【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27at EROPARO【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合27 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト200:不幸せな友人たち 08/02/04 02:11:07 Iq5bFxPP 翌日、ティファニアはルイズの城館に潜入していた。昨夜は一睡も出来ず、体の調子は最悪だった。 だが、今日はどうしても、ルイズのことを見なければならないと思っていた。 彼女はテラスのある部屋にいた。開け放たれた扉の影から覗き込むと、テーブルの前に座って 熱心に何かを読んでいる様子だった。目を凝らすまでもなく、手紙を読んでいるのだと分かる。時折、 おかしそうに笑う彼女の息遣いが聞こえてくる。 「奥様、奥様……!」 慌しい声と足音がして、廊下の角からシエスタが姿を現した。扉の影に隠れているティファニアを 見つけて、息を飲む。二人はその場に立ち尽くしたまま、一瞬見つめあった。 「シエスタ、わたしならここにいるわよ」 部屋の中から、ルイズがのんびりと言った。シエスタははっと我に返り、こちらに向かって駆けて くる。横目で警戒するようにティファニアを見ながら、部屋に駆け込んでいった。 「あらシエスタ、どうしたの、そんなに慌てて」 「いえ……お姿が見えないものですから、勝手に城の外に出て行かれたんじゃないかって思って」 「違うわよ、後少しで面倒な仕事が全部片付きそうだから、ちょっと一休みしているところよ。 勝手にどこかに行っちゃうなんて、サイトじゃないんだから」 おかしそうな声に続いて、楽しげな会話が聞こえてくる。ティファニアは、扉の影に隠れてそれを じっと聞いていた。シエスタは一度部屋を出て、厨房の方に向かっていった。程なく、ティーセットを持ってまた部屋に入っていく。楽しげな会話が再開された。 やがて、ティーセットを両手に持ったシエスタが出てきた。今度はこちらを一瞥することもなく、 廊下の角に向かって歩いていく。すれ違ったとき、目に涙が浮かんでいるのが見えた。 再び、部屋の中を覗き込む。ルイズはまだ手紙を読んでいたが、やがて不意に立ち上がり、手紙の 束を胸に抱きしめて、テラスの方まで歩いていった。目を凝らすと、彼女の肩がかすかに震えている のが分かった。静かに涙を流している。 「よかった……サイト、無事で……」 呟きが耳をかすめる。美しい涙だ、と思いながら、ティファニアはそっとその場を立ち去った。廊 下の角を曲がるとシエスタが待ち構えていて、物問いたげな視線でじっとこちらを見ていた。 「もう、迷いません」 すれ違い様にそう言い置いて、ティファニアは裏口から城を出た。 獣道の家路を辿っていると、自然と自嘲めいた笑いが口元に浮かんできた。 (わたしは何を勘違いしていたんだろう。罪悪感や悪夢から逃れようとしたり、彼女のためだなんて 偽善者ぶってみたり、この記憶自体を忘れようとしてみたり、誰かに助けを求めてみたり……わたし には、それをする資格がなかったのに) 一晩考え抜いて、彼女が出した結論だった。 (わたしは罪人だ。一生許されぬ罪を犯した大罪人だ。わたしに出来ることは、ただ耐え抜いて、罪 を償うことだけ……ううん、罪を償うんじゃない、終わらない罰を受けるだけだ。だって、わたしの 罪は、償うことなんか絶対に出来やしないんだから) 静かに涙を流すルイズの姿が頭に浮かんできて、ティファニアは強く唇を噛み締めた。やがて、家 が見えてきた。家とも言えぬ小さな小屋。そこが、彼女がこれから長い時間をかけて罰を受けるべき 牢獄だった。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch