08/01/14 00:07:53 PTqGLfpw
「“ゼノグラシア”、作戦を完遂。……次の作戦へ移ります」
少女が必要最低限の用件だけを通信で伝えると、再びコクピット内に鳴り響く警告音。
レーダーに映る、無数の機影。……突然に起こったこの事態にようやく対応し、送り込んできたこの基地の機動部隊だろう。
うっとうしそうにそれを見つめ、少女はゆっくりとヘルメットを外す。
「うん、今はこれで我慢してね。これが終わったら……ふふっ、後でたっぷり、ね?」
そう言って、少女はそっと機体のコンソールに顔を近づけ……
「大好きだよ。愛してる。……ずっと一緒だよ、“ゼノグラシア”」
“彼”に口付けを交わす。
武力による戦争根絶を目指す私設武装組織によって、世界は変革を促される。
これはそんな時代を駆け抜けた、一人の少女の物語である。
そう、物語はすでに始まっている。
世界に絶望し、唯一のよすがであった神への信仰も失った少女の下に、“彼”が舞い降りたその時から。