08/02/15 02:01:46 5gH/cyJR
女の人が何かに跨っている写真だ。
馬ではない。自転車でもない。
平均台も違うし遊園地の乗り物でもない。
同じような、少し濃いめの肌色の上にだ。
「わっ、うっわ!?」
恵は時間差で驚き慌てふためき、白い頬を一気に赤くした。
その雑誌をバサバサとお手玉。
源造が慌てて取り返し、事もあろうに中身をしげしげ眺める。
「ぼかしてあるヨ」
「ンなの関係あるかっ!」
騎乗位であえぎ声を上げる豊満な体つきの女性、その“中心”を突き上げる、日に焼けて逞しい男性の写真。
肝心な部分にはモザイクよりも細かいぼかしが入っている。
とどのつまりハメ撮りというやつである。
何の珍しいこともない、と平然とそれを視界に収める源造が恵には信じられなかった。
「フ、フケツなヤツだなお前って奴は」
「やだなめぐ、フツーだよ。男なら、見ない奴の方がおかしいんだ」
ぺらぺらぺらっと頁をかなり速めに捲って中身を流し見る源造。
「だからめぐには刺激が強すぎるって言ったデショー」
一体あの衝撃映像の他にどんなものが掲載されているというのか?
恵は紅潮と動揺を静めようと努めながらも、思った。
気にならないと言えば嘘になる。
しかし見られないのだ。そもそも見たことがない。
有害図書とされるこのような書籍を、その手は触れたことすら(今までは)なかったのだ。
何故だか、鼓動が高鳴っていた。
“男なら、見ない奴の方がおかしいんだ”
源造のこの発言も聞き捨てならない。
そうだ、男だ。俺は男。
今までは女の子の美木といつも一緒だったから見ようとしなかっただけダ、ソーナノダ。
「げ、ゲンゾー。ソレ、俺にも見せろヨ」