【獣人】亜人の少年少女の絡み6【獣化】at EROPARO
【獣人】亜人の少年少女の絡み6【獣化】 - 暇つぶし2ch700:名無しさん@ピンキー
08/03/19 22:26:45 a8waDLSY
>>689
と、言うことは…だ。作品は既に完成しているわけだからすぐに上げれるわけだ。
3年ROMするよりも作品を完成させた方がよっぽど礼儀がいいと思うけん、とりあえず上げんしゃい。
と、いうか…本人が叩かれるなんて思っても実際はそんな事はないけん大丈夫よ。

701:名無しさん@ピンキー
08/03/19 23:50:31 rdpepmXh
男は度胸!なんでもためしてみるのさ。

というわけで作品の残りきぼんぬ

702:名無しさん@ピンキー
08/03/20 16:57:39 gCXVKJsq
>>697が夜勤から帰って来ない様だが
まさか…

703:名無しさん@ピンキー
08/03/20 18:15:17 a/8anjYb
夜勤だから夜行性の動物にTFさせられて仕事

だが朝方になって戻して貰えなかった。↓
書けないけど嬉しい ←今ここ

704:名無しさん@ピンキー
08/03/21 01:46:47 cVuM/hWE
ゲーム系の大手派遣会社から作品求められたから以前、>>642のネタを見直して、書き直して、
ここで出してもらった意見を取り込んで企画を一から書き直したんだ。
んで、求められて修正して5日後…つまり一昨日データを送ったんだが、担当の人から返事が来ないし、
こちらから電話してもでんわ…正直、ちゃんとついたかどうか不安すぎるんだ。
いや、ちゃんとついたと仮定してそのうえで対応しないんだったら…と、思うと本気で泣きそうなんだ。
ごめん、この話題はスレ違いだわ…吊る準備しながら、妄想か何か書いてくるわ。

705:名無しさん@ピンキー
08/03/21 07:52:43 TLQpdFS1
駄目だ。
そんなことでへこたれちゃあ男が廃るぜ。

一個や二個の企画書ぐらい失敗したって次があるだろう。
失敗を恐れるな。

それにそんなスタンスじゃ何が良くなかったのかよく分からないままじゃないか。


とにかくガンガレ

706:名無しさん@ピンキー
08/03/21 11:02:50 HdABbFJY
投下した作品をスルーされるのが一番へこむよね。

707:名無しさん@ピンキー
08/03/22 01:17:21 ZO0swdyk
俺も反応が欲しくて書くタイプだからなー
「書ければ満足」「読んでもらえれば十分」っていう人もいるんだろうけど

でも仮に駄目だったとしても連絡寄越さないどころか
こちらからの電話にさえ出ないって一企業としてどうなのかとは思う
そういうのが当たり前な業界なのかも知れないけどさ

・・・まさか企画書だけ持ってバックれてるってことは無いよな・・・?

708:名無しさん@ピンキー
08/03/22 01:52:21 rQjo0VTe
>>700 >>701

ごめんなさい、まだ全部はできてません
でも、ROMするより作品を完成させた方が礼儀がいいというなら全力で書きます

709:名無しさん@ピンキー
08/03/22 02:13:05 idHe4Psz
>>705->>707
すまない、かなり取り乱してしまった。まずは深呼吸して落ち着こうと思うんだ。
諦めたら人生終了だよね。んで、昨日の朝連絡ついた。まぁ、問題はなさげ。
最初の電話についてだが、18時頃と遅めだったので偶然席を開けていたのかもしれん。
とりあえず、就職活動するためにバイト辞めたがNEETするのが気が気じゃないので当てにするのをやめて、
早めに策を練ろうと思う。

>>708
完成…楽しみにしてます。

710:名無しさん@ピンキー
08/03/22 16:01:41 3ZTnMUEj
>>709
とりあえず乙

でも就業時間過ぎた後に電話して反応無いってのは酷いぞ
そんな時間に外部から電話掛かってきたら
普通は相手の都合を考えて次の日に電話するのが一般的だ

それより何よりそんなカリカリしてちゃ良いものも作れんだろ
大抵の作家は数打って当ててくもんなんだから
もっと余裕持たないと世に出る前に自滅しちまうぞ

711:名無しさん@ピンキー
08/03/22 22:19:50 sRjWqQl4
>>710
後から冷静に考えたらかなり常識外れな行動だったなと猛反省してる。
いくらなんでも18時の電話は非常識で失礼すぎた…メールだって人間、1日くらいメール確認しない事くらいある。
焦る必要なんてないのに自分って何を焦っているんだろう。

>>カリカリ
今日、本当なら何か落とすつもりだったが…書けなかったよ。しかも、怖いくらいにズバリと本質を
見抜かれてる…よね、間違いなく。
今日は寝る前にホットミルクココアでも飲んで早めに寝ることにするよ。
>>710さんの言うとおり世に出る前に自滅したら、やってきた事全部が意味を成さなくなるから。

712:月下の宴(0) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:07:39 0cmETopT
  
投下します。以下、苦手な人はスルーよろしく。

・現代設定
・獣化もの
・超微量強姦未遂描写あり
・人間同士のエロあり
・狼男×狼女
・激甘

NGワードは名前欄「月下の宴」です。

713:月下の宴 [狼男×狼女](1) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:09:08 0cmETopT
   
「もぅ…何でこんなに毛深いのよぉ」
 しょりしょりと脛毛を剃りながら、大口 貴世子(おおぐち きよこ)は深く深く溜息を吐いた。
「ここ最近生えるの、めちゃめちゃ早いし……毎朝ムダ毛剃らなきゃなんない女子高生って……」
 シャワーの音で外には聞こえないが、それでも声を潜めつつ貴世子はぶつぶつと愚痴を言い続けな
がらも、手を忙しなく動かし続けた。
「腕…は、いいかな。長袖だし見えないよね。今日は体育もないし、腋は明日でいいや」
 と、言いつつも腋に目を遣ると、ふさふさと表現してしまう程、見事に腋毛が生えていて、貴世子
は、げんなりと肩を落とす。
「これじゃあ、彼氏なんて出来ないよ~」
 浴室に響き渡るほど大きな溜息を吐くと、落ち込みながら長い髪と身体を念入りに洗い始めた。


 子供の頃から貴世子は異常なほど匂いに敏感だった。
 鼻が利くだけではなく、貴世子にしか解らない匂いがあった。
 それは人から発せられている特有の匂いだった。
 人から発せられるその匂いで、貴世子のその人物への第一印象は決まるが、結局その印象は最後
まで変わる事はない。

 貴世子が彼氏が出来ないと嘆いていたが、それは毛深いだけではなく、今まで、とてつもなく好き
だと思える匂いに巡り逢えていない所為でもあった。
 無論、貴世子に告白してくる男子もいた。貴世子自身、何度か、いいなと思う男子もいた。
 しかし彼らから発せられる匂いを嗅いでみると、違うという気持ちが湧いて、好意的に思っても恋
愛感情には発展しなかった。


 すん、と可愛らしく鼻を鳴らして、洗い上げた自分の身体の匂いを嗅いだ貴世子は、眉間に皺を寄
せると、ううんと唸った。
「やっぱり、コンディショナーやボディソープじゃない匂いがする」
 花や果実のようでまるで違うような不思議な甘い匂いが、ここ最近自分から発せられているのに
気付き、毎朝体毛を剃るついでに念入りに髪や身体を洗っているのだが、日に日に匂いは強くなって
いて、心当たりもない貴世子は首を捻るしかなかった。



 それから一時間後、すっかり身支度を整えた貴世子は、学校へ向かうために駅のホームで電車を
待っていた。立つのは無論、風上だ。風下になど立とうものなら、間違いなく卒倒している。

 酷い匂いを発している人が意外に多い。
 それは歳を重ねる事に、貴世子が散々な目に合いながら学んでいった事だった。

 これだけ匂いに過敏な貴世子にとって、全く知らない赤の他人と閉じ込められる密室は、恐怖でし
かなく、その中でも満員電車は鬼門中の鬼門だった。その為電車が空いているという理由だけで、
貴世子は下り方面にある今の高校を選んだのだった。

714:月下の宴 [狼男×狼女](2) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:10:10 0cmETopT
  
 下り電車が間も無く到着するというアナウンスが聞こえ、貴世子は数歩前に出ると、黄色い線の
ギリギリに立った。と、一際強く風が吹き、貴世子は慌ててスカートの裾を押さえる。
「もう……!」
 咄嗟にスカートを押さえたお蔭で、公衆の面前で下着を晒すという恥かしい事態は免れたが、折角
綺麗にセットした長い髪は、今の突風で無残にも乱れてしまった。
 間も無く電車が到着する為、鞄の中の櫛を出して整えている時間も無く、貴世子は取敢えず手櫛で
ざっと整える。
 その時、強い視線を感じて、弾かれた様に向かいのホームへ目を遣った。

「あ……」
 思わず、貴世子の口から声が漏れた。

 視線の主は、男子高校生だった。
 身長は標準よりやや高めで肩幅が広く、均整の取れた体型。髪はストレートで前髪がやや長め。
顔は、美形の部類に入る。けれど決して女っぽくなく、野性的。
 その男子高校生を見詰めたまま、貴世子は瞬時に、そう分析した。

 貴世子には匂いに過敏以外に、もう一つ特異な点があり、それが異性を瞬時に分析する事だった。

 野性的。貴世子がそう感じたのは、それは、貴世子を真っ直ぐ射貫く彼の強い視線が、獲物を見つ
けた猛獣の目、そのものだったからだ。

 頬が、熱い。
 貴世子は火照る頬に困惑し目線を外そうとするが、射貫く彼の目がそれを許さない。
 それにしても、とてつもなく長い時間見詰め合っている気がする。
 貴世子は眩暈にも似た感覚の中で視線に囚れたまま、ぼんやりとそう思った。

「……っ!」
 緩やかに目が細められ、引き結んだ口の口角が上がり、微笑まれた。あからさまに色の籠った熱っ
ぽい目のまま。
 かっと全身に火がついた様だった。思わず息を飲んで、貴世子はその衝撃に耐える。
 崩れ落ちそうになる膝を必死で堪えるが、全身を駆け巡る甘い痺れに気が遠くなりそうだった。

 突然、突風と共に視界が遮られ、男子高校生の視線から逃れた貴世子は、呆気なく自由を取り戻し
た。電車がホームに滑り込んできて、二人を隔てたからだ。
 そこで漸く我に返った貴世子は、電車に飛び乗ると男子高校生に背を向ける席に座り、俯いて固く
目を瞑った。鞄を持つ手を、きつく握り締める。鼓動は全力疾走したかの様に跳ね上がり、身体の熱
が疼いて仕方が無い。
 あの眼差しを思い返すだけで、身体が震える。

 儘ならぬ身体を持て余しながら、はじめての事に貴世子は困惑していた。
 しかしそれ以上に貴世子が困惑していたのは、あんなあからさまな目で見られた事に対して、怒り
や嫌悪感は全く無く、寧ろ心地良いと、もっと見て欲しいと思っている事だった。

 * * * * * * * * * * *
 
 

715:月下の宴 [狼男×狼女](3) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:11:31 0cmETopT
  
「それって、真神 士朗(まがみ しろう)じゃない?」
「……有名、人なの?」
 貴世子は学校に着くと、友人の今戸 音子(いまど ねね)に、今朝ホームで逢った男子高校生の特徴
を説明して知らないかと尋ねてみた。音子は近隣高校のイケメンをチェックしており、かなりな数の
男子高校生を知っていたからだ。

「白いブレザーに青いネクタイでズボンが黒っていったらJ高しかないし、180cm前後で真っ黒の
サラサラストレート前髪長めのイケメンでしょ? やっぱ真神士朗しかいないわ」
 くるくると少々吊り気味な大きな目を貴世子に向けて、音子は呆れた様に頬杖をついた。
「しっかし、真神士朗を知らないなんて、さっすが貴世子よね~」
「だからっ! 有名人なの? その真神って人」
 音子の呆れた様子にむっとしつつ、何でこんなに必死になっているのか不思議に思いながらも、
貴世子はあの男子高校生情報が少しでもいいから知りたくて堪らず食い下がった。
「この界隈ってすっごい当りなのよ。マジイケメンが多いの。で、そのイケメンらの中でも上位に
真神士朗は入ってんの。何でもソツなくこなすしクールだし、何か影があるっていうの? 顔も綺麗
系じゃん? 『貴公子』って呼ばれてる、超・有・名・人ッ!」
 お分かり? と、音子は大袈裟に溜息を吐いて肩を竦めた。

「……綺麗系?」
 貴世子は音子の真神士朗の説明の一部分に首を傾げた。
 確かに美形だと思ったが、貴公子などと言われているような上品で繊細ではなく、野性的で猛獣を
思わせる猛々しい雰囲気を纏っていた。
 ギラギラとしたあの目。
 思わず思い出してしまった貴世子は、かっと体温が上がり、慌てて意識を他に向けようと二次関数
の問題を必死で思い浮かべた。

「はっは~ん。ようやくお子ちゃまな貴世子にも春が来たってワケねぇ」
「は?」
 突然の音子の言葉に、貴世子は素頓狂な声を上げて首を傾げた。
「アンタすっごいモテるのに全く男に興味がないからレズかと思ったけど、あたしにアピってこない
し不思議だったんだよね~ ま、アンタくらいだと真神士朗クラスじゃなきゃ惚れないってコトだっ
たってワケね~」
 したり顔で頷く音子に、目を丸くしていた貴世子だったが、漸く言われた事が飲み込めると、違う
と思いっきり首を振って否定した。しかし、
「こんな真っ赤な顔で言われても、ね~ 照れない照れない」
と、確かに真神士朗の所為で赤くなった頬でいくら言い募っても、音子にはまるで通じなかった。

 * * * * * * * * * * *

 朝からとてつもない体験をした貴世子は、今日の授業が全て終り、ほっと息を吐いた。
 しかし音子との朝の遣り取りがこれで終る筈もなく、貴世子は音子に拉致られ駅前のファースト
フード店で、真神士朗のどこに惚れただのと根掘り葉掘りの尋問を受ける羽目に陥っていた。

 何とか今朝の事を誤魔化す事には成功したが、結局音子は貴世子が真神士朗に惚れていると勘違い
したまま、時間も遅くなったのでお開きとなった。


716:月下の宴 [狼男×狼女](4) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:12:50 0cmETopT
  
 朝以上に閑散とした帰りの電車に揺られながら、貴世子は真神士朗について色々と考えていた。

 先程までいたファーストフード店で、貴世子は今朝の男子高校生と音子に聞いた真神士朗は、別人
だと言い張っていた。
 イメージとかけ離れ過ぎているとあまりにも貴世子が訝しむため、音子の知り合いが携帯で撮った
という写真をメールしてもらいそれで確認をした。そこに写っていたのは紛れもなく、今朝貴世子が
見た男子高校生、真神士朗だった。
 しかし写真の真神士朗は、こちらを見ていないと言う事もあるかもしれないが、野性味はあるもの
のギラついた感じはなく、『孤高』という言葉そのものだった。

 こっちを向いて。私を見て欲しい。

 何故そんな事を思ったのか。
 貴世子自身も解らないが、写真の真神士朗の横顔を見て、堪らずにそう願っていた。


 貴世子の利用駅に着くと既に22時を回っており、普段ならこんな遅い時間に帰宅すれば両親から
こっ酷く叱られるのは必死だが、昨日から両親揃って法事に出掛けており、貴世子は中学生の弟と
二人で留守番をしていて、咎める人は誰もいなかった。
「お菓子、買って帰ろうかな」
 どっぷりと真神士朗の事を考えてしまった貴世子は身体が火照り、その火照りを冷ます為にも、
このまま真っ直ぐ帰る気になれず、少し遠回りをしてコンビニにでも寄ろうと考え進路を変えた。

 さわりと正面から頬を撫でていく風が気持ち良いと、貴世子は長い髪を遊ばせながら、大きめな
公園内を歩いていた。時間も時間なので公園内は誰も居らず、風が木々の葉を揺らし、貴世子はその
音に耳を傾けながら、真神士朗にも聞かせたいと思い、また体温を上げた。
 真神士朗の事ばかり考えてしまう。
 そんな自分を持て余して貴世子は、はぁ、と熱を逃がすように溜息を吐く。

「随分と色っぽい溜息つくんだなァ、オイ」
 後ろから掛けられた下卑た言葉に、貴世子は振り返り眉を顰めた。
 20代半ばの中肉中背の男が、ニヤニヤと口元を歪ませ澱んだ目で貴世子を見ていたのだ。

 頭で警鐘が鳴り響く。貴世子は迂闊にも広く閑散とした公園内に入った自分を呪った。
 しかし今は逃げる事が先だ。後悔なら後でいくらでもすればいい。そう思い直した貴世子は、頭の
中で逃げるルートをシミュレートしながら、男の動向を伺っていた。
 だが、目の前の男が消えた。
「え……?」
 驚きに目を瞠った貴世子は次の瞬間、男の顔がアップで目の前に現れたかと思うと、呆気なく押し
倒されていた。何が起きたのか、あっという間の出来事に貴世子は呆然とするしかなかった。

 身体を押さえられ息が掛かるほど男が接近し、漸く貴世子は我に返ると顔を背け、抜け出そうと
滅茶苦茶に暴れる。
「嫌ッ! 離してっ!」
 しかし男の力は凄まじく、いくら暴れてもびくともしない。
「アァ、やっパり、オマエ、牝の、いい匂イがすルなァ……牡を、誘う、匂イ、ダ」
 貴世子の首元に鼻を近付け、男はワザとらしく鼻を鳴らしながら匂いを嗅いでそう言った。


717:月下の宴 [狼男×狼女](5) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:14:11 0cmETopT
  
 男から急にムワッと酷く生臭い匂いが漂い、貴世子は強烈な吐き気に襲われ顔を背けた。
「こンな、匂ッて、牡、誘イやがっテ、早ク、突っ込ンで、欲シ、んだロォ!」
 その言葉と共に貴世子のスカートが捲り上げられ、ヌメヌメとしたものが下着を掴んだ。
「嫌ぁっ! 止めてっ!」
 吐き気も忘れ、貴世子は震える身体を必死で動かし、男を仰ぎ見て凍りついた。

 男の顔や首、見えている皮膚が何かで覆われていた。
 それより、皮膚が緑色だった。
 目が丸かった。丸い目に、見覚えがある。
 口が横に長く裂けて、ギザギザの歯が見えた。

 皮膚を覆っているのは、鱗、だ。丸い目は、そう、まるで、魚。

「な、に……?」
 喉がひりつき、上手く声が出せない貴世子はそう呟き、のっぺりとした顔を凝視するが、男は全く
気にもせずに、貴世子の下着を脱がしはじめる。
「ヤ、ヤダッ! やめ、止めてッ!!」
 ばたばたと脚を動かし抵抗を試みるが、男のもの凄い力に負けて下着は脱がされていく。

 目頭が熱くなる。遂に下着が脱がされてしまった。
 冷たくヌメヌメとした男の手が卑らしく貴世子の太腿を撫で回し、徐々に秘所へと這い上がってく
る。その動きは貴世子にとって、おぞましさと恐怖でしかなく、男の拘束から逃れるために狂ったよ
うに、もがき続けた。
「電車ノ中、発情シた牝の匂イ、プんプンさせヤ、がッテ……犯シて、欲しカっタ、ん、だロ、
ダかラ、こンな、人、いなイ、公園ニ誘ッた」
「ちがっ……違う! そんな事っ…私っ!」
 貴世子は怯えながらも回らない口で必死に否定するが、男は意に介さずニタリと裂けた口で嗤い、
茂みの奥に手を滑らした。
「ヒッ!」
 誰にも触れられた事のない貴世子の秘所を、男の鱗まみれのヌメヌメした指が嬲るように輪郭を
なぞり上げる。

 恐怖と嫌悪感、悔しさと怒りと悲しみ。全てが綯交ぜになったぐちゃぐちゃな感情に身体を小刻み
に震わしながら、貴世子はいっそ死んでしまいたいと唇を噛み締めた。


 にわかに月が翳った。
 その時、闇から踊り出る影が一つ。
 軽い身のこなしで一足で貴世子に伸し掛かる男の背後までやってくると、大地を蹴り上げ宙に舞い
長い右脚を一回転させ、男の側頭部を思いっきり蹴り飛ばした。

 空を切る鋭い音と鈍い破壊音を捕らえた瞬間、突如視界が開け拘束されていた身体が自由になり、
貴世子は何が起こったのか解らないまま、呆然と動きを止めた。


「俺の女に何してるんだ……この半魚野郎!」
 貴世子の前に立ちはだかると、男に対峙した影はそう一喝した。


718:月下の宴 [狼男×狼女](6) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:15:34 0cmETopT
  
 のそりと男は起き上がると距離を取ったまま、濁った魚の目で影を睨め付けた。
「陸で俺に勝てると思ってるのか? ぶち殺すぞ、半魚」
 更なる影の恫喝の後、みしみしと何かが軋むような音が影からし、次いで獣の様な低い唸り声が
辺りを震わせた。
「……オレノ、獲物、横取り、スる、の、カ」
「何度も言わせるなよ、これは俺の番(つが)いだ。女なら水棲人(すいせいじん)同士で捜せ」
 男の反論に物ともせず、影は鼻であしらう。
 ギリギリガリガリと耳障りな音が男から発せられる。しかしそれを上回る、先程よりも低く獰猛な
獣の唸り声が、全てを圧倒した。
 耳障りな音が途端に止み、男はびくりと身体を震わせると踵を返し、闇に紛れ逃げ出した。


 貴世子は、ちりちりと項の毛が逆立つ様な不思議な感覚に捕われたまま、影から目が離せないで
いた。
「ふー……遅くなってごめんな。駅前で気付いて追いかけてたんだけど、急にお前の匂いが消えて
見失ったから焦った。こんなことなら学校行かないで、お前のこと拉致っときゃよかった」
 大きく息を吐き出すと、そう言いながら影は貴世子の傍らにしゃがみ込み、仰向けに寝転がったま
ま呆然としている貴世子を覗き込んだ。
「……大丈夫か?」
「あ……」
 そこで漸く、貴世子はその影の正体が真神士朗だと気が付き、小さく声を上げた。
 士朗は黙ったまま形のいい眉を顰め心配顔で貴世子を伺っていたが、僅かに目を見開くと直に目を
細め、微笑んだ。

 貴世子は震えた。身体中が熱くて堪らなくなり、頭がくらくらする。
 今朝ホームで見た、士朗のあの笑顔と全く同じ笑顔が間近にある。
 しかしそれ以上に貴世子の身体の熱を煽り、頭の芯を蕩すものがある。それは、はじめて嗅ぐ、
士朗から漂い香る、匂いだった。

「!……そんなに誘うなよ。我慢が効かなくなるだろ?」
 士朗は苦笑すると、貴世子の頬を一撫でした。
「はっ、あぁん……」
 とけちゃう……と、貴世子は士朗に触れられ声を上げてしまったが、そんな事は今は気にもならず、
頭も身体も熱く溶けてしまったかの様に、くたりと力を抜いた。
 とろんとした目は潤み、小さく喘ぐ薄く開いた口からは、ちらちらと赤く熟れた舌が覗く、上気し
た顔。そして、甘く甘く香り思考を蕩す蠱惑的な牝の匂い。
 その嬌態と、強烈に香る本能に訴えかけ理性を壊そうとする貴世子の匂いは、目の前の士朗の牡を
誘って止まず、士朗は渇く喉を押さえ切れず、何度も唾を飲み込む。何とか正気を保とうとするもの
の、士朗も限界が近い。
 辛うじて残っている士朗の理性が、このまま貴世子がこの匂いを放ち続ける事を危険だと告げる。
 それを言い訳にして、士朗は今の状況を落ち着かせる方法を取る事を決めた。

「本当は、もっときちんとした順序を踏みたかったんだけどな……時間もないし、このままじゃマズイ
んだ。後で求愛もするし可愛がるから……今は我慢しろよ」
 しかしその後が続かず、士朗は言葉を捜し、やや気まずそうに貴世子に尋ねた。

「俺は、真神士朗……お前の名前、教えてくれ」
「……きよこ……大口、貴世子」
 漸く名乗りあった二人は、熱の籠った視線を絡め合うと、抱き合った。


719:月下の宴 [狼男×狼女](7) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:16:54 0cmETopT
  
 貴世子に覆い被さった士朗は、貪る様に唇を奪う。
 間近で嗅ぐ互いの匂いに益々煽られ、荒くなった息を上げながら、舌と舌を絡め合う。
「んんぅっ!」
 士朗のごつごつとした指が秘所に滑り込み、瞬間、貴世子は電流が走ったような衝撃に、一際高い
くぐもった声を上げた。
「んっ!…ぅんっ!…んぁ! んむぅ!」
 貴世子は口内を貪られたまま、秘所から溢れる蜜を確かめる様に、掻き出す様に、擦り付ける様に
蠢く士朗の指に翻弄され、ぎゅうぎゅうと士朗の首にしがみ付くしかなかった。

 士朗はびしょびしょに濡れた指を引き抜くと、窮屈なズボンの前を寛げ痛いほど張り詰めた怒張を
取り出し貴世子の秘所に宛がうと、名残惜しげに熱く滑る貴世子の口内から舌を抜いた。
「声はなるべく我慢してくれ。ここ、肩、思いっきり噛んでいいから」
 そう言うと士朗は貴世子の頭を抱き込むようにし、自分の肩口に口が当るように誘導した。
 一気に貫きたい欲望を我慢し、士朗はゆっくりと傷付けない様に、貴世子の肉襞を押し開きながら
怒張を沈み込ませていった。
「んっ! んんんんんんぅっ!!」
 いくら蜜が溢れかえってるとはいえ初めて迎え入れる怒張は大きく、引き裂かれたような痛みに
貴世子は思わず、口元に当っている士朗の肩に噛み付き、しがみ付いた。
「……っ!」
 噛み付かれた痛みに顔を歪めたが、士朗は更に貴世子の頭を強く肩口に押し当てると、緩やかに
動き始めた。

「ぃ、うっん! んっ! んぅ! んんっ!」
 士朗が動く度に痛みが襲い掛かり、貴世子は必死でしがみ付き唸りながら噛み付いていたが、嫌だ
とも止めて欲しいとも思わなかった。
 さっきの変な男には触られるのも嫌だったのに……この人には、真神士朗には、もっと触って、
もっともっといっぱいにして欲しい。
 貴世子は士朗の匂いに満たされ揺さ振られながら、そう思う。その時、士朗に擦り上げられた肉襞
から、痛みとは違った痺れのようなものが、じわりと全身に広がった。
 その痺れは甘く込み上げるように抽送の度に大きくなり、痛みを凌駕していった。
「ふぅ…!…んっ!…っんあ! ああっ! あんっ!」
 噛み付いていた口元が弛み、貴世子の口からは甘い声が上がり始める。
 士朗は貴世子に噛み付くように口付け、蠢く小さな舌を甘い嬌声ごと搦め取ると、限界の近い怒張
で激しく突上げ攻めたてた。
「ん、んぅぅぅぅぅぅぅんっ!」
 びくりと貴世子が身体を仰け反らせ身体を小刻みに震わす。ぎゅうっと促がす様な締め付けに、
士朗は怒張を引き抜くと、貴世子の制服で覆われた身体に己の精を放った。

 余韻に浸る間も無く、士朗は散らばった荷物を手繰り寄せると、貴世子を横抱きにし、顔を覗き
込んだ。
「大丈夫か?」
「……ん?」
 いった後のとろんと溶けた目で見詰め返した貴世子に、士朗は満足そうに微笑むと、滑らかな頬を
二回舐め上げた。
「しっかり掴まってろよ?」
「ん」
 こくりと幼子の様に頷いた貴世子は、疑いもなく士朗の首にぎゅうとしがみ付く。
 その全幅の信頼に、士朗はくすぐったさと誇らしさとで今までにない幸福を感じ、貴世子をぎゅっ
と抱き返すと、両足に力を込めて跳んだ。


720:月下の宴 [狼男×狼女](8) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:18:13 0cmETopT
  
 力強いのに意外に静かなその跳躍は、地面を蹴り上げて綺麗な放物線を描き軽やかに着地した。
 士朗のその跳躍は明らかに人間離れしていた。まず距離や高さが尋常ではなく、助走無しに5~6m
も先に着地し、そして放物線を描いた時の最大の高さも2~3mあった。
 更にその跳躍を士朗は貴世子を抱えながら、一度ならず繰り返し行なっているのだ。

「あ、お月様……」
 貴世子は士朗の肩越しに見えた、大きな丸い月を見上げた。
「ああ、良い月だな」
 貴世子の呟きに答えた士朗は、漸く見えた我が家に、ほっと息を吐いた。
 
 
 * * * * * * * * * * *
 
 
 貴世子を抱えたまま士朗は家に入ると玄関で立ち止まり、二階に続く階段の最上部の奥を、目を
細めて見遣やる。が、直に視線を外すと、そのままリビングへと向かった。

 リビングに入った士朗は貴世子の服を全て脱がし自分も裸になると、その服を持ってリビングを
出ていってしまった。貴世子は熱っぽい身体をソファーに預け、じっと士朗を見詰めていたが、姿が
見えなくなると途端に堪らないほどの寂しさに襲われ、後を追おうと立ち上がろうとした。
 しかし、全く力が入らず起き上がる事すらままならない。
「う……うぅぅ……」
 悔しさと寂しさと悲しさとで、貴世子は小さく唸りながら涙を溢れさせた。

「何で泣いてるんだ?」
 ぼやける視界に、いつの間に戻ってきたのか、求めて止まなかった士朗が困惑した表情で映し出さ
れ、貴世子は安心感から更にぽろぽろと涙を零した。
「だっ、て……真神、くっ、ん、…急に、いなく、なっ、ちゃっ…うん、だ、もんっ」
 しゃくりあげながらも途切れ途切れに訴えかけた貴世子の言葉に、士朗は申し訳なさと嬉しさとい
う相反した感情と愛おしさとで、貴世子を抱き締めた。
「ごめん。服、洗濯機に入れてきた」
「もぉ…何、それ……真神くん、偉すぎ」
 服を脱いだ事で互いの肌の感触、体温が伝わり、匂いも先程よりも遥かに香ってきて、貴世子は
涙も止まり落ち付きを取り戻した。
「『真神くん』って、そんな他人行儀な呼び方するな、貴世子」
 貴世子の耳朶を甘噛みしながら、わざと士朗は息を吹きかけるように話した。
「んっ!…あっ、……わ、解ったからっ、士朗…くんっ」
 耳や首筋を柔らかく甘噛みされ、貴世子の息は上がり身体は跳ね、どうしても反応してしまう。

 貴世子の素直な身体に、このまままた交わりたくなるのをぐっと我慢すると、士朗は名残惜しげに
首筋を舐め上げ、そっと身体を離した。

「士朗くん?」
 どうして? と首を傾げた貴世子に、士朗は安心させる様に微笑みかけると、時間だ、と呟いた。

「ほら、望月が中天にかかるぞ」
 士朗が指差したリビングの窓から、満ちた月が二人を煌煌と照らしていた。


721:月下の宴 [狼男×狼女](9) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:19:31 0cmETopT
  
 突然、その変化は現れた。
「ぐっ……」
「士朗くん?」
 俯いた士朗の表情は長い前髪に隠れて見えなくなり貴世子は心配になったが、それよりも何かが
起こると、成り行きに任せろと、本能が告げる声に従い、士朗の変化を一つたりとも見逃さないよう
食い入る様に見つめた。

 両膝を付いて座っていた士朗は、両手も床に付けると肩を強張らせる。
「ぐっ……うぅぅ……」
 低い唸り声を発している士朗の髪が、風もないのにさわさわと揺れはじめた。そして次の瞬間、
ざわざわと髪が伸び顔や首、背中を覆い始めた、かのように見えた。しかし事実は、顔、首、背中、
胸、腕、脚の皮膚の表面から、被毛が急速に生えていったのだ。そしていつの間にか髪は短くなり、
漆黒から全身を覆う被毛と同色の白銀に変化していった。
 白銀の被毛が全身を覆う中、身体にも大きな変化が見え始めた。
 ごきんごきんと鈍く響く音と共に、明らかに士朗の身体が大きくなり骨格が変わり始め、めきめき
という音と共に、手や足にも変化が起こる。
 大きくなった手は節榑立ち爪が伸びて鋭く尖り、掌の指の付け根には掌肉球が指の腹には指肉球が
出来、足は踵から爪先までが、ぐんと伸びて手と同様に爪が鋭く伸び、足の裏の付け根から半ばまで
遮肉球が指の腹には趾肉球が出来た。
「うぅぅぅぅ……」
 低く唸りながら胸を張り顔を上げた士朗の口吻(こうふん)が前面に迫り出し、鼻の先端が黒くなり
鼻鏡が出来始め、白銀の被毛に覆われた耳も上部に移動し、先端が丸みを帯びた三角形の耳に姿を
変え、がっしりとした頸部を他より長めの被毛がふわりと覆う。
「ぐぅぅぅぅぅぅぅ……」
 士朗の唸り声が更に低くなると同時に、なだらかになった額から額段のない長く真っ直ぐ伸びた
鼻梁が出来上がり、大きく深く裂けた口からは、やはり大きく鋭く尖った歯牙が剥き出しになる。
 そして尾骨の辺りが盛り上がると、それは徐々に伸びふさ状の毛に覆われ、尻尾になった。
 頭部の骨格は獣そのものであるが、僅かに目や口元に人間らしさが垣間見られる。身体の方も骨格
は人間よりで、全身を覆う被毛や尻尾や爪以外は、一見で狼の特徴らしき所は解らない。
 背は10cm以上伸び、身体も一回り以上大きくがっちりとして、被毛に覆われていても靭やかな筋肉
が付いていることが見て取れる。

 一つ唸り身体を伸ばすと、人狼に変化した士朗はゆっくりと目を開き、切れ長で吊り上がった鋭い
金色の目で、ひたりと貴世子を射貫いた。

「おおかみ……?」
 士朗を見詰めたまま、うっとりと貴世子は呟く。
「そう、人狼だ」
 頭部は殆ど狼だというのに、士朗は淀みなく人語で貴世子の問いに答えた。
 いいなぁ……と、貴世子は羨望の眼差しで士朗を見詰める。
「貴世子」
 士朗は目を細め、何もかも解っているような微笑みを貴世子に向けた。

 その時だった。

「あ!……う……うぅ……」
 突如、貴世子は身体の異変に、戸惑いの声を上げた。
「熱い…身体っ……変っ!」
 ソファーにしがみ付き、貴世子は突如燃え上がった熱を逃がしたくて、声を上げながら身を捩る。
 さわさわと貴世子の髪が揺れる。士朗と同じ様に被毛が全身を覆い、骨格が変わり、口吻は迫り
出し、耳は上部に移動し三角形に尖り、爪が伸び、尻尾が生える。


722:月下の宴 [狼男×狼女](10) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:20:51 0cmETopT
  
 士朗と大きく違う点といえば、ふさふさした毛を押し退けて、薄っすらと毛が生えた白く豊満な
乳房が迫り出している事と、若干身長が伸びたものの人間だった頃と大して体格が変わっていない
事だった。
 しかし艶やかな毛並みの上からでも筋肉が靭やかに付いている事が解り、それが女性特有の円みと
相まって、士朗の力強く猛々しい人狼とは違い、美しく艶めかしい人狼を形作っていた。

「白狼か…!」
 貴世子の変化を固唾を呑んで見守っていた士朗は、純白の毛に覆われた貴世子の美しいその姿に
感嘆の声を上げる。
「あ……ふ……うぅぅぅぅん」
 熱い吐息を漏らすと、士朗に視線を合わせた貴世子は含羞んだ。


 射し込む月光に照らされ、白銀の人狼と純白の人狼は、引き寄せられる様に互いに歩み寄る。

「……綺麗だな」
 貴世子の頬に手を滑らせ、士朗は柔らかく美しい純白の毛並みを楽しむ。
 士朗の大きな手が撫でる優しく甘い感覚に、貴世子はうっとりと目を細めると欲するままに手を
伸ばし、士朗の銀色の毛並みに触れた。
「士朗くんは銀色だね、綺麗……」
 ゆっくりと互いの毛並みを撫でたり擽ったりしながら、じっと見詰め合う。黙ってはいるが、立ち
上る香りはどんどん思考を鈍くして情欲を煽る。

 先に動いたのは士朗だった。
 鼻先を近付けると長い舌で口元を舐め上げ、貴世子の薄く開いた口に透かさず侵入すると、歯と
歯肉をなぞる様に舐める。
「あ…ふぅ…ぅんっ……」
 貴世子の口から鼻に掛かった声が上がりはじめると士朗は舌を引き抜き、鼻先を頬や首筋に擦り
付けながら、長い舌でなぞる様にべろんべろんと舐め上げた。
「ふぅぅん……あふっ…くぅぅんっ……」
 貴世子もまた甘える様に応える様に、鼻先を士朗の首筋に擦りつける。
 そして士朗の牙が肌を傷付けない様に優しく、しかし刺激になる絶妙な力加減で、ぴくぴくと動く
貴世子の可愛らしい耳や、長めの毛に覆われた首筋を甘噛みする。
「くぅんっ!…あ、ふっ! くぅぅんっ!」
 甘い刺激に貴世子は堪らず士朗に縋り付くと、身を捩りくねらせ、無意識に士朗を煽る。

 熱い息を吐き跳ねる身体をそっと押し倒すと、士朗は月光に照らされた貴世子の肢体に見惚れた。
 士朗にじっと見詰められ、貴世子は恥かしげに身体を震わす。その拍子にたわわな乳房がふるんと
揺れ、誘われるままに士朗は手と口元を近付けた。
「…ふぁっ!…はぁんっ!…あっ!…あぁん!」
 淡く色付きぴんと尖った先端を緩急をつけながら擦り付けたり弾いたりと、少しざらついた舌が
這いまわり、両手は乳房を揉みしだく。その動きに貴世子は甘い声を上げ続けた。

 貴世子から立ち上る甘い香りが更に濃厚になり、士朗は誘われるままに乳房から毛に覆われた臍を
辿り、脚を押し広げる。と、濡れそぼった秘所から、理性が飛びそうなほど甘く蠱惑的な牝の匂いと、
微かに混じる破瓜の血の匂いが、むわりと立ち込めた。
 ごくりと喉を鳴らすと、士朗はべろりと秘裂をなぞる様に舐め上げる。
 甘酸っぱく、ちょっとしょっぱく、そして僅かな血と精の味。
 もっと、という欲望のまま、士朗は鼻先を押し付ける様にして、夢中で舐めはじめた。


723:月下の宴 [狼男×狼女](11) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:22:11 0cmETopT
  
「ひぅんっ! はぁんっ! あぁんっ! あっ! あぁっ! ひゃぁんっ!」
 最初は秘裂や淫核を舐めていたが、段々と秘裂の奥に奥に肉襞を掻き分け、長い舌を潜り込ませる
と、溢れ続ける蜜を士朗は貪り啜る。
 押し入られた士朗の舌に痛みはなく、寧ろ蠢く度に快感が背筋を駆け上り、貴世子は嬌声を上げ
続けながら、翻弄されていた。

「しろっ…く、んっ! も、だっ…めぇ…!」
 過ぎる快感にそう口にした貴世子の言葉に従い、士朗は舐めるのを止めると身体を起した。
「はっ…はっ…はっ…はっ…」
 舌を出し忙しなく荒く短い息を吐く貴世子に覆い被さり、鼻先を近付けその舌を一つ舐め上げると
士朗は貴世子の腕を自分の首にしっかりと巻きつける。

 貴世子は自分よりも少し硬めな士朗の毛並みに頬を摺り寄せ、緩やかに抱き付いた。しかし次の
瞬間、貴世子は思いっきり士朗にしがみ付き、つき抜ける衝撃に耐えなくてはならなかった。
 士朗がその腹まで反り返った怒張で、貴世子を貫いたからだ。
「きゃ、うううううううんっ…!」
 人間の時より遥かに大きくなった怒張は、ぐいぐいと肉襞を擦り上げながら押し広げ奥へ進む。

「……大丈夫か?」
 怒張を根元近くまで納めると士朗は動きを止めて、貴世子の頬や涙の滲んだ目許を優しく舐める。
「ん……平気」
 動きが止まったお蔭で抉じ開けるような衝撃がなくなり、貴世子は緩く息を吐くと微笑んだ。
「爪、立てたって、噛み付いたっていいんだぞ?」
 首に回した貴世子の腕はしっかりとしがみ付いているのに、その鋭い爪の感触は何時までたっても
訪れず、士朗は遠慮なんてしなくていいと耳に舌を這わせながら囁いた。

「……やだ…士朗くんが傷ついちゃう」
「貴世子……」
 ふるふると首を振り金色の目を潤ませ頬を上気させて、そんな台詞を言うなんて反則だ、と士朗は
胸中で叫びながら貴世子をぎゅっと抱き締めると、互いの鼻先がくっつく程身体を起した。
「お前、可愛すぎ」
 え? と貴世子が目を丸くして聞き返そうとしたが、すぐさま士朗の長い舌で口元を舐められ、
言葉にならない。
「舌、出して」
 しかし舐めている士朗は器用にも舐め続ける合間に、貴世子に舌を出す様に促がす。おずおずと、
しかし言われた通りに貴世子は舌を差し出すと、士朗は同様に出した自分の舌でべろりと貴世子の
舌を舐め上げる。
 ぞくりと背筋を駆け上がる感覚に、貴世子は舌を引っ込めかけるが、士朗の舌が執拗に追い掛け
絡め、それを許さない。
「…はっ…あ……ふっ…ぅん…んんっ…」
 舌先を硬く尖らせ表面や側面をなぞったり、唾液を啜ったり逆に擦り付けたりしながら、士朗は
甘えた声を漏らし身体を震わす貴世子の反応を、目を細め愉しむ。

 士朗の舌が這う度に、ぞくぞくとした感覚が身体中に広がり甘い痺れとなって、貴世子の強張って
いた身体を解し溶けさせてゆく。と、滑る舌に擽られた拍子に、解れて柔らかくなり怒張を包み込ん
でいた肉壁がきゅうと締り、じわりとしかし一瞬にして強烈だがもどかしい快感が全身を駆け巡り、
貴世子は身体を大きく震わせ高く鳴いた。


724:月下の宴 [狼男×狼女](12) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:23:30 0cmETopT
 
 怒張を咥え込んだままの肉壁は、その締め付けを合図に貴世子の震えに敏感に反応し、妖しく蠢き
士朗を刺激しながら誘惑する。
 士朗の限界も近い。しかし今すぐ動きたい衝動を抑えつけ、士朗は貴世子の舌を解放した。

「貴世子、痛くないか?」
「ううん……痛く、ない…けど」
「けど?」
 困ったように恥かしげに貴世子は士朗を見つめ、何かを言おうとするが口籠ってしまう。
「貴世子?」
 士朗は貴世子の頬や首筋の毛の流れに沿って、促がす様に何度も優しく舌を這わす。
 それに励まされたのか貴世子は、漸く重い口を開いた。
「あ、あのね…何か、変…なの」
「変?」
「うん……」
 そこで言葉を途切れさせた貴世子に、士朗は舌で白い毛を撫で付けつつ、少し意地の悪い気持ちに
なりながら、しかし表面には出さない様、優しく問い掛ける。
「どう変なんだ?」
「え、っと……じんじん、する…の」
 恥かしさで語尾が消えそうなほどの小声になりながらも、貴世子は何とかそう言う事が出来た。
 しかし、どこが? と、士朗に訊き返され絶句した所に、ちゃんと言ってくれないと解らない、
と、更なる追い討ちをかけられ、貴世子は全身から火が吹き出るほどの羞恥に眩暈がした。
「貴世子?」
 そんな貴世子の狼狽え恥かしがる姿を愉しんでいる士朗は、わざと神妙な表情を作りながら促がす
様に名を呼んだ。
 真正直に士朗の言葉を信じた貴世子は、口を開いたり閉じたりと逡巡するが、漸く決心が固まった
のか、引き結んだ唇を解いた。

「あ、あの、ね……」
 潤んだ目と益々熱くなる身体で恥かしさに耐えながらも、懸命に言おうとしている貴世子に煽られ
つつ、士朗はその言葉を待った。
「あ、あ、あそこ……し、士朗くんと、繋がってる、所…が、じんじんして、変なの……」
 そう言うと貴世子は恥かしさで、士朗の首筋の豊かな毛に顔を埋める様にしがみ付いた。
 良く出来ました。と、その可愛らしい仕草に笑みを湛え、士朗は貴世子の耳を甘噛みしながら、右
手を器用にも滑り込ませた。
「きゃうんっ!」
 目一杯広がり怒張を咥え込んだ秘所を撫でられ、貴世子は堪らず声を上げる。
「ここか?」
 士朗の少し硬めの指肉球がゆっくりと何時の間にか零れていた蜜を塗りつけながら確かめる様に
陰唇をなぞり、貴世子はぞくぞくと背筋を這い上がる感覚に甘い声を上げつつ頷いた。
「ぁんっ…そこ…っん…あ…や…待っ、てぇ…あっ!」
 敏感になった陰唇をなぞられる度ひくんひくんと肉壁が細かく蠢き、それが怒張の大きさと硬さと
熱を伝え、貴世子はもどかしい熱に苛まれ無意識に逃げるよう腰をくねらす。
「あああんっ!」
「……っ」
 その動きは思わぬ刺激をもたらし、貴世子は一際強く怒張を締め上げしがみ付く腕に力を込める。


725:月下の宴 [狼男×狼女](13) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:24:48 0cmETopT
 
 限界だ。思わぬ締め付けに、そう声にはせず呟いた士朗は、焦らない様自分に言い聞かせながら、
緩慢に腰を引き沈める。
「…は、ああぁぁんっ!」
 苦しさと圧迫感は無くなっており、逆に怒張が出ていこうとする軽い喪失感と、じわりと甘い痺れ
が広がり切ない溜息が貴世子の口から漏れるが、すぐさま圧倒的な大きさと硬さの怒張が肉壁を擦り
掻き分け沈み込むと、目が眩む程の快感が一瞬にして全身を襲い、一際高く鳴いた。

「気持ち、いいか?」
「は…あ…うん……気持ち、いい…よぅ」
 その声ともっと奥へと誘う様にひくつき滑る肉壁の感覚に、士朗は貴世子の快感を見て取ると緩や
かに抽送をはじめた。
「あっ!…んっ!…あぁ!…あんっ!…あぁっ!」
 差し迫る嬌声や大きくなる淫猥な水音に合わせ、徐々に単純な抜き差しから緩急をつけ、ぎりぎり
まで引き抜いたり擦りつける様突上げたりと、士朗は激しさを増していく。

「……貴世子っ」
「あぅぅんっ! し、ろ…くんっ! だめぇ!…おかしく、なっちゃ…! ああっ!」
 はじめて感じる強烈な快楽に、貴世子は回らない舌を必死に動かし懸命に士朗に訴えかける。しか
し抜き差しする度に起こる肉のぶつかる音や、溢れる蜜や滲む汗の濃厚で淫靡な匂い。そして全てを
超絶する快楽。それらが理性を焼き尽くし脳を全身をも蕩けさせ、言葉とは裏腹にその身体は、士朗
の腰に脚を絡め、貪欲に快楽を求める。
「もっとだ」
 甘い声で拒絶しているのに、しっかり絡みつく貴世子に舌舐めずりをした士朗は、細い腰を更に
引き寄せると、より深く怒張を沈み込ませ、とうとう根元まで咥え込ませた。
「ああぁぁぁんっ!」
 身体を仰け反らせた貴世子をしっかりと抱き締めた士朗はそこで動きを止めると、鼻先を貴世子の
頬に擦り付け、甘く香る匂いを胸一杯吸い込んだ。

「解るか? 全部入ったぞ」
「…ぜん、ぶ?」
「ああ、根元まで全部」
 どこか恍惚とした蕩けた表情と声で、貴世子は短く熱い息を吐きながら、士朗を仰ぎ見る。
「ほんと…士朗くん、で…いっぱい……」
 うっとりと甘い溜息を漏らし、情交の匂いを吸い込む。
 人間であった頃より遥かに嗅覚の鋭くなった人狼の鼻には、互いの体臭、汗や唾液の匂いや、繋
がった場所から漂う牡と牝の匂いが鮮明に感じられる。

「もっと、おかしくなれよ」
 欲に濡れ潤んだ金色の目が、欲に塗れたぎらつく金色の目を捕らえると、僅かに残っていた理性の
欠片は消え失せ、後は本能と欲望のまま。


726:月下の宴 [狼男×狼女](14) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:26:05 0cmETopT
 
 獣の息遣いと淫らに響く水音。絶え間無く上がる嬌声。立ち込める牡と牝と情交の淫猥な匂い。
 その只中で絡み合うのは、ただの獣。
「あっ! あぁんっ! あぁっ! あっ! あぁ!」
 乳房を揉み拉かれ激しく腰を打ち付けられ、貴世子は鳴きながら貪欲に腰を揺らす。
 止めど無く蜜を溢れ続ける秘所は怒張を搦め捕り、きゅうきゅうと締め付けながら最奥へと誘う。
「あぁっ!…だめぇ! も、ああんっ!」
 過ぎる快楽に涙を零し、貴世子は一層強く士朗の腰に絡めた脚に力を入れた。
 もう少し愉しみたい気持ちはあったが、夜はまだ長い、と士朗は思い直すと、抽送を速める。
「ひあぁぁんっ! あぁぁっ! あぁっ! ああぁぁ!」
 肉壁を擦られ、大き過ぎる怒張の先端で子宮口を突かれ、貴世子は士朗にしがみ付き、快楽だけを
追い求めながら、狂った様に善がる。

「だ、だめぇっ!……あっ! あああああぁぁぁぁぁっ!!」
 ぎゅうっと締め付け身体を仰け反らせると、呆気なく貴世子は達してしまう。
 しかし、
「やぁ…っ!…ま、あぁっ!…ま、てぇっ! やぁ…っ! あぁあっ!」
抽送は止まらず、その快感にびくびくと身体を細かく跳ねさせながら、必死で貴世子は制止の声を上
げようとするが、口からは嬌声が上がるばかりで言葉にならない。

 おかしくなっちゃう、と突上げ揺さ振られる度に、瞑った目の裏の暗闇に閃光が瞬き、頭が焼き切
れそうになりながら、貴世子はそれでもいいと思った。
 きゅっきゅっと締め付け蠢く肉壁と、達した事でより淫靡な香りを放ち、悶え善がり狂う貴世子の
凄艶な姿に士朗は煽られ、精を放つため抉る様に突上げる。

「ひっああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
 瞬間、膨張し硬くなった怒張から勢い良く精が放たれ、貴世子は絶頂へと押し上げられた。
「……ぐぅっ!」
 貪欲に精を欲しがる肉壁の締め付けに、士朗は乞われるまま精を放ち続けながら、緩やかに抽送を
続ける。
「…ぅ…あ、はぁぁ……」
 長い射精が終り士朗がゆっくりと陰茎を引き抜くと、交じり合った蜜と精が一気にどろどろと溢れ
返り、貴世子は細く甘い吐息を漏らした。

 恍惚とした表情で荒い息を吐く貴世子の隣に寝転がり腕枕し抱き寄せると、士朗は目許や頬、ぴく
ぴくと動く耳を優しく労わる様に舐め、余韻を楽しむ。
 為すがまま意識を漂わせていた貴世子も少し落ち着きを取り戻し、士朗の逞しい肩口や胸に鼻先や
頬を擦り付け甘える。
 そのままお互いの毛繕いをしたり、鼻先をくっつけたり、舐めたり、甘噛みしたり、抱き合ったり
と、擽ったい甘ったるい戯れ合いを堪能した。


727:月下の宴 [狼男×狼女](15) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:27:24 0cmETopT
 
「ずっと、こうしていたいな」
 小さ過ぎる呟きだったが、士朗の耳には切なく甘い響きまで、はっきりと聞き取る事が出来た。
「……今すぐ、とはいかないが」
「え?」
 まさか独り言に返答されるとは思っていなかった貴世子は、驚き顔を上げると、真っ直ぐ見詰める
真剣な士朗の金色の目に捕われた。
「ずっと捜してた。そして漸く見つけた。逢った瞬間、お前しかいないと解ったんだ」
「士朗くん……」
 どくんどくんと高鳴る鼓動に、貴世子は知らず知らず胸の前で手を握り締めていた。
「お前は俺の番いだ。ずっと傍にいろ」
「……うん。ずっと士朗くんの傍にいる」
 きゅうと胸を締め付ける幸福感に握り締めた手を強くし、貴世子は喜びの涙を一つ零し微笑んだ。
 その言葉と笑顔に士朗は満足気に笑み崩れると、貴世子の甘い涙を舐めとり、しっかりと腕の中に
愛しい番いを閉じ込めた。


 * * * * * * * * * * *

「両親は法事でね、日曜の夜まで帰って来ないんだけど、中学生の弟と留守番する事になってて……
どうしよう…連絡してないし、一人っきりにしちゃった……」
 風呂に誘った士朗の言葉に、現実に引き戻ってしまった貴世子は途端におろおろと慌てはじめてし
まい、甘い空気は消えつつあった。
 しかし、
「携帯には弟から連絡入ってないんだろ?」
「え、うん。入ってないよ」
「なら平気だろ。明日の朝、俺も一緒にお前の家に行くから」
「来てくれるの?」
「ああ。お前の弟なら俺の弟でもあるし」
「士朗くん…ありがとう」
士朗は言葉巧みに貴世子を宥めると、甘い空気が消えるのを阻止する事に成功した。
 だが、
「あっ!」
「……どうした?」
細い肩に手を置こうとした士朗を狙ったかの様に貴世子が声を上げ、士朗は我慢強く手を降ろすと
そう聞き返した。
「どうしよう…この姿……」
 目を潤ませ心なしか耳までへたらせた貴世子の姿に、可愛いなと目許を和ませた士朗は落ち着かせ
るように手を握った。
「今度は人間の姿になる様に念じてみろ」
「人間の、姿?…うん、解った」
 貴世子は目を閉じると士朗に言われた通り、人間の姿になるように念じ始めた。
「呼吸を落ち着けて…そう、ゆっくり、吸って……吐いて。イメージするんだ」

 じわりと身体の熱が引くような感覚が広がると、ざわざわと被毛が短くなっていき代わりに髪が伸
び始め、手足、口吻も縮んでいく。
 身体から熱が引き目を開けた貴世子は、目の前の士朗の姿に唖然とした。
「士朗くん? その、姿……」
 士朗も呆然として貴世子の姿を見つめていたが、直に我に返り自分の姿を見遣ると、なるほど…と
頷いた。

728:月下の宴 [狼男×狼女](16) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:28:41 0cmETopT
 
「これが限界みたいだな」
 手足は縮み爪も少し長めだが人間とほぼ変わりない形状になり、髪型は人間だった頃に戻ったが色
は被毛と同色のままで、士朗は銀、貴世子は純白になっていた。しかし胸部、腹部の被毛は無くなっ
たが、それ以外は短くなったものの覆われたままで、口吻も短くなったが迫り出している事に変わり
はなく、頭上にはそのまま三角の耳があり、尻尾も健在だ。
「限界…って……?」
「鏡見てないから推測だが、貴世子も俺と同じで、完全には人間の姿に戻ってないから」
「えぇ!?……わあっ! け、毛がっ!? ひゃあ! し、尻尾ぉ! 耳も!」
 士朗に言われ、貴世子は自分の姿を見たり触ったりして確認しながら、いちいち驚きの声を上げて
大いに狼狽えている。
 やはりそんな貴世子の姿に頬を弛めていた士朗だったが、徐にリモコンを操作するとテレビをつけ
た。するとそこからは、興奮した様子の人犬の女キャスターがスーツ姿のまま、各地で起きている
亜人化のニュースを伝えていた。
「これ……」
「俺達だけじゃなく、世界中で起きたんだよ。まあ、人間全員が亜人化してないだろうけどな」
「じゃあ……」
 画面に映し出された様々な亜人達に、貴世子は釘付けになったまま士朗の言葉を聞いていた。
「今はまだ政府だって混乱してるだろうけど、明日の朝には公に発表とかあるんじゃないか?」
 情報が少なく繰り返し似たような画像を流し混乱しているテレビを消すと、士朗は貴世子を軽々と
抱き上げた。

「し、士朗くん!?」
「納得したところで、風呂に入るぞ」
 頬にちょんと口付けると、完全獣化の姿よりキスがし易いな、と士朗は新たな発見に機嫌を良くし、
風呂場へと向かった。
「もぉ!」
「今日は寝かせないからな」
 頬を膨らませた貴世子に士朗は、それから、と呟くと、直接耳にそう囁いた。
 途端に真っ赤になった貴世子は恥かしげに士朗の肩口に顔を埋めたが、直に首に抱き付くと、微か
な声を漏らした。
「弟の様子を見終ったら…士朗くんの部屋で、一緒にお昼寝してくれる?」
 と、突然足を止め士朗に、貴世子は顔を上げると首を傾げた。
「どうしたの?」
 返事の無い士朗に貴世子は益々首を傾げると、更に声を掛けようとするが、無言のまま士朗は踵を
返すとリビングに戻ってしまった。

「えっと? お風呂は?」
 沈黙に耐え切れず抱き上げた格好のまま座った士朗に、そう尋ねる。
「風呂はお前の家に行く前に入る」
「え?」
「可愛すぎるんだよ、お前は……いいから黙って喰わせろ」
 そう言い放ち、体温を上げ甘い匂いを更に撒き散らす身体を抱き竦め、純白の首筋に柔らかく牙を
立てた士朗の、芳しい牡の匂いに包まれた貴世子は、うっとりと目を閉じた。
 
 
 * * * * * * * * * * *
 
 

729:月下の宴 [狼男×狼女](17) ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:30:00 0cmETopT
 
 
 どうしてこうなったのかは解らない。
 しかし密やかに緩やかに、けれど確かにその兆しはあった。

 そうして、この満ちた月が次々と世界中を照らしていったのを境に、人類の約65%が亜人化し、
日本国内に至っては実に人口の約95%が亜人化した。

 各国の学者や科学者、お偉いさんらは、この亜人化をアタビズムやエボリューション、それにやた
らと長い名前を付けたがったが、日本では亜人化、又は獣化・獣人化という呼び名で定着した。

 亜人化には大きく分類して三つのタイプがあり、一つ目の獣型は日本で一番多く、国内の亜人化の
60%を占め、二つ目の鳥型は国内では二番目の30%、三つ目の水棲型は、国内では数が少なく10%
にしか満たなかった。


 こうして、亜人化が起こった世界各国が混乱を極める中、日本は持ち前の柔軟さで亜人化を受け入
れ、日本国内では暴動も大きな犯罪も戦争も起こる事無く、亜人化した新たなる国家としての態勢が
着実に整いつつあった。

― そうして、もう少し先の、しかし遠くない未来、日本は亜人の楽園と呼ばれる事になる。


【了】



730:月下の宴 ◆XxboTttDZw
08/03/22 23:31:04 0cmETopT
 
今宵は満月ですね。前回の満月に間に合わなかったので慌てました……
獣化が遅すぎな上にスレ違いな人間同士のエロまであって、すいませんでした。
それと水棲人を小悪党役にしてしまって、水棲人スキーの皆様申し訳ありませんでした。
また機会がありましたら、同設定で別種族の話なんかも書いてみたいです。
それでは、長々とお付き合い感謝。

731:名無しさん@ピンキー
08/03/22 23:38:13 y0qbK67X
GJ!! 激しくエロい!!

732:名無しさん@ピンキー
08/03/23 00:56:54 ohDPkYqo
自分は鳥類になりたいな!文章超エロいです、GJです。
恥ずかしくて顔を毛に埋めるところと、獣化して交わった後のじゃれあいが好きです。

別種族の話も期待してます。

733:名無しさん@ピンキー
08/03/23 01:36:15 42RddU2f
>>730
大作に激しくGJと言わざるを得ない。
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!

734:名無しさん@ピンキー
08/03/23 02:55:36 kup8Khzm
>>730
乙です!
しかし最近は投稿が多くて良いなぁ。
過疎だった頃が嘘のようだ。

735:名無しさん@ピンキー
08/03/23 03:50:19 oM2H/tSs
>>730
GJ!!
亜人帝国ないかなぁ

736:名無しさん@ピンキー
08/03/23 04:49:47 iz1ASNCa
>>730
おいおい大作にもほどがあるだろ・・・
GJ!!!

737:名無しさん@ピンキー
08/03/24 15:25:35 iZpy4eeh
またーり
ケモケモ

もふもふしてぇ

738:名無しさん@ピンキー
08/03/24 23:06:33 kAzyLFw1
>>737
このスレではその言葉を発した人間がケモケモ もふもふされる側に回る法則があるのをご存知か?
うわ何をするやめ亜wせdrtfgyふじこlp;@:

739:名無しさん@ピンキー
08/03/25 00:09:39 QhYfFe1Y
俺もケモケモ もふもふされる側に回りたい!可愛いケモになって愛されたい!
メイド服着た雌犬獣人とかになって金持ちに飼われて、でも本職メイドっぽい雑務はやらずに
三食昼寝付きで夜のお仕事だけ頑張るようなそんなのになりたい!

・・・Mなんだかただのグータラなんだかわからんな

740:名無しさん@ピンキー
08/03/25 01:13:10 UFSpLrVt
もふもふ二匹、毛づくろいしあいたい。

741:名無しさん@ピンキー
08/03/25 06:43:07 NtGvHwod
【異形化】人外への変身スレ第二話【蟲化】
スレリンク(eroparo板)

なんかもめてるな
こっちは絡みであっちは変身を扱うスレなのかと思ったらそうでもないのね

742:名無しさん@ピンキー
08/03/25 09:53:32 QhYfFe1Y
感覚的には、こっちはエロ系、あっちグロ系、って感じだと思っていたのだが。
と言ってもTF自体が人によってはグロなのかも知れないけれど、
あっちは蟲化とか不定形化とかハードなのもやってるしな。
まあこのスレも昔は虫とか扱ってたこともあったんだけど。

今のところ選択肢は
1:異形化スレが亜人スレに合流する
2:亜人スレのTFジャンルが異形化スレに移動する
3:とりあえず現状維持
ってところか? これ以外にも他のやり方があるかも知れないが。

このスレの作品とあのスレの作品に一通り目を通して、
共生可能なのか住み分けた方がいいのか考えた方が良いのかもな。

743:名無しさん@ピンキー
08/03/25 14:19:58 HPrSyjng
今のままでいいんじゃないの?

人外スレがグロというか多少ハードなのに加えて、
このスレは♂♀どっちでもメインになるけど、人外スレは基本的に♀メインだし。

744:名無しさん@ピンキー
08/03/25 14:51:12 /cWxHICS
>>742
俺は2をお願いしたいな
今のここはTFばかりで非TFの亜人派としては肩身が狭い
「だったら文句言わずに流れ変えろよ」と言われても嫌だし
好みは人それぞれだから自分の好みを押し付けるのもどうかと思って何も言えなかったが
該当スレが他にあるんなら出来れば移動してもらえないだろうか
今のままでいいにしても
ここには非TFの亜人派もいる事を忘れないでくれ

745:名無しさん@ピンキー
08/03/25 16:35:44 HPrSyjng
TF系を追い出したいならそれでもいいかもな。
過疎る可能性も出てくると思うけどね。

みんながみんな>>744のために書いてるわけじゃないってことも忘れないでくれ。

746:名無しさん@ピンキー
08/03/25 17:14:21 3iuiCyfk
ここって初期に分裂で失敗してるんだよな…。
確か、亜人系と獣化系(ここ)に分かれて見事に過疎った。

このままで良いとも思わないけど、
分裂って言われても素直に受け入れられない空気はあるよな…。

747:名無しさん@ピンキー
08/03/25 17:42:17 YmINuB51
人外スレとじゃ流れや雰囲気が違いすぎて合流や移動は無理じゃないか?
すげぇ過疎ってるワケでもないし現状維持でいいと思うんだが…

人外スレの住人とここの住人が全くかぶってるなんて思わないでくれ
自分はこのスレの住人だが人外スレは苦手なんだよ…
>>744 自分はTFも亜人も大好物だ

748:名無しさん@ピンキー
08/03/25 19:54:35 qrxgvzXf
自分も基本的には非TFだけど、もふもふ系TFは嫌いじゃない。
それ以外のは苦手かも。虫とか。

749:名無しさん@ピンキー
08/03/25 20:37:23 dVwSBQw+
いろいろイケる自分だが、統合されて内容が~っていって揉めるんだったらいやだし
なんか面倒だから現状維持のほうがいいなぁ。

統合したいっていってる人はどういう目的でそんなこと言ってるかさっぱりわからんし。

まぁ結局はスルー力あればいいんだけど、ここの住人にはむりそうだな。と時々思うし

なんかだんだん言ってて嫌になってきたんで
月光灯浴びてデッカイ狼男の姿でもふもふされてきます・・・。

750:名無しさん@ピンキー
08/03/25 20:44:04 jFyH54g8
雰囲気が違うってのには激しく同意せざるを得ない。まあ現状を維持すべきだろう。

スレタイにもあるが、向こうは「異形化」「蟲化」の描写が強くて獣化は元々あまりなかったはず。
「獣化を含めた獣人」のカテゴリはこっちのスレで収めていいと思う。というか収めるべきだと思う。

751:名無しさん@ピンキー
08/03/25 22:07:14 Nhy3cK08
というわけで新人の投下まだーちんちん

752:名無しさん@ピンキー
08/03/26 00:16:36 a+7XqF2x
>>730
GJ過ぎて興奮が止まらない。

>>704
ぶった切った上長文で蒸し返すぜ。

亀にも程があるが同人でやればよくね?
制作陣のモチベーションが重要に感じた。

シナリオだけでプログラムも絵もデザインも音楽も
なーんにも勉強しないで作った企画書って破綻してるのが多くて
企業としてはアイディアそのものを参考資料にする程度で
手を掛けたりはしないと思われる。

自分でHP、チーム作って制作した方がぶっちゃけ早い。

753:名無しさん@ピンキー
08/03/26 03:25:49 vq4/vzfq
>>752
そやな…やっぱ、同人でやったほうが制作としてのモチベーションは最後まで続くよな。
現に某TOTとかの例もあるし…素直に他方向で仕事探してそっち方面で準備してみる事にするわ。
助言…ありがとう。


754:名無しさん@ピンキー
08/03/26 16:14:32 YFR6qDvv
同人で人気でれば移植されるかもしれない
って考えればいいじゃない

もふもふ

755:名無しさん@ピンキー
08/03/26 17:39:03 S8z9FovG
またーり
ケモケモ
もふもふ
もふもふ
もっふもっふにしてやんよ、って誰か頼む。

756:名無しさん@ピンキー
08/03/26 21:55:50 Zi06z8SA
初音ミケを思い出した

757:名無しさん@ピンキー
08/03/26 23:24:24 PuMAHCeG
>>753
TOTってあのテンペスト?
同人とか活発だったの?

758:名無しさん@ピンキー
08/03/27 02:12:53 csBEvqz2
獣人ゲーになったはいいが制作費絞られたせいで糞ゲになってしまったいい例じゃねーか
(イノセンスはは妥協無しでそれなりに成功したが)

759:名無しさん@ピンキー
08/03/27 03:42:54 RP6oO3wi
ケモノ方面では評判のいいリバース(最近出たPSPではなくPS2)をやってみたんだが、
システムや戦闘がやたらややこしく感じた。
リバースはテイルズシリーズや格ゲーに慣れてる人用のつくりなのか?それとも近頃は元からこんなもん?
どうにかクリアはしたけど。

760:名無しさん@ピンキー
08/03/27 10:45:15 A6sQh2r7
むしろリバースは戦闘はややっこしい方だとか。回復魔法とかないのが特に。
つーかあれ獣化要素ないじゃないか

761:名無しさん@ピンキー
08/03/27 17:21:39 os0xFYaz
>>760
ここは獣化専用スレじゃないし、ユージーンとかみたいのもおkでしょ。
>>759も獣化方面じゃなくて「ケモノ方面では評判」って言ってるんだし。

762:名無しさん@ピンキー
08/03/27 21:35:00 A6sQh2r7
>>761
どうやら素でスレを間違えて書き込んでたみたいだ
スマンカッタ

763:名無しさん@ピンキー
08/03/28 22:01:25 q7NvBXlk
吹いたwww 明らかにここは獣人と娘のカップリング専用スレですwww

ちなみにD2とリバースは一番面倒かな。テンションの上がり下がりをつねに管理しなきゃいけないから
というか最近のテイルズシリーズは全体的にシビアだよなぁ。


764:名無しさん@ピンキー
08/03/28 22:27:51 q7NvBXlk
とおもったら俺も間違えた・・・・・・首釣ってくるorz

765:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/03/29 03:51:22 x/6r2B8b
児ポ法改悪反対!

766:名無しさん@ピンキー
08/03/29 17:33:02 sF7I5zx6
つかれた

767:名無しさん@ピンキー
08/03/30 09:00:27 Cw5B4Vcq
俺も最近疲れてるので、骨休めに温泉旅行にでも行きたいところだな。

呪泉郷あたりに。

768:名無しさん@ピンキー
08/03/30 16:17:04 Wx8h+dlw
>767
オレも連れてけ!

と言いたいが、職業柄一部外国は渡航禁止orz

769:名無しさん@ピンキー
08/03/30 16:30:28 yoHmZLDY
温泉か…
非獣化系なら獣人女将や芸者が迎えてくれる所なんかも良いな。
お湯と獣人女性に癒されつつ、イイ関係になりたい。

>>768
日本国内にも、猫化する温泉ならあったはずだ。そこオススメ。
何処だったか忘れたが、確かまんが日本昔話でそんな話があったと思う。

770:名無しさん@ピンキー
08/03/30 18:13:32 J64pPDov
>>680の続きを書いてみたのですが、未完成の物でも投下してよいのでしょうか?

771:名無しさん@ピンキー
08/03/30 19:55:20 6WykHnvd
やっちまえ

772:名無しさん@ピンキー
08/03/30 23:12:02 bz6A04XK
rsrtty

773:名無しさん@ピンキー
08/03/31 23:12:51 16c/w1Q4
>>770の人、勇気をありがとう
>>680の続き


早足で路地を進む私の後ろを、少年はぴったりとついてくる。
隠れ家的喫茶店までは約500m、つまり500mのどこかで私をレイプする為に襲い掛かってくるって事だ。
悪い事に、隠れ家的喫茶店のある隠れ家的路地だけあって人通りは全く無い。

ここで問題、どうやってこの少年から逃げるか

3択――1つだけ選びなさい

答え①愛され上手の私は突如脱出のアイデアが閃く
答え②スピリチュアルなイケメンがきて助けてくれる
答え③レイプされる。 現実は非情である。
 
私がマルをつけたいのは②だから、きっとそうなるに違いない、間違いない。

しかし、そうなると昨日買ったフワかわ系フルーツカラースプリングコートで来るべきだったか。
髪はばっちりフワもてカールだから問題ないとして、メイクも気合を入れて小悪魔系で決めるべきだったかもしれない。

……なんて事を考えている間に400mくらい進んでしまった。

本格的にヤバい。
残り約100m、いつ襲い掛かってきてもおかしくない状況だというのに、一向にスピリチュアルなイケメンが現る気配は無いなぜだろう?
そして、後ろで笑点のテーマが鳴っているのはなぜだろう?

「あ、大河君? 『猫科は私に近寄るなァァーーー!!』だって。 レクイエム? いや、アレルギー」

後ろから聞えてきた楽しげな声に、少年を刺激しないようにゆっくりと振り返る。
恐ろしい事に、少年は何者かと通話しているようだ。
何者か――強姦魔の知り合いは強姦魔、わかりきった事である。
つまりは、仲間を呼んで輪姦しようとしているのだ。

答え-③ 答え③ 答え③

774:名無しさん@ピンキー
08/03/31 23:13:29 16c/w1Q4
事は一刻を争う、もうスピリチュアルなイケメンなんて待ってる場合じゃない。
攻撃こそ最大の防御――少年の仲間が来る前に、少年が油断している今の内にこちらから打って出るのだ。
恋愛の達人である私の経験によると、男は一回射精すると妙に落ち着くものである。
いくらリビドー垂れ流しの思春期少年でも、2~3回も出せばレイプしようなどと言う気持ちもなくなるはず。

少年は電話に夢中らしく、あさっての方向を向いて能天気に笑っている。
今しかない。

左足を軸に体をすばやく反転させ、少年のほうに向き直る。
そのまま前に大きく一歩踏み出し、反射的にこちらに向き直った少年の腰の辺りめがけて胸から体当たり。
少年がバランスを崩してウワーだかアッーーーーだかよくわからない悲鳴をあげるのと同時に、両足の膝の裏を抱え込むようにして引き倒した。

膝裏をつかんだまま、何が起きたかわからないとでも言いた気な呆けた表情で尻餅をついている少年の両足を開き、上半身をねじ込んでこんで股間に胸を押し付けてやる。
反射的に閉じようとする太股をこの豊満な美乳でブロックしつつ、左手でベルトを外し、右手で制服ズボンとトランクスを一緒に引き摺り下ろした。


さぁ、エロスの時間だ。

775:名無しさん@ピンキー
08/03/31 23:14:57 16c/w1Q4
まずは品定め、ぷるんとこぼれ出たブツを確認する。
皮に包まれた先端から春色ピンクの亀頭が微かに顔を出している可愛らしいモノだが、サイズ的にはなかなか………将来有望な一品だ。

私の視線に気がついたらしく、少年は大慌てでトランクスとズボンを引き上げようとしている。
強姦常習犯の癖に、なかなか初々しい反応である。
もう少し見ていたい気もするけれど、いつ少年の仲間がやってくるかわからないから、手早く済ましてしまおう。

Yシャツの裾から両手を差し込んで、脇腹に沿って毛皮を逆立てるようにゆっくりと撫で上げる。
少年の赤茶けた毛皮はなかなか手触りが良く、サラサラふわふわした柔らかな毛が指に絡んで流れていく感触が気持ちいい。
少年がくすぐったさに体を捩った隙に、右手でズボンとトランクスを更に引き下ろし、左手はそのまま脇腹から脇の下まで撫で上げる。

少年はたまらず私の左手を制服の上から両手で押さえつけて止めようとしているが、その行動は予測済み。
無防備になった股間に右手を伸ばし、本命を文字通り手中に収めた。

「あっ!?」

少年の唇から、掠れた小さな声が零れた。
それは驚きか、恥らいか………はたまた、もっと別の何かか。
まぁ、そのどれだとしても私には関係ないし、問題も無い。

776:名無しさん@ピンキー
08/03/31 23:19:28 16c/w1Q4
中途半端ですいません、続きます

777:545
08/04/01 02:37:14 0N440sZH
リアルで問題が発生したのでしばらくここに来れそうになくなってしまいました。
というわけで途中までですが闇のポーカーの引き分け、もとい逃走ルートを投下させていただきます。


778:闇のポーカー逃走ルート
08/04/01 02:40:47 0N440sZH
この勝負が俺の人生で最後のギャンブルになるだろう・・・。

勝負に勝ったとしても、もう俺がギャンブルをすることはない。
もし!万が一!負けたとしたらなおさらだ・・・。
負ければ命はないのだから。
なぜ、あの時・・・小金を掴んだ時点でやめなかったんだろう。
博打の才能もないくせに調子に乗ってしまったんだろう。
後悔ばかりが頭の中でぐるぐると駆け回っている。

緊張と恐怖で脂汗が止まらない。
傍から見たら今の俺はラードの塊に見えるだろう。
諸悪の根源である対戦相手の女は、そんな俺の様子を見ながらニヤニヤと笑っていた。
糞っ!この女があんなこと言い出さなければこんなことには・・・・・・。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
事の始まりは一時間程前まで遡る。

温泉旅行の帰り道、お酒大好きな俺と友達は穴場発見!とたまたま見つけた寂れた酒場に入った。
思ったとおり客は少なく中も食べカスや泥などで汚れていた。
だが、そんなことを気にする俺たちではなかったので、席に着くなりすぐに酒を頼んだ。
一言も喋らない無愛想なマスターや、ブツブツとうるさい客どもに多少イラついたが
酒を飲み始めるとすぐにそんなことはどうでも良くなっていた。

俺たちが飲み始めてからしばらくして、一人の女が店に入って来た。
他にも席は空いていたのに、なぜかその女はわざわざ俺たちの席の近くに座った。

『酔いがすっかり冷めた頭で冷静に考えてみると、こんな夜中に若い女が一人で
こんな汚い酒場に入ってくるわけがなかった。ましてや俺たちみたいなのに話しかけるはずもなかった。』

しかし、すっかり出来上がっていた俺たちはそのことについて何も疑問にも思わなかった。

女は注文をし終えると俺たちの座ってる席に近づいてきた。
「こんばんは。お隣に座ってもよろしいかしら?」
無論、こんな美人ならこっちとしては大歓迎に決まっている。
「どーぞどーぞ!」
「ありがとう。じゃあお言葉に甘えて・・・。」
そう言うと女は俺たちの隣に座った。
さきほど注文したカクテルを飲みながら、俺たちは話し始めた。
「お兄さんたちはここらへんの人なの?」
「いや、俺らは地元住人じゃないよ。この店は旅行から帰る途中、たまたま見つけたから寄ってみただけさ。」

しばらく談笑を交わした後、女がカジノに誘ってきた。
「この近くにいいカジノがあるんだけど今から行きません?近くというかこの酒場の裏なんだけど。」
「おーいいね!行こう行こう!」
完全に酔っぱらって上機嫌な俺たちは、女に言われるがままにカジノに向かったのだった。


779:闇のポーカー逃走ルート
08/04/01 02:44:14 0N440sZH
そして今、俺を含めて3人いたのに俺一人になっているのは何故だろう・・・。
仲間たちは奥の部屋に連れて行かれたまま帰ってこない。
女は「私はお金はいらないからその体を賭けてちょうだい」と言っていたが、まさか本当に体を要求してたなんて・・・。
てっきり冗談だと思っていた俺たちは軽々しく賭けに乗ってしまったのだ。
女は「痛かったり死んだりすることはないから安心なさい」と言うがそんな言葉で安心するほど俺は馬鹿じゃない。
臓器売買のために臓器を取られて殺されるとか、拷問マニアに売られてじわじわ苦しみながら殺されるとか、そんな考えが頭をグルグルと回っている。
すでに酔いはすっかり冷め、頭の中が冷静になるにつれて、ボヤけていた現実が俺を震えさせた。


とうとう残りのチップはあと3枚・・・
そして手札は10と6のツーペア・・・

一流のギャンブラーならブラフを駆使すれば逆転できるかもしれない。
だが・・・生憎俺は一流どころか三流ですらないただの素人だった。
相変わらず女は同じ表情で、ニヤニヤと笑みを浮かべてこっちを見ている。
くっ・・・!何を考えてるのか全く読めない・・・。

こうして窮地に立たされた俺は、この土壇場にあることに気がついた。
この女は何故か毎回こちらの手札より強い役で勝つ。
腹の立つことに、こちらが降りた時は俺の手札よりも低い役なのだ。
・・・まさかとは思うが催眠術や超スピードだとかのちゃちなイカサマじゃないのか?
きっとそうだ。そうに違いない!一度そう考えると止められなかった。
心理的に追い詰められていた俺は、一瞬で怒りを爆発させてしまった。


バン!!!!
俺は素早く立ち上がると思い切りテーブルを叩いた。
「ふざけやがって!こんなもんイカサマだ!」
「突然立ったかと思ったら、あなた何を言い出すの?」
「最初から怪しいと思ってたんだ!いくらなんでもこんなに続けて負けるわけがない!」
「そこまで言うってことは私がイカサマをしてる証拠でも見つけたのかしら?」
「そんなもんあるかよ!証拠があるかないかなんて関係ねえんだ!これはイカサマだイカサマ!!」
俺は鼻息を荒くして大声で怒りをぶちまけながら迫ったが、女は相変わらずポーカーフェイスを崩さなかった。

「ふぅ・・・。まったく困った子豚ちゃんね。」
「誰が子豚だこの売女が!いいかよく聞け!この勝負は無効だ!なんせ最初からイカサマが行われてたんだからな!俺は帰るからな!!」
売女―売春婦のことだが―その言葉のせいかは分からないが、今までずっとポーカーフェイスを保ってきた女の顔がわずかに歪んだ。
「・・・そこまで言うなら帰ってもいいけど、後から泣いて謝っても私は絶対許さないわよ?」
「かまうもんか!大体お前に許しを乞うことなんかあるわけねえだろうが!じゃあなメス豚!」
そう捨て台詞を吐くと、急いで出口へ向かって逃げ出した。


780:闇のポーカー逃走ルート
08/04/01 02:47:22 0N440sZH
俺はそのまま車に乗って、エンジン全開で自宅に向かって車を飛ばした。内心、黒塗りの車に追いかけられやしないかとビクビクしていたが、何も起きず、無事帰宅することができた。
家に着いた頃にはすっかり夜が明けて朝になっていたが、安堵のせいか崩れ落ちるようにベッドに倒れこむと、そのまま深い眠りについた。


一体何時間寝たんだろう・・・。起きると外はもう真っ暗になっていた。
俺は体に妙な圧迫感を感じながら、まだボンヤリと寝ぼけた頭を覚ますために洗面所に顔を洗いにいった。
キュッキュッ!ジャーッ!!
蛇口を捻り勢いよく水を出して顔を洗う。ふぅ・・・さっぱりした。
俺は濡れた顔をタオルで拭きながら、ふと鏡を見て衝撃を受けた。
「うわあっ!!!」
鏡の中には俺の顔ではない見知らぬ顔が映っていた。
驚きの余り腰を抜かしてしまったが、なんとか立ち上がってもう一度鏡を見た。
恐る恐る鏡を見てみると、別人と言うよりはありえないほど顔がむくんでいると言ったほうが正しいかもしれない。
たしかに俺はもともとすっきりした顔ではなかった。むしろ、ぽっちゃりとしていたかもしれない。だが、いくらなんでもここまで丸々とした顔ではなかった。特に顎と首のあたりに肉がついて、首はほとんどなくなっている。

異変は顔だけではなかった。
胸と腹が異様に膨らんで、着ているシャツがはち切れんばかりになっていた。あと少し衝撃を加えたらボタンははじけ飛ぶだろう。
でっぷりしたお腹に隠れて確認はできないが、ズボンも太ももからお尻にかけてパンパンになっている。首が回らないので見えないが、お尻の部分などはもう破けてるかもしれない。

先ほどから圧迫感を感じていたのはこれが原因だったのだ。
だがしかし、一晩でこんなに人間が太ってしまうことなんてあるだろうか?
「まさかそんなことがあるわけない・・・。悪い夢なら覚めてくれ・・・。」と呟いた時、昨日の女の言葉が頭の中でこだました。
『・・・そこまで言うなら帰ってもいいけど、後から泣いて謝っても私は絶対許さないわよ?』
・・・まさかこれはあの女の仕業なのか?あの言葉はこのことを指して言ってたのか?
もし、このまま放っておいたら俺は一体どうなってしまうんだ・・・!?

こうしちゃいられない!一刻も早くあの女のところに行かなくては!!!
絶対許さないと言っていたし、今さら謝っても無駄かもしれない。だけど何もしないで自分が変わっていくのを見てるよりはマシだ。
すぐに車のキーを取り、運転席に太った体をなんとか押し込んで、あの場所に向かって車を走らせた。

781:闇のポーカー逃走ルート
08/04/01 02:52:06 0N440sZH
「よし、後はここを少し行けばもう着くはずだ・・・。」
ハァハァと息を荒げながら運転していると、不意に大きなクシャミが出た。
「ぶぁっくしょん!!!ンゴッ!」
おかしい・・・。クシャミをした後鼻をすすっただけなのにこんなに大きな豚鼻が鳴るか?
俺は顔を確かめようとバックミラーに目をやった。
「ぶぅっ・・・!!!!?」
俺の・・・俺の鼻が・・・大きくて上向いて鼻の穴がまん丸で・・・これじゃまるで・・・・『豚の鼻』じゃねえか!!!
俺が戦慄している間にもゆっくりとしかし確実に鼻は膨らんで上向いていく。
呼吸をするたびに豚の鼻はブーヒー、ブーヒーと音をたてる。
変化してるのは鼻だけではなかった。
耳はゆっくりと広がって、あるべきはずの位置より数段高い位置でビラビラとゆれている。
口は大きく裂け、鼻面が前にせり出し始めた。
(そんな・・・まさか・・・このままだと俺はぶ、豚になるのかっ?)
キキーッ!!ドンッッッ!!!!!!!!!
自分が豚に変わっていく・・・あまりにも有り得ない現実に直面し、気が動転した俺は、ハンドルを切り損ねて木に激突してしまった。

「うぅ・・・ん。」
エアバックのおかげか、体にまとわりついた脂肪のおかげか。
どうやら俺は一命を取り留めたようだ。
・怪我ひとつしてないところを見ると、認めたくないが助かった理由は後者のようだ。
不幸中の幸いと言うべきか、俺はいつの間にか例の場所のすぐ近くまで来ていた。
すぐさま車を降りると、重たい体にムチをいれて全速力で走った。
「ブフゥッ、ブハァー、ブヒィー!」
やった!入り口が見えてきたぞ!もう少しで中に入れる!と気を抜いた瞬間、震度4ぐらいの地震が起こったような音を立てておもいきりこけてしまった。
「ぐぶぅっ・・・」
自分が惨めで悔しくて涙が出てきた。

「あらまあ、昨日の子豚ちゃんじゃないの。ふふっなかなかお似合いの姿よ。」
声の方向に目をやると、どこから現れたのか、あの女が立っていた。
「それにしてもなかなか立派な豚さんになりそうね。子豚ちゃんじゃなくて大豚くんって呼ばなきゃね。」
(あっ・・・!ボーっとしてる場合じゃない!早く謝らなくては!!)
「ブ、ブキィッ!ブヒブヒーッ!(お、俺が悪かった!許してくれ!)」
・・・え?なんだ今のは!?
「ブッブギッ!!(あ、あの)ブホッ!ブゴッゴッ!(な!なんでだ?!)」
こ、言葉が喋れない!?
「ブー!ブゥー!ブゥッー!(嘘だ!嘘だっ!嘘だあっー!)」
しかし今、実際に俺の口から出てるのは人間の言葉ではなく豚の鳴き声そのものだった。
「馬鹿ねえ・・・昨日言ったでしょ。『鳴いて謝っても許さない』って。」
「それに、土下座したって無駄よ。ま、もっともそんなつもりはないだろうけど。」

782:闇のポーカー逃走ルート
08/04/01 02:55:05 0N440sZH
「ブキイ?ブッヒブヒブヒ?(土下座?・・・一体何のことだ?)」
ふざけやがって!いくら俺にだってプライドはある。誰が土下座なんてするものか。
立ち上がって女に掴みかかろうとしたその時だった。
「ブギャッ!(いてえっ!)」
足に痛みを感じたかと思うと、グラグラとバランスを崩して前のめりに倒れてしまった。
「だから土下座しても無駄って言ってるでしょ。ふふふ、全く聞き分けのない豚さんね。」
たしかに地面に両手を突き頭を垂れている今の俺の格好は土下座そのものだった。
しかし、俺にはそんなつもりは全くない!
女の言葉に俺は腹を立て、すぐさま立とうとした。が、何度立とうとしても失敗して無様に転がってしまう。
(た、立てない・・・!足がピクリとも動かない・・・何で?何で?何でだよ!?)
俺がおろおろしてる間に、いつの間にか靴がぽろっと脱げ落ち、黒光りしてゴツゴツとして硬い蹄があらわになっていた。
「!!!!」
それを見た瞬間、俺は自分の体が最終段階にきていることに気付いてしまった。
自覚したことにより変身速度が速まったのか、足だけでなく手まで痺れたように固まって次第に指と指がくっつき蹄へと変化していった。
「ブフゥッ!ブフゥーッ!(助けて、助けて下さい!)」
さすがにもう精神に限界がきていた。
俺は恥も外聞もプライドも捨て、涙と鼻水を垂れ流しながら、哀れを誘う鳴き声で許しを請うていた。
「・・・ふぅ。しかたないわね、そこまで言うなら助けてあげてもいいわよ。」
「ブヒ!?(本当ですか?)」
「ただし、条件がひとつあるわ。」
「フゴッ!ブヒブヒブヒッ!(何でも、何でもします!)」
「そう。それじゃ言うけどその条件とは・・・」

783:545
08/04/01 03:01:32 0N440sZH
とりあえず以上です。
急いで仕上げたため誤字脱字やつじつまがあわない箇所などが
凄いことになってるかもしれませんがどうかお許しを。

勝ちルートと負けルートを書いて下さった>>561様、>>569
こんな中途半端な形で投下して大変申し訳ありません。
キチンと完成させにまたここに戻ってこれるように頑張ります。


皆様長々とお目汚し失礼いたしました。それでは。

784:名無しさん@ピンキー
08/04/01 13:05:03 wQwlJlGt
>>776
ヒロインが個性的・・・というかぶっ飛んでてワロタw
これがヤンデレか。いやデレは無いか。
独特の語り口が凄いな。GJ。

>>778
喋ろうとして鳴き声とか二本足で立てなくなるとか、
獣化の基本的なツボがきっちりおさえられてて萌えるな。GJ。

しかし貴重な獣SS書きさんがしばらくお休みとは・・・エイプリルフールであって欲しいものだが・・・
続きが気になるところで終わってることだし、問題が早期解決することを祈って待ってます。

785:ZのRのR ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:29:01 K+kVmJOA
いやっほ~い!(謎

知ってる人はお久しぶり、つかごめん。ROMではあったんだけど
次の書くのにすっごい時間掛かっちまった。励ましてくれた人ありがとー

そして知らない人は初めまして。このスレの最初のほうに1作品短編を投下させてもらったZのRです。

「のR」ってのはメインの意味(フランス語)の他に「帰ってきた」って意味(英語)が
あるので今回2個くっついてます。(ォィ

今回は「月に啼く」(通称「つきなき」でよろしく)の後日話・・・・・
と言うか前回のを「前編」とした所の「中篇」になります。
いちおータイトルは「月に啼く2」と言うことで。

786:月に啼く2 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:30:33 K+kVmJOA
自分が「人間」ではないことは物心つく前にはすでに気付いていた。
もっとも自分が狼人間、いわゆる「人狼」であることを明確に知ったのは
物心ついてしばらく経った後だったみたいだけど。

初めて「血」が高ぶり転化したの時のことはいまでも覚えてる。
まるで今まで殻の中に閉じ込められていたのが、殻が弾け飛んで世界が一気に広がる感じ。

そうして初めての転化を終えた次の日、父も母も全てを打ち明けてくれた。
自分達は「幻想種」と呼ばれる、御伽噺や空想の話に出てくる架空だと思われているイキモノなのだと。


そして幻想種はほかにもいくつか種族があるらしい。
今現在私の知っている種族は竜・妖精、そして人狼。

それらの種族は、あるものは同種族で集落を作り、表向きは「閉鎖的な人間の村」を装い、
あるものは人間社会に溶け込み、ひっそりと暮らしていると言う。
ここで注訳が入るが、幻想種は「人間になることが出来る」と言う能力を標準装備している。

人狼はもちろんのこと、竜や妖精も日常生活を送るに当たって人間の姿をとっているそうだ。

787:月に啼く2 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:31:26 K+kVmJOA
ただ幻想種、とくに人狼は「月の光」に弱い。
よくは分かっていないそうだが、
月の出ている間は、その満ち欠けにもよるが種族としての「本能」が疼くのだ。
満月の夜にもなると、自制の効かない子供なんかは高ぶる本能そのままに暴れるらしい。

らしいと言うのは私には暴れた記憶がほとんどないからだ。
2回目の転化をした時、いきなり「本能」を制御しようとしたのは私以外にはほとんど居なかったらしくて、
それゆえ私には他の人狼よりも、半獣形態が理性の象徴である人間の形態により近づいた。
そして逆に半獣の状態はもちろん、人間の状態でも身体能力が他の人狼に比べおちたのだろう。



788:月に啼く2 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:32:08 K+kVmJOA
などということを、目の前に積まれたハンバーガーの山のうち、三つほどを片付ける間に考えていた。

「にしてもよく食うねぇ」

あんたに言われたくない。
人狼は変身した次の日、異様におなかがすくのだ。
その私と同じスピードでハンバーガーの山を崩していく人間のほうがどうかしている。

私と対面の席に座ってハンバーガーを食べ続ける彼の名前は、守久瀬亘人(かみくぜ こうと)。
彼とはその・・・・・と、友達だ。
ちなみにクラスメイトでもある。
なぜ彼が制服を着ているかといえば、今日は土曜日で午前中は授業があったからだ。
逆に私が私服なのは、その午前の授業をサボタージュしたため。


789:月に啼く2 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:33:37 K+kVmJOA
あんな事があったあと、人に見られないように帰宅して、
そのまま昼間で熟睡していたのだ。
そのあとシャワーを浴びて、昨日のことはスッパリ忘れることにした。
満月とその前後の夜に裏山へ行かなければアイツに出会うこともないだろう。
もし昼間に会ったとしても、人前で騒ぎなんて起こせないだろうから問題ない。

コート(亘人)から「その話」を聞くまで、私はそう思っていた。

「・・・・・・・は?」

「だから、今日中等部に転校生が来たらしいぞ。帰国子女で赤毛の美少年だそうだ」

中等部、少年、赤毛・・・・・・・・・

まさかとは思いつつ、全身をヤな汗が流れるのを止められない。


790:月に啼く2 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:34:45 K+kVmJOA
ちなみに私たちの学校は私立で、高校までエスカレーター式だ。
仕切りはあるものの、中等部とは隣り合わせに立っている。

騒ぎを起こすことはないと思えど、アイツと朝夕顔を会わせる事になりかねないと考えると、今から憂鬱な気分になってきた。
それだけではなく、隙があればどんなことをされるか、考えるだに恐ろしい。

「おいアヤ、どうした?」

すこし難しい顔をしていたようだ。
コートが心配そうな顔でたずねてきた。(その間もハンバーガー食る手を止めていないが)

アヤとは私のこと。
そういえば自己紹介が遅れていた。
私の名前は大上千綾(おおがみ ちあや)。
式森学園に通う高校2年生。
あまり顔を出さないようにしているが、一応柔道部に所属。
成績はまあまあといったところか。

お茶を濁してなんでもなかった風を装い、ハンバーガーを食べるのを再開する。
ん~、これだけ食べても夕方まで持たないかも知れない。
ナゲットか何か、追加してこようか・・・・・・?


791:月に啼く2 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:35:30 K+kVmJOA
その時、視界の影に忘れられるはずもない、『赤』が映った。
動きの止まった私の視線を追い、コートもアイツを見る。

「お、もしやアレが噂の少年か。・・・・・・・・・・ん?」

今度はコートが難しい顔をした。視線はカウンターに並んでいるアイツに向けたまま。
・・・・・・・・・・まさか、そっちの「気」は無いわよね・・・・・・・・?
と、とにかくここから離れた方がいい気がする。それはもう、ひしひしと。

「出るわよ」

「あ、ああ」

ハンバーガーの山の残骸を処分してコートを促し、私たちはカウンターからは見えない出入り口から外へと出た。


792:月に啼く2 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:36:27 K+kVmJOA
「さて、今日はここでお開きかね?」

しばらく歩いた後、コートが言った。
アイツが追ってくる気配は、ない。
あそこに居たのは偶然だったのかも知れない、などと思っていたときのことだった。
・・・・・・・・・・あ。

「待って!」

予想外に大きい声が出て、自分でもびっくりする。
それはともかく、声が震えていないことを願いつつ、言った。

「アンタのうち、寄ってもいい?」


793:ZのR ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:39:47 K+kVmJOA
さて、今回はここまで。


・・・・・・・冗談です。
こー見えても俺、寸止めプレイは好みじゃないんだ。

それに前回、リレーSSと言う形で結局エロ書いてないし・・・・・

今回はきっちり話しの区切りがいいとこまで書いてありますよ~(もちろんエロあり)

794:ZのR ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:40:21 K+kVmJOA
簡素な1LDKマンション、それが彼の家だった。


「・・・・・・・。」

「・・・・・・・。」

痛いほどの静寂が私たちを包んでいる。

別にコートの家に来たのは、他意あっての事ではなかった。
昨日のことを聞いてほしいと言う思いと、
それを話せば私の―幻想種の―ことからすべてを話さなければならないし
なにより一切合財全部をコートに知られたくない、二律背反。

何度もあったわけではないがこういうとき、コートは何も聞いてこない。
『話したければ話せばいい。無理強いするつもりも、傷口を抉りたい訳でもない』
なんて、いつもとは違う真剣な表情で語っていたことを思い出す。

795:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:41:22 K+kVmJOA
思えば、コートとの出会いも随分奇妙だった気がする。
あれは確か、1年以上前。
私達が高校1年生だった夏の、満月であるはずの土曜日だった。

その日も午前中だけ、授業があったはずだ。
帰り際、急に雨が降ってきたんだと思う。
天気予報をきちんと見ていた人はちゃんと傘を持ってきていたけど、
天気予報を信じていなかったり見ていなかった人は止むのを待つか、ずぶぬれを覚悟して走るか、
と言うどこにでもある出来事だった。

ちなみに私は一番最後のパターン。
目立つわけにも行かないし、なるべく抑えた走りで家路を目指すところだった。

ここで彼とぶつかるなり、彼が傘を差し出すなりな展開があれば、
今の関係はもっと別のものになってたんじゃないかとも思う。

でも実際は、全然違う出会いだったのだ。

796:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:42:05 K+kVmJOA
――それは今度語ることにしよう。

時刻は夕方、太陽は地平に沈み始めている。

当たり前だが、月の満ち欠けは月面の太陽の光の当たる部分の見える角度が変わることによって起きる。
そして当然、満月は太陽の当たる部分が全開であり、
それはつまり太陽と月の位置が地球から見て正反対のところにあるという事になる。

何が言いたいかというと、『太陽が沈み始めている』ということは『満月が上り始めている』ということになる、
ということだ。

太陽の光が刻一刻と弱まっていく。

まずい、かな。

昨日変身したことで、今月はもう変身しなくてもいいかと思っていたのに、
「アレ」が喉元をせりあがって来る気配がある。

他の同族はどうだか知らないが、私に関して言うならば

「変身の衝動は、日常生活におけるストレスに比例する」

・・・・・平気なフリをしていても、やっぱり昨日のことが相当のダメージになってるらしい、
なんて現実逃避気味な自己分析をしている間にも状況は酷くなっていく。

コートの家まで来ておいてなんだけど、今日のところは出直したほうがいいかな。
そう思って立ち上がろうとした、はずだった。


797:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:42:51 K+kVmJOA
あれ・・・・・・・?

まるで、腰が抜けたかのように体に力が入らない。

それどころか光量の問題ではなく、視界が・・・・・徐々・・に・・・く・ら・・・く・・・・・・・




「・・・・アヤ?」

気が付けば、目の前にコートの顔があった。

完全に記憶が飛んでいる。

コートの後頭部のすぐ後には壁面が・・・・・

ソレが壁ではなく、「床」だと気付いて、ようやく「私」は今どういう状態になっているのかを知った。


『私』が、『彼』を、『押し倒し』て、いるのだ。


慌てて飛びのこうと、「思って」。
私はさらに自分の体がまったく動かないことに気付いた。
しかしソレは「自分の意思」では、だ。

798:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:43:35 K+kVmJOA
まるで誰かに操られているかのように、口が勝手に動く。

「コートぉ・・・・・・熱いの・・・・・・」

自分の声のはずなのに、その声はまったく別の誰かが言っているようにしか聞こえない。
そのくせ感覚はいつもにも増して鋭くて、
自分の荒い息遣いや、張り裂けそうなほどの勢いで動く心臓の音が聞こえる。
頭にも、霞がかかるかのように何も考えられなくなっていく。

そのまま『私』は戸惑ったような顔をしたままのコートに唇付ける。
・・・・・・後で冷静に考えれば、コレが私のファーストキスだった。
熱に浮かされた意識のままの「私」に、濃厚なキスの感触が送られてくる。
『私』の舌がコートの唇の間に割って入り、顎をこじ開け咥内に入り込む感覚まで、だ。
操縦式のロボットに意識があって、勝手に動かされるのってこんな感じなんだろうか?

動いているのは口だけではない。
『私』は片手で自分の服を脱ぎ、もう片手は・・・・・その、、彼の大事なところをまさぐっていた。
霞がかり、沼にはまって満足に身動きもできないような思考だが、なんとなく分かった。


『私』は・・・・・・・発情、していたんだ。

799:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:44:16 K+kVmJOA
原因として考えられるのは、昨日の「アレ」しかない。
思えば、起きた時から違和感があった。
肉体的な意味だけではなく、精神的にも。
「アレ」の所為で違和感があるのだろうと、無理やり意識しないようにしていたから、
まったく予想外だった。

現に、いままで満月の次の日にコートと会って共に昼食を取るのが恒例となっていたのに、
今日のように家に行くことなど一度もなかった。


コートが『私』の両肩に手を置き、中断させようとする。
でも逆に、『私』にねじ伏せられてしまった。

当たり前だ。
私は幻想種で、彼は普通の人間だ。
人の姿を取っているとはいえ、彼が私に勝てるわけがない。

すっかり下着姿になった『私』は、ショーツ越しにアソコを弄り、
同時に露出させたコートのソレを口に含んで弄ぶ。
最初は小さかったソレが、『私』の口の中でゆっくりと大きくなっていく。
それに、『私』のアソコももうビショビショだ・・・・・・

800:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:44:53 K+kVmJOA
「ちょ、ちょっと待て、アヤ!!」

そして『私』は、ショーツを脱ぎ捨て、彼にまたがり、そそり立つソレと、
ジュクジュクのアソコに手を当て、一気に腰を落とした。

「んあああああぁぁぁぁぁ!!」

「うあああああああ!!」

刹那、いくつもの思考が交差した。
ポッカリ空いていた空洞を隙間なく埋められた歓喜と、
予想していたよりも熱い感覚がお腹を焼く衝撃と、
いつもクールで飄々としている彼を押し倒している嗜虐心と。

背筋はゾクゾクして、頭の中では電気がバチバチ音を立てながら跳ね回っている感じだ。
そしてこの瞬間、『私』と「私」の思考が一致した。

私は、彼の胸に両手を着き、腰を動かした。

801:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:45:28 K+kVmJOA
すごい・・・・・・

腰を上下させるたびに普段閉じているアソコの中全体をゴリゴリと削られ、頭の中では火花が飛び散る。
完全に落としきれば最奥の、子宮の入り口にアレの先端があたり、
まるでアソコから頭のてっぺんまでアレで貫かれたかのような一際強い火花が舞う。

「いい、いいよぉ!コートぉぉ!!!!」

私は夢中で腰を振り続け――

「きゃうんっ!!はあああああぁぁぁぁぁ!!」

頭の中を真っ白にするような火花――雷に打たれたかのような衝撃を受けた。

ホントに雷に打たれたかのように、体がビクンビクンと、痙攣を起こす。

一歩遅れて、コートもイったみたいだ。
私の中からアレを引き抜いた瞬間、アレの先端から白い液が勢いよく飛び出し、私のお腹に掛かる。
液が掛かったところが、まるで火そのものが掛かったかのように酷く熱い。

802:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:46:06 K+kVmJOA
たとえ人間の姿を取れても、幻想種と人間じゃ、子供は出来ない。

スパークし続けてる思考の中で、中で出されなかった事だけが残念だった。

でも、すご・・・かったぁ・・・・・
息もままならないし、心臓は引き付けを起こす寸前だ。
でもなにより、意識が持たなくて。

あ、気絶する・・・・・・

その思考を最後に、ブレーカーが落ちるように私の意識は闇に沈んだ。



803:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:47:38 K+kVmJOA
夜の風が気持ちいい・・・・・・

私はひとり屋上に立っていた。
時刻はすでに深夜と言っていい時間。

満月から、ほんの少しだけ欠けた月が中天から光を降り注ぐ。


衝動は、ある。
でも、いつものようにそれに抗う気は起きなかった。

ほぼ全ての肌からザワザワと太い銀色の毛が生えてくる。
風に揺れ、視界に入る髪はすでに銀色だ。
ドクン、ドクンと血が全身を駆け巡るごとに、
いつも以上の力がわきあがってっくる。
手も、足も、爪が硬く、鋭く伸びていく。

そして、変身を終わらせた私は、きていた服を脱ぎ捨てた。

804:月に啼く3 ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:48:09 K+kVmJOA
さあ、始めよう。

全てを。

私に傷をつけていい気になってる、アイツに。

勝てるかどうかは分からない。

でも。

ここまま終わってやるつもりは微塵もない。







ルォォォォォオオオオオオオオオオオ!!


全てを見守る月に、宣言するように私は雄たけびを上げた。


805:ZのR ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 05:53:41 K+kVmJOA
と言うわけで終了~~

間違っても「後編へ続く」とか書かないのが俺クオリティ。

今までの経験から言って、「続く」か「予告」やっちゃうとそのスレから引退するんだ、俺。

だから「構想は固まってる」とか「次回エロないかも試練」とかは言わないでおこう。

806:ZのR ◆5QXHO4/GJY
08/04/05 06:10:37 K+kVmJOA
確認完了。

抜けている箇所は無し。




・・・・・・・・って重要な部分「書き忘れて」るうううううううう

なんか変だと思ったら「獣化」シーン入れるの忘れてた・・・・・・orz
ホントは(ギリギリスレに合う様に)「耳尻尾」のみ獣化させようと思ってて、書くの忘れました。

次スレ立ったら即死回避用にでも改訂版落とさせて下さい

とりあえず吊ってきます。 ノシ


あそうそう、文脈的に変だったり誤字脱字あったら指摘してください。
どーゆー事なのかいまいち分からない所なんかもあったらお願いします。

・・・・・世界観は固まってるのに文章力と構成力がないからうまく説明できてないんだ。




807:名無しさん@ピンキー
08/04/05 23:56:29 5eXqv+gJ
自分語りうざい

808:名無しさん@ピンキー
08/04/06 00:09:12 WowqNJMK
凄い情熱だな。分けてもらいたいくらいだ。
ただ、作品以外の書き込みはシンプルに済ませて、作品だけにその情熱を集中すると良いかも知れない。
「『続く』や『予告』が引退に繋がる」ってのも、その語りでガスが抜けちゃってるせいもあるのかも?

指摘してくれと言われても迷うが、
強いて言うなら説明部分と描写部分が完全に分かれちゃってる部分があるのが少し気になるかな。
>794から>795の流れだと、コート君の人となりや性格を説明するための回想なのかと思いきや、
コート君のことには触れないまま戻ってきちゃってるし。・・・とか言って、これが凄い伏線だったりしたらすみません。
あと>802から>803の間のシーンチェンジは唐突過ぎてちょっと危うい、かな・・・。
ここではアヤさんの情動だけを強調する意図があって、状況は後で説明しなおすつもりだとしても、
この時点でもうちょいフォローは要るかも。

でも話の勢いやエロシーンは情熱や激しさが出てて萌える。GJ。
その情熱のままに数を書けば自然に良い感じに慣れて来ると思う。

俺も無駄に長い語りスマソ。

809:名無しさん@ピンキー
08/04/06 02:18:59 pxu863pU
耳尻尾だけじゃスレ違い。

810:569
08/04/06 04:04:43 a6ty/gRH
亀レスになってしまいましたが、ごめんなさい。
>>773
強姦されるとか自分でテンパっておいて、自分から強姦しにいくシュールさに笑った。
GJです。

>>777
途中だというけれど、この終わり方もありじゃないかなと思う。
少なからず、自分が書いた負けルートよりは変化や心境の描写が細かく書かれていて大変見事です。
お話の続き、首を長くして待ってますね。

>>806
とりあえず、紅茶とチョコレートを用意して落ち着きなさいな。
折角の話が台無しになっちまうよ…まぁ、それは置いておくことにします。
内容については>>808さんがもう既に仰られている事だし、自分からは言う事はないです。
ただ、態度的な事を指摘させていただくとしたら、>>805や、>>806あたりの書き方が敵を作るような書き方だと思うんですよ。
自分の場合は、作品をメモ帳か何かで書き上げてから誤字脱字修正や表現の肉付けをするから、そういう風に感じるのかもしれないけど、
重要な部分ならば書き忘れるような事は無いと思うんだ。
それに、もし入れ忘れたとしても絶対に書かないというか…書けないかな、読んでる人に失礼だと思うしね。
まぁ、もし言い訳を書くとしたら『話の繋ぎなので人×人になりましたがご勘弁願います。』とか書くかな。
最終的に何が言いたいかと言われたら返答に困りますけど、とりあえず作品が出来たからといって舞い上がらず、冷静になってください。
自分も人の事を言えた立場じゃないんですけどね。
とりあえず、続き期待して待ってます。

811: ◆5QXHO4/GJY
08/04/07 19:12:37 T5XUrON9
>>808
>>810

正直スマンカッタ
これからは本文以外を極力自重することにする。

言い訳させてもらうと、今週から忙しくなる予定で前回から3ヶ月近く
空いてるのに次は投下できるかも分からない状況なんで急ピッチで書いて投下しました。

自分の場合、「場面」で細かく区切ってそれぞれを繋ぎ合わせるようにして
話を書いているんだけど、
>>808氏に指摘してもらった部分の場面は両方共長く、
且つ脱線した話でグダグダになりそうなんで削ったんだ。

とにかくあの日のうちに投下したくて急いで書いた結果、
説明不足な場面が発生してしまった。ごめんなさい

812:ZのR ◆5QXHO4/GJY
08/04/07 20:01:41 T5XUrON9
えっと、先ほど書いた「削った部分」ですが、
獣化もエロもないですが良かったら読んでください。
(伏線ではなく、むしろこの内容の方が伏線)

タイトルを付けるなら、「水銀」で。

813:水銀 ◆5QXHO4/GJY
08/04/07 20:03:15 T5XUrON9
駆け出して、校門を出る直前だったと思う。
屋上に人影があることに気づいたのは。

最初に思ったのはイジメかも、と言うことだった。
鍵が閉められて、屋上に締め出されているとか。
どの道気づいた以上、ほおっておくことはできなかったし、
このまま迷ってても濡れいくだけだし。
で校舎に戻って屋上へ行ってみれば、
鍵は開いていて(本来施錠されているはずだと、以前聞いたことがあるにもかかわらず)
そこにはこの男がずぶ濡れで立っていたのだった。

その後のやり取りはあまり覚えていない。
その更に後のことが印象に残りすぎた所為だ。

同じクラスの男子で、このときは目立ったところも無く、私の印象には残っていなかった。
とにかく「何をやっているのか」とたずね、
「雨が止むのを待ってる」と答えてきたと記憶している。
「すでにずぶ濡れならとっとと帰ればいいのに」とは思ったが口にはしなかった。
その時だ。
突然雨が止み、空が晴れ渡った。

814:水銀 ◆5QXHO4/GJY
08/04/07 20:03:58 T5XUrON9
「雨は好きじゃない。でもたまには雨に降られてみるのも悪くないもんさ」

他の建物の邪魔が入らず、切れ目の無い『虹』を見ながら、
そのときはまだ名前もしらなかったコイツはそうとだけ、呟いた。

そう、コイツはただ虹を見るためだけに、学校の屋上でずぶ濡れになっていたのだ。
雨が止むまで屋内で待っていればいいものを、まるで虹が出る瞬間を見逃すのを惜しむように。

当たり前の話だが、昼時の太陽は南にある。そして虹は太陽とは正反対の場所にできる。
つまり、ちょうど学校の北側にある裏山にかかるように虹は出ていた。

その後、(結局濡れたせいで)私の制服(夏服)が透けてるとか、お約束な出来事があったがそれはともかく。
次に会ったのは翌日だった。

虹を見たのがちょうど満月の日で、その夜も私は裏山を駆け回った。
(昼間思いっきり濡れたものの、幸い風邪は引いてなかった)

そしていつものように、
ファーストフード店でハンバーガー山盛りをもくもくと咀嚼してる時にさっきのように向かいの席に座ってきたのだ。

「よ、久しぶり」

そんなことを言っていた気がする。
丸一日を「久しぶり」と言うか疑問に思ったがそこはスルーして、
しかし不思議な感覚を感じていた。


815:水銀 ◆5QXHO4/GJY
08/04/07 20:05:32 T5XUrON9
常日頃、私は感情を周囲の雰囲気に合わせていた。
誰かがそばに居る時は常にその誰かの顔色を伺い、誰も居ない時は空虚だった。
でもコートは、彼と一緒に居る時だけは、自然体で居ることができたのだ。
そんな空気は嫌いじゃなくて、気が付けば満月の次の日に彼と会うのが恒例となっていた。

何故その日なのかは私にも分からない。
ただ、彼は学校が終わるとすぐにどこかへ消えてしまうし、家の場所も知らなかったから、
例の日を除くとほとんど会う機会もなかった。

携帯の番号やメルアドを聞いて見た事はあるのだが、
驚いたことに携帯電話を持っていないらしいし。

そういえば一度、彼を同族じゃないかと疑ったことがあった。
なんせ学校以外で会うのが月に一度、それも満月の次の日に限定されているからだ。
判別する方法は簡単。
満月の夜に、抜け毛か切り取った髪の色が変われば同族だ。
自分で試したことがあるのだが、変身するときには抜けた毛も、切り取られた髪もしっかりと色が変わっていた。
しかし結果はノー。
体育の時間にこっそり更衣室に潜入してまで入手した抜け毛は、何の変化も起こさなかった。
(ちなみに制服(名札つき)に付いていた毛なので他人のものとは考えにくい)


816:ZのR ◆5QXHO4/GJY
08/04/07 20:14:36 T5XUrON9
以上です。

これを回想部分に入れると途中でダれそうだったんで削りました。

で、明日から忙しくなるのでたぶん長くROMになると思います。

817:名無しさん@ピンキー
08/04/07 20:28:25 UxI2Euw1
>>811

だからそれがだめなんだって・・・・・・って言ってもしょうがないな;
言い訳は言い訳以外にはなり得ないんだから・・・ってたたいても何も出てこないね。サーセン
一生懸命仕事すればなにか見えてくるとおもうし。がんばってねー。

でそろそろ自分もネタ絞り出してなにか描きたいけど・・・・・・エナリーが



818:名無しさん@ピンキー
08/04/07 20:32:28 eDY+3GFA
後からうだうだ言うくらいなら最初から投下しなきゃいいのに。

819:名無しさん@ピンキー
08/04/07 21:36:17 IzjHkPzG
まあそう言ってやるな。注意するにしても相手を伸ばす方向に指摘したほうが良いんじゃないか?

……むしろ、発展途上だというならばいっそ、教えて伸ばしつつ、
自分の書いて欲しい方向に誘導して理想の物語を書いてもらうように育てる、
という物書き版の光源氏計画もできるやも知れませんぜ、ダンナ。


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