正義のヒロインを嬲るPart2at EROPARO
正義のヒロインを嬲るPart2 - 暇つぶし2ch450:名無しさん@ピンキー
08/06/19 19:21:41 Qycn3Moa
この速さなら言える!




ぬるぽ

451:名無しさん@ピンキー
08/06/19 19:23:07 YxvT0Beg
がっ

452:名無しさん@ピンキー
08/06/21 12:30:33 PbycyuIC
保守

453:名無しさん@ピンキー
08/06/26 08:30:45 /IoNsfDm
ぬるぽ

454:名無しさん@ピンキー
08/06/26 09:03:13 81S5esN2
がっ

455:名無しさん@ピンキー
08/06/27 23:21:19 zQNAJlYm
めるぽ

456:名無しさん@ピンキー
08/06/27 23:37:05 OlXEuUfE
かっ

457:名無しさん@ピンキー
08/06/28 02:09:56 9IRIqFG+
ガッ

458:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:08:38 u/pbYRF4
ぬるぽ

459:名無しさん@ピンキー
08/07/01 02:14:03 Le0cY8x+
ガツ

460:名無しさん@ピンキー
08/07/01 17:46:19 4AjvkLAU
妖獣戦記的な話は触手スレ?

461:名無しさん@ピンキー
08/07/02 11:59:14 VRVHKp7A
昔あった「勝負に負けて犯される」スレが大好きでした

462:名無しさん@ピンキー
08/07/02 12:51:21 HrgPH3eC
>>460
ここでもいいとおもうよ

463:名無しさん@ピンキー
08/07/08 18:00:12 oRdtXJUT
保守

464:名無しさん@ピンキー
08/07/12 15:07:44 M95y9ztC
保守

465:名無しさん@ピンキー
08/07/17 09:33:50 9tUNdlRR
終了

466:名無しさん@ピンキー
08/07/17 10:20:10 +6jzD6PF
西海

467:名無しさん@ピンキー
08/07/18 01:01:43 Y45phfJM
>>641
スレリンク(eroparo板)

468:名無しさん@ピンキー
08/07/19 15:06:35 8y3c5vkl
エルシオンの続きを…

469:名無しさん@ピンキー
08/07/21 04:11:24 +rfgb0td
>>641に期待…しようと思ったがそこまでいく頃には忘れそう

470:名無しさん@ピンキー
08/07/25 21:02:46 Mfq4xN2c
保守

471:名無しさん@ピンキー
08/07/29 17:54:27 w6lw64aE
エルシオンは…

472:名無しさん@ピンキー
08/07/29 17:58:11 Ek5cnqnO
まとめサイトあるのかなあ?
1スレ目とか読みたい

473:名無しさん@ピンキー
08/07/30 10:25:43 csexuOmc
終了

474:名無しさん@ピンキー
08/07/30 21:08:04 KBCHjzm+
再☆開

475:名無しさん@ピンキー
08/07/31 15:38:18 PCs9wi9z
終了

476:名無しさん@ピンキー
08/08/01 10:24:50 7ewmkOIy
再☆開


477:名無しさん@ピンキー
08/08/02 20:41:00 wczCXwU0
いきなり魔法剣士等のヒロイン大量生産→大量陵辱が見たい

478:名無しさん@ピンキー
08/08/04 15:28:43 uMhsmclu
終了

479:名無しさん@ピンキー
08/08/04 23:48:21 WXb0vAtY
Qなぜ終わる?

480:名無しさん@ピンキー
08/08/05 11:04:14 LbSCbWQp
A.ネタもSSも書き込まれて無い

481:名無しさん@ピンキー
08/08/08 12:31:06 BqPd9bUb
URLリンク(mimizun.com)

482:名無しさん@ピンキー
08/08/08 18:09:00 XlmeuDIP
>>472
変身ヒロイン系のスレは昔から荒らしが沸きやすいスレで1スレ目なんか酷いもんだったよ
投下もあるにはあったがどれも冒頭だけで陵辱シーンには行ってない
寸止め連発でマゾでもないと耐えらんないよ?

483:名無しさん@ピンキー
08/08/09 18:59:49 sC7T3aQW
hosu

484:名無しさん@ピンキー
08/08/12 00:45:22 Jny31672
こんにちは。失礼ながら流れを豚切って投下させて頂く。
職人降臨までの暇つぶしにでもなれば幸いです。
未完作の続きと、新たな神の降臨を願って。

・名前は超適当です
・スレタイの趣旨に反さないよう頑張るつもりですが、生暖かく見守ってください


485:ホーリーダイア
08/08/12 00:47:01 Jny31672
「なんだ、どうしたのだ、俺は」
あるもの全てが禍々しい気配を纏う魔界の深淵、その漆黒の玉座に、鷹揚に姿勢を崩して頬杖をつきながら、皇子・グロッシュラーは溜息をついた。
「あら、何事かございまして?」
傍に侍るサキュバスが数人、悩ましい身体をくねらせるように近づく。並みの男であれば一瞬で骨抜きになるであろうその肢体にも、その整った美貌にも、しかし、悩める皇子はたいした興味も示すことはなかった。
「よい。下がれ」
軽く手を振って、どこか不満そうな顔の侍女達を退室させ、彼はもう一度溜息をついた。だが、次の瞬間、異常な程に発達した犬歯を見せて、妖艶な笑みを浮かべる。
「悩んでいても仕方があるまい。もう一度、会いに行くか」
ばさり。
漆黒のマントを翻して、グロッシュラーは大股に城を出て行った。


486:ホーリーダイア
08/08/12 00:48:33 Jny31672
(もうっ!何なのよ、これ…!)
1限目終了のチャイムとともに、鞄の中に教科書やノートを放り込みながら、一人の少女が溜息をつく。
肩程の長さの艶やかな黒髪がその軽快な動きにあわせてさらりと揺れ、真珠のような肌との見事な対比が目を惹いた。
濃いまつげに縁取られた黒目がちの瞳は見る者に愛くるしい印象を与え、その赤い唇は、彼女の顔の黒と白の対比の中で可憐な存在感を放っている。
文句のつけようのない、可憐で清楚な美少女ではあるが、立ち居振る舞いは堂々としていて、活発さを感じさせた。
(なんで、あんなやつのことが、頭から離れないのよう…)
そう思いながらも、意図せずして、もう何度目だか解らない昨夜の回想が再生を始める…

「ほう…、貴様か、人間界への我が侵攻を妨げているホーリーダイアというのは?」
切れ長の蒼い瞳を半眼にして、銀髪の美しい男がこちらを見る。
「その通りよっ!あんたが親玉ね!こういうときは普通、自分から名乗るのが礼儀じゃないのかしら?」
すでに切り伏せた数匹の魔物を背に、聖なる戦士は男と真っ向から相対する。
「フッ…なかなか言うな。俺は魔界の皇子、グロッシュラーだ。以後、お見知りおきを」
場違いなほどに優雅な会釈をする相手を、ホーリーダイアは臆することなく睨み付ける。


487:ホーリーダイア
08/08/12 00:50:11 Jny31672
「皇子のわりには礼儀を知らないのね、グロッシュラー。なぜ人間界に侵攻を始めたのか、教えてもらえるかしら」
「理由…?いや、そんなものはないな…強いて言えば、興味があったのだ、人間界にな」
「なんですって…!」
ぎり、と奥歯をかみ締めてホーリーダイアが翳した手の中に、白銀に輝く刃が現れる。
「そんなことで、どれだけの命を奪おうとしているのよ、あなたは!」
「そんなこと…?貴様ら人間にはそんなことであっても、俺にとっては重大な理由だ。なにしろ、長く生きていると退屈なのでな。興味というのは大切だぞ」
「許さない!」
ヒュアッ!
凄まじい速さで空を切る光の刃を、グロッシュラーの漆黒の刃が受け止める。その黒い刃が翻れば、ホーリーダイアの身体は軽々と宙を舞い、再び光の刃を閃かせる。
お互いが、相手の力量を一瞬で見抜いていた。
(つ、強い…!耐久戦にはできない…!)
(ほう…剣も容姿も、人の身にしておくには惜しいな…)
ならば、と大技を繰り出そうとしたホーリーダイアに対し、グロッシュラーは魅惑的な笑みを浮かべて、大きく退いた。
「なっ…!どういうつもり?」
「退くのだ。お前は、ここで殺すには全く惜しいのでな」
「ま、待ちなさい!」
ホーリーダイアは叫んだが、そのときにはもう、グロッシュラーの輪郭は、半分闇に解けていた。
「また会おう、美しき戦士よ」
その言葉を残して、ふ、と気配が消える。
その瞬間に、戦士はがくりとその場に膝をついた。
力量の差も、威圧感も、今までのどんな敵ともケタ外れだった。しかし。
彼女は絶望にも似た気持ちで思い知っていたのだ。
あの蒼い瞳で見つめられて、自分が常になく興奮していることを…


488:名無しさん@ピンキー
08/08/12 01:29:33 pPK5w6nf
ここで一旦終わりかな?
これから二人は一体どうなるのやら。
期待が高まります。

489:名無しさん@ピンキー
08/08/12 01:43:54 Jny31672
>>488
おお、どうもありがとうございます。
続きは明日の午前中にでもあげますので、しばしお待ちを。

490:ホーリーダイア
08/08/12 12:24:44 Jny31672
「…あや?彩?」
クラスメートの心配そうな声に、白川彩ははっと我に帰った。
びっくりして振り向くと、友人の聖香が立っていた。
「大丈夫?もう授業終わったよ?」
「ええっ!?」
びっくりして周りを見回すと、確かに、教室に残る人影はまばらで、窓には傾きだした陽の橙の光が灯っている。
「…ああ、うん、何か今日私駄目みたい…」
「熱でもある?顔がちょっと赤いかも」
「だ、大丈夫。ちょっと熱あるかもしれないけど、多分たいしたことないよ」
「そう?ならいいけど…」
気遣ってくれる友人に微笑みを返し、下校するために立ち上がったその時。

(ホーリーダイアよ。聞こえるな?)

頭の中に直接響いてきたのは、紛うことなき、昨夜の宿敵の声であった。

(ぐ…グロッシュラー…!!)


491:ホーリーダイア
08/08/12 12:25:55 Jny31672
(覚えていてくれたとは光栄だな。)
声の主は、愉快そうにくつくつと喉を鳴らす。
(ふらりと人間界に侵攻に来てみたが、やはりお前がいないとつまらないのだ。出て来て貰おうか)
(なっ…!どういう理由よ!そんな、勝手な…!!)
(敵が来ている事を知って放っておくなど、聖なる戦士にはできはしまい?)
唖然とする彩の意識の中で、魔界の皇子はまたもや楽しそうな笑い声を漏らす。
(何が、そんなにおかしいのよ?)
(いや…失礼。待っているぞ)

(何、今の…?馬鹿にしてるの…?)
消えていく「声」に対し、彩はそんな印象を抱く。
そんな風に敵に呼びつけられることは、誇り高い戦士にとっては屈辱以外のなにものでもない。
しかし、グロッシェラーが言ったとおり、彼がいることを知って放っておくことなど、聖なる戦士ホーリーダイアにはできるはずもなかった。
「彩?」
「ごめん聖香、私やっぱり熱があるみたい。保健室に寄ってから帰るから、先に帰ってて?」
「う、うん…。お大事にね?」
頷く友人を確認すると、彩は教室を出た。
そして、落ち着いた足取りで保健室への道を辿りかけ…曲がり角に差し掛かった途端に、屋上に向かって走り出す。
(やっぱり、私、どうかしてる!今度こそ何とかして、あいつを倒さなきゃ…!)
ばんっ!
屋上に躍り出ると、彩は右手を天に翳した。その指に嵌った、澄んだ輝きのダイヤモンドのあしらわれた指輪が、それに呼応するように光を放つ。
「ホーリーチェンジ!至上の誇り、聖なる剣よ!我に力を与えたまえ!」
ぱあっ…。
ダイヤモンドから放たれた純白の光が彩を包み込み、その光が消えた後には、優美な銀の装飾が施された白い鎧を纏った、ホーリーダイアが立っていた。


492:ホーリーダイア
08/08/12 12:28:05 Jny31672
(感じる…あっちね)
魔界の瘴気を孕んだ強い力を北の方向に察知し、彼女はふわりと屋上から飛び立った。
瞬く間に、町外れの廃ビルの屋上に、その姿を捉える。
「そこまでよ、グロッシェラー!…って、あれ?」
確かに、そこに宿敵は居た。隣には、赤色の花を思わせるものをつけた植物の魔物を従えている。
今までのホーリーダイアの相手は殆んどが獣型だったから、植物型は珍しい。
しかし、彼女が訝ったのはそこではなく。
「何を、してるの…?」
そう、どうにも違和感を覚えるのは、そのわさわさ動く植物と魔界の皇子が、別にどこかを攻撃するでもなく、二人並んで屋上に座り込んでいたこと。
「来たか、ホーリーダイア。待っていたぞ」
そんなセリフも、座り込んだ状態から見上げつつ言われたのでは、どうにも印象が違いすぎて。
「こんなとこで、なにやってるのよ…?」
間の抜けた質問が、彼女の口から零れる。
「いや、だから、お前を待っていたのだ」
「あ、ああ、そう…」
私、今日こそ大技を打ってやるつもりで、ここまで来たんじゃなかったっけ。
軽い眩暈を覚えて、ため息をつく。
だが、顔を上げた瞬間、昨夜と同じあの蒼い瞳と視線が合い、急に心臓がどきんと跳ねた。


493:ホーリーダイア
08/08/12 12:29:55 Jny31672
「で、私は来たけど、どうするのよ?」
「ふむ。ではまあ、戦うとするか」
「はあぁ??」
「あっ、でもな、今日の相手はこいつだぞ?」
自分の隣の植物を指差して、グロッシェラーはにやりと笑う。
「お前など、この俺が直接手を下すまでもないからな」
「…座り込んだままの人に見上げられながら言われてもねえ…」
小さく呟くと、気を取り直して、ホーリーダイアはびしっ!と植物の魔物を指差した。
「いいわ、お相手するわよ。間違ってこんなのが街中にでも出たら大変だもの。でも」
横目でグロッシェラーを睨み、続ける。
「これが終わったら、再戦よ。グロッシェラー」
「承知した」
ここばかりは、眼光鋭く、不敵な笑みを見せて、グロッシェラーは応じた。
それを確認すると、ホーリーダイアは光の刃を出現させ、わさわさと揺れる植物に切りかかる。
「はあっ!!」
まさに神速の神業であった。
だが、魔物の方でもそれを見極め、根を人間の足のように使い、跳躍して避ける。
「流石に、皇子が直々に連れてきただけのことはあるみたいね」
間髪入れずに放った二撃目が、幾枚かの葉をかすめ、はらはらと散り落とす。
触手のような根とも茎ともつかないものが、するりと伸びてホーリーダイアを打ち据えようとするが、ひらりと優雅にかわし、そのまますたりと着地する。


494:ホーリーダイア
08/08/12 12:32:13 Jny31672
すると魔物は、赤い花をこちらへ向け、妙に甘い香りを吐き出した。
(くっ!毒か…!?)
だが、彼女の聖なる鎧は、毒を無効化することができる。幾多の魔物たちとの戦闘で、何度も彼女を護ってきた効果のひとつだ。
臆することなく踏み込み、放った一撃は、相手の触手の2、3本を切り飛ばした。
オオォォォォ…
唸りを上げて、相手が後退りする。取った、と確信して踏み込もうとした足は、しかし、それ以上前に出ることは無かった。
(な、何…!?)
意図せず膝がかくかくと震え出し、堪らずホーリーダイアはその場に膝をつく。荒い息がその可憐な唇から吐き出される。
「はあ…はあ…っ!」
(身体が…熱い…!)
「ふむ、効いてきたようだな」
成り行きを見守っていたグロッシェラーが、楽しそうに笑う。
「はあっ…ど、どういうこと…何なのよ、これは」
「毒だ」
さらりと言ってのける銀髪の青年であったが、しかし。
「だって、この鎧は、毒を無効化できるはず…!」
「そう、確かに、その鎧はたいしたものだ。我が僕たちも、随分とそれで悩まされたからな」
しゅる…
無情な触手の音が響き、左右の手首を縛り上げる。
先程までは圧倒的優勢だった相手になす術もなく、ホーリーダイアはグロッシュラーの目の前で磔にされてしまったのだった。
「は、放しなさい!」
「だから、対ホーリーダイア用に開発したのだよ。空気中では無害で、生物の体内に入ったときのみ、毒性を出す香りの植物を」
ゆっくりと、ホーリーダイアに手の届く場所まで歩きながら、グロッシェラーは続ける。
「首尾よくいった様で、満足だ」
すっ、とその指が、ホーリーダイアの頬をなぞる。その途端に、ホーリーダイアの身体に電流が走る。
「あ…っ?!」
「どうだ、良いだろう?この毒にはとっておきの媚薬効果がある」
その指を白い首筋に這わせながら、グロッシュラーは彼女の耳元で囁いた。
「やっ…!あ、ああっ…!やめて…!」


495:ホーリーダイア
08/08/12 12:40:58 Jny31672
展開が速くてサーセン
ちょっと家を空けますんで、続きは2、3日後くらいに投下しに来ます。

496:名無しさん@ピンキー
08/08/12 14:31:06 LOhney5u
うおっ、いきなりか。
このまま餌食になってしまうのか、はたまた反撃するのか。
目が離せませんね。

497:名無しさん@ピンキー
08/08/12 16:01:02 D/kTCr5L
期待

498:名無しさん@ピンキー
08/08/13 14:06:20 sUYdlgsg
青い海!青い空!白い雲!灼熱地獄な砂浜!







の中、携帯で新・旧シャア板とエロパロ板を巡回する俺ガイル

499:名無しさん@ピンキー
08/08/16 06:58:06 SMq4gA7K
スレ序盤にスイートナイツがあったから大丈夫だとは思うが、このスレでのTriangleの魔法戦士シリーズの知名度ってどうなんですかね?
シンフォニックナイツで一本書きたいと思ってるんですが…あんまり需要のない作品落とすのもアレですし。

500:名無しさん@ピンキー
08/08/16 11:00:54 6B4UPmGZ
誘い受けに見えちまうぞ
反応が気になるなら、まずは投下してみるんだ

501:499
08/08/16 11:22:20 SMq4gA7K
あー確かに>誘い受け
とりあえず今日の夜にでも投下してみます。

502:名無しさん@ピンキー
08/08/16 23:54:00 RYWQA3fN
>>501
どきどきわくわく

503:鷹
08/08/17 00:38:10 DSvIlYcR
では予告通りに、こちらのスレでは初投下になります。

・元ネタは魔法戦士シンフォニックナイツ
・今回はエロ要素なし
・続きものです

504:ジャミング(1)
08/08/17 00:41:19 DSvIlYcR
「ジャミング?」

雨塚鷹佑は自身の研究室兼アジトである部屋で副官の少女の言葉を反芻した。
目覚めたばかりのせいか、上手くその言葉が脳に入らない。
だが、少女の入れてくれたブラックコーヒーを喉に流すとたちまち意識が覚醒してくる。

「言葉の響きからして何かを妨害する魔法、といったところかい?」
「はい、その通りです」

感情というものを全く浮かべていない無そのものの表情で副官の少女が答える。
少女―セラフィは掛け値ない美人である。
例え感情を浮かべなくともその美貌が損なわれることはない。
だが、と雨塚は思う。
この少女が喜怒哀楽といった感情を浮かべればどれだけ愛らしいだろう。
そう思ったのは一度や二度のことではなかった。
とはいえ、その希望が叶うことは早々ないであろうことは理解している。
彼女と出会ってからそれなりの時間が過ぎたが、だからこそ彼女が表情を崩すようなことはそう簡単にはありえないとわかってしまうのだ。

(といっても、全然感情がないってわけでもないんだろうけどな)

最初の頃はともかく、今ではセラフィを見て感情がないなどと思うことはない。
彼女は人工的に生み出されたクローンだが、一つの個であることは変わりはない。
料理や仕事を褒められれば微笑むし、怒られれば落ち込む。
自分が怪我を負えば心配してくれるし、勝利して帰還すれば喜びを見せてくる。
無論、一目見てそれとわかるほどの変化ではなく、あくまで雨塚のみが判別できる程度の微細な変化ではあるのだが。

「……局長?」

と、セラフィの怪訝そうな声が耳に届く。
どうやら知らず知らずのうちに口元を緩ませてしまっていたようだった。
何を笑っているのですか? とばかりの追及の視線が自分に向けられていることに雨塚は苦笑する。

「すまない。ちょっと考えごとをね。で、さっきの続きだけど…」
「はい。この魔法は先日ご報告したリンクシステムの遮断を可能とするものです」
「へえ、それは凄いな。それで? その魔法はすぐに実用可能なのかい?」
「勿論です。後は装備さえ終わらせれば局長は勿論、上魔たちにも使用させることは可能でしょう」
「ほう…」

雨塚はもたらされた対魔法戦士への吉報に相好を崩す。
自分と敵対しているシンフォニックナイツは魔法と科学を融合させた力で特殊な衣装を作り出し、その力を振るっている。
その原理は未だ詳しくは解明されていないが、現時点で判明していることも少なくはない。

505:ジャミング(1)
08/08/17 00:43:43 DSvIlYcR
あの変身状態は、少女自身の魔力とスーツの持つ能力だけでは維持できないのだ。
ではどうやって維持をしているかというと、ここで出てくるのが先程の会話でも出てきたリンクシステムである。
彼女らは自分たちの基地のメインシステムのバックアップを受けることによってあの魔法戦士としての変身状態を維持しているのだ。
逆を言えば、そのバックアップさえ遮断してしまえば彼女らの力は大幅に落ちることになる。

「スタビライザー、運動補正、認識補正、戦闘行動補正、魔力補正、ダメージコントロール、生体モニター。
 シンフォニックナイツがその力を振るうためのこれら全ての機能がこの魔法の前では無力化されます」
「ふむ、それは素晴らしい…が、幾つか質問をしておきたい」
「なんなりと」
「まず、ジャミングの効果だが…使用からどれくらいの時間でその威力を発揮するのか。そしてその効果の度合いだな」
「効力についてはジャミングに使用する魔力量にもよりますが…基本的には効果は使用直後すぐに現れるはずです。
 ただし、スーツの機能それぞれにリンクが働いているため、ただ漠然と使用したところで機能の一つが低下するだけに過ぎません」
「成程。つまり機能全てを低下、ないしは停止させようと思ったら各機能全てのリンクにジャミングをかけなければならないということか」
「その通りです。とはいえ、同時にジャミングをかけることは可能なのでそれほど問題があるわけではありません。
 勿論、使用するための魔力はかかってしまいますが…」
「そこは問題ないだろう。俺の魔力も彼女らには及ばないとはいえ、かなりのものだ。
 それに俺一人ならばともかく上魔にも使用可能となればそれはたいした問題にはならない。ふむ…」

今まで得た情報を元に雨塚は今後の作戦を組み立て始めた。
このジャミングという魔法は今までの対シンフォニックナイツにおける戦略・戦術を大きく変えることになるだろう。
とはいえ、不満はない。
最近はシンフォニックナイツも力を増してきて、その上人数も二人に増えた。
今のところ勝利を拾ってはいるが、このままいけばそう遠くない将来敗北は避けられなかっただろう。
だが、この魔法さえあれば勝利など容易い…とまではいかなくても、こちらの優位は圧倒的なものになる。

「そういえば…この魔法だが、視覚情報はあるのかい?」
「視覚情報、ですか?」
「ああ、サンダーやパラライズといった今までの魔法は一目見れば効果が知れた。だが、この魔法は今の話を聞く限りでは
 その効果の発揮状態はわからない。無論シンフォニックナイツの動きを見ていればすぐにわかるのだろうが…」

それでは初戦はともかく、二度目以降の戦いで相手がフリをしてくるかもしれない。
相手が弱ったと思ってかかってみれば実は効果はありませんでした、ということになるのは御免だ。
無論、こちらでリンク率の状態を調べることは可能だが、そんな余裕がない場合もありえるのだから。
だが、そんな雨塚の心配を他所に、セラフィは問題ありませんと自信ありげに答えた。

「ジャミングがその効果を発揮しているかは一目見ればわかります。
 何故なら、リンクが遮断されるということは、シンフォニックナイツの強化服の機能だけが維持できなくなるというわけではないのですから」
「うん? つまり…」
「強化服の展開そのものも維持できなくなるのです。つまり、ジャミングの効果が発揮されればされるほど彼女たちは」
「スーツを剥かれて裸にされていくってわけか。いいね、わかりやすい。
 それに俺からすれば、彼女らを精神的に屈服させることが目的なのだからむしろその効果は好都合だ」

506:ジャミング(1)
08/08/17 00:46:05 DSvIlYcR
「理論上ジャミングがその効果を100%発揮した場合、彼女らの変身は解けるのですが…そうはならないでしょう」
「自身の魔力があるから、だね?」
「はい。といってもそれは所詮焼け石に水。精々がパーツを数点残す程度でしょう。何せリンクが途切れてしまえば
 魔力は全て戦闘を継続するための身体強化にあてなければならないでしょうから」
「クッ、ハハハハッ! そいつはいい!」

新魔法の思わぬ副次効果に雨塚は喜びを露わにする。
こうなってくるとむしろシンフォニックナイツの力を低下させることよりも
恥ずかしい姿を晒す羽目になるであろう少女二人の未来のほうに期待がわいてくるというものだ。

「よし、一ついい作戦を思いついた。セラフィ、早速だが次の襲撃ポイントの選定とその準備に入ってくれ」
「了解しました。何かご希望の条件はございますか?」
「そうだな、ポイントはできるだけ人目が集まる場所がいい。後は近くに高めの建物があればなおいいな」

その指定だけでセラフィには雨塚の考えている作戦が理解できたのだろう。
一礼すると、少女はよどみない動きで部屋を立ち去ろうとする。

「あ、そうだ」
「なにか?」

ピタリ、と副官の少女の動きが止まり、無表情な美貌が自分へと振り返る。
雨塚は一瞬、こんなことをいうことに意味はあるのか、こういうのはガラじゃないんだがなぁ。
そんな言い訳を脳裏に浮かべながらも感謝の言葉を口にした。

「セラフィ。いつもご苦労様、君がいてくれるおかげで俺は随分助かっている…感謝しているよ」

それは常々思っていたことだった。
彼女がいなければ自分は未だ冷飯食らいの身分だっただろう。
彼女と出会ってからは目標ができた、新たな世界への道が開けた。
それは今までの怠惰な人生と比べて何と魅力的な世界だっただろうか。
だからこそ、雨塚は素直に感謝した。
例えそれがメッツァーなる男に命じられた結果だとしても、彼女に助けられてここまで来たのは事実なのだから。
とはいえ、こんなことを言ったところで彼女はいつもの通りクールに

「感謝されるようなことではありません」
「それが私の存在意義です」

などと冷静に好意を受け流すのだろうが。

507:ジャミング(1)
08/08/17 00:48:46 DSvIlYcR
「あ……」
(おや?)

だが、今日は違った。
てっきりサラリと流されると思っていた言葉は、意外にも少女の心に響いたらしい。
僅かに目元が潤み、頬も微かに紅潮している。
いつもは真っ直ぐにこちらをみつめてくる瞳は余所見をするように横を向き、こちらを視界に入れていない。
よく見れば、落ち着かないのか全体的にもどこかそわそわしているようにすら見える。

「あ、ありがとう…ございます」

表情を隠すように伏せ、一礼。
そうして副官の少女は逃げるようにその場を立ち去っていた。

「……意外な反応だったな」

残された雨塚はぽかんとその後姿を見送りながらもいいものを見たとばかりに唇をつり上げる。
今の一連の流れはしっかりの脳に保存できていた。
見間違いや勘違いでなければ、今のセラフィは間違いなく照れていたのである。
今度機会があれば容姿について褒めてみよう。
そんな思春期真っ盛りの男子学生のようなことを考えつつ雨塚は満足気に一人頷く。
やはり見目麗しい少女は感情がないよりもあるほうが美しい。
もっとも、今のセラフィは美しいというよりも可愛らしいという形容のほうが正しい気はするが。

「そしてそれは、君たちも一緒だ。シンフォニックリリー、シンフォニックシュガー」

二人の敵対する魔法戦士の姿を思い浮かべながら雨塚は一人ごちる。
太陽と月、動と静。
対極にありながらも根底に同一の志を宿した二人の少女。
そう、自分の現時点での最終目標は彼女らを手中に収めることだ。
物理的に、という意味ではない。
それならば今までいくらでも機会はあったのだから。
自分が望むのは完全なる隷属、すなわち彼女たちを快楽の虜に堕落させ、それによって自分の意のままに操ることなのだから。

「ククッ…さて、楽しみだな」

正義と愛を語り、どんなに酷い目に合わされようとも不屈の精神で純粋に人々のために戦う少女たち。
既に幾度となく彼女らを己の手で、あるいは魔物たちの手で陵辱してきたが、未だ彼女らが屈する様子はない。
だが、その度々に植えつけてきた快楽の記憶は間違いなく少女たちの体を、精神を犯しているはずだ。
後はそれが芽吹くのを陵辱という名の水をやりながら待てばいい。
彼女らが堕ちる時に浮かべる表情はどんなものなのだろうか。
雨塚―シンフォニックナイツからファルケと呼ばれる男はその時を思い、邪悪な笑みを浮かべるのだった。

508:鷹
08/08/17 00:50:28 DSvIlYcR
今回はこれで終了です。
わかる方はタイトルでわかるでしょうが、原作では色んな意味での中途半端な効果っぷりに憤ったあの魔法大活躍の話になる予定。

509:名無しさん@ピンキー
08/08/17 01:49:05 ROGxddSK
とりあえず公式サイトでキャラを把握して来た
続き待ってる

510:名無しさん@ピンキー
08/08/17 01:56:37 Sv0OQ1Uy
期待だぜ

511:名無しさん@ピンキー
08/08/17 02:27:52 F9FWEbuF
wktk

512:名無しさん@ピンキー
08/08/17 13:15:51 VPbGFe8w
まさかガチで書き込んでくるとはな…
同好の士として頼もしいぜ

513:名無しさん@ピンキー
08/08/18 00:01:49 W0eOt6Ju
エロがない段階では与える評価も半減だぜ

さあ、気合いを入れるんだ

514:名無しさん@ピンキー
08/08/18 06:45:07 765w6Fwg
わくわく…
わくわく…

515:名無しさん@ピンキー
08/08/18 10:00:46 qfYIk4Hb
wktk!!!!!

516:名無しさん@ピンキー
08/08/20 01:47:06 QkZ3wlDM
これ、またしても導入書き捨てなん?

517:名無しさん@ピンキー
08/08/20 07:40:34 GjbcvnnQ
まだ三日しかたってないんだ。諦めるのは速いぜ

518:鷹
08/08/20 08:24:36 eV9tFOyM
レスをしてくれた方々に感謝を捧げつつ二回目行きます。

・元ネタは魔法戦士シンフォニックナイツ
・今回もエロ要素は皆無

519:ジャミング(2)
08/08/20 08:27:38 eV9tFOyM
太陽が沈み、暗闇が世界を支配する夜。
人口の星空ともいえる輝きを放つ街、エクセリウム。
その都市内部、街灯に照らされたビジネス街の道路を一台の車が走っていた。
レーシングカーとパトカーを融合させたかのようなその車体には剣の紋章が塗装されている。
また、異なる部分には『Minerva・Guard』の文字。
それはエクセリウムにおいて治安のために独自に動いている組織の名前だ。
表面的には警察と大差ない活動をしているこの組織だが、実際のところ彼ら―否、彼女らの真の目的は別のところにある。
マナと呼ばれる力に呼ばれ現れるこの世あらざる悪の怪異。
それらの敵と、世界の秩序と平和のために戦うのが彼女らミネルヴァ・ガードの真の役目なのだ。

「莉々奈さん、そこの角を右に。そして次の交差点を左です」
「わかったわ、菜々芭ちゃん」

車の運転席で胡桃色のロングヘアを背とシートに押し付けている少女がナビに従ってハンドルを切る。
百合瀬莉々奈。
エクセリウム建設を主導し、また、ミネルヴァ・ガードのスポンサーにもなっている百合瀬財団。
その九代目の当主にしてミネルヴァ・ガードの矢面で戦う主要人物が彼女だった。

「このまま行けば、接敵まで約五分です」
「了解…っ!」

荒々しく、それでいて華麗な運転技術で操られる車は深夜の道路をひた走る。
百合瀬莉々奈は今見せている運転技術を初めとして、様々な才能に恵まれていた。
明晰な頭脳、突出した身体能力、可愛らしさと美しさを同居させた可憐な美貌、抜群のプロポーション。
持ち前の明るさと生まれながらのカリスマ性に、強固な正義感と責任感をもあわせもつ強き心。
世の女性が望むありとあらゆる才能を手にしている彼女は、それでいて自身に驕る事もなかった。
それどころか、誰にでも優しく接することができる慈悲深ささえ持ちあわせていたのだ。
ここまでくれば嫌味の一つもでてくるものだが、この少女に負の感情を抱ける人間は皆無に等しい。
それはそうだろう、己の身を粉にして日々世界と人々のため働いている彼女を誰が罵倒できるだろうか。
だが、ここまで精力的に世の為人の為と働いておきながら、彼女は百合瀬財団をただ運営するだけの才女ではなかった。
自身の持つ魔力、それすらも平和のために用いたいと考えた彼女は治安組織ミネルヴァ・ガードを設立。
更には自身と親しい二人の女性との協力の下に、自らが怪異と戦うための力『M3システム』を開発。
このシステムによって魔法戦士として戦う力を得た莉々奈は戦闘用のコスチュームを身に纏い
魔法戦士シンフォニックリリーとして日夜悪と戦っているのである。

「菜々芭ちゃん、準備はいい?」
「勿論です、莉々奈さん」

莉々奈の問いに、助手席に座っていた少女が硬い表情で頷いた。

520:ジャミング(2)
08/08/20 08:30:43 eV9tFOyM
薄い紫のセミロングを僅かに揺らしながら真っ直ぐ莉々奈を見つめる少女の名は甘樹菜々芭。
彼女は莉々奈の親友にして『M3システム』の実質的な開発者といって過言ではない天才少女だった。
太陽のような明るさを感じさせ、抜群のスタイルを誇る莉々奈とは対照的に
月のような儚さと、色白の肌にやや子供っぽい体型の彼女は見た目の印象を裏切らず寡黙で冷静沈着な性格である。
菜々芭は、そのあまりにも優秀な頭脳のせいで両親が仲違い、終いには不慮の死を迎えさせてしまったという過去を持っている。
そんな彼女は自らの才能に嫌悪感を持ち、自分の存在に否定的だったのだが、その不遇な人生を莉々奈の存在によって救われていた。
菜々芭は莉々奈と出会い、その生き方に感化され、自分の頭脳を人類のために役立てることに喜びを見出すようになったのである。

(戦闘にも、慣れてきた…もう、莉々奈さん一人に負担はかけない!)

菜々芭は本来ならば科学者畑の人間、つまりバックアップ専門だったのだが
彼女にも莉々奈と同じ才能―すなわち、魔法戦士として戦うことができるだけの素養があった。
莉々奈と比べれば魔力も身体能力も劣る彼女ではあったが、彼女には誰にも負けない頭脳がある。
その優秀な頭脳を活かし、菜々芭は莉々奈に遅れながらも親友と同じ魔法戦士シンフォニックシュガーとして参戦するようになったのだ。
全ては自分を救ってくれた親友のために、正義のために。

「見えました……エンカウンター、下魔です!」

菜々芭の言葉と同時にブレーキを踏まれた車は道路の中央で停止する。
と、不審な乱入者に気がついたのか、下魔と呼称された怪異が車を包囲するように動き始めた。
アニメや漫画に出てくる怪物そのものの外見をした怪異たちは数十の群れで油断なく車を警戒する。
車のドアウイングが上に開き、その奥から二人の少女―莉々奈と菜々芭が姿を現す。

「ギギイ…!」
「グルル…!」

美しき少女たちの姿に下魔たちは喜びを露わにする。
欲望に忠実な彼らは少女たちを蹂躙したいというドス黒い本能に従って徐々に距離を詰めていく。
だが、二人の少女に恐怖はない。
むしろ、その表情に浮かんでいるのは憐れみだった。
話が通じないとはいえ、生きている者をこれから傷つけなくてはならないのだ。
それが例え一般的には悪と称される生物であっても。
二人は、特に莉々奈は相対するのが醜悪な化け物であってもその優しさゆえに相手を傷つけることを嫌う。
だが、理想だけでは結果はでないということを彼女たちは知っていた。
戦うべき時は確かにある、そしてそれは今なのだから。

「莉々奈さん」
「ええ…!」

相棒の呼びかけに応え、莉々奈はキッと自身の亜麻色の瞳で怪異たちを睨みつけ―そして

521:ジャミング(2)
08/08/20 08:34:07 eV9tFOyM
「魔法と科学の交わりによって奏でられし聖なるシンフォニーよ…私に、力を与えて…!」
「―シンフォニック・マテリアライズ・センセーション!」

二人の少女の美しい声と共に少女たちの姿が光に包まれる。
外部からの視認を妨げる光の中心で、少女たちの身を包んでいたミネルヴァ・ガードの制服が弾けた。
制服、靴、下着と身に纏っていた衣服全てが光の粒子となって消え、少女たちの裸体が露わになる。
それは一瞬の出来事だった。
全裸になった莉々奈の菜々芭の身体に別の粒子が降り注ぎ、それらが新たな衣服へと構成されていく。
それは彼女たちが魔法戦士として戦うための戦闘スーツだった。
莉々奈は白と薄桃を基調としたフリルのミニスカート、肌にピッタリと張りつくような大胆な上着というプリマドンナのような
そして菜々芭は白と深青を基調としたミニのタイトスカートにガウン状の上着というコスチュームを身に纏う。
共に頭には大きなヘッドホンと、そこから伸びる二本のケーブルらしきものがヘッドセットとして装着されている。
他の共通点としては、胸元が大きく開いている部分があるだろうか。
莉々奈は豊満な、菜々芭はその小ぶりな胸を強調するように胸元に開いた部分でリボンを遊ばせている。
コスチュームの各所に散りばめられたパーツは機械的な印象を与えつつも彼女らの美貌を損なわない。
むしろ、これから戦いに臨む少女たちの凛々しさを引き立てているようですらあった。

「魔法戦士、シンフォニックリリー」
「魔法戦士、シンフォニックシュガー」
「魔力と科学の交わりが奏でる調べと共にここに誓います…」
「この先に訪れる人々の新たな未来と、貴き理想を信じ…」
『気高き魔法戦士の名の下に、邪悪な意志からこの世界の正義を護るため、この身を捧げることを…!』

変身を終えた二人の少女が高らかに宣言を果たす。
それはまるで現代に舞い降りた戦乙女の姿だった。
その凛々しさと神々しさ、そして内から発する魔力に下魔たちは僅かに恐怖を覚える。
だが、所詮彼らは本能で生きる凶暴な生物に過ぎなかった。
彼我の戦力差を理解することなく、魔物たちは敵と認識した少女たちへと踊りかかる。

「グエエッ!」

ワニとトカゲと猿を足したような怪物が左右から魔法戦士へと飛び掛った。
振り下ろされる鋭い爪が可憐な少女たちを襲う。
ブンッ!
空間ごと断ち切るかのような鋭い一撃。
だが、その凶爪は目標を捕らえることなくただ空気を切り裂くだけだった。

「ギッ!?」

獲物の消失に慌てて周囲を見回す下魔。

522:ジャミング(2)
08/08/20 08:37:22 eV9tFOyM
だが、その目が捉えたのは既に自分から離れた場所に移動している敵の姿だった。
少女たちは何時の間にか空だった手にそれぞれ武器を構えている。
シンフォニックリリーはレイピアを、シンフォニックシュガーは球体のボールのような武器を両手に装備していた。

「行きます…!」

リリーの掛け声と同時に散開した二人の魔法戦士はあっという間に下魔との間合いを詰めると攻撃を開始する。
レイピアによる雷光のような一閃が一体の下魔の腕を深々と切り裂いた。

「ギエアッ!!」
「ごめんなさい…!」

傷つけたことを謝罪しながらもリリーの攻撃は続く。
怪物のもう片方の腕、そして両脚を切り裂き、瞬く間に一体の魔物を行動不能にしてしまう。

「やあッ!」

一方、もう片方の魔法戦士ことシュガーは両手に構えた球体を高速で打ち出し、魔物の顔面にぶつけていた。
正確無比な精度と速度によって打ち出されたボールは魔力が込められているだけに威力は絶大。
リリーと比べ、容赦などない彼女の攻撃は十秒という短い時間で二体の魔物を沈黙させる。

「莉々奈さん、大丈夫ですか!?」
「問題ないわ、菜々芭ちゃんこそ平気?」
「はい!」

計三体の下魔を倒したシンフォニックナイツは集合すると背中合わせに密着し、互いを庇いあう体勢を作る。
油断なく前方を見据えながら、菜々芭は戦況を分析する。

「索敵による敵の総数は二十二。その全てが下魔のようですが」
「指揮官である上魔がいないのは、どうしてかしら…?」
「わかりません。罠なのか…陽動、あるいは姿を隠しているのかもしれません」
「油断は出来ない、ということね」

お互いに頷きあうと二人の魔法戦士は再び散開し、攻撃を再開する。
指揮官であり、強力な力を持つ上魔がいない以上、いかに下魔が生物として強力であろうともシンフォニックナイツの敵ではない。
だが、彼女たちは油断などしていなかった。
油断こそが大敵であり、また、こうして魔物が動いている以上、その後ろには彼―ファルケが存在しているのは間違いないのだから。
しかし、彼女たちは気がついていなかった。
すぐ近くに宿敵である鷹の名を持つ男が潜んでいることに。
倒したはずの下魔がいつもよりも速い速度で回復していることに。
そして、既に自分たちが罠の中へと誘い込まれていたということに…

523:鷹
08/08/20 08:39:42 eV9tFOyM
以上です。気合を入れたらヒロイン紹介と活躍だけで終わってしまった…あれ?
原作をご存知の方は今回の話はどーでもいいかもしれませんがヒロインの紹介と活躍は前フリのお約束ということで一つ。
次からはエロ(要素がある)に入れたらいいなぁ。

524:名無しさん@ピンキー
08/08/20 12:32:33 7oSOwIBx
思い切り活躍させてから堕とす、これ王道!!


525:名無しさん@ピンキー
08/08/20 15:43:24 QkZ3wlDM
>>523
投下大変お疲れ様です。>>516にて大変失礼な発言をいたしてしまった事を慎んでお詫びいたします。

526:名無しさん@ピンキー
08/08/21 10:38:07 o8ONu1M2
これからの展開にwktkしながら待機

527:名無しさん@ピンキー
08/08/21 19:12:30 L3v1q9qA
変身シーンを詳細に描写してくれてるトコとか良いな
こういう凛々しいくすぐる部分があってこそ後の敗北シーンが映えるんだよね

528:鷹
08/08/23 10:30:01 bHIBQA8/
なんとか更新速度を保ちつつ三回目行きます。

・元ネタは魔法戦士シンフォニックナイツ
・作者はガチエロよりも羞恥エロ派

529:ジャミング(3)
08/08/23 10:34:22 bHIBQA8/
「やれやれ、手がつけられないとは正にこのことか」

二人の魔法戦士が戦いを繰り広げている戦場の影で一人の男が呆れたような溜息をつく。
ステルス機能で身を隠しているその男は全身を黒のスキンスーツで覆っていた。
唯一、肌が覗けている口元は楽しげな笑みを浮かべ、吊り上がっている。
ガッシリとした両腕を胸の前で組んで、男―雨塚鷹佑ことファルケは少女たちの舞踏を観察していた。

「いつもは分断して一人ずつ相手にしているからわからなかったが…二人揃うと、戦力二倍どころの話じゃあないな」

仮に上魔と自分があの中に加わっても、真正面からやりあう限りでは歯が立たないであろう。
視界の中で撃破されていく下魔を眺めながら、それでもファルケの口調は余裕を崩さない。
そう、全ては計画通りに進んでいるのだから焦る必要など一つもないのだ。

「しかしあんまりのんびりとはしていられないな…早くしないと、下魔が全滅してしまいかねない。
 それに、『彼ら』ももうすぐ来てしまうだろうしな」

また一匹、致命傷を負った下魔が動きを止める光景を見ながらファルケはバイザーのデータ画面に目を移す。
刹那、画面に大表示で『complete!』の文字が浮かび上がった。
それは戦闘開始から続けていたデータの採取が終わったという証拠だった。
と同時にバイザーディスプレイの左端にセラフィの顔が映し出される。

「局長」
「セラフィか。解析は完璧かい?」
「はい、既にデータの送信も終了しています。ジャミング使用時における効果指定及び出力の調整もこれで問題ありません」
「わかった、ご苦労様だったね」
「いえ…それでは、お気をつけて」

どこか事務的な気遣いの言葉を残して、少女の画像がディスプレイから消える。
だが、気のせいかもしれないが、今日の少女は言葉に熱がこもっているようにも思えた。
それは自分の願望がそう感じさせたのか、それともセラフィが本当に自分に心を許し始めているのか…
味方とはいえ、たった一人の女の子をやたらと気にする自分に苦笑を漏らすファルケ。

「さて、そろそろ姿を現すとしようか。準備はいいな、ヘルメ?」
「勿論です。それでは、行きましょうか…」

スーツ姿のサラリーマン風に姿を映した上魔が眼鏡の位置をくいっと人差し指で調整しつつ返答する。
既にこの上魔にもデータは送信済みだった。
時刻は予定の一分前。
全身を黒で覆っている変身ヒーロー風な若い男と、四十代くらいの生真面目そうなサラリーマン風の男。
そんな見た目デコボコなコンビはゆっくりと戦場へと歩を進めるのだった。

530:ジャミング(3)
08/08/23 10:37:41 bHIBQA8/
「ギィッ!?」

ズシュッ!
レイピアから肉を切り裂く鈍い感触が伝わってくるのと同時に、正面にいた下魔が腕を深々と切り裂かれ、絶叫した。
トドメを差すべく前に踏み込むリリーは、しかし仲間を庇うように立ちはだかった二体の下魔に邪魔されて追撃を防がれる。
仕方なく後退した魔法戦士は油断することなく周囲を見回す。
倒れ伏し、完全に沈黙した下魔は十体。
残りは十二体―しかし、このスコアはかかった時間に反してはかばかしくない。
普段であれば既に敵を全滅させていてもおかしくはないのだ。
にも関わらず、傷の大小こそあれども下魔は十二体も生き残っている。

「莉々奈さん、この下魔たちはいつもとは違います」

傍に寄ってきた菜々芭の言葉に莉々奈は頷く。
今まで戦ってきた下魔とは違い、今夜の彼らは異様にしぶとい。
再生能力は通常よりも向上し、戦闘においては防御や逃走を重視して致命傷を回避しているのだ。
積極的に襲い掛かってきたのは最初の数体だけ。
残りの下魔たちはまるで戦う気がないように動き回るだけだった。

「下魔たちの再生能力の上昇は間違いありません。だけど攻撃に意欲を示さないのは何の意味が…?」

小柄な親友の思考を邪魔しないように、リリーはレイピアを構えて周囲の異形を威嚇する。
こちらは立ち止まっているというのに、やはり魔物たちはかかってくる気配を見せない。
だが、逃げ出すこともしないとなると戦闘意欲がないわけでもないようだ。
これは一体どういうことなのか。
確かにこれでは下魔を掃討するのには時間がかかる。
だが、逆を言えば時間さえ掛ければ彼らを全滅させることは余裕といっても過言ではない。

(つまり、この下魔たちの目的は―)
「時間稼ぎ…?」

思考を繋ぐように放たれたシュガーの言葉にリリーは確信を得る。
そう、時間稼ぎだ。
防御を重視し、やられないことを最優先にした下魔たちの動きは時間稼ぎのほか考えられない。
だが一体何を待っているというのか。
考えるまでもない、魔物たちが待つものなど決まっている。
それは――

「やあ、相変わらず強いね。シンフォニックナイツ」

彼らを召喚した張本人に他ならないのだから。

531:ジャミング(3)
08/08/23 10:41:26 bHIBQA8/
「ファルケ…!」

全身を黒の戦闘用スーツで覆い隠した男の出現に、二人の魔法戦士は緊張に包まれる。
その後ろには人間体を化けている上魔ヘルメの姿もあった。
この男が姿を現したという事は、これからが本番だということ。
油断なく構える少女たちに、しかしファルケは悠然とした態度を崩さない。

「やあ、今宵も相変わらず美しいね、シンフォニックナイツ」

軽口を叩くファルケは、その態度とは裏腹に一分の隙も見せてはいなかった。
飛び掛るタイミングを窺っているうちに生き残っていた下魔たちが司令官を守るような形で密集する。
これで敵側の体勢は万全。
しかしシンフォニックナイツには動揺も悲壮もない。
多少戦った後と言えども傷一つ負っていない上に、まだまだ体力も魔力も十分。
何よりも、いつもは分断されて一人ずつ戦うのが常なのだが、今夜は魔法戦士が二人とも揃っている状態。
例えファルケと上魔が一体加わったとしても負ける気遣いはない。

「またあなたなのですか…一体、どれだけの恐怖を撒き散らせば気が済むのですか」
「さあ? 俺の気がすむまでかな?」
「この世界の魔力を悪用し、人々の平和な暮らしを脅かす貴方を決して許すことは出来ません…!」

凛々しい眼差しで敵を見つめるシンフォニックリリー。
シュガーもそれに追従するようにボールを構えた状態で警戒の体勢をとっている。
だが黒衣の男は、ひょいと肩をすくめるとやれやれとばかりに首を振った。

「おお怖い。だが楽しみだね、その美しさが苦痛や恥辱に歪む様を見るのが…」
「魔法戦士の誇りに掛けて、悪には決して負けません!」
「今まで散々負けておきながらその啖呵。いいね、それでこそシンフォニックナイツだ。
 二人揃っての戦闘も初めて見せてもらったが、素晴らしい連携だ。これはもうまともにやっても敵わないだろうな…」
「ならば降伏してください。私たちは好き好んで貴方たちを傷つけたいわけではないのですから」
「フッ…」

冗談だろ? とばかりに笑みを漏らすファルケにシュガーが憤怒の視線を送る。
相手が降伏勧告を聞かないであろうことは承知の上だった。
だが、ファルケのこの余裕は一体どういうことなのか。
彼の言ったとおり、このまま戦いになればこちらのほうが圧倒的に有利のはず。
なのに、男の態度はまるで自分たちの勝利が決まっていると確信しているような…
そこまで思考を巡らせたリリーの耳は、次の瞬間少し離れた後方でアスファルトを踏む足音を捉えた。

パシャッ!

532:ジャミング(3)
08/08/23 10:44:46 bHIBQA8/
「ッ!?」
「増援…っ!?」

シャッター音と共に焚かれたフラッシュの光にリリーとシュガーは警戒心も露わに振り向く。
そこにいたのは一人の小太りの男だった。
彼は携帯電話の写メをこちらに向けて構え、ニヤニヤと歪んだ笑みを浮かべている。
新しい上魔?
そう危惧した魔法戦士たちだったが、男からは魔力反応がない。
魔力捜査で調べた限りでは、間違いなく男はただの一般人のようだった。

「おい、ここか?」
「お、来たな。こっちだこっち! 本当にいるぞ!」
「マジか!? 本当にシンフォニックナイツが!?」
「ああ、あの書き込みは本当だったんだ!」

男の後ろから声がしたかと思うと、どこからわいたのか妙な男の集団がぞろぞろと現れだす。
男たちは年齢も格好もまちまちだったが、一つだけ共通点があった。
彼らは一様にデジカメ等の撮影機器を手にしていたのである。

「な、この人たちは…」
「ククク、驚いたかいシンフォニックリリー? 彼らはね、俺が呼んだんだ。
 いや、呼んだというのは少し違うか…俺はただ書き込みをしただけだしね」
「書き込み…?」
「そうさ、シンフォニックシュガー。某巨大掲示板の正義のヒロインを嬲るスレ、そこにこう書いたのさ。
 今夜0時、シンフォニックナイツがD-85地区に現れるってね!」

ハハハ、と愉快そうに笑うファルケにシンフォニックナイツは呆然とするほかない。
と同時に理解する。
下魔たちによる時間稼ぎはこのためのものだったのだ。
戦いに気を取られている隙に彼らをこの場所に呼び込む。
これこそが敵の狙いだったのだと。

「おっと、誤解しないでくれよ? 俺は彼らに危害を加える気はない」
「戯言を…!」
「本当だって。別に人質にしようとか欠片も考えちゃあいない。むしろ傷つけないように気をつけるつもりさ。
 なんせ、彼らは大事な観客なんだからね…」
「…観客?」

いぶかしむようにリリーは周囲を見回す。
男たちはある程度の距離をとって自分たちを取り囲むような形をとっていた。

533:ジャミング(3)
08/08/23 10:48:04 bHIBQA8/
その瞳は皆一様にギラギラと闇夜の中で輝いている。
正義のヒロインを目にしたことが余程嬉しいのか、興奮している者が大半だ。
ゾクッ…
リリーは彼らの粘つくような視線に華奢な身体を僅かに震わせる。
それが生理的嫌悪だということを彼女は理解していなかった。

「莉々奈さん…どうしますか?」

リリーと同じく、困惑と微かな嫌悪の表情を浮かべたシュガーが問いかける。
いくら危害を加える気がないと明言されたとしても、相手が悪人である以上信用できるはずもない。
一番いいのは彼らを今すぐ退避させることだが、周囲に目に付く者だけでもゆうに数十人を越える。
強制措置による彼らの退場ははっきり言って不可能といってもよかった。

(規制はちゃんと行われていたはずなのに…)

普段、魔物たちとの戦いにおいては、事前にミネルヴァ・ガードの力によって情報規制、交通規制が行われる。
一般人をできるだけ戦場から遠ざけるための、巻き込まないための当然の処置だからだ。
無論、それでもたまに規制に漏れた一般人が現れ、戦いに巻き込まれてしまうこともあるのだが…
ここまでの人数が、それも自発的に現れるなど想定外のことだった。

「皆さん、ここは危険です! どうか避難してください!」
「私たちは二人、とても貴方たちを守りきることは出来ないのですっ」

とにかく彼らをこの場から逃がさねば。
その一心でリリーとシュガーは男たちに呼びかける。
だがその返事として帰ってきたのは眩いフラッシュの光とシャッター音の嵐だった。

「か、格好いい!」
「それに可愛い! シンフォニックリリーにシンフォニックシュガーか、名前覚えたぞ!」
「うお、怪物の死骸がいっぱい…あのコたちが倒したのか?」
「すげえ、強いんだな!」

初めて目にする魔法戦士の姿を記録媒体におさめながら、男たちはワイワイとざわめく。
まるで避難する気はないようだった。
いや、それどころか更に包囲の輪を縮めようとしている気配すら見せている始末だ。
流石に下魔たちの存在にビビッているのか、戦闘の邪魔になる領域にまでは近づいてはこないのが唯一の幸いではあるが。

「くっ…ファルケ!」
「おいおい、そんなに睨まないでくれよ。こういっちゃなんだが、俺は書き込みをしただけだ。
 それによって彼らがここに現れたのは自己責任、そうだろう? それに…他人の心配をしている暇はあるのかな?」
「え…」

534:ジャミング(3)
08/08/23 10:51:04 bHIBQA8/
ファルケがくすりと笑ったのと同時に今まで微動だにしていなかった下魔たちが動き出した。
今までの及び腰っぷりが嘘のように統制された動きで魔物たちは一直線に走り出す。
勿論、その狙いの先はシンフォニックナイツの二人だ。
宣言通り一般人には手を出さないつもりらしく、自分たちだけを狙ってくるその動きに莉々奈は僅かな安堵を得る。

「莉々奈さん!」
「ええ!」

相棒の声を受けてリリーはレイピアを構え、迎撃に跳躍する。
闇夜の下に、ふわりと舞う少女の肢体。
下魔の爪がリリーの身体を引き裂こうと襲い掛かるが、少女は危なげなくそれをかわす。
かわしざまにレイピアを一閃。
その一撃は魔物の胸を深々と切り裂き、怪異の身体から血が噴出する。
それを見ていた男たちは大騒ぎだ。
格好いい、強い、頑張れ! といった賛辞と応援の声が耳に届き、莉々奈は感謝と戸惑いを覚えた。

(応援してくれるのは嬉しいのだけれど、す、少し恥ずかし……ッ!?)
「ギアッ!」

能天気なギャラリーたちにふと気を抜いた一瞬、背後から別の下魔が無防備な背中へと襲い掛かる。
唯一の武器であるレイピアは突き出した状態の為すぐには手元に引き戻せない。
だがリリーは慌てず、腰を捻ると流麗な動きで右足を跳ね上げる。

「やっ!」

すらりと健康的に伸びた艶かしい足をみせびらかしながら少女の脚が下魔の顔面を捉える。
ハイキックをモロに受ける形になった下魔は堪らず後退した。
追撃のチャンス―!
リリーは足を下ろしてレイピアを構えなおそうとし、しかし次の瞬間聞こえてきた声に硬直した。

「うおっ、パンツ丸見えだぜ!」
「……えっ!?」

歓声のようなその声に、莉々奈は反射的に視線を己の下半身へと落とす。
頭の位置まで振り上げた右足のせいで、短いスカートが盛大に捲れ、中身が露出していた。
むっちりとした太腿も、その付け根にある薄桃色の下着も、開脚という恥ずかしい格好で全て見えてしまっていたのだ。

「きゃッ!?」

慌てて足を降ろし、スカートを押さえるリリー。
だが魔物は乙女の恥じらいを意に介することなく、隙を見せた敵に猛然と襲い掛かる。

535:ジャミング(3)
08/08/23 10:55:00 bHIBQA8/
「くっ…」

どうにか間一髪でその攻撃を回避したリリーだったが、息もつかせぬ連続攻撃が続けざまに襲い掛かってくる。
攻撃の隙がなく、とにかく回避を優先とばかりに魔法戦士の少女は地面を跳ね回る。
だが、その激しい動きによって短いスカートはひらひらと舞い上がり、その中身を周囲の人間に披露する羽目になってしまう。

「パンチラキター!」
「あの短いスカートは反則だよな。モロ見えじゃんか」
「それに見ろよ、あの下着、よく見れば凄い大胆なデザインだぜ」
「やぁ……っ」

周囲から聞こえてくる卑猥な会話にリリーは耳まで赤く染めて動揺する。
こういう時、どんな小さな音でも捉えてしまうほど強化された己の耳が恨めしい。
だが、攻撃がやまない以上動きを止めるわけには行かない。
リリーは時折反撃をまじえつつ、露出する下着に恥じらいながら戦い続ける。
その動きには、最初の頃よりも明らかにぎこちなさが加わっていた。

「莉々奈さんっ……くぅっ」

それを見ていたシュガーはなんとか彼女の援護をしようと試みる。
だが、仲間に気を取られていた魔法戦士を彼女と相対していた下魔は容赦なく襲う。
頭上から振り下ろされる強烈な一撃。
シュガーはかろうじてそれに反応したものの、回避は不可能と判断し、両手のボールで爪を挟み込むようにして攻撃を受け止める。
ザザザ…ッ!
いくら身体能力をスーツや魔力で強化しているといっても、元はかよわい女の子の菜々芭。
なんとか爪の一撃は受け止めたものの、力負けして後方に鍔迫り合いの状態で押しやられてしまう。

「おい、あっちも見ろよ! もうちょっとで見えそうだぜ!」
「うはっ、お尻をあんなに突き出して…」
「見えそうで見えない、チラリズム万歳!」
「えっ……あっ、ああっ?」

自分に向けられる声に後ろを振り向いたシュガーは狼狽の声を上げる。
爪の圧力に耐えるために、いつの間にか腰を下ろして両脚を大きく開いた体勢になってしまっていたのだ。
それは確かに後ろから見ればお尻を突き出しているように見える状態だった。
リリーと違い、シュガーのスカートはタイト型なので多少激しく動き回ったとてめくれる心配はない。
しかし、タイト故に腰を落として両脚を開いた姿勢になると、スカートがずり上がってしまうのだ。
かろうじて下着は露出していないようだったが、男に見られるには恥ずかしい格好なのは間違いない。
パシャパシャとシャッター音が鳴り響き、フラッシュ光がシュガーの下半身を覆う。
恥ずべき格好を記録された少女魔法戦士は羞恥に頬を赤らめた。

536:鷹
08/08/23 10:56:52 bHIBQA8/
以上です。
タイトルにもなってる魔法は次回でようやく使用開始の予定。
しかし俺を出演させすぎたぜ…

537:名無しさん@ピンキー
08/08/23 10:57:53 bWwdrwsD
リアルタイムGJ!

俺も出演してたな

538:名無しさん@ピンキー
08/08/24 08:56:36 bnKUjJYJ
凄く丁寧な進行だな!これは期待できる



しかし事件現場に行けるほど俺って度胸があったんだなwwww

539:名無しさん@ピンキー
08/08/24 15:04:49 +194KXSv
ビデオカメラを準備した俺が通りますよ
もちろん動画アップのためのサイトもな

540:名無しさん@ピンキー
08/08/25 22:26:39 KdckjP8S
そういやこのシリーズは人質だの通行人だの一般人の方が外道だったなw

541:名無しさん@ピンキー
08/08/27 05:53:39 /YXaulLq
すっげぇ無責任な野次とか飛ばすんだよなww


542:鷹
08/08/27 14:12:16 AWtqc4hX
いい加減投下速度が落ちそうな気がしつつ四回目いきます。

・元ネタは魔法戦士シンフォニックナイツ
・作者は『じっくり』とか『じわじわ』とか『なぶる』等の表現が大好きです。
・俺たち自重しろ

543:ジャミング(4)
08/08/27 14:15:23 AWtqc4hX
「ククッ、可愛いものだな……」
「彼女らも花も恥らう乙女なのですから、当然の反応ではあるのですが」
「ま、その通りではあるんだけどね」

ファルケとヘルメはシンフォニックナイツへとの攻撃を下魔に任せて観戦と洒落込んでいた。
魔法戦士二人は遠巻きに周囲を取り囲む男たちの視線を気にして動きに精彩がない。
一応生死をかけた戦いの最中だというのに気楽なことだ、とファルケは半分呆れながらも少女たちの恥じらいを楽しむ。
既に幾度となく自分たちにその柔肌を犯されているというのに、相変わらずシンフォニックナイツは清純な少女そのものだ。
まあ、羞恥心のない女など興ざめだし、今回の作戦は彼女らが純情な乙女だからこそ意味があるのでむしろ喜ぶべきことではあるのだが。

「しかし人間というものは愚かしいものですね。自分たちに被害が及ぶとは考えていないのでしょうか?」
「野次馬ってのはそんなもんさ。それに、今回の作戦ではそれくらいバカな奴らのほうがいい」
「確かに。彼らがいるからこそシンフォニックナイツの勝利は遠ざかっている」

眼鏡をキラリと光らせながらサラリーマン風の格好の上魔はウンウンと頷く。
視線の先では集まった男たちが無邪気にシンフォニックナイツに声援を送っている。
だがそれは、純粋にヒロインを応援しているわけではなかった。
勿論全くその気がないというわけではないのだが、彼らからすればそれはアニメの中のヒロインに声援を送るのと大差のない行為だ。
凛々しく戦う魔法戦士も、無残にやられる下魔も、彼らにとっては非現実の世界でしかない。
ハッキリと現実として目にしているにもかかわらず、彼らは自分らを完全な第三者としてとらえている。
だからこそ、すぐ傍にある危険を感じることも出来ずに場に留まり続けているのだ。

(だが、シンフォニックナイツからすれば、彼らはただの一般人でしかない)

周りにいるのが無力な一般人である以上、シンフォニックナイツは彼らを気にする必要があった。
だがそれは戦闘からほんの僅かであれ気を散らすことを意味する。
流石に戦闘に支障をきたすようなことはないが、彼女らの思考にはしっかりと周囲の男たちの存在が根付いているはずだった。

(一度気にしてしまえばその存在は頭から離れない。そして、それだけならばまだしも……)

男たちはただの一般人ではあるが、彼らは今までのようなたまたま巻き込まれただけの被害者ではない。
自発的に、自らの意思でこの場にやってきているのだ。
戦う魔法戦士の少女たちを目にし、その姿を記録するために。
そしてそれは今のところ狙い通りの効果を発揮しつつあった。
清純な乙女であるシンフォニックナイツからすれば、応援はともかく、自分たちの身体に絡みつくような色欲の視線は毒になっているはず。
まあ、元々彼女らの衣装は肌の露出が多く、健康的な男ならば目を取られて当たり前なのだから自業自得ともいえなくはない。
とはいえ、折角ギャラリーがわざわざ足を運んで来てくれたのだ。
その労いはしてやらねばならないだろう―と、ファルケはゆっくりと手をかざした。

「それではそろそろ始めるとしよう――ジャミング、発動!」

544:ジャミング(4)
08/08/27 14:17:33 AWtqc4hX
「やあっ!」

ズバシュッ!
レイピアの剣閃が下魔の一体を小さく切り裂く。
踏み込みが足りないため、剣に威力を込められないのだ。
別に疲労があるというわけではない。
だが、大きく動作すればするだけスカートが翻り、その中身を晒してしまう。
それは年頃の女の子である莉々奈にとっては恥辱以外の何者でもない。
しかし、周りにはその瞬間を待ち望む多くの異性がいる。
普段の戦いでは気にすることなどありえないはずのことに、少女は翻弄されていた。

「エンシェント・ファイヤー!」

リリーの掌から炎の球が発射される。
魔力によって生み出された必殺の火球は下魔の一体を飲み込み、爆散させた。
爆風が黒焦げになって沈黙した魔物を中心に広がり、シンフォニックリリーのスカートを煽る。
その魔法の威力と少女の下着の開帳に、男たちがワッと沸きあがった。

「きゃあっ……お、お願いです。どうか、皆さん避難を!」
「凄い、凄いよシンフォニックリリー!」
「ああ、まさか本物の魔法戦士を目にする事が出来るなんて」
「しかもパンチラいっぱいでサービス満点だし、サイコーだね!」
「ちっ、違います……これは、サービスなんかじゃ……」

莉々奈の弱々しい抗議が響くが、男たちは意にも介さない。
確かに、魔法戦士のスーツは大胆なデザインをしている。
スカートは少しめくれ上がっただけで中身を露出してしまうほど短いし
スーツは身体にフィットする造りになっているため柔肌のラインがモロにでている形だ。
胸元は大きく開いているし、リリーの場合可愛らしいおへそまでが露出している始末。
下着に至っては通常のものよりも明らかに小さく、莉々奈の清純そうな雰囲気に反して、なんともいえない色気を醸し出している。
だが、それは決して彼らがいうような破廉恥な目的でデザインされたわけではない。
自分たちの先駆者たる魔法戦士、スイートナイツを模しているだけ。
下着とて、ただ動きやすさを追い求めた結果小さなものになってしまっただけなのだ。

(なのに……こんな、いやらしい目で見られてしまうなんて…っ)

いかに初心な莉々奈とて、周囲の男たちが自分をいやらしい目で見ていることくらいは分かる。
だが、それは魔法戦士としてはまるで想定外のことだった。
まさか正義のために一生懸命に戦う自分たちをいやらしい目で見る人間がいるなどと想像するはずもない。
けれども、現実として男たちの視線は自分の身体に集まっている。

545:ジャミング(4)
08/08/27 14:19:25 AWtqc4hX
理性ではわかってはいるのだ。
視線など無視して戦うべきなのだと。
今は生死をかけた戦いの真っ最中、しかも今は周りに無力な一般人たちがいる。
もしも自分たちが負ければ、彼らは魔物たちに殺されてしまうかもしれない。
そう考えれば、恥じらってばかりなどいられるはずがない。
だが、一人の女の子百合瀬莉々奈としてはどうしても羞恥心を捨てきれなかった。
正義感と羞恥心が葛藤となって、正義の魔法戦士の動きを阻害する。

「ハアッ! あと、七体……!」

それでもリリーはなんとか下魔を屠っていく。
多少動きが落ちたとしても、下魔と魔法戦士では基本スペックが違う。
恥じらいによって効率こそ落ちても、それが敗北に繋がることはなかった。

(待っていなさい、ファルケ。すぐに貴方を…!)

下魔の後ろに控える諸悪の根源を睨みつけながらリリーは一旦距離をとる。
見れば、シュガーも下魔を一体撃破した様子だった。
これで残りは六体、まだファルケと上魔が控えてはいるものの、余力は十分。
周囲の人たちを人質に取られないよう気を配りながら、リリーは油断なくレイピアを構える。

「莉々奈さんっ」

そこにシュガーが合流してくる。
彼女にも怪我はなく、消耗も大してしている様子はない。
このままならばいける―!
と、その瞬間。

「おおーっ!!」

大きく場がどよめいた。
見れば周囲の男たちが興奮して撮影機器を構え、狂喜乱舞しているではないか。
一体何が?
突然の事態にリリーもシュガーも困惑する。

「……え? な、菜々芭ちゃんっ!?」

だが次の瞬間、莉々奈はその原因に気がついた。
相棒たる魔法戦士、シンフォニックシュガーの姿に異変が起きていたのである。
そう、彼女の下半身を覆っているはずのスカートが、いつのまにか消失してしまっていたのだ。

546:ジャミング(4)
08/08/27 14:22:14 AWtqc4hX
「莉々奈さん、どうし……なっ、え……あ!?」

莉々奈の視線を追って目線を下げたシュガーは困惑の声を上げた。
そこに見えるのは、つい先程まであったはずのスカートが消失し、露出した黒のパンティストッキングに覆われた自身の下着。

「い、いやっ…! 見ないで、ください…っ」

突然の下半身の惨状にシュガーは慌てて手に持っていたボールで前後を覆い隠す。
だがそれよりも先に男たちの構えていたカメラはシャッターを切っていた。
パシャ! カシャッ!
薄いパンストに覆われた純白の下着が容赦なく記録媒体に保存されていく。

「こ、これはいったい……あっ、り、莉々奈さんのスカートも!?」
「えっ……そ、そんなっ!?」

必死で下着を隠す菜々芭の目が、光の粒子になって消えていくシンフォニックリリーのスカートを捉えた。
意識する間もなく綺麗さっぱり消えさったスカートの下からは、やはり莉々奈の下着が覗く。

「や、やン……っ!」

リリーはたまらず下半身を隠すように地面へとしゃがみこむ。
だが、しゃがむだけでは前はともかく後ろからは下着は丸見えだった。
リリーの後ろに陣取っていた男たちが喝采を上げ、我先にとレンズを向ける。

「だ、駄目っ! 撮らないで……くださいっ!」

慌てて後ろに手を回す莉々奈だったが、とても手だけでは隠しきれるはずもない。
両手の隙間からはぷりっとしたお尻が、薄桃色の下着に包まれている状態で晒される。

「うひゃっ! どうなってるんだいったい!?」
「なんかいきなりシンフォニックナイツのスカートが消えたぞ!?」
「そんなことはどうでもいい、撮れ撮れ!」

無数のレンズが少女たちの下着を写そうと迫ってくる。
リリーとシュガーはどうにかそれを避けようとするが、逃がさないとばかりに二つのライトが彼女たちを照らし出した。

「な……!?」

暗闇の中、眩い光がそれぞれの魔法戦士を捕らえ、その姿をはっきりと曝け出す。
見れば頭上のビルの屋上にあるライト投射機らしき機械が動いているではないか。

547:ジャミング(4)
08/08/27 14:25:45 AWtqc4hX
「ハハハッ、どうだい? お気に召したかな?」
「ファ、ファルケ! これは一体…」
「見ての通りさ。折角の活躍の場なんだ、ヒロインが目立つようにするのは舞台監督の役目だろう?」
「くっ、こんなことっ……」

シンフォニックナイツはライトの光を避けるべくその場を離れる。
だが魔法戦士を映し出す光は執拗にそれをサーチし、彼女たちの姿を捕らえて離さない。
機械を破壊しようにも、はるか頭上のビル屋上に取り付けられているためそれは叶わない。
恥ずべき下着姿を光の下に曝け出され、少女たちの羞恥心が煽られていく。

「そらそら、恥ずかしがっている暇なんてないぞ?」

状況がつかめず混乱する乙女たちに下魔が容赦なく襲い掛かった。
リリーはレイピアで攻撃を受け止め、シュガーは転がって回避する。
しかしそのいずれもが両手を下半身から離してしまうことになってしまったため、再度下着が周囲の目に晒されてしまう。

「くうっ……や、やあっ!」

下着を隠せない恥辱に耐えながらシュガーは転がり様攻撃を再開する。
わけがわからないが、もはやこうなってしまっては敵を素早く倒すほかない。
羞恥による焦りをまじえた攻撃が下魔を襲う。
攻撃は命中、だがその一撃は想定していたほどのダメージを与えてはいなかった。

「えっ……ど、どうして?」

攻撃力の突然の低下に戸惑うシンフォニックシュガー。
だがそれはリリーも同様だった。
いつもならばガッチリと受け止められるはずの攻撃がやけに重いのだ。

「菜々芭ちゃん! これは……」
「今調べ……え!? 運動補正のリンク率が低下している? ち、違う、それだけじゃない……他の機能のリンク率まで!?」
「そんな……どういう……あッ、ま、また!?」

パアァッ―
魔法戦士二人のコスチュームが光に包まれると共に、またしてもスーツの一部が粒子となって消失する。
今度は胸元から上の上着部分だった。
少女たちの首元から鎖骨、そして肩に掛けての流麗なラインとなめらかな白い肌がライトの下で照らし出される。
と同時に、ヘッドホンからスーツ機能のリンク率の50%ダウンが報告された。
ここまでくれば莉々奈と菜々芭も事態を理解するほかない。
変身状態を維持するための、基地からのバックアップ―それが遮断されつつあるということを。

548:鷹
08/08/27 14:27:37 AWtqc4hX
以上です。
これ、最初は三話で終わるはずだったのに…

549:名無しさん@ピンキー
08/08/27 19:54:41 /YXaulLq
基地からのバックアップの途絶とかピンチ描写を丁寧に描いてるなぁ
GJ!

550:名無しさん@ピンキー
08/08/28 09:40:18 AF1+JmhQ
>>548
ものっそいGJです!
脱げる順番も良い感じ。肩&鎖骨最高!
デジカメのバッテリーを交換しながら待ってます!

551:名無しさん@ピンキー
08/08/28 14:13:29 t64bIcDR
とっても乙!
こりゃあいよいよ現場に駆け付けない訳にはいかなくなったな。

552:巨大戦艦ロボの憂鬱 前編
08/08/28 14:43:49 MjR7mCqj
ども~。
散々迷った末にここに投下することにしました。
単発ネタです。

戦艦型巨大ロボを操って宇宙人と戦う少女の話です。
ロボットは、キングジェイダーを想像して下さい。

少し、ここのスレの趣旨とは少し違い戦う女の子が羞恥に悶えるという話です。
その原因は主に乗っているロボットにあり、敵のせいではありません。
それに納得した人だけ読んでください。

正義の宇宙人から悪の宇宙人と戦うために巨大戦艦ロボを預けられた
高校2年生の女の子がいる。
彼女の名前はカイ。
スタイルは少し周りよりいい方。
ちょっぴり、恥ずかしい目には遭ってるけど、
彼女にしか出来ないんだからしょうがない…はず。

今、町の方で巨大なタコみたいな古典的な火星人の形をした宇宙人が暴れている。
「行かなくっちゃ!!」
正義感の強い彼女は飛び出していった。

「フェニックスシップ!!」
空に手をかざして、叫ぶと空から巨大な戦艦がやって来る。
そして、カイはその戦艦の中に吸い込まれていく。
今、戦艦のブリッジの中にカイはいる。
当然、相手は戦艦のままで勝てるほど生易しいものじゃない。
そこでカイはロボットに変形して戦うことにする。
「リトルバード!!プラグアウト!!」
巨大な宇宙戦艦から、ブリッジが分離する。
「メガロ ユナイト!!」
カイは、まるで十字架に掛けられたかのように腕を広げ、
脚を伸ばす。
纏わり着いてくる、無数のコード。
それによって神経とロボットを接続し、操縦を可能にするのである。
が、そのコードはいろいろなところに絡み付いてくる。
「う、うぅぅ、やぁぁぁん!!」
カイは、悲鳴をあげる。
そのコードは袖やブラウスの隙間から、服の下に入ってきて、
ブラジャーの下から胸に絡み付いてくるわ、スカートの中に入ってくるわ、
ひどいのはパンツの中に入ってくる。
絡み付いてくるコードで手は動かせない。
カイは、コードに抵抗することは出来なかった。
2本のコードが双丘の二つの突起をさがし当て、電流を浴びせかける。
「あぁん!!」
次はカイの蕾だった。
「やぁん!!」
感じるポイントを次々とコードに刺激されるカイ。
必死に堪えるが、とうとうカイはイッてしまっう。
瞬間、途切れる意識。
その間に、ブリッジは分子分裂を繰り返し両腕と頭を形成し
ロボットの形を形成していた。
そして、絡みつかれてから意識が戻った時には巨大ロボが完成していた。
神経が接続されて、自分の体がロボットとなったような感触。
「フェニックスクイーン!!」
彼女は叫びを上げる。気合のようなものである。

553:巨大戦艦ロボの憂鬱 前編
08/08/28 14:45:24 MjR7mCqj
ロボットから入る情報は、全部脳に直接入る。
自分の体の感覚ではなく、ロボットの感覚を直接感じる。
指を握ろうと思えば、自分の指ではなくロボットの指を動かすことになる。
そんな状態。
確かにこの状態だとロボットは簡単に動かせる。
操作は非常に簡単だ。
だが、その方法には一つ致命的な欠点があった。
ロボットは服を着てない。
無論、デザインは恥じるようなデザインではなくかなりカッコいい。
だが、ロボットと感覚を共有しているカイにとっては、
町中の人に裸を見られているような感覚がするのである。
「うっ、うぅ…。」
野ざらしの、ロボットのボディ。
冷たい風が、装甲を刺激する。
それは、感覚を共有する少女にとっては一糸纏わぬ、乙女の柔肌が
風に、曝されてるのと同義だった。
年頃の女の子には耐え難い感触だ。
今すぐにでも、おっぱいとあそこを隠したい。
だが、そんなことをしたら情けないロボットだとテレビで報道されてしまう。
それだけならいいが、ナオ君も見ているのある。
ナオ君とは、カイの幼馴染でカイが想いをよせる男の子である。
ナオ君は、このロボットのファンだ。
もし、胸や股間を隠そうとしたらガッカリするだろう。
それだけならまだいい。正体がそこからバレたりしたら、大変なことになる。
そしてナオ君は毎回、校舎の屋上にいるのである。
恐る恐る、校舎の屋上を見るとナオ君はカメラを持ってそこに立っていた。
彼に悪気はないのだろう。巨大ロボの勇士を写真に収めたいだけなんだから。
だが、それは彼女にとっては一糸纏わぬ姿を写真に収められることと同義である。
聞こえるわけがないが、カシャっとシャッターの切る音が聞こえたような気がする。
それは、彼女の羞恥をくすぐるのに十分だった。
「うっ、うぅぅぅ…。」
この地獄から開放されるには、悪の火星人を倒すしかない。
彼女は、そしてクイーンフェニックスは、敵に勇ましく向かっていった。
羞恥と戦いながら。

投下終了です。
魔法戦士の話、ストリップの際どさがいいですね。
それでは後半もお楽しみに。

554:巨大戦艦ロボの憂鬱 前編
08/08/28 15:10:47 MjR7mCqj
参考動画

URLリンク(www.nicovideo.jp)

555:名無しさん@ピンキー
08/08/28 19:57:29 c6KskuxM
>>548
これはすごい辱めだよね。
男だって街中で下半身ブリーフ一丁は恥ずかしいからね。
ましてはそれが、花も恥じらう乙女が下半身パンティ丸出しときた日にはもう、比べ物にならない恥辱ですね。
たっぷりと記録させてもらってますよ~
リリーの薄桃パンティと、シュガーの純白のパンティと、二人の恥じらい染まる表情。

>>553
カイの恥じらいが素敵ですね。
外からはなんとも思われてないのに、自分でどんどん恥ずかしいと思い込んでしまう様が素敵です。


556:名無しさん@ピンキー
08/08/29 14:58:11 zNVB3RXE
>>548
>>553
GJ!続きにも期待

557:名無しさん@ピンキー
08/08/29 20:54:19 a8VXhjSH
>>552
GJ!
んが!面白いんだがロボ物ならパイロットはピッチリスーツだろ?
なあそうじゃないのか?!



とスマン興奮してしまったな。
しかしロボ物の女パイロットがレオタになりはじめたのってどこら辺りなのかな?
マジンガーのヒロインが原点だとして、グッドモーニングアルテア辺りにはもうピッチリスーツだったよな?

558:名無しさん@ピンキー
08/08/30 00:42:09 YcdMW76k
>548
強制ストリップ114114でGJ!
>552
なんとなくマップスって漫画を思い出したぜよGJ!

559:鷹
08/08/31 16:28:28 h4Mvl1Tg
今月ラストの投下、五回目いきます。

・元ネタは魔法戦士シンフォニックナイツ
・空気を読むのに定評のある下魔

560:ジャミング(5)
08/08/31 16:32:16 h4Mvl1Tg
「そ、そんな……バックアップが遮断されるなんて……」
「な、菜々芭ちゃん、どうにか回復することはできないの?」
「無理です。恐らくはファルケの仕業だとは思いますが、機能が低下した今の状態では分析すらままなりません!
 それどころか、基地との通信すら遮断され……八方ふさがりです」
「そんなっ……」

戦いのさなか、どうにか状況を覆すべく挽回の方法を話し合うシンフォニックナイツ。
リンク率の50%ダウンはそのまま保有する戦力の50%ダウンを意味する。
下魔との元々のスペック差を考えると、今だ魔法戦士のほうが有利ではあるのだが、状況は悪化の一途を辿っていた。
如何に戦闘力が上回っているといっても、急に半分に落とされた力では今までとは同じように戦えるはずもない。
一撃で倒せていたはずの敵に、二撃、三撃の攻撃が必要となったのだから。
また、低下したのは攻撃力だけではない。
防御力、身体能力、魔力……魔法戦士として戦うための全ての能力がスーツの消失と共に低下しているのだ。
加えて、肌の露出による年頃の乙女特有の恥じらいが戦闘へ臨む意識をかき乱してしまう。

「ギグアアアッ!」
「くっ……ヤッ、ハッ、タァッ!」

魔物の爪をすんでのところでかわし、リリーはレイピアを振るう。
一撃で駄目なのは既に承知の上なので数でそれを補おうという至極当たり前の戦術だった。
しかしその動きは華麗さこそそのままではあったが、明らかに動作速度が落ちている。
周囲で観戦している男たちにもそれは明確に理解できていた。
そして、動きが鈍ったということは魔法戦士たちの絵が捉え易くなった事を意味する。
躍動する乙女たちの一瞬が、次々と無責任な男たちの手によって画像として切り取られていく。

「すげえ、こんなのが撮れるなんて……」
「俺なんかビデオ用意してきたからな、一部始終はバッチリだぜ!」
「俺のデジカメはズーム機能があるから胸の谷間まで精密に映せるんだ。しかし、シンフォニックリリーはおっぱいでかいなぁ」
「ああ、Dは絶対あるぜ。彼女が動くたびにぶるんぶるん揺れるのがたまらねえ……」

正義のヒロインの強制ストリップという思わぬ艶姿の披露に、男たちはやんややんやの大騒ぎだ。
元より、魔法戦士の存在は初代魔法戦士であるスイートナイツの頃から噂になっていた。
だが、実際に魔法戦士を目撃できたものは少ない。
彼女たちは行動範囲が狭く、一般人はできるだけ巻き込まないように戦っているためだ。
特にシンフォニックナイツの場合、ミネルヴァ・ガードの力を使って情報・交通規制まで行っている。
噂レベルでの存在は確認されても、実物を見ることのできる人間は皆無に等しかったのだ。
しかし今、彼らの目の前では噂だけの存在であった魔法戦士が戦っている。
それも彼女らは噂にたがわぬ美少女たちで、魔法戦士の名前通り魔法を駆使していた。
これだけでも男たちからすれば垂涎ものだというのに、更に眼前で繰り広げられているのは半裸に剥かれて戦う少女たちの姿。
これで興奮するな、注目するなというほうが無茶な注文であった。

561:ジャミング(5)
08/08/31 16:35:25 h4Mvl1Tg
「いやっ……見ないでくださいっ……」

だが見られている莉々奈からすれば、男たちの言動は正視に耐えられるものではなかった。
異性の淫らな視線が自分に寄せられている。
そう自覚するだけで肌が火であぶられたように熱くなってしまう。
心優しい少女からすれば、恥ずかしいと思うことはあっても彼らを恨むようなことはできなかった。
ひょっとしたら、ファルケに操られているだけかもしれないのだ。
人の心を純粋に信じるが故に、リリーは男たちに嫌悪を感じることは出来ない。
だがそれは男たちにとって、そしてファルケにとっては好都合なことだ。
恥ずかしい格好をどうすることもできず、ただ目の前の敵と戦うしかない美少女戦士。
それは最高の被写体であり、狙い通りの結果なのだから。

「やぁッ! ふっ……たぁっ!」

レイピアを振るうたび、回避のステップを踏むたびに今だスーツに包まれた大きめの双乳が弾む。
魔法戦士のスーツは体にフィットする形になっているため、激しく動き回れば当然胸は揺れてしまう。
更に、今現在リリーの上着は消失し、胸元のリボンも消えてしまっている。
胸に残されているのはピッタリと肌に張り付くように身に着けられた青のスーツだけ。
そのスーツですら、胸元を強調するようなデザインが乳房の柔肌を三分の一ほど露出させている。
いわば、今のリリーの胸元はバニーガールのそれに近い。
それによって今まで注目を集めるほどには目立っていなかった胸部が男たちの目を集め始めてしまったのだ。

(お、お願い……胸、揺れないで……ッ)

自分の胸が見せる淫らな動きに莉々奈は頬を染める。
女性としては魅力的ともいえる豊かなバストが今、男の衆目を集めている。
それはグラビアアイドルでもない莉々奈にとってはとてつもない恥辱だった。
どんなにそのまま動かないでいて欲しいと願っていても、たっぷりと実の詰まった乳房は動きと共に上下左右に揺れ動いてしまう。
恥ずかしいのは胸だけではない。
依然として下着を曝け出されたままの下半身も羞恥の対象だった。
大事な部分は見えていないとはいえ、下着を光の下で晒しながら動き回るなど少女にとっては苦行にも等しい。
どうにか下着を隠そうと内股になってしまうが、下魔の猛攻を前にそんな儚い抵抗など続けられるはずがない。
足を動かすたびに自然と足が開き、腰がくねり、薄桃色のパンティが衆目に晒される。
そして莉々奈は気がついていなかったが、彼女の下着は淫らな変化を見せ始めていた。
度重なる激しい動きと、運動による発汗。
それによって、自然とパンティが水分を吸って縮み、肌に張り付き、激しい動作によって捩れていく。
ただでさえ小さめだった布地はピッタリと股間に張り付き、柔らかな恥丘の膨らみを、その中央のすじをくっきりと浮かせ始める。
また、後ろのほうもやや食い込み気味に縮んだ布地がお尻の割れ目を官能的に見せていた。

「うは……すげえエロい……」
「来てよかったぁ」

562:ジャミング(5)
08/08/31 16:37:47 h4Mvl1Tg
双眼鏡、あるいはズーム機能を持つ記憶媒体を持っている男たちのうっとりしたような声が小さく響いた。
目には見えない淫気が場に広がっていく。
下魔たちは自分たちが好む空気が流れていることに歓喜し、活力をみなぎらせる。
対して、純情可憐な乙女たちはその空気に戸惑うほかない。

「――バスター・フレイムッ!」

必殺の魔法がレイピアの剣撃で弱っていた下魔の一体を飲み込んだ。
多少魔法の威力が下がっていようとも、これには下魔も堪らずその身を塵に帰していく。
莉々奈は生命を殺めたことに悲しみを覚え、それでも今が戦闘中であるがゆえに再び剣を構えた。

(あと、五体……問題は、ファルケと上魔)

宣言通り、下魔たちが周囲の人間を襲うことも人質に使うこともないため、今のところはシンフォニックナイツ側に優位な状況だった。
しかし肌を大きく露出したままの戦いは依然として慣れない。
そんな場合ではないと頭では分かっていても、乙女の恥じらいはどうしても言うことを聞いてくれないのだ。
だが、そんなことを言っていられるものあと僅かであろう。
下魔だけならばともかく、ファルケと上魔が加われば間違いなく不利になるのは自分たちだ。
普段ならばこちらのほうが戦力的には有利だが、今はスーツの機能が低下している。
今のまま戦闘になれば、スペック的には五分、あるいは負けている可能性が高い。
いつ彼らが戦闘に参入してくるかは不明だが、そうなった場合には苦戦は免れない。
目の前の下魔、周囲の視線、そしてファルケたちの動向。
三方向に気を配らざるを得ないシンフォニックリリーの精神力は、徐々に消耗していた。

「ククク……苦戦しているようだね、シンフォニックリリー」
「ファルケ…!」

そして遂に司令官であるファルケが動いた。
隣にいたヘルメをシュガーのほうへと向かわせ、自身はリリーと対峙する。
リリーのみならず、周囲の男たちもボスらしき男の出現に総じて息を呑む。

「色っぽい格好だね」
「す、好きでこんなはしたない格好をしているわけではありません! ファルケ、一体私たちに何をしたのですか!」
「聞かれてそう簡単に答えるとでも? それに、もう大体当たりはついているんじゃないのかな?」
「……卑怯です! こんなことをせずに、正々堂々と」
「戦えって? おいおい、俺は君がいうところの悪だぞ? 悪人が正々堂々と戦ってどうするよ」

やれやれ、と肩をすくめ半裸の肢体を見つめてくるファルケに、リリーは思わず身体を両手で覆ってしまう。

「くっ……お、女の子をこんな格好にして、こんなこと、恥ずかしくないのですか!?」
「恥ずかしいのは君たちのほうだろう? それにしても扇情的な格好だ。思わず俺も興奮しちゃって……ほら」

563:ジャミング(5)
08/08/31 16:39:46 h4Mvl1Tg
スキンスーツの下腹部を指さし、ファルケは自身の猛りを莉々奈に見せ付ける。
男性の勃起した象徴を思わず目にしてしまった正義の少女は、戦場にいるというのに反射的に恥ずかしさから眼をそらしてしまう。

「……っ!? そ、そんなもの、見せないでください!」
「そんなものとは失礼だね。大体、君のような美少女がそんな姿を晒しているというのに、こうならないほうがおかしいさ」

なあ、と同意を求めるようにファルケは周囲の男たちへと視線を向ける。
男たちは頷きこそしなかったものの、皆一様に下半身を隠すように腰を引かせた。
それは彼らがファルケと同じく勃起をしてしまっているという証拠だ。

「な……そんな、皆さんが私の姿を見て……う、嘘です!」
「信じたくなければそれでもいいさ。でも一応言っておくけど、彼らにはなんの魔法も使ってない」
「し、信じられません……!」

否定の言葉を口にするも、その声は震えてしまっていた。
こうして明確に男の欲望を突きつけられてしまうのは清純な魔法戦士にとって毒でしかなかった。
守るべき市民たちのドス黒い欲望を目の当たりにし、動揺に瞳が揺れる。
しかしそんな魔法戦士の少女の心の乱れを意に介さず、ファルケは更なる恥辱を少女に与えるべく手をかざした。

「さて、次はどちらがいい? 上半身かい? それも下半身かい? 好きなほうを選ぶといい」

自分へと差し向けられた男の掌に莉々奈の身体がビクリと震える。
ファルケが言っているのは、間違いなく例のスーツ消失の力についてだ。
つまり、彼は半裸では飽き足らず、完全に自分を裸に剥いてしまうつもりなのだ。

(そんな……これ以上脱がされたら、もう……)

動揺を隠すようにレイピアを構えるが、無意識のうちに胸と股間を庇うようなへっぴり腰になってしまう。
リンク遮断を防ぐ方法が現状で存在しない以上、ファルケの行動を止める方法はない。
唯一あるとすれば目の前の敵を倒すことなのだが、力を使わせる間もなく倒すのは不可能といっていい。
それでも、リリーは一縷の望みを託してレイピアを大きく振りかぶった。
一撃必殺、選択肢はそれしかない。

「ジャミング」

だが、シンフォニックリリーが動き出すよりも早くその言葉は紡がれてしまった。
魔法の発動と共に、不可視の力がリリーと基地のバックアップを遮断しようと展開を始める。
パァッ――
胸元が光るのを感知するが、リリーにそれをどうにかする方法はなかった。
上半身を覆っていた青のスーツが、光の粒子となって消えていく。

564:ジャミング(5)
08/08/31 16:42:52 h4Mvl1Tg
ぷるん、と白光の下に何一つ覆い隠すものがなくなった生乳が晒された。
標準よりも明らかに大きめな二つの果実がその大きさを誇るように上下に揺れる。
覆うものがなくなったにもかかわらず、型崩れせずにツンと整ったまま少女の母性の象徴が男たちの目に晒された。
乳房の中央では、フレッシュピンクの蕾が外気に怯えるようにぴくんと震えていた。

『うおおおおおおっ!!』
「あっ――きゃ、きゃあああああッ!!」

男たちの地が震えるほどの歓声が場に轟く。
莉々奈は振り上げていた両腕を下ろし、胸元をかき抱くようにして隠し、ぺたんとしゃがみこむ。

「見たか今の!?」
「見た見た、生オッパイとか始めてみたよ俺!」
「やべえ、もうここでオナニーしてぇ……」
「だ、だめっ……こっちを、こっちを見ないでください!」

男たちの視線に怯えるように両腕をぎゅうっと硬く組み合わせるシンフォニックリリー。
だがその行動は男たちの更なる興奮を呼ぶことになる。
少女の細腕では豊かに実った乳房全てを覆い隠すことはできない。
押し付けられた腕のすぐ傍からは胸肉がむにゅっとはみ出てしまうのだ。
更に、組まれた腕の中央では寄せるような形になっている胸の谷間がクッキリと見えてしまう。
依然ライトは光量を全開にして稼動しているため、そんな少女の艶姿は衆目の前に露わになっていた。

(や…ン……ッ! ファルケや、男の人に私の胸が見られて……ッ!?)

恥ずかしさに震える魔法戦士だが、敵は待ってなどくれなかった。
いつの間にか背後に忍び寄っていた下魔の一体が大きく腕を振りかぶっている。
空気を切り裂く音に、莉々奈は反射的に身を横へと投げ出していた。

「キャッ!」

ごろごろと地面を転がるように怪異の攻撃を回避するシンフォニックリリー。
だが続けざまに他の下魔が窮地の魔法戦士に襲い掛かる。

「くうっ……あッ!?」

なんとかレイピアで応戦するものの、更なるリンク率の低下によって戦闘力が下がっていたため、思うように防御ができない。
胸を隠すように構えていたレイピアが腕ごと弾き飛ばされ、再び隠すもののなくなった柔胸が曝け出されてしまう。
ぷるるんっ、と反動で裸の胸が揺れ弾む。
だが既に、再びそれを両手で隠す余裕など莉々奈にはなかった。

565:ジャミング(5)
08/08/31 16:44:37 h4Mvl1Tg
以上です。
次回はシュガーサイド。

566:名無しさん@ピンキー
08/08/31 17:06:41 oi2b8g/5
とってもGJ!!
生乳を隠してる女の子って凄く興奮する!

567:名無しさん@ピンキー
08/08/31 17:37:33 AZ68OiMm
>>565
GJ!



いやコードギアス見るの優先したが、今日は良いもの見れたわw
今月はお疲れ様でした~

568:名無しさん@ピンキー
08/09/02 00:32:11 IrD5Hqcy
>>565
期待

569:名無しさん@ピンキー
08/09/03 00:56:25 MTAClD7X
GJ!続きに期待

570:名無しさん@ピンキー
08/09/03 18:48:17 w+O9uFBH
>>552-553
かなり好みのシチュエーションだ。
体の感覚が完全にロボット化してるのが良い。

以前ロボに融合したまま犯されるSSを読んだことがあるけど、
こういうのが好きな人っているんだろうか

571:鷹
08/09/05 09:02:10 kY49LZTM
今月初投下、六回目いきます。

・元ネタは魔法戦士シンフォニックナイツ
・魔法戦士シリーズではシンフォニックシュガーが一番好みの作者
・でもその大半のエロがリリー絡みであることに憤りを覚えざるを得ない

572:ジャミング(6)
08/09/05 09:04:03 kY49LZTM
「フローティング・ハンマー!」

主の指示に従って二つのボールが下魔を襲う。
威力こそ通常時よりは落ちるものの、的確に急所を突いた一撃が目の前にいた魔物を沈黙させる。
シンフォニックシュガーは対象の戦闘不能を確認すると、すぐさま安全圏へと離脱。
残りの下魔を油断なく見据えながら相棒の様子を探る。

(莉々奈さん、苦戦してる……早く、助けに行かないと…!)

基本的な戦闘力はリリーよりも低いシュガーだが、スーツ消失による戦闘力の低下状態においては彼女のほうが上手い戦いを見せていた。
元々、シュガーは計算やデータによって戦う理詰め型の戦闘スタイルだ。
リリーが恵まれた戦闘センスで押すのに対し、彼女は弱点や一瞬の隙を突く効率タイプ。
それゆえに戦闘力低下による動揺も少なく、また力が落ちているならそれなりの戦い方を瞬時に選択できる頭脳を持っている。
だからこそ、小柄な魔法戦士はリリーほどの苦戦は強いられてはいなかった。
しかし――

「頑張れ、シュガーちゃぁんっ」
「あ、こっち向いて! ここからじゃあお尻しか取れないよ」
「それにしても可愛いなぁ、俺一目でファンになっちゃったよ」

時折聞こえてくる周囲の声が善戦していた菜々芭の動きを鈍らせてしまう。
莉々奈と比べ、菜々芭は他人に注目されることに慣れていない。
幼少の頃から向けられる視線といえば自身の才能に対する羨望や嫉妬、あるいはそれを利用しようとする醜い欲望ばかり。
そこに甘樹菜々芭という一人の女の子を見てくれる人間はいなかった。
そう、莉々奈と出会うまでは。

「み、皆さん。危ない……ですっ! 避難を……」

動きの鈍った魔法戦士を二体の下魔が左右から挟み撃ちにする。
これにはシュガーも回避で手一杯になるしかない。
なんとか襲い来る魔手をかわしながら、少女は懸命に避難を呼びかける。
だが男から返ってくる返事は自分に対する声援ばかり。
どうして危険だということを理解してくれないのか。
物事を論理的に考えてしまう菜々芭は周囲の男たちの無知ぶりが理解できない。
それだけではない。
彼らはどういうことか、自分を性欲の対象として見て来るのだ。
これが莉々奈だというなら話は分かる。
彼女は美人で、プロポーションも抜群。
男が目を引かれてしまうのも無理はない。
だが、それに対して自分は背も小さく、肉付きもよくないし胸は控えめでお尻も大きくはない。
なのにどうして彼らは自分をあのようないやらしい視線で見つめてくるのか。

573:ジャミング(6)
08/09/05 09:06:47 kY49LZTM
想像だにしていなかった状況に混乱する菜々芭。
だが男たちからしてみれば、菜々芭は十分な美少女であり、被写体としては申し分ない。
確かにリリーと比べれば女性としての魅力は乏しいかもしれないが、未成熟な外見ゆえの魅力というものがある。
小さい胸も、ほっそりとした体躯も、どこか庇護欲をそそる雰囲気も男たちから見れば魅力的に映るのだ。

「ああっ……お尻、撮らないで……カメラ、向けないで、ください……ッ」

無数のシャッター音を聴覚が捕らえるたびに、小柄な魔法戦士の頬が赤みに染まる。
理由が分からなくとも、一人の女の子である以上自分のはしたない姿を見られて平気でいられるはずがない。
感情をコントロールして、意識しまいとしていた羞恥心が徐々に少女の心の中で首をもたげてくる。

(いけない……これでは、ファルケの思う壺、なのに…)

意識が散り、それに伴って動きが更に鈍っていく。
こうなってしまうと元々運動能力の低い菜々芭は防戦一方だった。
余裕を持ってかわせていたはずの攻撃が、すんでのところでしかかわせなくなってしまう。
地面を転がり、ステップを大きくするなど大げさな動きを多用せざるを得なくなるシンフォニックシュガー。
しかしそれは周囲を観戦者たちにはごちそうだった。
何せ魔法戦士が動けば動くほど彼らのシャッターチャンスは多くなっていくのだから。
ストッキングに包まれたお尻が可愛くぷりっと弾み、その下の下着がクッキリと浮かび上がっていく。
小ぶりな二つの柔胸が、健気に右へ左へとぷるぷると揺れる。
そのたびにフラッシュが走り、少女の恥態がメモリーに収められていってしまう。

「もっとこっちにお尻突き出してくれないかなぁ」
「けどあの格好ヤバクネ? 黒ストだぜ黒スト。あのロリな身体であれは反則だよな」
「うむ、しかもあのすぐ上にチラリと見えるおへそがまたアンバランスでいいな。マニアックなエロスが……」

好き勝手に自分の姿を批評する男たちにシュガーは頬を染めることしか出来ない。
今の自分の格好は確かに扇情的だった。
透けるほどの白い肌が、ライトに照らされて幻想的に照らされている。
下はスカートを消され、ストッキングとその下の下着が大事な部分を守るのみ。
上は青のスーツが今だ健在ではあるものの、その上に羽織っていた白のガウンは消えている。
肩から二の腕にかけては素肌が完全に露出してしまい、やや寂しめの胸元も上部が見えてしまっていた。
ストッキングのすぐ上の部分も消えてしまっているため、可愛らしくちょこんと鎮座した小さなおへそも丸見えだ。
莉々奈と比べれば露出はまだ少ないほうだが、恥ずかしい姿であることには変わりはない。

(ダメ……! 莉々奈さんだって、戦っているのに……私だけ恥ずかしがっているなんて……)

なんとか爪の一撃をかわし、下魔の懐に潜ったシュガーはこの好機を逃さないとばかりに攻撃を相手の鳩尾に打ち込む。
急所への一撃に苦しげな表情を浮かべる下魔。
このままトドメを――!
菜々芭は魔力を掌に集め始める。

574:ジャミング(6)
08/09/05 09:09:20 kY49LZTM
「フロ――!?」

必殺の一撃が放たれようとしたその瞬間。
背後に下魔を遥かに上回る魔力反応が発生した。
咄嗟に顔を後ろに向けるシンフォニックシュガー。
だが、それよりも早く背後の存在――ヘルメは行動を起こす。
ツゥッ、フゥゥッ……

「ひあああぁぁッ!?」

ゾクゾクゾクッ!
背中を指でなぞられ、耳に吐息を吹き込まれる感触が魔法戦士を襲った。
集中の高まっていた身体は敏感に反応し、背筋をビクンッと震わせる。
当然打ち放たれようとしていた必殺技は集中を乱されてキャンセルさせられてしまう。

「ほら、逃げるんだ」

攻撃がこないと見てとった下魔がヘルメの声を受けて慌てて後退する。
シュガーはハッと我に返るも後の祭りだった。
しかし至近距離に敵がいることには変わりはない。
華奢な細腕が人間に化けた上魔を振り払うべく振るわれる。
だが、スーツの機能が半分以下に低下した状態でのその一撃はあっさりと受け止められてしまう。

「くっ……」
「全く、危ないですね。こんなに細い腕を無闇に振るって、怪我でもしたらどうするのです?」

ねろぉ…
手袋に包まれた手をヘルメの舌が伝う。

「ひっ……は、離してッ!」

自分の手を這う生暖かい感触に、シュガーは嫌悪感を露わにする。
拘束を渾身の力で振り払い、小柄な魔法戦士は舐められた手を押さえながらすかさず距離をとった。

(いけない……上魔に参戦されると、圧倒的にこちらが不利になってしまう…!)

ニヤニヤとこちらを見やってくる上魔に警戒を向けながら、シュガーは懸命にこれからの戦闘の方策を考える。
自分のほうに回ってきている下魔は二体。
しかし今それに加えて指揮官である上魔が加わってしまった。
リリーと協力すればどうにかなるのだが、彼女とは分断されてしまっている状態だ。
なんとか、リリーと合流しなければ……

575:ジャミング(6)
08/09/05 09:11:27 kY49LZTM
『うおおおおおおっ!!』
「あっ――きゃ、きゃあああああッ!!」

視線を敵に向けながらも、リリーの気配を探ろうとしたその刹那。
頭に思い浮かべていた凛々しい親友の悲鳴と男たちの歓声が菜々芭の耳を貫いた。
慌てて視線を声の方向へと向けてみれば、莉々奈が剥きだしにされた胸を押さえながら蹲っている。

「莉々奈さんっ!!」

また例の力を受けてしまったのか。
助けなければ――!
自分のおかれた状況を忘れてシュガーは仲間を助けるべく身体の向きを変える。
だが、その行く手を遮るように二体の下魔が回り込み、進路を妨害する動きを見せる。

「そこを……通してっ!」

仲間を想うが故にシュガーは彼女らしからぬ直情的な思考でまっすぐに下魔たちに突っ込んでいく。
だがフェイントも戦術計算もなされていない動きでは統率の取れた下魔たちには通用しない。
スーツの消失で戦闘力が落ちているのならば尚更だ。
案の定、蹴散らすつもりで突っ込んだシュガーは、逆に攻撃を跳ね返されて後方に吹き飛ばされ尻餅をつかされてしまう。

「あう…ッ」
「ふふふ、仲間を心配するあまりに冷静を欠く。正義の魔法戦士としてはそれは正しい行動なのでしょうが……」
「そこを、どきなさいッ!」
「おお怖い。しかしどくわけにはいきませんよ、通るなら実力で……まあ、それができれば、の話ですがね」

上魔の掌がゆっくりと倒れこんだシュガーに差し向けられる。
M字に脚を開き、お尻を地面につけたこの状況では攻撃はかわせない。
そう判断した魔法戦士の少女は両手を前にかざして防御体勢をとる。

「フフフ……心配しなくとも、これは攻撃魔法ではありませんよ」
「え――」
「もっとも、これはある意味では攻撃魔法なんでしょうけどねぇ」

含み笑いをしながらヘルメはチラリとリリーのいる方へと視線を向ける。

「あ……っ?」

その視線の意味を悟ったシュガーは狼狽の声を上げた。
そう、今から放たれるのは攻撃魔法ではない。
今現在自分たちを恥辱に追い込んでいるリンク遮断魔法――それが使われようとしているのだ。

576:ジャミング(6)
08/09/05 09:13:08 kY49LZTM
「だ、だめ……ッ」

咄嗟に胸元を隠すように菜々芭は両手をクロスさせる。
だがそんな儚い抵抗もむなしく、上魔の魔法が発動した。
―パァァッ!
光の粒子がシュガーの身体から飛び去っていく。

「や、あ、えっ……!?」

しかし予想に反して胸元を覆っていたスーツは未だにその姿を留めていた。
下半身を覆う黒のストッキングも無事だ。

(失敗…?)

変わらぬスーツを怪訝に思うものの、更なる脱衣から逃れた安堵に菜々芭は思わずほっと息を吐く。
だが、どこか違和感があった。
脱がされていないはずなのに、やけに腰の辺りがすーすーするのだ。
それに、敵の反応もおかしい。
魔法を失敗したはずなのに、目の前の上魔は全く動揺していない。

(いったい、どう――!?)

その時、ひゅうっと一陣のそよ風が菜々芭の身体を通り抜けた。
冷たい夜風が薄い黒生地に包まれた下半身を叩く。
そして気がついた。
黒の網目を抜けた先、その奥で自分の大切な部分を守っているはずの布の感触がないことに。

「ま、まさか……っ!?」
「上を消すと思いましたか? 残念……私はね、少し天邪鬼なのですよ」
「や、やああぁぁッ……!」

クイ、とヘルメが眼鏡を上げるのと同時に菜々芭は開いていた両脚を勢いよく閉じる。
そう、ジャミングによって消失したのは下着。
ストッキングの下に穿いていた純白のパンティだったのだ。

(し、下着がないまま足を開いていたなんて…)

少女の頬が真っ赤に染まった。
気がつかなかったとはいえ、衆人環視の中で下着のない股間を見せるような格好をしていたという事実が菜々芭の羞恥を掻き立てる。
地面と接しているお尻がアスファルトの温度をひんやりと伝えてくることで、よりいっそう下着の消失を認識させられてしまう。

577:ジャミング(6)
08/09/05 09:15:00 kY49LZTM
「し、下着を消すなんて……どういうつもり、ですか……!」
「どういうつもりもなにも、そっちのほうがエッチではないですか」
「へ、変態……ッ」

敵意を込めた眼光を上魔に送るも、その視線は微かに揺れている。
未だ下半身を覆っている衣服はあるとはいえ、ストッキングは下着ではない。
例え上にまだ隠すものがあるとわかっていても、下着がないという事実は菜々芭の冷静さにヒビを入れていた。

(うう……っ、すーすーしてしまいます……恥ずかしい…)

よろよろと頼りなく立ち上がったシンフォニックシュガーだったが、その姿勢は戦士のそれではなかった。
余程股間が気になるのか、両腕を手に持ったボールごと前と後ろに回し、股間とお尻を覆い隠す。
膝をかがめ、中腰になったその姿勢は明らかに隙だらけだった。
当然それを見逃さなかった下魔は猛然と少女に襲い掛かる。

「うぁっ……く!」

両手を前後に回したまま、シュガーはなんとか後方にジャンプしてその攻撃をかわす。
だが下魔はそれを追い、執拗に攻撃を仕掛ける。
これには菜々芭も迎撃に両手を使わざるを得ず、お尻に回していた右手を引き剥がすように前に持ってきて応戦を始めた。

(お願い、気がつかないで……ッ)

まだ周囲の男たちには下着が消えたことは気がつかれていないはず。
気づかれてしまえば、恥ずかしさは倍増してしまう。
菜々芭はその恐怖に、時折チラチラと自分の下半身に目を向けながら注意散漫な攻防を繰り広げる。
だが、そんなあからさまな態度が彼女に注目を送る男たちに気づかれないはずもなく。

「おい、シュガーちゃんの様子がおかしくないか?」
「ああ、転ばされてピンチになったと思ったら、敵の奴は何もしなかったし…」
「なんかしきりに下のほうを気にしてるよな?」
「……!! だ、だめッ!」

耳に流れてくる男たちの会話に、シュガーは心臓の鼓動を早めてしまう。
しかしそこを隠そうにも、交互に襲い掛かってくる下魔たちがそれを許してはくれない。
せめてもの抵抗と内股気味に足を運ぶも、頭上のライトは容赦なく回避に突き出された少女のお尻を照らし出した。

「あ、わかった! シュガーのパンツが消えてるんだ!」
「なに、ノーパン!? マジかよ!?」
「間違いない、さっきまであった下着のラインが消えてる!」

578:ジャミング(6)
08/09/05 09:17:24 kY49LZTM
「ち、違います! そんなこと、ありません!」

男たちの推測を否定するように少女は必死に叫ぶ。
だが顔を真っ赤にして否定すればするほど彼らの推測は確信を帯びていく。
これが夜の暗闇の下であればまだ隠し通せたかもしれない。
だが、今のシュガーの姿はビルの屋上からのサーチライトによって鮮明に映し出されている。
これでは黒のパンストも用を成さず、その下の肌をうっすらと透けさせてしまっていた。

「い、いやッ……見ないでください! こんな、私の一番恥ずかしいところ……見られたく、ないです……」

かすれるような声で哀願するも、その声は男たちの興奮をよりいっそう煽るものでしかなかった。
魔法戦士の下半身を覆うのは黒のストッキングのみ。
剥き出しにはなっていないものの、極薄の生地だからこそのフィット感が少女の下半身を淫らに演出する。
白光の下に照らし出された黒の下で、お尻のラインが精細にクッキリと浮かびあがっていく。
足の付け根も、ふっくらとした恥丘がうっすらと浮かび上がり、その中央ではあるかなきかの割れ目が見えた。
なまじ裸であるよりも扇情的な姿にされたシュガーは、視線から逃れようと懸命に腰を振りたくる。
だが、その動きが男の視線を更に誘ってしまっているという事実に少女は気がつかない。

「グアアッ!」
「くうッ!」

頭上から振り下ろされた爪牙をシュガーは両手のボールで受け止めた。
両脚が地面にめり込みそうなほどの一撃を全力で耐える。
両腕が力比べにぶるぶると震え、両脚は力を込めるために大きく開いてしまう。
パシャ! カシャパシャッ!
その絶好のタイミングを逃さないとばかりに男たちのカメラが唸りを上げて少女の恥態を収める。
震えるお尻が、クッキリと割れたお尻と股間の割れ目が男たちによって記録されていく。

(いや……私の、大切なところ……撮られています……こんなの、こんなことって)

思わず股間を隠したくなるが、両手は塞がっているため使えない。
均衡状態を保つためには、今の体勢を崩すわけにはいかないのだ。
だがそれはあくまで一対一の時の話だ。
こちらがが動けないと見るや、もう一体の下魔を従えたヘルメがゆっくりと近寄ってくるのをシュガーの目は捉えた。

「こ、来ないでください……!」
「フフ、いい格好ですねシンフォニックシュガー。ですが……もっと彼らにはサービスをしてあげないと」
「え……ッ、ま、まさか……?」

下魔の爪を受け止めたまま、シュガーは顔を青褪めさせる。
瞬間、ヘルメの手が少女の胸元を指し示し。

579:ジャミング(6)
08/09/05 09:19:55 kY49LZTM
「あ……あ、ああ……ッ」

胸元が光の粒子に包まれていくのを菜々芭は悲痛な声で見るしかなかった。
一瞬後、今度こそ小柄な魔法戦士の胸が露わにされてしまう。

「おっぱいポロリキター!」

ぷるり、と可愛らしく揺れながら現れた二つの膨らみに歓声をあげる男たち。
シャッターチャンスを逃すまいとシャッター音とフラッシュの光が乱れ飛ぶ。
音と光、そして夜風の襲撃に少女の小さく膨らんだ乳房は怯えたように震え、その頂点の桜色の乳首もひくっと反応してしまう。

「や……うあっ!?」

動揺から力を抜いてしまった両手が弾き飛ばされ、そのままタックルを受ける形でシュガーは後ろに倒される。
背中から地面に落ちた少女は、衝撃に顔を顰めながら数度バウンドして動きを停止した。

「く……」

なんとか上半身を持ち上げた菜々芭は酸素を取り入れるべく大きく深呼吸をする。
ダメージはそれほどではないが、打ち付けられた衝撃で息が乱れてしまっていたのだ。
すうっ、はぁっ。
数度の呼吸と共に、胸元のこぶりな膨らみが上下に揺れる。
だがそんなピンチにも関わらず、男たちは口々に好き勝手な感想を喋り始めた。

「貧乳萌え~」
「バカ、微乳といえ微乳と!」
「でも形はいいよな、手にすっぽりと収まりそうだし……ああ、揉みてぇ~」
「あ、ひあっ……!」

男たちの声に、菜々芭は頬を赤らめて胸を隠しながら立ち上がる。
だが胸を隠せば今度は下半身に視線が集まってしまう。
二本の腕では恥ずかしい部分を隠すのにはとても足りない。
シンフォニックシュガーは進退窮まるが、戦闘中という現実は無常にも彼女に思考の暇を与えなかった。
ジリジリとまるで弄るように二体の下魔とヘルメが三方向から距離を詰めてくる。
この状況で、両手を身体を隠すために使うのは自殺行為だ。
菜々芭は込み上げてくる恥ずかしさを堪えながら、ゆっくりと両手を身体から離した。

「おや、自ら手をどけるとは……もしや正義の魔法戦士は露出の趣味が?」

屈辱の言葉が潔癖な少女の耳を貫く。
しかし今更手を元の位置に戻すわけにもいかず、シュガーは恥辱をその半裸姿に纏わせながら攻撃体勢をとるのだった。


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