08/07/23 14:55:05 NTYJA2gW
小次郎×早苗+翼(回想のみ登場)
本番なし。入れるつもりでしたが途中で無理な話と気付きました…。
頑張りましたがエロ少な目です。ごめんなさい。
カップリング、微エロ共に駄目な方はスルーでお願いします。
※ ※ ※
ずいぶんと唐突な再会に思えた。
もちろん大会の試合では小学校の頃からの因縁の相手だ。
黄金世代と呼ばれたメンバーほぼそのままに進学した南葛と東邦、いやでも主要大会ではぶつかるものだが。
しかしそれを除けば、県も違えた公立と私立の高校同士、直接顔を合わせる機会などほとんど無い。
―だから面を食らったのだろう。
けして、脳裏によぎる面影を、あの夏の彼女に探したからではない。
「ひさしぶりだね」
少しの間を置いて、中沢早苗は口を開いた。
高二の夏、宿敵南葛と合宿地区がかぶったと知ったのは初日のランニングの時だった。
土手の前方からやってくるライバルの列にお互いがなんでここにと絶叫した。
そんな俺らをよそに、コーチたちは楽しげに『これも何かの縁だから!』とチーム混合の
練習試合の提案を出しやがった。
全国大会前にとんでもないと自分は反対したが、知った顔ぶれも多いメンバー同士、
結局周りの悪ノリに押され渋々了承するはめとなったわけだが…。
その打ち合わせに、今こいつがうちの合宿所にやって来たという訳だ。
「岬が来るかと思ってたぜ」
「うん、その予定だったんだけど。混合試合のメンバーの割り当てしちゃいたいって」
なんだかんだと乗り気みたい、と中沢は笑う。
その笑顔は昔のこいつをどこか髣髴とさせて、俺は少しほっとした。
年に数回、しかも大会の会場入りの時くらいしか見かけることはないが――
よくよく見ればずいぶんと変わったものだ。
昔は男みたいなカッコで、ベンチでは俺に食って掛かったこともあるくらいの男勝りだったが。
細い腕と足が、南葛の夏服からのぞく。
ここまでの道のりの日差しがそうさせたのか、少し頬が上気している。
唇が水気を欲しがるように、かすかに開いたまま。
あの頃の気丈な面影が交わって、目の前のこいつはなんだかひどく不安定な風貌に映った。
「日向くん…?」
中沢の俺の妙な間への問いかけにはっとする。
「わりい。…こっち入れよ。冷たい飲み物くらい出すぜ」
なんだか顔が見づらくて、俺ははずれのプレハブへと視線を逸らし足早とそこへ向かった。