【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27at EROPARO
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27 - 暇つぶし2ch550:バレット
08/02/12 12:28:22 XEEmjiNc
感動に水差す感じで済まんが、続きトゥーカいきやす。

551:(4):集いし少女達(と書いてライバルと読む)
08/02/12 12:30:47 XEEmjiNc
「あー死ぬかと思った」

どこぞの煩悩霊能者みたいな事を漏らしながらベッドへダイブ。
イザベラやシャルロットやティファニア、その他の生徒同様大型竜籠(物資・人員輸送用タイプ)で宮殿から運んできたものだ。
この世界に来て以来のサイトの愛用品である。
もちろん、ジョゼフから与えられた超高級品だ。これ1つで下級貴族の1年の支給金並みとか。
金はある所には掃いて捨てるほどゴロゴロ転がっているのである。ごくごく普通の異世界の中級階級出身の才人には実感わかないけど。

マチルダに追い回され、結果入学式を兼ねた晩餐会に出れず夕食にありつけぬままぶっ倒れたサイト。
実戦や訓練でそれなり以上に鍛えられてる上に伝説の盾補正も加わってちょっとやそっとじゃバテやしない。
それでも腹を空かしたまま散々追い掛け回されれば、部屋に戻った途端ベッドに飛び込みたくなるぐらいには誰だって消耗するのだった。

「厨房行きゃ少しは分けてもらえるかな・・・」

しかし腹は文句つけても足が動いてくれない。
ガンダールヴによる身体強化は、解除後強化した分しっぺ返しが来るのである。
疲れてるししょうがないからこのまま寝るか、とサイトは瞼を落とし。

コンコン

すぐにまた開いた。

「開いてるぞー」

やや気だるげな声で扉の向こうに声を掛ける。
ゆっくりと、扉が開いた。

まず目に飛び込んできたのはランプの光を反射する金色の髪・・・
なんて在り来たりなもんではなく、こんなの在り来たりだったらこの世はパライソか!?と言いたくなる1対の超特大弾頭でした。

「お、お兄様?大丈夫?」
「あー、へーきへーき。ちょっと疲れたけどな」

心底心配そうなティファニアに、サイトは苦笑交じりに答えた。
心配性なのは相変わらずだなぁ、何て思いながら。


552:(4):集いし少女達(と書いてライバルと読む)
08/02/12 12:33:05 XEEmjiNc
サイトとティファニア・オブ・ロードとの出会いは、3年前に遡る。

サイトがガンダールヴと分かり、従ってジョゼフの系統が虚無と発覚してからしばらく経ってからの話だ。
始祖ブリミルの伝承とやらから、他国にも虚無の系統が居るかもしれないと推測したジョゼフは密かに他国の彼方此方に人を送り込んだ。
いわゆる間諜、スパイである。
別にサイトの世界のどこぞの7号さんみたいに、単独で陰謀をぶっ壊すようなド派手な物じゃない。
しかし、いつどの世界であっても正確な情報を早く手に入れた者こそが有利に経てるのはここでも常識と言えた。

その過程で偶然にも発覚したのが、アルビオン王家の一員、ロード大公の愛人のエルフとその娘、ティファニアの存在だ。
エルフは、ハルケギニアの人間にとっては天敵といえる存在。
人肉を食らうだの何だのと明らかに眉唾な―でも実際オーク鬼みたいに人を食べるような種族も居るお陰で何気に信憑性が低くなかったりするけど―
噂もあるが、それでもこの世界の大半の人間は吸血鬼と同等以上に恐れていた。
実際、平民の10倍以上の能力を持つメイジの100倍は強いと言われてるんだから、しょうがないっちゃしょうがないのかもしれない。
そんなエルフが貴族、しかも王家のかなり上位の存在の愛人でしかも間に子供も居るとなれば――その衝撃はとんでもない。

アルビオン王家にとっては核爆弾級のスキャンダル。
しかしジョゼフがむしろこの事態をチャンスだと受け止めたのは、国と政治の為なら親の敵とでも手を組まなければならない政治家の頂点に立つ者ゆえか。

人とエルフの間に子供が居る。
それはつまり、例え天敵であっても友好関係を結べる何よりの証拠といえた。
更に、よくよく調べてみるとそのハーフエルフの娘にいたっては虚無の使い手かもしれない可能性があると言うではないか。
上手くすればアルビオン王家と友好関係を結べるか、もしくは弱みを握れるか。
はたまた彼らをガリアに連れてくれば虚無の使い手をガリアの物に出来るし、更に更に愛人と娘を使えば、もしかするとあのエルフとの間でも友好関係を結べるかも・・・
どっちにしたってまずは、アルビオン王家より早く3人を確保する可能性がある。
こんなスキャンダル、漏れれば確実に3人ともども証拠を消そうとアルビオン王家が躍起になるのは間違いないからだ。


それを防ぐ為に、ガリアから密かにアルビオンへと派遣された人員の中に・・・既にガリアではジョゼフの切り札として有名なサイトも居たのだった。
とりあえず本人は当初、半ば空に浮かぶ大陸への観光旅行のノリだったり。


553:(4):集いし少女達(と書いてライバルと読む)
08/02/12 12:34:52 XEEmjiNc
「あれだよな、確か俺達がマチルダさんの屋敷に向かった時、テファのお母さんが杖向けられててギリギリ俺が飛び込んで間に合ったんだっけ」

部屋に居た10人以上のメイジを一瞬でなぎ倒したのがこの男である。
それは、無抵抗の彼女の母親の言葉を受け入れようとせずに殺そうとしたメイジ達を見て瞬時にサイトが切れた結果なのだが。

「あの時のお兄様、まるでお母様やマチルダ姉さんがよくお話してくれた勇者様そっくりだったわ」
「そ、そうか?」

謙遜した風に頭を掻く。
召喚されてからこっち、ガンダールヴといっても歴戦の兵士やメイジやとんでもない化け物相手に戦いを繰り広げてきたサイトである。
最近はともかく最初は訓練で相手(スクウェアクラスだったりたぜいに)無勢だったり)にボコボコにされるのはしょっちゅうだ。
身体能力や武器の扱いが上手くたって、長年の実戦経験にはおいそれとは敵わない。
それを文字通り心身ともに叩き込まれたお陰でこのサイト、普段はお調子者な部分が幾分抜けている。

「その後お兄様、ガリアの特使って事になって、叔父のジェームズ一世様とお話する事になって・・・」
「あー、それであいつらの言ってる事につい頭に来ちゃってケンカ売ったんだっけ、俺」

一緒に居たカステルモールがあんまり緊張しすぎてぶっ倒れたんだっけなー。

修羅場を潜り抜けたといっても、基本的にサイトの根が単純なのは変わらない。
だから納得のいかない事にはハッキリと『No!』というタイプで――
ついでに問答無用でティファニア達を罰しようとするアルビオン王族のあまりの横暴さを目の前に堪忍袋の緒が切れて、ガンダールヴ全開でその場に居た彼らに襲い掛かったのは未だに語り草だ。

『貴族が何だ!王様が何だ!こんな小さい子まで話も聞かずに殺すような奴がそんなに偉いのかよ!』
『ふざけんな!そんなんならな、問答無用でこの世界に呼び出したあの髭親父の方がよっぽどいい奴じゃねえか!』
『認めねえ、俺は絶対認めねえ!そこまであの子達を殺したいんなら、俺が相手になってやる!!』


『上等だ、王家だろうがなんだろうが――お前らは俺の敵だ!!』


とどのつまり、サイトはティファニア達を守る為にその場で王家に宣戦布告したのである。
サイト自身大国ガリアからの使いという事で国際問題に発展、下手すりゃ国家間戦争がおっぱじまるキューバ危機ノリだったわけだが、
しかしサイトの言い分もある意味正しく、しかもジョゼフ直々にガリアからあれこれ圧力―主に大陸間の補給路の封鎖―
など、3割の謝罪の7割の脅迫で結果、サイトもティファニアもお咎め無し、という事になった。

その後アルビオンとガリアが合同でティファニア達を足がかりにエルフ達との国交を結ぶプロジェクト立ち上げられ、
遂に去年、プロジェクト設立から僅か2年で、厳しい条件付ながらサハラとの貿易が始まった。
これにはティファニア達以外にも、異世界出身で魔法の使えなかったサイトと親しいお陰で階級や種族云々を気にしなくなったジョゼフの尽力がある。
ガリア=アルビオン=サハラの平和裏な3国?協定が結ばれ、エルフとの積極的な国交によりガリアとアルビオンの勢力増強は著しい。
そうしてロード大帝は投獄から一転、国王ジェームズ一世並みもしくはそれ以上の権力者となり、ティファニアとその母親も王家に認められる存在として正式な妻と子供とされ。
サイトは(表向き)平民でありつつもガリア王家と関わりの深い人間でありながら、
アルビオン王家に宣戦布告した挙句エルフとの国交に一役買った人物として、アルビオンでも有名人となった。
そしてこの事がきっかけで『シュヴァリエ』の位を与えられ、ガリアでは初の平民出身貴族となったのが3年前の顛末である。

・・・ガリアに戻った直後、あまりの心配が転じて怒り狂った妹分2人のヘクサゴンスペル+ジョゼフの虚無にぶっ飛ばされたのは置いとこう。過ぎた事だ。


554:(4):集いし少女達(と書いてライバルと読む)
08/02/12 12:36:30 XEEmjiNc
それはともかく、2人の馴れ初めはこんな感じだ。
マチルダと顔見知りなのもその関係である。宣戦布告後ほとぼりが冷めるまで、マチルダの屋敷で3人揃って軟禁状態にあったのだから。

さて、シリアスっぽいのはここまで。

文章には出てこなかったが実はサイト、ティファニアが部屋に入ってきた時から視線はある一点に固定済みだったりする。
胸。そう、胸。
学生服の白いシャツから突き出たあまりにも圧倒的な存在感に、彼女の言ってる事どころか自分の言ってる事すらもほとんど頭の中に入っちゃいない。
入学式の最中も遠巻きに彼女を見ていたギャラリー(主に男子)の視線は、尖った耳よりもその特大桃りんごに集中していたのをサイトは知らない。
ついでにお忍びで偽名を使わずわざわざアルビオン王家である事をアピールしているのも、彼女がエルフの血をひいている事への周囲の軋轢を和らげる為だ。
イザベラとシャルロットもその関係で偽名を使っていない。友好関係をアピールする為に。

自動運転で口を動かしつつ、サイトはティファニアの胸の感触ってどんな感じだろうと、妹分兼未来の正妻&側妻の2人の感触を思い出してイメージし。

ぴょこっ

・・・・・おもわず股間の相棒が先走って反応した。

ヤバイ。考えただけで反応ってどれだけ単純だよ俺!
あああ、しかもテファの見ててどんどんおっきくなってるし!何でか目離したくても離せないし!
こうなりゃ脱出だ!リジェクトリジェクト!!

「ごめん、晩飯食ってないし腹減ったからちょっと厨房行って来る!・・・・・・のわっ!?」
「きゃっ!?」

慌ててベッドから降りて走ろうとしたのがいけなかった。
酷使された膝がカクッと力を失い、前のめりのままバランスを崩した先は――
ティファニアの胸の中である。

むにょん(サイトの顔がティファニアの胸の間に埋まった)
どさっ(2人して床に倒れた)
ぷちぷちっ!(その衝撃でシャツのボタンが弾け飛んだ)

「・・・・・・・・」
「んっ、お、お兄様っ!?」

なぜ、俺は、テファの胸に、直で、埋まってるんでせうか?
A:キャミソールじゃティファニアの胸が収まりきらないので、素肌に直接シャツを着ていた為。

ハイ、息子が完全覚醒しましたありがとうございました。

全速で脱出。全力で後頭部ベッドに強打。サイト悶絶。
ダメだこりゃ。どっかのおっさんの声が聞こえた気がした。


555:(4):集いし少女達(と書いてライバルと読む)
08/02/12 12:41:19 XEEmjiNc
ひとしきり転げまわってから、ふとティファニアの視線がまじまじとまっすぐこっちに向けられているのに気付いた。
正確には、足の先を彼女に彼女に向ける形になった為、良く見えるようになったズボンに張られたテントを。

見られた!見られちゃったよ俺!

前のイザベラみたいに問答無用で魔法をぶっ放してくる事はありえないだろうけど、それでも生理的反応とはいえ女の子に見せるような代物でもなく。
ビンタの一発でも覚悟していたサイトだったが、しかし。

「あ、あの、サイトお兄様?」
「え、えっと、何?」
「その、えっと、それ・・・辛いんですよね?」
「あー、まーうん、辛いっちゃ辛いな。うん」

バカ正直にそう答えてしまい。

「な、なら、私が治してあげるから!」

瞬間、素早く動いたティファニアによってズボンが引き下ろされていた。下着ごとずらされ愚息が勢い良く剥き出しになる。
そして。

ぱく

咥えられた。
温かい咥内の感触に思わず腰が跳ねるが、すぐに我に返って少女を止める。

「ストップ!ストーップ!テファ、いきなり何してんだよ!?」
「あのね、何度かお母様がお父様にこんな風にしてあげてるのを見た事があって、それでお父様が気持ち良さそうにしてたからお兄様もきっと」
「いや、確かに気持ちいいけどさ!幾らなんでもあっさりしちゃダメって!
・・こういうのはさ、好きな男の人にシてあげる事だからさ、だから俺なんかじゃなくて――」
「そ、それなら大丈夫!私が好きな男の人はサイトお兄様だから!」

何ですと?

「って再開しちゃダメー!」

サイトの絶叫にもティファニアは止まらず、記憶の通りにサイトの先端を咥えるとぎこちなく頭を上下に動かし始めた。
イザベラやシャルロットとはまた違うつたない動きではあるが、一生懸命頑張ってますな表情からその熱心さが伝わってくる。
それでもこのまま流される訳にもいかず、何とか逃げたくても咥えられたままではそういう訳にもいかず。
どうすべきか考えあぐねていると、第2派が襲い掛かった。
唾液を満遍なく塗された愚息を、ボタンが飛んで剥き出しになったティファニアの胸が挟み込んだ。
否、呑み込んだ。先端まで包み込まれる。

むにゅむにゅくちゅくちゅ

先っぽから根元まで、膣内とは違う柔らかさと弾力性に満ち溢れた快感。
唾液に塗れたお陰でスムーズに上下左右に滑らかにこねくり回される感触に腰が浮く。
もしかしてこれも、彼女の両親の睦言を見て覚えたんだろーか。
――GJ。お二方。


556:(4):集いし少女達(と書いてライバルと読む)
08/02/12 12:44:37 XEEmjiNc
遥か彼方、比喩抜きでお空の上に居る彼女の両親に心の中でグッとサムズアップを贈った瞬間。
一瞬気を抜いたその時、限界は訪れた。
間欠泉のように胸の間から噴出した白い液体が、ティファニアの顔に降り注ぐ。

「んくっ・・・」

谷間に生み出された水溜りならぬ精液黙りを彼女は、胸を持ち上げる事で啜り取った。
喉を小さく鳴らして飲みこむ度、細く白い喉が蠢く。その様子が何ともあどけなく、色っぽかった。

「えへへ・・・お兄様の全部飲んじゃった」

初めて見る、悪戯っ子の様な少女の笑み。
サイトが見とれたまま、ティファニアは膝立ちになるとパラリと丈の短いスカートをめくって見せた。
薄い白の下着は分泌液で既に濡れ濡れで、薄い金色の毛がハッキリ透けて見える。

「あのね、お母様は、ここがこんな風に熱くてムズムズする時は、お父様のさっきの白いのをここに注射してもらえば直ってたみたいなの。
だから・・・私のここに、サイトお兄様の、お注射、下さい」

分かって言ってんのか、テファ?
・・・分かってないんだろーなー。テファって純粋だもんなー。
なんかもう微笑ましいものまで感じ始めた、その時。
扉が、開いた。
そこに、立っていたのは。

「あ」
「・・・・・・何・・・・・やってんだい」

イザベラだった。
イザベラで、あってしまった。
次の瞬間、イザベラの表情がクシャクシャに歪んでしまった。ボロボロと、滂沱の涙が床に落ちていく。

「酷いじゃないか・・・やっぱり、私だけじゃ満足できないのかい・・・」
「いや、違うんだイザベラ、これは、その・・・・・」
「・・・・ひっく・・・ふえっ、ふえええええぇぇぇぇぇん!!!」

泣き出した。思いっきり泣き出した。
大音量である。しかもここは夜の男子寮である。
何事かと部屋から首を突き出した男子生徒達はまず子供の様に泣きじゃくるイザベラを見、次に慌てた様子で慰めようとするサイトを見、そしてしまい忘れて剥き出しなご立派な物を見てしまい。
そして制服のまま胸を肌蹴させたティファニアを見て、即座に悟った。


―――コイツは女の、そして、大多数の男の、敵だ。


『天誅~~~~~~~!!!!!』
「で、殿中でござる~~~~~!!!!!」


第2回チキチキリアル鬼ごっこ、勃発。


557:(4):集いし少女達(と書いてライバルと読む)
08/02/12 12:47:17 XEEmjiNc
第4話はこれで終了。次回、修羅場?
・・・シリアス一直線の傑作のすぐ後にこんなの投下してどうするよ、俺。
とりあえず今晩、専門学校の試験で散ってきます。さらば。

558:名無しさん@ピンキー
08/02/12 12:48:00 sFvr7b8O
>>557
オチがwwww
このシリーズ大好きなんだぜ。GJ


559:名無しさん@ピンキー
08/02/12 13:38:35 O70gHb+i
オチがいいw

試験頑張れ

560:名無しさん@ピンキー
08/02/12 17:45:46 0VMGGJqA
これは?携帯だけだけど
URLリンク(courseagain.com)

561:名無しさん@ピンキー
08/02/12 18:18:17 MbWXYNZV
>>557
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
ええいGJだ!

562:名無しさん@ピンキー
08/02/12 18:58:41 eTmfuMRG
相変わらずの癒し系エロをありがとうございます

563:名無しさん@ピンキー
08/02/12 19:59:46 cYwotp72
上で出てたsukiwikiはだめなの?

564:名無しさん@ピンキー
08/02/12 20:25:23 GHxUJ5GR
バレット氏GJ!
うーん、エロはだめと言う話があるがラノベでも過激な描写があってスルー?なのに(本番まで言ってないが)
なぜネット(二次創作とはいえ)じゃ駄目なんだろうか、不思議

565:名無しさん@ピンキー
08/02/12 20:28:38 CRB8yLVe
>>560
マルチポスト荒らし、踏んだらひどい目にあいそうじゃ

566:名無しさん@ピンキー
08/02/12 20:29:32 MbWXYNZV
過激とは言っても全年齢の範疇を逸脱していないから。
ネットじゃ18禁とか21禁と表示しても完全にゾーニングできるわけじゃない。

567:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:08:41 urVnCnt4
男女がセックスする話を書いておいてエロじゃないなんて言い訳が通じると?

568:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:12:25 EZldncxB
ノボルが12巻で限界に挑戦していたが w
あれよりイッちゃったら、18禁かと思われ

569:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:15:31 LzoOk8ew
ラグナロクEXだと本番までアリマシタヨ

570:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:17:08 IuNJ1HgI
関係ないかもしれないが確か文字だけの作品って18禁規制の対象外じゃなかった?
官能小説も18禁マーク入って無いでしょ
マーク付いてるのは絵が規制にかかってるはず
だからどうだとは言わないが

571:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:20:09 RcE1HlG5
イコノはなんとなくラインギリギリを踏んでる感じだった。
・・・やっぱりはみ出てるかな。

572:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:23:18 fdJDrSAk
とりあえず規約を読め
何が禁止されてるか把握しろ

573:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:25:38 GHxUJ5GR
>>570
法律に引っかかってないならいいよな、自主規制だろうとは思うが
じゃあ法改正になる前に原作のルイズとサイトをさっさとセクロスさせてもらわねば

574:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:31:47 IuNJ1HgI
>>572
レス安価付け忘れた
>>570>>568へのレスだ
保管庫の事言ってるんだろうがの意見>>は532

>>573
タバサ相手じゃないと認められないな!

575:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:48:38 GHxUJ5GR
>>572
えっと規約は把握してます、その上でのレスです

>>574
じゃあ3Pで、・・・発禁処分になる確率が上がってしまうが

576:名無しさん@ピンキー
08/02/12 22:41:08 v2/s/v8y
もうその話はいい加減にしようぜ。

現管理人は、一応18禁が黙認されている所へ引越しをした。
それでも不安を感じた住人が、自分達で別の保管庫を作った。

それでも気に入らないのなら、自分達で勝手に作ればいいじゃないか
「頑張った自分を褒めて貰いたい」のじゃ無ければ、テンプレに入れて
もらえなくてもかまわないだろう?

俺達が今語らなければならないのは、桃りんごと良イザベラの素晴らしさについてじゃないのか!?


577:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:02:12 FRTReH5q
まあ、現管理人は荒らしへの対応でDQNだということがわかってしまった上に
引っ越した先の規約も読んでないんじゃないかという有様だから仕方なかろうよ。

この際だから膿は出し切ってしまったほうがいいんじゃない?

578:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:15:56 elBKr8ch
正直、直接投稿の作者神の作品をどうするかという話さえクリアすれば
作りたい奴がどこでも借りて勝手に作ればいいじゃないかと言いたいところだが(現管理人云々関係なしに)


579:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:16:06 LJ7N15OA
>>577
DQNの意味、知ってるかい?

580:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:18:16 1KCNPmTL
現管理人のような輩のことだなw

581:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:22:58 xyJrDqq0
とりあえず、現保管庫にある作品をZIPか何かに纏めてもらえると助かる。
万が一ってことがあるし。

582:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:25:20 CRB8yLVe
粘着きもいな

583:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:26:18 AzBZpKWs
あんま煽るなよ。逆上してまとめ消すかもしれないとひやひやしてるんだが

584:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:31:19 7aFaaLVg
俺始め、住民の大方は心情的には現管理人さん及び現保管庫の方に愛着があると思うんだよな。
ちょっと失敗したからすぐ切り捨てようなんて、あまりにも不義理すぎる。
やたら彼を叩いてる人たちが何をしたいのかは分からんが、
俺、このままだと連鎖的に新保管庫まで嫌いになりそうだ……

585:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:32:07 zPV1UUH/
管理人自演乙

586:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:36:03 LzoOk8ew
悪いが、俺は切り捨てる方に賛成だ
住民の大方←根拠をしめせよ?

587:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:39:19 CRB8yLVe
いままで、規約なんて見てなかったのに、急に規約規約言い出す単発ID見てもね

588:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:40:42 v2/s/v8y
きゅいきゅい!せ、先住魔法『スルー』発動なのねっ!!

589:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:41:23 7aFaaLVg
>>586
いや、証拠も何も……
それとも、普通の人はネット上のこととは言え、割と長い間苦楽を共にしてきた人を
一度の失敗で手の平返したように叩きまくってけなすものなのか?

いやまあ、それが普通で俺の感覚がおかしいっていうならそれまでなんだけど……

590:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:42:53 LzoOk8ew
>>589
何度注意しても暴走した結果、愛想を尽かされたんだぜ、あの管理人

591:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:43:40 CRB8yLVe
>>588
ごめんね、きゅいきゅい肉やるか許せ
URLリンク(www.uploda.org)

592:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:45:44 WTKqEm6D
所詮、ここは便所の書き込みなんですよ。
そんなところで偽善的正義(?)を振りかざしてどうするのですかね。
ここで規約なんてものを守るのはただの馬鹿です。
この板のスレのまとめサイト(wiki)の大半が規約を守ってません。
それに、R指定がおkのサイト(wiki)はなかなか良いのがありません。
R指定がおkなサイトは、「広告がいっぱいのサイト」やら「年間維持費が必要なサイト」など、
色々と面倒な点が多いのが現状です。
第一、SSをまとめる人間(まとめサイト創設者たち)がいる事自体が良的環境ですよ。
ごたごた言っている奴はちゃんとそう言う事を含めてちゃんと理解しているのですか?

と、ノボルの中の人が言ってました。

593:挿してみた。
08/02/12 23:53:52 JiHsa0yA
いよぅノ
エーェSS何時もありがとうよ。貴様らに最高に感謝してるぞ。
お礼と言っちゃあなんだが、俺なりに茶を入れてみた。

不味い茶だが、味わって飲んでもらえたら嬉しい。
URLリンク(upload.fam.cx)

ちなみに茶っ葉だが、URLリンク(wikiwiki.jp)に生えてる
のがものすんごく旨そうだったので、地主殿には悪いと思ったが
こっそり詰ませてもらった。どの辺りかは・・・わかるよな?

594:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:57:24 skMBI0y3
>593
自作?
エロいアン様が最高にGJだぜ

他のSSのアン様も見てみたいな

595:挿してみた。
08/02/12 23:58:31 JiHsa0yA
>>594
おうよ。茶っ葉は他の人の畑から無断で摘んだんできたんで
摘発されても文句は言えんが(汗

596:挿してみた。
08/02/13 00:01:07 0EVRcyNV
×摘んだんできたんで
○摘んできたんで

597:名無しさん@ピンキー
08/02/13 00:01:50 lq8a6Uh9
>>596

まったく・・・


保存した


598:ルイズのバレンタイン
08/02/13 00:04:07 5PePOP/B
「ん、なかなか美味しいわね」
 初めて作ったとはいえ、上出来である。シエスタの助けの効果もあっただろうが、それでもこの美味しさは自画自賛したくなる。
 指に絡みつくねっとりとした黒い物体を舌で舐め、幸せそうにため息をつく。
「さすがわたしね。初めて作ったチョコがこんなに美味しいなんて」
 シエスタが作ったチョコレートが美味しかったのでなんとなく作ってみたのだが、予想以上の出来である。
「サイトにもあげようかしら」
 サイト、どんな反応するかしら。
 驚くかな。それとも、喜んでくれるかな。
 サイトの反応を想像して、一人で笑ってしまうルイズ。チョコを片手に一人で笑っているその姿は、まるで恋人にサプライズでプレゼントを渡す彼女のようだ。
 クスクスと一人で笑いながら、完成したチョコを手に取り、ルイズはサイトのいる自室を目指して歩き始めた。
 
 サイトはふと望郷の念に駆られ、久しぶりにノートパソコンを開いた。少々埃が積もっていたのは使っていない証拠である。
「久しぶりだなぁ」
 なんてことを呟いて、電源を起動させる。そして、なんとなくパソコンの画面の右下を見て、カーソルを合わせると、サイトはパソコンを閉じた。

 2月14日

 それが現れた日付である。
 泣きたくなった。
 悲しくなった。
 寂しくなった。
 苦しくなった。
 何故、こんな思いをしなければならないのだろう。
 何故、こんなに苦しまなければならないのだろう。
 こんなに苦しいのなら、バレンタインなんて消えてしまえばいい。
 そっとパソコンをしまい、サイトは泣いた。

599:ルイズのバレンタイン
08/02/13 00:04:39 QS8PJh0g
 異世界にバレンタインという風習があるかどうかなど、どうでもいい。
 ただ、泣きたかった。寂しさを、紛らわせたかった。悲しさを紛らわせたかった。
 そんな風にして泣いていたものだから、部屋の主が帰ってきたのにも気がつかなかった。
 
 わたしが自分の部屋の前に来ると、中からサイトの声が聞こえてきた。
「畜生! 消えてなくなっちまえ!」
 叫んでいるサイト。わたしは、思わずその場に固まってしまった。
 何でサイトが叫んでいるのか、わからない。でも、聞こえてきた声は、明らかに強烈な拒絶の声。
 もしかしたら、わたしに向けての?
 そう思ったら、わたしの身体は動かなくなってしまった。
 怖い。サイトから拒絶されるのが、とてつもなく怖い。
 何だかんだ言いながらわたしの言うことを聞いてくれるサイトだけど、もしかしたら心の中ではわたしのことを恨んでいたのかもしれない。
 そんな……わたし……サイトに恨まれて……。
 涙が出てきた。涙があふれて、その場に蹲ってしまいたくなった。
 でも、こんなことをしていても何も解決しない。恨まれてるんだったら、その原因を解決してやる。
 涙を拭って、わたしは扉に手をかける。ドクンドクンと心臓が大きく脈打っているのがわかる。
 覚悟を決めて思い切り扉を開ける。バンッ、という大きな音と共に、わたしのベッドを思い切り叩いてるサイトの姿が見えた。
 ……馬鹿らしくなった。
 さっきまでの涙はなんだったんだろう。とりあえず、わたしのベッドを叩いているのは納得できない。納得できないからわたしは怒って、サイトに詰め寄る。
「サイト? いいかしら?」

「サイト? いいかしら?」
 その声を聞いた瞬間、サイトの動きはピタリと止まった。まるで氷を入れられたようなに冷たく、小刻みに震える背中。振り向くことすら出来ない、強烈なプレッシャー。
 サイトは、自らの行動を後悔した。
「こっち向きなさい」
 恐る恐る振り向くと、ルイズが立っていた。右手を腰に当て、左手に何かを持って。

600:ルイズのバレンタイン
08/02/13 00:05:05 QS8PJh0g
「どうしてわたしのベッドを叩いてたのよ」
 先ほどの声から感じたほどではない怒りに、サイトは安堵した。怒ってはいるが、それ以上にサイトに疑問を持っているようだ。
 すなわち、サイトの行動への疑問である。
 部屋に入ったら、いきなり使い魔が叫んでベッドを叩いている。疑問を持つには十分すぎる光景である。
 どう説明しようか。まさか、元の世界のイベントを呪っているなんて言えないし。
 そんな風にサイトが困っていると、ふと、甘い匂いがサイトの鼻に漂ってきた。それは、元の世界でもよく嗅いだ匂い。この時期になると、街中ではそれが宣伝されている。
 そう、あの甘い、女の子が大好きなお菓子。チョコレートである。
 今日はバレンタイン。そしてルイズが持ってきたのはチョコレート。異世界だというのも忘れて、サイトは泣いた。
「ルイズ」
「なによ?」
「ありがとう!」
 言い終わるや否や、サイトはルイズに抱きつき、おいおいと声を上げて泣き始めた。わけがわからず、とりあえず何で泣いているのか事情を聞くルイズ。そしてサイトが説明をすると、ルイズは盛大にため息をついた。
「あんた、そんなことで騒いでたの?」
「ごめんなさい」
 冷静になって考えてみると、かなり恥ずかしかったらしい。サイトは耳まで真っ赤にしている。そして、説明を受けたルイズはというと。
「……」
 サイトと同じく顔を真っ赤に染めて、俯いていた。しかし、怒っているのではなく、それは恥ずかしさによるものだ。まさか、今日がサイトの世界で、恋人にチョコレートを贈る日など知らなかったのだ。
 そんな日にチョコレートをプレゼントする。これではまるで、恋人ではないか。
 こここ、恋人だなんて! サイトとわたしが恋人だなんて! 違うんだからね! わたしとサイトはご主人様と使い魔! それ以外のなにものでもないのよ!
 誰に言うでもなく内心で言い訳を始めるルイズ。いきなり恋人同士のイベントの日と知らされたので、テンパっているのである。
「まあいいわ」
 ため息をついてから、無言でサイトにチョコレートを差し出すルイズ。顔は明後日の方向を向いているが、その顔が真っ赤になっているのは明白である。
「あげるわよ。ご主人様からの労いのチョコよ。言っておくけど、労いのためなんだからね、それ以上でもそれ以下でもないんだから」
 きっかり五秒、サイトはポカーンとしていた。そして、満面の笑みで、こう言った。
「ありがとう」
 その言葉を聞いたルイズが、サイトに背を向ける。完全に表情が見えなくなったが、髪の間から僅かに見える耳は、真っ赤に赤い。先ほどよりも、さらにだ。
 そんなご主人様の様子を微笑ましく、しかし愛おしく見つめながら、サイトはチョコをぱくりと齧った。

601:29Q
08/02/13 00:09:41 QS8PJh0g
暴走すんのはもはやデフォ。
そして完璧にネタがなくなった。

なんとなく
ガンダールヴは武器(魔力なし)を操る。
ヴィンダールヴは獣(人以外)を操る。
ミョズニトニルンはマジックアイテム(魔力ありの武器?)を操る。
じゃあ四体目は人(獣以外?)を操る?
とかなんとか寝る前に考えてみた。
テファは記憶を消す=人の一部を操るを操るだしちょうどいいんじゃね、とか思ったり。

風呂に入りつつネタ考えてきます。

602:挿してみた。
08/02/13 00:10:33 0EVRcyNV
>>594
言い忘れたがありがとよー
また描くわー^^

603:名無しさん@ピンキー
08/02/13 00:19:09 pCvZyZFs
おわり?もうGJして大丈夫?
ほのぼのとしていて、すごく和みました。
                             フェロモン  
採取元云々より、基準値を大幅に上回る濃度の科学物質が検出されて摘発されそう

604:名無しさん@ピンキー
08/02/13 00:20:39 pCvZyZFs
あ。
最後は>593あてなのね

605:205
08/02/13 01:51:49 GBbXR0SX
昨日今日のスレの書き込みを見ていたら、とてもさみしい気持ちになりました。
そんなもんなんですかねえ……そんなもんなのかな……

「不幸せな友人たち」の続きを投下します。
サブタイトルは「ギーシュ」で。

606:不幸せな友人たち
08/02/13 01:52:43 GBbXR0SX
 ガリアに消えたタバサとの約束を果たせぬまま、さらに五年の年月が流れた。
 東方から帰還して十五年も経つと、外界の状況も多かれ少なかれ変化してくるものである。
 今、トリステインは激動の時代を迎えている。
 世の中がひっくり返る、という言葉が、そのまま当てはまるような状況である。
 アンリエッタ女王は以前から平民優遇の政策を推し進めてきたが、それは大抵、国政の癌とも言う
べき、不正を働く貴族たちへの牽制であると捉えられてきた。
 その認識を国民の多くが改めることになったのは、断頭台という処刑装置が登場してからのことである。
 落下する巨大な刃の重みによりスパンと軽やかに首を落とすこの画期的な装置は、既に十数人もの
貴族を餌食にしたらしい。それはみな、不正を働いて国家に害を与えた罪人に対する処罰であった。
にも関わらず、平民は首が落ちるたびに熱狂的な歓声を上げた。
 罪人に対する処罰というのは建前で、その実特定の貴族に対する粛清が始まっているのだ、という
のが、ほとんど暗黙の了解になっているらしい。
 特定の貴族というのがアンリエッタの政敵であることは、もちろん言うまでもない。さすがに表
立って王権に刃向かう者はいないが、裏ではかなり激烈な闘争が繰り広げられており、既に死者も多
数出ている……というのが専らの噂だった。
 そういった根拠の薄い噂は別にしても、アンリエッタが本格的な粛清に乗り出したことは、誰の目
にも明らかだった。対立派の貴族達もまた、秘密裏に連絡を取り合って陰謀の準備に余念がないそうである。
 こういった情報は、シエスタを経由してティファニアの耳にも入ってきていた。だが彼女には、王
都の状況など半ばどうでもいいことである。それによりこの地方の情勢が変わったり、ルイズの心身
に影響が及ぶと言うのなら話は別だが、そうでない限りは何もできないし、するつもりもない。
 しかし、女王排斥派とまで呼ばれるようになった貴族たちの首魁の名を知ると、さすがにそこまで
無関心ではいられなくなった。
 その人物の名は、ギーシュ・ド・グラモン。
 十五年前に別れたきりの友人であり、今は史上最年少の元帥として王軍を預かる男でもある。
 そんな彼が、常日頃から声高に貴族の名誉や権利を主張し、アンリエッタの平民優遇政策に不満を
唱えているらしいのだ。
「あの方は一体何を考えてらっしゃるんでしょう。そんなことがミス・ヴァリエールの耳に入りでも
したら、ずいぶん面倒なことになりますのに」
 シエスタは不満げにそう言っていた。
 ギーシュの考えていることは、もちろんティファニアにも分からなかった。確かに気障な少年では
あったが、同時にずいぶん間抜けな人だったとも記憶している。そんな彼が日夜物騒な秘密会議を開
き、陰謀を練るのに熱中しているというのは、どうも想像できなかったのだ。
(彼は、ルイズさんのことをすっかり忘れてしまったのかしら)
 そうとしか思えなかった。十五年前、ルイズを取り巻く偽りの幸せを守るため、アンリエッタに協
力を申し出たりと、かなり協力的だった人間である。覚えているのなら、ルイズに悪い影響が及ぶこ
とをするとは思えない。
 十五年の月日が流れ、あのとき一緒にいたメンバーもそれぞれの生活を送っている。
 忙しさの中で、ルイズや才人のことが記憶の隅に忘れ去れてしまったのかもしれない。
(もしかしたら、彼も罪の意識に耐えかねて、逃げているのかもしれない)
 そんな風にも考えた。ギーシュには気弱で臆病な部分もあった。自分の罪深さを忘れるため、危険
な権力闘争に没頭していった可能性もある。
 王都から遠く離れたデルフリンガー男爵領にいる彼女には、どちらが正しいのかは判断がつかなかった。
 結果から言うと、どちらも正しくなかった。
 ティファニアが彼の真意を知ることができたのは、他ならぬギーシュ自身と会話する機会を、最後
に得たからだった。


607:不幸せな友人たち
08/02/13 01:53:25 GBbXR0SX
 草を踏みしめ枯れ枝を踏み砕く音が聞こえてきたとき、ティファニアは森の中にいた。暖炉に火を
灯すための木材などを調達している最中だった。小屋から見て、少し城寄りの場所である。そんな場
所で、しかも城がある方向から誰かの足音が聞こえてきたものだから、慌ててしまった。
(まさか、ルイズさん? でも、シエスタさんが見張っているはずだし……)
 迷いながらも、一旦集めた枯れ枝を捨てて、木の影に隠れる。ルイズだとしたら、見つかるわけに
はいかない。自分がここにいることが知れたら、頭のいいルイズは記憶を取り戻さずとも事の真相に
気付いてしまうかもしれない。そうなるとまた記憶の改竄を行わなければいけない。出来るなら、そ
れは避けたかった。
 隠れている内に、足音はだんだんと近づいてきた。早足だが、走ってはいない。この森に慣れた人
間ではないらしい。そのとき、鬱蒼とした木々の向こうから、金色の髪が垣間見えた。
(あれは、ひょっとして)
 胸が高鳴るのを感じながら待っていると、その人物はティファニアが隠れている木のすぐ近くで立
ち止まった。
 長い金髪の女性だった。羽織っているマントやその下に見えている衣服は、遠目にも非常に上質な
布地で仕立てられていることが分かる。明らかに高い身分の人間である。そして、彼女の顔立ちには
見覚えがあった。
(もしも違ったら……ううん、間違いないわ)
 ティファニアは意を決して、木の影から歩み出た。向こうもすぐこちらに気付いた。
「……お久しぶりです、モンモランシーさん」
「……ティファニア、あなたなの?」
 驚き、呆然とした彼女の目には、痛々しい涙の跡があった。

「何もお出しできなくて、すみません」
 他の友人たちを迎え入れたときと同じことを言いながら、ティファニアはモンモランシーに椅子を
勧める。彼女は無言でそこに座った。
 あれから、立ち話もなんだからとモンモランシーを誘って、小屋に招きいれたところである。
 その間、彼女はずっと何か思いつめた様子で黙り込んでいた。椅子に座った今も、やはり言葉を発
しない。少々険を感じてしまうほどに勝気な顔立ちは以前と変わりないようだったが、今その美貌に
は深い憂いの色がある。
「こちらにいらしていたなんて、知りませんでした」
 彼女の沈んだ様子に戸惑いながらも、ティファニアは声をかけた。モンモランシーは小さく息をつく。
「でしょうね。影武者まで仕立てて、念入りに身を隠してここまで来たんだもの。ルイズだって」
 一瞬、声が詰まった。
「ルイズだって、わたしたちが何の連絡もなしに来たから、ずいぶん驚いてたわ」
「わたしたち、って言うと、ギーシュさんもご一緒なんですね?」
「ええ。夫婦だからね」
 その言葉には驚かなかった。東方から帰還して程なく、ギーシュとモンモランシーが結婚したとい
うことは、やはりシエスタから伝え聞いていた。幼い子供も三人ほどいるそうだ。
「夫婦のはずなんだけどね、一応」
 そう付け加えた声音には、隠しきれない苦渋の色がある。そのことについて聞くべきかどうか迷っ
ていると、モンモランシーは不意に頭痛を感じたように、広い額を片手で押さえた。
「なのに、何の相談もなしに……本当に、もう」
 ため息と共に、涙の粒が零れ落ちる。彼女は慌ててそれを拭った。
「ごめんなさい。あの馬鹿のこともそうだけど、ルイズのことも……いろいろとごちゃごちゃになっ
ちゃって、自分でも気持ちの整理が上手くつけられないの」
「いえ、お気になさらないでください。ルイズさんと、会われたんですね?」
 モンモランシーは頷いた。
「今しがた、会ってきたこと。楽しくお喋りしてたんだけど、ね。途中で耐えられなくなって、飛び
出してきちゃったわ。あの子があんまり幸せそうに、サイトのことを語るものだから」
 モンモランシーの表情が苦しげに歪む。潤んだ瞳が痛みを堪えるように細められた。
「なんだか、夢を見ているような気がしたの。本当はあんなひどいことは起こらなくて、サイトは元
気に生きていて……そんなはずないのに、あの子の幸せそうな顔を見ていたら、そう信じそうになっ
た。でも次の瞬間にはすぐ冷静さを取り戻していて、あの子の言うことは全部嘘だってことが分かっ
て……そしたら、とてもあの場所にはいられなかったわ」
「気持ちは、分かると思います」
「ありがとう」
 憂鬱な口調でそう言ったきり、モンモランシーはまた押し黙ってしまう。何か、深く思い悩んでい
る様子だった。

608:不幸せな友人たち
08/02/13 01:54:34 GBbXR0SX
(やっぱり、あのことと関係があるのかしら)
 女王に仇名す年若い元帥、という、王都でのギーシュの評判を思い出す。
 ひょっとしたらそのことで悩み、精神的に参ってしまっているのかもしれないと思ったが、訊ねる
のは躊躇われた。
「あいつね」
 小さな呟きが聞こえた。
「あいつ、また一人で格好つけてるのよ。わたしの気持ちも考えないで」
「どういうことですか?」
 モンモランシーは首を振った。
「わたしの口からはとても言えないわ……話してる内に耐えられなくなりそうだから。本当に、あの
バカ……一人で覚悟決めて、臆病者のくせに逃げ出す素振りも見せないで……」
 また、彼女の頬を涙が伝った。
「本当に、馬鹿なんだから」
 そのとき、不意に小屋の扉がノックされた。少々品に欠けた、慌てたようなリズム。
「どなたですか」
 怪訝に思いながら声をかけると、一拍ほどの間を置いて驚いたような声が返ってきた。
「やあ、ティファニアか。君の声は少しも変わらず美しいね」
 鼓動が早くなる。声と口調から、扉の向こうにいるのがギーシュだと分かった。思わずモンモラン
シーを見ると、彼女は素早く涙を拭い、椅子の上で背筋を伸ばしてそっぽを向いた。実に自然な所作
だ。そういう風に体裁を取り繕うのは慣れているらしかった。
「不躾で申し訳ないが、入れてもらってもいいかね?」
 ティファニアは迷った。モンモランシーの様子からして、ギーシュとの間があまり良好でないこと
は予想がついたし、何よりも、ティファニア自身の心の準備が出来ていない。
(ギーシュさんは、一体どんな風になっているんだろう)
 扉の向こうから聞こえる声は、以前とあまり変わらないように思える。だが、王都での風評を聞く
限り、彼が全く変わっていないとはとても思えない。変わってしまった彼と向き合うのは、何故かと
ても怖かった。
 かと言って、返事もせずに立たせておくわけにはいかなかった。ティファニアは結局、「どうぞ」
と言って彼を小屋の中に招き入れる。扉がゆっくりと開いて、外から背の高い男が姿を現した。
 金髪を丁寧に撫で付けた、伊達男という形容がよく似合う美男子である。齢は三十前半のはずだが、
二十代と言っても十分に通用するほど若々しく見える。背は昔よりも一回りほど大きくなっており、
彼の持つ男性的な魅力に一役買っている。
 そんな風に、目の前の男は予想通り様変わりして見えた。しかし、驚いたことに、彼の顔に浮かぶ、
どことなく間抜けな悪戯っぽい微笑は昔のままであった。
 彼はその表情のまま、大袈裟に両腕を広げてみせる。
「やあ、久しぶりだねティファニア。やはり君は以前と変わらず美しいね。その艶やかできめ細やか
な絹糸のごとき金髪に、どれほどの時を経ても全く衰えぬ美貌、まさにこの辺境に降り立った女神と
も言うべき……おや」
 長ったらしい口上の途中で、彼は何かに気付いたように片眉を上げた。視線を辿って肩越しに振り
向くと、椅子に座ってそっぽを向いているモンモランシーに行き着く。また視線を戻すと、目の前の
男の顔一杯に、嬉しそうな笑みが広がっていた。
「やあ、我が愛しい妻、モンモランシーじゃないかね! やっぱりここにいたんだね、いやあ、君が
突然出て行くものだから、僕がどれほど心配したか……無事で本当に良かったよ」
「あのねあんた」
 モンモランシーが、冷たい瞳でじろりと男を睨む。
「その愛しい妻の目の前で他の女口説いておいて、『どれほど心配したか』はないんじゃないの?」
「何を言うんだいモンモランシー、あんなのは所詮挨拶代わりじゃあないか。僕の心はこの世で最も
愛しい女性のものだとも。つまりは君のことさ、愛しのモンモランシー! なんなら、この熱く燃え
盛る証として、さっきの十倍熱烈な賛美を君に捧げてもいい!」
「死ぬまでやってなさいよバカ」
 にべもない返事に、男は大袈裟に肩を竦めてみせる。ティファニアの胸がじわりと温かくなった。

609:不幸せな友人たち
08/02/13 01:55:43 GBbXR0SX
(ああ、やっぱり、この人はギーシュさんなんだ。笑っちゃうぐらい、何も変わってない)
 ふと、甘く懐かしい香りが鼻腔をくすぐる。モンモランシーの香水だ。今まで気付かなかったが、
彼女の香水の香りもまた、十五年前と何ら変わっていない。
 懐かしい声と香りに包まれて、彼女は一瞬、自分が十五年前に戻ったのではないかと錯覚した。
 今にキュルケやコルベール、タバサ、シエスタとルイズ、それに才人が小屋に駆け込んできて、大
騒ぎが始まるのではないかと、半ば本気で期待しかけた。
「しかしまあ、なんだね」
 ギーシュがどこか難癖つけるように呟いたので、ティファニアは現実に引き戻された。彼は少々気
難しい顔をして、狭苦しい小屋の中を見回していた。
「この小屋は君のように美しい女性が一人暮らしをするのには、全く似つかわしくないね! いや、
それはそれで俗世から切り離された神秘的な趣がなくもないが。まあそれはそれとしても」
 ギーシュは不意に視線を下に落とした。ちょうど、ティファニアの胸の辺りである。
「相変わらず見事な」
 彼がそこまで言いかけたとき、後ろから椅子を蹴る音が聞こえてきた。咄嗟に脇に避けると、荒々
しい足音と共に歩いてきたモンモランシーがギーシュの頬を思いっきり張り飛ばした。
「せめて一分でいいから自分で言ったとおりの行動が取れないの、あんたは!?」
「いやしかしだねモンモランシー」
「うるさいバカ! そんなに喋りたいなら一人で喋ってりゃいいのよ!」
 丸っきり以前と変わらぬ口調で怒鳴りつけて、足音高く小屋を出て行ってしまう。ティファニアは
慌てて外に出たが、モンモランシーは振り返る素振りすら見せずに歩いていく。
 本当に、以前と変わらぬやり取りだ。久しぶりに、少しだけ楽しい気分になる。
(これで、小屋の中に戻ると、ギーシュさんが情けない顔で肩を竦めていて)
 だが、その気分も長くは持たなかった。
 小屋の中に戻ると、先程までの和やかな雰囲気は少しもなくなっていて、椅子に座ったギーシュも
何か思いつめたような雰囲気を纏っていたのだ。
 立ちすくむティファニアの背後で、扉がばたりと閉まった。小屋の中が少し暗くなる。
「すまなかったね」
 ギーシュがため息混じりに言った。
「ああいう風にしないと、どうも気まずくなってしまうのでね……不快な気分にさせてしまったら、
申し訳ない」
「いえそんな、謝らないでください。そんなの」
 ―全然、ギーシュさんらしくないです。
 言いかけた言葉を、ティファニアは飲み込んだ。ギーシュの顔には、以前の彼からは想像もつかな
いほど憂いを帯びた表情が浮かんでいる。
 テーブルを挟んで、ギーシュの向側に腰掛ける。こんな風に友人を見るのも、これで三度目だ。
「さっき、ルイズに会ってきたんだが」
 ギーシュはどこか苦味のある微笑を浮かべた。
「とても幸せそうだったね。王都にいるサイトが近況を手紙で報せてくれると、嬉しそうに話してい
たよ。彼は僕に協力して、兵を鍛えてくれているそうだ」
「すみません、シエスタさんと相談して、そういう内容の手紙を」
「ああいや、責めているわけではないんだよ。むしろ感謝している」
 ギーシュはじっとティファニアを見つめた。
「君の手紙のおかげでね、ほんの少しの間だけ、いい夢を見られた気がするんだ。ありがとう」
 ギーシュが深々と頭を下げる。ティファニアは慌てて立ち上がった。
「やめてください、わたし、そんな風に」
「感謝される資格はない、かな?」
 ティファニアははっとした。ギーシュの瞳が、上目遣いにこちらを見上げている。
「この小屋の中の様子からも、予想はついていたが」
 顔を上げたギーシュの視線が、小屋の中を一巡りして、ティファニアに戻ってきた。
「ティファニア、君はやはり、あのときのことを後悔して生き続けてきたんだね」
 問いかけには答えず、俯き、座る。返事が必要だとは思わなかった。

610:不幸せな友人たち
08/02/13 01:56:29 GBbXR0SX
「聞かせてもらいたいんだが」
 ベッドの方に目を向けながら、ギーシュが目を細める。そこには、キュルケからもらったハンカチ
と、タバサが残していったナイフが置いてあった。いつも、枕元において眠るからだ。
「あのときあの場所にいたメンバーの中で、ここに来たのは僕が最初かな?」
 首を横に振ると、ギーシュはテーブルに肘を突いて、わずかに身を乗り出した。
「出来れば、話してくれないかな。彼女たちが、君に何を残していったのかを」
 ティファニアは頷き、五年前と十年前の記憶、友人たちと交わした会話を、思い出せる限り正確に
語った。ギーシュは黙って微笑んだまま、ときどき頷きながら話を聞いていた。
 語り終えたあとしばらくは、二人とも黙ったままだった。
「サイトの遺志、というがね」
 不意に、ギーシュが言った。苦笑いめいたものが口元に浮かんでいた。
「僕はどうも、この言葉には違和感を覚えてしまうな」
「違和感、って言うと……?」
「ルイズに偽りの幸せの中で生きてもらうのが、本当にサイトの遺志なのかってことさ」
 ギーシュは淡々と語り出した。
「ルイズの幸せを守ることが才人の遺志だ、というがね。彼が本当にそういい残したかどうかは誰に
も分からないんだよ。僕らが聞いたのは、『ルイズを、幸せに』という呟きだけだ。それは確かに
『ルイズを幸せにしてやってくれ』という頼みだったのかもしれないが、ひょっとしたら単に『ルイ
ズを幸せにしてやりたかった』という悔恨の言葉に過ぎなかったのかもしれない。だから、『わたし
たちはサイトの遺志を守っている』というのは、単なる自己欺瞞に過ぎないのさ」
 ギーシュは目を瞑り、静かに断言した。
「僕らはただ僕らの意思で、この方がルイズのためになると判断して、彼女の記憶を奪い続けている」
「では」
 ティファニアは拳を握り締めた。
「では、やはりあなたも、ルイズさんの記憶を奪ったのは間違ったことだと?」
「少し違うな」
 ギーシュは考え深げに顎を撫でた。
「僕は、選択することが結果に直結するとは考えてない。選択肢と言うものは、選んだ時点では最上
にも最悪にもならないんだ。重要なのは、選択した後にどれだけの努力をするかだ」
「努力、ですか」
「そう。その選択を、よりよい結果へと導くための努力さ。努力次第で、最上の選択が最悪の結果に
つながり、最悪の選択が最上の結果に繋がることもあり得るだろう」
 彼は遠くを見るように目を細める。
「僕は、シエスタがルイズの記憶を消すことを提案したとき、結局最後まで迷ったままだった。ルイ
ズを殺しても、ルイズの記憶を消しても、どちらにしても後悔は残るだろうと。そして結局、自分で
はどちらの意見も支持できないまま、ルイズの記憶は消されてしまった」
 ギーシュはまた、そっと目を閉じる。
「だから、そのとき決意したんだ。どちらも選べなかったからこそ、現状に不満を言うのも、別の選
択肢を選べなかったことを後悔するのも止めようと。ただひたすら、今のルイズの幸せが少しでも長
く保たれるように努力しようと、決めたんだ。それが、何も選べなかったものの務めだと思ったからね」
 口元に柔和な微笑が浮かんだ。
「そして、今日、ルイズを見た。心の底から幸せそうな彼女をね。正直に言って、複雑な気持ちだよ。
確かに嘘に塗れたものではあるが、彼女が感じている幸せは本物だ。正しいとも間違っているとも断
言できない。どちらも選べない。僕は、今でも昔と少しも変わっていないようだよ」
 自嘲めいた笑みは、すぐに決然とした表情に変わった。
「だからせめて、この幸せが外界の無粋な連中のせいで壊れてしまわないように、努力するつもりだ」
 ティファニアは身を固くした。ついに、彼の真意を知るときが来た。
「ギーシュさん。それは、あなたが王都で権力闘争に没頭していることと、何か関係があるんですか?」
 単刀直入に問いかける。回りくどい言い回しは不要だと思った。ギーシュも特に気を悪くした様子
はなく、「ああ、大いにあるよ」と前置いたあと、何でもないことのように言った。
「僕は近々、女王陛下に不満を持つ者たちを秘密裏に集めて、大規模な集会を開くつもりだ。何が話
し合われると思う?」
「分かりません」
「女王陛下を暗殺する計画さ」

611:不幸せな友人たち
08/02/13 01:57:28 GBbXR0SX
 ティファニアは目を見開く。ギーシュは人差し指を立てた。
「祖国を憂う愛国精神に溢れた貴族の集まりでね。念の入ったことだよ、なにせもう具体的な計画は
もちろん、この救国会議メンバーによる血判状まで仕上がっているんだから。連中の頭は、陛下亡き
あとの混乱状態で、いかに自分の権力を確保するかで一杯なはずだ。しかしね」
 とっておきの悪戯の計画を打ち明けるように、にやりと笑う。
「実を言うと、その動きは優秀なアニエス近衛隊長に察知されているんだよ」
 一瞬何を言われているのか飲み込めなかったが、すぐにとんでもないことだと理解できた。「それ
じゃあ」と慌てて言いかけると、ギーシュは愉快そうに頷いた。
「そう。君の考えるとおりさ。反乱を企てる貴族達はこれで一斉に捕縛される。何せ、恐れ多くも女
王陛下をその手にかけようとしたんだ。家柄も何も関係ない。間違いなく全員処刑されるだろうね」
「そんなことをしたら、あなたまで」
「その通りだ。僕はギロチン送りになるだろう。やれやれ、この首を取り合ってどれだけの女性が争
うことになるかと思うと、少々心が重くなるよ」
 冗談めかした口調だったが、冗談でないことは明らかである。ギーシュがあまりに落ち着いた様子
なので、かえってティファニアの方がもどかしくなった。
「どうにかならないんですか。女王様と対立してる貴族を捕えるにしても、何か、他の方法は」
「ない」
 ギーシュは即答した。
「精一杯努力はしているんだが、不満を抱く貴族たちを抑えるのも、そろそろ限界なんだ。彼らの筆
頭である僕が何か具体的な動きを起こさなければ、勝手気ままに挙兵したり、知らないところで策謀
を企てたりする輩が出てくることだろう。そうなったらもうお終いだ。反乱は全土に飛び火し、近衛
だけで静めるのは不可能になる。だからこそ、今だ。今、待ちきれなくなった反乱分子を集めて、一
挙に叩かせる。そうすれば反乱の芽は摘まれ、あとは陛下が上手く事を運んでくださるだろう。王政
は平和裏に幕を下ろし、最小限の反乱だけを経て、平民の世がやってくる。この地でも、特に騒ぎは
起こらないはずだ。ルイズの幸せが壊されることもない。そういう約束になっているのさ」
「約束?」
「こんな若造が元帥だなんて、おかしな話だとは思わなかったかい? 秘密の取引をしたのさ。陛下
の思惑が実現するように命を賭けて協力する代わりに、こちらの願いも叶えてくれ、ってね」
 ギーシュはじっとティファニアを見つめた。
「分かるかい。これはルイズを守るためにはどうしても必要なことなんだよ。遠い昔、ある剣士が
たった一人で七万の大群に突撃したときのようにね」
 ギーシュは懐かしむように目を細めた。
「ずっと、彼のようになりたいと思っていた。貴族よりも強く、誇らしかった男。結局彼には追いつ
けそうもないが、ルイズの幸せを守る代役ぐらいは果たせそうだ」
 そう言って苦笑する。
「サイトの遺志は分からない、なんて言ったばかりでなんだがね。やはり、彼が生きていたら全力で
彼女を守っただろうと思うからね。死んだ彼の分まで頑張らないと」
 ギーシュの声音に迷いはない。もう、とうに覚悟を決めているらしかった。
 だが、ティファニアには一つだけ納得しかねるものがあった。
「モンモランシーさんはどうするんですか。お子さんだっていらっしゃるんでしょう」
 彼女の涙を思い浮かべながら問うと、ギーシュは深く息を吐き出しながら答えた。
「モンモランシーはもう納得済みだよ……無理を言って納得してもらった、と言う方が正しいが。僕
が死んだ後どうするかも、全て彼女に委ねてある。女王陛下には、なんとか妻子を見逃してもらえる
ように頼んであるからね。大人しく陛下に従って生きながらえるのも、僕を追って死ぬのも、全ては
彼女の判断さ」
 満足げで、誇らしげな口調だった。
「僕は、その選択にケチをつけるつもりはない。なに、彼女は昔と変わらず、僕なんかよりずっと聡
明だ。きっと、選んだ選択肢が最上の結果に繋がるよう、努力していけるはずだよ」
 それだけ言って、ギーシュは沈黙する。ティファニアは何も言えなかった。彼ら夫妻は、もう幾度
も言葉を重ねているはずだ。今さら、部外者の自分が口を挟めることなど一つもない。

612:不幸せな友人たち
08/02/13 01:58:12 GBbXR0SX
「ああそうだ」
 不意に、ギーシュが指を鳴らした。
「忘れていたよ。君に贈り物があるんだ」
 そう言って、どこに仕舞いこんでいたものか、小さな木箱を一つ取り出し、テーブルの上に置く。
「開けてみてくれたまえ。きっと、気に入ってもらえると思う」
 ティファニアは困惑しながらも木箱の蓋を開ける。中には、何か鈍い色の金属が入っている。手を
差し入れて取り出してみると、それは、青銅で作られた飾り物だった。両手に収まる程度の大きさな
がら、息を飲むほどに緻密な作品である。
 それは、十五年前、才人が死ぬ前の彼らを鮮明に象った置物だった。
 シエスタと口喧嘩するルイズ。
 それを笑って眺めているキュルケと、傍らで苦笑するコルベール。
 興味なさげに本を読みつつ、視線はさり気なく騒ぎの方に向いているタバサ。
 ティファニアはルイズとシエスタの喧嘩を止めようとおろおろし、呆れてため息を吐くモンモラン
シーの横では、ギーシュが愉快そうに笑っている。
 そして中心には、彼がいた。ルイズとシエスタに挟まれて、深々とため息を吐いている才人。
 ティファニアは唇を噛んで、必死に涙を堪えた。
 今彼女の手の中にあるのは、もう二度と戻ってこない風景だった。才人がいなくなってしまっただ
けで、バラバラに砕け散ってしまった幸せ。
 今は嘘に塗れた記憶が才人の代わりに居座り、歪な形で偽物の幸せを保ち続けるだけだ。
「僕はね」
 涙を堪え続けるティファニアを見つめて、ギーシュが言う。穏やかな口調だった。
「あのルイズを見ていると、何もかも嘘のような気がしてくるんだ。本当にサイトが生きていて、今
も僕らは昔と変わらずに楽しく過ごしていると、そんな風に思えてくる。無論、それが幻に過ぎない
ということを自覚しながらね。そう思わせてくれるぐらい、ルイズは幸せに生きている。だから」
 ギーシュがティファニアの傍らに膝を突き、俯く彼女の顔を覗きこみながら言った。
「だから、いいじゃないか。君はよくやっているよ。そんな風に、自分を責めながら生きることはない」
 ティファニアは青銅の置物をテーブルの上に置いた。急いで手を膝の上に持っていき、思い切り自
分の体を握り締める。その痛みがなければ、間違いなく涙を零していただろう。喉が震えるのを自覚
しながら、ティファニアは口を開く。
「わたしには、そんなことを言ってもらう資格はないんです」
 ギーシュはただ「そうか」と呟いたきり、後は何も言わなかった。

613:不幸せな友人たち
08/02/13 01:59:29 GBbXR0SX
 小屋の周囲は、既に夕陽の光で赤く色づいていた。
 こうして友人を送り出すのは、これでもう三度目になると、ティファニアは思った。
(でも、キュルケさんもタバサさんも、生きて帰ってくる望みはあった)
 だが、今回は違う。ここでギーシュを行かせてしまえば、間違いなくこれが今生の別れになる。
 だというのに、少なくとも見かけだけは、ギーシュは全くの無頓着だった。
「さて、ではそろそろお暇させてもらうよ。町で待ってくれているであろう我が愛しい妻を、あまり
待たせすぎてはいけないからね」
 夕陽の中、向こうを向いているギーシュの背中が、昔と違ってやけに大きく見える。やけに胸が痛
んだ。彼だって、こんなことになりさえしなければ、ただの間抜けでお調子者の少年のまま、気まま
に暮らしていけただろうに。
「本当はね」
 不意に、ギーシュが肩越しに少しだけ振り返った。
「君のことも、助けられるなら助けようと思っていたんだ」
 寂しげな苦笑が、横顔に浮かぶ。
「だが、思いあがりだったかな。やはり、サイトみたいには出来ないようだ」
 ティファニアの胸に、大きな焦燥が生まれた。
(このまま、この人を行かせてしまっていいの? こんなに優しい人を、こんなにも寂しそうな表情
のまま見送るなんて)
「さて、それじゃあ今日はありがとう。どうか、元気で暮らしてくれたまえ」
 ギーシュが一歩、二歩と歩き出す。ティファニアは思わず彼を呼び止めていた。
「ギーシュさん!」
「ん?」
 夕暮れの光を背に浴びて、彼が怪訝そうに振り返る。何を言うべきか、ティファニアは必死で考え
た。頭に浮かんだのは、モンモランシーの涙だった。
「あなたは、モンモランシーさんのこの後を、彼女自身の選択に委ねると仰いましたけど」
「ああ。それが、何か?」
 面食らったようなギーシュの顔を見たとき、ティファニアは自分が何を聞きたかったのか、ようや
く分かった気がした。その想いを、彼に向かって投げかける。
「あなた自身はどう思っているんですか。彼女に生きて欲しいんですか、それとも、自分と一緒に死
んでほしいんですか」
 ギーシュは少しの間目を瞬いていたが、やがておかしそうに笑い出した。
「なんだ、そんなことかい」
 悪戯っぽく、片目を瞑る。
「そんなもの、生きていてほしいに決まっているじゃないか。彼女を失うことは、この世界にとって
重大すぎる美の損失だよ、君」
 昔と変わらぬ、お調子者の表情。「そうですね」と言って、ティファニアもようやく自然に微笑む
ことができた。
 そして、二人は大きく手を振りながら別れた。
 昔のままのギーシュの顔が夕闇にとけて見えなくなるまで、ティファニアはずっと、手を振り続けていた。

 彼女がギーシュを見たのは、やはりこれが最後となった。
 一月ほど後、王都にて大規模な反乱計画が事前に阻止され、主だった者たちが捕えられて全員処刑
されたという報が、彼女の耳にも届けられた。
 この事件により、王権に対立できるほど有力で、なおかつ反抗的だった貴族はほとんど一掃され、
トリステインは障害なく新たな時代に向かって突き進んでいくことになる。
 ギーシュ・ド・グラモンの妻モンモランシーは、その後女王アンリエッタの命に従い、家名や財産
を全て王家に返上した。
 その後は市井の一未亡人として三人の子供を育て、様々な苦労を負いながらも立派に天命を全うした。
 存命中、彼女は幾度も夫ギーシュ・ド・グラモンに対する不名誉な謗りを受けることとなったが、
一度としてそれに反論することも、同意することもなかったという。
 そうしてギーシュの真意は誰にも知られることなく、彼の名誉が回復されるまでにはさらに長い年
月が必要となった。
 全てが明かされた後、彼らの墓は子孫たちの手によって旧グラモン家領の片隅に移された。
 自由の礎となった英雄の墓は、毎年、多くの人々の献花を受けているそうである。

 ギーシュがくれた置物を眺めるたび、ティファニアは痛みと共に思い出す。
 今の幸せは、本来あるべき形とは全く違ってしまっているのだと。
 だが同時に、それを全力で守ろうとした人たちがいたことも事実だ。
 タバサとの約束を果たすことが出来ないまま、時はまた無常に流れていった。

614:205
08/02/13 02:01:12 GBbXR0SX
以上。読んでくださってありがとうございました!
次回のサブタイトルは「アニエス」です。

自分の中でギーシュは「覚醒してないポップ」の位置づけです。
血統は申し分ないし、変に動じないッスからね、彼。
成長すればスゲー男になりそうな感じもするんですが……原作では今後どうなるでしょう。

ではまた次回もよろしくお願いします。

615:名無しさん@ピンキー
08/02/13 02:09:40 0EVRcyNV
前回も書いたけど・・・アンタはホントにエエ話を描くな・・
毎回泣きそうになる(涙

そのシリーズが終わったら、無理かもしれないけどなんとか救ってやってほしいよ。彼らを。

616:名無しさん@ピンキー
08/02/13 03:25:58 wxp774ib
>>205
GJ! いつも濃い文章に感動してます。


で、ところで、205氏も他の方も食傷してるところに申し訳ないし、
完全に遅出しになってしまったんだが……、アダルト用鯖に手動設置でwiki作ったぞ。
前保管庫のwikiと似た使い勝手まで持っていけるはずだ。エロ用だから規約も問題なし。

URLリンク(zerokan.digital-ark.com)

まだ一部文字化けしてたりするけど今日も仕事だし、そこは少し待って……
もう編集は可能になってるので触ってみてくれ。

617:名無しさん@ピンキー
08/02/13 03:43:50 lZYhu3dP


618:名無しさん@ピンキー
08/02/13 04:36:15 honjBP/2
>>614
GJ! ギージュ…不器用だけど漢だな 
タバサ編とキュルケ編を読み返してみて思ったんだけど考え方が対称ですね
両方ともルイズを大切に思っているのは同じなんだけど
タバサは大切に思うからこそルイズの意志を守ろうとし
キュルケは逆に意志を無視して生存を願ったわけだな
ギージュやモンモランシーは決断できなかったから現状維持に力を尽くした
やはりこの話は切ない

619:名無しさん@ピンキー
08/02/13 08:18:37 vrqzwkt0
>>616
GJ
いい感じなんでないかい?

620:名無しさん@ピンキー
08/02/13 08:48:44 jtixWc2p
>>616
サイトの名前も未定なのかw
でもGJ

621:名無しさん@ピンキー
08/02/13 08:55:09 jtixWc2p
あ、サイトの名前は決まってるのか。勘違いした。ごめん。

622:名無しさん@ピンキー
08/02/13 09:24:53 7ymdYvGc
>>593の自作挿絵はまとめに載せてエエのか?

623:名無しさん@ピンキー
08/02/13 12:19:08 Tq3qKEP3
>>616
GJ
ところで、次からのまとめは>>616の方にした方がいいのか?
現行のほうに上げてっても仕方ないんだし。

624:名無しさん@ピンキー
08/02/13 12:35:17 i3pBpENd
SS投下後とか話題がごっちゃになってるので荒れてるわけじゃないけど誘導
SSへの反応が薄くなってモチベーション下がって職人がいなくなるのだけは勘弁な
移転話も結構煮詰まってきたみたいだけど続きはweゴホン
雑談用掲示板で
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

625:名無しさん@ピンキー
08/02/13 13:26:29 7FiwrRCm
>>370や、現行保管庫管理人が用意したのは使わないの?

626:名無しさん@ピンキー
08/02/13 13:38:40 OTf0MmD0
>>625
規約に抵触しているのが難。
今回みたいに荒らしが出た時、こちら側に負い目があると報告するのに気が引ける。

627:名無しさん@ピンキー
08/02/13 17:00:24 ZwThibXC
せっかくだから全部使えばいいんじゃね?

628:名無しさん@ピンキー
08/02/13 17:22:20 L2i5TIfr
誘導されてもまだやってるやつらは、
職人のことなんかどうでもいいと思ってるのかね。

629:名無しさん@ピンキー
08/02/13 19:44:18 IRqoIL2K
>>614
。゚(゚´Д`゚)゜。ギーーーーーーーーシュウウウウウウウ

630:名無しさん@ピンキー
08/02/13 20:05:56 BiXpzpqy
URLリンク(youkan-hh.hp.infoseek.co.jp)

軍スレで拾った タバサっす、しかしモザ位入れておけよな

631:名無しさん@ピンキー
08/02/13 20:16:21 JiHb8COg
ここはエロパロ板だ

632:名無しさん@ピンキー
08/02/13 20:26:15 IRqoIL2K
>不幸な友人達

ギーシュが生きるか後を追うかをモンモンに選ばせたのはルイズの事があるから
だろうな・・・。その戒めか。
出来れば生きていて欲しいって事をモンモンにあえて伝えていない可能性もありそうだ。
ギーシュ・・・

633:名無しさん@ピンキー
08/02/13 21:31:04 OTf0MmD0
>>630
…良い。

634:名無しさん@ピンキー
08/02/13 22:50:41 OTf0MmD0
>>616のIDに名無しの心意気を感じた

635:林檎 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 00:00:23 sKsaQFwI
ちょっと仕事とか結婚式とかで忙しくて書けてませんでした。
ようやく時間空いたので、大急ぎで短編を書き上げたものを投下させて頂きます。
突貫工事なので粗が目立ちますが…

忘れられてそうですけどね…_| ̄|○|||

636:小さい子の躾け方~初級編~ ◆xkeoH47fcA
08/02/14 00:01:44 sKsaQFwI
 夕方の時間、沢山の学生で賑わうトリステイン学院の食堂。
 給仕達がせっせと料理を運ぶ中、貴族である魔法使いの生徒達は優雅に歓談しながら食事をしている者が殆どだった。
 そんな喧騒の中、私は食堂の端の方に陣取り食事を取っている。
 だが、お気に入りのはずのハシバミ草のサラダも今日はあまり美味しく感じられない。
 フォークを握り、食事に手はつけているものの一向に口に運ぶ余裕も無く、時折ギュッと両手を握り体を震わせる。
 そんな様子を傍から見られれば、体調でも悪いのかと思われても仕方ないのかもしれない。
 現に何人かの給仕や、数少ない友人の1人キュルケにも「体調でも悪いの?」と聞かれてしまった。
 その度に私は声も出せぬまま、真っ赤になりながら顔をブンブンと左右に振った。
 声を掛けた者達が去っていくと同時に私はホッと溜息を吐くが、それを見計らったように来る快感に私は声を上げそうになる。
 私は自分にしか聞こえないぐらい小さな声で、最愛の人の名前を何度も囁きながらずっと体を震わせていた。

 きっかけは彼に愛されるようになってから暫くした時の事、二人で私のベッドで寝ている時に言われた事だった。
「シャルロットが嫌じゃなかったら、その、シャルロットを…ち、調教して、みたいんだけどさ…」
 私は断る理由も無いので、二つ返事で良いよと言った。
 それ以来、私は彼のペットになった…。

637:小さい子の躾け方~初級編~ ◆xkeoH47fcA
08/02/14 00:02:15 BcK/voql
 時には人目を忍びながら、或いは図書館や教室で。シルフィに乗ってる時なんて事もあったし、トリスタニアの街中、裏路地でも一杯された。
 そんな事を続けてから既に3週間ぐらいが経過したこの日、彼は騎士隊の任務で丸一日遠出をするとの事だった。
 今日はどんな事をされるのだろうなんて、期待半分怖さ半分で彼に尋ねようとした出鼻を挫かれてしまった私は少し不機嫌になる。
 そんな私の様子を見た彼は1つの命令をしてきた。
「じゃあ、俺が帰ってくるまで、今から渡すのを付けてるんだ。帰ってくるまで誰にもばれなかったらご褒美をあげる。どうかな?」
 以前にも似たような命令があった。
 その時のご褒美の快感を私の身体は忠実に覚えていて、耳元で囁かれただけで私のアソコはじわっと愛液を零れさせる。
「する…」
 即決したものの、彼が差し出した物を見て、私は早まってしまったかもしれない、などと思ってしまった。
 彼が持っていたのは以前私に使った物とは少し違う物だった。前の物は彼のペニスと同じぐらいの擬似ペニスだったが、これは2回りほど細い。
「これ…入れるの…?」
 正直なところ、これぐらいの物だったら耐えれると私は高を括っていた。でも、その望みはあっさりと崩されてしまう。
「あぁ、ただし後ろに、な。それに、触れてる相手の魔力を感知して動くらしいから、気持ちよくなれるよ?」
「―っ!?」
 そういう事をしたことが無いわけじゃない…。最初は少し抵抗もあったけれど、少しずつ慣らされていき、今では後ろでも感じれるようにはなってきた。
 すっかり嗜虐される喜びを知っている私の身体は、ソレを入れられたらどんな風に感じるのかを想像し、昂ぶっていく。
 起き抜けにお手洗いに行っていて良かった、なんて少し的外れなことを考えている自分が少し可笑しく感じられる。
「じゃあ、壁に手をついて、お尻をこっちに突き出して、そうそう」
 私は彼に言われるまま、彼に向かってお尻を突き出した。もうすぐ容赦なく襲い掛かるであろう快感に期待するように全身がぶるっと震える。
 お尻が突き出されたのを確認すると、彼はマントをずらし、スカートをたくし上げていく。
「ひゃっ!んふぅん…」
 彼は私のお尻をショーツごといきなり揉んできた。突然の快感に私はお尻を引っ込めてしまう。
「コラ、駄目だろ?お仕置きだな」
 ピシャン、とお尻を叩かれた。そんな痛みも私の神経は快感と認識し、昂ぶらせていく。
「あっ!ご、めんなさぁ―あぁぁっ!」
 ピシャン、ピシャンと容赦なく彼はお尻を叩いていく。
「やっ、あぁぁっ!そんなにっ、たたかれたらあ!ふあっあっ!やらああっ!」
 十数回叩かれながらも、私は何とか最初の姿勢に戻った。
「あぁ…、はぁはぁ…」
「シャルット、お尻叩かれて感じちゃったんだ?」
 その言葉を聞いて、私は自分のアソコが一目見れば分かるぐらいに濡れているのに気付いた。
 身をよじらせるとグチュリと愛液の溢れる音がする。
「そ、んなこと…な、い…」
 私は羞恥で真っ赤になりながらぷいっと顔を背けた。
「ふーん…、じゃあこれは何かな?」
「っ!くああああぁぁぁぁっっ!」
 ショーツがきゅっと引っ張り上げられ、私のアソコを容赦なく擦り上げていく。
 私は突然の強い刺激に声を抑えるのも忘れ、淫らな嬌声を上げてしまった。
 ポタポタと愛液が滴り落ち、床に水溜りを作っていく。


638:小さい子の躾け方~初級編~ ◆xkeoH47fcA
08/02/14 00:03:15 BcK/voql
「こんなに濡らしてるんだったら、十分かな?」
 そう言って彼は手に持った擬似ペニスを私の愛液を塗りたくるように押し付けながら擦ってきた。
 さっきに比べると些細な快感だったけれど、それでもじわりじわりと私の快感を底上げしていく。
「んふうっ…はぁ…あぁぁ…そ、こお、こすっちゃ…」
 自分でも驚くぐらいの蕩けきった甘い声が出てしまい、凄く恥ずかしい。
「もう十分かな。入れてあげるから自分で広げて」
「ん…、こう?」
 私は言われるまま自分のお尻を掴み、広げていく。にちゃ、と粘液質の音がして彼の眼前に私の秘部が露わになった。
「もうたっぷり濡れてるね。前も後ろも欲しい欲しいってがっついてるみたいにひくひくしてるよ?」
「や…言わないでぇ…」
「じゃあ、入れるから力抜いて」
「ん…はぁ…はぁ…、こう、かな…?」
 私は彼の言葉に従順に従うように大きく深呼吸しながらお尻の力を抜いていく。
 お尻を叩かれて感じていた私は、力が上手く入らずに震えている足を、何とか身体を壁に押し付け踏ん張らせながら耐えた。
「うん。それじゃあ入れるよ」
「ん…」
 彼の言葉に私は頷き、お尻を目一杯広げる。
 すぐにクチュリと音がして、私の菊門に固い物が当てられる。
 自分でも呆れるぐらい敏感な身体はそんな些細な刺激でも快感を感じ、私を責めたてていく。
「んくううっ、ひあっ、うううううう…」
 まるでズブズブと入っていく光景が見えるかのような強い刺激と少しの痛みを伴いながら、私の菊門は擬似ペニスを飲み込んでいく。
 酷くゆっくりとした挿入に、私の頭の中まで掻き回されているような快感を感じた。
「シャルロット、全部入ったよ」
「んはぁぁ、はぁはぁ…、私の、お尻…に…はぁんっ!」
 私はすっかり蕩けた声で振り向きながら、少しお尻を押さえる。はっきりと感じる異物感と少し動いただけで膣内に響いてくる刺激に身悶えた。
「少し大きいかと思ったんだけど、大丈夫そうだね。ほら」
 彼は私のお尻を開くと、菊門から少しだけ頭を出している擬似ペニスをコンコンとノックするように押してきた。
「ふああっ、それぇ、奥まで、ひびくのっ!らめぇぇっ!ひああっ!!」
 ノックされる度に私は膣と腸内を掻き回されているような刺激を感じ、何とか踏ん張っていた足の力を抜いてしまう。
 でも、それがまずかった。
「―っ!?んふあああああああああああっ!!!」
 床にペタンとお尻をついた瞬間、少しだけ出ていた部分が私の身体の重みで一気に奥まで捻じ込まれてしまった。
 そんな事になると予想もしていなかった私は、その身体を貫く容赦ない快感に絶頂へと昇った。
 身体を支える事も出来なかった私は、そのまま横向きに倒れこむ。
「はーー、はーー…、ん、ふぁ…、はぁはぁ…、んっく…」
 全身がビクンビクンと痙攣するように震え、力を入れることさえ出来ない。
 このまま意識を手放したいぐらいの強烈な快感だった。でも、彼はそれを許してくれず。
「ほら、起きて」
 私を抱き上げるように、彼は私の身体に手を回して起こした。
「はぁ…ん…、ふあ…」
 ようやく快感の波が引いてきた私は、彼に抱きつくようにしながらなんとか立ち上がる。
「シャルロット、ショーツがもうベトベトだね」
 そう言われてから初めて気付いた。
 私のショーツはまるで洗濯したてのように水気を含んでおり、ぎゅっと絞れば愛液がぼとぼと零れるんじゃないかって言うぐらい濡れている。
 それに、吸収しきれなくなった愛液が太ももを伝って踝の方まで垂れてしまっていた。
「あ、はぁ…、ねぇ…?履き替えても、いい…?」
「んー…、どうしようかな」
 こんな下着を着けて授業とかに出てしまったら一発でバレてしまうのが目に見えているのが分かっていながら、彼はそんな事を言ってくる。
 それに、私の恥ずかしがる反応を見て楽しんでるから余計に性質が悪い。
 でも、彼の私のアソコを嬲るような視線でまた私は感じてしまう。本当に悪循環だった。
「ま、しょうがないか。こんな愛液でベトベトになったショーツ穿いていったらバレるだろうしね」
 その言葉を聞いて私はほっと胸を撫で下ろした。


639:小さい子の躾け方~初級編~ ◆xkeoH47fcA
08/02/14 00:03:47 sKsaQFwI
 私がショーツを穿き替えようとクローゼットに向かった時、遠くから鐘の音が聞こえてきた。
「うわ、やっば!行かないと!じゃあシャルロット、夜まで頑張ってね!」
 そう言うと彼は私の唇にちゅっとキスをしてから大慌てで出て行った。
 彼が出て行くのを見届けてから、私はのろのろとクローゼットから新しいショーツを出して穿き替える。
 足を動かすたび、腰を捻らせるたび、容赦なく後ろに入れられた物が私の快感を刺激していく。
 今日は、下着何枚替えることになるのかな…。
 想像して、私のアソコはきゅんと響いた。


640:林檎 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 00:08:44 BcK/voql
短いですが以上です。

メイドの続きも書かないとなんですが、
引越しの際にHDDが壊れて、途中まで書いてあったものが消えたので
また最初からです・゜・(ノД`)・゜・
もう少々お待ち下さい…_| ̄|○|||

では、生存報告ついでの突発でした。

641:名無しさん@ピンキー
08/02/14 00:10:09 Fvn2fFXc
>>640
挿れるだけでそんなにキテると、もうダメなんじゃないかと思うんだ…
しかしこのシチュそそるなぁ(*´Д`)ハァハァ
GJ!!

いいよいいよ~待ってるよ~

642:名無しさん@ピンキー
08/02/14 01:04:49 RwhNtM76
ちと暗めですが、ひとつ。

643:1/7
08/02/14 01:05:31 RwhNtM76
 ここは…………どこ……だ?
 見知らぬ天井、見覚えの無い室内、窓の外には見慣れない風景。

 頭が……痛い?

 酷く痛むと言うわけではないが、焦燥すら感じるほどの違和感に居てもたっても居られなくなる。

「大丈夫?」

 静かな声に驚いてそちらを見ると、綺麗な女性が……

「エルフ!」

 慌てて部屋の反対端まで距離を取ると、どこか傷ついた表情で俯いたエルフが黙って部屋を出る。

 なんだ?
 ここはどこなんだ?
 どうして、エルフがここに居るんだ?

 …………それより……俺は?

「誰……だ?」

 言葉も分かる、今まで過ごしたこの国の名前も、一般常識も欠けてはいない。

 が……自分の事も、ほんの5分前まで自分が何をしていたのかも思い出せない。

「なんだ? なんなんだよ? ……エルフか? さっきのエルフなのか?」

 自分と関わった記憶は無いはずなのに、エルフという言葉に喚起される恐怖が自分の中に確かに存在した。

 自分の中に存在するはずの、自分の過去。
 失われるはずの無いそれが、どれだけ記憶を探ろうと見つからない。

 何を信じたら良いのか分からない。
 悪い夢を見ているような感覚、しかし俺は今間違いなく目覚めている。

 気が狂ったのか?
 どことも知れぬ場所で、これから先どうやって生きていく?
 思わず叫びだしそうな自分を必死に押さえているその時、

「大丈夫ですか?」

 何処かで聞いた事の有る声が俺を救う。

「あ……あなたは……じょ、女王へ……」

 陛下、そう綴ろうとした俺の唇が、柔らかい指先で封じられる。

「アン、そう呼んで下さいまし、以前……そう言いましたよ? 使い魔さん……いいえ……サイトさん」

 ……俺の……名……なのか?

644:2/7
08/02/14 01:06:11 RwhNtM76
「記憶は大丈夫ですか?」

 優しい瞳がじっと俺を見つめるだけで、無意識のうちに膝が折れその場に跪く。
 この人は女王陛下だ、間違いない。
 穴だらけの俺の記憶、その中でも消えてなかった一般常識が、
 この方の素性を俺に知らせる。

「……大丈夫なのですか?」

 恐れ多くて声が出ない。
 緊張で喋れない俺の頬に、軽く冷たい感触が触れる。

「じょ、女王陛下っ」

 俺の頬に触れるのは、緊張に震える陛下の両手。
 逃れようとする俺の頭が優しく抱きしめられ、何も考えられなくなった。

「良いのですよ、もう何も考えなくても良いのです。
 帰れなくなってしまったのですもの、昔の事など忘れたい。
 そう仰ったのは貴方自身です」

 頭の奥が痺れるような、甘い衝動に身を任せたまま、
 陛下の言葉を繰り返す。

「帰……る?」
「あぁ……忘れてしまったのですね。少し……長くなりますけれど、
 わたくしが教えて差し上げますわ」

 それは、とても信じられない話。
 俺は異世界から無理矢理連れてこられたのだと、苦難の末に見つけた帰る方法は、
 自らの主の手によって破壊され、最早俺はこの世界で暮らすしかなくなった。
 悲嘆にくれる俺は、記憶を消すことの出来るメイジに、全ての過去を消し去るように頼んだと言う。

「あの……ど、どうして陛下……が?」
「貴方は、わたくしの英雄ですもの、
 覚えていませんか? アルビオンかの地にて、貴方は7万の大軍を退けました。
 思い出してください、貴方は彼女の為に…………それなのに……」

 アルビオンの退却戦……聞いた事が……有る……あれは……俺が?

「ええ、貴方は英雄なのです。この国において、わたくしですら敬意を払う。
 他に代えようも無い貴人です」

 いつの間にか跪いた俺と陛下の視線が同じ位置に有った。
 陛下が俺を抱きしめてくれる。

 ……俺は……英雄なんだ。

 空っぽだった俺の中に、ゆっくりと自信が満ちていった。

645:3/7
08/02/14 01:06:33 RwhNtM76
 生きていくことすら困難に思えていたのに、『アン』の助力があるのなら。
 ようやく一息吐き、周りを見回す。

 ……窓の外の景色を見慣れないのは当然で、ここは……

「王城?」
「ええ、そうですわ」

 優雅な身のこなしで、音もなく立ち上がった『アン』がそっと俺を引き起こす。
 恐る恐る立ち上がった俺は、『アン』と微笑を交わした。

「貴方にプレゼントが有るのです」
「プレゼント?」

 王族から送られるもの……
 想像もつかなかった。

「とーっても素敵なモノですわ」

 『アン』が俺の手を引いて、人気の無い廊下を進む。
 夕日に照らされた廊下を、二人きりで歩く。

「貴方を裏切ったモノを、用意しましたわ」
「うら……ぎり?」
「貴方の帰り道を奪った女です」

 ……俺の過去を捨てさせた原因。

「貴方のお好きになさってくださいましね」

 『アン』が開いた扉の向こうには一つのベットが有って……

 ―髪の長い女が、拘束されていた。

「これが『ルイズ』です」

 ルイズには聞こえない大きさで囁かれた声に押されるように部屋に滑り込んだ俺の脳裏には、

『貴方のお好きになさってくださいましね』

 その言葉だけが響いていた。

646:4/7
08/02/14 01:07:08 RwhNtM76
 豪華なベットの上に目隠しの上からでも自分の好みだと分かる女が、黒い革紐で拘束されていた。
 両手両足から一本づつそれぞれベットの四隅に伸びていて、大の字に寝かされたルイズ。

『貴方のお好きになさってくださいましね』

 コレ……を……好き……に?

 後ろを振り返ると、アンはもう居ない。
 しかも扉もしっかりと閉じていた。
 つまり、人目を気にする事も無い。

 ふらふらとルイズに近寄る。
 王城に相応しい、高価な絨毯が俺の足音を完璧に消し去っていた。
 目隠しまでされたルイズは、俺がこんな側に居ても気付かない。

「お前が……悪いんだ」

 だって、陛下がそう言ったから。
 王の言葉に間違い等ある筈も無いのだから。

 これからの自分の行動を正当化する言葉に、ベットの上のルイズは暴れだす。

「んっーーーー、んっんんんんっ」

 ……往生際の悪い女。

 薄い高価そうな寝巻きを……

「ちっ……」

 両手が拘束されていたら脱がせることが出来ない。
 何か無いか? 周りを見回す俺の目に、サイドテーブルに乗せられた鋏が写る。
 流石陛下、周到な事だ。

「これで……、楽しめそうだな」
「んっ……んんんっ! んんんっ」

 ジタバタと暴れるルイズをよそに、薄い胸元から鋏を入れる。
 ジャキジャキと響く音に、ルイズは身体を硬直させる。

「暴れたらどこが切れるか分からないな」

 聞こえる様にそう呟いてから、冷たい鋏を直接身体に押し付ける。

「ひっ……」

 たっぷりと時間かかけて、抵抗する気力を根こそぎ奪う。
 楽しい。
 記憶は無いと言うのに、どうすれば相手の心を砕けるのかを、
 俺は十分に知っているらしい。

 乳首を摘むように挟んで動きを殺したまま、空いている手を下着の中に滑り込ませる。
 言葉で嬲りながら、温度と感触を楽しむうちに、我慢が……

「あぁ、そうか……我慢なんかしなくて良いんだっけ」

 俺は好きにして良いんだ、何しろ俺は王すら敬意を払う英雄。

647:5/7
08/02/14 01:07:31 RwhNtM76
―夜も更けてから学院に戻ると、ルイズさんとサイトがずっと待ってくれていた。

「おかえりなさい」
「おかえり、テファ」

 二人のお出迎えがとっても嬉しい。

「ただいま、サイト、ルイズさん」

 ルイズさんが目を細めながら、『サイトが先?』って言ってる……
 次は気をつけよう。

「姫さま、何の用事だったんだ? テファ」
「うん、あのねサイト……」

 この国の女王は、とても優しい人だと分かって、凄く嬉しかった。
 わたしの魔法に、こんな使い方があるなんて、思いもしなかった。

「あのね、聞いてサイト、凄いの、わたしの魔法が自分の身を守る以外ではじめて役に立ったの」

 陛下に引き合わされたのは、重犯罪者だっていう男の人だった。

『彼の罪を許すことは出来ませんが、やり直す機会を与えてあげたいのです』

 そういって、その人の過去を全て消して欲しいと頼まれた。
 悪い事をした人でも、過去のしがらみを切って、遠くで真面目に働かせてあげたいと。
 どんな人でも、これからはやり直す機会を与えてあげられると、

『貴方のお陰ですね、ティファニア』

 そう言ってくれた。

「この国の人たちはみんな幸せね」

 そう言ったわたしの言葉に、サイトもルイズさんも、自分の事のように喜んで……

「姫様はいい人だよ」
「自慢の幼馴染ですもの」

 優しい人ばかりのこの国が、わたしはまた一つ好きになった。

648:6/7
08/02/14 01:08:08 RwhNtM76
 『ルイズ』を十分に味わった俺は、ようやく少し落ち着いて部屋を見回す。

 質素な部屋だった。
 部屋に使われている素材は高価なのに、調度品が少ないのが妙だ。

『貴方のお好きになさってくださいましね』

 そのあとどうすれば良いのか、陛下に聞くのを忘れていた。
 まぁ……いいか。
 なにしろ俺は英雄らしい、好きにさせても……

「貴様っ、何をしているっ!」

 見慣れない服を着た女が、問答無用で切りかかってくる。

 はっ、笑わせてくれる、7万の大軍と互する俺が……
 容易く避けて見せたはずなのに、突き抜けるような衝撃に身動きが取れなくなる。

「誰かっ、誰か集まれっ、陛下の部屋に曲者だ!」

 ちょっ、待てっ、俺は……俺はっ……

「お、俺は英雄だっ、サイトさまだっ、お前らっ、軽々しく俺にっ!!」
「嘘を吐けっ、サイトはもっと若い! この国の恩人を語るとはなんと不貞なっ!」

 は?
 アニエス隊長と呼ばれる女の言葉に、俺の思考は完全にストップする。
 次々に集まってくる女達、どうやら彼女達は近衛らしい。

 ……俺が……サイトじゃ……な……い?

 じゃあ、俺は誰なんだ?
 不安で世界が壊れそうになる中、最後の希望が部屋に現れた。

 ―アンだ。

「何が有ったのですか? アニエス」
「申し訳有りません、陛下。陛下の部屋でこの者がメイドを……」

 メ……イド?

 部屋をゆっくりと見回したアンが、真っ直ぐに……
 ベット……へ? あれ? ちょっと? ちょっと待ってくれ、俺は? 俺の所に来ないのかよ?

「かわいそうに……大丈夫?」
「へ、陛下……わ、わたし……わたし……」

 ドレスが汚れるのにも構わず、優しく優しく傷ついた女を慰める陛下。
 
 ……ちょっとまてよ……まってくれよ、なんだよ? なんだよそれは?

「お前はこっちだ」

 冷たい声で宣告され、ずるずると部屋から引きずり出される。

「へ、陛下……お洋服が……お洋服が……も、申し訳有りません」
「いいのです、わたくしの服も、わたくしも、貴方達国民の為に有るのですから」

 遠くで話し声が聞こえる。
 …………それで……俺は、いったい誰だったんだ?

649:7/7
08/02/14 01:08:42 RwhNtM76
「奴は貴族の政治犯でした」

 あの男は、幾つもの条件に適合する者のリストの中から、アニエスが自ら選んだ男。

「独房の中に居たはずなのですが、何者かの手引きで脱獄していたようです」

 誰にも気付かれぬよう、証拠の一つも残さぬよう、慎重に連れ出したのはアニエス。
 欲望が加速するようにと、記憶を奪う前に一服盛ったのも。

「彼の家の方はどうしましたか?」
「事の次第を説明の上、厳重な注意と……この件の『けじめ』について連絡しておきました」

 全ては陛下の指示のまま。

「問題はそれだけでは有りませんよ、アニエス」
「はっ、場所が陛下の部屋である事から、今回の凶行の目標は陛下で有った可能性が高いと思われます」

 既に貴族派の一部が、アニエス達に責任を取らせようと暗躍を始めていた。

「警備を……見直さねばなりませんね」
「その通りです陛下……例えば……」

「「信頼できる第三者によって、内部から問題点を指摘してもらう」」

 貴族や近衛の息が掛かっていない者。
 反対派の意見を封殺できるだけの、『名誉』を持つ者。

 ―女王が絶対的に信用できるもの。

 つまり……

「「アルビオンの英雄」」

 全ては彼を側に置くための……

 無言で下がるアニエスを眺めながら、アンリエッタは強く自分を抱きしめる。

『早く……早くいらして下さいまし……』

 王としての職務に、自らの心が砕き散らされる前の最後の希望。

 ―ひとりは、さみしいの、はやく、あいに、きて。

 凍える季節ではないというのに、アンリエッタの身体は自然に震えだす。

 貴方に会いたい。

 はらはらと涙を零しながら、何時までもそこに立ち尽くした王は求めるものの到着を狂おしく待った。


 全ての事は計画通りに流れ、哀れな犬が罠に落ちるまで、あとほんの数日。
 王は望みのものを一撃で手に入れるための牙を、ただ砥ぎ続ける。
 その肉を喰らい尽くす日を夢見て。

650:名無しさん@ピンキー
08/02/14 01:10:50 RwhNtM76
13巻出る前に書いていたのに、どうして今までHDDに眠っていたのでしょう>続き書くつもりだったから。

どーしよーもなくなさそうだから、やっぱやめで。
誰も不幸にならないお話がいいですねー。

ほら上のも、メインキャラ誰も酷い目に会ってないし。ではまた、近いうちに。

651:名無しさん@ピンキー
08/02/14 01:52:31 +COfccc5
じゃあもってくんなよ

652:名無しさん@ピンキー
08/02/14 02:01:13 E85LNKYi
覗き見まだいんのかよ
とっとと出てけぼけ

>>650


653:名無しさん@ピンキー
08/02/14 02:56:18 +o5Hr2DJ


654:名無しさん@ピンキー
08/02/14 04:35:41 Lxa9trNq
>>640
けしからん 小さい子を調教するなんてまことにもって(ry
>>650


655:名無しさん@ピンキー
08/02/14 08:30:08 N+7XzVmV
乙~
黒アン怖ぇ

656:名無しさん@ピンキー
08/02/14 11:39:55 VSE0NQRh
お前ら今日何の日か覚えてる?
なんかあった気がするんだけど・・・

657:名無しさん@ピンキー
08/02/14 11:41:09 3K2XEZT1
血のバレンタイン追悼慰霊祭

658:名無しさん@ピンキー
08/02/14 12:20:55 So4sSiZy
黒アン様は良いですねぇ
それはさておきバレンタインデーでアン様はどうするんだろ?

しっと団を結成するマリコヌルと課w

659:名無しさん@ピンキー
08/02/14 13:16:49 +6JRk+ML
タバサならチョコ浣腸だろうが、アン様はどうかなぁ。
全身にチョコレート、とかなら、普通すぎて面白味が……。

660:名無しさん@ピンキー
08/02/14 13:20:42 7mwnXHBD
夢の中でリング上にルイズが立ってて、ルイズに話しかけたら、チョコ上げるからしゃがんでって言われてしゃがんだら
ルイズにシャイニングウィザードをやられて、その後ロープの方に寄せられて、619をやられてダウンしたところにチョコ投げられた

これは本命チョコ?

661:名無しさん@ピンキー
08/02/14 13:29:56 M+21wYgw
>>601
>>じゃあ四体目は人(獣以外?)を操る? とかなんとか
人だったら、器物のデルフがあそこまで危惧するかな?
操るものはおのが肉体、一度発現すれば周囲の敵をむさぼりつつ、おぞましく巨大な姿に変貌していく、とか

662:名無し@ピンキー
08/02/14 13:53:06 w+5YgT6d
それなんて不死のスタンド

663:名無しさん@ピンキー
08/02/14 18:02:31 5T5A1xek
大人は黙ってスルーする。

>650
久しぶりのヤンデレアン様分補給させて戴きました。

664:名無しさん@ピンキー
08/02/14 18:57:32 Z02FFPIE
>>659
街で適当に若い女を拉致してチョコをぶっかけて才人に貢ぐ乱交パーティーとか・・

あれ?そんなビッチじゃないよね?アン様(^ω^ ;)

665:名無しさん@ピンキー
08/02/14 19:54:17 uB/fhLoN
チョコを秘所に差し込み、「お受け取り下さいまし」とか言って自分ごと差し出す。

666:名無しさん@ピンキー
08/02/14 20:18:19 So4sSiZy
>>664
それはビッチじゃなくて鬼畜だろう

むしろ黒アン様がルイズ、シエスタ、アホ竜あたりをけしかけて何かするんでしょうよwww

667:名無しさん@ピンキー
08/02/14 20:27:13 B8aNZyq1
だがアホ竜はそこで斜め上を行く行動をすうと予想

668:名無しさん@ピンキー
08/02/14 20:27:21 Dn5B6vv4
>659
>タバサならチョコ浣腸だろうが、アン様はどうかなぁ。
>全身にチョコレート、とかなら、普通すぎて面白味が……。

全然普通じゃねーよw
その発想は、このスレに毒されすぎだw

669:名無しさん@ピンキー
08/02/14 20:33:49 sGJQtB/t
>>668
タバサチョコをサイトに食べてもらうSS希望・・・しません><

670:名無しさん@ピンキー
08/02/14 21:36:04 Ua6S5q5e
ルイズの胸にチョコ塗って、これが本当の板チョコっていうネt(ry

671:名無しさん@ピンキー
08/02/14 21:50:22 IkDSztLi
ルイズの体型についての議論があるたびに、カップサイズの問題を生み出す『体脂肪率』が非常に気になる。


672:名無しさん@ピンキー
08/02/14 21:51:58 5T5A1xek
それを言うなら、サイトに塗ってチョコバn(r

673:名無しさん@ピンキー
08/02/14 21:59:48 p37ZShBj
チョコ風呂ってのもあったな確かソー○で


674:名無しさん@ピンキー
08/02/14 22:01:03 GbR0bWbA
>>672
それいいな。
サイトの全身にくまなくチョコレートを塗りたくり、その後女たちが一斉に
舐めまくって(ry

675:名無しさん@ピンキー
08/02/14 22:07:11 So4sSiZy
>>674
フニッシュのホワイトチョコレートを誰が一番先に食べるかでひと悶着
黒アン様が策を弄してゲットしそうになるが斜め上のアホ竜に掻っ攫われて涙目な展開が・・・


だめだ、俺、毒されすぎてる・・・・

676:名無しさん@ピンキー
08/02/14 22:10:52 GbR0bWbA
>>673
これだな。
URLリンク(www.hakoneho-kowakien.com)

677:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:09:18 7mwnXHBD
>>676
調べたのかwww

ハルケギニアに雀卓が流れてきて、それを拾ったサイトがみんなに麻雀を教えて脱衣麻雀をするっていうのを
麻雀やってたら電波受信した

678:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:10:16 sXPPPPg+
麻雀である必要あるのかそれw

679:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:17:36 Fvn2fFXc
野球拳でいいんじゃ…

でも、ハルケギニアの服だと枚数少なさそうだから早く決着着きそうな気がしないでもない
テファなんか上と下着の2枚だけ…

680:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:24:25 7mwnXHBD
麻雀じゃなくていいなwww
ただ麻雀やってたら、ルイズだったらなかなか上がれなくて「な、なんで上がれないのよ」とか言うんだろうなって想像してたwww

イザベラと野球拳やってドレス脱がしたいかもwww

681:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:29:00 sXPPPPg+
「やっぱり私は天才ね、それロンよ」
「おいルイズ、それフリテンだぞ」

682:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:31:06 Fvn2fFXc
それでルイズは
「フッ…フルチンですってぇぇぇ??!!!」とか勘違いして叫んでしまうわけだ

683:林檎 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 23:31:20 BcK/voql
滑り込みセーフでバレンタインSSを投下させて頂きます。

家に帰ってきてから短時間で書いたので短いですが…

684:彼女の計画 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 23:32:01 BcK/voql
 それは丁度2月になったばかりの頃だった。
 私は図書館である本を探し回って色んな本棚を行ったり来たりしていた。
 探し始めてからもうかれこれ3時間は経過しているが、一向に目的の本は見つからない。
 そういう事に興味を持つ以前、というよりは彼とそういう仲になる以前に見つけて、その時はどうでも良いと捨て置いてしまったのが今になって悔やまれる。
「うー…、見つからない…」
 誰かが既に持ち出してしまったのだろうか?もしそうだったら絶望的。
 私は半ば諦めながら本棚に寄りかかる。その拍子に本棚がぐらりと揺れ、上から数冊の本が落ちてきた。
「いっ!ったぁぁ…」
 そのうちの一冊が私の頭に直撃して私は頭を押さえながら少し悶絶してしまった。
 片付けなきゃと思い、落ちてきた本に手を伸ばすが、取ろうとした本のタイトルを見て私は飛び上がりそうなほど嬉しくなった。
「あった…!」
 これをちゃんと読めば、彼をきっと喜ばせれるはず。
 私はその本を大事に抱えながら図書館をいそいそと出て行った。
「決戦は2週間後…」
 彼から聞いた、女の子が意中の人に愛を囁く日。
 そう、確か彼はバレンタインデーと呼んでいたはずだ。
 準備は抜かりないように、彼と最高のバレンタインデーになるように、私の計画は始まった。



685:彼女の計画 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 23:32:44 BcK/voql
 2月14日当日。空は晴れ渡り、とても気持ちの良い朝だった。
 前日無事に約束を取り付け興奮しっぱなしだった私は、なかなか寝付けなかったものの、何とか空が明らむ前には寝れていたと思う。
 ベッドから出てカーテンと窓を開けると、以前見かけた時と同じように彼は素振りをしていた。
 彼も興奮して早く起きてしまったのだろうか?もしそうだとしたら私は嬉しい。
 私は手早く何時もの服に着替え、杖とタオル持ち、前々から念入りに準備をしていた荷物をバスケットに積めて窓から飛び出した。
 少し驚かせてみよう。そう企んだ私はすぐさま呪文を小声で唱える。
「レビテーション」
 私の身体が重力に逆らうようにふわりと軽くなる。そのままふわふわと彼の元へ降りていった。
「サイト」
「ん?おわっ!?」
 彼はふわふわと降りてくる私を見つけると素っ頓狂な声を上げた。
 どうやら成功したようだ。
「いきなり上から降りてくるなよ…。それに…、パンツ見えてたぞ?」
 彼の言葉に驚き、私は地面に着地しているにも拘らずスカートを抑えてしまった。
 見られてたなんて…、ちょっと失敗…。
「サイト、約束覚えてる?」
「あー、あぁ…、覚えてるよ」
「じゃあ、今から出かける?」
 彼は顎に手を置きながら、うーん、と悩んでいる。約束はしていたけれど、こんな早い時間からでは迷惑だっただろうか?
 でも、出来れば彼と一分一秒でも長く一緒に居たい。
「…駄目?朝は何か予定ある…?」
「いや、ないよ。うーん…、分かった。行こうか」
 そう言って彼は笑いながら私の頭を撫でてくれた。
 きゅんと胸が震え、嬉しさと恥ずかしさ、色んな感情が溢れてくる。
 私はやっぱり彼のことが本当に好きなんだと改めて実感しているような気持ちだった。
「それにしてもシャルロット、凄い荷物だな。中は何が入ってるんだ?」
 彼は私が持っているバスケットが気になるのか覗き込もうとするが、私は背中にさっと隠す。
 これを見られてしまっては今日の計画が頓挫してしまう。
「ん…、着くまで秘密」
「気になるなぁ…。それじゃあ、着くまで楽しみにするかね」
「じゃあ、シルフィ呼ぶね」
 私は空に向かって口笛を吹いた。
 すぐに聞き慣れた羽音を響かせながらシルフィードが降りてくる。
 彼女にも今日の計画のことは話をしている。詳細を聞かせると、「お姉さまもやっぱり恋する乙女なのねー」なんて言いながら快く承諾してくれた。


686:彼女の計画 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 23:33:16 BcK/voql
「きゅいー。お姉さま、サイト、おはようなのー」
「あぁ、おはよう。朝からごめんな?」
「気にすることはないのねー。今度美味しいもの食べさせてくれればそれでいいのねー」
「大丈夫。ちゃんと用意する」
 私とサイトはシルフィの背中に乗り込んだ。
 シルフィはそれを確認するとすぐに上昇を始める。
「何時もの場所へ」
「はいなのねー」
 以前に使ってから、サイトとの逢瀬の時には頻繁に利用する例の泉の場所まで向かってもらう。
 私は何時も通り彼の膝の上に乗り、彼にもたれるようにして座った。
 彼も慣れたもので、私が座ると胸の下に両手を回して抱き締める様に私を包んでくれる。この時が私の一番幸せな時。
 素振りをしていたせいなのだろうか?少し彼の匂いが強いように感じる。
「ねぇ、サイト」
「ん?」
 私が頭を上に向け、彼を見上げると、にっこりと微笑みながら私を見つめてくる。
「サイトの匂いがする…」
 私は鼻先を彼の胸に擦り付ける様にしながら、胸一杯に彼の匂いを吸い込む。
「素振りしてたから、汗臭いだろ?」
「ううん…、そんな事ない。私は貴方の匂いが好き。こうして抱かれながら貴方の匂いを感じる事が出来て私は幸せ」
「はは、嬉しいやら恥ずかしいやら」
 彼は困ったような笑顔で私の頭をまた撫でてくれる。照れくさいのか少し乱暴に、だけど優しさが伝わるような感触に私は目を細める。
「サイト…、私…、んっ!?…ちゅっ、ん、ふぁ…、んん…」
 いきなりのキスに驚いたけれど、すぐに彼とのキスに没頭する。
 彼は丹念に私の歯や歯茎まで嘗め回し、舌に吸い付いてくる。
 私もそれに応えるように舌を絡ませていく。
「んふ…、ちゅ、んっ、んれろ、んちゅっ、ぢゅるる、んふあっ…、ちゅぅっ、ちゅるっ、んっ、ちゅっ…。」
 そのまま彼とのキスは泉に着くまで続いた。



687:彼女の計画 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 23:33:52 BcK/voql
「じゃあ、ごゆっくりなのねー。サイトー、お姉さまの事よろしくなのねー」
「あぁ、分かってるよ」
 2人が何かを話しているようだけど、私は長い時間のディープキスに頭の中まで掻き回されたようにとろとろになっていて、何を話しているのかあまり聞こえなかった。
「シャルロット、大丈夫か?」
 地面にへたり込んでぼんやりとした表情をしながら荒い息をついている私を心配したのか、彼は私の傍まで来て覗き込んでくる。
「う、うん…、らい、じょうぶ…」
 呂律が回っていないけれど、なんとか答えられた。
 立ち上がろうと思ったが、足が震えて力が入らず、それも叶わなかった。
「サイト、そのバスケット取って…」
「ああ」
 彼はバスケットを取ってくると私の前に置いてくれた。
「ちょっと、準備が、あるから、はぁはぁ…。サイト、こっち見ないで…」
「ん、分かったよ」
 彼が少し離れ、私に背を向けるのを確認してから、私は着ている服を脱ぎ始める。
 全裸になってからバスケットの中を開け、持ってきた物を取り出した。
 彼の居た世界ではチョコレートという物を用意するらしいけれど、それがどんな物か私には分からなかった。
 彼が言うには甘いお菓子という事なので、代用としてジャムを用意した。
 それともう1つ、3メイルほどある真っ白なリボンを自分に巻きつけていく。
 本に書いてあった事、私の身体をプレゼントとして用意し、彼にジャムを塗ってもらってそれを味わってもらう。
 欲を言えばクリームとかを用意したかったけれど、そうもいかなかったので何種類かのジャムを用意した。
 これならば、色んな味の私を味わってもらえる…。
 何度か転びそうになりながらも何とか私は自分の身体にリボンを巻いた。
 乳首とアソコにリボン当たって擦れるたびに声を上げそうになるが、声を上げてしまうと彼は確実にこっちを振り向くだろうと思い、必死に我慢する。
「ん…、っくぁ…、ひぅ…」
 快感に負けないように、歯を食いしばりながらリボンを結んだ。
 乳首は完全にぷっくりと硬くなって、溢れた愛液がリボンに染みを作っていく。
「サ、イト…、こっち向いていいよ…」
「ん、何やってたんだ?シャルロットおおおおーー!?」
 彼が中庭で上げたような声と同じぐらいかそれ以上の声で驚いている。
「今日、バレンタインだけど、チョコレートって分からなかったから…。代わりに、このジャムで私をたくさん味わって…?」
 何度も練習した台詞、何とか言えた…。
「シ、シャルロット…」
 彼はぷるぷる震えながら私を見つめてくる。
 もしかして、私は何か間違ってしまったのだろうか…?そんな不安が頭をよぎった。
「最高に嬉しいバレンタインのプレゼントだよ!!」
 良かった。失敗じゃなかった…。


 その後私は持ってきたジャムが無くなるまで彼に味わい尽くされた。
 サイト、貴方を愛しています。


688:林檎 ◆xkeoH47fcA
08/02/14 23:37:37 BcK/voql
以上です。
流石に短時間だったのでエロ無し&短いです…

バレンタインという事で甘い話にしてみました
時間あれば加筆修正してエロ入れたい…
でも、時間がない_| ̄|○|||
というか、小説書いてるのがバレt(略

689:名無しさん@ピンキー
08/02/14 23:39:44 OjJdiNoR
一番槍でGJ!です。
甘い!甘すぎる!!


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