☆☆☆ 本当はHな桃太郎2 ☆☆☆at EROPARO
☆☆☆ 本当はHな桃太郎2 ☆☆☆ - 暇つぶし2ch118:名無しさん@ピンキー
08/06/25 00:16:09 t+SbiiKi
涙ぐましくしつこい自演乙age

119:名無しさん@ピンキー
08/07/02 20:21:42 slj3yXM0
ほしゅ

120:名無しさん@ピンキー
08/07/09 20:53:32 y9c/UBTm
保守

121:名無しさん@ピンキー
08/07/14 01:15:23 3aVR4waG
保守


122:名無しさん@ピンキー
08/07/22 06:41:38 EMj17w95
保守

123:名無しさん@ピンキー
08/07/28 00:44:11 636eiuks
保守。
ここって鬼のお姫様・鬼の一族の誰か×桃太郎とか、
桃太郎そっちのけで犬×雉とか猿とか、そういうのもいいのかな。
ふと思っただけなんだけど。

124:名無しさん@ピンキー
08/07/28 02:23:26 3c7BfclY
前はそういうのもあった

125:名無しさん@ピンキー
08/07/28 22:14:46 JKGkQzDM
>>123
いいと思うよ
面白そうだ、是非読んでみたい

126:桃子とイヌイ
08/08/03 02:41:37 CaewoSte
女体化
ショタ
鬱展開

苦手な人はスルーお願いします
>>97の続きです
・・・・・・・・・・・・・・・・

 おずおずと触れたその岩は、思いがけずほどほどに熱を持っていた。

「温かい…それになんかしっとり…。」
「お前がぐずぐずしてるからもう十分準備できちまった。」
「準備?」

 そして触れた手から満ちて駆け上る淡紅の光。
 気がつくと桃子はそこに居た。


 暖かい、目映いが決して不快ではない輝く光の大海原に漂う。目の前も上も下も、あたりを満たす光は
空でもなく密でもなく、外でもなく中でもない。それはまるで桃子と同じもので出来ている。いや、私が
その一部なのだと桃子は悟った。
 驚きから自我を取り戻すと、発光の世界のそこここにキラキラと光る粒があることに気がついた。
 あれが種。
 一つ一つがかつて生きていて、今も生きている。ただ静かに待っている。

「あ…。」
 桃子は足下をゆっくり通り過ぎていった小さな一粒を目で追った。
 私はあの粒を知っている。
 あれは。…あれは?

「マサルくん…?」
 
 いや違う。
 あれはマサルの源。
 かつてサルトルと呼ばれたマサルくんのお父さん。
 そしてそのすぐ横でやはりゆったりと流れていく、あれがマサルのくんのお母さん…。
 本当のお母さん。
 また知ってる種を見つけた。あれは私を食ったヒヒのお父さん。
 私が食べた雉のお母さん。
 懐かしい。村のおじいさんとおばあさんの、おじいさんとおばあさん。

 きらめく光の種一つ一つが今生きてるなにかの源で
 犬もいた。雉もいた。いろんな猿も、いろんな人も…

 ああ、だけどイヌイは
 
「イヌイの種は…遠いなあ…。」

127:桃子とイヌイ
08/08/03 02:42:35 CaewoSte
 ねえねえ、イヌイのお父さんを抱いているあなた
 どうしたらそこまで泳いでいける?
 私が経てきた経験を
 辛さも悦びもわかってくれたらあげるわよ
 だけどお父さんじゃだめよ 近すぎる
 弱い子供になっちゃうわ
 もっと遠くの もっともっと原初のイヌイの種はどこ?
 もっともっと遠くにあって もっともっとたくさんの桃岩の経験を
 あなたも知れば 経験をつめば辿り着けるわ
 クスクス 大変だよ 他のもっと近くの種にしたら?
 それより岩になってみんなの泉になったら?
 その方が辛くないよ その方がたくさんの種を抱けるわよ
 水蜜みたいに
 ううん、私はイヌイがいいの イヌイじゃないと嫌なの
 桜桃みたいね 辛いわよ それでもいいの?

 …………

 桜桃…そうだったの
 あなたはそうやって…それでもマサルくんを生んだのね
 そうだよね
 大好きな彼がこの世に生まれた孤独に泣いているのなら
 私も…私もそうしたい
 イヌイの子供を産みたいな 
 …そう クスクスクス 可哀想ね
 可哀想ね、でも でも、うらやましいな うらやましいな、がんばって
 がんばって、桃子 桃子、ここまで ここまで、  お  い  で  …
 

 そうしてあの人がこの世界に生まれてきたことを
 みんなで繋げていきましょう
 私は、私たち桃岩属はそのための
 この世界の泉で、守りの大地で、海ー産みーなのだから


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・




128:桃子とイヌイ
08/08/03 02:45:50 CaewoSte
 ぴいぴいというけたたましい鳴き声に桃子が目を覚ますと、あたりはすっかり明るくなって
晴れ晴れと広がる大きな青空。青々とした草原が朝の爽やかな風にたなびいている。
 ぱちぱちと二度瞬きをして、香ばしい匂いに跳ねるように身を起こした。

「あっ、桃子お姉ちゃん起きた?朝ご飯出来てるよぅ~。」
 一番近くの木陰の奥からのんきな小猿の声がした。
 草原の草の切れ目の土を堀り、火を起こしたかまどの焼き石の上に黄金色のケイキがあった。
 木陰の奥の少し離れたところに水蜜の岩が、昨夜見た時と同じくただの割れた岩のたたずまいで
そこにあり、その後ろからやはり何も変わらぬ子供らしい仕草のマサルが顔を出した。手に雉の雛の
一匹をつぶさぬようまあるい拳で包みつつ、餌をやっているところらしかった。
 反射的に目で探した彼の姿はどこにもない。
 そう知って、だが桃子の心は何の痛みもなかった。
 なんとなくそれはわかっていたことだ。ただこの垂涎を誘う良い匂いと小猿の存在がわずかな期待を
桃子にさせた。小さな息を吐き立ち上がるとぐう、と腹が鳴った。食欲はないのに、と乾いた笑みが
桃子に浮かぶ。いつのまにか襦袢を着ていることに気づいて、桃子ははだけた前合わせを直しつつ下を向いた。
横たわっていたのは、若い青草の固まりの上に柔らかい絹の着物を敷いたベッドだ。イヌイが作ったのだろうか。
そう思う一瞬、乾いた空洞の心に小さな刺を見つけた気がした。それに気づかないふりをして、桃子は
イヌイのくれた藍の着物に身を包んだ。

「おはよう、マサルくん。先に食べてもいい?」
「もちろんだよう。それ全部桃子おねえちゃんのだよ。僕は…。」
 語尾が朝の風に流れながら小さく消えていく。

 僕は 昨日の 桃子お姉ちゃんので おなかいっぱいだから…

 岩陰に半分見えた耳が後ろからでも赤く見える。
「おいしかった?」
 桃子の問いにそれはさらに赤く染まる。頑に振り向きもせずせっせと餌をやるマサルを桃子は可愛らしく思う。
かまどの端に腰を下ろして焼き石のケイキをつまむ。ふかふかのそれを二つに割るとほっこりと甘い香りの
湯気をあげ、それごと口にほおりこむと、とろけるようにうまかった。そばには陶器の器にしょうがを摺った
お茶も用意されており、それもまた、ケイキと共に桃子の心も温めてくれた。
「ケイキもおいしいよ。ありがとう。マサルくんが作ってくれたんでしょう?」
 小さないがぐり頭が縦に揺れるのを見て、もう一度ありがとうと言う。
 動いてみてわかったが、三匹に同時に食われた体は疲労を残してぐったりと重い。関節はみしみしと痛かった。
 はじめてイヌイに抱かれた時みたい。
 体の痛みは気持ちとは逆に同じだ。同じだろう?と言った彼の言葉を思い出し桃子の顔が曇る。
「マサルくん、私今日はちょっと疲れているから食べたらもう一度寝ようと思うの。でもお昼ご飯は
一緒に食べようよ。だからもしお昼の時間になっても起きなかったら起こしてくれる?」
「うん、わかった。」
 今度は声が返ってきた。桃子は暖かく甘いショウガ茶を飲み干すと、さっき着たばかりの藍の長着を
再び脱いでベッドに戻った。襦袢のひもを緩めて横たわり伸びをして自身の体を見ると、四肢のあちこちに
赤い食い跡があり、それは以前彼に付けられたものとは違う。目を閉じるとほんの少し泣いてしまった。
そのまますぐにまた桃子は眠りに落ちていった。 



129:桃子とイヌイ
08/08/03 02:48:24 CaewoSte
「お昼だよ。」
 マサルの声にスッキリと目を覚ます。
「おはよう。ありがとうマサルくん。こんどこそ、起きるね。」
「寝起きがいいねえ、お姉ちゃん。」

 二度寝だからね、と笑いながら、二人連れ立って川へ向かった。
 冷たい川の水で顔を洗っていると、桃子の横で熊笹の包みを開くマサルの姿が目の端に映った。
 なんだろう。
「お昼ごはんは鱒のお寿司だよ~う。」
 うきうきとした声で自慢の一品を桃子の方へ向ける。きれいなピンク色の魚が熊笹の深緑に映える。
「お寿司?」
 怪訝そうな桃子にマサルの顔がぱあっと輝き得意げに語りだす。
「食べたことない?酸っぱいご飯と魚だよ。お米を発酵させて生のお魚を保存してるの。これはねえ、
いいことがあったときに食べるごちそうなんだよ。海のお魚でよく作るんだけど鱒のもおいいしいよ!
フナでも作るけどそれはちょっと臭くて僕は苦手なの。いい感じに発酵してて今日が食べごろだよ。
濃いい緑茶と食べるとすっきりしてもっとおいしいんだ~。お姉ちゃんが桃岩ちゃんの仲間に会えたら
みんなで食べようと思って仕込んでいたんだって~。」
「イヌイが?」
 桃子の問いにしまったといった顔でマサルがうつむいた。それはそのまま答えだったがどう言って
いいかわからず困った顔で黙り込む。いたいけな子供の顔だった。
「…おいしいんだよ?」
「うん。」
「今日食べるのが一番おいいしいんだ…だから…。」
「うん。一緒に食べよう、マサルくん。」
 二人は河原に並んでお互いの顔を見ず、ただ時々思い出したようにおいいしいね、と言い合って
ピンクの魚を口に運んだ。

 イヌイがいない。
 それだけでマサルと桃子の関係はほんの少しだが変わったように桃子は感じた。もちろん昨夜の
行為のせいもあるのだろうけど。
 いないのはあきらかに桃子のせいだ。だがそのことをマサルは桃子を責めたりしない。もしかして
自分が寝ている間にイヌイとなにか話し合って決めたのだろうか。イヌイを追ってきたマサルはそれを
どう思っているのだろうか。何も言わないマサルは自分が思うより実は大人なのかもしれない。
 寂しいだろうに、私を責めないのね。イヌイと一緒に自分を放り出し旅立つ事も出来ただろうに。
 イヌイがそれを許さなかった理由は一つだけ桃子にも思い当たる。彼がそのつもりでなかったとしても、
桃子はそうするつもりだった。

「ごちそうさまでした!」
 五つほどあった笹の包みをきれいに平らげて二人は笑い合った。気落ちした時はなにか食べるのがいい。
満腹は心を明るくする。
「おいしかったね!」
「うん、おいしかった!お茶もおいしかったよ、マサルくん。」
「手と口のまわりがごはんでべとべとだよう、お姉ちゃん。」
「マサルくんもべとべとだよ~。」
 姉弟のように顔を見合わせて笑い合って、手を洗おうと立ち上がり川に向かいかけたマサルの手を
桃子が掴んで引き止める。その子供に似つかわしくない大きな手のひらを桃子がぺろりとなめた。



130:桃子とイヌイ
08/08/03 02:50:48 CaewoSte
「お魚の味がする。」
 マサルの顔がみるみる赤くなり、あわてて拳を握って引っ込める。が、桃子が手首を離さないので、
その行動はそのまま桃子を自分の身に引き寄せる行為になった。

 いきなり目前にきた桃子と目を合わすと、美しい顔が真っ赤な自分を笑っている。
「ごはんつぶ、ついてるよ。」
 小さな赤い口がマサルの口端に噛み付いた。
「も…桃子お姉ちゃん…?」
「ごちそうさま。今度はマサルくんが食べる番。」
 合わせられた唇からぬめる舌が差し込まれ、同時に桃子の吐息がマサルの口中を満たした。

 今お寿司を食べたばかりなのに。
 桃子お姉ちゃんの息は甘い果物みたいな匂いがする。

 妖しの力の源でもあるその甘い唾液を流し込まれると、体の中心が熱くなり、競り上がる何かに戸惑い
マサルは桃子を押しやり唇を離した。唾液が糸を引き、切れた一瞬、マサルののどに冷たく雫がはじけた。

「食べないの?」
 妖艶に笑う桃岩は昨夜の桃子お姉ちゃんだ。マサルは昨夜を思い出しさらに体を熱くする。
「も…もうお寿司でおなかいっぱいだから…。」
「うそばっかり。妖力の胃袋は別腹だって、前にイヌイが言ってたよ。それに…。」
 桃子の白魚の指が短い毛に覆われた腹を這う。お昼の明るい日差しにぼやけて見えないが、マサルの金茶の
体毛はうっすらと金の光を放っている。マサルの初めての発情期はまだ続いている。
「私も食べたい。これ…。」
 二人の体の間ににょっきりと生えたキノコのようなそれを桃子の手が覆うと、マサルは一瞬ああんと
ため息をもらして慌てて腰を引く。
「だめ、だめだよう桃子お姉ちゃん!」
「なんで?昨夜もしたよ。おいしかったよ。妖獣はここからも桃岩を食べられるんでしょう?」
「そうだけど…!」

「マサルくん、お母さんが壊れた時の音思い出すから、桃岩のあそこ食べられないんでしょう?」

 桃子は逃げるマサルの腰に抱きつくように両手を巻き付け、自分の脚間にそれを押し付けた。
「だったらこれで食べたらいいんだよ。私とイヌイがしてたの見てたでしょう?」

 桃子の秘部は着物越しでもそことわかるほどすでに匂いたっていた。ぐりぐりと押し付けられる
先端への刺激とともに昨夜の桃子の痴態を思い出し、マサルはゴクリとのどをならした。 
「で…でも…、いいんだ僕は、桃子お姉ちゃん、時々お口吸わせてくれたらそれで…あと、おっぱい
触らせてくれたらそれで…!」
 一瞬取り付かれた妄想を振り払うようにぶんぶんと首を振る。
「あと少し、先っぽ舐めてくれたらそれで…ううん、やっぱりおっぱいだけでいい!」
 急に、マサルは自身に湧いた欲望の猛りをごまかすように桃子の胸をわし掴んでやみくもに揉み始めた。
今度は桃子がああんとうめき、その声に吸い寄せられるようにマサルは桃子に口づけた。



131:桃子とイヌイ
08/08/03 02:53:58 CaewoSte
 昨夜も啜った桃子の小さな舌を吸い上げると、いっそう猛りだした自身の鈴口から何かが溢れてきて、
それが風に晒され先端が冷える。冷たいそれを暖かい、熱いなにかにおさめたいという思いつきにいらだち、
マサルは桃子の胸をさらに激しく揉みしだいた。だが渇望は強くなる一方で、足りない何かをうめようと
マサルは桃子の着物の合わせを強引に開く。ふんわりと立ち上がった胸の匂いに鼻を鳴らせて顔を埋める。
大好きなおっぱいのにおい!

「あ…あん、マサルくん…。」
 覆いかぶさってきた妖獣の身を支えきれずに桃子は傾き、あわや河原に倒れ込むところを小猿の長い
しっぽが桃子の足下をすくい上げ、一瞬宙に浮いた桃子の体をマサルが抱き上げるような形で、気づくと
膝に乗せられ座っていた。
 寸敏な猿の妖獣は見上げると男の顔をしていた。

「知らなかったよ、力、強いんだね。」
「妖獣だもん、体は小さいけどね。」

 自分と同じくらいの大きさの女を膝抱きするとおっぱいが目前に。マサルは下にまわした長い手を
着物の身八つ口からすべりこませて、開いた着物から白桃の胸を持ち上げた。さっき食べた鱒のような
ピンクの乳頭がぴんと突き出され、迷わずマサルはそれを口に含んでしゃぶり上げる。もう片方の手で
双丘の残りをわしわしと捏ね繰ると腕の中で女体が跳ねる。
「ん、あ、あっ、ああん、マサルく…ん…っ。」
 桃子の声はすでに鼻にかかって甘い。口にこりこりと尖るものを転がしては甘噛みして、だがマサルは
その口中の気持ちよさと同時に不満げないらだちを募らせる。いつもはそれで十分な自分がもっと、と
欲する声をあげているのにすでに気づいていた。

 いつもは嫌がる桃子お姉ちゃんが僕に答えて身をくねらせてる。イヌイのおじちゃんに責められていた
ときみたいに、甘えた声を出してくれて、それはとても嬉しいし、気持ちいいし、だけど、…だけど…!

「…だけど、一番の妖力の元はここでしょう?マサルくん…。」

 はあ、と息を乱した桃子がすがるようにマサルの顔を抱き込み、そこに目を向けさせる。
 いつのまにか乱れた着物からは白い太ももが露にむき出しており、その奥の翳りがちらりとのぞく。
 見ないようにしていたそこからはすでにわんわんに濃い香りが立ち上がっており、とっくにマサルの
意識を釘づけていた。

「いいのよ、食べて。」
「…だめだよ、桃子お姉ちゃん…。」
 果実の誘惑に、それでもなお躊躇する。それが甘露とわかっていても、妖力をあげるに必要なものと
知っていてもどうしても!

「…怖いんだよう……。」

 生まれた時に絶望の音を聞いて、それがまだ耳について離れない。
 その音を聞いた場所が母のそこなのだ。



132:桃子とイヌイ
08/08/03 02:56:47 CaewoSte
「大丈夫だよ、みんな、妖獣はみんなそうして大きく強くなるんだよ。マサルくんも、お母さんのことで
怖いのわかるけど…。食べれるようにならなきゃあ、生きていけないよ?」
「わ…わかってるけど…っだめだよ。」
「だめだよ強くならないと…前もヒヒに襲われたでしょう?マサルくん、絶滅危惧種で珍しくて、本当は
すごく強くて…だから。同族が食べたら強くなる種で…食われちゃうよ?死んじゃうんだよ!?」
「大丈夫だもん、食われないもん!僕には…っ!」
「いつまでもイヌイは守ってくれないよ!?」
「ああん?なんだあ、食事中かよ~ちぇ~~。」

 声に二人が同時に振り向くと、逆光に黒くずんぐりとしたシルエット。
 河原を見下ろす土手にたっていたのは一匹の、まだ少年の熊の妖獣だった。


・・・・・・・・・・・・・・・


「いいにおいがすると思って走ってきたのに~。なあなあ猿くん、その後でいいからおいらにもその
桃岩ちゃん食わせてくんね?せめて染み古反だけでも!このへんずーっと桃岩なくてさあ、腹ぺこなんだよ~。」
 遠慮のない小熊の声にマサルは不機嫌そうに顔をしかめた。
「だめだよ、桃子お姉ちゃんは僕の桃岩ちゃんなんだから。誰かの連れてる桃岩は食っちゃだめだって
知ってるでしょ。」
「そこをなんとか!若者を助けると思ってさ~、てか君もまだ子供じゃんか。大きくならなきゃ
いけない身はお互い様だろ、助け合おうよ~。」
 そう言いながら小熊はひょこひょこと小走りで近寄ってくる。腹へりに桃子お姉ちゃんのいいにおいだ。
たまらないのはわかる。わかるけど図々しいやつだ。

「桃岩ならもう泉になったのがあっちの草原にあるよ!」
「いいわよ食べて。このお猿さん物足りなくて。」

 重なった声にぎょっとして振り返る。
 マサルの膝からおりて座り直した桃子が、自ら帯を解き着物を脱いだところだった。

「桃子お姉…ちゃん?」
「だってマサルくん食べてくれないじゃない。私、もうこんななのに…。」
 そう言ってさらに襦袢を止めていた紐を解く。はらりと開いた前合わせに胸の谷間とへそと、すでに
濡れそぼった茂みが並んだ。
「うっひょ~~い!そうこなくっちゃ~~あ!」
「だめだよ!」
 駆け寄る熊を泣きそうな声でマサルが制する。
「濡らすだけ濡らして食べてくれないのよ、このお猿さん。そういうの、桃岩にとってせつないのよね。
小熊さんかわりに食べてくれる?」
「マジで?おまえ食べないの?こんなうまそうな桃岩を!?ばっかじゃん~。いやいや、喜んで!」
「だめだって!この熊野郎、寄ってくんなあっちいけ!桃子お姉ちゃんは…っ!」
「食べないんならおまえのじゃないんだろ?」
「桃子お姉ちゃんは…!」
 そうだよ、お姉ちゃんは…!!
「イヌイのおじちゃんのなんだからだめーー!!」

 山中の河原に小猿の声がこだまして響いた。
 反響は一瞬で、あたりは再びさわさわと川の流れがただ、聞こえていた。
 マサルの叫びに驚いて身を震わせたのは熊だけで、桃子は。
 振り返ってマサルが見た桃子は。
 …ただ笑っていた。


・・・・・・・・・・・・・・・




133:桃子とイヌイ
08/08/03 02:59:22 CaewoSte
「ん…ああん、そんないきなり…っん!」
 
 ぺちゃぺちゃと音を立てて小熊は桃子の股間に頭を突っ込み、すでに溢れた蜜を舐め上げる。

「あああ、すごい!すごい、うまい!生き返る~。」
 じゅると啜り上げ、口の周りに着いたそれも舌なめずりで舐めとって、また顔を埋める桃子の脚は
M字に開かれそれを受け止めている。

「んあ、やああぁんっ、そんな奥っあん!」
 大口を開け食らいついた女の股の泉の亀裂に長い舌を差し入れて、桃子の腰を持ち上げ奥を奥まで
掻きとるように舐め回す。ひとしきりすでに潤った甘露を食い尽くすと、小熊はもっととばかりに
桃子の敏感な尖りを攻め始めた。さっきまでの荒々しい舌の動きとはまったく打って変わってささやかな、
繊細な微動でつくつくと肉芽をいじられると、桃子から湿ったため息が漏れて泉はまた溢れ出す。
ぐちゅぐちゅと汁ごと捏ねくるような音を立て、熊は食事に熱中していた。

「上手だね小熊さん。」
「蜜を舐めるのが熊の本分さ。こんな甘いのは初めてだけどね。」

 マサルはその行為をはじめは食い入るように見ていたが、今はいたたまれず背を向けていた。
「おい、猿くんよう。ただそこに居るんだったら手伝ってよ。おぱーいくらい揉めるだろう?」
 元気が出てきたのか調子に乗った熊の声にむかついて睨みつけると、カモンと桃子が手招きする。
 行きたくない訳ではない。熊が股間に吸い付くたびにふるふると身を震わす桃子の大きな胸が
たゆんたゆんと揺れている。あのおっぱいが大好きだ。
 だがマサルは再び顔を背けて背を丸めた。震える肩を見て泣いているのだと桃子は気づいた。

「マサルくん。」
 マサルは首を振る。
「マサルくん、おいで。一緒に…食べて。」
 ずずず、と汁を啜り上げる音がして耳を塞ぐ。
「気持ちいいよ?マサルくん。」
「やめてよ桃子お姉ちゃん…!」
 耐えきれず声を上げる。
「そんなのお姉ちゃんじゃない!桃子お姉ちゃんじゃない、そんなの…っ!」
「そんなの、淫乱みたい?」

 声に一瞬の曇りを感じてマサルは振り返った。
 そして、仰向けに横たわったまま腰を高々と抱えられ、まんぐりがえしの形で秘部を嬲られている
桃子の姿を見た。
「淫乱なんだよ、桃岩は、みんな…あっ。あ、あ、あ、イク…熊さん、そこ、ああーー…っ。」
 目を閉じて、上気に頬を染めた桃子の声は発情のメスの声で、マサルは股間を固めて
しゃがみ込んで動けない。
 いやらしい、いやらしいよう桃子お姉ちゃん。本当は僕だってああしたい!そうなんだ、本当は…
なのになんで…。
 泣きながらただぶんぶんと首を振る。お母さんのことだけじゃないんだ。僕が躊躇うのは…!

「…暇ならなにか甘い果物取ってきてよ。」
 ひとたび絶頂に持ち上げられ、はあはあと息を乱した桃子が言った。
 なおもやまない熊の食事に、辟易したような顔を少しして、桃子はマサルに救いの手を差し出した。

「この熊さん、上手だから。何回もイカされそう。きっと疲れちゃうから…、そうね、前みたいに
ぶどうがいいな。取ってきてマサルくん。」

 マサルは涙でぐしゃぐしゃの顔のまま無言でうなずくと、小さな声で、ここで待っててね、
どこにも行かないでねと言って、それからダッと河原の土手を駆け上がっていった。





134:桃子とイヌイ
08/08/03 03:03:40 CaewoSte
「なんだあ、このままおいらの桃岩ちゃんになってくれると思ったのに。」
 すっかり元気を取り戻した小熊が股間からようやく顔を離して桃子に言った。
「そんなにあの小猿がいいの?」
「おいしいものをよく知ってるのよ。それに料理も上手なの。」
「ちぇー。」

「ところでまだ食べるの?」
 顔中を桃子でべちょべちょにしたまま、今まで放りっぱなしだった桃子の胸をぐにぐに揉み始めた
小熊に少し驚いて桃子はきいた。もうずいぶん元気になっているようだし、もういいのでは、と桃子は思う。
見せつけるマサルがいない今、もともとそんな気分でもない。
「なにいってんだよ、今からじゃん~。」

 え?と思ったとたんくるりとうつぶせにされ、後ろからのしかかられて桃子はぎょっとした。
 尻タブの冷たさに熱く、燃えるような鉄塊を感じて肩越しに振り返る。
 その身と同じようにずんぐりとした黒い塊がそそり立っている!

「あ…。」
「気づかなかった?昼間だし、おいらの光はほら、黒いもやみたいだろ。」
「や、やだ…。」
「はらぺこだしどうしようかと思ったよ。せっかくの発情期なのにメスにも桃岩にも会わなくてさ~。」
 高く尻を持ち上げられ陰唇に押し付けられたそれがなんなのか桃子はやっと理解した。

「十分濡れてるしもう入れていいよね。いっただっきま~す!」
「いやーーっ!!」

 がっ、と後ろ足で蹴り上げると、熊の大きな体が宙に舞う。土手まで吹っ飛んだ獣はどっさりとその身を
土に落として、うう、とうめいた。

「な、なんなんだよう、なにすんだよ!おいら丁寧に前戯しただろう~?」
 うらめしそうな声でまたひょこひょこと近寄ってくる黒い獣に桃子は戦慄した。
「なんでだよ~さっきまであんあんよがってたじゃん~。」
「だって…。」

 だって嫌だ。それをあそこに入れるなんて。
「入れるのは嫌…。」
 あそこは彼の…彼だけが…。

「さっきの小猿には食べてっていってたじゃん~。」
 桃子の肩がびくんと揺れる。そうだ、マサルくんにはそうするように言えたのに。
「いろんな獣とするのが桃岩の経験積みじゃないの~?」

 まったくそうだ。
 桃子は同族伝授の時に知った、同じ桃岩たちの過去視を思い出して肩を落とした。
 自分は経験を積んで成熟するのだと誓ったではないか。大変だよってみんな言ったけど、けど誓った。
 目的の原初の彼の種は遠くて、私がそれを手に入れるには、これからもっともっと途方のない数の
経験を積まなきゃいけなくて…。これはそのはじめの一歩にすぎないのだ。

「ごめんなさい。」
 また蹴り飛ばされたらかなわねえと、こわごわ近寄る小熊に桃子は自らうつぶせになり、どうぞと
尻を向ける。赤くつややかに光る陰唇がむき出され、熊は簡単にまた肉棒を腫らした。

「うまそう。」
 差し出された尻に本能的にかぶりつく。ひくん、と桃子の身が震えた。
 肉づきのいい丸い尻肉に舌を這わせながら、人差し指でくにくにと陰芽をいじる。桃子の秘壷から
再び半透明の愛液があふれ、その匂いは萎えかけた妖獣の欲望を再び喚起する。外陰唇を大きく広げて
赤い肉をさらすとそこにとろりと蜜が垂れ、熊はべろべろとそれを舐めとった。
 わずかに口を開けた入り口に二本の指を突き入れる。ひっと桃子が声を上げ、それが嬌声に変わるまで、
熊は包皮ごと陰芽をくわえ口中でぐじゅぐじゅとしゃぶりつつ、突き入れた指を出し入れした。快感は
あっという間に桃子を支配し、二度目の絶頂は熊の指を締め付けた。


135:桃子とイヌイ
08/08/03 03:07:39 CaewoSte
 間髪いれずに締め付けられる指で強引に中をかきまわし、見つけた出っ張りを指の腹でこすりあげると、
桃子は達したばかりの掠れた声でいや、いやと喘ぎながらわあと潮を噴き出させた。
 桃色に染まった太ももにたらたらと水を垂らし、指を抜くとぽっかりあいた秘孔がひくひくと戦慄く。
「たまんねえなあ。」
 熊はうっとりした声でつぶやいた。
「さっきはちょっと驚いたけど、あんたいい桃岩ちゃんだあ~…。」
 膝立ちで桃子の腰をとらえると、あてがった亀頭をくわえこむように孔が開く。
 それでもその太い肉塊を一気に差し入れられたとき、痛みに桃子は泣いてしまった。
 痛いのは心だったのかもしれないけれど。


・・・・・・・・・・・・・・

 
「あ、ああーーーー…っ!」

 高々とあがる嬌声は桃子の白いのどを震わせて青空に消えていく。
「うう、う…っ、ばか、そんな絞めると…出ちまう、あ、あ、でるっ!」
 桃子の細い腰を掴んだ毛むくじゃらの指に力が入り、打ち付ける腰は一気にリズムを速めて桃子を攻める。
 「で、る…うぅっ、うーーーっ!!!」
 熊の低いうなり声とともに中の肉塊がぶわ、と一気に大きく腫れたと感じた瞬間、それははじけて
桃子の内部にびちびちと散った。

「…ぁーーーーー……っ…!」
 声にならない叫びは代わりに涙となって桃子の瞳から溢れ、同時に桃子は犯された自身の膣腔が猥らに
その肉を震わすのを感じた。快感は本物だった。ただ彼の時と違うのはそこに歓びがないだけで。
体は悦んでいる。
 淫乱だ、本当に。
 涙は溢れて止まらなかった。
 
「ああ、うん、あんたすごい、すごいイイよ桃岩ちゃん!たまんねえ、たまんねえよ、イイよ!」
 欲望を吐き出してぐったりと、桃子の背に倒れ込んだ小熊の手が後ろから桃子の胸をわし掴んで、
がしがしと揉む。はあはあと快楽の余韻に切らせていたいたはずの息に、再び欲情の鼻息がふんふんと
混じる頃には、肉塊は既にその身を起こしてまた硬さを強めて大きく腫れる。
「うそ、や…、あ、ああぁあっ!!」
 くい、と突き上げられて中の快感のスポットをまた攻められる。
 同時に両の乳首をつままれ、桃子は大きく仰け反った。この時とばかりに片側の脚を後ろから
抱えられ、仰け反ったまま大きく脚を開かされる。再びぱんぱんと乱暴に腰を打ち付けられ、桃子は
がくがくと痙攣した。

「これ、これやりたかったんだ。ツバメ返しって言うらしいぜ。気持ちイイだろ、桃岩ちゃん。」
「イ、やあ、あ、ひっ、…ああっん!!」
「いやじゃないだろ、イイだろ!?」
「や、…イっ…っつ!」
 乳首の次はここだと、熊の指は後ろから打ち付けられ突き出された陰芽をつまみ、ひねりあげる。
「ーーーーー……っ!!!」

 何度目かの絶頂に目の奥を白くスパークさせ、桃子は全身を脱力させ、もうなんの抵抗も出来ない。
 ただ攻められる内部の肉壁だけが、桃子の意思とは真逆に熊の肉棒をもっともっとと愛撫する。




136:桃子とイヌイ
08/08/03 03:13:55 CaewoSte
「あああーー、最高だぁ、またでるぅーーっ!あ、あ、またでるゼ、桃岩ちゃん!」
「…め、も、許してっ、許して…、やああーーー。」
 ここだろう、と内側の天井をざりざりと擦るそれは、ぱんと身を張らせて今にもはじけそうだ。

 嫌だ、また犯される。またそれに、快楽に、悦んでしまうの…嫌だ!

「いやっ、…イっつ…!」
「桃岩ちゃんもイイ!?イイだろ!?ああ、でる…っつ!!」
「やあぁあああああっ!!」    いやっ、
「で、る、ううーーーっっ!!!」    …イっつ…
「あああーーーー…っ……」    …イヌイ!!

 ドビュっと、吹き出したそれが内壁をえぐるかのように熱く、勢いしぶいて桃子の身を震わせる。
 先に出したそれとともに中を満たし、ゆっくりと体に染みていく、それ、を桃子の肉は悦んでいた。


・・・・・・・・・・・・・
 

「なあ、やっぱりおいらの桃岩ちゃんにならねえ?蜂蜜だけは不自由はさせないぜ?」
 おいら上手だろう?よかっただろう?そう何度も桃子に訊ねては、ごめんね、と返され、小熊はしぶしぶ
河原を後にした。


 気づくと日が傾きかけている。ずいぶん長く交わっていたような気がする。
 マサルくんはまだ帰ってこないし、もう今日はこのままこの河原に泊まる事にしよう。一歩も
動きたくない。

 桃子は小熊との行為のあと終わりだといわんばかりに羽織った襦袢を再び脱いで川に入った。水は
切るように冷たかったが体を洗いたかった。
 思い切って全身を水につけて体中を擦った。顔も頭も洗った。それから自分であそこに指を突き入れ広げ、
水を飲み込ませては立ち上がってそれを流しだした。
 何度も何度も。
 寒さに鳥肌を立て、がちがちと歯をならしても、桃子はそれを夢中で繰り返した。

 ピューイと鳶が鳴く声に我に返って空を仰ぎ見た。
 川の流れと野鳥の声と。
 それから桃子の自身の内なる声を。
 聞いてしまった。もうだめだ。

「イヌイ、いるんでしょう?」

 呼びかけに答える者はなく、あたりはただ、さわさわと川のせせらぐ音と遠くで野鳥の声が
するだけだった。

「見てたんでしょう、イヌイ!」

 今度は声を張り上げた。

「私が、淫乱で、どうしようもなくいやらしい桃岩だって、見て笑ってたんでしょう!?」
 涙が吹き出す。
 ばしゃんと水音を立て桃子は川中の大きな岩にすがりつくように倒れ込んだ。

「本当はいるんでしょう!?」

 わあ、と声を上げて涙があふれるにまかせた。
 押さえていた気持ちが、また絶望にうちしがれようとも、そうあって欲しいという願いが桃子に
確かにあった。それを叫ぶ。

137:桃子とイヌイ
08/08/03 03:18:35 CaewoSte

「いてよ、イヌイ!そばにいてよ!!嫌いでいいから…!こんな、淫乱な桃岩ってなじっていいから…!
愛してくれなくていいから!ただの、餌でいいから……!!」

 あなたがいない。それだけでこんなにも悲しい!悲しいの!何も望まないよ!ただ、それだけなの…!!

「そばにいてよ、イヌイーーー……」


 どんなに耳をこらしても、返ってくる声も気配もなく。抱きついた岩を介して川の流れと自身の
嗚咽だけが世界だった。わかっていたことだ。ばかみたいだ。自分で選んだくせに悲しいなんて。

 冷たい水に体を投じてもこの身が清められる事がないように、イヌイはもう帰ってはこないのだ……。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


川色の中、全身を水に沈めた桃子の体だけがぽっかりと白く、水面に映した月のように遠目に揺れていた。
近寄ると水の流れに揺れる長い黒髪が足下に愛おしげに絡む。それを心地好いと感じる俺はどうかしていると
思った。もうとっくに、おかしくなっている身で今さらだが、と笑う。

 熊の執拗な攻めに疲れた体だ。
 昨夜の疲労も残っていただろう身で。
 馬鹿な娘だ、桃子。
 女も桃岩も冷えには弱いと、前にも教えただろう。

 雉を捕らえた時のように首根を掴んで川から引き上げると、両手足をだらりと弛緩させたまま、
ざばあ、と水揚げされる白い肢体。さっきまで快楽に赤く染まっていた様が、今は見間違うほどに青白く、
赤い唇は紫に震えていた。
 少し迷って横抱きすると、氷のように冷たい体にぎょっとする。
「阿呆。」
 仕方なく胸に抱く。
 昨夜も抱いた、柔らかいその体を、もう懐かしく感じてイヌイは顔をしかめた。

 ……そばにいてよ、イヌイーーー……

「阿呆…。」
 もう一度イヌイはつぶやいた。


 ふさふさの尾の毛で水滴を拭き取りつつ川をあがるとちょうどマサルが帰ってきた。
 小猿は一瞬足を止め、取ってきたぶどうの房を放り出すと慌てた形相で駆けよってきた。
「どっか怪我したの、桃子お姉ちゃん!?」
「いや、体を洗ってて冷えただけだ。馬鹿だからな、こいつ。気をつけてやれ、マサル。」
 冷えた女を小猿に押し付けて、イヌイは早々に立ち去ろうと背を向けた。
「待ってよ、イヌイのおじちゃん!!」
 冷たい桃子を腕に抱いたままマサルは大犬を追って駆け寄る。だがイヌイは振り向かなかった。
「やっぱり変だよ、こんなの…こんなの僕、嫌だよう。」
「嫌だじゃない。嫌ならとっととやれ。桃岩をちゃんと食えるようになるまで、俺はおまえと旅を
共にはしてやらないからな。」
「なるよ!なるからさあ…!…でも!」
今朝もした押し問答だ。
「…でもそれは他の桃岩ちゃんで練習するよ…。今度はちゃんと…まじめに練習するから…発情期の
今なら出来ると思うから、だから…。」
「わざわざ他の桃岩探さなくたって調度いいのがそこにいるだろう。おまえにとっても最初に興奮した
こいつで練習するのが一番いい。こいつもそれを望んでいただろ?経験値あがるしな。」
「だって桃子お姉ちゃんは…っ!」
 堂々巡りだ、だけど。
 青ざめた顔でマサルは言わずにはいられない。

138:桃子とイヌイ
08/08/03 03:23:30 CaewoSte
「やっぱり桃子お姉ちゃんは…イヌイのおじちゃんのでしょう?」
「馬鹿。桃岩はみんなの桃岩だ。」
 イヌイの返答もやはり今朝と変わらなかった。

 「馬鹿はおじちゃんだ…!」
 立ち去ろうと土手をあがるイヌイに向かって、…大好きなイヌイのおじちゃんに向かって、マサルが
本当の意味で馬鹿と言ったのは生まれて初めてだった。
「本当は誰にも食わせたくないくせに…触らせたくもないくせに!本当は僕にだって…だからだろう!?」
 マサルはたった今見たものの方を遠く指差しイヌイに詰め寄った。
「そこに転がってた、あいつ殺ったの、おじちゃんでしょ!?」

 土手を上がりきったところでのマサルの詰問にイヌイは振り返った。
 だが夕日に逆光で、マサルにはイヌイの顔は見えない。
「そこで死んでた、あの熊、殺したのおじちゃんでしょう!?」

 ぐったりした桃子を抱いた腕に力が入る。マサルはいつのまにかぼろぼろと泣き出していた。
「わかるよ、今まで何度もおじちゃんが殺した妖獣見てきたもん!それに僕だってあいつ殺して
やりたかった!僕らの桃子お姉ちゃんにあんな事…っ!」
「あんな事はこれからもたびたびあるぞ。なんせこいつは淫乱な桃岩だからな。」
「殺っちゃうほど嫌だったんでしょう!?桃子お姉ちゃんが誰かとなんて…食ったあいつが
許せなかったんだ!すっごいやきもちやきなんだ、イヌイのおじちゃん!!」
「マサル。」
 イヌイの声は日暮れ始めて陰を乱した逢魔が時の山中に、不釣り合いな優しさでマサルの耳に響いた。
それがいっそうマサルの不安感をあおりマサルは涙を止めることが出来ない。

 ああ、おじちゃん!イヌイのおじちゃん、どんな顔して言ってるの!?
 僕はもう、おじちゃんに昨夜みたいな顔をさせたくないんだ。
 見たくないんだ…!
 だけどこんなこともして欲しくないんだ…!
 許されない、業外の事!

「ただ、むかついただけだ。おまえはこんなマネするなよ…。」
「イヌイのおじちゃん…!」
「いいか、そいつは餌だからな。みんなと食い分ける、ただの、餌だ。取り違うなよ…。」

 俺のように。

 最後の言葉は自らを哀れんでいるように笑って聞こえた。
 日の落ちる最後の明かりとともにその声が消えていくのを、マサルはもう追わなかった。


 いつの間にか日は落ちきり、あたりは星の空に包まれ始めた。
 桃子を抱いたまま立ちすくんでいたマサルは、はたと気づいて慌てて桃子を河原におろし
着物をかぶせて暖める火を起こす。するべきことがあることが今はありがたかった。
 ふいごを吹くたびにぼうと強まる炎のゆらめきに、何かが狂っていく不安を覚えてマサルは首を
何度も横にふり続けた。
 イヌイのおじちゃん…!おじちゃん自身、どうしようもないの?わかってても
やってしまったことなの?同族でもない妖しを食う意味でもなく殺す。ただの私怨で。
なにとも思ってなかった者をただひとときの殺意で!
 銀狼のイヌイ…父とも兄とも思ってる。世界で一番大好きで尊敬している彼は、強くて、優しくて、
世界の理を教えてくれる、矜持を尊ぶ男の中の男だった。こんなことを自分に許すはずもない男だった…!   
そうさせてしまう桃子を彼はいずれ憎んでしまうだろう。

 火はとっくに大きく強く、かまどに燃えていたがマサルはふいごを吹くのがやめられなくて、巻き上がる
すすのせいにして涙を流し続けた。
 夕日にとけ込むように消えていった、イヌイの残像がマサルの目にいつまでも残っていた。



139:桃子とイヌイ
08/08/03 03:30:50 CaewoSte
以上です。今回はこの辺で。

>>123読みたいな 
個人的には桃太郎そっちのけで犬猿雉、百合とか
男装少女隊犬猿雉が鬼に捕まって助けにいく桃太郎とか
考えていた時代もありました(それがこんなことに…)   

140:名無しさん@ピンキー
08/08/03 04:20:32 Odt5xR/9
おおおおお……これからどうなるんだ切ないよ展開が切ないよ

141:名無しさん@ピンキー
08/08/03 10:08:21 RHjj1LfG
相変わらずエロい。
今回はマサルがよかった。イヌイも桃子も好きだから今の立場が辛かろう。
それぞれに葛藤があって、本当、この後どうなるんだろ。

142:名無しさん@ピンキー
08/08/03 16:33:10 yDx+zSFD
素晴らしいエロ。なんというエロ。
イヌイが切ないな…口では色々言いながらも桃子には優しくていい。
ほんと、展開が気になるよ

143:名無しさん@ピンキー
08/08/04 02:59:44 QS4EqBel
ふおおおおGJでした……!! 相変わらずねちっこいエロ描写に感嘆しまくりです
殺されてしまった熊哀れw

144:名無しさん@ピンキー
08/08/06 01:21:30 x7B3SLMB
保守

145:名無しさん@ピンキー
08/08/07 00:39:05 y+O0IgXR
GJ!続き楽しみに待ってます

146:名無しさん@ピンキー
08/08/10 01:35:32 fqKm9bEW
保守

147:名無しさん@ピンキー
08/08/15 00:55:54 NY7vTP7Z
保守

148:名無しさん@ピンキー
08/08/17 19:12:43 0+fth8ZA
ほす

149:名無しさん@ピンキー
08/08/25 22:20:31 FZGDyqmd
続きがっ読めるまでっ保守るのをっやめないっ!

150:名無しさん@ピンキー
08/09/01 10:12:10 Ckr3OyN5
続き待ち保守

151:名無しさん@ピンキー
08/09/09 23:11:17 t2njMTIS
保守

152:名無しさん@ピンキー
08/09/18 18:36:36 /Nu+0h3J
ほーしゅ!

153:名無しさん@ピンキー
08/09/27 19:21:49 DfTOvajU
保守

154:名無しさん@ピンキー
08/09/29 01:27:41 JwxqfjRv
ほっしゅ

155:名無しさん@ピンキー
08/10/04 21:08:19 gP+4TxvQ
保守ついでに小ネタでも。
犬(♂)と雉(♀)
雉は微妙に擬人化なので苦手な方は注意。むしろ獣姦注意かもしれない。



***

 ふ、と息をつくと同時、ぬるりと羽の先に蜜がつく。体はまだ熱い。
 自慢の翼が己の体液で色を変えてしまったのを、雉は物憂げに見つめた。
「桃太郎さまぁ……」
 明日はとうとう鬼ヶ島だ。桃太郎との旅も最後になるだろう。雄雄しい瞳や優しい言葉を
思い出すだけで体は火照り、思わずもぞもぞと腰がくねる。
 玉虫色の翼は鳥そのものだが、体は女体のそれだ。体が火照れば腰は動くし、熱に脳が
しびれるような、焦燥感ともいえる飢えが襲ってくる。
 欲しい。柔らかな羽では物足りない。どうせ体が人間の女なら、指もそれならよかったのに。
 他の物の怪、狐狸妖怪とは美しさが違うのだと、そう自負していた体をうとましく思うのは初めてだ。
 もう一度は果てた後だというのに、雉は再び羽を足の付け根に伸ばした。

「いい匂いだなァ」

 ぎく、と肩が強張る。息すらも一瞬止まった。けれどおそるおそる首だけを後ろに巡らせた雉は、
自分のすぐ後ろに立っていたものを見て、すぐに脱力した。
「いい匂いがずうっとしてるから、何かと思いました」
 桃太郎のそばで寄り添うように休んでいたはずの、白い犬がそこにいた。
 柔らかそうな尻尾をぱたぱたと揺らしてこちらを見つめる様は可愛らしいといえなくもないが、
なにぶん体が大きすぎる。
 桃太郎さん、桃太郎さん、と主にうるさくまとわりつくこの犬っころが、雉は大嫌いだった。
 普通の犬に毛が生えた程度の力しかないくせに、彼は主人に特に信用され、また可愛がられて
いたからだ。それに素直でまっすぐな性格も何だか気に食わない。
 開いた足を閉じもせず、雉はふんと鼻を鳴らしてみせた。
「何よ。邪魔しないでよね。さっさとあっちいって」
「でも……こんなにいい匂いがしてたら寝れないんです」
「寝なさいよ。やあね、ガキのくせに一丁前に色気づいちゃって」
「あのぅ、舐めてもいい?」
「ばーか。ダメに決まって、んっ」
 太ももを撫でる感触に、雉は思わず声を漏らした。見れば、犬の熱い舌がぬるぬると太ももを
なぞっている。
「何してんのよっ! バカ、やめろっ」
「だってすごくおいしい」
「ひゃあんっ」
 遠慮も知らないこの犬っころは、ふっくらとした雉の肉丘を一気に舐めたのだ。長い舌が陰核をこすり、
雉は体を震わせる。内側からとろりと蜜があふれ出るのを自覚してしまい、体がかっと熱くなった。
「あ、また出てきましたねえ」
「うるっさい! も、離せぇ……!」
 ごめんなさい、と素直に謝りながらも、犬は行為をやめようとしない。

156:名無しさん@ピンキー
08/10/04 21:09:21 gP+4TxvQ
 ハッ、ハッ、と荒い息が陰唇にかかる。それだけで雉の背中にぞくぞくと快感が走る。早く
触ってほしい、舐めてほしいと、体がうずいているかのようだ。
 舌先が花びらのような陰唇をめくる。雉はびくびくと震えながら喉をのけぞらせる。
「やっあ、やだ、んんっ」
 犬の前足がぐ、と太ももにのしかかる。無意識に力が入っているのか、爪の先が雉の柔らかな腿を
引っかいた。その痛みさえ、今の雉には快感になってしまう。
「うわあ、あふれてる……」
 犬の感嘆したような声に羞恥がよみがえる。慌てて足を閉じようとしたが、間に犬の体があるので
それもままならない。ふさふさとした毛が内腿を撫でるばかりで、結局体のうずきを大きくさせるだけだ。
 舌がちろちろと陰唇についた愛液を舐めとっていく。
 鋭い牙の先が時折陰唇にぬるりと当たり、このまま噛み切られでもしたらどうしようという恐怖と、
しかしどこかでそれを望むような甘い焦燥が同時に雉を襲う。焦らすような舌の動きに雉の腰はうねり、
閉じようとしていたはずの足は犬が舐めやすいように大きく開かれていく。
 そして犬の舌が膣口に触れた。
「っ、やん……」

 舌が膣の中にねじこまれる、そのしびれるような快感を期待して雉が甘い声を上げたそのとき、舌は
すっと遠ざかってしまった。
「え」
「す、す、すみませんでしたぁぁ!」
 見れば、犬がすっかり勃起してしまった自分の分身を隠すように前かがみになって―ほとんど土下座の
ような体勢だった―泣きそうになっている。
 体を起こしつつ、雉は呆気に取られたように犬を見つめた。状況がうまく飲み込めない。
「な、何でやめるのよ」
 問いただすような雉の口調に、犬はますます小さくなった。
「だって……ずっといやって言ってるし、あの……ごめんなさい」
「はあ?」
「嫌がってる人にむりやりこんなことするなんて、僕は……。最低ですっ!」
 どうやらこの段階になってようやく正気に返ったらしい。
 しかし、こんなところでやめられては困る。いまだ雉の内部は快感を欲してひくひくと収縮しているのだ。
 艶めいたため息をつきそうになりながら、雉は精一杯のしかめっ面を作って犬を睨みつけた。
「アンタねぇ……こんなことしてタダですむと思ってんの?」
「ご、ごめんなさいぃ!」
「許さないわよ、絶対。……ね、だから」
 言いながらゆっくり足を開く。ぐっしょりと濡れた陰部が犬の目にはよく見えるはずだ。
 案の定、犬はおろおろと落ち着きなく視線をさまよわせている。
 自身の指先で陰唇を撫でながら、雉は口付けをねだるように唇をとがらせた。
「きて。気持ちよくしてぇ……」

 こうして、犬と雉はほとんど一睡もしないまま、鬼ヶ島突撃の朝を迎えたのだった。



おしまい

157:名無しさん@ピンキー
08/10/06 11:50:07 +/y0mPlk
>>155-156
犬カワユスwwwwwwwwww
GJ!!!

158:名無しさん@ピンキー
08/10/08 18:17:03 Q+kg3etl
雉のツンデレぐあいがツボでした
GJ!!

159:名無しさん@ピンキー
08/10/09 00:54:32 yhcIUgPD
GJ!結合部分も読みたかった~~

160:名無しさん@ピンキー
08/10/15 03:20:07 XPCgR43r
ひさびさに来てみたら良作が投下されてたwwなんというサプライズ
気が向いたら続編書いてくれ

161:名無しさん@ピンキー
08/10/27 17:43:54 ZoPDlV74
保守

162:名無しさん@ピンキー
08/11/02 02:03:19 th+Jj6m3
ほしゅっ

163:名無しさん@ピンキー
08/11/10 06:59:42 9CWmu0kC
保守しよう
そろそろ上げるべき?

164:名無しさん@ピンキー
08/11/15 12:45:25 kYAzfDbq
保守

165:名無しさん@ピンキー
08/11/22 15:22:14 b3V68m/n
はひふへほしゅ

166:名無しさん@ピンキー
08/11/25 04:00:07 YaM7bvWT
爽やかボーイッシュな村娘サルコと
忠義心厚い抜け忍くのいちイヌコと
ほ~らイカせてみりゃれな女王様巫女キジコ

……を
病弱ひ弱ながらその才能にあふれた桃太郎が淡々と言葉攻め
鬼が島で健康になる薬を手に入れるまでみんな処女
みたいな話を書きかけて放置してるが需要はあるか

167:名無しさん@ピンキー
08/11/26 14:17:33 5bjhTTBS
まて!
…せめて指責めくらいは入らないかな?

168:名無しさん@ピンキー
08/11/28 02:06:14 FS8J3hQB
>ほ~らイカせてみりゃれな女王様
なのに処女!何それすごい萌えるな。寸止めの美学をぜひとも見せてくれ。

169:名無しさん@ピンキー
08/12/05 02:11:42 uDO+UVBR
>>166を待ちつつ保守

170:名無しさん@ピンキー
08/12/14 21:57:49 twt997HM
保守

171:名無しさん@ピンキー
08/12/22 17:34:20 EMecjuqO
保守

172:名無しさん@ピンキー
08/12/28 23:36:50 0oSlTzNI
保守

173:名無しさん@ピンキー
09/01/04 04:15:07 TwlAS3Ah
あけましておめでとう。

174:名無しさん@ピンキー
09/01/21 00:28:11 IxikupN8
ほす

175:名無しさん@ピンキー
09/01/29 01:02:02 0bnbT/ay
初めてこのスレ見つけて貪るようにまとめ読んだw
イヌイさんの続き楽しみにしています

176:名無しさん@ピンキー
09/02/03 09:34:13 13Z+PZ6g
102さん元気にしてるんだろうか。
どんなにゆっくりでもいいから完結するまで見たいな。
新規さんも増えるといいな。>>166すごい気になるし

177:名無しさん@ピンキー
09/02/23 00:47:56 nskKZPpn
保守

178:名無しさん@ピンキー
09/03/19 10:11:47 oA5O5gUk
ほっしゅ

179:名無しさん@ピンキー
09/03/28 12:00:59 9ZbygIO9
保守

180:名無しさん@ピンキー
09/03/30 01:47:47 /XKbVMNs
180

181:名無しさん@ピンキー
09/04/05 00:54:56 3caQ3qFX
まだかな… ほしゅ

182:名無しさん@ピンキー
09/04/05 04:16:13 fDWRByRC
まだかなまだかな~♪

183:名無しさん@ピンキー
09/04/05 23:55:03 3caQ3qFX
ほす

184:名無しさん@ピンキー
09/04/08 19:27:24 VYnT6Isx
おにたいじはまだか?

185:名無しさん@ピンキー
09/04/13 02:25:15 Hd6ZS8m7
明日からじゃない?

186:名無しさん@ピンキー
09/04/15 00:45:03 ZM3DuKAL
今日?


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