逆転裁判エロパロ第11法廷at EROPARO
逆転裁判エロパロ第11法廷 - 暇つぶし2ch500:ミツメイ
08/08/01 01:46:00 CCk3B3IK
「うんっ、くう、ふぅ、ううん、はぁ・・・」
くぐもった吐息が薄暗い部屋の中にひびく。
部屋の中にいるのはあどけなさの残る少女と、老齢に差し掛かったような外見を持つ男だ。
男は目を閉じ、反らせた胸の前で腕を組み、足を肩幅ほどに広げて立っていた。
少女は首に(犬の首に巻かれるような)皮の首輪をつけ、上半身を覆うレザーの黒いビスチェを着ていた。
しかしその下着に胸を覆うべきカップは無く、
その場所には、代わりに赤い荒縄が乳房を変形させるほどきつく縛り付けられていた。
胸を絞る事によって乳首は痛々しいほどとがっている。
乳房には玉のような汗が浮かび、とがった乳首はなにか塗りつけているのではと思われるほどピンク色だった。
少女は後ろ手に縛られ、たちひざのポーズで一心不乱に男の怒張をくわえ込んでいた。
ジュブジュブといった、唾液にまみれた口が怒張をこするときに出る音がいやらしく鳴り響く。

「ううん!」
時折思い出したように体が震える。
その原因は少女の股間に深々とささり、いやらしくうごめく物体であるに違いなかった。
秘所に埋め込まれたバイブレーターは、落ちないようにバンドで固定されている・・・。


501:ミツメイ
08/08/01 01:46:29 CCk3B3IK
「狩魔は完璧をもってよしとする・・・」
目を閉じ、詩でも吟ずるように男はつぶやく。しかし顔にはなんの表情も浮かんでいない。
「完璧な奉仕、完璧な悦び、完璧なまぐわい・・・」
「冥、狩魔家の一員であるからにはすべてに完璧を求められる事、わかっておろうな」
そういいながら狩魔豪は狩魔冥(!)のとがった乳首をつねり上げた。
「!!」
痛みに冥の歯が豪の肉茎を強くこすりつけた。豪の顔に怒りの表情が浮かぶ。
「痴れ者!何をしておる!」
豪は罰として冥の股間に刺さったバイブレーターの出力を最大にした。
「うううう!!はぁぁぁぁ・・・」
激しい秘所の振動に冥は思わず口を離してしまった。
長時間あごを使っていたため、流れでるよだれが冥の口からこぼれ落ち、床にしみを作った。
息がうまくできないのか、冥はだらしなく口を開けハァハァと細かい呼吸を繰り返す。


502:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:46:52 CCk3B3IK
「そのようなことで、完璧な奉仕ができると思うな。快楽におぼれてはいかん」
厳かな雰囲気で冥をしかりつけた後、一転して豪はやさしい声をだした。
「しかし、上手になってきたな、冥よ。これならばそろそろ誰としても恥ずかしい事はないであろう」
しかし、いまだバイブが秘所を刺激続けているため聞く余裕が無いのか、冥は荒く息を吐き続ける
だけだ。後ろ手に縛られているため、地面に手をつける事もできず顔が直接床についている。
豪の眼が怪しく光る。
(試すのによい相手がおる・・・)
かすかに口元をゆがめながらどのように計画を実行しようか豪は考え始めていた。


503:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:47:39 CCk3B3IK
うららかな春のその日、私、御剣怜侍は公私にわたるの師匠といえる狩魔豪検事の家に呼ばれた。
大学の春休みのため、数日前から狩魔冥がアメリカから帰ってきているらしい。
昔一緒に暮らしていたため、久しぶりに食事でもという事であった。(冥が腕を振るうとの事・・・)
日本にいたなら中学生であるはずの冥が、すでに大学生であるという。
しかし、彼女の資質と親の教育を目にしていた私には、驚くに当たらない。
・・・ところで冥が日本に帰ってきてから、初めて会う事になる。
私も検事にり、冥は勉強のためアメリカに残ったため一緒にいた記憶は数年前のままだ。
何年振りであろう。どのように変わっているかとても興味がある。

「よく来た。」
豪検事が自ら出迎えてくれた。険しい雰囲気を感じさせる凄みのある声だ。
私はもうなれてしまったが、初見の人はこの声を聞く事で緊張するであろう。
外見だけでなく、内面も恐ろしい人だ。
私はこの人のために人生を狂わされたものを少なからず知っている。
狩魔の完璧主義の犠牲者として・・・。


504:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:48:07 CCk3B3IK
リビングに案内される。今日はメイドがいないのか、豪検事が自らお茶の用意をしてくれた。
しかし、本来ならば今日のもう一人の招待者である人物の姿が見えない。どうしたことか。
「冥・・・さんは」
昔は冥と呼んでいたが、会うのもひさしぶりだ。とりあえず無難な呼び方をする。
「うむ、今は少々別の場所で準備をしておる。着いたばかりで申し訳ないが挨拶にいってくれまいか」
こちらから挨拶に行くとはどういうことであろうか。
疑問に思いつつも案内されるまま家の地下の扉に手をかけた。
扉を開けると明かりはついておらず、それまでの明るさになれた私の目には何もうつらない。


505:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:48:28 CCk3B3IK
・・・・・・・
・・・・・
・・・?
妙な・・・音がする。
何なのか・・・甲高い・・・虫の羽音のような・・・それに・・・
「ふぅうん、はあ・・・あは」
すすり泣くような・・・これは・・・声?
間違いない。これはあ、あえぎ声だ。ということは・・・。
「パチッ」
指を鳴らす音とともに部屋の明かりがついた。
鳴らしながら電気のスイッチを入れたのか。ご苦労な事だ。
私はそんな豪検事の茶目っ気に、(本人は大真面目なのだろうが・・・)
この場の異様な雰囲気も忘れ、少し和むような気持ちになった。
眩しさにくらんだ目が徐々に視界を取り戻す・・・。


506:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:48:53 CCk3B3IK
「めっ(冥!)」
私は絶句した。
私から見て正面に大きないすがあるのが確認された。
昔のヨーロッパの王侯貴族が座るような派手な装飾の大きなものだ。
そこに・・・裸の女が座っている。
足首はそれぞれのいすの足に革手錠で括り付けられ、手はいすの後ろに回っていて見えない。
そして、虫の羽音のような音の原因は・・・
股間を深々と刺し貫いているバイブレーターのモーター音だったのだ。
うなだれていて顔は良く見えない。が、どうも見覚えのあるような・・・。
いや、わかっているのだ。
信じられないが今私の目の前にいるのは、狩魔・・・冥。
私の斜め後ろに立つ狩魔豪検事の娘に他ならない。
人間は本当に驚くと妙に冷静になるらしい。
それとも私だけであろうか。思いのほか取り乱すことは無かった。


507:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:49:27 CCk3B3IK
「これは、どういうことですか、狩魔検事」
「フッ」
腕を組みうつむいているので表情は見えないが確かに笑ったようだ。
「今日貴様を呼んだのは他でもない」
「・・・」
「冥が日本に一時帰国した。であるから久しぶりに皆で食事をする」
「それは聞いておりますが、今この状況とどういう」
「冥ももう14歳だ」
「はい」
「狩魔家は14歳にして成人したとみなし、閨中の技を磨かなくてはならない」
「はぁ」
狩魔家というのはそんなに歴史のある家なのか?というか話に脈絡がない。
なぜセックスの技を磨かなくてはならないのだ。
「狩魔は全てにおいて完璧でなくてはならない」
呆けた私の顔が気に入らないのか、豪検事は表情を厳しくする。
「冥に手ほどきをした。今日、その技を実践に移さなくてはならん。
その相手として貴様を選んだという事だ。御剣怜侍」
なんだとっ!正気か?この親父!


508:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:49:53 CCk3B3IK
このような会話をしている間にも冥のあえぎ声は、間断なく聞こえてくる。
その声を聞いていると正直、頭が麻痺してくるかのようだ。
豪検事に導かれるままに、冥のそばへと近づいていった。
しかし・・・。まだ発達しきっていないとはいえ、胸はふくらみ、異物を差し込まれた秘所は大きく広がって、
充分に大人の女性の雰囲気が感じられる。
どのくらいこの状態でいるのだろう。肌には滝のように汗が流れ白い肌をつやつやと光らせている。
夢見心地のまま、私はテレビの中の風景を見るように客観的な気持ちでいた。
冥はいつ顔を上げたのか、こちらを向いて切なそうな表情を浮かべている。
部屋に入ったときには押さえ気味だった声も、今となっては我慢することなく出しているようだ。
ガチャリ・・・
足を拘束していた足枷を豪検事がはずす。はずされた足枷は床に重い音を立てて落ちた。
さらに後ろに回り手を拘束している手錠もはずしたらしい。
私は所在無くそんな光景を立ち尽くしてみていた。
両手両足が自由になった冥は立ち上がった。
それと同時に股間に差し込まれていたバイブレーターが落下する。


509:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:50:34 CCk3B3IK
「冥・・・」
声をかけてみてどうするつもりだったのだろう。私は。
今、これからどうするべきであるのか。
冥は私が手を伸ばせばふれられそうなくらい近くまでに来た。
豪検事が声をかける。
「さあ、怜侍、冥、見せておくれ。完璧なまぐわいを・・・」
そんな、人前でセックスなどできるものか!
ふと亡羊とした気分からさめ断ろうと思った刹那、冥が私に抱きついてきた。
「な、冥、放したまえ」
「レイジ、ああ、レイジ」
熱に浮かされているかのように、冥はつぶやいた。
「ねえ、して、もう、めちゃくちゃに、ねえ、わたし、もう、ダメ、なの、ねえ」
「落ち着け」
「ねえ、して。素敵なオチンチン頂戴。もう我慢できない・・・」
ぐ、ぐ、ぐ
「クックックッ。女にそこまで言わせて逃げ出しては男がすたるぞ。怜侍」
豪検事は忍び笑いをもらしてベッドを指し示す。
「ちょうど、そこにうまい具合にベッドがある。
大丈夫だ、冥は今日は安全な日だ。狩魔の完璧な計算によりわかっておる」


510:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:51:12 CCk3B3IK
「ねえ、レイジ。抱いてぇ」
もどかしそうに冥はズボンのチャックを下ろし、わたしのペニスを引き出そうと躍起だ。
それまで雰囲気に飲み込まれて元気の無かったわたしの息子だが、
冥にいじられているうちに充血しだすのを感じていた。
フム、悪くない・・・。
冥はかわいいし、妹のように感じている(冥に言わせれば私が弟のようだが)
とはいえ、女を感じさせるには充分な体だ。
父親が見ているというのが引っかかるが、どの道狩魔家に常識は通用しない。
なるようになれ、だ。
「クッ」
滑稽な気分になって思わず笑みがこぼれた。


511:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:51:38 CCk3B3IK
私は冥の腕を引き上げた。
「あん」
もう充分に高まっているのかそのような行為でも甘い声をだす。
手を引きベッドに投げつける。
ベッドに倒れこんだ冥はハァハァと荒い息をつき、顔をあげようとしない。
服を脱ぎながら私の感情がどんどんと高ぶる。
こんな事になるとは思っていなかったが、楽しませてもらおうか、存分に。
胸に手を伸ばす。まだ硬さの残る乳房を円をかくようにもみしだく。
半開きになった唇をなぞるように舌でなめた後、強く吸った。
舌を割りいれると、待っていたかのように冥も舌を絡めてきた。
唾液を送り込むと、むさぼるように飲み込む。
(冥との初めてのキスがこんなに濃厚なものになるとは・・・)
妙な感慨を持ちながら、胸の硬くなった部分に指を当てた。
乳房はまだ小さいが、乳首はすでに大きくなり大人であるという事を主張しているようだ。
軽くつまみあげる。こねくり回す。指の腹で押しつぶす。
「ふん、ふ、はん」
唇をふさいでいるため、冥は苦しそうに鼻から息を吐き出した。
声もつらそうだ。私は唇を離す。


512:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:52:04 CCk3B3IK
「冥」
「はい」
妙にしおらしく返事をする。常に無い事だ。面白い・・・。
「ずいぶんと感じているではないか。私はまだ胸をもんでいるだけだぞ」
肩を震わせ、ベッドに顔をうずめた。
「イジワル・・・」
(か、かわいい)
私自身もずいぶんと興奮しているらしい。
押さえがきかなくなり、うなじ、耳たぶ、首筋をむさぼるように強く吸い上げ嘗め回した。
「はぁ、はぁ」
私はいよいよ冥の大事な部分へと手を滑らせていく。思わず息が荒くなる。
淡く生えている繊毛を包み込むようになで上げる。
そんな何てことない愛撫にも冥は、体をしならせる。
「冥、冥、かわいいぞ」
つぶやきながら秘所に指先を触れさせた。
ぴくん。
冥の体がまた大きく跳ねる。
すっかり洪水だ・・・。
もともと、バイブで充分に高められていたのだろう。
冥の秘所の周りはあふれ出した淫液でぬるぬるになっている。
「これは、すごい・・・」
「いやぁ、いわないで」
私に悪い感情が芽生えている。もっともっと冥をいじめたい。
「だが、事実だ」
含み笑いをしながら耳元でささやく。
「あはん、はぁ」
ぶるぶると体をふるわせ、冥はいやいやをするように首をふる。


513:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:52:28 CCk3B3IK
「冥、いやがっているのか?ここはあとからあとから蜜があふれでてくるぞ」
半開きになった花弁を指でさらに開き、中指で割れ目をこすりあげると、
言葉のとおりぬるぬるした液体があふれでてくる。
指が、まだ未開発なクリトリスに触れた。まだ小さい。
私は皮をめくり敏感であろうその豆を、淫液をまぶした人差し指でやさしくなであげる。
冥は私の手首をつかむがその力は弱い。
「どうした、冥。やめてほしいのか」
いじわるな気持ちで私は冥に問いかける。
「いや・・・」
「どういやなんだ」
「あははははあん」
言葉を継ぎながら、わたしは指を細かく震わせてクリトリスを刺激し続ける。
「やめないで・・・」
「何?」
「気持ちいいのぉ、もっとしてぇ」
最高だ!大声で笑い出したくなる気持ちをおさえ、私は指を膣穴の中へと挿しこみ狭い膣壁を前後に動かす。
膣の中は熱い。そして絡みつく淫液がじゅぶじゅぶといやらしい音を立てる。
抜き取った指についた白濁した液を、冥に見せつけ、私は笑いかける。
「冥、もうとろとろだ。もうそろそろ良いだろう?」
冥は焦点の合わない瞳をこちらに向けて答える代わりに抱きついてきた。


514:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:52:50 CCk3B3IK
痛いほどにいきり立ったペニスを膣へと宛てる。
「いくぞ、冥」
冥は瞳を閉じてコクンとうなずいた。
「来て、レイジ」
ここまで夢中になって冥の体をむさぼっていたが、ふと豪検事のことが気にかかった。
私が顔を上げると豪検事は身じろぎもせず腕を組んだままこちらを見つめている。
その表情からは感情を読み取れない。
「ねぇ、レイジ」
じれたように冥がつぶやいた。
「す、スマン」
私は気を取り直し彼女にまた集中した。
ゆっくりとゆっくりと冥の中へと進入していく。
「はあん」
甘い声をもらしあごをのけぞらせるその仕草に、私の気持ちははやる。だが、あせりは禁物だ。
このままではすぐに果ててしまいそうだ。
慎重に奥へと到達すると、私は一度動きを止めた。
下になっている冥の背中に手を差し入れ軽く抱きしめる。
徐々に腰を動かしていく。
じゅぼっじゅぼっ、前後に動くたびに驚くほど大きな水音が聞こえてくる。
(せまいな・・・)
充分に濡れているにも関わらず冥の中はすこしきつい。
言い知れない気持ちよさが下半身に広がる。我慢できない。クッ、入れたばかりなのに・・・。
私も興奮しすぎているという事か。


515:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:53:13 CCk3B3IK
・・・・・
冥はまだ私の背中に手をまわし、足を腰に絡みつけしがみついた格好だ。
やってしまった・・・。14歳の子供に、しかも中出しを・・・。
いくら興奮してたとはいえ。
冥の体温を体に感じながら呆然としていていると、拍手が聞こえてきた。
「よくやった。怜侍、冥。・・・女がオーガスムに達すると同時に男が射精。完璧なセックスだ」
私が顔を向け目が合うと、狩魔豪はニヤリと笑った。
「これでこそ、我輩が見込んだだけの事はある」
この人は、狂っているのであろうか・・・?
実の娘を男にレイプさせた上、それを観察しているとは。
ふと我に帰ると得たいの知れない恐怖に急に体が冷える気がした。
「なぜ、そんな顔をしておる。貴様は私の期待に答えたのだ。胸をはるが良い」
「はあ・・・」
私は体を起こして、体に巻きついた手足をそっと引き離す。
ペニスがずるりと抜け出した。
冥の秘所からは、先ほどの情交のしるしである白い液体がどろりと垂れていた・・・。
そばにあったティッシュを渡すが、冥は呆けてしまっており受け取ろうとしない。
しかたがない。私はティッシュで後始末をした。

516:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:54:31 CCk3B3IK
豪が声をかける。
「冥」
「はい」
「お前はこの後の食事の準備をしにいきなさい」
「はい」
冥は素直に言葉に従い部屋を後にした。私を一瞥した後に。
歩く後姿が心もとない。
豪はクククと笑い、私に告げる。
「冥の作る食事はうまいぞ。完璧だ!存分に味わうが良い」
・・・黙れ、完璧主義者め。

食事ができるまでの間、また食事中も冥は一言も話をしない。
豪がたまに話を振り、私がぽつぽつと答えるという、
会話が弾みようも無いシチュエーションのまま時が過ぎる。
このような状況で味わう食事に味など感じられようはずも無く、
私はとにかく目の前にある皿をきれいにしようと努力する他無かった。
いや、正直に言うと多分おいしいのだろう。普段であれば。
しかし、鉛でも入っているのではないかと思われるようなこの胃の重さでは・・・


517:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:54:57 CCk3B3IK
時折味についてほめても帰ってくるのは沈黙だけだった。
なぜ、こんな事に・・・。
冥と結ばれた事についてはおおきく異議は無かったが(まだ早すぎるという気持もあるが)、
このような形で結ばれようとは・・・。
というか処女ではなかったし。処女かどうかが私の価値観に大きな影響をあたえるわけではないが、
だが今の状況から考えると初めての相手は父親ではないか?
だとしたら恐ろしいことではないか?

冥はこの事をどう思っているのか無言を貫いている。
・・・常識的に考えて、うれしかろうはずはないが・・・。
拷問のような時間はやがて終わり、私は狩魔邸を後にした。
結局冥は食後もほとんど言葉を発することはなかった。


518:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:55:35 CCk3B3IK
その後、私は事件の捜査で忙しく、冥はおろか父親の豪検事ともろくに会話も交わせぬまま3日が過ぎた。
今日は午後からの出でよかったため、私はコーヒーを飲みながら久しぶりにゆったりとした時間を持っていた。
しかし、このような時は、やはり冥とのあの日が思い出される。また、その後の冥の態度を。
「ピンポーン」
誰だろう?こんな朝早くから。
インターホンの音にモニターを覗き込むとそこには
「冥・・・」
私の部屋をなぜ知っていたのだろうか。いや、父親に聞いたのか・・・。
来た用件の想像はつく。


519:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:55:57 CCk3B3IK
「何か飲むか・・・」
招きいれながら聞く私に冥はにべもなく「結構よ」と答えた。
ぴりぴりとした雰囲気に包まれながら、とりあえずリビングのソファーをすすめる。
冥は、私の向かいのソファに深々と腰をしずめるなり皮肉交じりに口を開いた。
「お久しぶりね」
「まあ、久しぶりというかなんというか・・・」
「ご機嫌いかがかしら?」
「まあ、悪いというか良くは無いが・・・」
「忙しそうで何よりね」
「は、お気遣い痛み入る・・・」
こ、このような雰囲気はいやだ・・・。
どのように、話を切り出せばよいだろうか。
・・・・・・・・・・
な、何も思いつかない。ええい、ままよ。
「冥、今日の用件はなんだろうか」
いや、そんな事を言おうと思ったわけではないのだが、うまく言葉が見つからない。
冥はびっくりしたように眼を大きく見開いて私をみつめた。
だが、それは少々芝居がかっているように見える。


520:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:57:20 CCk3B3IK
「用が無ければ来てはいけないのかしら」
二人は用が無くても行き来するような仲ではなかろう・・・!少なくとも今までは。
普段の癖で机をたたきそうになり振り上げた手を、私は顔をかいてごまかした。
冥はしばらく無言で私を見つめていたが、やれやれというように大きなため息をついた。
「まあ、そろそろいじめるのはいいわ」
やはりいじめられていたのか、私は。
「この前の話なんだけど」
「それは、あのセックス・・・」
「当然よ、他に何があるというの」
ぴしゃりと言われて私は無言になる。
「レイジ・・・ あなた、その時私の中にだしたわよね」
?・・・ うム、たしかに。しかしそれは冥が腰に足を巻きつけたからであって・・・

冥は片目を閉じて人差し指を私につきつけ、左右にふった。
「あの日、私危険日だったのよね」
「な、な、な」


521:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:57:48 CCk3B3IK
なんだってー!!
「できてしまったのなら・・・責任をとってくれる?」
「そ、それは当然、そのように、あの、アレなんだが、いったいどういうことなのか」
狩魔検事は確かに排卵日ではないようなことを言っていたようだが・・・。
冥はくすりと笑った。眼は笑っていないが・・・。
「裁判に関わること以外でお父様の言うことなど、信じてはだめよ。レイジ。特に女性の体のことは」
そこで言葉をとめた後、冥はさらに衝撃的な事を(不思議と)楽しそうに話した。
「わたしお父様にうそついたんだもの」
「!!」
あ、頭がくらくらしてきた。
「冥」
「なあに?」
「君はまだ14歳で、その・・・結婚できる年齢ではないのだが。それでも産むというのだろうか」
さらに笑顔は凄みをました。神々しいほど美しく見えるなどと私は場違いな感想を持った。
うん、冥はたしかに美しくなった。
しかしどういう心境でそのような顔をしているのだろう。
「当然よ。あなた私をなめているんではなくて?」
「グッ」
なめているわけではないが・・・。というかなぜ私が彼女をなめていると思ったのか、
いや、やはりなめているのか、いや、そもそもなめるとはどういう事か。
頭の中を無意味な思考がぐるぐるまわりだした。


522:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:58:09 CCk3B3IK
数分間、私と冥は無言のまま見つめあった。
・・・不思議と心が穏やかになった。
しかたがない。もしもそうであるのなら、これも運命だ。
あの時に拒まなかった私も、どこかでこのようになることを期待していたのかもしれない。
だが、女性は怖いものだな。
「約束しよう。責任を取るという言葉は、私のプライドがゆるさない。結婚しよう。冥」
「あいかわらず、回りくどいわね。ま、馬鹿馬鹿しいプライドだけど素直に聞いておくわ」
そういった冥の顔は・・・とびきり綺麗で・・・また、恐ろしかった。
冥は、私を許してくれたのだろうか。しかし、そのような事を聞くのは野暮で、格好悪い。
私は、思い切って切り出す。
「め、め、め、冥」
「何よ、変な顔して気持ち悪いわね」
ぐぐ、萎えそうな気持ちを抑えつけて、言葉を継ぐ。
「冥、順番が逆になって、その、何だが」
「いらいらするわね、何よ」
冥の表情が険しくなる。
「その、好きだ、冥の事」
その時の冥の顔は私の恐れたようなものではなかった。
彼女が少女の頃によく見せてくれた屈託のない無防備な笑顔だった。
やっと、言えた・・・。そう、私は冥が好きなんだ。ずっと好きだったんだ。
冥はソファーから立ち上がると、テーブルを飛び越え私の胸に飛び込んできた。
私も強く抱き返す。
「私も、好きよ、レイジの事。ずっと、ずっと、好きだった!」


523:名無しさん@ピンキー
08/08/01 01:58:41 CCk3B3IK
「レイジ」
「なんであろうか」
「私、明日アメリカに帰るわ」
「そうか」
「また、連絡するわね」
「心得た」
「見送りはいらない。ここでとりあえずさよならね」
「それはどうしてか?飛行機の時間を教えてくれれば、見送りにいく」
「そうはいかないでしょ?検事は忙しいのよ。狩魔は完璧をもって・・・」
「よしとするだな」
二人で微笑みあう。やっと私にも笑える余裕ができたようだ。
「じゃあ、またね」
冥は私の唇に軽く触れるだけのキスをして、部屋を出て行った。
それだけか・・・?
ヤレヤレ、あの日のいやらしい冥と今日の強気でそしてどこかウブに見える冥はどちらが本当の冥なんだ?


524:名無しさん@ピンキー
08/08/01 02:00:42 CCk3B3IK
それから何回か文通のような事をして、それを上回る国際電話をしたが、
肝心の子供の話題は二人の間でなぜか語られる事が無く半年が過ぎた。
私が聞いてもはぐらかすのだ。
再び帰国した冥を豪検事のかわりに私が出迎えに行った。
おなかは特に目立たない。
「冥、子供は・・・」
「帰ってきていきなりその話題なの?おかえりは?」
冥は腕を組み小首をかしげて、少し私を見つめた。
そして皮肉げに笑うとこう言った。
「できてなかったわ。残念ね、レイジ」
そ、そうだったのか・・・。
「それとも、よかった。かしら?」
それは当然であろう。
一度腹をくくったとはいえ、14歳の若妻を迎え、その上子供までいるという状況は冷や汗が出る。
・・・と、思ったが、黙っておいた。
と、いうか黙らざるを得ない。
私は脱力のあまりめまいがして、たっているのがやっとだったからだ。
「もういちどいうわ。レイジ。おかえりは?」
「・・・お帰り」
その瞬間冥が私の胸元めがけて飛び込んできた。わたしは支えきれずよろけてしまった。
「ただいま!ずっと会いたかったの」
・・・いつだって冥は予想もつかないタイミングでまっすぐな気持ちをぶつけてくる。
そこがたまらなくいとおしいのだが。
「私も会いたかったよ。冥」


525:名無しさん@ピンキー
08/08/01 02:01:08 CCk3B3IK
「なぜ、今日会うまで教えてくれなかったのか」
私の非難をあしらうかのように、冥は足を交差させて気障にお辞儀をした。
「罰よ。あの時私に優しくしなかった。お父様の命令とはいえ、ね」
「ぐぐう・・・」
「半年間、やきもきさせてやったけど、まだ足りないくらいだわ」
「と、言う事はあの危険日という話は・・・」
「それは、本当よ。・・・だって、レイジの子ならできても良いと思ったんだもの」
屈託無くなく答える彼女に妙なすがすがしさ、気恥ずかしさを覚えた。
こんな調子で私は一生冥にはかなわないだろうな。
まあ、何にしても今後は事に及んだらゴムをつける事だ。(というかまだ14歳だって・・・)

「レイジの顔見てほっとしたらおなかがすいたわ。どこか食事に連れて行ってくれる?」
「わかった、何がいい?」
「せっかく久しぶりの日本だからおいしいおすしでも、ね!」
私の問いかけに元気に答えながら、冥は私に荷物を押し付けすたすたと歩き出した。
こういう所は年相応に見えるが・・・。
「早くー!レイジ」
私は聞こえないように小さくため息をつき、
でも浮かんでくる笑みをおさえられないまま前を歩いている冥をゆっくりと追いかけた。

-おわり-


526:名無しさん@ピンキー
08/08/01 02:02:20 CCk3B3IK
途中からコテハン抜けちゃってました。
でも復活させるのもおかしくなるかなと思って・・・すみませんでしたm(_ _)m
まあ、読むときはID抽出でお願いします。

527:名無しさん@ピンキー
08/08/01 03:18:03 xsB0gXt4
GJ!
おのれ豪め…御剣は役得ですな
冥タンもやられるだけじゃなく、子悪魔な感じもあっていい!

528:名無しさん@ピンキー
08/08/01 17:08:48 DsAPfEvE
GJ!!

529:名無しさん@ピンキー
08/08/01 18:50:00 Q09e0eGU
これはエロい
冥たんかわいいよ冥たん(*´Д`)
豪たん怖いよ豪たん(;´Д`)

530:名無しさん@ピンキー
08/08/01 23:05:45 L4krzpW6
GJ!!
異常で暗めなはずのシチュエーションにも関わらず
当の本人達は明るくて幸せ一杯そうなそのギャップが良い
調教済みの冥の色っぽさに萌えた

ただ、近親相姦要素(豪×冥)があるなら
事前にそれを警告しておいた方が良かったと思う
苦手な人も多いだろうからね

531:名無しさん@ピンキー
08/08/03 00:00:51 3DfqeBGy
14歳の冥タンがこんな淫乱に…
いやはやGJです

532:名無しさん@ピンキー
08/08/04 11:15:31 iBoCgM0e
 ミツメイいいね。ナルマヨもいい。王道で安心して萌える。
 意外とミツマヨもいい。のりのりでエロモードに入る気がする。
 ナルメイは嫌いではないけど、萌えない。メイはミツやノコみたいな
 感じの方が合うかな。。。

 マヨメイの百合もいい。
 最初はメイの方が攻めだと思ってたけど、実はマヨの方が攻めかも。
 マヨは女ばかりの環境で育ったから、エロに対して開放的で
 メイは豪たんに厳しく育てられたからウブ。

 

533:名無しさん@ピンキー
08/08/04 13:02:03 lfO13+iB
なにこいつ

534:名無しさん@ピンキー
08/08/04 13:12:25 CzxYjfJe
ナルメイは4設定がいいかな、大人同士の付き合いって感じで
ミツマヨはほのぼのコンビならいいけどエロは苦手

まあでもやっぱりナルマヨとミツメイがいいや

535:名無しさん@ピンキー
08/08/04 18:14:25 2tRqnqKu
4成歩堂なら冥の激烈ツンデレも余裕で受け入れそうだし
冥も齢食って多少は丸くなってるだろうから穏やかな関係を築けそう。
みぬきの存在も良い緩衝材になると思う。

536:名無しさん@ピンキー
08/08/04 18:50:31 ILEwJSY4
みつまよのエロダメかと思ったけど結構萌えた覚えがある
マヨイが好きってだけなんだけどね


537:名無しさん@ピンキー
08/08/04 22:12:53 RGWmQYKd
ナルマヨもミツマヨも好きだが一番はオレマヨ

538:名無しさん@ピンキー
08/08/04 23:57:56 muwtqWL0
久しぶりに逆裁プレイして、ミツマヨにハマった
2-4いいよね

539:名無しさん@ピンキー
08/08/05 00:25:13 cB1IycKX
ミツマヨとかナルメイとかどうでもいいしいらねーよ
ナルマヨをくれナルマヨを


540:名無しさん@ピンキー
08/08/05 00:28:31 0ABzJY/K
じゃあ543×マヨイで

541:名無しさん@ピンキー
08/08/05 09:00:51 uc/mm18S
マヨイでなにか変わり種な組み合わせが読みたい

一応メインヒロインなのに、カプになった相手の数で
メイどころかはみちゃんにすら負けてる現状はちょっと寂しいw
(まとめwiki及びサーチ調べ)

542:名無しさん@ピンキー
08/08/05 09:39:58 Ur6iRnbx
「オレじゃ、成歩堂さんの代わりにはなれないんですか‥‥?」

ベタだがオドロキだとやっぱこんな感じだろうか。

543:名無しさん@ピンキー
08/08/05 20:45:28 Mb2BXyl4
>>546
お、それいいねよろしく

544:名無しさん@ピンキー
08/08/06 03:09:00 DlQdnWgE
>>547
>一応メインヒロインなのに、カプになった相手の数で
>メイどころかはみちゃんにすら負けてる現状はちょっと寂しいw

冥は言わずもがなだけど、はみちゃんも隠れたモテキャラだよな
あの年にして妙に色気があるし末恐ろしい子だ
真宵は…まぁガンバレ超ガンバレ

545:名無しさん@ピンキー
08/08/06 09:46:26 6Y1jv43k
マヨイはナルホド以外との組み合わせが想像できんからな~。なんかあったか?
……あ、変化球でゴドー検事とチヒロさんの霊媒プレイとか。

時に、某所にアイドルマスターとのクロスオーバーMADがあったな。なんか妙~に出来が良かった。

546:名無しさん@ピンキー
08/08/06 21:57:57 p19BHaru
確かにない
イトノコとの絡みは好きだけどカプとは違うし・・・矢張はなんだかなぁ

547:名無しさん@ピンキー
08/08/07 19:52:20 HpC5Veue
真宵は法曹関係者じゃないからどうしても人間関係の幅が狭くなるな
ヒロインゆえに登場するほとんどのキャラと顔見知りなため
思い切った捏造をするのが難しいのもある

548:名無しさん@ピンキー
08/08/08 20:50:38 z3CFAN6v
ナルホド絡みで牙琉(兄)×真宵とか
暗い話になりそうだが

549:名無しさん@ピンキー
08/08/08 21:50:02 5Oov8t2A
マンガの4巻買った。
なんか、扉柄でミっちゃんとメイが仲良しですよ!?
本編にメイの出番はないんだが。

550:名無しさん@ピンキー
08/08/08 22:18:01 UpdfLYC3
真宵だと、コロシヤとかニボサブとかしか思い浮かばない
メインキャラ除いてね

551:名無しさん@ピンキー
08/08/09 00:59:24 JPiFv4Pq
マヨイはなー…親しい異性キャラが意外と少ないってのもあるけど
色気より食い気なキャラだから、それこそナルホドくらい
仲の良い相手じゃないと色っぽい話が想像しにくい気がする

552:名無しさん@ピンキー
08/08/09 18:15:28 weQ7AWAR
そこでレイプですよ。

でも真宵に凌辱はあまり似合わないような気がする。

553:名無しさん@ピンキー
08/08/09 20:42:27 tfHp5vom
真宵は本当に好きな男としかエッチしないだろうから
カプになるキャラが少なくなってしまうのは仕方ないと思う。
好きでもない男に迫られてもキッパリ拒絶しそうだし。
ただ、好きな男とするエッチに対してはかなり積極的だろうけどw

554:名無しさん@ピンキー
08/08/09 21:37:25 jeVOOnXx
なるほど納得w
本気で好きになる相手ってやっぱり本命はナルホドだけどミツルギとかゴドーでもいけるw
4キャラはちょっと想像できないけどあるなら見たいような気も

555:名無しさん@ピンキー
08/08/09 23:29:44 JPiFv4Pq
>>559
その点、メイは逆だよな
押しに弱くて雰囲気に流されやすい感じで
割と簡単に股開いてくれるからいろんなキャラと絡める

どっちが良いのか悪いのかw

556:名無しさん@ピンキー
08/08/10 01:02:35 aJhm5AQr
オドロキとナルホドが茜をみぬくと勾玉で責める話って、何スレ目にあったっけ?
まとめにはなかったとおもうんだが

557:名無しさん@ピンキー
08/08/10 05:03:21 Bw7K2xzI
はみタソ(ょぅじょ)マダー?

558:名無しさん@ピンキー
08/08/11 05:51:35 8bJ4byJJ
ナルアカ少ないな

つか4の再会シーンカットはマジないわと思った
蘇るやってる奴ならぜひ見たいイベントじゃないか

559:名無しさん@ピンキー
08/08/11 19:46:43 dVL44W5f
>>562
URLリンク(www23.atwiki.jp)

560:ミツメイ
08/08/12 20:43:41 fCGdmFdL
コインパーキングに停めた車のエンジンをかけたまま、御剣怜侍はややイライラしながら待っていた。

その人を。

そのモノを。

予想したより長い時間のあとで、向こう側の信号を渡る人ごみの中に、御剣は確実にその人を見つけ出す。
思わず両手を握り締め、御剣はエアコンの設定温度を2度下げた。
人ごみを抜けて、その二人はまっすぐ御剣の車に向けて歩いてくる。
キャミソールにホットパンツの狩魔冥は両手に一つずつ、その隣を、真夏もいつもの装束で一つだけの紙袋を提げて、跳ねるように歩いているのが綾里真宵。

二人が車に乗り込んでくると、御剣は眉間にしわを寄せてなるべく気難しい顔を作った。
「暑かっただろう。すまない」
助手席に座った冥は、大きな電器屋の紙袋を二つ、運転席の御剣に押し付けた。
「それに重かったわよ」
よく転ばないものだと思えるような踵の高い華奢なミュールを引っ掛けた素足を組んで、サングラスを外した冥が、さらにエアコンの設定を下げる。
「でも早めに並んでよかったですね、冥さん。整理券もらえなかった人もいっぱいいますよ」
「…バカバカしい。日焼け止めを塗ったのに赤くなったわ」
すらっと伸びた白い腕を撫でて、冥が不機嫌そうに言う。
御剣は今朝早くから、冥に隅々まで日焼け止めクリームを塗るのを手伝わされたが、そんなに焼けたくないなら少し露出を減らせばいいではないか、と言うのは我慢した。

「なにか冷たいものでも飲みたいわ。ね、真宵」
後部座席を振り向いて、冥が真宵に言った。
「そうですね、早く帰って遊びたいけど、でも喉も渇きました。だって4時間近く並びましたもんね」
「ほんっと、バカバカしい」
「…すまん」

今日は、トノサマン限定フィギュア付き新作ゲームの発売日だったのである。

どうしても手に入れたいが、自分で並ぶことに激しい抵抗を感じて悩んでいた御剣は、真宵に相談する。
しかし、あいにくゲームは一人一本しか購入できず、真宵は当然自分のために開店前から並ぶ気満々だった。
がっくりと肩を落とした御剣に、冥が言ったのである。
「じゃあ、真宵と一緒に並んできてあげるわよ」
「君がか?!」
「どうせ休日だし、構わないわよ。限定品なんでしょう、その、おもちゃのついたゲームは」
「そうだが、しかし、いいのか?トノサマンだぞ、ちょっと特殊な客がたくさん並んで買うのだぞ」
自分もその特殊な客の一人であることに気づいていない御剣の鼻先で、冥は人差し指を振った。
「かまわなくてよ。だって、そのゲームで遊びたいのは私ではないのだもの」
外野から見ればそんなことはわからないのだが、狩魔のプライドはそこが大事なのだろう。

ただでさえ学生が夏休みで、トノサマンゲームを求めて朝早くから行列を作る、と言う真宵のアドバイスで、冥は早起きして御剣に車を出させ、真宵を迎えに行って大型電気店前に並び、見事ゲーム本体と限定版のソフトを購入してきたのである。
車から降りると、真夏のむっとした空気が三人を包む。
冷房のきいたカフェに駆け込んで、御剣が車に残してきたトノサマンを気にしながらアイスコーヒーと、アイスティーとフルーツパフェを二つずつ注文した。
「…でね、整理券があたしたちのちょっと後ろでなくなって。電車で来て駅から走ってきたっていう人が汗だくで、整理券もなくて、かわいそうでしたねー」
パクパクとパフェをほおばりながら、真宵が嬉しそうに報告した。
「君たちは、よく整理券がもらえたのだな」
「まあね、トノサマンにかける情熱の勝利だよ!」
「狩魔は完璧なのよ。買いに行って買えないなんてありえないわ」
パフェのフルーツだけを選んで食べていた冥がふんと鼻で笑った。
「うむ、その、アレだ、真宵くんも早く帰ってプレイしたいのではないか?」
「そうですねー、あ、それ御剣検事の本音ですね?」
真宵が笑って、御剣は咳払いをした。
「私たちはまだこれから予定があるのよ。そうだったわね、怜侍?」
「…う、うむ」

561:ミツメイ
08/08/12 20:44:15 fCGdmFdL
カフェを出て、御剣は真宵を送るために車を出した。
そわそわしだした真宵が、後部座席で膝の上の紙袋を何度も覗き込む。
すでにゲーム機を持っている真宵はゲームソフトだけを買ったので荷物は少ない。
助手席では、冥が完璧な美脚を組んで座席を倒している。
そわそわと袋を覗き込みたい気持ちは、御剣も同じである。
御剣としてはまず、ゲームでトノサマンとアクダイカーンを戦わせる前にゲーム機の設置もしなければならない。

真宵を事務所に送り届けた後で、そんな御剣にはお構いなしで冥が脚を組み替えた。
「さ、約束を守ってちょうだい」
後部座席の紙袋に未練ありげな視線を送って、御剣は予定どおりブランドの路面店に車をつけた。
パーキングに回してくる間に、冥はすでにバッグと靴を数点ずつ並べさせて、手に持ったり鏡に映してみたりしている。
面積の少ない服地から惜しみなく伸びた手足に、編みカゴのバッグを持ち、お揃いのサンダルを履いている。
トノサマンゲームを買いに並ぶ変わりに、冥の好きなショップでなにか買ってやるという約束なのだった。
以前も何かねだられて店に連れて行かれたことがあるが、こんな布地の少ない洋服がなせこんな値段がするのかと驚いたものだ。

「でも、あなたは電器屋の前に並ぶことはできないけど、カードを出してサインすることはできるでしょう?」
…狩魔のロジックは、完璧だった。

夏らしいバッグも気になるようだったが、細いベルトの間から幅の狭い甲やピンク色の小さな爪がのぞくサンダルも似合う。
年頃の女の子らしく、あれこれと迷っている様子は、とても検事局の天才検事には見えない。
ついつい、御剣は冥に言ってしまった。
「両方、いいのではないか」
ぱっと冥が振り向いた。
「いいの?」
今日一番の笑顔で言われて、御剣は催眠術にかかったかのように店員にカードを渡し、サインをしていた。

マンションに帰るなりゲーム機の設置を始めた御剣のまわりを、新しいサンダルを履いて冥が歩いている。
「その赤いコードが逆ではないの?あなた、本当に機械オンチなのね」
説明書を見ながら四苦八苦している御剣の背中越しに、ひょいと冥がコードを引き抜いた。
「こんなもの、苦労してつなぐようなものなの?」
「…それなら、君がやればいいではないかっ」
思わずそう言うと、冥は御剣の背中に腰掛け、フローリングに座り込んでいた御剣は前のめりに潰れる。
「バカはバカなくせにバカな逆ギレをするものよ。本体の電源を入れなきゃ動くわけないじゃない」
「……む」
背中に冥の尻を乗せたまま手を伸ばして、本体のACアダプターをコンセントに差し込む。
「冥、そのままそこにいるつもりだろうか…」
「あら、私が重いと言うつもり?」
「いや、重いというか、軽くはないが」
「失礼ねっ」
どんなに軽くても、人間一人分の重みはそれなりにある。
ぺしっと御剣の頭を叩いて冥が立ち上がる。
よほど嬉しいのか、部屋の中でも新しいサンダルを脱ごうとしない。
一応、床を傷つけないようにと気を使っているのか、ラグの上を選ぶように歩いて御剣の隣にぺたんと脚を開いて座り込んだ。
特典のフィギュアを押しのけて、ソフトのパッケージを開けた御剣の手元を覗き込み、説明書の表紙に描かれているトノサマンのイラストを見る。
「面白いの、それ」
「うむ。前評判は高い」
「どんなゲーム?」
聞いておいて、御剣の説明には耳を傾けようとはせずに、冥はコントローラーを適当に操作してゲームをスタートさせてしまった。
「う、いや、冥、すまんが私にやらせてくれないだろうか」
慌てる御剣にコントローラーを渡して、冥はくすくすと笑った。

562:ミツメイ
08/08/12 20:44:44 fCGdmFdL
「ほんっとに好きなのね。検事局の人間が見たら、評価が下がるわよ」
「…うむ」
「あ、トノサマンが出てきたわ。向こうにいるのは誰?」
「…うむ」
「なんか言われてるわよ。どうするの?」
「…う、む」
「危ない!もっと早く逃げなきゃ。あっ、ほらっ」
「…む」
「もう、ヘタクソね。ほんとにトノサマン好きなの?」
「……」
「私とどっちが好きなの」
「……」
「……」
「……」
冥が、コードを引き抜いた。
「うおぉぉっ?!なにをするのだ、冥!!」
真っ暗になったテレビ画面から、ようやく冥に顔を向けて、御剣が叫んだ。
「だって」
冥が不機嫌そうに膝を抱えた。
「つまらないんだもの。あなたは返事もしないし、私を見もしないし」
御剣は深くため息をついて、コントローラーを置いた。
ゲームにもトノサマンにも興味のない人間の前で、新作ゲームに何時間も熱中できるわけがないのだ。
ようやく手に入れたソフトならなおのこと、帰宅するなり夜通しプレイしたいなどと言ったら、鞭が空を切るだろう。

御剣はつま先にサンダルを引っ掛けてブラブラさせながら拗ねた冥に身体を向けた。
「悪かった、すまない。つい、夢中になった」
「…別に。楽しみにしていたんだから、いいけど」
「でも、君は退屈なのだろう?」
冥が手のひらで御剣の顔を叩いた。
「違うわよ。あなたがあんまりオタクなのを見て、びっくりしてるのよ」
「…ゲームをやるくらいでオタクはないだろう。私も普段はやらない」
「普段はやらないくせに、トノサマンだというだけで本体ごと並んで買ってくるのがオタクだっていうのよ」
冥が今度はつま先から落ちたサンダルを拾って、御剣の頭を叩く。
「む、蹴ることはないだろう」
「蹴ったんじゃないわ、叩いたのよ」
「靴を手に持って叩くのは、蹴ったようなものだろう」
「靴で蹴られたい趣味でもあるわけ?昨日の被告人がそういう趣味だったわよ、駅のホームを全裸で走ったの」
「……このところ暑かったからな」
「そういう問題じゃないわよ。その前にも女子高の寮に忍び込もうとしたらしくて、自宅からは大量に女性の靴が見つかって」
話題がそれてきている。
「夏は性犯罪が増える。君もあまりそんな格好でうろうろしてたら危ないぞ」
冥の気がそれたところで、そろそろとコントローラーに手を伸ばす。
「あら、どうしてかしら」
「腕も脚も出しすぎだろう。胸元も開きすぎだ」
冥がきょとんとして自分の服装を見下ろしている隙に、引き抜かれたコードを差し込む。
「そうかしら。たいしたことはないと思うわ」
完璧なラインの脚がすっと御剣の視界を横切った。
今度こそ、冥はサンダルのヒールで御剣が手に持ったコントローラーを蹴った。
ホットパンツの隙間から、ちらっと下着のレースが見える。
「む、なにをする」
「ほら、腕や脚ぐらいいくら出したって、あなたにはトノサマンの方がずっと大事なんだもの」
仕方なく、御剣はトノサマンをあきらめて、膝の上にある冥の足首をつかんでサンダルを脱がせた。

563:ミツメイ
08/08/12 20:45:19 fCGdmFdL
本当に歩けるのだろうかと思うほど華奢な足首だった。
サンダルを置いて、片手でふくらはぎを撫でる。
ほどよく筋肉と脂肪のついた、非の打ち所のない脚。
膝から太もも。
脚の付け根に近いところまで、まったく布に覆われず邪魔のない脚を、何度も撫でる。
冥がくすぐったそうに身をよじった。
「ちょっと、やめ、きゃっ」
なめらかな肌に触れているうちに、その気になってきた。
御剣は自分を蹴り上げようとしていた自由な方の脚をつかむと、そこに唇を押し付けた。
バランスを崩して倒れそうになった冥が、御剣にしがみつく。
「…なにやってるのよ、このオタク」
「なるほど、脚フェチといわれる人間の気持ちがわからないでもない」
ぱっと顔を赤くした冥が片手で御剣にしがみついたまま、片手で背中を叩いた。
「バカ、本物のオタクになるわよっ」
「いろいろあるのだそうだ。足首フェチ、ふくらはぎフェチ、太ももフェチ」
「バカバカバカ!!」
「だから気をつけろと言っただろう?夏は性犯罪が増える」
脚を引っ張られてラグの上に倒され、冥はそれでもまだ抵抗した。
「オタクは犯罪じゃないけど、強姦は犯罪よ。逮捕して起訴するからっ」
太ももを撫で上げて、キャミソールの裾から手を入れる。
「これはまだ強姦ではない、わいせつだ」
脇腹と背中に手を滑り込ませる。
「わいせつだって起訴するわよ!ちょ、んっ」
一度倒された冥が身体を起こしたところを、迎えるようにキスをした。
冥が驚いて反射的に身体をそらして、御剣が背中に回した手に支えられる。
「危ないではないか」
「…バカっ」
両脚を膝に乗せたまま、御剣は冥を二つにたたむようにして背中を引き寄せた。
「しかもノーブラだな」
「こ、この、性犯罪者っ!」
「心配するな。弁護士なら当てがある」
むき出しの鎖骨に口付けると、冥が御剣を押し返した。
「ね、ほんとに、ほんとにいや…」
御剣は手を止めて冥の顔を覗き込んだ。
「どうした?」
冥が脚を折って床に座り込み、乱れたキャミソールの裾を引っ張った。
テレビではメニュー画面でトノサマンが歩き回っている。
「だって、今日は暑かったし。外でずっと並んでたし」
両手で自分の二の腕を抱くようにして目をそらす冥を、御剣はもう一度ラグの上に押し倒した。
「そのままがいいというフェチもある」
「…バ、バカ!」
キャミソールをたくし上げて二つのふくらみの間に顔を押し付けると、いつもよりかすかに濃く薫る。
女心としては、汗をかいた後のまま、というのは抵抗があるのだろう。
しかし、いつもは神経質にシャワーを使った後でしか触れさせてもらえないだけに、御剣は余計に征服欲にかられた。
「こんな薄い服一枚で、何時間も列に並んだのか。回りは男ばかりだっただろう」
頭から引き抜くと、キャミソールは驚くほど小さなかたまりになった。
柔らかさと弾力に富んだ盛り上がりを手の中に収めて、その先端に舌先を当てる。
「いやだって言ってるでしょうっ」」
外から帰ったままリビングのラグの上に押し倒されて服を脱がされる、という状況に、冥があきらめの悪い抵抗を見せた。
「だが、それもまたいい」
「この、変態っ!」
「君がそんな格好をしているから悪いのだ」
言いながら、ホットパンツを下着ごと引き下げる。
「変態だのオタクだのフェチだのと、うるさいことを言うのはこの口か?」
「んっ」
着ているものが少ないだけに簡単に裸にされて、冥は御剣の口づけを受けた。
唇を固く引き結んでも、唇をゆっくり舐め回される。
空気を求めて開いたとたんに、進入を許してしまった。
「んふ、んっ」

564:ミツメイ
08/08/12 20:45:50 fCGdmFdL
舌を絡め取られ、その間も休みなく胸を揉みしだかれ、乳首が転がされる。
片手は脇腹を滑り降りて腰を撫でている。
「あ、ん…」
御剣が唇を離すと、冥が吐息を漏らした。
なかなか肝心なところへ届かない愛撫に、もどかしげに脚をすり合わせている。
「オタクでフェチの変態にキスされて、そんなに嬉しいのか?」
冥が下から御剣を睨む。
「フェチはあなたが言っただけで、私は言ってないわよ」
御剣はちょっと笑った。
わざと論点をそらして言い返している。
冥も本気で抵抗し続ける気はないようだ。
「うむ。起訴状にはそう書いてくれていい」
「んっ!」
お尻側から回した手がそこに達し、指が秘所を開く。
ベッドでもないところでこんな風にされることで、冥もどうしていいかわからず両手で顔を隠した。
指で優しくなぞると、かすかに湿っている。
御剣は足元に回りこんで、片手で両脚をまとめて上げさせた。
「丸見えだな」
「や、この…」
「変態、か?」
ベッドサイドのぼんやりとしたランプではなく、昼間の明るさの中でその場所をじっくりと眺め、舌を這わせる。
「あん!」
洗っていないことや明るい場所で見られていることが心理状態にどういう違いをもたらすのか、冥の反応がいつもより敏感だった。
御剣はわざとじゅぶじゅぶと音を立てながら、舐めたり吸い上げたりする。
「んあ、っ!」
小さな突起に吸い付くと、冥が腰を跳ね上げた。
周囲から回すように舐めたり、先端に向かって尖らせるように舌を使ったりしながら時々吸うと、どんどん愛液が溢れてきた。
「やあっ、あ、だめっ」
泉に指を入れて壁をなぞると、ヒダの部分が熱い。
顔を上げて見ると、乳首がつんと立っていた。
指で中をなぞりながら、その乳首を唇ではさむ。
「ん、あ、うん…っ、ああん」
ラグの上で冥が身をよじった。
御剣は手早く自分も服を脱ぎ、冥の足首をつかんで大きく広げた。
「やあん、あっ!」
すでに固くそそりたったものを押し当てて、何度かすべらせる。
「いつもより濡れてないか?」
煽るように御剣が言うと、冥が首を振った。
「バカ、もうっ…あっ」
ぐっと押し付けると声が上がる。
御剣としても、もう焦らす余裕はなくなってきた。
ラグの上とはいえ、フローリングの固さが伝わってくるのか、冥が両手を伸ばしてくる。
その手をつかんで身体を起こさせ、腰を支えて胡坐をかいた自分の上にゆっくりおろした。
「あんっ…」
苦しそうな声を漏らして、冥は御剣にしがみつく。
「や、こんなの、無理…」
言いながら、自分の中に御剣を飲み込んでいく。
「入ったではないか」
冥の背中を撫でてやると、しがみついたまま軽く御剣の肩を甘噛みした。
「…信じられない」
「入ったことがか?…痛いではないか」
強く歯を立てられて、御剣が顔をしかめた。
「こんなふうに、…することがよ」
肩に痕がつく前に、冥を引き離す。
「そうか。私は、新鮮でいいと思うが」
「なにがよ、バ…」
全部言う前に、御剣が下から突き上げた。

565:ミツメイ
08/08/12 20:46:32 fCGdmFdL
「きゃ、あんっ!」
近くのクッションを引き寄せてその上に冥を倒し、脚を抱えるようにして御剣は腰を打ち込んだ。
クッションのおかげで床の固さは解消されたが、厚みでのけぞるような形になり、腰を持ち上げられたまま揺さぶられて冥は声を抑えることもできなくなった。
「あん、やっ、あっ、ちょっ、そんな、あっ」
御剣のものが出入りするたびにぐちょぐちょと音が立ち、それが聞こえる恥ずかしさに耳をふさぐ。
「う、いい…、締まるぞ」
白濁したような汁が流れ出てくる。
いつもと違うシチュエーションに、御剣も背筋を上がってくるような快感が早く訪れる。
しかし、先にイクわけにはいかない。
御剣は冥の弱い場所を狙うように突いた。
「あっ、あ、ああん!」
冥の背中がいっそう反り返り、脚が突っ張る。
奥まで激しく突き上げると、そのままびくびくっと痙攣した。
かまわず御剣は自分のフィニッシュのために動く。
「…んあっ、や、もうっ」
イった後で激しくされて、冥が泣きそうになる。
「すまん、もう少し…く、うっ」
場所がリビングのせいで避妊具の用意がなく、駆け上がってくる限界で引き抜く。
冥の腹と胸に飛んだ。
「…すまん」
ティッシュを引き寄せてぬぐう。
クッションからずり落ちた冥が、息をついた。
「もう、ほんっとに、信じられない…。なにやってるのよ、もう」
「上の口はそう言っても、下の口はひくひくしてるが」
ぱっと首筋まで赤面した冥が脚を閉じ、身体に引き寄せるように丸くなった。
「バ、バカバカバカ!!なにほんとに変態なこと言ってるのよ!」
着ていたものが少なすぎてどこに行ったのか見当たらず、冥は敷いていたクッションを抱き寄せて身体を隠した。
「うむ。今のは、確かに変態だった」
「へ、変態と暴行で起訴だからっ」
「変態は罪ではないし、今のは合意だろう?」
「知らないわよっ」
ぷいっと顔を背けた冥の横顔に、思わず笑みがこみ上げる。
御剣は手早く服をかき集め、冥の腕を取って立ち上がらせた。
「脚が立つか?シャワーを浴びてこよう。それから」
よろめいて抱きとめられた冥が、スリープ画面になったテレビを見た。
「ゲームでしょ。…もう邪魔しないから、やりなさいよ」
御剣は背をかがめて、冥にそっとキスした。
「うむ。満足したら寛容ではないか」
「…バカっ」
真っ赤になった冥に脇をつねりあげられて、御剣が笑って逃げた。

フェチと変態を満喫した後は、オタクを楽しむことができそうだ。
冥のためのコントローラーをもう一つ買うには、並ばなくてもいいだろうか。

566:ミツメイ
08/08/12 20:46:54 fCGdmFdL
終了。

567:名無しさん@ピンキー
08/08/12 21:03:50 aa0239C2
GGGGGGGGGGGGGGGGJ

568:名無しさん@ピンキー
08/08/12 21:11:57 RtZCZrdZ
G-J!!!!!!!
大胆なカッコしてる冥タンハアハア
ヲタに惚れたのは不幸かもしれんが、多少御剣の趣味につきあってあげるものいいかもと
思ってしまったw

569:名無しさん@ピンキー
08/08/12 23:37:41 kEK26gze
ナルマヨを近いうちに投稿します

570:名無しさん@ピンキー
08/08/12 23:52:43 cHJRWQvp
GJ!!
某ツンデレの神様がダメオタクに説教するボイス集を思い出したw

571:名無しさん@ピンキー
08/08/13 15:30:01 SbjOt3Kv
ナルマヨもいいが、ナルアカが少ない・・・。
誰かナルアカ投稿してくれ!!
俺には書けん・・・。

572:名無しさん@ピンキー
08/08/13 21:55:58 GNs86zPS
大変良いミツメイをありがとう

573:名無しさん@ピンキー
08/08/13 23:46:20 eikm3pxT
ミツメイGJ!
「私の彼は特撮オタク」ってヤツか。
丁度もうすぐ夏コミだけど、それでまた揉めそうだなこの二人はw

574:名無しさん@ピンキー
08/08/16 02:27:02 FNtY/JJp
ミツメイGJ!
関係ないが、最初の真宵ちゃんの描写もかわいかった!

>575
wktk

575:名無しさん@ピンキー
08/08/28 14:26:44 mK8v330d
喫茶店ってあれで完結ですか?

576:名無しさん@ピンキー
08/08/29 15:22:12 CD2DAWEI
>>262辺りを見てると幸せになれるかも知れない

577:名無しさん@ピンキー
08/08/30 00:03:53 8sgb2GZF
GJ!

578:名無しさん@ピンキー
08/08/31 13:41:26 LivxOxin
幸せにはなったが、さらにあれが完結なのかどうか気になった。

579:名無しさん@ピンキー
08/08/31 18:39:14 G6LZG+9J
この流れで今まで読んでなかった喫茶店シリーズ読んで涙出た
確かに、あれで終わりなのかは気になる 綺麗だけど

でも人物描写とか色々凄くて…
執筆者さんここ見てたら凄いもの見せてくれてありがとうってお礼いいたい

580:名無しさん@ピンキー
08/09/02 23:24:08 Oeuh+f5J
喫茶店みたいに新旧キャラが和気藹々としてる話が見たい。
新キャラと旧キャラのカプ物でもいいな。

581:とりあえず今は名無し
08/09/06 02:39:56 8oq3Ji61
触発された。
よーしおじさんがんばっちゃうぞぉーな勢いで駄文を書いてみようかな?

582:名無しさん@ピンキー
08/09/06 03:55:28 JNWD29ho
>>587
ぶっちゃけキャラとカプによるな。

人気のあるキャラやカプならいいが、そうでない場合
スルーされたり叩かれたり荒れたりすることも保障は出来ない。
特にナルマヨ・ミツメイなどの人気カプの対立カプを投下するなら
それなりの注意と覚悟を持つべし。

583:名無しさん@ピンキー
08/09/06 23:34:44 hDs6WTFX
ぶっちゃけすぎだw
事実だからしょうがないけど

584:名無しさん@ピンキー
08/09/07 00:13:29 /M7ZRQvh
エロで逆転裁判なら何でもおkが一番なんだけどねー
いろんなカプもみたいよー

585:名無しさん@ピンキー
08/09/07 00:42:59 Fa0xR5BJ
自分の気に入らない物だから叩くとか幼稚すぎる
そんなバカ無視して好きなように書けばいい
いちいちカプにこだわるのはバカバカしい
色々な組み合わせがあってもいいだろ

586:名無しさん@ピンキー
08/09/08 14:29:04 VFYeQAso
まったくだ

587:名無しさん@ピンキー
08/09/08 15:50:01 WopKHnH9
でもやっぱりナルマヨかミツメイが一番読みたい

588:名無しさん@ピンキー
08/09/08 19:00:04 91FS0KtO
あくまで読ませてもらってるのに贅沢言い過ぎ
あんまり傲慢なこといってスレ過疎らせても損なだけだよ?

587さんみたいな人も気にしないで投下してくれたら喜んで読むし
自分に合わない組み合わせだったからってスルーできないで文句いうのは厨

589:名無しさん@ピンキー
08/09/11 15:15:55 qVx8yaqJ
真宵スレに落ちてるはみちゃんお赤飯ネタを誰か…誰か…!

590:名無しさん@ピンキー
08/09/12 00:32:57 m3uD+ZeA
流れをぶったぎる様ですが、ナルマヨを初投下させて頂きます。
携帯からなので文字数の関係で分割が多いです。しかもグダグダです。
駄文ですが、大目に見てやって下さると嬉しいです。

591:ナルマヨ
08/09/12 01:25:31 m3uD+ZeA
「お邪魔しまーす!」

普段は虚しい静寂に包まれ、住人である一人の男しか踏み入らないアパートの一室内に、明るく高い声が響いた。
いつも返事が返ってくる筈も無いのに、帰宅の決まり言葉を呟いては一人静かな夜を過ごす。
今日だって、普段と何も変わらないであろうと思っていたのだが。

先とは読めないものだ。
ぼくの助手である真宵ちゃんが、突然自宅に来たいと言い出した。
しかも既に、着替えや日用品を詰め込んだ荷物まで用意して。
用意周到な彼女は、こうなると自分の意志を意地でも貫き通す。
最終的には、やっぱりぼくが折れて自宅に連れて行く事になってしまった。
でもこうして実際連れて来てみれば、大して嫌な気はしない。
逆に嬉しいというか、不思議な優越感が湧いてくるというか。

どうぞ、とぼくが適当に促す言葉を無視して、彼女は下駄を揃えてさっさと部屋へ突き進んで行く。
溜め息を一つ漏らすと、ぼくも後へ続いて部屋へと足を運んだ。
鞄をやや乱暴にソファへ置いてネクタイを緩めながら、部屋を見回しては目につく物を物色する真宵ちゃんに声を掛けた。


592:ナルマヨ2
08/09/12 01:27:10 m3uD+ZeA
「真宵ちゃん、面白いモノなんて出てこないから」

「だって、こんなに散らかってるんだもん!何かあるハズだよ」

「何かって?」

「うーん、エッチな本とか」

「……ああ、そう」

表面では平静を装って呆れた様な態度を取ったが、内心ヒヤヒヤしていた。
つい最近、そういった類の物は処分したばかりだったのだ。
だからこうして彼女が幾ら探そうと、現れる筈は無い。
今回のまるで抜き打ちとでも言う様な突然の事を考えれば、本当にタイミングが良かったと思わず胸を撫で下ろす。

「うー…ないなあ」

「だから言ったじゃないか、面白いモノはないって」

「呼んだら出てくるかな…おーい!エッ…」

「わー!そんなコト大声で言うなよ、呼んだって返事するワケないだろ!」

言う前に慌てて遮り制止の声を掛ける。
隣人に聞こえでもしたら、変な誤解を招かれてぼくの立場やイメージはいかがわしいものに変わっていくだろう。
本当に何を考えているんだ、この子は。
予想も出来ない行動を毎回されて、常にあらゆる意味でドキドキしているこっちの身にもなって欲しい。

「ちぇ、つまんないの」


593:ナルマヨ3
08/09/12 01:28:11 m3uD+ZeA
真宵ちゃんは唇を尖らせて、飽きてしまったのか物色を止めてその場に座り込んだ。

「はいはい。もうこんな時間だから、風呂に入ってきなよ」

軽く受け流して散らかった書類を端へ退けて足場のスペースを作りながら、ぼくなりの片付けを始めた。
うん、と一つ返事をした真宵ちゃんは、ぼくの後ろで荷物をゴソゴソとあさり始めるも、やがて静かになり書類の紙が重なり合う音だけがやけに耳に障る。
不思議に思って振り向くと、着替えやタオルを抱え込み、彼女は正座をしながら待つ様にこちらをジッと見つめていた。

「…どうしたの?」

「待ってるの。なるほどくんを」

「え。それってどういう…」

「入るんでしょ?お風呂、一緒に」


少し考えを整理してみよう。
風呂へ一緒に入るという事は、タオル越しとはいえ男女が裸になって入る訳だ。
まあ、真宵ちゃんとは最近、弁護士と助手という関係から男女の仲になったんだけど。
今までの付き合いが長かったせいか、進展は早かった。
そういう意味では、別に一緒に入ったって何の問題も無い。
でも、今日一日の疲れを溜めたまま一緒に入るとなると…自分の奥に潜んでいる本能を理性で抑えられるか自信は無かった。


594:ナルマヨ4
08/09/12 01:29:36 m3uD+ZeA
「なるほどくん、何ぼんやりしてるの?」

油断していた。
ぼんやりとそんな考え事をしているうちに、彼女に流されていつの間にか浴槽に浸かってしまっていたのだ。
目の前では、髪も解いてバスタオル一枚を身に纏った真宵ちゃんがぼくの顔を覗き込んでいる。

「…いや、何でもないよ」

とりあえず、さっさと身体の疲れを取ってやり過ごせば何とかなるだろう。
真宵ちゃんはバスマットに腰を降ろして、シャワーを適温に調節し身体を流しつつ、ボディーソープを手につけて身体に塗り始めた。
ふと視線をやれば、シャワーで水分を含んだタオルは身体に密着し、長い髪は腕や首に纏わりつき、彼女の頬は室温により紅潮していて妖艶な演出をしている。
その光景から視線を離せずに、これは拷問かと妙な冷や汗が額に滲んできた。
これ以上は本格的にキツイ、理性が持たない。
何とか身体の向きを変えて壁と向き合う形になったかと思えば、更に真宵ちゃんが追い討ちをかけてきた。

「ねえ、なるほどくん。背中の方洗ってくれない?届かなくて」

「…知らないぞ」

「?何が?」


595:ナルマヨ5
08/09/12 01:30:50 m3uD+ZeA
向こうはそんなつもりで言った訳じゃないだろうけど、今のぼくには誘い文句にしか聞こえない。
キョトンとして不思議そうにこちらを見る彼女をよそに、立ち上がって浴槽からバスマットへ足を付けると、真宵ちゃんの背後に腰を据えた。

「じゃあ、洗うよ」

身を乗り出してボディーソープのポンプを数回押して液を掌で泡立てると、長い後ろ髪を泡がつかない様に腕で肩にかけておいてから背中に触れた。
だがタオルを巻いている状態なので、これでは背中の半分も洗えない。
手を前へ回して胸元にある折り目に指を掛けると、ゆっくりとタオルを巻き取った。

「え。ちょ、ちょっと、なるほどくん!?」

「タオルを巻いたままじゃ、上手く洗えないだろ?」

泡を背中全体に行き渡らせる為に手を上から下へとスライドさせた後、両肩に手を置いて掌でなぞる様に腕まで下ろす。
真宵ちゃんは、悪寒を感じるかの如く背筋を伸ばして身体を震わせた。

「な、何か…ヘンだよ」

「ぼく、真宵ちゃんの身体を洗ってるだけだけど。どうヘンなの?」

「あ…ッ」


596:ナルマヨ6
08/09/12 01:32:55 m3uD+ZeA
それを見計らって、秘部内へ中指を沈めていく。
真宵ちゃんの足が僅かに震えて、力が抜けていくのが分かった。
最初はゆっくりと指を上下させ、時折円を描いて掻き回す。
彼女自身の力でバランスが維持できないのか、ぼくにもたれ瞳を閉じて眉を寄せている。
唇を寄せようとすると、力が抜けた真宵ちゃんはもたれるばかりで、泡の滑りでぼくの肩からズルズルと落ちていく。
腕で支えるものの、どうしても泡で滑ってしまう。
仕方がないから、一旦指を抜き取りシャワーを手に取ると温めな温水を肩にかける。

「ちょっと流すよ?」

「ん…ああッ…」

真宵ちゃんの身体が面白い程に大きく跳ねた。
シャワーを左手に持ち替えて、今度は指の本数を増やして沈めながら、シャワーは秘部の突起へ刺激を与えている。
両足は既にぼくの腕を自由にさせて、小刻みに震えていた。

「もう、ムリッ…!」

荒い息遣いの中、絶頂が近付いている事を告げる彼女を察して、蛇口をしめて温水を止め、手の動きもピタリと止める。
寸前でお預けとでも言う様に動きを止められて、真宵ちゃんはもどかしそうにぼくを見つめた。

「身体、洗ったよ」


597:ナルマヨ6
08/09/12 01:37:11 m3uD+ZeA
こっちが先で、↑が5です。サーセン。

顔を寄せて静かに囁きながら、白く小ぶりな膨らみに手を移動させる。
指は使わずに掌だけで泡を擦り付ける様に寄せると、泡にまみれても分かるくらいに淡い桃色が自己主張を始めていた。
それを指で弾くと、真宵ちゃんの口からは吐息混じりの甘い声と共に、身体が小さく跳ねる。
左手では感触を楽しむかの様に膨らみを撫でたり包み込みながら、右手は徐々に下腹部へ下りて敏感な箇所を捉えた。

「なる…ほ…」

既に身体を洗うだけの事では済まないと、漸く気付いた様だった。
足を閉じてぼくの腕を挟み、身を捩らせ抵抗を見せ始めた。
けれどそれは逆に可愛らししく、色っぽく目に映ってしまう。
衝動が抑えられなくなってしまったぼくは、到底素直にこの行為を中断する事など考えられなかった。
今や真宵ちゃんの身体は泡を纏っている。
ぼくの右腕は真宵ちゃんの太股によって挟まれている訳だが、泡の滑りのお陰で容易に動かす事が出来た。
指で秘部全体を揺らす様に緩く刺激を与えると、かえってそれが案外良かったのか、くぐもった声が絶え間なく聞こえてくる。
愛撫も忘れずに暫く緩い刺激を与え続けていれば、やがて指に愛液が絡む。

598:ナルマヨ8
08/09/12 01:41:04 m3uD+ZeA
↑7だった…度々ごめんなさい。

今までの行為は無かったかの様にとぼけて見せると、紅潮させたその頬を膨らませて、不満そうに眉を潜めた。

「ズルイよ、分かってるクセに…」

「じゃあ、どうして欲しい?」

真宵ちゃんの言う通り、ちゃんと分かっている。
これは日頃のちょっとした仕返し。
いつも振り回されて、彼女に困らせられてばかりでは男として情けない。
まあ、こんな形でしか主導権を握れないのも些か情けないけど。
戸惑う真宵ちゃんを余裕の笑みを浮かべて見つめながら、次の言葉を待っていた。

「…良い、だったら何もしなくて良いよ」

「そう。…えええ!?」

予想外の返答にとてつもなく動揺してしまった。
まさか断られるとは思ってもみなかった、ぼく自身はもう手に負えない事になってしまっているのだから、今更どうにかなる訳でも無い。
…結局はこうなるのか。

「悪かったよ…。だから、続きをしても良いかな?」

「…それなら良いよ」

小さな声で相槌をうってから、うつ向いた。
真宵ちゃんの片足の膝裏に手を差し込んで少しばかり持ち上げる。
体制を整えると、腰を前へ押し出して少しずつ進入を試みた。


599:ナルマヨ9
08/09/12 01:42:32 m3uD+ZeA
息を詰め、僅かに表情を歪めながらもぼくを受け入れていく。
妙な愛しさが込み上げてきて、顎に指を添えて顔を向かせると唇を貪った。

「んんッ…」

唇を唇でなぞり半ば強引にこじ開け、自分のそれと絡ませる間に不意打ちを狙って下から揺さぶった。
驚いたのか、目を見開きビクビクと持ち上げていた足を痙攣させながらもすぐに目を細め、一瞬離された唇から切なげな吐息を漏らす。
ついに理性というものを手放して、唇を名残惜しく離せば本能に任せて徐々に動きを早くしていった。


「ふ、んッ、ああッ」

暫く浴室にリズムを刻んで響いていた声は断続的なものへと変わり、限界が近いのだと悟った。
ぼくも限界がすぐそこまで迫っている。
ラストスパートと言わんばかりに、更に足を持ち上げて最奥まで到達して動きを激しくすれば、真宵ちゃんは背をのけぞらせて絞る様な強烈な締め付けをぼくに与えて達すると同時に、その刺激に耐えきれず彼女の内へと欲望を放った。



「信じられないよ、なるほどくん」

「…ごめん」

「まさか、お風呂であんなコトするなんて」

「ガマンがきかなかったんだ…」

600:ナルマヨ10
08/09/12 01:43:35 m3uD+ZeA
情事後、今は二人して浴槽に浸かりながら、ぼくは真宵ちゃんに説教を食らっていた。
機嫌を損ねて頬を膨らませ横目で睨みつけてくる。
どんどん自分が情けなく思えて、罪悪感が募る一方だ。
そんなぼくの様子を知ってか知らずか、真宵ちゃんはポツリと呟いた。

「ちゃんと身体もキレイにしてから布団で、って思ってたのに…」

思わず口が半開きになりながら、その発言の意味を理解するのに少し時間が掛った。
呟いてから恥ずかしくなったらしく、湯気のせいもあるのだろうが赤面してしまっている。
浮かれてしまう程嬉しくなって、無意識に頬が緩んだ。もう良い大人なのに。

「まだチャンスはあるよ」

「え?」

「今からでも遅くないってコト」

「え。ちょっ…待った!」

「さっさと上がろうか、真宵ちゃん」

笑顔を絶やさずに優しくそう言うと、彼女を抱え上げる。
これは嬉しいという事もあるが、好都合だ。
ぼくの逆転劇は、これから始まるに違いない。

「異議あり!異議ありぃぃ!」

腕の中でジタバタと身を捩りながら、真宵ちゃんの抗議の声が狭い部屋中に響き渡った。

601:名無しさん@ピンキー
08/09/12 01:45:01 m3uD+ZeA
以上です。
途中ミス連発してごめんなさい、駄文失礼しました。

602:名無しさん@ピンキー
08/09/12 01:46:59 +qp3zScG
ふぅ・・・・乙

603:名無しさん@ピンキー
08/09/12 03:19:04 xMrbcIWg
携帯から乙でした。
楽しませて貰いましたw


604:名無しさん@ピンキー
08/09/12 10:22:49 l5dw8Smq
GJ!!!
かわいいなあ二人とも

605:名無しさん@ピンキー
08/09/12 14:19:02 WC5lTIYg
ほのぼのかわいい。
やっぱナルマヨはいいね。

606:名無しさん@ピンキー
08/09/17 10:16:12 R2B0c1Bo
GJ。
ナルアカ派の俺でも楽しめたwww


607:名無しさん@ピンキー
08/09/17 17:40:54 PKeIKn8S
皆に触発されて書いてみてるんだけど、無駄に長編になっててヤバイ。
Wordで40ページとかもう無理。
簡潔に、かつ読ませる力を持ってるって凄いんだなぁと実感した。
っていうかこういうの書くと自分の性癖もろバレだね。ハズカシスw

608:名無しさん@ピンキー
08/09/18 01:23:53 K85qbWTf
初めてハミトイトノコ物語読んだ。
事故と事故後の黒いポリ袋描写で心臓がドキドキしてマジ泣きした。
動悸がする

609:名無しさん@ピンキー
08/09/18 01:38:22 zx5OrDOf
>>613
zipで頂こうか…

610:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:18:02 IwS3yUGj
>>615
2~3日の内に書き上げてうpしてみる。
お手柔らかに…

611:名無しさん@ピンキー
08/09/18 16:03:01 IwS3yUGj
URLリンク(www.dotup.org)

zipってこうで良いのかな?

何しろハマってから日が浅いので、
キャラの性格とか把握出来てなくて申し訳ないです。

パスはgyakuten

612:名無しさん@ピンキー
08/09/18 16:05:15 LbzG5FRy
>>617
カップリング何?

613:名無しさん@ピンキー
08/09/18 16:09:15 IwS3yUGj
>>618
なるほど君と真宵ちゃんです

614:名無しさん@ピンキー
08/09/18 16:17:09 LbzG5FRy
>>619
ありがとう
じっくり読ませていただきます

615:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:14:07 zpcvDYIW
>>617
ありがとう、真宵ちゃんのいじらしさに萌えた。
エロなのに何か読後感がほっこりしたよ、GJ!

616:名無しさん@ピンキー
08/09/19 00:25:42 jBUT153h
>>617
面白かったよー、GJ!
てか、最近身内でかぶるようなことがいろいろあったもんだから、うっかり号泣した。

617:名無しさん@ピンキー
08/09/19 18:48:22 YuEHgIB+
>>617
ゆっくり読ませてもらいました
余韻が残る終わり方で優しい気持ちになったよ~
GJ!!!

618:名無しさん@ピンキー
08/09/20 07:06:02 n7a6t4bV
>>617
携帯からだから読めないのが悲しい。
まとめに載るのを待つか。


619:名無しさん@ピンキー
08/09/20 22:35:37 n7a6t4bV
>>617
まとめで読んで来たよ~
じーんと来た!gj!

620:名無しさん@ピンキー
08/09/21 01:06:49 kg16ah+O
>>617
今更申し訳ないが、作成者に本名…

621:617
08/09/21 01:29:15 yyn+B+IQ
>>626
ぎゃー姉ちゃんのを借りてポチポチやってたんだけどヤバイね
ごめん、忘れてやって下さいw
教えてくれてありがとう

622:名無しさん@ピンキー
08/09/21 22:05:51 hOpSjufg
GJ!真宵たんエロすぎwww十回抜いたwwww

623:名無しさん@ピンキー
08/09/22 21:47:39 n42q/8/R
パスワードが違うとか言われて落とせん……
ひょっとしてもう消えた?

624:名無しさん@ピンキー
08/09/22 21:54:26 IU0KkVi+
>>629
消えてるけどまとめにあるよ

625:名無しさん@ピンキー
08/09/22 21:58:24 zrncn+HF
スレリンク(pokechara板:258-261番)

626:名無しさん@ピンキー
08/09/22 23:19:19 n42q/8/R
>630
うおっと、見落としてた。ども。

627:名無しさん@ピンキー
08/09/23 00:01:37 IU0KkVi+
>>631
ワロタw

628:名無しさん@ピンキー
08/09/23 08:59:01 ljZ70BXs
>>631
これは分かるわww

629:名無しさん@ピンキー
08/09/23 14:27:42 zN7U6ZZs
>>631
ここの住人はわりと誠実な人が多そうだもんなぁ。
PINKだとは思えないw

630:名無しさん@ピンキー
08/09/23 14:56:04 R4xtlqtQ
両スレの流れに吹いたwww

631:名無しさん@ピンキー
08/09/23 16:10:26 Xp++w9JP
書き手も読み手も女性住人が大多数のようだから
あまり下品すぎるのには引いてしまうんだろう。女性が多くてマナーの良いスレは大胆どこもこんな感じの雰囲気。

これでマナーが悪くなると、下品なほうが余程マシと思えるくらい
目も当てられない惨状が引き起こされるが。

632:名無しさん@ピンキー
08/09/23 16:18:25 Xp++w9JP
×大胆→○大体
下品なのはおいらだ

633:名無しさん@ピンキー
08/09/23 22:49:15 R+uLy0iB
このスレ的に宝塚化の話はどうよ?
ラブロマンス要素も組み込まれるとか書かれてるけど

自分はミツメイ(狩魔一族)好きだから結構楽しみな反面
他のキャラが一体どうなるのかがちょっと不安w

634:名無しさん@ピンキー
08/09/23 22:50:58 Xw8AlLtr
宝塚化は嫌だけど、エロパロにいる位だからラブ・ロマンスは良いよ。

635:名無しさん@ピンキー
08/09/23 22:51:34 VIGtfxmc
>>637
>書き手も読み手も女性住人が大多数のようだから

そうなのか?

636:名無しさん@ピンキー
08/09/23 22:56:19 R+uLy0iB
>>641
そうじゃないの?
世の中見渡すと逆裁の二次創作をやってるのは
ホモ以外でも圧倒的に女が多いよ
男は書き手でも客でも本当にチラホラとしか見ない

637:名無しさん@ピンキー
08/09/23 23:05:41 V6yjk69s
冥「あーい~それは~あま~く~♪」
御剣「あ~い~それは~せつな~く~♪」
冥・御剣「あ~い~あ~い~ああいい~♪」

うーんこんなミツメイやだなあ

638:名無しさん@ピンキー
08/09/23 23:41:49 IlgBMynE
生理的にムリそうで済まないが好きカプをやってくれたらそれはそれで嬉しい

639:名無しさん@ピンキー
08/09/23 23:57:19 Xp++w9JP
>>643
でもナルマヨがそれやるよりはマシじゃ?w
逆に怖いもの見たさで見てみたくもなるけどwwww

640:名無しさん@ピンキー
08/09/24 00:38:16 NBoXcn7f
ミツメイでベルサイユの薔薇

641:名無しさん@ピンキー
08/10/01 20:23:20 9TV3WoZF
座 布 団 敷いてあげる と素で読み違えたwどうにもならん

642:名無しさん@ピンキー
08/10/01 21:15:14 OQAMK0Es
ナルマヨのエロは
個人的に今までの漫才コンビみたいな関係から急にラブラブになるのが
恥ずかしいからエロに突入してもあんまり声出そうとしない上に
真っ最中なのにベラベラ喋ってボケたり笑ったりするマヨイちゃんを書きたい、もしくは見てみたい。
やってることはエロいのに、雰囲気が全然エロくないっていう。

>>677
たしかに3分くらいで帰っちゃうな…
創作意欲の置き土産くらいしていけばいいのに

643:名無しさん@ピンキー
08/10/02 04:08:19 kkxHhpIO
真宵は保管wikiにあるマヨメイの真宵みたいに
あっけらかんとエッチなことしちゃう感じがいい

644:名無しさん@ピンキー
08/10/02 07:27:04 AD7Gu+w2
読ませてもらえるならなんでも良い…(*゚∀゚)=3ハァハァ
どの真宵もそれぞれ良いよ。
あっけらかんも、恥ずかしがりも、無知も、健気も。
みんな違って、みんな良い。

645:名無しさん@ピンキー
08/10/02 09:44:11 nvYbRTXr
なんで、みすゞ

646:名無しさん@ピンキー
08/10/02 15:07:29 AD7Gu+w2
わかってくれて、ありがとう。

647:名無しさん@ピンキー
08/10/03 21:36:07 tUaDrh9F
ナルホドって「ちーちゃんはトイレなんか行かない!!」と力説してたけど、童貞くさいな

648:名無しさん@ピンキー
08/10/04 00:14:21 TKduX6ZN
実際童貞だと思うけどナルマヨとか読んでると便宜上経験済みなのばっか
二人とも未経験のナルマヨが読んでみたい

649:名無しさん@ピンキー
08/10/04 00:19:59 ZPMlP8Fe
あ~、それ読みたい。
今までの作品のなるほどはわりとテクニシャンだからね。


650:名無しさん@ピンキー
08/10/04 03:59:22 49jKT6TL
>二人とも未経験のナルホド

今まさに書いてるところ。
小説なんて書くの初めてだがナルマヨ好きすぎてとうとう汚します。ごめん。
たぶんあと数日で出来上がる。

651:名無しさん@ピンキー
08/10/04 07:39:40 xkQTIOGa
>>687
神ktkr
お風呂入って綺麗にしてwktkしてるから!

652:名無しさん@ピンキー
08/10/04 12:24:37 RU4e3Q8u
>>687
なんというグッドタイミング
楽しみにしてます

653:名無しさん@ピンキー
08/10/04 17:55:47 QM51Vhv0
>>687

>二人とも未経験のナルホド

ごめん…つい笑ってしまった……
しかし楽しみにしてます。


654:名無しさん@ピンキー
08/10/04 18:56:40 Lk9Tq9WJ
>>690
何か違和感がと思ったらそこだw


655:名無しさん@ピンキー
08/10/06 20:09:39 4sFA1Ipy
ワクワク

656:名無しさん@ピンキー
08/10/08 19:43:37 2zAWkXXY
成歩堂の童貞喪失と真宵の処女喪失はまだかああああああああ

657:名無しさん@ピンキー
08/10/08 21:15:09 oPz9ghEX
全裸で待機してたら風邪ひくな、服着るか…

658:名無しさん@ピンキー
08/10/08 22:03:44 2zAWkXXY
そうだな…。
やっぱり投下されてから服脱げば良いよね…。

659:名無しさん@ピンキー
08/10/08 23:23:18 taL81t5c
もし投下予告を見て遠慮してる人がいたら気にせず投下して欲しい

660:名無しさん@ピンキー
08/10/08 23:42:05 2zAWkXXY
そうそう。
そんなのは嬉しいだけだからね。

661:名無しさん@ピンキー
08/10/09 06:30:57 Ux4Fr1TO
あんまり催促されると書き手のモチベーション下がるよ

662:名無しさん@ピンキー
08/10/09 11:07:19 3lEWsSdr
>>684-685のレスを見てから
漫画の第一巻・第一話の風鈴の話を読んで笑ってしまった。
愛を語ったところで所詮お前童貞だろw


663:名無しさん@ピンキー
08/10/09 18:52:58 0Y2VLcpk
"そういう愛もある"
みたいなこと 言ってたなwww

664:名無しさん@ピンキー
08/10/09 19:35:53 IkfExb5M
“なるほどクンの分際で”

今ほどこの言葉とのび太の姿を思い出したことはない。

665:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 19:50:49 fLmb4SC5
筆の進みが遅くてスマソ…
何分初めてなもんでなかなか上手くいかねッス
しかもめっちゃ長くなってしまったんで、とりあえずエチー突入前まで。

666:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 19:54:00 fLmb4SC5
[1]
知り合う前は「おねーちゃんの部下」で、
知り合った頃は「弁護士さん」で、
仲良くなってからは「なるほどくん」。
特別な人になったあとは…別にそのまま。
「なるほどくん歴」が3年も続いちゃ、
今さら変えるのもむず痒い気もするし
あやめさんみたいに「リュウちゃん」って呼ぶのは違和感バリバリだし…
それに…特別な関係って言っても、
お互いに異性として好きって打ち明けあって、
特別な人には変わったけれど…
手をつなぐことすら照れくさくて。
結局、肩書きだけの恋人になったまま、特には進展ナシ。
「真宵ちゃん」って呼び方も変わんないし、別にふつう。
カップルって言葉よりコンビって言葉のほうがしっくりきちゃうと思ってるのは、
たぶん一緒なんじゃないかなあ。
だって、今さら、だし。
そういうフンイキ、くすぐったいし。
***
視界が遮られるほどの濃厚な湯気を浴びて、自然と肌が汗ばんだ。
あたしは麺を一気に食べちゃうタイプで、残ったスープも全部飲み干すタイプ。
残らずたいらげたあたしを見て、なるほどくんは苦笑した。
「‥・・ほんとに美味しそうに食べるね」
「何言ってんの!みそラーメンをマズそうに食べるほうがむずかしいよ!」
「なるほどくんったら…真宵さまにそんなに見とれて」
ラーメンのスープのあとは、お冷も一気に飲み干す。
なるほどくんはお腹をさすって眉を寄せた。視線があたしに刺さる。
そんななるほどくんを見て、はみちゃんはいつものように
両手をほっぺに触れながら、可愛く笑った。
あ。もったいないことに、なるほどくんの器にはネギもスープもまだ残ったままだ。
おまけに麺まで数本残ってる!
暗黙の了解で、なるほどくんの器に手を伸ばす。
一本の麺を粗末にしたら、一本の麺に泣くんだよ。
いただきます。
「あら?なるほどくん、よろしいのですか?」
なるほどくんの分を真宵さまが食べようとしてますよ、という意味合いで
はみちゃんがなるほどくんに声をかけた。
「真宵ちゃん見てたらこっちまでお腹いっぱいになっちゃったし…」
「ふふ…恋をしているとごはんが喉に通らないって言いますものね」
「…………。そ、そうだね」
「……」
はみちゃんは、あたしとなるほどくんが「そうなる」前から、
あたしとなるほどくんを、愛し合ってるだの、運命の人だの口にしていて、
そのたびに、はみちゃんの話に合わせてた。
そうじゃないのに、そういうフリをしてきた。
誤解されているのが無性に恥ずかしいと思ってた。
だけど、実際にはみちゃんが口にする関係になっちゃったら、
今度はほんとうにそうなのだと、
確信されて更に冷やかされる方が恥ずかしいと思うようになって。
あたし達は、今まで以上に3人でいることが多くなった。
はみちゃんに適当に合わせることは変わらないけど、その意味は大きく変わった。
変わったことと言えば本当にそれくらいだった。
***

667:名無しさん@ピンキー
08/10/09 19:54:25 IkfExb5M
>>702
キタキタキタキタ━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━!!

668:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 19:59:15 fLmb4SC5
[2]
「では、おやすみなさい!なるほどくん」
「うん、おやすみ」
「またねーなるほどくん。じゃ、はみちゃん帰ろっか」
「はい!」
あたしとはみちゃんは倉院の里。なるほどくんは自宅へ。
別れ道で手を振った。反対側の手ではみちゃんと手を繋ぐ。
なるほどくんに背を向けて歩き出す。
見送るなるほどくんの視線を感じたけれど、振り向かなかった。
照れくさいから。キライじゃないよ、分かってね。
「やきぶた屋さんのラーメン、美味しかったです!」
あたしの手を握り返しながら、はみちゃんは目を細めた。
今日は満月で、いつもよりひと際大きな白金色の月明かりが
あたし達の影を長くのばしていた。あたしの影と、はみちゃんの小さな影。
下駄の音があたしたちの声に伴奏する。
「違うよーはみちゃん。やたぶき屋ー。間違えるとあのおじさん怒っちゃうよー」
はみちゃんの笑顔につられて、あたしも笑みがこぼれる。
かわいい間違いを指摘するとはみちゃんは小さな口と大きな目を丸くする。
「まあ、どうしましょう!
 わたくし、さっきお店の中で『やきぶた屋さん』と言ってしまいました!」
「あはははは!もし怒ってきても、なるほどくんに弁護してもらえばへーきだよ!」
「ふふ、そうですね」
「うん…」
自分でなるほどくんを笑いのネタに使っておいて、
こんなところで、なるほどくんの名前なんか出したら
はみちゃんに「よっぽど好きなんですね」なんて言われないか、
ちょっと自意識過剰になっちゃって、気の抜けた相槌をしてしまった。
はみちゃんはそんな様子はないけど、あたしは、
なるほどくんの名前を出して、心臓がドキドキしていた。
今日も…他愛ない会話しかしなかった。
普通、恋人ってどんな会話をするものなんだろう。
どんな風に時間を過ごすんだろう。
あたしは、今のままでも十分なんだけど、
なるほどくんは、どうなのかなあ。

669:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 20:01:37 fLmb4SC5
[3]
「…真宵さま?」
急に黙ってしまったあたしを心配そうに見上げながら、はみちゃんが声を掛けてきた。
「あ、ごめんごめん!ぼーっとしてた!」
「いえ。大丈夫ですか?」
「ちょっと食べ過ぎたかも!」
「真宵さま、綺麗に残さず食べられますものね。わたくしも見習わないと」
「はみちゃんはまだ小さいからねー無理しなくてもいーよ!
 なるほどくんは一番大きいのに情けないよねー!」
あ。またなるほどくんの事…。
「ふふ、本当に真宵さまはなるほどくんをお慕いしているのですね」
ううう…とうとう言われちゃったあ…。
「でも」
はみちゃんは続けて口を開く。
「真宵さま、なるほどくんとの逢引きはしなくてよろしいのですか?」
「え…」
「いとしい人同士ならば、
 逢引きをするものなのだとお聞きしたことがありますけれども…。
 そういう様子が見当たりませんし…」
はみちゃんに言われて、思わず顔が赤くなる。
「もしや!」
急にトーンを上げたその声に少し肩を揺らしてしまう。
「わたくしに気をつかっていらっしゃるのでは…?
 も、もしそれでしたらわたくし、謝らなければ…!」
眉を下げて今にも土下座しそうな勢いであたしを見つめてくる。
「ち、ちち、違うよはみちゃん!
 …あ、あああ、愛する者同士は、はは、離れててもへーきなんだよ!」
自分で言っておきながら、耳をふさぎたくなる。
首元からぶわっと一気に熱が上がるのがわかった。
今が夜で良かった。昼間だったら、顔が真っ赤なのがバレちゃってるよね。
「そう、なのですか?」
「うん!そうだよ」
「それでしたら、良いのですけれど…」
「いーの!いーの!それに、3人でいるのが楽しいんだから!ねっ」
いけないことをしてるわけじゃない、と思う。
なるほどくんの持ってる六法全書?にも
きっとこれは間違いである、なんて書いてないと思う(見たこともないけど)。
なのに、なぜか、急になるほどくんに謝りたくなった。
ごめんね、って。
なるほどくん、ごめんね。
恋人らしくできなくって、ごめんね。
心の中で謝ると、なんだか寂しさが心を駆け抜けた。
***

670:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 20:04:08 fLmb4SC5
[4]
お互いに思いを打ち明けたのは、葉桜院から帰ってきてから
3日も経っていない時だった。
はみちゃんは学校だったからいなくて。
しかもその日はたまたま依頼も無くて、
久し振りに休日を満喫できた日だった。
それから、二人っきりで久しぶりに話ができた日だった。
「あーなんか今日は久し振りにヒマを楽しめそうだよね!」
ソファに寝そべりながら、天井を見つめて大あくび。
お茶の葉を急須に入れてなるほどくんは、
「うれしそうに言うな、経済的にはよくないことだぞそれ」
と言ったあと、ポットの湯を注いだ。
緑茶のいいにおいがかすかに漂ってくる。
「いいじゃない!ここ数日ろくに休んでないんだし!」
「そ…そうだな」
「それになるほどくん川に落ちて入院してたんでしょ?
 しばらくは無理しない方がいいって!」
「うん」
心なしか、なるほどくんの声のトーンが低いような気がして、
「どうしたの?元気ないよ?」
と尋ねたのに、あたしの問いかけに返事はなかった。
かわりに淹れたてのお茶のにおいがすぐ近くまで来ていて、
ソファの前の来客用のテーブルに、湯呑を置く音がしたと思ったら
天井が急に目の前から消えた。
同時にあたしの肩や背中やお腹が、青いスーツの生地に包まれていた。
上半身が起こされて、抱きしめられていることに気付くのに
何秒もかかってしまった。
「え。え。え。」
まるでなるほどくんがうろたえた時みたいにマヌケな声を出しちゃった。
だって、なんでこうなってるのかが理解できなくて。
「ごめん、急に。でも…」
でも…のあと喉を鳴らしたのが聞こえた。
それにすっごく長い間。なるほどくんの声も肩も震えている。
「真宵ちゃんが無事でよかった」
「ごめん。ごめん真宵ちゃん」
「帰ってきてくれて良かった…」
「真宵ちゃんが死んだらどうしようって」
「真宵ちゃん…よかった」
何度も間を開けて、震えながら、
なるほどくんはますますあたしを抱きしめる力を強くして、絞り出すように言った。
その一言一言で、あたしを心配してくれているのが
これでもかってくらい分かってしまって、
なるほどくんの沈黙を補うように、あたしの眼から暖かい滴が零れた。

671:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 20:06:30 fLmb4SC5
[5]
何が悲しいわけじゃない。お母さんを失ったことを思い出したわけじゃない。
それどころか、頭の中にフラッシュバックするのは
17の時、初めてなるほどくんに弁護してもらってから今までのこと。
なるほどくんばっかり。
笑うなるほどくん、
怒るなるほどくん、
慌てるなるほどくん、
困るなるほどくん、
呆れるなるほどくん。
いろんななるほどくんが出てきたけど、こんななるほどくんは見たことがなくて。
愛しいと思った。なるほどくんの存在がありがたいと思った。
思えば思うほど、涙が止まらなくなった。目の奥が痛いほど、泣いた。
「ごめ…ね。な…ほどく…」
心配掛けて、ごめんね、なるほどくん。
うまく喋れない。あたしの涙はなるほどくんの肩に落ちる。
青いスーツのその部分だけが、濡れて紺色になった。
でも、伝わったのかな。なるほどくんは
「うん、いいよ。帰ってきたから」
と今までで一番優しい声で、言ってくれた。
あたしの心臓はドキドキしていて、その時にあたしは
なるほどくんが、好きだということに気がついた。
はみちゃんやおねえちゃんに対して思う好きともつかない、
御剣検事やイトノコ刑事やヤッパリさんとも違う好き。
もちろん、トノサマンが好きとか、みそラーメンが好きとか、そんな好きでもない。
今急に好きになったんじゃないと思うけど、いつから好きだったのかが分からない。
ずっと昔のことのように思える。
やっと気づいた、その言葉がぴったりだった。
あたしの肩や背中を強く包んでいた腕が緩んだ。
なるほどくんの肩に埋めていた顔を離して、なるほどくんと向き合う。
あたしは、なんか照れくさくて目をそらそうと思ったけど、それもなんか悪い気がしたり、
なるほどくんはなるほどくんで、何度も口を開いて何か言いかけてはやめ、その繰り返し。
ぐちゃぐちゃの顔だし、あんまり見られたくなくて、とうとう沈黙を破っちゃった。
「な、なんか言ってよなるほどくん」
「い、いや、真宵ちゃんこそ、そこはただいまとか」
「…あ。あ、あたしのせいなんだ」
「そーいうワケじゃないけどさ…」
「……うん」
「……うん」
なんだろう、この会話。へんなの。
なにやってんだろ、あたしたち。
「真宵ちゃん?」
あ。トーンが低くなった。
なるほどくんの目つきもなんか変わった。
「ん?」
鼻をすすって、あえて目をそらす。
なんとなく、察しが悪いといわれるあたしでも、なんとなくだけど。
次に言われる言葉が、ちょっとだけ読めてしまった。
それはあたしも言おうかな、と思ってた言葉だったから。

672:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 20:10:51 fLmb4SC5
[6]
「その…」
「うん」
「ボクさ…真宵ちゃんが…」
「…うん?」
「………うん」
「………な、なんでそこで『うん』なの…?」
「……うう、なんか言いづらい」
「………なるほどくん」
「ハイ」
「………好き…
 …………………
 …なの………………かな?」
「…そうきたか」
「どーなの、ね。ね」
「………うん」
「ナニソレ。適当だなあ」
「…。ごめん…」
「……なるほどくんのバカ」
「…うん」
「…………あたしも」
「…うん」
頭の中はまっしろで、目は泳いでたし、
なんか妙に汗が出てくるし、心臓のあたりがもわーって熱くなるし。
整理しながら喋ることなんて出来なかった。
あたしの本能のままに口を動かしたら自然と出てきた。
なるほどくんは、分かってるよ、と言わんばかりにそっけない返事。
でも、それがいつものあたし達を象徴してるみたいで、
ああ、ここに帰ってきたんだ、
あたしの居場所はここなんだなあって実感がわいてきて…
口元が緩んで、喉の奥から笑いがこみあげてきて
それにつられてなるほどくんも目を細めて歯を見せて。
笑った。
「子供っぽくていいのかな?」
「こっちこそ。7つも上だけど?」
また変な笑いがこみあげてきて、おなかの底から大笑いして。
「異議なし。」
綺麗にハモった。


673:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 20:11:52 fLmb4SC5
[7]
で、その時、なるほどくんの大きな手が、
あたしの頬を包んで…真黒な眼があたしを見てて…
え…もし、かし、て…?
それは、これは、その、そーいうフンイキ、なのかな?
思ってるうちにナルホドくんのギザギザ眉毛が近寄ってくる。
ひゃあ!キスされる!わあ!わああああ!
「ラーメン!!!」
あたしの口は勝手にそんなことを叫んでた。
まさになるほどくんとあたしは、目と鼻の先。
なるほどくんは完全にタイミングを逃したといった感じでこっちを見ている。
「お腹すいたの?真宵ちゃん…」
「うん!なんかお腹ペコペコ!食べたい!」
なるほどくんの顔が見れない。
あたしは罪悪感と安心感がぐちゃぐちゃーって葛藤している。
拒んだことになるのかな?
でも、今まで積み重ねてきたものが、違うものに変わってしまうのも寂しくて、怖くて。
それから、恥ずかしくて。
「いいよ、じゃ、食べに行こうか」
なるほどくんは優しく笑って立ち上がった。
あたしはもう、気恥ずかしさを隠すのに必死で
「なるほどくんのオゴリ?」
なんて、また余計な可愛げのない言葉を吐く。
なるほどくんは湯呑やゴミを片づけながら背中越しに
「彼女に金出させてどうするんだよ」
と、淡白に言った。
見慣れてきたはずの大きな背中が、急に頼もしく、男らしく見えた。
「彼女」って、言った。
あたしが彼女なら、もちろんなるほどくんはあたしの彼氏…
その響きがあったかい。くすぐったい。それから、幸せ。
これからもよろしくね。
心の中で呟いて、ソファから降りた。
***

674:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 20:13:59 fLmb4SC5
[8]
あいかわらず、倉院の里は何もない。
修験の時間が終わると、あとは食べてお風呂入って寝る。それしかない。
テレビがあるため、自然とテレビを見て退屈をしのぐ習慣がついてしまう。
だからあたしもはみちゃんもテレビが好き。
毎日、毎日お互いに眠くなるまでテレビはつけっぱなし。
今も、二人で「月9」を見ている。
「ずっと思っていたのですけれど、
 この殿方、少しなるほどくんに似ていませんか?」
亀みたいに蒲団から頭を出してはみちゃんがテレビの中の俳優さんを指して言った。
言われてみれば、似てなくはない…ような気がする。
もちろん、なるほどくんより整った顔なんだけど、骨格というか、
なんとなく口元や顔の輪郭が似ていて、声もちょっと似ていた。
「お、ホントだー。なんかフンイキ似てるねー」
「ですよね。お相手の方は真宵さまには似ていらっしゃらないですが…」
「この子のほうがずっと可愛いもんー」
「そんなことないです」
はみちゃんが言ったお相手、とはドラマの中のヒロイン役だった。
このドラマは、友達から恋人へと変わっていく人間関係を描いていて、
いつまでもすれ違っていたんだけど、先週の放送でヒロインが誘拐されそうになって
なるほどくん(似)は一生懸命ヒロインを助けた。
今週はとうとう最終回。
ヒロインは助けられたことで、なるほどくん(似)をますます好きになったようで・・・。
すれ違いながらも、今やっと二人っきりの時間がやってきて、
いま一番イイトコ。
≪お前のこと好きだ≫
≪女っぽくないし、意識したことなかったんだけどさ≫
≪ほっといてよ≫
≪お前がいるのが当たり前すぎて…お前がいなくなった時、正直ヤバかった≫
≪………≫
≪おれお前のこと、いつの間にか大事な女に変わってた≫
声が似てるせいで、なんだかなるほどくんに言われてるみたいで、
まさに見てるこっちが恥ずかしい。
しかも、自慢じゃないけどあたしも誘拐されて、
なるほどくんに助けてもらった経験があるし…。
ヒロインの女の子は、涙ぐみながらも笑顔を浮かべて、照れ隠しに
≪言うのが遅い。ばか。言われなくても知ってたよ≫
と、呟いた。
それで、二人の距離が縮まって…
顔が近づいて…

675:687 ◆iPyt51N46I
08/10/09 20:15:26 fLmb4SC5
[9]
「きゃあっ」
はみちゃんは恥ずかしそうに両手で目を覆ったけど、指の間がばっちり開いている。
テレビの中で、なるほどくん(似)とヒロインはキスをした。
あの時、恥ずかしさで拒んでしまったことを思い出した。
やっぱり、こういう雰囲気の時は身を任せておくものなのかなあ…
ドラマの中でずっと友達で、コンビのようだったこの二人でさえこんな風になれるのに。
と、思ってたら、テレビの中ではなるほどくん(似)とヒロインは抱き合いながら、
ソファベッドに倒れこんでいく。こ、この展開は…
あんまり知識のないあたしだけど、この年になれば分かってしまう。
カメラアングルとフェードアウトのおかげでそのシーンはカット(当たり前か)
まったく、はみちゃんが見てるっていうのに、
そんなシーン流さないでよ!と異議をとなえたい。
次に画面が変わった時には、別の場面になってたからよかったものの…
「あ、あら?お二人は寝たのですか?」
はみちゃんの口からとんでもない言葉が飛び出す。
慌ててはみちゃんの軌道修正をしようと思ったけど、
「寝た」っていう言葉は、はみちゃんの中では「就寝」のことだとすぐに気づいたので、
ほっと胸をなでおろした。
「うん、二人とも両想いになって安心して眠くなったんだよ」
と、適当に言う。
はみちゃんは「いいものですね~」と照れていたものの、意外に冷静。
なのにあたしときたら心臓がバクバクいっていた。
どうしてもこの間の記憶と重なってしまう。
あたしがもし、あの時ラーメンなんて言い出さなかったら、そういう風になっていたのかな…
そこまで思ったとき、ふと疑問が浮かんできた。
あたしはそもそも初めての彼氏なわけで、もちろん経験がないけど…
なるほどくんは…あやめさんっていう彼女がいたわけで…
もしかしたら…。
考えれば考えるほど寂しく、そして悔しく、妬ましく思えてきた。あたしらしくもない…。
なるほどくんは、キスとか…したこと…あるのかな…。
***


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