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▼ ガンスリンガー・ガールでエロパロ ▼ - 暇つぶし2ch91:名無しさん@ピンキー
08/03/10 19:27:54 LZDjH83y
あちこちから聞こえてくる人々の笑い声。
それを包み込むのはオレンジと白のレンガを前景として広がる青い空と海。

シチリア島の風景は見る者全てを幸せな気分にさせるようだ。

ただ一人、この俺を除いて。


『blu ed azzurro』


本格的に観光シーズンを迎えた現在ではそこかしこに観光客の姿を見ることができる。
彼らはみなここでの余暇を満喫しているようだ。
その表情は明るく、足どりも軽やかだ。
「きゃっ!」
突然隣りを歩いていたリコが奇声をあげた。反射的に懐に手がのびる。
見ればリコがバランスを崩したその横を二人の少女が駆けて行くところだった。
「すみません」
後ろからきた父親らしき男が頭を下げる。
「お怪我はありませんでしたか?」
「フロレンス、大丈夫か?」
「はい、兄さん。どこも怪我はしていません」
リコの返事に安心したのだろうか、男は微笑を浮かべ喋りだす。
「よかった……利発そうな妹さんですね。うちの娘たちはおてんばでね、手をやいていますよ」
「元気でいいことじゃないですか」
「ははっ、元気すぎるのも困りものですよ。おっと、娘たちが呼んでいるのでこのへんで。
では良い休日を」
「……良い休日を」
向こうのジェラート店の前で、二人の少女が手を振っている。そこに走っていく父親。
彼らが店に入っていくのを見送ってから、リコが口を開いた。
「ジャンさん。なんで元気過ぎて困るのですか? 病気の方が困るに決まってるじゃないですか」
CFS症候群の全身マヒ。それがリコの以前かかっていた病気の名前だ。
十一年間病室のベッドに縛りつけられていた身としては、親が元気過ぎて困るなどと言うことは信じられないのだろう。
「世の中には様々な人間がいるということだ」



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