【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part13【改蔵】at EROPARO
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part13【改蔵】 - 暇つぶし2ch350:加賀の愛たん 3/3
08/02/07 12:51:43 E9AUXaVR
 と、そこに千里と藤吉が現れる。
「きっちり導線を切ればいいのよ。こういう場合、赤と青の線があるでしょう」
「赤×青か、青×赤か、それが問題よねー」
「で、では、わたしが切ってきますね……」
「じゃあ、これをもっていくといいわ。赤は動脈、青は静脈だから赤を切ればいいのよ、わかった? 」
 恐る恐る、また薄暗い隙間に潜り込もうとする愛に、千里がカッターを渡してくれた。
 カッターを背負い、小さな愛は爆弾のところまでたどり着く。
 そこには二本の、赤と白の導火線があった。
「先生、赤と白です! 」
「紅白歌合戦ですか! 」
「じゃあ、今年も白組が勝ったので、きっと白ですね」
「もう爆発オチは飽きられてるゾ」
 と、そこに風浦可符香とマ太郎が現れる。
「何しに来たんですか? 」
「見物に」
 愛はカッターの刃を出して、慎重に、白い導火線に宛がった。
 ―この白い線を切れば、助かる。
 ―白い線は、白組。常勝の白組。白組を、切る。
 ―わたしのせいで白組が、負ける。
「先生、わたしにはできません! すみません! 」
 そして愛は赤い線を切った。
 ―こうして人類は滅亡した。少女のやさしさと加害妄想のせいで。
「やっぱり爆発オチかよ」
 ―完―。

おまけ 小森の霧たん

 朝起きると、小森霧は小さくなっていた。
 しかしひきこもりなので、誰とも会わずに一日が過ぎた。翌朝、元に戻っていた。
 先生の頭に乗ってみたかったな、と少しだけ後悔した。完。

351:名無しさん@ピンキー
08/02/07 17:19:44 y6xVeb3S
GJ

352:名無しさん@ピンキー
08/02/07 21:08:06 Xj6tm5k7
いやあ可愛い、結構突拍子もない超設定とか好きです
先生生徒が逆になるとか、先生が唐突にショタになって藤吉さんに襲われるとか
にしても先生紳士、俺なら愛ちゃんが泣くまでねぶっちゃうよ

連投は…投下と投下の間隔を空けようと待ってる人が居る事あるからちょっと避けたほうがいいけど
まあその時間帯なら大丈夫でしょう

353:名無しさん@ピンキー
08/02/08 00:52:33 sl1Lt6Wk
ちっちゃい愛ちゃんが欲しいよー

354:名無しさん@ピンキー
08/02/08 01:29:28 y0Vl4gmd
望愛はいいな。もっとやれー

355:名無しさん@ピンキー
08/02/08 03:48:02 5WtW3cyt
今更ながら「すみません」のとこを「しゅみません」と言わせればよかったと後悔
元ネタのシャナたんの「うるさい」→「うるちゃい」みたく
ああ、後悔…
よければ>>348 は「すみません」→「しゅみません」に脳内変換して読んでくれ

356:名無しさん@ピンキー
08/02/08 11:29:51 3ehHQ9Gn
見ていて瓶詰妖精ならぬ瓶詰絶望生徒っていう妄想が浮かんだ。

形にする能力は無いけどな!!

357:名無しさん@ピンキー
08/02/09 09:03:55 NY0MYPtk
手紙にきっちりハートマークとドクロマークを書いて送る千里が可愛い
可愛すぎて気を失いそう

先生×千里ちゃんで投下します
やることはやっていますが、千里視点ですのでちょっとエロ描写は薄め

358:あの雨の日
08/02/09 09:05:03 NY0MYPtk
しとしとと雨が降っていた。
とうに下校時間は過ぎていて、放課後の校舎にはもう生徒の姿はなかった。
例外として極一部、家に帰りもしない生徒が、学校のどこかに居たのだろう。
そして私もまた、例外的にまだ校内に残っていた。
場所は宿直室。
私のクラスの担任教師、糸色望先生が住んでいる部屋だ。



カリカリと二つのペンが走る音。
一つは私の、もう一つは先生の。
その日、私は先生に溜まった仕事をするのを手伝って欲しい、と頼まれた。
お願いします、と渡された仕事は、終わったと思えばまた追加され追加され、
気付けばずいぶんと時間が過ぎていた。

「ふぅ…先生、まだあるんですか?」
「かなり進みましたよ」
「つまり、まだあるんですね」
「う…まあ、それで終わりにしましょう。残りは一人でやれます」
「それ以前にですね、生徒にテストの採点やらせるってのはどうかと思います」
「木津さんなら、ちゃんとしてくれるでしょ………暴走してなかったら」
「…まったく」
小さくため息をついた。
自分の仕事なのに、生徒を頼りにするなんて…
でも、同時に少し嬉しくもあった。好きな人に頼られるのは、やっぱり嬉しい。

359:あの雨の日
08/02/09 09:06:00 NY0MYPtk
「言わないでくださいよ。私が木津さんにテストの採点頼んだ、だなんて」
「言いませんよ」
「保護者宛のプリント書いてもらったこととかも…」
「だから、言いませんってば」
くだらない事を心配する先生がおかしくて、つい頬が緩んでしまった。
まったく、仕方がない人だ。
あまりに仕方なさ過ぎて、ついつい刺したり、埋めたりしてしまうことすらある。
だけどそんな先生が好きな自分も、結構仕方ない人間かもしれない。


「ふふ…でも、先生も大人なんですから、もうちょっとしっかりしてくださいよ」
「あー言いますかそれを…今回に関してはですね、あなたにココ数日連続で埋められたからですよ」
「え?」
「おかげで時間取られて、仕事が溜まっちゃったんです」
ぷい、と子供が拗ねるように先生はあさっての方を向いた。
「う…それは先生が………すいません…」
先生が、ふふんと鼻を鳴らして勝ち誇った顔で私を見た。
「しかし、さすが木津さんが手伝ってくれるとはかどりますね、また頼んでいいですか?」
「またそんな事言って……でも、先生がそう言うんでしたら…またお手伝いします」

360:あの雨の日
08/02/09 09:07:02 NY0MYPtk
「先生、終わりました」
「ん、ありがとうございます、助かりました」
先生は渡したテスト用紙の束を整えて、鞄の中へしまった。
「ああ、お礼といっちゃなんですが…確かクッキーがあったんで、食べていきませんか?」
「いいんですか?」
「私も休憩するつもりでしたんで」
「じゃあ、お言葉に甘えて頂きます」
「うん。じゃ、持ってきますね」
そう言って先生は戸棚の方へと歩いて行った。

「んー?どこ置いたんでしたっけ?」
ガタガタと戸棚を探る先生。どうやらクッキーを置いた場所を忘れてしまったらしい。
「交に見つからないように隠したのが裏目に…あ、木津さん、飲み物用意しといてくれますか?」
「わかりました」
先生に言われて、コップを二つ、そして冷蔵庫からジュースの入ったポットを一つ取ってくる。
それらをちゃぶ台の上に置いて飲み物の用意はできたが、先生の方はまだクッキーを探していた。
ジュースを飲みながら先生を待つ。
甘酸っぱい味が口に広がって、渇いた喉が潤っていった。
そうして、くぴくぴとジュースを飲んでいる所に、先生が戻ってきた。
「ありましたよー、そうそう押入れの…あ…」
「どうしました?」
「あの…それ、自家製の梅酒…」

361:あの雨の日
08/02/09 09:08:02 NY0MYPtk
目が覚めたとき、私は布団の中に居た。
辺りを見回すと、すぐ隣に先生の背中があった。
先生はちゃぶ台の前に座って、何かを書いていた。たぶん、残りの仕事を片付けているのだろう。
私は、もそもそと布団から這い出て先生の横に座った。
「木津さん、起きたんですか」
「…私……寝ちゃったんですか?」
「ええ、お酒弱いですね、あなた」
「すいません…」
「いえ、私の不注意ですし…大丈夫ですか?」
「ちょっと…頭痛い…」
「水、持ってきます」

コップ1杯の水を持って、すぐに先生は戻ってきた。
ぐでんとちゃぶ台にもたれかかった私の上半身を先生が起こす。
そのまま今度は後ろに倒れそうになった私を、先生はその胸で受け止めてくれた。
「ほら、飲んで」
「ん…」
後ろから抱かれるような形で、私は先生に支えられて水を飲ませてもらう。
「…っぷぁ」
水を飲み干した私は、そのままふらふらと崩れるように先生の胸に顔を埋めて、また意識を失った。

362:あの雨の日
08/02/09 09:08:59 NY0MYPtk
「…ん……?」
雨音が聞こえた。
眠っている間に降りだしたのだろう。
また眠っちゃったのか、と目を瞑ったまま思う。
しかし、自分が眠っている場所は、さっきの布団の感触とは明らかに違っていた。
なんだろう、と目を開けてみると、見回すまでもなく自分がどこで寝ていたのかがわかった。
「あ、起きました?」
先生の胸に抱かれて寝ていたのだ。

「……先生?」
「布団で眠らせてあげようと思ったんですけどね、あなた離してくれなくて…」
その代わりか、毛布が私の上にかけられていた。
私の腕は先生の腰に回されていて、その手は強く先生の服を掴んでいた。
ちらちらと辺りを見回す。外はもう暗くなっていた。
「藤吉さんにお願いして、一緒に遊んでるから遅くなる、って伝えてもらいましたんで…
 親御さんに、お酒飲ませちゃって起きない、なんて言えませんから…」

そんなことを言っている先生の顔を、まだ少しぼやっとした視界で見る。
先生の様子は、ちょっとだけ照れている様にも見えた。
視線を落とすと、当然のことだがそこには先生の体がある。
ぼけた頭が回り出して、少し恥ずかしくなった。

363:あの雨の日
08/02/09 09:09:59 NY0MYPtk
先生に抱かれて眠っていたんだ、と。
そのことを思うと、少し幸福な気持ちになる。
でも、それだけだ。それ以上に寂しくもなる。
冷静になって思い返してみれば、全ての始まりであった先生との保健室の一件も、それだけ…なのだろう。
それでも、すがってしまう。
私の先生への想いは日ごとにつもり、先生を追いかける子は増えていく。
そんな状況で、先生との間に何もなかったなんて認めるのは辛かった。

だから、先生に振り向いてもらおうと、いつだって本気でアタックをかけていった。
責任を取ってください、と結婚を申し入れた。
バレンタインには、これ以上ないってくらいにハートを込めたチョコレートを送った。
でも、いつだって先生には、はぐらかされる、逃げられる。
そのくせ、不意に期待させるような態度を取るのだ…

364:あの雨の日
08/02/09 09:11:00 NY0MYPtk
「木津さん…?」
「へ?」
先生に声をかけられて、顔を上げる。
私と目が合った先生は、ついと視線をずらした。
「……あの、駄目ですよ。酔ってるからって、そんな無防備に男に抱きついたりしちゃ」
言われて、考えているうちについ先生の体に回した腕に力が入ってしまっていた事に気付く。
「危ないです。女の子なんですから、あんまりそういうことは…気を持たせちゃいますよ…」
私は、先生の発言にあきれて、ふうとため息をついた。

それを、あなたが言うんですか?
別に怒ったわけではないけれど、そんな先生になんだか反抗したくなってしまった。
だから、忠告に逆らってぎゅうっと強く抱きついて、先生に身を寄せた。
「っ…だから…」
「……いいんですよ、問題なんてありません」
だいぶ意識は、はっきりしていた。
でも、それでも少し寝ぼけていたのだろう、少し酔っていたのだろう。
「だって、私…先生の事大好きですから…」
普段の私なら、そんな風には言わないだろう。

365:あの雨の日
08/02/09 09:12:00 NY0MYPtk
「なにをわけのわからないことを…」
いつものように、そう言われると思っていた。
だけど、先生は黙ったままだ。何も言わない。
どうしたんだろう、と顔を上げて見ると先生は片手で赤くなった顔を覆っていた。
「んな…なんですか、その反応は?」
「いや、その、だって…不意打ちで……あなたからそんなまともなアプローチ受けるなんて…」
「まともな?」
「いつもはもっと……ああもう!酔ってるんでしょ?水持ってきますからもう少し寝てなさい」

先生は照れていた。照れに照れて、明らかに狼狽していた。
そして、その照れは私にも伝染した。
先生に意識されている。先生に好意を持つ女の子として、意識されている。
先生が少し自分に近づいてくれたような気がして、嬉しくなった。
だが、同時に頭の中を回り巡る、期待感、不安感。目を合わせる事もできはしない。
あまりに不安定だった。こんな状態、私には耐えられそうもなかった。

366:あの雨の日
08/02/09 09:13:12 NY0MYPtk
先生が、水を取って来るために立ち上がろうとした。
きっと、先生もその空気に耐えられなかったのだろう。
そう、そこは私と同じだ。だけど、私の取った選択は先生のそれとはまったく逆だった。
私は、立ち上がろうとする先生にしがみついた。
それまでの無意識や、なんとなく、ではなくしっかりと意思をもって抱きついた。

「いやです。離れないで…」
「え?えええ?」
「酔ってます…ちょっとだけ……でも、本心です。先生が…大好き…です」
「あ、ああ。はい…その…」
ばくばくと鳴り響く心臓の音がひどくうるさかった。
私の言葉など、その音に掻き消されてしまったのではないかと心配になるほどに。
顔を上げて先生と目を合わせる、ただそれだけの動作なのにひどく体力を消耗してしまった。
先生の顔は真っ赤だった。でもきっと、それ以上に私の顔は赤かったんだろう。
もう、何も言うことはなかった。思いつかなかった。
私は、先生から体を離した。そして、先生の目を一度じっと見つめて、目を瞑った。

367:あの雨の日
08/02/09 09:14:04 NY0MYPtk
「っ…木津さん……それは…」
そう言ったきり、先生は黙ってしまった。
私はぎゅっと目を瞑って、先生の返事を待った。
何も見えない、何も聞こえない、触れるのは畳と毛布の感触だけ。
その時間はとてもとても長く感じた。
不安に押しつぶされてしまいそうで、つい下がってしまいそうになる頭を必死に抑える。
緊張が限界近くまで高まって、ともすれば泣き出してしまいそうな程になっていた所に、
先生の手が私の頬にそっと触れて、私は先生にキスをされた。

そっと目を開けると、すぐ前に先生の顔があった。
先生の顔は、目を瞑る前に見たときほどではなかったが、まだ赤かった。
「ええーっと…よかったんですよね…?」
落ち着かない様子で尋ねる先生に、こくこくと首を縦に振った。
私の方からもキスがしたい、そう思って先生に近づいて、先生の服を掴んだ。
でも、勇気が足りず、そこで止まってしまう。
そんな私の肩を、先生は優しく抱きしめて、頬にちゅっと軽いキスをしてくれた。
先生に勇気をもらった私が、一瞬触れるだけのキスをすると、先生はまたキスを返してくれた。

368:あの雨の日
08/02/09 09:15:10 NY0MYPtk
「…はぁ」
触れ合った唇の感触が気持ち良くて、先生の胸に抱きつきながら思わずため息をもらした。
少し落ち着いた私は、ふと先生の顔を見る。
先生は、なんだかそわそわして落ち着かない。
これはもしかして…
「あの、あの…先生……他にも色々してくれて…いいん…ですよ?」
「ん、じゃあ…脱いでもらったり…とか…いいんですか?」
言ってくれればいいのに…と思いながら、私は頷いた。

パンツだけを残して服を脱いだ私は、布団の上に座った。
ガチガチに緊張して、強張った体は身動き一つ取れない。
そしてなぜか、先生も動かなかった。
どうすればいいかなんて私にはわからないんだから、リードして欲しいのに…
そんな先生の態度は私を不安にさせた。
この体、この小さな胸、やっぱり女性としての魅力に欠けているのだろうか、と。

「…貧相な体で、がっかりさせちゃいましたか…?」
「えっ!?いや、いやいやそうじゃなくて、その…あんまり綺麗なもので…
 触ったら壊れちゃうんじゃないかと……ゴホン…いいですか、触っちゃって?」
「…はい、もちろんです」

369:あの雨の日
08/02/09 09:16:12 NY0MYPtk
「ひぁ…」
「だ、大丈夫ですか?」
「…続けてください」
先生に、胸に触れられただけで声をあげてしまった。
それだけでも気持ち良かったというのに、さらに先生に胸をもにゅもにゅと揉まれてしまう。
「はぁ…ん……やぁ」
「木津さん、かわいい」
胸を揉まれながら、先生にちゅっちゅと口付けをされた。

「先っちょ…触ってもいいですか?」
「そんなこといちいち聞かないでくださいよぉ」
「えっと、じゃあ…」
きゅっと乳首を摘まれて、私の体がビクっと跳ねると、先生も反射的に指を離して身をひいた。
「せんせ…大人なんですから、もっとしゃんとしてください」
「う、すいません…」
再び先生に摘まれて、くりくりと弄られて、その気持ち良さに私は身をよじらせた。

「あの、舐めていい…ですか?」
「っだからぁ、いちいち聞くなぁ!」
恥ずかしさに目を瞑りながら、先生の頭を抱えて自分の胸に押し付けた。
私は先生にリードして欲しいのに、そんな風に下手に出られたりしたら余計に恥ずかしい。
「ああ、すいませんすいません…っむ」
「あぅ…ん」
先生が私の乳首を舌でころころと転がした。
湿った感触に包まれて、擦られる、吸われる、押し込まれる。
胸から広がる甘い甘い痺れに、私はおかしくなってしまいそうだった。

370:あの雨の日
08/02/09 09:17:06 NY0MYPtk
不意に先生の指が、私の内股に触れた。
すすす、と付け根の方へと動いて行った指が私の下着の上で止まる。
先生が胸から顔を離して、私を見た。
「脱がせますよ?」
「…うん」
先生に、残った最後の衣服を脱がされる。
胸への愛撫で濡れていたそこと下着との間に、つうと糸が引いた。

座った私を後ろから先生が抱いて、その手を私の下腹部へと伸ばす。
先生は、周辺をすりすりと触った後、指を割れ目の入り口へと移して撫でた。
深く呼吸して、先生の指の動きに備える。
つぷ、と先生の指が私の中へ入ってきた。
「ん…ぅ」
自分の中で他人の指が動いている、という奇妙な感覚に声が漏れた。
その違和感に、少しずつ気持ち良さが混じってくる。

かぷっと先生が私の耳を優しく噛みながら尋ねた。
「大丈夫ですか?」
「うん…きもちいいです……はぁ」
その快感はどんどん大きく、確かなものになっていった。
先生の指は私の中で動き続け、一際大きな快感が訪れて体が跳ねた。
甘い痺れがじわりと体全体に広がっていく。

371:あの雨の日
08/02/09 09:18:03 NY0MYPtk
脱力する私の首筋に一度キスをして、先生がまた指を動かし始めた。
同時に胸を揉まれ、乳首を摘まれ、溢れるほどの快感に私は身悶えする。
心なしか先生の指は、さっきよりも奥の方にまで侵入していた。
さらにその動きも少し違っていた。
四方の壁を押し広げるような動きを多く感じる。
ああそうか、先生の…入れるんだもんね…やっぱり痛いのかな?
目を閉じてそんなことを考えながら、私はまた先生にとろけさせられていった。

先生が余韻に震える私を寝かせた。
服を脱いで、私の足側に座る先生。
「力抜いてください」
ちらりと先生の裸を見たときに、先生のあそこを目にした。
一般的に大きいのかなんてわからないけど、とても自分の中に入るとは思えなかった。
見ていると不安になるので、そこには目を向けないように、先生の顔だけを見つめた。
ずぷ、と先生が中へ入ってきた。
思っていたよりは、すんなりと先生は私の中を進んでいく。
先生を受け入れることができて、嬉しかった。
でもやっぱり、ちょっと痛かった。

372:あの雨の日
08/02/09 09:19:08 NY0MYPtk
「はー…」
奥まで進んだ所で、先生は動きを止めて、私が落ち着くのを待ってくれた。
「先生、保健室での一件、覚えてますか?」
「覚えているというか、覚えがないのを覚えているというか…」
「ふふっ…そうですね。やっぱり何もなかったんですね、あれは…
 こんなの、忘れられるわけないです………うん、動いていいですよ、先生」

自分の中を先生が動く快感に、体も心もぐちゃぐちゃに溶かされていく。
そんな不安定な状態、嫌いなはずだった。
自分すら崩れてなくなってしまいそうな感覚、まったくもってきっちりしていない。
でも、そこに先生が居る、とただそれだけはしっかりと感じていた。
それだけなのに、だけどそれだけで私には充分だったんだろう。
私の中で、何かがじわっと広がった。
きっとそれは先生の…
これ以上ないという程の幸福感に包まれて、私はそのまま眠りについた。

373:あの雨の日
08/02/09 09:23:29 NY0MYPtk
「…おしまい」
「……ほおおお…やるねー、千里も先生も」
「っはああ…恥ずかしい」
千里がストローでジュースを吸って、乾いた喉を潤す。
そんな千里を、晴美はケーキを食べながらにやにやと笑いながら見ている。
「いつも私が聞かせる側だったのになあ」
「晴美のは、ゲームの話じゃない…」
「…でも、最近仲良いと思ったら、そっかあの日にねえ」
そういえばあの日辺りから急に仲良くなってたな、と晴美は思い出す。

「で、他には?」
「他には…って」
「あーんな幸せそうにノロけちゃって…千里だってちょっと話したかったんじゃないの?」
「のろ…」
「何したの?何されたの?何されたいの?」
「何されたい…って」
「まあ、千里が言いたくないんなら、言わなくていいけどね」
「…………この間の連休にね…」
「うんうん!」
続いて語られた『一緒にお風呂』編も、晴美を大いに楽しませた。

374:名無しさん@ピンキー
08/02/09 09:25:00 NY0MYPtk
歳の差カップルが照れちゃってリードしきれず、甘えきれず、ってぐだぐだも、それはそれで可愛い

375:名無しさん@ピンキー
08/02/09 10:43:54 Ovo43HlL
そういうちょっとしたあとがきはいい!
『一緒にお風呂』編を早く! なぁ!?

376:名無しさん@ピンキー
08/02/09 14:23:48 t3Grh9gi
けしからん。
朝からこんな、こんなニマリとしてしまう話を出すなんて。
もっとやれ。

377:名無しさん@ピンキー
08/02/09 18:55:39 9BobbiAa
一緒にお風呂編マダー?

378:名無しさん@ピンキー
08/02/10 08:59:03 gfE5Xmhp
ちょうどアニメでも千里
ちちりちりちりちちりち♪

379:名無しさん@ピンキー
08/02/10 22:51:41 0/Q/x2FU
声優シャッフルにシビレた。でもSSには繋がらないのだった。

380:名無しさん@ピンキー
08/02/11 00:44:36 5SxY7qq7
アニメオープニング見てたら望×まといって美しいなって思った

381:名無しさん@ピンキー
08/02/11 05:14:47 mU2iS9pD
先月に望×可前提の准→可SSを投下した者です。
先週のマガジンでどのコマでも光がない瞳だった可符香が気になって、
それが元で出来上がった准×可SSを投下させてもらいます。
相変わらず拙い出来ですが、ご一読頂ければ幸いです。

382:Tranquilizer 1
08/02/11 05:15:41 mU2iS9pD
やっぱり今日の可符香さんはちょっと…いや、かなり変だと思う。
いつもポジティブな彼女が珍しくネガティブな発言をしたり、
ずっと光が一切ない暗い瞳をしていたり。

―まぁ、その原因は何となく分かっている訳だけど。


「…可符香さん、今日の君はいつもの君らしくないね…どうしたの?」
「…なぁに言ってるんですかぁ久藤くん、私はいつも通りですよ…ふぁっ…んぅ…。」
僕に剥き出しになった胸を揉まれて喘ぎながら可符香さんは案の定キッパリと否定する。
何度聞いたとしても彼女の答えは同じなのは承知しているので、
僕は黙って行為に専念する事にし淡い色の乳首に舌を這わせた。

「…あんっ…やぁ…んっ…久藤くぅん…。」
ツンと尖った乳首を舌で転がしながら、もう片方の乳首を摘んで軽く捏ね回すと
鼻にかかった甘い声を漏らしながら可符香さんは身体を震わせて快感に悶える。

彼女から僕の携帯へメールで急に会いたいと連絡があり、
こうして閉館時間後の図書室で僕達は淫らな行為に及んでいた。

別の女の子と会う予定をキャンセルしてまで可符香さんに付き合うのは
僕にとって彼女が特別な存在だから…つまり恋愛対象として見ているからで。

…ただそれを可符香さんに伝えた瞬間、この関係は終わってしまう。
けして彼女に気付かれてはいけないのだ。

僕達のこの関係を単純に“セフレ”という範疇に入れるのもしっくり来ない気がする。
じゃあ、それならば何と形容すれば良いのか…もうこの辺で止めておこう。
別に誰かに尋ねられた訳ではないのだから。

「…もう私…こんなに濡れちゃっているんですよ…久藤くん…。」
可符香さんがゆっくりとスカートを捲り上げると愛液でべとべとになった下着が露わになった。
そのまま椅子から立ち上がってスカートの裾を口に咥えながら僕に見せつける様に下着を脱いでいく。
彼女の薄い毛で覆われた恥部と下着の間に半透明な愛液が糸を引いていき、
その淫靡な様に僕は生唾を飲み膨張した股間が堪らなく疼くのを感じた。

383:Tranquilizer 2
08/02/11 05:21:33 mU2iS9pD
「…挿れる前にちょっとだけ舐めさせて下さいね…。」
そう言うと可符香さんは椅子に座っている僕の前に、しゃがみ込んでベルトに手をかけ外していく。
そしてズボンの前を寛げ僕の屹立し熱を持ったペニスを取り出すと
彼女は既に先走りで濡れた亀頭に顔を近づけ舌を這わせ始めた。

「…っはぁ…久藤くんの…凄く大きくなってぇ…れろ、ちゅっ…んっ…ちゅぱ…。」
裏筋から陰嚢にかけて小さな舌で丁寧に舐め回してから、すっぽりと亀頭全体を口に含み吸い上げる。
あまりの気持ち良さと眼下の彼女の淫らな姿に我慢するのが困難になっていく。

「…くっ…可符香さん…このまま続けると君の口の中に…はぁ…。」
「…そうですかぁ?…じゃあ、そろそろ…。」
名残惜しそうにペニスから口を離した可符香さんは僕の股間の上に跨り、そのまま腰を沈めていった。

「…うふふっ…入っちゃいましたよ…久藤くんのが全部…ほら…。」
根元まで僕のペニスを膣内に咥え込むと可符香さんは
再びスカートを捲り上げ結合部分を見せながら艶かしい笑みを浮かべる。
僕が彼女の尻を両手で支え、彼女が僕の首へ腕を回して身体をより密着させてから、
互いに腰を動かし出すと繋がった部分から湿った粘膜の擦れ合う音が響いた。

…可符香さんを抱く毎に自分が心の奥底に隠す独占欲が募っていく。
この手で抱いている彼女の髪も唇も肌も何もかもを他の男…“彼”に触れさせたくなんかない。
今日、可符香さんがいつもと違う原因を作った“彼”には。

「…あ、あっ、あんっ…もぉ私…イッちゃいます、久藤くぅ…んっ、ふああぁっ!」
「…あぁっ、可符香さん…僕も…うっ…。」
同時に絶頂を迎え、ぐったりし弛緩する可符香さんの身体を強く抱き締めながら彼女の中で熱い精を迸らせた。

384:Tranquilizer 3
08/02/11 05:25:40 mU2iS9pD
神様との約束でどんな時でもポジティブを貫こうとする可符香さんだけど、
そう捉えられない物事に直面した時、ちょっとした精神不安定状態になるらしい。

そんな時、彼女は僕との行為を求めてきた…精神安定剤の代用として。
僕はどんな形であれ可符香さんに必要とされるのがとても嬉しかった。

「…久藤くん…もう一度…してくれますか…?」
「…いいよ、可符香さん…僕も、もう一度したいと思ってたんだ…。」
余韻に浸ってから暫くして上気した頬で微笑みかける可符香さんに僕は笑顔で頷いた。
一つに繋がったまま、どちらからともなく唇を重ねて舌を貪欲に絡ませ合う。
彼女の中で大量の精を放ち萎縮したペニスが再び力を取り戻していった。


この先、彼女が僕を必要としなくなるのか、それとも―。

胸にほんの少しの甘い期待と苦悩を抱きながら、
今日も僕は可符香さんの精神安定剤としての役割を果たしていた。



―終―

385:名無しさん@ピンキー
08/02/11 05:34:27 mU2iS9pD
以上で投下終了です。お目汚し失礼しました。
微妙に幸せと言い切れない准×可になってしまいました。
しかし、稚拙ながらも准×可を書けて満足しています。
それでは失礼致します。

386:名無しさん@ピンキー
08/02/11 10:08:30 Tqv+kxso
可符香きた!もう超GJ

可符香には先生って印象強いが久藤もいい

387:名無しさん@ピンキー
08/02/11 21:38:16 h8YRjKH4
GJ!
この話の中での先生はどんな感じなのかも見てみたい

388:名無しさん@ピンキー
08/02/12 17:45:11 0VMGGJqA
これは?携帯だけだけど
URLリンク(courseagain.com)

389:名無しさん@ピンキー
08/02/12 18:05:44 JeXv9Ek0
>388はマルチポストのエロサイト宣伝

390:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:04:01 vq13rpqj
急に気になったから聞いてみる
俺はこう愛ちゃんとかめるめるとかのMキャラより真夜とかのSキャラに対するSの方が好きなんだが
分かりやすくいうと、普段Sっぽいことをするキャラが逆に先生に
Sっぽいことをされて反抗しながらも無理矢理しゃぶらせられて調教コース、て感じのが大好きなんだが 
もしかして俺異端なのかそこらへん意見求めるまあつまり真夜ちゃんかわいいという事なんだけどね

391:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:47:32 o68UBcLe
普通・・・

392:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:48:59 m8v77hj0
俺はらぶらぶえっちのが好きだが
キツく睨み付けられながらしゃぶられたいってのはそう異端でもないと思う
ピンクなんだしそういうのも吐きだしゃいい、書いちゃえ書いちゃえ

393:名無しさん@ピンキー
08/02/12 21:59:46 fvDoODPS
望×愛でまたひとつ書いてみた
愛×可符香 かも
しっとり、悲恋? 非エロですまん。短めだよ。
内容は素直になれない不器用な少女たちについて、かな。

394:素直を捨てて 1/1
08/02/12 22:02:48 fvDoODPS
 それはとある日の情事の後でのことだった。
 加賀愛にも心休まるときはある。
 すうすうとかわいげに寝息を立てて、望はとなりで眠っていた。
 その寝顔を見ていると、ほんのちょっとだけ愛は、自分にも他人を幸せにできるのかな、と思った。
 愛と望は、いわゆるセフレの関係に過ぎない。
 恋人となると、迷惑を掛ける気がしてならなくて、こうして秘密の関係を結んでいる。
 いずれは、そのうち望と結婚するであろう本妻に迷惑を掛けぬよう、慎ましく妾さんであろうと思っている。
 それでもいいので、今の愛は彼のそばに居たかった。
 
 雨の音に目覚めて、愛は、隣りに先生のいないことに気づいた。
 もう行っちゃったんだ、とつぶやくと、愛はセーラー服の上に黄色いレインコートを着た。
 さらに傘を差して、登校をしようとする。
 服が濡れると、お母さんに申し訳ないから、いつもこんな格好になる。
 ふと通学路で、可符香とばったり出会う。
 しとしと雨の中、彼女はどこか湿っぽく微笑んでいた。傘も差さず、待っていた。
 本当に、それでいいの。そう可符香は尋ねる。
 わたしは構いません、これで。愛は伏目がちに答えた。
 ふふ、と可符香は笑うと、愛のそばに寄り添い、その手を握った。
 素直じゃないとこ、お揃いだね。
 すみません、わたしなんかと一緒で……。
 相々傘の下、二人は静々と自分たちのことを笑い合った。

395:うんこ  ◆HiOVxb5UoA
08/02/12 22:08:06 vq13rpqj
よし書いてみよう 別に誰が書いてもいいよな
あと、誰か真夜のかわいいところを具体的に産業でおしえてくだしあ 
今日明日中は無理なのでその間完成した人はどうぞ

スカトロじゃないよ

396:名無しさん@ピンキー
08/02/12 22:09:30 vq13rpqj
割り込みスマソ

397:名無しさん@ピンキー
08/02/12 22:12:20 fvDoODPS
以上です。短いからレス一つで終わってしまった。
個人的に好きなキャラトップ3は「愛、可符香、まとい」なので
可符香と愛の二人とも出てくる内容で、短いながらも満足できていたりして

>>395
もう投下を終えているので、割り込みじゃないですよ
気にしないで下さい

398:名無しさん@ピンキー
08/02/12 22:49:18 lQWp15wh
>>395
自称真夜ラーである俺があえて産業に絞って言うとしよう

自分の持ち物に名前を書き込む律義さ
愛したいけど愛せないダブルバインドに悩む正統派ヒロイン
作中でもっとも泣き顔が可愛いのは間違いなく真夜

399:名無しさん@ピンキー
08/02/12 22:57:08 seQJVsu9
>>395
改名しろ。

400:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:46:51 6KKTFELJ
>>395わざわざそんな自分を卑下した名前にしなくても

401:名無しさん@ピンキー
08/02/12 23:50:29 OEVMD76u
>>395
名前なんて各人の自由だとは思うが、自分から釈明するくらいなら変えたほうがいいんじゃないか?

402:名無しさん@ピンキー
08/02/13 01:14:57 XR1Nk96s
>>394
俺も、愛と可符香スキーなので、凄くうれしい。
gj、gjでしたぞ~!!!

403:名無しさん@ピンキー
08/02/13 02:17:38 bZmHpF20
えーと今週のネタで書いたんだが
軽いまといNTR.凌辱物なんだ…BADENDじゃないから安心してほしい
まだ読んでない人もいるだろうし、こういう系嫌いな人が多数かもしれないのでとりあえず半分だけ
稚拙な文だが、投下OKなら夜にでももう半分投下します

404:まとい、暁に倒れ…ません1/5
08/02/13 02:20:34 bZmHpF20
厳重な警備をかいくぐり、一人望がいる監獄までたどりついたまとい
だが結果的に二人とも閉じ込められる形になってしまった
看守の中年男性も驚きはしたものの、施錠してあるのもあり次第に落ち着きを取り戻していった

「ただのディープラブですよ」
「…まぁいい。小娘一人増えたところで何も…まてよ」
一瞬何か閃いたのか看守の口が止まる

「おい娘、ディープラブとか言ってたな?」
「そうですよ。私と先生は恋仲ですから」

「いや、恋仲ではありませんし!私の生徒で…」

望がすかさず否定したが、蚊帳の中にいるのに蚊帳の外
二人の会話を止められない

「どうだ?サービス次第でおまえの大好きな先生を逃がしてやってもいいぞ?」
唇の両端をニヤリとして看守が尋ねてきた

「サービス?」
「いやな、こう何日もこんなとこで仕事してるとなぁ…わかるだろ?」

始めはわからなく聞き返したまといであったが、すぐに理解することができた

「…わかりました。終わったら先生と一緒に帰してもらいますけど」

まといとて、好きでもない異性と交わるのは嫌であったが、愛する人が身近にいない学校生活はもっと嫌だった
それ故の結論。それでも返答したまといの表情は曇っていた

405:まとい、暁に倒れ…ません2/5
08/02/13 02:22:26 bZmHpF20
「契約成立だな。ほら、でてこい」

鍵を開け、まといに出るよう促す
無言でそれに従い出ようとするまといを望が引き止めた
「やめなさい常月さん!別に私はこのままでもいいのです!だからそんな真似は…」
「…すぐに終わりますから、待っててくださいね」

振り返ることもせず望の制止を受け流し、外にでていってしまうまとい
望が後を追おうとするも、すぐに施錠がされてしまう
「まぁ先生さん、そこで愛する生徒の恥ずかしい姿をゆっくり観賞してな」
「は、犯罪ですよこれは!やめなさい!」
「大丈夫ですよ先生。私がんばりますから。すぐに終わらせます」
「すぐに…ねぇ。終わるといいがなぁ」
「どうゆう意味ですか?」
品のない笑いを交え言い放つ看守に対し、まといがその意を尋ねる

「さぁなぁ…さてまずはこいつを綺麗にしてもらおうかな」

無言で看守の前に跪くまとい
腕が出せる程度の隙間がある鉄格子を挟み、望の目の前で行為が始まろうとしていた


406:まとい、暁に倒れ…ません3/5
08/02/13 02:24:07 bZmHpF20
「…っ!」

看守のチャックを下ろし、ペニスを取り出してまといが驚愕する

「どうした?男全部が先生のサイズだと思ってたか?」
望と性交する以前にも、元彼であるタカシ等のペニスを見たことがあったが、それらとは比べものにならないほどの長さ、太さ。

それを見た望もショックを受けるよりも早くまといを心配した

「つ、常月さんやめてください!そんなものを…」
「…平気です」

望が言い終わるより早く返事をし、看守のそれを口に含んだ

途端に異臭が鼻についたが、それでも亀頭、スジと舐めていく
「わるいなぁ、風呂なんてしばらく入ってないからな。しっかり綺麗にしろよ」
「…ふぁい」

口いっぱいに含みつつ答える。それでも全体の半分しか含めないほどの大きさであるが、手も交えて懸命に続ける

「っお…でるぞ、全部飲むんだぞ…うっ」
「んむぅ!?」

ペニスがビクンと脈打つと同時に、大量の性液がまといの口内で放たれた

407:まとい、暁に倒れ…ません4/5
08/02/13 02:25:57 bZmHpF20
「ゲホッゲホッ」

言われた通り飲み込もうとしたが、あまりの量にむせ返り、口からツゥーと精液がこぼれ落ちる

「全部飲めと言っただろうが!こぼれた分もしっかり飲めよ」

その言葉に怒りを覚えてか、一度キッと睨み付けたが、そのまま顔を床に近付けこぼれ落ちた精液を舐めとる
これでサービスと言う名の奉仕は終わる
先生、私がんばりましたよ。さぁ帰りましょう

そう考えながら立ち上がり望の方向へ振り返った

「常月さん…大丈夫ですか?」
「はい。さぁ先生をここから出し…あっ!」

望と話すまといの後ろから、急に力強く看守が抱きついてきた
「…なんですか?」
「おいおい、まさかフェラ程度でサービスとか言うんじゃないよな?」

耳元でそう言うと同時に、まといの上着をガバッっと脱がせ、上半身を露出させたかと思うと、そのまま乳房を荒々しく揉みしだく

「っ…最後まで…ということですか」
「当たり前だろ?にしても中々張りがあっていい乳じゃねーか」
尚も、ぐにゅぐにゅと乱暴に乳房を揉み、さらに時折乳首をキュッとこねあげる
その度に我慢してても自然と声が漏れてしまう


408:名無しさん@ピンキー
08/02/13 02:33:14 bZmHpF20
書き込めない…

409:まとい、暁に倒れ…ません5/5
08/02/13 02:34:36 bZmHpF20
「あっ…くぅ」
「常月さん…もうやめてください。何故そこまで…」
たまらず声をかける望
見ず知らずの男に自分の生徒を目の前で辱められる
それを鉄格子を通して傍観することしかできない自分
それにいくら自分を好いているとは言え、何故ここまでするのかわからない自分
安易に捕まってしまった自分
それらすべてを呪った
「平気…んっ…ですから」
辱めに耐えつついつもと変わらぬ表情を作り望に答えた
「健気でいい子じゃないか先生さんよ?でもいつまでこうしてられるかなぁ?」
怒りが籠もっているであろう声をあげると、まといの乳房を弄んでいた手を放し袴を腰まで捲り上げた
まといの桃のような尻が看守の前に現れる

「ほぅ、下も履いてないのか」
「…そういうものですから」
下半身を露出させられても、まといの口調は変わらない
だが望側からは、まといの恐怖と恥辱が交ざった表情が見えてしまっていた
それでももう望には立ち上がる気力すらない。ひたすら自分を責めるように嘆いている
「先生…」
「さっきの礼をしてやらんとな」
「ひっ!」

先生に気をとられていたまといであったが、下半身への刺激に思わず声が出る

尻をがっちりとつかまれ、その谷間に顔を埋められ秘部に看守の舌が入り込む

「ひぁっ…んっ、ぅあ」
「はは、もう大分濡れてるじゃないか。これなら大丈夫だな」

ひとしきりまといの秘部を責めると、顔を上げた看守
そして、まといは秘部に物が当てがわれたのを感じとった

410:名無しさん@ピンキー
08/02/13 02:38:21 bZmHpF20
書き込めますた('A`)

とりあえず前半終わり…

書いておいてなんだが、これ系嫌いな人、まだ読んでなかった人すまない

よければまた明日…ってか今日か
あと半分書かせていただきますです

411:名無しさん@ピンキー
08/02/13 04:32:27 VwIFH+7F
よくないと言えばやめてくれるのか?

412:名無しさん@ピンキー
08/02/13 04:51:36 bZmHpF20
>>411
把握
すまんかった

413:名無しさん@ピンキー
08/02/13 04:55:00 +pCIcCjV
そんな怯えなくとも。嫌っつー人は注意書き見てスルーしますよ。
俺は凌辱とか無理矢理系は好物なんで、個人的にはもっとやって欲しい。
まといは凌辱映えすると思うんだ…。

414:名無しさん@ピンキー
08/02/13 10:45:45 37JQK/Vj
俺としてはNTRENDじゃなきゃいいと思うよ
だけど特に思い入れの強いキャラが凌辱されてたらなんとも言えないけど…
ただいろんな作風のSSを受け入れる雰囲気は大事だし…
ホントにまといスキーな人はNGワードぐらいの気持ちでスルーしたらいいんでは?
長文スマン
続き期待してるんだぜ!

415:名無しさん@ピンキー
08/02/13 12:06:25 ZuBEkiyr
最新原作のネタがあるらしいからスルー

416:名無しさん@ピンキー
08/02/13 12:07:09 ZuBEkiyr
ZUBEって‥

417:名無しさん@ピンキー
08/02/13 13:00:47 NzdPuYge
空気読まずに絶倫先生で妄想中…
・景、命、望の三人で倫ちゃんをまわしちゃう
・一旧さんの婿入り(もちろん絶倫先生絡み←無理矢り系もいい)


418:名無しさん@ピンキー
08/02/13 14:33:16 i20ZC/cF
そんな所でも縁兄さんは縁がないんですね、ついでに交も大人扱いしてあげてw

>>410
読んでない人、こういうのダメな人への配慮というなら半分に分けるよりむしろ夜に一気にの方がいいと思う
作品傾向の注意書きあるし、発売日だから問題はないけどね、後半楽しみにしてます

419:名無しさん@ピンキー
08/02/13 17:43:38 OLvQvpLk
同じく楽しみにしている

420:名無しさん@ピンキー
08/02/14 00:10:20 Bi0D/ukC
えっと
どうするべきか迷ったけど、見てもらえる方々もいるようなので昨日の続き書きま…す
見たくない方、ほんと申し訳ないがスルーしてくれぃ…

421:まとい、暁に倒れ…ません後編1/6
08/02/14 00:12:26 Bi0D/ukC
「入れるぞ、手は鉄格子だをしっかり握っておけよ」「え?」

「暴れられると萎えるからな。もし放したらこの契約はなしだからな」
「…これでいいんですね?」
「もう少し尻を突き出せ…よし。いくぞ」

―ズプッ

「んっ!!」

まといの腰を掴み、亀頭部分を入れる
そのままゆっくり半分までまといの中に埋めた

「っ、意外と狭いな…俺のがデカすぎるのか。まぁ大丈夫だろ」
「まっ待っ…」

グッと一気に根元まで押し込める
続いて腿と尻がぶつかり合う音が一定リズムで鳴り響いた
パァン!パァン!

「うっ…んんっ!ふ、深…あっ!」

今までにない大きさ。それによる圧迫感。奥の奥まで突き当てられる

「いい声出すようになったなぁ。ちょっと遊んでやるか」

422:2/6
08/02/14 00:13:35 Bi0D/ukC
「あっ…」

ゆっくりとまといの奥を突いていたものが、中間辺りまで抜かれた
そしてそこでまた運動を再開する
突くというより、擦り付けると言うべきか。小刻みにカリ部分でまといの膣壁に絶え間なく刺激を与える

―だめっ!…そこはっ!

微妙にポイントを変えて責められ、ついに最も感じる場所を捜し当てられてしまう

「おっ、ここだな?」
まといが一瞬ピクンと反応したのを看守は見逃さなかった
そこを重点的に刺激する
それまでの音から、チュプックチュッといういやらしい音に変化してゆく

「やっ、あっ、んんっ!」
急遽訪れる、苦痛から快感への逆転
抑えようとしても、息が荒くなり喘ぎ声も大きくなってしまう

パタタッ…ポタッ…

吹き出るように、秘部から落ちる蜜が床に染みを作っていく
数秒としない内に、まといは絶頂に達してしまった…愛する人ではない男によって…

423:3/6
08/02/14 00:14:51 Bi0D/ukC
一度達してしまったまといの身体をさらに容赦なく突く
それは最初よりも激しさを増し、まといが手を放せないことをいいことに、同時に乳房を揉みまくり、秘部の芽をも弄ぶ
それらすべてが快感の波となってまといに襲い掛かかった…


響き渡る喘ぎ声の激しさに望がハッとして立ち上がった時
まといは既に3度目の絶頂を迎えていた

「ちゃんと見ろよ先生?俺のチンポでイキまくる大事な生徒をよ~?」
「あんっ!ハァハァ…せん…せい」

もう半分全裸と言える格好のまま、身体の至る所を弄ばれ後ろから突かれるまといが望の目に写る
一突きされるごとに背を仰け反り感じているが、それでも手は放すまいと必死で握っていた
その姿に我慢できずフラフラとまといに近づいてゆく
「常月さん…」
「せん、せ…んっ!…て、手を…」
「え?」
「ひぁ!んっ…手を握っててくれません…か?」

何をすればいいかわからない望に対し、まといが求める
ただ手を握る。それだけでも、自分が役に立てるなら―
ぎゅっとまといの手を上から包むように握り締めた

424:4/6
08/02/14 00:16:04 Bi0D/ukC
望の手から温かさが伝わってくる
だがそれも束の間だった

「おっと、それはいけないなぁ」

まといと繋がったまま、望の手を払いのけると、まといの両手を掴みグイっと引き寄せる
「常月さん!!」
「しっかり見とけよぉ?」
まさに獣
今日一番の…それまでとは比べものにならない激しさでまといを突き始める

「ぅあっ!あぁ!こわれ…ちゃ…」
「いくぞぉ、たっぷり中に出してやるからなぁ」

ぱぁん!ぱぁん!

「やっ、あっ!な、中は…」
ピ―ッ!

看守が達する直前、ポケットの無線音が鳴り響いた

チッと舌打ちし、まといからペニスを引き抜くと、無線を手に取り通話ボタンを押す
「なんだ?今いいとこなのに…あぁ。そうか。今いく」
通話を終えてまといの方を振り向くと、腕を掴み望の独房へ放り込む
「侵入者らしい。戻ったらさっきの続きをするからおとなしくしてろよ」

そう言い残し看守は奥へと消えていった

425:5/6
08/02/14 00:17:33 Bi0D/ukC
ほぼ裸のまま横たわるまとい。まだ息使いが荒い

「常月さん…私は…」

まといは望を見つめつつも返事をしない

「私のせいでこんな…」
「フフッ、心配してくれたんですね?」
「はい?」

ニヤリとしながら笑いまといが続ける

「どうでしたか私?興奮しましたか?」
「え…」
「先生最近してくれないんですもの。もう一度先生に私のいやらしい姿を見てもらおうと思いまして」
「…」
「ですから先生、私と
「常月さんっ!」

怒声と言える大声に驚き、まといの言葉が止まる

「ほんとに…心配したんですよ…」
いつになく真剣な眼差しであった。見たことがないほどの…

「…すみません」
勢いに押され、まといが謝罪する。
「もう絶対やめてくださいね?あなたは私の大切な…」
「大切な?」
「大切な…生徒」
「…ふーん。まだ言いますか」

426:6/6
08/02/14 00:19:07 Bi0D/ukC
せんせーっ、どこですかー?

ふと聞き慣れた声が奥から聴こえてくる
「あの声は…木津さん?」
次第に自分を探す声と足音が近づいてくる。さらに増える声。どうやらみんないるようだ
やがて2のへ一行が望達の独房の前に現れた

「先生、助けに来ましたよ…って」
「はい?…あぁ!」

声と足音に気がいっており忘れていた
まといがほぼ裸でしかも自分の横にいることをっ!

「な に し て た んで す か 先 生?」
「ち、違います!つ、常月さんからも理由を話してください!」
「先生の…とても気持ちよかったです」
「なっ…」
「せっかく助けにきたというのに、そんなことしてたのね。キッチリ看守共の死体と一緒に並べてあげる…」
逃げ出す望。それを追う一行
それらが見えなくなり、まといが立ち上がる

「いい罰になりそうですね先生…でも、心配してくれて嬉しかったですよ。フフッ」

明日からもまた、まといのディープラブは続く

おわり

427:名無しさん@ピンキー
08/02/14 00:23:02 Bi0D/ukC
おそまつさまですた

終盤gdgdな展開で、バッドエンドにならないようにしたらもうこんな…ね

もう、まといただの腹黒ビッチじゃねーか('A`)

気分を害した方申し訳ない
ここからいつもの流れでお願いします

428:名無しさん@ピンキー
08/02/14 00:23:09 HSRatMjs
GJ
待っててよかったぜ…

429:名無しさん@ピンキー
08/02/14 00:27:41 AS2Hw+f8
いや、バッドエンドにしなくて正解だと思うよ。その気遣いがGJ


430:名無しさん@ピンキー
08/02/14 00:46:49 LJKtHukL
GJ!
しかし無理にBADEND避ける必要はないかと。いや、推奨してるんじゃなく。
「俺の○○になんてことを!」って人はそもそも注意書き読まないのが悪いんだし。
もちろん純愛ハッピーも大好きだが、それ以外は駄目って流れはどうかと。
せっかくエロパロなんだし、自信持って色々やってほしいとも思うわけで。
長文スマソ。ともかくGJ。

431:名無しさん@ピンキー
08/02/14 01:54:18 NBMa1nxj
びっちまといもいいよ~GJ

432:名無しさん@ピンキー
08/02/14 02:02:12 wtk2G3X9
バレンタインだね(^ω^)
2のへ女子は先生の為に体にチョコを塗りたくってる頃だね(^ω^)

433:名無しさん@ピンキー
08/02/14 12:36:24 GDGtQVLD
今日はバカップル狩りの日ですね。

434:名無しさん@ピンキー
08/02/14 19:04:56 etu3qPDJ
>>427
遅まきながら、乙でした。

435: ◆n6w50rPfKw
08/02/14 23:52:21 Lvh4Y+/4 BE:348078645-2BP(333)
バレンタインネタをアップしたいのですが、時間切れで、前半のエロなしの部分だけでお許し下さい。

第九集82話(バレンタインの回)32頁1・2コマ目から始まります。
注意:
前半はまったくエロなし。
女装・女体化の描写あり。

436:超!倫とチョコレート工場 1
08/02/14 23:55:46 Lvh4Y+/4 BE:208847434-2BP(333)
「私、糸色君のこと、嫌いじゃないな」
 千里の三分の一告白が決まった。
 その場に居合わせた皆は、あまりのあざとさに言葉もない。
あざとすぎて、あたりに花吹雪まで舞い散る始末だ。
ところが、花吹雪に交じって妙に質感のある小さなものが望の背後を飛んでいる。
―蛾だ。
 その場にいる一同の中で、倫だけが、望の背後を舞っている小指の先ほどの淡い色をした蛾を発見した。
見るうちに、その小さな生き物は望の背中に停まった。
もちろん、望本人も絶望ガールズも気付いていない。

―これはマズいぞ……

 彼女達に知れたら一大事だ。それでなくとも「ブームにのってガとか入ってたら嫌だし」などと言っていた連中である。
とりあえず、望を女生徒達から隔離せねばならない。倫の思考はフル回転した。

「そ、それでは、お待ちかねの試食コーナーじゃ」
「わーい」
「そうこなくっちゃ」
 幸い、絶望ガールズは試食に飛びついてくれた。
―助かった。やれやれ……
 倫は心中で冷や汗を流しながら兄の教え子たちを試食へ案内しようとした。

「では、私も」

 ところが、まさにその望が当然のようについて来ようとした。これには倫は慌てた。
来られては意味がない。ぴしゃりと断った。

「お兄様はダメ」
「えー!?」

望は素っ頓狂な調子で不満を表した。いかにも心外という調子である。

「試食室は絶対に男子禁制ですの」
「そ、そんなぁ」

 望は歳に似合わない情けない声を張り上げた。

「あーあ。私も食べたかったな。せっかくの愛しい妹のチョコを食べたかったな」

 傍目に分かるほどがっくりと肩を落としている。
壁に頭を押しつけてくりんくりんさせながら、眼前の宙に指で「の」の字をいくつも書いている。
高校教師の威厳など、どこを探してもない。

「昼間もダメで、今もダメ、か。あーぁ……」

     ☆

437:超!倫とチョコレート工場 2
08/02/14 23:58:17 Lvh4Y+/4 BE:435098055-2BP(333)
 すっかり落ち込んでいる望の様子を見て、奈美・晴美・あびるがひそひそと囁き合った。

「先生ったら、また拗ねてるわよ」
「いつもの『絶望した!』って決めゼリフも出ないわねぇ」
「絶望先生、本当に甘い物が好きなのね」

 ここで、倫が口を開いた。

「どうしても欲しいのですか?」

どうやら、「愛しい妹」という部分に反応したらしい。

「ええ。欲しいです! お願いしますよ倫さん」

 望は、飼い主にすがりつく子犬のような目つきになって実の妹の膝に取りすがった。
目を潤ませてさえいて、いじましいことこの上ない。

「では、その服をお着替えになって。衣服を女子のものにすれば問題ありませんわ」
「へ?」
「まあ、悪いようにはしませんわ。―ちょっと」
 奥に向かって手をポンポンポンと叩いた。
 程なく黒スーツ黒サングラスの屈強な男たちが望を取り囲んだ。
「お兄様をここのコスチュームに着替えさせよ。例のアレでな」
「ははっ」
「ちょっと……倫さん!?」
「お兄様、では後ほど」

 望はアッという間に麻袋に詰めこまれ、別室へ連行されていった。

―やれやれ。手を三度打ったら……などという、しょーもない約束事でも作っておくものじゃな。助かったわ。

「あれ? 先生は?」奈美が尋ねた。
「お兄様とは、後で合流する手筈にした。さあ、皆さんはこちらへどうぞ」
倫は先に立って工場の奥の扉を開けた。

      ☆

438:超!倫とチョコレート工場 3
08/02/15 00:01:02 Lvh4Y+/4 BE:469905293-2BP(333)
 試食室はこぎれいな和室であった。
 奥の窓からは見事な枯山水がその渋い姿を見せている。

「わぁ、素敵。」
「なかなかのモノじゃん」
「さすが糸色家ね」

 面々は口々に感心した様子で褒め言葉を口にした。

「お待たせ」

 倫が入ってきた。庭園を眺めていたあびるが、さっそく倫に訊ねた。

「なぜチョコレート工場に日本庭園が?」
「糸色家の接待用じゃ」倫は即答した。
「なるほどね」

 絶望ガールズもすぐ納得した。
確かに、どことなく頼りない兄たちよりは倫の方が糸色家の雑事をこなすのにはるかに適任である。
 倫が言葉を継いだ。

「あれはな、ぜんぶ甘いもので出来ておるのじゃ。
敷き詰めてあるのは、砂ではなくて、極小の金平糖、ホワイトチョコフレークじゃな。
その上からパウダーシュガーなどをまぶしてある」
「へえぇ」

一同は感心することしきりである。
千里が花瓶に活けてある花を指さした。

「じゃあ、ひょっとして、あれも?」
「うむ。花から花瓶まで、全部、細工菓子じゃ。出入りの和菓子職人に作らせた、伝統の技じゃな」
「凄いなあ」
「本物にしか見えないわねえ」

 ここで、千里が倫とこそこそ相談を始めた。どうやら、次の茶会用に和菓子の花を使いたくなったらしい。
 ちょうど話が纏まったところで、扉の方からノックの音がした。
一旦、倫が扉の外に消えた。

     ☆


439:超!倫とチョコレート工場 4
08/02/15 00:05:13 7CPtMwpX BE:313270092-2BP(333)
 一呼吸して、ドアが静かに開いた。
 入ってきたのは、銀色に輝く大ぶりのトレイに色とりどりのチョコレートを山盛りにして持ってきたメイドさん……の姿をした望と、
兄に腰縄を打ってその端を持っている倫である。
―ひゃああああ!…………
―なあに、アレ!?…………
 望の女装姿は時々目にしていた絶望ガールズも、今日の本格的なメイド姿には度肝を抜かれた。
メイド服はコスプレ用の安手の物ではなく、本物の黒のウェールズメイド服だ。
足が細いので白のレースリボン付きニーハイソックスがよく似合うし、男の癖に絶対領域が眩しい。
おまけに、マスカラはもちろん、薄化粧まで施され、控えめではあるが真っ赤なルージュまでひいてあるのである。
それに、よく見ると、可愛いカチューシャやエプロンには所々に小さなダイヤが縫い込まれていて、時折キラキラとまばゆい光を発している。

「よくお似合いだこと」
「先生、職業変えたらどうですか」

あまりに似合いすぎているので、一同は担任にからかいの言葉をかけつつも、嫉妬心を隠しきることができなかった。
そんな心中を知ってか知らずか、倫は兄にてきぱきと命令を下す。

「さ、早うメイドはお客様におもてなしをするように。
 ほらほら、さっさとお飲物をお出しして。あちらに一式揃っているから。
 コーヒーや紅茶は豆や茶葉の種類まできちんとお客様の好みを伺うこと。よいな」
「ううう……」
「ちゃんとし終わったら後でたくさんチョコレートを差し上げますわよ」
「ううう……」

 ここで、奈美・千里・あびるが顔を見合わせていたが、奈美が側にいたペンギンを指して言った。

「ねえねえ、倫ちゃん」
「何じゃ?」
「この子にでも食べられるチョコってあるかしら?」
「うむ。動物用の菓子は以前から研究しておったのでな」

倫がトレイの隅にある細長いパッケージをつまみ上げ、ひらひらっと見せびらかすようにすると望に手渡した。

「ペンギンには、鮎の形をした若鮎チョコがよかろう。
 鮎の香味エキスを乳酸菌飲料に溶かし込んでチョコにしたものじゃ」
「……それ、おいしいの?」
「まあ、やってみるがよい。ささ、メイド」
「……」

 望が試しにペンギンにやってみると、皆の驚いたことに、つるつるっと平らげたではないか。
おまけにフリッパーをパタパタさせ、望の足を突っついてお代わりまで催促している。

「痛っ、分かったから、あげますから、あ痛っ、ちょっと待って」
―ペンギンに毒味させてみたけど、大丈夫みたいね。
―人間が食べてもオーケーみたい。

 望の泣き言をよそに、皆が安心してトレイに載ったチョコに手を伸ばし始めた。
 純銀製の大きなトレイの上には、紅、白、緑のパッケージに包まれたごく普通のチョコやら、
「ぬまんちゅをのまんちゅ」と題したチョコレートドリンクやらが所狭しと乗っている。
もちろん、職人が丹精込めて製作した粒よりの高級チョコも盛り沢山。
チョコそのものは一級品であるので、味にうるさい絶望ガールズたちにも好評だった。


440:超!倫とチョコレート工場 5
08/02/15 00:08:30 7CPtMwpX BE:104424023-2BP(333)
     ☆

 倫がメイドの望に別のトレイを取ってこさせた。

「こちらは試作品なのだが、効果はあるぞ」

 トレイには、ピンク、赤、紫などのチョコがそれぞれ小さな山を作っている。
千里が何気なくピンクのチョコを手に取り、裏返してみた。
見ると、「バストを整えるチョコ」と小さく記されている。

「効くの?」
「うむ。サイズだけでなく、形も良くする効能があるのだな。さよなら胸も矯正されるぞ」

 この淡々とした説明にかえって魅力を感じたのか、千里、芽留に加えて、
巨乳で定評のあるカエレやあびるまでもが手を伸ばした。
もちろん奈美も抜かりなく2個食べた。
 その他、スリーサイズ調整チョコ、産毛を薄くするチョコ、ニキビの発生を抑えるチョコ、お通じを整えるチョコなど、
主に女性用のチョコが次々と提供された。
もちろん、チョコだけではない。
チョコを乗せるための薄手のスポンジケーキ、極上のサワークリーム、
そして甘みに鈍感になった舌を矯正するための塩昆布まで置いてある抜かりなさである。
各種の一級品のコーヒーに紅茶が始終望の手により提供されているのは言うまでもない。

「ここからは研究段階の試作品なのだが」

さて、トレイには新たに真っ赤なパッケージのX2、X3、X10とだけ書いてあるチョコと、
パッケージに次の判じ物のような模様が印刷されているだけのもの
↑→○/○→↑
○→+/+→○
この2種のチョコに加え、その他の簡素でいて何やら怪しげな風体の物が出された。
ここで倫の袂が震えた。

「む……ちと失礼。しばし席を外します。お兄さま、後はよろしく。皆様、どうぞごゆるりと」

何か外部から連絡があったのか、倫が皆を残して奥に消えた。

     ☆

441:名無しさん@ピンキー
08/02/15 00:20:37 OYHnEJN7
支援

442:超!倫とチョコレート工場 6
08/02/15 00:25:26 7CPtMwpX BE:278462382-2BP(333)
 ところで、ここまで、望は誠心誠意メイドとして教え子たちに奉仕してきたつもりである。
それなのに、いくら待ってもチョコの一欠片さえ食べさせてもらえない。
我慢しきれなくなった望は、倫がいない隙にとばかり、目の前の試作品をわし掴みにした。
そこへちょうど倫が奥から戻ってきた。

「あらあら、お兄様ったら……」

仕方がないな、という調子で望の方に目を遣った倫は、兄が食べようとしているチョコのパッケージを見て顔色を変えた。

「だめ、お兄様! そのチョコは」

だが、望は聞く耳を持たない。

「ふ、ふん。今更遅いですよ。我慢しすぎてもうくたくたですからっ」

あたふたと包みを破ると、中身をぽいっと口の中に放り込んだ。

「ああ……何と言うことを」
「ムグムグ……身内を褒める訳じゃないですが、けっこう美味しいじゃありませんか。
 最初から大人しく出してくれれば……」

続けて別のチョコをむしゃむしゃ頬張った。

「そ、それも……もう、どうなっても知りませんわよ」

倫の思わせぶりなセリフにも望は無頓着である。

「モガモガ……たかがチョコで何を大げさな」

自分がたかがチョコで大人げない振る舞いに及んだことはすっかり忘れているらしい。
 だが、すぐに天罰覿面!

─ズクッ!
「はうぁっ!」

 下腹部に鈍い一撃が来た。
いったい今のは何だと思っていると、続けてきつい第二波がやってきた。
─ズクッ! ズクン、ズクッズクッ、ズックッズックッズクズクズクズク……
 ジョーズのテーマが下半身の中で響いているかのようだ。
恥ずかしい部分がみるみるうちに疼き始め、どうにも止まらない。
おまけに絶棒が痛いほど屹立してきた。
妹や女生徒の前だというのに、望はそそり立つ股間を押さえてとうとうその場にうずくまってしまった。
 望の変調に、さすがの絶望ガールズも気付いたようだ。チョコを手にしたままの者もいるが、皆が担任を心配そうに見つめた。
「先生!?」
「いったいどうしたの?」
「……盗み食いなんかするから、罰が当たったのじゃ」
倫がやれやれといった風に言った。
「罰~!?」
「こうなっては仕方ない。お兄様の行く末を見守るしかない」
「どういうこと?」
奈美の問いかけに、倫は答えをはぐらかした。
「まあ、しばらく見物しようではないか」
「?」


443:超!倫とチョコレート工場 7
08/02/15 00:29:35 7CPtMwpX BE:208847434-2BP(333)
      ☆

 うずくまっていても、股間の疼きが収まることはなかった。
それどころか、胸までもがジンジンと音を立てるかのように痺れ始めた。
そして動悸に合わせ甘美な電流が生じては脳に強い快感をこれでもか、これでもか、と訴えかけた。
―な、なんでこんな時に!
 望は歯噛みする思いだった。
だが、意に反して下腹部と胸の妖しい疼きは激しさを増すばかり。
おまけに全身がカアッと熱くなってきた。
しかもその火照りが妙に心地よい。
「ああぁ……いったいこれは、倫さ……くあぁっ」
 とうとう望は両腕を太腿で挟んでその場で転げ回った。
人の目がなければ自分で自分を激しく慰めたに違いないほどの耐え難さであった。
「うううう……あうぅん……はあぁぁッ」
 メイド服のまま、スカートがめくれるのにも頓着せず、畳の上を悩ましい声をあげて転げ回る担任教師。
その姿はあっけにとられて見つめる教え子達に不思議な嗜虐心を呼び起こした。
      ☆
「はァ、はァ……」
 望はまだ荒い息をついているが、発作は収まったようだ。
それを見て取った倫が兄に声をかけた。
「お兄様。お立ちになってみて」
 望はおずおずと立った。
その立ち姿に、絶望ガールズはざわついた。
 ブラウスの上からはっきりと分かるほど胸が膨らんでいる。
いや、ブラウスがはち切れんばかりになっている。
ボディラインもくびれるべきところはくびれ、円みを帯びるべきところは帯び、まるでストラディバリウスを思い起こさせる流麗さである。
それに絶対領域の眩しさと言ったら!
どこからどう見ても超一流の女になっているではないか。
「まさか……先生が食べたチョコって」
「そう。性別転換チョコじゃ」
奈美がおずおずと口にした疑問を、倫があっさり肯定した。
「性別転換チョコ~!?」皆が一斉に叫んだ。
「そんなもの開発してたの?」カエレが呆れたように吐き捨てた。
「うむ。この部屋は接待用と言うただろう。
 接待と言っても、いろいろあるからの」
倫がいたずらっぽくウインクをしてみせると、皆は声を失った。
もちろん、望もまさかの事態に対応しきれず、倫の言葉にショックを受けている。
そこへさらに倫の残酷な宣告が続いた。
「ちゃんとパッケージに♂→♀/♀→♂と記号が書いてあるのを見落としたのじゃな、我がお兄さまながら情けない。それに」
倫まますます楽しそうに言葉を継いでいく。
「もう一つお兄さまがむさぼったのは、『増感チョコ』じゃ。
 二人の秘め事を行う際に、感度を増感させるチョコ……工場で「カカオの%で好き度を知らせるチョコ」について申しただろう? その裏バージョンじゃ。
 だから、いろいろな感度用のがあるのだが……」
ここで倫が、兄が残した包み紙を点検して言った。
「あらあら……X10だとは。よりによって一番強力なものを食べてしまわれたのね、お兄さまったら。おほほほ」
倫はさも楽しそうに笑った。
「今、お兄さまは平常時の10倍まで感度がアップしておる。たぶん少し触られただけでもう……」
ここで、倫はいきなり望の背後から胸をむんずと掴み、無造作に揉み立てた。
「あっ、いやぁ! 止め、止めなさい、倫! あうぅ……あぁん!」
望は止めたが、甘い声を漏らした。おまけにもう腰がガクガク震えている。
「おほほほ……妹に胸を揉まれて感じるなんて、お兄さまったら恥ずかしい」
「ああ、言わないで……」
「その分ではきっと」
ここで倫は望のスカートをめくり上げ、下着をずり下げた。
躊躇わずに指を兄の秘部に這わせ蠢かせると、たちまちぴちゅぴちゃという音が聞こえてきた。
「くあぁ!」
「あらあらやっぱり、びちょびちょだこと。だらしないですわ、お兄さま」
「ひん。ひゃん。ひゃうぅん!」


444:超!倫とチョコレート工場 8
08/02/15 00:32:51 7CPtMwpX BE:208847243-2BP(333)
 倫がスカートをめくり上げたままなので、絶望ガールズもついその部分に目がいった。
自分達が望を相手にしたときに見たあるべきものがなく、自分たちと同じモノが息づき、ヌラヌラとして時折ひくついている。
だが、それは、しっとり濡れているくせに、成熟した女性のものではなく、まるでまったく使ったことがないかのような可憐さも秘めているように見える。
「はあぁっ」
 ようやく倫が指を離した。兄の垂らした汁に塗れた指を一舐めしながら、望に残酷な宣告をした。
「お兄さまがお食べになった性転換チョコは、男性には完璧に、そして不可逆的に作用しますの。
もし食後3時間以内に体内に男の精を注いでもらわなければ、一生そのままですわ。
お兄さま、カッコ悪い! おほほほほほほほほほほほほ」
倫の高笑いが響きわたった。
「いやあああああ!」
「どうせ男として末期だったことですし、いいじゃありませんか、お兄さま。
 いや、もうお姉さまとお呼びした方がいいかしら?
 女の嗜みを一から仕込んで差し上げますわ」
「いやああ! 誰か……誰か助けて下さいぃ! すんすん……」
望はへちゃっと女の子座りをすると、とうとう両手で顔を覆い泣き出してしまった。
     ☆
「すんすん……すんすん……」
肩を震わせてすすり泣いている望を前にし、絶望ガールズが額を寄せ合って相談を始めた。
「どうする?」
「やっぱり男に戻した方がいいかしら」
「じゃあ誰が先生に精を注ぐの?」
「久藤くん?」
奈美が名前を出した。
「それはそれでいいような……」
晴美が同意しかけたが、千里がぴしゃりと否定した。
「それはだめ。」
「そう? じゃあ、絶命先生はど」
「晴美っ!」
ここで、
「じゃあ臼井は」
と誰かが言いかけたが、、
「もっとダメ!」
と全員一致で言下に否定された。
「それに、今から男子を呼んだんでは間に合いそうにないし」
あびるが冷静に言った。
「うーん……」
一同は考え込んだ。
「ねえ、倫ちゃん」
「どうにかならないかなあ。さすがにこれじゃあ可哀想だし」
「そうよ。実の兄だしさぁ」
「一応、私たちの先生だから」
「そうか? むぅ……」
 口々に言われ、倫が渋々助け船を出した。
「実はの、性転換チョコは女にも部分的に効果があるのじゃ。
 まあ、いわゆる竿が生じて、擬似的な精を体内で生じだけだがな。
 他の女性的な部分はそのままじゃな。」
「じゃあ話が早いじゃない。誰かがそのチョコを食べて……」
カエレが言いかけたところを、倫が制した。
「それがの」

445:超!倫とチョコレート工場 9
08/02/15 00:36:29 7CPtMwpX BE:174039252-2BP(333)
ここで倫がしばらく言いよどんだ。
「……それがの、部分的にしか効かぬと言ったろう。
 実は、その擬似的な精は、男の10分の1の濃度しかない。
 そして、一度精を漏らせば効果はおしまい。女子に戻ってしまう。
 まあ、その分手軽に男性化を楽しめるとも言えるのじゃが……」
 ここで倫はトレイの上をチョコを数えた。
「まだ性転換チョコは10個余っている。
 つまり、お前たちが男になって代わる代わるお兄さまに精を注げばよい。
 先に言うたように、注ぎさえすればお前たちは元の女の姿に戻るからの。
 精は体内に入りさえすればよいから、どこから注いでもよいぞ」
「どこから注いでもいい」
「晴美。なに目を輝かせてるのよ。」
「でも忘れるな。3時間以内だぞ。もう少し経ったがな。

「でも私たちは9人しかいないわ。足りないから絶望先生元に戻らないのでは」
「心配ない。10人目は確保してある」
「まさか、倫ちゃん、自分のこと?」
「いや、……連れて参れ」
ここで倫が奥に向かって手を打った。

446: ◆n6w50rPfKw
08/02/15 00:39:02 7CPtMwpX BE:469906439-2BP(333)
今晩はここまでにさせて下さい。
できるだけ早く続きをアップしたいと思います。

447:名無しさん@ピンキー
08/02/15 01:27:17 3yPUffQg
これは新しい…
後半待ってますお

448:名無しさん@ピンキー
08/02/15 03:03:36 rzeo8mY2
続きの気になる展開ですw
ひとまずGJ!!

449:名無しさん@ピンキー
08/02/15 08:35:49 iqSF8V5V
さすが総受け!!

450:305
08/02/15 23:19:16 M8lFypcV
お疲れ様です。305です。

◆n6w50rPfKwさんの後半とバッティングしないといいのですが… 投下させて下さい。

奈美+エロなし、バレンタインの後日ネタ、です。

では、お願いします。

451:奈美:Sweet On You
08/02/15 23:20:44 M8lFypcV
       
…大雪。空は一面の雲に覆われ、舞い落ちる雪は、いつもの景色を全く知らない世界へと変える。
…休校。それは、授業が全てフイになる、とても幸せな響きの言葉。
─だが、この雪の中、帰宅する事を考えると、素直に喜べる人など居るだろうか? いや、いない!


「…40点くらいですかね。」
「わっ!? 先生!?」
出し抜けに背中から掛けられた声に振り向くと、そこには、いつの間にかニヤニヤしながら佇んでいる担
任教師の姿があった。
暖房の入っていない教室は、他に人影もなく、ことさらに寒く感じる。
冷え切った教室内をあらわすかのような、曇りのない窓ガラスから校庭を見下ろし、奈美は一人で呟い
ていた所だった。
「…勝手に添削しないで下さいよお!」
「一人寂しくポエムを作っていたのではないのですか?」
「違います! これは、えーと、…心情を独白と言うか、何と言うか……」
しどろもどろに言い訳を並べる奈美をよそに、窓辺に歩み寄り先生も校庭を眺めた。
「まだ降っていますね。…まあ夕方には止むそうですが。…日塔さんは帰らないのですか?」
振り返って尋ねる先生に、奈美は少し肩をすくめてみせる。
「いや、この雪の中を帰るのは寒そうだから悩んでいたんですけど…… 聞いてたよね?」
「ええ。聞いていましたよ。普通のポエムを。」
「普通って言うなあ! ポエムじゃないし!」
苦い顔をして文句を叫ぶ奈美に、先生は素知らぬ表情で他所を向いた。

「…まあ、凍えて帰るもよし。寒い教室で凍えて待つのもよし。選択は自由ですね。」
「……凍えるのは必須なんですか?」
苦笑を浮かべた奈美は、ふと、先生の背中側の違和感に気が付き、覗き込んでみる。
「あれ? 今日、まといちゃんはどうしたの?」
「ああ……、いませんね。彼女もいない時はありますよ。…ま、この大雪ですし。」
首を捻って自分の肩越しに誰も居ない背中を確認し、先生は笑って答えた。
「確認しなきゃ、居るのかどうか分からないのって……」
「そういえば、小森さんも今日はSC室に篭っていましたねえ。」
奈美の言葉をさらりと流し、誤魔化すように別の話題に切り替えてみせた。
半笑いになりながらも、それ以上は突っ込まずに奈美は答える。
「智恵先生のとこですか。仲いいよね二人とも。」
「交も昨日から命兄さんの所に行っていますからねぇ… まあ、つかの間ですが、一人気ままな暮らしを
満喫できるわけですよ。いつも騒がしいですし、たまには良いものですよ。」
「…なんか、所帯じみた話だなぁ……」
少し苦笑した奈美に、先生も笑い返した。


そこで会話が少し途切れ、静かな空気が立ち込める。
気まずい訳ではないが、何となく間が繋げないかと奈美は少し考え、
先に先生の口が動きかけた様子が見えたが、それを遮り奈美が口を開いた。

「あ、そういえば、先生。バレンタインのチョコ、もう全部食べました? たくさん貰ってたでしょ。」
先生は、一度開きかけた口を閉じ、言葉を飲み込んでから、再び口を開いて返事を言葉に出す。
「ええ…… 全部食べましたよ。………交が。」
「え……?」
「まあ、その後、原因不明の熱が出て、命兄さんの所に厄介になっているわけですが。」
奈美はちょっと力の抜けた表情になってしまう。
「食べすぎだってば… 保護者なんだから止めろよ……!」
「─そうですね。交も甘い物が好きな年頃…… 失念していましたよ。」
「また微妙にはぐらかすなあ…… あ、でも、いいの先生? あの中に本命チョコ……とかあったりする
かもしれないんだよ……?」
ちょっと視線をそらしながら、ついでに付け加えるような質問を先生に投げかける。



452:奈美:Sweet On You
08/02/15 23:23:48 M8lFypcV
                   
「本命……義理…… なぜ、そんな判断に苦しむようなシステムになっているのでしょう…」
「はい?」
唐突に遠くを見つめて一人ごち始めた先生に、ぽかんとした顔で奈美はその顔を見る。
「いっそ、義理 と書いた熨斗でも付けていただければ、分かりやすいのでは?」
「いや、それ、おかしいって…! お歳暮じゃないんだしさ。……第一、他の人に丸分かりだし。」
先生は少し首をかしげて難しい表情をしてみせる。
「では、デコペンでチョコに表記してみては? 99%義理、とか。これは良いのでは?」
「それじゃカカオ含有量だろ!? どっちにしろ微妙でしょ、そんなチョコ食べるのは!! そんなにデカ
デカとアピールがあったら食べにくいんじゃない?」
ちょっと半笑いで答える奈美を見て、先生はいつものシニカルな笑みを浮かべた。

「そういえば日塔さんのチョコは、アピールバッチリでしたね。」
いきなりの言葉に奈美の心臓が一度大きく跳ね上がり、一気に血が頭へと昇ってゆく。
冷えた教室内と言う事もあり、紅潮して行く顔は隠すことは出来ず、ごまかすように照れ笑いを浮かべて
みせる。
「え…え~!? 何かしてましたっけ? いや、ちょっと失敗しちゃったけど! いつもは、もっとちゃんと
作れるんですよ?」
しきりに頭などを掻きながら照れて見せる奈美に、先生は悪戯っぽい笑みを浮かべ、頷いてみせた。
「わかっていますよ。─まさに高等テクニックですね。」
「……は?」
まったく予想していなかった言葉が飛び出し、奈美は口を半開きにした状態で間の抜けた声を上げてし
まう。
「ワザと左右非対称に造型する……そんな作戦ですね? あと、ちょっと歯触りを微妙にザラつかせたり、
甘味を調節して苦めの味わいにしたり。─頑張ったけど、ちょっと失敗しちゃった─、感を出す!
 まさにドジっ子アピール!!」
「してないから! そんなアピール!!」
饒舌に失礼な事をまくし立てる先生に、奈美は苦い顔で抗議の声を上げるが、先生は、聞く耳を持たな
いという風に首を振りながら続ける。
「まあ、ドジっ子さ加減も普通でしたが。」
「普通って言うなあ!!」
怒った顔で叫び、奈美は机の上に置いてあったカバンを取り、ズカズカと出口の方へと歩いて行く。
「おや? やむまで待たずに帰るのですか?」
ちょっと意外そうに尋ねる先生に、奈美は出入り口の戸を開けながら首だけで振り返る。
「うん。やっぱ、もう返る。残っててもしょうがないし。じゃ、先生バイバイ!」
軽く手を振る奈美に、先生は無言で少し微笑んで手を振り返し、体の向きを変えて窓の外を向いた。
何となく、何か言いたげなその背中を見て、奈美は首をかしげながらゆっくりと戸を閉める。
最後に少し残った隙間から見えた先生の背中は、やはり変わらずに窓の外を眺めているようだった。


外をちらつく雪が返す光が窓から差し込み、校舎の中はいつも以上に明るく暖かく感じられる。
とは言え、コンクリで作られたこの建物では外の冷気が染み込むように伝わり、氷のように冷えた床の感
触が上履きの底を通して、つま先にじんじんと伝わってくる。
雪の中、わずかながらに登校してきた生徒たちは、休校と知るやすぐさま下校してしまったのだろう。
人気の感じられない長い廊下に足音を響かせ、奈美は昇降口へと向かっていた。




453:奈美:Sweet On You
08/02/15 23:26:18 M8lFypcV
            
先程見た先生の背中。どこか気にはなる様子はあったが、まあ、いつもの事だと割り切り、寒そうに両腕
を擦りながら歩いていた。
一階まで降りてきた所で、SC室の中から微かに話し声が漏れている事に気が付く。
─霧ちゃんと智恵先生だな。
すぐにそう判断した時、ふと自分の記憶の中から不下校の勝負をした時の事が思い起こされた。
─あまりの恐怖に、結局日が暮れる前に逃げ出してしまったんだったな。
あれは想像以上の寂しさだったよ─  ずっと一人で学校に残っているなんて……
苦笑交じりに思い出した情景から、次々と鎖のようにつながった記憶が引き出され、それは奈美の頭の
中で一つの形を取ろうとしているようだった。

気が付いたら足が止まっていた。…奈美は今来た廊下を振り返ってみる。

いつからか当たり前のように学校に来て、日々を楽しく過ごし、忘れていた事だった。
不登校だった頃の事。だれも心配してくれなくて、その事に怒って登校して、そして先生に会った時。
それ以来、会うたびに散々な事を言われたり、面倒に巻き込まれたりで。

ちょっと恥ずかしくなってきたのか、奈美は微妙に顔を歪める。
─だって、自分から構ってくれなんて言えないじゃない! だから、色々と可哀そうぶって……

ハッと気が付いたように奈美の表情が強張った。
思い出されるのは、つい今しがた見た先生の背中。─あの時、やけに小さく見えた背中だった。


「あの、かまってちゃんめ……!!」
奈美は歯軋りをするような表情を浮かべ、言葉に出して呟いた。
─自分だってアピールしてるじゃないか!
あの時、自分の言おうとした事を飲み込んでしまった先生の顔が浮かぶ。
─わかる。…私と同じだから、わかる。……それを。
奈美はいつの間にか早足になり、廊下を急ぎ進んでゆく。
─何で気が付いてやれなかったんだろ……

何だかんだ冷たいけど、いつも私の方が優先だった。
人一倍、もしかしたら私よりも構って欲しがりのクセに、いつもいつもムリして憎たらしい事ばかり言って。

一人がいいなんて嘘だ…… 一人は寂しい。
誰かに自分の事を考えてほしい。考えて、気にかけて、いつも思ってほしい。
自分の事を知ってもらってからでなきゃ、相手の事を気にかける余裕なんて生まれてこないんだ。
…私たちみたいなのは。

─だから、我慢させないようにしてあげる。私が。
「……ホントに、めんどくさい人間だな…!」
怒った口調で、しかしその表情は優しく、奈美は宿直室へと急いで歩いた。





454:奈美:Sweet On You
08/02/15 23:30:03 M8lFypcV
遠慮なくドアを開け、奈美は宿直室に上がり込む。
「…あれ? まだ、戻ってきてないのかな?」
いつも、誰かしらは居るこの部屋だからこそだろうか。落ち着かなくなるほどの静かな空気が漂っている。

とりあえずコタツのスイッチを入れて中に入ろうとし、奈美は思いとどまったように捲った布団を戻した。
「…うーん…… ずっと、テレビ見てるだけじゃなぁ… 何か無かったっけ?」
ぶつぶつ言いながら、先生の机の引き出しを勝手に開けて、中を漁り始める。
便箋だか封筒だかをどけていると、奈美の動きが急に止まった。

紙の山で隠すようにして、引き出しの奥にしまわれた、見覚えのある箱が目に止まる。
ゴクリと喉を鳴らして、丁寧に封筒の束をどかし、その箱を取り出した。
何の飾り気も無い、真っ白な─ しかし、どこか見覚えのあるそのフタをゆっくりと開く。
緊張した面持ちで、隙間から覗き込むように中を見た。


奈美の顔が少しずつ赤く染まってゆき、口元が緩んで笑みがこぼれた。
サッ とフタを閉じると元の場所に戻し、さかさかと紙の束たちを押し込んで引き出しを閉める。
(うそつきめ…… 交くんが全部食べたって…?)
どうしてもニヤついてしまう顔を何とか落ち着かせようと、襟首をいじったり頬をマッサージしたり、モジモ
ジしていたが、側らに置いてあったペンギンの縫いぐるみに気がつくと、思わず抱き寄せて「とおっ!」と
声を出して畳の上に転がった。
ごろんと一回転し、仰向けに止まった所で、入り口を開けて入ってきた先生と目があって、
「わあああ!?」
「─イタッ。」
「…って! いま、痛って言ったー!? 小声で!」
「いえ、何も。─それよりも、何をなさっているのです? 帰られたのではなかったのですか?」
わざとなのか、部屋に上がると、転がったままの奈美を邪魔そうにまたいで、先生は自分の机に背を向
ける位置でコタツに入り込む。
「わざわざまたぐな! 失礼だろ!?」
「…それはさておき、何か用事でも?」
やや投げやりとも取れる興味なさげな口調のまま尋ねる先生に、奈美は縫いぐるみを離すと、コタツの
向かい側の席に入り込んだ。
「…いや、まあ、たまには先生と遊んであげようかなと思ってさ。…どうせ暇でしょ? 先生。」
笑顔で答える奈美に、先生はロコツに視線をそらし、ぼそりと呟いた。
「……迷惑な。」
「おい!? せっかく来てあげたのに!」
渋い顔で叫ぶ奈美に、先生は視線を戻す。
「…で、何して遊ぶのですか?」
「……え?」
当然の問いかけに、奈美はしばし沈黙し、

「と……トランプ。─とか?」


「……普通ですね。」
「普通って言うなあ!!」
奈美は叫びながらコタツの中で足を伸ばし、トランプを取り出そうと机に手を伸ばす先生の膝を軽く触れ
るように蹴った。
その引き出しからは視線をそらし、ちょっとすねたような笑顔を浮かべて窓を見つめる。

暖かくなってきた部屋。すりガラスのように曇りがかってきた窓からは、ゆっくりと落ちる雪が影絵のよう
にぼんやりとした姿を映していた。






455:305
08/02/15 23:31:57 M8lFypcV
おそまつでした。

ではまた。失礼します。

456:名無しさん@ピンキー
08/02/16 00:12:08 h3jvaOf5
GJ

なぜかニヤついて読んでしまった。
外伝でこんな話を出したら、すごい反響があるんじゃないだろうか。

457:名無しさん@ピンキー
08/02/16 00:37:40 rMX1e+qX
なんとなく普通のエロなし話って良作多いような気がする。
普通ちゃんの一人称って感情移入しやすいのかな?

458:名無しさん@ピンキー
08/02/16 05:19:45 LHj2uBFM
ええ…ええわぁ…。
すごい普通が生き生きしとる…もうこの2人大好き。
思い切り映像が浮かんできたですよ。最高GJ!

459:名無しさん@ピンキー
08/02/16 08:51:14 bMg/dLR/
特別扱いしたくなるいい奈美でした。GJ!!

460:名無しさん@ピンキー
08/02/16 11:01:10 vHvKf04V
GJ!
305さんの書く奈美は、毎回かわいいな。

461:名無しさん@ピンキー
08/02/16 12:21:19 /GS8K5pU
GJ

462:名無しさん@ピンキー
08/02/16 12:35:17 +X2eVhm2
GJ!
歯触りとか苦味とか言われた時点で先生が自分で食べたってことに気づかない奈美の普通さが。

463:名無しさん@ピンキー
08/02/16 15:59:45 OBmhG+II
そうか、倫様は義妹の可能性もあるのか……

464:名無しさん@ピンキー
08/02/16 16:19:00 AbYoY3+m
可符香ちゃんのお腹にグーパンチしたい

465:名無しさん@ピンキー
08/02/16 17:45:12 wP83YxsZ
>>464
角煮に書いてVIPに書いてここまできたかw
もうそれで一本書いちゃいなよ

466:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:36:28 fDIG139J
糸色望×常月まとい

今週号ネタなので単行本派は注意してください

467:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:37:17 fDIG139J
                              
薄暗く、冷たく、無慈悲、そんな形容詞が似合うコンクリートの箱の中。
孤独に打ち震えなければならないはずのその部屋で、
まといと望は寄り添い温もりを共有するというあるまじき暴挙に出ていた。

「一人が良かったんですけどねぇ」
「何言ってるんですか、先生。
 やっと二人っきりになれましたのに」

壁にもたれかかりため息を吐く望に、まといはしなだれかかって甘い声で囁く。
看守が不愉快そうににらみつけてくるが、まといは気付いてもいない様子でここぞとばかりに望に甘えていた。
知り合ってからほとんど離れた事の無いまといにしても、望と二人きりの状況はそう滅多な事では訪れない。
このようなチャンスに他の事に構っている余裕は無かった。

「しかし、こういうのもいいもんですねぇ………。
 鉄格子から入るほのかな月明かり……体温を吸い込む冷たいコンクリートの壁……
 囁き声すら響く圧迫感のある部屋……時には喧騒を離れこのような空間で物思いに耽るのもいいものです」
「ふふっ、そうですね。
 こんな所で二人っきりってなんだかロマンチック……」

望は深いため息を吐くと、しみじみと呟いた。
生徒達の馬鹿騒ぎに巻き込まれる生活が嫌なわけではないが、時に疲れるのも事実。
ここに閉じ込められたのも厄介事ではあるが、望にとっては舞い込んできた幸運でしか無かった。
それに厄介な生徒も一人だけならそう大した事では無い。
うっとりとした声を出し見上げてくるまといを可愛く思える余裕すら今の望は持ち得ていた。

「……常月さんは寒く無いですか?」
「私は別に……先生が暖かいですから」

ぼんやりとストライプ柄にされた月を眺めていた望は、まといの答えを聞いて視線を向けた。
確かにまといは望の上に座っていてコンクリートには触れていないが、それでも寒く無い事は無いだろう。
にも関わらず嬉しそうに笑うまといの表情に望は柄にもなく感動を覚えていた。
どこまでもどこまでも慕って付いて来てくれる少女。
普段は鬱陶しさを感じる事もあるし、常に見られている事に苛立ちを覚えたりもするが、
慕われる事が嬉しくも思うし、けなげで可愛いと思う事もある。
今は正面を向いて相対しているからだろうか、
望は強固な心の防壁を解き始めていた。

468:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:38:07 fDIG139J
                    
「でも、先生に触れてない所が寒いです。
 きっちり手を回して下さい」
「きっちりですか?」
「ええ、ちゃんと抱きしめないと千里ちゃんに怒られますよ」

ふふっ、とまといが微笑むとつられるようにして望も笑みを見せた。
くすくすと忍ぶようにして笑いあい、また看守に睨まれる。

「それは怖いですね。
 ―これでいいですか?」
「……っ!」

望の腕が横向きに座るまといの背中とお腹を掴む。
身体を包む温もりにまといは驚いたような顔をし、すぐにうっとりと目を閉じた。
散々アプローチして来たが、望の方から何かしてくれたのは初めての事だった。
きっと愛しくて抱きしめたのではなく、言葉通りに暖めようとして抱きしめてくれたのだと
まといは分かっていた。
なんだかんだ言って生徒に優しいから、自分を寒さから守ってくれただけなのだろうと。
しかし、それでも良かった。
その優しさもまといの愛する望の一要素だから。

「…………………」
「…………………」

それからしばらくの間、二人は静かに暖めあっていた。
まといは白い息を望の胸板に吸い込ませ、
望はまといの髪に頬を当てて一言も喋らずに温めあっていた。
内心ではまといは次なる段階を期待していたし、
望はまといの柔らかさを意識しないように努めていたのだが
表面上はとても穏やかに上品さすら漂わせる程だった。

469:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:39:01 fDIG139J
その空気を破ったのは、この状況を至福と感じていたまといの方だった。
現状に言い知れぬ幸福を覚えながら同時に不満も感じていた彼女は、
わずかに身じろぎして望に自身の存在を意識させると、回された腕を解きおもむろに立ち上がった。
そして、不審がる望ににっこりと笑いかけた。

「トイレです」

少女が一緒に入る事など想定していなかった為、この部屋には金属製の粗末な便器が一つしか無い。
遮蔽物などあるはずも無い為、望はにわかに慌て、看守をしている中年の男性は素早く背を向けた。
それを視認したまといの次の行動は非常に素早かった。
無防備に背中を見せた看守に音も無く近づき、その首筋を手刀で打ち抜いたのだ。

「ぐふっ!」
「つ、常月さんっ!? 何をしてるんですか!?」

ドサリ、と鈍く重い音を立てて看守が崩れ落ちる。
望の悲鳴のような声に振り向いたまといは、返事をする代わりに微笑み
優雅に、そして艶やかににじり寄り望の太ももの上に腰を降ろした。

「つ、常月さんっ……」

驚いた表情のままの望の首筋にまといの腕がスルスルと回されていく。
やがて望の頭を抱え込むような体勢になると、まといは白い息を望の唇に吐きかけた。
                  
「先生……唇が寒いです……」
「なっ、そんな……」
「暖めてくれますよね?」

望は別に聖人君子でも無ければ枯れ果てても、女に絶望もしていない。
魅力的な女生徒達のアプローチに心揺さぶられた事も一度や二度では無い。
だが、普段は女生徒同士で牽制しあってくれるおかげで、それがブレーキとなって踏みとどまらせてくれる。
しかし、今は誰にも見られていない。
胸に押し付けられる温もりが、柔らかさが、漂ってくる甘い香りが
望の中の教師としてのモラルを破壊しようとしていた。

470:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:40:12 fDIG139J
                  
「だ、駄目ですよ、常月さん。
 もっと御自分を大切にしないと…」
「先生、一緒に死んでくれるって言いましたよね」
「そ、それはですね、ええと…」

どうにか逃れる言い訳を編み出そうとする望の頭を、まといの潤んだ瞳が掻き乱す。
キラキラ輝く大きな瞳も、控え目に通った可愛らしい鼻も、桜色に艶めく唇も、
吸い付くように滑らかな白い肌も、濡れた烏の色に流れる髪も、何もかもが望に食べて欲しいと囁きかけてくる。
そう強くも無い望の自制心は既に大きく揺さぶられ、崩壊しかかっていた。
このままでは不味い、と自覚した望は最後の抵抗に言葉を吐いた。

「せ、先生、そういう事がバレると不味い事になるんですよ。
 社会的地位が大事なもので……」

要するにバレなければいい、黙ってるのなら手を出してやると言っているのである。
実に最低の発言だ。
こんなに最低な事を言う男に年頃の少女が幻滅しないはずがない。
そう計算しての言葉だったが、望はまといを見誤っていた。
まといは年頃の少女であったが、それ以上に恋する乙女であったのだ。

「私、言いふらしたりしません。
 先生の事、愛してますから」
「常月さん……」
「でも、抱いてくれないと、抱かれたって言い触らすかもしれません」
「な、なんですか、それは?」
「言い触らしたくなんて無いですけどね。
 そんな事したって先生の命が危うくなるだけで、あの邪魔女達には牽制にもならないでしょうし」

戸惑う望を見てまといはくすくすと笑い、花のような香りを口から蒔いた。

「―お慕い申しております、先生」

そして、おもむろに瞼を閉じた。

471:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:43:22 wP83YxsZ
支援

472:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:48:46 fDIG139J
あれ?書き込みが反映されない?

473:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:49:22 fDIG139J
それは引き金であり、トドメだった。
望はゆっくりと顔を近づけると、唇を尖らせて待っている少女に口付けをした。
初めは触れるだけ。次に唇を押し付けて、今度は啄ばむ。
そうしてまといが逃げ出さない事を確認すると、
望は少女の唇にしゃぶりつき、華奢な身体を抱きしめた。
引き寄せて身体をこすりつけさせ柔らかさを愉しみ、唾液をすすって舌を追い掛け回した。
まといの喉から出るくぐもった音が、湿った音にかき混ぜられて冷たい部屋の中に響き渡る。
望の強引かつ練磨された手管は、恋愛経験が豊富だと自負していた少女にそれが自惚れであった事を思い知らせていた。

「ぅ……んんっ…」

荒々しく貪るような接吻から解放されると、まといは口を半開きにし恍惚とした表情で目を開いた。
はーはーと乱れた息を整えながら、蕩けた目は物欲しそうに望を見やる。
望はまといの上気した頬に軽く触れると、褒美を与えるように頭をそっと撫でた。
大人が子供を褒めるような、教師と生徒のあるべき関係のような撫で方。
まといが「んっ」と小さく鳴いて目を閉じた。
望はしばらくそうやってまといを甘やかし、労わってから、もう一度唇を舐めた。

「ぁ…ん」

まといの桜色の唇を望の舌が行き来する。
もどかしくなってまといが口を開くと、望の舌は少女の歯茎を舐め差し出された舌をねぶった。
じゅるじゅると音を立てて唾液をすすられ、まといの耳が赤く灯る。
望の唇はまといの口腔を蹂躙するだけでは満足せず、おでこや鼻、頬と顔の至る所を印付けをし
果ては顎から首筋まで犯していった。
時折まといが身をくねらせて抗ったが、望の腕に拘束されて柔らかさを擦り付けるだけだった。

474:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:50:11 fDIG139J
                          
「立ってもらっていいですか?」
「はぅ……はぃ…」

望にそう言われ、まといは唇を合せてからのろのろと立ち上がった。
熱くて働かない頭のまま立ち上がったまといは、そこでようやく帯が解かれている事に気がついた。
望の手が袴をするりと下げる。
まといの口から短い悲鳴が漏れたが、望は気にする事なく露になった白い太ももに口付けをした。

「きゃッ……」

細い腰を掴み、まといが逃げられないようにしてから望は脚を舐めた。
膝のすぐ上から少しづつ登って行き、付け根まで辿り着くと腰を掴んでいた手でずり下ろした。

「やっ……せんせい、見ないでっ…!」

手に持っただけでくちゃりと湿った音のする下着を剥ぎ取られると、
まといはいやいやするように顔を横に振った。

「何を言っているんですか。
 常月さんはいつも先生を見てるんだから、先生も見ます。おあいこです」
「…そんな……やぅっ!」

熱い吐息にビクッとまといが身を震わせると、望はわざと音を立てて鼻から息を吸った。

「いい匂いがしますね、まといさんは」

ぷるぷると震えて恥辱に耐えるまといを見上げると、望は少女らしい肉付きの尻たぶを掴みやわやわと揉み始めた。

「それに毛が薄くてばっちり見えるのが凄く素敵ですよ。可愛いです」

望は下腹部に語りかけるように言葉を連ね、桃色の秘肉にキスをした。
まといの口から声にならない音が漏れる。
とろとろと溢れる汁を舐めとって、望は執拗にまといの中に舌を這わせた。
まといの脚がガクガクと震え、堪えきれずに泣き出し、全身が痙攣しはじめるまでそれは続いた。

475:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:50:58 fDIG139J
                        
「じゃあ、まといさん、先生の上に座ってください」

恥ずかしさで顔を手で覆ったまま、まといは小さく頷いた。
お尻を掴んだままの望の手が、まといをゆっくりと誘導する。
望とまといの目線がほぼ同じになると、漲った肉の棒がまといに触れた。

「手をどけて下さい」

望がそう言うとまといは少しだけ顔を横に振った。

「まといさん……顔を見せてください」

望の声は優しかった。まるで、普段つきまとっている時のように。
まといは少しだけ時間を置いて、顔を抑えていた手をゆっくりと離した。

「泣かせてしまいましたね、すみません」

まといは涙の跡を残した顔で、また顔を横に振った。

「先生は悪くありません。
 ……ああいうの初めてで…怖かっただけなんです」

まといは望の鎖骨辺りを掴むと恥ずかしそうに顔を伏せた。
初めて絶頂を迎える時、自分の変化に戸惑い恐れをなして泣いてしまう少女はそう珍しく無い。
しかし、この少女が泣くとは思っておらず、望は少なからず驚いていた。
それから薄く微笑むと、涙の跡に口付けをして鼻を擦り合わせた。


476:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:54:39 fDIG139J
                                     
「可愛い生徒を泣かせるなんて私は教師失格です。
 まあ、それ以上にこんな事をしているのですから今更でしょうが……」
「先生……」
「でも、止めてはあげませんよ」

そう言い切ると望はまといのお尻を更に下ろさせた。

「あぅっ……!」

十分に蕩けさせられていたが、それでも身体はまだ少女であり
わずかに押し入られただけでまといは苦しそうに顔を歪める。
だが、望はゆっくりとではあったが、確実にまといの身体を自らに近づけていった。

「はぅぅぅ………」

みっちりと押し広げて、奥の奥まで突き立てると
望は搾り出すように息を吐くまといをきつく抱きしめた。

「きついですか?」

望の声は優しげであったが、ほんの少しだけ違う上ずっていた。
だから少女は望の肩に顔を預けたまま、幸せに顔を歪めた。

「幸せです……先生は私で気持ち良くなってくれて」

嘘偽りなく幸福に彩られた声。
それは長い間一緒にいた望でさえ初めて聞くまといの声だった。
そして、その声に望が聞き惚れていると、まといはぎこちなくではあったが腰を前後に動かし始めた。

「あっ……くっ……す、好きに…先生の好きにして……ください…」

そうまといに耳元で囁かれた後の望は、獣であった。
人目という鎖を外された望は男の欲望を煮詰めたような存在と化していて
少女の腰を掴むと、前後に、上下に、円を描くように激しく揺さぶった。
まといが苦悶の声を上げようが嬌声をあげようがお構いなしに貫き、犯した。
鉄格子を掴ませて後ろから膣壁を抉り、固く冷たいベッドに寝かせては腰を叩き付けた。


477:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:56:08 fDIG139J
                                       
薄暗く冷たく無慈悲なはずの部屋の中で、二人は静かに抱き合っていた。
獣と化していた望も今は優しくまといを抱き寄せて、ベッドの上で寝転んでいた。
気だるさすら漂わせながら余韻に浸る。
望は抱き寄せた肢体の柔らかさを愉しみながら、まといに謝罪の言葉を投げかけていた。

「……謝らないで下さい、先生」
「しかし、中に出してしまって―
「出来てても先生に迷惑かけませんから」

望の心配している事が何なのか分かっているという風に、まといは微笑んだ。
それが望の罪悪感を湧き起こす。
生徒に手を出し、避妊もせず、責任を取らない。
これでは完全に駄目人間ではないか、と。
ところが、まといは望の上に馬乗りになると本当に幸せそうに微笑んだ。

「いいんですよ、先生。
 先生とした事も、父親が先生な事も言い触らしたりしません」
「そ、そうですか」
「でも、一つだけ約束してください」
「な、なんでしょう。
 出来るだけの事はしますが、その……」
「うふふ、そういうんじゃないです。
 約束は一つだけ。
 これ、最後にしないで下さい」

へっ、と望の口がぽかんと開く。
しかし、まといは真剣な顔でもう一度繰り返した。

「これが最後は嫌です。
 私はいつでもおっけーですし」
「まといさん……」

まといの輝くような笑顔が望には眩しく、不可解だった。
こんな最低の男に、やるだけやって責任逃れをしようとする男に、何故。

「……何故です? 私なんかにそこまで………
 あなたなら私よりいくらでも素敵な人が見つかるでしょうに」

望が本当に不思議そうに聞くと、まといはにっこりと笑いかけた。

「私、愛が深いんです」

478:名無しさん@ピンキー
08/02/16 18:57:06 fDIG139J
投下終了です。
途中、なんか書き込みがおかしくなってしまって時間がかかりました。すいません。

479:名無しさん@ピンキー
08/02/16 19:01:26 AbYoY3+m
>>465
ばれた・・・・

480:名無しさん@ピンキー
08/02/16 19:05:52 Ipl93w/x
奈美平のエロまだー?

481:名無しさん@ピンキー
08/02/16 20:05:19 RvPOumzv
>>466
GJ

482:名無しさん@ピンキー
08/02/16 22:13:30 wP83YxsZ
>>478
乙&GJです
牢の中でってなんかイメージしやすいよなw

483:名無しさん@ピンキー
08/02/16 22:33:29 xilwmSve
>>466
まといが様々な体位でいかん鼻血が

484:430
08/02/17 12:20:12 I3wu23Rl
こんばんは、お久しぶり(でもないか?)です。
えー、305さんのほのぼの奈美SSの後に、怖いもの知らずにも、
先生×奈美でエロを投下させていただきます。

アニメ5話見た直後に書き始めたのに、だらだら書いているうちに、
何だかすっかり時期を逃した感がありますが、恩着せの後の話です。

で、さらに最初に謝っておきますと、
最初の方が、微妙に>>253さんのSSとかぶってしまいました…orz
本当のこと言うと、最初はもっとマルかぶりしていて(゚Д゚ノ)ノ、
これでもけっこう修正したつもりではあるのですが…。
すんません、最近、かぶってばっかりいるようで。

>>480
あはは、タイミングよすぎて、びびりました。


485:Just the way you are~普通のままで~ 1/11
08/02/17 12:21:13 I3wu23Rl
奈美は、雨の中、傘もささずにとぼとぼと歩いていた。
その手には、渡し切れなかったクッキーの残りが握り締められている。

大好きな先生に食べて欲しくて、一生懸命作ったクッキー。
材料も手順も、凝りに凝って心を込めて、作ったのに…。

――感謝強盗です!!

望の声が、頭の中によみがえる。
奈美は、ぐっと唇を噛み締めた。
そうしていないと、泣き声が漏れてしまいそうだった。

奈美は、家に帰りたくなくて、公園の入口をくぐった。
公園の中には、雨をしのげる東屋がある。
奈美は、東屋のベンチに座り込むと、ぼんやりと考え込んだ。

――どうして、先生は私にあんなに意地悪なんだろ…。

望の奈美に対する態度は、
他の生徒に対するそれとは、明らかに違っていた。

ネガティブで押しの弱いはずの望が、
奈美に対してだけは、いつも、強気に攻撃に出るのだ。
今回だって、心づくしのクッキーを「恩着せがましい」とまで言われた。

――私、先生に嫌われてるのかなぁ…。

涙がじわりとにじみ出てきて、奈美は慌てて首を振った。




ふと、視界に影がよぎったような気がして、奈美は顔を上げた。
「あ…。…先生?」
先ほど分かれたばかりの担任が、傘をさして公園の中を歩いていた。
キョロキョロと何かを探しているようだ。

奈美は思わず立ち上がった。
望が、奈美に気づき、一瞬ほっとした様な顔をすると
こちらに向かって歩いてきた。


486:Just the way you are~普通のままで~ 2/11
08/02/17 12:21:56 I3wu23Rl
奈美は、近づく望を睨むように見上げた。
望は、奈美の顔を観察するように見ると、笑みを浮かべた。
「どうやら、元気そうですね、日塔さん。」
「…何しに来たんですか、先生。」
奈美は、望を睨んだまま不機嫌な声を出した。

望は目を瞬くと、ああ、そうですね、と上を向いた。
「えー、と、…そう、先ほどいただいたクッキーの残りを、
 お返ししようと思って。」
望が袂からごそごそとクッキーの袋を取り出した。
「あのままだと、更に感謝を要求されそうですからね。」
にやりと笑ってクッキーを奈美に差し出した。

――ひどい。

もう、限界だった。
「どうして…。」
奈美の目から、涙がポロリと落ちた。
望がそれを見て、ぎょっとしたように手を引いた。

「どうして、先生は、そんなにいじわるばっかりするんですかぁ。」
奈美の頬を、涙が次から次へと零れ落ちていく。
一度決壊した涙腺は、簡単には止まってくれそうになかった。

「あ、あの…日塔さん?」
慌てたような望の声を無視して、奈美は泣きながら言い募った。
「いっつも、私のこと、普通だ、普通だって、言ってるんだったら、
 普通に、ひっく、扱ってくれたってっ、いいじゃ、ないですかぁ。
 なのに、先生は、うぇっく、いっ…つも、私には、意地悪ばっかりで、
 他の生徒と比べて、全然、普通扱い、してっ…くれない…っ!」

奈美は、涙で一杯の目で望をキッと睨むと、次の瞬間
「うわぁぁぁぁぁあああ!!!」
と手放しで大泣きを始めた。

望は、子供のようにワンワン泣きじゃくる奈美を、
唖然としたように見ていたが、やがて、ため息をついた。
「馬鹿ですね…。」


487:Just the way you are~普通のままで~ 3/11
08/02/17 12:22:42 I3wu23Rl
「馬鹿!?今、馬鹿って言いました!?」
奈美が、涙でべしょべしょの顔で望を見上げる。
「言いましたよ…本当にあなたときたら、がっかりです。
 普通だと思ってましたが、洞察力は人並み以下のようですね…。」

また、何か酷いことをいわれている気がする。
どうしてこの人は、私にこんなに冷たいのだろう。
奈美は、再び泣こうと手を上げたが、ふいにその手を掴まれた。
「…!?」

見上げると、至近距離に望の顔がある。
「本当は、あなたに自分で気づいて欲しかったんですが…。
 どうやら、あなたには、無理そうですから。」
「何を…。」
言葉の途中で、ぐい、と引き寄せられ、望の顔が迫ったと思うと、
次の瞬間、唇に柔らかいモノが押し付けられた。

――え?

しばらくして望の唇が離れた後、奈美は呆けたように望を見た。
「え、えーと…。」
望は、バツが悪そうな顔をして奈美を見ている。
「せ、先生…今のは…。」

奈美の言葉に、望が、はぁぁぁあ、と盛大なため息をついた。
「ここまでやって分かってもらえなければ…もう絶望ですよ。」
「分かるって…ええ、えええええ!?」
奈美の頬に一気に血が上った。

「せ、先生、もしかして、私のこと好きなんですか!?」
「…そんなにはっきり言わないで下さい。」
望は、ぷいんと横を向いた。
その頬が何やら赤い。
どうやら、照れているようだ。

奈美は、パニックで叫び出しそうになるのを必死に押さえていた。
「や、やだ、うそ、どうしよう…。」
その言葉に、望が、くるりとこちらを向いた。


488:Just the way you are~普通のままで~ 4/11
08/02/17 12:23:53 I3wu23Rl
「…私に好かれるのは、嫌ですか?」
心なしか、傷ついた色が見える。

奈美は慌てて首をぶんぶんと振った。
「ち、違います!嫌じゃない、すっっごく嬉しいです!
そうじゃなくて…何て言ったらいいのか…。」
と、再び望が奈美の腕をぐい、と引いた。
「!!」
奈美は、すっぽりと望の腕の中に閉じ込められてしまった。

「…嫌じゃないんだったら、いいじゃないですか。」
「…ん…。」
奈美は、こつんと望の胸に頭をぶつけた。
聞こえてくる望の胸の鼓動が、随分と早いことに気づく。
奈美の中に、何やら、くすぐったい気分が湧いてきた。

奈美は顔を上げた。
「ねぇ、先生?先生は、いつから私のこと、好きだったんですか?」
望の頬が前よりもさらに赤くなった。
「そ、そんなの、覚えてないですよ。」
「ふーん。…でも、だったら、何で言ってくれなかったんですか?
それどころか、いつも意地悪ばっかりして。」

望は拗ねたように口を尖らせた。
「あなたの方から、先に、気づいて欲しかったんですよ。」
「…へ?」
「…だって、教師から生徒に告白なんて、みっともないじゃないですか。」
「えええ―!?」
奈美は脱力した。

まったく、この男は何を考えているのだろう。
みっともないと意地を張っておいて、そのくせ気づいて欲しくて、
それで、ずっと自分に意地悪をしていたというのか。
それでは、まるで小学生と同じではないか。

――でも。

奈美は、頬を赤くして口を尖らせている望を見上げた。

――そんな先生が、私は好きなんだなぁ…。



489:Just the way you are~普通のままで~ 5/11
08/02/17 12:25:07 I3wu23Rl
奈美は何となく嬉しくなって、望の背に手を回すと、
望をぎゅっと強く抱きしめた。
「――!!」
望の体がこわばった。
「ひ、日塔さん…あの、余りそれ以上密着されると…。」

「ん?…先生?」
奈美の下半身に、何かが当たっている。
それが何かに気が付いた瞬間、奈美は
「ぎゃぁぁぁああ!」
と叫んで望を突き飛ばしていた。

「ぐはっ!」
望は、思い切り東屋のベンチに叩きつけられ、ひっくり返った。
そのまま、床に倒れて動かない。

「わわわっ!だ、大丈夫ですか!?」
奈美は、慌てて望の側に跪くと、望の顔を覗きこんだ。
「…大丈夫じゃありません…。」
「え…。」
次の瞬間、奈美の視界が逆転した。

気が付くと、奈美は東屋の床に押し倒されており、
望が自分を押さえつけた格好で見下ろしていた。
「まったく、あなたって人は…死んだらどーするんです。」

「ご、ごめん…っていうか、先生…あの…?」
この体勢は、どうみても…。
頭に血が上る。
望が、奈美を見て、にやりと笑った。
「何ですか?…分かってるから、突き飛ばしたんでしょう?」
そう言うと奈美の首筋に口付けた。

「ひぅあ!だ、ダメですよ!先生!!」
「それはこっちのセリフです。人のことをいきなり突き飛ばした罰ですよ。」
そう言いながらも、望は、唇で奈美の首筋をまさぐっている。
奈美の背中に、ゾクゾクとした感覚が湧き上がってきた。

――ダメだって!まずいって!

奈美は、その感覚に流されそうになるのに必死で抵抗した。



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