【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part13【改蔵】at EROPARO
【絶望先生】久米田康治エロパロ総合 Part13【改蔵】 - 暇つぶし2ch150:週末お暇ですか?
08/01/25 04:05:09 VO/GzccD
「先生、週末お暇ですか?」
あれから何度か、望は晴美に同様の誘いを受ける事があった。
あの日のことがよほど楽しかったのか、期待に満ちた目で望を誘いに来る晴美を断る事はできなかった。
ただ、望もその事に悪い気はしていない。
むしろ最近では、自分に懐いてくれている晴美を可愛いと感じていた。
というわけで今回も望は快諾し、また晴美を手伝う事になった。


「ゲットー!」
「……あれ?」
「あれ?ってどうしました先生?」
「何か違和感が…私、売り子の手伝いを頼まれたんですよね?」
「そうですよ。」
「えーと、売らないんですか?」
「売りますよ、明日。今日は買いに来ただけです、言ってませんでした?」
そういえば今回は入場の時点でいつもと違っていたことを望は思い出した。
しかしそれなら、2日目だけ呼べばよかったのではないか。
もしかして単純に自分と長く過ごしたかったのか、などと考えてしまって望は自嘲した。

151:週末お暇ですか?
08/01/25 04:06:09 VO/GzccD
「さて、と…そろそろ行きましょうか先生。」
「ええ、帰りますか。」
「帰りませんよ。」
「ん?どこか行く予定でもあるんですか?」
「売るのは明日って言ったじゃないですか、近くのホテル予約してあるんですよ。」
「…………ホテル?」
「さ、行きましょ。」
ぎゅっと晴美に手を握られて、望は引っ張られていった。
望の頭の中では、先ほどの晴美の発言が何度も繰り返されている。
(ホテルホテル…これは藤吉さんからのお誘い?…いやいやまずい、まずいですって!)
それは駄目だと思いながらもつい期待してしまう。
望を引っ張る晴美がくるりと振り向いて困惑する望に柔らかく微笑んだ。
その表情にどくんと心臓が大きく高鳴って、望は自身を引っ張る晴美にその身を任せてしまった。


「まったく…何を期待してんですか私は…」
望が連れてこられたのは簡素なビジネスホテルだった。
テレビ、ベッド、机、トイレ、それだけの小さなワンルーム。
晴美とは隣ではあるが当然別の部屋だ。
辿り着くまでについ考えてしまった朝チュンやら一緒にお風呂やら、どうやらどれもただの妄想に終わりそうだった。

152:週末お暇ですか?
08/01/25 04:07:10 VO/GzccD
その後、晴美と夕食をとり、浴場で今日の疲れを洗い流した。
今は備品の浴衣に着替えて、望はベッドに寝転んで本を読んでいる。
(今頃、藤吉さんも隣で同じことしてるんですかね。)
と考えていたところにコンコンとドアをノックする音が響いた。
「はいはい、今開けますよ。」
扉を開けると晴美がいた。
彼女も風呂上りのようで、望のように浴衣ではないが、昼間とは違うシャツとハーフパンツに着替えていた。
「ちょっと、お話したいことがありまして。」
「まあ、とりあえず中へどうぞ。」
望がベッドに腰かけ、そのすぐ横に晴美も並んだ。
「で、話って?明日の事ですか?」
「明日…なんというかこれからの事なんですけど。」
そう言いながら晴美はぽりぽりと頭を掻いている。
「えーっと……」
しばらく沈黙が続いた後、晴美がぽふっと体を傾けて望に預けた。
「すいません。ちょっと上手い台詞が思いつかなくて…」
「…」
何を言えばいいかわからないのは望も同じだ。
今の状況は、ちょっと前に妄想してしまった状況ととてもよく似ていた。
まさかまさか、と期待と不安がぐるぐる回る。
「なんだか…これって先生騙して逃げ場をなくさせたみたいで…ちょっとずるいかなって自分でも思うんですけど…」
そう言いながら晴美は腕を望の腰に回し、望の胸に抱きついた。
「先生、ダメ…ですか…?」
望の浴衣をきゅっと掴みながら搾り出されたその言葉が、見上げる潤んだ瞳が、望の心を大きく揺さぶった。

153:週末お暇ですか?
08/01/25 04:08:12 VO/GzccD
「藤吉さん………いいんですね?後悔しませんね?…手伝ったお礼とかのつもり…じゃないですよね…?」
「…うん。」
「ふぅ…じゃあ私も正直に言います。」
望は晴美に軽くキスをして、続ける。
「あなたにホテルを予約してるって言われたときにね…ちょっと期待しちゃってました…こういうの。」
「…っふふ…ほんとですかぁ?」
「ええ、恥ずかしながら。」
「せんせいのえっちー。」
「からかわないでくださいよ…っと。」
望が晴美を引っ張り自分の前に座らせた。
後ろから晴美を抱いて、うなじにちゅっちゅっとキスをする。
「っん…くすぐったいぃ…」
ゆっくりと晴美のシャツに手を入れ、彼女の肌の感触を楽しみながらシャツを捲り上げていく。
「ハイ、手あげてー。」
「…ん。」
「いい子ですね。」
シャツに続き、晴美のブラも望に外されてその胸が露になった。
反動でぷるっと揺れるそれに望の目は釘付けになってしまう。
その白さ、大きさ、柔らかさ、なかなか贅沢な一品だ。
「見事…ですね。もらっちゃっていいんですか?」
「先生、なんか言い方がいやらしい。」
「…いやらしいのはあなたの胸です。えい。」
「っひゃん…んぅぅ……はぁ…そう…かも…」
くりくりと両乳首をいじるたび晴美が甘い声を上げる。
望は自分の指の中で晴美の突起が少しずつ硬くなっていくのを感じていた。

154:週末お暇ですか?
08/01/25 04:09:22 VO/GzccD
しばらく晴美の胸を揉みしだいて楽しんだ望は、その手を晴美のハーフパンツへと移していった。
カチャカチャとボタンが外され、ファスナーが下ろされて、隙間から晴美の純白の下着が覗いた。
これから望にされる事を考えてしまい晴美は硬直してしまう。
望が晴美の首筋にくちづけをしながら下着の中に手を侵入させる。
胸への愛撫で少し濡れているそこに指を這わせ、晴美のクレバスを探り当てた望が指をその中へ挿しいれた。
少しずつ指を奥まで進ませて、晴美の様子を確かめながら刺激を与えていく。
「はぁ…ん…せんせぇぇ…」
大丈夫そうですね、と望は晴美への攻めを少し強くした。
それに促され、晴美も快感にその身を震わせた。
「や…なにこれぇ……すごい…すごい…ひもちいぃ……っんぅ…!」
カリっと膣壁を望の指にひっかかれ、晴美の体が大きく跳ねた。
ぐったりと脱力して、晴美は望にもたれかかりながら絶頂の余韻に浸っている。
「はぁぁぁ…せんせぇ…」
「そんなに良かったんですか?」
「うん…一人でするときよりずっと………うあ!?い、今の聞かなかった事にしてください!」
「はいはい…でも、そんなに悦んでくれたら私もやりがいありますねえ。」
望が晴美をベッドに寝転ばせて、残った衣服を剥ぎ取った。
とろとろと愛液を垂らす秘部を間近で見られて、晴美の顔が真っ赤になった。
そんな晴美の様子に望は満足そうに微笑み、晴美の股へと顔を近づける。
指に代わり、今度は舌を晴美の中へと侵入させ、にゅるにゅると膣壁を嘗め回す。
指とはまた違う感覚に晴美は身を震わせて、さらに蜜を溢れさせる。
一度口を離し、晴美の硬くなった陰核にキスをすると、晴美の体がぴくんと反応した。
「んぅ……あっ…やだ……きもちっ……よすぎるよぉ…」
敏感な芽を舌で転がされ、軽く甘噛みされ、その刺激に声を漏らしながら再び晴美は絶頂へと導かれていった。

155:週末お暇ですか?
08/01/25 04:10:11 VO/GzccD
「大丈夫…ですかね?」
ぽーっとした表情で夢を見ている晴美に望が尋ねた。
彼も既に衣服を脱いでいる。つまり大丈夫か、とはそういうことだ。
「ん…いいよ、先生…」
期待と不安のこもった声で晴美が答えた。
晴美の承諾を得た望が、晴美の足に手をかけてぐっと開かせる。
自分でも見たこともないような奥の方まで望に見られてしまっている、と晴美は羞恥心から顔を手で覆った。
暗闇の中で、晴美は自分の秘部に何か硬いものが触れたのを感じた。
「入れますよ?」
望の声が聞こえた。晴美は、こくりと小さく頷く。
ずぶずぶと望が中に入ってくる。
なんだか変な感覚だ。自身に含まれるはずのない異物であるというのに、むしろその存在に安心する。
「痛くないですか?」
「ちょっとだけ…でも大丈夫です…続けて、先生。」
さらに奥を目指して望が進む。
次第にその感覚に慣れてきたのか晴美も小さな快感を感じている。
艶の混じった声を漏らしながら望を受け入れていく。
「っん…入りましたよ…」
「え…あぅ……」
晴美が顔を覆っていた手を外して、望の方を見ると絶棒がずっぽりと自身の中に入り込んでるのが見えた。
恥ずかしくてまた顔が真っ赤になったが、その光景から目が離せない。

156:週末お暇ですか?
08/01/25 04:12:09 VO/GzccD
「動きますよ。」
「うん…」
晴美の中を望の絶棒が前後に動く。
少しだけ痛みを感じるが、望がたっぷりほぐしてくれたおかげか、それ以上に気持ちいい。
望の絶棒が引かれるたびに切なさを感じ、そしてまた入ってくるたびに愛しさを感じる。
「あぁ…あ……あっ…ひもちい…せん…せいは…?私の中…きもちいいですか…?」
「んっ…とっても…良いですよ…」
「ほんと?…っはあ…そうなんだ……うれしいなぁ…」
そう言った晴美の艶のある笑顔に望の興奮がさらに高まった。
そのため晴美のために少し抑え目にしていた動きをつい激しくしてしまった。
「ひあっ!?せ、せんせっ…や…はげし……あんっ…」
「藤吉さんっ!はっ………うっ…ん…!」
望が晴美の中で果て、どくどくと精液が流し込まれた。
同時に晴美もまた望の激しい攻めに陥落し、収縮した膣が望を締め付けた。


望が晴美の中から絶棒を引き抜くと、二人の愛しあった証がこぼれてシーツを汚した。
はぁはぁと息を荒げる晴美にキスをして望が謝る。
「すいません…最後ちょっとやりすぎちゃって…痛くなかったですか?」
晴美は望の発言に首を振り、にっこり笑って答えた。
「気持ち良かったです…それに嬉しかったし。」
晴美が両手を伸ばした。抱いて、という催促だろう。
それに応じて望が晴美を抱きしめ、二人はキスを交わした。

157:週末お暇ですか?
08/01/25 04:13:25 VO/GzccD
「んっ…先生、もっかいしましょ。」
「タフですね、あなた…そう言ってくれるのは嬉しいんですけど、明日引きずりますよ。」
「う、それは困ります…」
「まぁ今日はこのへんで…今日だけじゃないんですしね。」
「……はい。」
今日だけじゃない、という望の発言に晴美はとても嬉しそうだ。


「さすがにちょっと狭い、ですか?」
晴美はそのまま望の部屋で一緒に寝る事にした。
2部屋予約したとはいえ、今日は別の部屋で寝る気になんてなれなかった。
「本当は…2人用の部屋取ろうかなって思ってたんですけど…それはちょっと恥ずかしくて…」
「なるほど。でも、ちょうどいいと思いますよ、私は。」
望が晴美をぎゅっと抱き寄せた。
「…うん、そうかも。」
ついついにやけてしまう顔を隠すように晴美は望の胸に顔を埋め、眠りについた。

158:名無しさん@ピンキー
08/01/25 04:14:29 VO/GzccD
ガチガチに趣味が合うのより、メインジャンルは違うけど色々と付き合ってくれる人のが居心地良かったり
とか、まあそんな感じですか?結局モノによるとしか言いようがないけど。

159:名無しさん@ピンキー
08/01/25 19:12:09 GZZRXWtd
最近レスの速度が遅いって話があったけど皆が感想書き込まなくなってるからじゃないかな
書く方としては反応があった方がうれしいだろうしレスによって場が盛り上がったりするし
そんな自分は上の藤吉さんSSも可愛くて好きだしその上のシリアスなカフカSSも大好きだ

160:名無しさん@ピンキー
08/01/25 19:28:49 v04jE4cf
前にも出たけど、この望×晴美という組み合わせはいいな。
本編では可能性が少ない分、そう感じるのかも。
とにかくGJ

161:名無しさん@ピンキー
08/01/25 21:45:09 +6POYHA6
今さらだがGJなんだぜ!
昔に藤吉SSを投下した身としては同志が増えて嬉しい限りです
コメント少ないのは豊作貧乏っつー贅沢な状況だからじゃない?


162:名無しさん@ピンキー
08/01/25 22:59:48 xCKiCRVB
俺は上の真昼氏の可符香を楽しみにしているが、マナーとして過度な自虐は控えてほしい
例え久米田作品のスレでも

163:名無しさん@ピンキー
08/01/26 00:59:27 /IfviH8L
>> ID:VO/GzccD
    , ノ)
   ノ)ノ, (ノi
 (   _  ∩ (ノし  
 )  ( ゚∀゚)彡  ノ   <藤吉GJ!! 藤吉GJ!!!!
(   (  ⊂彡   )     また投下してほしい
  )  |   |    )
 (  し ⌒J ノ

164:138
08/01/26 02:19:55 aJ9buZhe
>>162
確かにちょっと鼻にかかる自虐だ…ごめんよう。
楽しみと言ってくれて嬉しゅうございます。
なるたけアレな言動は控えるよう精進します。

そして>>158,GJにも程がありますぜ。

165:名無しさん@ピンキー
08/01/26 11:54:12 kQPLJndB
俺は真昼氏の自虐は芸風だと思って楽しんでいた
同じく続き楽しみにしてるぜ!199氏のまといの続きも待ってる!

それにしてもこのスレの住人藤吉好きなのなw俺もだけどw

166:199
08/01/26 12:29:02 WnwDrkgF
望×まといの続き、投下します。今回もエロくはなりません申し訳ない。
4レスくらいお邪魔します。

167:『貴女の進む道』 望×まとい
08/01/26 12:29:52 WnwDrkgF
4教科のテストが終わり、午前中の教科の答え合わせや午後のテスト勉強で騒がしい昼休み。
「ただいま戻りました」
「おかえり」
昼食を取りに宿直室へ戻ってきた望を、交が出迎えた。
「午前中って、テストの試験官やってただけだろ。何でそんなにぐったりしてるんだよ」
「さあ、どうしてでしょう。暇疲れってやつですかね」
大きく伸びをしながら覇気のない口調で答える。
実際試験官と偉そうに言っても、テストの間教室にずっと座っているだけの仕事である。
時折生徒が落とした鉛筆や消しゴムを拾ってやるくらいで、後はほぼ何もすることはない。
鉛筆の音と時計の針が動く音だけが響くピリピリとした空気の教室の中で、ひたすら時間が過ぎるのを待つ。
それが午前中4教科分で、4時間。いい加減疲労も感じるというものだ。
「交、午後は私の代わりに教室で座っていてくれませんか」
「冗談言うなよ」
半ば本気で甥っ子に押し付けようとしながら座布団に腰を下ろし、霧が朝作ってくれた弁当に箸をつける。
「そんなに暇なら本でも持って行けばいいだろ」
「……さすがに皆さんがピリピリしてテストを受けている中で読書は、無理ですねぇ。
 皆さんの進路がかかった大事なテストですから、そんなテストの試験官が読書なんかしていたら
 PTAとか教育委員会に何を言われるやら分かったものじゃありませんし……」
命の危機ですし。とは敢えて言わない。
携帯ムービーでテスト中に読書する自分の姿を撮影して動画投稿サイトに流す教え子や
どこかから取り出したスコップ片手に『どうしてきっちり試験を監督しないのかしら』と魚目で呟く教え子を想像して
ぞっとした表情で出汁巻き卵を口に運ぶ望。
「ふーん」
対照的に『どうでもいい』とでも言いたげな顔で唐揚げを口に放り込む交。
「そんな大事なテストなら真面目にやれよ、試験官」
「……分かってますよ」
正論で返されて、ぐうの音も出ない。
「……大事な、テストなんです。これからの道を決める、大事な……」
呟きながら、2のへの生徒達の顔を思い浮かべる。
その中でも1つ、際立って鮮明に浮かんでくる、あの少女の顔。
―先生のお傍に。
そう言い続けた彼女が、自分から離れて彼女自身の道を歩くための1つの転機なのかもしれないのだ、これは。
いつまでも自分の後ろに彼女がいるなど、あり得ない。彼女のためには、あってはならない道なのだから―

168:『貴女の進む道』 望×まとい
08/01/26 12:31:20 WnwDrkgF
「……望」
「え?」
はっと思考を中断すれば、ちゃぶ台の向こうからげんなりとした表情でこちらを見ている甥っ子の姿。
「ど、どうしました?交」
きょとんと問い掛ける望の声に被さるようにして、ぴんぽんぱんぽん、と校内放送がかかった。

『糸色先生、糸色望先生、職員室までお越し下さい。糸色望先生、至急職員室までお越し下さい』

「ええと……」
頬に一筋の汗を流しながらあさっての方向を見つめる、その視界のぎりぎり端に、へっと甥っ子が笑うのが見えた。
「何やらかしたんだ、お前」
「何もやらかした覚えは御座いません!
 絶望した!食事の時間さえ与えてくれない校内放送に絶望した!!」
頭を抱えて叫ぶ望。思いっきり聞かなかったことにしてスルーしたいが、さすがに校内全域に
オンエアされているであろう放送をスルーするのは無理がある。
「ううう……せめて昼休みぐらいはくつろごうと思っていたのに、何事でしょうねえ」
「至急って呼び出されるくらいだから、何かあったんだろ。早く行けよ」
交の冷淡な言葉に押されるようにのろのろと立ち上がると、まだ半分以上残っている弁当をちらりと見て
はぁ、と溜息をついた。わざわざ霧がテスト当日だと言うのに早起きして作ってくれた物である。
残飯として捨ててしまうのも忍びない。
「5時限の予鈴が鳴るまでに帰ってこないようでしたら、食べてしまっていいですよ、それ」
「全部は食いきれないよ」
「残ったら弁当箱ごと冷蔵庫に入れておいてください」
ひらひらと手を振りながらそう言うと宿直室から出て行く叔父の背中を見て
交は半目になって、さっきの何かを考えているようだった望の表情を思い出す。
(試験官ってのが、どれだけ疲れるんだか知らないけど)
―大の大人が、あんな泣きそうな顔するなよ。
小さく毒づくと、望の弁当箱から1つひょいと唐揚げを摘み上げた。



169:『貴女の進む道』 望×まとい
08/01/26 12:33:31 WnwDrkgF
職員室の扉を開けた瞬間、その場にいた教師達の視線がばっとこちらに集中したのは、多分気のせいではない。
思わず気後れしながらも足を踏み入れる望の元に、智恵が駆け寄ってきた。
「糸色先生、お呼び出ししてごめんなさい」
「いえ……何かあったんですか?」
ただならぬ雰囲気にきょろきょろと周囲を見回しながら、望。こちらへ、と智恵に案内されて
自分の机の方へと進んでいくと、腕組みをして難しい顔でこちらを見つめている甚六と
椅子に腰掛けて俯いている1人の生徒が視界に入る。
「……常月、さん」
望の声に反応してか、ぱっとまといが顔を上げた。
朝見たのと同じ、何かを思いつめてしまったような表情に、望の胸にこんこんと不安が湧き上がってくる。
「あの……甚六先生、智恵先生、常月さんが何か?」
今回はまといはテスト問題は見ていないからカンニングにはならないはずだ。
試験中に気分を悪くしたのなら、行くのは保健室であってここではない。
―何か、問題行為を起こしてしまったのだろうか。
望の問い掛けに、甚六がううむと唸る。
「糸色先生は、国語の試験の採点はまだ行っていないのですか?」
「え?」
逆に質問を返されて一瞬うろたえるも
「あの、私は午前中はずっと試験官をしていましたから」
と答えると、甚六はなるほどと頷いた後、言いにくそうに口を開けた。
「実は……彼女の答案なんですが……いや、実際に見ていただいた方が速いでしょう」
智恵先生、と甚六に促されて、智恵が持ってきた答案用紙を望に手渡す。
午前中の英語、理科、数学のそれをざっと見て、望は絶句した。
「な―」
『2年へ組  常月 まとい』と丁寧な字で記入された名前欄。
彼女の字が書かれているのは、そこだけだった。
後は3枚とも全て空欄となっている。一度書かれた文字が消された形跡も、数式が途中まで計算された形跡もない。
望は慌てて自分の机へと駆け寄り、そこに置かれた答案用紙の山を掻き分けるようにして
まといの答案を探し出す―これも、白紙。
名前欄以外配布されたときと全く同じ状態のままで、全教科の答案を提出したのだ、この少女は。
「国語も、ですか」
ある程度予想がついていたのか、溜息をついて困ったように頭を掻く甚六。
「常月さん、貴女、問題が分からなかったわけじゃないわよね?
 一体どうしてこんなことをしてしまったの?」
白紙の答案を持ったまま呆然と立ち尽くす望に代わって、智恵がまといに声をかける。
まといの膝の上で握られた両の拳が、微かに震えているのが見えた。
追い詰められたもの特有の強さをその瞳に湛えて、まといはゆっくりと口を開く。
「……先生が、おっしゃったからです」
「え?」
「自分の進路を真剣に考えた上で、それを踏まえてこのテストを受けるようにって、糸色先生がおっしゃったからです」

170:『貴女の進む道』 望×まとい
08/01/26 12:35:44 WnwDrkgF
少女の視線は揺るがなかった。ただ真っ直ぐに、望を見つめている。背後に立っていた時と変わりなく。
「……何ですって?」
問い返す声が、少し掠れているのを自覚する。
「私、あれから真剣に自分の進路を考えました。でもやっぱりダメなんです。
 先生と一緒にいられない進路なんて、どうしても考えられないんです。私、先生が好きだから」
まといの一言一言が、胸に刺さる。それと同時に、あの面談の時にこみ上げてきた感情が蘇ってくるのを感じた。
「私の希望は、ずっと愛する先生のお傍にいることですから。
 だから、卒業後に就職も進学もできなくたっていいんです」
答案を持った手に力が入り、紙がくしゃりと音を立てる。強く、強く握り締める。
胸に湧き上がる感情をかき消そうとするように、強く、強く、強く、強く。
「先生と一緒にいるためだったら、卒業なんかできなくたって、ずっと高校生のままでも構いません。
 私、先生と―」
「常月さん!」
望の強い口調に、まといの体がびくりと震えた。
力を込めすぎてぐしゃぐしゃになった答案を見やり、ゆっくりと少女に視線を戻す。
「貴女は―そんなことのために、こんな真似をしたのですか」
低い声に、まといの瞳が初めて揺らいだ。弾かれたように立ち上がる。
「先生!そんな―そんなことって―」
「私が進路について真剣に考えろと言ったのは、そういう意味ではありません」
悲痛な声を遮る。彼女の言葉をこれ以上聞きたくなかった。
聞けば、聞いてしまえば、自分は―
「ご自分のしていることの意味を考えなさい。そして、午後の社会は真面目にテストを受けるんです。
 貴女のしていることは、とても馬鹿げた、無意味な、誰のためにもならないことだということを自覚なさい」
怒りを抑えているような、あるいは泣き出しそうなのを我慢しているような歪んだ表情でそう続けると
隣で黙って見守っていた甚六に答案を手渡し、くるりとまといに背を向けてそのまま職員室から出て行こうとした。

馬鹿げた?無意味な?誰の―先生のためにも、ならないこと?
こんなに、先生が好きなのに。愛しているのに。それだけなのに。
ああ、先生が行ってしまう。
いつもみたいに後ろについて行かなきゃ……。
でも、それも馬鹿げた、こと?
いつもは私がどんなにお傍にいても、何も言わないでいてくれるのに。
―どうしよう。
―先生に、拒絶された。
―目の前が、真っ暗になる。
―頭のおくで、がんがんと音がなる。
―せかいが、ゆれる。
―いきができない

「常月さん!」
智恵の叫び声に、反射的に振り返る。
望が見たものは、甚六が咄嗟に伸ばした腕に抱えられた、意識を失ったまといの姿だった。



171:199
08/01/26 12:40:51 WnwDrkgF
次の投下分からはエロくなる…予定です。
書きながら霧はどこでテスト受けてるんだろう、とか考えてしまいました。
多分どこかの空き教室ということでスルースルー。

最近神様のご来訪が多くて嬉しい限りです。
萌えてエロいSSがいっぱいで幸せです。皆様本当にGJですな。

172:名無しさん@ピンキー
08/01/26 12:52:55 /McokBIb
まといちゃん…(´;ω;`)ブワッ
199様GJです!

173:名無しさん@ピンキー
08/01/26 13:02:37 4O/8xsE9
ああああああああああああああああああああああああああああああああ
まといいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
199氏GJ!!!

174:名無しさん@ピンキー
08/01/27 04:55:05 Q4VVglIh
>>171
この話がどこに落ち着くのかが非常に楽しみ
病的なまでに一途なまといだからこそ、拒絶されたときに輝くものってのがありますね

ここ意外と藤吉さん好きって多いのか、もっと供給あったらいいな
やっぱ藤吉さんは百合スレで出ずっぱりだからここじゃ少ないんだろうか?
向こうじゃ出演率5割あるからなあ

175:430
08/01/27 20:07:30 CvWeHVoJ
>>199さん
まとい…・゚・(ノД`)ヽ この先どうなるんだか、本当に楽しみです。
そして、先生がすごく教師っぽいところが何だかツボでした。

そして、藤吉さんSSも真昼さんも、他の皆さんも…
秀逸なSSが目白押しで読むのが大変!ホント、嬉しい限りです。

そんな中、先日ブラコン倫ちゃんを書いたばかりだというのに
某所で命先生と倫ちゃんの神がかったお絵描き動画を見てしまい、
すっかり頭の中が命倫になってしまいました。

連投気味な気もするのですが、自分の中の熱が冷めないうちに
落としたくて…ということで、命×倫です。
えーと、またもやエロなしです、すいません…。


176:万華鏡きらきら 1/13
08/01/27 20:08:50 CvWeHVoJ
その日、兄の医院を訪れた倫は、扉を開けたとたん目を丸くした。

「何を言われても、私は行かないからな!」
怒声と共に、荒々しく奥の診療室のドアが開き、
この上なく不機嫌な顔をした命が白衣の裾を翻して出て来たのだ。
「こら待て!自分ばっかり逃げやがってこの角眼鏡!」
「…望坊ちゃま、お言葉が。」
命の後から出てきたのは、これまた自分の兄である望と執事の時田。
「…望お兄様?…時田まで…。」

命も望も、医院の玄関に立っている倫に全く気づいていないようだ。
望が息を切らせながら命に指を突き付けた。
「今年こそ!兄さんにもあの恐怖体験をしてもらいます!!」

受付の看護師は、既に我関せずを決め込んでているようだ。
倫はため息をついた。
「…一体、何の騒ぎ?」
その言葉に、兄弟がこちらを振り向いた。
「お兄様方、いい年をして、何を喧嘩してらっしゃるのです?」
命と望は気まずそうに顔を見合わせた。
そこに、時田が横から楽しげに口を出した。
「いえ、今年の見合いの儀は、命様がご参加いただくというお話を。」

倫は驚いた。
今まで、命が見合いの儀に参加したことなど、聞いたことがない。

と、命が大声で叫んだ。
「待て、時田、私は参加するとは一言も言ってないぞ!」
「そうは行きませんよ、命兄さん!いつも私ばかりずるいじゃないですか!」
「うるさい!私はお前みたいに暇じゃないんだ!」
「暇ですって!!絶望した!教師の過酷な労働環境を知らない兄さんに
 心から絶望したーーー!」

倫は、もう一度ため息をついた。
きっと兄達は、さっきからずっとこんなやり取りを繰り返していたのだろう。

倫は望に向き直った。
「望お兄様。見合いの儀が嫌なら、
 ご自分が行かなければいいだけの話じゃありませんか。」


177:万華鏡きらきら 2/13
08/01/27 20:09:40 CvWeHVoJ
ところが、時田がすかさず口を挟んだ。
「倫様。お言葉ですが、見合いの儀は糸色家の大事な儀式。
 糸色家の御方々が誰もご参加されないというのは少し…。」

その言葉に、望が、ぽん、と手を打った。
「そうか、よく考えたら倫でもいいわけですよね。」
「な…。」
倫はあんぐりと口を開けた。

時田も望の隣でうなずいた。
「倫様のクラスメートの皆様も、今年もまたいらっしゃいますし、
 ちょうどいいかもしれませんな。」
「え、私は、今年は出ませんからね!彼女達は呼ばないでくださいよ!」

倫は、自分を差し置いて交わされる会話に抗議しようと口を開いた。
しかし、バン!という大きな音が響き、そちらを振り向いた。

命が、いつになく険しい顔で壁に手を当てていた。
「…いい加減にしろ、望。倫はまだ未成年だぞ。」
「婚姻適齢には達してますよ。」
望は、怯んだ様子もなく、さらりと答えた。
「冗談じゃない!倫を参加させるなんて絶対に許さないからな!」

倫は目を丸くして命を見ていた。
どうして、命はこんなに激昂しているのだろう。

望がわざとらしく時田を振り返った。
「でも、私も兄さんも行かないとなったら、倫が行くしかないですよねぇ。」
「そうですなぁ、望坊ちゃま。」
時田もそらぞらしい顔をしてうなずいた。

望は、勝ち誇ったように命に向き直った。
「さあ、兄さん、どうしますか?
 倫を見合いの儀に参加させるか、ご自分が参加するか。」
お前が行け、と倫は心の中で呟いたが口には出さなかった。
何故か、命が何と答えるのか、少し聞きたい気がした。

命は悔しそうな顔をしてしばらく望をにらんでいたが、
とうとう、やけくそのように叫んだ。
「……分かった…行けばいいんだろう、行けば!!」


178:万華鏡きらきら 3/13
08/01/27 20:10:39 CvWeHVoJ
手を取り合って喜ぶ望と時田を医院から追い出した後、
倫と命は、診療室で向かい合ってお茶をすすっていた。

「まったく、あいつはいつまで経っても成長しないな…。」
湯飲みを片手にぼやく命を見て、倫は、クスリと笑った。
「望お兄様、ご自分は参加されないようなことおっしゃってたけど、
 そんなの無理ですわ。クラスの女子達が許しませんもの。」
「…だったら、私は無駄に参加させられるだけか。」
命は疲れたように椅子に背を預けて、やれやれとため息をついた。

そんな命を見ながら、倫は、少し申し訳ない気持ちになった。
命が見合いの儀に参加するのを決めたのは、倫のためだ。

倫は、ふと、先ほどの命の激昂した様子を思い出した。
昔から、命は、倫には過保護気味であったが、
だからといって、あんなに感情的になることはなかった。
何が気に触ったのだろうか…倫が、そんなことをぼんやりと思っていると、
命が、気がついたように倫に声をかけた。

「倫。お前、今年も見合いの時期に実家に帰ってるのか。」
「ええ、でも見合いの儀の間は自室に篭ってますから、ご心配なく。」
糸色家の家族が生活する母屋だけは、見合いの儀の間もオフリミットだった。
「そうか…分かってると思うけど、くれぐれも外には出ないようにな。」
あくまでも過保護な兄に、倫は笑うと、冗談めかして言った。
「分かってますわ。
 特に今年は、外に出たりしてお兄様と目が合ってしまったら、大変。」

ガチャン!

倫は驚いて目を見張った。
命は、空っぽの手を宙に浮かせたまま固まっていた。
命の手から落ちた湯飲みが、床で二つに割れている。

「…お兄様?大丈夫ですか?」
「あ、ああ…すまない、ちょっとぼんやりしていた。」
命はあたふたと立ち上がり、診療室から出て行った。
外から「ええー、割っちゃったんですか、あの湯のみ。」という
看護師の声が聞こえてくる。

――お兄様?
倫は、いつにない命の不自然な態度に、眉根を寄せた。


179:万華鏡きらきら 4/13
08/01/27 20:11:39 CvWeHVoJ
見合いの儀当日。
先に実家に帰っていた倫は、母屋に命の姿を見つけて声をかけた。
「お兄様、お疲れ様です。」
「ああ、倫。中庭に軽食が用意されているようだよ。行かないか?」
「あら、いいですわね。」
2人は連れ立って中庭に向かった。

中庭では、ちょっとした立食パーティが催されていた。
大勢の人で賑わっている中、望がクラスメート達に囲まれているのが見えた。
「やっぱり参加してるじゃないか、あの馬鹿。」
「相変わらず、大人気ですわね、望お兄様。」
「遊ばれてるだけだろう、あれは。」
2人で望の様子を遠くから眺めていると、髪留めをした少女が振り向いた。

「あれぇ、今年は絶命先生も参加ですか。」
「くっつけて言うな!!」
命の叫び声に、望が、気がついたように振り返った。

「来ましたね、兄さん…覚悟しておいた方がいいですよ。」
「お前こそ、人のことより、自分の心配をしたらどうだ。」
命は、今から望の視線を受け止めようと目を皿のようにしている
女生徒達を見回して、肩をすくめた。

倫は、そんな兄弟のやり取りを少し離れたところから見ていたが
そこに、可符香がそっと身を寄せてきた。
「倫ちゃん、命先生に気をつけるよう言ってくださいね。
お見合いの儀には、妖怪百目小僧さんも参加されていますから。」
「は…?…ようかい…?」
倫は面食らった。

可符香は、倫の表情を気にかける様子もなく、頷いた。
「はい。昨年は、見ないプロの先生でも、目を合わせちゃいましたから。」
「…だったら、お兄様は今頃、妖怪と結婚してるはずではないか?」
不審気に言い返す倫に、可符香は、んー、と口を指に当てた。
「そうなんだけど、先生が気絶しちゃったから。
 そうか、でも、だったらもしかして、あの妖怪さんは、
 今でも先生のこと探してるかもですね!」
可符香はそう言うと、「それじゃっ。」と手を振って離れて行った。

「妖怪って…何だそれは…。」
1人残された倫は、我に返ると、馬鹿馬鹿しいと首を振った。


180:万華鏡きらきら 5/13
08/01/27 20:12:41 CvWeHVoJ
夜も更けて、糸色家の旧領地内のあちこちに、かがり火が焚かれ始めた。
糸色の屋敷は高台にあるため、その光景が一望できた。

――大丈夫、まだ開始までには時間がある。
倫は、母屋と他の棟をつなぐ渡り廊下に立って眼下の街を眺めていた。
と、後ろから命の声がした。
「倫、何をしてるんだ。そろそろ儀式が始まる時間だよ。
 こんなところにぼんやりと立っていると危ない。」

「でも、お兄様、ほら見て。とてもきれい。」
倫は振り向くと、揺らめく光の群れを指差した。
命は、倫の横に来ると、倫の指差す方向に目をやった。
「確かに、くだらない儀式でも、これだけは一見の価値はあるな…。」

2人はしばらく黙ったまま、並んで、幻想的な風景を眺めていた。
倫は、何となく寛いだ気分で、命の顔を見上げたが、
そこで目にしたものに、眉をひそめた。

母屋の庭にも、かがり火が焚かれている。
命の顔に、その炎が揺らめく影を作っていた。
しかし、炎に照らされた命の表情はどこか苦しげで、
思いつめたような瞳をしていた。

「…お兄様…?」

命は、倫のその声に、はっとしたように身じろぎをした。
そして、次の瞬間、慌てたように倫から目を逸らすと、
取り繕ったような、明るい声を上げた。
「そ、そろそろ、自室に戻ったほうがいいな、倫。」

倫は困惑したように、命の横顔を見つめていた。
この間の診療室でのことといい、最近の命はどうもおかしかった。
何か悩んでいることでもあるのだろうか。

倫が命に声をかけようとした、そのとき。
ざわついていた外の空気が、急に静まったかと思うと、
夜のしじまを、銅鑼が鳴る音が響き渡った。


181:万華鏡きらきら 6/13
08/01/27 20:13:39 CvWeHVoJ
命が顔を上げて舌打ちをした。
「…しまった…始まったか!」
倫も焦った。
いつの間にそんなに時間が経っていたのだろう。
ここから母屋までは、けっこうな距離があった。
――どうしよう。

と、命が倫から顔を背けたまま、倫の手を握った。
「ついて来い!絶対に顔は上げるなよ!」
そういって、倫の手を引き、走り出した。

倫は、誰とも目を合わせないよううつむきながら、
命に手を引かれ、長い渡り廊下を必死に走った。

どこからか雄叫びとも悲鳴ともつかない喚声が聞こえ、
思わず倫は身を竦めた。
と、命の、倫の手を握る手に力がこもったのを感じた。

――お兄様。
倫も、命の、細い骨ばった手を強く握り返した。
そう、この手に従ってさえいれば、大丈夫。

いつだって、そうだった。
命は、どんなときも倫を守ってくれていた。

だからこそ、命に何か辛いことがあるのなら、
自分も、命の力になりたいと思うのに――。

しかし、命は、倫に対して、いつも年長者であり「兄」であった。
いつも倫のことを優しく包み込んではくれるが、
望のように、腹を割った付き合いはしてくれなかった。

結局、自分は、命にとって一人前として扱ってもらえてないのではないか。
倫は、走りながら、唇を噛み締めていた。


182:万華鏡きらきら 7/13
08/01/27 20:14:25 CvWeHVoJ
「ふう…何とか、誰にも会わずに済んだな。」
2人が辿り着いたのは、以前、望が自室として使っていた
廊下の突き当たりの離れだった。

命は襖を開けると、倫の背を押した。
「倫、お前は見合いの儀が終わるまで、明かりを消してここにいなさい。」
「え…お兄様は…?」
倫は驚いて尋ねた。
命は、少しためらった後、答えた。
「私は、すぐ外の廊下にいるから…何かあったら、呼びなさい。」
「そんな、一人なんて嫌です!」
こんな暗い部屋に一晩中1人なんて、余りぞっとしない。
命が、天井を見ながら強い口調で首を振った。
「ダメだ。」
そして、小さい声で、付け加えた。
「…万が一、と言うこともあるじゃないか。」
「…。」

「万が一」というのは、何を指しているのだろか。
2人の目が合ってしまうことを言っているのか、それとも…。
しかし、命の横顔は、それ以上の質問も反論も許さない、と語っていた。
「…分かりました、お兄様。」
倫は、ふい、と顔をそらせると、1人離れに入って行った。


倫は、豆電球だけをつけると、畳の上に正座した。
遠くで怒号や悲鳴、そして見合い成立を示す鐘の音が聞こえる。

――命お兄様、いったい、どうなさったのだろう…。

命が、何か悩んでいるようなのは、見て取れた。
しかし、それを尋ねても答えは得られないことも分かっていた。
命は、いつも、その心を倫に見せてくれない。

さきほど、かがり火を見つめながら命が何を考えていたのか、
それが分からないことが、腹立たしかった。
それを知ることが、自分にとっても何故か非常に重要に思えた。

「心をのぞければいいのに…。」暗闇で、倫はぽつりと呟いた。
倫の呟きは、そのまま天井に吸い込まれていった。


183:万華鏡きらきら 8/13
08/01/27 20:15:11 CvWeHVoJ
その後、倫は、しばらくうとうとしていたらしい。
ふと肌寒さを感じ、相変わらずの薄明かりの中で目を覚ました。

時計を見ると、午前3時をだいぶ回ったところだった。
あと1時間もすれば夜が明ける。

外にいる、と言っていた命はどうしているだろう。
倫は、襖ににじり寄ると、細く開けた隙間からそっと外を覗いた。

離れに続く廊下の先に、ぼんやりとした人影が見えた。
命は、薄暗い廊下の壁に背を預け、通路を塞ぐようにして座っていた。

蔵井沢の高地にあるこの屋敷は、夏でもかなり涼しい。
夜明け前の最も寒いこの時間、廊下に座っているのは辛いだろう。
倫は、命の口から白い息が吐き出されるのを見て、
命に部屋に入るよう声をかけようと口を開いたが、
危ういところで、それを押しとどめた。

どうせ、命は断ってくるだろう。
どうしても取り去ることのできない、自分と命との間に張られた薄い帳。
倫は、小さくため息をつくと襖を閉めた。

外は、すっかり静かになっているようだ。
皆、さすがに疲れてきているのだろうか。

古びた置き時計の針の音が、やけに大きく響く。
急に、孤独感が倫を包み込んだ。

そのとき。

――ざわり
部屋の後ろで何かが蠢くようなかすかな物音がした。

「!?」
倫は、後ろを振り返ったが、何もいなかった。
いや、正確には何も見えなかった…しかし、何かが、そこにいた。

今、物音がした部屋の隅の方に、
何か得体の知れない、禍々しいモノがうずくまっているような気配があった。


184:万華鏡きらきら 9/13
08/01/27 20:16:02 CvWeHVoJ
倫の背中に、冷たい汗が伝った。
――気のせい、気のせいだ…。
必死に自分をなだめたが、気がつくと両腕に鳥肌が立っていた。

ふと、先ほどの可符香の言葉が脳裏によみがえった。
――妖怪さんは、今でも先生のことを探して…。

倫は、ここが以前、望の部屋だったことを思い出し、首を振った。
「馬鹿馬鹿しい、妖怪なんているわけない…。」
しかし、その呟きは弱々しく、途中で消えていった。

――怖い…。
倫は、部屋の隅から目を背け、両手で自分を抱きすくめた。
自分は、気丈だと思っていたのに。
良く見知っているこの部屋で、一体何を怯えているのか。

ふいに、豆電球が瞬いたかと思うと、ふっと消えた。
――何!?
辺りが、完全な暗闇に包まれた。

「ひっ。」
倫は、部屋の隅に目をやって小さく悲鳴を上げた。

暗闇の中で、部屋の隅がぼうっと光り始めたのだ。
もう、気のせいなんかではなかった。

暗緑色のその光は、ぞろりぞろりと、こちらに向かって来ていた。
まるで、触手を伸ばして何かを探すように…。

――ヨメ・・・イナイ・・ドコ?

すすり泣くような声が聞こえた。
淀んだドブような、生臭い臭気が、その暗緑色から漂ってくる。
その表面全体に何か、丸い、眼球のようなものが浮かび上がってきていた。

「い…いやぁっ!」
倫は叫ぶと、ふすまを開けて廊下に転がり出た。

倫を見て、命が驚いたように身を起こした。


185:万華鏡きらきら 9/13
08/01/27 20:17:14 CvWeHVoJ
「どうした!」
命が、慌てたように駆け寄ってくる。
「お兄様!何か変なものが!」
倫は、命に必死で命にしがみついた。

「…っ!」
命は、倫にしがみつかれた瞬間、びくっと体を震わせると、
倫の肩を持って倫を引き剥がそうとするような仕草をした。
しかし、途中でその手の動きが止まった。

命が息を飲む音が聞こえ、倫は後ろを振り向いた。
襖の隙間から、暗緑色の物体がぞろり、と姿を現した。
倫は、はっとして叫んだ。
「お兄様!百目小僧です!目を合わせては駄目!!」

百目小僧はこちらに向かってきているようだ。
――ヨメ・・・ワガヨメ・・・ニゲルナ・・・。

「――ふざけるな!この子はお前の嫁じゃないぞ!」
命が、顔を逸らせながらも、怒鳴り返した。

――ウウウ…ウォォオ…!!
妖怪が唸り声を上げた。

その声に含まれた悪意に満ちた怒りに、倫は思わず身をすくめた。
「っ!」
命が、百目小僧に背を向け、かばうように倫を抱きしめた。
――お兄様…!

伸ばされる触手を振り払って、命が再び叫んだ。
「やめろ!倫は、絶対にお前なんかに渡さない!!」
命の声に含まれた切実な響きに、倫は、思わず命の顔を見上げた。

――あ…。

倫は、命の顔を見て、悟った。
兄が、今まで、何に悩んでいたのかを。

いつも、倫には穏やかに微笑んで、心が見えなかった命の表情。
今、そこには、命の心中の想いがはっきりと表れていた。


186:万華鏡きらきら 11/13
08/01/27 20:18:43 CvWeHVoJ
倫は、兄の顔を見上げたまま呟いた。
「お兄、さま…。」
その声に、命が、倫を見下ろした。


――2人の目が、合った。


次の瞬間。
まばゆい明かりが辺りを照らした。
百目小僧が、うめき声を上げて縮こまる。

「見合い、成・立~!!」
鐘の音と共に、あちこちから、わさわさと黒子が現れた。
「いやー、命坊ちゃま、意外と大胆なことをなさいますな。」
「まさかに、お相手が、倫様とは。」
「もう間もなく夜明けでございます。ぎりぎりでしたな。」

「…え。」
倫と命が呆然としていると、しばらくして、複数の足音が聞こえてきた。

「兄さん!倫!あなた方、兄妹で何をやってるんですか~!!」
「…望。」
「望お兄様」
望が、複数の女生徒達を後ろにくっつけながら、走ってきた。

命が、はっと気を取り直したように後ろを振り返った。
「い、いや、そんな場合じゃない、あの化け物が…。」
そのとき、縮こまっていた百目小僧が望の姿を見て、伸び上がった。

――ヨメェェェッ!!!

「いやぁぁぁぁぁぁあ!!」
望は、自分に向かってくる百目小僧を見て、叫び声を上げたが、
すかさず、望の後ろの千里がスコップを振り上げた。
「先生に何するのよ、この妖怪!!」
同時に包丁やら包帯やらも飛んできて、百目小僧は逃げ出した。

「…。」
2年へ組の女生徒達の圧倒的な強さに、命と倫は、再び目を見合わせた。




187:万華鏡きらきら 12/13
08/01/27 20:20:44 CvWeHVoJ
「兄さん、見損ないましたよ!まさか実の妹に手を出すなんて!!」
すっかり明るくなった離れで、望が、命に向かって指を突き付けていた。

「だから…あれは事故だ…。」
命は、さきほどから頭を抱えて、呻くように呟いていたが、
とうとう、望の追及にたまりかねたように、ガバッと顔を上げた。
「大体な、望、お前が悪いんだぞ!!
 お前が、あの化け物とのことをうやむやに放っておくから…!」
「何ですって、じゃあ、兄さんは私に百目小僧の嫁になれとでも!?
 絶望した!自分の弟を妖怪と娶わせようとする薄情な兄に絶望した!!」

相変わらずの口喧嘩をしている命と望を見ながら、倫は思い出していた。

自分を抱きしめる命の腕の感触。
さきほどの、命の表情…。

命の顔を見る。
命は、先ほどから倫と目をあわせようとしなかったが、
しかし、少し頬に血を上らせた命が、今何を考えているのか、
今では、倫にははっきりと分かる。

悪くない。
――全然、悪くない。

「だいたい、兄妹で見合い成立させてどうするんですか!?
 籍も入れられないって言うのに!!」
「だから、あれは、事故だって言ってるだろうがぁぁぁぁあ!!」
倫は怒鳴りあっている兄達に歩み寄った。

「いいじゃありませんか、命お兄様、籍なんてどうでも。」
「「…は?」」

命と望が、あっけにとられた顔で倫を振り返った。

「入籍なんて、形だけのものですわ。
 それにどのみち、私とお兄様は同じ戸籍に入ってるじゃありませんの。」
そう言うと、倫は命の頬に軽く口付けた。


188:万華鏡きらきら 13/13
08/01/27 20:21:42 CvWeHVoJ
「な…っ!な、な、な…。」
目を丸くして頬を押さえた命の顔が、見る見るうちに真っ赤になる。
「倫!?あなた、何を考えてるんですか!?」
望の悲鳴が聞こえてくるが、倫は意に介さなかった。

そう、形などなくてもいい、姿なくてもいい。
見えないから真実、ということもあるのだ。

この世は万華鏡のようなものだから、愛の形も、また様々。
きっと、私達は私達なりの愛の花を咲かせることができるはず。

倫は、そう心で呟くと、にっこりと微笑んだ。




189:430
08/01/27 20:23:07 CvWeHVoJ
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
衝撃を受けた勢いのままに書いたものなので、えらい散漫な気が。
途中、レス数をつけ間違えてしまいました…orz

望相手だと、倫ちゃん→望のイメージなのですが、
命相手だと、命→倫ちゃんになってしまうのは何故なんだろう。


190:名無しさん@ピンキー
08/01/27 20:39:52 s7BPwTn6
斬新な取り合わせ。
GJ

191:名無しさん@ピンキー
08/01/28 02:28:24 gqadmlZG
今週のアニメで先生に褒められて照れてるカフカにやられた。

192:名無しさん@ピンキー
08/01/28 08:47:12 M4fR44tT
>>189
GJ!命倫の発想はなかった

>>191
よう俺

193:名無しさん@ピンキー
08/01/28 10:40:10 E5DoEOnc
やばい命倫萌えるな

194:名無しさん@ピンキー
08/01/28 11:47:25 5bpfc3ra
誰か絶望と倫の幼少時の話を書いてくださらないものか……

195:名無しさん@ピンキー
08/01/28 13:32:52 8LK+wHC+
「万世橋らきすた」に見えてしまいました

196:名無しさん@ピンキー
08/01/28 14:08:15 idhAxftY
「万」しかあってねぇww

197:名無しさん@ピンキー
08/01/28 21:30:15 4T1rpgDg
>>159
ウチのは規制されていたから2週間ほど書き込めなかったぜ

198:名無しさん@ピンキー
08/01/28 23:05:05 QYff4rBO
>>195
俺は「万世橋きらきら」に見えた。何か負けた気がして悔しい

199:名無しさん@ピンキー
08/01/29 03:20:14 5uoFwLzh
唐突だけど
保管庫にある7-305氏による可符香>まとい>まといの3話分を見て大泣きしちまった
ちっくしょう元はといえばエロパロスレなのに泣かせんじゃねえよ…
いい話をありがとう

200:名無しさん@ピンキー
08/01/29 04:13:05 VVnStY4+
アニメの劇場版弐号機千里ちゃんに萌えた
猟奇な千里もいいが、アスカ的ヤンデレな千里も見てみたい

もしくは普通少女を普通に病ませてみるとか。

201:名無しさん@ピンキー
08/01/29 04:38:53 e/et06QJ
巨大化した千里に先生がレイプされるというのが前スレに
>>200が求めてるのはヤンデレであって巨女ではないんだろうがw

>>189
GJ!そのイメージの差異は絶望先生は比較的子供で、絶命先生は比較的大人だから?

202:名無しさん@ピンキー
08/01/29 09:30:29 xUAVUzid
アスカは病んでるけどデレてはないしな

203:名無しさん@ピンキー
08/01/29 15:20:39 Hm51TFPP
むしろ逆に千里を小さくしてリリキュア人形の服とか着せたい

204:名無しさん@ピンキー
08/01/29 17:30:43 3rwrRZKj
そして、ボタンをきっちり締めないとか左右逆の靴下を履かせたりとかしてイライラさせたい

205:名無しさん@ピンキー
08/01/29 17:56:30 KveiYIwO
望君の恋人(自称)ですか

206:名無しさん@ピンキー
08/01/29 18:08:03 HH25fOm0
アスカはヤンデレというよりキチガイ

207:名無しさん@ピンキー
08/01/29 18:38:18 kJ7k7LBC
430の人、ブログはじめたのね

208:名無しさん@ピンキー
08/01/29 22:59:07 Hm51TFPP
なんで千里は服も一緒に大きくなるのか
体だけ大きくなって羞恥に耐えながら戦うとか、尻餅ついて足広げた様子が全国中継されるとか、敵二体目の黄色い回転ボディを突っ込まれるとかすればいいのに

209:名無しさん@ピンキー
08/01/29 23:11:34 RYfFsLDC
その妄想きっちり書いてみなさいよ。

210:名無しさん@ピンキー
08/01/29 23:16:08 0S4rSGiS
>>207
えええええええ、昨日始めたばっかりなのに、なんで!?
絶望した!情報化社会に絶望したーーー!
…いえ、その、ご来訪ありがとうございました。

そしてついでに、規制に絶望した。

211:名無しさん@ピンキー
08/01/30 00:32:40 SZwc2n6l
ブログの宣伝ならリンク貼るなり、最初から自演の宣伝をしないなり、どっちかきっちりしなさいよ。

212:名無しさん@ピンキー
08/01/30 00:55:48 yzvAydzt
>>210ですが、>>207は自分じゃないですよー。
でも、確かにレスは控えるべきだったかも。余りにびっくりしたので、つい。
どうもすいませんでした、この話はこれにて…。

213:名無しさん@ピンキー
08/01/30 01:19:00 ipzTRDMx
>>212
一応ここでのssのまとめだし、いいんじゃない?
てか検索したらすぐ出た。

214:名無しさん@ピンキー
08/01/31 02:58:23 oGUN2O1C
今週号は絶望をからかう倫が可愛くて仕方なかった。

215:名無しさん@ピンキー
08/01/31 02:59:11 oGUN2O1C
週漫板と誤爆った。スマソ

216:名無しさん@ピンキー
08/01/31 08:10:20 h8Wf3RhV
巫女倫様(*´д`*)ハァハァ

217:名無しさん@ピンキー
08/01/31 15:08:44 ZbJYsw5i
倫モノが読みたいのなら、誤爆のふりなどせず素直にリクエストすればいいのに。

218:名無しさん@ピンキー
08/01/31 23:26:34 yynpJNQS
何だろね、この過疎っぷり
最近のこのギスギスした雰囲気が良くないのか

219:名無しさん@ピンキー
08/02/01 05:35:37 fFlAHl0p
軽い気持ちで感想言ったり、書かないにしても断片的なエロ妄想話してたりするほうがやりやすいだろうね
あと、>>1にスレの大まかなルールくらいあったほうがいいと
このスレの受け入れ態勢はあまり良くないと思う

220:名無しさん@ピンキー
08/02/01 07:10:51 LHwhjISV
>>219
失礼ながら
具体的にどうすればいいのかあなたなりの意見を聞きたい

221:名無しさん@ピンキー
08/02/01 12:02:34 fFlAHl0p
初めて投下する人が結構戸惑ってる印象受けるから改行とか投下の基本的なやり方とか
あと百合ネタ出るたびに言い争うくらいなら>>1で一言あればいいのにと

222:名無しさん@ピンキー
08/02/02 16:05:35 ntny4lQU
某スレに来ていた人が書いていたが
・鬱展開多すぎ
・原作破壊激しすぎ
・いたずらな超大作化傾向強すぎ
な傾向が極大化して離れていってしまった人が増えたのが閑散な原因だ
と思う。

あとみんなやりたいことをやってしまったというか。かぶっているSSもあった
し。
新しいシチュエーションなどのネタが投下されると、それに刺激されて類似
のバリエーションがでてきたりもするが、それもないしね。

223:名無しさん@ピンキー
08/02/02 16:33:28 eTmOMqBl
ならお手上げだ
諦めよう

224:名無しさん@ピンキー
08/02/02 17:00:08 OeO1wcLM
じゃあとりあえず今はアレとアレの続きを楽しみにしとくわ

225:名無しさん@ピンキー
08/02/02 18:38:33 QJmpqEfv
規制やサーバー移動の為もあると思う
あわてないあわてないひとむかしひとむかし
の心境でお待ちします

226:名無しさん@ピンキー
08/02/02 21:31:24 41LKla7i
たしかに作品レベルで言ったら面白いけど、
それ絶望先生である必要あるのか?ってな作品多い気がする。

まぁ原作のイメージ残したまま、二次創作ss書くのってむずかしいけどね。

227:名無しさん@ピンキー
08/02/02 21:42:17 ic60PCw2
期待すんなよ!期待すんなよ!

228:名無しさん@ピンキー
08/02/02 22:02:22 eXRALZPr
>>222>>226
だったらお前が書けよ!(AAry

229:名無しさん@ピンキー
08/02/02 22:53:38 hzrgI+2Y
やっぱ原作どおりがいいのかな

230:名無しさん@ピンキー
08/02/02 23:58:17 dWhADnTr
今まさに直面していた問題が「これ絶望先生である必要あるのか?」だったりする。…うへへ。知るか。

231:名無しさん@ピンキー
08/02/03 00:10:06 uMD+7NKU
「絶望先生である必要あるのか?」っていうか、キャラが全然違うのとかあるよな。カフカとか特に

232:名無しさん@ピンキー
08/02/03 00:19:47 qIGZc0QT
どんな作風でも投下してくれれば歓迎するよ

233:名無しさん@ピンキー
08/02/03 00:23:35 jaEnxubY
>>230
俺はお前に期待する!

234:名無しさん@ピンキー
08/02/03 01:38:58 qIGZc0QT
さて、加賀さんで妄想する作業に戻ろうか

235:名無しさん@ピンキー
08/02/03 02:29:50 qjiGItSG
まあ完全に原作に忠実にキャラ書いたらエロに持っていくのは至難の業なんじゃないかとは思うが。
つか物凄くパターンが限定されると思う。

まあ全然キャラ違うのは問題かもしれんが、その線引きが曖昧だな…

236:名無しさん@ピンキー
08/02/03 02:49:40 5WJPr4kI
キャラが違う云々いったら一番問題なのは先生のヘタレっぷりだろうなw
他のキャラは先生に好意を持ってる人が多いからそんなにキャラ崩壊はしないはずだと思うけど…

237:名無しさん@ピンキー
08/02/03 03:43:23 qhh1Ig2C
いきなりスマソ
あまりエロくはない上に藤千里だったら投下したら板違いになるだろうか?

238:名無しさん@ピンキー
08/02/03 03:58:43 NKf78IHM
>>237
歓迎したいところだが、何故か百合に過剰反応する輩が居るから、
百合スレをすすめてみる。投下したら見に行くよ。

239:名無しさん@ピンキー
08/02/03 04:02:50 qhh1Ig2C
>>238
百合スレの存在を知らなかった
書いたら投下してみる。有難う

240:名無しさん@ピンキー
08/02/03 04:28:15 NP1DZIBR
新EDの日常情景映像がなんか良すぎる。

241:名無しさん@ピンキー
08/02/03 11:49:24 NF0r2qdO
もともと絶望先生ってストーリーものではないし、各キャラクターもギャグの
ための個性みたいなものだから感情移入はしづらい漫画だよね。
話も基本的に先生対誰か一人、みたいな会話で、相手が次々変わることで話が
進んでいくし。
だけど何故か各キャラごとに専用スレができたり、過剰に感情移入する故か
SSについても人気あったりというのが面白い。
基本的に生徒同士の交流は描かれることが少ないので、こんどのエンディング
での喫茶店やバス停で生徒同士が集まっている図というのは妙に新鮮で面白かった。
なんだ、みんな仲いいじゃん、みたいな(w
で、SSを作るインスピレーションになった気がする、のかも。

242:名無しさん@ピンキー
08/02/03 14:34:14 /c0GuhMe
>>61
このタイトル「ゴリオ爺さん」からとったのか

243:名無しさん@ピンキー
08/02/03 20:10:45 W0EcyVNp
>>241
おれは改蔵の登場人物たちの他人以上友達未満な空気がよかったな。
友達じゃないけどお互いバカをやる仲な雰囲気が好きだったんだけどね。
絶望先生のクラスはみんな仲がよくて、なんかなーと思う。

以上チラシの裏

244:名無しさん@ピンキー
08/02/03 21:02:25 pY8And87
とうとう1本のSSの投下もないままに1週間経過か・・・

245:名無しさん@ピンキー
08/02/04 00:10:01 PbVPtGP7
鬱でいいなら投下できるんだが
というか鬱展開のSSってそんなに多かったか?

246:名無しさん@ピンキー
08/02/04 00:59:48 lLqct4uK
どうぞどうぞ
エロパロで欝なら氏賀Y太級のを希望

247:名無しさん@ピンキー
08/02/04 01:06:55 BqoPUEGF
どんどん投下お願いします
議論とかいいから

248:名無しさん@ピンキー
08/02/04 02:26:14 5IR9VGwS
予告はあれど、投下なし。
いったいどうしちゃったんだ? このスレ。

249:名無しさん@ピンキー
08/02/04 02:50:53 gr7nBEAj
多分そういうレスが遠ざける原因かと

250:名無しさん@ピンキー
08/02/04 03:04:02 8gQUP674
キセキガオキタ・・・

URLリンク(usokomaker.com)




251:名無しさん@ピンキー
08/02/04 04:10:32 mpAor4Rr
>>250 SUGEEEEEEEEE!!!!

252:名無しさん@ピンキー
08/02/04 04:14:01 oqIcb/+L
凄いのは分かったから、あっちこっちに貼って回るのは止めとけよ
と空気読まずに言ってみる

253:名無しさん@ピンキー
08/02/04 05:42:18 pUYX7ta/
エロなし小品だから、期待すんなよ。

254:感謝強盗1
08/02/04 05:43:13 pUYX7ta/
(カンシャゴウトウ)
ずっとその言葉が頭の中でリフレインしている。
家に帰ってから、二階の自分の部屋で、敷きっぱなしになっていたマットレス
の上でごろごろしながらずっと考え続けていた。
(そんなに押し付けがましかったのかなあ)
せっかく頑張って作ったクッキーだったのに…先生の「美味しい」の一言が聞
きたかっただけなのに…。

両親は出かけていて、家の中は私だけだ。日曜の午後、雨の音だけが聞こえて
いる。
(先生、そんなに嫌だったのかな…)
家に帰って考えてみると、さすがに子供っぽい反応だったのかもしれないと
思う。でもあの場では本当に悲しくなったのだ。自分でもびっくりするほど。
今思えば、クラスのみんなもいる前で、あんな反応をしてしまったのは恥ず
かしかった。
明日は月曜だ。学校に行くことを考えるととても億劫な気持ちになる。何か急
に昔の自分に戻ってしまったような気がした。
(学校行きたくないなあ…)



255:感謝強盗2
08/02/04 05:44:16 pUYX7ta/
考えてみると、あれだけひどい登校拒否状態があっさり直ってしまっているの
が不思議な気がした。
(なんで学校に通い出したのかしらね?)
自問してみるまでもなく、答はわかっていた。
糸色先生のクラスが楽しいからだ。先生やみんなに会うのが楽しいからだ。
1年の時はそうじゃなかった。なんとか我慢して進級はしたものの、2年になっ
てしばらく学校へ行く気にならなかったのは、そのクラスでの時間がとても
辛かったからだと思う。
(糸式先生はひどいことも言うけど、こっちも言い返すことができてなんか友達
みたいな気持ちでいたのかもね)
クッキーをあげたときの反応を思い出すと悲しくなる。
(でもしょうがないことなのかも)
先生は先生で友達じゃないし、私が変に仲が良いと思い込んでいただけなんだろう。


256:感謝強盗3
08/02/04 05:44:54 pUYX7ta/
外もだいぶ暗くなってきた。
知らないうちにちょっと涙ぐみ、悲しいはずなのにいつの間にかうつらうつらして
しまう。

そのとき玄関の呼び鈴が鳴った。なんだろう? 日曜なのに宅配便かな?
しばらく考え、しぶしぶ起き上がって応対にでる。
「今行きまーす」階段のところで大声をあげ、玄関へ向かった。

引き戸を開けると、そこには糸色先生が立っていた。
「先生…」
「日塔さん、これ忘れていきましたよね」
そういうと先生は傘を差し出した。
「これ…」そうだった。感謝強盗の言葉にショックを受けて、傘を放り出して
雨の中、家まで走って帰ってきていたのだ。
「持ってきてくれたんですが」
「ええ、日塔さん、急に走り出したので、先生びっくりしましたよ」
「だって」
「先生、ひどいこと言いましたかねえ」
「十分にひどいです」さっきまでの考えはどこかに消し飛んで、急に拗ねて
みたくなった。


257:感謝強盗4
08/02/04 05:45:32 pUYX7ta/
「まあ、先生時々辛辣になってしまうというか、教育者ですから厳し
いことも言わなきゃならないわけで」
「感謝強盗って言ったこと全然反省していませんね!」
「えー、まあ、あと日塔さんがちゃんと学校へ来てくれないと先生また不利な
立場に陥ってしまいますし。」
またそうやって関係ないことを言ってはぐらかす…。
「結局自分の保身ですか!?」
「厳しいですね、ずいぶん」
「厳しいですよ!」
そういって、台所に行き、包んであったクッキーを持ってきて、先生に強引に
手渡す。

「美味しいクッキーなんで、交君にも上げてください。月曜にどうだったか
感想聞きますからね」
「日塔さんも意外に頑固なところありますね」クッキーを受け取り、先生は
笑った。
私も釣られて笑いながら、声の調子は努めて厳しく言った。
「いくらでも感謝要求しますよ。私感謝強盗ですからね」
「わかりました、わかりました」
先生は声を出して笑った。
「日塔さんが学校来ないと先生楽しくないですからね」


258:感謝強盗5
08/02/04 05:46:04 pUYX7ta/
先生が帰ったあと、明日のことを考えてみた。
(学校行くの楽しいんだもん)
自分でも良くわからないけど、自分を変える必要なんかないんだろうと思う。
少なくとも今のところは。
(先生は先生だもんね、私も私よ)

今日は親が帰ってくる前に、自分で夕飯の支度でもしてみようか。そう考えて
クッキーの匂いが残る台所へ戻った。

おしまい


259:名無しさん@ピンキー
08/02/04 06:15:31 5gGEC7kN
おぉ神が光臨してるじゃないですか

260:名無しさん@ピンキー
08/02/04 08:09:51 +rF6tiGg
普通に萌えた

261:名無しさん@ピンキー
08/02/04 09:31:06 Mpa/iJPD
保守。アニメ5話、神がかっていたなあ
カフ望、加賀木野、千理晴美、その他もろもろの
妄想膨らんだ

262:名無しさん@ピンキー
08/02/04 09:32:36 Mpa/iJPD
保守。アニメ5話、神がかっていたなあ

263:名無しさん@ピンキー
08/02/04 09:33:44 Mpa/iJPD
あれ? 2重に書き込んでしまった…スマソ

264:名無しさん@ピンキー
08/02/04 12:04:29 cpT7jPQy
GJ!しかし先生は外道だな…
あんな可愛い笑顔見せられたら普通に苛めたくなるじゃないか…あれ?

265:名無しさん@ピンキー
08/02/04 17:50:23 h+nGYalr
カエレ×愛希望

266:名無しさん@ピンキー
08/02/04 19:01:13 w0nn292S
>>258
奈美可愛いよ、普通以上にGJ
このシーンは先生ひどいとかも言われるが、奈美萌えにも欠かせないエピソードなので
むしろ先生よくやってくれた、うちは今夜だ…相合傘が楽しみ

267:10-478
08/02/04 20:39:22 nHnpS0Yr
先週の小森さんが可愛かったので一個書きました。

先生×霧前提でただ甘々なSSになりました。
とりとめのない文ですがご容赦を。

268:眼鏡と水着
08/02/04 20:40:56 nHnpS0Yr
ある夏の日の宿直室。いつもの様に望はだらだらと過ごしていた。
TVのチャンネルを何となく回したり、本を読んだり。何かと難癖を付けて絶望してみたり。

そうして今日も霧がやって来た。


「先生、おはよう。」
「あぁ、おはようございます。」

本に見入っている望は空返事を返す。
気のない返事に不満を感じ、霧は頬を少し膨らませている。
しかしすぐにいたずらを仕掛ける子どもの様な笑顔をわずかに浮かべ、望にすっと近づいていった。
横になってくつろいでいる望の後ろに回ると霧はそこに座り込み、望の読んでいる本を頭越しに覗き込む。

「何読んでるの?」
「小説ですよ。」
「そう…ねぇ先生。」
「ん?何ですか?」
「えいっ!」

不意に霧はさっと望の眼鏡を奪った。

「な、何をするんですか?返してください!」
「だーめ。私の質問に答えて」
「え?一体…なんでしょうか?聞いたら返してくださいね。」

このままでは周りが全く見えない、何より小説の続きを読めないので望は霧に従うことにした。
それにしても変ないたずらなんて彼女らしくありませんねと望ぼんやりとした視界で霧を眺めながらが思っていると、霧から思わぬ言葉が出てきた。



269:眼鏡と水着
08/02/04 20:41:50 nHnpS0Yr
「先生…水着見たい?」


「…へ?」

予想だにしない展開に望は間の抜けた声を上げた。水着?どういうことだろう。
学校でプールでも開いているのだろうか?いや、夏休みに授業なんてないし、そもそも小森さんは外に出ない…
そんなことを考えているうちに望の頭の中に水着姿の霧が浮かんできた。
白い透き通るような肌を惜しげなく面積の少ない水着で披露している霧。
望は頭に血が昇ってくるのを感じた。

「そういうことだよ先生…見たい?私の…」

望の表情から何を考えているのか読み取ったのか霧は再び尋ねた。
これは彼女なりに私のことを誘惑しているのだろうなと望は思った。
精一杯甘く誘うような声色、霧としては大人っぽくしているつもりなのだろうが、抜け切らない子どもっぽさが望には少し滑稽に思えた。

その声音を聞いて望はおかしく思えた。
しかし、それ以上に自分のために、そういうと思い上がりかもしれないが、いろいろとこうしてやってくれる霧のことをとてもいじらしく思えてきた。

「ふふ…」
「…わ、笑わないでよ…」

霧はちょっとムッとした様な声で抗議する。
彼女なりに妖艶な雰囲気を出そうとしたのだろう。そう思い、そのぎこちなく可愛らしい誘惑に望は誘われることにした。

「すいません。つい。ええ、是非見せてください。」
「あ…うん。」
「それじゃあ眼鏡を…」
「まだダメだよ、恥ずかしいから…まだだよ。」
「はいはい。」

霧はそう言うと身体にかけている毛布を床に脱ぎ落とした。
霧はジャージ姿だった。チャックは首元までしっかりと閉められている。
俯いて霧はチャックに手をかけてゆっくりと下ろしてゆく。

「こ、小森さん!?」
「え?なに?」

徐々に開けていくその隙間から霧の白い肌と純白の下着が現れた様に望には見えた。
望はこの場で着替えると思い、うろたえた。

「こ、ここで着替えるというのは少し…」
「…先生。もう水着は着てるよ…」
「え…?あ…そうなんですか。」
「もう…」

霧は既にジャージの下に水着を着ていた。望には白い水着が下着に見えていた。
しかし目の前で霧が服を脱いでいるということに興奮を覚えざるを得ない。
なまじ視界がぼんやりとしているため、余計に想像が働いてしまう。望はその様を思わずじっと見つめてしまう。

「そんなじっと見ないで…」
「あ…すみません。」

想いの人の前で自らまとっている服を脱いでいく、霧はその行為に極度の羞恥を感じているのが霧の一挙一動にわかる。
そうして霧は下のジャージものろのろと脱ぎ捨てた。




270:眼鏡と水着
08/02/04 20:42:36 nHnpS0Yr
「じゃあ眼鏡…返すよ。」

身長差があるため霧は背伸びをしてやっと僅かに震える手で望に眼鏡をかけさせようとする。意識的かどうかわからないが霧はかなり密着している。

鼻腔をくすぐる甘ったるい匂い、胴のあたりに感じる柔らかな膨らみ、今すぐに抱きしめたい衝動に駆られたが、今は霧の姿をはっきりとした視界の元で捕らえたいと思い望は堪えた。

やっとで眼鏡をかけてもらった望の前にはっきりとした霧の姿が現れた。ぼやけた視界で想像していた姿より魅力的に望は感じた。

無地の白い水着は純真な霧のイメージに一致していて、またその白に勝らずとも劣らない肌の白さを再確認できる。
水着を着ることによってより際立つ胸から腰までの豊かな曲線は幼い顔立ちとのアンバランスさも相まってより魅力を増している。

霧は頬を少し赤く染め恥ずかしそうに視線を望から逸らしている。髪をかきあげながら霧は望に尋ねた。

「どう…かな?」
「とてもきれいですよ。似合っています。思わず…見とれてしまいます。」
「えへへ…うれしい。」

そういうと霧はくるっと回ってポーズをとって望に笑いかけた。しかしすぐにますます顔を赤く染めて、いそいそと毛布にくるまってしまった。

「やっぱこういうの苦手…」
「小森さん。」
「なに?」
「先生的には…展開的にも収まりがつかないので…開けさせてもらいます。」
「ひゃっ…あ、開けないでよ…」



271:眼鏡と水着
08/02/04 20:43:29 nHnpS0Yr
今の仕草が望にとって決定打になったようで、少々強引に霧から毛布をはぎ取ると霧を抱きかかえた。

「さて、どうしますか?」
「…どうするって…先生の好きでいいよ…」
「わかりました…いいんですね?」
「いいよ…ん…」

望は霧を抱きかかえたまま、軽く唇を交わした。そして昨晩から敷かれっぱなしの布団へと霧をゆっくり下ろした。
黒の艶やかな髪が放射状に広がる。その中心にある霧の瞳は望を求めて既に潤んでいる。
その瞳に射抜かれ、捕らえられた望は再び霧と唇を交わした。今度は深く、相手の中まで。
霧はそれを受け入れ、舌を絡ませ合う。

「ん…はぁ…んぅ」
「ふぁ…ん」

二人の声が漏れる。お互いを十分堪能した後、望はそのまま耳を経て首筋へと舌を這わす。
そして舌を下へ、鎖骨を甘噛みする。霧の身体がぴくんと震え、嬌声が漏れる。劣情はじょじょに二つの膨らみを求めてうごめく。
霧はそれを感じて、望の手を手探りで捜し、手を絡める。望はそれを解くと霧の手首を抑える。

「やぁ…せんせぇ…」

霧が弱々しい抗議の声をあげると、望は霧の手を自由にした。
望は片方の手を霧と絡ませ、もう片方で霧の身体を愛撫していき、柔らかな、吸い付く様な肌の感触を楽しむ。
弱いポイントを責めるたびに霧はきゅっと手を握る力を強め、可愛らしい声をあげる。
それが望にはとても可愛く思えて、執拗に霧の性感帯を責め続ける。



272:眼鏡と水着
08/02/04 20:44:12 nHnpS0Yr
水着越しにも弾力の確かな豊艶な胸を揉み、舌を這わせ、吸い付き、口づけの痕をつけていく。
隙間に手を入れて乳首を指で弾いたり、固くなった乳首をこりこりとこね回す。
望は水着を脱がそうと少し思ったが、自分のためにせっかく着てくれたのだろうと思い、またこの可愛らしい水着を着ている方が魅力的に思えたため、思い留まった。

次に望は霧の太腿の内股の付け根当たりをさすり焦らした。決して秘所には触れない様にし、手を何度も往復させる。
霧は太腿をもじもじと擦り合せて、望に懇願の瞳を向けていたが望は構わず焦らし続けた。

「せんせぇ…そこ…さわってぇ…きゃぅ…やあぁぁん!」

望は霧が口でねだるまで焦らした。そうして霧がねだると存分に愛撫を霧の秘所に加えた。

望があらかた満足し、霧と繋がりたいという欲情を抑えきれなくなってきた頃には、霧は顔を上気させ、肩で息をして汗を滲ませていた。
霧はぐったりとして蕩ける様な目を望に向けている。その表情はさっき望に笑われた時にあった幼さは抜け、艶めいている。

「はぁ…せんせぇ…今日元気だね…」

休みない痺れる様な快感の波に翻弄され、意味を成さない喘ぎを発していた霧はやっとで言葉を発した。

「小森さんがそんな格好で来るからですよ。それに…」
「…それに?」
「あなたが今日、とてもいじらしかったから…」

そういうと望は霧を抱き上げ耳元で囁く。

「そろそろいいですか…?」
「うん…」

霧はこくりと頷く。



273:眼鏡と水着
08/02/04 20:44:50 nHnpS0Yr
望は霧の頭を軽く撫でてやると袴を解き、自身を取り出せる様にした。
それは既に固く努張し反り立っていた。
望はあぐらをかく様な形で座ると組んだ足の所に霧を招き入れた。
霧はそれに従い、足を広げて望に跨がった。
霧は望の首に手を回し、ぴったりと望に密着してこれからやってくる快感に備えた。

「じゃあ入れますよ…」
「ん…はああぁん!」

望は愛液で濡れそぼった水着を少しずらして霧の秘所を露にし、そこから自身を侵入させた。
霧は望が侵入した快感に耐えるためよりいっそう望に強く抱きついた。
望も侵入時の射精感に耐えるためにしばらく動かない様にして霧の頭を撫でたりしていた。
やがて望は霧が抱きつく力を弱めるのを感じた。霧は首をもたげると、望と向き合った。
お互い無言で見つめ合う。しばらくすると示し合わせる様に顔を寄せ合い、唇を重ねた。
相手を慈しむ様に優しく触れ合わせる。長い時間そうしていた様に望は感じた。
唇を離すと望は霧に優しく囁いた。

「動きますよ…」
「うん…動いて…」

そういうと望は腰を動かし、霧を突き上げ始めた。突き上げるたびにおとがいをあげて霧は泣く様に喘ぐ。
前戯で十二分に責めを受けていた霧は過敏なくらいに感じやすくなっていた。
突き上げられたびに目の前に火花が散り、視界が真っ白になりそうになる。

その霧の中はきつく、襞の一つ一つがしっかりと、まるで精を搾り取る様に望に絡みついてくる。
これだと長く持たなそうだと望は思ったが、霧に少しでも長く感じてもらいたくて、迸る射精感を動きを緩めたりして何とか堪える。
霧は既に全身が弛緩し、すがりつく様に望に抱きついている。
霧が絶頂に達するのは時間の問題だった。

「やんっ!せ、せんせぇ…ふぁあん!もう…もうダメェェ!」
「小森さんっ…!私も…もう出しますっ…!」

望は抱きかかえていた霧を布団の上に下ろして自身を霧から引き抜くと、霧の腹部を白濁で汚した。
霧も達したようで望の腕にすがりついていた手から徐々に力が抜けていき、完全に脱力してだらりと両の腕を下ろした。
そして霧は自分の腹部にかけられた白濁を指ですくいあげ、焦点の定まらない目でぼーっと眺めている。
その眼差しを望に向けると霧はふと一瞬、妖艶な微笑みを浮かべてるとゆっくりと瞳を閉じ、そのまままどろみに落ちていった。



274:眼鏡と水着
08/02/04 20:45:53 nHnpS0Yr
望は霧の髪を梳きながら、寝息を立てる穏やかな満ち足りた寝顔を覗いた。
さっきまでの淫媚な表情は消え失せ、年相応の、それよりも幼く感じられる横顔の頬を望は指でちょんと突いてみた。
柔らかな感触とともに、霧はむずがるようなつぶやきを発して『せんせぇ…』と甘えた声をあげた。

「こうして見るとまだまだ子どもですね…」

苦笑しながら望は呟いた。
しかしその幼い少女の顔に浮かんだあの妖艶な表情、寝顔からは想像もつかないあの笑み。
その表情を霧に与えたのは自分だと思うと、望は罪悪感と征服感がない交ぜになった気持ちになった。



275:眼鏡と水着
08/02/04 20:47:13 nHnpS0Yr
数十分後、布団に包まり睦言を交わし合う二人。
霧は望に腕枕をしてもらい、望の二の腕に頬をすり寄せて至福の時を感じている。

「すみません、水着を汚しちゃいましたね。」
「いいよ。洗えばいいし、そんなに着ることなんてないから。」
「そうですか?私としてはもっと見てみたいですけどね。」
「ん…ありがと。プールとか行けたらいいんだけど…」
「そうですね、いつか行ける様になれればいいですね…あ、でも…」
「どうしたの?」
「他の人には見せたくないですね…あなたのその格好は。」
「…もう。」

望は霧の頬が朱に染まっていくのを見て何故か望は照れを感じた。

「いや、まぁ勿論外に出れるようになることは大事ですよ?
そういうのは目的があった方がやる気になりますし、なにより…」

望の弁解は霧の唇によって中断された。そして霧は望から唇を離すと、望の胸に顔をうずめてぽつりと呟いた。

「……先生にだけだよ…先生だけ…」

頭の中にその言葉が満ちていき、いても立ってもいられなくなる。
思っている以上に私はこの娘に捕われてしまっているみたいですね…
望は心の中で呟き、霧を抱き寄せ愛しい存在を確かめ、幸せを確認した。



276:10-478
08/02/04 20:55:32 nHnpS0Yr
二期は最近昇り調子ですね。嬉しい限りです。
ペリーさんのは好きな話だっただけに残念です。

テストが終わってさあ投下しようって時に何故かネットに繋がらず・・・
優先順位間違えてネカフェに行ってもそこのPCがUSBを認識してくれず・・・
PCは私にツンばかりでデレを見せてくれません。

ということで加賀ちゃんのツンデレ神SSの投下を希望!
ではROMに戻ります。

277:名無しさん@ピンキー
08/02/04 20:59:45 XDRRkY7T
もうね、最高ですよ。
霧大好きだよ霧。
…先生の前で着替える展開も是非見たかった。
想像するだけで抜ける。

278:254
08/02/04 22:03:30 pUYX7ta/
このシーン、絶望シリーズ中屈指の可哀想シーンだし、先生のフォローもなかったので、
もしもあったら、と考えてみたのですが、読み返してみると普通すぎるというか、なんで
フォローに訪れたか動機もわからないし、話が終わって主人公の心にも何も進歩があり
ませんね。
ダメ小説ぶりに絶望した!

他の人の良作に期待することにします。
でもポロロッカ語のSSは投下すんなよ!


279:名無しさん@ピンキー
08/02/04 23:38:48 LBQiuuvt
>>276
あんた最高だ!次も期待してるぜ!

280:名無しさん@ピンキー
08/02/05 00:27:11 V9OJJieG
>>276
ずっと霧待ってました。もう最高…GJすぎです


281:名無しさん@ピンキー
08/02/05 00:38:46 SpQOyLBH
>>276になら開けられてもいい。GJ!

282:名無しさん@ピンキー
08/02/05 00:59:46 iViAcWD3
ようやくポツポツ投下が始まったみたいだけどね、はやく本命の430さんのが読みたいね。
高級寿司店へ行ってわくわくしているのに回転寿司がでてきているみたいな感じだね。まだいまのところは。


283:名無しさん@ピンキー
08/02/05 01:01:45 FY9x+4eb
だからそういう発言をするなと

284:名無しさん@ピンキー
08/02/05 01:05:13 NPKefTzD
スルーライフ推奨

285:名無しさん@ピンキー
08/02/05 03:30:22 rUDRFwVn
>>254
>>276
GJ

286:名無しさん@ピンキー
08/02/05 06:55:34 dw2B2qwp
糸色家は、命、望、倫の三人ネタ。
近親3P、アナルセックスありなので駄目な人はスルーしてください。
倫の、ですよ。男→男は、なし。
というわけで、マガジンでの倫の出番も多かったことですし、次号が出る前に投下。

287:うそつき
08/02/05 06:57:00 dw2B2qwp
「まったく、うちに来るのは家族ばかりだな。」
「良いじゃありませんか、お兄様。この街の皆さんが健康な証拠ですわ。」
「たぶん違うと思う。」
「まあまあ、いつもの事でしょう。それよりどうぞ、お土産です。」
皆さんでどうぞ、と望が菓子折りを命に差し出した。

糸色医院を経営する糸色命、医者としては致命的なまでに不吉な名前の絶命先生。
その命のもとに彼の弟と妹である望と倫が訪れた。というか遊びに来た。
診療時間はとうに終了しており、命以外のスタッフは既に帰っている。

「悪いな、ちょっとやっとかなきゃならない事があって…すぐ終わるから待っててくれ。」
診察室のデスクに向かって何やらガリガリと作業をしながら命が言った。
「あら、でしたら私が何か入れてきますわ。紅茶でよろしいですか?」
「ん、じゃあ頼む。」
しばらくして倫が紅茶を持って戻ってきた。
望と倫が診察用のベッドに並んで座り、お喋りをして命を待つ。
程なくして命の用事も終わったようだ。ぐっと伸びをして椅子を回し、望と倫の方を向いた。

288:うそつき
08/02/05 06:58:00 dw2B2qwp
「ふぅ…っと…」
命は倫の格好が気になるようで、少し不思議そうな面持ちで倫の姿を見ている。
「似合いませんか、これ?」
「いや、そういうわけじゃ…単に見慣れてないだけだろう。」
「兄さんは見たことなかったんですか、つい最近ですもんねえ。」
倫が望のクラスに転入してきたのが、数日前のことだ。
普段は和服であるし、住んでいる場所が離れているせいもあって機会がなく、命の目にセーラー服の倫は新鮮に映った。
「それで、どうしたんだ今日は?二人して来るなんて珍しいじゃないか。」
それも倫は制服、おそらく学校から直接来たのだろう。
「ええ。倫にですね、この辺りを案内して欲しい、と言われまして…」

望の勤める学校に突然転校してきた倫は、当然のことながらこの辺りの地理には詳しくない。
それで、本日、倫は望に学校が終わった後に色々案内して欲しい、と頼んだのだ。
その間、時田には離れてもらい、二人で食事をしたり、買い物をしたり、うさんくさい博物館に行ったり…
先ほどの土産の菓子折りもその一環だ。
そして一通り回った後、命の医院が近くにあったのでそのまま遊びに来た、という事だった。

(それで、さっきから倫の奴ご機嫌な訳か…まだまだ子供だな。)
望に構ってもらえて嬉しいんだろう、と命は笑った。

289:うそつき
08/02/05 06:59:01 dw2B2qwp
三人で紅茶を飲みながら話をする。会話の内容は主に学校での望の事だ。
二人で望をイジりながら、とりとめのない話をして時間が過ぎていった。


「…倫、これ片付けてくれないか?」
「ええ、わかりましたわ。」
しばらく話をしているうちに紅茶を飲みきってしまい、三人のカップは空になった。
命にその片付けを頼まれた倫は快諾し、診察室から出て行った。
倫が出ていったことを確認して、命が望にうつむきながら話しかける。
「……望…お前もか?」
「お前もかって…まさか兄さんも!?」
望は、つい先ほどから自身に違和感を感じていた。どうにも下腹部が熱い、そしてひどく興奮する。
「なんなんですかコレは…?」
「さっきの紅茶…というかスティックシュガーにだな。何本か一緒にして置いてたんだ…」
「…って何を?」
とても嫌な予感がする。
「まあいわゆる…エッチなおくすりってのを…な。」
「兄さん、なんで職場にそんなモノを…」
「私は……医者だからな。」
「そんな台詞はもっとカッコイイ場面で使ってください!」
望が大きくため息をついた。
さっきから倫を見るたびにうずくのはそのせいか。
先ほどの作業に気をとられていたために、その事を命は失念してしまっていたのだろう。

290:うそつき
08/02/05 07:00:01 dw2B2qwp
「で、どうするんですか?こんなのとても倫には見せられませんよ。」
服で誤魔化してはいるが、望のそこはすっかり大きくなってしまっていた。
「どうするって…とりあえず倫を先に帰らせて、自分で処理するしかないだろう。」
「はぁ…なんでこんな目に…」
「……お前のせいだ…お前が総受けなんて地位に甘んじてるせいで…とんだとばっちりだ…」
「なんですかその理屈は!?」
「いやお前が…っ…!?…まずいな、本格的に…」
顔を上げた命が望を見るやいなや、バッと視線を逸らした。
「今、お前が…可愛く見えた…」
「んなっ!?」
ああそれは本当にまずい。かく言う自分もムラムラと情動が高まっているのを感じる。
命がどうということはないだろうが、倫が居ればさすがに自分もグラついてしまうかもしれない。
「とにかくっ!倫を帰したあと、できるだけ離れて…わかるな?」

291:うそつき
08/02/05 07:01:00 dw2B2qwp
「倫、時田を呼びますから先に帰ってください。」
「え?」
「ちょっと兄さんと話したい事があるんで。」
「そんな…それくらい待ちますわ、一緒に帰りましょう。」
今日は遅くまで望と過ごしたので、倫は望の宿直室に泊まる事になっていた。
明日の用意等は、時田が翌朝持ってきてくれる。
それまで暇をやっている時田を突然呼ぶのは、少し気が引ける。
「結構時間のかかる話で…とにかく帰ってください。」
「…何かあったんですか?」
「何もありませんよ。」
「命お兄様?」
「何もない。」
どうにも倫が戻ってから二人の様子がおかしい。
望はうつむいたまま、けして目を合わせようとしないし、命はデスクに向かい、黙って何かを書いている。
診察室の雰囲気はピリピリと張り詰めていた。
倫は望のことが心配になる。
望のかわいそぶりがただの構って貰いたがりであるのは百も承知だが、元来落ち込みやすい性格であるのは事実なのだ。
最近は低い位置で安定しているが、今の様子は尋常ではない。

292:うそつき
08/02/05 07:02:00 dw2B2qwp
「…私には話してくださいませんの?」
「だから何でもありませんって…」
「お兄様っ!」
倫が、ベッドに座ったまま目を合わせようとしない望の顔を両手で挟みこんで、自分の方へ向かせた。
今日は、ずっと二人で過ごしていたのに、さっきまで三人で話をしていたのに、あんなに楽しかったのに。
突然自分だけ除け者にされたような疎外感を感じ、無性に悲しくなる。
「どうしてそんなっ…」
倫が何か言っているが、望には聞こえていない。
頬に触れる倫の指に、肌に触れる倫の黒髪に、ゾクゾクとした感覚を覚え、望の理性が揺さぶられる。
倫を見てしまった望は、眼前で動く倫の唇に目を奪われた。とても、柔らかそうだ。
「えっ?……お兄様?」
望が、倫がそうしている様に倫の頬にそっと手をやり、顔を近づけてその唇を奪った。
思った通り、いや思った以上に柔らかい。
「んぅ…お兄様……?んむ…」
一度唇を離した望だが、すぐにまた唇を重ね、倫を味わおうとむしゃぶりつく。
そのまま位置を入れ替えて、倫をベッドに押し倒した。
倫は突然の兄の暴走に混乱し、口を利く事も出来ない。
続いて望が唇を倫の首筋へと移し、鎖骨へ至るラインに沿って舌を這わせながら倫の胸を揉みしだく。
「っ…お兄様ぁ……やぁっ…」
「はぁ…倫………」
「待て、望!」
さらに倫のスカートの中へと手を伸ばそうとした望の肩に命が手を置いて静止した。
「あ…すいません、兄さん…倫……すいません…」
「…なあ倫、頼むよ、帰ってくれ。」
命が倫から目を背けたまま言った。今の倫の乱れた姿は刺激が強すぎる。
「そんな…こんな事までされて…わけのわからないまま帰れだなんて…聞けるわけありません。」
「……わかった。わかったよ、言う。」

293:うそつき
08/02/05 07:03:00 dw2B2qwp
「…呆れましたわ。」
「だろうな…」
「どうなさるつもりなんですか?」
「まあ、まずはお前に帰ってもらって…あとは自分で…な。」
「ご自分で…って…」
つい想像してしまって、少し赤面した倫は咳払いをして誤魔化した。
少し黙って何か考えた後、望に向かって訊く。
「それで大丈夫ですの、お兄様?」
「…ええ。」
「…私には不安です。さっきのお兄様を思い出すと、今のお兄様はつまらない女にでも手を出してしまわれそうで…」
「そんなことは…」
ない、とは思うが、妹を前に理性が崩壊してしまった望である。しっかりと言い切ることが出来なかった。
うつむき、自己嫌悪する望の手に倫がそっと触れた。
「っと!?倫!」
「お兄様が…お兄様が望むのでしたら…私を使ってくれて構いません…」
「倫…」
倫が望をじっと見つめる。その潤んだ瞳に望の理性がグラグラ揺れる。
「……そんなこと…」
出来るわけない、と言おうとした望の口を倫がキスで塞いだ。
「…お兄様?」
「………すいません…お願いします…」
倫の誘惑に、ついに望は陥落した。

294:うそつき
08/02/05 07:04:06 dw2B2qwp
診察室のベッドで四つんばいになった倫の前に望が座り、その局部を倫の前にさらしている。
そそり立つ望の肉棒を前にして一瞬固まってしまったが、倫は手を伸ばして望のそこに触れた。
望の内にこもった熱が倫の指へと伝わって、それに呼応するように倫自身も熱くなった。
そんな弟と妹の状況を目の前にして、命は頭を抱えている。だが、二人から目を離す事も出来なかった。
「何考えてるんだ…」
「あの、命お兄様もよろしかったら私が…」
「出来るかそんな真似!」
命の発言に、倫は誰に話すでもなく「そうでしょうね…」と小さく呟いて意識を望に戻した。
そっとつまむ様に望に触れている指を擦らせて、望を刺激してみる。
「こう…ですか、お兄様?」
「んっ……もっと握るようにして…強く、お願いします。」
「はい。」
言われた通りぐっと肉棒を握り、ごしごしとしごいた。
こんな事をして痛くないのか、と心配になったが、倫の目に映る望は実に気持ち良さそうだった。
「はぁっ……倫…っ!」
望に更なる快感を与えようと、倫が舌を伸ばして望の先端をちろちろと舐めた。
実の妹に性器を舐めさせているという背徳的な光景に、望の興奮がぐっと高まる。
続けて倫が望の肉棒をかぷりと咥えこみ、倫の口内の暖かな感触に望は包まれた。
(そこまでしてくれるんですか…)
そっと倫の頬を撫でると、倫はくすぐったそうにして望の顔を見た。
ぞぉっと望の背筋を何かが走る。
にゅるにゅると絡みつく倫の舌は、怖いほどに気持ちが良い。
「倫…っ……ん…っ…!」
堪らず望が倫の口内へ放った精液を喉奥に受け、反射的に倫は口を離してしまった。
倫の口から開放された肉棒は、なおも射精をやめず倫の口元とセーラー服に望の精液がべっとりとこびりついた。

295:うそつき
08/02/05 07:05:05 dw2B2qwp
「はあ…はあ……すいません。」
「いえ…楽になられました?」
「ええ…」
自身の精液で白く汚れた倫を前にして、望は罪悪感を感じてしまう。
望はベッドの傍らに置かれたティッシュを手にして、倫の口を拭いた。
「ん…お兄様?…それくらい、自分で出来ますわ。」
「やらせてください、せめてこれくらいは。」
(そんなことされたら…余計に恥ずかしいじゃありませんか。)
赤面しながらも、倫はきゅっと目を瞑り、望に身を任せた。
倫の口元と服に付いた精液を取りながら、望は倫の口内で射精したときの感覚を思い出す。
(きもちよかった…なぁ…う、また…倫には悪いですが…もう一度お願い…しよう…かな…)
一度射精したとはいえ、薬の効き目は切れていない。未だ望の肉棒はそそり立ったままだ。
倫の服の汚れを取った望が、恥ずかしいが、情けないが、もう一度倫に頼もうとしたが、それより先に倫が口を開いた。
「あのお兄様、まだ…」
「倫…」
だが、それをさらに命がさえぎった。
「すまない…私も、頼む…」
「…はい。」

296:うそつき
08/02/05 07:06:13 dw2B2qwp
望のときと同じように、倫が命の性器を口に咥えて奉仕している。
望と同様、命も倫に与えられる快感に震えていた。
望は黙ってそれを見ている。
その光景が望には非常に面白くない。
ついさっきまで自分がしてもらっていた事だというのに、そして、だからこそ。
まるで命に倫を独り占めされたような感覚を覚えていた。
命の番が終われば、倫はきっとまた望の相手をしてくれるだろう。
でも、それだけでは嫌だ。
望は今、倫そのものを強烈に求めてしまっていた。
(何を馬鹿な…倫は妹ですよ…そんな…)
かぶりを振って自身の感情を否定する。
だが、その考えを振り切る事が出来ず、望は熱に浮かされるようにふらふらと倫へと近づいていった。
「倫…」
「んむっ…お兄様?」
突然触れられたことに驚いて、倫が命から口を離し後ろへ振り返った。
倫と目が合った望は、にこりと微笑んだ後、顔を倫のふとももへと近づけてちゅっと口づけをした。
「やっ…ああ……」
倫の可愛い声を聞きながら、望が倫のももから付け根の方へと向かって舌を這わせた。
次第に望は倫のスカートの中へと潜り込んでいき、倫の下着を目の当たりにした。
舌を離して、今度は倫の下着にぎゅっと顔を埋め、そして肺一杯にそこの空気を吸い込んだ。
「やだっ…やだお兄様!そんなところ嗅がないでください!」
意に介さず、望はすんすんと鼻を鳴らして倫の匂いを吸い込む。
倫の匂い、妹の匂い、そして女の匂い。
吸い込むほどに望は昂ぶっていく。もっと欲しい、倫が欲しい、と。
さらにぐっと下着に押し付けた鼻先に、湿り気を感じた。
指を伸ばして触れてみると、柔らかな感触と共にくちゅっと小さな水音がして、望の頭の中は真っ白になってしまった。

297:うそつき
08/02/05 07:07:05 dw2B2qwp
望が倫の下着を脱がせ、さらに倫の脚を掴んでぐっと開かせた。
倫の秘部は愛液で少し濡れていた。
望がそこに手を伸ばし、倫の割れ目を指で左右に広げて倫の中を覗く。
「あ…ああ…おにいさまぁ…」
羞恥に震える倫の膣内を、指で円を描くようにぐりぐりと弄り回す。
その度に倫は甘い声を洩らし、愛液がとろとろと溢れ出る。
「倫…辛いだろうが私の方も頼む。これじゃ生殺しだ…」
「やっ…はぁ…い……っちゅ…んっ…んぅ…」
望が倫を責め始めたせいで、放置されていた命の肉棒を再び倫が咥えた。
倫から与えられる刺激自体は先ほどより緩やかだが、望の責めに震えながら奉仕する倫の姿が命をより興奮させる。
その様子を見て、望が指に代わり舌を倫の中へ侵入させた。
望の舌に中を掻き回され、嘗め回される快感におかしくなってしまいそうで、倫は意識を保とうと命の肉棒に集中する。
だがそれは望の願うところではない、倫にはもっと自分のことを想って欲しいのだ。
自身の存在を主張しようと、望がじゅずずずっとわざと音を立てるように倫の愛液をすすった。
カーッと倫の体温が上がって、さらに命の肉棒への愛撫を激しくした瞬間、命の精液が倫の口内に放たれた。
その一瞬、緊張の糸が途切れた倫は、望に与えられる快楽の波に完全に飲み込まれてしまった。
ぷるっと震えたかと思うと、命の肉棒を咥えていた口をだらしなく開いてボタボタと口から精液をこぼした。
「ふあぁぁ……はぁ…はぁ………ひあっ!」
なおも望の責めは続く。倫の陰核を指でくりくりと弄りながら、望は倫の菊門にちゅうっと吸い付いた。
「え?え…?や…うそ…でしょう?」
尖らせた望の舌が倫の菊門を押し広げて、倫の中へと入っていった。
丹念に皺を伸ばすように望が舌を動かせる。
まったく予想の範囲外の事をされて、倫は大いに困惑する。
だが、同時に望に求められている事を感じ、たまらなく幸せな気持ちだった。
「はぁぁ…おにいさま……おにいさまぁ…」
絶頂を迎えた倫は、へたりと脱力してうわごとのように兄を呼んでいた。

298:うそつき
08/02/05 07:08:02 dw2B2qwp
望の願った通り、倫の頭の中は望のことだけで一杯になった。
その事に満足した望が倫のヒップから顔を離して、ふと自分の手を見る。
倫の陰核を弄り続けていた手は、愛液でべっとりと濡れていた。
指に付いた愛液を舐めながら、今度はちらりと倫の秘部へと視線を移す。
トロトロとヨダレを垂らす蜜壷が望を呼んでいた。
ごくっと唾を飲み込んで、望は自身の肉棒を掴んで倫へと狙いを定めた。
「っと!?ちょっと待て望!それはいくらなんでも。」
「…え…ああ…」
望は倫に挿入する寸前で命に制止された。
「あの…今日は大丈夫ですわ、お兄様。」
「今日は…ってそういう問題じゃ…」
「……望お兄様になら…構いません。」
「お前…」
「いいん…ですか?」
「ええ。」
「待て!」
再び、倫に挿入しようとした望を命がまた止める。
だが、今度はただ止めただけでなく、命はガタガタとベッドに手を入れて何かを探し始めた。
「使いなさい。」
と、透明な液体の入った容器を望に手渡した。
望が渡された容器のラベルを見る。それは、いわゆる性交用のラブローションだった。
「倫のためだ。」
「まあ…ありがたくいただきます。」
あんた職場で何やってるんだ、と命に突っ込みたくなったが抑えた。
たぶん、今の望よりはマシだろう。

299:うそつき
08/02/05 07:09:01 dw2B2qwp
にゅるにゅるとした液体を倫の中に馴染ませ、望の肉棒にも塗りたくる。
たっぷりのローションですべりを良くした倫の膣内へ望がずぶずぶと入っていく。
命は倫が落ち着けるように、と倫を抱いて髪を撫でていた。

(はあ…お兄様が……お兄様が……ごめんなさい。ごめんなさい、お兄様。)
とうの昔に諦めたはずの想いだった。
実の兄に一人の女として愛されたいという願いなど、許されるはずもない。
だが、今こうして二人は繋がっている。
判断力の鈍った望に女の体をチラつかせて誘った。
望のためなどと嘘をついて、さらには命まで誘って自分の気持ちは誤魔化した。
なんて卑しい女だ。結局は自分が望と体を重ねたいだけのくせに。
そんな唾棄すべき真似をしたのもこのときのため。
本日、今だけの、ただ一時の夢のため。
ぬぷぬぷと音を立てて、兄の男性器が前後に動いているのを感じる。
少し痛いが、それくらいの方が今日の事を忘れなくていいかもしれない。

「はっ、はあっ…倫ッ…」
ビクっと望の肉棒が大きく跳ね倫の中で望が射精した。
じわりと広がるその感触に、倫は今まで感じた事もないほどの幸福を感じていた。
(お兄様…私、幸せです…ありがとうございます。)
気を抜いたら涙をこぼしてしまいそうだ。
そんなもの望には見せられない、と倫はぐっとこらえた。

300:うそつき
08/02/05 07:10:03 dw2B2qwp
「私も…いいか?」
「…はぁ…はぁ…はい…」
弟と妹の性交を眼前にした命も誘惑に負けてしまった。
寝転んだ命の上に倫が跨り、腰を沈めて命の肉棒を招き入れた。
倫が腰を動かして命の肉棒を自身の中で前後させる。
妹に手を出してしまったという背徳感に興奮を後押しされて、命は倫の体に夢中になってしまう。
「んん……っ?…あっ…望お兄様?」
また倫の体に望が不意に触れた。
望はベッドに上がって、背後から倫を抱きしめている。
「すいません…わがままな兄で…どうしようもない兄で…」
「ひゃうっ!あぁ…」
望が指にローションを絡ませて、倫の菊門へと塗りつけた。
もう一度指にローションをまぶし、倫の肛門へと馴染ませていく。
そのまま指を深く倫の中へと挿し込み、ずぼずぼと前後に動かして、さらに四方の壁を指でぐっと押し広げた。
「っ!あああ…やっぁぁ…」
指を引き抜いて、今度は肉棒にローションを塗りたくり、倫の菊門へと先端を触れさせた。
「倫…力抜いて…」
「へ…あぁぁぁ…」
みちみちと倫の肛門を押し広げ、望の肉棒が倫の中へ吸い込まれていく。
きゅっと締める入り口とは裏腹に、その中はふんわりと望を包み込んだ。
貫かれた痛みと快感が入り混じり、倫はポロっと涙をこぼしてしまった。
「あ…うぅぅぅ…」
「…すまん、我慢できそうにない…」
その衝撃に動けなくなってしまった倫に代わって、命が腰を緩やかに動かした。
望は倫の胸を制服越しに揉みながら、同じくゆっくりと小さな動きで倫の中を前後に動く。
三人の激しい息遣いが混じりあい、倫の中に前後から二人の兄の精が注ぎ込まれた。

301:うそつき
08/02/05 07:11:08 dw2B2qwp
倫の中へ放出したときの射精感は、生涯忘れられそうにないほどの快感だった。
だが、それでも…
「まだ収まらない…か。」
命が倫に目をやると、倫はこくっと小さく頷いた。
「…ここじゃ狭いな、場所を変えよう。」
命に連れられ、三人は部屋を移動する。
倫は歩くには辛そうだったので望に抱かれて運ばれた。

少し大きめの入院患者用のベッドに場所を移し、また体を重ねあう。
三人とももう何も身に着けていない。
倫は命に重なるように座って繋がり、その前から望が貪るように倫の乳首を吸いたてている。
「やんっ!お兄様、そんなに強く…吸わないでくださいぃ…」
同時に命の肉棒をくわえ込んだ秘部のほうへ手をやり、倫の陰核をきゅっとつまんで引っ張ってみた。
「ふぁぁっ……ああ…」
「倫…」
倫の瞳からつうっとこぼれた一筋の涙を舐め取って、望は倫と口付けし、舌を絡めあった。

仰向けに寝かせた倫の股を大きく開かせて、命が倫に挿入する。
命に突かれながら、倫は傍らに座った望の肉棒を緩くしごき、その先端を舌でちろちろと舐めている。
「はあっ…倫…焦らさないでください…」
倫が小さく笑い、手首の動きを激しくして、望の尿道を舌でほじくったり、起伏に沿って舌をねっとりと絡ませたりする。
びくっと望の肉棒が膨張し、倫の胸まわりに白い水溜りが出来た。
「はぁ…はぁ…」
「ふふ…お兄様…かっこわるい…」
この特異な状況でお決まりの台詞を言う倫の頭を、望はばつが悪そうにくしゃくしゃと撫でた。

302:うそつき
08/02/05 07:12:03 dw2B2qwp
両膝をベッドに着けたまま腰を浮かす倫。その前に望、後ろには命。
同様の姿勢で二人の兄は妹を挟み、倫の蜜壷と肛門に挿入している。
「おにいさまぁ……あんっ…あ…ああっ…」
前と後ろから交互に出し入れされる感覚に、倫はがくがくと震える。
倫と望は固く抱き合い、命は崩れ落ちそうな倫の腰を支えている。
乱れる倫の姿にひどく興奮して、二人の兄は倫の中で果てた。

「っはあ…はあ……薬、切れたみたいだな…」
「ええ…」
粘着質な音を立てて倫の内から、二本の棒が引き抜かれた。
どろりとあふれ出した精液は、どれが誰のものだと言うのも馬鹿らしい。
その光景に今さらながら命がため息をついた。
(やっちゃったな…でも、それ以上に…まずいだろ、それは…)
倫と望は未だ抱き合ったままだ。
倫は望の胸に表情を隠すように頭を押し付け、そんな倫を望は不安そうな面持ちで、じっと見下ろしていた。
「倫…どこか痛いんですか?…そうですよね、すいません。」
「いえ…少し疲れただけですわ…」
そう言って、倫は望を心配させまいとにっこり笑って顔を上げた。
その笑顔はどこか寂しそうだ。むしろ望には、倫が今にも泣き出しそうに見える。

303:うそつき
08/02/05 07:12:59 dw2B2qwp
「お気になさらないで、お兄様。今日の事は、私も忘れますから…」
「……倫。」
「はい?」
ちゅ、っと望が倫に口づけをした。
それは今までで一番優しいキスだった。
「え…?どう…して?」
困惑する倫に望がもう一度キスをする。
「…お兄様。」
倫がちゅ、ちゅ、ちゅと望にキスを返す。そして、どちらからともなく二人は抱き合った。
(やっぱりか…)
命がため息をついた。
だが同時に仕方ない、とも思う。
もし自分と望の立場が逆だったら、堕ちていたのは自分の方だろうな、と。

(ああ、それにしても…)
(倫には、言えませんが…)
成人男性二人の限界以上の性欲を受けきった倫を見て思う。
絶倫だな、と。
母のつけた名前はまさに絶妙であった、と二人はその身をもって感じさせられた。

304:名無しさん@ピンキー
08/02/05 07:19:34 dw2B2qwp
あとがきで終わりって所で、連続投稿ですか?って出ちゃいました。
本当はもっと前に出来てたんだけど、430さんの命倫の後にこれをやるのはな、と置いてたわけで

ところで、どうしちゃったの?と、急かすレスですが。
投下しにくさが跳ね上がるんで勘弁してください。
たぶん言った方がそれこそ速度落ちます。やりにくいったらない。
良作をもって、空気を変えてくれた>>254さんと10-478さんに感謝。

305:名無しさん@ピンキー
08/02/05 12:17:13 4oOJnKqI
GJ!兄弟で3Pたまらん!
倫様さすが絶倫!
てゆいうか命センセは職場に何を持ち込んでるんですかw
よっぽど暇なのか…

いいSSだったから順番とか気にしなくていいと思いますよ!

306:名無しさん@ピンキー
08/02/05 12:26:15 rfSwi5VS
絶倫先生最高や!

307: ◆n6w50rPfKw
08/02/05 19:19:57 LYf65Woe BE:417694638-2BP(333)
萌え~な作品に続いて投下します~。
(命先生のソレ、欲しい……)

123話(我慢しない話)9頁9コマ目が元です。
まとい×望。
注意ワードなどは、ないと思います。

308:月のでんしん 1
08/02/05 19:23:53 LYf65Woe BE:626541449-2BP(333)
―今日はアイツがいない。
「……よし」

 盗聴器に繋がっているヘッドフォンを耳から外し、まといが何かを決意したかのように呟いた。
日頃から恋心が募って望の部屋や付近の様子を盗聴していたまといが、いつものように今日も自室でイヤホンを耳にあてていた。
すると、いつも望の傍にいて自分の恋路の邪魔をする霧が、今日はまだ宿直室には顔を見せていないことを察知したのだった。

―決行するのは今だ。

 まといは宿直室を急襲した。
冷え込みの厳しい冬の夜のことだった。
晴れ渡った夜空に寂しく輝く月の傍に、星が一つ、寄り添うように瞬いていた。

     ☆

 浴室の前まで来た。中から水音がする。
そっと戸を開き、脱衣場に滑り込む。

―ザバァ……シャァ――……

 中の人物が浴槽から上がったようだ。続けてシャワーの水音がし始めた。
これまで盗聴した経験からすると、望が髪でも洗い始めたのだろう。
脱衣場には望の服が畳んで置いてあった。他には服は見当たらない。
私の先生は一人で風呂に入っている。

―よしっ!

 まといは素早く衣服を脱ぎ捨て、一気に風呂場に侵入した。
そして望の後ろから抱きついた。

「ひあああ!」

 望は物音がするやいやないきなり後ろから抱きつかれ、心底吃驚した。
そして、闖入者がまといであることに気付き二度驚いた。

「つ、つ、常月さん!?」
「お背中流しますね」

 まといは素知らぬ風に受け流した。
当初は単に愛する望と一緒に入浴することしか考えていなかった。
が、望の情けなくもカワイイ声を耳にして、ちょっとした悪戯心がムクムクと頭をもたげた。

「……失礼」

 手早く湯桶で湯を浴びると、石鹸をたっぷり泡立て、自分の胸や腹に塗った。
そして望の後ろから首に手を回し抱きついた。

「ち、ちょっと!」

 望の狼狽した様子に満足感を覚えながら、まといは自分の胸を望の背中に押し当て、揺さぶり始めた。背を洗い始めたのだった。
望は、なにか柔らかい物が二つ自分の背で動いているのを感じた。
若い頃のやんちゃな経験から、背中で何が起こってるかは朧気ながら分かる。
だが、今、後ろで動いているのは自分の教え子なのだ。

「な、何してるんですか? 普通に洗って下さい」
「これが普通ですよ」

 まといは、そのまま担任の肩に手をかけ、上下に乳房をむにゅっ、むにゅっと擦り付けていく。
いつの間にか乳首が尖ってきていて、それが背中と擦れる感触が無性に気持ち良い。
胸の先からわき出る快感が全身に広がっていくのを自覚した。

309:月のでんしん 2
08/02/05 19:26:45 LYf65Woe BE:783176459-2BP(333)
     ☆

「ああ……ああ」

 妖しい感触に、望は思わず喘いでしまった。
すると、肩に掛かっていた手が静かに胸に回ってきた。
そうして細い指先が望の胸板を這い回り、こちらからも淫靡な触感をもたらしてくる。
時折指先が乳首を掠めると、男なのについ声が漏れてしまう。

「ひぅ……」

 まといの指の動きはこれに留まらない。
そればかりか、時折明らかに胸を揉んでくる。
そうしながら、ますます自分の乳房を望の背に強く押しつけ、情熱的に動かしていく。

「あ、あなた、男の胸を揉まないでください!」

 思わず抗議するが、まといはどこ吹く風である。
そのうち、望の腹に手を回してきた。

「じゃあ、下の方も洗いますね」

 やや掠れた声で告げると、まといは再度石鹸を手に取り泡立てた。
そして、しばらく腹をゆるゆると撫で、指先で臍をくりくりと穿っていたかと思うと、固くなりかけていた絶棒を無造作に掴んできた。

「ひあああ!」
「しーっ! 声を出すと聞かれちゃいますよ。それとも見せつけちゃいますか?」

 まといの艶っぽい声に、望の声は小さくなった。
こんなところを霧に見られたら一大事である。

「そ、そんな……止めなさい、常月さん。……お願いですから、あぅ」

 だが、まといはわざと派手な音を出しながら茎を握り、絶棒を優しく、だが情熱的に扱き始めた。

―くちゅくちゅくちゅ……
「くっ……ん……やめて下さい……」

 たまらない摩擦快感が絶棒を襲った。
男として枯れ始めていた筈の器官がたちまち熱を帯び、硬度を増す。
まといの指が触れ、往復する箇所から気の遠くなるような快感が生まれてくる。
そして、その快感が、背中に押し付けられ、自由に形を変えている若い乳房の感触により増幅される。
いや、まといに抱きつかれていること自体によって増幅されてしまう。

―こ、このままでは……くぁあ!

     ☆

310:月のでんしん 3
08/02/05 19:29:44 LYf65Woe BE:696156858-2BP(333)
 まといは、自分の腕の中にいる望が時折身を捩らせるのが愛おしかった。
自分の胸や腹が密着している望の背から、愛する人の体温が直に伝わってくるのがこの上なく幸せなことに思えた。
そして、望の分身が自分の愛撫によって元気になり、時折ひくつくのがたまらなく嬉しかった。
まといは今やすっかり猛々しくなっている絶棒をますます情熱的に扱きたてた。

 そんな教え子の想いの篭った愛撫は確実に絶棒を捉えていた。
腰の奥で生まれた射精感が全身に広がっていく。
太腿の筋がぴくっ、ぴくっとひくつく。
足の爪先をきゅうっと丸める。
望は根本でたぎっている発射欲を懸命に堪えていたが、ついに音を上げた。

「もう、もう……勘弁して下さい」
―くちゅっ、くちゅ。
「先生、いいんですよ。どうかそのまま」
「ああ……風呂場が汚れちゃいます。堪忍してぇ……あぁ」
―くちょ、ちゅぷっ。

 望の背筋をぞくぞくとした射精感が駆け上り、発射を覚悟した瞬間、まといは不意に手を離した。
望の快感に喘ぐ姿を正面から見たくなったのと、自分も胸から発する快感に我を忘れそうになったのだ。
まといは手を離すと望に声を掛けた。

「前も洗いますね」
「……!?」

 望はまといの真意を図りかねたが、白い涙を一滴垂らしただけで、何とか発射を堪えることができた。
一瞬物足りなさも覚えたが、とにかく教え子によって射精に導かれるという屈辱は避けることができ、安堵した。

     ☆

 まといは望に向き合って膝に跨った。
自分の乳房を望の胸に重ね、ゆっくり擦り合わせ始めた。

「ちょ、ちょっと!」

 望は思わず自分の目の前で動いているまといを見つめた。
―うっとりとした表情だ。
そのうっとりとした表情の中心にある燃えるような瞳が自分を見上げている。
そのまま近づいてくる。
しなやかな腕が背に回される。

―接吻されてしまう。
唇が触れ合っているだけなのに無性に気持ちいい。
やや下を向きかけていた絶棒が角度を取り戻した。
先や茎がまといの尻や陰部にぽくぽくと当たる。

 やがてまといの舌先が侵入してくる。情熱的な動きだ。
望の口内を彷徨い、愛する人のの舌先を探り当てるとひしと絡みつく。
舌を絡め取られた望は観念したようにまといの肩を抱きしめる。
そこで初めて彼女の肩が冷えていることに気付いた。

―これはいけません。風邪を引いてしまいますね。

 望は洗面器で湯をまといの背中にかけた。

「せっかくですから、私も背中を流しますよ」

 望はタオルに石鹸を含ませるとまといの背中を擦り始めた。

     ☆


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