とある魔術の禁書目録 7フラグ目at EROPARO
とある魔術の禁書目録 7フラグ目 - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
08/01/05 01:41:01 Z2kSUIVs
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301:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:56:42 JhQcLJIh
本スレ>>273の宣告が鬼過ぎて俺が泣いたので書き上げてみました。

注意書き
・ステイル=マグヌス×月詠小萌教諭
・エロ有り
・この小説の登場人物は全て18歳以上です
・無駄に長いです
・土御門を愛していますが何か問題でも?

こんなんでよろしければお付き合い下さい。

あと無駄に長いのでエロ開始時点でもう一度注意書きを入れます。
お忙しい方はまずそこまで飛ばして下さい。


ではでは。

302:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:57:38 JhQcLJIh
学園都市は基本的に八割を越すの学生と教職関係者が人工のほとんどを占めているが
大覇星祭、一端覧祭など多くの観客が集まる行事や
数々の外部の学者が集う学会なども頻繁に開かれる為ホテルもある程度は存在する。
しかし普段はほとんど客がいないのでどこのホテルも閑古鳥が鳴いているのだ。
学園都市から補助金が出ているものの、それだけでは経営が苦しいのでどうしても副収入が欲しくなる。
ここ、ジルトンホテルもその例に漏れず土日にはこうして昼食バイキングを開いて学生の客を集めているのだ。
しかしいくら昼食バイキングとは言え五ツ星ホテルの料理である。
料金はいわゆるお嬢様お坊ちゃまが『オホホホホ今日のお昼はあそこにするザマス』というレベルであり
当然そこに集まるのはマナーを身に着けた輩ばかりであってバイキング特有の慌しさは存在しない。
筈なのだが……

「うっひゃああああっっ!!??ねぇとうまっ!とうまっ!ホントにこれ全部食べていいのっ!?」
「おぉ好きなだけ食べろっ!もう飯を見るのも嫌だってくらい食べてくれっ!」

場違いに騒ぐ少年と少女がいた。
少女は青みがかった銀髪も異彩を放つが何より服装が異端だった。
白い修道女服に身を包んだその少女は学園都市では完全に浮いてしまっている。
一方少年の方はたいして特徴は無いが黒髪が異様にツンツンと逆立っていた。
少女は目を100カラットに輝かせて料理をうっとりと眺め続けている。
「インデックス!時間は一時間しかねぇんだっ!呆けてる暇があったら1グラムでも多く食べろっ!」
「うんっ!とうまっ!」
インデックスと呼ばれた少女は大きく頷くと彼女なりの最大速で駆け出した。
勿論そんな事をしたら周囲の客の注目を一身に集める事になるが
彼女はそんな事を構いはしないし彼女の外見が必死さを愛嬌に変えていた。
多くの客が嫌悪ではなく穏やかな好意をもって少女を眺めている。
喫煙BOXの中に作られた喫煙席に座るステイル=マグヌスもその中のひとりだ。
一人テーブルにつき、申し訳程度に皿に盛った料理にも手をつけずにインデックスを眺める姿は
その黒い服も手伝ってともすれば変質者と思われがちだ。
だがガラスに張った隠蔽のルーンのおかげで彼の姿は誰の目にも映らないし
映ったとしても彼の瞳を見ればそんな事は思わないだろう。
ただひたすらに、真摯に、愛情のみを感じさせる優しい瞳がそこにあった。
視線の先には
『ガツガツムシャムシャうまーっ!ハムハムガブガブうまーっ!』
と料理をひたすら口に頬張っては満面の笑みを浮かべているインデックスがいる。
頬や首にかけられたナプキンはもう食べこぼしでぐちゃぐちゃだ。
それを乱暴に拭くのは上条当麻の仕事だ。
もうステイルが優しく拭いてやる必要は無いし、そして拭いてやる事は出来ない。
彼は新たな煙草に火をつけ、そして大きく吸い込んだ後に思い切り紫煙を吐き出す。
少し煙が目に染みた。


303:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:59:00 JhQcLJIh
「うわぁ……もうしーあーわーせー……」
「あぁ……俺もウプッ……限界だ……」
最初はにこやかだったシェフを一時間の間に青ざめさせた二人(正確には少女一人)は
満足そうに食事の余韻を味わっていた。
当麻の方は食後のコーヒーを胃にいれる余裕など無かったが
インデックスは先程までの慌しさはどこにいったのか外見と一致した優美さで紅茶を嗜んでいる。
「とうまっ!また来ようねっ!」
「いやいやそれは無理でせうインデックスさん……上条家の予算ではこんなトコ二度と無理っ!
 土御門がここのチケット気前良くくれたから来れたんだからな?」
少女が不満の声を上げるが少年は取り合わない。
その後数分間少女が一方的に少年に食いかかっていたが少年がコーヒーを飲み終わると仲良くホテルを出て行った。



インデックス達の姿を最後まで追い続けていたステイルは、
ふたりが見えなくなってからようやく一言呟く。
「やれやれ……彼女が食べたいものを食べさせてやるくらいの甲斐性も無いのか君は。
 つくづく駄目な男だな」
結局料理には手をつけず、かわりに灰皿の上に煙草の吸殻が積まれて山を形成していた。
シェフには悪いが、料理を食べる余裕など無かったのだ。
あの子の姿を、笑顔を、脳裏に刻み付ける事に精一杯で。
土御門元春は優秀なスパイだ。彼の協力を仰いだ成果をもう一度脳内で反芻する。
恐らくこれの代償にいつか無茶を押し付けられるだろうが、それが何だと言うのか。
魂に刻んだ魔法名にこめられた想いは、今も全く色褪せていないのだから。
「神裂も誘えば良かったかな?」
彼の同僚であるあの聖人も、きっとこの光景をとても喜んだだろう。
もしかしたら涙ぐんでしまうかもしれない。
科学に頼るのはシャクだが写真でもとっておけば良かったかと軽く後悔した。
咥えていた煙草を灰皿に押し付けて火を消し、席を立つ。
そのままホテルを出たステイルを秋風が襲った。
全身を包む長衣のおかげで寒さは感じないが頬は冷える。
予約してあった別のホテルに早く向かおうとして

「あーーーーーっ!!!あなたはもしかしてーーーー!!!」

いつか聞いた覚えのある声が背後からステイルを襲った。
声は勿論ステイルの耳に届いているし、その声だけで彼はそれが誰か解ったが
敢えて無視して早足で先を急いだ。
しかし後ろからパタパタパタパタパタパタっっ!!という猛烈な足音が近づいてくる。
嫌な感覚が彼を襲う。追いつかれれば終わりだ。
いっその事駆け出そうかと考えたその時、後ろから回り込んだ何かがステイルのお腹にぶつかった。
「きゃっ!」
可愛らしい声を上げて倒れたのは彼の予想通り、
「……お久しぶりです」
「ほらやっぱりー」
満面の笑みを浮かべる桃色のワンピースと髪の少女(?)だった。

304:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:59:54 JhQcLJIh
ステイルが差し伸べた手をとって立ち上がった月詠小萌はニコニコニコニコニコニコニコォっ!と
どこかの背後霊ならラッシュを放ちそうな勢いで笑みを深くした。
「ステイル=マグヌスちゃん、ですよねー?上条ちゃんに名前を聞いておいたのですよー」
「……えぇ、そうですが……」
ステイルはいきなりの『ちゃん付け』に内心たじろいだものの、とりあえず返事をする。
冷たい感じに聞こえるように丁寧語を選択する事も忘れなかった。
「今からお時間はありますかー?折角の機会ですし、あの時のお礼をしたいのですがー」
「いえ、大変残念ですが今晩泊まるホテルにチェックインの手続きをしなければならないので」
冷たい拒絶の声に笑顔が力を失い、ただでさえ小さな背がますます縮んでしまう。
僅かにステイルは罪悪感を覚えた。が、これ以上彼女に関わってしまうのもまずい。
ただでさえ彼女の魔術を手伝うという馬鹿な真似をしたのだ。
魔術は、それに精通した彼だからこそ言えるのだが外道・外法の知識だ。
それを必要としない一般人が関わるべきものではない。
自分と関わるということは魔術に絡んだ何かに巻き込んでしまう危険があるのだから
彼女との縁だってここで終わらせてしまった方が彼女の為だ。
「そ、それならっ!せめてそのホテルまで案内させて欲しいのですよー!」
しかし彼女は食い下がる。
「……なら、案内をお願い出来ますか?」
ステイルは少し考え込んだがその提案を受け入れる事にした。
彼が学園都市の地理に明るくない事は事実だし、
ここで拒否したらまた彼女がステイルに別の形で関わろうとする事が容易に予想出来たからだ。
「はいっ!」
一瞬でさっきの笑顔の輝きを取り戻し元気に返事をした彼女は、
誰がどうみても彼より年上には見えなかった。
「僕が予約したのは経国ホテルというホテルです」
「うわぁっ!?本当ですかっ!?随分とリッチなのですねー!」
宿泊先のホテルの名前をステイルが告げると彼女はかなり驚いた。
幼い頃から魔術に明け暮れていた彼の趣味は煙草くらいのものだし
『必要悪の教会』の給料もそこそこの額だ。どうしても預金残高は大きくなっていく。
たまの機会にはこうして浪費する癖がいつの間にかついてしまっていた。
先導して歩く彼女の後をついていくが、いかんせん足の長さが違い過ぎた。
彼女の名誉の為に追い抜いてしまわぬようさりげなく歩幅を狭める。
少しきゅうくつな思いをしながら暫く彼女の後をついていく。
「そういえば、上条ちゃんとはどういうお知り合いなのですかー?」
「いえ、あのば……上条君とは……」
唐突な質問は内容もあいまって返答に詰まった。

「―――――なら、インデックスちゃんのお友達ですかー?」

彼女としては当麻よりも外人であるインデックスの方が関係性があるかと考えただけだ。
そこに他意は無い。
ステイル=マグヌスは月詠小萌が先導している現在の状況に感謝した。
きっと今の自分の表情は歪んでいるだろうから。

「えぇ、そうですよ」

鉄の意志で打ち潰した声に、震えは無かった。


305:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:01:37 JhQcLJIh
と、唐突に彼女の歩みが止まり、振り向いた。
ステイルがいぶかしむ間も無く、彼女はただでさえ低い位置にある頭を更に下げる。
「ごめんなさい」
「?……道でも間違えたのですか?」
彼女に謝られる理由などステイルには思いつかない。
だが上げた彼女の顔には深い罪の意識が感じられた。
「そうじゃなくてですねー……あの、その……」
「だから、何ですか?」
「いえ、その、……何でもなかったのですよー」
また彼女は前を向き歩いていく。方向転換などはしなかった事から道の間違いでは無いらしい。
しかしその背は明らかに先程よりも元気がなかった。
(……気まずいな……)
ストレスを感じるとつい口が寂しくなる。懐から煙草を取り出そうとし……止めた。
この国ではマイナーな銘柄だ。
大半が学生の学園都市では煙草の需要もあまり多くなく、この銘柄を見かける事はまず無い。
ホテルでの一時間でいつもよりもハイペースで煙草を消費してしまったから少し我慢しておかないと
明日の帰りまでにニコチンという福音の存在しない地獄行きになるかもしれないからだ。
加えて、この女性の前で吸うと箱ごと没収されかねない。
しかし気まずい雰囲気はどうしようも無い。
「…………そう言えば、貴方の方は時間は大丈夫なんですか?」
ステイルは散々迷った末、出来るだけ優しい声で無理矢理話題を振ってみた。
「あ、私ですかー?いえ、私の方は全然大丈夫ですよー?
 本当は今日は授業で使うプリントをつくろうと……あ、あの私が教師をやってる事は言いましたっけー?」
「えぇ、あのば……上条君から聞いてます」
「その上条ちゃんのお友達の土御門ちゃんって子がいましてですねー。
 買い物中に財布を落としたって電話があったので一緒に探してたのですよー」
駄目な子程可愛くてしょうがない彼女はまた笑みに輝きを取り戻していた。
一方ステイルは表情を取り繕いながら心中で思い切り苦虫を噛み潰す。
(これはアイツの差し金かっ!)
偶然にしては出来過ぎていると感じていたが、こうまで露骨にやられるとグウの音も出ない。
「探すのに半日かかっちゃったんで今日はもうお休みにしようと思ってたのですが、
 そこで偶然ステイルちゃんを発見したのですよー」
(いや、それは偶然じゃなくて明らかに土御門の悪意の結果なんだが……)
と、チビッ子先生の足が止まる。目の前には豪奢なホテルがそびえ立っていた。
「あ、あのー……チェックインの手続きで何か戸惑うことがあるかもしれませんしー、
 中までついていってもいいでしょうかー?」
「いえ、ここまで案内して貰った事で充分ですよ。どうもありがとうございました」
やんわりと断ると
(……うわぁっ!すごくショボーンとしたっ!)
ステイルが内心たじろくぐらい小萌は肩を落とした。それはもう滝のような勢いで。
彼は紳士の国で育ってきた。紅茶を愛しているし女性に優しくするのは信条だ。
「……そうですか……」
ともすればその場にしゃがみこんでアスファルトに『のの字』を描きかねない凹みっぷりに
「……すみません、やっぱりお願い出来ますか?」
折れざるを得なかった。


とはいえチェックインの手続きを済ませれば今度こそ終わりだと、そう考えていたステイルに
「いえ……あの、このご予約でしたらご解約されておりますが……」
ホテルマンが申し訳無さそうに告げる。
「は?いえ、あの、確かに予約をしたのですが……」
「しかし記録では今朝ご解約されてますし、違約金ももう頂いているのですが……」
今日ステイルがここに泊まる事を知っているのは彼以外には土御門しかいない。
勿論こんな真似が出来るのも彼だけだ。
(やられた……!)
しかし、意図が解らない。どうしてホテルの予約を解除したのか、その真意が掴めなかった。

306:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:03:06 JhQcLJIh
「あ、あの!どうかしたのですかー?」
まごついている彼の様子を見かねて、小萌が近づいてきた。
タイミング悪くホテルマンがステイルに提案をする。
「今から別のお部屋をご用意する事も出来ますが……」
「ほえ?という事は何かトラブルでもあったのですかー?」
「えぇ。こちらのお客様がされた予約は既に解約されていまして……」
流石は一流ホテルのホテルマンだ。外見からは小学生にしか見えない小萌相手にも
完璧な礼儀を守った上で応対をしてみせる。
しかしその生真面目さはステイルを追い詰める事にしか繋がらない。
それはどこの国の人間が見ても一目で『やったっ!』と思っている表情を浮かべて
両手を合わせるチビッ子先生。
「あぁ、それならちょうど良かったのですよー!」
何となく嫌な予感しかしなかったステイルはまず断った。
「いえ、結構です」
「うぁっ!?何で聞きもせずに断るのですかーっ!?」
いきなりの否定にチビッ子先生は少し涙目になる。
くるくると万華鏡のように変わっていく表情。誰かを本当の意味で心配出来るという稀有な在り方。
ステイルは耐えられなくなり小萌の視線から逃れるように顔を逸らした。

(……本当にこの人は……あの子を思い出させてくれる……)

「あのー!聞いてますかー!ステイルちゃんは泊まるところが無いんですよねー?」
一度固くまぶたを閉じる。きつく、きつく何かの栓を閉めるように。
そして正面から小萌から正面から向き合う。
と言っても背が大きく違うのでどうしても見下ろす形になってしまうが。
「はい、そうですが……それで、何かいい案でもあるんですか?」
(知り合いの家でも紹介してくれるのかな?……あの馬鹿の家など願い下げだが)
しかし目の前のとてもそうは見えないいい年した大人の案は
「はいっ!少し汚いのですけど、私の部屋に泊まればいいのですよーっ!」
ステイルの予想の斜め上をカッ飛んでいた。思わず右肩がガクンと落ちる。
「ちょっ!ちょっと待て!貴方は何を言ってるか解ってるのかっ!?」
「勿論夕飯の費用も光熱費も全部こちら持ちですよー?
 お金だって浮きますしお得だと思うのですがー」
「いや、そうじゃなくて……」
「善は急げなのですよー!夕ご飯の準備もありますしー!」
この小さな体のどこに、と思わせる強烈な力でステイルの体は引っ張られていく。
「いや、だから、あの……」
小さな手がこちらの手首を握り、乱暴に引っ張る。
体の小さな女の子が無駄にデカイ男の子を強引に連れて行く。
それはいつか、どこかでも見られた光景。

『ステイルっ!あそこのスコーンのお店で新作が出たんだよっ!私としては是非是非試してみたいかも!』

(僕の話を少しは聞いてくれ……)
いつかとよく似たその感覚は、いつかと同じで不思議と嫌ではなかった。

307:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:05:07 JhQcLJIh
「ステイルちゃんは何か食べれないものはありますかー?」
スーパーに備え付けのかごを両手で持って先導する月詠小萌の後をステイル=マグヌスはついていく。
まだお昼過ぎという事で客はまばらで、奇妙な恰好をしたステイルを見咎めるものもほとんどいない。
「いや、特にないんだが」
「あぁっ!!!」
いきなり大きな声を上げる彼女は、くるりと回転するとステイルの方を向いた。
その瞳は大きく見開かれている。
「あのぉ……そう言えば、ステイル=マグヌスですからマグヌスが苗字ですよねー……
 マグヌスちゃんと呼んだ方がいいですかー?」
小萌の奇妙な質問に、ステイルの右肩がまたガクリと大きく落ちた。
「……それよりも、ちゃん付けをまず気にするべきだと思うが……
 それに僕の国ではファーストネームで呼ぶのが一般的だ。そのままでいい」
「そういえばそうですねー。ならこのままステイルちゃんで行くのですよー」
気を取り直したステイルは小萌の手からカゴを奪った。
無言だったがきょとんとした目で見られ続けた為に渋々言葉を添える。
「……こういうのは男の役目だ。違うかい?」
「ありがとうなのですよー」
ステイルは小萌の笑顔からは目をそらす。
目を嬉しそうに細めて浮かべる屈託の無い笑顔はあの子に似すぎているから。
「あ、そういえばいつの間にか丁寧語じゃなくなりましたねー」
「……そう言えばそうだな……丁寧語に戻します」
「いえっ!そんなの気にしなくていいのですよーっ!
 先生、丁寧語を使うのはいいですけど使われるのは苦手ですしー」
(それは教育者としてはどうなんだ)
つっこみは内心だけで済ませておいた。
ステイルは日本文化に精通しているとはいえ、日本の生鮮食品店の勝手などは解らない。
テコテコ歩くチビッ子の後を大人しくついていく目の下にバーコードのある大男。
「それじゃ焼肉にしましょうかー。ステイルちゃんは牛肉はお好きですかー?」
「まぁ、嫌いじゃないかな」
キャベツと玉ねぎ、ナスなどがステイルの持つカゴにほおりこまれて行く。
野菜の棚が終われば次は魚貝類のゾーンだ。ホタテや竹輪が加わった。
そして二人は精肉の棚の前へとやってきた。と、そこで値札を見て小萌の動きが止まる。
「…………そういえば買い忘れたものがあるのでここで待っていて欲しいのですよー」
そう言ってトコトコと棚の影へと消えていく外見幼女教師。
予想はついたがステイルがそっと後を追うと見えない所でやはり財布の中身を確認していた。
可愛らしく眉間に皺を寄せている。
ステイルが元の棚の前に戻ってからしばらくすると小萌が戻って来た。
「このお肉を包んで欲しいのですよー」
彼女が指したのはこの店で一番高い肉だった。ちょっと指が震えている。
(やれやれ……)
その後、焼肉のタレや漬け込みのカルビなどをカゴにほおりこんでレジへと向かった。
カゴを置くと同時に、ステイルはレジの前に陣取り財布を取り出す。
「うあーっ!?何をしているのですかーっ!?」
「何って……見ての通り会計だが……」
「今日は全部私の奢りだって言った筈なのですよーっ!」
「貴方は確かに言ったけど僕はそれを了承していない。まぁ宿泊費とでも思ってくれればいいよ」
「それは屁理屈というのですよーっ!大人しくそこをどきなさいーっ!」
しかしステイルは財布から諭吉ちゃんをドローしてターンエンドだ。
「それこそ却下だ。それにもう払い終わったしね」
お釣りを受け取り自身の傍らに視線を落とすと、そこには北風を身に纏わせた少女がいた。
何かもう目が死んでいる。
「うぅ……折角のチャンスがー……」
「さて、出来れば早く案内してくれないかな?僕もそろそろゆっくりしたいんだが」
「うぅぅ……わかったのですよー……」

308:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:08:24 JhQcLJIh
大きいビニール袋がひとつと小さいビニール袋がひとつだったのでそれを分担して持ち、
月詠小萌の部屋の前までやってきたふたり。
そこで何かに気付いたように小萌の動きが止まる。
「ちょ、ちょっと待っていて欲しいのですよーっ!」
そうして一人部屋の中へと入っていった。
彼女によく似た少女を知っているからステイルには彼女が何をしようとしているのかが手に取るように解る。
数分後、
「お、お待たせしましたー……」
ちょっと額に汗をかいた小萌がドアを開いたのでステイルは中に入った。
台所にスーパーの袋を置くと、ずかずかと小萌の部屋を散策する。
「ちょっ!何をしているのですかーっ!レディの部屋を漁るなんてハレンチな真似は」
「ここかな?」
ステイルが戸を開け放つと、そこから雪崩のように物が落ちてきた。
ビールの空き缶、服、プリントなどの紙束、専門書エトセトラエトセトラ。
ステイルが床に広がったカオスを冷ややかな目で見下してから視線を移すと、
その容姿に良く似合う涙目をした女教師がいた。
「その場しのぎのごまかしをするのは教職者として、というか大人としてどうかと思うのだが」
「えっと……その……」
「とりあえずまだ日も高い。掃除を始めようか」

309:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:09:24 JhQcLJIh
ゴミをまとめ、プリントや専門書を整理し、服を全て収納し終えた頃にはもう日はすっかり沈んでいた。
「こんな所かな?とりあえずは」
「うぅ……せめてっ!せめて夕ご飯の準備だけは先生がひとりでやるので
 ステイルちゃんはそこで大人しくしているのですよーっ!
 わかりましたかーっ!?」
両手を大きく振って抗議する彼女にステイルは片手を振って了承の意を示し、ちゃぶたいの前に座る。
水道の音、その後野菜を切る音がとなりの台所から響いてくる。
少し気になって覗くと台の上に乗ってシンクに向かっていた。
手伝おうかとも考えたが、やめる。
反対されるのが目に見えているし、実は昼食を抜いてしまったのでかなりお腹がすいている。
邪魔な長衣を脱いで丸めておいた。
(……何をやってるんだ僕は……)
この縁を断ち切ろうと思っていたのに、流され続けてこの状況だ。
今から宿を探すとなるとかなり手間取るだろうし彼女は許しはしないだろう。
近くの棚の上に先程綺麗にしたばかりの灰皿が置いてあった。
そういえばもう数時間吸っていない事に気付くと急に口が寂しくなる。
長衣の内ポケットから新品の箱を取り出して封を切る。
一本取り出して咥えると、魔法で火をつけた。
胸の中に思い切り煙を充満させ、そして口から吐き出す。
ゆっくりと一本を楽しみながらピコピコ上下させていると、台所から声が飛んできた。
「あーっ!煙草吸ってますねーっ!未成年の喫煙は法律で禁止されているのですよーっ!」
「……僕の国じゃ合法なんだけど……」
「それだけじゃありませんっ!、
 そもそも成長期に吸うと成長に悪影響を与えるのですよーっ!」
「見れば解ると思うけど僕はもう充分育ってるからそれも心配ないね」
「だーかーらーっ!何で屁理屈こねるのですかーっ!」
トテトテと台所から歩いてくると、一度小萌先生はそこで停止した。
「……あぁ、何かイメージ違うと思ったらコートを脱いだのですねー?
 そんな恰好もよく似合っているのですよー……ってそうじゃなくてですねーっ!」
黒のシャツとスラックスというラフな恰好のステイルの煙草を没収すべく手を伸ばす。
しかし手が短すぎる。ついとステイルが頭を後ろに下げるだけで届かない。
もーっ!と小萌が憤慨して手を伸ばしてもステイルはそれをすいすいと避けてしまう。
しかし小萌は諦めない。ステイルが悠々と一本吸い終えるまでの間、それは繰り返され続けた。
「解ったよ。もう吸わないから料理に戻ってくれ」
「はぁはぁ……ホ、ホントですかーっ?」
「本当だ。誓うよ」
「……ホントですねーっ?」
「あぁ」
台所に戻っていった彼女を見届けてから、ステイルは煙草をもう一本箱から取り出す。
と、同時に小萌が居間に戻って来た。
「ホラまた吸おうとしているじゃないですかーっ!嘘はいけないのですよーっ!」
「冗談だよ冗談。まだ火はつけてないだろう?」
もーっ!と食い下がる彼女は何があろうと決して諦めはしないだろう。

310:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:10:39 JhQcLJIh
「どれだけ飲むんだこの人は…………」
そこそこいい肉な筈なのに味が全く記憶に残らない程、ステイルにとって目の前の光景は衝撃的だった。
缶を両手で持って飲んでいるその姿は可愛らしいが缶が銀色のビール缶というミスマッチ。
飲むペース自体はむしろ遅い。恐らく一気飲みの勝負なら大抵の人に負けるだろう。
「ホラ、これとこれも、みょうひゃべ頃なのですよ~~」
と言って肉をステイルの取り皿に乗せてまた両手で缶を持ち、飲む。
とにかくコンスタントに飲み続けている。既に8本が小萌の横に並んでいた。
「貴方も飲んでばかりいないで少しは食べないと」
「いぇ、先しぇいはお腹いっぴゃいなのでどうぞどうぞどうぞどうぞー」
けふっと小さくげっぷをして次の肉をホットプレートに載せようとする。
「悪いが僕ももうお腹一杯でね。これくらいにしておこうか」
「しょうですかー……そりぇはじゃん念なのですよー」
「貴方はここで座っていろ。僕が片付けをしておくから」
「いえっ!そもそも今日はおりぇいなのですしそんにゃわけにはーっ!」
「呂律が回ってない。怪我でもされたら困るから大人しくしていてもらおう」
とりあえず自分の取り皿の肉を全て胃の中に放り込んでから
余った肉や野菜が乗った皿をそのまま冷蔵庫の中に入れる。
ホットプレートの扱いはわからないのでコンセントを抜いて台所へと運んでおいた。
「うぁー……何からにゃにまで……本当に申し訳ないのでしゅよー……」
卓袱台に突っ伏す小萌からは外見にそぐわないアルコール臭がプンプンしていた。
「君が悪く思う必要は無い。全部僕がやりたくてやってる事だ」
自嘲気味に笑う。そう、見返りなんて求めていない。
一度あの子の友達でいる事を諦めてしまった自分にはその資格は無い。
「それより、そのまま寝るつもりなのか?風邪をひくぞ?」
「えぇっと……ちょっとここまで来て欲しいのですよー……」
(自分じゃ立てないのか?やれやれ……)
内心呆れながら小萌に近づいたステイルは、
「えへへぇ……騙されましたねぇー」
急に腕を引っ張られてバランスを崩し、床に倒れた。そしてすぐに頭が柔らかい何かの上にのせられる。
「……何がしたいんだ貴方は……」
「先生は今酔っぴゃらってるのでそんな事聞いても無駄なのですにょー」
呆れ顔のステイルが目を開くと上機嫌そうに笑う小萌の笑顔の向こうに蛍光灯が見えた。
どうやら膝枕をされているらしい事を理解する。
そのまま小さな手がステイルの頬や頭を撫でていく。
「えっとでしゅねー……先生は酔っ払うとしょの日のコト全然覚えていないのですよー……」
「それは危ないな。もう寝た方がいいんじゃないか?」

311:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:12:24 JhQcLJIh
「だから、今なら何を聞いても明日には忘れてるのですよー」

やめろ。

「……先生にはひとつ特技がありましてですねー……」

頼むからやめてくれ。その笑顔で、その優しさで触れられると壊れてしまうから。

「泣くのを我慢してる声は解るのですよー……」

やめろ。僕にだってプライドはある。こんな、こんな情けない姿。

「あと……先生は泣く事が格好悪い事なんて思いませんよー?
 『泣く機能』も必要だから人間についてるのですよー」

やめてくれ。その笑顔で見ないでくれ。僕を認めないでくれ。頼むから、お願いだから。

「―――――きっと……きっと、たくさん頑張ったんですよねー?」

「―――――何で……僕じゃないんだ……!」
壊れた。ずっと保っていたプライドが。
「僕がそこにいたんだっ!お前よりも前にっ!」
惨め過ぎて景色が歪んでいく。目の前の笑顔があの子の笑顔に重なった。
「あれに耐えられるわけないじゃないかっ!
 お前だってあの子のあの目で見られてみれば絶望するさっ!砕けてしまうさっ!」
頬を伝う熱い何かを拭うやわらかいものがある。
「お前がっ!お前だってっ!ずっと僕がそこにいたんだっ!お前にっ!」
喉がつまった。咳き込む。
叫ぼうとし、また咳き込んで、しかし言葉は止まらない。
「僕がっ、そこっ、何でっ、お前がっ、僕はっ、あの子にっ、
 ずっとっ、僕がっ、一番っ、何度もっ、ずっとっ、あの子とっ、僕はっ!!!!!」
目のすぐ近くを優しい何かが撫でていった。
視界がクリアになり、目に飛び込んでくるのは少女の優しい笑顔。
「…………何で、僕は……あの時、もう一度あの場所に立てなかったんだ…………!」

312:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:13:16 JhQcLJIh
注意書き


・ここからエロ
・ステイル×小萌
・実用性があるかどうかは聞かないで
・それではどうぞ


ではでは。

313:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:15:00 JhQcLJIh
静寂に包まれてから数分。ステイルはようやく起き上がり、小萌と向き合った。
「……ありがとう。あと、みっともない所を見せてすまなかった」
「……あのですねー?
 先生は、その挫折がなければステイルちゃんと多分出会えなかったのですよー。
 だから……きっと、挫けても、続いてさえいれば、きっと……」
小萌がステイルに迫る。ステイルの膝の上に右手を置き、左手を首に絡めた。
そのままゆっくり近づいてくる。ステイルもそれを避ける気にはなれなかった。
唇を重ねる。ゆったりと数秒そのままでいて、離れた。
「だから……自分を否定するのを止めて欲しいのですよー……
 私は、何があってもステイルちゃんを肯定しますよー?」
「……僕で、いいのか?」
「そうじゃなかったらキスなんてしないと思うのですがー」
もう一度。そのままステイルは押し倒される。
小萌の小さな舌がステイルの口内に侵入して来た。
「…………んっ……んっ」
小萌の予想外にステイルはキスが上手かった。
逃げようとして、しかし頭をがっちりと抱え込まれて出来ない。
時折り呼吸の為に口を離し、何度も、何度も唇を重ねる。
ピクッと小萌の体全体が一度軽く跳ねた。
「んちゅ……んぅ……んっんぁ……流石にキスは上手いのですねー」
「まぁ、する機会は多いからね」
「そうですかー……なら、こういうのはどうですかー?」
小萌の小さな手がステイルの体を這い回る。
シャツのボタンを片手で外してするりと内側に侵入した。
熱を持った肌を手のひらで撫で回し、そして腹筋の筋に指を這わせる。
「……鍛えているのですねー」
「くっ……うぁ……慣れているんだな……」
「まぁ、ある程度はー」
そのまま更に手は下がっていき、ズボンへとたどりつく。
ベルトを外され、そして下着も下げられて晒されるのはへにゃりとしたステイルの男性自身。
「こういうのは初めてですかー?」
そういって小萌がステイルのそれをやさしく摘んだ。
ゆっくりと手を上下させ、徐々に固さと熱を増していくそれを撫で上げる。
空いた左手は睾丸をほぐしていた。
「これ、は流石にけ、い験した事が無いね」
「そうですかー。それはちょっぴり嬉しいのですよー」
さらに膨張をつづけるステイルのそれ。
充分に手でいつくしんだ後、それに舌を這わせる。
「汚、いとはお、もわないのかぅっ!?」
「ふふ……んぅ、んちゅ、ん、……咥えられないのが残念なのですよー」
ステイルのそれが咥えられないので小萌は舌を這わせる。

314:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:16:31 JhQcLJIh
裏筋から丹念に舐め上げ、鈴口に優しく口付けして吸い上げた。
「ふぐっ!…………かっ……」
「声を出してくれた方が嬉しいのですよー」
そういって右手の上下運動と吸い上げを激しくする。
「あっ!ちょ、待――うあぁっ!そんな同時にやられ―ひぁっ!」
「ん、我慢しなくていいのですよー?全部受け止めてあげますからー」
「うぅっ!だから……何――ぐっ!ああっくぅっ!」
(粘りますねー……もう限界だと思うのですけどー)
小萌の想像通りステイルはもう限界だった。
ただ彼のプライドが一方的に責められて達してしまう事を決して認めはしない。
歯を食いしばり、拳を握り締めてただひたすらに耐える。
(頑張りますねー……先生、そんな子大好きだからもっとサービスしちゃうのですよー)
必死に耐えるステイルの表情を見上げ、より一層愛しさがこみ上げてきた。
その表情をもう少し見ていたいという嗜虐的な感情と
迸りを受け止めたいという被虐的な感情、またステイルを早く解放してあげたいという優しさ、
様々な感情が小萌の中で混ざり、そしてより一層動きを激しくさせた。
舌で鈴口をえぐり、右手で思い切りこすり、左手で肛門の淵をなぞる。
「さんかっ!しょ!なんてっ!ひきょ――――ぁああっ!」
ステイルの両手が伸びてきて小萌の頭を掴む。
そして自身のそれに小萌の小さな口を押し付け
「出っ!!!るぅぅっあああっあぁあぁっっ!!!!!」
「―――んぐぅぅっ!!?」
自身の熱を思い切り解放した。いきなりの事に小萌も対応出来ない。
喉の奥に叩きつけられて盛大にむせた。
唇から離れたステイルのそれは何度も何度も脈打ち、小萌の顔面を染め上げていく。
また、飲みきれなかった白濁が小萌の口からステイルのそれに垂れた。
「うぅ……凄い量なのですよー……」
顔中でステイルの精液を浴びた小萌は、目のあたりをごしごしとこすった。
「す、すまない……つい……」
「?えぇと、感じてくれたという事ですから私は嬉しいのですよー。
 今、お掃除しますねー?」
まず、小萌は手で自身の顔にかかった精液をぬぐい、口に運んだ。喉を鳴らして飲み込む。
「ん、ん、……色や匂いは甘くて美味しそうなのに……何でこんなに苦いんでしょうかー」
小学生にしか見えない少女が自分の精液をぬぐって口に運ぶという光景、
禁断の果実の芳醇な味わいがステイルの脳髄を麻痺させていく。
むくむくとまた熱と硬さを取り戻すステイルの男性自身に気付いた小萌は、
年齢相応の女性を感じさせるいやらしい笑みを浮かべる。
「えへへ……また大きくなっちゃいましたねー……
 それに、今からすぐに汚れちゃうんですからお掃除なんていりませんかー?」
「そう……かなっ!」

315:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:18:17 JhQcLJIh
「ふひゃああっ!!?」
悠然と微笑む小萌にステイルが奇襲をかける。右手で小萌の股間を思い切り押し上げたのだ。
そこは既に下着の上からでもわかる程の充分な湿り気を帯びていた。
「全く……そうじゃなくて、貴方が我慢出来なくなっただけだろう?」
一方的に攻められ鬱憤のたまったステイルは乱暴にそこをいじくり回す。
手全体でガッチリとホールド、一番長くて太い中指で下着の上から押し上げ、突き刺す。
「ふぁっ!?あの――ひぅんっ!?おんなの、このっ!?
 だいぃっ!じ、なっ!?部分はもっとぉ、やさ、しくっ!?」
「さっきあれ程好き勝手やられたんだ。少しは好き勝手にさせてもらう。
ステイルは好き勝手に乱暴した。
小萌は好き勝手にされ、蹂躙され、声を上げ続ける。
「ひぁっ!?ひ、ひきょうなのですよぉ…!そん、な一方的にぃっ!?」
先程無視された恨みから小萌の抗議は完全に無視。
更なる攻めを加える事が脳内魔女裁判で決定。
「聖書の一節にこんなのがあってね……
 『誰かが、あなたの右の頬を打ったなら、左の頬を向けなさい』」
呟きながら左手も伸ばし、そして下着の上から小萌の尻肉を揉み潰す。
「きゃぅっ!?ど、同時なんっ!?、て、いけないのですよぉっ!
 こんなにされ……ひああぅぅんっ!!?」
ぷしゅっと汁が吹き出た。そしてそれは止まらない。
透明な液体が小萌の股間から盛大に滴り落ちる。
「あぁ……だからやめてと言ったのですよぉ……」
大量にアルコールを摂取して既に限界まで張り詰めていた膀胱が一気に弛緩する。
止める事も出来ず、外見通りの幼女のように小萌は漏らした。
ステイルの服や床が暖かい液体によって濡れる。
「うぅぅ……何て事するのですかぁ……酷いですよぉ……」
「す……すまない、調子に乗りすぎた……」
「もう、いいのです……それより濡れた服を脱がないと風邪ひいちゃいますよー?」
言われ、ステイルは素直に服を脱ぐ。
全裸になって横を見ると、小萌は掃除ではなく寝床の用意をしていた。
「他にするべき事があるんじゃないのか?」
「今掃除しても後で掃除しても同じなのですよー。
 それに、今はこちらの方が大事ですからー」
ステイルは眉間を押さえて呟いた。
「そうやって後回しにするから部屋が汚れるんだよ……」
しかし、下半身は膨張したままであり説得力は皆無だ。小萌は挑発的に微笑んでみせる。
「そんな事はいいから、脱がせて欲しいのですよー……ね?」

316:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:21:07 JhQcLJIh
裸にされた小萌が両足を開いて待ち構えている。
胸も尻もあまり肉付きが良くない……というかむしろ皆無だ。
一部の異常性欲者なら激しく反応する肢体に
(興奮しているって事は僕も変態なのか……)
思い切り反応したステイルは内心凹んでしまっていた。
「……?どうかしたのですかー?」
「あぁ……いくぞ?」
ゆっくりと侵入させていく……と、半分入ったくらいで一番奥にこつりと当たった。
「ぁ……大き、過ぎなのですよぉ……」
「大丈夫か?」
心配するステイルを、その小さな腕を精一杯伸ばして抱きしめる。
「ちょっと、苦しいですけど、でも、嬉しいの、ですよぉ?
 ステイルちゃんと……繋がってるのは……」
「そうか……なら、動くぞ?」
ゆっくりと引き抜く。体の内側をゆっくりこすられる感覚に小萌の脳は痺れていく。
「はぅ……ひぅ……」
今度は押し込んでいく。また半分程で奥に当たった。そこを優しくノックする。
「ぁ……ぁあ……それ、フワフワして……」
「気持ちいいか?」
「……はいぃ」
胸の真下にある小萌の表情はよく伺えなかったがその声だけで充分予測出来た。
小萌の部分は精一杯に広がってステイルのものを受け入れ、締め上げている。
油断するとすぐに出てしまいそうだ。
「あ、のですね?」
「何だ?」
「もう、ちょっと……激しくしても……いいのですよー?」
(そこまで言われたら……まぁ、張り切るしかないか!)
小萌の細い腰を両手で掴み、思い切り動かした。体重をかけて抉り、突き刺し、押しつぶす。
「あぐぅっ!?ひぁっ!あっ!あぁっ!あぅぅっ!?」
小萌の手がせめてもの支えに、とステイルの背中に回される。
爪が背中へと食い込んで痛みを発するが、ステイルの脳内はもう小萌の中の感触に占領されていた。
「ひゃぅっ!?あ、あ、あ、あぃっ!?ふぅあっ!?ひっ!あぁあっ!?」
小萌の手がステイルの背から離れ、シーツをかきむしる。
ステイルも限界に近かった。腰を引いて抜こうとし、
「出、出るから……抜」
「だ、めですよぉ?」
小萌に足を絡められる。その行動と言葉で小萌の意思が解ったステイルは
小萌の頭の横に両手を着き、そして思い切り体重をかけて一番奥に打ち込む。
「――――出すぞっ!」
「はい―――――!!!」
そのまま、熱を小萌の中に残らずぶちまけた。
「ひああああぁぁぅぁああっっ!!!!」
何度も何度も痙攣し、その度に噴出する熱を一番奥へと叩きつけるステイル。
その迸りを受け止め、小さな体を跳ねさせる小萌。
痙攣が終わり数秒間硬直した後、ふたりは重なって崩れ落ちた。

317:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:25:05 JhQcLJIh
(こんな所かな?)
明け方に寒さで目覚めたステイルはまず小萌に布団をかけてやると、床など諸々の後始末を行った。
一度掃除を手伝ったからどこに何があるかはさして悩まずに済み、
ほんの二十分程度で全てが終わる。
ふと視線を巡らせると、そこには幸せそうに寝ている小萌がいた。
「……起こしても、別れにくくなるだけか……」
ちょっとした書置きをテーブルの上に残し、わずかに悩んだがお気に入りの煙草を重しとして残す。
そして音を立てないように注意して小萌の部屋を出る。
ビルの合間から朝日が僅かに見えた。
「……土御門、いるんだろう?」
「あぁ」
物陰から姿を現したのは金髪にサングラス、そしてダサいのかイケてるのか判断に困るシャツを着た
ボクサー崩れのような独特の雰囲気を持つ男、土御門元春だった。
「何故だ?誰に……何処に頼まれた?」
今回、月詠小萌と出会った事や彼女と一緒にいる時間が長くなったのはこの男の仕業だ。
誰か、何らかの組織の差し金と考える方が妥当である。
「……あぁ、何を言ってるかと思ったらそれか。安心しろ。別にこれはそうじゃない」
しかし土御門の口から出たのは否定の言葉だった。
「考えても見ろ。煙草臭くてムサ苦しい大男と、ちっちゃくてかぁいい女の子……
 困ってたらお前ならどっちを助ける?」
そのあまりの単純すぎる回答に、ステイルはもう苦笑いを浮かべるしかない。
「これは……借りか?それとも貸しか?」
「さぁな……それより、他に頼む事があるんじゃないのか?」
そして土御門が浮かべているのは嫌らしい笑みである。
つまりこのスパイはどうやら全てをお見通しらしい。
「はぁ…………シャワーと、それと服を貸してくれ」
「了解だにゃー」


明け方の科学の街を、二人の魔術師が歩いていく。



318:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:25:57 JhQcLJIh
ここまでお付き合い頂きありがとうございましたっ!

つか本気で長いのでこれを全部読んでくれた方がいたら最大級の感謝を。
エロだけでも楽しんでくれた方には最高級の感謝を。
そして途中であきてしまった方にはもう溢れんばかりの謝罪を。

もうちょっとまとまらないモンですかねぇ?
体小さい小萌先生と2メートルの外人のステイルなら
まず入らないんじゃね?ってツッコミは無しの方向性で。

本当にここまでお付き合い頂きありがとうございました。
お疲れ様でしたっ!

319:名無しさん@ピンキー
08/01/05 19:42:14 95B0Hs6f
>>318
GJ!
小萌センセー好きな自分にはあらがたすぎるお年玉だぜヒャホーイ!!


320:名無しさん@ピンキー
08/01/06 00:43:11 S/6rc3WP
GJだぜい

321:名無しさん@ピンキー
08/01/06 01:01:16 wmEG7TxR
GJ!
内面の描写が上手いと思う。

322:名無しさん@ピンキー
08/01/06 01:41:33 9u0FepvR
GJです!
なんというステイル・・・・
思わずドローしてしまった・・・
このステイルは間違いなくデュエリスト

>>271の他の人物の描写も描いて貰えたら感涙ですよ!

323:名無しさん@ピンキー
08/01/06 02:13:06 knAt2ydR
すげー…なんか

(゚д゚)ポカーン

ってなっちゃうくらい上手い書き方だよ…。
俺もこれぐらいやれたらね。
もっと頑張ろう。


そして、貴方に心からの賛辞を。すげー…なんか

(゚д゚)ポカーン

ってなっちゃうくらい上手い書き方だよ…。
俺もこれぐらいやれたらね。
もっと頑張ろう。

そして、そんな>>318に心から賛辞の言葉を。
GJ!!

324:名無しさん@ピンキー
08/01/06 04:38:08 xkfCc7S4
ステイルに幸せを・・・


325:名無しさん@ピンキー
08/01/06 23:31:54 vTh8JbrU
ステイル×小萌派の俺としては、待ち望んだものが見れて感激です。
こんな良いSSを書いた貴方に千の祝福と万の感謝を…


326:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:31:17 wqgGb47h
オーケィ皆様フクシュウのお時間です。


注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったらどうかお付き合い下さい。
ではでは。

327:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:32:14 wqgGb47h
黒い部屋があった。窓の無い壁も床も煤けて真っ黒、
10メートル四方の中央に一部砕けたり焦げたりしている丸テーブルが置かれている。
その周囲に並べられたパイプ椅子だけがくすんだ銀色を放っていた。
「さて毎度毎度申し訳無いんだが、つかそもそもお前等が自重してくれたら
 俺の仕事も減るんだが……まぁ、こういう火消しも俺の仕事だからにゃー」
「……返す言葉が無いね。……?
 そういえば『旗男』はどうしたんだ?姿が見えないんだが……」
「ンな事ァ別に構やしねェがこいつ等は一体何なンだよ?
 誰にも聞かせちゃなンねェんなら何で関係者増やしてンだ。馬鹿かてめェ」
「あー、とりあえず順番に説明していくぜい、
 『旗男』は呼んだんだがどうも来れないらしい。
 それで急遽この『仮面男』と『扇風機男』に来てもらったんだが……」
「心配は解りますが大丈夫ですよ『白髪男』。『旗男』に関しては貴方達と対立する事はありえませんから」
「ま、運命共同体って事よな。件のシステムは声だけで判断するしか無いから
 『煙草男』だけじゃ心許ないって事で呼ばれたワケなのよ」
「一応言っとくが……『旗男』はアマチュアなんだ。決して責任を負うべき立場じゃない。
 だから、こういう地味な裏方は俺らみたいなプロ連中でさっさと終わらせちまおうぜい」
そして『スパイ男』はテーブルの中央にプレーヤーを置いた。
「正式稼動に向けて装置の設置台数とデータの量も増えててな……
 怪しいデータを片っ端から掻き集めて来たんで判別をよろしく頼むぜい」

『「ええええっとっ!そ、それじゃ、い、いれますねっ!」
 「いや、そんなに慌てなくてもいいから……」
 「は、はいっ!」
 「だから焦り過ぎだって。ホラ、力抜いて……」
 「ふぁ……ぁ……はいぃ……」』

「どうやらウチの関係者みたいなのよ。というかもうそこまでいってたのが意外よな」
「……何かこう、慣れてきた感じの『旗男』の声が激しく不快だな。
 『スパイ男』、次に行ってくれ」
「これもアウト、と。了解だにゃー」

『「あひゃぁっ!ひゃぅぅっ!―――ふあああああああっっ!!!」
 「……くっ……あァっ!」
 「はぁ……あぁ……いっぱ、い出しても、らってうれしい、と
  ミ カは、ミサ は、ちょ、うはつて、きにほ、ほえんでみた、り」
 「……おィ、挑発って意味解って言ってンのか?
  こういう事されても文句言えねェ―――ぞ!」
 「はひぃっ!?よ、四回戦はさすが―――ふひゃあっ!?」』

「……動じてないな。流石に慣れたか『白髪男』」
『スパイ男』の言葉に、『白髪男』はつまらなさそうに溜息を吐いた。
「つか、最近またアイツがおかしいんだよなァ……
 やけに犯られたがるしよォ……しかも全部中に出せと来たもンだ……」
「それはそれで男冥利に尽きるってもんよな」
「……この声、どこかで聞き覚えがあるような……」
「……?何か言ったか?『仮面男』」
「いえ、何でも」
「次いくぜい」


328:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:34:07 wqgGb47h
『「ホラホラ情けないとは思わないんですか。
  こんな足だけでもうイっちまいそうなんて」
 「うぁっ!……た、頼む、も、もう限界なんだ……」
 「駄目ですよ。私らシスターは全員あの方の妻なんですから、
  不貞を働くわけにはいかないんです。
  でも……まぁ、頼み方によっちゃあ考えない事もないですね」
 「イ……く……さい」
 「聞こえないですよ?」
 「イかせてくださいっ!は、早くっ!」』

全員が黙った。男の哀願なんて気持ち悪くて聞けたもんじゃないからだ。
「……随分とマニアックなプレイを……相手は『旗男』として、もうひとりはどこの関係者ですか」
『仮面男』の呟きに、そろそろと『煙草男』が手を上げた。
「すまない。……ウチの関係者みたいだ」
「あぁ、そうですか……何というか、えっと……頑張って下さい」
「つか、アイツはアナルも足もアリかよ。どンだけ趣味の幅が広ェんだ……」
「さぁさぁ気を取り直して次行くぜいっ!お前等ついて来るんだにゃー!」
精一杯の空元気で声を張り上げ、『スパイ男』がプレーヤーのスイッチを入れた。

『「……どうかしたのか?」
 「いえ、えっと……ス  ルちゃんは、やっぱり胸が大きい方が嬉しいですかー?」
 「……何を言ってるんだ貴方は……」
 「ふぁっ!?いきなり触るなんて駄目です――ひぅっ!?」
 「そんな事、僕は気にしない。それに……こっちの方が可愛いしね」
 「ぁっ!……そ、そうですかー?」』

「…………何だその目は!『この異常性欲者』とでも言いたいのかっ!」
大体あっていたので三人が目を逸らした。しかし
「何だ『スパイ男』っ!無言で片手を差し出してくるなっ!にこやかに笑うなっ!
 僕は決して君の同志じゃないっ!」
それはもういい感じの笑みで『スパイ男』が『煙草男』へ右手を差し出していた。
まぁまぁ、と大人の余裕で『扇風機男』が『煙草男』の肩を叩く。
「趣味は人それぞれ、なのよな?」
「違うっ!僕はっ!決してっ!断じてっ!ロリコンなんかじゃっ!
 というかそれなら君はどうなんだ『白髪男』っ!」
「うっせェ。俺はアイツがたまたま小さかっただけだ。
 てめェ等と一緒にすンじゃねェ……おいコラこっちにも手を差し出してくンな『スパイ男』っ!」
埒があかないと判断した『仮面男』がプレーヤーを手に取った。
「次行きますよ」

329:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:36:13 wqgGb47h
『「うああぁっ!」
 「……愛撫開始から2分48秒……いけませんわっ!これではお姉様を満足させるには程遠い!
  いいですかっ!お姉様と関係をもってしまった以上、貴方にはお姉様を幸せにする義務があるのですっ!」
 「いや、俺は」
 「問答無用!かくなる上は……私自身を持って貴方を鍛え上げる事にしますっ!」
 「ちょっと待て!いくらなんでもそれはっ!」
 「あぁ……今、名実共にお姉様と姉妹にっ!」』

また全員が押し黙った。全員の理解の範疇を大きく超えていたからだ。
「これは……どういう事なんだ?」
結構ウブな『煙草男』が呟くと
「あぁ、つまり姉妹というのは……『棒姉妹』を指してるんだろうが……」
と、『スパイ男』が渋々解説をする。
「『旗男』の相手の女性はどうやら学園都市の学生の様ですね。
 何度か追いかけられましたから解ります。しかし……つまり、あの人と『旗男』は……」
何やら思索にふけりだす『仮面男』。
「『仮面男』、次行ってくれるかにゃー?」
「……あ、はい」

『「ホントに起きないじゃんよー。普通ここまでされたら大抵の人は気付くじゃん」
 「ここまで眠りが深いのは何か理由があるのかしら?
  研究してみたら面白そうなのだけど」
 「……やっぱり……黙ってたら可愛い顔してるじゃん……」
 「今何を考えたのかしら?」
 「ふふ、ちょっとイケない事じゃんよ」
 「そう?私としては学園都市首位の遺伝子サンプルにも興味があるのだけど」
 「なら……食べちゃう?」
 「食べちゃおうかしら?」』

「何だこれはァァあああぁあァあああっっ!!!!」
『白髪男』が自身の座っていたパイプ椅子を思い切り壁に投げつけた。
加速されたパイプ椅子は壁に激突し、粉々に砕け散る。
「最近いくら寝てもダリィのはこれが原因かよっ!」
そのあまりの怒り具合に説得を諦めた『スパイ男』は『仮面男』に催促する。
「とにかく次行け次っ!」
「は、はい!」

『「おめでとう、と言うべきなんだろうね」
 「はい、とミ  は満面の笑みで応じます」
 「きっと、これから色々な痛みと向き合わなければいけなくなる。
  それでも……覚悟は出来ているのかい?」
 「……はい、とミ  はもう一度満面の笑みで応じます」
 「なら送る言葉はひとつだ。―――――おめでとう」』

仮面男がプレーヤーをテーブルに叩きつけた。
「……守れとは言ったが孕ませろとは言っていない……」
「……………あァ、最近のアイツはコレのせいかよ……」
「……まぁ、英雄色を好むと古来から言われてるのよ」
『扇風機男』が一応『旗男』へのフォローの様なもの呟きながら
テーブルに叩きつけられたあと床に落ちたプレーヤーを拾い上げた。
「次、行くのよ」


330:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:38:13 wqgGb47h
『「わ、私はメス牛ですぅっ!聖人なんかじゃありませんぅっ!
  こ、これでいいですかっ!?は、はやくっ!」
 「いいや、まだまだ足りないな……俺のこれが欲しいんだろ?」
 「は、はいぃぃっっ!そうですぅっ!
  私はっ!そのお ン  ンが欲しいんですぅっ!」
 「じゃあ、来いよ……」 
 「お……お散歩ですか……?また……外で?」
 「何だ、嫌なのか?」
 「――いえっ!嬉しいですぅっ!」』

『扇風機男』がテーブルを思い切り蹴りつけた。ものすごい音が部屋の中に鳴り響く。
「……何しくさってやがんのよ……」
「まさか、こんな趣味だったのか……」
『煙草男』がしみじみと呟いた。
「あぁ……えっと……何だ、もう……次行くんだにゃー」

『「んぐぅっ!?……と、  ま……き、きもちよかった?」
 「あぁ……そうだな、まぁまぁだったよ」
 「な、なら……明日はお肉食べさせてくれる?」
 「でもなぁ……財布の中身が……」
 「とうま!こ、こっちも使っていいよっ!」
 「じゃ、明日は豚肉買ってこようか」』

「君は……そうか、成程、よく解った」
カードの整理をし始めた『煙草男』を見て、『スパイ男』は大きく息を吐く。
「やれやれ……他のヤツももう全く聞いてないし、俺だけで判別するしかないのか……」
プレーヤーのスイッチを入れ、次のトラックを再生する。

『「今日はありがとなー、『お兄ちゃん』」
 「あぁ、いいよ俺も楽しかったし費用はそっちもちだったしな」』

「…………何?」
もう一度今のトラックを再生する。

『「今日はありがとなー、『お兄ちゃん』」
 「あぁ、いいよ俺も楽しかったし費用はそっちもちだったしな」』

どう聞いても義妹と…………『旗男』の声だ。

331:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:39:05 wqgGb47h


『スパイ男』がテーブルを叩く。全員の視線がそこに集まった。
「お前ら、ちょっと提案があるんだが……
 行 か な い か ?」
全員が頷いた。
全員が自分の敵を理解していた。そして何をすべきかも理解していた。
もうそこに言葉は必要無かった。

扉が、開かれた。

332:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:40:58 wqgGb47h
ここまでお付き合い頂きありがとうございましたっ!

『旗男』がレベルアップしてるって事と
『仮面男』は『妹』と『あの人』を間違えてるって事だけ補足。
だって判別するの声だけですし。

尚、
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません

333:名無しさん@ピンキー
08/01/07 08:02:55 7tElsZ/U
旗男すげぇー!!www

334:名無しさん@ピンキー
08/01/07 09:18:39 J+wzjf3V
もはや旗男を生かしておくのは危険だ…

335:名無しさん@ピンキー
08/01/07 09:19:23 J+wzjf3V
旗男逃げてー

336:名無しさん@ピンキー
08/01/07 10:19:27 nUF7st9L
えーと、これはアレですか?
旗男 VS 煙草男&白髪男&扇風機男&仮面男&スパイ男?

何ですか右側のドリームチームは……これに勝てる奴が居るのか?ww

337:名無しさん@ピンキー
08/01/07 10:37:42 80RgaOJA
左には女性陣の多くがつく筈だ

338:名無しさん@ピンキー
08/01/07 10:46:00 nUF7st9L
ふむ……。だが、関係とヤリ方を考慮すると全員が左に着くとは考えにくい。

仮にもしもの話だが。旗男の関係がここまでが全てと仮定すると、左に着くのは白修道女&雷女&侍女&巫女&手拭女……の、五人と見た。

339:名無しさん@ピンキー
08/01/07 11:32:59 OvOOaJKm
手拭い女ってw

340:名無しさん@ピンキー
08/01/07 12:13:22 OHaDp/bz
スパイ男より、間諜男の方がいいんじゃない? と思うのは俺だけかな?

意味は一緒だよね。

内容はGJ!!ですよ。

341:名無しさん@ピンキー
08/01/07 12:30:50 1pU3/bB1
>>338
さらに聖人と修道女隊長がつくぞw

342:名無しさん@ピンキー
08/01/07 13:28:11 7eypbUps
むしろ敵につくのは誰なのかと。

343:名無しさん@ピンキー
08/01/07 15:50:48 Fmyd6lqU
Wikipediaによれば☆は左側に付くかな

344:名無しさん@ピンキー
08/01/07 17:29:54 fCrao55K
煙草男、仮面男、スパイ男、扇風機男はそれぞれ対応する女性陣が説得したら
血涙流しながら諦めるんじゃね?
白髪男も直接の恨みはあまり深くは無いし、
妹達に懇願された最終女の説得であっさり諦めそう。
元々、最終女の奇行が怒りの原因なんだし。

何だ、割と楽に生き残れるじゃん旗男。


345:名無しさん@ピンキー
08/01/07 18:59:49 1pU3/bB1
>>344
血涙流しながら

「一発殴らせろ」

346:名無しさん@ピンキー
08/01/07 19:34:41 J+wzjf3V
>>345
なんか燃えるシチュエーション

347:名無しさん@ピンキー
08/01/07 19:42:02 WsK7oyis
まあ、煙草男に殴られたら燃えそうだしな。

348:名無しさん@ピンキー
08/01/08 01:39:09 Vx5Q5SiA
仮面男ってどちら様?
できればヒントを・・・

349:名無しさん@ピンキー
08/01/08 01:42:20 wDSQQ9J4
南米>仮面男

350:332
08/01/08 01:51:57 /i+t9xko
>>348
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません

勿論仮面男とアステカの魔術師には何の関連性もありません

351:名無しさん@ピンキー
08/01/08 07:08:18 PS8TL3H8
あげ

352:名無しさん@ピンキー
08/01/08 11:21:07 fJXUy2xK
アステカ君は人間を辞めるのか>仮面

353:名無しさん@ピンキー
08/01/08 18:40:01 XYhRMR4u
この様子では通販女あたりもすでに旗男は……!

354:名無しさん@ピンキー
08/01/08 19:08:23 SeEM59aW
むしろ「先生」も・・・なんて考える俺は終わってるかもしれない。

355:名無しさん@ピンキー
08/01/08 20:55:55 0P8cB/iL
旗男は「従妹」をお(ry

356:名無しさん@ピンキー
08/01/08 21:13:20 0jSrdAgI
『従妹』はあまり本編に出て無いから、いまいちキャラが掴めないよね

357:名無しさん@ピンキー
08/01/08 21:34:52 0P8cB/iL
幼い頃の約束ネタが本当にあったら……凄いことになりそうだw

358:名無しさん@ピンキー
08/01/08 21:36:42 PS8TL3H8
そろそろ花の輪付けた女もいいんじゃないか?

359:名無しさん@ピンキー
08/01/08 22:04:21 wuKXb4Mv
>>357
幼い頃の約束を今でも覚えている乙姫。そんな彼女の想いが、当麻を新たなる戦いに誘う!『とある少年と従妹の約束』
「おにーちゃん・・・約束・・・守ってくれるよね…」



俺には無理だ…

360:名無しさん@ピンキー
08/01/08 22:33:31 0P8cB/iL


幼い頃の約束を果たすためにやってきた乙姫。
そんな彼女が知るのは、暴食シスターことインデックスという少女の存在。

「お兄ちゃん退いて、そいつ殺せない」




なんだろうな、この電波

361:名無しさん@ピンキー
08/01/09 01:46:03 TlH4Gflg
乙姫は典型的な妹キャラ……な気がするが本編の出番がな……

362:名無しさん@ピンキー
08/01/09 03:25:42 MnYasS6l
>>360
TVと一緒で、電波は受信した人が文章に直せばいいのですよ~

363:ある諜報員の仕事の話 GS 前編
08/01/09 03:52:46 8L3M16Dk
ちょっと悪性の電波を受信したので皆様も道連れに。

注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったらどうかお付き合い下さい。
ではでは。


364:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 03:54:59 8L3M16Dk
白い部屋があった。壁も床も真っ白、10メートル四方の部屋の中央に置かれた丸テーブルと
その周囲に並べられた椅子も純白であった。
壁一面に備え付けられた大型ライトによって強烈な光を浴びせられ、
椅子に座る人物の姿が照らし出される。
胸の隆起等の体のラインから全員が女性である事は何とか解るが、
服装に共通点はほとんどなく、また全員が被っている白い仮面によって顔は解らない。
彼女達は個人差はあれど、大多数が落ち着かない様子でソワソワしていた。
それぞれの前に拳大の赤いボタンと、そしてテーブルの中央に黒のスピーカーが置いてある。
と、唐突にテーブル中央の黒のスピーカーから音が発せられた。
『さてさて皆様、お忙しい中すみませんにゃー』
変声機で音声が変えられているものの、口調でその人物がふざけているのが充分に伝わる。
「アンタねっ!こんな馬鹿げた真似してくれたのっ!」
彼女達の中のひとりがテーブルを叩いて立ち上がった。
だがその叫びはヘリウムガスを吸った時のように奇妙な高音になっている。
『正確にはアンタ達、だぜい?ミス・サード。
 それに……解ってるのか?俺達に逆らったらあのデータがどうなるか……』
彼女達のほとんどがビクッと反応する。ミス・サードと呼ばれた女の子も悔しそうに俯いた。
『幸いここに集まってるのは全員同じ境遇なんだが……まぁ、俺達にもそれなりにデリカシーはある。
 だから渡した仮面には変声機をつけてるし、名前ではなくコードネームで呼んでやってるんだ。
 どうだ?寛大な措置だろう?』
「……ふざけんじゃないわよ……アンタ達が誰で、どれだけいるか知んないけど……
 絶対に後悔させてやるから」
『おぉ、怖い怖い。まぁコレが終わればあのデータのオリジナルを配送してやるから
 許してほしいにゃー』
「それで、目的は一体何なんです?私らをあんな手段で呼びつけておいて、
 お茶をご馳走してくれるってワケじゃないでしょう」
『話が早くて助かるぜい、ミス・チョピン。何、そんなに難しい話じゃ無い。
 ちょっと皆様の『体験談』っていうのを聞かせて欲しいんだにゃー』
彼女達がざわつく。
この正体不明の団体から送られてきたというのは自身とその想い人との情事の音声データだ。
当然、謎の声の言う『体験談』というのもいわゆるそういう事についてだと限定される。
「はぁっ!?
 そんなの話してまた録音されたら永久に終わらないじゃないっ!」
『だいじょーぶだいじょーぶ。録音装置なんてその部屋にはないぜい。
 何ならボタンもスピーカーも分解して調べてみてくれても構わないんだが』
「そんなの信用出来るワケないでしょうがっ!」
ミス・サードの執拗な抗議に、……スピーカーの声の口調が変わる
『……勘違いしてんじゃねぇよ。お前達の弱みをこっちは握ってる。
 しかしお前達は俺達が何なのかさえ掴めてないんだ。どっちに命令権があるかくらいは解るだろ?
 ………………それとも、ある日突然昼休みの放送代わりにあれを流され』
と、そこで唐突に音声が途切れた。

365:名無しさん@ピンキー
08/01/09 04:18:24 jXQhuqRE
支援?

366:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:20:24 8L3M16Dk
(調子に乗りすぎですっ!貴方は何でそう無闇に挑発するんですかっ!)
(いちち……何もマジ殴りする程の事でもねーだ……
 りょーかい、りょーかいだぜい。だからそのナイフをしまってくれ)

『……あぁ、すまなかった。ちょっと回線の調子が悪くてな。
 まぁ信用出来ないんなら次の脅迫が来た時への対策でも立てていればいい。
 どうせやられっぱなしで済ませるつもりはないんだろう?』
何人かの女性が頷いた。仮面の下の瞳は決してこのままでは終わらせないという強い決意を感じさせる。
『じゃ、説明タイムと行きますか。お前達の前に赤いボタンがあるだろう?
 自分の前のボタンが光ったらそいつの番だ。
 ちなみに話の終わりはこの俺、マスク☆ザ☆カンチョーの独断だ。
 何、難しい話じゃない。正直に語ってくれればそれで充分だ。
 で、俺がオッケー出したら自分の前のボタンを押してくれ。
 ルーレットが始まって次のヤツを決めるからな』

『……じゃ、始めるぜい』
ボタンが時計回りに点灯し始めた。

回転が徐々に速度を落としていき……そしてツインテールの少女の前のボタンが一際大きく輝いた。
『さて、最初はお前だ。ミス・ゼブラ』
「しょうがありませんわね……少々恥ずかしいですけれど、正直にお話致しましょう。
 私がその殿方と結ばれたのは……というのは少し語弊がありますわね。
 私がその殿方に最初に襲われたのは、実は……公衆トイレでの事ですの!
 白昼堂々血走った目をしたその殿方に追い回されまして……
 公衆トイレに逃げ込んだんですけれどあっさり侵入されて……逃げ場を失った私にあの殿方は……!!!』

(何か妙にノリノリよな。そもそもあのデータから察するに明らかな嘘なんだが……)
(あぁ、実は彼女はこちらの協力者なんだよ。全てを話したら快く承諾してくれてね)
(ちなみに、言ってる事は男女の役割を逆にすれば全て事実ですよ)
(あァ、成程なァ。って事は最初に選んだのも全部演出ってワケかよ)

「誰にも見せた事の無い私の大事な場所を散々弄んだ挙句……
 ……凶器じみたその……あれで私の処女を奪い……うぅぅ……乱暴に私の中をかき回し……
 そしてその狂った欲望を私の中に一滴残らず吐き出して……
 しかも、それをネタに今まで何度も関係を強要されているのです!!!」
あまりの熱の入りっぷりに、静寂が部屋中を支配した。
『…………オ、オーケィだ』
「あら、もう充分ですの?真昼間のビルの屋上である人を見ながらの羞恥プレイや
 服をテレポートで奪われて全裸で自分の部屋まで帰るという露出プレイの話もありますのに……」
『い、いや充分だ。つか充分過ぎだ。さっさとボタンを押して次の話し手を決めてくれ』
ミス・ゼブラは思い切り手を振り上げた。そして
「死ねぇこの類人猿があああああぁぁぁっっ!!!!」
叫びと共に全力でボタンを叩き潰した。

367:ある諜報員の仕事の話 Gen ougoro hiheno Seisai
08/01/09 04:23:34 8L3M16Dk
「おォ、いい感じに跳ねてンなァ」
「えぇ、苦労して用意した甲斐がありましたね……えぇ、ホントに」
「そういえば……仕組みは聞いてなかったな。
 あの乳首と肛門にはったテーピングはどんな効果があるんだい?」
「アレですか?元々はレベルの低い能力者の為の護身用武器って名目で開発されてたもので、
 AIM力場―――つまり、超能力の源をある神経パルスに変換するものなんです」
「つっても触れてねェと効果がねェわ、そもそもレベル2以上じゃねェと発動しねェわで
 あまりに使えそうにねェから開発中止になった不良品だがな。
 まァレベル2のAIM力場で傷口に辛子塗りこむくらいの痛みが発生するらしィから
 レベル4だと……それなりに愉快な事になってンじゃねェか?」
「ボタンを通じて流れてくるその……AIM力場だったか?を動力としているのか。
 猥談で精神を高ぶらせる必要があるのはこっちと同じか」
「そういえばあの股間の呪符にはどういう効果があるんです?」
「あれはあの陰陽博士お手製のもので、ボタンが受けた衝撃をダイレクトに伝えてくれるのよ。
 しかも叩く時に魔力が付与されてたらボーナスダメージっておまけ付きなのが職人技よな」


368:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:28:18 8L3M16Dk
『あぁ、ひとつ説明し忘れてたんだが……このボタン、実は感度が鈍いんで
 押すときは今みたいに思いっきり頼む』
ボタンの光がある女性の前でとまる。
かなり起伏の激しい体を白い修道服で包んだ柔らかい雰囲気の女性である。
『ミス・オリーブ。あんたの番だぜい?』
「あらあら……えぇと、これは困りました。
 あまり人様にお話出来る様な事ではないのですが……
 初めてあの方のものを飲んだ時にはその粘り気と匂い、苦さにとても驚いてしまいました」
『……んん?ミス・オリーブ、解りやすいように話してくれ』
「これはすみませんでした。
 わたくしが初めてあの方と結ばれたのはわたくしのお引越しの時でございます。
 たまたまわたくしが体を洗っているところにあの方が突入されてきまして……
 戒律を破ってしまうという禁忌感がより一層の興奮を呼び」
『いや、また話が飛んでるぞ。突入の後はどうなったんだ』
「いえ、わたくしの体を見てあの方のある部分がちょっと反応してしまったのでございますよ。
 とりわけわたくしの胸に興味を示されたようで、
 いつか御礼をしたいとわたくしも常々考えていましたから、
 とはいえお互い初めての身。何をしてよいかも解らずおろおろしてしまったのでございますよ」

(つまり……コイツが『旗男』の原点かよ)
(まぁ、あの胸は反則よな。大抵の男はいかれちまうってもんなのよ)
(……そうですか?)
(……そうなのか?)
(……そういうもンか?)
(…………あー……少数派に回るってのはいつの時代も寂しいもんよな)

『おぉ、それで?』
「あの方にシャワーの音で声を誤魔化していただかなければ
 きっとあられもない姿を天 式の方々にも晒す所だったのでございますよ」
『……また途中が激しく飛んだなオイ……』
「一度してしまえば勝手がわかるもので、その……胸でいたしたりなど
 あの方の望むがままに体を捧げる事に例えようも無い幸せを感じたのでございます」
『……もういい。ボタン押して次頼む』
「もうよろしいのでございますか?なら……えぃ♪」
ゴスン。

369:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:31:28 8L3M16Dk
『アンタの番だぜい、ミス・ブランケット』
光を放ったボタンがあるのは、まるで触覚のような強烈なアホ毛がはえたとても幼い少女の前である。
「あの人との思い出はミ  とあの人だけのものっ!とミ カは  カは主張したいのだけど
 そうはいかない悲しい現実と無力な自分に涙してみたり」

(あァ?何でアイツがいンだよっ!関係ねェだろうがっ!)
(おや、何でだろうね。解るかい?『仮面男』)
(いえ、そもそも彼女達の招集は『スパイ男』に一任してましたから自分達に聞かれても)
(いい度胸だ……よっぽど壁の染みになりてェみてェだなオイ……)
(まぁまぁそうめくじら立てんでも……それに、本音を聞くいいチャンスでもあると思うのよ)
(…………チッ)

「実はあの人に抱かれてる時が一番好き、と  カはミサ は大胆な事実を告白してみたり。
 あの人は普段は全然ミサ と目を合わせないんだけど、と サカはミサ は寂しい現実を語ると同時に
  サ を抱いてる時は乱暴に見せかけて  カの様子を事細かに観察して
   カの一番良い所をいっつもしてくれてる事とか
 実はあの人なりの最大限の優しさを注いでくれてる、と  カはミサ は自惚れてみたり」
『へぇ?そいつはそんなに優しいのか?』
「それはもう、と  カは サ は発展途上の胸を精一杯張ってみる」

(ニヤニヤ気持ち悪い視線を送ってくンじゃねェっ!あァっ!?何か文句あンのかよっ!)
(あるかい『仮面男』?)
(いえいえまさか。『扇風機男』はどうです?)
(右に同じく、なのよ)
(あァあァァああっっ!!!うっぜェなてめェらぁぁっ!!!)

『成程成程……で、寝顔とかどうな』

(……………わ、解った。もう止めにするからとりあえずプラズマ作るのはやめてくれ)
(チッ……解りゃいいンだよ)
(照れちゃってまぁ……)
(可愛いところありますねぇ……)
(最近流行りの『つんでれ』なのよな)
(あァ何か言ったかてめェらっ!!!)

『は、早くボタンをっ!』
「あれれ、もうなの?と  カは サ はまだまだ語り足りないと言外に不満を潜ませてみたり。
 でもまぁしょうがない、とミサ はミサ は大人しく従ってボタンを叩いてみる」
ゴンッ。

370:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:38:02 8L3M16Dk
『ちゃきちゃき行こうかミス・サムライ!』 
艶やかな黒髪をポニーテールでまとめた長身の女性の前でボタンが光る。
「わ、私ですかっ!?」
『今更逃げ出すってのは無しだぜい?そんな事したらここにいる全員にペナルティだ。
 ちなみに嘘をついたり、内容をボカしたりしてもペナルティ。
 事細かに、詳細に、仔細漏らさず頼むぜい?』

(止めなくていいのか?『扇風機男』)
(…………)
(血の涙を流す程辛いなら、耳を塞いで聞かない方が楽でしょう)
(………………そうは、いかんのよ。我等  式は何があろうとあの方についていくと決めてんのよ。
 あの方のありのままの姿くらい受け入れられなくてどうしてそれが叶うというのかっ!!!)

「……実は……ある少年へのお礼という事でだ、だ、だ、……」
『何だ?』
「だ、……堕天使メイドセットという格好で会いに行ったのですが……」

(だ、堕天使メイドっ!?一体何なのよそれはっ!?)
(あー、このメイドソムリエ『スパイ男』の珠玉の一品だぜい。
 血吐きながら組んだヒトガタの応用術式のおかげで、着てるヤツの感情に応じて羽や尻尾が動く機能付き!)

『で?』
「その……実は目的の少年に会った際にその服が破れてしまい……その…げ、玄関先で…は、裸を……」

(……あー、つまり術式を組み込んじまったから触られると破れちまうわけか。
 そういやセットの下着には自然なパンチラ演出の為に風の術式組み込んだしにゃー……)

「そ、それでですね……つい叩き伏せてしまい……そ、その……介抱はしたのですが……
 あまりに申し訳ないので……『私に出来る事なら何でも』と口走ってしまい……」
『ほうほう』
「それで、に、肉体関係を結ぶ事になったのですが、その、最近はその少年の要望がエスカレートして来まして……」

(大丈夫かっ!?何かもう目がヤバいぞっ!?)
(だ、大丈夫だ。これでもあの方から 草式を預かった身。そう簡単には……)

371:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:41:45 8L3M16Dk
「その……縛られたり、外に連れて行かれてそこで繋がったり、一日中……そ、その……
 道具を使われたまま放置されたり……」

(もう限界ですよっ!やめましょうっ!ホラ、早くこの耳栓を使って!)
(だ……大丈夫だ……ま、まだまだぁぁっ!!!)

「その……わ、私も……実は……最近……そうされるのが待ち遠しいというか、
 そ、その……何と言うか……」
『ハマってる?』
「………………はぃ………………」

(おいっ!おいっ!聞こえているか『扇風機男』っ!)
(だ、だだい、だっだだだっ……だ、だいっ……
 だだだだだーん☆)
(マズイっ!『スパイ男』今すぐ止めてくださいっ!このままでは『扇風機男』の命に関わるっ!)

『はいそこまでーっ!さっさとボタンを押して次の人を選んでくれっ!』
「は、はいっ!」
ガッ―――――!!!!!!!

(うわっ!この聖人、今一瞬スティグマ解放したぞっ!?)
(ボタンが粉々に砕け散りましたね……)
(オイ、どうでもいいが泡吹いてンぞ。大丈夫かソイツ)
(うわっ!こりゃ本格的にやばいんだぜい!まずはコイツの手当てが先かっ!)

『一旦CMだにゃーっ!』

(……ん?何か大切な事を忘れているような……)
(何をボーっとしてるんですか『煙草男』っ!手伝ってくださいっ!)
(あ、あぁ)

372:ある諜報員の仕事の話 GS 前編
08/01/09 04:46:57 8L3M16Dk
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!

中編が
ミス・サード
ミス・プリンセス
ミス・ティーチャー
ミス・チェアーパーソン

後編は
ミス・ライブラリー
ミス・チョピン
ミス・ゴーグル
ミス・メイド

で予定しております。ネタが尽きなければ。
ちなみに魔術のペナルティはボタンと呪符作成時に払い終わってます。


尚、
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません


373:名無しさん@ピンキー
08/01/09 04:50:23 quAVkdFL
扇風機男wwwwwww



374:名無しさん@ピンキー
08/01/09 06:26:02 jmkntzfp
扇風機(つД`)

375:名無しさん@ピンキー
08/01/09 08:38:39 Xtkhp1qR
だだだだだーん☆

376:名無しさん@ピンキー
08/01/09 08:49:07 FmzCT0Rg
なんかスゴイコトになってるな、流れがw
とりあえずGJ!

あと扇風機……イ㌔。

377:名無しさん@ピンキー
08/01/09 09:29:53 Vh/tkri1
後編最後のミス・メイドが『旗男』の命日か?
あと天 式・・・『扇風機男』の忠誠心に感動した!!

378:名無しさん@ピンキー
08/01/09 09:51:32 +QafZXr5
ところで前スレに投下されてた579氏の美琴SSの空白部分を氏に保管していただきたい。


379:名無しさん@ピンキー
08/01/09 10:02:51 Vh/tkri1
「本当にいいのか?佐天」
「はい…でも三つお願いがあります」

「なんだ?」

「一つは優しくしてください…もう一つは絶対に途中でやめないでください…そしてもう一つは…」

「もう一つは?」

「…涙子って…よんでください…当麻…さん…」

彼女の震えが伝わる。彼女も初めてなのだ無理もない。

ならば自分のすべきことは…彼女の想いに応えるだけだ。

「わかったよ、涙子…じゃあ、いくよ?」

「はい…来て…ください…」

そして俺は…彼女の不安(幻想)を・・・破壊し(叶えた)。

こんな電波を受信、しかし俺にはこの前後など書けんぞ。もう限界だしな!

380:名無しさん@ピンキー
08/01/09 13:33:09 Lot0uzGj
誰だかわからないが旗男とやらはまさに外道だな

381:名無しさん@ピンキー
08/01/09 14:23:16 Ia+9jVAv
やべぇこのシリーズ好きだわ
使用できるわけでもないのに保存してしまう。
まあ何が言いたいかと言えば作者GJ!頑張ってくれ!

382:名無しさん@ピンキー
08/01/09 19:21:51 2hTO1Wkf
ここまで>>367でオシオキされてる旗男を誰も心配してない件についてwwwwwwww

383:名無しさん@ピンキー
08/01/09 19:57:10 Vh/tkri1
忘れてた・・・ま、いっか

384:名無しさん@ピンキー
08/01/09 19:59:37 Z1NqIEkH
まあ、旗男はおそらくほとんどの人物の恩人なんだからこれくらい役得があっても良いと思うけどね
というか、いったいどれだけ幻想をぶち壊したんだか・・・

385:名無しさん@ピンキー
08/01/09 22:17:41 hhjqeJ0F
心配なんて必要無い。奴はなんだかんだで生き残る。
まったくもって憎らしい

386:名無しさん@ピンキー
08/01/09 23:30:42 xrS8rAU7
逆に考えるんだ
「周りに人がいっぱい居たら雑音で盗聴なんて出来ないんじゃないかしら」
と考えるんだ

387:名無しさん@ピンキー
08/01/09 23:50:03 TYpokxZ9
・なんたらの魔術とか○○理論応用システムで周りからは見えないようにして
 「旗男と繋がったままry」という風になのか
・対応する男どもを向かわせて「らめえぇみないでえぇ」なのか
・シマウマの目論見通りの百合百合展開を多人数で(+種馬)なのか

「人一杯」だけでもプレイに考慮の余地があるな

388:名無しさん@ピンキー
08/01/10 00:43:59 +UGKJPe4
何だろう、このスレの住人が、特定の『恋人達の日』にジェラシーに身を焦がしながら覆面を被る集団とダブって見える

正体がばれたら、スパイ男だけが身も心も再起不能に追い込まれそうな予感

389:名無しさん@ピンキー
08/01/10 00:46:59 n7x0ajHK
>再起不能
既にその旗は立っていると見たが?
むしろ俺は野郎全員不幸になるとオモwwww

390:名無しさん@ピンキー
08/01/10 00:48:23 1tVkY8P5
中編が楽しみだ。
某学校の日々の主人公を超えてるなwww

391:ある諜報員の仕事の話 GS 中編
08/01/10 05:02:36 l9CBlynS
今日も今日とて悪性電波を皆様の脳内にお届け♪
悪性なんで期待しないで下さい切実にマジで。

注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったら前編と合わせてお付き合い下さい。
ではでは。

392:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/10 05:04:26 l9CBlynS
その少女は追い詰められていた。自身の前のボタンが煌々と光を放ったからである。
マスク☆ザ☆カンチョーと名乗った謎の男は慌てた様子で通信を切ってしまい、今は応答しない。
心拍数があがる。
つい最近、長い間思い続けていた少年と結ばれたばかりで幸せ絶頂だったのだ。
それだけに現在の状況にはイライラが募るし、彼との関係を踏み躙られるようで悲しい。
『じゃ、再開しますか。準備はいいか?ミス・サード』
せめてもの抵抗にスピーカーを思い切り睨みつける。
「……ホント、最低だわアンタ達」
『うん?反抗していいのかにゃー?こっちには』

(だからっ!無駄に挑発しないで下さい!あの人の負けん気はホントに酷いんですからっ!)
(つっても今のままだと絶対に従わなさそうなんだが……どうするよ?)
(……た、例えば人に聞か、せても大、丈夫なデータで揺すると、かどうなのよ?)
(まだ立ち上がるな『扇風機男』っ!さあ早く君の手帳に入ってた神 (7才)の写真を眺めて自分を癒すんだっ!)
(……それで本当に癒されンのか?結局ああなるンだぞ?)
(コフッ)
(『白髪男』っ!とどめをさすなっ!)

唐突にスピーカーからある声が流れ始めた。変声機にかけてあるが
ミス・サードと呼ばれた少女はそれが何だか解ると仮面の下の素顔を一気に青ざめさせる。

『「あの、さ……わ、私達付き合ってるんでしょ?そ、それなりの対応ってもんがあるでしょうが」
 「?」
 「だからっ!呼び方よ呼・び・か・たっ!いつまでもビリビ 呼ばわりするつもりっ!?」
 「あぁ、成程。じゃ、じゃあ……美 、でいいか?」
 「……!!!!!………ぁ、…………ありが………と……当 」』

それは、彼女と彼女の彼氏の初めての後の会話だった。軽薄な声が続く。
『いやー微笑ましいねぇっ!何この初々しいカップルっ!
 お兄さんこうなっちゃった顛末に興味あ………………』
と、その声が止まった。
「……ふ……うぇ…………」
ミス・サードが肩を震わせていたからだ。
『え…?あ、あの……ミス・サードさん?』
「―――――うっさいわね馬鹿ぁっ!何て事すんのよっ!
 私とアイツふたりだけの思い出なのにっ!やっと!やっと呼んでもらえたのにっ!」
『え?……えっとだな……』
「アンタにはわかんないでしょうがっ!ずっと想ってたのにずっと無視されてっ!
 アイツの周りにはいつも女の子がいてっ!
 このままじゃ駄目だってっ!本当に、本当に、勇気振り絞ってアイツ誘って!
 やっと……やっと見てもらえて、呼んでもらえたのにっ!!!
 何で、何でこんな事すんのよぉっ!!!」


393:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/10 05:06:59 l9CBlynS
(……どうします?これ……ものすごくマジ泣きされてんですが……)
(僕に聞くなよ『スパイ男』。……『仮面男』!そのナイフをどうするつもりだっ!)
(こいつがっ!こいつがあの人さえ見てればこんな事せずに済んだんですよっ!)
(『扇風機男』!…は駄目かっ!『白髪男』っ!こいつを止めるのを手伝えっ!)
(面倒臭ェ)

「本当に……本当に怖かったんだからぁ……必死に隠してたけど、
 服脱いだ時なんて膝ガクガク震えて……
 アイツが全然反応してなかったから、泣きそうになって……
 でも、アイツも緊張してるってわかったから、だから、本当に嬉しくて……」
「お、お姉様……そんなにまであの猿の事を……」
「……あの、ミス・サードさんでよろしいでございますか?」
「…………ぐすっ、……何よ」
「ミス・サードさんはその方を本当に愛してらっしゃるのですね?」
「……えぇ、そうよ。悪い?」
「ならば、きっと大丈夫でございますよ。
 例え誰に、それこそ世界中の方に聞かれてもあなたにとってのあのやりとりの価値は変わりませんし、
 むしろ聞かせてやって『わたしは幸せだ馬鹿野郎』と胸を張れる、とわたくしは思うのでございます」
「……ありがと……あなた、いい人ね。……えぇと、ミス・パスタ?」
「そ、そうですのよっ!お姉、じゃなくてミス・サード様とその方はきっとお似合――はべっ!」
ミス・ゼブラと呼ばれた少女が倒れた。自身の発言に拒絶反応を起こしたらしい。
『えっとだな……協議の結果、一応顛末も聞けた事だしオッケーって事でルーレットを回すぜい』


『次はあんただ、ミス・プリンセス。
 一応言っとくがさっきのは特例中の特例だ。大人しく従ってくれる事を願うぜい』
「解った」
小さな、しかしはっきりとした意思を感じさせる声で応じたのは長い黒髪を携えた少女だ。

(と、とりあえずは落ち着いたかい?『仮面男』)
(…………コイツさえ……コイツさえ……)
(…………『扇風機男』、この男から絶対に目を離すな)
(了解なのよ)

「私が。上 君とそういう関係になったのは。 条君の病室にお見舞いに行った時。
 いつもみたいに不幸だ。不幸だって言ってたから。
 私が何をしたら 条君は喜んでくれるか考えたら。これしかなかった」
『うわー。そりゃ滅茶苦茶喜んだろ、ソイツ』
「ううん。すごく怒ってた」
『んん?どういう事だ?』
「何でそんな事するんだって。俺はお前が来てくれただけで充分幸せだって。
 じゃあ何で不幸だって言ってたのって聞いたら。口癖だから真に受けるなって」

(……まぁ……この男なら確かにそう言うだろうね)
(……………………………)
(だろうな。意味解ンねェんだよコイツは)
(だ、そうなのよ。『仮面男』、まだナイフを向けるのか?)
(…………いえ、……約束自体は守っていただいてますしね……はぁ……)

「私。嬉しかったから。思い切り抱きついて。
 そしたら彼のが大きくなってたから。一応知識では知ってたし」
『で、そのまま?』
「うん。そう」
『…………ま、据え膳は何とやらと言うしな』
「私の体。まだ傷が残ってたのに綺麗って言ってくれて」

(さらっと殺し文句を言うんだな)
(『旗男』の名は伊達じゃないんだぜい)
(女性に好かれる事は『旗男』のせいですが、悪い事はしてないですからね。
 だから苦労するんですけれど)

394:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/10 05:09:16 l9CBlynS
「特に。おしりが気に入ってくれたみたい」
『……ぁ?』
「柔らかくって。スベスベしてて最高だって。私もいじられてるうちに段々良くなってきて。
 恥ずかしいっていうのに全然止めてくれなくて」
『そ、そうか』
「最近は。もうずっとそっちばかりだから。私も彼に会いに行くときは綺麗にしてる」

(……やはりナイフ向けてもいい気がしてきたのですが)
(僕もちょっと反対出来ないかな)
(俺は別に止めはしねェぞ)
(いやいやそこは止めるべきなのよっ!)

「彼におしりにいれられた時に。普段は絶対出さない変な声が止まらないんだけど。
 口を手で塞いだら。声聞かせてほしいって腕押さえられて」
『それでそれで?』
「押し広げられて。一番奥に出されたら目の前が真っ白になって。
 次に目を覚ますのは彼の腕の中」
『何かすげぇ事やってんなぁ……オーケイ、充分だ。ボタンを力いっぱい叩いてくれ』
「えい」
ゴズン。



『次はアンタの番だな、ミス・ティーチャー。流石に経験豊富だろうから一番最近の相手だけでいいぞ?』
「しょうがないのですねー」 
桃色の髪が目立つ、幼いとしか形容出来ない容姿の少女の前でボタンが輝いた。

(『スパイ男』っ!何でその人も呼んでるんだっ!?)
(いやー、手違いだにゃー。ホント、これ純然たるミス、悲しい悲劇だにゃー。
 悪気はこれっぽっちもないんだぜい?)
(信用出来るかっ!)
(まァいいんじゃねェのか?本音が聞けるチャンス、らしいぞ?)
(そんなもの聞かなくても解ってるっ!)
(さらっとノロけましたね。これは是非とも聞いておかないと)
(ほら、『仮面男』と二人で抑えておくから進めてほしいのよ)
(助かるにゃー)

『で、ミス・ティーチャーは現在付き合ってる人はいるのかにゃー?』
「えぇ、最近お付き合いし始めたのですよー」
『どんな人かきっちりかっちり教えていただけますか?』
「そうですねー……えっと、こういうのも何ですけど、凄くかっこいいのですよー」

(かっこいィのですよォ)
(かっこいいのですよー)
(かっこいいのですよー)
(………………君達に火葬場は必要無い。僕がサービスで灰にしてやろう)

「あの、背が高いとか顔とかそういう事ではなくてですねー?
 むしろ背はもう少し低い方が首が疲れないですし、色々出来て嬉しいのですよー」
『じゃ、どこがかっこいいんだ?』
「頑張ってるところ、でしょうか?私は教師をやってるんですけどー、
 今まで見た事ないぐらいその子は頑張ってて、意地張ってて、……どっちかっていうと可愛いですかねー?」

(かわいィですかねェ)
(かわいいですかねー)
(かわいいですかねー)
(子供か君達はっ!……というか何で君達はそんなにノリノリなんだ特に『白髪男』!)


395:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/10 05:11:30 l9CBlynS
「その……エッチの時も、一杯頑張ってくれるのですよー。
 私を気持ちよくしようって一杯工夫してくれてですねー、
 会う度に新しい事をしてくれて……きっと、勉強熱心なのですよー」

(勉強熱心か……そりゃァ教師は喜ぶってもンだよなァ)
(きっとあれですね。彼女の為のプロのセックステクニックとかそんな感じの本でも買ってるんですね)
(いやいや、そんな本を買うって発想がアイタタタなのよ。流石にそれはないってもんよ)
(…………殺せよっ!もう僕を殺せばいいだろうっ!?)

「ですから、私も精一杯答えたくて……でも、体が小さくて全部受け入れてあげられないのですよー。
 せめてもう少し拡がらないか試してるんですけれど、そうしてたら気持ち良くなってきちゃって……
 結局ひとりでしてしまうのですよー……そんな夜は、凄く寂しくて……」
『だから、会える時は激しく求めてしまうとか?』
「…………はぃ、その通りなのですよー」

(だそうだぜい)
(男冥利に尽きるってもんよな?)
(これはもっと会いにいってあげないと彼女が可哀想ですよ?)
(珍しくこいつらと意見が一致してンだが……何か言わねェのか?あン?)

『いやいやいい事聞かせてもらったんでそのボタン叩いて次の人を選んでくれ』
「終わりましたかー、良かったのですよー」
ゴツン。


『さてさて、心の準備はオーケイですかミス・チェアーパーソン?』
ボタンが光る。その前に座っているのは長い黒髪を中央で分けた女の子だ。
はっきりと自己主張をしている胸が服の上からでも見てとれる。
「……解ってるわよ」

(ようやく終わったか…………そうか、そういう理由で……
 はぁ……そんな事、僕は構いはしないのにな)
(『煙草男』、何をたそがれているんですか?)
(いや、何でもないよ『仮面男』。…………さっきの事は忘れてくれ)
(はい、わかりました。……で、セックスのハウツー本はどんなのを買ったんです?)
(あァ、俺も興味あンなァ。使えるンだったら教えてくれよ?)
(もう殺せっ!いっその事ひとおもいに殺してくれっ!)

「その……いつもはキスから入るわ。
 思い切り抱きしめて、胸をおしつけてキスしてたらいつの間にかブラ外されてるのよ。
 …………いやに手際がいいのよね……フロントホックでも一発だったし」

(いやいやこちらのお嬢さんも見事なモンで……やっぱ女性の胸は芸術品なのよ)
(そうですか?胸が芸術品なのは認めますが、大きさよりも全体との調和が重要でしょう?)
(くだンねェな。あんなモンただの脂肪細胞の塊だろうが。主成分トリグリセリドだぞ?)
(……ちょっと今のは聞き捨てなんねぇのよ……)
(『扇風機男』、『白髪男』は『煙草男』の同類ですからしょうがないんですよ)
(あァっ!?誰がこのヘタレの同類だっ!)
(ちょっと待て誰がヘタレだっ!)

396:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/10 05:13:03 l9CBlynS
「服の上からまさぐられて、そのうち、我慢出来なくなって……
 直に触って欲しいって言ったら、アイツ毎度の事なのにうろたえるのよね。
 ……アイツに触られたせいか最近また大きくなってきたんだけど……
 胸で顔とか、……その、あれとかしてあげると凄く喜ぶからいいのかな?」
『ほうほう、で、続きは?』
「そのまま顔や胸で受け止めてあげる事が多いわね」
『…………ちなみに、別に精液には美容効果は無いぞ。アルカリ性だからむしろ肌を痛めるんだが』
「えぇっ!?嘘ぉっ!?」
『あのデータ聞いた時にまさかとは思ってたんだが……普通信じるか?そんな俗説』
「……うるさいうるさいうるさいっ!その後なめとってるから問題無いわよっ!」

(だからロリコンじゃねェっつってんだろォがっ!)
(あんな小さい子を好き勝手抱いといてよくそんな寝言がほざけるもんなのよ)
(僕達の場合はたまたま相手が小さかっただけだっ!別に彼女が普通の大きさでもこんな関係になっていたよっ!)
(いえ、貴方は前科があるでしょう。『スパイ男』から聞いてますよ?)
(つか、俺を巻き込むンじゃねェよ『煙草男』)
(馬鹿かお前ら……ロリこそ至宝!ペタこそ完成形!バストはBを超えたらもう腐りかけなんだぜい!)

「続けるわよ。……その、アイツは私の胸見てるのが楽しいらしいから
 大体は私が上になってるんだけど……その、途中で必ず足から力抜けちゃって……
 ってもういいでしょっ!あぁもう終わるわよっ!」
バゴン。

(えぇ、忘れてました……私達は、結局利害関係でしか結ばれていなかった事を……)
(僕は最初から馴れ合うつもりは毛頭無かったけどね)
(あの方への侮辱は何があろうとも許容はできんのよ)
(ンな事ァどうでもいいンだよ。で、やンのか?やンねェのか?)
『何か空気が悪くなってきたんで一旦CMだにゃー!』
(さぁさぁ今からてめェらにロリの真髄を叩き込んでやるから覚悟するんだぜいっ!)


397:ある諜報員の仕事の話 GS 中編
08/01/10 05:15:05 l9CBlynS
ここまでお付き合い頂き有り難うございましたっ!

男5人がどんどん仲良くなっていく……特に『白髪男』のガキ大将っぷりが異常。
書いてて気持ち悪いです。いや割とマジで。

尚、
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません


398:名無しさん@ピンキー
08/01/10 06:31:53 TB/Yf1Gp
男チームも女チームも素敵だ(*´Д`)

399:名無しさん@ピンキー
08/01/10 08:48:32 Kn2rWZNA
今回も素晴らしいw

400:名無しさん@ピンキー
08/01/10 11:26:15 wmGhoXEF
マジ泣きビリビリに性的興奮を感じると言わざるを得ない!

401:名無しさん@ピンキー
08/01/10 11:33:17 9Rji4P/8
煙草男ヘタレすぎワロタ

402:名無しさん@ピンキー
08/01/10 13:13:51 OASMB2jc
仕事場で携帯から読むんじゃなかったwww
GJ、死ぬかと思ったwww

403:名無しさん@ピンキー
08/01/10 13:55:03 IlRo5OiV
まさに「このロリコンどもめ!」といわざるをえない

404:名無しさん@ピンキー
08/01/10 14:18:50 AIkmkH+e
白髪男が良い味出してるのは気のせいかwww

405:名無しさん@ピンキー
08/01/10 15:27:53 yDWs8RKW
気のせいかもわからんが、姫神のおしり率は非常に高いな
なにはともあれGJ!!

406:名無しさん@ピンキー
08/01/10 15:34:33 yDWs8RKW
おっと、ミス・プリンセスだったな
うっかりうっかり

407:名無しさん@ピンキー
08/01/10 20:02:24 RUdA5ux7
釦を押すと"何が"起きるのか.......その、詳細を

408:名無しさん@ピンキー
08/01/10 20:40:05 rgDThGo1
椅子人間さんが誰なのかわからないorz

409:名無しさん@ピンキー
08/01/10 20:48:07 C3SYmjUg
チェアーパーソンでぐぐるといい。

410:名無しさん@ピンキー
08/01/10 20:53:35 JmrqFEpC
扇風機男よ、頼む頼むからその写真(7才)を譲ってくれ

411:名無しさん@ピンキー
08/01/10 20:53:43 fOVAmA9/
チェアパーソン=チェアマン
日本語なら議長、会長だ
ていうか
胸がでかい
黒の長髪の真ん中分け
美容(健康)マニアってこんだけヒントでてるだろ

412:名無しさん@ピンキー
08/01/10 21:00:54 VgTmY51W
>>411
しかしクラス委員と明記されてるのは青ピのみだったりする。
とはいうものの、クラスの実質的なまとめ役だし間違っちゃいないか。

413:名無しさん@ピンキー
08/01/10 21:34:13 ov/8jtRp
最近の楽しみになてますよ。GJでせう。
拷問少女やオシボリ娘、車輪と硬貨の二人や天使(真&偽)なんかはいないのかな?
個人的には幼女隊長が見てみたいかな?

414:名無しさん@ピンキー
08/01/10 22:31:04 nkNpa/XK
>>407

>>382を見て>>367を見るんだ、後は自分でイマジンするべし

415:名無しさん@ピンキー
08/01/11 00:47:08 sYTx14c3
解禁ー。
俺の中で浜面×滝壺の妄想が止まらない。
カエル病院で治療を受けた後、黄泉川のつてで上条たちの学校に編入する二人。
浜面は二年、滝壺は上条たちのクラスに。
また上条にフラグ立てられるかー!と絶望するクラスメイトたちだったが、
「大丈夫だよ。もうはまづらにフラグ立ってるから」
と爆弾発言。青ピ発狂。
そこに浜面登場、上条と鉢合わせ、拳で語り合うことに。
がんばれー。とそれぞれ応援し合うなぜか仲良くなった滝壺と姫神。
止めようと乱入する吹寄、トトカルチョを始める土御門。
今日も学校は平和でした、でオチ。
 
 
あれ?エロが無い?

416:名無しさん@ピンキー
08/01/11 02:41:12 EqqK5LDJ
それは噂の
『とある浜面☆滝壺のらぶらぶすぅいーといちごたると白書』
ですか?

417:名無しさん@ピンキー
08/01/11 05:21:49 7K/NVNH2
結局、何ではまづらが学校に現れるのかなあ

418:ある諜報員の仕事の話 GS 後編
08/01/11 05:29:05 RfltUxWP
今日ネタバレ解禁というのにこんな所で悪性電波を放送、
の前に……

まずは謝罪を。
チェアーパーソン:議長、委員長、会長
チェアーマンだとジェンダー問題があるのでこちらの言い方が今は推奨されているようです。
そして……そういや別に委員長でも何でもないじゃん……orz
すみませんでした!
勿論「とある魔術の禁書目録」の誰かとは全く関係ありませんけどっ!
特に大覇星祭実行委員の方とは!
ちなみに他の候補→ミス・メイルオーダー(通販) ミス・テレフォン ミス・アイアンウォール
……ミス・ヘルスマニアか……その発想は無かった……orz

さてさて三日間お付き合い頂いたこのシリーズも何とか後編です。

注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったら他の二編と合わせてお付き合い下さい。
ではでは。

419:ある諜報員の仕事の話 Gekitou Shitemasu
08/01/11 05:31:03 RfltUxWP
その部屋には6人の男がいた。
炎使い、光の槍でもって全てを分かつ男、道化。
吊られた男、偽装と隠蔽の魔術師、そして――――白の少年。
道化が口を開く。
「ルールを確認するぜい?全員しばき倒して最後に残ったヤツがひとつ命令出来る……
 オーケイかにゃー?」
ルールの確認といいながら全く触れていない、つまり何でもありのバトルロワイヤル。
部屋の中にいる全員が誰が最強かを理解していた。
一度発動すれば、例え太陽を衝突させようが貫けない究極の守りの力を持つ者がいるからだ。
しかしつけいる隙はあった。
どんな能力も発動していなければ存在しないと同義。
ならば……何としてもその力の発動前に一撃を入れ、何もさせずに終わらせればいい。
その可能性も、部屋の中にいる全員が理解していた。
「ンじゃ……行くぞ?」
動く。歪んだ白さを纏う者の指が、己の最強を実現する為に。
その瞬間、側頭部が弾かれた。
「させんのよっ!」
「させませんっ!」
最強が、それを実現する前になぎ倒される。
隠匿の魔術師が放った透明な塊が、少年の頭部を薙ぎ払ったのだ。
と、同時に
「もらうぞ」
白の少年へ向けられる筈の光の槍を成す刃が宙を舞う。
道化が足を振り上げていた。
さらにその足で踏み込んだ道化の肘が、男の鳩尾に突き刺さる。

道化は、本来なら自身の決定的な敗北を避ける為に誰もが最強へと向かうこの場で、
その流れを裏切って最初から男に向かっていた。
全く予想していなかった男はそのまま崩れ落ちる。
隠匿の魔術師の動きから魔術の発動の方が最強の実現よりも早いと読み切り、
自身の勝利の為に無防備な背を晒す男を突き刺す。
道化に許された、そして道化が鍛え抜いた在り方。

そして……己に許された在り方を貫き徹す者がもうひとりいた。
「―――――来い!」

熱が、空間を支配する。

爆発的に体積を増加させられた空気は道化と隠匿の魔術師を壁に叩きつけた。
暴風と、紅の光を伴って炎の王が顕現する。
豪炎の塊は起き上がろうとした白の少年に、その煌々と光る腕を突きつけた。
「……さて」
紅の髪を持つ彼は、懐から煙草を取り出しながら周囲を睥睨する。
「この状況から逆転出来るか?」
彼は、まず最強を潰さなければならないという流れを裏切ったわけではない。
それよりも自身の最強を信じた、それだけだ。
己の名こそが最強であるという幻想を信じきったのだ。
白の少年の最強が完成すれば敗北していた。発動までの無防備な所を狙われても同じだ。
しかし、この結果が示すように―――彼が信じる幻想をこの場にいる誰も殺せなかった。
「出来ないなら」
煙草に火をつけ、そして煙を吐き出す。
「さっきのヘタレ発言を撤回してもらおうか」

「あとロリコン疑惑も」
「それは事実だろ」
「事実だろォが」
「事実でしょう」
「事実なのよ」

420:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/11 05:34:20 RfltUxWP
白い修道服を纏う長い銀髪の少女の前でボタンが光った。
「え、次は私?」
『そうだ、ミス・ライブラリー。そして君の相手はこのマスク・ザ』

(マスク☆!この☆が重要なんだぜいっ!
 交代してやったんだから渡したマニュアル通りにやるんだにゃー!)
(その程度の事で邪魔をするなっ!馬鹿か君はっ!)

「?……どうしたの?」
『君の相手はこのマスク……マスク☆ザ☆レッドが勤めよう』
「何で変わったの?私はさっきのマスク☆ザ☆カンチョーでも構わないかも」
『まぁそう邪険にしないでくれ。さて、君への条件は単純だ。
 僕の質問に答えるだけでいい。……準備はいいかい?』
「…………覚悟は出来てるもん」
『第一問だ。食事はちゃんととってるかい?』
「え?」
『だから、食事はちゃんととっているかと聞いているんだ』
「……えっと、あんまり……いっつもお腹すいてるかも」

(何をやっている『旗男』!君はあの子に食事も与えてないのかっ!)
(首を物凄い勢いで横にふってますよ?)
(いや……ただその子が異常に食うだけだぞ?
 ちゃんと『旗男』は三食食べさせてやってるんだにゃー。
 ちなみにウチに来ては義妹の手料理をかっさらっていくのもその子だぜい)

『第二問だ。何か必要なものや欲しいものはないかい?』

(はぁ……何を聞いてるんですか。流石に怪しまれるでしょう)

「えっと……欲しいものは別にないかな?あ、でも  まと一緒の時間がもっと欲しいかも。
 とう が学校に行ってる間はス   クス以外に遊び相手がいないし」
『そうか……第三問だ。同居人は優しいか?』
「う~……優しくはないかも。あんまり構ってくれないし、
 勝手にどっか行って勝手に怪我して勝手に入院してるし。
 もっと、自分も心配されてるって事を自覚してくれたら嬉しいかな?』
『成程ね。……じゃ、最終問題だ』
マスク☆ザ☆レッドの喋りの調子が変わった事にミス・ライブラリーは息を飲む。

『今の生活は、幸せか?』
「……どうなんだろ……でも、と  がいてくれないと私は寂しいし、
   まがいてくれれば私は嬉しいし……幸せ……なのかな?」

(良かったじゃないのよ。ちゃんと幸せみたいで)
(……あぁ、そうだな。……そう、だな……)


421:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/11 05:36:51 RfltUxWP
「あ、でもようやくと  が私の魅力に気付いてくれたんだよっ!
 今までは全然相手にしてくれなかったのにっ!
 最近じゃほとんど毎晩、その……そーゆーコト、されてる……かも」
『…は?』
「あぁっ!あなたは信じてないっぽい気がするっ!ホントだもん!
 私の胸をプニプニしてて気持ちいいって褒めてくれるし、
 苦いの我慢して飲み込んだら優しく撫でてくれるし、
 最後は決まって中にいっぱい注いでくれるんだもんっ!」

(落ち着いて下さい『煙草男』!イ  ケン  ウスでナニを焼くのはやりすぎでしょう!)
(大丈夫、大丈夫だ。きっと……きっとあの右手みたいに焼けないのさ……その筈だよ)
(絶対そうは思ってない目をしてんのよっ!)

「それで、終わった後はとう は優しく抱きしめてくれるんだよ?
 と まは、私を愛してくれてるんだよっ!」
『……………………よく解った。もう充分だ。信じるよ。
 あぁ、そうだ。君の腕の力じゃそのボタンを押すのは難しい筈だ。
 だからまずはボタンを床に置くんだ』
「…………?これでいいの?」
『そう。それで、思いっきりジャンプしてそのボタンに乗るといい。
 そうしたらきっとそのボタンも作動する筈だ』
「えっと……えいっ」
ピョンっ……ドンっ!

(おォ、何か海老みたいに思い切りそってンなァ『旗男』)
(女の子が股間に飛び乗ったようなもんだからにゃー。……想像もしたくないぜい)
(というかさっきから結構長い間硬直してんだが……ホントに大丈夫なのよ?)
(知るか。当然の報いだ)



『司会は再びこの俺、マスク☆ザ☆カンチョーだ。
 この集まりももう残すことあと僅か……名残惜しいがしょうがないな』
「こっちは全然そうは思ってないんですがね」
『寂しい事を言ってくれるじゃないの、ミス・チョピン。しかしアンタの番だぜい?』
「わかってますよ」
そう不貞腐れた声で呟くのは赤毛のみつあみをいくつもたらしているのが特徴的な少女である。
履物もまた特殊であり、チョピン、またはゾッコリと呼ばれる非常に高い厚底靴だ。
「とは言え、あまり聞いて愉快な話とは思えませんがね」
『面白いかどうかはこっちで判断する。お前は大人しく話しさえすればいいんだ』
「はいはいわかりましたよ。
 この前、いつかの礼にその方のお宅を訪問させていただいだんですがね?」

(そういえば何発喰らったんだ『旗男』は)
(現時点で金的が5発、肛門と乳首への刺激パルスが3発ですね)
(そういやァ、『扇風機男』がアレだったせいですっかり忘れてたが、
 あン時はコイツ泡吹いてたぞ?……うわ、服の上からでも解るくらい腫れてンじゃねェか)
(あの方の一撃で気絶したトコロに更に金的で起こされたのよな?)
(そろそろ折れンじゃねェのか?海綿体の強度にも限界があンだぞ?)
(なら止めるかい?)
(まァいいか)
(そうですね)
(右に同じ、なのよ)

422:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/11 05:39:24 RfltUxWP
「何か非常に恐縮されましてね……一度は敵で、更に命まで救ってもらったってのに……
 ホント、何なんですかねぇあの人は。
 挙句の果てに『あの時は殴っちまって悪かった』ですよ?
 そんな事言われたら……もうまいっちまうしかないじゃないですか」
嬉しそうに肩をゆする。きっと仮面の下は満面の笑みなのだろう。
『まるで聖人君子だな』
「あんた如きがあの人を馬鹿にするんじゃねぇですよ」

(おぉ……この子も随分いかれてんのよ)
(『スパイ男』は『スパイ男』でノリノリですし。何で悪ノリしたがるんだか)

「あの人はいっつも本気なんですから。
 一度裸見られた事持ち出したら、大真面目に『責任は取る』ですよ?」
『で、シスターのくせにそいつに抱かれたのか?』
「だからうるせぇっつってんでしょうが。
 えぇ、確かに抱かれましたよ。それのどこが悪いっつうんですか。
 私の全てをじっくり観察されて、あの人の手で形を確かめられて、
 そして一生使うつもりの無かった女の場所をあの人に貫かれて……
 色狂いと笑いたいなら笑ってもらって構いません。
 愛の為に全てを捧げる喜びの為なら、どんな罰だろうが耐えて見せますよ」
『殉教者にでもなったつもりか。そもそもお前の所では異教徒との姦淫は獣姦罪だろう』
「そこまでかっこはつけませんがね。
 でも私は例え誰にそれをなじられようが、どれだけ軽蔑されようが一切後悔はしませんよ。
 あの人がケダモノだってんなら私もケダモノに堕ちるまでです」
『オーケイ、充分だ。……散々挑発して悪かったな』
「いえ、私も自分の気持ちを言葉に出来てよかったですよ。
 つってもアンタを見つけたらあの人を馬鹿にした分だけはきっちりしばきますがね」
『は。たった一言の侮辱で根こそぎもっていかれそうだな』
「そのつもりだって言ってんですよ」
『……さぁ、ボタンを押してルーレットを回すといいぜい
 女の子が手を痛めるワケにもいかないから出来るだけそっとな』
ミス・チョピンは拳を振り上げた。
そして、忠告を無視してギロチンのような勢いで振り下ろす。

(おォ、今度はビクビク痙攣してンなァ。って事はまだ感覚残ってンのか)
(あー、信用されなかったのはちょっと寂しいんだぜい)
(あれだけ挑発したら当然でしょう)
(とはいえ、複雑な気分ではあるのよ。
 いくら『旗男』に悪気が無いとはいえ、これだけの女性に好かれてるってのはねぇ……)
(僕等にどうこう出来る問題じゃないさ。いつか、彼女達とコイツが向き合うべき問題だ)
(俺も……そうだな。アイツが好きなら、お前等みたいに送り出してやる覚悟を決めないとにゃー)


423:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/11 05:43:54 RfltUxWP
『ラストの一歩手前、ブービー賞はあんただミス・ゴーグル』
ボタンが光る。無骨なデザインのゴーグルをバンダナのように装着した少女の前で。
「訂正を、とまずミ カは訴えます」
『訂正?どういう事だ?このコードネームが気に食わないってのか?』
「いえ、そこではない、と  カは否定します。
 ミサ はもう  カひとりの身ではないのであんた達と呼ぶべき、とミサ は訂正します」
盛大に女性陣がふきだした。その中のひとり、ミス・サードがテーブルを叩いて詰問する。
「はぁっ!?アンタ……子供ってホント!?アンタいいとこ高校生ぐらいでしょっ!?」
「はい、身体年齢は中学生程度です、と  カは正直に告白します」
「……!それで子供って……相手の男は何考えてんのよっ!」
「いえ、これは全て  カの独断であの人は関係ありません、と  カは事実を正確に伝えます」
「なら何でアンタはそんな馬鹿な事したのよっ!」
「馬鹿な事?とミサ は逆に聞き返します」
「馬鹿な事じゃないっ!何で責任もとれないのに産もうと思ったのよっ!?」
「逆説的に言えば責任を取れないから命を諦めるのですか?と  カは反論してみます」
「普通そうでしょうがっ!」

(何か変な感じになってしまったな)
(そォか?当然の反応だろォが)
(……まぁ、少なくとも笑える問題では無いですしね。
 こうして言い合ってる方がまだ健全でしょう)

「今から懺悔をします、とミ  はまず行動を宣言します」

(すっかり蚊帳の外になってしまいましたにゃー)
(今回の集まりの主役はあくまで彼女達なのよ。これが本来の我等の立ち位置よな)

「昔、多くの命を諦めてしまった事があります、とミサ は当時の事を叙述してみます。
 でもある人が……ミサ の目を覚まさせてくれた、と サカはその時を鮮明に思い出しながら呟いてみます。
 あの人はどんな過酷な条件でも サカの命を諦めなかった、とミサ は言外に感謝を込めてみます」
「だから……どんな命も諦めたくない?」
「…………………実は、もうひとつ物凄く身勝手な理由がある、とミサ は懺悔します」
「何なのよ、その理由ってのは」
「ミサ はある理由で母という存在の温もりを与えられていない、
 と サカは自身のコンプレックスを告白します。
 だからせめて子供という存在の温もりを感じてみたかった、と  カはエゴ丸出しで答えます」

「―――――それなら、いいんじゃない?」

「……貴方の意図が解らなかったので、は?とミサ は若干無遠慮に尋ねてみます」
「だから、さ。罪悪感とか、罪滅ぼしだとか、そんなネガティブな理由よりは、
 いくら身勝手でも真面目に子供が欲しいって思ってる方がいくらかマシでしょうが。
 どんな親だって子供が欲しいから作るんだし」
「……そうなのでしょうか……と、 サカは己の不安を卑怯にも口に出してみます」
「ま、ホントのとこはどうだか解んないけどね。
 ……でもうちの母親は私を産みたくて産んだって言ってるわ。
 ちなみに私は、幸せだって自覚してる」
「…………ありがとうございました、とミサ はお礼を述べてみます」
「どういたしまして、なのかしら。まぁ、何かアンタがほっとけなかっただけだから気にしないで」
『……もの凄く好き勝手に喋ってくれたな……まぁいいか。
 いい話が聞けてこっちは満足したからさっさとボタンを押してくれ』
「はい、とミサカは渾身の力でボタンを押してみます」


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