03/12 23:04:14 HwifRk7b
大きなヤマ場を迎えてるから後でね。
仮に>>280が良SSを投下したとしても今のタイミングでは嵐扱いされかねないよ。

289:名無しさん@ピンキー
08/03/13 01:07:48 MuUWd/ti
なんでだよwそんな自分勝手なルール作るなよ

290:名無しさん@ピンキー
08/03/13 03:57:35 CRsiESmy
展開の予想や改変やめれ、なら分かるんだが
オリジナルの投下も後にしろっておかしいだろw

291:名無しさん@ピンキー
08/03/13 04:08:09 JtfXMf9F
まあおまいらケンカなんて下らん事してないで仲良く職人の投下を待とうぜ。

雰囲気悪いと投下する方も気が引けるだろうぜ。

292:名無しさん@ピンキー
08/03/13 07:43:04 zQS/goTp
とりあえず幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeYは投下した後
日の終わりにでももう一度なんでもいいから同じIDでレス書き込め。

293:名無しさん@ピンキー
08/03/13 07:48:07 JtfXMf9F
>>292
それって何の意味があるんだ。
逃亡防止とかか?

294:名無しさん@ピンキー
08/03/13 07:53:42 9XCgGpL1
>>292
自演を疑ってるみたいだけど、それって意味あんの?
感想なんて人それぞれでしょ?

295:名無しさん@ピンキー
08/03/13 09:52:47 N8FdlrcU
>>280-281
マグロの一本釣りというサイトにそんなシチュエーションのっSが掲載されていた。
そこを紹介したかったのだが、もうつぶれていたようだ。


296:名無しさん@ピンキー
08/03/13 12:39:47 J2XZkI7X
『自演乙』荒らしが出てくるようになったら本物

297:名無しさん@ピンキー
08/03/13 12:57:09 omjIqp8M
>>295
またずいぶん懐かしい
あのスレどうなったんだろう

298:名無しさん@ピンキー
08/03/14 00:13:52 pGHGbAF/
>>295
アーカイブ探すからURLくれ

299:名無しさん@ピンキー
08/03/14 00:24:40 nhql+krm
295じゃないけど…

つ URLリンク(members2.jcom.home.ne.jp)
保存する前に消えちゃったんだよなぁ
割とすぐに消えたからWebArchiveではHitしなかった


彼女or片想いの娘が犯られてしまうゲームを製作スル?
スレリンク(erocg板)

>786 名前:777 投稿日:2005/11/10(木) 00:15:45 Mn3UTOTt
>なんか混乱させてしまったようで申し訳ないです。
>自分としてはゲームにすることは考えてないですが、
>誰かがやってくれるならこれをプロットにするなり、
>改変するなりしてもかまいません。
>
>でもゲームにするのを考えてないのなら、
>エロパロのほうに投下すべきでしたね。
>板違いすみません。

作者は↑のように言ってるんだけど、再配布は駄目なんかね?
そもそも保存してる人がいるかも怪しいけど

300:名無しさん@ピンキー
08/03/14 00:30:30 qZIrvzKL
なつかしいなー、あれは絵もあってなかなかいい作品だった。
以前サルベージしようとしたけどうまくいかなかったんだよな・・・

301:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/14 11:30:28 8zSj0HnY
41.
「…風岡!」
俺は夢中で叫んでいた。
「もうやめろ、真琴に、これ以上…!俺は絶対、許さない」
風岡は、やれやれ、という表情をしてみせた。
「ここまでハッキリさせたのに、キミも分からないヤツだなぁ…」
真琴を泣かせるヤツは俺の、敵だった。ずっと、ずっと昔から。
「真琴、スカート下ろしていいよ」
風岡の許しを得て、真琴がのろのろとした動作で、スカートを元に戻す。
下を向いたままで、その肩は震え続けていた。
「…分かったよ」
風岡は言った。
「…僕を許せないなら、真琴のご両親に、全部話すといい」
予想外の発言だった。真琴の身体がぴくりと動いた。
「僕はそれで終わりだな。4月からの就職の内定は取り消し。大学も退学処分…。
「……」
「まあ真琴も親に大目玉を食らうだろうし、かなりデメリットを背負うだろうけどね…。
いずれにせよ、僕の将来は全部キミが握ってる」
真琴の背負うデメリット。その言葉は、俺を確実にたじろがせた。
「なのに、なぜ僕がキミに、ここまでしてみせると思う?」
まずい。また、風岡のペースに巻き込まれていく。そんな自分を感じた。
「僕が、真琴のことを本気で好きだからだよ」
嘘だ。俺は唇を噛んだ。
けれど、風岡のその言葉に、真琴は弾かれたように顔を上げた。
その表情には、明らかに、喜びの感情が浮かんでいる。
「僕としてはさ…ヤスタケくんが怖いんだよなぁ」
「…怖い?」
「うん。俺よりも真琴との付き合いは長いし、今でも真琴を想ってる。
いつ、真琴を奪われるか、分かったもんじゃない」
「…」
「そりゃあ、僕は真琴を信用してるけどね」
「僕も春からは就職だし…生活の基盤もできる。真琴との将来だって、数年後には…と、
真剣に考えてるんだ」
「でも、キミの真琴への強い執着を見ているとさ…真琴が、心変わりしてしまう可能性も
十分に」
「…そんなことないっ」
風岡の言葉を途中で鋭く遮ったのは…真琴だった。
「龍介さん…そんなことない」

302:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/14 11:33:19 8zSj0HnY
42.
真琴は、風岡をじっと見詰めていた。
「私、心変わりなんて…しない」
だめだ。俺は暗い絶望を覚えながら、そんな真琴に目を向ける。
風岡は、巧みな誘導で、風岡と真琴の恋愛に俺が横槍を入れている構図を
完成させようとしていた。
「…ヤスタケ、く、ん」
真琴が顔を上げて、こちらを見つめてくる。
「…私に、幻滅したよね…ごめんなさい…」
「真琴」
「でも、隆介さんの…言うとおり、だと思う」
「…」
「わたしたち、ずうっと幼馴染で…内心、ずっと好き同士だったよね…」
「真琴」
「でも、もうダメなんだよ。幼馴染以上になっちゃ…ダメなんだ」
「やめろよ…真琴」
「おねがい…私と、龍介さんを…そっとしておいて。それに…」
真琴は、小さいけれど、意思の通った声で言った。
「龍介さんは、大事な時期だから…」
「…真琴」
何でこんなことに。俺は混乱した。どうすればいいのか判断できない。
しかし、俺の選択肢が、極限まで狭められたことは分かった。
この状況で、俺が真琴との繋がりを保ちつづけるためには、真琴の純粋な
幼馴染に徹し、ふたりの恋愛を認めてやるしか、ない。
「…後悔…しないのかよ…ほんとに」
俺が力なく問いかけると、真琴は、やや間を置いて、そして、頷いてみせた。
二人を認めてしまった。俺と真琴はただの幼馴染であり、俺は決して真琴に
ちょっかいを出したりしない。そういう関係が、いま、成立したのだ。
「いやぁ、安心したよ、ありがとう」
風岡がそう言いながら、大げさなジェスチャーで俺に歩み寄ってきた。
「まあ、僕も少しやり過ぎたけれどさ…キミさえ分かってくれたら。
真琴のことは、全部俺に任せてくれていいから」
まるで親友に対するように、風岡は俺の肩を抱きかかえる。
そして、真琴には見えない角度で、にやりと俺に笑いかけた。
「…っ」
「まあ、悪いようにはしないからさ…これから、楽しみにしてなよ」
真琴に聞こえないほどの小声で、ヤツは俺の耳元に囁く。
そして、仲直りと言わんばかりに、俺の手をぎゅうっ、と握ってきた…。

303:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/14 11:36:30 8zSj0HnY
43.
俺と真琴は、帰りの電車の中にいた。
風岡とは、遊園地の最寄の駅で、別れた。
俺たちは、座席に隣り合って、ずっと黙り込んでいた。
都心から俺たちの住む衛星市の駅へ向う電車は、一日の行楽を終えて帰宅する
家族連れや、楽しそうなカップルでやや混み合っていたが、大きなベッドタウンの
駅を過ぎて、車内の人影は疎らになっていた。
(…結局、俺は風岡の仕組んだ舞台で、ヤツの思うように踊らされたのか)
敗北感と、この一日の疲れが、どっと押し寄せてきていた。
真琴の横顔を盗み見る。
俺と同じ様に疲れた表情ではあったけれど、その瞳には、全ての秘密を幼馴染と
共有し、認めてもらったという安心感のようなものが漂っていた。
「…ヤスタケ、くん」
やがて、真琴が、ぽつりと口を開いた。
「…二人きりのときは、ヤスタケ、でいいよ」
俺は言ったが、真琴は、少しだけ笑って、かぶりを振った。
その笑顔は弱気で、俺の知っている真琴の弾けるような笑顔でないことが哀しかった。

刷り込まれた風岡への“忠誠”。
それが、今の真琴のすべての行動の規範なのだろう。
「…ありがとう」
真琴は、それだけを続けた。
「…お前の、恋愛だし…。俺は、誰にも、何も言わない」
俺はそう言うしかなかった。けれど幼馴染としての忠告くらいは許されるだろう。
そう思って、言葉を続けた。
「でも、今日みたいな…あんな…何でも言いなりになるようなのは…良くない」
「…………うん」
「それに…ひ、避妊、とか…ちゃんと、してるのか?…」
俺の言葉に、真琴は少し驚いた表情になって、俺を見あげた。
その顔は、羞恥のせいで真っ赤に染まっている。
この表情を、俺のために、見たかったな…とふと思う。
「だってよ…お前だって…もう、あ、赤ちゃん、産める身体なんだろ…」
そんなことを言いたくはなかったのに。
なんでこんな分かったようなことを、大人ぶった台詞を俺は吐いてるんだ。
真琴の生理の周期すら知らないくせに。
けれど、俺は風岡に許された範囲で真琴との繋がりを持ち続けるしかないのだ。
「………そう…そうだよね」
真琴は、しばらく考えたあと、それだけを言った。
でも、その言葉は、真琴が避妊をせずに風岡に抱かれている、ということを如実に教えている。
「…ありがと、ヤスタケ、くん」
俺と真琴の関係は、「ただの幼馴染」として明確に定義された。

真琴とは家の前で、手を振って別れた。
俺は自分の部屋へ入りドアを閉めると、ズボンの右ポケットに手を差し込んだ。
その中にあるものを、取り出す。
俺は、無言で、手の中にあるものを見つめた。
あのロッカールームで、風岡が俺と握手する振りをして、握らせたもの。
それは、黒く細長い、USBメモリだった。

304:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/14 11:41:09 8zSj0HnY
44.
真琴を奪われる。
それは避けられないと知った瞬間から、俺の精神は、変調をきたしていたのだろうか。
もう真琴を恋人として奪い返すことは出来ない、と絶望した時から。
心の片隅に、黒く点った炎。俺はその炎から、目が逸らせなかったのだ。
真琴を思いやる気持ちを誇りにしていたはずの、俺が。
あのロッカールームで、動揺の真っ只中にいる俺に、風岡は、これを握らせた。
その時、俺の心の中をよぎったものは……邪な期待と、黒い欲求だった。
風岡が、内緒で俺に渡すからには、データ内容の察しはすぐに付いた。
このUSBを証拠に、もう一度、風岡を糾弾することも、俺には出来たはずだった。
「真琴、これを見ろ!お前は遊ばれてるんだぞ!」…と。
だが、それをしなかった。いや、たとえ、したところで。
…風岡は勝算なく、危ない橋を渡ろうとはしないはずだった。
思えば、俺は以前から、風岡に与えられた真琴の写真を、俺の汚れた欲望の
処理のために、使ってきているのだ。何度も、何度も。
風岡に抱かれる真琴の姿を見ながら、俺は、自慰を繰り返している。
そんな俺に、風岡を責める資格があるのか。
それに、そのことを逆に風岡から指摘されてしまえば。
俺の携帯には、風岡から時折送られてくる真琴の痴態が、もう十枚以上は
格納されていた。
つまり、俺はすでに、風岡と結託して、真琴を、凌辱しているも同じではないか。
その事実を、真琴に知られたら。
幼馴染でさえ、俺たちは、いられなくなるかも知れない。
(…真琴は、どうせ俺の手には戻ってこないんだ。)
そんな思考が、よぎった。
風岡の目が、狡猾に笑っていた。俺に悪魔の取り引きを持ち掛けて来ていた。
真琴を諦めろ、その代償に、真琴がどういう女か、俺が見せてやる、と。
俺は、その誘惑に勝てなかった。
ヤツが握らせたUSBをそのまま、俺は受け取っていたのだ…。
「なにが、避妊くらいしろ、だ…偽善者め」
俺は自分でも気付かぬうちに、ぽつりと、そう呟いていた。
一人の部屋に戻った時から、いや、真琴と別れた瞬間から。
俺の陰茎は、すでに、痛いほどに勃起していたというのに。
俺は部屋の電気を付けずに、パソコンを起動した。
モニターの白色の光が、やがて、俺の影を部屋の壁に黒く浮かび上がらせた。
そして俺は、手にしたUSBメモリを、接続口に差し込んだ。

305:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/14 11:43:27 8zSj0HnY
どうもです。
いや。もっと書き出す事前に構成をちゃんと練っておくべきだった、と後悔する日々…今回はきつかった。
エロなしでスミマセン。
皆さんからの書き込みを見せて頂いて「うわ~そうすりゃよかったよな~」と身悶えするも
もはや引っ込みはつかず、このまま突っ走るしかありませんがwww

いつも短い更新でスミマセン。とりあえず、ここまでで。

306:名無しさん@ピンキー
08/03/14 12:56:53 ocM3yTxN
おお、続きが来てる!
いつもながらGJですなあ、風岡の誘導が巧みというか…
勝手に巻き込まれた挙句
>おねがい…私と、龍介さんを…そっとしておいて
とか言われてるしww
ハメ撮りもらったら普通抜くし、罪悪感感じてる主人公が純粋で泣けるw


307:名無しさん@ピンキー
08/03/14 12:58:41 kLsmOh3u
GJJJ。
ヤスタケも落としたか……風岡の一人勝ちだな、こりゃあ。

308:名無しさん@ピンキー
08/03/14 13:01:07 6mTBDxVs
全てが決着の様相を見せたし、そろそろエピローグかな
こうなった以上、ヤスタケがどれだけ黒くなるかに期待
まあ、そうはいっても主人公も悪い奴ではないだけに今後に注目しておく

309:名無しさん@ピンキー
08/03/14 13:02:48 IG7750Up
いつもどおりの終わりになるかな?
黒いのも見てみたいがw

310:名無しさん@ピンキー
08/03/14 14:03:21 expGf9Fh
青さん乙

311:名無しさん@ピンキー
08/03/14 15:58:06 E6E4Uiz+
主人公も新しい恋でもすればいいのに…と、思う時があるけど
そう簡単にはいかないもんだよね、続きに期待してます。

312:名無しさん@ピンキー
08/03/14 17:31:15 abCh4i6n
俺が作者なら、風岡と真琴には地獄に行ってもらって、ヤスタケを幸せにするのに…
風岡、本当に死ねよ。
正直、ヤスタケを思うと、読むのがつらい。

なのに、全部読んでしまう。
誰か、俺を止めてくれ…

313:名無しさん@ピンキー
08/03/14 17:39:26 pur6LYSa
そろそろ他の男との性交を強要しそうだな


314:名無しさん@ピンキー
08/03/14 17:47:14 TVGMRtmZ
幼馴染寝取られなんか大好きだけど、嗜好とは別にイラつく展開だなこれは^^;

とりあえず作者GJです

315:名無しさん@ピンキー
08/03/14 18:15:42 jwyu2HaQ
煽りじゃなく、ここで終わったほうが良くない?
ここから先続けるなら職人の実力だけじゃなく精神力も試されるよ。

316:名無しさん@ピンキー
08/03/14 18:23:31 /C9rJGL3
むしろ俺らの精神の方が試される感じが

317:名無しさん@ピンキー
08/03/14 18:27:09 pur6LYSa
NTRとしては完結してるから、これ以上は調教モノだよな
調教モノも大好物だけど

318:名無しさん@ピンキー
08/03/14 19:06:51 B6JhUdrG
>>317
調教スレで昔そういうことを言い出すのがいて、ROCO氏の作品が未完
で終わったことがあった

319:名無しさん@ピンキー
08/03/14 19:18:28 jwyu2HaQ
>>318
住人が職人にいろんな要望をつきつけてSSを潰してしまった典型だったな。
しかも潰したSSがスレにそぐわんだの何だので延々議論してて呆れてものも言えんかった。
あの時、手が付けられない荒れ様を収めるためにROCO氏を呼んだのは実は俺なんだが、
自分たちで収拾をつけられなかった不甲斐なさを今でも悔やむわ。

320:名無しさん@ピンキー
08/03/14 19:21:00 ZnzHC9lN
前スレのサンタも無理やり終わらせた感があったけどね。

321:名無しさん@ピンキー
08/03/14 20:57:46 kLsmOh3u
正直どっちも譲り合うしかないと思う。

読者側は望まないor俺の提案の方がいいのいけるぜ!展開になったとしても、
よほどスレの主旨から外れない限り注文するのを控える。そういうの読みたければ自分で書け精神で。
職人もあれこれ言われたとしても、自分の書きたいものを書く。
小出しで掲示板に書いていく以上、何か言われるのは避けられないだろうし。

読みにくい且つ偉そうな文すまん。つーわけで以降ROMる。

322:名無しさん@ピンキー
08/03/14 21:08:55 6mTBDxVs
>>317
それ以外の展開も普通にあるのに、その断言はおかしい


323:名無しさん@ピンキー
08/03/14 21:48:07 XbwTfAjH
ね~?
真琴ローター入ったまま帰ったの?

324:名無しさん@ピンキー
08/03/14 21:51:22 1zHYlEeJ
      ,一-、 
     / ̄ l |   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
    ■■-っ < んなーこたーない 
    ´∀`/    \_______ 
   __/|Y/\. 
 Ё|__ | /  | 
     | У..  |

325:名無しさん@ピンキー
08/03/14 21:57:05 jwyu2HaQ
>>321
まあおちつけ。今更言ったところで昔から変わらんよ、ここは。
多少妄想要望があったとしても焦って首を突っ込まんことよ。

とは言ったが、USBメモリの中身を想像することだけはしないほうがいいかもね。
職人への礼儀と、自分たちの楽しみを残しておくために。

>>323
もはやどっちでもいいような流れでないかい?

326:名無しさん@ピンキー
08/03/14 22:04:24 pur6LYSa
>>322
言葉が過ぎた、すまね

327:名無しさん@ピンキー
08/03/14 22:54:32 CkFp5T/o
お前らNTRスレ住人なのに何でこんなに寝取られでダメージ受けてんの?

328:名無しさん@ピンキー
08/03/14 23:07:43 JJGiJYx5
>(…真琴は、どうせ俺の手には戻ってこないんだ。)

これこそが寝取られ。
キター!続編キター!!

心の思うままに書き進めてください。お願いします。

329:名無しさん@ピンキー
08/03/14 23:57:52 2PUKvY+h
GJと言うほかありませんな
これだよ・・・この喪失感・・・

330:名無しさん@ピンキー
08/03/15 00:09:41 t9+044EN
ああ、駄目だ・・・今回は全部を読めない
良い意味で若干描写を読み飛ばした
心が軋む・・・読んでいて辛い・・・目を背けたい
じっくり読むのは明日の楽しみにとっておこう
この感覚こそがNTRですよ

331:名無しさん@ピンキー
08/03/15 00:42:00 LOwWrnfa
思い人を病気や事故以外で自分の元から失うのが寝取られ…
故に切なくなれればいい小説の証だな。しかし、物語の結末としては別だけどね

332:名無しさん@ピンキー
08/03/15 00:52:31 q1rjH0ZV
>>327寝取られでダメージ受けるからこそ、このスレにいるんだよ。


333:名無しさん@ピンキー
08/03/15 01:55:41 XjVnGJ5q
>>332
俺はダメージは受けたくない派だけどね。
NTR好きな人はやっぱりそのダメージを楽しんでるんだろうなぁ。
俺はただ好きなやつがいるとかで最初拒んでたのが…ってのが好きなだけだから本当はここにいるべきじゃないんだろうけどね

334:名無しさん@ピンキー
08/03/15 02:46:16 VnCFEJS/
いや、これはその、あれだ。
女の子が「キャッ」とか言いながら手で顔を覆ってるフリをして、
実は指の隙間から見ている、みたいな。


うーん。
個人的にはNTRは完結してから読んだほうが精神衛生上良いのかもしれん。
でも見ちゃうんだよな。このスレ。


335:名無しさん@ピンキー
08/03/15 05:23:35 Hp0PXO6j
GJ―――っ!!

336:名無しさん@ピンキー
08/03/15 06:00:42 PQFKMUWa
俺はこの作品を読んで
寝取られる過程が大好きなんだと確認できた。

337:名無しさん@ピンキー
08/03/15 06:47:55 phLya+oV
ふつーのスレは細切れ投下は怒られがちだけど

モンモンとするのが好きなここの住人的にはむしろおk

338:名無しさん@ピンキー
08/03/15 08:49:21 c8kJxK86
寝取られ小説を、寝取り男側に感情移入して「寝取り小説」として楽しみたい俺は、早く完結して欲しい派なんだよね。
スレの雰囲気で、けっこう良さそうな寝取られ小説なんだなぁと推測はしているけど、本編は読まないようにしている。
完結が楽しみ。

339:名無しさん@ピンキー
08/03/15 09:20:14 FexnL+8J
寝取り男といえば、風岡のキャラはある意味リアリティあるな
人の幸せを邪魔したり、ぶち壊してニヤニヤする屑は実在する
別に現状に不満があるわけでも相手が憎いわけでもないのもリアル
まぁ、実際はそんなの嫌われたりスポイルされるわけで、同年代の女には
そういう性根が透けるため相手にされず、バイト先の少女で歪んだ欲望を
晴らしてるというところかw
避妊せずヤってるのは伏線だと思うので、どうオチが付くか楽しみ

340:名無しさん@ピンキー
08/03/15 15:11:34 SNoYqyjb
そういえばサンデーの水泳漫画で兄弟間NTRがあったような

341:名無しさん@ピンキー
08/03/15 17:14:00 f8SNNkHr
いつの話だ

342:名無しさん@ピンキー
08/03/15 21:07:02 r6b8UlHS
>299
サンクス

343:名無しさん@ピンキー
08/03/16 02:03:02 Z/jkLwGy
ちょっと前のモーニングで厳密にはNTRではないがNTRと言えなくも無いやつがあったな。
あーいるいる、こういうオツムも股もゆるい女ってorz
って感じだった

344:所有物
08/03/16 04:22:21 rcKdL2JV
「俺としてはお前の心と身体がほしいわけじゃないんだ、お前の身体だけが目的だからな。
だからあいつのことは好きなままでいいんだよ。まあ、あまりの気持ちよさに身体だけじゃなく
心も俺の物になっちまっても俺はかまわんが。」
「ふさげないで、たとえ何度脅迫であなたと寝たとしても、
心が変わるなんてことない!」
「そうかな。意外とエッチの相性で堕ちる女は結構いるぜ」
「もしそんな女がいればそいつはエッチで好きな人が変わるただの頭のゆるいバカ女よ!」」
「言うね。じゃあ、もしお前が心まで俺のモノ『所有物』になったら好きにさせてもらうぜ。」

「……くっ、人をモノ呼ばわりしないで……」
ヒロインは寝男を睨みつける。並みの人間なら目をそらすだろう。

「所有物になるまえなら、あいつにばれるような変な注文はしないからな。」
「約束よ彼にはばれないようにするって」
「ああ、約束だ。だがお前も守れよ、あいつにばれない心配がなければ、俺のいう命令には必ず従うとな。」
「わかったわ」
「これからが楽しみだぜ。その凛とした表情が堕落するのがな。
いつでも呼び出せば来る。便利な性欲処理便器になるのがな。」


僕の元には寝男が送りつけてきたビデオテープ12巻ある。
そして、今ヒロインはいない。

僕はこの1巻の冒頭だけをみて、次に11巻目をセットする。

そこには、あいつとヒロインが正常位でエッチしているシーンだった。

「あひぃ、んはんああああぁあ、気持ちいイですぅん」
「くくく、いい声出すようになったよな、最初の頃なんか感じてることがばれないようにって、
声なんて一言も発しなかったのによ。それが今じゃこのおんぼろアパートの全部屋の住民に聞こえるぐらいの
声だからな。」
「だあぁあってえぇえ、こ、声を出した方が気持ちいいんだもん。
我慢んすることなんてできなぁぃぃいいいぃよおおぉ。
そ、それにね、私のクチ我慢ができないんだもん。
喘ぎ声や卑猥なセリフ、もっともっと喋りたいの、叫びたいのおぉぉ~」

「ほら、キスしてやるから口を大きく開けて舌を伸ばせ、唾液を飲ましてやる。」
「ふぁああい…」

寝男の唾液が次々とヒロインの口の中へ入っていく。

「ほら俺の唾液でうがいをして味わって飲み込めよ。」

寝男のいわれたとおりヒロインはグチュグチュもごもごと口の中で唾液を味わい飲み干した。
「よしえらいぞ。ほらお待ちかねのキスタイムだ。ほしいだろご褒美。」
「ふぁい、あい、ごほうびぃヒロインにくだひゃい。」

寝男は正常のまま上からヒロインに覆い被さりキスをする。
ヒロインは両手を寝男の背中にまわして力いっぱい抱きつく。

じゅぶぶうぶぶぶぶ
ぶじゅうううぅぅぅぅうぅ

僕たちがしていたキスとはまるで違う。
ヒロインの唇をむしゃぶりつくあらあらしいキスが5分以上も続く。
途中何度もヒロインは喉をごくごくとならす。
多分、寝男の唾液をたくさん飲まされているのだろう。

345:所有物
08/03/16 04:23:01 rcKdL2JV
「よし次はフェラチオだ。俺が興奮する卑猥なのを頼むぜ」

僕はこのビデオの日付を見た。23日の午前中に撮られたものらしい。
この日は忘れもしない、この日の夜に僕は彼女と初エッチをした。
もちろんヒロインも処女だと思っていた。
人によって血がでるでないというのは知識で知っていたために血が出なかった彼女もそうなのかと。
なのに、このビデオに写る女性と僕の彼女のヒロインが同一人物であるなんて信じられない。

恍惚した表情でだらしなく舌をのばし唾液をちんぽにいっぱい垂らしつけているヒロイン。

その6時間後に、僕の部屋で普段不器用でなれない食事をヒロインが作ってくれに来たのだ。
そして、キスからはじまり僕達は初エッチをした。
そのとき、ヒロインはまったく声をあげなかった。
処女の痛みを僕に悟られまいと我慢しているかと思っていたけど、
寝男のちんぽは太くて長く僕の2倍はある。
このビデオを見た後ではただ単に気持ちよくなかっただけなのかもしれない。
僕の初めてのエッチはヘタでただ痛くないようにとできるだけ優しくゆっくり挿入して
このビデオのように激しいエッチはしなかったからだ。

ビデオ画面には、いつも強気で不器用なヒロインが、寝男のちんぽをじゅぼじゅぼと両頬をへこませ、
卑猥な音を立てながら激しく頭を上下に動かしている。

「くくくっ大分よくなってきたな、お前は料理はヘタだけど、フェラにかんしては上出来だ。
料理もフェラみたくはやくうまくなれよ。」
ヒロインは舌を亀頭から下にさがっていきお尻の穴まで舐めあげている。

「そうだな、フェラは俺のところで練習してうまくなったから、料理は彼氏で練習しろ。
料理は彼氏に食べさせ、彼氏が心からおいしいという感想を貰えたら俺にも作っていいぞ。
それまで俺はお前の料理は食べないからな。」

「わ、わかりました、かならず料理うまくなって主人公においしいって言わせて見せます。」

はは、そうかだからヒロインは僕に料理を……
ヒロインが料理を作ってくれたとき僕はとてもうれしかった。
彼女を傷つけまいとあの日嘘でおいしいといった。
その二日後ヒロインがまた料理を作りに来てくれたのだが、そのときすごく機嫌が悪かった。
なぜ機嫌が悪かったのか今まではわからなかったがこれも今はわかる。
あの料理を寝男に食べさせ怒られたのであろう。
ヒロインはまた感想を聞いてきた。
その日も僕は嘘でおいしいといったら、彼女は本当のことをいってっと、
すごい見たことない不自然な笑顔で包丁を握り締めていた。
僕がその視線に耐え切れず目線をはずしたことで彼女には料理がおいしくなかったことがわかり、
そのままその日はエッチをせずに彼女は帰っていった。


346:所有物
08/03/16 04:23:52 rcKdL2JV
ビデオの方はまだフェラをしていたあれから15分たっている。

「くく、一発目はクチにだすぞ飲み込め。」

じゅぶぶうっぶうぶっぶうぶぶっぶぶぶうっぶぶぶっぶぶぶっぶ
じゅぶぶぶぶううううううううぅぅぅぅ

ヒロインは精液を搾り出すようにちんぽを夢中で吸い上げている。
精液を出し終わり寝男がちんぽを抜く。

ヒロインは精液を一度手のひらに
出してそれをズジュズズズウズズと飲み干した。

唇の周りついている精液を唇満面に塗る。

「はぁ、すごく濃くて熱くて美味しいザーメン汁いっぱいいっぱい飲みました。
これで、またいつものように歯も磨かず口もゆすがないで主人公とキスしてきます。」

「それにしても彼氏はかわいそうだよな、ファーストキスは俺の精子の味つきニオイつきの唇だったんだもんな」
「はい、それからも寝男さんに言われたように主人公とキスする条件として私の唇に寝男さんの
精子が塗られていないかぎりキスはさせませんでした。」
「いつものように忘れずに俺の精子を首から下げているロケットペンダントに入れておけよ。
キスするときに唇についている精子が乾いてたら約束反故だからな。」
「はい大丈夫です、いつもキスする雰囲気とかになったら、見えないところで唇に塗ってますから」

ヒロインは大きくクチをあけて、ばぶっとちんぽを再びくわえ込む。

「へいひぃ、ひれいにしぼりだひまふぅ」

じゅるるるうるるるるるるるるるる

また一つわかったなぜあの日はキスが駄目で、なぜあの日はよかったのか。
彼女は機嫌ではなくて寝男との約束だったのか。

それに彼女と付き合った記念に僕はペアのロケットペンダントを買ってプレゼントしたんだ。
彼女はこんなの恥ずかしいと絶対つけないからな。と言っていたが、
デートの日は必ずつけてきてくれた。
その僕がプレゼントしたロケットペンダントに精子がはいってなかったから、
ヒロインは僕とキスしなかったんだ。

以前僕が彼女にロケットの中見せてと頼んだときは絶対に見させてくれなかった、
僕の写真が入っていると教えてくれただけで。
僕はヒロインの写真を入れているよと見せても、ヒロインは顔を真っ赤にして頑なに拒んだ。
そんなに照れることはないのにってあのときは思っていた。
でも、そのときはもうあのロケットには僕の写真が寝男の精液まみれにでもなっているんだろう。

僕がプレゼントしたあのロケットも、それにヒロインの唇も寝男の精子まみれだったのか。

それにこのビデオが送られてきたってことは、ヒロインは寝男の所有物になったって意味か。
その所有物になった告白がこの11巻目のこの続きか12巻目にあるのかもしれない。



347:所有物
08/03/16 04:26:24 rcKdL2JV
僕はこのビデオのことが、現実として信じられないでいる。
なぜならヒロインは今も僕と付き合っている。
これから13時に駅前で待ち合わせになっている。

時間は11時、僕はビデオを止めて風呂に入り
準備を済ませデートの待ち合わせ場所につく、
時間は約束の時間20分前だ。

彼女は時間に遅れてくることが最近はある。ビデオが届く前ならそんなことは一度もなかった。
ビデオで寝男が言っていた、所有物になるまえは僕にばれないようにしてやるみたいなことを。
ヒロインがあいつのモノになった今はもう、ヒロインはあいつのいいなりでヒロインの時間はすべて寝男中心になっているのかもしれない。

約束の時間から40分が過ぎた。
さすがに僕はヒロインの携帯に電話をかける。
「はぁはぁはぁ、しゅ、主人公?」
「ヒロイン今どこかな?」
「い、いま、は、はしって……い、いるところよ…もうすぐ…んはぁ…ん…つ、着くから…ご、ごめんね…」

ヒロインの声がとぎれとぎれに聞こえてくるこれはきっと走っているからなのだろう。
まさか寝男とやっている最中な訳ないよな。そう思いたいがそれは都合がよすぎだろう。
多分寝男とやっているに違いない。

「じゃあ、切るからね……主人公…」
「あ、待ってヒロイン」

プツ…ツーツー

そして、ヒロインが来たのはそれから1時間後だった。携帯に電話をしてもつながらなかった。
ヒロインは遅れた理由は昨日は友達の家でお泊りだった為に寝過ごしてしまったとの事。
さらに遅れたのは友達の内に財布を忘れていったん取りに戻って遅れてしまったと苦しい言い訳だった。

「本当にごめんなさい。」
「友達って誰かな? 」

いつもの僕はそんなことは聞かない。
けどあのビデオを見たらはっきりいって疑ってしまう。僕は彼女の表情の変化を見逃さない。

「友達は友達だよ…ほら、えっっと…幸子よ。幸子の家で泊まってたの。」
「じゃあさ、遅れてきたお詫びにさここで僕にキスしてよ。」

僕はいじわるをいってみた。

「いいよ……1時間以上も待たせたからね」

!?
今までの彼女だったら、「バッカじゃないの、こんな公衆の面前でできるわけないじゃない!」
と怒鳴ること間違いなしだった。
それにキスができるということは彼女は今日あの寝男の精子がロケットに入っている。

「ごめん、やっぱりここじゃ恥ずかしいから。」
僕はやっぱりキスをあきらめ、それからいつもどおりデートをした。
帰りに、昨日から両親が父の実家にいっているらしく家には自分一人だけだから、
遊びに来ないかな、と誘われた。

348:所有物
08/03/16 04:35:22 rcKdL2JV
僕はもちろんうなづき晩御飯の買出しに付き合った。
晩御飯はなぜか僕があまり好きじゃない辛いものばかりの料理だった。
それも今となってはわかること。深く追求しない。
ヒロインに僕が辛いものが苦手なことをもう一度いっておくと、
ごめんね。お父さんが辛いものが好きでちょっと練習してたの。
次は違うものを作るから。

「僕は辛いものは苦手だけど、おいしかったよ。辛いものが好きな人なら喜ぶんじゃないかなきっと。」
そういってあげたらヒロインはものすごく喜んでくれた。
きっとヒロインはあいつに食べさせるんだろうな。
けど、僕はあまりうれしくなかった。

僕は勢いよく席を立ち喜んでいるヒロインに強引にキスをする。

パン!

しかし、わずかに触れた所で突き飛ばされ平手うちをされた。
「強引にキスするなんて信じられない! 」

ヒロインは泣いていた。
あの強気なヒロインが寝男の約束をやぶってしまっただけで泣くなんて。

「悪いけど帰って……」
「ごめんヒロイン、そんなつもりじゃ」
「いいから帰って!!」

僕は何度も謝ったけど許してもらえず家に帰る。
家に帰ったら携帯で彼女にもう一度謝ろうと思い、ポケットに手をいれるがそこには携帯がない。
あれ、もしかして彼女の家に置いてきた?
きまづいが、ここは実際会ってもう一度謝れば許してくれるかもしれない。
時間もあれからだいぶ立つし少しは彼女も落ち着いてくれたかもしれない。

僕は彼女の家につきチャイムを押す。
しかし、何度押しても出ない。
電気はついているけど。
僕はドアを少し引いてみた。

ガチャ扉が開いた。
そこにはさっきまでなかった見慣れない靴があった。

(所有物 エピソード10 終わり)

ピッ…
「……わたし、ヒロインはあなたのモノになります……身体だけじゃなく心もあなたのモノになります。
おちんぽでお口にご褒美ください。クチマンコで気持ちよくなってください…
おちんちんでアナルを激しくお尻の穴がめくれあがり卑猥なケツになるまで激しくついてください、
ぶっといペニスで熟女に負けないイヤラシイオマンコに改造してください。
愛します。寝男さんの全てを……ヒロインを寝男さんの所有物として扱ってください。」

ピッ……
「主人公いっとくけど、私はお前に告白されてしかたなく付き合うんだからな。
みんなに聞かれても絶対私から告白したなんて言うなよ。
お前が泣いて土下座までしてみせたからってそういう設定だからな。
あっ、おい、待て先に行くな! 約束だぞ! 何笑ってんだ!
いったら殴るぞ! グーで! 拳で! パンチで! 顔面だぞ!」


━終わりです。



349:名無しさん@ピンキー
08/03/16 04:52:55 vPNeKUSm
面白かったけど、名前は何とかして欲しいな。


350:名無しさん@ピンキー
08/03/16 04:59:20 Z/jkLwGy
エロイな、GJ!!

351:名無しさん@ピンキー
08/03/16 04:59:57 GEbecBGM
>>所有物
サクっと読める短編乙。序盤を実用的に使用させていただきました。
「男の知らん内に彼女が間男に……」というNTRとしての重要な要素がしっかり押さえられてて良いな。

ただ声を大にして言いたいのは、登場人物に(せめて主人公とヒロインには)名前を付けて欲しかったという事だな。
ここまで登場人物が記号的だと感情移入がこう……な。

352:名無しさん@ピンキー
08/03/16 05:02:46 Z/jkLwGy
エロイな、GJ!!
ただ、俺の理解力が足りないのか、最後の「主人公いっとく~」
のセリフが誰がどんな時に言ってるのかよくわからない。
誰か教えて

353:名無しさん@ピンキー
08/03/16 05:14:04 GEbecBGM
>>352
ラストでヒロインの部屋に戻った主人公が、寝男とすっかり調教されてしまったヒロインに
云々かんぬん、みたいな流れかなと俺は解釈した。

354:名無しさん@ピンキー
08/03/16 05:43:05 vPNeKUSm
俺は、主人公がヒロインに呼び出され、寝男が(隠れて)ビデオ撮影している前で主人公を詰ってるんじゃないかと思った。
ビデオのことが主人公にばれてると思った彼女は、もう開きなってる感じで。
主人公の笑いは諦観の笑いなんだろうけど、その薄ら笑いを見て怒ったヒロインが帰ろうとしている主人公をさらに脅す、みたいな。
その前の奴隷宣言はビデオ12巻目だろうから、そのあとに追加されたんじゃないかな?

355:名無しさん@ピンキー
08/03/16 05:45:31 SWaa/mZY
心はまだ調教し終わってない段階で彼氏に彼女を戻し
態とセックスをさせ寝取り男じゃないと満足できない現実に
うちひしがれる彼女、っていうのが好きだったりします

>>351
電話越しのとかまさにって部分が押さえてあるね

356:名無しさん@ピンキー
08/03/16 10:59:22 IkzosjzA
エンディングだけってのを思いついてしまった
途中経過が思いつかない

357:344=280
08/03/16 11:17:09 rcKdL2JV
>>349
>>351
名前はつけるべきでしたね。
これは長文妄想を元に書き始めでみたものだったから。

>>352
主人公いっとくのくだりは、
彼女と主人公が恋人同士になる告白が終わった後のシーンでの放課後のセリフです。
ここは最後に読者に告白シーンを思い出してもらうというやつだったのですが、
肝心のそのパートがカットしていたのでわかりにくかったですね。

この話しは長編ものに挑戦してみようと思っていたもの。
そして、これがエピソード10にあたるもので、
エピソード1~4が彼女と付き合うまでの過程
5~9が彼女と付き合ってからの話し(寝男登場はここから)
という流れにしようと思って書いてたら日常パートの純愛編が
難しくて最後の寝取られだけ書くことに至りました。

長編はものは難しいです。
自分も純愛パート日常パートが欲しい派なんですが。


358:名無しさん@ピンキー
08/03/16 13:05:58 g87BvaMD
彼女と寝男の初セックスが気になるぜ
個人的に一度目のセックスがNTRのクライマックスだと思ってるんだ。

一回セックスしたらもう元鞘には戻らないしな

359:名無しさん@ピンキー
08/03/16 14:47:50 pXjME6O9
>>357
流石に告白シーンをカットしてるのに、そのシーンを思い出してもらうと
いうのは無理がある。やりたいことは分かっただけに構成が惜しい

>>358
>一回セックスしたらもう元鞘には戻らないしな
んなーこたーない

360:名無しさん@ピンキー
08/03/16 15:08:45 SWaa/mZY
元鞘だと思ったら寝取り男の手の平の上でした
(彼女の心は寝取り男のモノでした)という世にも奇妙な物語的
終わり方もオツですよね

361:名無しさん@ピンキー
08/03/16 16:02:15 g87BvaMD
主人公に捧げる筈だった処女を強引に奪われた挙げ句

「俺のために大事にとっておいてくれたんだね。嬉しいよ」

と耳元で囁かれて取り返しがつかなくなってしまったことへの後悔と絶望、
そして背徳の快感に悶えるのがいいね

362:名無しさん@ピンキー
08/03/16 17:43:08 R89Ti+0H
>>357
GJw
できれば完成版も読みたいw
やっぱ堕ちる過程が重要なのだよw


363:名無しさん@ピンキー
08/03/16 18:43:59 DAeh+sPg
全10章は長すぎでしょw
この最後の章だけですごい引き締まってるので後は想像させた方がいいのでは?
とても面白かったですー

364:名無しさん@ピンキー
08/03/16 20:13:23 cfcwacgP
いや、気持ちはわかる。
おれも書き始めてから、日常パートがかったるくて、エロパートしか書いてない。
しかも書き始めたら興奮して、すぐ抜いて賢者モードになるから全然進まない。
日常パートを根気よく書ける職人さんを尊敬する。

365:名無しさん@ピンキー
08/03/16 21:09:11 GEbecBGM
あれ、>>364に俺がいる。

俺はそれ以前に話の筋は思い浮かんでも、それでSS書こうとした時形にできないんだよなあ。

366:変わる関係、移ろう日々
08/03/16 21:30:10 6abDKmw2
 始まりは、ある寒い冬の日。
 ピピピッ。
 目覚ましの音が聞こえる。
 浦林宗治(うらばやしむねはる)は左手で目覚ましを探し当てて、うるさく鳴り響く音を止める。
 カーテンを開けて光を取り入れると光が部屋を満たすしていく。
「ううっ…」
 太陽の光が宗治の意識を覚醒させていく。
 目をこすりながらゆっくりと起き上がると大きくあくびをした。
「ふ…ぁあ」
 こうして宗治の一日が始まる。


 宗治は部屋を出ると、すぐ左にある扉に立つ。
 そこには「ミサオの部屋 まずはノックして!」と書かれているプレートが掲げられていた。
 まだどこかぼんやりとした頭でドアをノックする宗治。
 いつものことだが返事はない。
 溜息をついて宗治はドアを開ける。
「ミサオ、入るよ」
 ランプの明かりがぼんやりと部屋を照らしていた。
 ベッドには人一人分の膨らみがある。
「朝だよ、ミサオ」
 とりあえず声を掛けるがベッドにいる膨らみは反応を見せない。
 いつものことなので宗治はそれを無視して窓際に歩み寄り、カーテンを開ける。
 部屋の中に光が満ち溢れていく。
 宗治は部屋を見回し、投げ捨てられていた目覚ましをまず回収する。
 そして、目覚ましを持ったまま、ベッドに近づき耳元で音を鳴らす。
 ジリリリリッと宗治の部屋にあった目覚ましよりもはるかに耳障りな音を立てる。
 その音に、ベッドの膨らみは若干の反応を示すが、再び動きを止める。
「ミサオ、ほら、起きて」
 目覚ましがうるさくなる中で、宗治は布団を剥いだ。
「寒いよ…ハルくん…」
 そんな声と共にパジャマを着た少女が丸まった状態で現れる。
 宗治の「妹」の浦林操(うらばやしみさお)だ。
 全体的にほっそりとしている体形で、特に胸に栄養がいっていないように宗治には思えた。
 ただし彼女にそのことを言うと怒るのだが。
「早く起きないと遅刻するよ」
 髪は短く切っておりどこかやんちゃな少年のような印象を宗治は彼女に持っていた。
 今でもそれは変わらないはずだが、時として操が女の子であると感じてドキリとすることがある。
「ん~、わかったよ……ハルくん、いつもありがと」
 そういって寝ぼけた声で宗治に抱きつく操。

367:変わる関係、移ろう日々
08/03/16 21:32:28 6abDKmw2
 パジャマ越しに感じる操の体は細くても柔らかかった。
 女の子の甘い匂いが宗治の鼻腔を刺激する。
 昔は全く気にしなかったのに、いつから操はこんなに変わってしまったのだろう。 
「ほら、早く起きて!」
 理性を奮い起こし操の体を離して操を振り払う。
「ちゃんと起きなよ」
 以前、二度寝したことがあったから一応そう言ってから部屋を出ていく。

 
 部屋を出てダイニングに向かうと宗治の母の洋子が朝食の準備をして、父の健吾は新聞を読んでいた。
「お早う」
 宗治の挨拶に両親が挨拶を返す。
「お早う、宗治」
「お早う、ハルくん」
 洋子はまだ若く、30になっていないはずだ。
 友達を家につれていくと「浦林の母さんって若いな」と羨ましがられることが何度もあった。
 正確に言うと洋子は宗治の義母である。
 洋子は父子二人で暮らしていた宗治の父と結婚したのだ。
「お早う…父さん…母さん」
 眠そうな表情の操がやってくる。
「お早う、操」
「お早う、ミサちゃん」
 操は洋子が16の時に産んだ娘で、宗治とは血の繋がりはない。
 それでも家族4人で仲良く暮らしている。
 

「「いってきまーす」」
 宗治と操が声を揃えて玄関を出る。
「いってらっしゃい」
 洋子の声を背に二人して並んで中学校へ行く。
「いつも朝ボクのこと起こしてくれてありがとうね、ハルくん」
 操が笑顔を浮かべて感謝の言葉を言う。
「まあ、僕が兄だからね」
 その言葉に操が頬を膨らませ、不満そうな顔をする。
「ハルくんは同い年だからなぁ…お兄さんって感じしないな」
 二人はたまたま同じ日に生まれていたので、当然年も同じであった。
 一応宗治が兄ということになっているが、良くも悪くも周りから兄扱いされた覚えがない。

368:変わる関係、移ろう日々
08/03/16 21:34:14 6abDKmw2
「朝起きらんないのに、何言ってんだか」
 宗治が軽く文句を言う。
「むっ」
 その言葉に操がにらんでくる。
 しばらくにらみ合うが、やがて。
「ぷっ」
「あははは」
 どちらからともなく笑いだす。
 そんなやり取りをしながら二人で歩く。
 途中で宗治と同じ制服を着た少年と合流する。
「お早う、坂上」
「お早うセーくん」
 宗治と操の幼馴染の坂上成一(さかがみせいいいち)も手を軽く上げて挨拶を返す。
「よお、ハル、ミサオ」
 成一は宗治と操の幼馴染で小学生の頃から3人でよく遊んだりした。
 中学もこうして一緒に通っている。
 先日のドラマが死ぬほどつまらなかったなど、たわいない雑談をしながら3人で学校へ向かう。
 いつも通りの一日。
 この日々が崩れるなど宗治には知る由もなかった。


 それは学校が終わり帰宅しているときのこと。
 宗治は水泳部に所属しているが、夏場以外は筋トレなどの体力づくりを中心にすることになっている。
 だが、さほど部員は熱心ではないので、冬場はプールサイドや用具室で適当に集まってなんとなく解散ということが多かった。
 操は女子のグループと帰っているので、宗治は家が同じ方向の成一と二人で歩いていた。
 たわいのない話を話していた時。
「なあハル」
 成一が改まった様子になって宗治に話しかけてきた。
「なんだよ」
 成一の様子に不信を思いながら、宗治は応じる。
「その、さ。ミサオって彼氏とかいないよな」
「はぁ?」
 思わず気の抜けた声を出す宗治。
 宗治の返事に成一はムッとした表情を見せる。
「こっちは真剣に聞いてるんだぞ」
「いないんじゃないかな、お前だってミサオといるんだからわかるだろ」
 操から彼氏がどうとかいう話は聞いたことがなかったので宗治はそう答えた。
 しかし、本当にそうなのだろうか?
 家族としていつも一緒にいるが、実は宗治に隠れて付き合っている男がいるかもしれない。
 宗治はそんな不安を押し隠して平静を装う。
 彼氏はいないという言葉にほっとした表情を見せる成一。 
 その様子になぜか、宗治の胸がざわつく。

369:変わる関係、移ろう日々
08/03/16 21:36:03 6abDKmw2
「その、さ」
 成一が言いにくそうな様子で切り出す。
「なんだよ」
 宗治は成一にいらつきながらも続きを促す。
 成一は意を決したのか、ゆっくりと宗治に目を合わせて言葉を発した。
「俺、ミサオが好きなんだ」
「ふぅん…」
 成一の言葉に対して出せた言葉はそれだけだった。
 しかし、宗治の心の中は激しく乱れていた。
「おい、それだけかよ!」
 一見、熱のないように見える宗治の返答に成一が顔を赤くしながら抗議する。
「俺は親友でミサオの家族のお前だから言ったんだぞ!」
「やっ、そんなこと言われてもね…」
 宗治は何と返すべきか言葉が浮かばない。
 応援するよ、という言葉がどうしても出ない。
「ミサオには言ったの?」
 言ったはずはないと思いながらも微かな不安を打ち消すためにあえて宗治は聞いた。
「い、言ってねぇよ!」
 成一の返答にほっとする宗治。
「ミサオには俺から言うから、ハルは絶対に言うなよ!」
 だったらなぜ黙っていないのだろう。
 そんなことを思ったが、宗治は頷いた。
 その後も成一は手伝ってくれよ、どうすればいいかな、などと話しかけてきたが、宗治は上の空であいまいな返事をすることしかできなかった。


 家に帰りを机に座るが、宗治の心は千々に乱れ、宿題に手をつけることができなかった。
 操と成一。
 二人が恋人として付き合ったいく様を想像すると心がざわつく。
 操を取られたくないという思いで一杯になる。
(僕は、ミサオのこと…)
 自分の元にずっと留めておきたい。
 そんな想いが宗治の胸に溢れる。
 (小学校の途中から操と風呂に入らなくなったな。)
 唐突にそんなことが意識に上がる。
 操の裸を思い描こうとして失敗する。
 宗治の記憶に残る操の裸は小学生までだからだ。
 そのころは「何でミサオにはチンチンついてないんだろう?」というくらいにしか思わなかった裸。
 どうして、もっと良く見なかったのだろうか。
 後悔が宗治の胸を突く。
 今は操の裸はどうなっているのか。

370:変わる関係、移ろう日々
08/03/16 21:37:07 6abDKmw2
 つい邪まな思いを抱いてしまう。。
 本人は「胸が小さいんだよね」と言っていた。
 確かに冬場に厚着をすれば胸の膨らみなど分からないが薄着だと、そこは女性を主張する程度には存在が分かる。
 今の操の胸は触ったら柔らかそうだと思える程には。
 触ったらどうなるだろう。
 考えると宗治の股間が熱くなる。
 そのことに後ろめたさを感じながら妄想を続けようとする。
(ミサオの裸…)
 しかし、そこで妄想は打ち切られる。
 とんとん、とドアをノックする音が宗治の意識を現実に呼び戻したからだ。
「ハルくん、ボクだけど入るよ」
 言いながらドアを開けて入ってくる操。
 今まで考えていた相手が目の前にやってきてどきりとした。
「な、何だよ」
 目の前の相手の裸を妄想していた罪悪感からどもってしまう。
(ミサオは僕の妹じゃないか)
「ん~?どうかしたの?」
 宗治の態度を不審に思ったのか操が聞いてきた。
「いや、何でもない」
「そぉ?あ、これ借りてたマンガ。ありがとね。面白かったよ」
 無邪気な笑みを宗治に向けてマンガを手渡す。
「あ、うん」
 宗治はそれをうけとる。
 宗治が邪な思いを抱いていること知ったら操はどうするだろう?
 もう、この笑顔を向けてくれないのではないか。
 そんなことを宗治は思った。
「また面白いのあったら貸してね」
 操はそう言うと部屋を出ていった。
「ミサオ…」
 先ほどの操の笑顔。
 あれがやがて他の男のものとなってしまうのだろうか。
 鬱々とした感情を抱いたまま宗治は宿題に取り掛かった。


 気が散ってしまい宿題が進まず、何とか終わらせた時には11時を過ぎていた。
「はぁ…終わった」
 ひとまず、やることを終えると喉が渇いたので、何か飲み物を飲もうと部屋を出る。
「…ん?」

371:変わる関係、移ろう日々
08/03/16 21:39:02 6abDKmw2
 操の部屋から明かりがもれていた。
 いつも操は10時ごろまでには寝ているのに、どうしたのだろう。
 なんとなく気になってしまう。
(確か、僕もミサオからマンガ借りてたよな…)
 それを返すことを口実に部屋の中に入ろう。
 操は別に勝手に宗治が部屋に入ったりしても怒ったりはしない。
 その代わり、操自身も勝手に宗治の部屋に入って本を借りたりする。
(だから、マンガを返すふりをして部屋に入ろう)
 早速、借りたマンガを手に持って操の部屋をノックする。
「ミサオ、入るよ」
 形だけのもので返事を待たずに扉を開ける。
「えっ、あっ」
 操の焦ったような声が聞こえるが無視して入る。
 机に向って何かしていたようだ。
 操は細長い棒のような物を持っていた。
「何してんの?」
「えっと…ハルくん」
 しばらく悩んだ後、真剣な表情で宗治を見つめる操。
 その眼差しに宗治はどきりとする。
「このことセーくんには言わないでおいてくれるかな?」
「へっ?」
 思わず間抜けな声を出す。
「だーかーらー、ボクがマフラー作ってること」
 そう言われて操が編み物をしていることに気がついた。
 言われてみればマフラーらしきものがだいぶ出来上がっているように思えた。
「なんで、成一に…黙ってなきゃ、いけないんだよ?」
 聞くまでもないことだが、思わず宗治は聞いてしまう。
 操が顔を赤くしながら下を向く。
 そのことが答えだった。
 それでも宗治は返事を待った。
 やがて操が語りだす。
「…好きなんだ。セーくんのこと」
 その言葉が宗治は奈落に突き落とす。
「そう…なんだ」
 宗治は何とか声を絞り出す。
 宗治の想いを知る由もない操は語り続ける。
「うん…だからね、手編みのマフラーをさ、セーくんにプレゼントしようと思ってるんだ。その時に告白しようと思ってるんだ」

372:変わる関係、移ろう日々
08/03/16 21:40:03 6abDKmw2
 そう言って操は今まで宗治が見たこともないような可愛らしい笑顔を浮かべた。
 恥じらいと喜びを含んだ眼差し。
 宗治でない人間に向けられた表情。
 宗治の良く知る相手に向けられたもの。
 その笑顔が宗治の心を奈落へと落としていく。
「一か月かけてここまでできたんだ。本当は誰にも内緒にしようと思ってたんだけど…ハルくんなら、いいか」
 内緒にしておいてね。
 操にそう言われて、宗治はただ頷くことしかできなかった。
「良かった…ところでハルくんは何しに来たの?」
「僕、は…ミサオに借りた本を返しに…」
 なるべく自然に言葉を出そうとして失敗する。
 その態度に操は心配そうな表情になる。
「どうしたの?具合でも悪い?」
「…何でもない」
「マンガなんて…そんなこと気にしなくてもいいのにさ…こんな時間にわざわざ来なくても」
「いや…さ。なるべく早めに返そうと…」
 そう言って操に借りていたマンガを返す。
「別にそんなに気にしなくてもいいよ。でもマフラーのことはさ、言っちゃだめだよ」
「ああ…うん…お休み、ミサオ」
 力のない声で答える宗治。
「おやすみ、ハルくん」
 だが、宗治は踏みとどまる。
「…どうしたの、ハルくん?」
「その…さ。告白、うまくいくと、いいね」
 何とか操から瞳を逸らさずに、応援の言葉を口にする。
 成一の時には言えなかった言葉。
 その言葉を口に出すのは痛みの伴うものだったが、それでも宗治は言った。
 これからは操と成一が恋人となっていくのを見守る立場になるのだから。
 宗治の言葉に操は嬉しそうな表情を見せる。
「うん、ありがとう。ハルくんのそういうとこ、ボク大好きだよ」
 大好き。
 笑顔と共に紡がれた言葉は宗治が望んでいた言葉だが、宗治の望んだ想いは込められていない。
 今度こそ宗治は部屋から出て行った。
 胸に重苦しいものを抱えながら。


以上です。

373:名無しさん@ピンキー
08/03/16 21:50:01 vPNeKUSm
これは、寝取られというよりも寝取り向きの展開だなぁ。

374:名無しさん@ピンキー
08/03/16 21:50:59 pXjME6O9
2時間ドラマの寝取られ物を10分に凝縮して伝えたような作品だった
まさに寝取られの原型って感じだ。短い中にしっかり伝わるものがあった

375:名無しさん@ピンキー
08/03/16 22:54:19 GEbecBGM
>>6abDKmw2
SS乙よりまず先に言わせていただく。ボクっ娘万歳。

個人的には寝取りというより「仲良し3人組の関係が終わる時」
みたいな印象だけど、主人公の心理的には確かにこれもNTRの範疇かも知れない。

376:名無しさん@ピンキー
08/03/16 23:15:31 rTmRp+d9
3人組といえば、幼馴染ネトラレのほうは「奇妙な関係の3人組が出来上がる時」という感じだね。

377:名無しさん@ピンキー
08/03/16 23:21:31 Z/jkLwGy
>>373
同感だな。
付き合ったあと調子に乗っていきなり押し倒したりして傷つけたのでもうまかせておけん!みたいな。

378:名無しさん@ピンキー
08/03/16 23:23:57 GEbecBGM
>>376
確かに歪とか奇妙とかそんな風だよな。
しかし……個人的には風岡はとっとと酷い目に遭って欲しいトコだ。

口下手な俺は口の立つ奴が言葉を悪事に利用してるのを見ると我慢がならん。
そういう所では風岡は悪役(間男)には適してるなあとか勝手に思ってたり。

379:名無しさん@ピンキー
08/03/17 00:45:23 zdNkcPM+
風岡を酷い目に…

ハメ撮り画像をnyに放流して
vipper釣って突撃させたら酷い目には遭うかな

…真琴はさらに酷い事になりそうだけど

380:名無しさん@ピンキー
08/03/17 01:02:43 Sf3LskvM
これとか結構ツボなんだけど、いつなったら続きくるんだろうな…
URLリンク(www.netlaputa.ne.jp)

381:名無しさん@ピンキー
08/03/17 01:04:04 Sf3LskvM
ミス。↑にあるサイトの漫画ね。

382:名無しさん@ピンキー
08/03/17 02:36:21 6RXdzFJ3
ここのスレとしては寝取り・寝取られの過程にある愛憎劇と、
その先のエロ描写だとやっぱり後者のほうが需要ある?

383:名無しさん@ピンキー
08/03/17 02:39:08 F1vM7zAP
>>382
俺の意見がスレの総意じゃあないけど、俺は寝取りスレに来てるからには前者も読みたいな。

実際に上げてみてから反応うかがってみるのが一番かも。

384:名無しさん@ピンキー
08/03/17 02:42:37 6RXdzFJ3
>>383
素早いレスありがとうございます。
では書いたものを投下させて頂きます。

やはり前の人が投下してから1日は開けたほうが良いのですよね。

385:名無しさん@ピンキー
08/03/17 02:45:18 SYge/mD+
俺個人は主人公やヒロインの心理描写濃くしてくれれば結構興奮する。

逆にエロ描写にあまり力入れられると、場合によってはヒロインが段々とビッチに見えてきて萎える。

386:名無しさん@ピンキー
08/03/17 02:48:23 CtmEBExD
要ははどちらかの質が問題。
どちらかがしっかり書けてればもう片方はある程度適当でもOK。
一番いけないのは中途半端になること。
もちろん両方よければ神。
あ、これは俺個人の意見なのでそこのところヨロ。

387:名無しさん@ピンキー
08/03/17 08:18:35 6UYdvXai
俺はエロ描写重視かなぁ
過程は結構好みが分かれるんで、
エロ描写だけなら過程は自分の好きなように脳内補完できるし

388:名無しさん@ピンキー
08/03/17 09:18:16 3m1nHchN
>>382
愛憎劇やその先のエロ描写よりも、更にその先の結末とエピローグを長く
書いてくれてある方がいいなあ。エロ描写が終わって即フェードアウトでは
寂し過ぎて物足りないやら、作品としてもったいないやら

389:名無しさん@ピンキー
08/03/17 12:28:33 4hmVy57K
でも、ここはエロパロ板だよ?エロ抜きだったら他の板に行けばいいじゃん。
作品名は言わないけど前もエロ抜きでだらだらやって、微妙だから反応薄くて
放り投げた作品とかあったじゃん。
そんな風にならないためにも、あまりだらだら長いのは勘弁して欲しいなぁ。

390:名無しさん@ピンキー
08/03/17 14:05:00 tbfeWn+v
俺は長い話が好きだな。
どうしても純愛風寝とられは
エロ少なめになるんで不満をいう人もいたけど
打ち切り的完結にせず
(打ち切り放りなげよりいいけど)
きちんと書かれていたら
神作品だったのにな、
あの作品は。

391:名無しさん@ピンキー
08/03/17 15:03:23 3m1nHchN
>>389
エロがいらないなんていってないし、ある方が良いに決まってる。そうじゃなくて
愛憎劇やエロ描写があった後、尚且つ、その先の結末とエピローグが長く欲しいんだよ


392:名無しさん@ピンキー
08/03/17 15:12:27 Hs8plLPC
結末とエピローグが長いということは寝取り男とか寝取られ男や女の末路を知りたいってことでいいのかな
やりすぎると結末やエピローグのほうが長くなりそうだな

393:名無しさん@ピンキー
08/03/17 15:33:25 4hmVy57K
>>391
やってもいいけど興味ない人多くて反応薄くなるから、それでも最後まで書けるのなら
お願いしたいんだけどねー
俺も結末とエピローグ長い方が好き派。

394:名無しさん@ピンキー
08/03/17 15:46:52 F1vM7zAP
ハイハイハイ俺もストーリー重視ノシ シチュエーションがあるからエロもよりエロくなると思うぞ!

まあエロパロ板にあるからにはエロを求めて来る人も多いんだろう。なんかお互い妥協できる案があったら良いんだけどな。
「エロ部分をこっち投下して完全版をどっかにうpる」とか。

395:名無しさん@ピンキー
08/03/17 16:39:25 Hpx4vqts
 僕は最低の人間だと思う。
「あっ・・はぁっ・・・んっんっ、・・ご主人・・様・・」
「はぁはぁ、イクよ・・・中に・・!」
 目の前にいるローサは一瞬表情を曇らせたがすぐに喜びの笑顔を作る。
「は・・い・・、あんっ・・ぁぁ・・お好き・・な、ように・・はぁぁん・・してくだ・・さい」
「う、うん・・はっはっ・・・ぐっ!」
 僕はローサの、僕のメイドの中に全てを吐き出した。

 彼女に幼馴染みがいると知りながら、その人と子供の頃に交わした
結婚の約束を今も胸の奥に大切にしまっていることも知りながら。
 他にも僕を受け入れてくれるメイドがいながら、僕はローサを求め続けた。
「僕を・・・嫌いになってもいいんだよ」
 いや、むしろ嫌われたい、その方が気が楽だ、非情になれる。
 しかしローサは僕に優しくキスをして抱き締める。
「お慕いしておりますご主人様、お気持ちも存じてます」
「・・・ゴメンよ」

 ローサの懐妊と彼女の幼馴染みが僕の執事としてやってきたのはほぼ同時だった。
 ゴメンよ、君のその指輪はローサには渡させられない。

―end

396: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:23:17 KF7Gjesq
現代ものではないのですがもし宜しければ。

397: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:24:34 KF7Gjesq
-*-*-

-*-*-

まだ尖っては、いない。
まだ充分ではない。
剣に水を掛け、手を前後に動かす度に金臭い匂いと共にシュイっという鋭い音が部屋の中に響き渡る。
放っておいて久しいこの鈍らの剣と共に、自分の心を奮い立たせようとする。

勝てるか?勝てるわけが無いだろう。お前はただの宿屋を経営している若造だ。
相手を誰だと思っている?あの怪物どもを片手で屠るような奴らだ。
黙っておけ。黙って我慢をしていれば、そのうち出て行く。
それまでのほんの少しの我慢だ。そう、あと3日もすれば。
3日もすればあの怪物を倒して、町中の感謝の声と共に出て行くさ。あの勇者達は。
頭の中で声が響く。

頭の中の声を振り払うように前後に動かす手を早めたその瞬間、後ろから声を掛けられた。
後ろを振り向く。
いつの間にか部屋のドアが開かれていて、そこにサクヤが立っていた。

「サクヤか・・・どうした?」
できる限り明るい声を掛けてやる。
黒眼が印象的なエキゾチックな顔立ち、前髪に軽くウエーブがかかったセミロングの髪、
小麦色に焼けた肌、すらりとした肢体。
サクヤは19歳と言う年齢の割りには情熱的とも言える大人びたイメージを持っている美少女だった。
俺より5歳も若いが、その大人びたイメージのせいでそれほど年齢差があるようには周囲には見られない。

398: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:25:31 KF7Gjesq

彼女は、この宿屋の従業員の一人でありおれの許嫁でもあった。
結婚をするつもりだった。結婚の予定もあった。
そう、3週間前までは今日この日、結婚式を挙げる予定だった。

「…冬真さん、いってきます。」
そういってサクヤが俯く。
近寄っていってぽんとその頭を撫でてやる。

「そうか、失礼の無いようにな。」
俺の言葉に、ぎゅっと唇を噛み締めたままサクヤが頷く。
動こうとしないサクヤの肩を押して部屋の外に押し出すとようやくサクヤは俺に背を向けた。
のろのろと2階への階段の方へ足を進めている。
このまま行かせるのか。

「耐えろ。」
思わず漏れた俺の言葉にサクヤの肩がびくっと震えた。
どちらかと言えば俺の前では天真爛漫な態度の方が多かった、
子供のようにふざけるのが好きだったサクヤがこんなに怯えている。

「すぐに終わる。こんな事はすぐに終わるんだ。そうしたら結婚しよう。」

サクヤの震えが止まる。

「はい、冬真さん。帰りにまた寄りますから。」
俺に背を向けながらそう言って、サクヤは今度はしっかりとした足取りで階段を上っていった。


399: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:26:23 KF7Gjesq

@@

世界にモンスター、と呼ばれる怪物が出現し始めてからもう5年になる。
それらが本当に文字通り”モンスター”なのかどうかはわからない。
奇怪な姿、過去の文献にあるオークと呼ばれる怪物に擬した姿から、モンスターと呼ばれているだけだ。

2足歩行し、見た目のみで言えば猫背の人間に見えなくも無い立ち姿。
しかし通常の人間のほぼ1.3倍、つまり2メートルを優に超える身長とそれに付随する凶悪な筋肉。
暴力的で野蛮な性格でありながら人語を解し、村々を群れで襲う奴らはまさにモンスターだった。

更に奴らの生殖方法が判明するに連れ王国中をパニックが襲った。
全滅を免れ生き残った村の人間達から、奴らが人間の女に子を産ませる事が判ったのだ。
奴らは村を襲い、食料を奪うだけでなく若い女を自らの巣に浚い、子供を作らせるのだ。
詳細を聞いたものは誰もいないが、町では生まれた子供も又、モンスターであるとか、
モンスターどもは、人間にしか子を産ませられないのだという噂まで流れている。

このパニックに対し、当初は散発的な軍の出動対応でモンスターどもを退治しようとしていた王国だったが
寧ろ軍の出動は更なる混乱をもたらした。
緒戦にてモンスターどもに散々に打ち負かされた末、
軍が駐留した町では略奪が横行し、挙句の果てにクーデター騒ぎまで起きた。
そもそもモンスターどもは普段は山の奥深くや森の中、
打ち捨てられた廃墟を住処として小規模な群れを成しているらしく
大規模な軍による討伐は現実的ではなかったのだ。

数年間に渡る軍による討伐作戦の後、
多大な犠牲を払った王国は軍による討伐を諦め、
新たなモンスター対策を打ち出した。

400: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:27:06 KF7Gjesq

少数の強力な私兵隊によるモンスター討伐組織を作り上げ、虱潰しにモンスターを狩らせる事にしたのだ。
王国は広い。1対1でモンスターに勝てる事を条件に大きな権力と富を約束した私兵隊に数十人もの志願者が集まった。
王国はその中でも腕利きの5人を【Mut】と名づけ、モンスターどもを狩らせると共に大きな権力を与えた。
つまり、不逮捕特権である。

【Mut】は市民の家に上がりこみ、モンスター退治に必要と思われるものは全て接収する事を許された。
町にある店に対し、要求をする事で武器防具などを破格の値段で受け取る事を得た。
【Mut】はモンスターを狩る為のあらゆる協力を市民から得る事ができる権利を国家から受け取ったのだ。

しかし軍が引き上げた後に自分達を守る手段を失った市民達に【Mut】は熱狂的に迎えられた。
どの町も【Mut】が自らの町に来て、周囲から危険を取り払ってくれる事を望んでいたのだ。
【Mut】がモンスターを退治し、幾つもの町を開放するにつれ、
【Mut】の面々はそれぞれ市民達から勇者と崇められるまでになっていた。



401: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:27:40 KF7Gjesq
@@

「ちょっと失礼するよ」
コンコンというノックの音と同時にドアが開かれる。
慌てて研いでいた剣に袋を被せて隠すと同時に営業的と言っていい笑顔を作り出してから振り返った。
開いたドアの向こうには【Mut】の一人がいた。
知的な眼差しが印象的な、大体年格好は俺と同じくらいであろう青年である。
仲間からはアイスベルクと呼ばれるこの青年は
この町に来た3人の【Mut】の中でも最も年が若く、
それでいて【Mut】の中でも一番の実力派だとの専らの噂の人物だ。

「どういたしました?勇者様。」
慌てて前掛けで手を拭きながら駆け寄る。
年恰好が同じでも相手は国を代表し、市民からも熱狂的に支持されている勇者である。
気さくに声など掛けられる相手ではない。

「夜半にすまないが酒をもらいたくてね。」

「それでしたら態々こんな所にまでいらっしゃらなくても・・・」

「サクヤはハルトの相手をしているからね。他の従業員を起こすには忍びない。」

「あっ!」
平然としたアイスベルクの言葉に思わず声を出し慌てて声を噤む。

「助かっているよ、サクヤには。」
俺の反応を知ってか知らずかアイスベルクは言葉を続ける。
この男は俺がサクヤの許嫁だという事も知らないのだ。


402: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:28:33 KF7Gjesq

当たり前だった。
勇者は希望を口にするだけでいい。それは市民から与えられるからだ。
市民は断る事など出来ない。
「モンスター退治に必要だから」
そういわれて箪笥の奥の金貨を奪われた市民は言うだろうか。
「それは母の病気の治療代に・・・」
言える筈がない。
市民の事情など、勇者は知らないのだ。

初めて町に来た日、アイスベルクと呼ばれるこの男は
勇者に宿を提供できる喜びに身を震わせ、床に這いつくばって挨拶する俺に気さくな感じでこう言った。

「モンスター退治というのも気が張る仕事でね。
 君達にはただ暴れているだけと思われているだろうけれど。」

「そんな事は・・・御国を守る大事な勤めで御座いましょう。
 我々も勇者様に守られてようやく日々の暮らしが保たれるので御座います。」

「そういってもらえると助かるよ。所で、頼みがあるんだ。」
そう言うとアイスベルクはまあ、そこの椅子にかけたまえ。と身振りでそう示した。

「はい。このような薄汚れた宿ですが、お持て成しには自信を持っております。何なりとお申し付け下さいませ。」
ようやく立ち上がり、椅子に座りながらそう言ったこの俺にアイスベルクはやや照れたような表情を見せてこう言ったのだ。

「男3人で旅をしていると困る事があってね。」

「は?」

「いや、君達には判らないかもしれないが幾ら怪物と言えど命を奪う行為というのは楽しいものではない。」
「お察し致します。大変なご苦労がおありでしょう。」


403: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:29:08 KF7Gjesq

そういうとアイスベルクは逞しく発達した腕で髪を掻き毟った。
綺麗な流れるような金髪が乱れる。
「ああ、単刀直入に言おう。」
「はい、なんでも仰ってください。」

「我々には夜、共に寝てくれる女が必要なのだ。」
「なるほど判りました。」
その程度の事なら何の問題もない。
と共に照れたようにばりばりと髪を掻き毟る彼に少し可笑しくなった。
そうか、勇者様ともなると娼館に行く事もままなるまい。

「この町にも娼館はいくつか御座います。そこから毎夜、呼ぶように致しましょう。
勇者様ともなるとお目は高いでしょうが、この町にもそう悪くない娘達がいるのですよ。」
相手の照れを覆い隠してあげるように下卑た口調を使う。
これも客商売の一つだ。

と、その瞬間アイスベルクはぬっと手を前に差し出してきた。
「いや、それには及ばない。というかそれ、困るんだよ。」

「は?と、申しますと」

「この宿屋は我々が借り切っている。まあ怪物どもを退治するのに1週間、といった所か。」
「はい。光栄で御座います。」
その時の俺は1週間と言わず1月でも1年でもいてもらいたい気分だった。
勇者が止まったと為ればハクが付くし、売り上げに相当する額は国から税金の免除と言う形で補填される。
「市民は固唾を呑んでこの宿屋を見守っているだろう。
そこに毎夜毎夜娼婦が出入りしてみろ、どうなる。」


404: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:30:00 KF7Gjesq

「そ、それは判らぬように」
そう言った俺にアイスベルクは首を振った。
「俺達に抱かれた娼婦が口を噤むか?娼館の主が黙っているか?」
「そ、それは・・・」

「市民の味方でいる以上、私達は娼婦を買う訳にはいかないんだ。」
でだ。とアイスベルクは続けた。
「ここの宿屋には若い娘がいたな。玄関で立ち働いていた娘だ。あれを借り受けたい。」

「いや、それは!ご心配でしたら他の町の娼館に何とか口を通すように致しますから」
思わず出した高い声にアイスベルクは言った。

「判っている。判っているよ店主。店主の真面目さは私も先ほどから聞いてようく判ったつもりだ。
幾ら飯炊き娘だからと言っても従業員に余計な負担を掛けさせたくないのだろう。
だから3人とは言わない。あの娘1人でいい。」

「いや、も・・・申し訳も御座いませんがそのお申し出だけは」
その瞬間、アイスベルクが凄まじい目つきで俺を睨みつけた。
この一般市民とはいえ、荒くれどもを相手に宿屋を張ってきた俺が
一度も見たことの無いような死を孕んだ目つき。

「さっきも言ったが、幾らモンスターと言っても人間の姿をしている敵、殺すのには覚悟がいる。
 自らの故郷でもない町で死を覚悟して宿を出て、命を奪う覚悟で何匹いるかわからないモンスターどもの巣に乗り込んでいく。
我々は攻撃的になったその精神を夜正常に戻す為に女が必要なのだ。」

切りつけるように放たれたその言葉に俺はうな垂れた。自分が追い詰められた事を悟った。
うな垂れた俺を見てアイスベルクがうって変わった軽い調子で言葉を続ける。

「それに毎日3人を相手しろと言うわけではない。俺達は3人、役割分担が出来ていてね。
モンスターどもを殺すのは大体1人づつなのさ。
だからまあ、一日一人、多くて二人だと思ってもらって良い。
若い娘さんだ、その位体力は持つさ。それにこの町が平和になるまでだ。」



405: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:30:51 KF7Gjesq

「君は心配しているかもしれないが、若い娘の事、
店主である君が言えば自分に言い訳も立つし思ったより思い詰めないものだよ。
無論抱かれた事は言えまいが、現に他の町では俺達が泊まった宿の評判が上がって
そこで働く娘さん達が良い嫁ぎ先に嫁いで行ったなんて話もあるみたいだよ。
だから後のことは心配が要らない。」
そんな事まで言う。

心臓がばくばくとして声が出なかった。あまりにあからさまな言葉に我を失いかけていたと言っていい。
うな垂れて動かない俺の態度を了承したと受け取ったのか、アイスベルクは「ははは」と笑った。

「いや、助かった助かった。あいつらは無骨者でさ。こういう役割はいつも俺なのだよ。」
そういって手を振りながらははと笑う。

俺に断る術などなかった。
たとえ勇者の言っているその女が、サクヤの事だったとしても。

その夜、サクヤの処女は散らされた。
後日、アイスベルクが軽い口調でそう言った事で、アイスベルクが相手だった事を知った。


406: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:31:20 KF7Gjesq
@@

「酒は、2階の僕の部屋にもってきてくれたまえ。」
暫く俺を相手にモンスター退治の冒険譚などを語った後、アイスベルクはそう言って去っていった。

その背中に頭を下げてから台所に入り3人分の酒と簡単なつまみを作る。
2階に上がるのは気が重かった。勇者ハルトの部屋はアイスベルクの部屋の手前にある。
ハルトはアイスベルクと違い、隆々とした筋肉が印象的な正に戦士という呼び名が相応しい30過ぎの大男だ。
大きな斧を振り回してモンスターと戦うという。
額の広いやや下卑た顔をしているが、髭面と体の大きさから将軍と呼ばれても可笑しくないような不思議な貫禄がある。通常の男であれば睨みつけて怒鳴るだけで一たまりも無くなってしまうだろう。

その男に今夜、サクヤが抱かれていると言う。
サクヤが抱かれている部屋の前を通らなくてはならない事がたまらなく嫌だった。

それでも行かなくては為らない。
ワインとつまみである牛肉のジャーキーを盆に載せ、そろりそろりと階段を上がった。
サクヤに気がつかれるのが嫌だった。
もし自分が抱かれている部屋の前を俺が通ったと知ったら。
ただでさえサクヤは決して抱かれた事を俺には言わない。
どうなってしまうか判らなかった。

ハルトの部屋は暗かった。
物音の何も聞こえない事をほっとしながら、同時に立ちくらみを思わせるような心臓の重さを感じて俺は立ち止まった。
この部屋の中で、サクヤが抱かれているのかもしれない。

『もうすぐだ、もうすぐモンスターたちはいなくなると、アイスベルクは言った。』

頭を振り、足を進める。
もう一人の勇者であるヒンメルの部屋には明かりがついていた。
アイスベルクの部屋の前に立ち、ドアをノックする。

407: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:32:09 KF7Gjesq

「アイスベルク様、お酒をお持ちいたしました。」

その瞬間、
「いやっ!」
という高い声がした。さっと貧血のように血が足の方に下がるのを感じる。胃から血が抜けていくような重み。サクヤの声だった。
盆を取り落とさないようにしろ!と頭の中の誰かが俺に命令し、手に何とか力を入れて再度ドアをノックする。
「おお、ご苦労様。すまないね。」
出てきたのはアイスベルクだった。先ほどと同じ格好のままだ。
入ってその盆を置いてくれたまえとの言葉に部屋の中に目をやる。
さっきの声は?勘違いか?

そう思い部屋に入った瞬間、がつんと殴られるような光景が目に入ってきた。
ベッドの上にはシーツが掛けてあったが、その中に人がいた。
シーツから突き出る半ばまで禿げ上がった頭、後ろから見ても判るような髭面。
山のような大きさの体。その体がシーツの中で上下に激しく動いていた。

そのシーツの、その山のような男の体の下。滑らかな黒髪がその動きにあわせて激しく踊るように動いている
シーツから小麦色に焼けた細く、それでいて柔らかそうな腕が出てきて激しい動きに翻弄されながらシーツを掴んだ。
シーツを持ち上げ上の男ごと体を隠すように引っ張り上げるその動きの一瞬、
シーツの下がちらりと覗け、向こうを向いているサクヤの頭の後ろが見えた。

そ、そんな。
こんな人が2人いるような部屋でサクヤは抱かれているのか。
呆然と立ちすくむ俺にアイスベルクは言い訳をするような口調で言った。
「いや、違うんだ。店主。今日はモンスターの抵抗が激しくてね。
私とハルクが奮戦しなくてはならなかった。
大変だが今日は二人を相手にしてもらおうと、そう思ったんだ。」

408: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:32:58 KF7Gjesq

「そ、そんな」
こんなサクヤを嬲るような・・・
一人づつが部屋に呼べばよいではないか。
しかも、こんなに激しく動いて、サクヤは大丈夫なのか。
支離滅裂とした思考が激しく頭を切り裂く。
いまだ激しく動くシーツから目が離せず、頭が真っ白になったまま立ち尽くす。

「ほら、ハルト。酒が来たぞ。いい加減にしないか!」
俺が動かないからだろう。アイスベルクが盆を受け取りながら声をかける。

その声を聞いてか、
「む?」
という声の後、激しく動いていたシーツの動きがゆっくりと止まった。
「酒か。」
バサリ、とシーツを捲ると同時に立ち上がる。
一瞬、シーツの下のサクヤの全裸が露になった。
小麦色に焼けた滑らかな腕と太腿、
そしてそれをコントラストを為すような普段日に晒す事の無い胸や引き締まった腹の雪肌が目に飛び込む。
サクヤが慌ててツンと形よく上を向いた双乳を片手で隠し広げた足を閉じるその一瞬前、
正に男に組み敷かれたままの格好が目に焼きつく。

「いやっ!」
そういいながらシーツを体に巻きつけるようにして体を隠す。
頭まで巻きつけ、完全に体がシーツの下に隠れるようにして身動きもしない。


409: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:34:01 KF7Gjesq

「ご苦労だな。」
横、しかもかなり上の方から掛けられた声に正気に戻った。
自分の体がきしむブリキの人形のように動くのを感じる。
ぎぎぎと音を立てているんじゃないか。と頭の隅で感じながら声を掛けられた方を向くと、
全裸のハルトが銀貨を持って立っていた。
それを数枚、ちりんと俺の左手に置いた。

この男が、今。
いやおうなしに一物に目が行った。
俺のものの優に倍はあるだろうか、正に隆起していると言う言葉そのもののようにそそり立っている。
それがぬとぬとと濡れ光っていた。

俺の視線を感じたのか
「む。」
と照れたように言うと先ほどまで着ていたものだろうか。シャツを手にとってごしごしと一物を擦った。
ぬめりを取るように股間の奥の方まで拭いていく。

「店主、最初はどうなるかと思ったが3週間も経ち、慣れたようだ。」
もうすぐいく事も覚えそうでな。とまるで俺を褒めるように声を掛ける。

い、いくっていうのはサクヤがか。

「あんなに責めたら女はすぐにいくようになってしまうさ。
 なあ。今日は僕もいるんだからほどほどにしてあげなきゃあ。」
ははは、とアイスベルクが混ぜ返す。

410: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:34:46 KF7Gjesq

ひとしきりハルトと冗談を交わした後、アイスベルクはもう行っていいと言う風に手を振った。
頭を下げて部屋を出て行く。

階段まで到達した所で、盆を忘れた事に気が付いた。
アイスベルクの部屋の前まで戻り、ノックをしようとして部屋から漏れてくる声に思いとどまった。

「いつまでシーツをかぶってるんだ?こちらに来て酌をしてくれ。」
「ひ、酷い、ひどう御座います。勇者様。そんな、私見、見られて・・・」

「ふふふ、ノックされた瞬間、きゅっと締まったぞ。サクヤの良く締まるあれが。」
「いやあ・・・」
「ふふ、こいつ枕を噛み締めながら必死で声を抑えおってな。」
「ははははは」

ノックしようとした手を下ろし、そっと踵を返した。
音がしないように階段を下り、部屋へ戻る。
ドアを閉めた後、左手に握り締めていた銀貨を力の限り部屋の壁に投げつけた。

くっくっと笑うような声が自然と部屋から沸き起こり、
それが自分の喉から出ている事に暫く気が付かなかった。

よろよろと部屋を彷徨うように歩きながら袋の下に隠された剣を取り出す。
バケツの水を掬い、ぴかぴかと光る剣に振り掛ける。


411: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:35:16 KF7Gjesq

砥ぎ石に剣を下ろし、両手の力を入れて前後に動かす。
もう、研ぐ場所も無い位に鋭く尖った剣を。

自分の口の中の呟きが頭の中でリフレインする。
「まだ尖っては、いない。」
「まだ充分ではない。」
剣に水を掛け、手を前後に動かす度に金臭い匂いと共にシュイっという鋭い音が部屋の中に響き渡る。

もう、判っている。俺が勇者に切りつける事など出来ない。
俺に出来るのは鋭く尖り、ぴかぴかと光っている手元の剣を砥ぎ、呟き祈る事だけ。

「まだ尖っては、いない。」
「まだ充分ではない。」

そう、祈るだけだ。

モンスターがいなくなる事を。




412: ◆ZtIYUppedA
08/03/17 18:36:01 KF7Gjesq
---

以上です。では。

413:名無しさん@ピンキー
08/03/17 18:45:16 CdR0iPuU
乙でした。

>「まだ尖っては、いない。」
>「まだ充分ではない。」

最初はいまいちピンとこなかったけど、最後まで読むと男の苦悩が分かるいい台詞。
寝取られモノには淫語よりこっちだな。

414:名無しさん@ピンキー
08/03/17 18:46:36 n1OoDj5X
G,GJ…!

やはり勇者は悪だよな…

415:名無しさん@ピンキー
08/03/17 19:03:29 s930cUN/
素晴らしい

416:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:09:58 G1XDa8rh
寝取られ(母親)と異種姦と孕ませを融合させたような内容のものは
このスレでもOKなのかな?

417:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:11:41 7JaQklFX
GJ!ファンタジーNTRもよいものだ…
きっとあと三日とか言いながら居座られてしまうんだろうな

418:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:30:20 6ydfvjaA
寝取られものに慣れすぎたんだろうな。
実は勇者達、モンスターなんて倒してないただのチンピラなんじゃと即座に想像してしまった。

419:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:32:06 3m1nHchN
>>412
世界観的に主人公の苦悩がライトに書かれているのがいいね
後、ラストから最初への回帰が終わりのない地獄らしくて良かった

>>416
寝取られがテーマならOK。でも、異種姦の方が印象が強いなら
他の該当スレかな

420:NT1FuShu
08/03/17 20:38:03 ef9djdGw
ちょっとした、俺のNTR覚醒のきっかけ話をしようと思う。
注釈:内容は実話ですが、十年近く前なのでうろおぼえなところもあります。
   あと、文章力がないので、説明っぽくなったり、変になったりしていても突っ込みはスルーで…おねがい。



俺には六歳離れた姉貴がいるのだが、俺が高校壱のころ。
当時、姉貴が家庭教師をしていて、近くに住んでいた男子中学生を教えていた。
家庭教師の仕事は大手進学塾のアルバイトではなく、大学経由の個人紹介だったため、
男の子を、家に呼んで勉強を教えていたことが何度かあった。
思春期だからか、男の子の目線が姉貴の胸などに注がれていることがたまにあった。

それから、姉貴が家庭教師を始めてからしばらくたったある日。
いつもの様に家に帰ってくると、珍しく姉貴の部屋から音楽が聞こえてきていた。
(姉貴は普段、音楽を聴くときはヘッドホンなどをしていて、ベッドの上で寝転がっているのをよく見かける。)
少しやかましいので、音量を下げてもらおうと思い、姉貴の部屋の扉をノックすらがが返事はなし。
再度ノックをするが変化なし。
(部屋の外にも聞こえ、扉をノックしても気づかないくらいだから、かなりの音量で聞いていたのだろう。)
姉貴とはいえ、女性の部屋に無断で入るのは失礼だと思ったが、あまり気にせずにドアノブを捻り扉を開けた。
ほんの僅かの間だけだったけれど、あの時の光景は今でもはっきりと覚えている。
扉をわずかに開け、姉貴を呼ぶために声を出しかけて、目の前の光景に固まった。

部屋の真ん中には丸い小型のテーブルがあって、その上には飲み物(たぶんウーロン茶)の入ったコップが二つと教科書やノートが開かれて置いてあった。
床にはテーブルを挟むようにして座布団があり、そのすぐ隣には脱ぎ捨てられたズボンとトランクスがあった。
そのズボンとトランクスの持ち主は、ベッドの上で姉貴としていた。
姉貴の両脚は大きく開かれ、が。
姉貴の両足の間には男の子の体があり、膣内にちんぽが挿入されていた。
男の子の顔はこちらからは見えなかったが、腰が激しく動いていたのを覚えている。
姉貴は男の子の首に腕を回して抱きついており、表情は眉間に皺ができるほど強く目を瞑っていた為、おれが覗き見ている事は気づかれなかった。
俺が覗き始めてから、すぐに(正確な時間はわからないが十秒ほどだったと思う)男の子の腰の動きが止まり、射精したのがわかった。
だが、男の子が姉貴の膣内から抜いたちんぽを見たとき俺はさらに驚いた。
男の子のちんぽには避妊具はつけられていなくて、生のまま姉貴と交わり、中出ししたのだ。
あまりの衝撃に俺は、逃げるように家を飛び出してしまった。



三時間後、家に戻ると。
男の子が帰る所だった。
通り過ぎるときに、普通に笑顔を向けられたが、おれは内心では嘲笑されてるのでは?と疑ってしまった。
男の子が帰り、汗を掻いたからと風呂に入っていく姉貴の後姿を見て、
俺は後戻りの出来ない、何か大切なものが抜き取られてかのような喪失感を覚えて悲しくなった。

その日の姉貴の歩き方が変だったのと、翌日、隠すように捨てられた乾いた糊がついたような赤く染まったティッシュのゴミは関係ない…と思う。
あと、あの日から二ヶ月くらいして、姉貴が中絶したのなんかはもっと関係ないはずだ。

421:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:40:10 OD8moIRE
412 GJ過ぎる。
続きを希望したいがこれはこれで凄まじく完成している肝。

422:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:40:48 3m1nHchN
>ラストから最初への回帰が終わりのない地獄らしくて良かった
って書いたけど、違ってたらすまん

423:名無しさん@ピンキー
08/03/17 20:47:13 n1OoDj5X
ほぼ一ヶ月間も…という事は、ようやく解放された時に、サクヤのお腹の中には…
と黒い個人趣味な妄想もしてみたりして

424:名無しさん@ピンキー
08/03/17 21:32:30 Y6viigd7
だが勇者が来なければ、モンスターに街が教われ、そいうらに寝取られて孕ませられるという。

425:名無しさん@ピンキー
08/03/17 22:34:43 47Oj8pRj
>>420
いいねえ
もうちょっと膨らませて小説に仕上げて欲しかった。
なんなら、俺がそのうちやってみましょうかw

426:名無しさん@ピンキー
08/03/17 22:47:26 QqPrqD3u
>>420
ブラボーブラボー


427:名無しさん@ピンキー
08/03/17 23:43:58 oVdgmvy3
最近は豊作で良き也

428:名無しさん@ピンキー
08/03/18 01:37:14 wDZTpxLk
NTRモノなんかは主人公視点だとセックス時の描写が出来無いのが問題だな
いつも目撃する時には調教進行した状態だったりするし

429:名無しさん@ピンキー
08/03/18 02:23:29 RPsPWG9x
女の子視点だと寝取りとしても寝取られとしても読めるし
エロもガンガン描写が可ですよ

430:名無しさん@ピンキー
08/03/18 04:42:59 25n9Cd+w
主人公視点でも第三者としてのセックス描写がかけるはずなんだが
女の子視点だと描写がオーバーすぎて、ファンタジーになっちゃってる人が多い
女性が書くならわかるけど男性が書く女心は独白みたいになってる

431:名無しさん@ピンキー
08/03/18 06:24:50 Iwqsuf4+
そりゃそっちの方が興奮するからだろ。
こういうSSでオーバーに書かないとひたすらだらだらした物になっちゃうからね。
小説とかならいいんだろうけど、こういう所だと誰も読もうという気にならないんじゃね?

432:名無しさん@ピンキー
08/03/18 08:35:00 vsWqXTB8
女の子視点は余り好きじゃないな。節操がないとスイーツ(笑)になるから
その人がそう見える要素をわざわざ作り出すのはどうかと

433:名無しさん@ピンキー
08/03/18 08:51:55 Dgh+5KFN
要は技量次第、と

434:名無しさん@ピンキー
08/03/18 14:52:13 82elkeZ+
なるほどモンスターが怪物と勇者にかかってるのか

435:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/18 16:12:06 ShF6DzV+
45.
USBメモリの中身。
格納されたファイル郡が、画面に表示された。
ファイル名は全てが日付になっており、時系列に並んでいる。
最初のファイル名は「7月17日.mp3」。最後が「12月24日.avi」となっていた。
全てを知るべきなのか。それとも、知ってはならないのか。
俺はPCの画面を前にしばらく逡巡した後で、最初のファイルをクリックした。
ソフトが起動する。やがて、鮮明な音声が流れてきた。
『…えー、そんなことないですよ』
真琴の声。7月と言えば風岡の家庭教師を受け始めて、一ヶ月程が過ぎた頃だ。
感じからして、おそらく、風岡がこっそり録音していたものなのだろう。
『真琴ちゃん、覚えが速いからさ。俺が教えることもあまりないね』
この頃はまだ、真琴ちゃん、と風岡は呼んでいる。
『じゃあ、今日はこのくらいにしようか』
『はい、ありがとうございました』
『夕方の話の続きだけど、真琴ちゃんってさ…』
『はい?』
『彼氏いるの?』
『えーっ?うふふっ、いるように見えます?私、かなりお転婆なんですよぉ』
『うんうん…空手やってるんだよね。強いの?』
『もう、すごいですよ!胴着を着たら、かかってこい、って感じで。あはははっ』
『じゃあ、恋愛どころじゃないわけかぁ』
『んー…そうですね。気になる相手はいないわけじゃない…けど』
『へえ、誰?』
『…んー…風岡さんがさっき、彼女いないって教えてくれたから、私も教えちゃおう
かな。でも、絶対に、秘密ですよ?』
『うん、もちろん、分かってるよ』
『…幼馴染の男の子がね、隣に住んでるんです』
『へえ~、なんていう子?』
『ヤスタケ…って呼んでるんだけど』
『ヤスタケくんか。向こうは真琴ちゃんのこと、どう思ってるんだろうね?』
『えー。あはは、わかりません。ただの幼馴染としか思ってくれてないかなあ…』
ここで、不意に録音は終わった。
俺は、聞き終えた後、しばらくの間、ショックで呆然としていた。
まだ真琴が、風岡に心を奪われていなかった頃。純潔を捧げる前。
真琴は、俺への想いを、恥ずかしそうに、打ち明けてくれていた。
いつも、俺の前では口が悪く、じゃじゃ馬だった、真琴が。
「…」
俺は、のろのろとマウスを動かした。
次のファイルは「7月31日.mp3」となっていた。

436:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/18 16:13:31 ShF6DzV+
46.
2つ目のファイル。これも音声ファイルだ。
再生が始まる。今度は風岡の声から会話が始まっていた。
『…夏休みの予定はあるの?』
『今年は勉強ですよぉ。父がうるさいしー。遊べないかも』
『まあ、俺が夏休みも見てあげるから、大丈夫』
『え?ホントに?いいんですか?でも、風岡さん、来年就職じゃ…』
『もう内定、取ってあるから』
『えー、どこに就職するんですか?』
風岡が名を挙げたのは、俺や真琴でも名前を知っている大手電器メーカーだった。
『すっごーい!風岡さん』
『…まあ、ステップのひとつなんだけどね』
『へえ~?』
『いつかは、起業しようと思ってるから』
『会社作るってこと?すごいなぁ。私には、よく分からない世界だ』
『…真琴ちゃんなら、すぐに分かるようになるさ。頭がいいし、機転が利くし』
『そうかなぁ』
『真琴ちゃんが、大学を出たら、俺が起こした会社に来てもらおうかな』
『えーっ?行っちゃいますよ?行っちゃいますよ?ホントに』
真琴は、とても楽しそうに話していた。風岡はやがて、自分の夢なるものについて
話し始め、真琴が合槌を打ちながら、その話に聞き入る雰囲気が伝わった。
2つ目のファイルはそこで終わる。
いったい、何なのだろう。ファイルを聴き終える頃、俺は考えていた。
この録音は、いかにも、今日のことを見越して、行われているように思える。
最初のファイルの7月17日以前から、風岡はすでに真琴を奪い、その事実を
俺に突きつける計画を立てて、準備を進めていたというのだろうか。
俺は風岡という男の危うさ、そして、不気味さを感じていた。
なんでよりによって、こんな男に真琴の父は家庭教師を頼んでしまったのだろう。
その選択が、真琴の純潔を奪うことに繋がるとは、思いもしなかったのだろう。
3つ目のファイルに、俺はポインターを当てる。
「8月21日.mp3」。
『夏休みの集中講義も終わり。よく頑張ったね』
風岡の声で、俺は思い出した。夏休みのお盆明けから一週間、毎日、家庭教師が
来ることになった、と真琴が、その頃、言っていたことを。
その時期の録音のようだった。
『俺は明日から旅行に行く予定があるから…次は9月の後半から来るよ』
風岡は、真琴の部屋を出ようとしているようだった。
『うん、北海道だったよね』
『ああ。自転車で道北を廻ってくる』
『本当にに一人?実はガールフレンドとかと行くんでしょ?』
真琴の声に、7月の頃とは違う馴れ馴れしさと…何かの感情が漂っていた。
真琴の足音が近づいてくる。部屋を出る風岡の方に、歩み寄ってきているらしい。
『ひとりで行くんだよ。旅行はひとりが好きなんだって言ったろ?』
『…ふうん』
『お土産、買ってきてやるよ。何がいい?』
『…えーとね…熊の木彫り以外』
あはははっ、と二人が笑った。
数秒の間があった。
『…あ』
不意に、真琴の声がした。そして、引き寄せるような衣擦れの音と…沈黙。

437:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/18 16:14:36 ShF6DzV+
47.
『…んっ』
真琴の、声が漏れた。
状況は音だけでも推測できた。真琴は、風岡に唇を奪われたのだ。
俺にとっては地獄のような沈黙が続く。互いの服がシュ、シュ…と擦れ合う音。
真琴の吐息。しかし、真琴が抵抗するような様子は伝わって来ない。
音声だけの分、逆に、生々しい映像が、俺の頭の中で拡がっていく。
風岡に抱き寄せられ、強引に唇を奪われた真琴は、やがて風岡との口づけに
陶酔していく。
『んふ…んちゅ』
そんな舌と舌が淫らに触れ合う音が…聞こえたような気がする。
やがて、真琴の声が聞こえた。
『……風岡、さん…』
『…ごめん。我慢できなかった』
『…でも』
『真琴ちゃんも、同じ気持ちでいてくれてると思ってた。違う?』
『……それは…』
『ごめん、でもファーストキスだったよね。後悔してる?』
『……そんな…』
『ヤスタケくん…だっけか、彼に悪いことをしちゃったな』
『やだっ』
真琴がその時だけ、声を強くした。
『そんなこと、言っちゃイヤだ…ひどい』
ズズッ、とまた服の衣擦れの音。
『あ…』
風岡が、また真琴を抱き寄せた…そうに違いなかった。
『そうだね、ごめん。変なこと言っちゃった。ね、仲直りに…もう一度』
『…風…んっ…』
そして、沈黙。衣擦れの音。真琴の吐息。繰り返される。
『んふぅ…んちゅ…』
今度は明らかに聞こえた。真琴の悩ましい鼻から漏れる声と、舌の舐めあう音。
『ンふ…ん…ちゅ…んちゅ…』
真琴が、いまや、風岡とのキスに陶然となっていることは明らかだった。
キスの後、真琴は、ショックで泣いてしまったようだった。
すると風岡は、そんな真琴の心を落ち着かせるための言葉を、投げ掛け続けた。
あたかも、恋人に囁くような声音で。
『齢がちょっと離れてるけど…真琴ちゃんが好きになった』
『俺の気持ちを、受け容れて欲しい』
『一ヶ月以上前から、真琴ちゃんのことばかりを考えるようになってしまってた』
『頼むから、俺の彼女になって欲しい』
『真琴ちゃんが他の男と付き合うなんて考えたら、耐えられそうにない』
真琴は、そんな甘い言葉を次々に掛けられ、じょじょに泣き止んでいった。
『…北海道から、毎日メールするよ』
風岡は、最後、猫撫で声でそう言った。
『…返事、必ず、くれるだろ?』
『………うん』
真琴は、風岡に、唇を奪われたことを、許容した。
これ以上、先に進んではいけない。
俺の頭は、警告を発していた。やめろ。これ以上はお前が深く傷付くだけだ、と。
だが、俺のさらに奥深くで、何かが血を流しながら、俺に求めていた。
見てしまえ、真実を見てしまえ。そして、地獄の苦しみにのたうち廻れ。
お前は本当はそれを望んでいるのだ、と。
俺は、4つ目のファイルをクリックした。
「9月25日.Avi」。それは、音声ファイルではなかった。

438:幼馴染ネトラレ ◆z8bwk5sDeY
08/03/18 16:20:16 ShF6DzV+
48.
PCの、画像再生ファイルが起動した。数秒、黒い画面が表示された後、画面は録画の画像に切り替わる。
風岡と真琴が、いきなり、間近に顔を並べていた。俺の鼓動が急に速くなる。
『ねえ、本当に…撮る?』
真琴は画面に向って、恥ずかしげに言った。
風岡がふたりの顔の前に携帯を持ち「自分撮り」をしているらしかった。
『撮るよ、撮る』
『でもぉ…何に使うの?もう』
真琴はそう言うが、表情を見る限り、怒っているふうではなかった。
ふたりの会話には、もうすっかり馴れて打ち解けた雰囲気が漂っていた。
真琴の表情と言葉の調子が、以前にはなかった媚びを含んでいる。
日付から見て、北海道旅行から風岡が帰ってきた後だろう。その間に、二人はどれほど親密さを増したというのだろうか。
『だから、元気を出したいときに見るんだってば』
『本当に?それだけ?』
『何に使うと思うんだよ?真琴もけっこうエロいね』
『…ばか!』
風岡は、すでに、真琴を呼び捨てにしていた。
『ほら、いいから、じゃ、撮るよ』
『えっ?…は、はい』
風岡が言うと、真琴は慌てて、緊張した面持ちで、画面を見つめた。
もうすでにカメラが廻っているとは、真琴は知らなかったのだろう。
画面の中で、二人の顔が、頬がくっつくほどに間近にあった。
『えっと…、さ、坂上、真琴です』
真琴は真っ赤になりながら画面に向って話し始めた。
すでに、そういうふうな打ち合わせが出来ていたらしかった。
『横にいるのは…か、彼氏の、風岡龍介さんです…あー恥ずかしくてダメだよぉ』
『ほら、真琴、続けて』
抗議する真琴に、風岡が笑いながら、促した。
『んー…』
頬を少し膨らませた真琴が、けれど、また画面を見つめる。
『風岡さんと…』
『こら。龍介さん、だろ?』
真琴が、うっ、という表情をして、さらに真っ赤になる。
『りゅ、龍介さんと…真琴が、恋人同士っていう…しょ、証拠です』
真琴はそう言うと、横を向いた。風岡の方を向いて、あごを軽く突き出す。
『はい、よく出来ました』
風岡はそう言って笑いながら、真琴の唇に、自分の唇を重ねた。
『…ン』
風岡に肩に手を掛けられ、真琴の口から声が漏れる。
真琴の手が震えながら伸び、風岡を頼るように、風岡の肩に置かれる。
真琴はうっとりと目を閉じている。疑いようのない現実がそこにあった。
真琴が唇を奪われている様子を、俺は初めて、目撃していた。
長い、長いキス。二人の顔がゆっくり角度を変える。互いの口を吸いやすいように、絶えず、揺れている。
唇は離れない。風岡がぐい、とやや荒く、肩を抱き寄せる。
『んふぅ…』
真琴が、可愛くイヤイヤしながら抗議するが、風岡は許さない。風岡の口が開いた。
それに息を合わせて、真琴も口をやや開いた。風岡が舌を伸ばす。真琴の血色の良い唇を、舌先で舐めていく。
真琴が開かれた唇から、赤い舌を覗かせた。真琴も、舌を伸ばした。
ぴちゃ…、という音が聞こえるように、二人の舌が絡み合った。
ぴったりと息の合った口づけは、二人が、もう何度もこんな濃厚なキスを
繰り返している証拠だった。二人はお互いの唾液を舌に乗せながら、それを交換するような淫らなキスに耽る。
そして、やがて、風岡が口を離す。唾液の糸が伸びた。
『……』
真琴は真っ赤な顔をして俯いている。画面を見ることが出来ないようだ。
『よく出来たね、真琴、可愛いよ』 風岡が言った。
『ほら、ちゃんとカメラ見て』
真琴のあごを指で摘み、カメラの方を向かせた。
『…あン…』
真琴は、羞じらいを含み、潤んだ目で、風岡のなすがままになった。



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