とある魔術の禁書目録 7フラグ目at EROPARO
とある魔術の禁書目録 7フラグ目 - 暇つぶし2ch250:名無しさん@ピンキー
08/01/02 15:15:13 c1ihzpzU
>>249
おk、表にでろ








































非常にあり得んくらいGJだから焼肉でもおごってやる
ってか、舞夏は思考ドロドロでFA……あははは

251:名無しさん@ピンキー
08/01/02 17:23:16 1+8SCyo/
>>244
小萌先生らの手によって振袖を装備済みだったので

252:名無しさん@ピンキー
08/01/02 17:26:31 txi6WhGN
御坂さんは手先器用な上条さんに着付けをしてもらい

253:名無しさん@ピンキー
08/01/02 18:25:20 OaKtGYA8
しかし、上条さんだから有り得ねぇ事はない紆余曲折を経て、お代官プレイ。

254:名無しさん@ピンキー
08/01/02 18:25:33 LINZA4gy
投下された後も続けられるとさすがにうざい

255:名無しさん@ピンキー
08/01/02 18:45:14 QuVk7gsq
いやまぁそれが評価だって事で次は頑張りますよ、と。

256:名無しさん@ピンキー
08/01/02 19:27:53 eriYWymQ
待ってくれ。
住人全員が非常識ノーマナーというわけではないんだ

今からでもGJ送っていいかい?

257:名無しさん@ピンキー
08/01/02 19:48:43 UxURfFwr
ああ。送ろう。>>245に正当なるGJを。
いや、ネタを続けるのはそれはそれでもかまわないと思うんだ。
ただ、俺がGJって言いたいだけなのさ。

258:名無しさん@ピンキー
08/01/02 20:39:14 wVb54L99
この終わりと始めの律儀な挨拶どこかで見たんだよな
どこだっけか
>>245
GJ!GJ!・・・・・jk

259:前方の弁当 ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 21:59:49 kiuwl9Xz
あけおめー。なんか顔面にピアスの代わりにご飯粒がいっぱいついてる人が来ましたよ。

いやー、初SS有難うございます。GJです。
舞夏のSSはなかなかありませんでしたからね、貴重なご馳走に出会った気分でよかったですよー。
危うくメイド少女に目覚めsうわああやめろ俺には美k(ry

……さて、実は大浴場の話題振ったのは俺なのでね。
そろそろ前振りだけでも投下しようと考えてます。
上手くいけばそれは今日中に出せるかと。

260:名無しさん@ピンキー
08/01/02 22:10:22 wVb54L99
ほええええええええ
楽しみにしてます

261:そんなこんなで上条さん大浴場へ ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 23:23:17 kiuwl9Xz
溜め息が出る。
男であるからにはいちいち気を遣わずにはいられない女子寮での生活。
ここに来てからというもの、何故かどこへ行くにも傍に誰か見知った女子が居て、まるで監視されているようで落ち着かなかった。
だから夕刻、風呂の準備ができたという報告を聞いた時にはすぐに飛びついた。

ごしごしと、女の子の使いそうな甘い香りのシャンプーで頭をかき回し、泡立ってからシャワーを浴びて流す。
体はさっき洗ったから、これで全て終わり。あとは……と、上条は振り返った。
「しっかし、イギリスにこんなでかい風呂なんてあるのかね。何か雰囲気が思いっきり日本なんだけど」
上条が手拭い片手に独り言をこぼす先には、この大浴場の面積の大半を占める巨大な風呂があった。
「ま、こっちとしては願ってもない事だけどな」
そっと足を湯につけてみる。やや熱めだが、疲労を溜めた上条にはその刺激が心地良かった。
腰を下ろし、肩まで湯に浸かる。
「うはぁぁ…………」
カポーン、と誰もいないのにお馴染みの音が反響したような気がした。
手拭いを頭に乗せて目を閉じると、意識しなければそのまま眠ってしまいそうである。それほどの開放感だった。
(ふあぁ……これは、遂に不幸の反対がきましたよ……)
男なら一度は誰もが羨むフラグ体質の少年、上条当麻。
だが、風呂に浸かっただけでここまで至福を味わえる彼の気苦労もどうか察してやってほしい。

262:そんなこんなで上条さん大浴場へ ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 23:26:17 kiuwl9Xz
 
「急ぎましょう。男の人はこういうこと大ざっぱなもんですし、早くしないと上がっちまいますよ」
「しょ、正気なのですかシスター・ア二ェーゼ!? あなたは神に非ざる者、それも男子にその……み、見せることになるのですよ!?」
「隣でバスタオルとお着替え抱えていまさらそんなこと言わないでくださいよシスター・ルチぁぐひはッ!?」
「い、一度もう見られてしまいましたし、ですから今更隠す意味なんてないですし、ですから、ですから何を躊躇うことが……ぁぅ」
「そ、そんなの私だって! み、見られたのは私のほうが先だし、私はいつもとうまと同じ……ぉ、同じ石鹸使ってるんだもん!」
「あらあらあら、それにしてもこの顔触れでお揃いというのも久しき事でございますね」

脱力しきった頭で遠くに聞こえる女子の喧騒を右から左に聞き流していた上条当麻は、そういえばここって女子寮なんだよなと改めて認識する。
もちろん内容までは聞こえないが、全て知り合いの誰かの声かということまでは察することができた。
……ん? 女子の声?
(やばっ、長風呂しちまったか!?)
思い立った瞬間、恍惚として呆けていた頭が覚醒する。
(うわ、つい自分家の風呂に入ってる気になってた! 何で気付かなかった、ここ女子寮なんだから風呂1つしかなくて当然だろ!)
今の声は、脱衣所前の戸口で退屈凌ぎに談話している順番待ちの女子たちに違いない。
実際それ程時間は経っていないのだが、大浴場内部では時計までは備えられていないため、上条は一人早合点したまま慌てる。
「と、とりあえずまずは上がって速攻で着替えて脱衣所出たら待っていた皆に謝る!」

263:そんなこんなで上条さん大浴場へ ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 23:27:22 kiuwl9Xz
早口で自分に言い聞かせるように呟くと、上条は体を浴場の出入り口に向けようとして……。
 
「とうまー?」
 
その瞬間、突然聞きなれた白いシスターの声が自分を呼んでいるのが耳に届いた。
幾分大きく聞こえた声に上条は動揺する。
「い、いんでっくす!?」
動揺のあまり思わず口調が幼児になっているが、本人に自覚は無い。
待ちかねてとうとう催促を始めたのだろうか、と上条は想像した。だとすれば、このままでは怒った彼女に噛み付かれる可能性が高い。
「わ、え、えっとあ、ごめん、待たせてすまん!」
飛び跳ねるように湯船から立ち上がると、上条は浴槽の縁に足を乗せて一気に体を湯船から抜き去る。
「すぐ着替えて出て行くか…………らっ?」
このまま駆け足で出入り口に向かおうとした。
 
しかし、上条は途中でギクリと足を止めた。
擦りガラスの向こうに、人影が見えたからだった。

264:そんなこんなで上条さん大浴場へ ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 23:28:07 kiuwl9Xz
(……あ、え?)
足音も聞こえるし、幻覚や気のせいではないようだ。
よし、落ち着け。
考えてみよう。ここは女子寮であり、男子として紛れ込んでいる上条当麻はこの中でただ一人の異端であり例外である。
すなわち、ガラスの向こうの脱衣所に居る人影は男ではないことはほぼ確定。そして、脱衣所とは風呂に入るため以外の用途はない。
つまり、あの人影は女子であり、脱衣所に居るってことは今から風呂に入ろうと上着を脱ぎ下も脱ぎ一糸纏わn
そこまで考えて上条の思考が再び冷静さを失った。
(……え、な、何だコレ? っま、まさかのまさかだよな、いやありえないから。それとも、そうか俺が入ってるって知らないんじゃ……」
動揺の末に辿り着いた結論、こうとしか考えられない。さっきの言い訳じみた喋りのおかげで誰か居ることぐらい判るだろうという妥協までできる余裕は無かった。
だったら知らせなければ。かといって扉を開けてはいつか掘ったような掘ってないような墓穴である。
せっかく休むためのお風呂場で、またも体を張って女難を受け止めるような事態はゴメンだ。
「……ちょっ……あ、あのっ……すいませーん、そこに居る人ーっ!?」
声を張り上げる純情ヘタレチキンボーイ、もとい上条当麻。
すると、人影はピタリと動きを止めた。

265:そんなこんなで上条さん大浴場へ ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 23:29:11 kiuwl9Xz
 
「……? とうま?」
「……へ?」
たった今疑問系で聞こえた声の持ち主であり、ガラスの向こうに居た人影。それはまたも白い修道女であったようだ。
(何だ、インデックスかー。……って何ほっとしてんの俺ッ!!?)
が、それは上条にとってハイそうですかで片付けられる事態ではない。
自宅の棚の二重底に隠した青ピ発の官能小説、上条の脳内にて既にその前半部分のお風呂場系シチュエーションが生々しく再生され始めていた。
(……え? 嘘? 少なくともインデックスは上条さんがマッパで入浴中って知ってるはずだよね?
 まさか意外に大胆? いやちょっとまて仮にも修道女の女の子が俺なんかにそんなことするわけでもやっぱりそうとしか考えr)
混乱がますます加速し始めた。
『こちら脳! 緊急指令!! 妄想が尾ひれを装着して拡大、このままでは封じ込められた本能が顕現してしまう! ただちに抹消せよ!』
『駄目です! この場に在る理性だけではとても止まりません!』
『ええい、事態は緊急を要するのだぞ! 萎える話でも空しい話でもこの脳内から引き出せ! 決して封印を解いてはならんぞぉぉぉぉ!』
……とまあ、脳内の葛藤は眼に浮かぶほどにまでなっていた。
口を引き攣らせて、上条は扉から一歩後ずさりながら、裏返りかけの間抜けな声で問いかける。

266:そんなこんなで上条さん大浴場へ ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 23:30:38 kiuwl9Xz
「……えーと、いんでっくすサン、だよね? 一体、ここに何を……?」
 
 
 
「??? 何か随分慌てているみたいだったけど、私はお湯加減大丈夫かなって聞きにきただけだよ?」
 
風呂上りを決行しようとしてから、ここまでのやり取り約一分。
短い時間を濃密にテンパった一人の少年は、ようやく解けた緊張によってヘナヘナと膝から落ちた。
(何だ、そうだったのかー……。いや、決して残念なわけではっ)
僅かな落胆を脳髄の奥に押し入れると、ここにきてようやく一息つくことができた。
「ねえ、熱すぎたりしないよね?」
同居人の少女の声に、やや不安げな色が混じる。
今日一日振り回され疲れ果てていた自分に気付いて、彼女なりに少しでも気遣ってくれているのかもしれない。
……なら、それには答えるべきだろう。無意識に穏やかな微笑が浮かんだ。

「ああ、すっげー気持ち良かったぞ。ありがとうな」

「……!」
扉の向こうでは、何故か声を詰まらせているようだった。
何となく、子供をあやすように語りかけていた気がしないでもないが、上条は気付かなかった。
ガラスの向こうで、少女が頬をほんのり朱に染めていたことも。
「……そっか」
少しの間があって、インデックスはそれだけ言った。
 
「……じゃあ、大丈夫だよね」
「?」
続いて、理解しがたいことを言った。
 
ふと気がつくと、ガラスの向こうの人影が増えている。
それも、扉の前に並ぶようにして。
「え?」
ガチャリ、とドアノブの捻られる音。
「え?…………ちょっ、ぇえ゛ええええええええええっ!?」

267:前方の弁当 ◆rbe1BhDvYc
08/01/02 23:35:34 kiuwl9Xz
土 下 座   OTZ

大浴場編は楽しみにしてる人多かったと思う! だからこればっかりは自信もてません! っていうかごめんなさい!
こんな文章でよろしければ次も頑張ろうと思うのですが……いや、これはリレーですからここでバトンタッチという手もありますね!
すいません、とりあえず今日のところはこれで逃げます!

268:名無しさん@ピンキー
08/01/02 23:59:04 eriYWymQ
     ∩
  ( ゚∀゚)彡 続き!続き!
   ⊂彡
勢いがあってイイ!

269:名無しさん@ピンキー
08/01/03 01:35:12 fTq0GcL5
ガンホー!ガンホー!ガンホー!

全裸で続きを待ってるぜ!

270:名無しさん@ピンキー
08/01/03 08:43:42 pAmrGiq/
は?生殺し?
GJ!

271:ある諜報員の仕事の話
08/01/03 12:40:08 fTwcrlq5
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったらどうかお付き合い下さい。
ではでは。

272:ある諜報員の仕事の話
08/01/03 12:42:29 fTwcrlq5
黒い部屋があった。壁も床も真っ黒、10メートル四方の部屋の中央に置かれた丸テーブルと
その周囲に並べられた4つの椅子も漆黒であり
テーブルの中央におかれたろうそくがあるもののほとんど色を生まない。
ロウソクの灯りによって4人の人間がいる事はわかるが、灯りが小さすぎて顔などはほとんど見えない。
「さて、今日はお前等にお集まりいただいたわけなんですが……」
「あァ?何なンだよこの部屋は?ったく、くだらねェ用件だったらてめェわかってんだろォな……」
「おい、つ」
「おぉっと!そこまでだぜぃ『旗男』!この部屋で名前を出すのは止めてもらおうか!」
「ちょっと待て!『旗男』って何だ『旗男』って!それに何で名前を言ったらいけないんだよっ!?」
「……やれやれ……相変わらず察しが悪いな。君は馬鹿か?そういえば馬鹿か。君は馬鹿だ」
「おいそこの暴力神父っ!人をぽんぽん馬鹿呼ばわりしやがって!」
「つまり、何らかの理由で名前で呼んではいけないんだろう?――……何と呼べばいい?」
「俺の事は『スパイ男』でいいぜぃ『煙草男』。『白髪男』も状況は飲み込めたかにゃー?」
「まァてめェから連絡あった時点で何が起ころうが不思議じゃねェからな
 イチイチ驚いてたりしてらんねェだろォが」
「飲み込みが早くて助かるぜぃ。『旗男』もこれだけは理解しておいてくれ。
 …………この部屋で『名前』を呼ぶ事がソイツの命に関わる問題に発展しかねないって事を」
『スパイ男』の深刻な声に部屋の中の静寂に緊張が加わる。『旗男』が唾を飲み込んだ。
「さて、全員がルールを飲み込めたトコロで本題に移ろうか」
『スパイ男』がテーブルの上にプレーヤーが置かれた。
「学園都市に新しく配備されたシステムを知っているか?
 ガラスに赤外線を照射して室内の音声を傍受するっつう仕組みなんだが、
 それの試験運転で集められたデータにこんなモンが混ざっててな……」

『「うふふ、いけない子ですねー。こんなにして……」
 (水音が続く)
 「うぁ……その、もう……」
 「んちゅ……もう我慢出来ないのですかー?……ふふっ、冗談ですよー。先生だってもう限界ですから。
  そぅ……そのまま……ふあぁぁっ!?」』

派手な音を立てて『煙草男』が椅子から転げ落ちた。同時に『旗男』が机を叩いて立ち上がる。
「おいコラステ……『煙草男』ぉっ!!てめぇこ……『先生』に何してやがるっ!?」
「ちょっ!ちょっと待て『スパイ男』っ!君はこれをどうやってっ!?」
「だからさっき説明しただろうが。
 新システムでヤバいデータがキャッチされたからそれの真偽を確認してるんだぜぃ。
 片っ端から怪しいデータを消してもいいんだがそうすると操作したのがバレやすくなるんでな……
 出来れば改竄は必要最低限に留めたいんだにゃー」
「あァ?俺まで呼んどいてその理由がこれかよ?くだんねェ……帰るぞ」

『「ひぐぅっ!?はぎぃっ!?うぁっ!?ぁあぁっ!?ミサひがぁっ!?カは……」
 「あァ?どうした?」
 「ひぅ……ミ  は、貴方がこ、れだけ激しくす、るのは   のコト嫌いだ、から?
  と息も絶、え絶えに怯、えながら尋ねてみたり」
 「馬鹿か。続けンぞ」
 「そん――ひゃうぅぅんっ!!?」』

273:ある諜報員の仕事の話
08/01/03 12:43:37 fTwcrlq5
『白髪男』の額がテーブルに突き刺さった。『反射』を切っていたのかテーブルは砕けない。
ようやく椅子に座りなおした『煙草男』が呟く。
「いや、これは相手の女の子が可哀想だろう。『白髪男』、君はもっと女の子に優しくすべきだよ」
「うるせェ!てめェこそ女に責められっぱなしでアヘ顔晒してんじゃねェっ!」
「っ!?いやあの人本当に上手いんだぞっ!?僕だって最初は30秒もたなかったんだからなっ!」
「そりゃてめェが早漏なだけだろォがっ!」
「はいはい、そこまで。本当にお前等なのかどうか状況確認するからその日の流れを解説してもらえるかにゃー?」
「はァっ!?そこまでしなきゃなンねェのかよっ!?」
「だからデータの改竄を必要最低限にする為だ。お前だってこんな事で弱みを増やしたくはないだろ?」
『スパイ男』の冷静な声に『白髪男』が押し黙る。
「あ、日付は無し。ただその日を俺が確定出来る様に事細かにな。じゃ、『煙草男』から頼む」
「ふぅ……しょうがないな。
 あの子の様子を見に学園都市に来たら毎度の事だけど何故かすぐ『先生』に見つかってね。
 宿泊場所は用意してるってちゃんと言ったのに『先生』の部屋に強引につれていかれて……
 その日の夕食は確か『スッポンナベ』……って言ったかな?
 今まで食べた事無かったんだが、あれはなかなか美味しかったよ」
「オイ……ひとつ聞きたいんだけど『煙草男』、『先生』は夕食の材料をいつ買いに行ったんだ?」
「うん?それは僕を部屋に案内する途中だけど……それがどうかしたのかい?」
「いや、何でもねぇ……」
(どんだけやる気なんだよ『先生』……)
担任の知ってはならない一面を知ってしまい、『旗男』は次に『先生』に会う時にどんな顔をすればいいか悩み始める。
「で、酔っ払った『先生』に押し倒されてね。
 女性に手荒な真似をするワケにもいかないし恥をかかせるワケにもいかないし……
 ちょっと待て!何だその軽蔑の視線はっ!
 『状況に流されるなこのヘタレ』とでも言いたいのかっ!?」
大体合ってたので三人は『煙草男』から視線を外した。
「料理が特定出来たら行けるな。次、『白髪男』」
「あァ?いちいち覚えてねェよ。あの程度いつもの事だしよ」
「じゃあいつもの流れを頼む」
「あ~~……アレだ。たまにアイツの部屋に行ったらニコニコ出迎えやがンだよ。
 それ無視してソファーとかでゴロゴロしてたら決まってアイツが変な恰好してきて
 ムカつくからその服ビリビリに破って犯してる」
犯すという刺激的な言葉に『旗男』と『煙草男』が盛大にふきだした。
一人『スパイ男』だけが冷静だ。
「で、その恰好ってのは?」
「あ~~……色々あンだが……体操服、セーラー服、ブレザー、チャイナドレス、
 ナースにキャビンアテンダント、白衣、水着、ビキニとか古くせぇワンピースとか、あの学校指定のもあったな。
 あ、『カナミン』だっけか?くだンねェ番組のキャラの時もあンだが……」
流石は学園都市一位の天才、抜群の記憶能力である。制服の羅列はまだまだ続く。
『スパイ男』も流石に記憶しきれなくなったのでポケットから取り出したメモに記録し始めた。

274:ある諜報員の仕事の話
08/01/03 12:45:44 fTwcrlq5
「一番最近は黒のメイド服か」
『スパイ男』の指の動きが止まった。
「……おい、今何つった」
「あァ?だからメイド服だよメイド服。見た事ねェのかてめェ」
『白髪男』は呆れた声で返して……それから硬直した。『スパイ男』がガクガクブルブルと激しく振動していたからだ。
たっぷり30秒間もの間震え続けた『スパイ男』はピタリと停止すると、机に拳を叩きつけて立ち上がる。
「め……メイド服を破っただとぉぉっ!!?そのまま犯しただとォォっ!!?
 お前っ!お前ぇぇぇぇっっっ!!!????」
振動した時点で何かマズいと察していた『旗男』と『煙草男』が『スパイ男』を押さえつけた。
「おっ落ち着け『スパイ男』っ!」
「離せっ!離せぇっ!コイツに自分が何をしたのか骨の髄まで叩き込んでやるっ!」
「だから落ち着けと言ってるんだっ!まとめ役の君が暴走してどうするっ!」
数十秒間の激闘の後『旗男』と『煙草男』、そして『スパイ男』がようやく席についた。
「あぁ……すまない、ふたりとも。ちょっと取り乱した……」
「ちょっとじゃねぇよ!思い切りやりやがって!」
「君はもう少し自分の技術の使いどころを吟味した方がいい……」
二人とも顎やら鳩尾やらを押さえていて、かなり痛そうだ。
中心人物の癖に我関せずを貫いた『白髪男』は勿論無傷である。
「何なンだてめェらは……で、もういいのか?」
「あ、あぁ……充分だ。特定には手間がかかるがこっちで何とかしよう」
(とは言え……)
『スパイ男』は『白髪男』の弱点を知っている。とても小さな少女だ。
しかしその少女にピッタリのサイズのコスプレ衣装がそんなにあるとは思えない。
つまり……
(……こんなに愛されてるって事をコイツは解ってんのかにゃー?)
不機嫌そうな『白髪男』の表情からはその真偽は読み取れない。
気を取り直してプレーヤーを操作する。
「さて、ここからが大仕事なんだが……『旗男』、これに心当たりはあるかにゃー?」

『「ふぁ…くすぐったいよぉ…ひゃっ、とう ?
  そんなにしたらも、も、もれちゃうよぉ…… うまっ!?
  だからっ!もうだめだよぉっ! う っ!?と  !?とう――――」
 (水音)
 「ばかぁっ!と  のばかばかばかばかばかばかぁっ!」』

「よし『旗男』、僕にだって慈悲の心はある」
「ま、待て『煙草男』っ!何でてめぇはカード取り出してんだっ!?」
「だから懺悔くらいはさせてやると言ってるんだ。その後地獄に落とすがね」
「ほい、じゃ次行くぜぃ?」
「次っ!?」

『「だからっ!何でたたないのよっ!私が脱いであげてんのよっ!?」
 「えっと、……まぁ男は緊張し過ぎると実はたたなくなるんだが……」
 「そ、……そうなんだ。アンタもき、緊張してんだ……」
 「なぁ、その、止めないか?お前だってあんな賭けくらいでこんなコト……」
 「…………じゃない……」
 「うん?何か言ったか?」
 「賭けなんかでこんなコトするわけ無いじゃないっ!って言ったのよ!
  だから……その、察しなさいよ……」
 「お、おぉ……」』


275:ある諜報員の仕事の話
08/01/03 12:48:04 fTwcrlq5
「よし『旗男』、僕の慈悲の心は今ので売り切れだ」
「つかてめェ二股かけてンのかよ、最低だな」
呆れた様子の『白髪男』の言葉が『旗男』の胸に突き刺さる。
「ほい次」
「まだあンのかよ?どんだけクズなンだてめェは?」

『「気持ちいい?私。一人で練習してみたんだけど」
 「うぁ……あぁ、確かにすっげぇいい……
  姫 の手って柔らかくて……自分でするのとは全然違うわ」
 「ふふ。良かった。上 君に喜んで貰えて私も嬉しい。
  ……ねぇ。お礼は?」
 「お尻……だよな?」』

「うわああああああっ!!!うわああああああっ!!!
 つか何でさっきから『煙草男』はカードの枚数数えてんだっ!
 懐からカードがぎっしりつまった分厚いアルバム取り出してんじゃねぇっ!」
「いや、なに。君が関係を持った女性の数×一万枚があるかどうか確認しておこうと思ってね」
「すげェなァ、俺でもコレは真似出来ねェわ。感染症には気ィつけとけよ?」
「次」

『「バニー姿はなかなかの効果があった、と  カはあなたとの情事を思い返して自身の選択を評価します。
  これが命の重みなのですね?とミサ はお腹の中の感触の意味を再確認しています」
 「でも、ホントに良かったのか?中に出して……」
 「貴方の全てを受け止めたい、と サカは自身の心中を吐露し、そしてそれが叶えられた事に満足しています。
  さて、次のコスチュームのリクエストはありますか?と サ はさりげなく次の機会の催促もしてみます」』

「おいコラ。アイツの奇行はこれが原因かよ?てめェ随分愉快な事教えやがったなァ……」
「待てっ!待ってくれぇっ!俺かっ!?俺のせいなんでしょうかそれはっ!?
 だって御……『妹』が自分から色んな服装で迫ってきたワケでっ!」
「というかそんな体たらくでよく僕をヘタレ扱い出来たな。
 僕がヘタレなら君は猿か?というかむしろ本当に霊長類なのか君は?」
「……何か、俺の意図せぬところで話がこじれてきたな。
 『旗男』からも一応状況を聞いておきたかったんだが……まぁいいか。
 じゃ、積もる話もあるみたいだし、ここらで解散にしときますかにゃー?」
「いやいやいやいや駄目ですよっ!このままだと俺――ってゴルァっ!逃げんな『スパイ男』っ!」
「さて、『旗男』。君には」
「色々話してもらう必要があるみてェだなァ……」


部屋の外に出た『スパイ男』は外から鍵をかけた。この部屋は完全防音で対爆仕様でもある。
部屋の中で爆発が起ころうがプラズマが発生しようが外には漏れない。
唯一中に持ち込んで全ての音声を記録していたレコーダーにのみ状況が記録してある。
全ての作業が終わってこのレコーダーを処分すればこの部屋で行われた事は無かった事になる。
「平和だなぁ……」
天に燦々と輝く日光をサングラス越しに眺めながら『スパイ男』は穏やかに呟いた

276:ある諜報員の仕事の話
08/01/03 12:48:48 fTwcrlq5





「ふ、不幸だあああああああああああっっっっっっ!!!!」




277:ある諜報員の仕事の話
08/01/03 12:50:02 fTwcrlq5
ここまでお付き合い頂き有り難う御座いました!
『旗男』の相手に迷ったんで全部詰め込んだらこの結果に。
ちなみに魔術側の相手がいないのは
魔術側の相手とホニャララするのが学園都市外になってしまうからです。

あ、あと
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません



278:名無しさん@ピンキー
08/01/03 13:24:20 jVz7+FOE
いや、面白かったよ

279:名無しさん@ピンキー
08/01/03 14:28:42 kNa7hQCk
ねー……ちん……?

しかしGJ!あいつら四人が顔つき合わせてると想像しただけで笑えるwww

280:名無しさん@ピンキー
08/01/03 15:00:38 pAmrGiq/
ほえええええええ
GJですよー
白髪男の反応でワロタ

281:名無しさん@ピンキー
08/01/03 18:40:21 qx0TZblF
  _   ∩
( ゚∀゚)彡 お尻! お尻!
 ⊂彡

282:名無しさん@ピンキー
08/01/03 19:10:43 CZY9y6ti
ちょっと旗男ぶっ殺してくる

283:名無しさん@ピンキー
08/01/03 21:55:01 VHZAvew/
gj
反射で壁に穴開かないのかな?

284:名無しさん@ピンキー
08/01/03 23:14:30 RU3jQd/D
白髪男「旗男ォ、みっくみくにしてやンよ」

285:名無しさん@ピンキー
08/01/04 00:06:11 k31gFVfU
茶飲み干した後でよかった・・・

GJ!

286:名無しさん@ピンキー
08/01/04 01:37:40 ng85SjBM
>>283
白髪男も例の一戦で「『髪がツンツンのとある無能力者』には物理が最も有効」と知った筈なだけに、
むやみに「武器」である壁を破壊したりしないだろう。逃げ道作ることになるし。
きっと今頃は『旗男』が紅葉おろしに……合掌。


まあ、誰のことを指してるかは全く分からんがね。

287:名無しさん@ピンキー
08/01/04 02:39:26 mwnqGvN7
超能力側だけにしてもオデコとか中学生とか女教師とか足りなくね?

あ、スレ違いなレスしちゃってゴメン

288:名無しさん@ピンキー
08/01/04 10:33:23 9E/Ra19n
足りないとおっしゃるのであれば妄想を自給自足なさればよろしいのでは?、とミサカは当たり前のことを口にします
後、産生された妄想はここでぶちまけてもらえると嬉しいです、とミサカは期待満々な目で見つめます

289:名無しさん@ピンキー
08/01/04 10:35:34 5vZ8Rnrf
あー、色々言いたいことはあるが。主に旗男の人数の少なさに(をい

ともあれGJ。

290:名無しさん@ピンキー
08/01/04 14:40:16 aoo3dCz9
逆に考えるんだ
室内を赤外線で盗聴するシステムだから
野外はセーフと考えるんだ

291:名無しさん@ピンキー
08/01/04 16:58:29 gNAdyxSg
つまり……野外プレイだな!?

292:名無しさん@ピンキー
08/01/04 18:01:46 w4nyWgdF
SO・RE・DA!!

293:名無しさん@ピンキー
08/01/04 21:10:58 zZl+3MD8
青姦とも言う・・・・・言うよな? 違ったっけ。

でも学園都市だと、清掃ロボットに熱源感知とか集音マイクとか色々と
装備してそうなんだが

294:名無しさん@ピンキー
08/01/04 21:16:44 gtzAjX0f
そこはビリビリで無効化ですよ。

295:♯五和
08/01/04 22:05:46 ujIuh2tb
よし、二時創作好きな弁当が横切りますよと。
この文章はとある諜報部員の録音記録のとある片鱗より抜粋したものであり、とある魔術の禁書目録とは一切関係ありません。
誰と誰がどんな体勢で何をしているかについてはお答えできかねます故、みなさまのご想像にお任せします。


「ぅ……ぐっ、まったく、見かけによらないとは、言うが……君の取り巻き、が今の君を、見たときはどんな、顔をする事、やら……」
(水音)
「ずぶ、ニチャッ……それは新手の言葉責めですか? 先に言っておきますが、今の私はその程度では止まりませんよ。
 ここ一週間、ずっとご無沙汰だったんです、から……舌、止まってますよ、はむっ」
「いや、そうは言ってもだな、流石に僕にも疲労というものが……ぐあああっ! うぁがっ、わ、分かったから噛むのだけはっ、ぐうっ」
「全く……ふぁっ、そうです、その調子でもっと、はぁっあ……んっ、もっと、もっと奥……っ!、はむっ、むじゅ、、じゅるるっ」
「んぐぶっ!? ちょ、ちょっと止まれ神 、いぎが、そ、ぞんなにおしづげられだら息がっ、」
「ずぷっ、口では言いますけど、貴方の体は追い詰められるのが好きなようですよ……これだけ私の生命を堪能したのですから、貴方も、早くっ……」
「んぶっ、そ、そうは言うけどもな、君は今日だけで何発目か分かっ、あがっ!? ぐうぅああああああっ!!」
「舌が止まっていると言いましたよね?
 言って学べないのであれば一度噛みちぎったほうが良いのですか? ……ぁっ、それいいっ、今の、もう一回っ、はふあっ……んっ」

296:名無しさん@ピンキー
08/01/04 22:13:01 ujIuh2tb
ちょ、あれ、マジッ? トリップ失敗しやがったっ!?
これは酷い、俺のよm……ゲフン、印がバレては今後書き込めないじゃないか!何て事だorz

297:名無しさん@ピンキー
08/01/04 23:55:08 2XvTGeGg
大丈夫、同じIDのうちに新トリップに変更すればいいんだ

298: ◆9uSBC6apvI
08/01/05 00:17:04 IflMrgSe
む……そりゃ正論。もうID変わってたら絶望的だな。
今度こそ成功してるといいが……くそっ、色々な意味で滅茶苦茶恥ずかしいってコレ
しかもよりによって即興の小ネタ投稿のタイミングで……あーもう立ち直れないんでこれで失礼します

299:名無しさん@ピンキー
08/01/05 00:25:51 Z2kSUIVs
ドジな所はどこかの誰かさんと一緒だな

300:名無しさん@ピンキー
08/01/05 01:41:01 Z2kSUIVs
#

301:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:56:42 JhQcLJIh
本スレ>>273の宣告が鬼過ぎて俺が泣いたので書き上げてみました。

注意書き
・ステイル=マグヌス×月詠小萌教諭
・エロ有り
・この小説の登場人物は全て18歳以上です
・無駄に長いです
・土御門を愛していますが何か問題でも?

こんなんでよろしければお付き合い下さい。

あと無駄に長いのでエロ開始時点でもう一度注意書きを入れます。
お忙しい方はまずそこまで飛ばして下さい。


ではでは。

302:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:57:38 JhQcLJIh
学園都市は基本的に八割を越すの学生と教職関係者が人工のほとんどを占めているが
大覇星祭、一端覧祭など多くの観客が集まる行事や
数々の外部の学者が集う学会なども頻繁に開かれる為ホテルもある程度は存在する。
しかし普段はほとんど客がいないのでどこのホテルも閑古鳥が鳴いているのだ。
学園都市から補助金が出ているものの、それだけでは経営が苦しいのでどうしても副収入が欲しくなる。
ここ、ジルトンホテルもその例に漏れず土日にはこうして昼食バイキングを開いて学生の客を集めているのだ。
しかしいくら昼食バイキングとは言え五ツ星ホテルの料理である。
料金はいわゆるお嬢様お坊ちゃまが『オホホホホ今日のお昼はあそこにするザマス』というレベルであり
当然そこに集まるのはマナーを身に着けた輩ばかりであってバイキング特有の慌しさは存在しない。
筈なのだが……

「うっひゃああああっっ!!??ねぇとうまっ!とうまっ!ホントにこれ全部食べていいのっ!?」
「おぉ好きなだけ食べろっ!もう飯を見るのも嫌だってくらい食べてくれっ!」

場違いに騒ぐ少年と少女がいた。
少女は青みがかった銀髪も異彩を放つが何より服装が異端だった。
白い修道女服に身を包んだその少女は学園都市では完全に浮いてしまっている。
一方少年の方はたいして特徴は無いが黒髪が異様にツンツンと逆立っていた。
少女は目を100カラットに輝かせて料理をうっとりと眺め続けている。
「インデックス!時間は一時間しかねぇんだっ!呆けてる暇があったら1グラムでも多く食べろっ!」
「うんっ!とうまっ!」
インデックスと呼ばれた少女は大きく頷くと彼女なりの最大速で駆け出した。
勿論そんな事をしたら周囲の客の注目を一身に集める事になるが
彼女はそんな事を構いはしないし彼女の外見が必死さを愛嬌に変えていた。
多くの客が嫌悪ではなく穏やかな好意をもって少女を眺めている。
喫煙BOXの中に作られた喫煙席に座るステイル=マグヌスもその中のひとりだ。
一人テーブルにつき、申し訳程度に皿に盛った料理にも手をつけずにインデックスを眺める姿は
その黒い服も手伝ってともすれば変質者と思われがちだ。
だがガラスに張った隠蔽のルーンのおかげで彼の姿は誰の目にも映らないし
映ったとしても彼の瞳を見ればそんな事は思わないだろう。
ただひたすらに、真摯に、愛情のみを感じさせる優しい瞳がそこにあった。
視線の先には
『ガツガツムシャムシャうまーっ!ハムハムガブガブうまーっ!』
と料理をひたすら口に頬張っては満面の笑みを浮かべているインデックスがいる。
頬や首にかけられたナプキンはもう食べこぼしでぐちゃぐちゃだ。
それを乱暴に拭くのは上条当麻の仕事だ。
もうステイルが優しく拭いてやる必要は無いし、そして拭いてやる事は出来ない。
彼は新たな煙草に火をつけ、そして大きく吸い込んだ後に思い切り紫煙を吐き出す。
少し煙が目に染みた。


303:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:59:00 JhQcLJIh
「うわぁ……もうしーあーわーせー……」
「あぁ……俺もウプッ……限界だ……」
最初はにこやかだったシェフを一時間の間に青ざめさせた二人(正確には少女一人)は
満足そうに食事の余韻を味わっていた。
当麻の方は食後のコーヒーを胃にいれる余裕など無かったが
インデックスは先程までの慌しさはどこにいったのか外見と一致した優美さで紅茶を嗜んでいる。
「とうまっ!また来ようねっ!」
「いやいやそれは無理でせうインデックスさん……上条家の予算ではこんなトコ二度と無理っ!
 土御門がここのチケット気前良くくれたから来れたんだからな?」
少女が不満の声を上げるが少年は取り合わない。
その後数分間少女が一方的に少年に食いかかっていたが少年がコーヒーを飲み終わると仲良くホテルを出て行った。



インデックス達の姿を最後まで追い続けていたステイルは、
ふたりが見えなくなってからようやく一言呟く。
「やれやれ……彼女が食べたいものを食べさせてやるくらいの甲斐性も無いのか君は。
 つくづく駄目な男だな」
結局料理には手をつけず、かわりに灰皿の上に煙草の吸殻が積まれて山を形成していた。
シェフには悪いが、料理を食べる余裕など無かったのだ。
あの子の姿を、笑顔を、脳裏に刻み付ける事に精一杯で。
土御門元春は優秀なスパイだ。彼の協力を仰いだ成果をもう一度脳内で反芻する。
恐らくこれの代償にいつか無茶を押し付けられるだろうが、それが何だと言うのか。
魂に刻んだ魔法名にこめられた想いは、今も全く色褪せていないのだから。
「神裂も誘えば良かったかな?」
彼の同僚であるあの聖人も、きっとこの光景をとても喜んだだろう。
もしかしたら涙ぐんでしまうかもしれない。
科学に頼るのはシャクだが写真でもとっておけば良かったかと軽く後悔した。
咥えていた煙草を灰皿に押し付けて火を消し、席を立つ。
そのままホテルを出たステイルを秋風が襲った。
全身を包む長衣のおかげで寒さは感じないが頬は冷える。
予約してあった別のホテルに早く向かおうとして

「あーーーーーっ!!!あなたはもしかしてーーーー!!!」

いつか聞いた覚えのある声が背後からステイルを襲った。
声は勿論ステイルの耳に届いているし、その声だけで彼はそれが誰か解ったが
敢えて無視して早足で先を急いだ。
しかし後ろからパタパタパタパタパタパタっっ!!という猛烈な足音が近づいてくる。
嫌な感覚が彼を襲う。追いつかれれば終わりだ。
いっその事駆け出そうかと考えたその時、後ろから回り込んだ何かがステイルのお腹にぶつかった。
「きゃっ!」
可愛らしい声を上げて倒れたのは彼の予想通り、
「……お久しぶりです」
「ほらやっぱりー」
満面の笑みを浮かべる桃色のワンピースと髪の少女(?)だった。

304:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 18:59:54 JhQcLJIh
ステイルが差し伸べた手をとって立ち上がった月詠小萌はニコニコニコニコニコニコニコォっ!と
どこかの背後霊ならラッシュを放ちそうな勢いで笑みを深くした。
「ステイル=マグヌスちゃん、ですよねー?上条ちゃんに名前を聞いておいたのですよー」
「……えぇ、そうですが……」
ステイルはいきなりの『ちゃん付け』に内心たじろいだものの、とりあえず返事をする。
冷たい感じに聞こえるように丁寧語を選択する事も忘れなかった。
「今からお時間はありますかー?折角の機会ですし、あの時のお礼をしたいのですがー」
「いえ、大変残念ですが今晩泊まるホテルにチェックインの手続きをしなければならないので」
冷たい拒絶の声に笑顔が力を失い、ただでさえ小さな背がますます縮んでしまう。
僅かにステイルは罪悪感を覚えた。が、これ以上彼女に関わってしまうのもまずい。
ただでさえ彼女の魔術を手伝うという馬鹿な真似をしたのだ。
魔術は、それに精通した彼だからこそ言えるのだが外道・外法の知識だ。
それを必要としない一般人が関わるべきものではない。
自分と関わるということは魔術に絡んだ何かに巻き込んでしまう危険があるのだから
彼女との縁だってここで終わらせてしまった方が彼女の為だ。
「そ、それならっ!せめてそのホテルまで案内させて欲しいのですよー!」
しかし彼女は食い下がる。
「……なら、案内をお願い出来ますか?」
ステイルは少し考え込んだがその提案を受け入れる事にした。
彼が学園都市の地理に明るくない事は事実だし、
ここで拒否したらまた彼女がステイルに別の形で関わろうとする事が容易に予想出来たからだ。
「はいっ!」
一瞬でさっきの笑顔の輝きを取り戻し元気に返事をした彼女は、
誰がどうみても彼より年上には見えなかった。
「僕が予約したのは経国ホテルというホテルです」
「うわぁっ!?本当ですかっ!?随分とリッチなのですねー!」
宿泊先のホテルの名前をステイルが告げると彼女はかなり驚いた。
幼い頃から魔術に明け暮れていた彼の趣味は煙草くらいのものだし
『必要悪の教会』の給料もそこそこの額だ。どうしても預金残高は大きくなっていく。
たまの機会にはこうして浪費する癖がいつの間にかついてしまっていた。
先導して歩く彼女の後をついていくが、いかんせん足の長さが違い過ぎた。
彼女の名誉の為に追い抜いてしまわぬようさりげなく歩幅を狭める。
少しきゅうくつな思いをしながら暫く彼女の後をついていく。
「そういえば、上条ちゃんとはどういうお知り合いなのですかー?」
「いえ、あのば……上条君とは……」
唐突な質問は内容もあいまって返答に詰まった。

「―――――なら、インデックスちゃんのお友達ですかー?」

彼女としては当麻よりも外人であるインデックスの方が関係性があるかと考えただけだ。
そこに他意は無い。
ステイル=マグヌスは月詠小萌が先導している現在の状況に感謝した。
きっと今の自分の表情は歪んでいるだろうから。

「えぇ、そうですよ」

鉄の意志で打ち潰した声に、震えは無かった。


305:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:01:37 JhQcLJIh
と、唐突に彼女の歩みが止まり、振り向いた。
ステイルがいぶかしむ間も無く、彼女はただでさえ低い位置にある頭を更に下げる。
「ごめんなさい」
「?……道でも間違えたのですか?」
彼女に謝られる理由などステイルには思いつかない。
だが上げた彼女の顔には深い罪の意識が感じられた。
「そうじゃなくてですねー……あの、その……」
「だから、何ですか?」
「いえ、その、……何でもなかったのですよー」
また彼女は前を向き歩いていく。方向転換などはしなかった事から道の間違いでは無いらしい。
しかしその背は明らかに先程よりも元気がなかった。
(……気まずいな……)
ストレスを感じるとつい口が寂しくなる。懐から煙草を取り出そうとし……止めた。
この国ではマイナーな銘柄だ。
大半が学生の学園都市では煙草の需要もあまり多くなく、この銘柄を見かける事はまず無い。
ホテルでの一時間でいつもよりもハイペースで煙草を消費してしまったから少し我慢しておかないと
明日の帰りまでにニコチンという福音の存在しない地獄行きになるかもしれないからだ。
加えて、この女性の前で吸うと箱ごと没収されかねない。
しかし気まずい雰囲気はどうしようも無い。
「…………そう言えば、貴方の方は時間は大丈夫なんですか?」
ステイルは散々迷った末、出来るだけ優しい声で無理矢理話題を振ってみた。
「あ、私ですかー?いえ、私の方は全然大丈夫ですよー?
 本当は今日は授業で使うプリントをつくろうと……あ、あの私が教師をやってる事は言いましたっけー?」
「えぇ、あのば……上条君から聞いてます」
「その上条ちゃんのお友達の土御門ちゃんって子がいましてですねー。
 買い物中に財布を落としたって電話があったので一緒に探してたのですよー」
駄目な子程可愛くてしょうがない彼女はまた笑みに輝きを取り戻していた。
一方ステイルは表情を取り繕いながら心中で思い切り苦虫を噛み潰す。
(これはアイツの差し金かっ!)
偶然にしては出来過ぎていると感じていたが、こうまで露骨にやられるとグウの音も出ない。
「探すのに半日かかっちゃったんで今日はもうお休みにしようと思ってたのですが、
 そこで偶然ステイルちゃんを発見したのですよー」
(いや、それは偶然じゃなくて明らかに土御門の悪意の結果なんだが……)
と、チビッ子先生の足が止まる。目の前には豪奢なホテルがそびえ立っていた。
「あ、あのー……チェックインの手続きで何か戸惑うことがあるかもしれませんしー、
 中までついていってもいいでしょうかー?」
「いえ、ここまで案内して貰った事で充分ですよ。どうもありがとうございました」
やんわりと断ると
(……うわぁっ!すごくショボーンとしたっ!)
ステイルが内心たじろくぐらい小萌は肩を落とした。それはもう滝のような勢いで。
彼は紳士の国で育ってきた。紅茶を愛しているし女性に優しくするのは信条だ。
「……そうですか……」
ともすればその場にしゃがみこんでアスファルトに『のの字』を描きかねない凹みっぷりに
「……すみません、やっぱりお願い出来ますか?」
折れざるを得なかった。


とはいえチェックインの手続きを済ませれば今度こそ終わりだと、そう考えていたステイルに
「いえ……あの、このご予約でしたらご解約されておりますが……」
ホテルマンが申し訳無さそうに告げる。
「は?いえ、あの、確かに予約をしたのですが……」
「しかし記録では今朝ご解約されてますし、違約金ももう頂いているのですが……」
今日ステイルがここに泊まる事を知っているのは彼以外には土御門しかいない。
勿論こんな真似が出来るのも彼だけだ。
(やられた……!)
しかし、意図が解らない。どうしてホテルの予約を解除したのか、その真意が掴めなかった。

306:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:03:06 JhQcLJIh
「あ、あの!どうかしたのですかー?」
まごついている彼の様子を見かねて、小萌が近づいてきた。
タイミング悪くホテルマンがステイルに提案をする。
「今から別のお部屋をご用意する事も出来ますが……」
「ほえ?という事は何かトラブルでもあったのですかー?」
「えぇ。こちらのお客様がされた予約は既に解約されていまして……」
流石は一流ホテルのホテルマンだ。外見からは小学生にしか見えない小萌相手にも
完璧な礼儀を守った上で応対をしてみせる。
しかしその生真面目さはステイルを追い詰める事にしか繋がらない。
それはどこの国の人間が見ても一目で『やったっ!』と思っている表情を浮かべて
両手を合わせるチビッ子先生。
「あぁ、それならちょうど良かったのですよー!」
何となく嫌な予感しかしなかったステイルはまず断った。
「いえ、結構です」
「うぁっ!?何で聞きもせずに断るのですかーっ!?」
いきなりの否定にチビッ子先生は少し涙目になる。
くるくると万華鏡のように変わっていく表情。誰かを本当の意味で心配出来るという稀有な在り方。
ステイルは耐えられなくなり小萌の視線から逃れるように顔を逸らした。

(……本当にこの人は……あの子を思い出させてくれる……)

「あのー!聞いてますかー!ステイルちゃんは泊まるところが無いんですよねー?」
一度固くまぶたを閉じる。きつく、きつく何かの栓を閉めるように。
そして正面から小萌から正面から向き合う。
と言っても背が大きく違うのでどうしても見下ろす形になってしまうが。
「はい、そうですが……それで、何かいい案でもあるんですか?」
(知り合いの家でも紹介してくれるのかな?……あの馬鹿の家など願い下げだが)
しかし目の前のとてもそうは見えないいい年した大人の案は
「はいっ!少し汚いのですけど、私の部屋に泊まればいいのですよーっ!」
ステイルの予想の斜め上をカッ飛んでいた。思わず右肩がガクンと落ちる。
「ちょっ!ちょっと待て!貴方は何を言ってるか解ってるのかっ!?」
「勿論夕飯の費用も光熱費も全部こちら持ちですよー?
 お金だって浮きますしお得だと思うのですがー」
「いや、そうじゃなくて……」
「善は急げなのですよー!夕ご飯の準備もありますしー!」
この小さな体のどこに、と思わせる強烈な力でステイルの体は引っ張られていく。
「いや、だから、あの……」
小さな手がこちらの手首を握り、乱暴に引っ張る。
体の小さな女の子が無駄にデカイ男の子を強引に連れて行く。
それはいつか、どこかでも見られた光景。

『ステイルっ!あそこのスコーンのお店で新作が出たんだよっ!私としては是非是非試してみたいかも!』

(僕の話を少しは聞いてくれ……)
いつかとよく似たその感覚は、いつかと同じで不思議と嫌ではなかった。

307:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:05:07 JhQcLJIh
「ステイルちゃんは何か食べれないものはありますかー?」
スーパーに備え付けのかごを両手で持って先導する月詠小萌の後をステイル=マグヌスはついていく。
まだお昼過ぎという事で客はまばらで、奇妙な恰好をしたステイルを見咎めるものもほとんどいない。
「いや、特にないんだが」
「あぁっ!!!」
いきなり大きな声を上げる彼女は、くるりと回転するとステイルの方を向いた。
その瞳は大きく見開かれている。
「あのぉ……そう言えば、ステイル=マグヌスですからマグヌスが苗字ですよねー……
 マグヌスちゃんと呼んだ方がいいですかー?」
小萌の奇妙な質問に、ステイルの右肩がまたガクリと大きく落ちた。
「……それよりも、ちゃん付けをまず気にするべきだと思うが……
 それに僕の国ではファーストネームで呼ぶのが一般的だ。そのままでいい」
「そういえばそうですねー。ならこのままステイルちゃんで行くのですよー」
気を取り直したステイルは小萌の手からカゴを奪った。
無言だったがきょとんとした目で見られ続けた為に渋々言葉を添える。
「……こういうのは男の役目だ。違うかい?」
「ありがとうなのですよー」
ステイルは小萌の笑顔からは目をそらす。
目を嬉しそうに細めて浮かべる屈託の無い笑顔はあの子に似すぎているから。
「あ、そういえばいつの間にか丁寧語じゃなくなりましたねー」
「……そう言えばそうだな……丁寧語に戻します」
「いえっ!そんなの気にしなくていいのですよーっ!
 先生、丁寧語を使うのはいいですけど使われるのは苦手ですしー」
(それは教育者としてはどうなんだ)
つっこみは内心だけで済ませておいた。
ステイルは日本文化に精通しているとはいえ、日本の生鮮食品店の勝手などは解らない。
テコテコ歩くチビッ子の後を大人しくついていく目の下にバーコードのある大男。
「それじゃ焼肉にしましょうかー。ステイルちゃんは牛肉はお好きですかー?」
「まぁ、嫌いじゃないかな」
キャベツと玉ねぎ、ナスなどがステイルの持つカゴにほおりこまれて行く。
野菜の棚が終われば次は魚貝類のゾーンだ。ホタテや竹輪が加わった。
そして二人は精肉の棚の前へとやってきた。と、そこで値札を見て小萌の動きが止まる。
「…………そういえば買い忘れたものがあるのでここで待っていて欲しいのですよー」
そう言ってトコトコと棚の影へと消えていく外見幼女教師。
予想はついたがステイルがそっと後を追うと見えない所でやはり財布の中身を確認していた。
可愛らしく眉間に皺を寄せている。
ステイルが元の棚の前に戻ってからしばらくすると小萌が戻って来た。
「このお肉を包んで欲しいのですよー」
彼女が指したのはこの店で一番高い肉だった。ちょっと指が震えている。
(やれやれ……)
その後、焼肉のタレや漬け込みのカルビなどをカゴにほおりこんでレジへと向かった。
カゴを置くと同時に、ステイルはレジの前に陣取り財布を取り出す。
「うあーっ!?何をしているのですかーっ!?」
「何って……見ての通り会計だが……」
「今日は全部私の奢りだって言った筈なのですよーっ!」
「貴方は確かに言ったけど僕はそれを了承していない。まぁ宿泊費とでも思ってくれればいいよ」
「それは屁理屈というのですよーっ!大人しくそこをどきなさいーっ!」
しかしステイルは財布から諭吉ちゃんをドローしてターンエンドだ。
「それこそ却下だ。それにもう払い終わったしね」
お釣りを受け取り自身の傍らに視線を落とすと、そこには北風を身に纏わせた少女がいた。
何かもう目が死んでいる。
「うぅ……折角のチャンスがー……」
「さて、出来れば早く案内してくれないかな?僕もそろそろゆっくりしたいんだが」
「うぅぅ……わかったのですよー……」

308:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:08:24 JhQcLJIh
大きいビニール袋がひとつと小さいビニール袋がひとつだったのでそれを分担して持ち、
月詠小萌の部屋の前までやってきたふたり。
そこで何かに気付いたように小萌の動きが止まる。
「ちょ、ちょっと待っていて欲しいのですよーっ!」
そうして一人部屋の中へと入っていった。
彼女によく似た少女を知っているからステイルには彼女が何をしようとしているのかが手に取るように解る。
数分後、
「お、お待たせしましたー……」
ちょっと額に汗をかいた小萌がドアを開いたのでステイルは中に入った。
台所にスーパーの袋を置くと、ずかずかと小萌の部屋を散策する。
「ちょっ!何をしているのですかーっ!レディの部屋を漁るなんてハレンチな真似は」
「ここかな?」
ステイルが戸を開け放つと、そこから雪崩のように物が落ちてきた。
ビールの空き缶、服、プリントなどの紙束、専門書エトセトラエトセトラ。
ステイルが床に広がったカオスを冷ややかな目で見下してから視線を移すと、
その容姿に良く似合う涙目をした女教師がいた。
「その場しのぎのごまかしをするのは教職者として、というか大人としてどうかと思うのだが」
「えっと……その……」
「とりあえずまだ日も高い。掃除を始めようか」

309:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:09:24 JhQcLJIh
ゴミをまとめ、プリントや専門書を整理し、服を全て収納し終えた頃にはもう日はすっかり沈んでいた。
「こんな所かな?とりあえずは」
「うぅ……せめてっ!せめて夕ご飯の準備だけは先生がひとりでやるので
 ステイルちゃんはそこで大人しくしているのですよーっ!
 わかりましたかーっ!?」
両手を大きく振って抗議する彼女にステイルは片手を振って了承の意を示し、ちゃぶたいの前に座る。
水道の音、その後野菜を切る音がとなりの台所から響いてくる。
少し気になって覗くと台の上に乗ってシンクに向かっていた。
手伝おうかとも考えたが、やめる。
反対されるのが目に見えているし、実は昼食を抜いてしまったのでかなりお腹がすいている。
邪魔な長衣を脱いで丸めておいた。
(……何をやってるんだ僕は……)
この縁を断ち切ろうと思っていたのに、流され続けてこの状況だ。
今から宿を探すとなるとかなり手間取るだろうし彼女は許しはしないだろう。
近くの棚の上に先程綺麗にしたばかりの灰皿が置いてあった。
そういえばもう数時間吸っていない事に気付くと急に口が寂しくなる。
長衣の内ポケットから新品の箱を取り出して封を切る。
一本取り出して咥えると、魔法で火をつけた。
胸の中に思い切り煙を充満させ、そして口から吐き出す。
ゆっくりと一本を楽しみながらピコピコ上下させていると、台所から声が飛んできた。
「あーっ!煙草吸ってますねーっ!未成年の喫煙は法律で禁止されているのですよーっ!」
「……僕の国じゃ合法なんだけど……」
「それだけじゃありませんっ!、
 そもそも成長期に吸うと成長に悪影響を与えるのですよーっ!」
「見れば解ると思うけど僕はもう充分育ってるからそれも心配ないね」
「だーかーらーっ!何で屁理屈こねるのですかーっ!」
トテトテと台所から歩いてくると、一度小萌先生はそこで停止した。
「……あぁ、何かイメージ違うと思ったらコートを脱いだのですねー?
 そんな恰好もよく似合っているのですよー……ってそうじゃなくてですねーっ!」
黒のシャツとスラックスというラフな恰好のステイルの煙草を没収すべく手を伸ばす。
しかし手が短すぎる。ついとステイルが頭を後ろに下げるだけで届かない。
もーっ!と小萌が憤慨して手を伸ばしてもステイルはそれをすいすいと避けてしまう。
しかし小萌は諦めない。ステイルが悠々と一本吸い終えるまでの間、それは繰り返され続けた。
「解ったよ。もう吸わないから料理に戻ってくれ」
「はぁはぁ……ホ、ホントですかーっ?」
「本当だ。誓うよ」
「……ホントですねーっ?」
「あぁ」
台所に戻っていった彼女を見届けてから、ステイルは煙草をもう一本箱から取り出す。
と、同時に小萌が居間に戻って来た。
「ホラまた吸おうとしているじゃないですかーっ!嘘はいけないのですよーっ!」
「冗談だよ冗談。まだ火はつけてないだろう?」
もーっ!と食い下がる彼女は何があろうと決して諦めはしないだろう。

310:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:10:39 JhQcLJIh
「どれだけ飲むんだこの人は…………」
そこそこいい肉な筈なのに味が全く記憶に残らない程、ステイルにとって目の前の光景は衝撃的だった。
缶を両手で持って飲んでいるその姿は可愛らしいが缶が銀色のビール缶というミスマッチ。
飲むペース自体はむしろ遅い。恐らく一気飲みの勝負なら大抵の人に負けるだろう。
「ホラ、これとこれも、みょうひゃべ頃なのですよ~~」
と言って肉をステイルの取り皿に乗せてまた両手で缶を持ち、飲む。
とにかくコンスタントに飲み続けている。既に8本が小萌の横に並んでいた。
「貴方も飲んでばかりいないで少しは食べないと」
「いぇ、先しぇいはお腹いっぴゃいなのでどうぞどうぞどうぞどうぞー」
けふっと小さくげっぷをして次の肉をホットプレートに載せようとする。
「悪いが僕ももうお腹一杯でね。これくらいにしておこうか」
「しょうですかー……そりぇはじゃん念なのですよー」
「貴方はここで座っていろ。僕が片付けをしておくから」
「いえっ!そもそも今日はおりぇいなのですしそんにゃわけにはーっ!」
「呂律が回ってない。怪我でもされたら困るから大人しくしていてもらおう」
とりあえず自分の取り皿の肉を全て胃の中に放り込んでから
余った肉や野菜が乗った皿をそのまま冷蔵庫の中に入れる。
ホットプレートの扱いはわからないのでコンセントを抜いて台所へと運んでおいた。
「うぁー……何からにゃにまで……本当に申し訳ないのでしゅよー……」
卓袱台に突っ伏す小萌からは外見にそぐわないアルコール臭がプンプンしていた。
「君が悪く思う必要は無い。全部僕がやりたくてやってる事だ」
自嘲気味に笑う。そう、見返りなんて求めていない。
一度あの子の友達でいる事を諦めてしまった自分にはその資格は無い。
「それより、そのまま寝るつもりなのか?風邪をひくぞ?」
「えぇっと……ちょっとここまで来て欲しいのですよー……」
(自分じゃ立てないのか?やれやれ……)
内心呆れながら小萌に近づいたステイルは、
「えへへぇ……騙されましたねぇー」
急に腕を引っ張られてバランスを崩し、床に倒れた。そしてすぐに頭が柔らかい何かの上にのせられる。
「……何がしたいんだ貴方は……」
「先生は今酔っぴゃらってるのでそんな事聞いても無駄なのですにょー」
呆れ顔のステイルが目を開くと上機嫌そうに笑う小萌の笑顔の向こうに蛍光灯が見えた。
どうやら膝枕をされているらしい事を理解する。
そのまま小さな手がステイルの頬や頭を撫でていく。
「えっとでしゅねー……先生は酔っ払うとしょの日のコト全然覚えていないのですよー……」
「それは危ないな。もう寝た方がいいんじゃないか?」

311:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:12:24 JhQcLJIh
「だから、今なら何を聞いても明日には忘れてるのですよー」

やめろ。

「……先生にはひとつ特技がありましてですねー……」

頼むからやめてくれ。その笑顔で、その優しさで触れられると壊れてしまうから。

「泣くのを我慢してる声は解るのですよー……」

やめろ。僕にだってプライドはある。こんな、こんな情けない姿。

「あと……先生は泣く事が格好悪い事なんて思いませんよー?
 『泣く機能』も必要だから人間についてるのですよー」

やめてくれ。その笑顔で見ないでくれ。僕を認めないでくれ。頼むから、お願いだから。

「―――――きっと……きっと、たくさん頑張ったんですよねー?」

「―――――何で……僕じゃないんだ……!」
壊れた。ずっと保っていたプライドが。
「僕がそこにいたんだっ!お前よりも前にっ!」
惨め過ぎて景色が歪んでいく。目の前の笑顔があの子の笑顔に重なった。
「あれに耐えられるわけないじゃないかっ!
 お前だってあの子のあの目で見られてみれば絶望するさっ!砕けてしまうさっ!」
頬を伝う熱い何かを拭うやわらかいものがある。
「お前がっ!お前だってっ!ずっと僕がそこにいたんだっ!お前にっ!」
喉がつまった。咳き込む。
叫ぼうとし、また咳き込んで、しかし言葉は止まらない。
「僕がっ、そこっ、何でっ、お前がっ、僕はっ、あの子にっ、
 ずっとっ、僕がっ、一番っ、何度もっ、ずっとっ、あの子とっ、僕はっ!!!!!」
目のすぐ近くを優しい何かが撫でていった。
視界がクリアになり、目に飛び込んでくるのは少女の優しい笑顔。
「…………何で、僕は……あの時、もう一度あの場所に立てなかったんだ…………!」

312:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:13:16 JhQcLJIh
注意書き


・ここからエロ
・ステイル×小萌
・実用性があるかどうかは聞かないで
・それではどうぞ


ではでは。

313:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:15:00 JhQcLJIh
静寂に包まれてから数分。ステイルはようやく起き上がり、小萌と向き合った。
「……ありがとう。あと、みっともない所を見せてすまなかった」
「……あのですねー?
 先生は、その挫折がなければステイルちゃんと多分出会えなかったのですよー。
 だから……きっと、挫けても、続いてさえいれば、きっと……」
小萌がステイルに迫る。ステイルの膝の上に右手を置き、左手を首に絡めた。
そのままゆっくり近づいてくる。ステイルもそれを避ける気にはなれなかった。
唇を重ねる。ゆったりと数秒そのままでいて、離れた。
「だから……自分を否定するのを止めて欲しいのですよー……
 私は、何があってもステイルちゃんを肯定しますよー?」
「……僕で、いいのか?」
「そうじゃなかったらキスなんてしないと思うのですがー」
もう一度。そのままステイルは押し倒される。
小萌の小さな舌がステイルの口内に侵入して来た。
「…………んっ……んっ」
小萌の予想外にステイルはキスが上手かった。
逃げようとして、しかし頭をがっちりと抱え込まれて出来ない。
時折り呼吸の為に口を離し、何度も、何度も唇を重ねる。
ピクッと小萌の体全体が一度軽く跳ねた。
「んちゅ……んぅ……んっんぁ……流石にキスは上手いのですねー」
「まぁ、する機会は多いからね」
「そうですかー……なら、こういうのはどうですかー?」
小萌の小さな手がステイルの体を這い回る。
シャツのボタンを片手で外してするりと内側に侵入した。
熱を持った肌を手のひらで撫で回し、そして腹筋の筋に指を這わせる。
「……鍛えているのですねー」
「くっ……うぁ……慣れているんだな……」
「まぁ、ある程度はー」
そのまま更に手は下がっていき、ズボンへとたどりつく。
ベルトを外され、そして下着も下げられて晒されるのはへにゃりとしたステイルの男性自身。
「こういうのは初めてですかー?」
そういって小萌がステイルのそれをやさしく摘んだ。
ゆっくりと手を上下させ、徐々に固さと熱を増していくそれを撫で上げる。
空いた左手は睾丸をほぐしていた。
「これ、は流石にけ、い験した事が無いね」
「そうですかー。それはちょっぴり嬉しいのですよー」
さらに膨張をつづけるステイルのそれ。
充分に手でいつくしんだ後、それに舌を這わせる。
「汚、いとはお、もわないのかぅっ!?」
「ふふ……んぅ、んちゅ、ん、……咥えられないのが残念なのですよー」
ステイルのそれが咥えられないので小萌は舌を這わせる。

314:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:16:31 JhQcLJIh
裏筋から丹念に舐め上げ、鈴口に優しく口付けして吸い上げた。
「ふぐっ!…………かっ……」
「声を出してくれた方が嬉しいのですよー」
そういって右手の上下運動と吸い上げを激しくする。
「あっ!ちょ、待――うあぁっ!そんな同時にやられ―ひぁっ!」
「ん、我慢しなくていいのですよー?全部受け止めてあげますからー」
「うぅっ!だから……何――ぐっ!ああっくぅっ!」
(粘りますねー……もう限界だと思うのですけどー)
小萌の想像通りステイルはもう限界だった。
ただ彼のプライドが一方的に責められて達してしまう事を決して認めはしない。
歯を食いしばり、拳を握り締めてただひたすらに耐える。
(頑張りますねー……先生、そんな子大好きだからもっとサービスしちゃうのですよー)
必死に耐えるステイルの表情を見上げ、より一層愛しさがこみ上げてきた。
その表情をもう少し見ていたいという嗜虐的な感情と
迸りを受け止めたいという被虐的な感情、またステイルを早く解放してあげたいという優しさ、
様々な感情が小萌の中で混ざり、そしてより一層動きを激しくさせた。
舌で鈴口をえぐり、右手で思い切りこすり、左手で肛門の淵をなぞる。
「さんかっ!しょ!なんてっ!ひきょ――――ぁああっ!」
ステイルの両手が伸びてきて小萌の頭を掴む。
そして自身のそれに小萌の小さな口を押し付け
「出っ!!!るぅぅっあああっあぁあぁっっ!!!!!」
「―――んぐぅぅっ!!?」
自身の熱を思い切り解放した。いきなりの事に小萌も対応出来ない。
喉の奥に叩きつけられて盛大にむせた。
唇から離れたステイルのそれは何度も何度も脈打ち、小萌の顔面を染め上げていく。
また、飲みきれなかった白濁が小萌の口からステイルのそれに垂れた。
「うぅ……凄い量なのですよー……」
顔中でステイルの精液を浴びた小萌は、目のあたりをごしごしとこすった。
「す、すまない……つい……」
「?えぇと、感じてくれたという事ですから私は嬉しいのですよー。
 今、お掃除しますねー?」
まず、小萌は手で自身の顔にかかった精液をぬぐい、口に運んだ。喉を鳴らして飲み込む。
「ん、ん、……色や匂いは甘くて美味しそうなのに……何でこんなに苦いんでしょうかー」
小学生にしか見えない少女が自分の精液をぬぐって口に運ぶという光景、
禁断の果実の芳醇な味わいがステイルの脳髄を麻痺させていく。
むくむくとまた熱と硬さを取り戻すステイルの男性自身に気付いた小萌は、
年齢相応の女性を感じさせるいやらしい笑みを浮かべる。
「えへへ……また大きくなっちゃいましたねー……
 それに、今からすぐに汚れちゃうんですからお掃除なんていりませんかー?」
「そう……かなっ!」

315:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:18:17 JhQcLJIh
「ふひゃああっ!!?」
悠然と微笑む小萌にステイルが奇襲をかける。右手で小萌の股間を思い切り押し上げたのだ。
そこは既に下着の上からでもわかる程の充分な湿り気を帯びていた。
「全く……そうじゃなくて、貴方が我慢出来なくなっただけだろう?」
一方的に攻められ鬱憤のたまったステイルは乱暴にそこをいじくり回す。
手全体でガッチリとホールド、一番長くて太い中指で下着の上から押し上げ、突き刺す。
「ふぁっ!?あの――ひぅんっ!?おんなの、このっ!?
 だいぃっ!じ、なっ!?部分はもっとぉ、やさ、しくっ!?」
「さっきあれ程好き勝手やられたんだ。少しは好き勝手にさせてもらう。
ステイルは好き勝手に乱暴した。
小萌は好き勝手にされ、蹂躙され、声を上げ続ける。
「ひぁっ!?ひ、ひきょうなのですよぉ…!そん、な一方的にぃっ!?」
先程無視された恨みから小萌の抗議は完全に無視。
更なる攻めを加える事が脳内魔女裁判で決定。
「聖書の一節にこんなのがあってね……
 『誰かが、あなたの右の頬を打ったなら、左の頬を向けなさい』」
呟きながら左手も伸ばし、そして下着の上から小萌の尻肉を揉み潰す。
「きゃぅっ!?ど、同時なんっ!?、て、いけないのですよぉっ!
 こんなにされ……ひああぅぅんっ!!?」
ぷしゅっと汁が吹き出た。そしてそれは止まらない。
透明な液体が小萌の股間から盛大に滴り落ちる。
「あぁ……だからやめてと言ったのですよぉ……」
大量にアルコールを摂取して既に限界まで張り詰めていた膀胱が一気に弛緩する。
止める事も出来ず、外見通りの幼女のように小萌は漏らした。
ステイルの服や床が暖かい液体によって濡れる。
「うぅぅ……何て事するのですかぁ……酷いですよぉ……」
「す……すまない、調子に乗りすぎた……」
「もう、いいのです……それより濡れた服を脱がないと風邪ひいちゃいますよー?」
言われ、ステイルは素直に服を脱ぐ。
全裸になって横を見ると、小萌は掃除ではなく寝床の用意をしていた。
「他にするべき事があるんじゃないのか?」
「今掃除しても後で掃除しても同じなのですよー。
 それに、今はこちらの方が大事ですからー」
ステイルは眉間を押さえて呟いた。
「そうやって後回しにするから部屋が汚れるんだよ……」
しかし、下半身は膨張したままであり説得力は皆無だ。小萌は挑発的に微笑んでみせる。
「そんな事はいいから、脱がせて欲しいのですよー……ね?」

316:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:21:07 JhQcLJIh
裸にされた小萌が両足を開いて待ち構えている。
胸も尻もあまり肉付きが良くない……というかむしろ皆無だ。
一部の異常性欲者なら激しく反応する肢体に
(興奮しているって事は僕も変態なのか……)
思い切り反応したステイルは内心凹んでしまっていた。
「……?どうかしたのですかー?」
「あぁ……いくぞ?」
ゆっくりと侵入させていく……と、半分入ったくらいで一番奥にこつりと当たった。
「ぁ……大き、過ぎなのですよぉ……」
「大丈夫か?」
心配するステイルを、その小さな腕を精一杯伸ばして抱きしめる。
「ちょっと、苦しいですけど、でも、嬉しいの、ですよぉ?
 ステイルちゃんと……繋がってるのは……」
「そうか……なら、動くぞ?」
ゆっくりと引き抜く。体の内側をゆっくりこすられる感覚に小萌の脳は痺れていく。
「はぅ……ひぅ……」
今度は押し込んでいく。また半分程で奥に当たった。そこを優しくノックする。
「ぁ……ぁあ……それ、フワフワして……」
「気持ちいいか?」
「……はいぃ」
胸の真下にある小萌の表情はよく伺えなかったがその声だけで充分予測出来た。
小萌の部分は精一杯に広がってステイルのものを受け入れ、締め上げている。
油断するとすぐに出てしまいそうだ。
「あ、のですね?」
「何だ?」
「もう、ちょっと……激しくしても……いいのですよー?」
(そこまで言われたら……まぁ、張り切るしかないか!)
小萌の細い腰を両手で掴み、思い切り動かした。体重をかけて抉り、突き刺し、押しつぶす。
「あぐぅっ!?ひぁっ!あっ!あぁっ!あぅぅっ!?」
小萌の手がせめてもの支えに、とステイルの背中に回される。
爪が背中へと食い込んで痛みを発するが、ステイルの脳内はもう小萌の中の感触に占領されていた。
「ひゃぅっ!?あ、あ、あ、あぃっ!?ふぅあっ!?ひっ!あぁあっ!?」
小萌の手がステイルの背から離れ、シーツをかきむしる。
ステイルも限界に近かった。腰を引いて抜こうとし、
「出、出るから……抜」
「だ、めですよぉ?」
小萌に足を絡められる。その行動と言葉で小萌の意思が解ったステイルは
小萌の頭の横に両手を着き、そして思い切り体重をかけて一番奥に打ち込む。
「――――出すぞっ!」
「はい―――――!!!」
そのまま、熱を小萌の中に残らずぶちまけた。
「ひああああぁぁぅぁああっっ!!!!」
何度も何度も痙攣し、その度に噴出する熱を一番奥へと叩きつけるステイル。
その迸りを受け止め、小さな体を跳ねさせる小萌。
痙攣が終わり数秒間硬直した後、ふたりは重なって崩れ落ちた。

317:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:25:05 JhQcLJIh
(こんな所かな?)
明け方に寒さで目覚めたステイルはまず小萌に布団をかけてやると、床など諸々の後始末を行った。
一度掃除を手伝ったからどこに何があるかはさして悩まずに済み、
ほんの二十分程度で全てが終わる。
ふと視線を巡らせると、そこには幸せそうに寝ている小萌がいた。
「……起こしても、別れにくくなるだけか……」
ちょっとした書置きをテーブルの上に残し、わずかに悩んだがお気に入りの煙草を重しとして残す。
そして音を立てないように注意して小萌の部屋を出る。
ビルの合間から朝日が僅かに見えた。
「……土御門、いるんだろう?」
「あぁ」
物陰から姿を現したのは金髪にサングラス、そしてダサいのかイケてるのか判断に困るシャツを着た
ボクサー崩れのような独特の雰囲気を持つ男、土御門元春だった。
「何故だ?誰に……何処に頼まれた?」
今回、月詠小萌と出会った事や彼女と一緒にいる時間が長くなったのはこの男の仕業だ。
誰か、何らかの組織の差し金と考える方が妥当である。
「……あぁ、何を言ってるかと思ったらそれか。安心しろ。別にこれはそうじゃない」
しかし土御門の口から出たのは否定の言葉だった。
「考えても見ろ。煙草臭くてムサ苦しい大男と、ちっちゃくてかぁいい女の子……
 困ってたらお前ならどっちを助ける?」
そのあまりの単純すぎる回答に、ステイルはもう苦笑いを浮かべるしかない。
「これは……借りか?それとも貸しか?」
「さぁな……それより、他に頼む事があるんじゃないのか?」
そして土御門が浮かべているのは嫌らしい笑みである。
つまりこのスパイはどうやら全てをお見通しらしい。
「はぁ…………シャワーと、それと服を貸してくれ」
「了解だにゃー」


明け方の科学の街を、二人の魔術師が歩いていく。



318:あるルーン使いの有給休暇の話
08/01/05 19:25:57 JhQcLJIh
ここまでお付き合い頂きありがとうございましたっ!

つか本気で長いのでこれを全部読んでくれた方がいたら最大級の感謝を。
エロだけでも楽しんでくれた方には最高級の感謝を。
そして途中であきてしまった方にはもう溢れんばかりの謝罪を。

もうちょっとまとまらないモンですかねぇ?
体小さい小萌先生と2メートルの外人のステイルなら
まず入らないんじゃね?ってツッコミは無しの方向性で。

本当にここまでお付き合い頂きありがとうございました。
お疲れ様でしたっ!

319:名無しさん@ピンキー
08/01/05 19:42:14 95B0Hs6f
>>318
GJ!
小萌センセー好きな自分にはあらがたすぎるお年玉だぜヒャホーイ!!


320:名無しさん@ピンキー
08/01/06 00:43:11 S/6rc3WP
GJだぜい

321:名無しさん@ピンキー
08/01/06 01:01:16 wmEG7TxR
GJ!
内面の描写が上手いと思う。

322:名無しさん@ピンキー
08/01/06 01:41:33 9u0FepvR
GJです!
なんというステイル・・・・
思わずドローしてしまった・・・
このステイルは間違いなくデュエリスト

>>271の他の人物の描写も描いて貰えたら感涙ですよ!

323:名無しさん@ピンキー
08/01/06 02:13:06 knAt2ydR
すげー…なんか

(゚д゚)ポカーン

ってなっちゃうくらい上手い書き方だよ…。
俺もこれぐらいやれたらね。
もっと頑張ろう。


そして、貴方に心からの賛辞を。すげー…なんか

(゚д゚)ポカーン

ってなっちゃうくらい上手い書き方だよ…。
俺もこれぐらいやれたらね。
もっと頑張ろう。

そして、そんな>>318に心から賛辞の言葉を。
GJ!!

324:名無しさん@ピンキー
08/01/06 04:38:08 xkfCc7S4
ステイルに幸せを・・・


325:名無しさん@ピンキー
08/01/06 23:31:54 vTh8JbrU
ステイル×小萌派の俺としては、待ち望んだものが見れて感激です。
こんな良いSSを書いた貴方に千の祝福と万の感謝を…


326:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:31:17 wqgGb47h
オーケィ皆様フクシュウのお時間です。


注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったらどうかお付き合い下さい。
ではでは。

327:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:32:14 wqgGb47h
黒い部屋があった。窓の無い壁も床も煤けて真っ黒、
10メートル四方の中央に一部砕けたり焦げたりしている丸テーブルが置かれている。
その周囲に並べられたパイプ椅子だけがくすんだ銀色を放っていた。
「さて毎度毎度申し訳無いんだが、つかそもそもお前等が自重してくれたら
 俺の仕事も減るんだが……まぁ、こういう火消しも俺の仕事だからにゃー」
「……返す言葉が無いね。……?
 そういえば『旗男』はどうしたんだ?姿が見えないんだが……」
「ンな事ァ別に構やしねェがこいつ等は一体何なンだよ?
 誰にも聞かせちゃなンねェんなら何で関係者増やしてンだ。馬鹿かてめェ」
「あー、とりあえず順番に説明していくぜい、
 『旗男』は呼んだんだがどうも来れないらしい。
 それで急遽この『仮面男』と『扇風機男』に来てもらったんだが……」
「心配は解りますが大丈夫ですよ『白髪男』。『旗男』に関しては貴方達と対立する事はありえませんから」
「ま、運命共同体って事よな。件のシステムは声だけで判断するしか無いから
 『煙草男』だけじゃ心許ないって事で呼ばれたワケなのよ」
「一応言っとくが……『旗男』はアマチュアなんだ。決して責任を負うべき立場じゃない。
 だから、こういう地味な裏方は俺らみたいなプロ連中でさっさと終わらせちまおうぜい」
そして『スパイ男』はテーブルの中央にプレーヤーを置いた。
「正式稼動に向けて装置の設置台数とデータの量も増えててな……
 怪しいデータを片っ端から掻き集めて来たんで判別をよろしく頼むぜい」

『「ええええっとっ!そ、それじゃ、い、いれますねっ!」
 「いや、そんなに慌てなくてもいいから……」
 「は、はいっ!」
 「だから焦り過ぎだって。ホラ、力抜いて……」
 「ふぁ……ぁ……はいぃ……」』

「どうやらウチの関係者みたいなのよ。というかもうそこまでいってたのが意外よな」
「……何かこう、慣れてきた感じの『旗男』の声が激しく不快だな。
 『スパイ男』、次に行ってくれ」
「これもアウト、と。了解だにゃー」

『「あひゃぁっ!ひゃぅぅっ!―――ふあああああああっっ!!!」
 「……くっ……あァっ!」
 「はぁ……あぁ……いっぱ、い出しても、らってうれしい、と
  ミ カは、ミサ は、ちょ、うはつて、きにほ、ほえんでみた、り」
 「……おィ、挑発って意味解って言ってンのか?
  こういう事されても文句言えねェ―――ぞ!」
 「はひぃっ!?よ、四回戦はさすが―――ふひゃあっ!?」』

「……動じてないな。流石に慣れたか『白髪男』」
『スパイ男』の言葉に、『白髪男』はつまらなさそうに溜息を吐いた。
「つか、最近またアイツがおかしいんだよなァ……
 やけに犯られたがるしよォ……しかも全部中に出せと来たもンだ……」
「それはそれで男冥利に尽きるってもんよな」
「……この声、どこかで聞き覚えがあるような……」
「……?何か言ったか?『仮面男』」
「いえ、何でも」
「次いくぜい」


328:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:34:07 wqgGb47h
『「ホラホラ情けないとは思わないんですか。
  こんな足だけでもうイっちまいそうなんて」
 「うぁっ!……た、頼む、も、もう限界なんだ……」
 「駄目ですよ。私らシスターは全員あの方の妻なんですから、
  不貞を働くわけにはいかないんです。
  でも……まぁ、頼み方によっちゃあ考えない事もないですね」
 「イ……く……さい」
 「聞こえないですよ?」
 「イかせてくださいっ!は、早くっ!」』

全員が黙った。男の哀願なんて気持ち悪くて聞けたもんじゃないからだ。
「……随分とマニアックなプレイを……相手は『旗男』として、もうひとりはどこの関係者ですか」
『仮面男』の呟きに、そろそろと『煙草男』が手を上げた。
「すまない。……ウチの関係者みたいだ」
「あぁ、そうですか……何というか、えっと……頑張って下さい」
「つか、アイツはアナルも足もアリかよ。どンだけ趣味の幅が広ェんだ……」
「さぁさぁ気を取り直して次行くぜいっ!お前等ついて来るんだにゃー!」
精一杯の空元気で声を張り上げ、『スパイ男』がプレーヤーのスイッチを入れた。

『「……どうかしたのか?」
 「いえ、えっと……ス  ルちゃんは、やっぱり胸が大きい方が嬉しいですかー?」
 「……何を言ってるんだ貴方は……」
 「ふぁっ!?いきなり触るなんて駄目です――ひぅっ!?」
 「そんな事、僕は気にしない。それに……こっちの方が可愛いしね」
 「ぁっ!……そ、そうですかー?」』

「…………何だその目は!『この異常性欲者』とでも言いたいのかっ!」
大体あっていたので三人が目を逸らした。しかし
「何だ『スパイ男』っ!無言で片手を差し出してくるなっ!にこやかに笑うなっ!
 僕は決して君の同志じゃないっ!」
それはもういい感じの笑みで『スパイ男』が『煙草男』へ右手を差し出していた。
まぁまぁ、と大人の余裕で『扇風機男』が『煙草男』の肩を叩く。
「趣味は人それぞれ、なのよな?」
「違うっ!僕はっ!決してっ!断じてっ!ロリコンなんかじゃっ!
 というかそれなら君はどうなんだ『白髪男』っ!」
「うっせェ。俺はアイツがたまたま小さかっただけだ。
 てめェ等と一緒にすンじゃねェ……おいコラこっちにも手を差し出してくンな『スパイ男』っ!」
埒があかないと判断した『仮面男』がプレーヤーを手に取った。
「次行きますよ」

329:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:36:13 wqgGb47h
『「うああぁっ!」
 「……愛撫開始から2分48秒……いけませんわっ!これではお姉様を満足させるには程遠い!
  いいですかっ!お姉様と関係をもってしまった以上、貴方にはお姉様を幸せにする義務があるのですっ!」
 「いや、俺は」
 「問答無用!かくなる上は……私自身を持って貴方を鍛え上げる事にしますっ!」
 「ちょっと待て!いくらなんでもそれはっ!」
 「あぁ……今、名実共にお姉様と姉妹にっ!」』

また全員が押し黙った。全員の理解の範疇を大きく超えていたからだ。
「これは……どういう事なんだ?」
結構ウブな『煙草男』が呟くと
「あぁ、つまり姉妹というのは……『棒姉妹』を指してるんだろうが……」
と、『スパイ男』が渋々解説をする。
「『旗男』の相手の女性はどうやら学園都市の学生の様ですね。
 何度か追いかけられましたから解ります。しかし……つまり、あの人と『旗男』は……」
何やら思索にふけりだす『仮面男』。
「『仮面男』、次行ってくれるかにゃー?」
「……あ、はい」

『「ホントに起きないじゃんよー。普通ここまでされたら大抵の人は気付くじゃん」
 「ここまで眠りが深いのは何か理由があるのかしら?
  研究してみたら面白そうなのだけど」
 「……やっぱり……黙ってたら可愛い顔してるじゃん……」
 「今何を考えたのかしら?」
 「ふふ、ちょっとイケない事じゃんよ」
 「そう?私としては学園都市首位の遺伝子サンプルにも興味があるのだけど」
 「なら……食べちゃう?」
 「食べちゃおうかしら?」』

「何だこれはァァあああぁあァあああっっ!!!!」
『白髪男』が自身の座っていたパイプ椅子を思い切り壁に投げつけた。
加速されたパイプ椅子は壁に激突し、粉々に砕け散る。
「最近いくら寝てもダリィのはこれが原因かよっ!」
そのあまりの怒り具合に説得を諦めた『スパイ男』は『仮面男』に催促する。
「とにかく次行け次っ!」
「は、はい!」

『「おめでとう、と言うべきなんだろうね」
 「はい、とミ  は満面の笑みで応じます」
 「きっと、これから色々な痛みと向き合わなければいけなくなる。
  それでも……覚悟は出来ているのかい?」
 「……はい、とミ  はもう一度満面の笑みで応じます」
 「なら送る言葉はひとつだ。―――――おめでとう」』

仮面男がプレーヤーをテーブルに叩きつけた。
「……守れとは言ったが孕ませろとは言っていない……」
「……………あァ、最近のアイツはコレのせいかよ……」
「……まぁ、英雄色を好むと古来から言われてるのよ」
『扇風機男』が一応『旗男』へのフォローの様なもの呟きながら
テーブルに叩きつけられたあと床に落ちたプレーヤーを拾い上げた。
「次、行くのよ」


330:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:38:13 wqgGb47h
『「わ、私はメス牛ですぅっ!聖人なんかじゃありませんぅっ!
  こ、これでいいですかっ!?は、はやくっ!」
 「いいや、まだまだ足りないな……俺のこれが欲しいんだろ?」
 「は、はいぃぃっっ!そうですぅっ!
  私はっ!そのお ン  ンが欲しいんですぅっ!」
 「じゃあ、来いよ……」 
 「お……お散歩ですか……?また……外で?」
 「何だ、嫌なのか?」
 「――いえっ!嬉しいですぅっ!」』

『扇風機男』がテーブルを思い切り蹴りつけた。ものすごい音が部屋の中に鳴り響く。
「……何しくさってやがんのよ……」
「まさか、こんな趣味だったのか……」
『煙草男』がしみじみと呟いた。
「あぁ……えっと……何だ、もう……次行くんだにゃー」

『「んぐぅっ!?……と、  ま……き、きもちよかった?」
 「あぁ……そうだな、まぁまぁだったよ」
 「な、なら……明日はお肉食べさせてくれる?」
 「でもなぁ……財布の中身が……」
 「とうま!こ、こっちも使っていいよっ!」
 「じゃ、明日は豚肉買ってこようか」』

「君は……そうか、成程、よく解った」
カードの整理をし始めた『煙草男』を見て、『スパイ男』は大きく息を吐く。
「やれやれ……他のヤツももう全く聞いてないし、俺だけで判別するしかないのか……」
プレーヤーのスイッチを入れ、次のトラックを再生する。

『「今日はありがとなー、『お兄ちゃん』」
 「あぁ、いいよ俺も楽しかったし費用はそっちもちだったしな」』

「…………何?」
もう一度今のトラックを再生する。

『「今日はありがとなー、『お兄ちゃん』」
 「あぁ、いいよ俺も楽しかったし費用はそっちもちだったしな」』

どう聞いても義妹と…………『旗男』の声だ。

331:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:39:05 wqgGb47h


『スパイ男』がテーブルを叩く。全員の視線がそこに集まった。
「お前ら、ちょっと提案があるんだが……
 行 か な い か ?」
全員が頷いた。
全員が自分の敵を理解していた。そして何をすべきかも理解していた。
もうそこに言葉は必要無かった。

扉が、開かれた。

332:ある諜報員の仕事の話 Avengers
08/01/07 07:40:58 wqgGb47h
ここまでお付き合い頂きありがとうございましたっ!

『旗男』がレベルアップしてるって事と
『仮面男』は『妹』と『あの人』を間違えてるって事だけ補足。
だって判別するの声だけですし。

尚、
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません

333:名無しさん@ピンキー
08/01/07 08:02:55 7tElsZ/U
旗男すげぇー!!www

334:名無しさん@ピンキー
08/01/07 09:18:39 J+wzjf3V
もはや旗男を生かしておくのは危険だ…

335:名無しさん@ピンキー
08/01/07 09:19:23 J+wzjf3V
旗男逃げてー

336:名無しさん@ピンキー
08/01/07 10:19:27 nUF7st9L
えーと、これはアレですか?
旗男 VS 煙草男&白髪男&扇風機男&仮面男&スパイ男?

何ですか右側のドリームチームは……これに勝てる奴が居るのか?ww

337:名無しさん@ピンキー
08/01/07 10:37:42 80RgaOJA
左には女性陣の多くがつく筈だ

338:名無しさん@ピンキー
08/01/07 10:46:00 nUF7st9L
ふむ……。だが、関係とヤリ方を考慮すると全員が左に着くとは考えにくい。

仮にもしもの話だが。旗男の関係がここまでが全てと仮定すると、左に着くのは白修道女&雷女&侍女&巫女&手拭女……の、五人と見た。

339:名無しさん@ピンキー
08/01/07 11:32:59 OvOOaJKm
手拭い女ってw

340:名無しさん@ピンキー
08/01/07 12:13:22 OHaDp/bz
スパイ男より、間諜男の方がいいんじゃない? と思うのは俺だけかな?

意味は一緒だよね。

内容はGJ!!ですよ。

341:名無しさん@ピンキー
08/01/07 12:30:50 1pU3/bB1
>>338
さらに聖人と修道女隊長がつくぞw

342:名無しさん@ピンキー
08/01/07 13:28:11 7eypbUps
むしろ敵につくのは誰なのかと。

343:名無しさん@ピンキー
08/01/07 15:50:48 Fmyd6lqU
Wikipediaによれば☆は左側に付くかな

344:名無しさん@ピンキー
08/01/07 17:29:54 fCrao55K
煙草男、仮面男、スパイ男、扇風機男はそれぞれ対応する女性陣が説得したら
血涙流しながら諦めるんじゃね?
白髪男も直接の恨みはあまり深くは無いし、
妹達に懇願された最終女の説得であっさり諦めそう。
元々、最終女の奇行が怒りの原因なんだし。

何だ、割と楽に生き残れるじゃん旗男。


345:名無しさん@ピンキー
08/01/07 18:59:49 1pU3/bB1
>>344
血涙流しながら

「一発殴らせろ」

346:名無しさん@ピンキー
08/01/07 19:34:41 J+wzjf3V
>>345
なんか燃えるシチュエーション

347:名無しさん@ピンキー
08/01/07 19:42:02 WsK7oyis
まあ、煙草男に殴られたら燃えそうだしな。

348:名無しさん@ピンキー
08/01/08 01:39:09 Vx5Q5SiA
仮面男ってどちら様?
できればヒントを・・・

349:名無しさん@ピンキー
08/01/08 01:42:20 wDSQQ9J4
南米>仮面男

350:332
08/01/08 01:51:57 /i+t9xko
>>348
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません

勿論仮面男とアステカの魔術師には何の関連性もありません

351:名無しさん@ピンキー
08/01/08 07:08:18 PS8TL3H8
あげ

352:名無しさん@ピンキー
08/01/08 11:21:07 fJXUy2xK
アステカ君は人間を辞めるのか>仮面

353:名無しさん@ピンキー
08/01/08 18:40:01 XYhRMR4u
この様子では通販女あたりもすでに旗男は……!

354:名無しさん@ピンキー
08/01/08 19:08:23 SeEM59aW
むしろ「先生」も・・・なんて考える俺は終わってるかもしれない。

355:名無しさん@ピンキー
08/01/08 20:55:55 0P8cB/iL
旗男は「従妹」をお(ry

356:名無しさん@ピンキー
08/01/08 21:13:20 0jSrdAgI
『従妹』はあまり本編に出て無いから、いまいちキャラが掴めないよね

357:名無しさん@ピンキー
08/01/08 21:34:52 0P8cB/iL
幼い頃の約束ネタが本当にあったら……凄いことになりそうだw

358:名無しさん@ピンキー
08/01/08 21:36:42 PS8TL3H8
そろそろ花の輪付けた女もいいんじゃないか?

359:名無しさん@ピンキー
08/01/08 22:04:21 wuKXb4Mv
>>357
幼い頃の約束を今でも覚えている乙姫。そんな彼女の想いが、当麻を新たなる戦いに誘う!『とある少年と従妹の約束』
「おにーちゃん・・・約束・・・守ってくれるよね…」



俺には無理だ…

360:名無しさん@ピンキー
08/01/08 22:33:31 0P8cB/iL


幼い頃の約束を果たすためにやってきた乙姫。
そんな彼女が知るのは、暴食シスターことインデックスという少女の存在。

「お兄ちゃん退いて、そいつ殺せない」




なんだろうな、この電波

361:名無しさん@ピンキー
08/01/09 01:46:03 TlH4Gflg
乙姫は典型的な妹キャラ……な気がするが本編の出番がな……

362:名無しさん@ピンキー
08/01/09 03:25:42 MnYasS6l
>>360
TVと一緒で、電波は受信した人が文章に直せばいいのですよ~

363:ある諜報員の仕事の話 GS 前編
08/01/09 03:52:46 8L3M16Dk
ちょっと悪性の電波を受信したので皆様も道連れに。

注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったらどうかお付き合い下さい。
ではでは。


364:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 03:54:59 8L3M16Dk
白い部屋があった。壁も床も真っ白、10メートル四方の部屋の中央に置かれた丸テーブルと
その周囲に並べられた椅子も純白であった。
壁一面に備え付けられた大型ライトによって強烈な光を浴びせられ、
椅子に座る人物の姿が照らし出される。
胸の隆起等の体のラインから全員が女性である事は何とか解るが、
服装に共通点はほとんどなく、また全員が被っている白い仮面によって顔は解らない。
彼女達は個人差はあれど、大多数が落ち着かない様子でソワソワしていた。
それぞれの前に拳大の赤いボタンと、そしてテーブルの中央に黒のスピーカーが置いてある。
と、唐突にテーブル中央の黒のスピーカーから音が発せられた。
『さてさて皆様、お忙しい中すみませんにゃー』
変声機で音声が変えられているものの、口調でその人物がふざけているのが充分に伝わる。
「アンタねっ!こんな馬鹿げた真似してくれたのっ!」
彼女達の中のひとりがテーブルを叩いて立ち上がった。
だがその叫びはヘリウムガスを吸った時のように奇妙な高音になっている。
『正確にはアンタ達、だぜい?ミス・サード。
 それに……解ってるのか?俺達に逆らったらあのデータがどうなるか……』
彼女達のほとんどがビクッと反応する。ミス・サードと呼ばれた女の子も悔しそうに俯いた。
『幸いここに集まってるのは全員同じ境遇なんだが……まぁ、俺達にもそれなりにデリカシーはある。
 だから渡した仮面には変声機をつけてるし、名前ではなくコードネームで呼んでやってるんだ。
 どうだ?寛大な措置だろう?』
「……ふざけんじゃないわよ……アンタ達が誰で、どれだけいるか知んないけど……
 絶対に後悔させてやるから」
『おぉ、怖い怖い。まぁコレが終わればあのデータのオリジナルを配送してやるから
 許してほしいにゃー』
「それで、目的は一体何なんです?私らをあんな手段で呼びつけておいて、
 お茶をご馳走してくれるってワケじゃないでしょう」
『話が早くて助かるぜい、ミス・チョピン。何、そんなに難しい話じゃ無い。
 ちょっと皆様の『体験談』っていうのを聞かせて欲しいんだにゃー』
彼女達がざわつく。
この正体不明の団体から送られてきたというのは自身とその想い人との情事の音声データだ。
当然、謎の声の言う『体験談』というのもいわゆるそういう事についてだと限定される。
「はぁっ!?
 そんなの話してまた録音されたら永久に終わらないじゃないっ!」
『だいじょーぶだいじょーぶ。録音装置なんてその部屋にはないぜい。
 何ならボタンもスピーカーも分解して調べてみてくれても構わないんだが』
「そんなの信用出来るワケないでしょうがっ!」
ミス・サードの執拗な抗議に、……スピーカーの声の口調が変わる
『……勘違いしてんじゃねぇよ。お前達の弱みをこっちは握ってる。
 しかしお前達は俺達が何なのかさえ掴めてないんだ。どっちに命令権があるかくらいは解るだろ?
 ………………それとも、ある日突然昼休みの放送代わりにあれを流され』
と、そこで唐突に音声が途切れた。

365:名無しさん@ピンキー
08/01/09 04:18:24 jXQhuqRE
支援?

366:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:20:24 8L3M16Dk
(調子に乗りすぎですっ!貴方は何でそう無闇に挑発するんですかっ!)
(いちち……何もマジ殴りする程の事でもねーだ……
 りょーかい、りょーかいだぜい。だからそのナイフをしまってくれ)

『……あぁ、すまなかった。ちょっと回線の調子が悪くてな。
 まぁ信用出来ないんなら次の脅迫が来た時への対策でも立てていればいい。
 どうせやられっぱなしで済ませるつもりはないんだろう?』
何人かの女性が頷いた。仮面の下の瞳は決してこのままでは終わらせないという強い決意を感じさせる。
『じゃ、説明タイムと行きますか。お前達の前に赤いボタンがあるだろう?
 自分の前のボタンが光ったらそいつの番だ。
 ちなみに話の終わりはこの俺、マスク☆ザ☆カンチョーの独断だ。
 何、難しい話じゃない。正直に語ってくれればそれで充分だ。
 で、俺がオッケー出したら自分の前のボタンを押してくれ。
 ルーレットが始まって次のヤツを決めるからな』

『……じゃ、始めるぜい』
ボタンが時計回りに点灯し始めた。

回転が徐々に速度を落としていき……そしてツインテールの少女の前のボタンが一際大きく輝いた。
『さて、最初はお前だ。ミス・ゼブラ』
「しょうがありませんわね……少々恥ずかしいですけれど、正直にお話致しましょう。
 私がその殿方と結ばれたのは……というのは少し語弊がありますわね。
 私がその殿方に最初に襲われたのは、実は……公衆トイレでの事ですの!
 白昼堂々血走った目をしたその殿方に追い回されまして……
 公衆トイレに逃げ込んだんですけれどあっさり侵入されて……逃げ場を失った私にあの殿方は……!!!』

(何か妙にノリノリよな。そもそもあのデータから察するに明らかな嘘なんだが……)
(あぁ、実は彼女はこちらの協力者なんだよ。全てを話したら快く承諾してくれてね)
(ちなみに、言ってる事は男女の役割を逆にすれば全て事実ですよ)
(あァ、成程なァ。って事は最初に選んだのも全部演出ってワケかよ)

「誰にも見せた事の無い私の大事な場所を散々弄んだ挙句……
 ……凶器じみたその……あれで私の処女を奪い……うぅぅ……乱暴に私の中をかき回し……
 そしてその狂った欲望を私の中に一滴残らず吐き出して……
 しかも、それをネタに今まで何度も関係を強要されているのです!!!」
あまりの熱の入りっぷりに、静寂が部屋中を支配した。
『…………オ、オーケィだ』
「あら、もう充分ですの?真昼間のビルの屋上である人を見ながらの羞恥プレイや
 服をテレポートで奪われて全裸で自分の部屋まで帰るという露出プレイの話もありますのに……」
『い、いや充分だ。つか充分過ぎだ。さっさとボタンを押して次の話し手を決めてくれ』
ミス・ゼブラは思い切り手を振り上げた。そして
「死ねぇこの類人猿があああああぁぁぁっっ!!!!」
叫びと共に全力でボタンを叩き潰した。

367:ある諜報員の仕事の話 Gen ougoro hiheno Seisai
08/01/09 04:23:34 8L3M16Dk
「おォ、いい感じに跳ねてンなァ」
「えぇ、苦労して用意した甲斐がありましたね……えぇ、ホントに」
「そういえば……仕組みは聞いてなかったな。
 あの乳首と肛門にはったテーピングはどんな効果があるんだい?」
「アレですか?元々はレベルの低い能力者の為の護身用武器って名目で開発されてたもので、
 AIM力場―――つまり、超能力の源をある神経パルスに変換するものなんです」
「つっても触れてねェと効果がねェわ、そもそもレベル2以上じゃねェと発動しねェわで
 あまりに使えそうにねェから開発中止になった不良品だがな。
 まァレベル2のAIM力場で傷口に辛子塗りこむくらいの痛みが発生するらしィから
 レベル4だと……それなりに愉快な事になってンじゃねェか?」
「ボタンを通じて流れてくるその……AIM力場だったか?を動力としているのか。
 猥談で精神を高ぶらせる必要があるのはこっちと同じか」
「そういえばあの股間の呪符にはどういう効果があるんです?」
「あれはあの陰陽博士お手製のもので、ボタンが受けた衝撃をダイレクトに伝えてくれるのよ。
 しかも叩く時に魔力が付与されてたらボーナスダメージっておまけ付きなのが職人技よな」


368:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:28:18 8L3M16Dk
『あぁ、ひとつ説明し忘れてたんだが……このボタン、実は感度が鈍いんで
 押すときは今みたいに思いっきり頼む』
ボタンの光がある女性の前でとまる。
かなり起伏の激しい体を白い修道服で包んだ柔らかい雰囲気の女性である。
『ミス・オリーブ。あんたの番だぜい?』
「あらあら……えぇと、これは困りました。
 あまり人様にお話出来る様な事ではないのですが……
 初めてあの方のものを飲んだ時にはその粘り気と匂い、苦さにとても驚いてしまいました」
『……んん?ミス・オリーブ、解りやすいように話してくれ』
「これはすみませんでした。
 わたくしが初めてあの方と結ばれたのはわたくしのお引越しの時でございます。
 たまたまわたくしが体を洗っているところにあの方が突入されてきまして……
 戒律を破ってしまうという禁忌感がより一層の興奮を呼び」
『いや、また話が飛んでるぞ。突入の後はどうなったんだ』
「いえ、わたくしの体を見てあの方のある部分がちょっと反応してしまったのでございますよ。
 とりわけわたくしの胸に興味を示されたようで、
 いつか御礼をしたいとわたくしも常々考えていましたから、
 とはいえお互い初めての身。何をしてよいかも解らずおろおろしてしまったのでございますよ」

(つまり……コイツが『旗男』の原点かよ)
(まぁ、あの胸は反則よな。大抵の男はいかれちまうってもんなのよ)
(……そうですか?)
(……そうなのか?)
(……そういうもンか?)
(…………あー……少数派に回るってのはいつの時代も寂しいもんよな)

『おぉ、それで?』
「あの方にシャワーの音で声を誤魔化していただかなければ
 きっとあられもない姿を天 式の方々にも晒す所だったのでございますよ」
『……また途中が激しく飛んだなオイ……』
「一度してしまえば勝手がわかるもので、その……胸でいたしたりなど
 あの方の望むがままに体を捧げる事に例えようも無い幸せを感じたのでございます」
『……もういい。ボタン押して次頼む』
「もうよろしいのでございますか?なら……えぃ♪」
ゴスン。

369:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:31:28 8L3M16Dk
『アンタの番だぜい、ミス・ブランケット』
光を放ったボタンがあるのは、まるで触覚のような強烈なアホ毛がはえたとても幼い少女の前である。
「あの人との思い出はミ  とあの人だけのものっ!とミ カは  カは主張したいのだけど
 そうはいかない悲しい現実と無力な自分に涙してみたり」

(あァ?何でアイツがいンだよっ!関係ねェだろうがっ!)
(おや、何でだろうね。解るかい?『仮面男』)
(いえ、そもそも彼女達の招集は『スパイ男』に一任してましたから自分達に聞かれても)
(いい度胸だ……よっぽど壁の染みになりてェみてェだなオイ……)
(まぁまぁそうめくじら立てんでも……それに、本音を聞くいいチャンスでもあると思うのよ)
(…………チッ)

「実はあの人に抱かれてる時が一番好き、と  カはミサ は大胆な事実を告白してみたり。
 あの人は普段は全然ミサ と目を合わせないんだけど、と サカはミサ は寂しい現実を語ると同時に
  サ を抱いてる時は乱暴に見せかけて  カの様子を事細かに観察して
   カの一番良い所をいっつもしてくれてる事とか
 実はあの人なりの最大限の優しさを注いでくれてる、と  カはミサ は自惚れてみたり」
『へぇ?そいつはそんなに優しいのか?』
「それはもう、と  カは サ は発展途上の胸を精一杯張ってみる」

(ニヤニヤ気持ち悪い視線を送ってくンじゃねェっ!あァっ!?何か文句あンのかよっ!)
(あるかい『仮面男』?)
(いえいえまさか。『扇風機男』はどうです?)
(右に同じく、なのよ)
(あァあァァああっっ!!!うっぜェなてめェらぁぁっ!!!)

『成程成程……で、寝顔とかどうな』

(……………わ、解った。もう止めにするからとりあえずプラズマ作るのはやめてくれ)
(チッ……解りゃいいンだよ)
(照れちゃってまぁ……)
(可愛いところありますねぇ……)
(最近流行りの『つんでれ』なのよな)
(あァ何か言ったかてめェらっ!!!)

『は、早くボタンをっ!』
「あれれ、もうなの?と  カは サ はまだまだ語り足りないと言外に不満を潜ませてみたり。
 でもまぁしょうがない、とミサ はミサ は大人しく従ってボタンを叩いてみる」
ゴンッ。

370:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:38:02 8L3M16Dk
『ちゃきちゃき行こうかミス・サムライ!』 
艶やかな黒髪をポニーテールでまとめた長身の女性の前でボタンが光る。
「わ、私ですかっ!?」
『今更逃げ出すってのは無しだぜい?そんな事したらここにいる全員にペナルティだ。
 ちなみに嘘をついたり、内容をボカしたりしてもペナルティ。
 事細かに、詳細に、仔細漏らさず頼むぜい?』

(止めなくていいのか?『扇風機男』)
(…………)
(血の涙を流す程辛いなら、耳を塞いで聞かない方が楽でしょう)
(………………そうは、いかんのよ。我等  式は何があろうとあの方についていくと決めてんのよ。
 あの方のありのままの姿くらい受け入れられなくてどうしてそれが叶うというのかっ!!!)

「……実は……ある少年へのお礼という事でだ、だ、だ、……」
『何だ?』
「だ、……堕天使メイドセットという格好で会いに行ったのですが……」

(だ、堕天使メイドっ!?一体何なのよそれはっ!?)
(あー、このメイドソムリエ『スパイ男』の珠玉の一品だぜい。
 血吐きながら組んだヒトガタの応用術式のおかげで、着てるヤツの感情に応じて羽や尻尾が動く機能付き!)

『で?』
「その……実は目的の少年に会った際にその服が破れてしまい……その…げ、玄関先で…は、裸を……」

(……あー、つまり術式を組み込んじまったから触られると破れちまうわけか。
 そういやセットの下着には自然なパンチラ演出の為に風の術式組み込んだしにゃー……)

「そ、それでですね……つい叩き伏せてしまい……そ、その……介抱はしたのですが……
 あまりに申し訳ないので……『私に出来る事なら何でも』と口走ってしまい……」
『ほうほう』
「それで、に、肉体関係を結ぶ事になったのですが、その、最近はその少年の要望がエスカレートして来まして……」

(大丈夫かっ!?何かもう目がヤバいぞっ!?)
(だ、大丈夫だ。これでもあの方から 草式を預かった身。そう簡単には……)

371:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/09 04:41:45 8L3M16Dk
「その……縛られたり、外に連れて行かれてそこで繋がったり、一日中……そ、その……
 道具を使われたまま放置されたり……」

(もう限界ですよっ!やめましょうっ!ホラ、早くこの耳栓を使って!)
(だ……大丈夫だ……ま、まだまだぁぁっ!!!)

「その……わ、私も……実は……最近……そうされるのが待ち遠しいというか、
 そ、その……何と言うか……」
『ハマってる?』
「………………はぃ………………」

(おいっ!おいっ!聞こえているか『扇風機男』っ!)
(だ、だだい、だっだだだっ……だ、だいっ……
 だだだだだーん☆)
(マズイっ!『スパイ男』今すぐ止めてくださいっ!このままでは『扇風機男』の命に関わるっ!)

『はいそこまでーっ!さっさとボタンを押して次の人を選んでくれっ!』
「は、はいっ!」
ガッ―――――!!!!!!!

(うわっ!この聖人、今一瞬スティグマ解放したぞっ!?)
(ボタンが粉々に砕け散りましたね……)
(オイ、どうでもいいが泡吹いてンぞ。大丈夫かソイツ)
(うわっ!こりゃ本格的にやばいんだぜい!まずはコイツの手当てが先かっ!)

『一旦CMだにゃーっ!』

(……ん?何か大切な事を忘れているような……)
(何をボーっとしてるんですか『煙草男』っ!手伝ってくださいっ!)
(あ、あぁ)

372:ある諜報員の仕事の話 GS 前編
08/01/09 04:46:57 8L3M16Dk
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!

中編が
ミス・サード
ミス・プリンセス
ミス・ティーチャー
ミス・チェアーパーソン

後編は
ミス・ライブラリー
ミス・チョピン
ミス・ゴーグル
ミス・メイド

で予定しております。ネタが尽きなければ。
ちなみに魔術のペナルティはボタンと呪符作成時に払い終わってます。


尚、
注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません


373:名無しさん@ピンキー
08/01/09 04:50:23 quAVkdFL
扇風機男wwwwwww



374:名無しさん@ピンキー
08/01/09 06:26:02 jmkntzfp
扇風機(つД`)

375:名無しさん@ピンキー
08/01/09 08:38:39 Xtkhp1qR
だだだだだーん☆

376:名無しさん@ピンキー
08/01/09 08:49:07 FmzCT0Rg
なんかスゴイコトになってるな、流れがw
とりあえずGJ!

あと扇風機……イ㌔。

377:名無しさん@ピンキー
08/01/09 09:29:53 Vh/tkri1
後編最後のミス・メイドが『旗男』の命日か?
あと天 式・・・『扇風機男』の忠誠心に感動した!!

378:名無しさん@ピンキー
08/01/09 09:51:32 +QafZXr5
ところで前スレに投下されてた579氏の美琴SSの空白部分を氏に保管していただきたい。


379:名無しさん@ピンキー
08/01/09 10:02:51 Vh/tkri1
「本当にいいのか?佐天」
「はい…でも三つお願いがあります」

「なんだ?」

「一つは優しくしてください…もう一つは絶対に途中でやめないでください…そしてもう一つは…」

「もう一つは?」

「…涙子って…よんでください…当麻…さん…」

彼女の震えが伝わる。彼女も初めてなのだ無理もない。

ならば自分のすべきことは…彼女の想いに応えるだけだ。

「わかったよ、涙子…じゃあ、いくよ?」

「はい…来て…ください…」

そして俺は…彼女の不安(幻想)を・・・破壊し(叶えた)。

こんな電波を受信、しかし俺にはこの前後など書けんぞ。もう限界だしな!

380:名無しさん@ピンキー
08/01/09 13:33:09 Lot0uzGj
誰だかわからないが旗男とやらはまさに外道だな

381:名無しさん@ピンキー
08/01/09 14:23:16 Ia+9jVAv
やべぇこのシリーズ好きだわ
使用できるわけでもないのに保存してしまう。
まあ何が言いたいかと言えば作者GJ!頑張ってくれ!

382:名無しさん@ピンキー
08/01/09 19:21:51 2hTO1Wkf
ここまで>>367でオシオキされてる旗男を誰も心配してない件についてwwwwwwww

383:名無しさん@ピンキー
08/01/09 19:57:10 Vh/tkri1
忘れてた・・・ま、いっか

384:名無しさん@ピンキー
08/01/09 19:59:37 Z1NqIEkH
まあ、旗男はおそらくほとんどの人物の恩人なんだからこれくらい役得があっても良いと思うけどね
というか、いったいどれだけ幻想をぶち壊したんだか・・・

385:名無しさん@ピンキー
08/01/09 22:17:41 hhjqeJ0F
心配なんて必要無い。奴はなんだかんだで生き残る。
まったくもって憎らしい

386:名無しさん@ピンキー
08/01/09 23:30:42 xrS8rAU7
逆に考えるんだ
「周りに人がいっぱい居たら雑音で盗聴なんて出来ないんじゃないかしら」
と考えるんだ

387:名無しさん@ピンキー
08/01/09 23:50:03 TYpokxZ9
・なんたらの魔術とか○○理論応用システムで周りからは見えないようにして
 「旗男と繋がったままry」という風になのか
・対応する男どもを向かわせて「らめえぇみないでえぇ」なのか
・シマウマの目論見通りの百合百合展開を多人数で(+種馬)なのか

「人一杯」だけでもプレイに考慮の余地があるな

388:名無しさん@ピンキー
08/01/10 00:43:59 +UGKJPe4
何だろう、このスレの住人が、特定の『恋人達の日』にジェラシーに身を焦がしながら覆面を被る集団とダブって見える

正体がばれたら、スパイ男だけが身も心も再起不能に追い込まれそうな予感

389:名無しさん@ピンキー
08/01/10 00:46:59 n7x0ajHK
>再起不能
既にその旗は立っていると見たが?
むしろ俺は野郎全員不幸になるとオモwwww

390:名無しさん@ピンキー
08/01/10 00:48:23 1tVkY8P5
中編が楽しみだ。
某学校の日々の主人公を超えてるなwww

391:ある諜報員の仕事の話 GS 中編
08/01/10 05:02:36 l9CBlynS
今日も今日とて悪性電波を皆様の脳内にお届け♪
悪性なんで期待しないで下さい切実にマジで。

注意!
・この物語はオリジナルです
 この作品の登場人物は「とある魔術の禁書目録」とは何の関係もございません
・じゃあここに投下すんなよっ!というツッコミは禁止
・微エロ?

こんなんでよろしかったら前編と合わせてお付き合い下さい。
ではでは。

392:ある諜報員の仕事の話 Girl's Side
08/01/10 05:04:26 l9CBlynS
その少女は追い詰められていた。自身の前のボタンが煌々と光を放ったからである。
マスク☆ザ☆カンチョーと名乗った謎の男は慌てた様子で通信を切ってしまい、今は応答しない。
心拍数があがる。
つい最近、長い間思い続けていた少年と結ばれたばかりで幸せ絶頂だったのだ。
それだけに現在の状況にはイライラが募るし、彼との関係を踏み躙られるようで悲しい。
『じゃ、再開しますか。準備はいいか?ミス・サード』
せめてもの抵抗にスピーカーを思い切り睨みつける。
「……ホント、最低だわアンタ達」
『うん?反抗していいのかにゃー?こっちには』

(だからっ!無駄に挑発しないで下さい!あの人の負けん気はホントに酷いんですからっ!)
(つっても今のままだと絶対に従わなさそうなんだが……どうするよ?)
(……た、例えば人に聞か、せても大、丈夫なデータで揺すると、かどうなのよ?)
(まだ立ち上がるな『扇風機男』っ!さあ早く君の手帳に入ってた神 (7才)の写真を眺めて自分を癒すんだっ!)
(……それで本当に癒されンのか?結局ああなるンだぞ?)
(コフッ)
(『白髪男』っ!とどめをさすなっ!)

唐突にスピーカーからある声が流れ始めた。変声機にかけてあるが
ミス・サードと呼ばれた少女はそれが何だか解ると仮面の下の素顔を一気に青ざめさせる。

『「あの、さ……わ、私達付き合ってるんでしょ?そ、それなりの対応ってもんがあるでしょうが」
 「?」
 「だからっ!呼び方よ呼・び・か・たっ!いつまでもビリビ 呼ばわりするつもりっ!?」
 「あぁ、成程。じゃ、じゃあ……美 、でいいか?」
 「……!!!!!………ぁ、…………ありが………と……当 」』

それは、彼女と彼女の彼氏の初めての後の会話だった。軽薄な声が続く。
『いやー微笑ましいねぇっ!何この初々しいカップルっ!
 お兄さんこうなっちゃった顛末に興味あ………………』
と、その声が止まった。
「……ふ……うぇ…………」
ミス・サードが肩を震わせていたからだ。
『え…?あ、あの……ミス・サードさん?』
「―――――うっさいわね馬鹿ぁっ!何て事すんのよっ!
 私とアイツふたりだけの思い出なのにっ!やっと!やっと呼んでもらえたのにっ!」
『え?……えっとだな……』
「アンタにはわかんないでしょうがっ!ずっと想ってたのにずっと無視されてっ!
 アイツの周りにはいつも女の子がいてっ!
 このままじゃ駄目だってっ!本当に、本当に、勇気振り絞ってアイツ誘って!
 やっと……やっと見てもらえて、呼んでもらえたのにっ!!!
 何で、何でこんな事すんのよぉっ!!!」



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