【涼宮ハルヒ】谷川流 the 57章【学校を出よう!】at EROPARO
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 57章【学校を出よう!】 - 暇つぶし2ch100:名無しさん@ピンキー
08/01/30 21:42:28 2QqYy/80

何のこと言ってるの?

101:名無しさん@ピンキー
08/01/30 22:06:05 2+9ETpEB
1/29 11:56 >>28
1/30 20:26 >>97 32時間30分 こ、これか?

102:名無しさん@ピンキー
08/01/30 22:25:42 4C+Y0IHB
>>95
アニメの方で解釈すれば、間違いではないようにも見えるかもしれない。
原作版挿絵と「陰謀」描写を考えると厳しいかもしれんがな。
そういや、少し前にPSP版のゲームの宣伝用看板を街頭で見かけたときには、アニメ版の絵柄で
焼きそば喫茶の衣装着たSOS団員が描かれていたけど、アニメほど胸が目立つデザインじゃなかったなあ。
客観的には団長<名誉顧問に見えるような感じで。文芸部員が正面を向いていなかったのは狙ってたんだろうけど。

103:Ippatuya
08/01/30 23:53:44 omYs0+Fn
流れを読まず小ネタ

 ・・・くそっ

 俺は決意したはずだ。
あの世界。眼鏡をかけた長門。俺にありがとうと言った長門。
それらを見て思った。頼りっぱなしにせず、一緒に考え、一緒に悩み、一緒に苦難を乗り越えていこうと。
頼りにするだけじゃなくて、頼られる存在になろうと。
  でも。
実際はどうだ?
こんなけったいな館にぶちこまれ、長門が見えない所で戦いをしていたっていうのに、俺は何もしちゃいなかった。挙げ句の果てにそのせいで熱を出して倒れちまった。
俺はその時、ただ役に立たない頭を動かしていた。

 くそったれ。

俺が少し前長門の親玉に言った台詞。だが、今はそれを自分に向かって言っている。
それでも足りない。まるで足りない。足りるわけがない。
自分への怒りに任せ、冷蔵庫のドアを何度殴りつけようが。どれだけ自己嫌悪の言葉を吐こうが。
自分の無力さへの怒りは消えない。
・・・いや、自分対してぶちキレるよりも、先にやることがあったな。この氷枕を長門に持って行かねば。
俺は血の滲む右手に氷枕を持ち換え、先ほどの数倍の力をこめて冷蔵庫のドアをぶん殴った。
何かに、亀裂が走る音がした。

104:Ippaturuya
08/01/31 00:00:24 2+9ETpEB
冷蔵庫の扉が音を立てて割れ落ち、

…………。

そこには全裸で踊り狂うハルヒがいた。


105:名無しさん@ピンキー
08/01/31 00:36:23 FfYmEvxi
>>104
名誉顧問直々の魔改造自重しろwww

106:名無しさん@ピンキー
08/01/31 01:25:18 0329wH1X
もう、投下されるなら何でも良いよ。そんな感じ

107:名無しさん@ピンキー
08/01/31 19:07:04 ZxWQL+L2
つーか俺もう読んでない

待ってる作品が来るのをひたすら耐えるだけ
適当にGJって書いときゃそれでいいだろ?って感覚

108:名無しさん@ピンキー
08/01/31 21:17:17 c6JvptUC
ここより明らかに進行早いエロパロスレは東方、なのは、らきすた、だな。
何気にらきすた凄いな。ハルヒの宣伝番組のくせに生意気だ

109:名無しさん@ピンキー
08/01/31 22:15:54 zSx4w7j4
らきすたに出てたハルヒの方がおっぱい大きかったから仕方ない

110:名無しさん@ピンキー
08/02/01 08:10:19 A3qbh1gz
そりゃこっちは公式補給が途絶えてるんだから当然だ。

111:名無しさん@ピンキー
08/02/01 11:49:28 JF0VPLiR
いつぞやの泉の女神ネタの続き投下。佐々木(小)救済SS

112:名無しさん@ピンキー
08/02/01 11:55:01 QTzXcRCl
テゥルルルルー
ガチャ
「やぁ、涼宮さんかい?」
「あんた、誰よ?」
「あぁゴメンね、名乗るのを忘れてわ。キョンの「親友」でどうかな?」
「!!佐…々木さ…ん??」
「電話番号は…すまない橘君に聞いたの。
どうしても涼宮さんに伝えたい事があってね。」
「何よ…」
(何なのよ!明日はキョンが不思議探索来れないとか言うからイライラしてんのに!!)
「明日キョンと約束があるんだ」
(やっぱり…イライラしてるみたいだね。やっぱりキョンが断るだけでこれか…)
「な!?だ、だから何よっ」
(なっ!!だから探索来れないって…このせいね!!)
「実はね?…是非とも涼宮さんにも来てほしいの」
(そう来ないと意味が無いの)
「…( A)゜゜はぁ???」
(いったい何のつもり?)
「貴女が来ないと決心が…ね」
(そう…決心がね。それに目の前で奪わないと…意味が無いの)
「決心?よくわかんないけど…いいわっ!行く。」
(ホントによく分かんないけど…嫌な予感が…する…)
「じゃあ待ってるわ、
そうね…あなたたちが集合場所にしてる駅前に…13時に」
(待ってるわ、貴女を)
「13時ね分かったわ。それじゃ」
「あぁ、それじゃあしt、待って一つだけ一人で来てね」
「??わかったわ?」
「それじゃ…ね涼宮さん」

さぁ、明日僕は…いや私は伝えに、涼宮さんに、勝ちに行く。二年分の思いと一緒に

113:佐々木(小)救済SS
08/02/01 11:56:12 JF0VPLiR
「キョンは僕なんかどうでも良いのだね?さよなら」
佐々木(小)は涙目になりながら、そう言って立ち去る。ってお前水面を歩いているぞ。

「待ってくれ、佐々木」
佐々木(大)も言う。
「正直にならないと、キョンくん手に入らないわよー」

佐々木(大)がパチンと指を鳴らすと佐々木(小)の後ろ姿が消え、佐々木(小)は俺の横に移動していた。


俺は佐々木を抱き締める。
「佐々木、行かないでくれ」
「離してくれ変態」
佐々木を離したくない、そう思った。
「佐々木。愛してる」
そう言って俺は佐々木にキスをする。

「よその女にチ○ポ入れている最中にそういうこと言う?君なんか大嫌いだよ」
「巨乳でも貧乳でも佐々木は大好きだよ」
そう言って俺は再び佐々木にキスをする。我ながら酷い言い訳だ。

「うー、酷いよー、キョンは酷いよー。大嫌いだよー」
「すまん、佐々木の気持ちを考えずにキスをしてしまって」
俺はようやく佐々木(大)からナイフを引き抜く。
「エッグ。酷いのはキスをしたことじゃなくて余所の女にチ○ポ入れたことだよ―」
「許してくれ佐々木」
「許さないよー」
「キョンくんが欲しいって正直に言わないから、先を越されるのよ」
佐々木(大)はそう言って佐々木(小)のブラのホックを外しシャツのボタンも・・・
「キョンくん。パンツ脱がしてやって」
言われるまま俺は佐々木(小)のパンツを脱がす。ミニのスカートがそのままなのが妙にエロい。佐々木のエロさは殺人的です。

遠慮がちに閉じようとする股に両手を添えるとひとりでに開いた。
俺は佐々木(小)のあそこを舐めまくる。
佐々木(大)は佐々木(小)に抱き付き、胸を揉み下し、耳を甘がみする。

「嫌だよ♂キョン♀そんなととこ☆あ♭駄目∫止めないで〒もっと℃」
佐々木(小)のあそこの舌ざわりを感じて喘ぎ声を聞いているうちに、俺のコッペパンは再びフランスパンのように堅く、大きくなった。

「あー£駄目ー@いっちゃうー∞」
絶頂に達した佐々木(小)は俺の顔に黄金水をぶっかける。
「・・・ごめん汚してしまって。キョン・・・」

俺は晴れ晴れした気分で言う。
「気にするな。毎日でもやって欲しいくらいだよ」


114:名無しさん@ピンキー
08/02/01 11:56:41 QTzXcRCl
「僕は__キョンが好き」
その瞬間唇に触れたやわらかい感触と、そのストレートな思いは俺に金縛りを食らわせると同時に
横で驚きと同時に目に涙を浮かべるハルヒが俺の目に映っていた___


キョン
ねむいねむいと脳が文句を言い続けながらもそれに逆らい顔を洗い歯を磨き
朝飯を取る。
そんな何時もの不思議探索の日と同じようなサイクルで今日と言う日を回しながらも
少し何時もと違うワクワクを感じて休みの朝のゆったりとした時間を過していた。
遠足の日の子供のようにその日は一番乗り~みたいに思った小学生のように早く出ようなんて血迷った俺は、
自転車を玄関に出した俺に意外な方が待っていた。

「キョン君…おはよう」

朝比奈さん(大)が少し深刻そうな顔で立っていた…


佐々木
たった一年離れるだけでこんなにも膨らむのか__
たった一年離れるだけでこんなにも虚しくなるなるのか__
この一年とても恋しかった、だから再開したときはうれしかった__
だけど彼女_涼宮さんと居るのを見てしまった時から、私は少し汚くなってしまった_

一緒に笑うのは私の役目なのに、一緒に笑うのも私の役目だったのに、
そしてあの位置は私のものだったのに、と。
彼女を見るたびにこんな感情が私を包んでいた。
しかし…今日で終わらせる。
私の感じた感情をそのまま彼女に遭わせてあげる。
さぁ出かけよう、キョンを待たせるわけにはいかないからね、くっくっく

115:名無しさん@ピンキー
08/02/01 12:00:16 JF0VPLiR
「それってどういう意味かな?」
「気にするな、妄言だ。それより、そろそろ本番行くぞ」
「うん。優しくてね」
そういや、佐々木の口調は普段とちがうな。どうでも良いけど。

佐々木(小)の入口は、いい具合にギュッと締まり込んでいて、サキッポ入れただけで漏れそうになる。
我慢しながら根元まで挿入する。
「どうだ、俺のフランスパンの味は?」
「何がフランスパンだって?あらびきウインナー(小)じゃないのかな?くっくっ」
「なんだとー」
ちょっとムッときた俺は乱暴に腰を動かす。
「アン♀そんなに乱暴しちゃ☆嫌だよ♂」
やべーもういきそう。
「佐々木いくぞ」
「アン∬もう?」
俺が生まれつき持っている蛇口から、白濁した液体が佐々木(小)の体内にとめどなく注ぎ込まれる。
「馬鹿言ってはいけないよ。そこは体の外だよ。中じゃないよ」
難しいこと言うなよ

「キョン早すぎるよ。全然満足できない。というわけでもう一回戦行くよ」

その後が一回戦どころで済まなかった。二人の佐々木にダブルフェラして貰ったり、代わる代わる騎乗位してもらったり。
二人の佐々木との3Pプレイはまだ始まったばかりだ。


ちなみに、あの時の佐々木(大)が未来の佐々木だったのを知ったのは後の話

(終わり)

116:名無しさん@ピンキー
08/02/01 12:09:08 JF0VPLiR
投下かぶったが、113と115が続きで、一応終わり。
112‐114は続かないのか?

117:名無しさん@ピンキー
08/02/01 12:11:45 2f8dY0al
              ,. - ─ ─
            r'つ)∠──     \  
           〆⌒  ̄ ̄ ̄ \__     ヽ 
          ,.イ      ,イ    \ヽ,     }
         ヾイ    /{ { ヽ、ト、  \    ノ  
         {  .ト{\ヽ',  メ __\  }  / 
          ゝ  |"ひ)  \  イびゞ \ ヽ- 、      <へい、おまち!
          ノ  ト、"´,.     ー ノ ///\  
         /.  {   ゝ     /  レ//  }      (   (    ) (    )   )     
         {   ヽ  ヽ⌒>  /    レ´TT        (  )   (   )  (   ノ   
         V{   \ └ ´  / ,.イ/  /       ____...................____
       ,-、  f^ヽ   >ー┬|/  ! ,.イノ    ,, -ー" _,,..   _,,._  ,,.._  ,,.._  _,,.. ゙ ヽ、
      {  ヽ:::;ム  マミ、: : \    ム: : :∨   /   /,,r"i/ ,r"i/,,r"i/,,r"i/,,r"i  、 ヽ
       \  ヽ,ム  ∨ヘ : : \ /: /ヘ: : :ヘ / ./  /#; / /#.; / /#; / ,/#; / ,/#; / .,"  i  |
     ,.- 、   \ ヽ〉  ヽ  \: : :\://ヘ: : :| i  i. /毒 //毒/ /毒/ ,/毒/ ,/毒/ .,'   / /
     ヽ、 \ | 〉       \ lヽ./^)、 : : |: : ! ヘ.  |〃/ ,|〃/ ,|〃/ .,|〃/ , |〃/ .,"..;;/ /
      丶、`¨     /  ァ'´ /: : ヽr:| : ハ ヽ   ヽゝ' `ヽゝ~ ヽゝ' ~ヽゝ' ~ヽゝ'  " /
        `)      l     ,.イ、ヾニ二7イ |.ィ ゙ ー-- 、、... _ ____ ,,,,, .... --―"
      ⊂二´.. _      __/ /  ` ー-、_|/、__jニフ
           ヾー--='彡- '    /´:j:_}::::/一`
             `ーr'´      ,f-':j´:||`′       涼宮哈爾濱の餃子
               /ヾ二トr‐_Tj-トイ : l:!┐

118:名無しさん@ピンキー
08/02/01 12:38:17 QTzXcRCl
>>116
俺のも終わりです。
投稿予告あったの全然気付いてなかった。ごめんなさい。

119:名無しさん@ピンキー
08/02/01 18:40:42 P8hExHAp
>>117
穴はどこに開いているんですか?

120:名無しさん@ピンキー
08/02/01 22:09:25 +l07GmOr
>>117
どこ行ってもそれだな

121:名無しさん@ピンキー
08/02/02 00:42:07 YGWvp9gh
>>112
SS内に顔文字とかフザけてるのかと。

122:名無しさん@ピンキー
08/02/02 02:03:15 YckjwT87
フザケているけど
よくあることだ

しょせん(と言ったら失礼だが)SSだし

123:名無しさん@ピンキー
08/02/02 21:08:12 5IU8cohr
レス我慢大会

124:名無しさん@ピンキー
08/02/03 01:28:45 2n5X3zc4
レズ我慢大会に見えた。どんな話だそれは。

125:名無しさん@ピンキー
08/02/03 01:59:02 4NY2yC9S
阻止

126:名無しさん@ピンキー
08/02/03 02:48:42 wOLERxIw
>>124
え? 変態佐々木シリーズの次回予告じゃないの?
涼宮佐々木でイかせあい勝負をさせて、勝ったほうがキョンにご褒美をもらえるという内容の。

127:名無しさん@ピンキー
08/02/03 03:18:42 clgCU5WS
ふむ、誰もいないとは珍しいな

128:名無しさん@ピンキー
08/02/03 04:24:31 RGr20dPb
みんなゲームやってるんだよな!
つうか、これクリアまで何十時間かかるんだよ……

129:名無しさん@ピンキー
08/02/03 08:18:25 KHjf5nzq
だってここつまんねえんだもん
投下される作品がじゃなくて取り巻きの住人が
「GJ!」かキモい賛辞のどちらかしか付けていかないし

130:名無しさん@ピンキー
08/02/03 11:03:59 fs7f10mL
住人をみにきてる奴も珍しい

131:名無しさん@ピンキー
08/02/03 11:09:04 IDGI/AhY
趣味は人間観察

132:名無しさん@ピンキー
08/02/03 13:00:24 04x7q/Sv
痛い作者の愚痴にしか見えないが

書き手が痛いから自然に痛い住人が集まると

133:名無しさん@ピンキー
08/02/03 14:06:16 e/ufg38Z
エロパロが変態と基地外の集まりなのは当然だろ。
ハルヒSSにはアナルもVIPで臨時に立つ変なのもあるけど。

134:名無しさん@ピンキー
08/02/03 18:33:17 sLJ0+cfO
ヘンタイや気違いが必ずイタいかと言うと、そうでもなかったりする

まあ総じてラノベ系には痛い子供は多い
自分も含めてね

135:名無しさん@ピンキー
08/02/03 18:54:34 2LXBQU98
>>134
残念
ひとつだけ違うところがある

2ちゃんねるには総じて痛い子供が多い

の間違いだな

136:名無しさん@ピンキー
08/02/03 19:18:23 wOLERxIw
>>135
2ちゃんねるだけじゃないだろ。

日本には総じて痛い子供が多い

137:名無しさん@ピンキー
08/02/03 19:20:42 l2CKATtV
>>136
日本だけじゃないだろ。

アジアには総じて痛い大人が多い

138:名無しさん@ピンキー
08/02/03 19:32:56 lkYkBlGd
>>137
アジアだけじゃないだろ

世界には総じて痛い人間が多い

139:名無しさん@ピンキー
08/02/03 19:57:18 yfYsfOkn
神人って「しんじん」って読むんだ。。。

「かみんちゅ」って呼んでたの俺だけ?


140:名無しさん@ピンキー
08/02/03 19:59:05 3IIngq/G
>>139
うちなんちゅ乙

141:名無しさん@ピンキー
08/02/03 20:11:36 2LXBQU98
>>138
結論
ラノベはすべてが許される

142:名無しさん@ピンキー
08/02/03 20:24:46 WJ3qLIMr
>>139
古泉「わったーはあの怪物をかみんちゅって読んでるさーね」

143:名無しさん@ピンキー
08/02/03 20:27:24 z4tG/P+b
痛い自覚のある奴等がなんとか誤魔化すことに成功したなw

144:名無しさん@ピンキー
08/02/03 20:43:44 pN5dk4G7
しつこい男は嫌われるわよ、って朝倉さんが言ってた

145:名無しさん@ピンキー
08/02/03 20:48:01 e/ufg38Z
姦らなくて後悔するより姦って後悔した方が良いって言うじゃない

146:名無しさん@ピンキー
08/02/03 20:50:23 E51MpgFh
>>145
変態佐々木シリーズの朝倉さん乙ww

147:名無しさん@ピンキー
08/02/04 13:31:33 Qccmj4tq
というかよくわかんなかったのは俺だけ?

148:名無しさん@ピンキー
08/02/04 14:44:42 Rhuu/xyd
変態佐々木シリーズを知らなくても、朝倉さんの言葉のパロとわからなければモグリ認定されそう

149:名無しさん@ピンキー
08/02/04 18:33:58 cXbY+EG+
キャラの性格設定変更はたたかれる可能性大

150:名無しさん@ピンキー
08/02/04 18:43:50 uQSgbj17



148 名無しさん@ピンキー [sage] 2008/02/04(月) 14:44:42 Rhuu/xyd
変態佐々木シリーズを知らなくても、朝倉さんの言葉のパロとわからなければモグリ認定されそう




151:名無しさん@ピンキー
08/02/04 18:46:43 Qccmj4tq
>>148
違う違う。
その前のSSのこと。
その作者が前に書いてたぶんはリアルタイムで読んでたからわかるけど
今回の方の文章の意味が全体的に何がどうなってんのかが
よくわかんなかったのは俺だけ?


ってこと。

152:Ippatuya
08/02/04 19:20:26 cXbY+EG+
また小ネタ


「・・はぁ・・・んっ・・」
「長門、ここすげえコリコリしてんぞ」
「・・言わないで・・・あんっ」
「おーい、こんくらいの事でそんな声出すか?」
「あなたが・・・上手だから・・・」
「・・・・嬉しい事言ってくれるじゃねーか。これは礼だ。ほれほれ」
「んぁっ!・・・そ、そこは・・だ・・・めぇ!」
「ふーん、ここがいいのか」
「や、だ、だめ・・・んあぁぁーーーーー!!」



「すっきりしたか?」
「した」
「そっか。ならいいが、あまり同じ姿勢でいるとまた肩こっちまうぞ」
「その時は」
「ん?」
「またおねがい」
「・・・ああ、いつでもいいぜ」

153:名無しさん@ピンキー
08/02/04 19:37:56 k/bDZTKU
(;^ω^)

154:名無しさん@ピンキー
08/02/04 19:53:02 uQSgbj17
(ノ∀`)アチャー

155:名無しさん@ピンキー
08/02/04 20:18:46 8Jkbs8cZ
とりあえずsageろ

156:Ippatuya
08/02/04 21:14:37 cXbY+EG+
うーん
正直甘かったかな。勉強になった気はするが。
腕を磨いてまた書きにくるわ。
つまり出直す

157:名無しさん@ピンキー
08/02/04 21:19:09 flvWzbA0
いいから下げろよノータリン

158:名無しさん@ピンキー
08/02/04 21:31:53 9Ilqc8kZ
サゲとは、メール欄に半角小文字でsageを入れること。
そうしないと、作品が一番上に表示されて迷惑なんだよ。(プラウザによってはsage関係ないのもあるけど)

159:Ippatuya
08/02/04 21:50:05 cXbY+EG+
すまん。無知にもほどがあったわ。
こういうとこの常識には慣れてなくて迷惑かけた。
あわせる顔もないんでさっさと立ち去るわ。

160:名無しさん@ピンキー
08/02/04 23:01:41 8eAXkc0H
今時気にするほうがおかしいから、問題ない

161:名無しさん@ピンキー
08/02/04 23:02:53 YuM66SBu
初心者に対する扱いは今も昔も変わらないぞ。

162:名無しさん@ピンキー
08/02/04 23:06:03 /vR0aYxi
>>161
Exactly!(その通りであります!)(AA略

163:名無しさん@ピンキー
08/02/05 00:59:15 f/D9mvTf
>>152
肩でも長門らしくないだろう。この有名オチにはキャスティングミス

「すっきりしたか?」
「した」←

でもここが長門らしくて好き

164:Ippatuya
08/02/05 03:01:30 fSB+mGYF
小ネタ投下

165:名無しさん@ピンキー
08/02/05 03:08:16 8d90+v5j
するな

166:名無しさん@ピンキー
08/02/05 03:18:36 UYL0dKUJ
せっかく投下しようとしてくれてんのにそれはないだろ
ま、別にどっちでもいいんだけどさ

167:名無しさん@ピンキー
08/02/05 03:49:04 DVIVhLl8
もうippatuじゃないから許可しない。

168:名無しさん@ピンキー
08/02/05 07:21:33 +OaBFdng
とりあえず名前の前に#つけろ。

169:名無しさん@ピンキー
08/02/05 09:39:00 o5CbgnzA
>>164
つうかここまでベタなボケをかましてこれるのも一種の才能ではないだろうか
メール欄に踊る大文字のローマ字が目に飛び込んできた瞬間「そうきたかよwww」とくくっときた

170: ◆zvkb1QsB12
08/02/05 10:54:25 8deR2bml
忠告どうり名前変更
批判や感想はいい勉強になるんでこれからもよろしく
また小ネタを落としたいので許可を頼む
許可があり次第落とすぜ

171: ◆zvkb1QsB12
08/02/05 10:59:24 8deR2bml
やべ、なんか変になった
これどうなってんのかご教授願いたい

172:名無しさん@ピンキー
08/02/05 11:01:18 CzheGwu2
投下したいならすればいい
お前の投下を止める権利なんて誰も持ってないんだぜ

173:名無しさん@ピンキー
08/02/05 11:21:46 o5b8V68E
名前欄のことを言ってるなら、それは『トリップ』だ。
#を付けることによって本人証明のようなことができる。詳しくはググッてくれ。

174:名無しさん@ピンキー
08/02/05 12:27:07 yi/vOxzq
「最強の荒らしは天然さん」って昔ひろゆきが言ってたが、
この流れ見てたら本当にそうだなあと思うしかない

175:名無しさん@ピンキー
08/02/05 12:41:09 MCYxTwoL
故人曰く、「半年ROMれ」

176:名無しさん@ピンキー
08/02/05 12:46:25 iFTU/Kkd
半年ROMったらはたしてその頃には驚愕は出ているんだろうか

177:名無しさん@ピンキー
08/02/05 12:50:56 dmcMYwtB


178:名無しさん@ピンキー
08/02/05 12:58:22 x0+/4KI3
㌔㍉さんが見たいです

179:名無しさん@ピンキー
08/02/05 13:01:19 T7fubJNc
もうこのスレ要らないでしょ

180: ◆zvkb1QsB12
08/02/05 14:59:40 8deR2bml
ならば小ネタ

「ふわあ~~あ」
「・・・・」
「っと、変なあくびしちまったな。ここ最近疲れ気味であんまりに眠いもんで、つい大あくびしちまったよ」
「・・・許可を」
「へ?」
「あなたに疲労除去のプログラムを注入したい。許可を」
「えー、つまりこの倦怠感を消してくれるってことか・・。んじゃ、よろしく頼むわ」
「わかった。・・・・あむ」
「おわ。何で肩に噛みつく・・・おおすげぇ。疲れがどんどん・・・」
「・・・・」
「・・・・なあ長門。なんか体が動かしにくくなってんだが、副作用か?」
「違う。対象の動きを弛緩させるプログラムも注入した」
「何?なんでそんな、っておいなぜ服を脱ぐなぜ俺の服を脱がす」
「・・・・」
「ちと待て!せめて何をするかぐらい教えてくれ!」
「・・・食事」
「そうか食事か。それならいいが、って何を食うん・・・・なっ!まさか!!」
「・・・・おとなしく食べられて」
「ちょっ、待て!!普通は俺が奪ったり食べたりする側じゃないのか!?いやまじ待てって!!待ってくーーー」


「いただきます」

181:名無しさん@ピンキー
08/02/05 15:39:29 8d90+v5j
小ネタは埋める時だけでいいよ
真っ当な評価が欲しいならそれなりのを書いて来てくれ

前スレ埋めた奴死ね

182:名無しさん@ピンキー
08/02/05 15:47:54 C4sWaagG
それ以前に、こいつはどう考えても未成年だろ

183:名無しさん@ピンキー
08/02/05 16:03:37 8x9DusMj
「・・・」より「……」の方が見栄えというか、読みやすいよ。

184:名無しさん@ピンキー
08/02/05 16:56:04 yi/vOxzq
つうかもう来んなよ
>>183も余計なこと言わんでよろしい。居着いたらどうすんだ

185:名無しさん@ピンキー
08/02/05 17:34:10 yIyPUYE7
驚愕が発売されれば批判厨は減るのだろうか

186:名無しさん@ピンキー
08/02/05 17:43:55 NJXyzHOV
朝比奈さん! 出番です!

187:名無しさん@ピンキー
08/02/05 17:45:30 C4sWaagG
あのウンコちゃんは呼ばなくていいよ

188:名無しさん@ピンキー
08/02/05 19:15:30 MjzdAL7V
>>181
>真っ当な評価が欲しいならそれなりのを書いて来てくれ
お前何様だよ

189:名無しさん@ピンキー
08/02/05 19:40:52 n7+lT3Lu
>>188
文と評価が乖離してる方が正しいと解釈。

190:名無しさん@ピンキー
08/02/05 20:13:13 +OaBFdng
とりあえず宣言せずに小ネタだけを投下すればもう少しまともなレスが貰えるかもよ?
いちいち許可とかいらないし、匿名掲示板なんだから名前も無理には入れなくていいし。

あとできれば会話だけの文ってのはやめて欲しい。

191:名無しさん@ピンキー
08/02/05 20:31:23 0XXspQNm
>>184
「それ、無理。だって私本当にここにが好きなんだもの」

192:名無しさん@ピンキー
08/02/05 21:27:41 VKB59XRs
ダメだこいつ。空気読めない上に寒い

193:名無しさん@ピンキー
08/02/05 21:30:33 nfvFZCsc
いやw同じ奴じゃねーだろw
……違うよな?

194:名無しさん@ピンキー
08/02/05 21:33:41 IgdOIbo4
同じなら尊敬に値するがなw

195:名無しさん@ピンキー
08/02/05 21:51:18 Svrh/Y+B
俺は同一人物に10センチだ
この寒さはそんなには続かない・・・!別人のワケがないっ・・・
別人だなんて、なんてありえないはず・・・っ!!

196:名無しさん@ピンキー
08/02/05 21:56:00 w+IrGsXe
ざわ…ざわ…

197:名無しさん@ピンキー
08/02/05 23:07:49 zzy4yu+o
「…………あ」
 む、すまん長門。ちょっと手荒だったか?
「……もっと乱暴にしてもかまわない」
 そうは言うが、俺も初めてで加減がよく判らないんだ。
「手順に間違いはない……」
 そうか。それにしても、もうこんなにビチョビチョじゃないか。
 ……そろそろ、いれていいか? 
「いい」
 あぁ、熱い。熱いよ長門。
 これはやばい! うまく出来ずに、いれる前に外にブチまけてしまいそうだ。
「……まかせて。あなたはじっとしているべき」
 すっと身を乗り出して俺と位置を替えた長門が、湯気が立ち上るほど熱くたぎったソレを、しとどにぬれっそぼったソコへ、ゆっくりと、いれていく。
「……っ…………」
 さすがの長門でも、不慣れだからきついんだろうか。
 ちょっと心配になって眺めていると、息を詰めていた長門がふっと緊張が解いたのが見て取れた。
「……はいった」
 無表情な中にも、なにかを成し遂げたような満足気な瞳を向けられて、思わず微笑を返してしまう。

「飲んで」

 朝比奈さんに触発されたのか、長門はつい最近中国の茶葉と茶器を取り揃えたらしい。

「普遍的に明確な作法は存在ない。しかし、代表的なのはこの淹れ方。
 葉を入れた茶壷(ちゃふ)に溢れるまで湯を注ぎ、また、蓋をしたのち全体に湯をかけて茶器を温める。
 その後、一度茶海(ちゃかい)と呼ばれる小さな急須に注ぐ手間を挟むことで、茶水の成分を均質化。
 なお、発酵度の高い茶葉には高い温度の湯を使うので熱傷に注意する必要がある。
 …………おいしい?」

 ちょいとクセのある香りが強いが、うん、うまい。たいしたもんだ。
 SOS団に二人目のメイドさんが並ぶの日も近いな。
「……そう。あなたが望むなら裸エプロンも辞さない」
 辞してくれ! 悪いインターネットに毒されない!
「情報統合思念体の許可が下りない場合『くそったれ』と伝える」
 いや、切り札の使いどころが違うだろ。
「あなたには振り返りながら『大好き』と伝える。許可を」
 …………………よし、やっちまえ!

198:名無しさん@ピンキー
08/02/05 23:43:09 c4EwZZKH
>>197
お約束な展開がGJww

199:名無しさん@ピンキー
08/02/06 00:38:50 OMANo6Ip
途中のキョンのミスリードがいきすぎてる

あと最後の段落は蛇足だな

200:名無しさん@ピンキー
08/02/06 00:45:54 gSeBijwD
蛇足っつーか、別の話とした方が良かったと漏れは思う。
ネタが勿体ないとおもた

201:名無しさん@ピンキー
08/02/06 01:10:14 y/TxWbuj
格の違いが思いっきり出てて笑ったんだが、
この流れでこれをやれば自分が前の馬鹿より優れていることが
実感できるのを読み切ってやってるだろうあたりが容易に想像できて、ちょっとだけヒいた

202:名無しさん@ピンキー
08/02/06 01:26:56 OMANo6Ip
>>201の冷静さを欠いた悪意剥き出しっぷりに
ちょっとどころじゃなくヒいた

203:名無しさん@ピンキー
08/02/06 01:31:07 nmOAp4Sf
なんかエロイことしてる風な文章→ネタばらし
っていう酷くありがちで使い古されたネタをどこまで面白く読ませられるかって話でしょ?

204:名無しさん@ピンキー
08/02/06 01:31:11 wQeCP08o
俺もタイミング的にエグイなあって思ったくちだから引いたりはせんが、普通は言わないだろう。そういう事を思ってもw
自重しなさいw

>>202はなんでそんなに怒ってるのかの方が余程気になるけどそっとしとこう

205:名無しさん@ピンキー
08/02/06 01:45:45 hlVL32yZ
ヒいたとかエグイとかそういう下種の勘繰りを無視して投下できるのが強い職人

206:名無しさん@ピンキー
08/02/06 01:49:05 IFszDidi
そして俺は間もなく床につくのであった…

おやすみノシ

207:名無しさん@ピンキー
08/02/06 02:01:16 5M15gkMR
197はそこまで考えてないと思うがなー

208:名無しさん@ピンキー
08/02/06 02:14:40 Lh4zu/uu
天然ってホントにいるんだなって感じ。

209:名無しさん@ピンキー
08/02/06 02:44:44 1VxsBS2H
最近の流行りは、勝手に深読みして勝手に嫌な気分になることだからな

210:名無しさん@ピンキー
08/02/06 03:37:16 LhA/hjMp
>201>204だけ明らかに浮いてるのと
それまでダメ出しが続いたところで
他を叩いて間接的に>197
を持ち上げる、しかももっていきかたにかなりクセのある発想パターン、
>201への>202にレスせずにはいられない>204などを考え合わせると

誰が誰なのか勘繰るのは
容易

211:名無しさん@ピンキー
08/02/06 03:57:51 8wKI3xO/
どうでも良い
匿名掲示板でそんなこと考える方が無駄

それよりSS出せ

212:名無しさん@ピンキー
08/02/06 04:06:22 k6taWQlf
もうこのスレ要らなくね?てか要らない

213:名無しさん@ピンキー
08/02/06 08:19:15 TGd1+dqz
お前がいらん

214:名無しさん@ピンキー
08/02/06 13:33:25 gkqKumIe
>>210
こういうねちっこい沸騰くんがいなくなるだけで機能し出すと思うよ

215:名無しさん@ピンキー
08/02/06 15:29:25 09qLoq2n
べっ、別にアンタのためにスレ立てたんじゃないんだからねっ!

216:名無しさん@ピンキー
08/02/06 15:49:35 bLJ/4WTr
殺伐としていた流れが>>215の手によって一変した

217:名無しさん@ピンキー
08/02/06 16:09:31 1AqKxOhr
全然してねえよw

218:名無しさん@ピンキー
08/02/06 17:55:08 tpeYKCx+
最近形骸化してるなぁと思う。

219:名無しさん@ピンキー
08/02/06 18:06:06 09qLoq2n
そうだな。
ハルヒはもっとツンデレの原点に立ち帰るべきなんだよ

220:名無しさん@ピンキー
08/02/06 19:26:34 nCuMxV06
原作はともかく、アニメから入った人間からすると
これだけ経っちゃうとけっこうどうでもよくなってきたってのはあるなあ
けっこう勢いだけで盛り上がった部分って多かったと思うし。しゃーないのかなぁ

221:名無しさん@ピンキー
08/02/06 20:25:48 6hLDlkAT
巴ならツンデレで流れを変えられる

222:名無しさん@ピンキー
08/02/06 23:16:38 mpuxIOBh
誰だよそのオリキャラ

223:名無しさん@ピンキー
08/02/06 23:22:39 Eum4viTa
>>221
ローゼンの巴?

224:名無しさん@ピンキー
08/02/06 23:23:00 q46hjr9T
長門のそっくりさん

225:名無しさん@ピンキー
08/02/06 23:26:44 IFszDidi
新刊が起爆剤になると信じて待ち続けているのに
伸ばし伸ばしにされ、しかもいつ出るかも分からないという現状に俺は疲れている

新刊出るまではここはこの状態が続くんだろうが、落ちないようにキープしておきたい

それまではアニキャラ個別板なり何なりでまったりしてる

226:名無しさん@ピンキー
08/02/07 00:43:59 QwzzyXD9
つうか書かない人間ならそんな偉そうなこと言ってないで黙って消えろよ
誰もお前の近況になんか興味ねーっつうの。馬鹿なんじゃないのか

227:名無しさん@ピンキー
08/02/07 02:02:03 HVbbZNhg
ごめんなさい…

228:名無しさん@ピンキー
08/02/07 02:14:41 kMINWja9
>>222>>223
イージス嫁。谷川はハルヒだけではない

229:名無しさん@ピンキー
08/02/07 02:31:01 2o8/d9gy
スレ違いだろうけど聞かせてもらいたい
古泉が女になってる話をさがしてるんだけれど知っていたら誰か教えてほしい。

確か、朝起きて学校に行ったらほかは変わらず古泉だけ女になってて
世界を元に戻すためにハルヒ以外の皆を呼び出して、色々話をするんだけど古泉がキョンに惚れてて
女としての自分が消える~とかで一悶着あって「立場上口にできない気持ちを表にだせる」だとか言ってた気がする。
そのときのみくるの雰囲気がなんとなく女性らしくて印象に残ってる。
で、結局元の世界に収まる話だったと思う。

一応、プリンまとめ内とググルでところどころ覚えてる単語を検索してみたのだがそれらしいのは無かった。
こっちのまとめも小ネタと明らかに違うっぽい題名の作品以外はあらかた目を通してみた。

なにか情報を持っている人がいたらどうか教えてほしい。よろしくお願いします。

230:名無しさん@ピンキー
08/02/07 02:58:57 rxDe7KrG
>>197以降
このスレイラネ発言が一層増えたな
モメゴトの裏に安っぽい私情が透けて見えてるのがなんとも

231:名無しさん@ピンキー
08/02/07 03:13:09 xYBpsgJk
どうでもいい事をねちっこく勘繰るのは止めて、SSを書く作業に戻るんだ!

>229
どっかのwebコミックか何かで似た内容のやつ見た覚えがあるけど、ssはわかんないな。

232:名無しさん@ピンキー
08/02/07 03:20:10 rxDe7KrG
勘繰らなくてもにおってきてウンザリさせられるこの状況だからなぁ
それなのにどうでもいい、ねちっこくなどという強調のしかたをされると
心当たりでもあるのかと思えてしまうね

233: ◆LeyXT4003g
08/02/07 03:50:17 pFypcVjJ
見てください、これが陰謀脳ですよ!

234:名無しさん@ピンキー
08/02/07 03:58:51 hDR01LtW
>>233 お前はとっとと前スレの感想を1レスにまとめる作業に入るんだ

235:名無しさん@ピンキー
08/02/07 06:20:44 2+IMZN+K
>>221
ハルヒでネタに詰まったら他で書けばいいじゃない…か
よしボクセカで(ry

236:名無しさん@ピンキー
08/02/07 06:27:35 NI8FD8cW
>>229
俺の予想では10-167様『涼宮ハルヒの改変(TS物)』

237:名無しさん@ピンキー
08/02/07 07:28:46 xi0yTFlq
もうこのスレいらない

238:名無しさん@ピンキー
08/02/07 08:36:45 2o8/d9gy
>>231 >>236
二人とも、ありがとう。 236氏が教えてくれた「涼宮ハルヒの改変(TS物)」でした。

というかTSって普通に書いてあるのになんでスルーしたんだろう俺orz
得意顔で調べられるだけ調べましたw とか俺はピエロかと。本当に申し訳ない。

239:名無しさん@ピンキー
08/02/07 10:25:09 6/A2IOWR
TSは性転換ネタという意味か
他にどんな略語あったっけ

240:名無しさん@ピンキー
08/02/07 13:11:50 CzmnKRlR
>>231
ねちっこいと言われて腹立ったからって人にそれを言って発散するのはどうかと思う

241:名無しさん@ピンキー
08/02/07 16:40:11 ukKIQsmg
っ鏡

242:名無しさん@ピンキー
08/02/07 17:09:57 C2sDuns9
そんなことよりちょっと聞いてくれよ。うちの妹がバカでさぁ~

243:名無しさん@ピンキー
08/02/07 17:34:37 +bXaKZSB
どうした?
お兄ちゃんじゃなくキョンくんって呼ばれるようにでもなったか?

244:名無しさん@ピンキー
08/02/07 18:31:45 3DN6iCLY
>>242
お前さ…タイムリープしてね?

245:名無しさん@ピンキー
08/02/07 19:47:32 4upQ0v+v
なんかなにを見ても必死に見えて虚しいだけになってきたわい……
新刊はいつ出るんかのぉ

246:名無しさん@ピンキー
08/02/07 21:13:43 gwtAK4r6
最近新刊がとんでもない厚さになっている夢をよくみる。
期待しすぎだろ俺・・・。

247:名無しさん@ピンキー
08/02/07 21:57:35 7esWuImw
原作者の新作がやっぱ圧倒的な厚さの夢を見てしまう。
これはもう如何ともしがたいだろ俺……

248:名無しさん@ピンキー
08/02/07 22:09:18 TgHyduhJ
ところで新刊がこんなに延期してるのは何で?
危険な時事ネタが重なったなんてことはないだろうし

いくらなんでもあんな短いスパンで書き上げるなんて無理だから
ある程度は書けてて発表の後に突然作業ペースが落ちたのか
最初から発売日に発売するつもりなんてなかったのか・・・

249:名無しさん@ピンキー
08/02/07 22:14:03 K2XKFCZY
二期のアニメ製作と同期を取ってるんじゃね?
原作者もある程度関わって…

250:名無しさん@ピンキー
08/02/07 22:33:46 9VYnjU2c
>>248
商売上の都合、というのが一番大きそうな気がする。去年6月予定が延期→7月にアニメに関する情報発表があって、
それ以来ろくに情報が開示されていないからな。いくら何でも脱稿していないんじゃ物書きとしての信頼に関わるだろうし。

251:名無しさん@ピンキー
08/02/07 22:52:35 6/A2IOWR
単純に完成してないだけだよ。

252:名無しさん@ピンキー
08/02/07 23:29:23 ukKIQsmg
いやあ……これくらいの延期はまだ序の口だぜ?

253:名無しさん@ピンキー
08/02/07 23:49:01 lpjIY/Tx
SSの投下がないから、明日から明後日ぐらいに俺が300KB投下してやんよ。

254:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:22:34 sX8nqLx0
古泉の罠の予感……!!

255:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:32:17 Y7WKy1Nn
延期なんて冨樫に比べれば屁でもない

256:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:37:51 f2337QOO
冨樫また復活するのにそんな事言わないでくだしあ><

257:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:40:05 jzJ0s/Z0
ラノベ界には新刊がいつまでたっても出ない作品がたくさん有ってな…

258:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:47:22 dG1HkkK7
暇だったから書いてたらクソ長くなってしまった。
これはとりあえず完成させちまってから一気に投下するのか
ちょくちょく書いて一日置きぐらいに投下すればいいのか
どっちがいいんだろう。

259:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:49:30 DtK5zS4b
ベルセルクとH×Hと十二国記とバスタードが好きな俺はこれくらいいつものことだ

260:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:56:47 skOzIDHr
鍛え上げられたラノベ読者は、風の白猿神やソルジャー・クイーンやE・Gコンバットの続きが出るまでだって(永遠に)待てるぜ。

261:名無しさん@ピンキー
08/02/08 01:31:39 iJ5SPZ69
>>250
分裂が評判悪すぎて書いてあったの全部破棄して書き直しさせられてるから鬱って作業が進んでないだけだよバーカw

262:名無しさん@ピンキー
08/02/08 01:39:05 hV3V2QbF
>>261
そうだったのか。確かに酷い出来だったからなー
当然、九曜とか佐々木とか、あたーしの下級生は最初からいなかったことになるのか。
結局SOS団5人のドタバタが続くのか。橘や藤原をヌッ殺す話はあるのかな?
とにかく朗報をありがとう。サンクス

263:名無しさん@ピンキー
08/02/08 01:43:29 TBkflJV9
普通に読んだら驚愕を書き直してる、としか読めないんだけど、>>262はどうしちゃったんだ?

まあ普通に社内のゴタゴタでしょ
一応人気タイトルだもん、角川がこんな長い時間ほっとくわけないから
出せないのは角川の都合しかない

264:名無しさん@ピンキー
08/02/08 01:54:25 Fk2AyfU7
このすれ

265:名無しさん@ピンキー
08/02/08 02:30:06 LwcZ4WlK
>>258
マジレスすっと完成してからの方がいいと思うぜ。
途中で何があるか分からないし、全部書き終わってから推敲する方が間違いやテンポの悪さ等も分かるようになるしね。

266:名無しさん@ピンキー
08/02/08 02:40:11 O+K3AE6J
しかもここの住人容赦ないから、ボロ糞に言われて再帰不能になる

267:名無しさん@ピンキー
08/02/08 02:42:52 ZcKTEV7V
>>258
ただなんとなくクソ長くなったのだったら無駄が多いと思われる
そこそこの内容でも無駄な長さだと味わいが半減するわ叩かれるわで勿体無い
推敲して分量を減らすのも必要なスキルだといえる

268:名無しさん@ピンキー
08/02/08 04:04:28 IBvEq4bc
つーか、投下する前にお窺い立ててくるような人の作品って99%面白くないって決まってるから投下しなくていいよ
空気が読めてないから不安でお窺いしてくるわけだし、そういう人間の書いた物は総じて面白いわけがないっていうこと

269:名無しさん@ピンキー
08/02/08 04:35:46 5epVbaAL
>>268は悪し様に書いてるだけで、別に根拠がある理屈じゃないよな。
空気読めないのはアホなだけであって、文章力とはそれほど密接に関係がない。
というか、お前ただ荒らしたいだけじゃないかと問いつめたい。

完成した上で投下するのを止めるようなことは絶対しないが。
でも、未完成のSSを投降しようとする人間には、ぶっちゃけた話、微塵も期待しないぜ。
ここはキャラスレみたいに、ノリでgjが貰えることはあんまり無いし、
投下したら、自作の欠点が知りたいでもなきゃスレを見ない方がいいと思う。


270:名無しさん@ピンキー
08/02/08 05:09:41 sX8nqLx0
完成してから投下してくれれば、何でもいいんだぜ
がんばってやりとげて欲しいんだぜ


271:名無しさん@ピンキー
08/02/08 06:16:35 8WfpHP+c
ハルヒの驚愕よりもボクのセカイ~の新刊をだな(ry

272:名無しさん@ピンキー
08/02/08 06:51:33 kLRwJgZS
>263
ハルヒだけでなくほかの作品も一切(それこそ短編とか)出てこない訳だから
会社の都合とかじゃなく作家側の問題だろうと思われる

恐らくは書く意欲が無くなったとかプレッシャーで精神的に追い込まれてかけなくなったとか
儲けた金が遊ぶのに忙しいとか
ナンにせよ作品は完成していないと思われる

273: ◆LeyXT4003g
08/02/08 06:58:34 sVp4pE4+
>>258
読み手兼書き手としての発言を許してもらうとね、
発表していくことで自分を追いつめ発破をかけられるんだったら、執筆途中でも投稿して構わないと思うよ。
だけど、ご自分の経験のうちで、何かを始めてやり遂げた事、中途半端に終わっちゃった事、それぞれの数を比較して、
後者のがずっと多いというんなら、
読む側としては、完結まできちんと書けてから投稿して、とお願いしたい。
俺たちは、現在、ただでさえ、谷川先生に待たされ焦らされてるんだから。
それに、一気に落とすか細切れで更新するかは、書き上げてしまった後で心配すればいいんじゃないかな。
君が首尾良く書き上げたときにも、よほどのことない限り、このスレは存在してるはずさ。
投稿を焦る暇があったら執筆を焦ってほしいし、どちらも焦る必要なんて全然ないんだ。
あと少しなんだろ?待ってるよ。寒いけど、がんばって!

274:名無しさん@ピンキー
08/02/08 08:42:20 uq9dPnLw
谷川はもしかして溜息から書き直すのかな

275:名無しさん@ピンキー
08/02/08 09:02:41 CjxoD6+x
ザ・スニーカーを購読しているが谷川氏は2号に一回謝罪コメント発してるよ。
一回目は、最後作者の中でハルヒとキョンが暴走してまとまらないって言ってたけど、
二回目は単なる謝罪でもうちょっと待ってもらえませんかとか
待て待て詐欺にならないように頑張るとかだったな。

276:名無しさん@ピンキー
08/02/08 09:12:56 jHQ3+4+f
とりあえず6月までは待とうぜ。
それでも出なきゃデモでも何でも起こしゃいい。

277:名無しさん@ピンキー
08/02/08 11:14:32 O+K3AE6J
なら今のうちにデモの内容を考えておくべきだな

278:名無しさん@ピンキー
08/02/08 11:53:47 i6Df6sne
この程度の期間新刊が出ないからって…
ネタだろうけど

ラノベの中には不幸があってもう二度と続きが読めないものもあるっていうのに…(´;ω;`)

279:名無しさん@ピンキー
08/02/08 12:16:03 uq9dPnLw
枯れ木も山の賑わいということで、ダークな小ネタ投下

280:SS
08/02/08 12:24:34 uq9dPnLw
「キョン。急に縮んじゃたよー。どうしたら良い?」
日曜の朝早く、佐々木が俺の家にやって来て言った。
俺は、木曜の夕方から始まり、日曜の夜明けにやっと帰ってくるという。徹夜の強行軍の後で、ようやく仮眠をとろうとした所だった。
もちろん、あのイカれた団長が立てた計画だ。あれが計画と呼べればの話だが。
ある出来事があって以降、団長様とはとても険悪だ。
疲れていたから、あんなことをしたんだと思う。多分な

「縮んだって?また胸の話か?元々縮む程大きくないだろ」
「また君は、僕の胸を馬鹿にするのか。僕も朝比奈さんみたいだったら良かったよ。せめて涼宮さんくらいあったら」
「あのなー、世の男の4分の1以上は貧乳好きか乳の大きさを大して評価していないか、どっちかだと言っただろ。つまらんこと気にするな」

谷口の受け売りだがほぼ正しいと思う。谷口自身もそれほど巨乳好きじゃないし。
「だってそれじゃ朝比奈さんや涼宮さんに勝てないじゃないか」
「巨乳好きの男を取り合っているわけでもないのに、そんなこと気にする必要ないぞ全く」
(それをしているから気にしているんじゃないか)

「しょうがないな。俺が揉んで大きくしてやる。服を脱いで胸を出せ」
「え?」
「それとも赤ちゃん作るか?俺はどっちでも良いぞ」
「え、と。両方お願いします」

モミモミモミ
「全く。全然小さくないだろうが、普通の大きさだろ」ハルヒと比べると全然揉みごたえ無いけどな
「だって、僕が好きな男の子は巨乳好きなんだから」
「そんな乳だけ男はあきらめろ。何なら俺が彼氏になってやろうか?」
「え?なってくれるの?ありがとう、嬉しいよ。夢みたい」
しまった、と後悔するよりも早く、俺は佐々木の体を貪るように食いまくっていた。
佐々木さん。騎乗位なんて反則的です。


それは、ハルヒとの初エッチのちょうど1週間後の話。
つまり、ハルヒに「下手くそ」と言われて破局した1週間後のことだった。
破局と言っても、その日までは普通の友達としての関係だったが(佐々木もそうだが)…


なお、後で知ったことだが、縮んだのは九曜で、幼稚園児みたいになったらしい。数日で元になったらしいが。


その後、2か月ほど後、ハルヒの妊娠が判明した。そして、佐々木の妊娠も…

(終わり)

281:名無しさん@ピンキー
08/02/08 12:38:54 86js4lzA
みんなでコスプレしてハレハレ踊りながら本社前まで行進

282:名無しさん@ピンキー
08/02/08 12:42:36 kDA7hwRS
作品読んでるんかな?、と
口調がおかしいぞ、と

もっと推敲しろよ、と

283:名無しさん@ピンキー
08/02/08 12:54:58 uEoilH9y
っていうかもう来るなよな、と

284:名無しさん@ピンキー
08/02/08 13:07:20 98Sqm2qQ
枯れ木に謝りたまえ

285:名無しさん@ピンキー
08/02/08 13:17:48 vh/AIMir
もうこのスレいらない

286:名無しさん@ピンキー
08/02/08 15:17:33 p5junsXT
>>278
トリニティブラッドのことかーーーーーーー!!!!

287:名無しさん@ピンキー
08/02/08 17:44:55 x+64I6nk
反省文すらいらんな、コレは

288:名無しさん@ピンキー
08/02/08 19:38:26 QGBWHEH2
>>286
全俺が泣いた

289:名無しさん@ピンキー
08/02/09 00:20:02 S3SftIs6
書き込みテスト

290:名無しさん@ピンキー
08/02/09 00:20:19 pF1NV4t8
チラ裏


……履歴からアクセスしてた携帯厨の俺。

1月からカキコなしなんて、凄腕のスレストッパーが現れたなーとか思ってたわwwwwwwwwwww
移転したのかね?

291:push forward with……プロローグ
08/02/09 00:23:24 S3SftIs6
 俺の日常はきっと赤の他人から見れば、まあ大変ねとか、苦労なさっているんですねとか
言われてしまうようなきわめて非日常的な状態にあるんだろうが、俺にとってはこれが楽しくて仕方がない
ごくごく普通の日常であると断言できる。
 宇宙人・未来人・超能力者。こんなのが得体の知れない情報爆発女を中心に闊歩している世界に
俺のようなきわめて一般的平凡スペック人間がコバンザメのようにくっついて歩いている光景は、
確かに不釣り合いと言えばその通りである。が、いったんそんな現実を受け入れてしまえば、
細かいことはもうどうでもよくなり、どうやってこの微妙に非日常を満喫するか考える毎日だ。
 てなわけで、本日もハルヒ発案による不思議探索パトロール中である。
相変わらず、ハルヒの望むような変なものが見つかるわけでもなく、ほとんどSOS団という謎の集団による
食べ歩き・散策・名所巡り状態になっているが。
「にしてもだ。ハルヒが本当に変なものに遭遇を望んでいるなら、とっくに見つかっていそうだけどな」
 俺は朝比奈さんをうらやましくも抱き寄せほおずりしながら歩くハルヒを尻目に言う。
それにすぐ横を歩いていた古泉は苦笑しながら、
「涼宮さんにとってそういった奇怪なものを見つけることよりも、我々と一緒に遊ぶことの方が楽しいのでしょう。
そうでなければあなたの言うとおり、今頃町中がエイリアンやUMAで溢れかえっていますよ」
 確かのその通りだろうな。実際に俺もそんな物騒な連中が現れずに、こうやって遊び歩いている方が遙かに楽しい。
ハルヒ自身も未知との遭遇がなくても、現状の不思議探索パトロールで満足しきっているんだろうな。
 と、古泉は珍しく胡散臭さのない屈託のない笑顔で、
「このままこの日常が続けば良いですね。僕のアルバイトもいっそのこと無くなってしまった方がいいですし」
 そんなことをしみじみとつぶやく。
 お前達の言うようにハルヒが世界を平然と作り替えられる能力を持った神的存在って言うなら、
この平穏な日常は永遠に続くだろうよ。ハルヒがそう望み続ける間はな……
 
 ……この時まで俺はそう確信していた。

「ちょっと公園で一休みしましょう」
 そうハルヒの一声で俺たちは公園のベンチに座る。ところでハルヒさん。いくら何でもずっと朝比奈さんに抱きついたままなのは
どうかと思うぞ。全くうらやまし―じゃない、少しは朝比奈さんの迷惑を考えろよな。
「いいじゃん。今日は思ったよりも寒かったからカイロが必要なのよ。う~ん、さっすがみくるちゃんは暖かいわね」
「ふえ~」
 ハルヒの傍若無人の振る舞いに朝比奈さんは困り切った顔を浮かべているんだが、
ついついそんな彼女にもこうエンジェル的優美かつ華麗さを感じ取って見とれてしまう俺も相当罪深い。
アーメン。俺の男としての性を許してくれたまへ。
 一方の長門は相変わらずの無表情ぶりでベンチの上にちょこんと座っている。すっかり謎の超生命体印の宇宙人というよりも
文芸部部長兼SOS団最大の功労者という肩書きが似合うようになった。そんな彼女も今日もいつも通り無表情・無口で
無害なオーラを延々と見せているところから別に変なことが背後やら水面下とかでうごめいてはいなさそうだな。
 ふと、ここでハルヒと目が合ってしまった。なんてこった。俺としたことが飛んだミスを。
「ちょっとキョン。のどが乾いたからみんなにジュースを買ってきなさい。あ、当然あんたのおごりでね」
「何で俺が」
 横暴極まりない俺への指令に、俺は抗議の声を上げるが、ハルヒは朝比奈さんを抱きしめたまま、
「今日も遅刻したじゃん。罰金よ罰金! ほらほらぶつくさ言わないでとっとと買ってきなさい!
あ、あたしは暖かい紅茶でね♪」
 満面の笑み100%を浮かべているところを見ると、全く今日もいつもの傍若無人ぶり全開だな。
いつもどおりってのも安心できると言えばそうなんだが。
 俺は長門と古泉、それに朝比奈さんの要望を聞くと、近くの自販機を探し始めた。
ちなみに俺の癒しの朝比奈さんは、ごめんなさいとぺこぺこしていたが、そんなに謝る必要なんてありませんよ。
あなたがアルプスの天然水が飲みたいというなら、今すぐ新幹線に飛び乗っていくことなんておやすいご用ですぜ。
 しばらくきょろきょろと見回していた俺だったが、やがて公園に乗ってはしる道路の向こう側に
自販機が並んでいるのが目に入った。俺は横断歩道の信号が青になったことを確認し、小銭を数えながらそこを渡り始める。
 ―キョンっ!?


292:push forward with……プロローグ
08/02/09 00:24:03 S3SftIs6
 後頭部に突然ハルヒの声がぶつけられる。そのあまりに突飛な声に何事だと俺は右回り180度ターンで振り返っている途中で
気がついた。俺の鼻先30センチのところにばかでかい巨大トラックがいることに。
当然ながら空中に突如出現したわけでもなく、猛スピードで信号を無視して俺に突っ込んできている。
 鈍い衝撃が俺の鼻に直撃した以降、俺は何も感じなくなった―
 
 ―キョンっ―キョンっ―お願い―目を開けて―
 ハルヒの声だ。何だやかましい。言われなくてもすぐに起きてやるよ……
 俺はすぐにまぶたを開こうとして気がついた。どれだけ強く力を込めて目を見開こうとしても
まるでそれを拒否するかのように、強くまぶたが閉じられている。目の上の筋肉辺りは動いているようだったが、
肝心のまぶたは力を込めると逆にしまりが強まる。くっそ―どうなってやがる……
 ―キョンくん……どうして……こんなことに―
 次に聞こえてきたのは朝比奈さんの声だ。耳に届く美しい言葉に俺は再度目に力を入れるが、やはり開かない。
 ずっと続く闇の中、朝比奈さんのすすり声だけが俺の脳内に響く。ここで気がついたが、俺の手足も俺の意志に反して
全く動かなかった。まるで全身に釘を打ち込まれたかのように身体が硬直し、直接的な痛みよりも
動くはずの俺の身体が動かないというもどかしさに、俺は強烈ないらだちを憶えた。
 しばらくして朝比奈さんのすすり泣きも聞こえてこなくなった。そのままどれだけの時間が過ぎたころだろうか。
いい加減、自分の身体が動かないことにあきらめつつあったころ、今度は言い争いが聞こえてきた。
はっきりと言葉の末尾が聞こえないが、片方が古泉の声であることはすぐにわかった。聞いたことのない男の声と
激しくやり合っているみたいだ。おい古泉、そんな声を出すなんてお前らしくないぞ。どうした?
 しばらく意味不明な怒声のキャッチボールが続いていたが、やがてバンという大きな音とともにそれが止まった、
 ―何―やってんのよ―病人の前なのよ!? 出て行って! 出て行ってよ!―
 ハルヒの声だ。すまん、ハルヒ。助かったよ。これが続いていたら俺の耳がくさっちまいそうだ。
ん? 今ハルヒはとんでもないことを言わなかったか? なんだったっけ……ま、いいか。ちょっと眠くなった。寝よう……
 ―やあ、キョン―
 ……ん、誰だよ。人が寝ているってのに……
 ―久しぶりに顔を合わせたかと思えば、こんなことになってしまうとは、ついていないと言えば良いんだろうかね?
 ……うっさいな、俺は眠いんだよ。寝かしてくれ……
 ―僕は君が起きているつもりで話すよ。いまさらだけどね。少しでもその意味を理解できているなら―
 俺はここで眠りに落ちた……
 一体どのくらい経ったんだろうか。眠っては起きてまた眠っての繰り返しの日々。いい加減飽きてきたんだが、
起きても指一本動かせず、目すら開かないのでどうしようもない現実だ。聞こえてくるのは耳を通してではなく
頭蓋骨を伝わってくるようなぼやけた声だけ。最初はそれを聞き取ろうと努力したんだが、どうやら俺がどうこうしても
無駄なようだ。はっきり聞こえてくるときとそうでないときの違いは、俺の意志や努力とは関係なかった。
 そして、久しぶりにはっきりと聞こえた声。
 ―ゴメン、キョン。全部あたしの責任よ。あたしがあの時あんたを使いっ走りにしなければよかった。
 ―あたしが悪いの――――――ごめんなさいっ――本当にごめんなさい―だから目を開けて―お願い―
 そんな悲しそうな声を出すなよ、ハルヒ。お前のせいじゃないに決まっているだろ? 自分をあんまり責めるなよ。
らしくなさすぎるほうが帰って俺を不安にさせるんだからさ。大体、あんなことはいつもどこかで起きているんだから―
あれ? なんだっけ? 俺、なんかとんでもない目にでも遭ったのか? なんだっけ……
 それから果てしない時間が過ぎたような気がする。
 もうはっきりした声も聞こえなくなり、雑音のような声らしきものが俺の脳内に拡散していく毎日。
 飽きたなんて言う感覚すら通り越して、意識が麻痺しているんじゃないかと思いたくなるほどの無感状態になっていた。
 寝て起きて寝て起きて寝て起きて寝て起きて―もう考えることすらうっとおしくなってきている。
 ―あきらめないで。
 長門の声だ。すごく久しぶりに聞いた。ちょっとうれしくなる。すまないがちょっと俺の目を開ける手伝いをしてくれないか?


293:push forward with……プロローグ
08/02/09 00:24:28 S3SftIs6
 ―今、わたしは何もできない。
 そりゃまた白状だな。SOS団の仲間だろ?
 ―あなたと意識レベルでの言語的会話をすることが、わたしにできる唯一できること。
 なら、せっかくだ。話でも聞かせてくれ。そうだな。おとぎ話でもいいぞ。いい加減、退屈で感覚が麻痺しているんだ。
 ―残念ながらわたしにはあなたの身体構造の再起動を促せるような言語刺激を持ち合わせていない。
 そうか。それなら仕方がないな。そろそろ眠たくなってきたから、寝るよ。
 そうだ、また退屈になったら話してくれないか?
 ―もうこのインタフェースであなたと会うことは二度と無いかもしれない。でも聞いて。
 なんだ?
 ―このままでは涼宮ハルヒはこの惑星にすむ知的生命体全てからの憎しみをぶつけられる。
 ―そして、世界は消滅する。
 は? なんだそりゃ。そんなことがあってたまるか。
 ハルヒはな、確かに行動が突飛だったりわがままだったりするが、何だかんだで常識的な奴なんだよ。
 人を本気で傷つけたりとかなんてしないしな。見た目で判断するんじゃねえよ。
 誰も彼もが誤解しているってなら俺が教えてやる。ハルヒって奴が本当はどんな奴って事をな……
 そう思った瞬間、今までの目の拘束状態が嘘だったかのように消える。
 そして、俺はゆっくりと目を開いた……

294:名無しさん@ピンキー
08/02/09 00:24:29 +v1foS3+
106 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/01/31(木) 01:25:18 ID:0329wH1X
もう、投下されるなら何でも良いよ。そんな感じ

俺もこいつのスレスト力は異常と数日思ってたw

295:push forward with……第一章
08/02/09 00:25:31 S3SftIs6
 まぶしい。目の奥がきゅっと締まるような痛みに、俺は苦痛ではなく懐かしさを感じた。
同時に全身の感覚が回復し始める。手を動かし、指を動かし、足を動かす。やれやれ。どうやらどこか身体の一部が無くなっている
ということはなさそうだ。
 俺はどうやらベッドに寝かされているらしかった。右には―あー、映画か何かでよく見る心電図がぴっぴっぴとなるような
機械が置かれ、点滴の装置が俺の腕に伸びている。
「病院……か、ここは?」
 殺風景な病室らしき部屋に俺はいるようだ。必要な医療器具以外は何もなく、無駄に広い部屋が俺の孤独感を増幅する。
窓から外を眺めると、空と―海のような広大な水面が広がっていた。ただ、その窓自体が見慣れたような四角いものではなく、
船か何かにありそうな丸いものだった。
「ここはどこだ……?」
 寝起きの目をこすりつつ、俺は立ち上がる。幸い点滴の器具は移動式のようで、それとともに移動すれば
点滴の針を抜かずにすみそうだった。本当はこんな得体の知れない液体を体内に注入されているなんて
精神的に良くないから引っこ抜いてしまいたくなるが、万一のことを考えてこのままにしておくことにする。
 俺は円い窓のそばまで行き、そこから外をのぞき込む。青空の下に広がっているのはやはり海だった。
広大な海原におとなしめの波が沸き立っている。
 ―と、背後で扉の開く音が聞こえた。俺が反射的に身構えながら振り返ると、
「……やあ、どうも。ひさしぶりですね」
 そこにいたのは、妙に大人びた古泉一樹らしき人物。少し顔つきが引き締まり、背も高くなっている。
「古泉……だよな?」
「ええ、そうです。あなたが憶えている僕に比べて少々成長しているでしょうけどね」
 くくっと苦笑を浮かべる。その口調と苦笑でようやくそいつが古泉であることに確信を持てた。
しかし、その成長した姿は何だ? 朝比奈さん(大)みたいに未来の古泉が現れたなんていう話は勘弁だぞ。
「まあ、話せば大変長くなるわけでして。とりあえず、医師による検査を受けてもらえませんか?
積もる話はその後でも十分にできますから。なにせ、あなたは2年もずっと眠っていたんです。身体のどこにもおかしなところが
無いという方が無理があるでしょう?」
「2年……だって?」
 あまりに唐突な話に俺は視界が再び暗転しそうになる。確かにさっきまで眠っていたようだが、俺はそんなに寝ていたのか?
まるで三年寝太郎だな。それだけ長い間眠っていたらさぞかしたくさんの夢を見ていたんだろうと思うが、
いまいち思い出せん。夢って言うのはそんなものだろうけどな。
 気がつけば、白い服を纏った医者らしき人間数人が病室の入り口から俺の方を見ている。
どうやら結構注目を浴びている存在のようだ。ならとりあえず、お言葉に甘えておくかね。
 おっと、でも一つだけ聞いておきたいことがある。
「ここはどこだ? 外には海原が広がっているが、まさか三途の川を渡っている最中って事はないよな?」
 俺の言葉に古泉は肩をすくめて、
「ご安心を。あなたは死んでいません。僕が保証します。で現在僕らがいる場所ですが……」
 わざとらしく古泉は一拍置いてから、あのニヤケスマイルを浮かべ、
「ここは米海軍空母ジョージ・ワシントンの中ですよ」
 古泉の言葉に、俺は「はあ、そうですか」としか答えられなかった。
 
 結局、医師に囲まれて数時間に上る検査を受けさせられたあげく、ようやく解放された俺は寝ていた病室で
黙々と夕食のスープをすすっていた。隣には古泉がパイプ椅子に座り、俺の検査結果の容姿をパラパラとめくっている。
「驚きましたね。ずっと寝たきりの生活だったというのに身体的にも精神的にも全て良好。
それどころか、2年前のあの日から何一つ変化がないとは。通常、成長的な変化は存在しているはずなんですが、
それもない。医師たちもこれは奇跡だとうなっていましたよ」
「へいへい」
 俺はさっきから医師達に同じ台詞をバカになるまで聞かされたおかげでうんざり気分100%だ。
奇跡と崇めてくれるのは結構だが、人を人外の化け物のようにいじくるのは止めてくれ。
「不愉快にさせてしまったのであれば謝罪します。ですが、これが医学的にどれだけとんでもないことであるか
その辺りにもご理解をいただきたいですね」
 わかっているさ。俺がこうやって2年ぶりに目を覚ましたとか、気がついたらアメリカの空母の中にいるとか、
普段では考えられないような奇跡が連発しているだ。もう一つや二つ起きても今更驚かん。


296:push forward with……第一章
08/02/09 00:25:56 S3SftIs6
 しばらく、俺たちは各々の作業―俺は飯を食って、古泉は書類を眺める―を続けていたが、やがて同時にそれが終わる。
 俺は肩をもみほぐして、これから始まるであろういろいろとめんどくさそうな話に備えた。
「あまり肩に力を入れなくても良いですよ? 結構長い話になりますからね、リラックスして聞いて貰わないと」
「わかったよ。で、まず何から話してくれるんだ?」
 その問いかけに古泉はすっと俺の方に手を伸ばして、
「僕の方から説明し始めると、あなたを混乱させてしまうかもしれません。この2年でとても世界は変わりましたからね。
まずあなたが知りたいことを言ってください。それに僕が可能な限り答えていきますから」
 そうこっちにボールを投げ返してきた。そうかい、なら遠慮無くきかせてもらうぞ。
「まず最初にだ。SO―」
 俺のその言葉に古泉の表情が一気に曇った。そして、俺の心にも強烈な引っかかり感が生まれる。
 ……どうやら、それを聞くのはまだ早そうだ。もっとどうでもよさそうなことから聞いていくか。
「あー、えっとだな、機関ってのはある意味秘密の組織じゃなかったのか? それが堂々とアメリカ軍の空母の中にいて
いいのかよ? それとも身分を偽って入り込んでいるのか? でもそれじゃ、俺がここで寝ていた理由にはならないが」
「機関の立場はあなたが寝ていた2年で大きく変わりました。以前のように水面下で動く組織ではなく、
今では国連の承認を得た公式組織ですよ。名目は国際連合の一部とされていますが、実際には独立していて、
国連はその支援をしているという状態ですが」
「また大出世じゃないか。おまえのアルバイトも国際的公務員の仲間入りだ」
「怪我の功名みたいなものですから、手放しには喜べませんけどね」
 そう寂しげな表情を浮かべる古泉。俺は構わずに続ける。
「で、何でまたそんな大躍進を遂げたんだ?」
「そうなる必要があったからです。閉鎖空間というものが、もう機関という一部の非公開組織だけの中の存在として
扱えなくなった。やむ得ず、僕たちはその存在を世界へ公表し、同時に閉鎖空間というものについて情報を提供しました。
そうでなければ、全世界の混乱は収まらなかったでしょう。原因のわからない異常事態が拡大する一方では
人々はより猜疑心を抱き、混乱が助長されます。そこで僕らがその原因についての情報を伝え、また対処法を伝えることによって
安心感を与えました。おかげで元通りとは到底言えませんが、世界情勢はある程度の平静さを保ち続けています」
「……何があったんだ?」
 俺は核心に迫った質問をぶつける。古泉はすっと目を細めて俺の方を見ると、
「あなたはどこまで憶えていますか? 眠りにつく前のことです」
 その逆質問に俺は後頭部を掻き上げながら、しばらく脳内の記憶をほじくり返し、
「ハルヒの奴に、ジュースを買ってこいと言われたことまでは憶えている。その後、横断歩道を渡って―そこからはわからねえ」
「……わかりました。では、時系列で何があったのかを説明しましょう」
 古泉はパイプ椅子に背中を預け、目をつぶって話し始める。
「あの日、あなたは大型のダンプカーに追突されました。ちょうど横断歩道を渡っているときにです。
一応、あなたの名誉のために言っておきますと、信号はきちんと青でしたよ。トラックの運転手が居眠りをしていたのが
原因みたいですね。そのトラックはそのまま近くの電柱に激突し、運転手の方も亡くなっています」
「マジかよ……」
 俺は全身をぺたぺたとさわり始める。実は指が一本ないとか、身体の一部が機械仕掛けになっているとかという
オチはないよな?
「ご安心ください。あなたは全くの無傷でした。いえ、現実的にそんなことはあり得ないんですが。
実際にあなたはこれ以上ないほどに血まみれになっていましたからね。しかし、その後やってきた救急隊員も
首をかしげていました。どこにも大量出血するような傷がない。この血はどこから出てきたんだと混乱していました。
一時は僕らによるイタズラなんていう疑惑もかけられたほどです」
「そりゃそうだろ。というか、相手が大型トラックなら全身がバラバラになって即死していそうなもんだが」
「長門さんが何かをしたと思いましたが、彼女は何もできなかったと言っていました。となると、後は涼宮さんしかいません。
衝突した瞬間は重傷を負っていたんでしょうけど、その後傷ついたあなたを修復したんでしょうね」
「全くハルヒ様々だ。危うくこの若さで天に召されるところだったぜ」

297:push forward with……第一章
08/02/09 00:26:27 S3SftIs6
「ですが、問題が発生していました。涼宮さんの修復に何らかの問題があったのかわかりませんが、
あなたが一向に目を覚まさないのです。あらゆる検査をしましたが、全く異常なし。以前階段から落ちて
意識不明に陥ったことがありましたが、あれと同じ状態でした。当然、原因がわからないので対処の仕様もなく、
ただ僕たちは見守ることしかできません。最初は涼宮さんもあの時と同じようにすぐに起きると思っていたみたいでしたが、
一週間経っても目を覚まさないあなたに少しずつ罪悪感を募らせていきました。自分の責任だと。
自分があなたにジュースを買ってこいと言わなければこんなことにはならなかったと」
「んなことで悩んでも仕方ないだろ。どうみても不幸な事故だったとしか言いようがない。
それがどこかの悪の組織の仕業でもない限りだれのせいとも言い切れない」
「あの事故は本当に偶然起こったものでした。どこかの誰かが仕組んだものではありません。ただの事故。
だからこそ、何の対処もできていなかったのですが」
 そう嘆息する古泉。ハルヒの奴、そんなに悩んでいたのか……ん、何だっけ? どこかでそんなハルヒの言葉を聞いたような……
 ダメだ。思い出せねえ。
「どうかしましたか?」
「いや……何でもない。続きを話してくれ」
 額に手を当てて思い出そうとしたが、結局思い出せず、古泉の話を続けさせる。
「事故が発生してから一週間が過ぎたころ、涼宮さんの様子がおかしくなり始めました。授業出ず家にも帰らず、
ずっとSOS団の部室にとじこもるようになったんです。同じ団員である僕たちも部室から閉め出されてしまいました。
それまではずっとあなたの病室に泊まり込んでいたんですが、それ以降見舞いにも行かなくなっています。
その間、僕や長門さん、朝比奈さんでどうにかあなたを目覚めさせようと努力しました。
しかし、僕がどんなに優秀な医者を連れてきて検査して貰っても、朝比奈さんの未来の技術を使っても、
長門さんのTFEI端末としての全能力を使っても、あなたは決して目覚めなかったんです。理由はわかりません。
長門さんに言わせれば、涼宮さんがあなたを修復した際に何らかのバグのようなものが混じってしまったのではないかと。
涼宮さんの能力は情報統合思念体でも解析できていませんからね。対処できなくて当然なのかもしれません」
「……いろいろ手をかけさせちまったみたいだな。すまねえ」
「いえ、これも―SOS団の仲間として当然のことしたまでです」
 にこやかな古泉の笑顔に、俺は感謝と気色悪さが入り交じった微妙な感覚に困ってしまった。
 そんなことにはお構いなしに古泉は続ける。
「そして、事故発生から2週間後、ついに恐れていた事態―いえ、恐れていた以上の事態が発生してしまいました。
閉鎖空間の発生です。ただの閉鎖空間ではありません。いつもは通常空間とは異なった灰色の世界で神人が勝手に暴れるだけですが
今回はその通常空間に神人が現れたのです。もちろん、そこには一般人が多く住んでいますが、そんなことはお構いなしに
神人は暴れ回りました。それも数十体もの数で。しかも、北高周辺だけではなく全世界規模でね」
 古泉の言葉に俺は心臓がつかみ出されたような痛みを憶えた。ハルヒがそんな大量虐殺のようなマネを?
嘘だ。いろいろ変なことをやる奴ではあるが、人が目の前で死にまくるようなことを望むはずがない。
「なぜ、閉鎖空間ではなく通常の空間で暴れたのか。これに関しては機関内でも意見が分かれています。
僕としましては、涼宮さんに長らく触れていますからね、閉鎖空間を発生させるつもりが何からの問題により、
神人だけができてしまったという不慮の事故という解釈を持っていますが」
 ―古泉はここでいったん口を止めて、肩がこったというように腕を回す―
「その時の光景はもう特撮映画の世界でしたよ。最初は警察が応戦していましたが、やがて歯が立たないとわかると、
今度は自衛隊が投入されました。航空機やら戦車やらが神人と武力衝突です。滅多に見れるものではありませんでしたね。
しかし、やはりあの化け物には歯が立ちません。そこでついに正体が知れることを覚悟の上で、機関の能力者達が
神人を撃退するために動きました。さすがにあれだけの数を片づけるのに数週間を要しましたが、何とか制圧しています。
そのことがきっかけとなって機関は全世界に公表されることになりました。同時にその存在意義と神人というものについて
情報を公開しました。そのおかげか、一時大パニックに陥った世界情勢が平静さを取り戻したことは先ほども話しましたよね」
 古泉の説明で俺ははっと気がつく。


298:push forward with……第一章
08/02/09 00:27:02 S3SftIs6
「おい、まさかハルヒのことも言ったんじゃないだろうな? まだあいつがやったと決まったわけじゃないってのに」
 俺は思わず古泉の肩をつかんでしまう。万が一、そんな大惨事を引き起こしたのがハルヒだと公表すれば、
犠牲になった人々やあの白い怪物に恐怖した人々の恐れや憎しみを全てぶつけられることになるんだぞ。
 古泉は俺の問いかけにしばらく黙ったままだったが、やがてすっと視線を落として、
「……言い訳に聞こえてしまうかもしれませんが、これだけは言っておきたい。僕は最後まで涼宮さんの名前を出すことに
反対し続けましたし、今でも間違った判断だと思っています。あなたの言うとおり、これは涼宮さんの起こしたものかどうか
まだわかりません。しかし、機関の大半は涼宮さんが引き起こしたものであると断定していました。
それに次に言われた言葉はもっと僕を失望―そうですね、はっきりと言いますが失望させました」
 古泉は両手を握り、そこに額を預け、
「こういったんです。一連の破壊行動に対して明確な責任を持った人が存在すると名言しなければ、世界は納得しない。
対処すべき原因を公表しなければ、人々は憶測を重ねて混乱するだけ。明確な『敵』が必要だと。
あ、ご安心ください。あなたの存在については伏せています。『鍵』の存在を公表すればあなたにかかるプレッシャーは
大変なものになるでしょうから」
 寝たまま何もしていなかった俺のことなんざどうでもいい。問題はハルヒだ。なんだよそれは。
まるで仕方が無くハルヒに原因を押しつけただけじゃねえか。ひどすぎるだろ、いくらなんでも。
 古泉は苦悶の表情を浮かべたまま、
「あなたの言うとおりです。しかし、僕はその時それ以上の反論ができませんでした。世界中規模で起きている政情不安、
略奪、紛争勃発を見てそれを収まらせるために他の良い案が浮かばなかった。そして、そのまま全世界に公表されます。
原因は涼宮ハルヒという日本人の一人の少女が引き起こし、彼女は現在北高の部室に閉じこもっていると。
彼女の存在をどうにかすれば、この異常事態は収まるとね」
「全部ハルヒのせいかよ……。いくら混乱を収まらせるためとは言え、あんまりじゃねえか……」
 俺はがっくりと肩を落とす。と、ここで長門と朝比奈さんのことを思い出し、
「長門と朝比奈さんはどうしたんだ? 二人とも宇宙人・未来人であると公表したのか?」
「それはしていません。神人と機関はその力を間近に発揮したからこそ、受け入れられたんです。
実体も不明な宇宙人・未来人ですと言っても、胡散臭さが増すだけですから」
 そりゃそうか。そのタイミングでそんなことを発表したらかえって信じてもらえなくなりそうだからな。ならその二人は?
「長門さんと朝比奈さんは現在行方不明です。二人ともSOS団の部室に向かっていったきり、何の音沙汰もありません。
僕だけは神人の対処に追われたため、涼宮さんの元へはいけませんでした。今では北高周辺は危険すぎて侵入できない状態です。
二人がどうなったのか、涼宮さんが今どうしているのかさっぱりわかりません」
 ここで古泉はようやく顔を上げ、続ける。
「それから2年間、神人は現れなくなりましたが閉鎖空間の浸食は続いています。現実の世界が閉鎖空間のように
無機質な世界に作り替えられていっているんです。一番大きな発生ポイントは北高周辺を中心とした地域。
それ以外にも世界中のあらゆるところで虫食いのように発生し、すでに世界の三分の一が閉鎖空間に飲み込まれました。。
そこではどんな資源も採掘できず、食物も育たない不毛な世界で、そこに入った人間はひたすら消耗を続けやがて死に至る。
この地球上を全て覆い尽くせば人類滅亡は必死ですね。機関がもっとも恐れていた事態が現実に進行しているんですよ」
「もうスケールがでかすぎてついて行けなくなってきた……」
 俺は疲労感から来るめまいに身体が揺すられる。突然閉鎖空間が発生し、全世界であの化け物が大暴れ。
しかも、それを全部ハルヒのせいにされ、問題が解決することなく地球滅亡のカウントダウンは続いている。
もうね、一体どうしろってんだと怒鳴り散らしたくなる気分さ。
 と、古泉が急に俺の前に顔を突き出してきたかと思えば、
「ですが! 僕たちはようやく解決の糸口を見つけたのかもしれません。なぜならば、あなたがようやく目を覚ましたから。
この異常事態の発生は、あなたがあった事故による昏睡状態が原因だと言えます。ならば、あなたの目覚めにより
何らかの情勢が動く可能性が高い」
「俺が目を覚ましてから半日以上経つが、何か変わったのか?」
「いえ、何も」

299:push forward with……第一章
08/02/09 00:27:54 S3SftIs6
「だめじゃねえか」
 俺の失望の声に古泉は困った表情を浮かべて、
「あなたが起きた=即座に解決になるとまでは思っていません。しかし、あなたの存在は確かに閉鎖空間に影響を与えていることも
事実なのです。実はもともとあなたは日本の医療機関に入院していたんですが、より精密な検査を受けるために
欧州へ移動させようとしたことがあるんですよ。その時は肝を冷やしましたね。あなたが北高から離れれば離れるほど、
閉鎖空間拡大の速度が速まるんですから。あわてて日本国内に戻したほどです。ちなみに、今米海軍空母内に移転したのは、
それが理由でして。できるだけ涼宮さんのいる場所の近くにあなたを置くためには、即座に移動できて、
なおかつ医療設備や生活環境が維持できる場所が必要だったんです。それでもっとも適切な施設がこの空母だったと。
おかげで予定よりも人類滅亡までの時間が大幅に長くなりましたよ」
 俺一人のために、こんなばかでかいものを動かしたのか。やれやれ。VIP待遇にもほどがある。
言っておくがあとで使用料を請求されても払えないからな。
「ご安心を。その辺りはきちんと国連内で処理しますから」
 そんな俺の不安に古泉はインチキスマイルで答える。
「で、これからどうするつもりなんだ? ただ、ここで黙って見ているわけじゃないだろう?」
「まだ機関内で検討中ですが、やれることは一つしかないでしょう」
 古泉は気色悪いウインクを俺にかまして、
「北高に乗り込むんです。機関の超能力者としての僕の力を使えば、閉鎖空間にも普段と変わらずに入れますからね」
 ……どうやら、とんでもないことになっちまいそうだ。やれやれ。
 
 翌日オフクロたちが俺の見舞いに来た。ついでにミヨキチも来てくれたんだが、
我が妹とますます差が開いていることに驚きを隠せない。このまま大人になったら一体どんな超絶美人になるんだ?
それに比べて我が妹の幼いこと。もう中学生になっているのに、俺が憶えている妹の姿と寸分の違いもないぞ。
一部の人たちには歓迎されるかもしれないが、そんな人気は兄として却下だ却下。
しかし、ヘリコプターで送迎とは豪華だね。全く家族そろって某国大統領にでもなった気分さ。
 とりあえず、オフクロ達が無事だったことには安心した。俺の住んでいた町も神人にど派手に破壊されたようだったので
その安否が気がかりで仕方なかったが、国の方が機関と連携し、素早く住民達を非難させていたようだ。
現在は被害のあった場所に住んでいた住民は政府の用意した指定地域に避難している。そのおかげといっては何だが、
妹も友人たちと離ればなれになることもなくそこそこ今まで通りの生活を送れているとか。
ただ、今済んでいる場所は仮設住宅みたいなものだから、近いうちに引っ越しも考えているらしい。
どのみち、長くは住めないようなところなのだろう。俺もとっとと帰って家のことについて手伝ってやりたかった。
 
 その次の日、俺はようやく医療的束縛から解放されて自由の身となった。ただし、オフクロ達のいる場所への移動は認められず、
あくまでもこのナントカって言う空母の中だけの移動に限られてはいるが。古泉曰く、下手に出歩かれて、
また事故にでも遭ってしまえば取り返しがつかないんですよ、だそうだ。警戒しすぎじゃないかと思うし、
それだけの期待を俺みたいな凡人まるだし男にかけられていることに、いささかの違和感と窮屈感を憶える。
 で、ようやく今後についての話し合いが始まったわけだが、
「さて、これからの予定についてですが、ようやく機関内で決定されたのであなたに伝えておこうと思います」
 古泉の野郎にどこかの会議室に連れ込まれた俺に数枚の資料が渡された。他には森さん・新川さん・多丸兄弟と
機関おなじみの面々がそろっている。しかし、古泉は結構成長したように見えたが、この4人は全く変化がないな。
変な改造手術でも受けているんじゃないだろうな?
 古泉が続ける。
「以前、あなたに話したように涼宮さんがいると思われる北高へ向かいます。
そして、そこの状況に応じて涼宮さんを解放し、事態の解決を図るというものです」
「おいおい、肝心な部分が曖昧すぎるんじゃないか?」

300:push forward with……第一章
08/02/09 00:28:43 S3SftIs6
 俺の指摘に、古泉は困ったように頬を書きながら、
「その辺りはご勘弁を。現在、北高周辺が一体どうなっているのかさっぱりわからない状況なんですから。
ついてからは全てあなたにお任せしますよ。それこそ、以前にあの世界から戻ってきた方法を使って貰ってもかまいません」
 だから、それを思い出させるなと言っているだろうが。
 そんな俺の抗議に構わず古泉は話を続ける。
「僕たちはまず北高から100km離れた地点までヘリコプターで移動し、そこから目的に向かってひたすら歩きます。
予定では一週間程度かけて中心地点である北高に到達できると予想しています」
「100kmって……どうして一気に北高に行かないんだ? いくらなんでもそんな距離を歩く自信はないぞ」
 古泉はすっと森さんの方に手をさしのべると、ぱっと会議室の明かりが落ち、正面のモニターが映される。
そこには北高を中心としてとして大きな赤い円が描かれている地図があった。
円の中には何重にも円が重ねられ、円とその中の円の間に、%を表す数値が書き込まれている。
 ここからは古泉に変わって森さんが説明を引き継ぐ。
「この高校を中心に大規模な閉鎖空間が広がっています。大体半径100km前後の距離ですね。
この中には古泉のような能力がなくても侵入可能ですが、著しく体力・精神的に消耗することが確認されています。
そのため、機関のサポート無しでは長時間の作戦行動を取ることは不可能でしょう」
「その何重に描かれている円は何ですか?」
 俺が地図に向かって指さすと、森さんは指し棒を持ちだし、円の部分を指しながら、
「閉鎖空間といっても地域によってその危険度が違っていて、警戒度別に円を引いています。
今まで機関のサポートの元、何度も特殊任務として閉鎖空間に侵入していますが、この%は生還率を示したものです。
基本的に円の中心に近づくごとに危険度が高いことがわかっています」
「ってことは、古泉みたいな連中はもう何人もやられてしまっているって事か?」
「その通りです。僕の同志もすでに3人失いました。しかし、彼らの尊い犠牲によりこれだけの情報が得られています」
 悲しげな声で古泉が答える。古泉たちも相当な負担を強いられているって事か。ん、ちょっと待った。
「さっき森さんは中心に近づくほど危険といったが、一番外側の部分の生還率がその内側よりも低いのは何でだ?
ゲームチックに第一関門が用意されているってわけでもないだろ?」
「これはいろいろと原因がありましてね……」
 古泉がリモコンらしきものを押すと、映像が切り替わる。そこに映し出されたのはどこかの戦争映画のワンシーンみたいに
戦車やら飛行機やらがたくさん並び移動している光景だった。
「今から8週間前に、一向に事態が進展しないことに業を煮やした国連安保理はついに武力行動の決議を出しました。
規模は世界大戦勃発といえるほどのものです。国連軍10万人近い兵士が出撃し、一路北高に向けて進撃を開始しました。
当初の予想では、最初は抵抗も緩く、中心部に近づくにすれて激しくなると考えていましたが、
完全に予想を覆されます。閉鎖空間に侵入したと同時に正体不明の攻撃が国連軍に襲いかかりました。
突然、兵器という兵器が崩壊し兵士達はバタバタと倒れていく。いかに最新兵器で武装しても戦っている相手が
何なのかわからない状態では反撃のしようもありません。結局、損害だけが積み重なり、敗走することになりました。
その時の結果がこの生還率に反映されてしまっているんです。このときの戦いで機関の超能力者一人失いました」
 苦渋の表情を浮かべる古泉。相手は神人みたいな常識はずれな奴らだ。現実に存在している軍隊じゃ歯が立たないだろうよ。
誰か止めればよかったんだと憤る自分がいるお一方で、こんな無謀な強硬策をとるしかないほどまでに
もう他に打つ手が無くなっているんだろうと理解してしまう自分もいる。
 と、無謀な強硬策でちょっとしたことをひらめき、冗談めいた口調で、
「そんなにせっぱ詰まっているんじゃ、その内ミサイル―いかも核ミサイルとかが撃ち込まれたりするんじゃないか?」
「それはとっくに実施済みです」
 ……おい古泉さん。俺は冗談のつもりで言ったんだが、まじめに返すなよ。さすがにそのジョークは笑えないぞ。
 だが、古泉は首を振って、
「残念ながらジョークではないんですよ。某国が独断で核ミサイルを発射しまして」
 そんなバカなことをやった国があるのか。あきれてものも言えん。しかし、その割には北高周辺は無事のようだがどういう事だ?

301:push forward with……第一章
08/02/09 00:29:38 S3SftIs6
「それがですね。ミサイルは正確に北高に落ちたように見えたんですが、次の瞬間、まるでビデオの巻き戻しをしているかのように
北高に飛んできたのと全く同じ軌道で、某国のミサイル発射基地に直撃したんですよ。まるで途中でUターンしたみたいに」
「なんだそりゃ。あの閉鎖空間の主はドクター中松だったのか?」
 俺の言葉に古泉は苦笑するばかりだ。
 森さんはぱんと一つ手を叩くと、話を進めましょうと言い、
「わたしたちは最後の希望と言っても過言ではありません。そのため、少しでも危険のある地域には徒歩で入ります。
ヘリコプターでは撃墜されてしまえば、助かる見込みはほぼありませんので。同理由により車輌などもしようしない予定です」
 死ぬ可能性を少しでも下げるために、みんなでハイキングか。全くここは戦場か?
 森さんは国連軍基地とするされている位置を指し、
「そのため、まず航空機でここまで移動し、さらにそこからヘリコプターで閉鎖空間との境界線ぎりぎりまで移動し、
そこから徒歩で閉鎖空間内に侵入します。あとは一直線に目的地までに進むのみになります」
 そこからでもかなりの距離になる。森さん達みたいなエキスパートならさておき、俺みたいな一般高校生が
歩いていけるのか? しかも、正体不明の敵の攻撃をかわしながらだ。
 古泉はくくっと苦笑すると、
「あなたの体力は一般的な高校生以上のものですよ。あれだけ涼宮さんに引っ張り回されていたんです。
一年で動いた運動量は運動部ほどとは言えませんが、それなりの量になっているはずですよ。僕が保証します」
「だがよ、そんな毛の生えた程度じゃ明らかに足手まといになるだろ」
「確かにそれも事実です。だから、そのための訓練を受けて貰います。あなたの友人達と協力してね」
 古泉が俺の視線を促すように、首を動かした。俺が振り返ってみると、そこには谷口と国木田の面影を持つ人物が居た。
古泉と同じように成長しただけで本人なんだろうが。
「よぉ、キョン」
「ひさしぶりだね、キョン」
 二人の声と口調は俺が知っているものと全く変わっていなかった。どこまでも軽い谷口とどこか丁寧な印象を受ける国木田。
二人とも見慣れた北高の制服だったが、何でこの二人がここにいる?
「ずっと前からあなたが目覚めたときのために準備していたんですよ。できるだけあなたに近い人間を集めて、
そして、あなたとともに涼宮さんの居るところへ向かう。今のところ、それが唯一閉鎖空間に障害なく侵入できるはずです。
あの閉鎖空間を作り出したのは涼宮さんであるかどうかわからないですが、そこに涼宮さんがいることは確かです。
ならば少しでも彼女に近い人間であれば、少なくとも涼宮さんは僕たちを受け入れてくれる。
拒絶する理由なんて無いはずですから。とくに事故の後遺症から立ち直ったあなたをね」
 古泉の言葉に、俺はようやくこのばかげた現状を受け入れる気分になった。そして、同時に決意もできた。
 やれやれ、行くか。ハルヒのいるあのSOS団の部室へ。
 
 翌日から俺の訓練が始まった。主に谷口と国木田が指導してくれた。二人とも結構しごかれているみたいで
以前とは別人のように強靱な肉体ぶりを見せつけてきやがる。
「ほら情けねえぞ、キョン! このくらいの壁、とっととのぼっちまえよ!」
「無茶を言うな! まだ病み上がりなんだぞ、俺は!」
 鬼教官、谷口のしごき毎日だ。一方の国木田はそんな俺たちを生暖かく見守るだけ。少しはこのアホをセーブしてくれよ。
 訓練は一ヶ月間、この空母内に特設された場所で行われている。とは言っても、一ヶ月で劇的に体力がつくわけもなく、
ならこの訓練の意味は何だと古泉に確認したところ、体力をつけるのではなく、いかに体力を使わずに効率よく動けるかを
身体に憶えこませるためとのこと。おまけに、銃の扱いや手榴弾の使い方、軽傷ぐらいなら自分で直せる程度の医療知識まで
頭の中に押し込めてくるんだからたまらん。全く傷病兵や病人まで戦場につぎ込む羽目になった戦争末期のドイツじゃあるまいし
こんな突貫訓練で大丈夫なのか俺は? ちなみにそういった軍事知識まで詰め込まれるのは、そういった対応方法が
必要になった事例が多他にあるからだそうだ。気分は戦争だね、もう。
 結局、そんな調子で一ヶ月間散々絞り上げられる羽目になった……

302:push forward with……第一章
08/02/09 00:30:07 S3SftIs6
 いよいよ作戦実行の前日。俺は今までの疲れを癒すための全日休暇を満喫していた。
 まずオフクロ達に今後の予定について話したわけだが、危険地帯に行くといったとたんに妹含めて泣いて泣いて
こっちが涙ぐんでしまったぐらいだ。ただ、それでも行くなと引き留めなかったのは、現状を理解しているからだろう。
物わかりの家族で本当に助かる。
 その日の夜、俺はせっかくだからと水平線の上に浮かぶ満月の鑑賞を満喫していた。
周辺に繁華街とかがあるおかげで、俺の自宅―元自宅からはいまいちぼやけ気味に見えていた月だったが、
辺り一面が真っ暗で障害物も何もない満月は、この世のものとは思えないほどに美しかった。
願わくば、もう一度これが見れればいいと本気で思うよ。
「よっ、キョン。なに黄昏れているんだ?」
 せっかく人がしみじみとした気分を味わっているってのに、無粋な声をかけてきたのは谷口の野郎である。
「なんだよ、せっかくの満月がお前のアホ声で色あせちまったぞ」
「……ひでぇことを平然といいやがるなぁ。でも……確かにきれいだな。みとれちまう気持ちはわかるぜ」
 そう言って谷口も空に浮かぶ満月を眺める。
 と、俺はずっと機構としていたことを思い出し、
「なあ谷口、一つ聞いておきたいんだが」
「なんだよ?」
「……何で古泉からの要請を受け入れたんだ? こういっちゃなんだが、イマイチお前らしくないと思って仕方がないんだが」
 俺の言葉に谷口ははぁ~とため息を吐いて、
「キョンよー。おまえは俺をそんなにへたれと認識していたのか?」
「違うのか?」
「……おまえな」
 あっさりと断言する俺に、谷口は口をとがらせる。まあ、そんなことよりもどうしてやる気になったんだ?
 谷口は俺の方にぐっと手を突き出し、親指を立てる仕草をすると、
「世界平和のために決まっているだろ! そして、救世主となってみんなから尊敬のまなざしを向けられ、
女の子にもモテてウハウハっていう素晴らしき未来が俺を待っているのさ!」
「…………」
 あきれて開いた口がふさがらない。やっぱり谷口は谷口か。そっちの方が安心できるけどな。
 が、谷口はすぐにそんないつものTANIGUCHI印のアホテンションを引っ込めると、
「冗談だよ。理由はこれさ」
 そう言ってポケットから一枚の写真を指しだしてきた。それにはお下げでめがねのかわいらしい少女が写っている。
歳は俺と―谷口よりも少し年下ぐらいか? 清楚な感じが好印象だが、俺に紹介でもしてくれるのか?
「お前のは涼宮がいるだろ?」
 何でそこでハルヒの名前が出てくるんだ。言うなら俺の癒しのエンジェル、朝比奈さんだろうが。
 そんな俺の抗議に谷口はハイハイと流して、
「聞いて驚け。この写真の女の子は俺の彼女さ!」
「なにィっ!?」
 その大胆発言には俺もびっくり仰天で満月までジャンプしそうになる。以前に付き合っていた奴とはあっさり破局したってのに
すぐにこんな可憐な女性を手に入れていたとは。くそー、俺がのんきに寝ている間に先を越されちまった。
「あの化けモンが暴れ回って街に住めなくなっただろ? その後、避難キャンプに移ったんだが、そこで知り合ったのさ。
きっかけは炊き出しの手伝いだったんだが、俺の献身的な働きに彼女が一目惚れしてしまってな」
 絶対に、おまえが彼女の献身的な働きに一目惚れしたんだろ。
「そのまま意気投合って状態だ。もう意思の疎通もバッチリだぜ! 絶対に手放したくねえ。だから―」
 谷口はすっとその写真に目を落とすと、
「……守ってやりたいんだよ。彼女をさ。そのためにはあの灰色の空間をなんとかしなけりゃならん。
だから、あのいけすかねえ美形野郎の申し出を受けたのさ。お前相手だから言っちまうが、この混乱状態が収まったら
結婚しようと約束しているんだ。平和な新婚生活を送るためにも何としてでも世界を正常にしなけりゃならねぇ」
「そうか……」
 
 何だかんだですっかり男らしくなっている谷口だ。全く……守るべき人間がいるってのは、
あのアホをここまで変えてしまうのかね?
「で、キョンはどうして行く気になったんだ?」
 今度は谷口は同様の質問を俺にぶつけてきた。俺はしばらく答えに困りつつも、
「世界崩壊の危機で、しかも全人類が俺に期待しているんじゃやらないわけにいかないだろ?」
「あのな、キョン。これから生死を共にする仲なんだぞ。こんなときぐらい素直に本音を言っても良いだろ?」
 俺は痛いところをつかれて、ぐっと声を上げてしまう。やれやれ、今の谷口には建前は通じないみたいだな。


303:push forward with……第一章
08/02/09 00:30:35 S3SftIs6
「……二つある。まず一つはSOS団の日常を取り戻したい。ハルヒもそうだが、長門も朝比奈さんも取り戻して、
またバカみたいに楽しい日々を送りたいのさ。外側にいた連中にはわからんだろうが、俺はすごく幸せ者だったんだよ。
無くして―本当に無くして今それを実感している」
 そして、もう一つ。これが最大の理由……
「ハルヒの無実を証明してやりたい。どんなにぶっとんだ発想と行動力を持っていても、あいつはこんな世界滅亡なんて
心から願うはずがないんだ。きっと何かおかしなことが起きている。俺はそれを見つけ出したい」
「……そうか。なら大丈夫そうだな。中途半端な理由じゃなさそうだし……あ」
 と、ここで谷口が何かを思い出したように手を叩き、
「わりい! お前に用事があったのをすっかり忘れていたぜ!」
 おいおい、本当に今更だな。
 谷口はすまんすまんと手をひらひらさせつつ、
「お前に用があるっていう奴が来ているぞ。しかもとびっきり魅力的な女性だ」
 そう谷口はうひひと嫌らしい笑い声を上げて去っていった。女性? 今更俺に会おうとするなんてどこのどいつだ?
 
「やあ、キョン久しぶり」
「……なんだ佐々木か」
 俺の前に現れたのは、古泉と同じように+2年された佐々木の姿だ。こちらもすっかり女っぽさに磨きがかかっているな。
「なんだとはずいぶんな言い方だね。これでも結構心配したんだよ」
 いやすまん。全く予想していなかったんでな。少々面食らってしまったんだ。
「まったく……前から思っていたがキミは結構薄情なところがあると思うんだ。
高校に進学してからというもの、全く音沙汰が無くなり、ようやく連絡が来たかと思えば、
年賀状という文面のみで受け取り側にその意味合いを依存するような意思の伝達方法を採用しているんだから。
そして、今度は事故の後遺症から目覚めて一ヶ月だというのに全く連絡をよこさない。正直、君の出発が明日と聞いて
突然地動説を主張された宗教学者達みたいに驚いてしまったよ。会いたいならヘリを手配してくれると言うんで、
そのご厚意に甘えさせて貰ってここまで来た次第だ」
「本当にすまん。そっちの方まで頭が回らなかったんだ……ん? その話は誰から聞いたんだ?」
「キミの家の方に電話した際に教えてくれたよ。向こうとしてはいろいろと……いや、止めておこうか。
すでにキョンはご家族の方と話を終えているようだからね。今更蒸し返すのは、国際的歴史問題をいつまでも引きずっていることと
同じ愚行だろうから」
 そう佐々木は空母の壁にすっと背中を預ける。しかし、月明かりに照らされるその姿は見れば見るほど大人っぽくなっているな。
古泉が以前非常に魅力的だと表現していたが、2年眠った後でようやく実感できる俺の美的センサーにも問題があるぞ。
 そのまま二人の間に沈黙が流れる。
 どのくらい経っただろうか。やがて佐々木が口を開く。
「キョン、行くなとは言わない。だが、聞かせて欲しい」
 ―佐々木は俺の方に目を合わせずに―
「……本気でキミは、本心から望んであそこに行きたいのか?」
 佐々木の口調はいつもと変わらないはずだった。だが、それはまるで俺の内部に突き刺すように問いつめている言葉に聞こえた。
 俺はしばらくどう答えようか迷っていたが、ま、正直言うしかないだろ。こんなシチュエーションじゃな。
「ああ、行きたいと思っている。誰からも強制されているわけではないぞ。120%俺の確固たる意志だ」
 正真正銘の本音。2年あまりの眠りから目覚めた時は正直余りぴんと来なかった。
しかし、この一ヶ月間で集めた情報やオフクロ達から聞かされた話。谷口と国木田が遭遇した体験だ。
それらを聞く内に、俺の意志が固められていった。無論、世界を救う救世主という役割なんかよりも、
あのSOS団としての日々を取り戻したいと言うことと、ハルヒの無実を証明したいという気持ちを、だ。
 気がつけば佐々木は俺の方をじっと見ていた。まるで俺の全身を品定めするかのように見ていたが、
やがて軽くため息を吐くと、
「そうかい。わかった。キミの意思ははっきりと確認させて貰ったよ。ありがとう。
では、おじゃまものはそろそろ引き上げようかね」
「何だよ。それだけを確認したかったなら電話でも十分だったんじゃないか?」
 俺の指摘に佐々木はやれやれと首を振って、


304:push forward with……第一章
08/02/09 00:30:55 S3SftIs6
「あのね、キョン。人間ってのは声だけで判断できるような安っぽい作りはしていないんだよ。
宗教にさして興味はないが、本当に神が人間を創造したって言うなら、神様というのは実に陰険で神経質だったと思うね。
キョンの声だけ聞いても判断できないから―声帯を振るわした生声を直接鼓膜に当てて、全身の身振りを確認した上で
その意思を確認したかったのさ。わがままとか欲張りといって貰っても結構。せっかくのご厚意だ。とことん甘えさせて貰ったさ」
 それで佐々木が満足だって言うなら、別に俺はこれ以上どうこう言うつもりはねえよ。
しかし、せっかく来たって言うのに滞在時間数十分では遠出してきた意味が無いじゃないか。
「そうだ。ここから見える月はすごくきれいなんだ。せっかくだから堪能して行けよ。こんなチャンスは滅多にないんだからな」
「キョン。キミって奴は本当に……」
 佐々木の声に少しいらだちが入ったことに気がつく。
「良いか、キョン。人間ってのはやっかいな精神構造をしているもので、たまに間違いを犯すんだ。
それが正解だと思ってやってみたら間違いだったというのはまだいい。しかし、問題なのは間違いとわかっているのに、
それを犯さなければ気が済まないという感情が発生することがあるんだ」
 言っていることがよくわからないんだが……
 佐々木は困惑する俺に構わず続ける。
「……そうだな。確かにキミの言うとおりこのまま帰るだけじゃ、後悔するだけかもしれない。
ならば、これはキョンからのご厚意として受け取らせてもらうよ。最初に謝っておく。ちょっと間違いを犯すが許して欲しい」
 ―佐々木は一呼吸置いてから―
「僕はね、キョン。ふとこんな事を考えてしまうんだ。キミと一緒にエアーズロックの一番高いところで、
沈んでいく夕日の如く終わる世界をただ眺めているってのも悪くないんじゃないかってね」
 おいそんな人灰を巻かれてしまうような場所で、俺は若い内に人生の終わりを迎えたいとは思わないぞ。
縁起でもないことは言わないでくれ。
 俺の反応に、まるでそれを楽しんでいたかのように佐々木はくくっと笑うと、
「そうだろうね。済まない。少し冗談が過ぎたようだ。許してくれたまえ」
 そう言うと佐々木はくるりと俺に背を向けて、
「さて、そろそろ本当に帰らせてもらうよ。これでも大学生の身でね。高校時代に頭の中に押し込まれた鬱屈した気分を
解放するので大変なんだ。あとは周りの人たちに対する対応もしないとね。それに―何よりもこれ以上間違えるつもりもない」
 そう言ってさっさと俺の前から立ち去ろうとする。
 正直、ここで引き留めるのも何だか気が引けたが、どうしても言っておきたいことがあった。
「佐々木」
 俺の問いかけに、振り向きはしないものの足を止める佐々木。俺は続ける。
「せっかくだ。世界が正常になったらSOS団に入ってみないか? おまえとはちょうど話が合う奴もいるし、
団長様も―こればっかりは話してみないとわからないが、多分OKしてくれるんじゃないかと思う。
いい加減SOS団にも新しい風も必要な頃合いだ」
 佐々木は俺の言葉をただ黙って聞いていただけだったが、やがて振り返ることなく答える。
「……そうだね。せっかくのお誘いだ。でもいきなりっていうのも難しいから体験入団という形にとどめて欲しいな」
「それでもいいさ。あとは佐々木が判断すればいい」
 これにて俺の話は終了。あとは佐々木の見送りでお別れだ……ったが、佐々木は足を止めたまま動かない。
そして、大げさにため息を一つついてから、腕を上げて指を一つということを表すかのよう人差し指を上げ、
「帰る気になっていたのに、それを呼び止めたことへの報いだ。もう一つだけ。間違えさせてもらうよ。
キョン、キミに言いたかったことは、それはキミがグースカ眠りこけている間に言わせてもらったよ。
その様子じゃ、きっと憶えていないんだろうけど、この場でもう一度言おうという気持ちにはどうしてもなれないんだ。
おっと卑怯者とか言わないでくれ。別に教えたくない訳じゃない。ただ、この場ではどうしても言う気になれないってことさ。
じゃあ、いつ言うのか、という質問をしたくなるだろ? それはキミが帰ってきてからと答えよう。だから―」
 そこで佐々木はすっと振り返り、軽い感じで俺の方を指差す。
 その時見せた佐々木の表情、全身を見たとたん、俺はかつて無いほどに佐々木の魅力を見せつけられたと思った。
いつか見せてもらった朝比奈さん(大)の表情にも負けないほどの魅力。
「僕のかけがえのない親友に対する要望だ。必ず帰ってきてくれ」


305:push forward with……第一章
08/02/09 00:31:27 S3SftIs6
 佐々木を見送った翌日。ついに俺の出撃の日がやってきた。目標は―北高。
 俺は甲板から飛び上がる白いヘリコプター―シーホークって名前らしい―の中で緊張しきっていた。
これから行く場所は見慣れた街のはずだ。だが、あの記憶に残る灰色の空間の中に、それも命を狙われることは確実とされる世界に
足を踏み入れようとしているんだから、緊張ぐらいは許してくれ。おお、懐かしきマイタウンよ。
 空母から飛び立って数十分。この時には緊張感なんてすっかり無くなっていた。なぜなら、
「ヘリコプターって結構揺れるんだな……うぷっ」
「エチケット袋なら完備していますよ。遠慮なさらずにどうぞ」
 他の面々はまるで平気そうだ。ちくしょう、こんなに揺れるなら酔い止めを飲んでくれば良かった。
 さて、ここらでメンバーを確認しておこうか。
 まず部隊長に森さん。あの何でもこなしてしまいそうなプロフェッショナルな女性である。
 次に副隊長に新川さん。こっちも森さんに負けず劣らずプロの空気をビンビン醸し出している。
 あとは、多丸兄弟・古泉・谷口・国木田、そして俺の総勢7名の部隊だ。人数の面で少々頼りなさを感じてしまうが、
以前の10万人大侵攻で何もできずに逃げ出す羽目になったことを考えると、多ければいいってもんじゃないと思っておく。
そして、全員迷彩服を着込み、手には自動小銃やら機関銃が握られている。
 俺たちは閉鎖空間近くに作られている国連軍基地へいったん降りて、そこから別のヘリで閉鎖空間の目の前まで移動する。
あとは俺たちが100kmに及ぶ道のりを行進しながら北高に向かうわけだ。やれやれ。
 それから数十分後、古泉がヘリの外を指差し、
「見えてきましたよ。あれが閉鎖空間です」
 はっきりいってゲロゲロな俺はそんなものを見る余裕もなかったんだが、これから向かう場所ぐらい見ておくべきだと
気合いを入れて外を見回す―
「……こりゃぁ―すごい―」
 その瞬間、俺の酔いはどこかにすっ飛んでいってしまった。透き通るような青空に、そして、その下に存在する海と陸。
ちょうどその中間に位置するかのように黒いドーム上の空間が存在している。
視界にはいるだけで強烈な拒絶感を感じるところを見ると、あの中にいる奴はあの領域に誰一人として入れたくないようだ。
よっぽど人間不審な奴がいるみたいだな。
 俺はしばらくその光景を睨んでいたが、やがてヘリが緩やかに降下を始める。
「もうすぐ、国連軍基地に到着します。着陸に備えてください」
 森さんの声とともに、俺は閉鎖空間の観察はいったん中止して着陸態勢を整え始めた。
 
 国連軍基地に到着後、次のヘリに乗り換えるまでしばしの休息を得ることができた。
 到着後、俺が真っ先に言ったのは酔い止めの薬の確保である。またヘリに乗って移動する以上、
閉鎖空間に酔っぱらって侵入するのでは格好が付かない。
 何とか酔い止め薬をゲットして、胃を落ち着かせることに成功。それでももうしばらく時間があったので、
国連軍基地内を散策することにした。地方の空港を接収して再利用しているらしく、空軍基地としても活用しているみたいで、
たまにやかましい音を立てて戦闘機やら偵察機やらが離発着している。事実上の前線って事で、
かなり基地内にいる人間はピリピリと緊張感をあからさまにしていた。古泉の話では、閉鎖空間の拡大に伴って
近日中に撤収し、数百キロ離れた場所へ移設する予定だそうだ。確かにここから閉鎖空間までは15kmぐらいしかない。
あと数ヶ月で飲み込まれることになるだろう。もちろん、基地周辺にある民家も全てだ。
「ん?」
 国連軍指揮所の建物の壁にやる気なさそうに寄りかかっている人物が目にとまった。
どこかで見たことがあると目をこらして確認した結果、はっきり言ってそのまま無視しておこうかとても迷うような
人物であることが判明した。とはいっても、あの野郎がいる以上、何らかの目的があることは明白であり、
そいつを問いただしておかなければ、後々面倒なことになるかもしれないので、
「おい、こんなところでなにやってんだ」
 そこにいたのはあのいけ好かない否定後連発の未来人―自称:藤原だった。退屈そうに空を黒々と浸食している
閉鎖空間を眺めている。
 その未来人野郎はちらりと俺の方に視線を向けると、
「ふん、やっと来たみたいだな。いつまで待たせれば気が済むんだ?」
 ……敵意むき出しの発言に、やっぱ話しかけなけりゃよかったと後悔する。


306:push forward with……第一章
08/02/09 00:31:52 S3SftIs6
 あまり長い間話すと別の意味で俺の胃がムカムカしてきそうだったので、とっとと本題をぶつけることにする。
「で、こんなところでなにをやっているんだ? まさかとは思うが、俺たちに協力しようってんじゃないだろうな?」
「自分たちにそれだけの価値があると思っている時点で、傲慢に値すると評価してやるよ」
 ますますむかつく野郎だ。ここまで挑発的な物言いばかり沸いてくるなんて、さぞかしゆがんだ環境で育ったんだろうよ。
 藤原はまた閉鎖空間の方を見つめると、
「僕はただ見に来ただけだ。この事態の行く末を見る。それが今の僕の仕事だ。介入するつもりはない」
 ああ、そうかい。それなら好きにすればいいさ。じゃあな。
 俺はとっとと未来人野郎の前から立ち去ろうとする。が、一つだけ確認すべき事を思い出し、
「朝比奈さん―ああ、成長したでっかい方の朝比奈さんだ。あの人は今どうしているんだ?
やっぱりお前と同じようにただ事態を見守っているだけなのか?」
 俺の問いかけに、藤原はしばらくきょとんとしていたが、やがて苦笑するような笑みを浮かべ、
「あんたの思考能力の薄さには敬意を表したいよ。少しは考えてみればどうだ? あんたと一緒にいた小さい方の朝比奈みくるが
消失しているんだぞ? だったら、あんたのいうでっかいほうの存在がどうなっているのかすぐに答えが出るだろ?」
 俺は―俺はしばらくその意味がわからなかった。だが、何度か未来人野郎の言葉を脳内リピートしてようやく気がつく。
 この時代の朝比奈さん(小)は消えたままだ。そうなれば当然朝比奈さん(大)の存在も消える。
つまり、今起きている事態は朝比奈さん(大)にとって規定事項ではない、明らかな想定外の状況であるということ。
 なんてこった。事態は俺が考えている以上にひどいのかもしれない。少なくともこのままでは確実に世界が崩壊し、
未来にも影響を与えている。どうにかしなくては……
「おおーいキョンー! もうすぐ出発だよー! 早くこっちに集合してー!」
 唐突に耳に入る声。見れば国木田が手を振って俺を呼んでいる。いつの間にやら出発時間を過ぎてしまっているらしい。
俺は焦りに似た気持ちを引きずりながら、出発場所へと走った。
 
 俺たちを乗せたヘリが飛び立つ。今度はさっきのヘリの黒いバージョンだ。そのまんま、ブラックホークというらしい。
どのみち、あと10分以内で降りるんだから憶える必要もないだろうが。
 ヘリは山岳地帯の森の上をなめるように跳び続ける。辺りは快晴。雲一つ無い。こんな日に戦争か。
やれやれ、やりきれない気持ちでいっぱいだな。
 酔い止めの薬の効果は偉大なようで、国連軍基地に来るまでに味わされた車酔い―じゃないヘリコプター酔いも起きずに
それなりに快適に外の様子を眺めることができた。相変わらずの威圧感の強い閉鎖空間の黒い領域が目の前に迫るたびに
その迫力で身震いさせられる。もうすぐあそこの中に突入するんだな。
 気分を変えようと、下に広がる下界の様子を見回す。森の間に畑が広がっているのが目に入ったが、
同時に農作業に従事する人たちや、作業用の軽トラックが走っていくのも見えた。なにやってんだ?
もう閉鎖空間は目の前に来ているって言うのに、早く逃げろよ。
 俺は国木田を捕まえて、
「おい、何で逃げていない人がいるんだ? 時機にこの辺りも閉鎖空間に飲み込まれるんだろ?」
「確かにそうだけど、それでも避難を拒否する人たちって結構いるみたいなんだ。何でも自分の生まれ育った土地を
離れたくないんだって。どうせ死ぬなら、そこで一生を終えたいっていうインタビューをテレビで見たよ」
 郷土愛って奴だろうか。確かに生まれ故郷を離れたくない気持ちはわかるが……死んでしまったらどうにもならねえだろうが。
 俺はやりきれない気持ちを胸に、ただその過ぎ去ってゆく光景を眺めることしかできなかった。
 
 国連軍の最前線基地に降り立った俺たちの頭上を、ヘリがバタバタと飛び去っていく。
 閉鎖空間から一キロ。まさに敵地と接した最前線だ。先ほどの国連軍基地とは桁違いの緊迫感に包まれていることが
手に取るようにわかった。ただ、すでに撤収命令が下っているようで俺たちを送り出した後、この基地は即時閉鎖されるとのこと。
無理もない。目の前には襲いかかる津波のように閉鎖空間の黒い領域が広がっているんだからな。
ちょっと目を離したすきに俺たちに襲いかかってくるんじゃないかと不安になる。
 しばらくすると、森さんが手続きを終えたようで指揮所から出てくる。
「準備できました。これから目的地に向けて移動を開始します」



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