ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α7at EROPAROロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α7 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト450:Deus ex machina. 08/04/21 16:48:29 X5C4En9l 学校から世界政府機構への道のりの、丁度途中に位置するコハルの家まで彼女を送るため、メリーのホバーカーは空中道をひた走った。 ハンドルを握りながら、メリーはサエコに重苦しい口調で告げた。 「サエコ、ようやっとセットアップが整ったので報告します」 「あん?」 「貴女に渡した携帯端末に、赤いキーが付いているのは確認しましたか?」 サエコは携帯端末を取り出し、側面に付いている、透明な樹脂カバーで封印された赤いボタンを上から撫でた。 用途が分からなかったので触らなかったが、どうやら長時間のセットアップを要するような大それた機能が付いているらしい。 「そのキーは貴女の身の危険を知らせる為の、非常ボタンです」 「これ押したら助けに来てくれんの?」 「YES。ただし、あくまでも緊急用です。間違っても…」 『不用意に押さないこと』…彼女はそう言おうとしたが、時既に遅し。サエコは何の警戒心も躊躇もなく、樹脂カバーを外して赤いボタンを押し込んだ。 サエコの隣に座っていたコハルが泡を食ったような表情を浮かべるが、サエコ自身は何ら悪びれる様子もなく、平然としている。だがそれも長くは続かなかった。 運転席に座るメリーの頭から『ガギギッ』と、何かが弾ける様なノイズが漏れた方思うと、彼女の瞳が青から血のような赤い色に変色した。 「ん?どしたメリー…みぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 メリーの運転するホバーカーはぐんぐん加速し、その作用でコハルとサエコは後部シートに押し付けられてしまう。 それだけでなく、車体の床から強力なエアクッションが飛び出し、サエコを繭のように覆い尽くして一瞬で身動きを封じてしまった。、 当のメリーは…彼女の思考はサエコの身の危険を意味する信号を察知した途端、最上位危険レベルに達していた。 それはつまり『不確定要因によって危機に瀕したサエコの生命を、あらゆる危険から防衛するため、全戦力を持って予想されうる全ての障害を排除し、安全化を図る』という事であった。 メリーは即座に、100Mtクラスの核弾頭が直撃しても耐えられるシェルターの内、最短距離にある入り口の位置をサーチし、他の車列や車両を無視し、ホバーカーの限界速度でもって直線距離を爆走する。 同時に「総力戦」を意味する危険度SSSの緊急コードを使用し、全都市に配備されている全防衛システム…対空機関砲や防空ミサイル、全天候広域レーダーやその他ありとあらゆる機能を全てアクティブにさせてしまう。 都市全土は一瞬にして『臨戦態勢』に移行し、けたたましい警報とサイレン、サーチライトが明滅し、ビルや路上に隠されていた無数の砲台が顔を出し、世界政府機構の危機管理センターはあらゆる状況を想定して防衛体制を構築した。 衛星軌道上では出力50TWの荷電粒子砲や戦術兵器を満載した防衛宇宙ステーションが、地球上外宇宙問わず全ての目標を照準し監視した。 都市に存在するロボット達の殆どは、すぐさま即席の戦闘要員と化し、防護服と強力な自動銃を装備して整列し、メリーか危機管理センターからの反撃命令に備えた。 ホバーカーの進行方向に直径2kmにも及ぶ巨大なドーム状のシェルターが現れ、それの中心がまるで栗のように割れて口をあけると、ホバーカーは減速する事もなく全速力でその中に飛び込んでいった。 シェルターの中はブヨブヨとした衝撃吸収ジェルで満たされており、ホバーカーはその中にドブリと浸かってようやっと停止した。 しかしメリーはそれでも収まらず、ブラスターを引き抜くとサエコをエアクッションから引きずり出し、頭を低くさせてその上に覆いかぶさった。 怯えたコハルは、その光景を隣で震えながら見守るほかなかった。 サエコが何の気なしに“押してみた”キーは、正に『最終戦争』を意味する禁断のスイッチだったのだ。 20分後、メリー達のホバーカーはシェルターのジェルの海から引き上げられ、中にいた三名は無事救出された。 量子コンピューター『リョウコ』の高速大容量演算により、あらゆる可能性を振るいにかけ、緊急信号が『誤報』であると判断された為だ。 サエコはショックで完全に伸びてしまい、ジェル塗れになったコハルは例の如く泣きじゃくっている。 同じく全身ドロドロの様となったメリーを、クスクスと笑いを堪えながら出迎えたのは、政治家ロボットのデックだった。 「…いや、すまない…とんだ災難だったね」 「災難?私は仕事をしたまでだ」 「とにかく、帰ってシャワーを浴びようじゃないか…僕が背中を」 「それ以上喋るな」 デックはメリーの肩に触れようとして、慌てて手を引っ込めた。 彼女の右手には未だ、強力なブラスター銃が握られたままだったからだ。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch