08/03/01 22:56:57 dLP8n0o6
「だ~レダっ」
後ろからふわっとシャンプーの香りがした。と思ったら視界が少し汗ばんだ手で覆われた。
真っ暗ではなく、細い指は陽に透けて赤みを帯びている。生命の赤だ。
首筋のあたりに柔らかい髪が触れ、吐息もかかる。
走ってきたのだろうか、後ろの少女の息は上がっていた。
声音を変えていて誰だか分からない。
だが、おそらく待ち合わせの相手だろう。
「ことみだろ?」
「うふふ」
風が背後から吹いてきた。
生臭い風だ。
片手が外れた。
半分の視界の後ろから、放物線を描いて、丸い、ものが。
丸い、モノが。飛んで、きて。
視界の真ん中に落ちた。
「やっぱりことみちゃんと間違エタ……」
視界の真ん中に落ちていることみと目があった。
続かない。反省はしている。