【ドラマ】セクシーボイスアンドロボ4【マンガ】at EROPARO
【ドラマ】セクシーボイスアンドロボ4【マンガ】 - 暇つぶし2ch100:名無しさん@ピンキー
08/02/01 23:52:24 Sn8zPJiV
いいですね!そのチャレンジ精神!

101:名無しさん@ピンキー
08/02/02 02:00:37 7UKGjsxT
>>96
2chにおけるSS(レス)とは、流れ落ちるモノ。
それを無理に拾い上げるのは無粋な事と思います。

102:名無しさん@ピンキー
08/02/02 16:11:49 S5B69aVW
96です。いろいろご意見ありがとうございます。
保管庫があるスレは結構あるのでこのスレもいい作品がたくさんあるし
まとめたら楽しいかなと思ったもので。
他スレは他スレ、ここはここと言われるかもしれませんが…
もう少し考えてみます。

あまりこの話ばかりするのもアレなので、このあたりで失礼します。


103:名無しさん@ピンキー
08/02/02 20:14:38 v7ZmvrzD
正直、保管庫のあるスレがうらやましいなーと思っていたので出来るなら嬉しいです。

104:名無しさん@ピンキー
08/02/04 02:23:13 gxPbtWCM
>>96          自分も保管庫あったら良いなと思ってた。
作ってくれたら、うれしいです!
恋愛スレの作品も入れてくれるとさらにうれしい。

一応「超私的創作サイト」さんの作品は
作者さんが公開しるので確認取った方がいいかも? 

個人的には応援してるよ!

105:名無しさん@ピンキー
08/02/04 15:08:50 JwLTTDOC
節分から始まる話で、今のところエロなしで。

*林家*

「ただいま~。あっお父さん居たんだ。」
「ニコ、おかえり。」
 テーブルに山のように積まれた豆を必死に数えている父・竹男。
「あっ!そっか!今日節分かぁ!私も食べよう。」 私もイスに座り豆を手にとる。
『ただいま~』お母さんと一海ちゃんが帰ってきた。 「ただいま~。あら、二人して豆食べてるの?」
 「ただいま。あ~私も食べよっ!」みんな席に着き、豆を数えはじめる。
「(17…18)よし!」
「えっ?一海ちゃん。18粒しか取ってないじゃん?この前誕生日…。何ごまかしてんの?」
「ニコやっぱ聞こえてた?あ~!年は取りたくないな~。節分って現実に戻らされるんだよね。」
遠い目をする一海ちゃんに思わず「何で?」って聞いてしまう。
「自分の歳を思いしらされるんだよね…。まぁニコにはまだ分かんないよ!」
 隣で深くうなずくお父さん。
「分かるな~。お父さんくらいの歳になると豆だけでお腹いっぱいになってさ。もう歳なんだから無理すんなっ!って言われてるみたいなんだよな~。」
「ふーん。」…何で大人はみんな今日を元気に迎えられたことを、素直に喜べないのだろう。まぁアタシも素直じゃないけど。

106:名無しさん@ピンキー
08/02/04 15:16:16 JwLTTDOC



ボリボリ… 一人、話に交じることもなく豆をひたすら食べ続けている母・雪江。
「ちょっとお母さん食べ過ぎじゃない?数えてる?」 心配した一海ちゃんが話かける。
「え?だって沢山あるし残したらもったいないじゃない!」 山盛りの豆に指をさして一海ちゃんに反論するお母さん。
「え~!ないない!」
「一海いいんだよ。母さんはもう三百歳くらいだから。」「プッ!もぅ(笑)シ~!」 一海ちゃんもお父さんも、もう聞こえちゃってるよ…。
「何?お父さん!私のことそんなふうに思ってたの?」(ほらね…)
「嫌ぁぁ!なぁ…?」
「なぁって…ねぇニコ?」「えっ?アタシは…。(二人ともアタシにふってこないでょ~)」
 お母さん泣きそうじゃん。あ~ぁ。
「もっ!信じられないっ!」 豆をお父さんに投げつけ始めるお母さん。
「痛っ!いて~よ。痛っ!ちょっと」
「あ~あ始まっちゃった。」二人の夫婦ゲンに呆れる一海ちゃん。
「お父さんの鬼!!」
「鬼顔はどっちだよ!」

「あ゙~!!」ニコの叫びにみんな手を止める。


107:名無しさん@ピンキー
08/02/04 15:26:08 JwLTTDOC


「ちょ!ちょっとストップ!!待ってて。」
 そう言うと、ニコは急いで二階の部屋に上がっていく。 そして"あるもの"を手に取るとすぐに戻った。 「ニコ何よ~!」まぁ見ててっ!

「!!じゃーん!!」 ニコは背中に隠していた"あるもの"をみんなの前に出す。
「お父さんが去年の誕生日にくれたお面だよ~。鬼だよ!豆まきにぴったり!でしょ?」 お父さんに手渡すと早速顔につけ踊りだす。
「懐かしいな~。」
 更に呆れる一海ちゃん。「ニコ~。このお面部屋に飾るの、怖いからやめてよね。」「え~?いい思い出だし。いいじゃ~ん!」
 怒っていたお母さんも冷静に話だす。 「そうね。急に思い出しちゃた。あの時のこと。(グスッ…)あの時のみんな元気かしらね?」 お母さんが静かになり内心ホッとする竹男。
「母さん。このお面で色んなこと言ったよな~。」 お母さんの背中をさする。 「よし…今年もあの店に家族で食べに行くか~!?」「そうね~。」「ニコ?そうしよ?」 お母さんを慰めるためだと思うけど、必死になるお父さんと一海ちゃんがかわいい。
「あれはさ~、みんなで食べたから良くてさ。美味しかったんだよ~。」 私は相変わらずかわいくない発言をする。

『ハンバーグさん、フランス人、地蔵堂の社長、よっちゃん、シェフ、そして ロボ 』

「ニコはみんながいいのか~。そ~いや、あの変わった青年!ニコと同じ誕生日の~。えっと…」
「ロボ?…のこと?」
 ニコは久しぶりにその名前を口にした。

108:名無しさん@ピンキー
08/02/04 15:35:31 JwLTTDOC


「そう!ロボだったなっ!アイツふざけてるケド何か憎めないやつだったよな!最近みてないな~。一海はもうつきまとわれてないのか?」
「知らないよ~。ニコ会ってないの?」
「…うん。」
「へぇ。何だかんだ言って仲良かったのにね。あんたたち」
 ロボを最後にみかけたて、あの後私はすぐ塾に通いだして、今までの道はあまり通らなくなったから…ロボとばったり会うこともなくなっていた。
話したい時も、何て用事で電話していいか分からなくて、ロボから電話を掛けてきたら会ってやろうとか、思ってて。ロボどうしてるかなぁ?

「ねぇ~ニコ聞いてんの?お父さんの話!」
 一海ちゃんに言われてハッとする。「ごめん。聞いてなかった。何?」
「だからなっ。今年のニコの誕生日。ロボ君も誘ってあの店で皆でしよう!」
「え~!!ロボも?何で?一海ちゃんいいの?」
「いいよ。私は!それにみんなでしたほうが楽しいでしょ?」
まぁアタシがみんなでって言ったから否定は出来ないな…
「じゃあ決まりだな!お母さん予約しておきなさい。」
「バカね!お父さんったら!まだ3ヶ月も先のことよ。早いわょ!」
アハハハッ て、その前にサラリーマンと友達ってところに心配しろよ!!ロボだから許されるのかなぁ。

109:名無しさん@ピンキー
08/02/04 15:47:46 JwLTTDOC


私の誕生日はロボの誕生日でもあって、ロボも一緒に今年はハンバーグを食べようと何故か決まってしまった。
ノンキなお父さんとお母さんはさっきのケンカが嘘のように、楽しそうにあの日の思い出を語ってて。

私と一海ちゃんは部屋でテスト勉強をし始めた。
私はどうやってロボを誘おうか考えていて勉強はしているふりだった。

「ねぇ。ニコ?」
「何?一海ちゃん?」
「正直に答えてね。 ニコあのオタクのこと…好きだったでしょ?」
シーン…
「何言ってんの~?」 ヤバイ動揺しちゃうよ。
「お姉様だよ~!分かるよ。ニコの気持ちくらい。どうして会ってないの?」
「か、一海ちゃん反対してたじゃん!変だよ~。」  焦るな私!!
「だってね~。ニコには何にもしないまま諦めてほしくないからさ。」
「一海ちゃんも何かあった?」「私のことはいいの!まさかあのオタクにフラレたの?まぁニコが告白するタイプには見えないな~。」
「フッ、フラレ…¥☆#※!とにかく、ロボとは忙しいから会ってないだけ!」
「フーン・・・ならいいケド!誕生日楽しみ~」
 ははぁ~ん!だから一海ちゃん、誕生日OKしたな…。アタシってダサい…。 もう勉強どころじゃないな…。一海ちゃんに色いろ聞かれる前に寝よう。よし!
「私さ。もう寝るね。」
 焦って教科書の山を崩してしまう。
「(笑) おやすみニコ」

 笑わないでよ。あ~あ、とにかく、何とかは急げって言うし!明日ロボに電話してみよう!いや!?偶然を装おって会いに行くとか。
ロボのことを、ベッドの中で眠らずに、ずっと考えてた。

 ロボ番号代えてないよね? ちゃんとご飯買えるお金あるかな? まだテレクラ通ってて、彼女出来てたりして…

ロボに聞きたいことも、知りたいこともいっぱいあるよ。だからこのキッカケを大事にするから、
だからロボ。また私と一緒に時間を過ごして。


つづく… 予定


110:名無しさん@ピンキー
08/02/04 23:50:24 M7vs8bNI
>>105-109
二人はどんな出会いをするんでしょうね。
また二人で冒険して欲しいです。
GJ

>>104
良く分からないので>>96さんのご判断にお任せします。
いちいち削除したりするの面倒と思われますし。
ただサイトのものと比べられると恥ずかしいかも。
誤字脱字だらけで。(^^;
他の作者さんのご意見はどうなんでしょうか?

111:名無しさん@ピンキー
08/02/05 00:02:31 a+k/q1G0
>>105
自分が覗いてるスレの中でココだけが節分ネタを投下していた。
ありがたいね~。

ニコが家族の戯れに積極的に参加、
それにハンバーグさんのお面を使ってるのに嬉しくなったよ。


112:続き…
08/02/08 02:40:11 7gjcOhh+
 節分の続きです。

 ロボと連絡をするキッカケが出来た。 本当はずっと連絡がとりたいって思っていた。
 地蔵堂の社長が言ってたように、別れないと新しい出会いはないのかもしれない。 でもロボは違う。私にとって取り替えのきかない存在なんだって離れて気付いた。
 学校帰り、そんな事を考えてたらいつの間にか家に着ていた。

「ただいまぁ」
 早く着替えてロボに会いに行こう。

 二階の部屋のドアを開ける 「あっ、一海ちゃんいたんだね~。」 勉強机に何かにとりつかれたように昨日から向かっている。

「いたわよ。あ~疲れた。ニコは?今日も塾?」
「ううん。今日は塾じゃないよ。違うよ。」
 鞄をおいて、制服を脱ぐ「"ロボ"に会いに行くんだ?」
「な!何で??」
「顔に書いてあるよ」 思わず顔を隠してしまう。
「(笑)ニコにも可愛いトコあるんだね~。」
「うっるさいな~。そんな事言ってると、一海ちゃんまたテストで赤点とっちゃうよ。」 「はいはい。私は勉強しますぅ!」

 タンスの奥からロボといた時着ていた服を取り出す。
 「うん。これにしよう!」 あれから、身体も成長したから似合わなくなってしまったけど、 この服のほうがロボが私だって気付いくれると思った。

「まぁ、あんまり可愛いくしてくとあの変態、怖いもんねぇ。」
「も~!ロボはオタクだけど変態じゃないよ。」

 きっとそれは今も変わってないと思う。


「行ってらっしゃい。」
「うん。行ってきます」

 まずはいつもの公園に行った。次に駅前。耳でも探したけどいなくて、
 迷ったけど、テレクラにも行った。「来てないんだ。よかったぁ。でも、もう彼女とかいたりして。」
 すぐに不安になってしまう、弱気な自分が嫌になって、遠回りしてたけどロボの部屋に行こう。

『正々堂々正面からいってやろうじゃない!』



ロボの部屋の下まで来て、「いや、やっぱり電話してからにしよう。うん!それがイイ!」 自分と会話して納得した。

113:
08/02/08 08:26:46 7gjcOhh+
「で、ロボさ、何で家の中入ってんの?」

「ひどい。電球切れたって言うから、かえてあげてたんでしょ?」
 あぁ、ウチの家族にいいように使われたのか…


「ちょっと、ニコ~寒い。車入ろ?風邪引くぞ~。」
「あぁ。うん。」



「ロボさ、ケータイどこで拾ってくれたの?」

「実はさ。照蔵の前で拾ったんだよね~。中少し見たらニコのだったから。」
「まっ、まさかみんなに言ってないよね?」 テレクラなんてバレたら…
「言えないよ~。だから忘れてったって言っといた。でもニコさ。あんなトコで何してたの?」

「えっ?たまたま通っただけだよ…。あ~あの時か~!!」 ロボに会いにって言ったら調子こくだろうし、黙っておこう。

「…て、ロボまだテレクラ行ってたんだね。」
 ロボがコクリと頷く。
「じゃあまだ1人なんだ~。」
「まっ!まだチャンスはある!バレンタインだってもうすぐだしさっ!」 拳を高く掲げてるロボ
「ふ~ん。貰えんの?」
「貰えMAX!!」
「誰に?」 自信満々に言うからムカつく。
「えっ?アパートの管理人さんでしょ。会社の掃除のおばちゃん。あとは…」
「ああ…。何か聞いちゃってごめん…。」
 ロボがうなだれる。

「そ~だ!ねぇロボ!うちの家族からきいた?誕生日のこと。」

「聞いた~!俺も交ぜてもらえるんだ~。ありがとうニコ。」 私は何もしてないんだけど、
「空けておいてね。まっどーせ埋まらないかぁ。」
「反論できない自分が悲しい~。」


 ロボがひとりのままで少し嬉しかった。

「可哀想だからさ。バレンタインも、一海ちゃんと作る分、余ったらロボにもあげるよ。」

 何にも答えないロボ

「ロボ~?聞いてるの…て、何鼻血出してんの?ほら!」
 鞄の中から、ロボにハンカチを差し出す。

114:
08/02/08 08:52:26 7gjcOhh+
「あ、恐縮です。」
 ハンカチを受け取り、鼻血をふくロボ

「も~、一海ちゃんと作るだけでさ。私があげるのは、私が作るんだよ。」

「でも俺さ。チョコよりカレーがいいなぁ。ニコの作ったカレー。美味しかったな~!」
 カレーって、まぁ茶色いけどさ…

「そんなの、カレーぐらいいつでも作って…あげるょ。」
 …いつでも会えるって思ってたのは、私か… ロボはどう思ってたんだろ…。
「あとっ、後ね。カレー以外も、ロボと会わなくなってから、結構作れるようになったんだ~。
ロボはさ。あの時から何してたの?全然連絡なかったしさ。」

「俺は、ニコとスパイしてた時よく仕事休んだり、さぼったりしてたからさ~。 課長にすっごい目つけられてたんだよね。だから必死に働いてたの!!」
「で、休みは癒されにテレクラに行ってたんだ~。」
「うん。……じゃあニコは?塾行ってるって聞いたけど。」

「そう。塾くらいかな?私はそのくらいだょ。変わりたいって思ってるのに、何にも変わってないょ。」
 
 やっぱロボには弱いトコもみせられる

「無理して変わることない!」 ロボ…

「それに俺寂しかった~。俺頼られた事なくてさ。 でも、ニコは俺みたいなオタク、いっつも頼ってくれてた。」
 私だって寂しかったょ。ロボに頼りたかったょ。

「私は、今でもロボのこと頼りにしてるよ。 ロボの呪文!あれさ、効くみたい。」

「そっか!離れても、俺ニコの役に立ってるのかぁ!良かったぁ~!」

 ハンドルにアゴを乗せて夜空を嬉しそうに、眺めてるロボをみてると やっぱり、ロボといたいって思った。 いつか本当に離れてしまう時が来るのなら…


「ロボさ、携帯変えてないよね?」
「うん。だから変に遠慮すんなよ~。」


「そっか。あ~、私帰るね。何かまだうるさいみたいだしさ。」
家からお母さんがまだ、ギャーギャー言う声が聞こえてくる

115:
08/02/08 09:50:50 7gjcOhh+
 クルマを降りたら、外は息が白くなるくらい寒い

「うわっ~。さむ!」

「ニコ風邪ひくなよ~。」「うん。じゃあまた今度!しょーがないからカレー作りに行くよ。」

「じゃあ、しょーがないから、2月14日開けといてやる…(笑)」
 久々に、本当に大笑いした。
「じゃあね、私行くね。」
「お~!じゃあなニコ。MAXスタート!!」
 走り去ってくロボの車を見届けて、家に戻る。


 相変わらず騒がしい家
「はぁ…。一海ちゃん何で隠れてんの?」
 晩ごはんだと思うけど、カレーを持ってる

「ニコ~。二階逃げよっ!」 背中を押されて階段を上がる。
「ちょっと待って!ロボのこと謝らないと…。」
「もういいの!!今はも~別の話題の夫婦ゲンカなの。」
「え~!訳わかんないよぉ。」
 本当に、ロボと一緒で飽きない家族だと思う。

「帰ったんだね。晩ごはん食べていけば良かったのに」
「でも、一海ちゃんも迷惑だったでしょ?ごめんね。」
「全然!お父さんのくだらない話に、相手してくれてたし お母さんの料理も手伝ってたし お陰様で私は勉強がはかどったし。」

カレーを食べながら、単語帳をめくる一海ちゃん。

 ロボ、だからカレ-がいいって言ったのかぁ。何だ~。

「で、言ったの?ニコの気持ち。まさか告白されたとか…」
「も~そんなわけないじゃん。それに、されるわけないしさ。」

 一海ちゃんみたいにがっつかないよ

「何だ~。あのオタク、ニコの話ばっかりしてたからさ。 じゃあ今年のバレンタインはニコの人生初の本命チョコかぁ~。」

「もう、チョコはあげないよ。今年もむ~ちゃんと友チョコだよ。」
「チョコ『は!』ね」
 も~!一海ちゃんには、絶対秘密にしよ。

116:
08/02/08 10:03:51 7gjcOhh+
「私が中学生の時は、格好いい先生にあげてたけどな~。 まぁ、もしロボとニコがそうなったら、オタクな上にロリコン!だもんね~。きついな…」
 ロッロリ!ってちょっと!
「一海ちゃん!声が大きいよ。お父さん逹に聞こえちゃったらどうすんの。」

 も~、何でロボ一海ちゃんみたいな子がよかったんだろ。

「そういえば、静かだよね。ケンカ終わったんだ。」
 全然気が付かなかった。落ち着いたのか、お腹も減ったし、ご飯食べよう。

「私、下行くね!」
 ガタガタ…パサッ 廊下で何か音がして、扉を開ける。「ぉ、お父さん?大丈夫!」 洗濯物をひっくり返してようで、カゴを頭からかぶっていた。

「お、お父さん!聞いちゃった?」
「な!何を?ほら…ニコご飯だぞ~。一海も下で食べなさい。」 洗濯物を集める背中がいつもより小さくなっている
「本当は聞いてた?」
「聞いてない。」


その後お父さんは、分かりやすく一言も喋らなかった。 「やっぱり聞いてたんじゃん。」


 お風呂上がりに牛乳を飲みに台所に入る。薄い明かりの中で、お父さんが一人でお酒を飲んでいた。



「あの…お父さん。ごめんね。でもさ、勘違いしないでね。変わってるけどさ、ロボとはそんなんじゃないよ。 それだけ…おやすみなさい。」

「…おやすみ。」
 本当にごめんね。

117: …end
08/02/08 11:10:56 7gjcOhh+
 その頃ロボは
「ハックシュン!誰かが俺の噂してる~。ハッ…クシュッ!!風邪かな~。」 ひどくなる前に布団に入って、窓から見える小さな夜空を見上げて思う
「ニコも風邪引いてないといいけどな~。」


 ニコも、今日1日を思い出して寝れずに、星を眺めてぼぉ~としてたら、お父さんの話が聞こえてきた。

「なぁ、お母さん。今年、一海とニコに貰えるかなぁ。バレンタイン。」
「何?お父さん。お返しが嫌だからって、昔辞めたんじゃない。忘れたの?」
「…そうだっけ?ありゃりゃ~。何か、一海もニコもいつのまにか成長してんだもんな~。」
「泣いてるの?あら嫌だ。も~、須藤さん帰ってからお父さん変よ?」

「須藤…。その名前、言った?あ~言っちゃったか~。くっそ~!!」

 静まりかえった、冬の夜空にお父さんの叫び声だけが、むなしく響いて聞こえた。


 今日の夜空は、星が儚く輝いていた。やっぱり、ロボに似ていて、眩しくて、まぶたを閉じた。

 きっと、空は色んな人の思いを知ってるんだろうな。




 お父さん…ごめんね。今年はお父さんにチョコ作るから、
 だからロボとのことも、信じて見守っててほしいんだ。 私も自分の気持ち、ちゃんと信じてあげるようと思う。 だって、私の心の中は私しか知らないんだから。
 だから、今度はちゃんと言うね。



 『好きだよ、ロボ』


おわり

下手ですみませんでした。

118:が抜けてた!!
08/02/08 12:37:25 7gjcOhh+
続きのです


「ケータイで掛けてから……ない!ケータイがない!落とした?」 鞄の中を探してもなくて、来た道を戻る。


「ない!ない!な~い!」 …絶対お母さんに怒られるよ。

「家に帰って一海ちゃんにケータイにかけてもらおう。」

 結局ロボにも会えなかった。(はぁ~)

 ------------------

 家の前まで来ると、薄暗い電灯の下に、見覚えのある車が止まっていた。

「ん?この車って、やっぱり!…ロボの、だよな?」
 急いで玄関のドアを開ける。お父さんのとは違う大きな靴…ロボだ!
 「ただっ!ぃま…」 洗濯物をもったお母さんがいきなり出てきてからビックリする。
「あらお帰り。須藤サンにあがってもらってるわょ。ケータイ忘れていったから届けに来っ『ニコ~!はいケータイ!』 久し振りのロボ。相変わらずダサイベストに斜めかけの鞄、変わらない笑顔で私をみてる。

「あ~、ありがと。」

 二人の久々の再会を邪魔するお母さんの声。

 「ちょっと!ゆっくり出てきなさいよ!あ・ぶ・な・い~!痛いじゃないのよ!」 どうやらロボがいきなり出てきてから、ドアにぶつかって飛ばされたらしい。
「お母さん大丈夫?」「すみません!」ロボも土下座をしながらずっと謝っている。
 でもそれが何だか懐かしくて、笑えてきて、
「何?何笑ってるの?」「母さん。はいはい。行くよ。」お父さんに連れられて部屋に入ってくお母さんを見とどける。

「ニコ私に似て可愛くなったでしょ?」一海ちゃんがロボに聞く。
「うんうん!ニコ大人になったな~!」
 そう言って私の髪をクシャクャにする。
「やめてよ。ちょっとっ!」 (一海ちゃんがみてるのに) ロボのバカ

「ロボ。外で話そう!」 「え~。寒い~!」
「いいから来るの!!」

 ロボの鞄を引っ張って外にだす。



119:名無しさん@ピンキー
08/02/08 23:20:37 9wguZqzL
途中、えらく話が飛んだなと思ってたら抜けてたのかw
ニコパパがいい味だしてるなー
またいいネタあったら書いてくださいね!

120:名無しさん@ピンキー
08/02/09 23:47:05 D0jIz1wE
先日、保管庫の件でご意見いただいた96です。
一応まとめwikiという形でサイトたちあげました。

以後、興味ない方はスルーして下さい。
まとめwikiとは簡単に説明すると(詳しくはググって下さい。すいません)
みんなでまとめましょう!という他力本願なサイトです…
どなたでもSSを保管できて、誤字・脱字の修正ができるというものです。
その分、荒らしにもあいやすい危険性もありますがセクロボファンには
そういう人はいないと信じてすべての人に開放しています。
長々とすいませんがよろしくお願いします。

URLリンク(sexyvoice.matome-site.jp)

121:名無しさん@ピンキー
08/02/10 00:15:09 NXcDwY1e
>>120
SS保管庫の立ち上げ御苦労様です!
楽しみにしてたのでうれしいです。
またSSがんばって書きたいと思います。
みんなでこのスレ盛り上げていきましょう!

122:名無しさん@ピンキー
08/02/10 08:26:04 Es/I1EZI
>>120
お疲れ様です。
ありがとうございました!
ついにって感じですね。嬉しいです。

123:96
08/02/10 16:25:58 MLXgE97c
何度も失礼します。
>>120のアドレスでは閲覧のみとなってしまいますので
↓こちらから入っていただけたら編集を行えます。

URLリンク(mywiki.jp)セクロボSS@まとめサイト/

スレ汚しすいませんorz

124:甘い予感 1/5
08/02/11 03:51:57 qEic5X4n
ニコロボ+むーちゃんのお話です。バレンタインネタ少々。エロなし。

××××××××××××

たくさんの人が行きかう休日の街へ俺は一人繰り出していた。
にぎやかな家族連れはもちろんのこと、あたりまえのように手を繋いですれ違う男女の姿も。
そういえば、もうすぐバレンタインか。どうせ自分には関係のないイベントだけど。
菓子メーカーが仕組んだ策略に踊らされる俺じゃないっ!!
…なんて勇ましいことを言ってはみても義理チョコぐらいは貰えるよなぁと、もう一人の自分が囁く。
俺って情けない。
まあいい、そんなことより今日の俺は、テンションMAXなのだ。
前々から欲しかった幻の限定フィギィアが、今自分の手にある。
いつもならムカつくイチャイチャベタベタカップルも、今日は寛大な気持ちで許してやろう。
ささっ、早く帰ってじっくり観賞しなくては!
浮かれ気分の俺に、ふいに耳に馴染む声が聞こえた。
「ロボ!」
振り返るとそこにはニコと少し後ろにもう一人女の子が立っていた。
「何、してんの。買い物?」
「うん、そう。二コも?」
うん、と頷いたニコからむーちゃんと呼ばれた女の子が
「こんにちは」
と、明るい笑顔でペコっと頭を下げた。


「須藤さんて、ほんとにおもしろい人ですね」
向かいに座る彼女が珍しいものでも見るように俺に言った。
「そうかな。自分ではそう思わないんだけど」
「ニコが言ってたとおりちょっと変わってる」
楽しそうにケラケラ笑う彼女はニコの一番の友達で
『お茶でも飲みませんか?』そう言って誘ってきたのは彼女のほう。
ニコは、はあ!?って、あからさまに迷惑そうな顔してたよな。全く可愛くない。
えーっとそういや名前なんて言ってたっけ?
前に親友なんだってニコが言ってて、フルネームを聞いたことあったけど思い出せない。
ニコはむーちゃんって呼んでたよな。確か。
さすがにあまりよく知らない子をいきなりむーちゃん呼ばわりするのは気が引ける
彼女も戸惑うだろうし。でも、名前がさっぱり浮かんでこない。
しかし、結構美人さんだよなぁ。彼女。
女の子と二人きりでお茶を飲むなんてニコの友達とはいえ妙な緊張感が漂う。


125:甘い予感 2/5
08/02/11 03:53:09 qEic5X4n
ニコは直前に寄ったお店に忘れ物をしたらしく、慌てて取りに戻ったきりまだ帰ってこない。
なんかニコがいないと落ち着かない。
「それにしもニコ遅いなぁー」
「うん、そうだね」
そんな俺を気にする素振りも見せず彼女は窓の外を気にしている。

しばらくして彼女が
「あの、ひとつ聞いてもいいですか?」
口にしていたジュースのストローをはなすと俺に尋ねてきた。
「ん?なんなりとどうぞ。但し難しい問題提起はなしで」
はいって、にっこり微笑んで
「須藤さんて、ニコのこと好きですよね?」
直球ど真ん中な問いに飲みかけていたアイスミルクを思う存分、噴き出した。
「げほっ…ごほっ…っ!な、なに…を!」
「わー、大変!」
慌てた口調のわりには冷静にテーブルの上を拭いて
「見てたら、わかるんですよねー。ニコ本人は気づいてないみたいだけど
鈍感というか恋愛に対して奥手というか」
そう言いながら、またストローに口をつける。
「あのっ!俺は…その……」
しどろもどろで何かを言いかけたけど、すべて見透かされたような大きな瞳から逃れられなくて
結局何も言えなくなってしまう。
そんなにバレバレなのか?俺は心の中で溜息をついて
「むーちゃ……、えっと君は変だとか思わないの?俺みたいなのがさ年下のコを好きだなんて」
俯いたまま、今、感じている思いを素直にぶつけてみた。
むーちゃんでいいですよって、笑うと
「んー、少なくとも私はないです。
月並みなセリフだけど“愛があれば年の差なんて”ですよ。
恋愛なんて理屈でするものじゃないと思う。大切なのは二人の気持ち。それだけだと思います」
「はあ」
すごいなぁ…、この子。物凄く大人の答え。年上の自分が頼ってしまい気分になって
「ニコは俺のことどう思ってるのかなぁ……」
ずっと胸にあった疑問をついはずみで言葉にしてしまった。
言った後でやばいって、顔をした俺に
「ニコ、今年バレンタインにチョコ作ろうかなあって言ってたんですよー。
今までこういうイベントごとは全く興味なしだったのに、誰にあげるのかなぁ。ねぇ、須藤さん?」
「へっ?」
彼女はイタズラっぽい表情で、物凄い間抜けな顔をしているだろう俺を見ていた。


126:甘い予感 3/5
08/02/11 03:53:49 qEic5X4n
「もう、むーちゃんてば、今日は一日つきあってくれるって約束だったのに」
メニューを広げながら、ニコは少々不満げのようだ。

やっと戻ってきたニコに彼女に突然
「ごめん、ニコ。今彼氏から会いたいってメールが来たの。
この埋め合わせは必ずするからさっ。行っちゃダメかな?」
もう、しょうがないなあって口を尖らせながら、送り出す。
いつメールなんてあったんだ??一緒にいたのに気づかなかったんだけど。
展開がみえない俺に彼女は去り際、ニコにわからないようにウィンクで合図をした。
ああ、気使って二人にしてくれたんだ。
やっぱ、大人だわ彼女。ありがとう、むーちゃん。

「友情より恋愛か…」
ニコが独り言のようにポツリと呟いた。
「ロボもそう?」
いきなりな質問に戸惑いつつ
「時と場合によるかも。でも、むーちゃんはすごく友達思いじゃないかな」
「……………」
ん?なんだなんだ。急に黙って。
「むーちゃんって、美人でしょ?性格もいいし」
「え?あー、まあね」
しばし沈黙が続いて、ニコはメニューに視線を落としたままで
「案外ロボの好みのタイプなんじゃない?スラリ系でさ」
「まあ、そうだけど。俺、別に今はスラリ系とかごだわったりしないよ」
「…ふーん」
なんかニコの言い方に違和感を覚える。
あれ、もしかして……?
長い黒髪が首筋から肩へふわりと揺れるさまを眺めながら、
さっき彼女が言ったことを思いだしていた。


「ニコが好きなんだったら、早く捕まえとかないとダメですよ」
「…どうして??」
疑問符が飛びまくる俺に、仕方ないなあって顔をして
「ニコって、結構モテるんですよ。高校入学してからすぐ立て続けに二人から告白されてたし」
「そ、そうなんだ…」
「二年生になってからもあったし、ついこの間も私の彼氏の友達がニコのこと気に入って
付き合いたいって言うから、一応四人で出かけたんですけど…」
それって、いわゆるWデートってやつ!?ニコからそんな話聞いたことなかった…。
「もちろん、ニコにその気はないから断りましたけど」
だから、と彼女は続けて
「ほっといたら誰かに横からさらわれちゃいますから。もしもってこともあるし」
年下の先生に恋愛指導されてるみたいだな、俺。
「でも、ニコだったら大丈夫なのかな。ニコが自分からする男の人の話って、
唯一ただ一人だけなんですよね。……“ロボ”って名前の人」


127:甘い予感 4/5
08/02/11 03:54:24 qEic5X4n
「ミルクティー下さい」
ハイとにこやかに去っていく店員からちらっとニコに視線を向けて
アイスミルクじゃないんだ。なんてことを考えていた。
一緒飲んでくれる日はくるのかな?
今の微妙な距離が、つかず離れずな関係が心地よいなんて思ったりもするけど
ずっとこのままでいたら、俺のほうがハラハラドキドキしっぱなしでニコに置いてかれそうだよ。
むーちゃんの話を聞いたら、余計にそう思ってしまった。
そうだよなぁ。ニコがモテないわけないよな。俺と違うんだから。
なんで、そのことに今まで考えが及ばなかったんだろ。
ニコはずっと子供のままじゃないのに。
少しばかり生意気で意地っ張りだけど、とても魅力的な女の子の存在に自分の気持ちが
変わってきたように他の男が気づかないわけはないのだから。

「……ボ、ちょっとロボ!」
「え、あ、なに」
ぼーっとしたまま、生返事の俺に
「さっきから呼んでるのに、あたしの顔に何かついてるの?じーっと見てさ」
「いや、別に」
何、それって少しふくれっ面で。
ほっぺた膨らませた顔が可愛いなんて言ったら、ニコのことだから怒るだろうな。きっと。
今日はこんな顔ばっかり見ている気がする。
じゃあ、何よって首をひねったニコがああ!とばかりに手を打って、
「ロボ。心配しなくても大丈夫だよ。ロボの分も一緒に払ってあげるよ。
そのくらいはあたしもってるし、今日は特別におごってあげるから!」
見当違いすぎる。まあ、貧乏なのは年中だからニコがそう思ってしまうのは仕方ないけど。
「あーバカにして!、それぐらいあります~」
「へー、ロボ、すっっごい!お金もちじゃん♪」
くっそー、憎まれ口ばっか聞いて。ったく!
少しぐらい色っぽい考えは思い浮かばないのかってーの!
……だけど、これが俺とニコのなんだよな。
たとえこの先二人の関係が変わったとしても、このバカバカしいやり取りは続いていくんだろうな。


128:甘い予感 5/5
08/02/11 03:55:03 qEic5X4n
「ねえ、ロボ。もう帰ろっか」
「えー、どうして?ニコ行きたいとこあるんじゃないの。俺、付き合うよ。どうせヒマだし」
「うん、でもさ…」
そう呟くと俺の隣に置いてあるものを指差して
「ロボの宝物でしょ。大事に抱えてたし、早く帰って家で待ってる皆に紹介したいんじゃないの?」
「なんで、わかっ…」
「ハイ、決まり。行こ」
有無を言わせずさっと椅子から立ち上がるとすたすたレジへと向かって行って俺は慌てて後を追う。
強引に決めたようにみえて、それはニコなりの優しさ。
「ほらっ、早く!」
「あ、待ってってば!支払いは俺がするからねっ」
それだけは譲らなかった。


さっきまでひとりぼっちだった通りを今はニコと一緒に歩いている。
何気ない会話をかわしながら。
「今日は晩御飯、何食べるの?パンの耳?」
俺の行動パターンはニコにはお見通しだ。
「はは…、まあね、コレにつぎ込んじゃたからね…」
「ロボは好き嫌いとかなかったよね?」
「うん。よく食べる子はよく育つ!子供のころから言われてたんだよね~」
「甘いものも平気?ケーキとかお団子とかチョコとか」
「へーき、へーき」
「そっか」
素っ気無く言ったニコの口元がちょっとだけ綻んでいるのが見えて
俺もつられて、ニヤケそうになるのをバレないように顔を背けてMAXロボの歌を口ずさむ。
『なんでそんなこと聞くの?』なんて詮索はしなかった。する必要はないと思ったから。

他の人には言えるストレートな愛情表現がニコにはなかなかできないでいた。
ニコの俺に対する信頼を壊してしまいそうだったから。
でも、誰の手助けもMAXの力もかりず、自分自身の気持ちを信じてみようと思う。
一歩踏み出すのは俺から、そう決意して。

そう、すぐそこまで近づいている二人の距離が縮まる甘い予感。


終わり


129:名無しさん@ピンキー
08/02/11 19:49:13 LkpdyuRf
幸せな二人の未来が見える話
良かったぁ
GJ!

130:名無しさん@ピンキー
08/02/11 19:52:44 9OIpkCVn
GJ!バレンタインがくるねー
ニコははたして本気モードで渡せるんだろうか?誰もくれないだろうから、しかたないからあげるってなスタンスかな?

131:名無しさん@ピンキー
08/02/11 20:08:54 LLKzr9pb
ニコの「誰も言ってくれないだろうからおめでとうって言ってやった」とか
可愛すぎる。
ツンデレの神が降りてきたかと思った
バレンタインデーもきっとそんな感じ(でも本当は徹夜でチョコ作ってたりしそう)

132:名無しさん@ピンキー
08/02/11 22:34:37 2VxmU8W3
>>120
保管庫の立ち上げありがとうございました!

もうこのまま電子の海に消えゆくのだと思っていた
かなり初期に投下したSSが保管されてて嬉しはずかしです。

133:名無しさん@ピンキー
08/02/11 22:49:48 LkpdyuRf
>>132
あ、追加されてる
遂に自分のも保管された
滅茶苦茶(/ω\)ハズカシーィ
>>120 GJ!

134:名無しさん@ピンキー
08/02/12 20:48:12 gtyzaPfH
まとめサイトのBBSに書き込めない…(ノД`)シクシク

135:96
08/02/13 00:59:44 5OR2/iGn
書き込めませんか?あれ、どうしてだろう…
もしかして、書き込めているのは自分だけ?
どうしてもだめな場合は別の方法考えてみます。すみません。

136:名無しさん@ピンキー
08/02/13 01:47:59 pgGIETc0
>>135
自分は書き込めたよ。
ちくしょう、保管庫なんてスルーしてやるって思ってたのに・・・
気になってしょうがないじゃないか!

137:名無しさん@ピンキー
08/02/13 05:02:18 fI/JIWSr
自分も書き込めませんです。
お礼を書いたのに~

138:名無しさん@ピンキー
08/02/13 14:17:27 vvS8qAiQ
朝、書き込めましたよ。


普通にコメント書いて、表示されてる文字を入力とあったから、
それを入力して投稿ボタン押して無事okでしたよ。

139:2月14日 
08/02/13 15:04:13 uuStFdFc
エロなし、バレンタインです



 明日は2月14日
 そうバレンタインだ

 今日は女の人たちがチョコを買ったり作ったりしていて 私はいつもの通りロボの部屋のベッドで
 朽ち果てそうな手すりに肘をかけて 町行くそんな人たちの姿を眺める。

「ニコ~。窓しめて!寒いでしょ。」
 台所でミルクを温めているロボが怒る
「うん。でもさ、イイ匂いがしたんだ~。チョコの匂い」
 窓をしめて、ベッドに座る
「あ~、明日はバレンタインだからな~。」

 バレンタインなんて今までのアタシには全く関係がなかった

「みんな、素直でいいよね~。ちゃんとチョコっていう形にだしてさ。

 ホットミルクが出来上がったようで、ロボがちゃぶ台から私を手招きをする

「そうかな~。素直じゃないから、形に頼る部分もあるんでしょ?」

 でも、何もしようとしない私よりマシだ と思いながら、ちゃぶ台に座ってホットミルクをみつめた

「まぁ…、ロボはさ。楽しみじゃないの?」
 男の人ってどう思ってるんだろう
「う~ん。義理しかもらった事ないからな~。」

 あ"ぁ…そうか。

「しょうがない!明日はロボにあげよう!」

「ブッ!義理ならもういいよ。お返しとか面倒だしさ~。」
 ミルク吐きだすことないじゃん。…バカロボ



140:2月14日 
08/02/13 15:09:30 uuStFdFc
 =次の日=

「今日も、何事もなく終わったな~。」 MAXロボのビデオを見終わって1人部屋で頬杖をつく。

ガチャ
「ロボ~いる?」
 ニコ~??寒そうに首をすくめたニコが玄関にたっていた。
「どうしたの?こんな時間に、まぁ入りな。」

「ううん。すぐに帰るからここでいい。…チョコ作ったんだ。だから届けにきた。」
 そう言って綺麗にラッピングされた箱を取りだす

「いいって言ったのに…。でも、ありがと!頂きMAX!」

「じゃあ帰るね!」
「送ってく!危ないしさ。」

「いいよ~。大丈夫!明日も仕事なんでしょ?本当にいいからさ。」

「うん…。ニコ気をつけてね?ちゃんと家着いたら連絡しろよ?」
 じゃあ階段の下までって言ったけど、つい追いかけてしまう
「ハイハイ。分かったから、ばいばい!」
 大きく手を降ってニコを見送る



 部屋に戻ってさっそくニコから貰ったチョコを、ちゃぶ台に置いて眺める

「やっぱり嬉しいもんだな~。開けさせて頂きMAX」
 両手を合わせ、拝んでからラッピングを丁寧に外しフタを開ける

「ご拝見~!」
 小さくて可愛いハート型のチョコと、たぶん俺だと思うけど、似顔絵のクッキーが入っていた。
「俺、こんなポッチャリだっけ~?(笑)
ハート型かぁ。…ハッ、ハート!?」

 心臓がドキドキしてる
 これって、どういう意味だ? 初めてみるハート型の物体に怯える…



141:2月14日
08/02/13 15:12:38 uuStFdFc

「初めて作ったやつなんだ~。似てるでしょ?」

「そんなの…俺なんかに、悪いよ。」

「ロボ…迷惑だった?」
 そんな訳ない。だけど、言えなくて

「好きなやつにさ、あげ 『だから!』…る」
 ニコの声が重なる

「だから…あげたんだよ!ロボのほうが、よっぽど素直じゃないし鈍感だよ…バカ!』 プップー・・
 切れてる・…


 ニコのくれたハート型のチョコを手にとり口に入れる
「あっ、意外にビターだ…けど、固いな~!」

 まるでそのチョコは、可愛い見た目とは違って、しっかりしているニコみたいだった

 そのハート型のチョコに囲まれて、笑っている自分の顔のクッキーをみたら切なくなった。


 謝りたくて電話をかけ直す
 留守番電話になったけど、ニコにメッセージを残した

「ニコ?さっきはごめんね?…俺さ、本当に嬉しかったよ!初めて貰ったから、手作りとか本命…みたいなの。ニコ…
 俺ニコがす/ピ―」

 時間オーバーになって、後でその録音を聞いたニコは、大笑いしたらしい。


 =次の日=

 ロボの部屋で再生を押して聞かせる

 俺ニコがす/ピー―

「(笑)ねえロボ!プッ!この続きって何?」
 ベッドの上で笑い転げるニコをちゃぶ台から睨む。
「…大人をからかわないの!」
 昨日はチョコくれた時、あんなに可愛いかったのに…。ちゃぶ台に置かれたニコのチョコを食べる。

「ハイハイ!ねぇロボ窓の外みて。」
「ん?」 ニコの横に並んで座り、空を見る。
「そっちじゃなくて、下!みんなさ、幸せそうだよね~。」
 前の道路を歩く人たちは、何か今日はカップルが多い気がする



142:2月14日 
08/02/13 17:40:44 uuStFdFc
 羨ましそうに、目を輝かせてみるニコの横顔を見つめる


「ニコが、好きだよ。」

 ニコの肩を掴んで、自分のほうに向かせた。

「好きなんだ。」
 目が一瞬あったけど、すぐにニコは目をそらして下を向いた

 これってチュウ待ちなのか?そうだよな…。
 よしっ!俺行け!

 チュ 前に聞いたことあるいやらしい音に前をむくニコ
 バチン! ロボの頬っぺたを叩く
「え~!ニコ何でぇ?痛いぃ。」
「はぁ?今チュウしようとしてたでしょ?うわっ!すけべ」
「違うの?今チュウでしょ!」
「違う!ロボは全然分かってない。」 まだアタシ何にも言ってないじゃん。

「プッ!恥ずかしいんだ?ニコは可愛くないとこが、かわいいんだからな~!」
 それって褒めてんの?てかベッドで、はしゃぐな~。



 =その頃=


 林家夫婦

「は~。…何でドコの誰だか分かんない奴の顔。食わなきゃいけないのかね~」
 クッキーを頬ばりながら、テーブルの上に山盛りになったバレンタインの残骸をまたつまむ。

「はい、お父さんお茶。」「ありがと。あ~、今年は量が多いな。」

 まだまだあるお父さんへのバレンタインチョコと言う名の失敗作たち

「仕方ないでしょ?今年はニコも作ったのよ~。」
「へ?ニコ作ったの?あ~そう。ニコがね~。」

 お母さんがニコの作ったクッキーを眺める
「それにしても、誰かしらね?コレ?」
「ん~?あっ!何かピンとキタ!!え~?あいつか!?」

「誰?ねぇお父さん分かったの?誰よ。」

「小遣い、あげてくれたらな。」

「何よそれ。じゃあ別に、知りたくないわよ!」

「あっそ!!
 ニコがなぁ。」

 意味深げにクッキーをまたみつめて、お父さんは、クッキーの顔を真っ二つに割った。


143:名無しさん@ピンキー
08/02/13 18:48:32 uuStFdFc
続きが書き込めなくなりました。何回か挑戦したのですが…
中途半端ですみません。

144:2月14日 
08/02/13 18:50:37 uuStFdFc
=ロボ部屋=

「ロボ、クッキー食べてないじゃん!」
「これはいいの!」
「何で?食べてよ!せっかく一海ちゃんと作ったんだから。」
「じゃあもっと食べれない!」
「は~?何それ!バッカじゃないの?」
「バカじゃないですぅ。オタクです。」
「も~!今日からスケベとバカも付けされたの!」
「いいです!そんなオタクでスケベでバカが好きなのは誰なんですかねぇ?」
「じゃあ、返してよ。」
「嫌!絶対ダメ!ニコにとって初だったかも知れないけどな!俺にとっても…初めてなんだよ?」
 ロボがちゃぶ台に小さくなって座る
「ごめん…。取っといていいよ?」
 ロボの大きな背中を擦ってあげながら、顔を覗きこむと、嬉しそうに笑っていて
 私もロボが笑うと嬉しくなる

チュ

 『だから駄目だって言ってるでしょ!!』
「ニコのケチ~。」




 何だかんだで、私達は付き合うことになった
 けど、別に何かが変わった訳ではない。

 ロボは私のあげた似顔絵クッキーを本当に食べずに MAXロボの隣にキレイに飾って、
 神棚のようにして、何かを毎日拝んでいるらしい。

 『今日こそ、チュが出来ますように!』



 私は、ロボがいたからバレンタインが好きになれたよ。
 ありがと、ロボ


 大好きだよって、ちゃんと私から言える日まで、 チュウは我慢してね。


おわり

145:名無しさん@ピンキー
08/02/14 02:07:34 RIdN/7SU
>>143
途中で謝ってるのが何か面白い。
前の節分ネタの時(2chの殆どの板が落ちた)といい、タイミングが悪いというか面白い。(笑ってごめん)
あと、1/5みたいに何レスあるか書いてくれたら、うれしいよ。

ニコ!ロボは我慢のできる子だ、チュウは許してあげて。
もし、調子にのったらニコパンチだ!

146:名無しさん@ピンキー
08/02/14 02:16:45 F8euECvG
ニコロボもいいけど、幕間の林家がなんかすごくいいです!

147:名無しさん@ピンキー
08/02/14 03:52:24 dlSm/EcU
失敗が多くてすみません
以後気を付けます。

節分ネタの続きを書くつもりだったのですが、
途中、面倒になって新しい楽な道を選んだら失敗してまいました。笑ってくださって全然いいっすよ

148:名無しさん@ピンキー
08/02/16 03:51:04 I/1GB0aw
友達 1/2
エロなし、ロボとよっちゃんの話。

ガチャ
「よっちゃん、来たよ~」
ロボが滅多に立ち寄ろうとしない地蔵堂に気の抜けた声と共に入ってきた。
事前に連絡をもらい、マキナの不在を知っての余裕。

「おお!来たか、待ってたぜ。
 これだよ、これぇ」
「ああ~はいはい」
「どうだ、直せそうか?」
「だいじょーぶ、任せなさい!
 え? よっちゃんが、これ、こんなにバラバラにしたの?」

机の上には壁掛け時計とその部品が、
申し訳なさそうに、せめて作業のしやすいように部品がキレイに並べ置かれていた。

「機械の調子がおかしくなったら、まず叩く、それでダメなら分解だろ!
 分解は男のロマンなんだよ。
 なあ、ロボ、お前も男なら分かるだろ?」
「男のロマンは分かるけど、何をどうしたら・・・
 ゼンマイが余るの?」
「そりゃお前、ゼンマイって言やぁ時計の心臓部、大事に大事にとっておいたら
 最終的に余っちまったんだよ、・・・しょうがねーだろ」
「(なるほど)よっちゃんのロマン、しっかりと受け取ったよ」

ロボはそう言うと手際よく時計を更に分解し、組み立て修理を始めた。
ほんの数分ロボの作業を見ていた名梨だが、
直ぐに飽きてしまい下の台所に降り夕食の支度の続きをする。

20分後
「よっちゃーん、直ったよ~」
「早いよ!」
ロボの言葉にカブせ気味に言う。
「お前は何でオレが半日がかりで出来なかった事を、こうもあっさりとやっちゃうワケ?」
エプロン姿で菜箸をブンブン振りながらやってくる。
「だから呼んだんでしょ?」
「そう、だけどよう」
「よっちゃんの機械イジリはロマン止まり。
 オレの場合はそれをちゃんと直す、つまりプロフェッショナルってコトかな~」
『ロボのクセに』
「えっ何か言った?」
「何にも言ってねーよっ」
「じゃあ、思ったよりも早く用事も片付いたことだし、帰ろうかな」
ロボは優越感に浸ったまま帰ろうとする。

「おう、礼といってはなんだが、晩飯、ロボの分も作ったから持って帰れよ」
多少ムカつくが助かったのは事実。気をとり直して笑顔で言う。
「えっホント!? ご馳走してくれるの?」
「ああ、今日ハンバーグ作ったからよう。二人分も三人分も変わりゃしねーよ。
 ロボのは持って帰って直ぐに食べれるようにハンバーグサンドにしたから」

つづく 

149:名無しさん@ピンキー
08/02/16 03:51:25 I/1GB0aw
2/2
「ハンバーグのサンドイッチ?もしかして できたて?」
「ああ、そうだよ」
「よっちゃん!ここで食べてってもいい?」
「ん? 別にかまわねーよ」
「じゃあ、オレ、コーヒー入れるよ!」
「あーいいよ、オレが入れてやるよ。
 ついでにオレも何か軽くつまむかな、社長はまだ帰ってこねーし。
 ロボはそのテーブルの上を片付けといてくれ」
「うん、分かった!」

・・・・・

ロボはハンバーグサンドを持って、
名梨は「コーヒーにキャベツの千切りはやっぱ合わねーかな」とつぶやきながら、
台所横のテーブルに着く。

「いただきマックス!」
「どうぞ、おつかれっ」
ロボは大きく口を開けサンドイッチをほおばる。
「ウマい!!」
「そうか」
「よっちゃん、スゴイ!ウマいウマいウマい~美味しすぎる~」
「おいおい!食べるか喋るかどっちかにしろよ、はははっ」

・・・・・

どっちなんだろう。
ロボは、
できたてのハンバーグサンドを冷めないうちに食べたかったのか、
それとも一人ではなく“お兄ちゃん”のような友達と一緒に食事をしたかったのか。
・・・多分、両方なんだろう。

そんなことより よっちゃんのハンバーグサンド、食べれないのならそんな話、
・・・聞きたくなかった。
「あれ!ニコ、なんか機嫌 悪そうだね?」 
「はああ」
「ええ!? なんでー」

おわり

150:名無しさん@ピンキー
08/02/16 09:13:10 LGOAASPH
ニコの気持ち分かるぞー
よっちゃんのハンバーグサンド食べれないのならこの話読むんじゃなかったw
GJ!

151:名無しさん@ピンキー
08/02/17 00:38:28 1EjI6Noh
そーいえばロボってサンドイッチ好きだよね
ハンバーグも好きだし。
そりゃ美味いだろうなー

ああ、腹減った
この話読むんじゃなかったw
gj!

152:その花を摘む事なく 1/12
08/02/19 11:31:39 DAsp50cn
エロ無し。ニコ視点ですが途中一時視点変化も有ります。

* * * * * * *

「お帰り……ど、どうしたの!?」
 玄関で物凄い音がしたので二階から降りて見ると、一海ちゃんが息を切らして
へたりこんでいる。
「ハア、ハア……な、何かね、変な人に後をつけられたみたいなの」
「えー、気のせいじゃないの?」
「違う!絶対違う!!だって私が立ち止まると向こうも真似するし、振向くと誰も
 居ないけど電柱の陰とかに誰かいるのが見えるのよ」
「何だ痴漢か!?何もされなかったか?」
「だ、大丈夫……その辺まで来て何とか巻いたと思うから。それよりみ、水、水」
 お父さんが外を見て来る、と出て行ってお母さんが奥から水を持って来た。
 私は二階へ上がって窓をそっと開けて外を眺めた。誰も居ないけど……。
「ん?」
 近所の家の陰に誰か居る気配がする、と同時にカシャ、と音がした。カメラ?
誰か居る、間違いなく。私には聞こえた、ごく小さな溜め息と足音が。慌てて窓を
閉めると同時に
「誰も居ないぞー」
とお父さんの声がした。
「さっきの奴かしら?ヤダヤダ!!気持ち悪い……」
 部屋で落ち着いた一海ちゃんにさっきの話をすると、頭を振りながら肩をすぼめ
ている。当然だよね。
「尾けられて家までばれちゃったのかなぁ?ねえニコどうしようー!!」
「うーん。警察……って言っても証拠もないし相手してくんないよね?」
 2人で考えているとふいに一海ちゃんの携帯が鳴った。
「もしもし?」
 見る見るうちに顔色が変わってゆく。慌てて電話を切った後恐る恐る聞いてみた。
「どうしたの?」
 顔面が真っ青だ。まさか!
「……『見つけたよ』だって」
 ねえニコどうしよう!ってしがみつく一海ちゃんを慰めながら私は考えていた。
 こんな時、地蔵堂があれば。私がまだスパイだったら、一海ちゃんを守って
あげられるかもしれないのに。

 こんな時……そう、こんな時に。

「わかった。一海ちゃん、あたしも何か考えるよ!」

 もしかしたらもう……だけど、ほんの少しの希望を胸に、私はある決意をした。


153:その花を摘む事なく 2/12
08/02/19 11:33:27 DAsp50cn
 あれから3年……いや、もうすぐ4年?季節は何度も変わって私は17歳になった。
久々に眺め見上げる部屋はまだ同じ主を迎えているのだろうか。
「留守、だよね?」
 真っ当な社会人ならきっと仕事中の時間、だから訪ねた所で居るはずは無い
んだけど……。
「あれぇ?ニコ、ニコじゃないの!?」
 突き抜けるようなハイテンション声に思わず驚いて振向いた。
「…………何してんの?ロボ」
 両手に大量の紙袋を提げて、どう見ても私服の彼は会社帰りのサラリーマンには
見えない。

「いやぁ、今日行きつけのフィギュア屋が店終いするってんで有給取って行って
 来たんだよね~!!だってこれなんか7割引だよ!」
 相変わらずだなぁ。一緒にパン耳の大袋も並べて流しの横に置いてある。こんな
じゃ相変わらずモテないんだろうな……。
「はいお茶。ん?何がおかしいの?」
 慌ててありがと、と湯呑みを手にする。自然に弛んでいた頬を私は、軽く擦る。
 何喜んでんの?私。そうそれは多分、ロボが変わらず受け入れてくれたからだ、
きっと。
「で、どうしたの?何かあるから会いに来てくれたんでしょ?」
 ちゃぶ台にきちんと正座して待つロボに、私も慌てて姿勢を正すと改めて昨日
の話をした。
「ストーカーかぁ……一海ちゃん可愛いもんなあ。あんな娘を怖がらせるなんて
 許せない!!よし、愛と正義の心で俺が守ってやるとも!」
「え、ロボが?」
「ん?だって助けて欲しくて俺んとこ来たんじゃないの?」
 いや、そうなんだけど。
「だって随分久々に会ったんだよ。あたし……なのに、怒んないの?普通今更何
 言ってんだとか思わない?」
「え?だって俺達友達だろ?離れてたってそんなのずっと変わらないよ。それより
 ニコがちゃんと俺を覚えててくれた事の方が嬉しいよ」
 どうしてロボは私の不安を吹飛ばしてしまうんだろう。同じ気持ちでいてくれた、
それが嬉しくて切なくて泣きたい気持ちを押し殺しながら、湯呑みを口に押し付けた。
「ニコもうすぐ高3?大きくなったなぁ」
 屈託なく笑うロボが何故か眩しかった。


154:その花を摘む事なく 3/12
08/02/19 11:35:24 DAsp50cn
 翌日からロボは一海ちゃんの駅からの尾行を開始した。勿論ボディガード兼である。

『えっ!何で私がまたあの人とデートしなくちゃならないのよ!?』
 まあ勝手に決めた私も悪かったけどさ、そんなに拒否らなくても……随分前の
話なんだし。
 そう、私がロボに持ち掛けた報酬が「一海ちゃんとの再デート」だったからだ。
まあそれがなくてもロボはやる気になってくれてたみたいだったんだけど、何故か
私の中に湧いていた不安がそうさせた。
 最終的には一海ちゃんも納得してくれたわけだけど……。

 * * * * 

 ロボと時間を決めて駅で落ち合い(と言っても直接接触はせず時間を決めて)
駅を出て家まで帰る、その間にロボ以外に尾行する人間がいたらそれが犯人だと
いう事である。
 始めてから3日間は怪しい人物は現れなかった。
 だが、4日目、ロボは一海との距離をはかりながら尾行する途中で怪しい人影が
彼女の背後にあるのに気付いた。
 自分と彼女の間にいるその人間を何とか捕まえられないものか、と緊張しながら
距離を縮めてゆく。幸い一海もそいつも気付いてはいない様だ。
 じりじりと息を、足音を殺して近付いてゆく。もう少し、もう少し……。

 その時。
 一海に向ってその影はいきなり走り出し背後から彼女の肩を掴むと、はがい締め
にしようとした。
「一海ちゃん!!」
 慌ててロボが駆け出すと同時に一海の悲鳴が辺りに響き渡った。

 * * * *

「何やってんのよ……」
「ゴメン」
 林家の居間で小さくなっているロボを睨みながら私は溜め息をついていた。
「まあまあ、仕方ないじゃないの。この人のお陰で危ない目に遭うまではいかな
 かったんだし」
「犯人は逃げちまったけどな」
「……スイマセン」
 宥めるお母さんと複雑な顔をしてロボを見ているお父さんの前で、大きな体を
縮めてロボは肩を落としていた。


155:その花を摘む事なく 4/12
08/02/19 11:36:58 DAsp50cn
 一海ちゃんが悲鳴をあげた時丁度警官が通り掛かった……のは良かったんだけど、
その時背後にいたのはロボだったわけで。
 逃げ足の早い犯人は悲鳴を聞いた警官が駆け付けた時には既に姿がなく、パニクっ
た状態の一海ちゃんと慌てるロボの姿を見たもんだから、勘違いされたまま交番に
連行されてしまった。
 その後何とか落ち着いた一海ちゃんの説明と駆け付けた私達家族が必死で誤解を
解いたので、何とか釈放(?)されたというわけ。
「ニコ、それにしてもこれからどうする?一海ちゃんに俺がついてるのはバレ
 ちゃったし」
「あ、それなら堂々と一緒に並んで帰ってくればいいんじゃない?」
 私の言葉に一海ちゃん含めその場の人間はギョッとした。(ロボ以外は)
「えー、そんなの……」
 首を振り掛ける一海ちゃんに
「じゃあいい考えある?」
と聞くと面白くなさそうに膨れた。
 後ろでお父さんが
「送るだけ、それだけだぞっ!」
と釘を刺すのが聞こえる。
 その時携帯が鳴った。瞬間皆が息を呑んだ。空気が張り詰めるのを感じながら
緊張した面持ちで一海ちゃんが電話に出る。
「……もしもし?」
 耳を澄ますと相手の押し殺した声が聞こえて来る。

『今日はとんだ失敗しちゃったみたいだね。今度は間違いなく行くからね』
 
 そう言うと電話は切れた。勿論非通知で、どこからかわからない。しかも雑音が
酷くて場所もよく探れなかった。
「う~ん、雑音……気になるなぁ。それよりまたやる気なんだね?よし、一海ちゃん
 は俺が守って見せるぞ!だから安心して下さい、お義父さん」
「だーーーーっ、俺をお義父さんと呼ぶなぁぁぁぁ!!」
「もう、そんな場合じゃないわよ!やだぁ、私が何たっていうの?」
 半ベソをかく一海ちゃんを慰めるお母さんを横目に、私は堂々と一海ちゃんと
夜道を歩けて浮れてるであろうロボを複雑な想いで見ていた。
「ん?何ニコ」
「別に」
 何か、ムカつくんですけど。


156:その花を摘む事なく 5/12
08/02/19 11:38:32 DAsp50cn
 あれから更に数日が過ぎた。ロボ効果のお陰か一海ちゃんの帰宅は安全で、家族
も段々と気持ちが楽になってきた様だ。
 おまけに何となくロボはうちの人間に馴染んで来て、しょっちゅう夕飯まで
食べて行くようになった。最初はぶつぶつ言っていたお父さんも、ロボが上らずに
帰ってしまうと
「なんだ、また蓋コレクション自慢してやろうと思ったのに……」
なんてちょっと残念そうにしてる。(本人は否定してるけど)
 それはあの頃の私が心のどこかで望んでいた筈の事なのに、逆に今は何故か
心に風穴が開いてしまったみたいに感じてしまうのは何故なんだろう?
 近くにいて触れられる位側にいても、逆に私は見えない硝子の壁に阻まれて
それ以上近付けないでいる。
 そうしているのも感じているのも、多分私だけだと思うけど。

 だって、ロボは今でもダイヤモンドの輝きを失っていないように見えるのだから。


 今日は補習でいつもより帰りが遅くなってしまった。
「うわぁ寒っ!早く帰ろ」
 本当は良くないんだけど、近道したいから公園の方へと私は足を向けた。
「薄暗いけどまだ早い時間だし大丈夫だよね」
 一海ちゃんに比べりゃ安全なもんだ。
「今日もロボ来るのかな」
 一海ちゃんもだいぶ慣れてきたみたいだし、拒否反応(?)も薄れてきた感じ
がする。案外上手く行く、なんて事も……。
「あれ?」
 何故かふいに胸のどこかがキュウッと締付けられたきがした。何これ、変だよ。
何でロボの事、考えてるとこういう気持ちになるんだろう。まさかね。
「一海ちゃんじゃあるまいし……」
 その時携帯が鳴った。今頭に浮かんだまさにその相手から。
「もしもし?」
『ああ、ニコ!今どこ?変わった事無い!?』
「どうしたの?今公園の……」
『わかった!今すぐ一海ちゃんと行くから待ってて!!』
 慌てた様子のロボの声に私は背後に迫る足音に気付かずにいた。


157:その花を摘む事なく 6/12
08/02/19 11:40:08 DAsp50cn
「何だろ?」
 只事では無さそうだ。まさか何か起きたの!?でも一海ちゃんと一緒にって言って
たから向こうも無事なんだろうけど……?
 とにかくこの場から動かない方が良さそうだ。そう思って足を止めたその時。
「きゃああっ!?……んっ!!」
 突然背後から誰かに口元を押さえられ、身体を抱えられたまま側の植え込みの
影に連れ込まれた。

「んっ、んーーーー!?」
 押し倒されて口を塞がれたまま仰向けにされた。灯り始めた外燈は逆光で顔が
良くわからない。
「やっと、やっと見つけたよ……」
 この声、この声なら聞いた事がある。
「とんだ手間かけてくれたね?でももう、君を離しはしないよ?」
 この声、一海ちゃんの電話の……。
 何で?何で私なの!?何で今ここにこいつがいるの!?
 何で私こんな事になってるの!?

 やだ、助けて、誰か……。
「絶対逃がしはしないからね?」
 そう言うと男はスカートの裾に片手を伸ばす。足の間にその身体を割込まれて
私は身動きが取れない。
 嫌だ!
 咄嗟に身体を捩って暴れようとした。
「無駄だよ?」
 怖くて動けない。必死になって震える腕を持ち上げて抵抗しようとした。だけど
虚しくそれは宙を切り、コートの前をはだけさせられる。
「静かにしなよ」
 そう言うと男は口に当てた手を離した。だが、私が大声を上げる間もなく
「ビリッ!!」
と胸元を破られる音がした。
「いやあぁぁっ!!」
 露になった胸元から下着が覗いている。私は逃げようと力一杯に身体を捩って
地面に這い付くばった。
「いや、いやぁ!」
「逃がさないって言ったよ?」
 背中からのしかかるようにはがい締めにされて、再びその手がスカートを探ろ
うとする。
「やだ……」
「君はもう僕のモノになるんだから」
 耳元で静かに笑いながら、しかし荒い息で聞こえて来る男の声が不快で悪寒が
走った。
「助けて……助けて、ロボ」
 私の頭に浮かんだのは屈託のない彼の笑顔だった。


158:その花を摘む事なく 7/12
08/02/19 11:41:53 DAsp50cn
「ニコ!!」
 視界にガサガサと音を立てて大きな人影が飛び込んで来る。
 同時にそれは私にのしかかっていた身体を突き飛ばすと、その上に乗り上げた。
「な、何だよ、何で邪魔するんだよぉ?」
「うるさいっ!貴様よくも、よくもニコをっ……!!」
 その声は……。
「大丈夫!?ニコっ!」
 その後ろから一海ちゃんが私が落とした鞄を抱えてやって来た。
「やだ、ドロドロじゃない。怪我は?」
「うん、大丈夫……」
 大柄なロボにのしかかられて動けない間に一海ちゃんが呼んだ警察に、男は
連行されて行った。

 改めて事情を聞かれて明るい場所で顔を見ても、私はなかなか男の事を思い出
せずにいた。おまけに一海ちゃんの携帯から超小型の盗聴機が見つかって益々
私は混乱していた。
 が、ふとある出来事に思い当たっていた。それに気付いてロボの話を聞くと
バラバラだった断片が形を作っていった。


 一海ちゃんが最初にストーカーに遭ったと言った日の数日前に、姉妹で買い物
に出かけた。その時友達に電話する約束を思い出した私は、自分の携帯のバッテリー
をうっかり切らしてしまったので、一海ちゃんのを借りて喋っていたのを近くに
いたあの男が見たのだ。
 おまけにそれを一海ちゃんが席に置き忘れて会計に立ち、受け取ったのは私。
だから一海ちゃんの携帯を私の物だと思ったのだ。
 盗聴機に気付いたのは勿論ロボ。デコレーションに紛れて分らないような精巧な
物で、男はそっち方面に長けたマニアらしい。
 返す時にこっそり取り付けたのだろう。それを頼りに居場所を突き止めたのだ。
(地蔵堂なら犯罪者でなきゃ欲しがった人材
かもしれない)
 私が襲われる直前に一海ちゃんの携帯に掛けて来た電話は
『やっぱり君のじゃなかったんだ……彼女は僕の近くにいるからね』
そう喋って切れたとロボは言った。

 そう、最初から本当の目的は私の方だったのだ。


159:その花を摘む事なく 8/12
08/02/19 11:43:34 DAsp50cn
 両親は揃って外出していてなかなか連絡が取れなくて、ドロドロでボロボロの
制服のまま仕方なく警察から家よりは近いから、ととりあえずロボの部屋に向った。
「私一旦帰って着替え取って来るからね」
 一海ちゃんはすぐにロボに私を預けて帰った。
 
 久々に来た部屋はまた増えたロボットで少し狭くなった気がした。
「暖房入れるからね」
 ヒーターを入れるとその前に私を座らせて、お風呂を沸かすと言って立った。
「え、いいよそこまで」
「何言ってんだよ。女の子が泥んこじゃ外歩けないでしょ~?」
「でも……」
「それに色々聞かれて疲れたでしょ?ちょっとゆっくりしろよ」
 そう言って風呂場にお湯を張りに行った。
 そっか、1人にしてくれるつもりなんだ。確かにあんな事の後でかなり実は
疲労していた。
「すぐ沸くからな~」
 貸してくれたコート汚しちゃったな、なんて思いながらつんとしてきた鼻を
こっそり擦った。

 気付かないだけで実は結構あちこち擦り傷があったみたいだ。洗っていたら
所々お湯がしみたりして痛かった。

 一海ちゃんが来るまで仕方が無いので、ロボのトレーナーとジャージを借りた。
「おっきいなー」
 男の人の匂いがする。お父さんの洗濯物とは違う匂い。
「ほら、こっちおいで」
 寒いからね、って毛布で身体を包まれてヒーターの前で座らされる。
 温風は暖かいけど、髪がまだ濡れているからなのか、今更あの恐怖を思い出して
しまうからなのか、
「何か、寒気する……」
少し震えてしまう。
「えっ?寒いの!?風邪かな、温度上げるよ。あとは……」
 毛布で縮こまる私をロボはしばらく見つめていたが、やがて
「ごめんニコ、ちょっと、暖まるまでだから我慢して」
って側に来ると、しゃがんだ姿勢で背中から膝の間に身体ごとすっぽりと包み
こまれた。
 ふいにやって来た温もりに私は息をするのも忘れた。心臓がドキドキと音を
速めてゆく気がする。


160:その花を摘む事なく 9/12
08/02/19 11:45:11 DAsp50cn
 先程の男の不快な息遣いとは違って、時々掛かるロボの熱い息が逆に首筋に
当たるのは恥かしいけど嫌じゃなくて。
 毛布の下で体育座りした膝の辺りにある、ロボの繋がれた手首の抱き締める
力はちっとも怖く無くて、心強くさえ思えて。
 挟まれた膝の温もりはとても安心できた。
「怖かったよぉ……」
 改めて思い出すと、本当に自分がいた状況がとんでもない事だったのだと思う。
「ほんっとに怖かった。怖かったの!!」
 安心したら途端に涙腺が弛んで、もう止まらなかった。後から後からポロポロ
と涙は零れて、それはロボの手を伝う。抱き締められていてはそれを拭う事も
出来ずにただ私は泣き続けた。

 やがてしばらくしてロボが口を開いた。
「俺も、怖かった」
 手首を繋ぐために握り締めた両手に更に力がこもった。
「ニコにあれ以上、もしも間に合わなかったら……そう考えたら俺も凄く怖かった。
 だから見つかって良かった、良かったよ~」
 私の肩の上で泣いているロボの声に、また私も泣きそうになる。
「もう絶対あんな目に遭いたくない……」
「うん、遭わせない!」
 そう言ってロボは私を抱く腕に力を込めた。

 その時思ったんだ。 ロボだったら、このまま……。

 正直、どうされてもいいとさえ思った。
 あんなふうに失くすのは絶対嫌だと思った。だったら、いっそ……。
「ロボ」
「ん?」
 まさか言えないよね……。

 そんな事を考えてるうちに階段を昇る一海ちゃんの足音が聞こえて来て、ロボは
慌てて私から身体を離した。
 そして何事もなかった(いや、実際無いけど)様にへらへらとしながらドアを
開けた。
「ニコ、お父さん達丁度帰ってた。凄く心配してるから早く帰ろ?」
「あ、じゃあ俺車取ってきマックス」
 明日からはまた普通の日常に戻るのだ。
 そしたらロボとはまた会わなくなってしまうのだろうか……。

 ロボの匂いを脱ぎ捨てながら、私はぼうっと明日を考えていた。


161:その花を摘む事なく 10/12
08/02/19 11:46:44 DAsp50cn
 今日は土曜日。いよいよロボと一海ちゃんのリベンジ(?)デートの日だ。今度
ばかりは尾ける気にはなれなかった。
 ゴロゴロとベッドの上で転がっていると、
「あんた何してんのー!?」
とまだ普段着の一海ちゃんの怒声が飛んで来た。
「何って……一海ちゃんこそ仕度しないの?もうロボ下に来てんでしょ」
「だからよ!もー服貸してあげるから早くしなさいよ!!」
「はあ?ちょ……やだ、脱がさないでよ!?」
 わけがわからず一海ちゃんにされるがままに髪をセットされて、服も選ばれて
階下へ行くと玄関先でロボが待っていた。
「じゃあ、お嬢さんをお借りします。夕飯時には送りますから!!」
「今日も良かったら食べてらっしゃいよ。すき焼きするから(肉入りの)」
 お母さんってば、結構気に入ってる?
「はいっ須藤威一郎喜んでお邪魔させて頂きマックス!んじゃ行こっか……ニコ」
「は、はぁーーーーっ!?」
「行ってらっしゃ~い」
 って、ちょっと一海ちゃん!?
 玄関を閉めて外に出ると奥からお父さんの声がするのがわかった。
「おい、何で一海じゃなくて二湖なんだ?」
「だってあの人がそう言ったんだもの。実際助けて貰ったのは私じゃなくてニコ
 だしね。まあ当然でしょ?」
「にしてもお母さん、また夕飯呼んだのか?ったく俺の取り分が減るじゃないか~」
「あら、とか言いながらビール冷やす本数が増えてるじゃない」
 アハハ、とお母さんの笑う声を聞きながら、私はロボの顔を見上げた。
 普段通りの顔。昔から変わらない、幸せそうに浮かべた笑顔。
 だけど何考えてる?
 どうして私がここにいるの?

 何となくどこに行こうか?って聞かれて思い付かなくて、よく行った公園で
最近の話なんかしながら散歩した。
 初めは少し離れて歩いて、少しずつ近付いて、そのうちロボの右手は私の左手を
握っていた。私はそれを解かずに強く、強く握り返していた。
 きっと今日だけだから、そう言い訳しながら。


162:その花を摘む事なく 11/12
08/02/19 11:48:06 DAsp50cn
 売店で軽いお昼を買って食べながら座ったベンチで、私は思い切って聞いた。
「ロボ、どうしてあたしなの?元々一海ちゃんとデート出来る約束だったじゃない」
 黙ってサンドイッチを食べていたロボはやっぱり黙って缶コーヒーを飲むと、
それをコトンとベンチの脇に置いて私を見た。
「ニコは嫌だったの?」
「ううん」
 ただ気になっただけ。昔も今もロボといるのを嫌だと思った事なんて1度だって無い。
「俺はニコが良かったの。そりゃ一海ちゃんは彼氏出来たみたいだし、だけど
 それで断られたからとか、諦めた代わりとかじゃなく俺自身がニコと一緒に
 いたかったの。だから一海ちゃんに頼んだんだよ」
 そういえば昨日ロボからの電話を受けてる一海ちゃん、
『そんなの気にしなくていいのよ、あなたの好きにしたらいいじゃない』
なんて言ってたっけ。 さすがに聞き耳立てるわけにはいかなくてロボは一体何言ってんのかと思ってた
けど、それは一海ちゃんを断って私を願った話だったんだ。
「俺の言う事が信じられない?」
 だって急にそんな事言われても、頭が混乱してどうしたらいいかわかんないよ。
 それって、それってさあ……?
「一海ちゃんより、あたしの方が上って事?」
 私の小さな呟きにロボは大きく頷いて答えた。
「わっ、な、何ニコ!?俺何かまずい事言ったあ~?」
 ううん、と首を振って私はロボから目を逸らした。
「……ありがとう」
 だって、視界が滲んでロボの顔がまともに見られなくなってゆくのがわかったから。


「ニコは怒るかもしれないけどさ~、俺にもあいつの気持ちが少しは解る気が
 するんだ」
 並木の歩道を歩きながら言うロボの言葉に思わず立ち止まった。
「何それ」
「あ、ごめん。やっぱりやだよね?」
 でも聞いて、って言うから黙っていた。ロボは私の不安を感じ取ったのか、静かに
そっと手を取って歩きながら続けた。


163:その花を摘む事なく 12/12
08/02/19 11:49:29 DAsp50cn
「やり方は間違ってたけどさ、あいつもニコの事好きで堪らなかったんだと思う
 んだよね。ただその気持ちが何故か歪んでいってあんな方向に曲ってっちゃった
 から、ニコを傷付ける事になった。好かれるのって本当は凄く嬉しい事の筈なのに」
 うん、そう。本当なら誰かに好きになって貰えるのはきっと素敵な事なんだよね。
 隠し撮った私の写真を大事にしまって持っていたと聞いた。(当然没収だけど)
「俺はニコを傷付けたりしたくない。だってそんな風に嫌な思い出としてニコの
 記憶に残るなんて悲しいじゃない。だからうんとニコを大事にしたい。……この間
 ニコを抱き締めた時にね、そう思ったんだ。野に咲く花は欲しくても無理に摘ん
 じゃいけないんだよ」
 優しくそれでいて切ない瞳で私を見下ろしながら話すロボの言葉を、私はきっと
一生忘れはしないと思った。
「ロボを思い出にする気なんかないよ、あたし」
「ニコ」
「だってあたしもずっと大切にしたいもん、ロボの事」
 ニッコリ笑ってロボは私の手を強く、強く握った。


「あーの子がほーしい♪」
 どこからか子供の歌う声が聞こえる。
「あ~、懐かしいな。昔やったよ、ニコ知ってる?」
「知ってる。『花いちもんめ』だっけ?」

 勝って嬉しい花いちもんめ
 負けて悔しい花いちもんめ♪

 あいつもニコが欲しかったんだな、そう小さく呟いた後にロボは言った。
「俺はニコが欲しい♪」
「へっ?」
 あ、変な意味じゃないからね、って慌てて手と頭をブンブンする。誰もそんな事
言ってないって。
「あたしは嫌だ」
 歩きながらそう言ったら横を見ると顔面蒼白のロボがいた。
「え、ええ~~~~っ!?」
 顎外しそう、てか泣きそう?
 何だか意地悪しちゃった気がしてきて、でもその顔がおかしくて笑いそうになる
のを堪えながら私は囁いた。

「ロボでなくちゃ、い・や・だ」

 満面の笑みを浮かべて唇を突き出すロボの鼻を思い切り摘んだ後、私達は初めて
恋人同士の挨拶を交わした。

 ロボはニコが欲しい♪
 ニコはロボが欲しい♪


* * * * * * *終


164:名無しさん@ピンキー
08/02/19 17:53:17 spcPA9Zj
ニコ、危機一髪。あぶなかったなー
現実にあるよねえ、こういうこと
トラウマになったりしないかな?ニコ
ロボが居てくれたら大丈夫かな
GJ!!

165:名無しさん@ピンキー
08/02/19 21:25:14 utDsNX85
久々の大作
ちょっと衝撃的な事件だったけどお互いの大切さを知ったんだね
GJ!

166:名無しさん@ピンキー
08/02/20 00:58:16 3DzF6Ogf
正直レイプはちょっと、
おまけにロボが「俺にもあいつの気持ちが少しは解る気がするんだ」と言うとは。

ごめんなさい、どうしても我慢できませんでした。

167:名無しさん@ピンキー
08/02/20 02:09:24 6n/prtvI
ロボは「レイープしたい」のが分かるって言いたかったのではなく、
「好きで好きで本当に好きなのに、その気持ちを表現できないこと」に
「分かる」って言ったのだと思う。



168:名無しさん@ピンキ192 戻192/194:先生…/5[sage] 戻193/194:先生…/5[sage] 気のせいかな! 途中が飛んでない?




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