08/10/30 23:58:40 LU6MxyUF
reversalクリムゾン2後編
その後フォロンは、目の前に紅の精霊に神曲を奏でていた。
あの後でコーティカルテは、どうしても神曲を演奏して欲しいと申し出た。
フォロンとしては、断る理由は、無かったのだが……。
経済的な理由により単身楽団を所有していなかった為に学院まで行き貸出し許可を貰い。
現在、寮の自分の部屋でコーティカルテに神曲を奏でている。
しかし、コーティカルテの様子は、普段とは異なり。目を閉じ椅子に腰掛け動くのを避けるようにしている。
ひょっとして自分の神曲が普段通り演奏できていないのでは、ないかと思ったフォロンがコーティカルテに声をかける。
「コーティ…その、どう?」
「ん?いいぞこのまま」
そう言うと再び瞳を閉じ元の体制に戻る。
コーティカルテの様子を気にかけるが再び神曲を奏でる事に集中する。
それから、暫くしてコーティカルテが閉じていた瞳を開ける。
「もう、いいのコーティ?」
フォロンがコーティカルテを気遣う様に声をかける。
「う、うむ」
フォロンと目が合い顔を赤くしてコーティカルテがぎこちなく頷く
「……………………」
「……………………」
二人に訪れる沈黙。
それを破ったのは、コーティカルテからだった。
「そ…その、フォロン…わ…私の部屋に…こ…来い」
「コーティその、それって」
察しが悪いとは、いえ流石にコーティカルテがしようとしている事が解ったのか顔を赤くしてしどろもどろになる。
そんなフォロンに答えを求める様にコーティカルテが見つめる。
「い…いだろう?そ…その、わ…私とお…お前は、こ…恋人同士なの…だから……
顔を朱に染め上目使で見つめるコーティカルテ。自分を切実に求めてくれるコーティカルテに愛しさが溢れて来る。
気がつくと……………
「………いいよ」と答えていた。