08/06/10 03:33:38 ZitPaPxC
俺は幼い頃から損な体質だった。
所謂、人に見えないモノが見えるってやつだ。
たいていは害のない朦朧とした奴で怖くもないんだが…一つだけ、俺が物心着いた時からしつこく付け回す、黒い奴だけは例外だ。
そいつは夜だろうと朝だろうと、学校だろうと家だろうと人がいようとお構いなし。
全身真っ黒な体で天井や壁をはい回り、白い顔に洞穴みたいに開いた空洞があるだけの眼腔で、俺を睨み付けるんだ。
そいつは何も言わないが、俺が“見える”のが頗る気に入らないという事は、なぜか確信できた。