【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27at EROPARO【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト456:名無しさん@ピンキー 08/02/08 21:21:42 0nMKvvTg >>455 ツンデレ魔法使い忘れてるぞw 457:名無しさん@ピンキー 08/02/08 22:00:45 Zmgunjz9 そんなの関係ねえ! 458:名無しさん@ピンキー 08/02/08 23:54:15 pqM16U3p >>454 言い得て妙だなwちょっと感動した 459:205 08/02/09 00:37:33 NppwrgYK http://wikiwiki.jp/zero/?27-192 不幸せな友人たち の続きを投下します。 サブタイトルは「キュルケ」。題名どおりこの人のお話です。 460:不幸せな友人たち 08/02/09 00:38:19 NppwrgYK あの雨の日も遠く過去へと過ぎ去り、ティファニアがデルフリンガー男爵領に来てから、ちょうど 五年の月日が流れていた。 周囲の風景は時間と共に移り変わっていくが、ティファニアの生活にはほとんど変化がない。 三日に一度は才人のふりをして手紙を書き、訓練された梟に持たせて城に届けさせる。ルイズから の返事がくれば、よく読んでまた返事を書く。それ以外は、本当に何もない生活だった。正確には、 それ以外は何もしようとしない生活だった。 あの雨の日以来、ティファニアは自分の気を紛らわせたり、罪の意識から目をそらす行為を一切し なくなった。ベッドの中で悪夢にうなされようと、罪悪感で胸が引き裂かれんばかりに痛んでも、寝 入るために葡萄酒を飲んだりはせず、ただじっと痛みを受け止めて眠れぬ夜を過ごした。罪悪感は起 きている間も襲ってきたが、そういうときも手仕事をして気をそらしたりはせず、黙って椅子に座っ たまま、胸を痛めて葛藤の渦に沈んだ。 一方、城の方でもさほど大きな変化はない。ルイズは相変わらず夫の留守を預かる妻として張り 切っている。その努力の甲斐あって、貧しい村は少しずつ活気づきつつある。さらに、貴族には珍し いほど質素な生活を営み、無理な要求もしないため、領民からの評判も上々だということである。 変わったことといえば、シエスタが弟のジュリアンを呼びつけて、城に住まわせるようになったこ とだ。買い付けなどの様々な雑用や、女には不向きな力仕事をさせるため、というのが表向きの理由 である。実際は、シエスタが自身の仕事を減らし、出来る限りルイズの監視に専念したいが為だった。 ジュリアンはたまに城周辺の見回りという名目で森に入り、ティファニアに日用品や食料などを届け てくれる。そういうときに、彼女は一度問いかけたことがあった。 「あなたはきっと、これから一生今のような生活を続けていくんでしょう? 私よりもまだお若いの に、よくそんなことを承諾できましたね」 彼は真面目な表情で答えた。 「僕は以前、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ殿に命を救われたことがあります。あの人がいなけ れば、僕は今生きていません。ですから、彼の願いを叶えるために生きるのは、当然のことです」 彼もまた、才人の存在によってその運命を大きく変えられた人間の一人なのだ。 (サイトは、一体どれだけの人の人生に影響を与えていたんだろう) ティファニアの記憶に残っているのは、能天気で明るい笑顔を浮かべた黒髪の少年の姿だけだ。だ が、彼が死んでもう五年も経つというのに、その存在は薄れるどころかますます濃く、日増しに大き くなってくるように思える。 ルイズが封じられた記憶を取り戻したことは、あのとき以来一度もない。降りしきる雨を見たり、 あの日のことを連想させるような物品に触れても、特に変わった反応は見せないという。 「だからこそ、不思議なんですよね。どうしてあのとき、ミス・ヴァリエールは記憶を取り戻してし まったんでしょう」 シエスタは首を傾げていたが、ティファニアにはその理由が分かる気がしていた 彼女が最初にルイズの記憶を消したとき、心の中には明らかな迷いがあった。その感情が、魔法の 効果を弱めてしまったのかもしれない。対して、あの雨の日はルイズの凄まじい怒りを目の当たりに した直後で、心が恐怖に塗りつぶされていた。あの怒りに滾る瞳から逃れたくてたまらなかった。だ から、自己防衛本能が全ての躊躇を消し去り、魔法を完璧な状態にしたのではないか。そんな風に思えた。 (どっちにしても、今はもうどうでもいいことね。私があのとき、自分の保身だけを考えてルイズさ んの記憶を奪ったことに、変わりはないんだから) ティファニアは今でもシエスタに呼びつけられて、夜半こっそりと城に忍び込むことがある。ニ、 三日中のルイズの記憶を消し、「長旅から帰ってきたサイトが少しだけ城に滞在し、また旅に出かけ た」という作り物の思い出を植えつけるためである。この企ても、皮肉なほど上手くいっている。 ルイズに魔法をかけるたび、ティファニアの胸は罪悪感でさらに重くなっていった。その重みで、 彼女は底が見えない泥沼に、どんどん深く沈みこんでいくのだ。 だが、そこから抜け出すつもりはなかった。自分はもう、その資格を永遠に失ってしまったのだと 思っていた。 燃え立つような赤毛を翻してキュルケがやってきたのは、そんな頃のことだった。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch