08/01/20 22:51:50 jrWX3hKi
カレンダーを見つめる。今日が、沙都子の誕生日。
何度目になるかわからない今日を、ささやかにワインとショートケーキで祝う。
明日は一人きりになった沙都子を、いつものように迎えに行かなければ。
皮肉だ。沙都子が子供から成長する日が沙都子にとって絶望的な一日だなんて。
ずっと兄に甘えてきた彼女のツケを、彼女は最悪な形で払わなければいけない。
「…梨花……」「…何よ、もう終わった?」
人がお祝いをしてるというのに、この神様は本当に空気の読めない奴だ。
陰気臭い顔のせいで折角のワインも台無しじゃないか。
「この世界は…もう…いらないのです……」
「あら、今回はまた落ち込んでるわねぇ?どうしたのよ、まさか悟史が解剖でもされちゃった~?」
なんて笑えない冗談。こんな冗談言わせやがって。
ケーキはお預けにして、後でキムチでも食べるか。
「詩音が、死にました」
………何を言ってるんだこいつは。意味のわからないことをぬかすんじゃない。
詩音が死んだって?…だって、今日は……まさかそんな…あの詩音が、今日、死んだだと…?
「悟史が、詩音を殺しました。…悟史は…その後山狗が見つけて捕まえて…、いつもと同じなのです…」
「何よそれ!!何なの!?どうして詩音が悟史に殺されなきゃいけないの!?どうして!?」
だって、そりゃ、詩音は嫌なやつだけど…よりにもよって悟史が……!?
羽入の顔はいつになく青い。きっとろくでもない殺し方をされたんだろう。聞きたくもない。
「……そうね、…もうこの世界に用なんてないわ」
万が一生き残れても、悟史が帰ってこなければ沙都子は永遠に苦しむことになる。
でも、もしこれで悟史が帰ってきたら、………悟史はまともでいられるのかしら?
見所と言ったら、詩音がいなくなったらとうとうあの魅音が発症するかしら、なんて所ぐらいね。
「詩音は、きっと最初からいなかったことになりますのです。…あうあうあう」
……明日は沙都子を迎えに行こう。この雛見沢はもう、いらない。
fin
どうでもいい話ですが誤字修正して頂いた方ありがとっす。
おさわり以上って難しいな…。皆さんどれぐらいの表現がお好みなんですかね。
ぶっちゃけもっとエロく書ける人に書き直して貰いたい…orz