【友達≦】幼馴染み萌えスレ14章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ14章【<恋人】 - 暇つぶし2ch318:エピローグ ~親しき人へ~
08/02/21 14:34:56 CklJClmN
「そういやさ」
「ん?」
「大学とか短大とか、行きたいとは思わなかったのか?」
 並んで歩きながら、唐突に湧き上がった疑問を口にしてみる。そこの角を曲がれば、昔よく
遊び場にしていた河川敷に出る。それを過ぎれば、駅前にあるバイト先はすぐそこだ。
「お前の友達のほとんどは大学か短大かに進んだんだろ? それか就職か」
「まあね」
 内容的にちょっと嫌がるかとも思ったが、穏やかな表情を崩さずに相槌を打ってくる。
こいつの中では既に、踏ん切りがついていることらしい。
「でもそういうのって、友達と一緒にいたいから通うもんでもないでしょ?」
「まーな」
「なりたい職業とか、やってみたいこととか無かったしね。崇兄と一緒」
「……」
 にひひと笑う紗枝の顔を見て、気付かされる。
そういう暇が無かったんだろうってことを。
一番根っこにあった気持ちに構うことで精一杯になって、その時その時がギリギリで、
将来のことを考えてる余裕が、あの時の紗枝にあったとは思えなかった。
 やっぱり、逞しくなったなぁ。その結果が職業家事手伝いなわけだが。
「お母さんにも言われたしね、『今のうちに家事全部叩きこんでやる』って」
「まあ、昔のお前の料理の腕は恐かったからなぁ」
「うるさいなあ、やってないことを最初から上手く出来るわけないじゃん」
「でも、自覚あったんだろ?」
「……あたしの料理食べて真っ赤になったり真っ青になったりする崇兄の顔を見たら、
自覚したくもなります」
 全部の料理が不味いってわけじゃないが、昔のこいつの腕前はとにかくムラがあった。
美味いものとそうでないものの差がとにかく激しくて、そうでないものを食べる時は胃と
血圧に多大な負担をかけたもんだ。
「まぁその結果、俺は美味い飯食えてんだからありがたい話だけどな」
「ふへへー、ありがと」

 本人が気にしてないならいいか。そもそも学費出してもらえそうもなかったみたいだし。
『大学とか短大通わせても今のあんたにゃ暇潰しにしかならないでしょ。それなのに何十万も
払うなんて馬鹿げてるよ』
 進路に迷っていた時、おばちゃんにそう言われたようなのだが、明らかに他意がこもり
まくっているように聞こえるのは何故だ。
 この前飯一緒に食った時も、またちっさい頃の思い出話されたからなぁ。「崇之君が家に
帰っただけでこの娘涙ぐんでたんだよ」だの「『崇之君のお嫁さんになりたい?』って聞いたら
すぐ頷き返してきてねぇ、可愛かったねぇ」だの。いやまぁ、紗枝の方が大変だったとは
思うが。


「崇兄に喜んでもらえるなら、それで良かったと思うよ」
「どーも」
 恥ずかしがることもなく、さらりとそんなこと言ってくる。以前なら、こんなセリフ
絶対に言わなかったのにな。嬉しいやら寂しいやら。
「大人になったなぁ、紗枝」
 けどまあ、以前のようにちょっとしたことで浮気の疑いをかけられなくなってきたのも
事実だ。ここはありがたく思っておくとするか、半分諦められてるだけなのかもしれんが。

「……そうかな」
 う、そんな目でこっち見んな。相変わらずお前のそういう顔は苦手なんだよ俺は。
「身体の方も」
「……言うと思った」
 突っ込まれるとやばかったので、ふざけてかわす。俺の方はなんだかあれからちっとも
変わってないような気がする。どうなんだそれって、男として。
「崇兄が色々あたしに変なことするからいけないんだろ」
 あ、やべ。家出る時にも同じ手口使ってたんだった。不満を溜めさせてたのをすっかり
忘れてた。


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