【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27at EROPARO【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト600:ルイズのバレンタイン 08/02/13 00:05:05 QS8PJh0g 「どうしてわたしのベッドを叩いてたのよ」 先ほどの声から感じたほどではない怒りに、サイトは安堵した。怒ってはいるが、それ以上にサイトに疑問を持っているようだ。 すなわち、サイトの行動への疑問である。 部屋に入ったら、いきなり使い魔が叫んでベッドを叩いている。疑問を持つには十分すぎる光景である。 どう説明しようか。まさか、元の世界のイベントを呪っているなんて言えないし。 そんな風にサイトが困っていると、ふと、甘い匂いがサイトの鼻に漂ってきた。それは、元の世界でもよく嗅いだ匂い。この時期になると、街中ではそれが宣伝されている。 そう、あの甘い、女の子が大好きなお菓子。チョコレートである。 今日はバレンタイン。そしてルイズが持ってきたのはチョコレート。異世界だというのも忘れて、サイトは泣いた。 「ルイズ」 「なによ?」 「ありがとう!」 言い終わるや否や、サイトはルイズに抱きつき、おいおいと声を上げて泣き始めた。わけがわからず、とりあえず何で泣いているのか事情を聞くルイズ。そしてサイトが説明をすると、ルイズは盛大にため息をついた。 「あんた、そんなことで騒いでたの?」 「ごめんなさい」 冷静になって考えてみると、かなり恥ずかしかったらしい。サイトは耳まで真っ赤にしている。そして、説明を受けたルイズはというと。 「……」 サイトと同じく顔を真っ赤に染めて、俯いていた。しかし、怒っているのではなく、それは恥ずかしさによるものだ。まさか、今日がサイトの世界で、恋人にチョコレートを贈る日など知らなかったのだ。 そんな日にチョコレートをプレゼントする。これではまるで、恋人ではないか。 こここ、恋人だなんて! サイトとわたしが恋人だなんて! 違うんだからね! わたしとサイトはご主人様と使い魔! それ以外のなにものでもないのよ! 誰に言うでもなく内心で言い訳を始めるルイズ。いきなり恋人同士のイベントの日と知らされたので、テンパっているのである。 「まあいいわ」 ため息をついてから、無言でサイトにチョコレートを差し出すルイズ。顔は明後日の方向を向いているが、その顔が真っ赤になっているのは明白である。 「あげるわよ。ご主人様からの労いのチョコよ。言っておくけど、労いのためなんだからね、それ以上でもそれ以下でもないんだから」 きっかり五秒、サイトはポカーンとしていた。そして、満面の笑みで、こう言った。 「ありがとう」 その言葉を聞いたルイズが、サイトに背を向ける。完全に表情が見えなくなったが、髪の間から僅かに見える耳は、真っ赤に赤い。先ほどよりも、さらにだ。 そんなご主人様の様子を微笑ましく、しかし愛おしく見つめながら、サイトはチョコをぱくりと齧った。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch