08/02/14 23:48:31 QdI7B7fl
ここからはあっと言う間であった。
「フォロン先輩、これなんですけど」
「え?」
地の利を活かしたプリネシカの先制である。
「今日はバレンタインっていって、女の子が男の人にチョコレートをあげる日なんです」
「へぇ、そうなんだ」
初耳であるフォロンは素直に感嘆の声をあげる。
ユフィンリーが頭を抱えているのには気づくわけもない。
「だから、はい」
「僕に? ありがとう」
朴念仁らしい反応をしつつプリネシカのチョコレートの入った包みを受け取る。
「レンバルト先輩も」
「お、サンキュ」
「あ、私も持ってきてるのよ」
半刻遅れてユフィンリーが机の中から箱を取り出す。
「所長命令よ、味わって食べるよーに」
「はい」
「うぃっす」
半分冗談を絡ませ、フォロンとレンバルトにそれぞれチョコレートを渡した。
さらに遅れて。
「あ~~~~~!!」
お手洗いから戻ってきたペルセルテ。
時既に遅し、である。
「そ、そんなぁ~」
がっくりとペルセルテはうなだれる。
「あの……フォロン先輩」
「えっと、君も?」
「はい……あの……これです」
(な、なんでこんなに暗いんだろ?)
一抹の疑問を感じながらもフォロンは彼女からチョコレートを受け取る。
その日、事務所でのペルセルテは終始暗かったとか。
続く。