▼ ガンスリンガー・ガールでエロパロ ▼at EROPARO
▼ ガンスリンガー・ガールでエロパロ ▼ - 暇つぶし2ch100:名無しさん@ピンキー
08/03/10 19:38:26 LZDjH83y
「はぁ、や、やっぱりジャンさんの、キスは最高、です」
息を切らせて目をとろけさせて、そう言ったリコの姿はその幼さを忘れさせるほど艶麗なものだった。
その姿に俺の強張りはその硬度を限界まで高め、びくん、びくんと力強く脈動していた。
本来なら順序だてて愛撫を下らせていくべきなのだろうが、
すでに確かめたとおりリコの女性器は俺を迎える準備が整っているようなのでその必要もないだろうと判断し、俺は身体を起こしリコの足の間に腰を進めた。
「優しくはしないぞ。ある程度の痛みは覚悟しておけ」
俺の忠告にリコは首肯し、シーツを握り締めた。
「ジャンさんと一つになれるなら私はどんな痛みでも大丈夫です」
その言葉に満足した俺は腰をさらに進めた。
「んっ……」
触れ合う性器。四、五回ほどこすりつけ合わせる。
「やっ! あ、ジ、ジャンさん! 気持ち、いいっ、ああっ!!」
敏感な部分にでも触れたのだろう。リコは大きな嬌声をあげ始めた。
一方の俺もリコのぬめる愛液よって相当の快楽を得ていた。しかし本番はこれからだ。
リコの幼い性器はぴったりと閉じていてその入り口は見つけにくかったので、
「もっと足を開け」
そう指示し、さらに指で閉じられた花弁を広げる。
全く穢れを知らない鮮やかな淡い血色。その中に小さな入り口を見つけることができた。
まだ陰毛も生え揃っていない少女には大きすぎる俺の肉棒をあてがう。
「あっ」
何かを感じ取ったのだろう、リコはそう小さく声を漏らした。
その様子を確認して俺は挿入を開始した。
俺の肉棒は塞がれている柔肉を裂きながらリコの膣内へと進入していく。
「いっ、痛っ……いやっ、はぁっ、つぅっ」
リコは痛みに顔を歪めつつもシーツを握り締めて、自分の唇を噛むことで何とか破瓜の痛みに耐えていた。
そんな痛みとは対照的にこちらを包むのは感奮するほどの快楽。
リコの膣内の締め付けは凄まじく俺を放すまいと締め付けてくる。
それでも十分に濡れているので俺はゆっくりではあるが確実にリコの奥へと向かっていく。
膣内を進むたび媚肉が蠢き俺の性感を高めていく。
それにまだ幼いからなのだろうか、リコの膣内はとても温かくまるで蕩けてしまいそうだ。
きつくて、ぬめっていて、温かい。
しかも今はまだ挿入の最中であり、本格的に動いてはいないのだ、もしこれを動かしたらどうなるのか……。
「リコっ! い、いいぞ、リコの膣内は、凄くっ!」
言って、リコの様子をうかがう。
リコは目をぎゅっとつむりただひたすら痛みに耐えていた。
それでもリコは俺の言葉に反応する。
「ほ、本当ですか? う、嬉しいです、私、ジャンさんにそんなに褒めてもらえて、えへへ、わ、私は幸せ者ですね。
こんな、こんなにしてもらって、な、膣内でジャンさんを感じれて」
…………。


101:名無しさん@ピンキー
08/03/10 19:39:07 LZDjH83y
そう言ったリコの表情を見た瞬間、急速に頭の中が冷えていくのが分かった。
下腹部の熱さはそのままに、まるでそこだけ瞬間冷却されたように俺は冷静さを取り戻す。
その頭で考えても解らない。

何故リコはこんなに、
こんなに、
息を絶え絶えさせながら、
目の端に涙をためながら、
肩を強張らせながら、
こんな言葉を言って、
息をするのも苦しいだろうに、
俺を喜ばせるため、

微笑むのだろう。

頭の中がどんどん冷えていくまるで真冬の海に沈んでいくように、深い、深い青に呑まれていくように。

それでもその底で俺は僅かな温かさを感じるのだ。
それは喜びなのか、救いなのか、快楽なのか。

解らない。

ただ一つ。
この温もりの理由、源だけは確かに解る。

リコだ。
リコと繋がっているという事実だけが今俺に温もりを与えている。


102:名無しさん@ピンキー
08/03/10 19:41:17 LZDjH83y
「ジャンさん?」
俺の沈黙をいぶかしく思ったのだろう、気が付けばリコの顔が間近に迫っていた。
こんな状態で動いたら激痛が走るというだろうに、それでもリコは俺を心配して顔を寄せているのだ。
「ジャンさん?」
リコと目が合う。
蒼い、蒼い、澄んだ空のようにどこまでも蒼い瞳。
そこに映る俺の顔は……。
「きゃっ!」
俺はリコを抱きしめてそのままベッドに倒れこんだ。
その反動かリコの膣内の抵抗を押し切り俺はリコの最奥にたどり着いた。
「いっ! 痛い、です」
悲鳴に近い声をあげるリコを俺は両腕で包み込む。
リコは小さな腕を目一杯広げ背中に手を回す、がそれでも届かないので結局首にしがみつくようにした。
「ジャンさん……痛いけど、私嬉しいです。変ですね、痛いのに嬉しいなんて。ふふっ、それに嬉しいだけじゃなくて……。
凄く満たされているというか、なんて言うのかな? やっぱり幸せ、かな? 私今凄く幸せです」
「リコ……」
俺はもうそれしか言えなかった。
「動いてください、う、動いて、いつもみたいに私で、気持ち良くなってっ、ください」
その懇願に応え俺は腰を前後に動かし始めた。
リコの最奥から肉壁をめくりあげながらカリの部分まで引き抜き、そこから一気に子宮口に達するまで深く挿入する。
密着しているのでリコの息遣いがよく分かった。
そのリズムに合わせるように膣内は蠢く。
幼くてもリコの身体は知っているのだ、男の精液を求めるということを。
何百万年も続いてきた人の性愛の行為。
その前ではリコが義体であることも、この俺の醜い復讐心もそんなものは些細なことに過ぎない。


103:名無しさん@ピンキー
08/03/10 19:44:02 LZDjH83y
採光窓から差し込まれる陽光が眩しくて俺は目を覚ました。
リコは隣で穏やかな寝息を立てている。
俺は立ち上がるとテラスに向かい勢い良くドアを開いた。
夏の日差しは眩しい。視界がはっきりしないままテラスへと進み出る。
俯いて目を慣らしてから顔をあげる。
俺の視界に飛び込んできたものはどこまでも青く、そして美しいシチリアの空と海だった。
「綺麗ですね」
いつのまにかリコが横に立っていた。
「ああ、綺麗だな」
「また連れてきてくれますか?」
リコの問いに俺は薄く笑い、
「いいだろう」
と応えた。もちろん「ただし任務を完璧にこなしたらだ」と念押しも忘れない。
リコはその蒼い目をきらきらと輝かせ、
「はい」
そう返事をして、大きく頷いた。



Fin.


104:名無しさん@ピンキー
08/03/10 19:44:54 LZDjH83y
おまけ

公社へと戻った私はヘンリエッタに連れられてトリエラたちの部屋を訪れた。
「リコ、どうだった? シチリアは」
「いいところだったよね? ねっ?」
彼女たちに私は、
「うん。すごくいいところだったよ」
と応え、あの日のことを想い、夢見心地に浸った。
トリエラがさらに質問を重ねてくる。
「特に良かったところとかはないの?」
私はしばらく考えていたがジャンさんとのことを言うわけにはいかないので、
「うーん……みんな楽しかったよ」
「またそれか」
トリエラは呆れたような声を出してため息をついた。
すると今度はベッドの上で本を読んでいたクラエスが、
「せっかくシチリアまで行ったんでしょ。なにか珍しいものでも買ってもらった?」
と訊いてきた。
「何も」
「なにもぉ? 全くジャンさんは薄情ね。私やヘンリエッタはたくさん買ってもらってるのにね」
「そうだね……」
ヘンリエッタはそこで少し悲しそうな目で私を見た。
「でも私もジャンさんからは大切なものを貰ったよ」
「はい、はい。自由に動く身体でしょ。リコはそれだけで幸せなんだもんねー」
トリエラはそこで一旦区切り、
「私はもっともっといろいろ欲しいけどね」
と言った。
「それだけじゃないよ。私だっていっぱいジャンさんからもらってるよ。その……うまく言えないけど」
「わかった、わかった。ここでの生活や楽しみは言わば全部ジャンさんから貰ったものだしね」
トリエラは物知り顔をする。
少し悔しくて私は、
「きっとみんなが貰ってるものよりいいものだよ」
と反論した。するとトリエラも負けじと、
「それは有り得ないわ」
と言い返してきた。なんでそんなに自信満々なんだろう。ひょっとして……。
「あなたたちそろそろ訓練の時間じゃない?」
私の思考が結論に達する前にクラエスの呼びかけで断ち切られる。
「そういえばもう時間だね。急ごっか」
ヘンリエッタはそう言って私の手をとった。
そうだ、急がなくては。

訓練場ではジャンさんが待っているんだから。


105:名無しさん@ピンキー
08/03/12 01:24:29 P08qUei3
前半部分で
ツンデレなジャンさんというものがいかに素晴らしいものであるか
認識した

106:公社の十日物語
08/03/12 03:00:24 COcr5wVl
>>80-88
ああ,トリヒルのエロだよ!エロパロは,こうでなくてはな!ちゃんと飲んでるしーツンデレの醍醐味ですよ。

>>「私は、あなたが好きです。どうしようもないくらい好きです。だから戦います。血だって流します。でも平気。あなたが無事なら。だから……最後まで私に守らせてください」
>> 彼は一呼吸置いて、それから私を抱きしめる力を強めた。瞳に涙が溜まっている。

なんて,格調高い表現でしょう!あの「どうしてほめてくださらないんですか?」を彷彿とさせます。
それに,ある種の予感というか布石というか…
すばらしいです。インスパイアされちゃいます。ありがとうございました。

>>91-104
すごいよっ!いいよっ!エロいよ!ううれしいー!

>>「なんででしょう? うまく説明できませんけどなんだか嬉しいんです」

って台詞がイイ!ああっ,ガンスリエロパロスレッドに春が来た!
こんなSSが読めるなんて私は幸せです。
今後も,彼女たちのサイドストーリーを聞かせてください。
ありがとうございました。グっジョブ!

最近仕事が忙しく続編が書けていない…皆様のエロパロだけが,憩いと安らぎでございます。


107:名無しさん@ピンキー
08/03/12 15:11:11 d0Yo9XSq
GJだ。GJ!
blu ed azzurro ってどういう意味だか気になるが…

108:名無しさん@ピンキー
08/03/19 13:49:41 bR5Oqicl
SS書いたんだが長くなったので他に投稿してきた。
URLリンク(mai-net.ath.cx)
鳥昼の話なんだがオリキャラ出てくるし、原作から離れていくし……。
あんまりエロくないので、それでもよい人どうぞ。

109:名無しさん@ピンキー
08/03/20 21:35:54 jCndxlKq
これはいい

110:名無しさん@ピンキー
08/03/21 09:10:18 R5xcQBTL
>>107
調べてみましたが、bluもazzurroもどっちも青という意味らしいです。
edがandと同じなので、「青と蒼」といったところでしょうか。

111:名無しさん@ピンキー
08/03/24 12:45:20 E9WzRrvn
ほす

112:名無しさん@ピンキー
08/03/29 12:27:00 kSLI/vfZ


113:名無しさん@ピンキー
08/04/01 03:52:43 wRwRqbHo
俺とピノッキオだけのフランカが…。

114:名無しさん@ピンキー
08/04/05 23:46:25 9EGVugXf


115:名無しさん@ピンキー
08/04/06 16:50:55 duY859zc
過疎りはじめてる・・・

116:名無しさん@ピンキー
08/04/08 21:14:28 Ii+k78QZ
1. 学生さんと違って、社会人の今の時期は忙しいからなぁ
2. アニメのショックから立ち直っていない
3. 原作のストーリーの超展開がこわい

どれだろう

117:名無しさん@ピンキー
08/04/10 17:34:24 LafwZJfl
2

118:名無しさん@ピンキー
08/04/12 10:43:44 CLu22D/y
>>116
2

119:名無しさん@ピンキー
08/04/12 14:56:58 jrJY2Len
アニメの評価酷いなw
まだみてないが、見たら後悔する?

120:名無しさん@ピンキー
08/04/12 16:22:19 34eU+dlh
>>119
一期は見る事をお勧めする

二期はGUNSLINGER GIRLとして見ないことをお勧めする

121:名無しさん@ピンキー
08/04/12 17:55:32 ITbiI2k/
えった抱き枕

URLリンク(st-momo.hanya-n.net)
URLリンク(st-momo.hanya-n.net)
URLリンク(st-momo.hanya-n.net)

122:名無しさん@ピンキー
08/04/12 20:05:29 8RjbSWA4
>>121
ありがとう!あなたは、私に安らぎと癒しを与えてくれた。
お礼になるかどうかわからないが、受け取ってくれ。
URLリンク(www7.axfc.net)

123:名無しさん@ピンキー
08/04/12 20:23:42 ITbiI2k/
>>122

うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!

ごちになります!

124:122
08/04/12 20:30:07 8RjbSWA4
>>123
喜んでいただいてうれしいです。
もう少し、画像が大きければ、キレイにできたのにな。
わたしにKEEP OUTを消すほどのテクがないのがくやしい!
顔だけ浮いた感じになってしまった…OLZ

125:122
08/04/12 23:14:54 8RjbSWA4
連投すいません。やはり前バージョンよりもこっちの方が良い感じがするので。
背徳感バージョンです。シーツのしわにノイズが目立っちゃったけど、
顔の浮き上がりは抑えられたかな。
URLリンク(www7.axfc.net)


126:名無しさん@ピンキー
08/04/13 00:55:53 JNGxnKJF
>>125
なんか怪しくなってますが 乙です


127:名無しさん@ピンキー
08/04/13 18:28:27 JNGxnKJF
>>124
顔の浮き上がりは特に感じないですわ
って言うか顔にピントがあってる感じがしててグゥ

>>125
シーツが絹な感じがしていいですな。
あばら骨が好きな人にはグゥ

128:名無しさん@ピンキー
08/04/13 21:50:13 KgnALf26
リコの壁紙です。やはり、微乳はイイ。
URLリンク(www7.axfc.net)

129:名無しさん@ピンキー
08/04/14 22:22:30 nttveNb7
アンジェリカの壁紙です。思いっきり無修正です。やりすぎ?
URLリンク(www7.axfc.net)

130:名無しさん@ピンキー
08/04/15 00:22:38 NeUABq5v
>>129
何で無修正画像がwww

ふたばの職人さんにでも無修正に加工してもらったの?

131:公社の十日物語
08/04/20 09:51:48 Ytuk6RtZ
トリエラは、以前、ロベルタ=グエルフィ検事の警護任務で
ライフル弾を腹部に受けたことがあったので、その痛みを思い出したのだ。
処女性交の痛みとは、そんなにも痛いものなのかと、
クラエスへの労いが大きくなったのだ。
そして、そもそも、少女義体達が生身の人間だった頃は処女だったのかと言えば、
間違いなく処女だったはずで、
そんな痛みを経験することもなく義体として一生を終えてよいはずである。
それなのに、何故、痛みまで再現させなければならないのか?
その意味を考えざるを得ないほどの痛みをクラエスは感じていたのだ。
そして、義体年齢が最も最年長のトリエラにとっても、
それには何か意味があるはずだと、気がついていたのである。

「ええと、ごめんね。
私達だけイイ思いばっかりして、クラエスが居てくれることで、
私達が幸せなんだって、わかっていたつもりだったけど、
感謝の気持ち、足りなかったんだなあって、今、思ったよ。…」

トリエラは、乳首を弄るオナニーをやめて、クラエスの瞳をじっと見つめた。
それに続いて、ヘンリエッタとリコも粘る指先を止めて、
トリエラと同じようにクラエスを見た。

「もう、よしてよ!そんなふうにあらたまらなくたって、
みんなからの気持ちは、感じているわよ。
ただね、私達がもし、義体でなかったら、
多分、女としての悦びを感じる経験ができたはずでしょ?
それなら、そういう幸せを感じることも義体としての生き方なんじゃないかなって、
思うの。
担当官以外に、相手を選べないのは、残念かもしれないけどね。
まあ、年齢はともかく、男としてはみんな超一流なんだから、贅沢な悩みなのかも!」

クラエスがおどけてみせることで、みんなの顔をがほころんだ。
クラエスは、義体達のお姉さん役をしっかりと心得ていた。
そして、それを説明してみせるトリエラもクラエスと同じように、
保護者の役割を果たしていたのだった。

「人間の女性は痛みに強い身体になっているって医学書を読んだことあったな…
ええとデモイヤ博士だったかな?
仮に、出産に伴う痛みを男性の身体で再現すると、失神したり、
脳梗塞や心臓発作したりして、出産までの長時間には耐えられないんだって。
女性の生殖器官は、男性よりも優れた部分が多いみたいね。
処女性交の痛みって、出産時の痛みへの練習なのかしら。どう思う、クラエス?」

クラエスもそのことを考えていたので、即答でトリエラの問いに答えた。

132:公社の十日物語
08/04/20 09:57:05 Ytuk6RtZ
「そうね。アントーニオのプログラムの出来はともかく、
義体の処女性交に痛みを与えるべきっていう判断は、
おそらくは、義体技師最高責任者であるあの人の考えでしょうね。
現段階における私達の生殖器で、妊娠出産の機能は、
まったく無いのだから、処女性交の痛みには、何か別の目的がありそうね。
そう、例えば、担当官が与える痛みに、
どれほど受容できるかという条件付けの承認テストの一つだとか、あるいは…」

クラエスは、今度は、受け皿を持ちながら、
行儀良く紅茶を啜った。
トリエラが、おかわりのティーポットを持って、クラエスの言葉を静かに待っている。

「…あるいは、わたしちが痛みに耐えつつも、
担当官を悦ばせることを優先するほどに、
彼らを愛しているのだという証明なのかも。」

クラエスの言葉を聞いて、ヘンリエッタがすぐに反応した。

「わ、私だって、ジョゼさんを愛してるもの。
わ、私のあそこにも、痛みを感じるプログラムを追加しても、我慢できるわ!」

同じようにリコも真似をする。

「わたしも、追加してもらってもいいかな。
ジャンさんを愛してることの証明が、それでできるんなら、
初めての時だけでなく、毎回、痛くても我慢するよ。
だって、それが、わたしのお仕事だから。」

クラエスとトリエラが、同時に深いため息をついた。

「そうね。二人は、いつだって担当官のことを考えているモノね。
誰かさんと違って、ホントに健気なんだから。
ねっ、トリエラ!少しは、この二人の熱い愛情を見習ったらいかが?」
「わたしだって、ヒルシャーさんが、戦えと言うなら、いつだってそうしてきたわよ。
痛みを恐れて、担当官の命令に逆らったことは一度もないわ。
でも、担当官が悦んでくれるなら、痛みを感じることも躊躇わないかって言われると、
ちょっとつらいかな…だって、もう既に処女じゃないし、
初めから、あんな最高の快感を味わってしまったら、
もう、快感の無いセックスなんて、できないわよ。
ヘンリエッタやリコだって、痛いより気持ちイイことが好きでしょ?」
「うん、でも、クラエスだけ、そんな痛い思いをして、
私たちだけ得してるなんて、やっぱりずるい感じがするもん。」
「わたし、痛くても、我慢できるよ。気持ちイイ方が、好きだけど。」

クラエスは、リコとヘンリエッタの顔を交互に見て、微笑んだ。

133:公社の十日物語
08/04/20 10:00:57 Ytuk6RtZ
「二人とも、本当にいい子ね。
でも、この痛みは、私の仕事なの。
代わりに、銃の弾を喰らう痛みをみんなには、お願いするわ。
担当官からの快感は、その任務を果たすことへのご褒美よ。
そんなに申し訳なさそうな顔をしないで。
わたしだって、自分の仕事をちゃんと果たしたいだけ。
この痛みは、その役割を果たしているという自負なの。
わかる?女が痛みを感じるのは、新しい命を生み出すための試練なの。
この痛みを感じているから、生きている実感を感じられるわ。
それに、その痛みの後のそれ以上の快感もネ。」

「もう、クラエスのエッチぃ!」

円卓の中に、アンジェがいたら、
きっとマルコーさんからの違う愛情を受け取る企みをみんなで話せただろう。
今はもう居ないアンジェリカ。
そして、いつかは動かなくなるであろうみんなの義体。
そして、まもなく近づく死の痛み。
わたしは、そんな悲しみをどれだけ軽減できるのだろう。
その痛みに見合うだけの幸せを作り出せるのだろうか。
クラエスは、自分の生きる意味をそうして問い続けてきた。

「さあて、わたしとアントーニオの処女性交の話は、ここでおしまい。
明日の夜は、リコの番よ。
ジャンさんとのラブラブな話を聞かせてもらえることを楽しみにしましょう。」
「おやすみ、クラエス。」
「おやすみ、トリエラ。」
「おやすみ、アンジェ。」

ヘンリエッタとリコが、部屋を去っていった。
トリエラが、円卓中央のロウソクの火を消す。
そして、椅子に座ったままのクラエスの背後から、そっと彼女を抱きしめた。

「おつかれさま、あなたらしくないけど、イイ話を聞かせてもらったって、思ってる。」
「そう?よかったわ。
私の話で、みんなが幸せな気持ちになってくれるなら、こんな役もいいかもね。
もう、3時過ぎ?あと3時間ぐらいは眠れるわね。
日が昇る前に、畑にお水をやらないといけないもの。」
「私も付き合うわよ。クラエス先生。」
「良い心がけね、トリエラ君。」
「さあ、寝ましょ。夢の中でも、きっとイイことがあるわ。」

(第一夜 終了)

134:名無しさん@ピンキー
08/04/22 00:07:37 vGwviovU
良い意味で期待を裏切ってくれるというか
読者置き去りなところが快感になりつつある今日このごろですが

第二話はリコが「私のおまんこ」を連発するのですね
リコが医学用語を使ったり「あそこ」とか遠回しな表現はしない気がする


135:名無しさん@ピンキー
08/04/22 03:06:20 4+fr7OXN
てかエッタって義体になる前はレイ~プされてたんじゃなかったっけ?

136:名無しさん@ピンキー
08/04/25 22:20:28 rjZHoXr3
エッタの脳内ではヲトメですよ

137:名無しさん@ピンキー
08/04/28 11:18:25 kl+otvfQ
トリエラもまず間違いなく犯られてるよな。

138:名無しさん@ピンキー
08/04/30 09:49:14 iWQCSdxL
>>134
つーかリコが「おまんこ」なんて言葉を知っているのか?
耳年増なクラエスは間違いなく知っているだろうが、他に知ってそうな面々というと・・・

クラエスと相部屋という不幸? な境遇にあるトリエラは知っているつーか無理矢理聞かされてそうw
ペトラも担当官との関係からして知ってそうだ。

139:名無しさん@ピンキー
08/05/03 04:24:52 Rt2mZ4SA
ジャンがリコになんて言って教えてるのかという事だと思うが
案外プリシッラに丸投げだったりして


140:公社の十日物語
08/05/06 19:38:10 isPJ4lF1
第二夜

そこは、誰が見ても品格があり、衛生的で、
調度品の整った部屋の窓から差し込む月の光に当てられたベッドルームは、
美しい場所だと思えた。
ベッドの上で抱き合っている男女の姿を一人の少女が、
クローゼットの中からじっと観察を続けている。
女の方は、少し華奢だが、胸や臀部が女性を強調し、
細く引き締まった手足がとても魅力的で、
すらりとしたモデルのような肉体だった。
おそらくは、ある種の特別な訓練を積んだ女であることを、
少女は経験から、感じ取っていた。
少女の瞳が、小さなのぞき窓から男の方の躰の一点に集中し、
彼のペニスをとらえた。
それは、自分が持っている銃口よりも太く、長かった。
それを女は、口の中に全てくわえ込んで見せた。

”うわぁっ、すごいことしてるっ!
あれって、食べられるものだったんだ…ジャンさん、痛くないのかな?”

少女は、ゴクリつばを飲み込み、手に汗がじわりとしみてきた。
男の視線が、こちらをちらりと見る。特に重要なシーンだということなのだろう。
少女の瞳は、暗闇でも抜群の視力を誇っていた。
女の唇と顎と首と指の動き全てが、よく見える。
そして、女の息づかいと頬の膨らみ具合から、女がしていることは、
食べているのではなく、ペニスを愛撫し、扱いているのだということがわかってきた。

”おしっこ、飲んでるのかな?”

男は、仰向けになり、女が、男の顔の上に跨り、起立したペニスを上から、咥えなおした。
咥える前よりも、サイズが大きく硬くなっているようだった。
唾液でべとべとになったそれは、ひくひくと動き、痛みを感じているようにも見えたが、
歯形や切り傷は見られない。
それに、男は、苦痛ではなく、心地よい顔を見せていた。
あんなうれしそうな顔を自分に見せてくれたことは一度もなかった…。

『リコ、お前は、この中から俺の警護をしろ。
女が武器を持って俺を傷つけようとしてきたときのみ、ここから出て迎撃しろ。』
『女が武器を持っていないときは、迎撃しなくてもよろしいですか?』
『武器を持っていない女に殺されるほど、俺はヤワではない。』
『わかりました、ジャンさん。ここから、警護監視を行います。』

141:公社の十日物語
08/05/06 19:40:13 isPJ4lF1
少女は、クローゼットの中にいるが、
そこは、さらに、隣の部屋にもつながっている秘密の入り口があり、さらには、
ベッドルームをビデオカメラで全周域撮影できる装置も設置されていた。
この部屋は、社会福祉公社が、
とある高級ホテルのフロアを全て借り切っている工作員用の場所なのだ。
クローゼットから、ベッドまでの距離は2m。
扉からCz75を発砲すれば、いかなる状況でも、対象を警護できる自信が、リコにはあった。
問題は、警護任務ではなく、続きの任務を与えられたことだった。

『リコ、任務は、警護だけではない。』
『はいっ?』
『俺と女がすることをよく観察し、女がすることを学べ。
これからのお前に必要なことを教えてくれる…。』
『はい、わかりました。』…



「…という感じが、わたしの初めての夜。すっごくおもしろかったよ。
知らないことがいっぱいあってね、
特にジャンさんが、女の人の口の中でいっちゃうときなんか、どきどきしたよ。」

リコは、うれしそうにみんなの前で自分の体験談を語り始めた。

「ジャンさんが、女の人に自分のペニスを咥えさせたときは、
あれって何してるかわからなかったんだけど、
ジャンさんが女の人の口の中にたくさんのおしっこを出したときに、わかったんだ。
ああ、そういうことかって!男の人は、女の人に飲ませるのが、好きなんだってこと!」

円卓のローソクの焔が揺れるように大きな声で、クラエスとトリエラが反論する。

「違うわね!」(クラエス)
「間違ってる!」(トリエラ)

二人は、紅茶をごくごくと飲み干すと、その理由を説明し始めた。
ヘンリエッタは、うんうんと頷いていたが、どちらに賛同していたのか、わからなかった。

「それは、尿ではなかったはずよ。
間違いなく、射精、つまり、女が飲んでいたのは、
精液…ザーメン…スペルマ…男性が快楽の絶頂期にのみ放出する子種のこと。」
「あのね、そっちじゃないでしょ?
飲ませるのが好きなのは、担当官の嗜好によるものであって、
万人の男性が好きっていうところが間違いよ。
いい、リコ?精液は、飲みものじゃないの!!
もちろん、おしっこも飲んだりするモノじゃあないんだからね!」

リコは、二人の反論に落ち着いて、返答するために、自分も紅茶を一口飲んだ。

142:公社の十日物語
08/05/11 12:02:40 xzu3M+Xy
「えっと、そのときは、射精っていうことを知らなかったから、
おしっこなんだって思ったの。
でも、別にヘンな感じしなかったよ。
女の人も美味しそうに飲んでたし、ジャンさんもうれしそうにしてたから。
それから、トリエラは、すぐそうやって意地を張るんだね。
ホントは、ヒルシャーさんもトリエラに飲んでもらいたいんじゃないのかな。
あっ!でも、おしっこより、精液の方が美味しいかな?
おしっこは、ちょっと量が多すぎて、飲みにくいもんね。」
「ああ、なるほど!そういうこと。」(クラエス)
「なるほどじゃなーいっ!なんか、すごくわたしがバカみたいなんだけど。」(トリエラ)
「うふふっ。だって、今夜は、私の番なんでしょ?
みんなが知らないやさしいジャンさんのこといっぱい話そうと思ったんだけど、
ダメだったかな?」
「ううん、私は、すごく楽しいよ。
だって、ジョゼさんのお兄様のことだもの。
兄弟での相違点と共通点を知ることは、これからの夜の生活に必要なことだと思うの。
条件付けの学習では、性に関する知識ってほとんど教えられなかったから。」
「ねえ、リコはさ、ジャンさんの…あれ…お、おしっこって飲んだことある?
わたしは、ヒルシャーさんの排尿行為すら見たこと無いんだけど…
って言うか、見たいと思わんしー。」
「ほらぁ!トリエラってすぐそうやって担当官の悪口を言う!
私なら、ジョゼさんが出すモノなら、全て、飲めます!
いいえ、飲ませてくださいって言うわ!ねぇ、リコ?」
「うん、そうだね。」
「トリエラは、条件付けがゆるいから仕方ないのよ。
私たちと違って、ツンデレさんだから。ねえ、トリエラ?」
「はぁ、もういいから、話続けて…。」

143:公社の十日物語
08/05/11 12:04:31 xzu3M+Xy
リコは、紅茶のおかわりを自分で注ぎ、クッキーを口に頬張った。
長い舌をぺろんとだして、咥えて見せたのは、わざとに違いなかった。

「うんとね、ジャンさんがその女の人の口に出したとき、
私のあそこが急に濡れてきちゃったの。
喉が、からからに渇いてくるし、胸の乳首もなんだか突っ張って、
ブラウスと擦れてちくちくする感じになったの。
それでね、クローゼットの中で、自分の指を股の隙間に挟んで、
下着の上から強くこすったら、落ち着く感じがしたの。
多分、それが、私の初めてのオナニー。
あぁ、なんかこうやってお話してるだけで、濡れてきちゃうなあ。
あのときのジャンさん、すっごくたくさん出していたもの。
わたしが、おしっこなんだって勘違いしたのも、そのせい。
その女の人はね、出されたモノを1滴もこぼさなかったんだよ。
あれって、すごい技術なんだよね?
わたしが初めての時、飲みきれなくて、こぼしちゃったから、
『零すなって!』ジャンさんに叱られたもの!」
「そうね、ジャンさんならそうするでしょうね…
まあ、射精量が多ければ、即、飲み込むしかないけど、
わたしなら、飲まずに口に溜めるわ。」
「そうなの!クラエスの言うとおりなんだ。
その女の人はね、てっきり飲んでると思ったんだけど、
お口の中にジャンさんの精液を溜めて、飲んでいなかったんだ!」

円卓に座る一同の喉がごくりと鳴った気がした。
鼻から勢いよく出した息で、中央のロウソクの火が揺れた。
リコの話に、クラエスもトリエラもヘンリエッタも夢中にならざるを得なかった。
何と言っても、ジャンさんは、徹底した秘密主義の人だから、
彼の私生活を知るには、リコからの話だけしかない。
その一部が、今、明らかになろうとしているのだ。
聞いてはならない甘い秘密の匂いと味が、義体達の五感を刺激していた。

144:公社の十日物語
08/05/16 19:54:52 0mASlAfc
「その女の人はね、お口いっぱいに溜めた精液を…」(リコ)
「やっぱり、飲んだんでしょ?」(ヘンリエッタ)
「プロの娼婦なら、おしぼりなんかに吐き出すらしいよ?」(トリエラ)
「ジャンさんが、安っぽい風俗女を抱くとは思えないわね。
彼、高級志向でしょ?だったら、基本は飲むはず。
でも、それをあえて口に溜めた理由は、一つ…」(クラエス)
「そう、その女の人はね、ジャンさんのペニスをしばらく扱いてから、
内部の精液まで完全に搾り取った後、お口の中のモノを零さないようにして、
ペニスさんをお口の外へ弾き出したの。
ペニスさんの亀頭が、紅い唇にぴったり吸い付かれていてね、
ホントに、上手だったよ。
わたしも、それを真似しようとしたんだけど、うつむきだと、
ペニスさんがお口から出る瞬間、お口に溜めた精液が、
どうしても下に零れちゃうんだよね。」
「そ、それでさ、どうしたの?つ、続きを言ってよぉ!リコぉ!」(ヘンリエッタ)
「うん、それでね、女の人は躰の向きを変えて、
寝ているジャンさんの顔に近づいていったの。
そうして、お口に溜めた精液をジャンさんの顔の前で…」
「きゃぁーっ、それってさ、もしかして!!」(ヘンリエッタ)
「へえ、ジャンさん、そういう趣味があるなんて…体液交換&口腔愛撫ってこと?」(クラエス)
「ちょっと…これ以上…私…聞いてられないわ…」(トリエラ)
「みんな、ちゃんと最後まで聞いて。
女の人はね、ジャンさんにキスすると思ったんだけど、そうしなかったの!
ジャンさんがね、『まだ飲むなよ』って言うとね、
女の人はにっこり笑って、ジャンさんにお口の中を見せてたの。
そしてね、お口の中で、どろっとした精液をかき混ぜてたみたいなの。
あれって、どんな意味があるのかなぁって、不思議だったけど、
ジャンさんは、出した精液を見るの好きだったからなんだよね。」
「ああ、なるほど。ジャンさんらしいわね。」(クラエス)
「なあんだ、わたし、てっきり、
女の人がジャンさんに精液を口移ししちゃうかと思っちゃった…
そうよね、いくらなんでもそれはしないわよね、だって、
精液は、女の人が飲むものだもの。」(ヘンリエッタ)
「ちょっと、ちがうでしょ?精液はね、女の人が膣から入れて飲むものって…
いや…そうじゃなくて、とにかく、精液を口に出す時点で、
それは、男性の女性に対する支配欲の象徴であって、
女性を蔑視している行為なわけで…ホントは…飲んじゃいけない…と…」
「ト、リ、エ、ラ!今宵は、リコとジャンさんの話をしてるのよ。じゃましないで!」
「はい、わかりました…クラエス先生。ごめん、リコ、話を続けてくれる?」
「うん、それでね、女の人は、しばらく、ジャンさんの顔のそばで、
くちゃくちゃもぐもぐお口を動かしてたの。
横顔だったから、お口の中までは、見えなかったけど、
音が結構くちゃくちゃ聞こえてたから、多分、精液を噛んでたんじゃないのかなぁ。
美味しそうに味わってる感じだったよ。」

145:公社の十日物語
08/05/16 19:57:53 0mASlAfc
「その女の人って、大人の人だよね?義体じゃないんでしょ?」
「うん、生身の女性だったよ。
年齢は、20代後半から30代前半の雰囲気だった。」
「その年齢で、そういうことができて、ジャンさんが選ぶ娼婦となると、
まあ、かなりの高級プロ娼婦ね。一晩3000ユーロぐらいって感じ?」
「うん、その人はね、ずっとジャンさんだけをお客にしている人で、
他の人とはしない契約なんだって、専属なんだって。
その代わり、ジャンさんが呼んだときはいつでもどこでもどんなことでもするんだって、
その女の人が教えてくれたよ。」
「ふーん、リコが、一般人とそんな話をするなんて、
ジャンさんが、よほど信頼してる人なのね。意外だったわ。
公社の外で、そんなに社交性のある人には、見えなかったけど。」
「ううん、このことはね、ジャンさんも多分知らないと思うの。」
「えっ、何が?」
「私が、その人と話したこと…」
「えっ?じゃあ、ジャンさんは、リコが、
ずっとクローゼットの中から隠れて見ているって思ってるわけ?」
「うん、多分。」
「ええぇっ、それって、ありえなーいっ!担当官の命令に違反してるんじゃないの?」
「命令違反っていうか、ジャンさんは、その女の人から学べって、仰ったから、
その女の人は、担当官から任命された教官ということになるから、
公社の人間と同じ守秘義務を持つ人として、考えてるの。
それに、ジャンさんが、選んだ人なら、
わたしもその女の人に敬意を払わないと失礼かなって思ったから。」
「それで、その女の人とどうやって仲良くなったわけ?
あんた、まだ、クローゼットの中で隠れてるんでしょ?
どうやって、のぞきがばれたの?」
「うん、それが、この話の一番おもしろいとこなんだ。」

リコは、普段滅多に自分から話そうとはしない。
好奇心旺盛で、いろいろな芸術品に関心を示す一方で、
担当官であるジャンの意向に逆らうことは絶対にない。
それ故、ジャンの不興を買うような行いは、厳に慎むようになっていた。
しかし、ジャンが、わざわざ、『学べ』と命令したことで、
リコに行動の自由を与えることになったのだ。
自分が知らないことをもっと知りたい!
もっと勉強して、ジャンさんの完璧な道具になりたい!
他の女の人にできることなら、自分にもできるようになって、
ジャンさんに使ってもらうんだ!
そういう意欲が、リコの中に芽生えていた。

146:公社の十日物語
08/05/16 20:06:27 0mASlAfc
「女の人がね、しばらく、お口の中で精液をかみかみさせていたら、
ジャンさんが、『もういいぞ、飲め』って言ったの。
そうしたら、その人、『ごっくん』って喉を鳴らして、嚥下したの。
わたしね、その音を聞いたとき、わたしの股の間がびちょびちょに濡れちゃってて、
”ああ、わたしも、ジャンさんのをああやって飲んでみたい”
って、ジャンさんが喜んでくれるなら、わたしだって、あれをやってみたいって、そう思ったの。
そうしたらね、その女の人が、
『なんだか、いつもと感じが違うわ、今日のあなたって、先生みたいよ。
まるで誰かに教えてる感じ…』
って言ったの。
ジャンさんは、黙ってたんだけど、その後、急に不機嫌になって、
ベッドから降りて、一人でシャワーを浴びに行っちゃったの。」
「ふーん、なるほど、自分の心を読まれて、不機嫌になっちゃったわけね。
それって、ジャンさんらしくないわね。」(トリエラ)
「つまりさ、ジャンさんは、リコに、フェラチオとか、
セックスのテクニックを学ばせようとしてたんでしょ?
それなら、その女の人にそう頼めばいいんじゃない?
わかんないなあ、中年男性の心理って!」(ヘンリエッタ)
「私が思うにさ、ジャンさんって、リコを自分の道具だって思ってるところがあるでしょ?
だから、自分の愛人に、それを教えてくれって、頼めないんじゃないの?
30代の男ってプライド高いから。
まして、自分の妹に、性処理の仕方を教えてやってくれってなんて、絶対に言えるわけないじゃん!
このロリコンペド野郎って、言われそうなんじゃない?」(トリエラ)
「それにしても、その女の人の観察力もすごいよね。
結局、ジャンさんが、リコに見せようとしていたことが、ばれちゃったわけでしょ?
鋭いよね、大人の女の人って、セックスの最中でも、そういうことまでわかるようになるんだぁ。
私なんかまだまだなぁ、もっとかんばって、ジョゼさんのお役に立てるようにならないといけないなあ。」
「それでね、ジャンさんがシャワールームに行ったらね、
その女の人が、クローゼットの方を見て、見えないはずの私に言ったの。
『隠れてないで出てきなさい!』って。」
「えっ!リコ、それで、あんた、素直に出てったわけ?」
「うん、初めは、ごまかそうと思ったんだけど、女の人がね、
『私は、あなたの先生なのよ、私のテクニックを学びたいなら、
きちんと顔を見せて、挨拶をなさい』
って言われたの。」

147:公社の十日物語
08/05/16 20:11:17 0mASlAfc
「ほーう!並の娼婦の台詞じゃないわね。もしかして、元軍人なのかしら?」
「ううん、お仕事は、ずっと男の人を躰で癒すお仕事をしてる人。
ただ、社会福祉公社の仕事をよく引き受けてる人で、
今は、ジャンさんとだけおつきあいしてる人なの。
それで、わたしも、クローゼットから出て、その人に会ったの。『こんばんは』って言ったわ。」
「その人、驚いたでしょ?」
「うん、少し、驚いたって。でもね、すぐに、その人は、私のことを理解してくれたの。」



『あなた、社会福祉公社の娘さん?普通の子じゃないわね?名前は?』
『はい。いいえ。リコって言います。』
『そう、彼の命令で、私を見張っていたのかしら?それとも、自分の意志?』
『両方です。』
『なかなか賢い子ね。同時に複数の質問に答えてくる子は、そうは、いなくってよ?』
『ありがとうございます。』
『礼儀正しく躾けられてるようだし、何より、その不釣り合いな背中のアイテムが、おもしろいわね。』

女性は、リコの背後のホルスターに収められているCz75の存在を自分の躰のジェスチャーで示して見せた。
銃を持っていることを知られ、リコは、もはや自分が普通の子だといういいわけができなくなった。

『えっと、あなたが、ジャンさんに危害を及ぼすときは、撃つように命令されていました。』
『あはっ!そうなんだ。
でも、私にその気はないし、彼に危害を与えられるほど私は強くないわよ?おかしいと思わない?』
『あなたがしていることを見て、学ぶようにも命令されてました。』
『うん、よろしい。そっちの命令が、正解よ。それで、どうかしら?真似できそう?』
『難しいお仕事だと思いました。でも、できるようになりたいんです。』
『だから、出てきてくれたんでしょ?』
『はい、わたしに、あなたのお仕事の様子を観察させてください。』
『もちろん、見せるのはいいんだけど、このことを彼には?』
『あなたに、ばれてしまったことを知られたら、多分、もう、見せてもらえないと思うんです。
だから、内緒にしていただけませんか?』
『上手い言い方。そうね、それでいきましょう。私に損はないもの。私たちは、師弟関係というわけね?』
『ありがとうございます。じゃあ、クローゼットの中に戻ります。』
『待って、私の名前は、エマヌエーラよ。』
『はい、ありがとうございました。エマヌエーラ…さん。』
『イイ子ね。今夜は、あと最低でも2発は出させるから、しっかり、おべんきょしてね。』
『はいっ、がんばります。』

148:122
08/05/17 17:17:12 YAqL0z0W
どなたかは存じませんが、無修正版を作ってくれたようです。
そたなに感謝を!
URLリンク(www7.axfc.net)


149:名無しさん@ピンキー
08/05/19 05:52:00 Qqd9yk49
>>147
>>148
GJ!!

150:公社の十日物語
08/05/25 19:41:41 s4B194vA
だれもいない…
レスおくれよ…
さびしいよ…

151:名無しさん@ピンキー
08/05/26 12:59:22 utXpHvC8
公社の十日物語様
いつも楽しませてもらっています。
続きを心待ちにしていますよ。

152:公社の十日物語
08/05/26 20:48:57 onoce0D3
「こんな感じだったの。」(リコ)
「ふーん、リコには、ちゃんとした実技指導の先生がいたんだね!」(ヘンリエッタ)
「クラエスの速習モジュールに、ジャンさんとエマヌエーラさんとの実技指導、
…リコのベッドテクニックが上手になるわけね。」(トリエラ)
「わたしの速習モジュールは、本来、銃操作や格闘術に最適化されたものだもの。
セックスという微妙な身体の動きをコントロールすることは、おまけみたいなモノよ。
やはり、実践に勝る練習方法はないわね。」(クラエス)
「それでね、続けて、ジャンさんとエマヌエーラさんのセックスの様子を観察できたの。」
「でも、それってさぁ、リコは、それでよかったの?」
「えっ?なにが?」
「だって、担当官が他の女性とイイことしてるわけでしょ?なんか、腹が立たない?」
「別に…だって、私、おっぱい小さいし、あそこに毛も生えていないし、
ジャンさんを喜ばせるいろんなテクニックを知らなかったら、
ジャンさんが、がっかりするだけでしょ?
早く勉強して、わたしを使ってもらえるようになる方が先だもの。
それに、セックスは、大人の女性とした方が、気持ちがイイって!
ジャンさんが言ってたの。」
「はぁ、よく言うわね!
担当官ってみんな自分勝手なことばっかり言ってる!」(トリエラ)
「それに、ジャンさんは、エマヌエーラさんを愛しているわけではないと思うの。
わたしに見せるために、無理に抱いてるわけでしょ。
だから、ちっともくやしくなんかないよ。
うん、そういうことなんだ。」…


153:公社の十日物語
08/05/26 20:51:32 onoce0D3
エマヌエーラは、ベッドの上で、喫煙を始めた。
ジャンのシャワーの音を聞きながら、事実を整理して考えてみる。

男性のモノを飲んだ後の煙草は何故か格別な味がする。
少女時代から、ずっとこういう仕事を続けてきたし、
自分には、男を癒す才能があるようだ。
彼も、多くの高級娼婦組合の中から私を引き抜き、
彼の専属としたくらいだから、やはり、
自分にはそれなりの実力があったからだと思える。
事実、彼とつきあいだして、収入や待遇は、格段に良くなった。
しかし、身体の若さを売りにできるのは後5年くらいだろうか、
その後は、違った魅力で癒す技術を持たねば、
この商売は、やっていけない。
男だって、若い方がいいに決まっているのだから。
しかし、アレはいったい何なんだ!
どう見ても、あの子は、プレティーンだ。
落ち着いて見えても、ハイティーンでないことは確かだ。
彼って、ああいうのが好みだったのだろうか?
だったら、私を専属なんかにしないはず。
彼の女になって、3年ほど経つが、他の女を抱いていた形跡はなかった…
今の射精量だって、他の女に出していないから、あれほどの量が出る。
味も濃さも臭いも溜まった状態のモノだった…。
あの子に、夜の世界を見せるねらいがどうもよくわからないわね…。
しかも、超一流の男と女の姿を見せて、いったいどうしようっていうのかしら?
真似できるような技術なら、誰もが一流になってるわよ!
ちょっとだけ嫉妬しちゃうわね。
彼が連れてきた謎の少女…

ジャンがシャワールームから出てきたのを見て、
エマヌエーラは、皮肉をこめてかわいらしく語りかける。

「ねえ、自分だけシャワー浴びて、私をベッドに独りぼっちにさせるって、どうなの?」
「俺は別に、そこに居ろとは命令していない。
シャワーを浴びたければ、浴びてこい。
俺は、まだお前に用があるのだから、準備は念入りにな。」
「もうっ!だって、なんか怒ってる感じだったでしょ?
だから、遠慮したんじゃない!わたしも一緒にシャワー浴びたかったなぁ…いじわるね!」
「シャワーを浴びていようがいまいが、お前の身体や技術にはまったく欠点がない。
俺は、お前に惚れ込んでいる…」
「もうっ、真面目な顔でそんなこと言わないでよ!照れちゃうじゃない…」

154:公社の十日物語
08/05/26 20:53:02 onoce0D3
”まったく、この人ときたら、よく言うわ!
私に心を許したことなんかないくせに!”

エマヌエーラは、ベッドの中で、もう一度整理してみた。

つまり、今夜は、私とのベッドシーンをあの子に見せたいわけね。
ねらいは、何らかの教育…あの子が、政府の要人たちの慰み者になるとしたら、
可哀想だけど、男の生理を理解させることが必要な任務を与えられる子なのだわ。
であれば、この仕事も完璧にこなしてみせないといけないわね。
そう、あの子は、多分、諜報員か、工作員としての教育をこの場で受けているのだわ!

エマヌエーラは、クローゼットの方をチラリと見た。
あの子は、きっと、ただの一瞬も見逃さないくらいの集中力でこちらを見てる…

だとしたら、見せてやらねばなるまい。
超一流の大人のセックスというものを。
決して、凡人が真似できないような技術と経験の技を!

「ねえ、ジャン。シャワー浴びなくても、イイって言ったわよね?」
「浴びても浴びなくても、いいと言った。」
「じゃあさ、今度は、私を慰めて欲しいなぁ。
いっぱい、飲んであげたでしょ?
今度は、私のを飲んでみない?シャワーを浴びてない熟れたアソコ…」
「ふっ、飲めるほどお前が濡れているとは思えんな。」
「もうっ、濡らすのはあなたの仕事でしょ?
私は、あなたをいかせるのが仕事なんだから、それは、ちゃんと果たしたじゃない!」

155:公社の十日物語
08/05/26 20:55:59 onoce0D3
>>151
レスを要求してゴメン。
でも、最近元気がなくってさ。
欲求不満をここではらすのも、変だけど…
応援アリガト!がんばるよ!

156:名無しさん@ピンキー
08/05/26 21:47:07 upG1SN/O
このスレに触発されて某ガンスリスレでSSみたいなの書いた事あるけど・・・実際書くとなると難しいねえ。
十日物語さんをはじめここの書き手さんたちはエロいだけでなく、語彙や知識が豊富なのが素晴しいと思う。
でも・・・



もっとエロいの読みたい♥

157:公社の十日物語
08/05/26 22:01:11 onoce0D3
>>156
具体的には、どんなエロがお好みでしょうか?
助言いただければ、幸いですっ!

158:名無しさん@ピンキー
08/05/29 00:07:31 /i+0T/bK
てかアニメって13話で終わりなのか?

159:名無しさん@ピンキー
08/05/29 20:56:02 I7a/Czkn
アニメは終わっても、まだガンスリは終わらないぜ。
俺達はまだ、登り始めたばかりなんだ。
この果てしなく続く、ガンスリ坂を!

未完

160:名無しさん@ピンキー
08/05/30 11:17:30 Lph0ZvQu
問題作である。人によっては「胸が悪くなる」というかもしれない。
舞台は、近未来のイタリアに設定された「公益法人社会福祉公社」。表向きは政府主催の
身体障害者支援事業だが、実態は、なんらかの事情で半死半生の大けがを負った少女たちの
身体を機械でおきかえ、テロリストの暗殺など政府の非合法活動に従事させている団体である。

少女たちはそれまでの記憶を消され、「条件付け」と呼ばれる洗脳によって、
人を殺すことに罪の意識をもたず、男性の担当官に絶対的な忠誠と愛着を持つよう
仕向けられている(少女と担当官の間に性的関係はない)。

「条件付け」と鎮痛のための薬は少女たちの寿命を確実に縮め、ときには記憶障害を引き起こす。
しかし少女たちは、人殺しが日常の世界を淡々と生き、彼女たちを教育する担当官との間には人間的な
「約束」や交流が生まれたりもする。

「少女たちに与えられたのは、大きな銃と小さな幸せ」

もちろん、とんでもない話である。だが少女たちは、あるいは人身売買によって「殺人ビデオ」に
出演させられた犠牲者であり、親に轢き殺されかけた子供であったりする。それが命を取り留め、
つらい記憶は消され、彼女たちの「殺人」によってテロは未然に防がれ、彼女たちの身体のデータは、
障害者のためのよりよい義手・義足の開発に役立てられる。

つまり、この物語は私たちを試す。大きな矛盾には目をつぶって、せめてできることに縋すがる。
けれど残る違和感と罪の意識。あなたはどんな審判を下すだろうか。

URLリンク(f.hatena.ne.jp)
URLリンク(d.hatena.ne.jp)

161:公社の十日物語
08/05/30 21:49:50 jfeq157u
>>160
より問題作なのは、ブラックラグーン双子のヘンゼルとグレーテルだろ?
あれも、社会の矛盾をテーマにしてるよな。
1人の命を救うために、何億の金を使うこともあり、
1億人の命を助けられる金で、1人の欲望を満たすこともあるって。
1人を殺して、2人以上が助かるなら、それは、犯罪でもOKなのか?
ガンスリもBLも問題作だよなあ。

162:名無しさん@ピンキー
08/06/17 03:08:15 20seftO8
保守をしておこう。

>>161
社会の矛盾をテーマにしてるけど
ブラクラはガンスリ以上に救いようがないような気がする。
公社もラグーン商会も社会的矛盾を解決できるような立場にはないしね。

あくまでもラグーン商会は傍観者的立場で、公社は社会的矛盾を利用しているような?

163:名無しさん@ピンキー
08/06/23 12:41:16 0l2qNpSZ
公社の十日物語さ~ん!
全裸で正座して続きを待ってるよ~!

164:名無しさん@ピンキー
08/06/26 20:44:43 1oV8FlYQ
問題作なのは承知だけど
エロは別腹ww

165:【棘】
08/06/27 01:13:15 Jw/WP5hh
とうとう今日は本誌の発売日。
珍しくエロ神様が降りてきたのに、
これでうっかりヒルシャーに先に逝かれでもしたら
二度とこの話書けなさそう。
そんなわけで二日間でやっつけ仕事w
時間なくて肝心のシーンがこってり書けませんでした。
エロパロ板に投下するにはエロがあっさりし過ぎな気が
しないでもないが、今はこれが精一杯。

166:【棘】
08/06/27 01:15:41 Jw/WP5hh
【棘】


Auf die Hande kust die Achtung,      手の上なら尊敬 
Freundschaft auf die offne Stirn,    額の上なら友情 
Auf die Wange Wohlgefallen,         頬の上なら厚情 
Sel'ge Liebe auf den Mund;         唇の上なら愛情 
Aufs geschlosne Aug' die Sehnsucht,   瞼の上なら憧憬 
In die hohle Hand Verlangen,        掌の上なら懇願 
Arm und Nacken die Begierde,       腕と首なら欲望 
Ubrall sonst die Raserei.       さてその他は、みな狂気の沙汰 

        フランツ・グリルパルツァー ( Franz Grillparzer ) 『 接吻 ( Kus ) 』




 気遣うように髪に触れる手が額へのキスに変わり、頬へ、唇へと落とされるようになっていったのはいつの頃からだっただろうか。

 彼は少女を抱きしめると自身の欲望をこらえるように、あるいは少女の香りを吸い込むように、深く、呼吸をする。なめらかな褐色の頬にそっと手を添え上向けさせたその面は、幼さを残しながらも十二分に美しい。
 ふれるだけの生真面目な口づけからはじまり、段々と深く唇を重ねてゆく。
----それはまるで儀式のように、初めて身体を重ねた時から変わらない手順だ。どれほどそのはしばみ色の瞳に情欲が揺らめいていても、男が抱擁と口づけを省略して行為に及んだことはない

167:【棘】
08/06/27 01:20:15 Jw/WP5hh
 血の色をのぼらせ始めた唇を薄く開いて男の口づけを受け入れながら、少女はぼんやりと思考を巡らす。
 男の、時に滑稽なほどのその自制心は、自分をおびえさせないための気遣い。けれどおそらく、男がそこまで慎重になるのは、そうせざるを得ない理由があるはずで。……そしてそれはきっと、封じられた自分の過去に関わりがあるのだ。
  かつて、男と旧知の間柄だというマフィアの元幹部が語っていた、男がアムステルダムで摘発した児童人身売買組織の話。
自分が保護されたと聞かされている街で行われていた犯罪。売買された子供の用途は大抵の場合はチャイルドポルノ。児童売春かスナッフムービーか…まあ、そんなところだろう。多分自分も、珍しくもないそんな被害者の一人だ。
 だからきっと、この男は呆れるほど慎重に手順を踏んでゆくのだろう。
 つま先立ちで男と唇を合わせたまま、少女の両腕がためらいがちに男の広い背中に回される。
 銃の撃ち方も、異国の言葉も、キスの合間の息継ぎも、皆この男に教わった。背すじを滑らせるように自分の身体をなでる男の手の感触に熱いため息をつきながら、少女は潤んだ青い瞳を閉じる。
 いいか?と問いかける男の言葉に、お好きなように、と少女は答える。
 時には強引に奪って欲しいと思っても、彼は必ず少女の意思を確認しようとする。突き放すような返答は朴念仁な男へのささやかな抵抗だ。そうか、と困ったような表情で少女を見つめ、男はもう一度閉ざされた瞳の上にくちづけた。


168:【棘】
08/06/27 01:21:21 Jw/WP5hh
 男に与えられた無粋なスーツのボタンが男の手で外され、男に締め方を教えられたネクタイが男の手でほどかれる。あらわになってゆく褐色の肌におとされる口づけが、次第に熱を帯びてゆく。

 唇の上なら愛情のキス。閉じた目の上なら憧憬のキス。
 掌の上なら懇願のキス。腕と首なら欲望のキス。
 ----さてそのほかは、みな狂気の沙汰。

 彼の母国語によく似た響きのその詩の意味を、心なしか赤面しながら気まずそうに教えてくれた。あの日の彼の表情を、自分はまだ、覚えている。
 彼にとっては禁忌であったはずの細く華奢な肢体をベッドに組み敷いて、男は熱い吐息と共に口づけの雨を降らせた。男の狂気を褐色の肌のそこかしこに受けながら、少女は羞恥と情欲にかすれた声でもっと、とささやく。 
 自分が拒絶の言葉を口にすれば、一度は始めた行為でも、男はありったけの自制心をかき集めて中断するだろう。愚かしいまでの誠実さが、自分にずいぶんと羞恥をあおる言動を強いていることに彼は気付いていない。


169:【棘】
08/06/27 01:22:06 Jw/WP5hh
 春情に潤んだ秘花にふれられて、少女の身体がぴくんと跳ねた。
 羞恥からなる拒絶の声が上がるのを、指を咬んだ少女が寸前でこらえる。
 ぬるんだ水の音と早まる呼吸。
 花芯をなぶられ秘窟をくじられ、金の二つ髪が悩ましげにうねる。
 男の愛技に煽られて、少女のわずかに残された生身が男を求めて耐え難い疼きを訴える。男の手に自ら腰をすりつけて、切羽詰まった少女の声が、あなたが欲しいと淫らにねだった。
 息を呑む気配と共に男の指が引き抜かれ、入れ替わりに押し当てられた熱く猛る男のもの。早く、早くと身をくねらせて濡れた花弁が男を包む。
 熱に浮かされた男の声が、押し殺されたため息のように少女の名を呼んだ。
 熱にとろけた少女の声が、悦びにはずんだ吐息と共に男の名を呼ぶ。
 痛みと共に進み入る男の茎がみっちりと我が身の奥に収まる様を、甘い悲鳴を上げながら少女は受け入れた。


170:【棘】
08/06/27 01:22:53 Jw/WP5hh
 揺れて、揺られて、突き上げられて。ただひととき、全てを忘れて男の情愛に溺れる。条件付けに縛られる哀しい少女の意地は、男に翻弄されて快楽に我を忘れるこの行為の最中にしか、男に対する自分の想いを自分のものと確信することができない。
 作り物の身体の中で、ただ男と繋がっているその部分だけは、生身の自分なのだと実感できる。以前は煩わしいばかりだった月経も、今では不定期なそれが待ち遠しい。それが済んでからの数日間は、直に男と接することができるのだから。 
 熱く溶け合った互いの身体をむさぼるように望んで乞うて。共に果ててはまた男の腕にすがりつき、幾度となく高ぶり追いつめられて。
 自分の名と共に耳元に落とされた男の唇の感覚を最後に、少女は白くはじけた意識を手放した。




171:【棘】
08/06/27 01:24:32 Jw/WP5hh
 寝乱れたベッドの上で、少女が小さく身じろいだ。
 金の髪を優しくなでる男が、わずかに眉根を寄せ少女を見つめている。それは行為の後にかすかに見せる男の後悔と自責の表情だ。
 少女は情交の後のけだるさが残る面に、淡い笑みを浮かべた。
 それでいい。
 甘い思い出なら、大切に心の奥底へしまわれて、時折宝物のように愛でられるだけだ。けれど苦い記憶ならば、深く脳裏に刻まれて、決して忘れ去られることはない。
 永の年月を添い遂げることがかなわない我が身なら、自分は男の心を嘖む小さな棘になろう。

---- Ich Liebe dich, Herr Hirsch.----

 愛しています。彼のために覚えた言葉で甘い毒を吹き込めて、少女は男の左胸にくちづけた。


<<Das Ende>>

172:名無しさん@ピンキー
08/06/27 02:46:11 8W/NF08L
これちょっと名作かも。トリエラらしさ抜群です!

173:【棘】
08/06/27 06:51:46 QME6fZjn
>>172 ありがとうございますw
普段はこっち↓で鳥昼のノーエロとか微エロとか書いてます。

社会福祉公社技術部さくら板支所
スレリンク(sakura板)

以前>>64【熱】で期待を裏切った分を補完。
でも修行の成果はこんなもん。


174:【棘】
08/06/27 23:36:41 j+Bf11If
本誌を買いました。
読んだ後なら書けませんでした。
やっぱり根性で書き上げといて良かった~


175:名無しさん@ピンキー
08/07/21 22:40:38 aura5717
公社の十日物語さん、続きお待ちしておりますw
お仕事お忙しいのかな。
夏バテしない様に気を付けてくださいね~~


176:名無しさん@ピンキー
08/07/21 22:41:54 aura5717
>>157
具体的にリクエストしてよろしいんでしょうかww
ではでは、トリエラのカラダでドイツワインのトリエラーを視淫・・・もとい
試飲させていただけないでしょうかww ワカメ酒ワカメ酒ww

冷や酒を口に含んでおしゃぶりすると、始めひやっと、
後からカーッと熱くなるんだとかw
トリエラーは貴腐ワインだそうなので、きっと甘かろうと。
それならごっくん嫌いのトリエラも美味しく飲んでくれるよねww
責めてるつもりが上から下から粘膜吸収で酔っぱらって
てろてろになっちゃうツンデレちゃんの姿が見てみたいのですがww
お願いいたします~~ハアハア…

いやでも、書き手さんの書きたいものを書いていただくのが一番なので、
おいらの戯言はさらっと読み流して、どうぞお心の赴くままにw 
お待ちしております~~ww


177:名無しさん@ピンキー
08/07/23 08:13:58 AoRVxMKR
保守上げ

178:名無しさん@ピンキー
08/07/24 22:43:06 NWjoER9o
人おらんもんね…
俺はROMってるだけだけど、こんだけ反応薄いと書く人もモチベーション
保てんだろうなぁと想像できる。

179:名無しさん@ピンキー
08/07/26 19:40:02 JzUmGj3F
おらんね……
けどガンスリ全体に寂れてね?

180:名無しさん@ピンキー
08/07/27 01:00:18 Dgwtm6rA
URLリンク(age2.tv)
ここの46にあったトリxヒルで何となくここ見に来て嵌りました
このスレの作家さんみんな旨いなぁー!!
あげとく

181:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:43:33 fvQlwLqq
自分もほとんどROMだけです。
レス書くのすごく苦手。


182:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:44:54 fvQlwLqq
おお、ご新規さんが着たw


183:【甘い罠】
08/07/27 21:46:03 fvQlwLqq
さくら板で投下したのは前半省略してたので、
保守がてら完全版をこっちにも投下してみます~。


184:【甘い罠】
08/07/27 21:47:32 fvQlwLqq
【甘い罠】


 ヘンリエッタがハンディミキサーを買ってもらったと言うので、今日はクラエス先生の料理教室が開催されることとなった。本日のメニューは大雑把に作る程美味しいと言われるスコーンに、付け合わせのホイップクリームと苺ジャムである。
 スコーンをオーブンで焼き上げる間に、早速ヘンリエッタが真新しい電動泡立て器の威力を試し始める。そんな少女たちの楽しげな笑い声が響く調理場を一人の男が覗き込み、声をかけた。
「トリエラはいるかな?」
「あ、ヒルシャーさん」
「! ヘンリエッタ!」
 不用意に手元の調理器具を持ち上げたヘンリエッタの行動に、とっさにトリエラは自分の担当官の前に立ちふさがった。
 高速で回転する泡立て器に撥ね飛ばされた生クリームが少女の顔面に直撃する。
「トリエラ?! ごめんなさい!」
「……う~甘い…。ヘンリエッタ、駄目じゃないか気を付けなくちゃ」
「ごめん……」
「いいよ、今度から気を付けて。----ヒルシャーさん、汚れませんでしたか?」
「ああ、僕は大丈夫だ。君は……」
 少女の無事を確認しかけて、何故かヒルシャーは絶句した。振り返って不信気に眉を寄せる少女の褐色の肌に、泡立ち始めた重く白い液体がゆっくりと流れ落ちてゆく。


185:【甘い罠】
08/07/27 21:48:26 fvQlwLqq
「ヒルシャーさん?」
「……急な出張になったので、明日の僕の講義は休講になる。各自ジャンさんの指示に従うように。以上だ」
「あ、はい。分かりました」
 どこか泳いだような視線で用件を伝えると、それじゃあ、と妙にギクシャクした動きで男は調理場を出ていった。ひょこっとドアの外に顔を出してそれを見送ったリコが、不思議そうに声を上げる。
「あれ、ヒルシャーさん、どうしたんだろう。お腹でも痛いのかな? 前屈みで歩いてるよ」
「…………さあ。何だろうね」
 なにかイヤな想像に思い当たってトリエラはどんよりと視線を据わらせた。
「どうしたんだろう。お見舞いに、ヒルシャーさんにもスコーン持っていってあげる? トリエラ」
「……腹が痛いんなら放っておけばいいわよ」
 心配そうにそう提案するヘンリエッタの言葉に、トリエラはぶっきらぼうに答える。そんな同室者の反応にクラエスは同意の一言。
「そうね。出張中のおかずは提供したみたいだから、他はいいんじゃないの?」
「クラエス!」

……その頃、角を曲がった廊下の隅では、不覚にも立ち上がってしまったために立ち上がれなくなったヒルシャーの姿があった。


《だす えんで》


186:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:50:04 EvfBrR/r
おーっ期待してます、こういうの好物
みんな大人しいね…

187:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:03:21 WpbrnNdG
いいねぇ。
重く鬱になるようなヘビーな世界だから
甘い物語はココロが軽くなり助かるよ。

188:名無しさん@ピンキー
08/08/01 08:53:43 7kUAnHsS
今月号みたら、ガンスリもついに終わりに向けて走り出した感じだな。
後1年以内、だろうか。

189:名無しさん@ピンキー
08/08/01 14:07:43 THa7lewi
俺の知識はアンジェが死んだところで終わってる


もうね   もう  うああうhふぃおぐhxどいぐんcltfg

190:公社の十日物語
08/08/09 01:56:40 7L2syU57
>>163
>>175-176
2ヶ月ぶりに帰ってきた…
レスくれていたのに、答えられなくてごめん。
かなり遠いところへ行っていたんだ。
俺の仕事、世の中の歪みがモロ影響する…
金はあっても独り。心が飢えてしまう。それでも、働けるだけましか…
同僚には、心が壊れて逝ってしまった者がたくさんいるよ。
正義を行う日本人は、どこへ行ったんだろうな。
なあ、みんなは、自分の正義を信じているかい?
それとも、自分が悪であることに耐えて生きているのか?
明日から十日間の休みだ。少しは、ここに書き込めるかな。
愚痴を聞いてくれて、アリガトな。


191:名無しさん@ピンキー
08/08/09 13:34:37 vqG2f2PT
>>190
お疲れ。

正義の定義は難しいやね。
五共和国派も公社側もそれぞれ正義を持っているし。
俺も自分の正義を信じているが、それは他の人にとっては目障りなモノかもしれん。

あと興味がないかもしれないが、エロじゃないのもあったら
CCサクラ板の方のスレにも書き込んでおくれ。
あっちもここほどではないが過疎ってる。

192:公社の十日物語
08/08/10 12:25:27 aRIrJyc/
リコは、エマヌエーラが、自分に見せるために、
わざと「お膳立て」をしていることに気がついていた。
初な少女には理解できない男の滑稽さと女の貪欲さを
リコに見せておく必要があると、エマヌエーラは考えていた。

「気に入らんな。
今日は、俺がゲストで、お前がホスト側だと思ったが?」
「ふーんっ、私のモノは、飲みたくないと言うわけ?
あなた、知らないでしょうから、言っておくけど、私ね、
自分の体臭や体液の味をあなた好みに合わせるために、
食生活や香水や入浴剤まで変えてるのよ。
ここに口づけてみれば、わかってくれると思うけどなぁ…。
見て!この肢体。
あなたに抱いてもらうためだけに、
体型の維持、体力の向上、栄養管理、服装、化粧、礼儀作法や言葉遣い…
どれほどの努力をして、今の私を保っていると思う?」

エマヌエーラは、M字開脚で女の局部を見せつけて、ジャンを誘う。
キラキラとしたたる液体で濡れているのが、リコには見えた。
エマヌエーラの陰毛は、丁寧に美しく化粧されており、
本能的に、性器への視線誘導を考えた美しさがあった。
ジャンは、それを一瞥し、無視するかのようにベッドのそばの椅子に座る。

「当然だ。俺を満足させることだけが、今のお前の仕事なんだからな。
日頃の努力もその内だ。」
「そう…おいしいと思うけどなぁ…。
ここのオレンジの香り…女性器って酸味があるの…
甘酸っぱい味のワイン、あなたのお気に入りでしょ?」
「お前の体液がワインよりうまいとは思えんが…」

ジャンは、ようやく、ベッドにいるエマヌエーラの股間にゆっくりと顔を近づけていった…。

193:公社の十日物語
08/08/10 12:27:12 aRIrJyc/
「…って感じでね、ジャンさん、エマヌエーラさんのアソコを舐めはじめたの!
そんなことするのって、想像できなかったから、ドキドキしたよ!
いつか、わたしのもあんな風に舐めてくれたらなぁって、思っちゃった!」(リコ)

リコの無邪気な猥談に、聞いてた一同の喉がゴクリと鳴った。
あの鉄拳制裁男ジャンが、
娼婦の局部を舐めるというあまりにも滑稽で無防備な姿を
一同みんなが想像できなかったからだ。
そんな貴重なシーンをライブで観察できたリコが羨ましく思えた。

「そ、それで、ジャンさん、飲んだわけ?その人のを…」
「うん、多分、飲んでいたんだと思う。
始めは、ジャンさんが上向きで、股間に頭を挟み込む感じだったけど、
次第に、エマヌエーラさんが、顔の上に馬乗りになってったの。」
「うわぁ、それって息できないんじゃない?」
「うん、わたしもちょっと心配したけど、ちゃんと息継ぎできるように、
エマヌエーラさんが、膝立ちになって、
自分の体重をジャンさんの顔にかけないようにしてたみたい。
ジャンさんの舌の動きがぴちゃぴちゃって聞こえてきたから、結構、濡れてた感じ。」
「それにしても、その女性…かなりの手練れね。あのジャンさんが…」
「ジャンさんに限らず、ベッドの上では、男って本能的になるもんじゃないの?
ヒルシャーさんだって、いつもは紳士だけど、ベッドの上では結構無理矢理私の中に入ってくるわよ。」
「あらっ、お珍しい!あなたが担当官とののろけを話すなんてね。
リコの話にインスパイアされたのかしら?」
「べっつにぃー、中年男っておろかだって言いたかっただけよ!」
「ねえねえ、リコはさぁ、ジャンさんがHなことしてるの見て、ショックじゃなかった?」
「うん、男の人が、女の人の躰を求めることは、ジャンさんから習っていたから…」
「えっ!あなた、いつからジャンさんと性的な関係をもってたの?」
「性的って?」
「キスとか、フェラとか、ペッティングとかのことよ!」
「ええと、初めてリコって名前を呼ばれたときに、みんなも裸だったでしょ?
そのときに、ジャンさんの躰を全部舐めさせてもらったの…
だから、出会ったときからだよ。みんなは違うの?」
”どひゃぁあああああああああああああああああああああああああ”(3人の心の声)
”なんたるドスケベ!義体が主を認識する神聖な場で行為に及ぶとは…”(クラエス)
”やはり、男は狼ね。私たちの条件付けを最大に利用して犯すとは…”(トリエラ)
”いいなぁ、私よりずっと先に、女になってたんだね。羨ましい…”(ヘンリエッタ)

194:公社の十日物語
08/08/10 12:29:43 aRIrJyc/
「それでね、ジャンさんは、
エマヌエーラさんをあっという間にオーガズムへ導いてやったの。
それが、もうすごくいい感じなんだ。
エマヌエーラさんの顔が歪んで、叫び声も上げるし、躰がよじれて、
完全に冷静さを失ってて…あれってどこかへいっちゃってる感じなんだよね。
それで、そのあとは…」


エマヌエーラは、股間の下のジャンを見下ろしながら、
この雄々しき男のすごさを改めて思い知った。
自分が主導権を握ろうとしても、この男から譲ってもらえないのだ。
自分は、SEXのプロフェッショナルなのに、どうして、彼に勝てないのだろう?
不覚にも興奮の絶頂に追い込まれ、リコに見せてやるはずだった男の愚かさが、
ちっとも現れてこない。
バルトリン腺液で、びしょびしょに濡れた自分の局部が、
彼の舌のテクニックでひくひくと悦びに震えている。
エマヌエーラは、作戦変更を余儀なくされた。

「ねえ、ジャン。あなたって、どれくらい出せる?」
「出すのは、俺の身体の問題だが、出させるのは、お前の問題だと思っている。」
「だからぁ、あなたはもう出したくない?それとも、出せない?」
「俺はお前と朝まで過ごせれば、文句はない。
出したければ、出すし、出せなかったお前を責めるつもりもない。」
「素直じゃないなぁ。
あなたって、どうして、相手に好かれようとする努力をしないのかしら?
私と遊ぶの、退屈?それとも暇つぶし?
少しは、私に気を許してくれると、こちらもやりがいがあるんだけどなぁ。」

話ながら、ジャンのペニスを愛撫し続けるエマヌエーラの右手が、
勃起の状態を確かめていた。
ちゃんと自分に反応している…自分に魅力がないわけではない。
彼のレベルが高すぎるのだ。自分と同格の技能を持つ男…。

「俺がお前を選んだのは、プロの仕事をするからだ。
お前の年齢で、その技術を持つ者を俺は知らない。
仮に、それ以上の技術を持つ者がいれば、契約を解除する。
ただ、今のお前の技術には、満足している。」
「んもうっ!ジャン、あなたってどうしてそんなにたくましいの?
わたしがこんなにもあなたを思ってるのに!あなたって、クールすぎよ!」
「毎度のことながら、お前は、よく謳うな。俺をそんなに呼んで、燃えるのか?」
「んもうっ!燃えさせられたのよ!
ああっ、ジャン。お願い、私がんばるから、また飲ませて…
あなたの命のエキス。我慢できないの。」
「2発目は、お前の中に出すつもりだ…できるな?」
「もちろんよ、お腹にも頂戴。でも、そのあとは、わたしのものでしょ?
全部舐めちゃうんだから!」

エマヌエーラは、騎乗位のまま、ジャンの勃起したペニスを自分のヴァギナに収めた。

195:名無しさん@ピンキー
08/08/10 20:20:39 /lqbBzOy
キター!!
GJ!!!

196:公社の十日物語
08/08/11 17:53:39 kU28vIlb
>>184-185
心が洗われる…
こういう清らかなエロが書ける人って,きっと心が美しいんだと思う。
ヒルシャーとトリエラの本編もいよいよ熱くなってきたね。
トリエラがヒルシャーを押し倒す日も近い



197:名無しさん@ピンキー
08/08/13 00:22:54 sTZ3MTYB
ガガガ

198:名無しさん@ピンキー
08/08/22 01:56:39 ox1KcZQJ
ほしゅ

199:名無しさん@ピンキー
08/09/05 23:58:07 /pa7y6Av
今回のアクセス規制は長かった・・・

200:名無しさん@ピンキー
08/09/06 00:03:24 /pa7y6Av
>>190
公社の十日物語さん、
お疲れさまです! おかえりなさいませw
お待ちしておりました~~ww
レス遅くて申し訳ない。
専ブラ入れてないのでアクセス規制がかかると
レスが書き込めないんだよう。

そしてGJ!
鉄拳制裁男w なんて的確な表現w
お初話を聞いた三者三様の反応が楽しいww

201:【甘い罠】
08/09/06 00:04:27 /pa7y6Av
>>186 >>187 >>196
ありがとうございますw
でもおいらに書けるのはせいぜい15禁だよ~~?
中二回路搭載の野暮天ドイツ人のSSくらいしか書けませんが、
こんなんでよろしければご笑覧下さいませw
CCさくら板に投下したのをちょこっと改変とプラスα。
なんだか下世話なことになってますw
この後に《縁起物》と《射的》の話が続くけど、エロくないのでそっちは省略。


202:【縁日】
08/09/06 00:05:49 mqNZyg0Q
【縁日】pink板バージョン


昼「トリエラ、今日はそこの広場で、日本の『縁日』というフェスタを再現した
  催しものがあるそうだ。行ってみるか?」
鳥「は? ……まあ、担当官が行くのならお付き合いしますよ」


《屋台》

昼「色々と食べ物の屋台が出ているな。トリエラ、何が食べたい?」
鳥「そうですね……じゃあ、あのフランクフルトを」

昼「! ト、トリエラ。あれは女の子が衆人環視の前で食べるようなものじゃない。
  やめておきなさい」
鳥「? そうなんですか?(皆食べてるけどなあ) 
  それじゃあチョコバナナにします」

昼「!! いやっ、それもやめておいた方が……」
鳥「?? いかにも女子供向けの食べ物じゃないですか」
昼「い、いや。やはりレディとして、人前であれはやめておくべきだと思うぞ」
鳥「それなら車内に持ち込んで、あなたと二人で食べれば良いんですね?」
昼「!!! ちょ、いや、それはそれでイロイロとその……っっ」

鳥「…………な・に・を・考えているんですか? ヒルシャーさん!」

昼「いや! 別に深い意味はない…ような…あるような……いやその!
  僕がどうこうという問題ではなく、あくまでも一般論としてだな……っ」
鳥「もう! いい大人がそんな事でうろたえないで下さいよ。(中学生かあなたは)
  一体、どれだったら良いんですか」
昼「ええと、そうだな……。お好み焼きとか、焼きそばとか、イカ焼き----はマズイか。
  ……あー、じゃがバターなんか美味しそうじゃないか?」
鳥「じゃあ、それでいいです。
  (女の子にそーゆーヘヴィな物を薦めるかあ? まあ私の体は太らないから
  いいけど……。ホント、野暮なんだから)」



203:【縁日】
08/09/06 00:07:37 mqNZyg0Q
<<ゲーム>>

昼「色々なゲームもあるんだな」
鳥「そうですね。金魚すくいにヨーヨー釣り、射的、スピードくじ……
  景品が持ち帰れる物が多いようですね」
昼「どれかやってみるか?」
鳥「そうですねえ……。ヨーヨーは風船を買っていけば作れるし、金魚は水槽や
  エアーポンプをそろえなきゃならないし……あ、銭亀くらいなら飼えるかな? 
  じゃ、”かめすくい”にします」

昼「か、亀?! いや! トリエラ、ダメだ、やめなさいっ。
  女の子が部屋で亀を飼うなんてそんなはしたない……っ」
鳥「はあぁ?(まーた何か変なスイッチが入ったな…)
  ヒルシャーさん? な~に~が~”はしたない”んですかあ?
  (←ちょっと意地悪な気分になっている)」
昼「い、いや、その(←うろたえまくり)」

鳥「ただの爬虫類ですよお? 生き物の飼育は情操教育に有効なんでしょお?」
昼「そ、それはそうだが……。いや、とにかく!
  今日の所は生き物はやめておきなさい。飼育するのなら、
  きちんと然るべき準備を整えてからだよ。それが飼い主の義務だ」
鳥「はーい。
 (もう! こんなので一々反応するくらいなら、
  縁日に来るよりホテルか自宅に連れ込めばいいじゃない!
  ここんとこちょっとご無沙汰なんだから……)」


で、結局その日はどこにも寄り道せずに公社に帰ったとさ。


<< だす えんで >>


204:公社の十日物語
08/09/15 10:15:31 4s3RTt38
>>200
お礼が遅くなり申し訳ない…最近、疲れていてね。
読者置き去りで、申し訳ないけど、定期的に書くのは不可能な状態です。
それでも、ガンスリ好きなので、このシリーズだけは、何とか完成させたいです。

>>202-203
おもしろいですね。こういうあったかい話も書いてみたいな。
エロい話でないと書くパワーがでなくって。
たしか、こういう話が、いっぱいあったサイトがあったな。
公社の日常をテーマにしたショートストーリー。
いつか挑戦してみよう。

それでは、再開です。

205:公社の十日物語
08/09/15 10:17:48 4s3RTt38
リコは、まるでテレビドラマのシーンを回想するかのように、
淡々とわいせつなシーンを表現していった。
リコが、ジャンの道具として、あるいは、
妹として彼の望む最高のパートナーに育てられていることは、
義体たちみんなが知っていることだった。
しかし、最高の女に育てるために存在した別の指導教官がいたことは、
予想外だった。
考えてみれば、担当官の命令に従順なだけでは、
自立心を育てることは難しい。
自分たち義体が行動するとき、
義体にはどうしても条件付けによる思考の偏り
(いかなる状況下においても主の生命を守り、作戦を完遂せよ)が生じ、
ただ一つのベストな命令行動には慣れていても、
状況をふまえた上でのベターな選択肢から選ぶという行動に慣れていない。
狙撃対象者の命を奪う命令を主が決めてくれた方が、
義体に負担がかからない。
なぜなら、”命令なのでやりました”と考えることで、
”自分は悪くないのだ”とすり替えられ、
自ら考えて行動する思考を止めてしまうからである。
ジャンは、リコに自立心を育てるために、自分で指導できない分野には、
その道のプロの指導者を選んでつけていたということになるのだ。
だとすると、リコは、おそらくは、全義体のうちで最も英才教育を積んだ義体なのかもしれない。

”私たちが教わっていないことをリコだけが知っている可能性がある?!”

「コホンっ、ねえ、リコ。それで、エマヌエーラさんとの会話はおしまいなの?」

トリエラが、興味津々で尋ねる。
歴史や語学に関しては、自信があったが、女としてのベッドテクニックに、
リコの方が詳しいのではないか?
クラエスからの速習モジュールにインプットされていない情報を
リコが持っているのならば聞いてみたいという思いだった。

「えっとね、ジャンさんは、エマさんの身体に2回ぐらい射精した後、
そのまま眠ってしまったの。
それで、エマさんが、シャワーを浴びに、バスルームへ移動したから、私も別ルートで、
クローゼットの裏の隠し通路からバスルームの方へ行ったの。
バスルームの鏡が、マジックミラーになっていて内側から監視できるようになっていたし、
壁面パネルをずらすと、バスルームにも侵入できるの。
わたしね、もう少し、エマさんとお話したかったから、
寝ているジャンさんを監視するよりもそうした方がイイと思ったの。」

「バスルームでは、彼女とどんな話を?」(トリエラ)
「ここからの話って、あんまりエロくないよ。」(リコ)
「リコってさぁ、エロくない話の方が、むしろエロい感じがするよ。」(ヘンリエッタ)
「詳しく聞きたいわね。」(クラエス)
「それじゃあ、続けるね…。」

206:公社の十日物語
08/09/15 10:20:21 4s3RTt38
「リコさん、いい?
ベッドの上で最も大切なことは、相手の望むことを察する心よ。」
「察する心…洞察力のことですか?」
「そう、観察し、経験情報と照合し、共通性を見いだし、
相手の行動原理を理解するということね。
ちょっと、子どもには難しいかな?
大人の男の行動ってのは、単純なようで複雑なのよ。
ねえ、あなたって、彼とキスぐらいしてるでしょう?」
「…はい、してます。」
「キスするときのあなたの唇が接触するべき、彼の身体の部位はどこかしら?」
「えっと、くちびる?」
「そう、それも重要な部位ね。
でも、一番最初にそこをねらうのは、素人。
プロは、相手を満足させなければならない…では、どうするか?
それは、相手の望むことを相手の予想を裏切って実現させるということ。
矛盾してると思うでしょ?でも、これが大切なの。
男性は女性と違って、快感をあまり長く持続できないの。
だから、男性は、即物的に、回数を重ねることを重視し、質を軽視する傾向が強いの。
そこに、相手が当然、唇へキスしてくると予想しているときに、
違うところにキスされると、男はじれるわけ!
早くモノにしたい!そこではなくて、もっと快感の部位へこいっ!て感じかしら。
ねらいは、ひげの生え際よ。
ここは、男性ホルモンが毛穴から分泌してくるところでもあるの。
特に、射精をしたその日は、ここが匂ってくるものよ。
ここを舌で丁寧に舐めとれば、こっちも興奮してくるし、男性側もじらされて喜ぶものなの。」
「えっと、唇ではなく、おひげの生え際をねらうんですね?」
「まあ、そう覚えていてもイイけど。」
「勉強になります。エマヌエーラさん!」
「そう?まあ、彼の目的がいまいちよくわからないけど、
あなたが、男性の生理や心理に詳しくなっておくことが必要みたいだから、話してるんだけどね。
ああ、それと、私のことは、エマでいいわよ?」
「はい、エマさん。私のこともリコってお呼びください。」
「うれしいわ。他に聞きたいことってある?」
「えっと、男の人は、どうしてあんなに射精したがるんでしょうか?」
「あはっ、おかしい子ね。なあに?射精が不思議?」
「だって、射精した後のジャンさんの動きが急に鈍くなって、
射精する前よりもエマさんのことをあんまり愛していないみたいになるから、
男の人って、射精するためにSEXをしてるのかなって。」
「ああ、質問の意味がわかったわ。男って、SEX=射精って感じだものね。」

エマヌエーラは、浴槽の縁に顎を置いて、リコの眼をのぞき込んだ。
母親が娘に男のなんたるかを語ることがあるとしたら、こんな感じなのかもしれない。

207:公社の十日物語
08/09/15 10:24:24 4s3RTt38
「リコ、SEXの目的は何かわかる?」
「えっと、射精させること?」
「ちがうわ!
それは、手段よ。
私が尋ねているのは、目的…
何を狙ってあなたは、男性と性の関係をもとうとするのかってこと。
射精さえさせれば、何も望むモノがないわけではないでしょ?
ジャンがあなたに期待していることを聞いてるのよ?」
「あっ!はい、ご質問の意図が、わかりました。
その…目的は、ジャンさんを喜ばせることです!」
「そう、それが答えよ。
その目的達成のための手段が、SEXなわけ。
そこで、目的達成に的確な手段かどうかを確かめるために、
私たちプロは、常に目的意識を忘れないの。
彼は、何を望んでいるのか?って。
若い素人がSEXをするとき、
目的が男性の容姿や肉体美とか金銭の見返りに偏りがちになるわ。
それでは、どんなすばらしい手段を用いても、
相手を満足させられはしないの。
相手を想う、労る、敬うといった敬愛と信頼を忘れて、手段を行使してもダメ。
わかる?」
「ハイッ!仰るとおりです。
同じことをジャンさんが言ってました。
私は、手段なんだって。
そして、目的は、ジャンさんが教えてくれるんです。
だから、私とジャンさんは、フラテッロなんだって。」

エマヌエーラは、この時初めて、リコとジャンとの関係が、
単なる上司と部下ではないことに気がついたようだった。

「そう…あなたと彼は、そういう絆だったのね…。」

208:名無しさん@ピンキー
08/09/23 23:45:56 v4MzoEWr
公社の十日物語さん、おかえりなさいませw
お疲れさまです!
無理せず書ける時に書いて投下して下さい~~
お待ちしておりますw

>>205
おお、プロのおしごとw
英才教育されてるリコw最強っすねw

209:名無しさん@ピンキー
08/09/23 23:47:15 v4MzoEWr
>>204
ありがとうございますw
逆にハードなエロって書けないもんで、スレの趣旨にそぐわなくてスミマセン。
たま~に、まれ~にしかエロ神様は降臨して下さらないんですが、
めでたくゆるいエロ神様がおいでになった時にはこっちに投下させていただきます。

>公社の日常をテーマにしたショートストーリー
見てみたいっすねw 
気が向いたらぜひw お待ちしてますww 


210:名無しさん@ピンキー
08/10/05 20:38:26 /PrZLBbV
大分下がってきたからあげとく。


211:【睦言】
08/10/05 20:39:23 /PrZLBbV
保守がてら、ゆるエロ鳥昼SS投下します。
ツンデレなりにいちゃいちゃしてみた。


212:【睦言】
08/10/05 20:43:16 /PrZLBbV
【睦言】


『毎度の事ながら簡単に信じますね…』
『当然だ。僕はいわゆる「元警官」。この身分証は「偽造された本物」。これはもう99%本物の警官だよ』
『ですが…私は何から何まで偽物ですね』
『はっはっは。じゃあトリエラにも警官IDを作ろうか。君の器量だ、うまく化けられるさ』
『またそんな冗談を…』
『警官にしては小柄だけど、髪をおろしてサングラスをかければいい。あとは胸につめ物がいるか…。とにかく、堂々としてれば何も言われないさ』
『はあ……』



 ローマ市内での情報収集を終え、二人は車に乗り込んだ。時計を確認した男はちらりと助手席の少女を見やる。
「トリエラ」
「はい」
「寮の夕食まではまだ時間があるだろう。……僕の部屋に寄っていくか?」
 一瞬ぴくんと少女の肩がふるえ、だがいつもの冷静な声が答える。
「----担当官のお好きなように」
「……そうか」
 任務の中で危険に際した時とは違う、わずかな緊張感が二人の間を漂う。少女は無言でダッシュボードに押し込んであったベレー帽を取り出した。男の愛車がなめらかに走り出す。
 10分ほど市街地を走り閑静な住宅街にあるアパルトマンに車は停まった。駐車場で車から降りたサングラスにスーツ姿の少女は金のふたつ髪をまとめて帽子の中に収め、身体の年齢よりもずっと大人びて見える。
 否、髪形だけがその要因ではないだろう。運転席から降りた男に付き従って彼の部屋へと向かうトリエラは、少女ではなく女の香りをまとう。
 その存在自体が機密であり実験サンプルである義体は、常に公社の監視下に置かれている。おそらくは寮の自室ですら監視カメラが備え付けられているだろう。そして公社の外に出れば担当官がその監視の任を負う。
 だから公社を離れヒルシャーの自宅を訪れた時にだけ、トリエラはそんな艶めいた表情を見せる。----それは二人だけの密やかな時間のはじまりだ。
 扉を開いて少女を招き入れ後ろ手に閉めた入り口の鍵がかちりと閉まる。
 男より一歩だけ部屋の奥へ進んだ少女が帽子を脱ぎ去れば、隠されていた金糸がぱさりと細い背中にこぼれ落ちた。
 誘われるようにその華奢な身体に腕を伸ばし後ろから少女を抱きしめた男は、促すようにその名を呼んだ。
「----トリエラ?」
 ほんのりと頬に朱をさした少女が抱きしめられたまま顔を上向けた。男の唇が重なる。

213:【睦言】
08/10/05 20:44:23 /PrZLBbV
 ゆっくりとついばむような口づけを繰り返しながら時折舌先で少女の唇をかすめれば、ためらいがちにのぞき出した少女の舌がそれに応じ、互いを探り合いながら二人は次第に深く口づけを交わしてゆく。
 スーツの襟元から滑り込んだ男の大きな手が少女の薄い胸に触れ、すくい上げるようにしてなだらかなその形をなぞった。
「あ……」
 息継ぎの合間に少女の甘いため息がこぼれる。
「可愛いな……」
 ほほえんで睦言をささやいた、次の瞬間。
------きゅううううううっっ!!
 男の右手の甲が思い切りつねり上げられた。
「トリエラっ!?」
 甘い気分は一瞬にして吹き飛んで、さすがにとがめる口調で男は少女の名を呼ぶ。だが対する少女の口調は男の3倍も不機嫌だ。
「……別に、無い胸に無理して構って下さらなくても結構です」
「トリエラ??」
 怒っている。あきらかに怒っている。だが一体何が理由で少女がいきなり怒り出したのか、男にはさっぱり分からない。
「あなただって本当は、”詰め物”が必要なこんな”子供の”胸より、さわり甲斐のある豊かな大人の胸の方がお好きなんでしょう?」
 以前モンタルチーノで男が口にしたド失言を、トリエラはしつこく覚えていた。
”可愛い”と言われて”子供だ”と連想するのはいささか発想が飛躍していると言えなくもないが、ただでさえ、何年経っても成長しないこの身体は彼女にとってコンプレックスなのだ。まあそれも致し方ないことだろう。


214:【睦言】
08/10/05 20:45:27 /PrZLBbV
 だが、言った当初でさえそれが失言だったことにすら気付いていなかったヒルシャーが、今更原因に思い当たるはずがない。
「何を怒っているんだ、トリエラ」
 ヒリヒリと痛む右手を振りながら困惑の表情で男が問いかける。
「知りません!」
 ぺしりとその手を振り払ってぷいっと横を向く少女。乙女心の機微にはとんと疎いドイツ人は、すねまくっているパートナーをどうなだめたらいいのか見当も付かない。かろうじて分かるのはどうやら自分が原因であるらしいということくらいだ。
 だから男は自分が思い付く唯一の対応策を採った。
 もう一度両腕の中に小柄な身体をすっぽりと包み込んで、実直に許しを乞う。
「僕が悪かったのなら謝るから……。せめて抱きしめさせてくれないか----?」
 背中に感じる男の体温と、情深いその声音。
 私が何を怒っているのかなんて、これっぽっちも分かっていないくせに。
「………ずるいですよ、ヒルシャーさん」
 そんな風に言われたら、許さないわけにいかないじゃない。

 ホントにずるい。そう呟きながら男の方に向き直り、少女は朴念仁な恋人にキスをした。


<< Das Ende >>


215:名無しさん@ピンキー
08/10/10 01:02:16 0F+Gp2A8
つるぺた最高!ヒャッホイ!

216:名無しさん@ピンキー
08/10/10 23:59:00 vBTrjGbt
GJ!「抱きしめさせてくれないか…」のセリフは赤面モノだな

217:名無しさん@ピンキー
08/10/17 23:01:19 ZLpcBB1w
>>215 >>216
ありがとうございますw
”生徒に手を出すヒルシャー先生”とか落書きしてたらこんな話にw
この人、野暮で鈍感な割に結構ロマンチストなんじゃないかとww

218:名無しさん@ピンキー
08/11/17 21:28:06 L8FACfWY
あげ

219:【煙】
08/11/30 21:39:03 kOuoXBX7
久々に小話を投下。鳥昼でピロートーク。
流星雨観測の時に煙草をくわえるヒルシャーさんの姿に驚いた。
なんとなく煙草は吸わない人だと思ってたからなあ。
……でもそれ以来一度も吸ってねえけどな……
職場で資料を整理しながらこんな話を考えていたり。
いや仕事しようよ自分。
アクセス規制に巻き込まれてるので携帯から投下。細切れでスマソ。

220:【煙】
08/11/30 23:08:56 kOuoXBX7
【煙】



「煙草は吸わないんですか?」
 快楽の余韻と充足感がたゆたう腕の中で、少女が問いかけた。
褐色の細い項をくすぐるように撫でていた男は、少女の唐突な問いに、うん?と聞き返す。
「男の人って、事の後は煙草を吸いたくなるものなんでしょう?」
「君はどこでそんなことを聞いてくるんだ」
 男は笑いながら答えた。
「確かに煙草が欲しくはなるがね。だが君の前では吸わないと決めている」
「伏流煙、ですか? でも、受動喫煙は健康に害を及ぼさないと言うデータもあるじゃありませんか」
「ああ、中にはそういう研究結果も出ているな」
 ほの暗い寝台の上で交わされる会話は、寝物語にしては随分と堅苦しい。
長い金の髪に指を絡めながら男は記憶を確認するように視線を巡らす。
「欧州7カ国で80年代後半から7年かけて行われた調査だ。
肺ガンの患者と健常者を対象にして、”喫煙者と同居している場合の肺ガンの発病率”を調べたもので、統計学的に『喫煙者と同居しても、肺ガンになる可能性は高まらない』と言う結果が出たんだが……。
WHOがデータを隠蔽していたといって、ひと頃騒ぎになった研究だな」

221:【煙】
08/12/01 00:26:55 eSeWcJeu
 そこで一つ言葉を区切り、だが座学を担当する担当官は再び無粋な話題を続ける。
「----ただそれは肺ガンの発生率に関する調査だけの話だ。
『受動喫煙は健康に害を及ぼす』というデータは、それ以上に調査も研究結果も出ているだろう? 
だからこそ世界的に禁煙、分煙の考えが広まっているんだ。ひとつのデータだけでは『無害である』という証明にはならないな」
 そう生真面目に説明する男の口調は講義を行う教師のそれだ。少女はくすりと笑う。
「喫煙者には住みにくい世の中ですね」
「そうだな」


222:【煙】
08/12/01 00:38:49 eSeWcJeu
 もっとも、それが分かっていてもジョゼさんのようにきっぱりと煙草を止められない辺り、僕の意志が弱いということなんだろう。そう自嘲する男に少女は言う。
「でも私は、煙草の香りは嫌いじゃありませんよ」
 男は必ず、少女から離れた場所で煙草を取り出す。
無論それは少女の健康を気遣っての行動だ。だから少女は男の燻らす紫煙の香りを直接かいだことはない。
 だが抱きしめられた時にかすかに香るそれは、いつも少女を心地よく酔わせる。
男の広い胸に頬を寄せ、少女は囁いた。
「煙草は----あなたのキスの味ですから」
 艶めかしく微笑んだ少女の台詞に一瞬言葉を失い、まったく、と男は苦笑する。
「……君は一体、どこでそんな殺し文句を覚えてくるんだ」
 華奢な顎を上向かせて熱い口づけを交わすと、男はもう一度その身体を組み敷いた。


<< Das Ende >>

223:名無しさん@ピンキー
08/12/01 01:22:16 0q0kYWfj
>>219
ガンスリ読み始めて5年程経ったけど、ヒルシャーがタバコ咥えてるの全く気付かなかったよ。
喫煙の有害性を認めて禁煙運動を始めたのは確かナチスドイツが最初だよね。チョビ髭の伍長が大のタバコ嫌いだった。
それまでタバコは疲労を緩和する薬と考えられていて、兵士に配られる携帯食料にもタバコとマッチが付属していたとか。
そんな話はともかく投下ご苦労様でした。

224:名無しさん@ピンキー
08/12/05 14:33:02 Y+6hwj0t
>>223
レスありがとうございましたw
ヒルシャーの喫煙姿はあのちっさいひとコマだけでしたね。
禁煙運動は髭がらみだったんですか。それは知らなんだ。
ドイツ発祥だというのは聞いたことがありましたが。いやいや勉強になりましたw


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