【友達≦】幼馴染み萌えスレ14章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ14章【<恋人】 - 暇つぶし2ch241:名無しさん@ピンキー
08/02/15 01:41:18 k66Gc+ri
ぱくり、と正刻は齧りついた。

驚きに目を見開く双子の前で、正刻は続けて齧っていく。
やがて全部を口に納め、飲み込んだ正刻は二人を見ると、にっと笑って言った。
「美味いぜ、このチョコ。ありがとうな、唯衣、舞衣!」
その笑顔に二人は見蕩れたが、すぐに表情を暗くし、俯いた。
「いいんだよ正刻、無理しなくても……。」
「そうだ。そんなもの、美味いはずが……。」
しかし二人はそれ以上何も言えなかった。正刻が、二人をそっと抱きしめたからだ。

「美味かったぜ、本当にな。……それによ、俺……嬉しかったんだ。お前らからチョコをもらえてさ。今年はもう、もらえないんじゃないかっ
 って思ってたから、さ。」
そう言う正刻に、唯衣と舞衣は驚いたように言った。
「そんな、正刻……!」
「そんな事……!」
だがそんな双子に笑いかけると、正刻は続けた。
「いや、さ。正直に言うと俺、ここ数年はバレンタインの日はちょっと憂鬱だったんだよ。けどさ、今日気がついたんだ。いや、鈴音の奴に
 気付かされたのかな? まぁとにかく、俺はお前たちからチョコをもらうのが、楽しみだったんだよ。なのに、バレンタインが憂鬱だなんて
 思っちまってさ。だから今年もらえなくても、それは仕方が無い事なんだって思った。自惚れた俺への罰だってな。……だけど、お前達は
 チョコをくれた。それが凄く……嬉しくってさ。だから、さっきのチョコが不味いだなんて、そんな事は無いぜ。本当に……美味かった。
 心に沁みたよ。」

正刻の独白を黙って聞いていた二人であったが、やがて、二人ともぎゅっと正刻を抱きしめ返した。
「全く馬鹿だね、あんたは……。私達があんたにチョコをあげないだなんて、そんな事ある訳ないじゃない。あんたにチョコをあげる物好きは
 そう多くないんだから、私達があげなくなっちゃったらあんたはきっと、誰からももらえなくなっちゃうんだから……だから、私達はずっと
 あげるわよ。あんたが嫌だって言っても……絶対あげるんだから……!」
「全く君は相変わらず私達の愛を過小評価しているな。もっと私達の事を信頼しろ。私達の、君への愛が薄れる事は無い。君が君である限り、
 私達が私達でいる限り……ずっとだ……!」
二人の言葉を聞いた正刻は胸が一杯になり、黙って二人を抱きしめた。二人もまた、正刻を抱きしめ返した。

二月の夜に相応しい寒い夜であったが、この時の三人は、そんな寒さなど感じない程に暖かかった。



ちなみに佐伯道場の双子からとんでもないチョコをもらったり、京都からメッセージと写真付きのえらく豪華なチョコが送られてきたりして、
また一騒動あったりしたのだが、それはまた別のお話。


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